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JP6409225B2 - 構造物設置用架台及びその施工方法 - Google Patents

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JP6409225B2 JP2014214684A JP2014214684A JP6409225B2 JP 6409225 B2 JP6409225 B2 JP 6409225B2 JP 2014214684 A JP2014214684 A JP 2014214684A JP 2014214684 A JP2014214684 A JP 2014214684A JP 6409225 B2 JP6409225 B2 JP 6409225B2
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Description

本発明は、丘陵や山地、山間部等の平坦でない土地において、構造物(例えば、太陽電池モジュール等)を容易に設置することのできる構造物設置用架台及びその施工方法に関する。
近年、クリーンエネルギーの一つとして太陽光発電システムが注目されている。
この分野では、広大な土地に膨大な数の太陽光発電パネルを設置して太陽光発電を行い、その発電電力を電力会社や一般企業等に売電する企業も現れており、太陽光発電システムはこれから益々需要が伸びる分野である。
一般に、太陽光発電システムは、整地された平坦な地面に付設された基礎の上に支柱を立設し、その支柱上に縦桟と横桟とを予め設定された所定の傾斜角度で井桁状に組み付けて配置し、横桟上に多数の太陽電池モジュールを並べて設置する構造が一般的である。
しかし、日本は土地が狭く、特に、丘陵や山地、山間部等では、平坦な土地を確保することが難しい。また、整地することも手間とコストを考えると現実的でない。
そこで、丘陵や山地、山間部等の平坦でない土地においても、太陽光発電パネル(太陽電池モジュール)を設置できるように工夫された技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図22及び図23は、特許文献1に開示されている太陽光発電パネル設置システムの構成例を示す概略断面図である。
特許文献1に記載の太陽光発電パネル設置システムは、パネル支持フレーム103に支持されて設置される太陽光発電パネル(太陽電池モジュール)102と、パネル支持フレーム103に接続し、定着ボルト104を貫通させる第1貫通孔107aを有する接続形鋼117と、一端は地面(斜面)113に設けられた削孔106内に挿入され、他端は第1貫通孔107aの両側面からそれぞれ接続形鋼117を挟み込む一組の球面ワッシャ112a及び球面ナット112bにより接続形鋼117と連結する定着ボルト104と、開口端が地面113に貫入される筒状部110、及び定着ボルト104を貫通させる第2貫通孔107b及び定着ボルト104に係合する調整ナット114を有する底板部111から構成される筒状調整管105と、を備え、球面ワッシャ112a及び球面ナット112b相互の回転角度により定着ボルト104の挿入角度が調整され、筒状調整管105の地面への貫入量により定着ボルト104の挿入レベルが調整されるようになっている。
すなわち、斜面113に挿入された定着ボルト104の設置位置(座標位置)、貫入量(高さ位置)、挿入角度(鉛直度)などの施工誤差を調整することで、例えば丘陵や山地といった傾斜面を含む地面に太陽光発電パネルを設置することができるようにしている。
特開2013−130011号公報
しかし、特許文献1に記載の太陽光発電パネル設置システムでは、斜面113に挿入された定着ボルト104の設置位置(座標位置)、貫入量(高さ位置)、挿入角度(鉛直度)などの各種施工誤差の調整を、作業者が足場の悪い斜面113において行う必要があるため、調整作業が難しく、かつ、煩わしい作業となっていた。
また、斜面に定着ボルト104を設置するための筒状調整管105の構造も複雑であるため、一つの定着ボルト104を設置するのに時間がかかり、作業効率が悪く、施工コストも嵩むといった問題もあった。
さらに、特許文献1に記載の太陽光発電パネル設置システムでは、各定着ボルト104がそれぞれ単独で太陽光発電パネル102を支持する構造であるため、十分な強度が得られないといった問題もあった。
本発明はかかる問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、架台を構成する支柱や桟等の各部材間の角度調整を個別に可能とすることで、丘陵や山地、山間部等の平坦でない土地(特に、二次元的な斜面(例えば、坂道のような斜面)ではなく、三次元的な起伏のある傾斜面(例えば、ゴルフ場のような傾斜面)等)においても、構造物を所定の傾斜角度で容易に設置することのできる構造物用設置架台及びその施工方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の構造物設置架台は、構造物を非平坦地に設置する構造物設置用架台であって、非平坦地に複数本の基礎部材が立設され、傾斜方向に対向する2本の基礎部材上に縦桟を設置することで、少なくとも2本の縦桟が所定の間隔を存して前記傾斜方向に沿って設置され、これら縦桟上に少なくとも2本の横桟が前記傾斜方向に交差して設置され、これら横桟上に構造物が設置される構造であり、前記基礎部材と前記縦桟との間に介在される連結部材、及び、前記縦桟と前記横桟との間に介在される連結部材は、前記