以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図7は、本実施の形態に係る紙幣処理装置およびこのような紙幣処理装置を備えた貨幣処理機を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態による貨幣処理機の外観を示す斜視図であり、図2は、図1に示す貨幣処理機における紙幣処理装置の内部構成を概略的に示す概略構成図であり、図3は、図1や図2に示す貨幣処理機における制御系の構成を示す機能ブロック図である。また、図4は、図2等に示す貨幣処理機の帯封機構を側方から見たときの構成の詳細を示す構成図である。また、図5は、図2等に示す貨幣処理機において帯封機構により帯封処理を行う際の動作を示すフローチャートであり、図6(a)(b)は、図2等に示す貨幣処理機において帯封機構により帯封処理を行う際にエラーが発生したときに操作表示部に表示されるガイダンス画面を示す図である。また、図7は、図2等に示す貨幣処理機において帯封紙幣を一括帯封紙幣収納庫や金種別帯封紙幣収納庫に収納させる際にエラーが発生したときに操作表示部に表示されるガイダンス画面を示す図である。なお、図8は、従来技術の貨幣処理機において帯封紙幣を一括帯封紙幣収納庫や金種別帯封紙幣収納庫に収納させる際にエラーが発生したときに操作表示部に表示されるガイダンス画面を示す図である。
本実施の形態による貨幣処理機1は、バラ紙幣やバラ硬貨の入金処理や出金処理を行うことができるとともに、機体内で所定枚数(例えば、100枚)のバラ紙幣から帯封紙幣を形成したり帯封紙幣の出金処理を行ったりすることができるようになっている。図1に示すように、本実施の形態による貨幣処理機1は、左右に並ぶよう配置された紙幣処理装置2および硬貨処理装置3から構成されている。なお、硬貨処理装置3については本発明と直接的な関係がないためその説明を省略する。
本実施の形態による貨幣処理機1における紙幣処理装置2の内部構成の詳細について図1および図2を用いて説明する。図1および図2に示すように、紙幣処理装置2は略直方体形状の筐体12を有しており、この筐体12の前面には、筐体12の外部から内部にバラ紙幣を入金するための入金部14、筐体12の内部から外部にバラ紙幣を出金するためのバラ紙幣出金部16、および筐体12の内部から外部に帯封紙幣を出金するための帯封紙幣出金部17がそれぞれ設けられている。なお、図2における筐体12の左側の側面が紙幣処理装置2の前面側(すなわち、図1に示すように紙幣処理装置2を見たときの正面側)となっており、図2における右方向が筐体12の奥行き方向となっている。ここで、図2に示すように、入金部14にはシャッター14aが設けられており、このシャッター14aは、入金部14における筐体12の前面に面する開口を開閉するようになっている。そして、シャッター14aにより入金部14の開口が開かれると、操作者は入金部14にアクセスすることができるようになり、当該操作者は入金部14に1または複数のバラ紙幣を積層状態で投入することができるようになる。なお、図1では、シャッター14aが開かれて操作者が入金部14にアクセスすることができるようになっている状態が示されている。このようなシャッター14aはシャッター駆動部14b(図3参照)により駆動されるようになっている。なお、シャッター14aを設けずに入金部14を開放したままの状態としてもよい。また、バラ紙幣出金部16にはシャッター16aが設けられており、このシャッター16aは、バラ紙幣出金部16の前面に面する開口および帯封紙幣出金部17の前面に面する開口を一体的に開閉するようになっている。そして、シャッター16aによりバラ紙幣出金部16および帯封紙幣出金部17の開口が開かれると、操作者はバラ紙幣出金部16および帯封紙幣出金部17にそれぞれアクセスすることができるようになり、当該操作者はバラ紙幣出金部16や帯封紙幣出金部17に集積されているバラ紙幣や帯封紙幣を筐体12の外部に取り出すことができるようになる。このようなシャッター16aはシャッター駆動部16b(図3参照)により駆動されるようになっている。
