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JP6405981B2 - 樹脂組成物、プリプレグ、金属箔張積層板及びプリント配線板 - Google Patents

樹脂組成物、プリプレグ、金属箔張積層板及びプリント配線板 Download PDF

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JP6405981B2 JP2014255800A JP2014255800A JP6405981B2 JP 6405981 B2 JP6405981 B2 JP 6405981B2 JP 2014255800 A JP2014255800 A JP 2014255800A JP 2014255800 A JP2014255800 A JP 2014255800A JP 6405981 B2 JP6405981 B2 JP 6405981B2
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Description

本発明は、高熱伝導率を有するプリント配線板用の樹脂組成物、プリプレグ、金属箔張積層板及びプリント配線板に関する。
近年、電子機器や通信機、パーソナルコンピューター等に広く用いられている半導体の高集積化・高機能化・高密度実装化はますます加速しており、以前にも増してプリント配線板に対する特性への要求が高まっている。特に発熱に対するプリント配線板の放熱技術が求められるようになっている。これは、半導体の高機能化に伴い、半導体から発生する熱量が大きくなっており、かつ高集積化・高密度実装化の影響により熱が内部に溜まりやすい構成になってきているためである。
プリント配線板の絶縁層に用いられるエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂自体は熱伝導率が低い。そこで、プリント配線板として熱伝導率を向上させるため、熱硬化性樹脂に熱伝導性に優れた無機充填材を高充填する方法が知られている(特許文献1)。
しかし、熱硬化性樹脂組成物に無機充填材を高充填すると、熱硬化性樹脂の体積比率が少なくなり成形性が悪化し、樹脂と無機充填材の間にクラックやボイドが発生しやすくなる。また、無機充填材を高充填させたプリント配線板は加工性が悪いという欠点があり、特にメカニカルドリルでの孔加工の際には、ドリルビットの摩耗や折損が著しいという問題があった。このような問題に対して、無機充填材に熱伝導性が高く硬度の低い化合物を用いることは効果的であり、そのような特性を満たす無機充填材の一つとしてベーマイトが挙げられる(特許文献2)。
特開2001−348488号公報 国際公開第2013/146700号パンフレット
しかし本発明者らは、高熱伝導性や加工性を向上させるために無機充填材としてベーマイトを高充填すると樹脂組成物の誘電正接が悪化することを見出した。
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、高い放熱特性、成形性やメカニカルドリル加工性を保持しつつ、加えて良好なガラス転移点温度、熱伝導率、誘電率及び誘電正接特性を有するプリント配線板に用いる樹脂組成物、これを用いたプリプレグ、積層板及び金属箔張積層板を提供することを課題とする。
本発明者らは、平均粒子径(D50)が1〜5μmかつ、700℃脱水量が、13.0〜14.5%である一部アルミナ化ベーマイト(A)、平均粒子径(D50)が0.1〜0.5μmである、(A)以外の第二の無機充填材(B)を含有し、さらにエポキシ樹脂(C−1)、シアン酸エステル化合物(C−2)、マレイミド化合物(C−3)、フェノール樹脂(C−4)、アクリル樹脂(C−5)、ポリアミド樹脂(C−6)、ポリアミドイミド樹脂(C−7)及び熱硬化性ポリイミド樹脂(C−8)からなる群から選ばれるいずれか1種以上の熱硬化性化合物(C)を含有する樹脂組成物であって、該一部アルミナ化ベーマイト(A)と第二の無機充填材(B)の合計含有量が、樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し200〜500質量部である、樹脂組成物が、上記の課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明による樹脂組成物は、硬化性が良好であり、得られるプリプレグを硬化してなる積層板や金属箔張積層板は、ガラス転移温度が高く、高い熱伝導性とメカニカルドリル加工性を持ちながら、ベーマイトをフィラーとして高充填した樹脂組成物と比較して良好な誘電率や誘電正接特性を保有することから、高集積・高密度化対応のプリント配線板材料に好適であり、工業的な実用性は極めて高いものである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されない。
本実施形態は、平均粒子径(D50)が1〜5μmかつ、700℃脱水量が、13.0〜14.5%である一部アルミナ化ベーマイト(A)、平均粒子径が0.1〜0.5μmである、(A)以外の第二の無機充填材(B)、エポキシ樹脂(C−1)、シアン酸エステル化合物(C−2)、マレイミド化合物(C−3)、フェノール樹脂(C−4)、アクリル樹脂(C−5)、ポリアミド樹脂(C−6)、ポリアミドイミド樹脂(C−7)及び熱硬化性ポリイミド樹脂(C−8)からなる群から選ばれるいずれか1種以上の熱硬化性化合物(C)を含有する樹脂組成物であって、該一部アルミナ化ベーマイト(A)と第二の無機充填材(B)の合計含有量が、樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し200〜500質量部である、樹脂組成物である。