基礎部材上または前記縦桟上に固定される支持金具と、前記支持金具上に載置されて前記支持金具に対し上下回動自在に支持される桟受け具とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の構造物設置用架台によれば、前記縦桟は、前記基礎部材上に固定された前記支持金具に前記桟受け具を介してボルトを挿通する挿通孔を有するとともに、前記挿通孔のうち前記傾斜方向の下側または上側の少なくともいずれか一方の挿通孔が、前記傾斜方向に沿う長孔または前記傾斜方向に沿って連続する複数の丸孔に形成されており、前記横桟は、前記縦桟上に固定された前記支持金具に前記桟受け具を介してボルトを挿通する挿通孔を有するとともに、前記挿通孔のうち前記傾斜方向に交差する一方の側または他方の側の少なくともいずれか一方の挿通孔が、前記傾斜方向に交差する方向に沿う長孔に形成されている。
また、本発明の構造物設置用架台によれば、前記支持金具は、主板と、前記主板の両側部から下方に延設された脚板と、前記脚板の下端部から横方向に延設された固定板とからなり、前記脚板には前記ボルトをねじ込むネジ孔が形成されており、前記桟受け具は、桟を受け止める受け板と、前記受け板の両側部から下方に延設された側板とからなり、前記側板には前記ボルトを挿通する挿通孔が形成されており、前記挿通孔を介して前記ネジ孔に前記ボルトをねじ込んだ状態において、前記受け板は前記主板から浮いた状態で保持される構成としている。
また、本発明の構造物設置用架台によれば、前記構造物として太陽電池モジュールを用いることができる。
また、本発明の構造物設置用架台の施工方法は、非平坦地に複数本の基礎部材を立設する工程と、各基礎部材上にそれぞれ支持金具を固定する工程と、前記支持金具上に桟受け具を仮置きする工程と、設置基準となる第1の基礎部材とこれに傾斜方向に対向する第2の基礎部材とに跨がって、仮置きした桟受け具上に縦桟を載置する工程と、前記第1の基礎部材上の縦桟に形成された丸孔と桟受け具に形成された挿通孔と支持金具に形成されたネジ孔とを一致させ、前記縦桟の丸孔から桟受け具の前記挿通孔を介して前記ネジ孔にボルトをねじ込んで、第1の基礎部材上の縦桟部分を固定する工程と、前記第2の基礎部材上の縦桟に形成された長孔と桟受け具に形成された挿通孔と支持金具に形成されたネジ孔とを一致させ、前記縦桟の長孔から桟受け具の前記挿通孔を介して前記ネジ孔にボルトをねじ込んで、第2の基礎部材上の縦桟部分を固定する工程と、前記第1の基礎部材と傾斜方向に交差する方向に対向する第3の基礎部材とこれに傾斜方向に対向する第4の基礎部材とに跨がって、仮置きした桟受け具上に縦桟を載置する工程と、前記第3の基礎部材上の縦桟に長手方向に沿って形成された連続する複数の丸孔のうちの一つの丸孔と桟受け具に形成された挿通孔と支持金具に形成されたネジ孔とを一致させ、前記縦桟の一つの丸孔から桟受け具の前記挿通孔を介して前記ネジ孔にボルトをねじ込んで、前記第3の基礎部材上の縦桟部分を固定する工程と、前記第4の基礎部材上の縦桟に長手方向に沿って形成された複数の丸孔のうち一致している一つの丸孔から、桟受け具に形成された挿通孔を介して支持金具のネジ孔にボルトをねじ込んで、前記第4の基礎部材上の縦桟部分を固定する工程と、第1の基礎部材近傍の縦桟上、第2の基礎部材近傍の縦桟上、第3の基礎部材近傍の縦桟上、及び第4の基礎部材近傍の縦桟上にそれぞれ支持金具を固定する工程と、縦桟上のそれぞれの支持金具上に桟受け具をそれぞれ仮置きする工程と、前記2つの縦桟に跨がって、一方の縦桟上の支持金具に仮置きした桟受け具と他方の縦桟上の支持金具に仮置きした桟受け具とに横桟を載置する工程と、前記横桟の一方の端部近傍に形成された丸孔と桟受け具に形成された挿通孔と支持金具に形成されたネジ孔とを一致させ、前記横桟の丸孔から前記桟受け具の挿通孔を介して前記ネジ孔にボルトをねじ込んで、前記一方の縦桟と交差した横桟部分を固定する工程と、前記横桟の他方の端部近傍に形成された長孔と桟受け具に形成された挿通孔と支持金具に形成されたネジ孔とを一致させ、前記横桟の長孔から前記縦受け具の挿通孔を介して前記ネジ孔にボルトをねじ込んで、前記他方の縦桟と交差した横桟部分を固定する工程と、を含むことを特徴としている。
本発明によれば、架台を構成する各部材同士の角度調整を可能とすることで、架台全体として三次元方向に角度調整可能となるため、丘陵や山地、山間部等の三次元的な起伏のある傾斜面等において、構造物を容易に、かつ十分な強度を持って設置するこができる。
本発明の実施形態に係る構造物設置用架台の全体構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る構造物設置用架台の全体構成を示す斜視図である。 実施形態に係る構造物設置用架台を傾斜方向に直交する横方向から見た状態を示す側面図である。 実施形態に係る構造物設置用架台を傾斜方向の下側から傾斜方向の上側に向かって見た状態を示す正面図である。 支柱の上部を示す斜視図である。 設置基準となる縦桟の斜視図である。 設置基準とならない縦桟の斜視図である。 横桟の斜視図である。 支持金具の斜視図である。 支持金具の斜視図である。 桟受け具の斜視図である。 連結部材である支持金具と桟受け具との接続関係を示す説明図である。 連結部材である支持金具と桟受け具との接続関係を示す説明図であり、図11のD―D線断面図である。 連結部材である支持金具と桟受け具との他の接続関係を示す説明図であり、図11のD―D線断面図である。 支柱に縦桟を設置する状態を示す分解斜視図である。 支柱に固定金具を取り付ける様子を示す斜視図である。 