以下、本発明による固体撮像素子及び撮像装置について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態による電子カメラ1を模式的に示す概略ブロック図である。
本実施の形態による電子カメラ1は、例えば一眼レフのデジタルカメラとして構成されるが、本発明による撮像装置は、これに限らず、コンパクトカメラなどの他の電子カメラや、携帯電話に搭載された電子カメラや、動画を撮像するビデオカメラ等の電子カメラなどの種々の撮像装置に適用することができる。
電子カメラ1には、撮影レンズ2が装着される。この撮影レンズ2は、レンズ制御部3によってフォーカスや絞りが駆動される。この撮影レンズ2の像空間には、固体撮像素子4の撮像面が配置される。
固体撮像素子4は、撮像制御部5の指令によって駆動され、デジタルの画像信号を出力する。通常の本撮影時(静止画撮影時)などでは、撮像制御部5は、例えば、全画素を同時にリセットするいわゆるグローバルリセット後に、図示しないメカニカルシャッタで露光した後に、所定の読み出し動作を行うように固体撮像素子4を制御する。また、電子ビューファインダーモード時や動画撮影時などでは、撮像制御部5は、例えばいわゆるローリング電子シャッタを行いつつ所定の読み出し動作を行うように固体撮像素子4を制御する。これらのとき、撮像制御部5は、後述するように、ISO感度の設定値に応じて、後述する各動作モードの読み出し動作を行うように、固体撮像素子4を制御する。デジタル信号処理部6は、固体撮像素子4から出力されるデジタルの画像信号に対して、デジタル増幅、色補間処理、ホワイトバランス処理などの画像処理等を行う。デジタル信号処理部6による処理後の画像信号は、メモリ7に一旦蓄積される。メモリ7は、バス8に接続されている。バス8には、レンズ制御部3、撮像制御部5、CPU9、液晶表示パネル等の表示部10、記録部11、画像圧縮部12及び画像処理部13なども接続される。CPU9には、レリーズ釦などの操作部14が接続される。操作部14によって、ISO感度を設定することができるようになっている。記録部11には記録媒体11aが着脱自在に装着される。
電子カメラ1内のCPU9は、操作部14の操作により電子ビューファインダーモードや動画撮影や通常の本撮影(静止画撮影)などが指示されると、それに合わせて撮像制御部5を駆動する。このとき、レンズ制御部3によって、フォーカスや絞りが適宜調整される。固体撮像素子4は、撮像制御部5の指令によって駆動され、デジタルの画像信号を出力する。固体撮像素子4からのデジタルの画像信号は、デジタル信号処理部6で処理された後に、メモリ7に蓄積される。CPU9は、電子ビューファインダーモード時にはその画像信号を表示部10に画像表示させ、動画撮影時にはその画像信号を記録媒体11aに記録する。通常の本撮影時(静止画撮影時)などの場合は、CPU9は、固体撮像素子4からのデジタルの画像信号がデジタル信号処理部6で処理されてメモリ7に蓄積された後に、操作部14の指令に基づき、必要に応じて画像処理部13や画像圧縮部12にて所望の処理を行い、記録部11に処理後の信号を出力させ記録媒体11aに記録する。
図2は、図1中の固体撮像素子4の概略構成を示す回路図である。図3は、図2中の列方向に順次並んだ3つの画素ブロックBLの付近を拡大して示す回路図である。図4は、図3に示す3つの画素ブロックBLの付近を模式的に示す概略平面図である。図5は、図4中の1つの画素ブロックBLの付近を拡大して示す概略平面図である。本実施の形態では、固体撮像素子4は、CMOS型の固体撮像素子として構成されているが、これに限らず、例えば、他のXYアドレス型固体撮像素子として構成してもよい。
固体撮像素子4は、図2乃至図4に示すように、N行M列に2次元マトリクス状に配置されそれぞれ2つの画素PX(PXA,PXB)を有する画素ブロックBLと、画素ブロックBLの1つ当たり複数の連結スイッチとしての連結トランジスタSWa,SWbと、垂直走査回路21と、画素ブロックBLの行毎に設けられた制御線22〜27と、画素PXの列毎に(画素ブロックBLの列毎に)設けられ対応する列の画素PX(画素ブロックBL)からの信号を受け取る複数の(M本の)垂直信号線28と、各垂直信号線28に設けられた定電流源29と、各垂直信号線28に対応して設けられたカラムアンプ30、CDS回路(相関2重サンプリング回路)31及びA/D変換器32と、水平読み出し回路33とを有している。
なお、カラムアンプ30として、アナログ増幅器を用いてもよいし、いわゆるスイッチトキャパシタアンプを用いてもよい。また、カラムアンプ30は、必ずしも設けなくてもよい。
図面表記の便宜上、図2ではM=2として示しているが、列数Mは実際にはより多くの任意の数にされる。また、行数Nも限定されない。画素ブロックBLを行毎に区別する場合、j行目の画素ブロックBLは符号BL(j)で示す。この点は、他の要素や後述する制御信号についても同様である。図2及び図3には、3行に渡るn−1行目乃至n+1行目の画素ブロックBL(n−1)〜BL(n+1)が示されている。
なお、図面では、画素ブロックBLのうち図2及び図3中下側の画素の符号をPXAとし、図2及び図3中上側の画素の符号をPXBとして、両者を区別しているが、両者を区別しないで説明するときには両者に符号PXを付して説明する場合がある。また、図面では、画素PXAのフォトダイオードの符号をPDAとし、画素PXBのフォトダイオードの符号をPDBとして、両者を区別しているが、両者を区別しないで説明するときには両者に符号PDを付して説明する場合がある。同様に、画素PXAの転送トランジスタの符号をTXAとし、画素PXBの転送トランジスタの符号をTXBとして、両者を区別しているが、両者を区別しないで説明するときには両者に符号TXを付して説明する場合がある。なお、本実施の形態では、画素PXのフォトダイオードPDは、2N行M列に2次元マトリクス状に配置されている。
本実施の形態では、各画素PXは、入射光に応じた信号電荷を生成し蓄積する光電変換部としてのフォトダイオードPDと、フォトダイオードPDからノードPに電荷を転送する転送スイッチとしての転送トランジスタTXとを有している。
本実施の形態では、複数の画素PXは、フォトダイオードPDが列方向に順次並んだ2個の画素PX(PXA,PXB)毎に画素ブロックBLをなしている。図2及び図3に示すように、各画素ブロックBL毎に、当該画素ブロックBLに属する2個の画素PX(PXA,PXB)が、1組のノードP、増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRST及び選択トランジスタSELを共有している。ノードPには基準電位との間に容量(電荷電圧変換容量)が形成され、その容量によって、ノードPに転送されてきた電荷が電圧に変換される。増幅トランジスタAMPは、ノードPの電位に応じた信号を出力する増幅部を構成している。リセットトランジスタRSTは、ノードPの電位をリセットするリセットスイッチを構成している。選択トランジスタSELは、当該画素ブロックBLを選択するための選択部を構成している。フォトダイオードPD及び転送トランジスタTXは、2個の画素PX(PXA,PXB)で共有されることなく、画素PX毎に設けられている。図2及び図3では、nは画素ブロックBLの行を示している。例えば、1行目の画素PX(PXA)と2行目の画素PX(PXB)とにより1行目の画素ブロックBLが構成され、3行目の画素PX(PXA)と4行目の画素PX(PXB)とにより2行目の画素ブロックBLが構成されている。
なお、本発明では、例えば、フォトダイオードPDが列方向に順次並んだ3個以上の画素PX毎に画素ブロックBLを構成するようにしてもよい。
図面には示していないが、本実施の形態では、各々の画素PXのフォトダイオードPDの光入射側には、それぞれが異なる色成分の光を透過させる複数種類のカラーフィルタが、所定の色配列(例えば、ベイヤー配列)で配置されている。画素PXは、カラーフィルタでの色分解によって各色に対応する電気信号を出力する。
各画素ブロックBLのうちの列方向に互いに隣り合う各2つの画素ブロックBLについて、一方の画素ブロックBLのノードPと他方の画素ブロックBLのノードPとの間に設けられた電気的な接続路(接続部)であってその間に固有の接続路(接続部)中に、2つの連結スイッチとしての2つの連結トランジスタSWa,SWbが直列に設けられている。これによって、本実施の形態では、3つ以上の画素ブロックBLのノードPが、複数の前記接続路(接続部)により数珠繋ぎ状に接続されている。それらの2つの連結トランジスタSWa,SWbのうち、連結トランジスタSWaは、図2及び図3中の下側の画素ブロックBLのノードPの側に配置されたものであり、連結トランジスタSWbは、図2及び図3中の上側の画素ブロックBLのノードPの側に配置されたものである。
例えば、n行目の画素ブロックBL(n)のノードP(n)とn+1行目の画素ブロックBLのノードP(n+1)との間の電気的な接続路であってその間に固有の接続路中に、2つの連結トランジスタSWa(n),SWb(n)が直列に設けられている。図4に示すように、連結トランジスタSWa(n)は画素ブロックBL(n)の領域内に形成される一方、連結トランジスタSWb(n)は画素ブロックBL(n+1)の領域内に形成されているが、これらの連結トランジスタSWa(n),SWb(n)には、同じ固有の接続路中に直列に設けられていることを示すために、符号の末尾に同じ(n)を付している。なお、本発明では、前記各固有の接続路中に3個以上の連結スイッチを直列に設けてもよいが、構造を簡単にするために、本実施の形態のように、前記各固有の接続路中に2個の連結トランジスタSWa,SWbを直列に設けることが好ましい。
図2及び図3において、VDDは電源電位である。なお、本実施の形態では、トランジスタTXA,TXB,AMP,RST,SEL,SWa,SWbは、全てnMOSトランジスタである。