図2に示すように、筐体12の前面における入金部14の下方には、紙幣処理装置2においてバラ紙幣の出金処理が行われる際にバラ紙幣出金部16により出金すべきではないと判断されたバラ紙幣が集積される出金リジェクト部24、および紙幣処理装置2においてバラ紙幣の入金処理が行われる際に後述する一括バラ紙幣収納庫32や各金種別バラ紙幣収納庫34に収納すべきではないと判断されたバラ紙幣が集積される入金リジェクト部26がそれぞれ設けられている。ここで、図1および図2に示すように、出金リジェクト部24および入金リジェクト部26にはそれぞれシャッター24a、26aが設けられており、これらのシャッター24a、26aは、出金リジェクト部24や入金リジェクト部26における筐体12の前面に面する開口をそれぞれ開閉するようになっている。そして、シャッター24a、26aにより出金リジェクト部24や入金リジェクト部26の開口が開かれると、操作者は出金リジェクト部24や入金リジェクト部26にアクセスすることができるようになり、当該操作者は出金リジェクト部24や入金リジェクト部26に集積されているバラ紙幣を筐体12の外部に取り出すことができるようになる。このようなシャッター24a、26aはシャッター駆動部24b、26b(図3参照)により駆動されるようになっている。なお、シャッター26aを設けずに入金リジェクト部26を開放したままの状態としてもよい。また、本実施の形態では、入金部14の隣である直下に出金リジェクト部24が配置されているため、出金リジェクト部24内の出金リジェクト紙幣を入金部14に投入して筐体12内へ戻すようないわゆる出金リジェクト戻し処理を行なうときに、離れた位置から入金部14へ投入するのではないので利便性に富んでいる。
図2に示すように、入金部14には、当該入金部14に投入されたバラ紙幣を1枚ずつ筐体12の内部に繰り出すための紙幣繰出機構14cが設けられている。また、紙幣処理装置2の筐体12の内部には、当該筐体12内でバラ紙幣を1枚ずつ搬送する搬送部15が設けられており、紙幣繰出機構14cにより入金部14から繰り出されたバラ紙幣は当該搬送部15により搬送されるようになっている。また、搬送部15には識別部20が設けられており、搬送部15により搬送されるバラ紙幣は識別部20によりその金種、真偽、表裏、正損、新旧、搬送状態等が識別されるようになっている。また、搬送部15には表裏反転部22が設けられており、識別部20により識別されたバラ紙幣は表裏反転部22によりその表裏が揃うように反転させられるようになっている。
また、図2に示すように、搬送部15には入金一時保留部30、一括バラ紙幣収納庫32および複数(図2に示す例では3つ)の金種別バラ紙幣収納庫34がそれぞれ接続されており、搬送部15からこれらの入金一時保留部30、一括バラ紙幣収納庫32および各金種別バラ紙幣収納庫34にバラ紙幣が送られるようになっている。これらの入金一時保留部30、一括バラ紙幣収納庫32および各金種別バラ紙幣収納庫34では、バラ紙幣が積層状態で集積されるようになっている。また、入金一時保留部30には紙幣繰出繰入機構30aが設けられており、当該入金一時保留部30に一時的に保留されているバラ紙幣は紙幣繰出繰入機構30aにより1枚ずつ搬送部15に繰り出されるようになっている。また、紙幣繰出繰入機構30aにより搬送部15から入金一時保留部30に紙幣が1枚ずつ繰り入れられるようになっている。ここで、入金一時保留部30には、バラ紙幣の入金処理において識別部20により識別されたバラ紙幣が一括バラ紙幣収納庫32や各金種別バラ紙幣収納庫34に収納される前に一時的に保留されるようになっている。また、一括バラ紙幣収納庫32には紙幣繰出繰入機構32aが設けられており、当該一括バラ紙幣収納庫32に収納されているバラ紙幣は紙幣繰出繰入機構32aにより1枚ずつ搬送部15に繰り出されるようになっている。また、紙幣繰出繰入機構32aにより搬送部15から一括バラ紙幣収納庫32にバラ紙幣が1枚ずつ繰り入れられるようになっている。ここで、一括バラ紙幣収納庫32には、複数の金種のバラ紙幣が混合状態で収納されるようになっている。また、各金種別バラ紙幣収納庫34には紙幣繰出繰入機構34aが設けられており、各金種別バラ紙幣収納庫34に収納されているバラ紙幣は紙幣繰出繰入機構34aにより1枚ずつ搬送部15に繰り出されるようになっている。また、紙幣繰出繰入機構34aにより搬送部15から各金種別バラ紙幣収納庫34にバラ紙幣が1枚ずつ繰り入れられるようになっている。ここで、各金種別バラ紙幣収納庫34には、それぞれ予め設定された特定の金種のバラ紙幣が収納されるようになっている。