本実施形態における一部アルミナ化ベーマイト(A)は、700℃脱水量が13.0〜14.5%である。ベーマイトはAlOOHの構造を有するが、加熱していくと、下記の脱水反応が起こってアルミナへと変質していき、その質量が減少する。
2AlOOH→Al+H
700℃脱水量とは、100℃の質量減少率を0%とし、700℃まで熱したときの水減少分の質量減少率を表したものである。なお、完全に脱水反応が進行し、ベーマイトがすべてアルミナへと変質すると、700℃脱水量は15%となる。
ベーマイトAlOOHは、AlO(OH)と表すこともでき、その結晶構造中にもつ水酸基により、それを含有する樹脂組成物を用いたプリプレグ及び金属箔張積層板等の誘電正接を悪化させる。
しかしそのベーマイトを短時間加熱処理すると、ベーマイト粒子の表面のみが完全脱水化物であるアルミナ(Al)の結晶相に変質することで、上記電気特性が良好となる。
このときの表面アルミナの結晶構造としては、相転移の順ごとにγアルミナ、δアルミナ及びαアルミナが挙げられ、特に限定されないが、ベーマイト粒子内部のアルミナ化を最低限に抑えられる観点からγアルミナであることが好ましい。
700℃脱水量が13.0〜14.5%となる一部アルミナ化ベーマイトを使用することで、これを無機充填材として含有したときに、硬化して得られる積層板の熱伝導性や電気特性を向上させることができ、さらに高いメカニカルドリル加工性を達成することができる。700℃脱水量は、誘電正接の点から13.0〜13.9%とすることが特に好ましい。
本実施形態における一部アルミナ化ベーマイト(A)は、積層板の熱伝導性と絶縁信頼性の観点から、平均粒子径(D50)が1〜5μmであることを必須とする。
またその形状としては、その比表面積を小さくするために、より球状に近い形状を持つことが好ましい。これは粒子形状が球形に近いほど樹脂組成物の流動性が向上するため、無機充填材を高充填した組成においても成形時のボイド等の成形不良を低減することができるためである。
なお、本発明における平均粒子径(D50)とは、メジアン径を意味し、測定した粉体の粒度分布を2つに分けたときの大きい側と小さい側が等量となる径である。平均粒子径は、一般的には湿式レーザー回折・散乱法により測定される。
本実施形態の第二の無機充填材(B)に使用されるものとしては、本実施形態の一部アルミナ化ベーマイト(A)以外のもので、平均粒子径(D50)が0.1〜0.5μmであれば特に限定されず、当業界で用いられる一般的なものを用いることができる。
例えば、天然シリカ、溶融シリカ、アモルファスシリカ、中空シリカ等のシリカ類、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、窒化ホウ素、凝集窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛等のモリブデン化合物、ホウ酸亜鉛、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム加熱処理品(水酸化アルミニウムを加熱処理し、結晶水の一部を減じたもの)、水酸化マグネシウム等の金属水和物、錫酸亜鉛、クレー、カオリン、タルク、焼成クレー、焼成カオリン、焼成タルク、マイカ、ガラス短繊維(EガラスやDガラスなどのガラス微粉末類)、中空ガラス等が挙げられる。その中でも、特に充填率の観点から、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、窒化ホウ素、凝集窒化ホウ素、窒化ケイ素及び窒化アルミニウムが好ましく用いられる。上記の平均粒子径の範囲とすることで、第二の無機充填材(B)よりも平均粒子径の大きい一部アルミナ化ベーマイト(A)の隙間に入り込むことにより、樹脂組成物中の無機充填材の体積含有率を高めることができ、さらに熱伝導率を向上させることができるからである。
一部アルミナ化ベーマイト(A)と第二の無機充填材(B)の質量比としては1:0.03〜1:0.5が好ましい。その理由は最密充填の観点から、大きい粒子間を小さい粒子が埋めるため、小さい粒子と大きい粒子の含有割合比率を合わせる事で、粒子が過不足なく最密充填することができ、樹脂組成物の流動性が向上し、ボイド等の成形不良を抑制することができるからである。
また、第二の無機充填材(B)の形状としては球形のものであれば、樹脂組成物の流動性が向上するため、無機充填材を高充填した際にも成形時のボイド等の成形不良を低減することができるため望ましい。
本実施形態の樹脂組成物における一部アルミナ化ベーマイト(A)と第二の無機充填材(B)の合計含有量は、樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対する含有量が、200〜500質量部含まれることが、熱伝導率及び成形性の観点から必要となる。その中でも特に300〜500質量部であることが好ましい。「樹脂組成物中の樹脂固形分」とは、特に断りのない限り、樹脂組成物における、溶剤及び一部アルミナ化ベーマイト(A)、第二の無機充填材(B)を除いた成分をいい、樹脂固形分100質量部とは、樹脂組成物における溶剤及び無機充填材を除いた成分の合計が100質量部であることをいうものとする。