転送トランジスタTXAのゲートは行毎に制御線26に共通に接続され、そこには、制御信号φTXAが垂直走査回路21から供給される。転送トランジスタTXBのゲートは行毎に制御線25に共通に接続され、そこには、制御信号φTXBが垂直走査回路21から供給される。リセットトランジスタRSTのゲートは行毎に制御線24に共通に接続され、そこには、制御信号φRSTが垂直走査回路21から供給される。選択トランジスタSELのゲートは行毎に制御線23に共通に接続され、そこには、制御信号φSELが垂直走査回路21から供給される。連結トランジスタSWaのゲートは行毎に制御線22に共通に接続され、そこには、制御信号φSWaが垂直走査回路21から供給される。連結トランジスタSWbのゲートは行毎に制御線27に共通に接続され、そこには、制御信号φSWbが垂直走査回路21から供給される。例えば、転送トランジスタTXA(n)のゲートには制御信号φTXA(n)が供給され、転送トランジスタTXB(n)のゲートには制御信号φTXB(n)が供給され、リセットトランジスタRST(n)のゲートには制御信号φRST(n)が供給され、選択トランジスタSEL(n)のゲートには制御信号φSEL(n)が供給され、連結トランジスタSWa(n)のゲートには制御信号φSWa(n)が供給され、連結トランジスタSWb(n)のゲートには制御信号φSWb(n)が供給される。
各トランジスタTXA,TXB,RST,SEL,SWa,SWbは、対応する制御信号φTXA,φTXB,φRST,φSEL,φSWa,φSWbがハイレベル(H)のときにオンし、ローレベル(L)のときにオフする。
垂直走査回路21は、図1中の撮像制御部5による制御下で、画素ブロックBLの行毎に、制御信号φTXA,φTXB,φRST,φSEL,φSWa,φSWbをそれぞれ出力し、画素ブロックBL、連結トランジスタSWa,SWbを制御し、静止画読み出し動作や動画読み出し動作などを実現する。この制御において、例えばISO感度の設定値に応じて、後述する各動作モードの読み出し動作が行われる。この制御によって、各垂直信号線28には、それに対応する列の画素PXの信号(アナログ信号)が供給される。
本実施の形態では、垂直走査回路21は、後述する各動作モードを、図1中の撮像制御部5からの指令(制御信号)に応じて切り替えて行う制御部を構成している。
垂直信号線28に読み出された信号は、各列毎に、カラムアンプ30で増幅され更にCDS回路31にて光信号(画素PXで光電変換された光情報を含む信号)と暗信号(光信号から差し引くべきノイズ成分を含む差分用信号)との差分を得る処理が施された後に、A/D変換器32にてデジタル信号に変換され、そのデジタル信号はA/D変換器32に保持される。各A/D変換器32に保持されたデジタルの画像信号は、水平読み出し回路33によって水平走査され、必要に応じて所定の信号形式に変換されて、外部(図1中のデジタル信号処理部6)へ出力される。
なお、CDS回路31は、図1中の撮像制御部5による制御下でタイミング発生回路(図示せず)から暗信号サンプリング信号φDARKCを受け、φDARKCがハイレベル(H)の場合にカラムアンプ30の出力信号を暗信号としてサンプリングするとともに、図1中の撮像制御部5による制御下で前記タイミング発生回路から光信号サンプリング信号φSIGCを受け、φSIGCがHの場合にカラムアンプ30の出力信号を光信号としてサンプリングする。そして、CDS回路31は、前記タイミング発生回路からのクロックやパルスに基づいて、サンプリングした暗信号と光信号との差分に応じた信号を出力する。このようなCDS回路31の構成としては、公知の構成を採用することができる。
ここで、図4及び図5を参照して、画素ブロックBLの構造について説明する。実際には、フォトダイオードPDの上部にはカラーフィルタやマイクロレンズ等が配置されるが、図4及び図5では省略している。なお、図4及び図5において、電源線、グランド線及び制御線22〜27等のレイアウトは省略している。
本実施の形態では、N型シリコン基板(図示せず)上にP型ウエル(図示せず)が設けられ、前記P型ウエル中にフォトダイオードPDなどの画素ブロックBLにおける各素子が配置されている。図5において、符号41〜49は、前述した各トランジスタの一部となっているN型不純物拡散領域である。符号61〜67は、ポリシリコンによる各トランジスタのゲート電極である。なお、拡散領域42,45は、図示しない電源線により電源電圧VDDが印加される領域である。
フォトダイオードPDA(n),PDB(n)は、前記P型ウエル中に設けられたN型の電荷蓄積層(図示せず)とその表面側に配置されたP型の空乏化防止層(図示せず)からなる埋め込み型フォトダイオードである。フォトダイオードPDA(n),PDB(n)は、入射する光を光電変換し、生じた電荷をその電荷蓄積層に蓄積する。
転送トランジスタTXA(n)は、フォトダイオードPDA(n)の電荷蓄積層をソース、拡散領域41をドレイン、ゲート電極61をゲートとするnMOSトランジスタである。転送トランジスタTXB(n)は、フォトダイオードPDB(n)の電荷蓄積層をソース、拡散領域41をドレイン、ゲート電極62をゲートとするnMOSトランジスタである。拡散領域41は、フォトダイオードPDA(n)とフォトダイオードPDB(n)との間に設けられている。拡散領域41は、転送トランジスタTXA(n)のドレインとなる拡散領域及び転送トランジスタTXB(n)のドレインとなる拡散領域として、兼用されている。転送トランジスタTXA(n)のゲート電極61は、拡散領域41のフォトダイオードPDA(n)側に配置されている。転送トランジスタTXB(n)のゲート電極62は、拡散領域41のフォトダイオードPDB(n)側に配置されている。
増幅トランジスタAMP(n)は、拡散領域42をドレイン、拡散領域43をソース、ゲート電極63をゲートとするnMOSトランジスタである。選択トランジスタSEL(n)は、拡散領域43をドレイン、拡散領域44をソース、ゲート電極64をゲートとするnMOSトランジスタである。拡散領域44は、垂直信号線28に接続されている。リセットトランジスタRST(n)は、拡散領域45をドレイン、拡散領域46をソース、ゲート電極65をゲートとするnMOSトランジスタである。
連結トランジスタSWa(n)は、拡散領域46をソース、拡散領域47をドレイン、ゲート電極66をゲートとするnMOSトランジスタである。連結トランジスタSWb(n−1)は、拡散領域48をドレイン、拡散領域49をソース、ゲート電極67をゲートとするnMOSトランジスタである。
画素ブロックBL(n)のゲート電極63及び拡散領域41,46並びに連結トランジスタSWb(n−1)の拡散領域48間が、配線71(n)によって互いに電気的に接続されて導通している。本実施の形態では、ノードP(n)は、配線71(n)及びこれに対して電気的に接続されて導通している箇所全体に相当している。
n行目以外の画素ブロックBLの構造も、前述したn行目の画素ブロックBL(n)の構造と同様である。連結トランジスタSWa(n)以外の連結トランジスタSWaの構造も、前述した連結トランジスタSWa(n)の構造と同様である。連結トランジスタSWb(n)以外の連結トランジスタSWbの構造も、前述した連結トランジスタSWb(n)の構造と同様である。
そして、前記各固有の接続路中に直列に設けられている2個の連結トランジスタSWa,SWbについて、連結トランジスタSWaの拡散領域47と連結トランジスタSWbの拡散領域49との間が、配線72によって接続されている。例えば、連結トランジスタSWa(n−1)の拡散領域47と連結トランジスタSWb(n−1)の拡散領域49との間が、配線72(n−1)によって電気的に接続されている。配線72(n−1)は、連結トランジスタSWa(n−1),SWb(n−1)がオフである場合における連結トランジスタSWa(n−1),SWb(n−1)間の接続部を構成している。連結トランジスタSWa(n)の拡散領域47と連結トランジスタSWb(n)の拡散領域49との間が、配線72(n)によって電気的に接続されている。配線72(n)は、連結トランジスタSWa(n),SWb(n)がオフである場合における連結トランジスタSWa(n),SWb(n)間の接続部を構成している。
ここで、図4に示すように、前記各固有の接続路中に直列に設けられている2個の連結トランジスタSWa,SWb間の列方向の位置ずれ量をLsとし、フォトダイオードPDの列方向のピッチをPgとする。本発明では、ピッチPgと位置ずれLsとの関係は限定されるものではないが、後述する容量CAの容量値Cfd1を小さくするためには、pg<Ls<2×Pgであることが好ましい。本実施の形態では、例えば、連結トランジスタSWb(n−1)が連結トランジスタSWa(n)の近傍に配置され、位置ずれ量Lsが2×Pgをわずかに下回るよう程度に設定されて、配線71(n)の長さが極力短くされ、後述する容量CA(n)の容量値Cfd1が極力小さくなるようになっている。
図2乃至図5において、CA(n)は、連結トランジスタSWa(n),SWb(n−1)がオフしている場合の、ノードP(n)と基準電位との間の容量である。容量CA(n)の容量値をCfd1とする。CB(n)は、連結トランジスタSWa(n),SWb(n)がオフしている場合の、配線72(n)と基準電位との間の容量を示している。容量CB(n)の容量値をCfd2とする。これらの点は、他の画素ブロックBLの行についても同様である。
容量CA(n)は、転送トランジスタTXA(n),TXB(n)のドレイン拡散領域41の容量と、リセットトランジスタRST(n)のソース拡散領域46の容量と、連結トランジスタSWa(n)のソース拡散領域46の容量と、連結トランジスタSWb(n−1)のドレイン拡散領域48の容量と、増幅トランジスタAMP(n)のゲート電極63の容量と、配線71(n)の配線容量とから構成され、それらの容量値の合計が容量CA(n)の容量値Cfd1となる。この点は、他の画素ブロックBLの行についても同様である。
ここで、連結トランジスタSWaのオン時のチャネル容量の値及び連結トランジスタSWbのオン時のチャネル容量の値を、両方ともCswとする。通常、容量値Cswは、容量値Cfd1,Cfd2に対して小さい値である。
今、画素ブロックBL(n)に着目して、連結トランジスタSWa(n),SWb(n−1)が両方ともオフする(すなわち、各連結トランジスタSWa,SWbのうちのオン状態の連結トランジスタがノードP(n)に対して電気的に接続された状態とならず、連結トランジスタSWa,SWbが設けられている接続路がノードP(n)に対して電気的に接続された状態とならない)と、ノードP(n)と基準電位との間の容量(電荷電圧変換容量)は、容量CA(n)となる。よって、ノードP(n)の電荷電圧変換容量の容量値は、Cfd1となる。この状態は、後述する第1の動作モードを示す図6中の期間T2の状態に相当している。