図1および図2に示すように、筐体12の下部には前扉12aが設けられており、この前扉12aを開くことにより操作者は入金一時保留部30の内部にアクセスすることができるようになっている。また、入金一時保留部30、一括バラ紙幣収納庫32および各金種別バラ紙幣収納庫34は、筐体12の内部から手前側に(すなわち、図2における左方向に)引き出し可能となっている引出ユニット13に収容されている。そして、操作者が前扉12aを開いて引出ユニット13を筐体12の内部から手前側に引き出すことにより、当該操作者は一括バラ紙幣収納庫32および各金種別バラ紙幣収納庫34を引出ユニット13から取り外すことができるようになる。
また、図2に示すように、搬送部15には複数(図2に示す例では2つ)の整理一時保留部40が接続されており、当該搬送部15から各整理一時保留部40にバラ紙幣が送られるとこれらの整理一時保留部40にバラ紙幣が積層状態で集積されるようになっている。また、本実施の形態による紙幣処理装置2では、所定枚数(例えば、100枚)のバラ紙幣からなる紙幣束に帯封紙を巻くことにより帯封紙幣を形成する帯封機構50が設けられている。このような帯封機構50の構成の詳細については後述する。
また、図2に示すように、筐体12の内部には第1アーム機構41および第2アーム機構42が設けられている。第1アーム機構41は、各整理一時保留部40および帯封機構50の間で移動可能となっており、各整理一時保留部40に集積された所定枚数のバラ紙幣からなる紙幣束を帯封機構50に搬送するようになっている。ここで、帯封機構50において帯封処理が行われる際に、第1アーム機構41の上下一対のアーム部により挟持された状態にある紙幣束の外周面に帯封紙が巻かれるようになっている。また、第1アーム機構41は図2に示す位置から上方に移動して第2アーム機構42に対向する位置まで到達することができるようになっている。このことにより、各整理一時保留部40から第1アーム機構41により取り出された1または複数の束状態のバラ紙幣を当該第1アーム機構41から第2アーム機構42に受け渡したり、帯封機構50により形成された帯封紙幣を第1アーム機構41から第2アーム機構42に受け渡したりすることができるようになる。
第2アーム機構42は図2に示す位置からバラ紙幣出金部16に向かって筐体12の手前側に(すなわち、図2における左方向に)移動することができるようになっている。このことにより、第1アーム機構41から1または複数の束状態のバラ紙幣や帯封紙幣が第2アーム機構42に受け渡された後、第2アーム機構42の上下一対のアーム部により1または複数の束状態のバラ紙幣や帯封紙幣が挟持された状態で当該第2アーム機構42が図2の矢印に示すようにバラ紙幣出金部16に向かって移動することにより、第2アーム機構42によって保持されている1または複数の束状態のバラ紙幣や帯封紙幣がバラ紙幣出金部16に送られるようになる。より詳細には、図2に示すように、バラ紙幣出金部16の背面側(すなわち、図2における右側)には、図2に示す位置から下方に移動可能となっている、鉛直方向に延びる板状の分離部材19が設けられており、第2アーム機構42の上下一対のアーム部により1または複数の束状態のバラ紙幣や帯封紙幣が挟持された状態で当該第2アーム機構42の各アーム部がバラ紙幣出金部16の内部にアクセスした後、分離部材19が図2に示す位置から下方に移動し、その後に第2アーム機構42において各アーム部から1または複数の束状態のバラ紙幣や帯封紙幣が解放されて当該第2アーム機構42がバラ紙幣出金部16から遠ざかる方向(すなわち、図2における右方向)に移動すると、1または複数の束状態のバラ紙幣や帯封紙幣は分離部材19に当接することにより第2アーム機構42から分離してバラ紙幣出金部16に残るようになる。
