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JP6407591B2 - 固定陽極型x線管 - Google Patents

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Description

実施形態は、固定陽極型X線管に関する。
固定陽極型X線管は、電子ビームを放射するフィラメントを含む陰極(カソード)と、放射された電子を受けてX線を放射する陽極ターゲットを含む陽極(アノード)と、陰極と陽極とを真空気密で含む真空外囲器とを有する。真空外囲器は、ガラスおよび/またはセラミックスで形成される。フィラメントから放出された電子ビームは、陰極の集束電極で集束されてターゲットに入射し、陽極からX線が放射される。入射電子の一部は、弾性散乱によって反跳電子として陰極側に散乱する。さらに、その反跳電子の一部は、真空外囲器に衝突する。真空外囲器に衝突する際の電子のエネルギーは、通常、数10KeVである。したがって、長時間の連続使用すると、真空外囲器にクラックが生じる可能性がある。
実開平3−110753号公報
特許文献1では、真空外囲器のクラックを防止するために、反跳電子が真空外囲器に飛ばないように陽極ターゲットの周囲にアノードフードが設けられている。しかし、アノードフードの形状および寸法によってアノードフードから反跳電子が飛び出し、真空外囲器に衝突する可能性がある。クラックが発生した場合、クラックから生じるガスによってX線管の真空度が劣化し、放電が発生しやすくなり、ガラス片が陰極表面等に付着し、耐電圧性が低下する可能性がある。
本発明が解決しようとする課題は、長時間の連続使用時に耐電圧性が維持される固定陽極型X線管を提供することである。
本実施形態に係る固定陽極型X線管は、電子ビームを射出する電子放出源を有する陰極と、陰極と対向して設置され、電子ビームが入射することによってX線を放出する陽極ターゲットと、陽極ターゲットと同電位であり、陽極ターゲットを包囲する円筒状の第1の遮蔽部材と、第1の遮蔽部材の陰極に対向する先端部に蓋状に形成され、陰極から陽極ターゲットへ射出される前記電子ビームが通過する貫通孔である開口部を有する第2の遮蔽部材と、陰極と陽極ターゲットと第1の遮蔽部材と第2の遮蔽部材とを真空気密状態で内部に保持する真空外囲器と、を有する。
図1Aは、実施形態に係るX線管の内部構造の概略図である。 図1Bは、図1AのA−A線に沿った断面図である。 図2は、実施形態のアノードカバーの拡大図である。 図3Aは、反跳電子を遮蔽するための最小の突出し長を有するアノードカバーを示す図である。 図3Bは、反跳電子を遮蔽するための最小の突出し長を有するアノードカバーの原理の説明図である。 図4Aは、変形例を示すX線管のA−A線に沿った断面図である。 図4Bは、図4Aに示すアノードカバーの断面の拡大図である。 図5は、X線管のA−A線に沿った断面図である。 図6は、変形例に関連するX線管の概略図である。
以下で図面を参照して実施形態について説明をする。
(第1の実施形態)
図1Aは、実施の形態に係るX線管1の内部構造の概略図である。図1Bは、図1AのA−A線に沿った断面図である。図1Aに示すように、X線管1は、電子ビームを放出する陰極(カソード)10と、陰極10と対向して配置される陽極(アノード)20と、真空雰囲気に密閉された筒状の真空外囲器30と、を具備する。X線管1は、固定陽極型X線管である。X線管1は、管軸TAを中心軸とする略円柱形状に形成されている。陰極10および陽極20は、真空雰囲気に密閉された筒状の真空外囲器30内に収納される。また、外部電源、例えば、高電圧プラグ(図示せず)等が陰極10及び陽極20に接続されて高電圧(管電圧)が陰極10および陽極20の間に印加される。X線管1は、動作時に高温となる陽極20を冷却するための冷却機構を備えていてもよい。
陰極10は、電子ビームを放出する電子放出源としてのフィラメント11と、放出された電子を陽極ターゲットに向けて集束する為の集束電極12とを有している。以下で、説明の便宜上、電子ビームを電子と表現する場合もある。陰極10は、略円柱形状に形成され、陰極10の円の中心を管軸TAが通るように、陰極10が設置されている。陰極10には、陽極20に対して相対的に負の管電圧が印加されている。