また、画素ブロックBL(n)に着目して、連結トランジスタSWa(n)がオンすると、各連結トランジスタSWa,SWbのうち連結トランジスタSWa(n)以外のオン状態の連結トランジスタがノードP(n)に対して電気的に接続された状態とならなければ(ここでは、具体的には、連結トランジスタSWb(n−1),SWb(n)がオフであれば)、ノードP(n)と基準電位との間の容量(電荷電圧変換容量)は、容量CA(n)に対して、容量CB(n)及び連結トランジスタSWa(n)のオン時のチャネル容量を付加したものとなる。よって、ノードP(n)の電荷電圧変換容量の容量値は、Cfd1+Cfd2+Csw≒Cfd1+Cfd2となる。この状態は、後述する第2Aの動作モードを示す図7中の期間T2の状態に相当している。
さらに、画素ブロックBL(n)に着目して、連結トランジスタSWa(n),SWb(n)が両方ともオンすると、各連結トランジスタSWa,SWbのうち連結トランジスタSWa(n),SWb(n)以外のオン状態の連結トランジスタがノードP(n)に対して電気的に接続された状態とならなければ(ここでは、具体的には、連結トランジスタSWb(n−1),SWa(n+1)がオフであれば)、ノードP(n)の電荷電圧変換容量は、容量CA(n)に対して、容量CB(n)、連結トランジスタSWa(n),SWb(n)のオン時のチャネル容量及び容量CA(n+1)を付加したものとなる。よって、ノードP(n)の電荷電圧変換容量の容量値は、2×Cfd1+Cfd2+2×Csw≒2×Cfd1+Cfd2となる。この状態は、後述する第2Bの動作モードを示す図8中の期間T2の状態に相当している。
このように、各連結トランジスタSWa,SWbのうちノードP(n)に対して電気的に接続されるオン状態の連結トランジスタがなければ、ノードP(n)の電荷電圧変換容量の容量値が最小となり、その電荷電圧変換容量による電荷電圧変換係数が大きくなるため、最高のSN比での読出しが可能となる。
一方、各連結トランジスタSWa,SWbのうちノードP(n)に対して電気的に接続されるオン状態の連結トランジスタの数を1つ以上の所望の数に増やしていけば、ノードP(n)の電荷電圧変換容量の容量値を所望の値に大きくすることができ、大きな信号電荷量を扱うことができるため、飽和電子数を拡大することができる。これにより、ダイナミックレンジを拡大することができる。
以上、画素ブロックBL(n)のノードP(n)について説明したが、他の画素ブロックBLのノードPについても同様である。
図6は、図2に示す固体撮像素子4の第1の動作モードを示すタイミングチャートである。この第1の動作モードは、各画素ブロックBLを行毎に順次選択していき、各連結トランジスタSWa,SWbのうち選択された画素ブロックBLのノードPに対して電気的に接続されるオン状態の連結トランジスタがない状態(当該ノードPの電荷電圧変換容量が最小である状態)で、選択された画素ブロックBLの転送トランジスタTXA,TXBを順次選択的にオンさせて、選択された画素ブロックBLの各フォトダイオードPDA,PDBの信号を行毎に順次読み出す動作の例である。図6に示す例では、全画素PXA,PXBの信号を読み出すが、これに限らず、例えば、画素行を間引いて読み出す間引き読み出し等を行ってもよい。この点は、後述する図7及び図8にそれぞれ示す各例についても同様である。
図6は、期間T1においてn−1行目の画素ブロックBL(n−1)が選択され、期間T2においてn行目の画素ブロックBL(n)が選択され、期間T3においてn+1行目の画素ブロックBL(n+1)が選択されていく状況を示している。いずれの行の画素ブロックBLが選択された場合の動作も同様であるので、ここでは、n行目の画素ブロックBL(n)が選択された場合の動作についてのみ説明する。
期間T2の開始前に既に、所定の露光期間において、フォトダイオードPDA(n),PDB(n)の露光が終了している。この露光は、通常の本撮影時(静止画撮影時)などでは、全画素を同時にリセットするいわゆるグローバルリセット後にメカニカルシャッタ(図示せず)により行われ、電子ビューファインダーモード時や動画撮影時などでは、いわゆるローリング電子シャッタ動作により行われる。期間T2の開始直前には、全てのトランジスタSEL,RST,TXA,TXB,SWa,SWbはオフしている。
期間T2において、n行目のφSEL(n)がHにされ、n行目の画素ブロックBL(n)の選択トランジスタSEL(n)がオンにされ、n行目の画素ブロックBL(n)が選択される。
また、期間T2において、φSWa(n),φSWb(n−1)がLにされ、連結トランジスタSWa(n),SWb(n−1)がオフにされる。これにより、期間T2において、各連結トランジスタSWa,SWbのうち選択された画素ブロックBL(n)のノードP(n)に対して電気的に接続されるオン状態の連結トランジスタがない状態となる。したがって、前述したように、ノードP(n)の電荷電圧変換容量の容量値は、Cfd1となり、最小となる。
期間T2の開始直後から一定期間だけ、φRST(n)がHにされてn行目のリセットトランジスタRST(n)が一旦オンにされ、ノードP(n)の電位が一旦電源電位VDDにリセットされる。
期間T2中のその後の時点t1から一定期間だけ、暗信号サンプリング信号φDARKCがHにされて、ノードP(n)に現れる電位がn行目の増幅トランジスタAMP(n)で増幅された後に選択トランジスタSEL(n)及び垂直信号線28を経由し更にカラムアンプ30で増幅された信号が、暗信号として、CDS回路31によりサンプリングされる。
期間T2中のその後の時点t2から一定期間だけ、φTXA(n)がHにされてn行目の転送トランジスタTXA(n)がオンにされる。これにより、n行目の画素ブロックBL(n)のフォトダイオードPDA(n)に蓄積されていた信号電荷が、ノードP(n)の電荷電圧変換容量に転送される。ノードP(n)の電位は、ノイズ成分を除くと、この信号電荷の量とノードP(n)の電荷電圧変換容量の容量値の逆数とに比例した値となる。
期間T2中のその後の時点t3において、光信号サンプリング信号φSIGCがHにされて、ノードP(n)に現れる電位がn行目の増幅トランジスタAMP(n)で増幅された後に選択トランジスタSEL(n)及び垂直信号線28を経由し更にカラムアンプ30で増幅された信号が、光信号として、CDS回路31によりサンプリングされる。
その後にφSIGCがLになった時点の後に、CDS回路31は、時点t1からの一定期間でサンプリングした暗信号と時点t3からの一定時間でサンプリングした光信号との差分に応じた信号を出力する。A/D変換器32は、この差分に応じた信号をデジタル信号に変換して保持する。各A/D変換器32に保持されたデジタルの画像信号は、水平読み出し回路33によって水平走査され、デジタル信号画像信号として外部(図1中のデジタル信号処理部6)へ出力される。
そして、期間T2中の時点t4から一定期間だけ、φRST(n)がHにされてn行目のリセットトランジスタRST(n)が一旦オンにされ、ノードP(n)の電位が一旦電源電位VDDにリセットされる。
期間T2中のその後の時点t5から一定期間だけ、暗信号サンプリング信号φDARKCがHにされて、ノードP(n)に現れる電位がn行目の増幅トランジスタAMP(n)で増幅された後に選択トランジスタSEL(n)及び垂直信号線28を経由し更にカラムアンプ30で増幅された信号が、暗信号として、CDS回路31によりサンプリングされる。
期間T2中のその後の時点t6から一定期間だけ、φTXB(n)がHにされてn行目の転送トランジスタTXB(n)がオンにされる。これにより、n行目の画素ブロックBL(n)のフォトダイオードPDB(n)に蓄積されていた信号電荷が、ノードP(n)の電荷電圧変換容量に転送される。ノードP(n)の電位は、ノイズ成分を除くと、この信号電荷の量とノードP(n)の電荷電圧変換容量の容量値の逆数とに比例した値となる。
期間T2中のその後の時点t7において、光信号サンプリング信号φSIGCがHにされて、ノードP(n)に現れる電位がn行目の増幅トランジスタAMP(n)で増幅された後に選択トランジスタSEL(n)及び垂直信号線28を経由し更にカラムアンプ30で増幅された信号が、光信号として、CDS回路31によりサンプリングされる。
その後にφSIGCがLになった時点の後に、CDS回路31は、時点t5からの一定期間でサンプリングした暗信号と時点t7からの一定時間でサンプリングした光信号との差分に応じた信号を出力する。A/D変換器32は、この差分に応じた信号をデジタル信号に変換して保持する。各A/D変換器32に保持されたデジタルの画像信号は、水平読み出し回路33によって水平走査され、デジタル信号画像信号として外部(図1中のデジタル信号処理部6)へ出力される。
このように、前記第1の動作モードでは、各連結トランジスタSWa,SWbのうち選択された画素ブロックBLのノードPに対して電気的に接続されるオン状態の連結トランジスタがないので、選択された画素ブロックBLのノードPの電荷電圧変換容量の容量値が最小となり、その電荷電圧変換容量による電荷電圧変換係数が大きくなるため、最高のSN比での読出しが可能となる。例えば、ISO感度の設定値が最も高い場合に、撮像制御部5によって、前記第1の動作モードを行うように指令される。
図7は、図2に示す固体撮像素子4の第2Aの動作モードを示すタイミングチャートである。第2Aの動作モードは、第2の動作モードのうちの1つの動作モードである。この第2の動作モードは、各画素ブロックBLを行毎に順次選択していき、各連結トランジスタSWa,SWbのうちの1つ以上の所定数のオン状態の連結トランジスタが、選択された画素ブロックBLのノードPに対して電気的に接続された状態で、選択された画素ブロックBLの転送トランジスタTXA,TXBを順次選択的にオンさせて、選択された画素ブロックBLの各フォトダイオードPDA,PDBの信号を行毎に順次読み出す動作の例である。前記第2Aの動作モードは、前記第2の動作モードにおいて、前記所定数を1つとした動作の例である。
図7も、図6と同様に、期間T1においてn−1行目の画素ブロックBL(n−1)が選択され、期間T2においてn行目の画素ブロックBL(n)が選択され、期間T3においてn+1行目の画素ブロックBL(n+1)が選択されていく状況を示している。図7に示す第2Aの動作モードが図6に示す前記第1の動作モードと異なる所は、以下に説明する点である。