連結部材を用いて支柱上に縦桟を取り付けた状態、及び、縦桟上に横桟を取り付けた状態を示す説明図である。 縦桟上に横桟を設置する状態を示す分解斜視図である。 第1の支柱上において縦桟と横桟とのそれぞれの固定状態を透視的に示す斜視図である。 第2の支柱上において縦桟と横桟とのそれぞれの固定状態を透視的に示す斜視図である。 第3の支柱上において縦桟と横桟とのそれぞれの固定状態を透視的に示す斜視図である。 第4支柱上において縦桟と横桟とのそれぞれの固定状態を透視的に示す斜視図である。 従来の太陽光発電パネル設置システムの概略断面図である。 従来の太陽光発電パネル設置システムの一部を拡大して示した概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る構造物設置用架台の全体構成を示す斜視図、図3は、同実施形態に係る構造物設置用架台を傾斜方向に直交する横方向から見た状態を示す側面図、図4は、同実施形態に係る構造物設置用架台を傾斜方向の下側から傾斜方向の上側に向かって見た状態を示す正面図である。
本実施形態に係る構造物設置用架台1は、三次元的な起伏のある傾斜面等、例えば丘陵や山地、山間部等の平坦でない土地(以下、非平坦地ともいう。)において、例えば太陽電池モジュールのような構造物を設置する構造物設置用架台であり、太陽電池モジュールの施工時において架台を構成する各部材の角度調整をそれぞれの部材間において調整可能としたものである。
本実施形態の構造物設置用架台(以下、この明細書において単に架台という。)1は、非平坦地に立設される基礎部材である複数本(この例では4本)の支柱2(2a〜2d)上に設置される。この架台1は、設置される太陽電池モジュール90の傾斜方向Yに対向する2本の支柱2a,2b及び2c,2d上にそれぞれ設置される複数本(この例では2本)の縦桟3A,3Bと、これら縦桟3A,3B上に傾斜方向Yに交差(この例では直交)する方向(以下、幅方向という。)Xに平行に設置される複数本(この例では3本)の横桟4,4,4とを備え、傾斜方向Yに対向する2本の横桟4,4上に太陽電池モジュール90が設置される構造となっている。
ここで、支柱2(2a〜2d)と縦桟3A,3Bとの間に介在される連結部材5、及び縦桟3A,3Bと横桟4との間に介在される連結部材5は、支持金具6と、支持金具6に対し上下回動自在に支持される桟受け具7とで構成されている(後述する図11及び図12参照)。
本実施形態の架台1では、連結部材5を介在させることによって、2本の支柱2,2上に縦桟3A,3Bを設置するときの支柱2に対する縦桟3A,3Bの設置角度(傾斜角度)θ1の調整が可能(図3参照)となっており、かつ、2本の縦桟3A,3B上に横桟4を設置するときの縦桟3A,3Bに対する横桟4の設置角度(傾斜角度)θ2の調整が可能(図4参照)となっている。
すなわち、立設した支柱2,2上に載置する縦桟3A,3Bの支柱2に対する設置角度が、設置場所の条件によって異なる(非平坦地である地面の起伏状態等によって異なる)場合であっても、連結部材5を用いることによって角度調整を可能としているので、設置場所の起伏状態に関係なく、構造物を所定の傾斜角度で設置することが可能となる。
例えば、2本の支柱2,2に対する縦桟3A,3Bの設置角度θ1が、ある設置場所では20度であり、別の設置場所では15度であっても、これらの角度調整を、介在させる連結部材5で行うことができるようになっている。同様に、2本の縦桟3A,3Bに対する横桟4の設置角度θ2が、ある設置場所では12度であり、別の設置場所では8度であっても、これらの角度調整を、介在させる連結部材5で行うことができるようになっている。
以下、架台1を構成する上記各部材について具体的に説明する。
(支柱2の説明)
図5は、架台1を支持する基礎部材の一例である支柱2の上部を示す斜視図である。
支柱2は、本実施形態では四角柱状に形成された支柱本体21と、支柱本体21の上端部に設けられた、支持金具6を固定するための受け台22とを備えている。受け台22は、支柱本体21の周縁方向に突出させた鍔部23を備えており、この鍔部23に支持金具6を固定するためのネジ孔24が形成されている。ネジ孔24は、鍔部23の少なくとも対向する縁部においてそれぞれ複数箇所に設けられている。なお、支持金具6をボルトとナットで固定する場合には、このネジ孔24は単なる挿通孔でもよい。
なお、本実施形態では、架台1を支持する基礎部材を支柱2としているが、基礎部材についてはこのような支柱2に限定されるものではなく、コンクリート、ブロック、スクリュー、杭など、様々な構造の基礎部材を用いることができる。すなわち、後述する本発明に係る支持金具が固定できる構造(すなわち、規定のピッチでボルト止め用の穴があいているもの)であれば、基礎部材はどのような構造であってもよい。ここでは一例として支柱2を例示している。
(縦桟3の説明)
図6は、設置基準となる縦桟3Aの斜視図である。
この縦桟3Aは、1枚の鋼板からなり、長尺状に形成された縦桟主板31と、縦桟主板31の長手方向に沿う両縁部から下方に屈曲された縦桟側板32,32と、各縦桟側板32,32の下端縁部から両外側方向にそれぞれ延設された縦桟水平板33,33とを備えている。
縦桟主板31の長手方向に沿う両端部分及び中央部の3箇所には、横桟4を支持する支持金具6を固定するボルトを挿通するための挿通孔31a,31aが設けられている。この挿通孔31a,31aは、長手方向に沿う長孔に形成されており、支持金具6の固定位置を長手方向に調整可能となっている。