フィラメント11は、例えば、2つの端子を有している。電流の供給によってフィラメント11が加熱され、加熱されたフィラメント11から電子(熱電子)が後述する陽極ターゲット20に向けて放出される(熱電子放出)。
集束電極12は、電子が通る軌跡の周囲に配置されてフィラメント11から放出される電子を陽極ターゲット20に対して集束させる。外部電源の端子、例えば、高電圧プラグ等がX線管1に装着されると、フィラメント11及び集束電極12に高電圧が印加される。印加される電圧によって生ずる電流が前述のようにフィラメント11に供給され、熱電子として放出される。そして、この放出された電子は、集束電極12によって後述する陽極ターゲット21に衝突するように集束される。例えば、陰極10から放出された電子は、陽極ターゲット21の表面の中心位置に向かって集束される。
陽極20は、陽極ターゲット21と、陽極母材22と、陽極(アノード)フード(第1の遮蔽部材)23と、を有している。以下で、陽極フード23をアノードフード23と記載する。陽極ターゲット21は、陰極10のフィラメント11と対向して配置されている。陽極ターゲット21は、後述する陽極母材22の陰極10の方向の先端部で、陽極母材22の表面の中心位置に埋め込まれている。陽極ターゲット21は、例えばモリブデン(Mo)または、タングステン(W)で形成されている。陽極20には、陰極10に対して相対的に正の管電圧が印加されている。陽極ターゲット21と陰極10との間の電位差によって、陰極10から放出された電子(入射電子)は、陽極ターゲット21に向けて加速され、集束電極12によって集束され、陽極ターゲット21に衝突する。加速集束された電子が陽極ターゲット21に衝突すると、制動放射により陽極ターゲット20からX線が放射される。以下で、陽極ターゲット21において、電子ビームが衝突する点を焦点と記載する場合もある。
陽極母材22は、管軸TAを中心軸とする略円柱形状に形成されている。具体的には、陽極母材22は、外周が円形に形成され、陰極10との対向面は傾斜して形成されている。陽極母材22は、陽極ターゲット21で発生した熱を放散させる。陽極母材22は、熱伝導率の高い銅などで形成される。例えば、陽極母材は、銅で形成される。
アノードフード23は、陽極(アノード)カバー(第2の遮蔽部材)23Aと、放射窓24とを有する。アノードフード23は、金属部材で形成される。アノードフード23は、陽極ターゲット22で散乱(または、反射)した反跳電子を遮蔽する。アノードフード23は、陽極20を包囲するように管軸TAを中心とする略円筒状に形成されている。アノードフード23は、陽極母材22の外周部に接合され、陽極母材22の先端部から陰極10の方向に所定の長さで突出するように形成されている。陽極20には、陰極10側の先端面と反対側の先端面に金属部材25が接合されている。金属部材25は金属で形成されている。金属部材25は、陽極母材22と、真空外囲器30とに封着される。以下で、陽極カバー23Aをアノードカバー23Aと記載する。
アノードカバー23Aは、陰極10側のアノードフード23の先端部に蓋状に形成されている。図1Bに示すように、管軸TAに垂直なA−A断面で見ると、アノードカバー23Aは、例えば、ディスク状に形成される。アノードカバー23Aは、管軸TAを中心軸とする円形の開口部を有する。アノードカバー23Aの開口部は、陰極10から放射される電子が通過する貫通孔である。アノードカバー23Aは、アノードフード23の陰極10側の先端部でアノードフード23の外周から管軸TAへ向かって垂直に突出して形成されている。ここで、アノードカバー23Aのアノードフード23の外周から管軸TAへ向かう突出し長さを“アノードカバー23Aの突出し長”と記載する。アノードカバー23Aは、陽極ターゲット21での反跳電子が後述する真空外囲器30に散乱することを防止する。アノードカバー23Aは、ディスク状の表面が陰極10と対向して設置される。アノードカバー23Aは、陽極ターゲット21で散乱した反跳電子が真空外囲器30へ到達しない突出し長を有するように形成される。詳細なアノードカバー23Aの構造については後述する。
放射窓24は、陽極ターゲット21から放射されるX線をアノードフード23から外部へ放射するための開口部である。放射窓24には、反跳電子が真空外囲器30に飛ばないように金属部材が嵌合されていてもよい。放射窓24には、例えば、ベリリウム板が嵌合される。