図7に示す第2Aの動作モードでは、n行目の画素ブロックBL(n)が選択される期間T2において、φSWa(n)がHにされるとともにφSWb(n−1)がLにされ、連結トランジスタSWa(n)がオンにされるとともに連結トランジスタSWb(n−1)がオフにされる。これにより、期間T2において、各連結トランジスタSWa,SWbのうちの1つのオン状態の連結トランジスタ(ここでは、連結トランジスタSWa(n))が、選択された画素ブロックBL(n)のノードP(n)に対して電気的に接続された状態となる。したがって、前述したように、ノードP(n)の電荷電圧変換容量の容量値は、Cfd1+Cfd2+Csw≒Cfd1+Cfd2となり、図6に示す前記第1の動作モードに比べていわば1段階大きくなる。
ここでは、n行目の画素ブロックBL(n)が選択される期間T2について説明したが、他の画素ブロックBLが選択される期間についても同様である。
このように、前記第2Aの動作モードでは、各連結トランジスタSWa,SWbのうちの1つのオン状態の連結トランジスタが、選択された画素ブロックBLのノードPに対して電気的に接続されるので、選択された画素ブロックBLのノードPの電荷電圧変換容量の容量値がいわば1段階大きくなり、ノードPの電荷電圧変換容量での飽和電子数を1段階拡大することができる。これにより、ダイナミックレンジを1段階拡大することができる。例えば、ISO感度の設定値が最も高い値から1段階小さい値である場合に、撮像制御部5によって、前記第2Aの動作モードを行うように指令される。
図8は、図2に示す固体撮像素子4の第2Bの動作モードを示すタイミングチャートである。第2Bの動作モードは、前記第2の動作モードのうちの他の1つの動作モードであり、前記所定数を2つとした動作例である。
図8も、図6及び図7と同様に、期間T1においてn−1行目の画素ブロックBL(n−1)が選択され、期間T2においてn行目の画素ブロックBL(n)が選択され、期間T3においてn+1行目の画素ブロックBL(n+1)が選択されていく状況を示している。図8に示す第2Bの動作モードが図6に示す前記第1の動作モードや図7に示す第2Aに示す動作モードと異なる所は、以下に説明する点である。
図8に示す第2Bの動作モードでは、n行目の画素ブロックBL(n)が選択される期間T2において、φSWa(n),φSWb(n)がHにされるとともにφSWb(n−1),φSWa(n+1)がLにされ、連結トランジスタSWa(n),SWb(n)がオンにされるとともに連結トランジスタSWb(n−1),SWa(n+1)がオフにされる。これにより、期間T2において、各連結トランジスタSWa,SWbのうちの2つのオン状態の連結トランジスタ(ここでは、連結トランジスタSWa(n),SWb(n))が、選択された画素ブロックBL(n)のノードP(n)に対して電気的に接続された状態となる。したがって、前述したように、ノードP(n)の電荷電圧変換容量の容量値は、2×Cfd1+Cfd2+2Csw≒2×Cfd1+Cfd2となり、図6に示す前記第1の動作モードに比べていわば2段階大きくなる。
ここでは、n行目の画素ブロックBL(n)が選択される期間T2について説明したが、他の画素ブロックBLが選択される期間についても同様である。
このように、前記第2Bの動作モードでは、各連結トランジスタSWa,SWbのうちの2つのオン状態の連結トランジスタが、選択された画素ブロックBLのノードPに対して電気的に接続されるので、選択された画素ブロックBLのノードPの電荷電圧変換容量の容量値がいわば2段階大きくなり、ノードPの電荷電圧変換容量での飽和電子数を2段階拡大することができる。これにより、ダイナミックレンジを2段階拡大することができる。例えば、ISO感度の設定値が最も高い値から2段階小さい値である場合に、撮像制御部5によって、前記第2Bの動作モードを行うように指令される。
なお、前記第2の動作モードにおいて、前記所定数を3つ以上にしてもよい。
ここで、本実施の形態における固体撮像素子4と比較される比較例による固体撮像素子について、説明する。図9は、この比較例による固体撮像素子の3つの画素ブロックBLの付近を示す回路図であり、図3に対応している。図10は、図9に示す3つの画素ブロックBLの付近を模式的に示す概略平面図であり、図4及び図5に対応している。図9及び図10において、図3、図4及び図5中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。なお、図10において、拡散領域やゲート電極に符号を付していないが、それらの符号は図5と同じであるので、図5を参照されたい。
この比較例が本実施の形態と異なる所は、各連結トランジスタSWbが取り除かれ、配線71,72を含む配線171によって、取り除かれた各連結トランジスタSWbの箇所が短絡状態にされている点である。例えば、本実施の形態では、連結トランジスタSWb(n−1)が取り除かれ、配線71(n),72(n−1)を含む配線171(n)によって、画素ブロックBL(n)のゲート電極63及び拡散領域41,46並びに連結トランジスタSWa(n−1)の拡散領域47間が、互いに電気的に接続されて導通している。
図9及び図10において、CAB(n)は、連結トランジスタSWa(n),SWa(n−1)がオフしている場合の、ノードP(n)と基準電位との間の容量である。容量CAB(n)の容量値をCfdとする。これらの点は、他の画素ブロックBLの行についても同様である。
容量CAB(n)は、転送トランジスタTXA(n),TXB(n)のドレイン拡散領域41の容量と、リセットトランジスタRST(n)のソース拡散領域46と、連結トランジスタSWa(n)のソース拡散領域46と、連結トランジスタSWa(n−1)のドレイン拡散領域47の容量と、増幅トランジスタAMP(n)のゲート電極63の容量と、配線171(n)の配線容量とから構成され、それらの容量値の合計が容量CAB(n)の容量値Cfdとなる。この点は、他の画素ブロックBLの行についても同様である。
配線171(n)の配線容量は、配線71(n)の配線容量(浮遊容量)と配線171(n)の配線容量との和にほぼ等しい。よって、容量CAB(n)の容量値Cfdは、本実施の形態における前述した容量CA(n)の容量値Cfd1と容量CB(n)の容量値Cfd2との和にほぼ等しくなり、Cfd≒Cfd1+Cfd2となる。
この比較例では、画素ブロックBL(n)に着目して、連結トランジスタSWa(n),SWa(n−1)が両方ともオフすると、ノードP(n)の電荷電圧変換容量は、容量CAB(n)となる。よって、ノードP(n)の電荷電圧変換容量の容量値は、Cfdとなって比較例における最小となり、その電荷電圧変換容量による電荷電圧変換係数が大きくなるため、比較例における最高のSN比での読出しが可能となる。
この比較例では、画素ブロックBL(n)に着目して、各連結トランジスタSWaのうちの1つ以上の所定数のオン状態の連結トランジスタが、ノードP(n)に対して電気的に接続された状態にすると、そのオン状態の連結トランジスタの数に応じてノードP(n)の電荷電圧変換容量の容量値は大きくなり、飽和電子数を拡大することができる。これにより、ダイナミックレンジを拡大することができる。
ところが、この比較例では、ノードP(n)の電荷電圧変換容量の容量値は、Cfd≒Cfd1+Cfd2よりも小さくすることができない。したがって、この比較例によれば、電荷電圧変換係数をさほど大きくすることができず、さほど高いSN比で読み出すことができない。
これに対し、本実施の形態によれば、連結トランジスタSWbが追加されているので、前述したように、ノードP(n)の電荷電圧変換容量の最小の容量値をCfd1≒Cfd−Cfd2にすることができ、前記比較例に比べてより小さくすることができる。
したがって、本実施の形態によれば、ダイナミックレンジを拡大させることができるとともに、前記比較例に比べて、高感度読出し時のSN比を向上させることができる。
本実施の形態では、列方向に順次隣り合う全ての2つのノードP間に連結トランジスタSWa,SWbを設けているが、本発明では、必ずしもこれに限らない。例えば、列方向に並ぶq個(qは2以上の整数)置きのノードPと当該ノードPに対し図中下側に隣り合うノードPとの間には、連結トランジスタSWa,SWbを設けずにその間を常に開放しておいてもよい。この場合、qの数が小さいほど、前記第2の動作モードにおける前記所定数の最大数が小さくなり、ダイナミックレンジの拡大の度合いが低下するが、前記比較例に比べて高感度読出し時のSN比を向上させることができる。
なお、図6乃至図8を参照して説明した各動作例は、各画素PXのフォトダイオードPDの信号電荷を、他の画素PXのフォトダイオードPDの信号電荷と混合することなく読み出す動作の例であった。しかし、本発明では、各画素PXのフォトダイオードPDの信号電荷を、同色の他の画素PXのフォトダイオードPDの信号電荷と混合して読み出してもよい。
例えば、連結トランジスタSWa(n−1),SWb(n−1),SWa(n),SWb(n)をオンにしてノードP(n−1),P(n),P(n+1)を互いに連結し、TXA(n−1),TXA(n),TXA(n+1)を同時にオンにすると、ベイヤー配列等を前提とした場合における同色の3つの画素PXA(n−1),PXA(n),PXA(n−1)のフォトダイオードPDA(n−1),PDA(n),PDA(n−1)の信号電荷が互いに連結されたノードP(n−1),P(n),P(n+1)で平均化され、同色3画素混合読出しの機能を実現することができる。このとき、連結トランジスタSWb(n−2),SWa(n+1)をオフにし、ノードP(n−1),P(n),P(n+1)に対して電気的に接続されるオン状態の連結トランジスタの数を最小限にすることによって、連結されたノードP(n−1),P(n),P(n+1)における電荷電圧変換容量値が最小となり、最高のSN比で同色3画素混合読出しを行うことができる。一方、連結トランジスタSWa(n−1),SWb(n−1),SWa(n),SWb(n)の他に、1個以上のオン状態の連結トランジスタがノードP(n−1),P(n),P(n+1)に対して電気的に接続されるようにすれば、その数に応じて、連結されたノードP(n−1),P(n),P(n+1)における電荷電圧変換容量値が大きくなり、同色3画素混合読出しのダイナミックレンジを拡大することができる。
[第2の実施の形態]