さらに、本実施形態の樹脂組成物における一部アルミナ化ベーマイト(A)及び第二の無機充填材(B)の合計の体積は、樹脂組成物の全体積に対して、40〜70体積%であることが好ましく、50〜70体積%であることがさらに好ましい。このような含有量で一部アルミナ化ベーマイト(A)及び第二の無機充填材(B)を添加することにより、熱伝導率を向上することができるからである。
本実施形態の樹脂組成物においては、後に熱硬化してプリプレグや金属箔張積層板を作製することから、熱硬化性化合物(C)を必須とする。
熱硬化性化合物(C)としては、熱により硬化する化合物であれば特に限定されないが例えばエポキシ樹脂(C−1)、シアン酸エステル化合物(C−2)、マレイミド化合物(C−3)、フェノール樹脂(C−4)、アクリル樹脂(C−5)、ポリアミド樹脂(C−6)、ポリアミドイミド樹脂(C−7)、熱硬化性ポリイミド樹脂(C−8)等が挙げられ、これらの熱硬化性化合物は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することもできる。
これらの中でも、本実施形態に用いる熱硬化性化合物としては、エポキシ樹脂(C−1)、シアン酸エステル化合物(C−2)及びマレイミド化合物(C−3)から選ばれるいずれか1種以上が好適に用いられる。
エポキシ樹脂を使用することにより、硬化して得られる積層板が耐熱性、熱伝導性、吸水率等の特性に優れる樹脂組成物となるからであり、シアン酸エステル化合物を使用することにより、溶剤への溶解性が良好となり、硬化して得られる積層板が耐熱性や耐薬品性、硬化性に優れる樹脂組成物となるからであり、マレイミド化合物を使用することにより、硬化して得られる積層板が耐熱性や耐薬品性、硬化性等の特性に優れることとなるからである。
さらにエポキシ樹脂、シアン酸エステル化合物及びマレイミド化合物を同時に使用することにより、得られる積層板が難燃性、耐熱性、耐薬品性、熱伝導性、吸水率、硬化性、弾性率の特性に優れる事が期待されることから特に好ましい。
本実施形態におけるエポキシ樹脂(C−1)としては、1分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に制限なく、公知のものを使用することができる。例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ポリオキシナフチレン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、3官能フェノール型エポキシ樹脂、4官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエステル、ブタジエンなどの2重結合をエポキシ化した化合物、水酸基含有シリコーン樹脂類とエピクロルヒドリンとの反応により得られる化合物等が挙げられる。
これらのなかでも、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ポリオキシナフチレン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂は耐熱性を維持するとともに、吸水性や吸湿耐熱性等の特性に優れ好適に用いることができる。これらのエポキシ樹脂(C−1)は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本実施形態における前記エポキシ樹脂(C−1)の含有量は、得られる積層板の耐熱性、熱伝導性及び吸水性の観点から、エポキシ樹脂(C−1)を含有する樹脂組成物中の樹脂固形分の合計100質量部に対して、10〜90質量部含まれていることが好ましく、より好ましくは30〜70質量部である。
本実施形態において用いられるシアン酸エステル化合物(C−2)としては、一般に公知のシアン酸エステル化合物を使用することができる。例えば一般式(1)で表されるナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物、一般式(2)で表されるノボラック型シアン酸エステル、一般式(3)で表されるビフェニルアラルキル型シアン酸エステル、1,3−ジシアナトベンゼン、1,4−ジシアナトベンゼン、1,3,5−トリシアナトベンゼン、ビス(3,5−ジメチル4−シアナトフェニル)メタン、1,3−ジシアナトナフタレン、1,4−ジシアナトナフタレン、1,6−ジシアナトナフタレン、1,8−ジシアナトナフタレン、2,6−ジシアナトナフタレン、2、7−ジシアナトナフタレン、1,3,6−トリシアナトナフタレン、4、4’−ジシアナトビフェニル、ビス(4−シアナトフェニル)メタン、ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、ビス(4−シアナトフェニル)エーテル、ビス(4−シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアナトフェニル)スルホン、2、2’−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、ビス(3、5−ジメチル、4−シアナトフェニル)メタン等が挙げられる。