真空外囲器30は、管軸TAを中心軸とする略円筒形状で形成され、内部に陰極10と陽極20とを有する。陰極10および陽極20を収納する真空外囲器30は、内部が真空気密に密閉されている。すなわち、真空外囲器30は、密閉され、内部が真空状態に維持されている。真空外囲器30は、例えば、ガラスおよび/又はセラミックスで形成される。
(アノードカバーの構造)
次に、図2、図3A及び図3Bを参照してアノードカバー23Aの構造について説明する。図2は、本実施形態のアノードカバー23Aの拡大図である。図3Aは、反跳電子を遮蔽するための最小の突出し長を有するアノードカバー23Aを示す図である。図3Bは、反跳電子を遮蔽するための最小の突出し長を有するアノードカバー23Aの原理の説明図である。
図2において、D1は、アノードカバー23Aの開口部の広さ(幅)を示す。D2は、アノードカバー23Aの外径を示す。L1は、管軸TAと陽極ターゲット21の表面との交点(電子ビームの焦点)からアノードカバー23Aの陰極10側の先端面までの距離を示す。L2は、陽極20側の陰極10の先端面と陰極10側のアノードカバー23Aの表面との間の距離を示す。ここで、管軸TAと陽極ターゲット21の表面との交点(電子ビームの焦点)は、陽極ターゲット21の表面の中心と同一である。また、電子の軌道を説明する便宜上、入射電子100と反跳電子101とを模式的に図2に記載する。
前述のように、陰極10のフィラメント11から陽極20へ向けて放出された入射電子100は、集束電極12によって集束され、陽極ターゲット21へ入射する。以下で、入射電子100は、一例として、管軸TAに沿って直進して陽極ターゲット21に衝突するものとして記載する。
図2において、Y1はアノードカバー23Aの突出し長を示す。入射電子100が陽極ターゲット21に衝突した際に、入射電子100の一部は、弾性散乱によって全方位に散乱し得る。陽極ターゲット21で散乱した反跳電子101の一部は、アノードカバー23Aの開口部を通って陰極10の方向へ進む。陰極10では負の電界が生じているため、反跳電子101は陰極10の電界によって減速される。反跳電子101の一部は、陰極10の表面に到達するが、押し返された反跳電子101の一部は、再び陽極20の方向へ引き付けられる。再び陽極20の方向へ引き付けられた反跳電子101は、アノードカバー23Aの表面に衝突する。アノードカバー23Aの表面に衝突した電子は、真空外囲器30へ向かう確率がかなり低下する。すなわち、アノードカバー23Aによって真空外囲器30へ向かう電子が遮蔽される。
以下で、アノードカバー23Aの突出し長について説明する。
アノードカバー23Aの開口部から飛び出した反跳電子101は、放物線状の軌道でアノードカバー23Aの表面に再び衝突する。ここで、反跳電子101は、陽極母材22で散乱し、アノードカバー23Aの開口部の最も外側を通って陰極10へ向かう電子である。すなわち、反跳電子101は、散乱した電子の中で最もアノードフード23の外側へ向かう電子である。以下では、反跳電子101は、特に断りのない限り、散乱した電子の中で最もアノードフード23の外側へ向かう電子として記載する。
図3Aに示すように、アノードカバー23Aの突出し長が最小となる場合、反跳電子101は、アノードカバー23Aの表面の最外端に衝突する。反跳電子101の軌道は、放物線の頂点を基点として左右対称で近似できる。すなわち、反跳電子101は、軌道の頂点に対して入射角と反射角とが同一になるように反射する。したがって、反跳電子101は、アノードカバー23Aの最内端を通り最外端に衝突するものとして考えられる。このような軌道を規定することによって、最小のアノードカバー23Aの突出し長が求められる。
図3Bに示すように、反跳した反跳電子101がアノードカバー23Aの最外周に到達する軌道は幾何学的に導出できる。最外周に到達する電子の軌道が導出可能であれば、反跳電子101を遮蔽するために必要な最小のアノードカバー23Aの突出し長X1が求められる。ここで、前述のようにアノードカバー23Aの突出し長をY1とすると、アノードカバー23Aの突出し長Y1は、次式で示される。
Figure 0006407591
