JP6413163B2 - クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷の判定用キット、判定方法及び試験方法 - Google Patents
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Description
(1)Natriuretic peptide B(NPPB)、integrin beta 6(ITGB6)、copine IV(CPNE4)、echinoderm microtubule associated protein like 5(EML5)、intersectin 1(ITSN1)及びcytoplasmic polyadenylation element binding protein 1(CPEB1)からなる群より選択される少なくとも1種の遺伝子を増幅するプライマー対を含む、クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷の判定キット。
(2)NPPB、ITGB6、CPNE4、EML5、ITSN1及びCPEB1からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質に対する抗体を含む、クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷の判定キット。
(3)創傷を有する被検体から採取された創傷滲出液中の細胞における、NPPB、ITGB6、CPNE4、EML5、ITSN1及びCPEB1からなる群より選択される少なくとも1種の遺伝子の発現を検出する工程と、前記少なくとも1種の遺伝子の発現が検出された場合に、前記創傷が、クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷であると判定する工程と、を含む、クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷の判定方法。
(4)創傷を有する被検体から採取された創傷滲出液中の細胞における、NPPB、ITGB6、CPNE4、EML5、ITSN1及びCPEB1からなる群より選択される少なくとも1種の遺伝子の発現を検出する工程と、前記少なくとも1種の遺伝子の発現が検出された場合に、前記創傷滲出液が、クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷に由来するものであると判定する工程と、を含む、創傷滲出液の由来の判定方法。
(5)創傷を有する被検体から採取された創傷滲出液中の細胞における、NPPB、ITGB6、CPNE4、EML5、ITSN1及びCPEB1からなる群より選択される少なくとも1種の遺伝子の発現を検出する工程と、前記検出する工程の結果を、前記少なくとも1種の遺伝子の発現が検出された場合には、前記創傷が、クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷であるという基準と比較する工程と、を含む、前記創傷がクリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷であるか否かを試験する方法。
本実施形態の判定方法において、上記のマーカー遺伝子の発現の検出は、mRNAレベルで行ってもよく、タンパク質レベルで行ってもよい。
マーカー遺伝子の発現を検出した結果、NPPB、ITGB6、CPNE4、EML5、ITSN1及びCPEB1からなる群より選択される少なくとも1種の遺伝子の発現が検出された場合に、上記の創傷が、クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷であると判定することができる。
本実施形態の判定方法において、上記のマーカー遺伝子の発現の検出は、mRNAレベルで行ってもよく、タンパク質レベルで行ってもよい。本工程は、上述したクリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷の判定方法における、マーカー遺伝子の発現を検出する工程と同様の方法によりに行うことができる。
マーカー遺伝子の発現を検出した結果、NPPB、ITGB6、CPNE4、EML5、ITSN1及びCPEB1からなる群より選択される少なくとも1種の遺伝子の発現が検出された場合に、上記の創傷滲出液が、クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷に由来するものであると判定することができる。
本実施形態の試験方法において、上記のマーカー遺伝子の発現の検出は、mRNAレベルで行ってもよく、タンパク質レベルで行ってもよい。本工程は、上述したクリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷の判定方法における、マーカー遺伝子の発現を検出する工程と同様の方法によりに行うことができる。
本工程において、マーカー遺伝子の発現を検出した結果を、以下の基準、すなわち、NPPB、ITGB6、CPNE4、EML5、ITSN1及びCPEB1からなる群より選択される少なくとも1種の遺伝子の発現が検出された場合には、上記の創傷が、クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷であるという基準と比較する。本工程により、上記の創傷が、クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷であるか否かを試験することができる。
[クリティカルコロナイゼーション創傷動物モデルの作製及び妥当性の検討]
まず、クリティカルコロナイゼーション創傷動物モデルを作製した。本動物モデルが満たすべき条件として、汚染、定着、クリティカルコロナイゼーション、感染に対応する一連のモデルであること、1種類の実験操作の条件の違いによって、定着、クリティカルコロナイゼーション、感染の創傷モデルが再現できることが考えられた。また、創傷治癒に影響を与えることなく創傷滲出液を採取することができ、創傷滲出液中の細胞における遺伝子発現の網羅的解析が可能なだけの質、量ともに十分な創傷滲出液が得られるモデルであることが必要であると考えた。
創部のデジタルカメラ画像から、画像解析ソフトである、ImageJ(http://imagej.nih.gov/ij/)を用いて創面積を定量した。
創部のデジタルカメラ画像からImageJで創縁外周2mmの創周囲の皮膚の発赤量を測定した。また、ヘマトキシリン−エオジン染色した組織の創縁10mm以内の腫脹部と正常部の厚さの比を算出し、腫脹量を測定した。
創底の組織をホモジェナイズし、段階希釈したものを、LB寒天培地で48時間培養後、全コロニー数をカウントし、組織1g当たりの細菌数を算出した。