図11は、本発明の第2の実施の形態による電子カメラの固体撮像素子の3つの画素ブロックBLの付近を示す回路図であり、図3に対応している。図12は、図9に示す3つの画素ブロックBLの付近を模式的に示す概略平面図であり、図4及び図5に対応している。図11及び図12において、図3、図4及び図5中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、各配線72に、容量値Cfd3を有する調整容量CB’が追加されている点である。容量CB(n)は、連結トランジスタSWa(n),SWb(n)がオフしている場合の、配線72(n)と基準電位との間の容量であるので、調整容量CB’(n)も容量CB(n)に含まれるものであるが、調整容量CB’は、前記第1の実施の形態における容量CB(n)の容量値Cfd2をなす構成に対して、容量値Cfd3を追加する構成要素であることを明示するために、図11及び図12において容量CB(n)とは別個に調整容量CB’を示している。前記第1の実施の形態では、容量CB(n)の容量値はCfd2であるのに対し、本実施の形態では、容量CB(n)の容量値はCfd2+Cfd3となる。これらの点は、他の容量CB、配線72、調整容量CB’についても同様である。
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる他、調整容量CB’を設けることにより、容量CBの容量値を任意の所望の容量値に設定することができる。
調整容量CB’は、具体的には、例えば、(i)配線72の配線幅の少なくとも一部の幅を画素ブロックBL内の他の配線の配線幅よりも広くすることにより、配線72の面積を前記第1の実施の形態における配線72の面積よりも広くすること、(ii)配線72にMOS容量を接続すること、(iii)連結トランジスタSWa,SWbを構成しない拡散容量を接続すること、(iv)連結トランジスタSWaのドレイン拡散領域47の面積を前記第1の実施の形態におけるドレイン拡散領域47の面積よりも広くすること、(v)連結トランジスタSWbのソース拡散領域49の面積を前記第1の実施の形態におけるソース拡散領域49の面積よりも広くすること、の1つ又は2つ以上を組み合わせることによって構成することができる。
ここで、調整容量CB’の容量値Cfd3の設定の一例について説明する。ノードPの電荷電圧変換容量の容量値は、基準容量値の整数倍になることが望ましい。しかし、前述した第1の実施の形態の構造では、調整容量CB’を付加しない場合には、一般的に、容量CAの容量値Cfd1に対して、容量CBの容量値Cfd2は小さくなる。したがって、例えば、ノードP(n)の電荷電圧変換容量の容量値を基準容量値の2倍にするためには、連結トランジスタSWa(n),SWb(n)をオンにして、ノードP(n)の電荷電圧変換容量の容量値を2×Cfd1+Cfd2+2×Cswにして、2個の画素ブロックBL(n),BL(n+1)を使用することになる。
これに対し、本実施の形態において、調整容量CB’の容量値Cfd3がCfd1−Cfd2となるように調整容量CB’を形成すると、容量CBの容量値がcfd2+Cfd3=Cfd1となる。したがって、ノードP(n)の電荷電圧変換容量の容量値を基準容量値の2倍にするためには、連結トランジスタSWa(n)をオンするだけですみ、1個の画素ブロックBL(n)を使用するだけでよい。また、更に大きな飽和電荷量を扱う場合には、連結する画素ブロックBLの数を大幅に削減することができる。
このような調整容量CB’の容量値Cfd3の設定例は、一例にすぎず、これに限らない。
なお、ノードPの電荷電圧変換容量の容量値を基準用量値の整数倍に近づけるためには、容量CBの容量値は、容量CAの容量値に対して±20%の範囲内の値であることが好ましく、容量CAの容量値に対して±10%の範囲内の値であることがより好ましい。
[第3の実施の形態]
図13は、本発明の第3の実施の形態による電子カメラの固体撮像素子84の概略構成を示す回路図であり、図2に対応している。図13において、図2中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、本実施の形態では、前記第1の実施の形態において、各画素ブロックBLにおいて、フォトダイオードPDB及び転送トランジスタTXBが取り除かれ、各画素ブロックBLが画素PXAになっている点である。ただし、本実施の形態では、フォトダイオードPDAの列方向の密度は、前記第1の実施の形態におけるフォトダイオードPDAの列方向の密度の2倍にされ、前記第1の実施の形態におけるフォトダイオードPDA,PDB全体の列方向の密度と同一になっている。本実施の形態では、nは、画素ブロックBLの行を示すと同時に、画素PXAの行を示すことになる。
換言すれば、前記第1の実施の形態では、各画素ブロックBLは2個の画素PX(PXA,PXB)で構成されているのに対し、本実施の形態では、各画素ブロックBLは1個の画素PX(PXA)で構成されている。そして、前記第1の実施の形態では、画素ブロックBLに属する2個の画素PX(PXA,PXB)が、1組のノードP、増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRST及び選択トランジスタSELを共有しているに対し、本実施の形態では、各画素PX(本実施の形態では、PXAのみ)が、それぞれ1組のノードP、増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRST及び選択トランジスタSELを有している。
基本的に、前記第1の実施の形態の説明は、画素ブロックBLを画素PXAに置き換えることで、本実施の形態の説明として適合する。よって、ここでは、本実施の形態の詳細な説明は省略する。
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
なお、本発明では、前記第1の実施の形態を変形して本実施の形態を得たのと同様の変形を、前記第2の実施の形態に対して適用してもよい。
[第4の実施の形態]
図14は、本発明の第4の実施の形態による電子カメラの固体撮像素子94の概略構成を示す回路図であり、図2に対応している。図15は、図14中の列方向に順次並んだ4つの画素ブロックBLの付近を拡大して示す回路図であり、図3に対応している。図14及び図15において、図2及び図3中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、以下に説明する点である。
本実施の形態では、前記第1の実施の形態において、第1の連結トランジスタSWa、第2の連結トランジスタSWb及び配線71,72が取り除かれ、その代わりに、第1のノードPaとこれに対応する第2のノードPbとの間を電気的に接続及び切断する第1のスイッチ部としての第1のトランジスタSWA、2つの第2のノードPb間を電気的に接続及び切断する第2のスイッチ部としての第2のトランジスタSWB、及び、配線97,98が設けられている。
画素ブロックBL(n)の第1のノードPa(n)は、前記第1の実施の形態におけるノードP(n)に相当している。転送トランジスタTXA(n)は、フォトダイオードPDA(n)から第1のノードPa(n)に電荷を転送し、転送トランジスタTXB(n)はフォトダイオードPDB(n)から第1のノードPa(n)に電荷を転送する。第1のノードPa(n)には基準電位との間に容量(電荷電圧変換容量)が形成され、その容量によって、第1のノードPa(n)に転送されてきた電荷が電圧に変換される。増幅トランジスタAMP(n)は、第1のノードPa(n)の電位に応じた信号を出力する。リセットトランジスタRST(n)は、第1のノードPa(n)の電位をリセットする。これらの点は、他の画素ブロックBLの行についても同様である。
第1のトランジスタSWA(n)は、第1のノードPa(n)とこれに対応する第2のノードPb(n)との間を電気的に接続及び切断する第1のスイッチ部を構成している。このような第1のスイッチ部は、複数のトランジスタ等のスイッチを組み合わせて構成することも可能であるが、構造を簡単にするため、本実施の形態のように単一の第1のトランジスタSWA(n)で構成することが好ましい。これらの点は、他の第1のトランジスタSWAについても同様である。
各第2のトランジスタSWBは、各画素ブロックBLのうちの列方向に互いに隣り合う各2つの画素ブロックBLについて、一方の画素ブロックBLの第1のノードPaに対応する第2のノードPbと他方の画素ブロックBLの第1のノードPaに対応する第2のノードPbとの間を電気的に接続及び切断するように設けられた第2のスイッチ部を構成している。これによって、本実施の形態では、3つ以上の画素ブロックBLの第1のノードPaが、複数の前記第2のスイッチ部により数珠繋ぎ状に接続されている。前述したような第2のスイッチ部は、複数のトランジスタ等のスイッチを組み合わせて構成することも可能であるが、構造を簡単にするため、本実施の形態のように単一の第2のトランジスタSWBで構成することが好ましい。
例えば、第2のトランジスタSWB(n)は、n行目の画素ブロックBL(n)の第1のノードPa(n)に対応する第2のノードPb(n)とn−1行目の画素ブロックBL(n−1)の第1のノードPa(n−1)に対応する第2のノードPb(n−1)との間を電気的に接続及び切断するように、設けられている。この点は、他の第2のトランジスタSWBについても同様である。
画素ブロックBL(n)の増幅トランジスタAMP(n)のゲート電極、リセットトランジスタRST(n)のソース領域、転送トランジスタTXA(n),TXB(n)のドレイン拡散領域、及び、第1のトランジスタSWA(n)のソース拡散領域の間が、配線97(n)によって互いに電気的に接続されて導通している。第1のノードPa(n)は、配線97(n)及びこれに対して電気的に接続されて導通している箇所全体に相当している。これらの点は、他の画素ブロックBLの行についても同様である。
第1のトランジスタSWA(n)のドレイン拡散領域、第2のトランジスタSWB(n)のドレイン拡散領域及び第2のトランジスタSWB(n+1)のソース拡散領域の間が、配線98(n)によって互いに電気的に接続されて導通している。第2のノードPb(n)は、配線98(n)及びこれに対して電気的に接続されて導通している箇所全体に相当している。これらの点は、他の第1のトランジスタSWA及び他の第2のトランジスタSWBについても同様である。