また、図2に示すように、本実施の形態では、バラ紙幣出金部16および帯封紙幣出金部17をまたがって図2における上下方向に移動可能となっているステージ18が設けられている。ここで、本実施の形態の紙幣処理装置2においてバラ紙幣の出金処理が行われる際には、ステージ18は図2に示すように帯封紙幣出金部17の底面近傍に位置するようになり、第2アーム機構42からバラ紙幣出金部16に送られた1または複数の束状態のバラ紙幣は当該バラ紙幣出金部16に集積されるようになる。一方、本実施の形態の紙幣処理装置2において帯封紙幣の出金処理が行われる際には、ステージ18は図2に示す位置から下方に移動してバラ紙幣出金部16の底面近傍に位置するようになり、第2アーム機構42からバラ紙幣出金部16に帯封紙幣が送られると当該帯封紙幣はステージ18に集積されるようになる。そして、ステージ18が上昇してバラ紙幣出金部16から帯封紙幣出金部17に移動すると、ステージ18から帯封紙幣出金部17に帯封紙幣が受け渡されて当該帯封紙幣は帯封紙幣出金部17に集積されるようになる。本実施の形態では、紙幣処理装置2において複数の帯封紙幣の出金処理が行われるときには、帯封紙幣出金部17に帯封紙幣が下から順次積み上げられるようになる。
また、図2に示すように、筐体12の内部における上部領域には、一括帯封紙幣収納庫70および複数(図2に示す例では3つ)の金種別帯封紙幣収納庫72が設けられており、これらの一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72には、帯封機構50により形成された帯封紙幣が積層状態で収納されるようになっている。具体的には、一括帯封紙幣収納庫70には、複数の金種の帯封紙幣が混合状態で収納されるようになっており、一方、各金種別帯封紙幣収納庫72には、それぞれ予め設定された特定の金種の帯封紙幣が収納されるようになっている。ここで、ある金種の金種別帯封紙幣収納庫72がフル状態またはニアフル状態であり当該金種別帯封紙幣収納庫72に帯封紙幣をこれ以上収納することができなくなった場合には、当該金種の帯封紙幣はオーバーフロー帯封紙幣として一括帯封紙幣収納庫70に収納されるようになる。
一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72の内部にはそれぞれ図2における上下方向に移動可能となっているステージ70a、72aが設けられており、一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72の上端部(天井部分)に設けられた開口からこれらの一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72に送られた帯封紙幣はステージ70a、72a上に積層状態で集積されるようになっている。また、一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72から帯封紙幣を出す場合には、ステージ70a、72aが上昇することにより一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72の上端部(天井部分)に設けられた開口から帯封紙幣が上方に出されるようになる。
また、これらの一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72の上方には帯封紙幣の搬送を行う帯封紙幣搬送部60が設けられている。帯封紙幣搬送部60は、複数の突起60aが等間隔で設けられた循環ベルト60bを有しており、この循環ベルト60bは図2における時計回りの方向および反時計回りの方向の両方向に循環移動することができるようになっている。そして、帯封紙幣搬送部60により帯封紙幣が搬送される際に、当該帯封紙幣は循環ベルト60bの下面に沿って突起60aにより引っ掛けられた状態で図2における左右いずれかの方向に移動するようになる。また、図2に示すように、帯封紙幣搬送部60による帯封紙幣の搬送路における帯封紙幣出金部17と一括帯封紙幣収納庫70との間には判別部62が設けられており、帯封紙幣搬送部60により搬送される帯封紙幣は当該判別部62によりその金種が判別されるようになっている。
