JP6416808B2 - MnZnCo系フェライト - Google Patents
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Description
前記基本成分は、
Fe2O3:52.50mol%以上53.50mol%以下、
ZnO:10.00mol%以上12.50mol%以下、
CoO:0.15mol%以上0.50mol%以下および
MnO:残部
を含み、
前記基本成分に対し、前記副成分は、
SiO2:50mass ppm以上500mass ppm以下、
CaO:200mass ppm以上2000mass ppm以下および
Nb2O5:50mass ppm以上500mass ppm以下を含み、
前記不可避的不純物におけるSrおよびBaをそれぞれ
Sr:10mass ppm以下および
Ba:10mass ppm以下に抑制したことを特徴とするMnZnCo系フェライト。
40℃以上60℃以下での鉄損が、250kW/m3以下であることを特徴とする、上記1に記載のMnZnCo系フェライト。
また、本発明によれば、鉄損極小温度が40〜60℃の温度域にある場合に、鉄損値が従来材に比べて30%程度改善できる。よって、本発明のフェライトを、40〜60℃程度の温度域で使用されるスイッチング電源等のトランスコア材に好適に用いることができる。
Fe2O3は、鉄損の極小温度を40〜60℃の範囲内とするためには、52.50mol%以上とする必要がある。しかし、53.50mol%を超えると、却って、室温付近での鉄損が大きくなり過ぎるため、上限を53.50mol%とする。好ましくは、52.70%以上53.30mol%以下の範囲である。
軟磁性フェライトに求められる磁気特性としては、前述したように、飽和磁束密度が大きいこと、キュリー温度が高いこと、鉄損が小さいことおよび透磁率が高いことが挙げられる。このうち、飽和磁束密度とキュリー温度は、基本成分であるMnO、ZnOおよびFe2O3の比でほぼ決定される。
CoOは透磁率の温度係数を小さくする働きがあるものの、過剰な量を含む場合には、鉄損の温度係数が室温以上で正となることから熱暴走をおこし、さらに、経時変化も大きくなり望ましくない。そのため、0.50mol%を上限とする。また、含有量が少なすぎると、温度係数の改善効果が小さくなり、鉄損値の改善効果も大きくないので、0.15mol%を下限とする。
本発明のフェライトは、MnZnCo系フェライトであり、上記Fe2O3、ZnO、CoO以外の残部の基本成分は、MnOである。
SiO2は、CaOとともに粒界に高抵抗相を形成して、鉄損の低減に寄与する。しかし、添加量が50mass ppm未満では鉄損の低減に対する寄与は小さく、一方、500mass ppmを超えて含有すると、焼結時に異常粒成長を起こして鉄損を大幅に増大させる。したがって、SiO2は、50mass ppm以上500mass ppm以下の範囲で添加する必要がある。異常粒の発生を確実に防止するには50mass ppm以上300mass ppm以下の範囲が好ましい。
CaOも、SiO2と共存した場合、粒界抵抗を高めて低鉄損化に寄与するが、添加量が200mass ppm未満では、その効果は小さく、一方、2000mass ppmより多くなると、鉄損は逆に増大する。したがって、CaOは、200mass ppm以上2000mass ppm以下の範囲で添加する必要がある。より低鉄損を得るためには、200mass ppm以上1500mass ppm以下の範囲が好ましい。
Nb2O5は、SiO2およびCaOの共存下で、比抵抗の増大に有効に寄与するが、含有量が50mass ppmに満たないと、その効果は乏しく、一方、500mass ppmを超えると、逆に鉄損の増大を招く。よって、Nb2O5は、50mass ppm以上500mass ppm以下の範囲で添加する。より低鉄損を得るためには、50mass ppm以上300mass ppm以下の範囲が好ましい。
上記のように、本発明のMnZnCo系フェライトは、基本成分であるFe2O3、ZnO、MnOおよびCoOの組成を上記範囲に制御することに加えて、添加成分としてSiO2、CaOおよびNb2O5を適正量で複合添加することが必要である。加えて、40〜60℃の温度域で、低鉄損を安定して実現するには、不純物成分として含有されるSrおよびBaの含有量を制限することが極めて効果的である。
本発明のMnZnCo系フェライトは、上記基本成分および添加成分以外の残部は、不可避的不純物である。
本発明のMnZnCo系フェライトは、まず基本成分組成が本発明の規定する所定比率となるようFe2O3、ZnO、MnOおよびCoOの粉末原料を秤量し、これらを十分に混合したのち仮焼し、得られた仮焼粉を粉砕する。
その他の製造条件は、MnZnCo系フェライトの一般的な製造方法に従えばよい。
Claims (3)
- 基本成分、副成分、および不可避的不純物からなるMnZnCo系フェライトであって、
前記基本成分は、
Fe2O3:52.50mol%以上53.50mol%以下、
ZnO:10.00mol%以上12.50mol%以下、
CoO:0.15mol%以上0.50mol%以下および
MnO:残部
を含み、
前記基本成分に対し、前記副成分は、
SiO2:50mass ppm以上500mass ppm以下、
CaO:200mass ppm以上2000mass ppm以下および
Nb2O5:50mass ppm以上500mass ppm以下を含み、
前記不可避的不純物におけるSrおよびBaをそれぞれ
Sr:10mass ppm以下および
Ba:10mass ppm以下に抑制したことを特徴とするMnZnCo系フェライト。 - 最大磁束密度200mT、周波数100kHzで測定した鉄損極小温度が、40℃以上60℃以下の範囲にあり、
40℃以上60℃以下での鉄損が、250kW/m3以下であることを特徴とする、請求項1に記載のMnZnCo系フェライト。 - 前記鉄損極小温度での鉄損が、241kW/m3以下であることを特徴とする、請求項2に記載のMnZnCo系フェライト。
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JP2016026279A JP6416808B2 (ja) | 2016-02-15 | 2016-02-15 | MnZnCo系フェライト |
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