また、各縦桟側板32,32には、長手方向に対向する一方の端部に、後述する支柱2に固定された支持金具6にボルトを挿通するための1個の丸孔(挿通孔)32a,32aが設けられており、長手方向に対向する他方の端部近傍には、後述する支柱2に固定された支持金具6にボルトを挿通するための長孔(挿通孔)32b,32bが長手方向に沿って設けられている。
図7は、設置基準とならない縦桟3Bの斜視図である。
この縦桟3Bは、1枚の鋼板からなり、長尺状に形成された縦桟主板31と、縦桟主板31の長手方向に沿う両縁部から下方に屈曲された縦桟側板32,32と、各縦桟側板32,32の下端縁部から両外側方向にそれぞれ延設された縦桟水平板33,33とを備えている。
縦桟主板31の長手方向に沿う両端部分及び中央部の3箇所には、横桟4を支持する支持金具6を固定するボルトを挿通するための挿通孔31a,31aが設けられている。この挿通孔31a,31aは、長手方向に沿う長孔に形成されており、支持金具6の固定位置を長手方向に調整可能となっている。
また、各縦桟側板32,32には、長手方向に対向する両端部分の近傍に、後述する支柱2上に固定された支持金具6にボルトを挿通するための挿通孔32cが設けられている。この挿通孔32cは、傾斜方向に沿って連続する複数の丸孔32c1,32c1,・・・によって構成されている。
(横桟4の説明)
図8は、横桟4の斜視図である。
横桟4は、1枚の鋼板からなり、長尺状に形成された横桟主板41と、横桟主板41の長手方向に沿う両縁部から下方に屈曲された横桟側板42,42と、各横桟側板42,42の下端縁部から両外側方向にそれぞれ延設された横桟水平板43,43とを備えている。
横桟主板41には、長手方向に沿って所定の間隔を存して開口部41aが設けられている。この開口部41aは、太陽電池モジュール90を設置するための金具等を通す穴であるが、本発明では要部ではないのでこれ以上の説明は省略する。
また、各横桟側板42,42には、長手方向に対向する一方の端部に、後述する縦桟3Aに固定された支持金具6にボルトを挿通するための1個の丸孔(挿通孔)42a,42aが設けられており、長手方向に対向する他方の端部近傍には、後述する縦桟3Bに固定された支持金具6にボルトを挿通するための長孔(挿通孔)42b,42bが長手方向に沿って設けられている。
さらに、各横桟水平板43には、横桟同士の位置調整及び架台としての補強を兼ねた筋交い部材85を取り付けるための挿通孔(丸孔)43aが所定の箇所に設けられている。
(支持金具6の説明)
図9A及び図9Bは、支持金具6の斜視図である。
支持金具6は、1枚の鋼板からなり、矩形状に形成された支持主板61と、支持主板61の両縁部から下方に屈曲された脚板62,62と、各脚板62,62の下端縁部から両外側方向にそれぞれ延設された固定板63,63とを備えている。
各脚板62,62には、ボルトをねじ込むための1個のネジ孔62a,62aが設けられている。このネジ孔62aは、脚板62に形成されたナット部となる肉厚部に設けられている。
また、各固定板63,63には、支持金具6を支柱2の受け台22上、または縦桟3A,3Bの縦桟主板31上に固定するためにボルトを挿通する挿通孔63a,63aが設けられている。
ここで、図9Aに示す支持金具6では、挿通孔63aが丸孔となっているのに対し、図9Bに示す支持金具6では、挿通孔63aが長孔となっており、それぞれ使用する場所によって使い分けている。この使い分けについては後述する。
(桟受け具7の説明)
図10は、桟受け具7の斜視図である。
桟受け具7は、1枚の鋼板からなり、短冊状に形成された受け板71と、受け板71の両縁部から下方に屈曲された受け側板72,72と、各受け側板72,72の下端縁部から両外側方向(長手方向に直交する幅方向)にそれぞれ延設された受け水平板73,73とを備えている。
各受け側板72,72には、ボルトを挿通するための1個の長孔(挿通孔)72a,72aが長手方向に沿って設けられている。
また、各受け側板72には、長孔72aの上部に、支持金具6に対する高さ方向の取り付け位置を決める位置決め用突起74が対向する側板の方向に向かって突出形成されている。後述するが、この位置決め用突起74を支持金具6の支持主板61上に載置することで、受け板71が支持主板61から浮いた状態で保持されるようになっている。
また、各受け側板72には、長孔72aの長手方向の両外側に、支持金具6に対する傾斜滑りを防止するための滑り防止用突起75,75が対向する受け側板の方向に向かって突出形成されている。これら一対の滑り防止用突起75,75の間隔は、支持金具6の脚板62の幅より若干広くなるように形成されている。
なお、位置決め用突起74及び滑り防止用突起75は、受け側板72に形成された切り込み片を対向する側板の方向に折り曲げて形成されている。
(連結部材5の説明)
図11及び図12は、連結部材5である支持金具6(図9参照)と桟受け具7(図10参照)との接続関係を示す説明図であり、図12は、図11のD−D線断面図である。
支柱2の受け台22上または縦桟3の縦桟主板31上に固定された支持金具6の上に桟受け具7を載置すると、桟受け具7の位置決め用突起74が支持金具6の支持主板61の上に載置された状態となり、受け板71が支持主板61から浮いた状態で保持される。すなわち、受け板71と支持主板61との間に一定の隙間を保った状態で桟受け具7が保持(仮置き)される。