図3Bに示すように、式1と幾何学的な相似関係とから次式が求められる。
Figure 0006407591
式1と式2とから最小のアノードカバー23Aの突出し長X1は、次式で表される。
Figure 0006407591
従って、アノードカバー23Aが反跳電子101を遮蔽するためには、アノードカバー23Aの開口部が以下の式4の範囲の長さを有するように形成される。
Figure 0006407591
または、アノードカバー23Aは、反跳電子101を遮蔽するために以下の式5の範囲の突出し長Y1を有するように形成される。
Figure 0006407591
式4または式5を満たすことにより、反跳電子101を遮蔽するアノードカバー23Aが形成される。
本実施形態によれば、アノードフード23にアノードカバー23Aが形成される。アノードカバー23Aは、開口部から飛び出して真空外囲器30に向かう反跳電子101を遮蔽するように形成されている。また、アノードカバー23Aは、開口部を通って飛び出す反跳電子101がアノードカバー23Aの表面に再び衝突するように形成される。アノードカバー23Aの表面に衝突した反跳電子が再び弾性散乱した場合でも、さらに再びアノードカバー23Aの表面に衝突するという現象が多重的に繰り返される。その結果、反跳電子101が真空外囲器30に到達する確率は格段に低くなる。または、散乱が繰り返されることによって、反跳電子のエネルギーが真空外囲器30の損傷を与えるエネルギー以下に減衰する。したがって、反跳電子による真空外囲器30の損傷が防止される。反跳電子による真空外囲器30の損傷が防止されるので、使用時に耐電圧性が維持されるX線管が提供される。以上述べた作用・効果は、Y1がより大きいほどより高いが、Y1の値は、電子ビームがアノードカバー23Aの表面に衝突することなく、開口部を通過できるぎりぎりの上限値よりも小さい値に設定する必要がある。この上限値は電子軌道シミュレーション、もしくは試行実験によって確認することができる。
以下で図面を参照して、本実施形態のいくつかの変形例について説明する。変形例のX線管1は、第1の実施形態のX線管1とほぼ同等の構成であるので、第1の実施形態のX線管1と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
(第1の変形例)
第1の変形例について説明する。第1の変形例のX線管1は、第1の実施形態のX線管1とアノードカバー23Aの開口部の形状が異なる。
以下で図4Aおよび図4Bを参照してアノードカバー23Aの開口部の形状について説明する。
図4Aは、変形例のアノードカバー23Aの開口部を示すA−A線に沿った断面図である。図4Bは、図4Aの一部を拡大した図である。図4Aおよび図4Bに示すように、変形例のアノードカバー23Aの開口部は四角形状に形成されている。第1の変形例では、図4Bに示すように開口部は正方形で形成されているものとする。
次に、図4Bを参照してアノードカバー23Aの大きさについて説明する。
図4Bにおいて、Dは、開口部の横軸の長さを示し、Dは、縦軸の長さを示す。ここで、対角線の開口部の幅、すなわちアノードカバー23Aの開口部で最大の幅をD1とする。D1は、第1の実施形態と同等であり、式2および式4で表される。アノードカバー23Aの開口部は正方形状であるので、D3はD4と同等である。
前述の式2のようにD1が反跳電子101を遮蔽するための最大値とすると、反跳電子101を遮蔽するために形成できる最大の開口部の長さ(D3およびD4の最大値)が求められる。すなわち、最も外側へ飛ぶ反跳電子101がアノードカバー23Aの最外端に着地する場合のアノードカバー23Aの開口部の各部の大きさが求められる。
Figure 0006407591
図4Bから幾何学的な関係よりD1は以下で示される。
Figure 0006407591
式7に式2を適用するとD3は次式で表される。
Figure 0006407591
以上の式6、式7、および式8より、反跳電子101を遮蔽するために形成できる最大の開口部の長さが求められる。すなわち、D3及びD4の最大値が夫々求められる。
次に、反跳電子101を遮蔽するための各方向の最小のアノードカバー23Aの突出し長を求める。