この中でも一般式(1)で表されるナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物、一般式(2)で表されるノボラック型シアン酸エステル化合物、一般式(3)で表されるビフェニルアラルキル型シアン酸エステル化合物が難燃性に優れ、硬化性が高く、かつ硬化物の熱膨張係数が低いことから特に好ましい。
(式中、R1は各々独立して水素原子又はメチル基を示し、n1は1〜50の整数を示す。)
(式中、R2は各々独立して水素原子又はメチル基を示し、n2は1〜50の整数を示す。)
(式中、R3は各々独立して水素原子又はメチル基を示し、n3は1〜50の整数を示す。)
前記一般式(1)において、置換基R1は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表すが、特に、置換基R1が水素であるα−ナフトールアラルキル型のシアン酸エステル化合物は耐熱性を維持するとともに、吸水性や吸湿耐熱性等の特性に優れ好適に使用できる。
また、上記一般式(1)において、n1は、1〜50の整数を表すが、n1が異なる複数のシアン酸エステル化合物(C−2)を、1種を単独で又は2種以上を適宜混合して使用してもよい。
本実施形態における前記シアン酸エステル化合物(C−2)の含有量は、得られる積層板の耐熱性、樹脂組成物の溶剤溶解性及び硬化性の観点から、シアン酸エステル化合物(C−2)を含有する樹脂組成物中の樹脂固形分の合計100質量部に対して、10〜90質量部含まれていることが好ましく、さらには30〜70質量部であることが特に好ましい。
本実施形態において用いられるマレイミド化合物(C−3)としては、1分子中に1個以上のマレイミド基を有する化合物であれば特に制限なく使用することができる。例えば、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス{4−(4−マレイミドフェノキシ)−フェニル}プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−マレイミドフェニル)メタン、トリス(4−マレイミドフェニル)メタン、式(4)で表されるマレイミド化合物が挙げられる。これらのマレイミド化合物は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。また、モノマーの形態だけでなく、プレポリマーの形態であってもよく、また、マレイミド化合物とアミン化合物とのプレポリマーの形態であってもよい。これらのなかでも、耐熱性の観点から、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス{4−(4−マレイミドフェノキシ)−フェニル}プロパン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、式(4)で表されるマレイミド化合物を好適に使用することができる。
式(4)で表されるマレイミド化合物において、置換基R4が水素であるマレイミド化合物は耐熱性を維持するとともに、吸水性や吸湿耐熱性等の特性に優れることから好適に使用できる。また該マレイミド化合物はn4が異なる複数のマレイミド化合物を、2種以上適宜混合して使用してもよい。
(式中、R4は各々独立して水素原子又はメチル基を示し、n4は平均値として1〜10の整数の範囲である。)
本実施形態の樹脂組成物におけるマレイミド化合物(C−3)の含有量は、得られる積層板の耐熱性及び樹脂組成物の硬化性の観点から、マレイミド化合物を含有する樹脂組成物中の樹脂固形分の合計100質量部に対して、10〜90質量部含まれていることが好ましく、より好ましくは30〜70質量部である。
本実施形態において用いられる他の熱硬化性化合物(C)としてはさらに、フェノール樹脂(C−4)、アクリル樹脂(C−5)、ポリアミド樹脂(C−6)、ポリアミドイミド樹脂(C−7)、熱硬化性ポリイミド樹脂(C−8)が挙げられ、一般に公知のものであれば、特に制限なく使用することができる。これらの熱硬化性化合物のそれぞれの成分は、目的に応じて1種を単独で又は、2種以上を適宜混合することができる。中でもフェノール樹脂(C−4)、アクリル樹脂(C−5)、ポリアミド樹脂(C−6)、ポリアミドイミド樹脂(C−7)、熱硬化性ポリイミド樹脂(C−8)からなる1種以上の成分を、エポキシ樹脂(C−1)、シアン酸エステル化合物(C−2)、マレイミド化合物(C−3)から選ばれるいずれか1種以上の成分と適宜併用する組み合わせが好ましく用いられる。
本実施形態の樹脂組成物においては、さらにモリブデン化合物(D)を含有させることができる。モリブデン化合物(D)を含有させることによって、得られる積層板のメカニカルドリル加工性を向上させることができるため好ましい。
モリブデン化合物(D)としては、モリブデンを分子内に含んでいれば良く、例えばモリブデン酸、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸カリウム、三酸化モリブデン、二硫化モリブデン等のモリブデン化合物が挙げられる。この中でも有機金属触媒として働かないという点からモリブデン酸、モリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデンが好ましい。
モリブデン化合物(D)は、商業的に入手可能なモリブデン化合物をゾルゲル法、液相析出法等の手法でその表面を無機酸化物で処理して得られるものでもよい。表面を無機酸化物で処理したモリブデン化合物は、熱に対しては該無機酸化物が作用し、ドリルに対してはモリブデン化合物が作用し、メカニカルドリル加工性と耐熱性という二つの相反する特性を両立させることが可能となるため、特に好ましい。