ここで、帯封機構50により形成された帯封紙幣を一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納させる際には、第2アーム機構42により帯封紙幣がステージ18上に集積された後に当該ステージ18が上昇して帯封紙幣搬送部60の近傍の位置まで到達するようになる。また、循環ベルト60bは図2における反時計回りの方向に循環移動する。このことにより、ステージ18上の帯封紙幣が突起60aにより引っ掛けられて循環ベルト60bの下面に沿って図2における右方向に搬送され、判別部62によりその金種が判別された後、当該判別部62による判別結果に基づいて一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納されるようになる。一方、一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納されている帯封紙幣を帯封紙幣出金部17により出金する際には、循環ベルト60bは図2における時計回りの方向に循環移動し、一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72から上方に押し出された帯封紙幣が突起60aにより引っ掛けられて循環ベルト60bの下面に沿って図2における左方向に搬送されるようになる。また、ステージ18が上昇して帯封紙幣搬送部60の近傍の位置まで到達するようになる。そして、帯封紙幣搬送部60により搬送される帯封紙幣の金種が判別部62により判別された後、当該帯封紙幣はステージ18上に1つずつ集積され、ステージ18上に所定の数の帯封紙幣が集積されると当該ステージ18が下降してこのステージ18から帯封紙幣出金部17に帯封紙幣が受け渡されるようになる。帯封紙幣が循環ベルト60bの下面に沿って搬送される際に、一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72の上端部(天井部分)に設けられた開口のうち、帯封紙幣の繰り出しや繰り入れの対象となる一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72の開口が開くようになる。一方、帯封紙幣の繰り出しや繰り入れの対象外の一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72の開口はシャッター(図示しない)で塞がれるようになり、帯封紙幣の通過の妨げとならないようになっている。
次に、本実施の形態の紙幣処理装置2における帯封機構50の構成の詳細について図4を用いて説明する。図4に示すように、帯封機構50は、帯状の帯封紙(図4において参照符号Bで表示)が巻かれた巻出ロール51と、巻出ロール51から巻き出された帯封紙に、帯封処理が行われる日付や時間等や金融機関名等の所定内容の印字を行うインクジェットプリンタ等の印字部材52と、巻出ロール51から巻き出された帯封紙に「損券印」等の所定内容の押印を選択的に行うスタンプ等の押印部材53と、巻出ロール51から巻き出されて印字部材52や押印部材53により印字や押印が行われた帯封紙を紙幣束(図4において参照符号Pで表示)に巻くことにより帯封紙幣を形成する帯封部54とを有している。ここで、巻出ロール51において帯状の帯封紙は回転軸51aの周囲に巻かれるようになっている。また、回転軸51aの駆動を行う駆動モータ51bが設けられており、当該駆動モータ51bにより回転軸51aは正逆両方向に回転可能となっている。具体的には、巻出ロール51から巻き出された帯封紙が帯封部54に供給される場合には駆動モータ51bにより回転軸51aは図4における反時計回りの方向に回転させられ、一方、帯封紙が巻出ロール51に巻き戻される場合には駆動モータ51bにより回転軸51aは図4における時計回りの方向に回転させられるようになる。
帯封部54は、第1アーム機構41の上下一対のアーム部により挟持されている所定枚数のバラ紙幣からなる紙幣束に帯封紙を巻いて帯封紙幣を形成するようになっている。具体的には、帯封部54は、紙幣束に巻かれた帯封紙を溶着するヒータ54aと、紙幣束に巻かれてヒータ54aにより溶着された帯封紙を切断するカッター54bとを有している。このことにより、図示しないテープホルダによって図4に示すように帯封紙が紙幣束の周囲に巻かれた後に締め付けられ、締め付けられた帯封紙がヒータ54aにより溶着され、その後にカッター54bにより帯封紙が切断されることにより、帯封紙幣が形成されるようになる。