横軸方向のアノードカバー23Aの突出し長をY3とし、Y3の最小の値をX3とする。同様に、縦軸方向のアノードカバー23Aの突出し長をY4とし、Y4の最小の値をX4とする。変形例において、開口部の対角線上のアノードカバー23Aの突出し長が式3のX1と同一ならば、開口部の各部から飛び出す反跳電子101が遮蔽される。すなわち、飛び出した反跳電子101は、アノードカバー23Aの表面上に着地する。したがって、Y3およびY4は、それぞれ以下の式で表される。
Y3は、
Figure 0006407591
で示され、
Y4は、
Figure 0006407591
で示される。
式9に式8を適用するとX3は次式で表される。
Figure 0006407591
変形例では、アノードカバー23A開口部は、正方形で形成されているので、X4はX3と同一である。
従って、反跳電子101を遮蔽するために、アノードカバー23Aの開口部の各部の幅D3およびD4がそれぞれ以下の式12および式13の範囲で形成される。
D3は、
Figure 0006407591
を満たし、
は、
Figure 0006407591
を満たすように形成される。
または、反跳電子101を遮蔽するために、アノードカバー23Aの各部の突出し長Y3およびY4がそれぞれ以下の式14、15の範囲で形成される。
Y3は、
Figure 0006407591
を満たし、
Y4は、
Figure 0006407591
を満たすように形成される。
式12乃至式15により、反跳電子101を遮蔽するためのアノードカバー23Aが形成される。
本実施形態によれば、アノードカバー23Aの開口部は、反跳電子101が真空外囲器30に向かう反跳電子101を第1の実施形態のアノードカバー23Aと比較して開口部の面積が小さい。反跳電子101が開口部を通ることが抑制される。すなわち、変形例のアノードカバー23Aは、第1の実施形態のアノードカバー23Aよりも反跳電子を遮蔽する。
なお、変形例では、アノードカバー23Aの開口部は正方形としたが、長方形でもよい。
例えば、D4はD3よりも小さく形成される。したがって、次式を満たすように形成される。
Figure 0006407591
このとき、アノードカバー23Aの突出し長Y3、Y4は次式を満たすように形成される。
Figure 0006407591
このように開口部が長方形に形成されることによって、第1の変形例のアノードカバー23Aよりも、開口部を通る反跳電子101が遮蔽される。
さらに、図5に示すように、アノードカバー23Aの開口部は、楕円形でもよい。
このとき、例えば、開口部の長軸の幅をD1とし、短軸の幅をD5とする。図5において、短軸の方向のアノードカバー23Aの突出し長をY5とする。ここで、D1は、第1の実施形態と同等であるものとする。長軸と短軸の関係が、アノードカバー23Aの開口部は、次式を満たすように形成される。
Figure 0006407591
または、反跳電子101を遮蔽するために、アノードカバー23Aの突出し長Y5が以下の式19の範囲で形成される。ここで、突出し長Y5の最小値X5は、第1の実施形態におけるX1と同等である。なお、Y1は、第1の実施形態の式5の範囲で形成される。
Figure 0006407591
このように開口部が楕円形に形成されることによって、第1の実施形態のアノードカバー23Aよりも、開口部から飛び出す反跳電子101が遮蔽される。
さらに、前述の実施形態ではアノードカバー23Aは、アノードフード23の一部として記載したが、アノードカバーが別体としてアノードフード23の陰極10側の先端面に接合されていてもよい。図6に示すように、別体として形成されるアノードカバー26(第2の遮蔽部材)は、アノードフード23に接合されている。このように、アノードフード26がアノードフード23と別体で形成されることによって、アノードフード23及びアノードカバー26の加工が一体である場合よりも容易になる。また、アノードカバー26がアノードフード23と別体で形成されることによって、アノードカバー26の設置の自由度が向上する。