モリブデン化合物に表面処理される無機酸化物としては、特に限定されないが、例えばシリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニウムオキサイド等が挙げられ、絶縁特性の点からシリカが好ましい。
また、モリブデン化合物に表面処理される表面無機酸化物の厚さは、特に限定されないが、15〜50nmであることが好ましい。15nm以上で耐熱性が良好であり、50nm以下でモリブデン化合物に対して無機酸化物を処理する際に発生するクラックを少なくできるからである。
無機酸化物で表面を処理されたモリブデン化合物の製造方法として、例えば、ケイ素アルコキシド、アルミニウムアルコキシドなどの、金属アルコキシドを溶解したアルコール溶液に、モリブデン化合物粉体を分散し、撹拌させながら水とアルコール及び触媒の混合溶液を滴下し、アルコキシドを加水分解することにより、粉体表面に被膜として酸化ケイ素あるいは酸化アルミニウム等の被膜を形成する。その後、粉体を固液分離し真空乾燥後、前記と同様に熱処理を施す。この操作により、粉体の表面に被膜を有するモリブデン化合物が得られる。
本実施形態における前記モリブデン化合物(D)の含有量は、得られる積層板の孔加工性及び反応性の観点から、モリブデン化合物(D)を含有する樹脂組成物中の樹脂固形分の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部含まれていることが好ましく、より好ましくは1〜5質量部である。
本実施形態の樹脂組成物においては、所期の特性が損なわれない範囲において、上記した成分以外にも、他の成分を含んでいてもよい。
例えば、シランカップリング剤が含まれていてもよい。シランカップリング剤のシラノール基は、表面に水酸基を持つ素材と、特に親和性及び反応性を示すため、有機物−無機物の結合に効果があり、無機充填材の表面がシランカップリング剤と反応する場合には、熱硬化性樹脂と無機充填材の密着性が改善される。すなわち、ピール強度、弾性率、吸湿耐熱性、及び硬化物の外観を向上させる効果が期待されるからである。
使用されるシランカップリング剤としては、一般に無機物の表面処理に使用されているシランカップリング剤であれば、特に限定されるものではない。具体例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン系、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシラン系、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのビニルシラン系、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩などのカチオニックシラン系、フェニルシラン系などが挙げられ、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することも可能である。
本実施形態の樹脂組成物におけるシランカップリング剤の含有量は、シランカップリング剤を含有する樹脂組成物中の樹脂固形分の合計100質量部に対して3〜30質量部含まれていることが好ましい。この範囲とすることによりガラス転移温度を低下する事なく、樹脂と無機充填材の密着性を向上させるからである。
また、本実施形態の樹脂組成物においては所期の特性が損なわれない範囲で湿潤分散剤を併用することも可能である。湿潤分散剤を含有することによって無機充填材の分散性を向上させることができる。これらの湿潤分散剤としては、塗料用に使用されている分散安定剤であれば、特に限定されるものではない。例えばビッグケミー・ジャパン(株)製のDisperbyk−110、111、161、180、W903等の湿潤分散剤が挙げられ、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することも可能である。
また、硬化速度を適宜調節するために、硬化促進剤が含まれていてもよい。硬化促進剤としては、前記熱硬化性化合物の硬化促進剤として一般に使用されるものであれば、特に制限なく使用することができる。例えば、銅、亜鉛、コバルト、ニッケル、マンガン等の有機金属塩類、イミダゾール類及びその誘導体、第3級アミン等が挙げられる。また、上記した硬化促進剤は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。硬化促進剤の含有量は、樹脂の硬化度や樹脂組成物の粘度等の観点から適宜調整でき、通常は、硬化促進剤を含有する樹脂組成物中の樹脂固形分の合計100質量部に対して0.01〜15質量部程度である。