第1のトランジスタSWAのゲートは行毎に制御線95に共通に接続され、そこには、制御信号φSWAが垂直走査回路21から供給される。第2のトランジスタSWBのゲートは行毎に制御線96に共通に接続され、そこには、制御信号φSWBが垂直走査回路21から供給される。
図14及び図15において、CC(n)は、第1のトランジスタSWA(n)がオフしている場合の、第1のノードPa(n)と基準電位との間の容量である。容量CC(n)の容量値をCfd1’とする。CD(n)は、第1のトランジスタSWA(n)及び第2のトランジスタSWB(n),SWB(n+1)がオフしている場合の、配線98(n)と基準電位との間の容量である。容量CD(n)の容量値をCfd2’とする。これらの点は、他の第1のトランジスタSWA及び他の第2のトランジスタSWBについても同様である。
容量CC(n)は、転送トランジスタTXA(n),TXB(n)のドレイン拡散領域の容量と、リセットトランジスタRST(n)のソース拡散領域の容量と、第1のトランジスタSWA(n)のソース拡散領域の容量と、増幅トランジスタAMP(n)のゲート電極の容量と、配線97(n)の配線容量とから構成され、それらの容量値の合計が容量CC(n)の容量値Cfd1’となる。この点は、他の画素ブロックBLの行についても同様である。
なお、第2のトランジスタSWB(n)のソース拡散領域の容量は容量CC(n)の構成要素とならないので、その分、容量CC(n)の容量値Cfd1’は小さくなる。この点、前記第1の実施の形態では、連結トランジスタSWa(n)のソース拡散領域46の容量のみならず連結トランジスタSWb(n−1)のドレイン拡散領域48の容量も容量CBの構成要素となっているので、その分、容量CBの容量値Cfd1は大きくなる。すなわち、本実施の形態における容量値Cfd1’は、前記第1の実施の形態における容量値Cfd1よりも、トランジスタ拡散容量1個分だけ小さくなる。
ここで、第1のトランジスタSWAのオン時のチャネル容量の値及び第2のトランジスタSWBのオン時のチャネル容量の値を、両方ともCswとする。通常、容量値Cswは、容量値Cfd1’,Cfd2’に対して小さい値である。
今、画素ブロックBL(n)に着目して、第1のトランジスタSWA(n)がオフする(すなわち、各第1のトランジスタSWA及び各第2のトランジスタSWBのうちのオン状態のトランジスタが第1のノードPa(n)に対して電気的に接続された状態とならない)と、第1のノードPa(n)と基準電位との間の容量(電荷電圧変換容量)は、容量CC(n)となる。よって、第1のノードPa(n)の電荷電圧変換容量の容量値は、Cfd1’となる。この状態は、後述する第1の動作モードを示す図16中の期間T2の状態に相当している。
また、画素ブロックBL(n)に着目して、第1のトランジスタSWA(n)がオンすると、各第1のトランジスタSWA及び各第2のトランジスタSWBのうち、第1のトランジスタSWA(n)以外のオン状態のトランジスタが第1のノードPa(n)に対して電気的に接続された状態とならなければ(ここでは、具体的には、第2のトランジスタSWB(n),SWB(n+1)がオフであれば)、第1のノードPa(n)と基準電位との間の容量(電荷電圧変換容量)は、容量CC(n)に対して、容量CD(n)及び第1のトランジスタSWA(n)のオン時のチャネル容量を付加したものとなる。よって、第1のノードPa(n)の電荷電圧変換容量の容量値は、Cfd1’+Cfd2’+Csw≒Cfd1’+Cfd2’となる。この状態は、後述する第2Aの動作モードを示す図17中の期間T2の状態に相当している。
さらに、画素ブロックBL(n)に着目して、第1のトランジスタSWA(n)及び第2のトランジスタSWB(n+1)がオンすると、各第1のトランジスタSWA及び各第2のトランジスタSWBのうち、トランジスタSWA(n),SWB(n+1)以外のオン状態のトランジスタが第1のノードPa(n)に対して電気的に接続された状態とならなければ(ここでは、具体的には、トランジスタSWB(n),SWA(n+1),SWB(n+2)がオフであれば)、第1のノードPa(n)の電荷電圧変換容量は、容量CC(n)に対して、容量CD(n)、容量CD(n+1)及びトランジスタSWA(n),SWB(n+1)のオン時のチャネル容量を付加したものとなる。よって、第1のノードPa(n)の電荷電圧変換容量の容量値は、Cfd1’+2×Cfd2’+2×Csw≒Cfd1’+2×Cfd2’となる。この状態は、後述する第2Bの動作モードを示す図18中の期間T2の状態に相当している。
さらにまた、画素ブロックBL(n)に着目して、第1のトランジスタSWA(n),SWA(n+1)及び第2のトランジスタSWB(n+1)がオンすると、各第1のトランジスタSWA及び各第2のトランジスタSWBのうち、トランジスタSWA(n),SWA(n+1),SWB(n+1)以外のオン状態のトランジスタが第1のノードPa(n)に対して電気的に接続された状態とならなければ(ここでは、具体的には、トランジスタSWB(n),SWB(n+2)がオフであれば)、第1のノードPa(n)の電荷電圧変換容量は、容量CC(n)に対して、容量CD(n)、容量CD(n+1)、容量CC(n+1)及びトランジスタSWA(n),SWA(n+1),SWB(n+1)のオン時のチャネル容量を付加したものとなる。よって、第1のノードPa(n)の電荷電圧変換容量の容量値は、2×Cfd1’+2×Cfd2’+3×Csw≒2×Cfd1’+2×Cfd2’となる。この状態は、後述する第2Cの動作モードを示す図19中の期間T2の状態に相当している。
また、画素ブロックBL(n)に着目して、第1のトランジスタSWA(n)及び第2のトランジスタSWB(n+1),SWB(n+2)がオンすると、各第1のトランジスタSWA及び各第2のトランジスタSWBのうち、トランジスタSWA(n),SWB(n+1),SWB(n+2)以外のオン状態のトランジスタが第1のノードPa(n)に対して電気的に接続された状態とならなければ(ここでは、具体的には、トランジスタSWA(n+1),SWA(n+2),SWB(n),SWB(n+3)がオフであれば)、第1のノードPa(n)の電荷電圧変換容量は、容量CC(n)に対して、容量CD(n)、容量CD(n+1)、容量CD(n+2)及びトランジスタSWA(n),SWB(n+1),SWB(n+2)のオン時のチャネル容量を付加したものとなる。よって、第1のノードPa(n)の電荷電圧変換容量の容量値は、Cfd1’+3×Cfd2’+3×Csw≒Cfd1’+3×Cfd2’となる。この状態は、後述する第2Cの動作モードを示す図20中の期間T2の状態に相当している。
このように、各第1のトランジスタSWA及び各第2のトランジスタSWBのうち第1のノードPa(n)に対して電気的に接続されるオン状態のトランジスタがなければ、第1のノードPa(n)の電荷電圧変換容量の容量値が最小の容量値Cfd1’となり、その電荷電圧変換容量による電荷電圧変換係数が大きくなるため、最高のSN比での読出しが可能となる。そして、前述したように、容量値Cfd1’が前記第1の実施の形態における最小の容量値Cfd1よりもトランジスタ拡散容量1個分だけ小さくなるので、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と比べても、電荷電圧変換係数が一層大きくなり、より一層高いSN比での読み出しが可能となる。
一方、各第1のトランジスタSWA及び各第2のトランジスタSWBのうち第1のノードPa(n)に対して電気的に接続されるオン状態のトランジスタの数を1つ以上の所望の数に増やしていけば、第1のノードPa(n)の電荷電圧変換容量の容量値を所望の値に大きくすることができ、大きな信号電荷量を扱うことができるため、飽和電子数を拡大することができる。これにより、ダイナミックレンジを拡大することができる。
以上、画素ブロックBL(n)の第1のノードPa(n)について説明したが、他の画素ブロックBLの第1のノードPaについても同様である。
図16は、図14に示す固体撮像素子94の第1の動作モードを示すタイミングチャートである。この第1の動作モードは、各画素ブロックBLを行毎に順次選択していき、各第1のトランジスタSWA及び各第2のトランジスタSWBのうち選択された画素ブロックBLの第1のノードPaに対して電気的に接続されるオン状態のトランジスタがない状態(当該第1のノードPaの電荷電圧変換容量が最小である状態)で、選択された画素ブロックBLの転送トランジスタTXA,TXBを順次選択的にオンさせて、選択された画素ブロックBLの各フォトダイオードPDA,PDBの信号を行毎に順次読み出す動作の例である。図16に示す例では、全画素PXA,PXBの信号を読み出すが、これに限らず、例えば、画素行を間引いて読み出す間引き読み出し等を行ってもよい。この点は、後述する図17乃至図20にそれぞれ示す各例についても同様である。
これまでの説明から図16に示す第1の動作モードの動作は明らかであるので、その詳細な説明は省略する。
図17は、図14に示す固体撮像素子94の第2Aの動作モードを示すタイミングチャートである。第2Aの動作モードは、第2の動作モードのうちの1つの動作モードである。この第2の動作モードは、各画素ブロックBLを行毎に順次選択していき、各第1のトランジスタSWA及び各第2のトランジスタSWBのうちの1つ以上の所定数のオン状態のトランジスタが、選択された画素ブロックBLの第1のノードPaに対して電気的に接続された状態で、選択された画素ブロックBLの転送トランジスタTXA,TXBを順次選択的にオンさせて、選択された画素ブロックBLの各フォトダイオードPDA,PDBの信号を行毎に順次読み出す動作の例である。前記第2Aの動作モードは、前記第2の動作モードにおいて、前記所定数を1つ(第1のトランジスタSWAの1つ)とした動作の例である。
これまでの説明から図17に示す第2Aの動作モードの動作は明らかであるので、その詳細な説明は省略する。
図18は、図14に示す固体撮像素子94の第2Bの動作モードを示すタイミングチャートである。第2Bの動作モードは、前記第2の動作モードのうちの他の1つの動作モードであり、前記所定数を2つ(第1のトランジスタSWAの1つと第2のトランジスタSWBの1つ)とした動作例である。これまでの説明から図18に示す第2Bの動作モードの動作は明らかであるので、その詳細な説明は省略する。