図4に示すように、巻出ロール51、印字部材52、押印部材53はそれぞれ帯封機構50の上部に設けられた第1引出ユニット50aに収容されており、一方、帯封部54は帯封機構50の下部に設けられた第2引出ユニット50bに収容されている。また、これらの第1引出ユニット50aおよび第2引出ユニット50bはそれぞれ筐体12から引き出し可能となっている。そして、巻出ロール51の交換を行ったり、巻出ロール51から巻き出された帯封紙を操作者が切断したりする場合には、第1引出ユニット50aおよび第2引出ユニット50bを一体的に筐体12から引き出した後、第1引出ユニット50aを更に引き出すことにより、操作者は第1引出ユニット50aの内部にアクセス可能となる。
また、図4に示すように、第2引出ユニット50bにおける帯封紙の入口近傍には、帯封紙の検知を行う第1検知センサ56が設けられている。第1検知センサ56は、巻出ロール51から帯封部54に送られる帯封紙を挟むよう設けられた発光素子および受光素子を含むフォトインタラプタから構成されており、当該フォトインタラプタにおける発光素子と受光素子との間の光軸が帯封紙により遮られてフォトインタラプタが遮光状態となることにより帯封紙の通過が検知されるようになる。帯封機構50において帯封紙幣が形成される際に、各整理一時保留部40に所定枚数(例えば、100枚)の帯封紙幣が集積されると、巻出ロール51から帯封紙が巻き出されて印字部材52や押印部材53により帯封紙に所定内容の印字や押印が行われ、その後にこの帯封紙の先端部分が第1検知センサ56により検知されると巻出ロール51からの帯封紙の巻き出し動作が停止される。このことにより、所定内容の印字や押印が行われた帯封紙は、その先端部分が第1検知センサ56に位置する状態で待機するようになる。そして、第1アーム機構41により整理一時保留部40から取り出された紙幣束が帯封機構50の帯封部54まで搬送されると、巻出ロール51からの帯封紙の巻き出し動作が再開され、その先端部分が第1検知センサ56に位置する状態で待機していた帯封紙が帯封部54に送られるようになる。
また、本実施の形態では、図4に示すように、第1引出ユニット50aにおける帯封紙の出口近傍にも、帯封紙の検知を行う第2検知センサ58が設けられている。第2検知センサ58も、巻出ロール51から帯封部54に送られる帯封紙を挟むよう設けられた発光素子および受光素子を含むフォトインタラプタから構成されており、当該フォトインタラプタにおける発光素子と受光素子との間の光軸が帯封紙により遮られてフォトインタラプタが遮光状態となることにより帯封紙の通過が検知されるようになる。このような第2検知センサ58の機能の詳細については後述する。
また、本実施の形態の貨幣処理機1には、当該貨幣処理機1の各構成部材の制御を行う制御部80が設けられている。より詳細には、図3に示すように、制御部80には、紙幣処理装置2の入金部14(具体的には、入金部14に設けられた紙幣繰出機構14c)、搬送部15、識別部20、表裏反転部22、入金一時保留部30(具体的には、入金一時保留部30に設けられた紙幣繰出繰入機構30a)、一括バラ紙幣収納庫32(具体的には、一括バラ紙幣収納庫32に設けられた紙幣繰出繰入機構32a)、各金種別バラ紙幣収納庫34(具体的には、各金種別バラ紙幣収納庫34に設けられた紙幣繰出繰入機構34a)、第1アーム機構41、第2アーム機構42、帯封機構50、帯封紙幣搬送部60、判別部62、一括帯封紙幣収納庫70、各金種別帯封紙幣収納庫72、各シャッター14a、16a、24a、26aを開閉させるシャッター駆動部14b、16b、24b、26bがそれぞれ接続されている。そして、識別部20による紙幣の識別結果に係る信号や判別部62による帯封紙幣の金種の判別結果に係る情報等が制御部80に送られるとともに、制御部80は紙幣処理装置2の各構成部材に指令信号を送ることによりこれらの構成部材の動作を制御するようになっている。
また、図3に示すように、制御部80には硬貨処理装置3の各構成部材が接続されており、当該制御部80が硬貨処理装置3の各構成部材の動作を制御することにより硬貨処理装置3においてバラ硬貨の入金処理や出金処理等が行われるようになっている。このような制御部80による硬貨処理装置3の各構成部材の制御方法の詳細については説明を省略する。また、図3に示すように、制御部80には操作表示部82、記憶部84、印字部86および通信インターフェース部88がそれぞれ通信可能に接続されている。図1に示すように、操作表示部82は貨幣処理機1の前面に設けられたタッチパネル等からなり、当該操作表示部82には、貨幣処理機1における貨幣の処理状況や、紙幣処理装置2や硬貨処理装置3に収納されているバラ紙幣、帯封紙幣およびバラ硬貨の在高等に関する情報が表示されるようになっている。また、操作者は操作表示部82により制御部80に対して様々な指令を与えることができるようになっている。