また、この仮置き状態において、桟受け具7の滑り防止用突起75,75は、支持金具6の脚板62を両側から挟み込むように配置される。この場合、滑り防止用突起75,75の間隔は、支持金具6の脚板62の幅より広いので、滑り防止用突起75と脚板62の側縁部との間に隙間ができる。従って、この状態では、図12中二点鎖線で示すように、桟受け具7は、位置決め用突起74と支持主板61との接点Pを回動中心として、いずれか一方の滑り防止用突起75が脚板62の対向する側縁部に当接するまで、上下に回動自在となっている。すなわち、支持金具6に対して桟受け具7を、図中角度θの範囲内で角度調整自在となっている。
このとき、長孔72aの高さ幅を対向するネジ孔62aの高さ幅(すなわち、直径)より幅広に形成しておけば、長孔72aが接点Pを中心として横方向に若干回動したとしても、長孔72aがネジ孔62aから外れないようにしておくことができる。また、長孔72aを接点Pを中心とする円弧状の長孔としておけば、長孔72aの高さ幅をネジ孔62aの高さ幅(すなわち、直径)に合わせることができる。
なお、上記構成では、位置決め用突起74と支持主板61との接点Pを回動中心とする構成としているが、図13に示す支持金具6と桟受け具7との他の接続関係のように、長孔72aの中心とネジ孔62aの中心とを合わせた状態で、位置決め用突起74も支持主板61から若干浮くように構成してもよい。すなわち、ボルト81を長孔72aを通してネジ孔62aにねじ込んで仮固定したとき、位置決め用突起74及び滑り防止用突起75の全てが支持金具6に接触しないように構成してもよい。この場合には、桟受け具7は、ボルト81の中心Pを回動中心として角度θの範囲内で回動し、位置決め用突起74及び滑り防止用突起75の全てが揺動することになる。
(架台の施工方法の説明)
次に、上記各構成の部材を用いて非平坦地に架台1を施工(設置)する手順について、図14ないし図21に示す図面を参照して説明する。
まず、図14ないし図16を参照して、縦桟3A,3Bを設置する手順について説明する。ただし、図14は、支柱に縦桟を設置する状態を示す分解斜視図、図15は、支柱に固定金具を取り付ける様子を示す斜視図、図16は、連結部材を用いて支柱上に縦桟を取り付けた状態、及び、縦桟上に横桟を取り付けた状態をまとめて示す説明図である。
(1)まず、前段階として、非平坦地の設置場所に基礎部材となる4本の支柱2を立設する。具体的には、支柱本体21を設置面に掘削された掘削孔に挿入して固定するが、この固定方法については従来周知の種々の方法を適用することが可能である。なお、基礎部材については、このような支柱2の構造に限定されるものでないことは、前述した通りである。
この場合、4本の支柱2は必ずしも地表面に対して垂直に立設されている必要はないが、少なくとも水平面に対しては垂直に立設されている。
(2)次に、各支柱2上にそれぞれ支持金具6を仮固定(すなわち、軽く締め付けた状態で固定:以下同じ)する。
すなわち、図15に示すように、各支柱2の受け台22の鍔部23に設けたネジ孔24に、支持金具6の固定板63に設けた挿通孔63aを一致させ、固定板63側からボルト81をねじ込んで、支持金具6を支柱2上に仮固定する。支持金具6の取り付け方向は、支持金具6の脚板62が傾斜方向Yに沿うように取り付ける。なお、本実施形態では、鍔部23にネジ孔24を設けているが、鍔部23の受け台22に設けたのが単なる挿通孔である場合には、ボルトとナットを用いて支持金具6を支柱2上に仮固定すればよい。ここで、本実施形態では、第1の支柱2a上及び第2の支柱2b上には図9Aに示す挿通孔63aが丸孔の支持金具6を仮固定し、第3の支柱2c及び第4の支柱2d上には図9Bに示す挿通孔63aが長孔の支持金具6を仮固定する。
(3)次に、支柱2上に固定した支持金具6の上に桟受け具7を仮置きする。
すなわち、支持金具6の上に桟受け具7を被せるようにして載置する。このとき、図11及び図12に示したように、桟受け具7の位置決め用突起74が支持金具6の支持主板61上に当接することで、桟受け具7が支持金具6から浮いた状態で支持される。すなわち、桟受け具7の受け板71が支持金具6の支持主板61から浮いた状態で支持(仮置き)される。また、この支持状態において、桟受け具7の滑り防止用突起75,75は、支持金具6の脚板62を両側から挟み込むように隙間を存して配置される。
この仮置き工程は、4本の支柱2の全てに行ってもよいし、これから最初の縦桟3Aを設置する2本の支柱(第1の支柱a及び第2の支柱2b)のみに仮置きしてもよい。2本の支柱のみに仮置きした場合には、次の縦桟3Bを設置する前に、この縦桟3Bを設置する2本の支柱(第3の支柱2c及び第4の支柱2d)にこの仮置き工程を実施する。
(4)次に、設置基準となる第1の支柱2aと、これに傾斜方向Yに対向する第2の支柱2bとに跨がって、設置基準となる縦桟3Aを仮置きする。すなわち、図16に示すように、縦桟3Aの縦桟側板32,32間に桟受け具7の受け側板72,72を挟み込むようにして、桟受け具7,7上に縦桟3Aを設置する。
このとき、図3に示したように、縦桟3Aは、各支柱2a,2bの受け台22の高さ位置の差に応じて傾斜して設けられることになるが、この傾斜に沿うように桟受け具7が回動する(すなわち、図12及び図13に示す角度θの範囲内で角度調整される)ことから、縦桟3Aも、桟受け具7を介して、支柱2a,2b上の支持金具6に対して角度調整された状態で支持される。このとき、支持金具6に対して桟受け具7が傾斜するが、滑り防止用突起75が支持金具6の脚板62の側縁部に当接することで、支持金具6に対する桟受け具7の傾斜方向Yへの滑り(ずれ)を防止することができる。