また、前記(C)以外の他の熱硬化性化合物、熱可塑性化合物、及びそのオリゴマーやエラストマー類などの種々の高分子化合物、他の難燃性の化合物、添加剤などが添加されていてもよい。これらは、一般に使用されているものであれば、特に制限なく使用することができる。例えば、難燃性の化合物としては、リン酸エステル、リン酸メラミンなどのリン化合物、メラミンやベンゾグアナミンなどの窒素含有化合物、オキサジン環含有化合物、シリコーン系化合物などが挙げられる。添加剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤、光増感剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光沢剤、重合禁止剤等が挙げられ、必要に応じて、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じて、有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤は、樹脂組成物の粘度を下げ、ハンドリング性を向上させると共にガラスクロスとの含浸性を高めるために用いられる。有機溶剤としては、前記熱硬化性化合物の混合物が相溶するものであれば、特に制限なく使用することができる。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドなどのアミド類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これら有機溶剤は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本実施形態の樹脂組成物の作製方法は、一部アルミナ化ベーマイト(A)、第二の無機充填材(B)及び熱硬化性化合物(C)を組み合わせて樹脂組成物を作製する方法であれば、特に限定されない。例えば、エポキシ樹脂(C−1)に一部アルミナ化ベーマイト(A)及び第二の無機充填材(B)、をホモミキサー等で分散させ、そこへシアン酸エステル化合物(C−2)、マレイミド化合物(C−3)を配合する方法などが挙げられる。さらに、粘度を下げ、ハンドリング性を向上させると共にガラスクロスへとの含浸性を高めるために有機溶媒を添加することが望ましい。
次に、前記樹脂組成物を用いて作製される、プリプレグ、積層板、金属箔張積層板について詳述する。
本実施形態のプリプレグの製造方法は、一部アルミナ化ベーマイト(A)、第二の無機充填材(B)及びエポキシ樹脂(C−1)、シアン酸エステル化合物(C−2)、マレイミド化合物(C−3)、フェノール樹脂(C−4)、アクリル樹脂(C−5)、ポリアミド樹脂(C−6)、ポリアミドイミド樹脂(C−7)及び熱硬化性ポリイミド樹脂(C−8)からなる群から選ばれるいずれか1種以上の熱硬化性化合物(C)を必須成分として含有する樹脂組成物と基材とを組み合わせてプリプレグを製造する方法であれば、特に限定されない。
例えば、上記樹脂組成物を基材に含浸又は塗布させた後、100〜200℃の乾燥機中で、1〜60分加熱させる方法などにより半硬化させ、プリプレグを製造する方法などが挙げられる。基材に対する樹脂組成物の付着量は、プリプレグの総量に対する樹脂組成物(無機充填材を含む)の量で40〜95質量%の範囲が好ましい。
本実施形態のプリプレグを製造する際において使用される基材には、各種プリント配線板材料に用いられている公知のものを使用することが出来る。例えば、Eガラス、Tガラス、Lガラス、Dガラス、Sガラス、NEガラス、クォーツ等の無機繊維、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステルなどの有機繊維が挙げられ、目的とする用途や性能により適宜選択できる。
形状としては織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマット、サーフェシングマットなどが挙げられる。厚みについては、特に制限はされないが、通常は0.01〜0.3mmであり、例えば積層板用途であれば0.01〜0.2mmの範囲が好適である。
上記した基材は、樹脂との密着性や吸湿耐熱性の観点から、表面処理が施されていてもよく、例えば、基材の表面をシランカップリング剤などで表面処理することができる。また、基材として織布を用いる場合、織布を物理的に開繊しておいてもよい。基材としてフィルムを使用する場合、樹脂との密着性の観点から、基材をプラズマ処理などで表面処理しておくことが好ましい。
本実施形態の積層板は、上述のプリプレグを用いて積層成形したものである。具体的には前述のプリプレグを1枚あるいは複数枚を重ね、所望によりその片面もしくは両面に、銅やアルミニウムなどの金属箔を配置した構成で、積層成形することにより製造する。使用する金属箔は、プリント配線板材料に用いられるものであれば、特に限定されない。成形条件としては、通常のプリント配線板用積層板及び多層板の手法が適用できる。例えば、多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機などを使用し、温度は100〜300℃、圧力は2〜100kgf/cm、加熱時間は0.05〜5時間の範囲が一般的である。また、本発明のプリプレグと、別途作製した内層用の配線板を組み合わせ、積層成形することにより、多層板とすることも可能である。
上記の本実施形態の金属箔張積層板は、所定の配線パターンを形成することにより、プリント配線板として好適に用いることができる。そして、本発明の金属箔張積層板は、低い熱膨張率、良好な成形性及び耐薬品性を有し、そのような性能が要求される半導体パッケージ用プリント配線板として、殊に有効に用いることができる。