図19は、図14に示す固体撮像素子94の第2Cの動作モードを示すタイミングチャートである。第2Cの動作モードは、前記第2の動作モードのうちの更に他の1つの動作モードであり、前記所定数を3つ(第1のトランジスタSWAの2つと第2のトランジスタSWBの1つ)とした動作例である。これまでの説明から図19に示す第2Cの動作モードの動作は明らかであるので、その詳細な説明は省略する。
図20は、図14に示す固体撮像素子94の第2Dの動作モードを示すタイミングチャートである。第2Dの動作モードは、前記第2の動作モードのうちの更に他の1つの動作モードであり、前記所定数を3つ(第1のトランジスタSWAの1つと第2のトランジスタSWBの2つ)とした動作例である。これまでの説明から図20に示す第2Dの動作モードの動作は明らかであるので、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様に、ダイナミックレンジを拡大させることができるとともに、前記比較例に比べて、高感度読出し時のSN比を向上させることができる。また、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と比べても、電荷電圧変換係数が一層大きくなり、より一層高いSN比での高感度読み出しが可能となる。
本実施の形態では、列方向に順次隣り合う全ての2つの第2のノードPb間に第2のトランジスタSWBを設けているが、本発明では、必ずしもこれに限らない。例えば、列方向に並ぶr個(rは2以上の整数)置きの第2のノードPbと当該第2のノードPbに対し図中下側に隣り合う第2のノードPbとの間には、第2のトランジスタSWBを設けずにその間を常に開放しておいてもよい。この場合、rの数が小さいほど、前記第2の動作モードにおける前記所定数の最大数が小さくなり、ダイナミックレンジの拡大の度合いが低下するが、前記比較例に比べて高感度読出し時のSN比を向上させることができる。また、例えば、列方向に並ぶs個(sは1以上の整数)置きの第2のノードPbと当該第2のノードPbに対し図中下側に隣り合う第2のノードPbとの間には、第2のトランジスタSWBを設けずにその間を電気的に短絡させておいてもよい。さらに、例えば、列方向に並ぶu個(uは1以上の整数)置きの第2のノードPbと当該第2のノードPbに対し図中下側に隣り合う第2のノードPbとの間にのみ第2のトランジスタSWBを設ける一方で、列方向に並ぶu個置き以外の第2のノードPbと当該第2のノードPbに対し図中下側に隣り合う第2のノードPbとの間を電気的に短絡させてもよい。
なお、前記第2の実施の形態と同様に、本実施の形態において、配線98に調整容量を設けてもよい。また、本実施の形態においても、容量CDの容量値を、容量CCの容量値に対して±20%の範囲内の値にしてもよいし、容量CCの容量値に対して±10%の範囲内の値にしてもよい。これらの点は、後述する第5の実施の形態についても同様である。
なお、図16乃至図20に示す各動作例は、各画素PXのフォトダイオードPDの信号電荷を、他の画素PXのフォトダイオードPDの信号電荷と混合することなく読み出す動作の例であった。しかし、本発明では、各画素PXのフォトダイオードPDの信号電荷を、同色の他の画素PXのフォトダイオードPDの信号電荷と混合して読み出してもよい。
例えば、第1のトランジスタSWA(n−1),SWA(n),SWA(n+1)及び第2のトランジスタSWB(n),SWB(n+1)をオンにして第1のノードPa(n−1),Pa(n),Pa(n+1)を互いに連結し、TXA(n−1),TXA(n),TXA(n+1)を同時にオンにすると、ベイヤー配列等を前提とした場合における同色の3つの画素PXA(n−1),PXA(n),PXA(n−1)のフォトダイオードPDA(n−1),PDA(n),PDA(n−1)の信号電荷が互いに連結された第1のノードPa(n−1),Pa(n),Pa(n+1)で平均化され、同色3画素混合読出しの機能を実現することができる。このとき、第2のトランジスタSWB(n−2),SWB(n+2)をオフにし、第1のノードPa(n−1),Pa(n),Pa(n+1)に対して電気的に接続されるオン状態の第1又は第2のトランジスタの数を最小限にすることによって、連結された第1のノードPa(n−1),Pa(n),Pa(n+1)における電荷電圧変換容量値が最小となり、最高のSN比で同色3画素混合読出しを行うことができる。一方、第1のトランジスタSWA(n−1),SWA(n),SWA(n+1)及び第2のトランジスタSWB(n),SWB(n+1)の他に、各第1のトランジスタSWA及び各第2のトランジスタSWBのうちの1個以上のオン状態のトランジスタが第1のノードPa(n−1),Pa(n),Pa(n+1)に対して電気的に接続されるようにすれば、その数に応じて、連結された第1のノードPa(n−1),Pa(n),Pa(n+1)における電荷電圧変換容量値が大きくなり、同色3画素混合読出しのダイナミックレンジを拡大することができる。
[第5の実施の形態]
図21は、本発明の第5の実施の形態による電子カメラの固体撮像素子104の概略構成を示す回路図であり、図14に対応している。図21において、図14中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態が前記第4の実施の形態と異なる所は、本実施の形態では、前記第4の実施の形態において、各画素ブロックBLにおいて、フォトダイオードPDB及び転送トランジスタTXBが取り除かれ、各画素ブロックBLが画素PXAになっている点である。ただし、本実施の形態では、フォトダイオードPDAの列方向の密度は、前記第4の実施の形態におけるフォトダイオードPDAの列方向の密度の2倍にされ、前記第4の実施の形態におけるフォトダイオードPDA,PDB全体の列方向の密度と同一になっている。本実施の形態では、nは、画素ブロックBLの行を示すと同時に、画素PXAの行を示すことになる。
換言すれば、前記第4の実施の形態では、各画素ブロックBLは2個の画素PX(PXA,PXB)で構成されているのに対し、本実施の形態では、各画素ブロックBLは1個の画素PX(PXA)で構成されている。そして、前記第4の実施の形態では、画素ブロックBLに属する2個の画素PX(PXA,PXB)が、1組の第1のノードPa、増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRST及び選択トランジスタSELを共有しているに対し、本実施の形態では、各画素PX(本実施の形態では、PXAのみ)が、それぞれ1組の第1のノードPa、増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRST及び選択トランジスタSELを有している。
基本的に、前記第4の実施の形態の説明は、画素ブロックBLを画素PXAに置き換えることで、本実施の形態の説明として適合する。よって、ここでは、本実施の形態の詳細な説明は省略する。
本実施の形態によっても、前記第4の実施の形態と同様の利点が得られる。
[第6の実施の形態]
図22は、本発明の第6の実施の形態による電子カメラの固体撮像素子の3つの画素ブロックBLの付近を示す回路図であり、図3に対応している。図23は、図22に示す3つの画素ブロックBLの付近を模式的に示す概略平面図であり、図4及び図5に対応している。図22及び図23において、図3、図4及び図5中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
なお、図23では、図4および図5において図示を省略していた制御線24(n)を明記しているが、制御線24(n)は本実施の形態で新たに追加したものではない。つまり、他の実施の形態においても制御線24(n)は存在しているが、図示を省略していた。
制御線24(n)は、前記第1の実施の形態において、図3を参照して説明したように、制御信号φRST(n)が伝送される制御線である。リセットトランジスタRST(n)のゲートは行毎に制御線24(n)に共通に接続され、そこには、制御信号φRST(n)が垂直走査回路21から供給される。図23に示すように、制御線24(n)はノードP(n)に対して略平行になるように配置されており、制御線24(n)とノードP(n)との間には結合容量CRSTA(n)が形成される。以下の説明において、結合容量CRSTA(n)の容量値をCraとする。
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、以下に説明する点である。本実施の形態では、各画素ブロックBL(n)において、配線72(n)と略平行にダミー配線DP(n)を配置している。ダミー配線DP(n)は、制御線24(n)の一部を延在させた配線パターンである。つまりダミー配線DP(n)は、一端が制御線24(n)に接続されているが、画素ブロックBLの間に延在する他端はどこにも接続されておらず、回路の制御には特に意味を持たないダミーの配線パターンであるといえる。配線72(n)と略平行にダミー配線DP(n)を配置したことにより、配線72(n)とダミー配線DP(n)との間には、図22および図23に示すように、結合容量CRSTB(n)が形成される。以下の説明において、結合容量CRSTB(n)の容量値をCrbとする。前記第1の実施の形態においては、制御線24(n)と配線72(n)とはほとんど結合しておらず、Crbは極めて小さいものであった。本実施の形態では、ダミー配線DP(n)を設けたので、Crbは前記第1の実施の形態に比べて大きな値をとる。
なお、ダミー配線DP(n)の形状は、上述したものと異なっていてもよい。例えば、配線72(n)と平行な部分のみとし、画素ブロックBLの間に延在している部分は省略してもよい。また、結合容量CRSTB(n)を大きくするため、ダミー配線DP(n)のパターンはできるだけ太くすることが望ましい。更に、ダミー配線DP(n)を設けるものとは異なる方法で、制御線24(n)と配線72(n)との結合容量を大きくしてもよい。
図24は、ノードP(n)の電位をリセットする様子を例示するタイミングチャートである。時刻t0において、制御信号φRST(n)がHにされてn行目のリセットトランジスタRST(n)が一旦オンにされ、ノードP(n)の電位が一旦電源電位VDDにリセットされる。その後、制御信号φRST(n)がLにされると、リセットトランジスタRST(n)がオフにされる。このとき、ノードP(n)の電位は、電源電位VDDからフィードスルー量ΔVだけ低下し、電位VDARKになる。