(5)次に、第1の支柱2a上の縦桟3Aの縦桟側板32に形成された丸孔32aと、桟受け具7の受け側板72に形成された長孔72aと、支持金具6の脚板62に形成されたネジ孔62aとを一致させ(図16参照)、縦桟3Aの丸孔32aから桟受け具7の長孔72aを介してネジ孔62aにボルト81をねじ込んで、第1の支柱2a上の縦桟3A部分を仮固定する。固定後の状態を図18に示す。図18は、第1の支柱3a上における縦桟3Aと横桟4とのそれぞれの固定状態を透視的に示す斜視図である。ただし、支持金具6については透視的に図示していない。
(6)次に、第2の支柱2b上の縦桟3Aの縦桟側板32に形成された長孔32bと、桟受け具7の受け側板72に形成された長孔(挿通孔)72aと、支持金具6の脚板62に形成されたネジ孔62aとを一致させ(図16参照)、縦桟3Aの長孔32bから桟受け具7の長孔72aを介してネジ孔62aにボルト81をねじ込んで、第2の支柱2b上の縦桟3A部分を仮固定する。固定後の状態を図19に示す。図19は、第2の支柱3b上における縦桟3Aと横桟4とのそれぞれの固定状態を透視的に示す斜視図である。ただし、支持金具6については透視的に図示していない。
このとき、各支柱2a,2bの受け台22の高さ位置の差に応じて縦桟3Aの傾斜角度が変化するため、設置基準となる第1の支柱2a上の支持金具6から、対向する第2の支柱2b上の支持金具6までの距離が微妙に変化することになるが、第2の支柱2b上の支持金具6に対応する縦桟3Aの挿通孔が長孔72aに形成されているので、微妙な距離差はこの長孔72aによって調整することができる。
(7)次に、第3の支柱2cとこれに傾斜方向Yに対向する第4の支柱2dとに跨がって、事前に仮置きしておいた桟受け具7,7上に他方の縦桟3Bを仮置きする。すなわち、図16に示すように、縦桟3Bの縦桟側板32,32間に桟受け具7の受け側板72,72を挟み込むようにして、桟受け具7,7上に縦桟3Bを設置する。
このとき、縦桟3Bは、図3に示したように、各支柱2c,2dの受け台22の高さ位置の差に従って傾斜して設けられることになるが、この傾斜に沿うように桟受け具7が回動する(すなわち、図12及び図13に示す角度θの範囲内で角度調整される)ことから、縦桟3Bも、桟受け具7を介して、支柱2c,2d上の支持金具6に角度調整された状態で支持される。このとき、支持金具6に対して桟受け具7が傾斜するが、滑り防止用突起75が支持金具6の脚板61の側縁部に当接することで、支持金具6に対する桟受け具7の傾斜方向Yへの滑り(ずれ)を防止することができる。
(8)次に、設置基準となる縦桟3Aと、仮置きした縦桟3Bとの傾斜方向Yの位置合わせを行う。このとき、第3の支柱2cまたは第4の支柱2dの立設位置が傾斜方向Yにずれていたとしても、縦桟3Bの縦桟側板32には連続する複数の丸孔32c1が形成されているので、この連続する複数の丸孔32c1によって位置調整が可能である。また、上記(2)工程で説明したように、第3の支柱2c及び第4の支柱2d上に仮固定された支持金具6の挿通孔63aは、傾斜方向に沿う長孔に形成されているので、支持金具6自体も傾斜方向Yに微調整可能となっている。従って、これらの調整によって、第3の支柱2c上の縦桟3Bの縦桟側板32に形成された連続する複数の丸孔のうちの一つの丸孔32c1と、桟受け具7の受け側板72に形成された長孔(挿通孔)72aと、支持金具6の脚板62に形成されたネジ孔62aとを一致させ(図16参照)、縦桟3Bの一つの丸孔32c1から桟受け具7の長孔72aを介して支持金具6のネジ孔62aにボルト81をねじ込んで、第3の支柱2c上の縦桟3B部分を仮固定する。固定後の状態を図20に示す。図20は、第3の支柱2c上における縦桟3Bと横桟4とのそれぞれの固定状態を透視的に示す斜視図である。ただし、支持金具6については透視的に図示していない。
(9)次に、第4の支柱2d上の縦桟3Bの縦桟側板32に形成された複数の丸孔のうち一致している一つの丸孔32c1から、桟受け具7の受け側板72に形成された長孔(挿通孔)72aを介して支持金具6のネジ孔62aにボルト81をねじ込んで、第4の支柱2d上の縦桟3B部分を同じく仮固定する。固定後の状態を図21に示す。図21は、第4の支柱2d上における縦桟3Bと横桟4とのそれぞれの固定状態を透視的に示す斜視図である。ただし、支持金具6については透視的に図示していない。
この工程では、上記(8)の工程で縦桟3Bの傾斜下部側の位置調整が既に行われていることから、この時点で縦桟3Bの傾斜上部側も位置調整されている。すなわち、既に一つの丸孔32c1が長孔72aを介してネジ孔62aに一致しているので、この丸孔32c1から長孔72aを介してネジ孔62aにボルト81をねじ込むだけでよい。なお、一つの丸孔32c1がネジ孔62aに一致していない(微妙にずれている)場合であっても、支持金具6の固定板63に設けられた挿通孔63aが長孔に形成されているので、支持金具6自体の位置を微調整することで、一つの丸孔32c1とネジ孔62aとを一致させることができる。
以上で支柱2(2a〜2d)上への縦桟3A,3Bの設置(仮固定)を終了する。
次に、図16及び図17を参照して、横桟4を設置する手順について説明する。ただし、図17は、縦桟上に横桟を設置する状態を示す分解斜視図である。
(10)図17に示すように、縦桟3A上及び縦桟3B上の所定箇所にそれぞれ支持金具6を仮固定する。この例では、一つの縦桟について、所定の間隔を存して3箇所に支持金具6が仮固定されている。なお、ここでは、図9Aに示した支持金具6が使用される。
ただし、各縦桟3A,3B上に支持金具6を仮固定する工程は、上記(8),(9)工程の前に行っておいてもよい。