前述の実施形態によれば、アノードカバー23A、26が設けられていることによって、反跳電子が真空外囲器に向かう反跳電子が遮蔽される。アノードカバー23A、26は、開口部を通る反跳電子がアノードカバー23A、26の表面に再び衝突するように形成される。アノードカバー23A、26の表面に衝突した反跳電子が再び弾性散乱した場合でも、さらに再びアノードカバー23A、26の表面に衝突するという現象が多重的に繰り返される結果、反跳電子101は真空外囲器30にほとんど到達しない。または、散乱が繰り返されることによって、反跳電子のエネルギーが真空外囲器の損傷を与えるエネルギー以下に減衰する。したがって、反跳電子による真空外囲器の損傷が防止される。その結果、耐電圧性が維持されるX線管が提供される。以上述べた作用・効果は、アノードカバー23A、26の開口部のサイズがより小さいほどより高いが、開口部のサイズは、電子ビームがアノードカバー23Aの表面に衝突することなく、開口部を通過できるぎりぎりの下限値よりも大きいサイズに設定する必要がある。この下限値は電子軌道シミュレーション、もしくは試行実験によって確認することができる。
なお、この発明は、上記実施形態そのものに限定されるものでなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
1…X線管、10…陰極(アノード)、11…フィラメント、12…集束電極、20…陽極、21…陽極ターゲット、22…陽極母材、23…陽極(アノード)フード、23A、26…陽極(アノード)カバー、24…放射窓、25…金属部材、30…真空外囲器、100…入射電子、101…反射(反跳)電子、D1…アノードカバーの開口部の広さ(幅)、D2…アノードカバーの外径、D3…アノードカバーの開口部の横軸の長さ、D4…アノードカバーの開口部の縦軸の長さ、D5…アノードカバーの開口部の短軸の長さを、Y1…アノードカバーの突出し長、Y3…横軸方向のアノードカバーの突出し長、Y4…縦軸方向のアノードカバーの突出し長、X1…アノードカバーの最小の突出し長、X3…横軸方向のアノードカバーの最小の突出し長、X4…縦軸方向のアノードカバーの最小の突出し長、L1…管軸と陽極ターゲットの表面との交点からアノードカバーの陰極側の先端面までの距離、L2…陰極の陽極側の先端面とアノードカバーの陰極側の先端面との間の距離

Claims (6)

  1. 電子ビームを射出する電子放出源を有する陰極と、
    前記陰極と対向して設置され、前記電子ビームが入射することによってX線を放出する陽極ターゲットと、
    前記陽極ターゲットと同電位であり、前記陽極ターゲットを包囲する円筒状の第1の遮蔽部材と、
    前記第1の遮蔽部材の前記陰極に対向する先端部に蓋状に形成され、前記陰極から前記陽極ターゲットへ射出される前記電子ビームが通過する貫通孔である開口部を有する第2の遮蔽部材と、
    前記陰極と、前記陽極ターゲットと、前記第1の遮蔽部材と、前記第2の遮蔽部材とを真空気密状態で内部に保持する真空外囲器と、を有し、
    前記第2の遮蔽部材は、円盤状に形成され、
    前記陽極ターゲットで散乱した反跳電子が直接的に前記真空外囲器に入射することを防止するために、内半径と外半径との差である突出し長が所定の寸法で形成され、
    前記第2の遮蔽部材の突出し長の最小値は、以下の式
    Figure 0006407591
    ただし、前記式において、X1は、前記第2の遮蔽部材の突出し長の最小値を示し、D2は、前記第2の遮蔽部材の外径を示し、L1は、前記陰極の前記陽極ターゲット側の表面と前記第2の遮蔽部材の前記陰極側の表面との距離を示し、L2は、前記陽極ターゲットにおいて前記電子ビームが衝突する点と前記第2の遮蔽部材の前記陰極側の表面との距離を示す、を含む固定陽極型X線管。
  2. 前記第2の遮蔽部材の突出し長は、以下の式
    Figure 0006407591
    ただし、前記式において、Y1は、前記第2の遮蔽部材の突出し長を示す、の範囲で形成される請求項の固定陽極型X線管。
  3. 前記第2の遮蔽部材の開口部は円形状で形成される、請求項の固定陽極型X線管。
  4. 前記第2の遮蔽部材の開口部は楕円形状で形成される、請求項の固定陽極型X線管。
  5. 前記第2の遮蔽部材の開口部は四角形で形成される、請求項の固定陽極型X線管。
  6. 開口部の対角線上の前記第2の遮蔽部材の突出し長は、以下の式
    Figure 0006407591
    の範囲で形成される請求項の固定陽極型X線管。
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