記憶部84には、貨幣処理機1における貨幣の処理履歴や、紙幣処理装置2や硬貨処理装置3に収納されているバラ紙幣、帯封紙幣およびバラ硬貨の在高等に関する情報が記憶されるようになっている。また、図1に示すように、印字部86は貨幣処理機1の前面に設けられたプリンタ等からなり、当該印字部86は、貨幣処理機1における貨幣の処理履歴や、紙幣処理装置2や硬貨処理装置3に収納されているバラ紙幣、帯封紙幣およびバラ硬貨の在高等に関する情報をレシート等に印字するようになっている。また、制御部80は通信インターフェース部88を介して本実施の形態による貨幣処理機1とは別に設けられた外部装置(具体的には、例えば上位端末)に対して信号の送受信を行うことができるようになっている。
また、本実施の形態では、帯封機構50による帯封処理に関するエラーを検知するエラー検知部90が制御部80に接続されている。エラー検知部90は、帯封機構50により帯封処理が行われる際に、帯封処理に関するエラーが発生した場合にはこのことを検知するようになっている。具体的には、巻出ロール51からの帯封紙の巻き出し動作が正常に行われなかったり、巻出ロール51から巻き出された帯封紙が紙幣束に適切に巻かれなかったりした場合等に、エラー検知部90により帯封処理に関するエラーが発生したことが検知される。
次に、このような構成からなる貨幣処理機1における紙幣処理装置2の動作について説明する。なお、以下に示すような紙幣処理装置2の動作は、制御部80が紙幣処理装置2の各構成部材を制御することにより行われるようになっている。
まず、紙幣処理装置2においてバラ紙幣の入金処理を行う際の動作について説明する。本実施の形態による紙幣処理装置2が待機状態となっているときに、操作者が入金処理開始の指令を操作表示部82により制御部80に入力したり上位端末等の外部装置から通信インターフェース部88を介して制御部80に入金処理開始の指令が送信されたりすると、入金部14に設けられたシャッター14aが開かれるようになり、操作者は入金部14に1または複数のバラ紙幣を投入することができるようになる。入金部14に投入されたバラ紙幣は紙幣繰出機構14cにより1枚ずつ筐体12内に繰り出され、搬送部15により1枚ずつ搬送される。そして、搬送部15により搬送されるバラ紙幣は識別部20によりその金種、真偽、表裏、正損、新旧、搬送状態等が識別される。また、識別部20により識別されたバラ紙幣は表裏反転部22によりその表裏が整えられる。そして、識別部20により正常な紙幣ではないと識別された紙幣、すなわちリジェクト紙幣は表裏反転部22から搬送部15により入金リジェクト部26に送られる。ここで、入金部14に投入されたバラ紙幣が全て筐体12内に繰り出されると、入金リジェクト部26に設けられたシャッター26aが開かれるようになり、操作者は入金リジェクト部26に集積されたリジェクト紙幣を手動で取り出し、入金部14に再投入等することができるようになる。
一方、識別部20により正常な紙幣であると識別されたバラ紙幣は、表裏反転部22から搬送部15により入金一時保留部30に送られ、この入金一時保留部30で一時的に保留されるようになる。そして、入金部14に投入されたバラ紙幣が全て筐体12内に繰り出されて入金一時保留部30または入金リジェクト部26に送られると、操作表示部82には操作者に対して入金確定の指令を促すメッセージが表示される。操作表示部82に表示される当該メッセージを見た操作者が操作表示部82により入金確定の指令を入力すると、入金一時保留部30から紙幣繰出繰入機構30aによりバラ紙幣が1枚ずつ搬送部15に繰り出され、当該搬送部15により一括バラ紙幣収納庫32または各金種別バラ紙幣収納庫34に送られる。より詳細には、入金一時保留部30から搬送部15に繰り出されたバラ紙幣は、識別部20により識別され、表裏反転部22によりその表裏が整えられた後に、対応する金種の各金種別バラ紙幣収納庫34に送られるが、対応する金種の金種別バラ紙幣収納庫34がフル状態またはニアフル状態である場合には当該バラ紙幣はオーバーフロー紙幣として一括バラ紙幣収納庫32に送られるようになる。そして、入金一時保留部30からバラ紙幣が全て搬送部15に繰り出されて各金種別バラ紙幣収納庫34や一括バラ紙幣収納庫32に送られると、紙幣処理装置2におけるバラ紙幣の入金処理に係る一連の動作が完了する。