(11)次に、各縦桟3A,3B上のそれぞれの支持金具6上に桟受け具7をそれぞれ仮置きする。
この仮置きは、上記(3)工程と同じである。
(12)次に、2つの縦桟3A,3Bに跨がって、縦桟3A上の支持金具6に仮置きした桟受け具7と、縦桟3B上の支持金具6に仮置きした桟受け具7とに横桟4を載置する。本実施形態では、まず最下段の横桟4から設置することとする。
ここで、横桟4の載置に際し、縦桟3Bの傾斜方向Yの位置を調整する必要がある場合には、上記(8),(9)工程での仮固定を一旦外し、横桟4が載置できるように縦桟3Bの位置を再度調整した後、上記(8),(9)工程を実施してもよい。ただし、縦横3A,3Bの縦桟主板31に設けた挿通孔31a,31aを、長手方向に沿う長孔に形成しているので、支持金具6の固定位置の調整を、この長孔に沿って行うようにしてもよい。
このとき、横桟4は、図4に示したように、各縦桟3A,3Bの高さ位置の差に応じて、各縦桟3A,3Bの各縦桟主板31に対して傾斜して設けられることになるが、この傾斜に沿うように桟受け具7が回動する(すなわち、図12及び図13に示す角度θの範囲内で角度調整される)ことから、横桟4も、桟受け具7を介して、各縦桟3A,3B上の支持金具6に対して角度調整された状態で支持される。このとき、支持金具6に対して桟受け具7も傾斜することになるが、滑り防止用突起75が支持金具6の脚板61の側縁部に当接することで、支持金具6に対する桟受け具7の横方向Xへのずれを防止することができる。
(13)次に、第1の支柱2a近傍の横桟4の横桟側板42に形成された丸孔42aと、桟受け具7の受け側板72に形成された長孔72aと、支持金具6の脚板62に形成されたネジ孔62aとを一致させ(図16参照)、横桟4の丸孔42aから桟受け具7の長孔72aを介して支持金具6のネジ孔62aにボルト81をねじ込んで、第1の支柱2a近傍の縦桟3Aと交差した横桟4部分を仮固定する。固定後の状態は図18に示されている。
(14)次に、第3の支柱2c近傍の横桟4に形成された長孔42bと、桟受け具7の受け側板72に形成された長孔72aと、支持金具6の脚板62に形成されたネジ孔62aとを一致させ(図16参照)、横桟4の長孔42bから長孔72aを介してネジ孔62aにボルト81をねじ込んで、第3の支柱2c近傍で縦桟3Bと交差した横桟4部分を仮固定する。固定後の状態は図20に示されている。
このとき、各縦桟3A,3Bの高さ位置の差に応じて横桟4の傾斜角度が変化するため、設置基準となる第1の支柱2a上の支持金具6から、対向する第3の支柱2c上の支持金具6までの距離が微妙に変化することになるが、第3の支柱2c上の支持金具6に対応する横桟4の挿通孔が長孔42bに形成されているので、微妙な距離差はこの長孔42bによって調整することができる。
この後、中段の横桟4及び上段の横桟4を順次設置するのであるが、その工程は上記(12),(13),(14)工程と同じであるので、ここでは説明を省略する。なお、本実施形態では、横桟4を下段側から中断、上段と順次施工しているが、上段側からまず施工し、その後、中段、下段と順次施工してもよいことは当然である。
(15)次に、図1に示すように、対向する横桟4,4間に2本の筋交い部材85,85を交差させて斜めに配置し、その両端部分を横桟4の横桟水平板43にボルト、ナット等の固定具を用いて仮固定する。この際、強度が必要であれば、筋交いの両端部分と横桟水平板43との間に筋交いプレート等を介在させてもよい。これにより架台としての耐震性や耐久性が向上する。また、この筋交い部材85,85を設けることで、傾斜方向Yに対向する横桟4,4同士の位置も微調整される。
以上で縦桟3A,3B上への横桟4,4,4の設置(仮固定)を終了する。
(16)この後、例えば太陽電池モジュール90を設置する直前等に、仮固定した部分のボルト81を締め付けて最終的に本固定を行うことにより、架台1としての全体の強度バラスを整えて、架台1としての設置を完了する。
この後、図2に示すように、対向する横桟4,4間に太陽電池モジュール90を設置していくのであるが、横桟4,4に太陽電池モジュール90を設置して固定する構造は従来から種々提案されており、本発明においてもそれらの周知構造を用いることができるので、ここでは太陽電池モジュール90の固定構造についての説明は省略する。
なお、上記した架台の施工方法の説明はあくまで一例であって、上記(1)〜(16)の手順通りに行う必要はなく、必要に応じて任意の工程が前後したり、複数の工程が入れ代わったりしてもよい。また、上記した架台の施工方法では、すべての工程を仮固定とし、最後に全ての仮固定部分を本固定するようにしているが、例えば基準となる部分については最初から本固定とし、その他の部分のみを仮固定として、最後に本固定を行うようにしてもよい。
なお、今回開示した実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 構造物設置用架台(架台)
2 支柱(基礎部材)
2a 第1の支柱
2b 第2の支柱
2c 第3の支柱
2d 第4の支柱
21 支柱本体
22 受け台
23 鍔部
24 ネジ孔
3A,3B 縦桟
31 縦桟主板
31a 挿通孔
32 縦桟側板
32a 丸孔(挿通孔)
32b 長孔(挿通孔)
32c 挿通孔
32c1 丸孔
33 縦桟水平板
4 横桟
41 横桟主板
41a 開口部
42 横桟側板
42a 丸孔(挿通孔)
42b 長孔(挿通孔)
43 横桟水平板
43a 長孔(挿通孔)
5 連結部材
6 支持金具
61 支持主板
62 脚板
62a ネジ孔
63 固定板
63a 挿通孔
7 桟受け具
71 受け板