連結トランジスタSWa(n),SWb(n),SWb(n−1)がオフしている場合、フィードスルー量ΔVは、(Cra/Cfd1)×Vrstとなる。ここで、Vrstは制御信号φRST(n)の振幅である。なお、前述の通り、Cfd1は容量CA(n)の容量値であり、Craは結合容量CRSTA(n)の容量値である。
これに対して、連結トランジスタSWa(n)がオンしている場合、フィードスルー量ΔVは、((Cra+Crb)/(Cfd1+Cfd2))×Vrstとなる。なお、前述の通り、Cfd2は容量CB(n)の容量値であり、Crbは結合容量CRSTB(n)の容量値である。
前記第1の実施の形態では、Crbは極めて小さい。仮にCrbを0とすると、連結トランジスタSWa(n)がオンしている場合のフィードスルー量ΔVは、(Cra/(Cfd1+Cfd2))となる。ここで、容量値Craは、連結トランジスタSWa(n)のオンオフにかかわらず一定である。従って、前記第1の実施の形態において、フィードスルー量ΔVは、連結トランジスタSWa(n)をオンすると小さくなる。そのため、電位VDARKは連結トランジスタSWa(n)がオフしている場合に比べて高くなる。
一方、本実施の形態では、Crbが前記第1の実施の形態よりも大きい。従って、フィードスルー量ΔVは前記第1の実施の形態に比べて大きくなり、電位VDARKを低くすることができる。
増幅トランジスタAMP(n)からの出力のリニアリティを良好に保つためには、増幅トランジスタAMP(n)を飽和領域で動作させる必要がある。つまり、ドレイン・ソース間電圧Vdsを飽和電圧Vdsatよりも大きくする必要がある。ドレイン・ソース間電圧Vdsは、ドレイン電圧Vdとソース電圧Vsとの差であり、Vd−Vsと表記される。ここで、図22より、ドレイン電圧Vdは電源電圧Vddである。また、ソース電圧VsはVg―Vth―√(2×Id/β)である。なお、Vgはゲート電圧、Vthは増幅トランジスタAMP(n)のしきい値、Idはドレイン電流、βは素子パラメータである。
ここから、ゲート電圧Vgが高くなるとソース電圧Vsが上昇する、つまりドレイン・ソース間電圧Vdsが小さくなることがわかる。このとき、増幅トランジスタAMP(n)が飽和領域で動作できなくなる可能性がある。従って、ノードP(n)のリセット後の電位VDARKを低く保つ必要がある。また、ノイズ低減のため増幅トランジスタAMP(n)を埋め込みチャネル型にする技術があるが、このような技術を適用するとしきい値Vthは低下するので、ソース電圧Vsは更に上昇することになる。そのため、電位VDARKを低く抑えることはより重要になる。
本実施の形態では、連結トランジスタSWa(n)がオンしている場合にも、フィードスルー量ΔVを大きくすることができ、増幅トランジスタAMP(n)を確実に飽和領域で動作させることができるので、前記第1の実施の形態に比べ、増幅トランジスタAMP(n)の出力のリニアリティが向上する。
また、Cfd2,Crbの容量値は調整可能であり、適宜調整することにより、連結トランジスタSWa(n)のオンオフによらず、フィードスルー量ΔVを略同一にすることもできる。このようにすれば、連結トランジスタSWa(n)のオンオフによらず、ノードP(n)のリセット後の電位VDARKを略同一にして動作させることができる。
[第7の実施の形態]
図25は、本発明の第6の実施の形態による電子カメラの固体撮像素子の3つの画素ブロックBLの付近を示す回路図であり、図3に対応している。図26は、図25に示す3つの画素ブロックBLの付近を模式的に示す概略平面図であり、図4及び図5に対応している。図25及び図26において、図3、図4及び図5中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
なお、図26では、図4および図5において図示を省略していた3つの制御線22(n),24(n),27(n)を明記しているが、これら3つの制御線22(n),24(n),27(n)は本実施の形態で新たに追加したものではない。つまり、他の実施の形態においてもこれら3つの制御線22(n),24(n),27(n)は存在しているが、図示を省略していた。
制御線22(n)は、前記第1の実施の形態において、図3を参照して説明したように、制御信号φSWa(n)が伝送される制御線である。連結トランジスタSWa(n)のゲートは行毎に制御線22(n)に共通に接続され、そこには、制御信号φSWa(n)が垂直走査回路21から供給される。
制御線24(n)は、前記第1の実施の形態において、図3を参照して説明したように、制御信号φRST(n)が伝送される制御線である。リセットトランジスタRST(n)のゲートは行毎に制御線24(n)に共通に接続され、そこには、制御信号φRST(n)が垂直走査回路21から供給される。
制御線27(n)は、前記第1の実施の形態において、図3を参照して説明したように、制御信号φSWb(n)が伝送される制御線である。連結トランジスタSWb(n)のゲートは行毎に制御線27(n)に共通に接続され、そこには、制御信号φSWb(n)が垂直走査回路21から供給される。
図25および図26に示すように、ノードP(n)と制御線24(n)との間には、結合容量CRSTA(n)が形成される。同様に、配線72(n)と制御線22(n)との間には、結合容量CSWa(n)が形成され、配線72(n)と制御線27(n)との間には、結合容量CSWb(n)が形成される。
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、以下に説明する点である。本実施の形態において、固体撮像素子の回路構成は前記第1の実施の形態と同一である。本実施の形態では、各動作モードにおける連結トランジスタSWa(n),SWb(n)の動作が、前記第1の実施の形態と異なる。以下、画素ブロックBL(n)に注目して、各動作モードにおける連結トランジスタSWa(n),SWb(n)の動作を説明する。
図27は、本発明の第7の実施の形態による電子カメラの固体撮像素子の第1の動作モードを示すタイミングチャートであり、図6に対応している。前記第1の実施の形態との違いは、制御信号φRST(n)をHにしてリセットトランジスタRST(n)をオンにする際、略同時に制御信号φSWa(n)をHにして連結トランジスタSWa(n)をオンにしている点である(時刻t1直前)。垂直走査回路21は、その後に、まず制御信号φRST(n)をLにしてリセットトランジスタRST(n)をオフにし、続いて制御信号φSWa(n)をLにして連結トランジスタSWa(n)をオフにする。その他の点については前記第1の実施の形態と同一であるので説明を省略する。
図28は、本発明の第7の実施の形態による電子カメラの固体撮像素子の第2Aの動作モードを示すタイミングチャートであり、図7に対応している。前記第1の実施の形態との違いは、制御信号φRST(n)をHにしてリセットトランジスタRST(n)をオンにする際、略同時に、制御信号φSWb(n)をHにして連結トランジスタSWb(n)をオンにしている点である(時刻t1直前)。垂直走査回路21は、その後に、まず制御信号φRST(n)をLにしてリセットトランジスタRST(n)をオフにし、続いて制御信号φSWb(n)をLにして連結トランジスタSWb(n)をオフにする。その他の点については前記第1の実施の形態と同一であるので説明を省略する。
図29は、本発明の第7の実施の形態による電子カメラの固体撮像素子の第2Bの動作モードを示すタイミングチャートであり、図8に対応している。前記第1の実施の形態との違いは、制御信号φRST(n)をHにしてリセットトランジスタRST(n)をオンにする際、略同時に制御信号φSWa(n+1)をHにして連結トランジスタSWa(n+1)をオンにしている点である(時刻t1直前)。垂直走査回路21は、その後に、まず制御信号φRST(n)をLにしてリセットトランジスタRST(n)をオフにし、続いて制御信号φSWa(n+1)をLにして連結トランジスタSWa(n+1)をオフにする。その他の点については前記第1の実施の形態と同一であるので説明を省略する。
以上のように、本実施の形態では、ノードP(n)のリセットの際に、略同時に最外端の連結トランジスタを(一時的に)オンしている。ここで最外端の連結トランジスタとは、連結する画素ブロックBLの最外端に位置する連結トランジスタである。例えば画素ブロックBL(n)を連結しない場合、最外端の連結トランジスタとは、連結トランジスタSWa(n),SWb(n−1)のいずれか一方である。また、画素ブロックBL(n)と画素ブロックBL(n+1)とを連結する場合、最外端の連結トランジスタとは、連結トランジスタSWa(n+1),SWb(n−1)のいずれか一方である。
図30は、ノードP(n)の電位をリセットする様子を例示するタイミングチャートである。なお図30において、制御信号φSWは、最外端の連結トランジスタのゲートに供給される制御信号である。例えば、最外端の連結トランジスタが連結トランジスタSWb(n−1)である場合、制御信号φSWとは制御信号φSWb(n−1)のことである。
時刻t0において、最外端の連結トランジスタのゲートに供給される制御信号φSWと制御信号φRST(n)とが略同時にHにされる。これにより、n行目のリセットトランジスタRST(n)が一旦オンにされると共に、画素ブロックBLが一旦連結される。このとき、ノードP(n)の電位は、一旦電源電位VDDにリセットされる。その後、制御信号φRST(n)がLにされると、リセットトランジスタRST(n)がオフにされる。このとき、ノードP(n)の電位は、電源電位VDDから、制御線24(n)による結合容量に従ったフィードスルー量ΔV1だけ低下する。続いて、制御信号φSWがLにされると、最外端の連結トランジスタがオフにされる。このとき、ノードP(n)の電位は、更にフィードスルー量ΔV2だけ低下し、電位VDARKになる。
以上のように、本実施の形態では、ノードP(n)の電位のリセット時に最外端の連結スイッチをオンオフすることで、これによるフィードスルー量ΔV2だけノードP(n)の電位を更に低下させている。これにより、電位VDARKを、前記第1の実施の形態に比べ、更に低く抑えることができる。従って、前記第6の実施の形態で説明したものと同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の各実施の形態及び変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。