本発明におけるプリント配線板は、例えば、以下の方法により製造することができる。まず、本発明の銅張積層板等の金属箔張積層板を用意する。金属箔張積層板の表面にエッチング処理を施して内層回路の形成を行い、内装基板を作製する。この内層基板の内層回路表面に、必要に応じて接着強度を高めるための表面処理を行い、次いでその内層回路表面に本発明のプリプレグを所定枚数重ね、更にその外側に外層回路用の金属箔を積層し、加熱加圧して一体形成する。このようにして、内層回路と外層回路用の金属箔との間に、基材及び熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる絶縁層が形成された多層の積層板が製造される。次いで、この多層の積層板にスルーホールやバイアホール用の穴あけ加工を施した後、硬化物層に含まれている樹脂成分に由来する樹脂の残渣であるスミアを除去するためのデスミア処理が行われる。この後この穴の壁面に内層回路を外層回路用の金属箔とを導通させるめっき金属皮膜を形成し、更に外層回路用の金属箔にエッチング処理を施して外層回路を形成し、プリント配線板が製造される。
本発明のプリプレグ(基材及びこれに添着された本発明の樹脂組成物)、金属箔張積層板の樹脂組成物層(本発明の樹脂組成物からなる層)が、本発明の樹脂組成物を含む絶縁層を構成する。
以下に、合成例、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例1)
α−ナフトールアラルキル樹脂(SN495V、OH基当量:236g/eq.、新日鐵住金化学(株)製:nは1〜5のものが含まれる)0.47モル(OH基換算)を、クロロホルム500mlに溶解させ、この溶液にトリエチルアミン0.7モルを添加し、これに0.93モルの塩化シアンのクロロホルム溶液300gを、−10℃で1.5時間かけて滴下し、30分撹拌した後、更に0.1モルのトリエチルアミンとクロロホルム30gの混合溶液を滴下し、30分撹拌して反応を完結させた。生成するトリエチルアミンの塩酸塩を濾別した後、得られた濾液を0.1N塩酸500mlで洗浄した後、水500mlでの洗浄を4回繰り返した。これを硫酸ナトリウムにより乾燥した後、75℃でエバポレートし、更に90℃で減圧脱気することにより、褐色固形の上記式(I)で表されるα−ナフトールアラルキル型のシアン酸エステル化合物を得た。得られたシアン酸エステル化合物を赤外吸収スペクトルにより分析したところ、2264cm−1付近にシアン酸エステル基の吸収を確認した。
参考例1)
合成例1で得たα−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物30質量部とビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部、マレイミド化合物(BMI−2300、大和化成工業(株)製)15質量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH,日本化薬(株)製)20質量部、ポリオキシナフチレン型エポキシ樹脂(HP6000、DIC(株)製)20質量部、シランカップリング剤(OFS6040、東レダウコーニング(株)製)20質量部、湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミー・ジャパン(株)製)5質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、一部アルミナ化ベーマイト(河合石灰工業(株)製ベーマイトMM011の加熱処理品、平均粒子径2.6μm、700℃脱水量14.3%)300質量部、平均粒子径0.3μmのアルミナ(ASFP−20、電気化学工業(株)製)100質量部、モリブデン酸亜鉛(日本無機化学工業(株)製)1質量部、ニッカオクチックスマンガン(Mn含有量8質量%)(日本合成化学工業(株)製)0.01質量部、2,4,5−トリフェニルイミダゾール(東京化成工業(株)製)0.5質量部を混合してワニスを得た。なお平均粒子径は、無機充填材をメチルエチルケトンで分散させ、その後超音波ホモジナイザーにて3分間分散処置を行ない、レーザー回折式粒度分布測定装置((株)島津製作所製)にて測定を行なった。また700℃脱水量は、示差熱-質量同時測定装(ブルカー・エイエックスエス(株))で100℃〜700℃の脱水量より算出した。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、質量47.2g/m2のEガラスクロス(旭化成イーマテリアルズ(株)製)に含浸塗工し、150℃で3分間加熱乾燥して、フィラー含有量76質量%のプリプレグを得た。次に、このプリプレグを8枚重ね、12μmの電解銅箔を上下に配置し、圧力30kgf/cm2、温度220℃で120分間プレスを行い、厚さ0.8mmの銅張り積層板を得た。
得られた銅張り積層板を用いて、熱伝導率、ガラス転移温度、誘電率、誘電正接の評価を行った。結果を表1に示した。
(評価方法)
1)熱伝導率:得られた8枚重ねの銅張り積層板の密度を測定し、また、比熱をDSC(TA Instrumen Q100型)により測定し、さらに、キセノンフラッシュアナライザ(Bruker:LFA447Nanoflash)により熱拡散率を測定した。そして、熱伝導率を以下の式から算出した。
熱伝導率(W/m・K)=密度(kg/m)×比熱(kJ/kg・K)×熱拡散率(m/S)×1000
2)ガラス転移温度(Tg):得られた8枚重ねの銅張り積層板について、JIS C6481に従い、動的粘弾性分析装置(TAインスツルメント製)を用いて測定した。
3)誘電率(Dk)、誘電正接(Df):厚さ0.8mmの銅張り積層板の銅箔を除去した試験片を使用し、空洞共振器摂動法(Agilent 8722ES、アジレントテクノロジー製)にて1GHzの誘電率及び誘電正接の測定を3回実施しその平均値を算出した。