72 受け側板
72a 長孔(挿通孔)
73 受け水平板
74 位置決め用突起
75 滑り防止用突起
81 ボルト(締付具の一例)
85 筋交い部材
90 太陽電池モジュール

Claims (5)

  1. 構造物を非平坦地に設置する構造物設置用架台であって、
    非平坦地に複数本の基礎部材が立設され、傾斜方向に対向する2本の基礎部材上に縦桟を設置することで、少なくとも2本の縦桟が所定の間隔を存して前記傾斜方向に沿って設置され、これら縦桟上に少なくとも2本の横桟が前記傾斜方向に交差して設置され、これら横桟上に構造物が設置される構造であり、
    前記基礎部材と前記縦桟との間に介在される連結部材、及び、前記縦桟と前記横桟との間に介在される連結部材は、前記基礎部材上または前記縦桟上に固定される支持金具と、前記支持金具上に載置されて前記支持金具に対し上下回動自在に支持される桟受け具とを備えていることを特徴とする構造物設置用架台。
  2. 請求項1に記載の構造物設置用架台であって、
    前記縦桟は、前記基礎部材上に固定された前記支持金具に前記桟受け具を介してボルトを挿通する挿通孔を有するとともに、前記挿通孔のうち前記傾斜方向の下側または上側の少なくともいずれか一方の挿通孔が、前記傾斜方向に沿う長孔または前記傾斜方向に沿って連続する複数の丸孔に形成されており、
    前記横桟は、前記縦桟上に固定された前記支持金具に前記桟受け具を介してボルトを挿通する挿通孔を有するとともに、前記挿通孔のうち前記傾斜方向に交差する一方の側または他方の側の少なくともいずれか一方の挿通孔が、前記傾斜方向に交差する方向に沿う長孔に形成されていることを特徴とする構造物設置用架台。
  3. 請求項1または請求項2に記載の構造物設置用架台であって、
    前記支持金具は、主板と、前記主板の両側部から下方に延設された脚板と、前記脚板の下端部から横方向に延設された固定板とからなり、前記脚板には前記ボルトをねじ込むネジ孔が形成されており、
    前記桟受け具は、桟を受け止める受け板と、前記受け板の両側部から下方に延設された側板とからなり、前記側板には前記ボルトを挿通する挿通孔が形成されており、
    前記挿通孔を介して前記ネジ孔に前記ボルトをねじ込んだ状態において、前記受け板は前記主板から浮いた状態で保持されることを特徴とする構造物設置用架台。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の構造物設置用架台であって、
    前記構造物が太陽電池モジュールであることを特徴とする構造物設置用架台。
  5. 請求項3または請求項4に記載の構造物設置用架台の施工方法であって、
    非平坦地に複数本の基礎部材を立設する工程と、
    各基礎部材上にそれぞれ支持金具を固定する工程と、
    前記支持金具上に桟受け具を仮置きする工程と、
    設置基準となる第1の基礎部材とこれに傾斜方向に対向する第2の基礎部材とに跨がって、仮置きした桟受け具上に縦桟を載置する工程と、
    前記第1の基礎部材上の縦桟に形成された丸孔と桟受け具に形成された挿通孔と支持金具に形成されたネジ孔とを一致させ、前記縦桟の丸孔から桟受け具の前記挿通孔を介して前記ネジ孔にボルトをねじ込んで、第1の基礎部材上の縦桟部分を固定する工程と、
    前記第2の基礎部材上の縦桟に形成された長孔と桟受け具に形成された挿通孔と支持金具に形成されたネジ孔とを一致させ、前記縦桟の長孔から桟受け具の前記挿通孔を介して前記ネジ孔にボルトをねじ込んで、第2の基礎部材上の縦桟部分を固定する工程と、
    前記第1の基礎部材と傾斜方向に交差する方向に対向する第3の基礎部材とこれに傾斜方向に対向する第4の基礎部材とに跨がって、仮置きした桟受け具上に縦桟を載置する工程と、
    前記第3の基礎部材上の縦桟に長手方向に沿って形成された連続する複数の丸孔のうちの一つの丸孔と桟受け具に形成された挿通孔と支持金具に形成されたネジ孔とを一致させ、前記縦桟の一つの丸孔から桟受け具の前記挿通孔を介して前記ネジ孔にボルトをねじ込んで、前記第3の基礎部材上の縦桟部分を固定する工程と、
    前記第4の基礎部材上の縦桟に長手方向に沿って形成された複数の丸孔のうち一致している一つの丸孔から、桟受け具に形成された挿通孔を介して支持金具のネジ孔にボルトをねじ込んで、前記第4の基礎部材上の縦桟部分を固定する工程と、
    第1の基礎部材近傍の縦桟上、第2の基礎部材近傍の縦桟上、第3の基礎部材近傍の縦桟上、及び第4の基礎部材近傍の縦桟上にそれぞれ支持金具を固定する工程と、
    縦桟上のそれぞれの支持金具上に桟受け具をそれぞれ仮置きする工程と、
    前記2つの縦桟に跨がって、一方の縦桟上の支持金具に仮置きした桟受け具と他方の縦桟上の支持金具に仮置きした桟受け具とに横桟を載置する工程と、
    前記横桟の一方の端部近傍に形成された丸孔と桟受け具に形成された挿通孔と支持金具に形成されたネジ孔とを一致させ、前記横桟の丸孔から前記桟受け具の挿通孔を介して前記ネジ孔にボルトをねじ込んで、前記一方の縦桟と交差した横桟部分を固定する工程と、
    前記横桟の他方の端部近傍に形成された長孔と桟受け具に形成された挿通孔と支持金具に形成されたネジ孔とを一致させ、前記横桟の長孔から前記縦受け具の挿通孔を介して前記ネジ孔にボルトをねじ込んで、前記他方の縦桟と交差した横桟部分を固定する工程と、
    を含むことを特徴とする構造物設置用架台の施工方法。
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