創部のパラフィン切片を作製し、ヘマトキシリン−エオジン染色した。光学顕微鏡で観察し、形態学的特徴と炎症性細胞の局在を観察した。
[クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷のマーカー遺伝子の探索]
上述した対照群、定着群、クリティカルコロナイゼーション群、感染群のラットの、創作製6日後の創傷滲出液中の宿主細胞を1×106個/サンプルずつ回収し、全RNAを抽出した。抽出した全RNAを各群毎に混合し、対照群(n=4)、定着群(n=5)、クリティカルコロナイゼーション群(n=6)、感染群(n=5)の4群4サンプルの全RNAを得た。
[ヒトのクリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷のマーカー遺伝子の探索]
実際の臨床における、創傷滲出液サンプルを用いて、ヒトのクリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷のマーカー遺伝子を探索した。
まず、患者を、次の基準により、定着群、クリティカルコロナイゼーション群、感染群に分類した。創傷の肉眼的所見は、1人の皮膚・排泄ケア認定看護師により判断した。まず、創面積が週30%以上縮小し、肉眼的に感染徴候を認めない患者を正常治癒群(定着群)とした。また、創面積が不変又は拡大し、肉眼的に明らかな感染徴候を認めないが治癒遅延した患者をクリティカルコロナイゼーション群とした。また、創面積が拡大し、肉眼的に明らかな感染徴候が認められ、Levine法で細菌数が105CFU/cm2以上であった患者を感染群とした。定着群の患者4名、クリティカルコロナイゼーション群の患者3名、感染群の患者4名を対象として検討を行った。
各患者の通常のケアに使用された使用済みガーゼから創傷滲出液を採取した。具体的には、まず、使用済みガーゼのうち創傷滲出液を含む領域を、滅菌したメスとはさみを用いて切り出した。周囲環境からのコンタミネーションを防止するため、ガーゼの内部の領域のみをRNA抽出に使用した。切断したガーゼは、50mL遠沈管に入れた20mLのRNaseフリーリン酸緩衝液に浸し、氷上で実験室まで運搬した。運搬に要した時間は最大で2時間であった。
実験例2のリスト1の上から順に、アノテーション及びヒトホモログ遺伝子が存在し、ターゲット遺伝子特異的なプライマー設計が可能であった遺伝子を、候補遺伝子として12個選択し、そのヒトホモログ遺伝子を増幅するプライマーを設計した。表3に、選択した候補遺伝子及び当該遺伝子増幅用プライマーの配列番号を示す。
逆転写酵素及びランダムプライマーを使用して、調製した全RNAからcDNAを調製した。続いて、調製したcDNAを鋳型として、Mx3000P qPCR System(商品名、アジレントテクノロジー社)を使用して、定量PCRを行った。
ΔCt値=対照遺伝子の平均Ct値−内部標準の平均Ct値 …(1)
定量PCRの結果、多くの候補遺伝子は、発現が検出されなかった。しかしながら、発現が検出された候補遺伝子は、定着群、クリティカルコロナイゼーション群、感染群において、異なる発現プロファイルを示す傾向にあった。定着群と、クリティカルコロナイゼーション群又は感染群との間で、ΔCt値が明確に異なる遺伝子として、NPPB、ITGB6、CPNE4、CPEB1、EML5、ITSN1を選定した。表9に、これらのマーカー遺伝子のΔCt値の結果を示す。表中、「ND」は、遺伝子の発現が検出されなかったことを示す。
感度(%)=A/(A+B)×100 …(2)
特異度(%)=D/(C+D)×100 …(3)
[クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷のマーカー遺伝子の発現量の経時的な変化]
感染群の患者(患者ID:感染群4)の症例において、創傷の治療の経過と、実験例3で同定された、クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷のマーカー遺伝子の発現量の変化について検討した。
Claims (5)
- Natriuretic peptide B(NPPB)、integrin beta 6(ITGB6)、copine IV(CPNE4)、echinoderm microtubule associated protein like 5(EML5)、intersectin 1(ITSN1)及びcytoplasmic polyadenylation element binding protein 1(CPEB1)からなる群より選択される少なくとも1種の遺伝子を増幅するプライマー対を含む、クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷の判定用キット。
- NPPB、ITGB6、CPNE4、EML5、ITSN1及びCPEB1からなる群より選択される少なくとも1種のタンパク質に対する抗体を含む、クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷の判定用キット。
- 創傷を有する被検体から採取された創傷滲出液中の細胞における、NPPB、ITGB6、CPNE4、EML5、ITSN1及びCPEB1からなる群より選択される少なくとも1種の遺伝子の発現を検出する工程と、
前記少なくとも1種の遺伝子の発現が検出された場合に、前記創傷が、クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷であると判定する工程と、
を含む、クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷の判定方法。 - 創傷を有する被検体から採取された創傷滲出液中の細胞における、NPPB、ITGB6、CPNE4、EML5、ITSN1及びCPEB1からなる群より選択される少なくとも1種の遺伝子の発現を検出する工程と、
前記少なくとも1種の遺伝子の発現が検出された場合に、前記創傷滲出液が、クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷に由来するものであると判定する工程と、
を含む、創傷滲出液の由来の判定方法。 - 創傷を有する被検体から採取された創傷滲出液中の細胞における、NPPB、ITGB6、CPNE4、EML5、ITSN1及びCPEB1からなる群より選択される少なくとも1種の遺伝子の発現を検出する工程と、
前記検出する工程の結果を、前記少なくとも1種の遺伝子の発現が検出された場合には、前記創傷が、クリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷であるという基準と比較する工程と、
を含む、前記創傷がクリティカルコロナイゼーション創傷又は感染創傷であるか否かを試験する方法。
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