(実施例2)
参考例1で使用した一部アルミナ化ベーマイトの代わりに、そのフィラーを加熱して表面のアルミナ化をさらに進行させた一部アルミナ化ベーマイト(平均粒子径2.3μm、700℃脱水量13.9%)を用いた以外は、参考例1と同様に行い、厚さ0.8mmの銅張り積層板を得た。得られた積層板の物性測定結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例2で使用した一部アルミナ化ベーマイトの代わりに、そのフィラーを加熱して表面のアルミナ化をさらに進行させた一部アルミナ化ベーマイト(平均粒子径2.4μm、700℃脱水量13.1%)を用いた以外は参考例1と同様に行い、厚さ0.8mmの銅張り積層板を得た。得られた積層板の物性測定結果を表1に示した。
(比較例1)
一部アルミナ化ベーマイトを使用せず、ベーマイト(MM011、河合石灰工業(株)、平均粒子径2.8μm、700℃脱水量15.0%)を300質量部用いた以外は参考例1と同様に行い、厚さ0.8mmの銅張り積層板を得た。得られた積層板の物性測定結果を表1に示した。

Claims (10)

  1. 平均粒子径(D50)が1〜5μmかつ、100〜700℃まで加熱した際の脱水量(700℃脱水量)が13.0〜13.9%である一部アルミナ化ベーマイト(A)、平均粒子径(D50)が0.1〜0.5μmである、(A)以外の第二の無機充填材(B)を含有し、さらにエポキシ樹脂(C−1)、シアン酸エステル化合物(C−2)、マレイミド化合物(C−3)、フェノール樹脂(C−4)、アクリル樹脂(C−5)、ポリアミド樹脂(C−6)、ポリアミドイミド樹脂(C−7)及び熱硬化性ポリイミド樹脂(C−8)からなる群から選ばれるいずれか1種以上の熱硬化性化合物(C)を含有する樹脂組成物であって、該一部アルミナ化ベーマイト(A)と第二の無機充填材(B)の合計含有量が、樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し200〜500質量部である、樹脂組成物。
  2. 前記第二の無機充填材(B)が、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、窒化ホウ素、凝集窒化ホウ素、窒化ケイ素及び窒化アルミニウムから選択される群のうち、いずれか1種以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記シアン酸エステル化合物(C−2)が、一般式(1)で示されるナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物、一般式(2)で示されるノボラック型シアン酸エステル化合物及び一般式(3)で示されるビフェニルアラルキル型シアン酸エステル化合物から選択される群のうち、いずれか1種以上である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
    (式中、R1は各々独立して水素原子又はメチル基を示し、n1は1〜50の整数を示す。)
    (式中、R2は各々独立して水素原子又はメチル基を示し、n2は1〜50の整数を示す。)
    (式中、R3は各々独立して水素原子又はメチル基を示し、n3は1〜50の整数を示す。)
  4. 前記マレイミド化合物(C−3)が、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス{4−(4−マレイミドフェノキシ)−フェニル}プロパン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン及び式(4)で表されるマレイミド化合物から選択される群のうち、いずれか1種以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
    (式中、R4は各々独立して水素原子又はメチル基を示し、n4は平均値として1〜10の整数の範囲である。)
  5. さらにモリブデン化合物(D)を含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記モリブデン化合物(D)の含有量が、樹脂組成物中の樹脂固形分の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部である、請求項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記モリブデン化合物(D)が、表面を無機酸化物で処理されたものである、請求項5又は6に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の樹脂組成物を、基材に含浸又は塗布してなるプレプリグ。
  9. 請求項に記載のプリプレグと金属箔とを積層し硬化してなる、金属箔張積層板。
  10. 絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成された導体層とを含むプリント配線板であって、前記絶縁層が請求項1〜のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含むプリント配線板。
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