次に、紙幣処理装置2においてバラ紙幣の出金処理を行う際の動作について説明する。本実施の形態による紙幣処理装置2が待機状態となっているときに、出金すべきバラ紙幣の金種毎の枚数や合計金額等に係る情報を含むバラ紙幣の出金処理開始の指令を操作者が操作表示部82により制御部80に入力したり上位端末等の外部装置から通信インターフェース部88を介して制御部80に上記のバラ紙幣の出金処理開始の指令が送信されたりすると、出金すべき金種のバラ紙幣が各金種別バラ紙幣収納庫34から1枚ずつ紙幣繰出繰入機構34aにより搬送部15に繰り出される。そして、搬送部15に繰り出されたバラ紙幣は当該搬送部15により1枚ずつ搬送され、識別部20によりその金種、表裏、搬送状態等が識別される。また、識別部20により識別されたバラ紙幣は表裏反転部22によりその表裏が整えられる。
識別部20により識別されたバラ紙幣が、バラ紙幣出金部16により出金することができると判断された紙幣である場合には、当該バラ紙幣はバラ紙幣出金部16に送られる。具体的には、バラ紙幣出金部16により出金することができると判断された紙幣は、識別部20から搬送部15により上下の整理一時保留部40のうち一方の整理一時保留部40に送られ、当該整理一時保留部40に集積される。そして、整理一時保留部40に集積されたバラ紙幣の枚数が出金すべき枚数に達すると、整理一時保留部40に集積されたバラ紙幣の束が第1アーム機構41により当該整理一時保留部40から取り出される。その後、第1アーム機構41が図2に示す位置から上昇して第2アーム機構42に対向する位置まで移動することにより、整理一時保留部40から取り出された紙幣の束は第1アーム機構41から第2アーム機構42に受け渡され、当該第2アーム機構42により紙幣の束がバラ紙幣出金部16に送られる。ここで、バラ紙幣の出金処理が行われる際には、ステージ18は図2に示すように帯封紙幣出金部17の底面近傍に位置するようになり、第2アーム機構42からバラ紙幣出金部16に送られたバラ紙幣は当該バラ紙幣出金部16に集積されるようになる。そして、出金されるべきバラ紙幣が全てバラ紙幣出金部16に送られると、このバラ紙幣出金部16に設けられたシャッター16aが開くことにより、操作者はバラ紙幣出金部16からバラ紙幣を取り出すことができるようになる。なお、識別部20により識別されたバラ紙幣が、バラ紙幣出金部16により出金することができると判断された紙幣ではない場合には、当該バラ紙幣は出金リジェクト部24に送られてこの出金リジェクト部24に集積されるようになる。
次に、紙幣処理装置2において帯封紙幣の出金処理を行う際の動作について説明する。本実施の形態による紙幣処理装置2が待機状態となっているときに、出金すべき帯封紙幣の金種毎の数や合計金額等に係る情報を含む帯封紙幣の出金処理開始の指令を操作者が操作表示部82により制御部80に入力したり上位端末等の外部装置から通信インターフェース部88を介して制御部80に上記の帯封紙幣の出金処理開始の指令が送信されたりすると、出金すべき帯封紙幣の金種に対応するバラ紙幣が各金種別バラ紙幣収納庫34から1枚ずつ紙幣繰出繰入機構34aにより搬送部15に繰り出される。そして、搬送部15に繰り出されたバラ紙幣は当該搬送部15により1枚ずつ搬送され、識別部20によりその金種、表裏、搬送状態等が識別される。また、識別部20により識別されたバラ紙幣は表裏反転部22によりその表裏が整えられる。その後、バラ紙幣は搬送部15により上下の整理一時保留部40のうち一方の整理一時保留部40に送られ、当該整理一時保留部40に集積される。
そして、整理一時保留部40に集積されたバラ紙幣の枚数が所定枚数(具体的には、例えば100枚)に達すると、整理一時保留部40に集積されたバラ紙幣の束が第1アーム機構41により当該整理一時保留部40から取り出され、この紙幣束は第1アーム機構41により帯封機構50に送られる。そして、帯封機構50において、第1アーム機構41の上下一対のアーム部により紙幣束が挟持された状態でこの紙幣束の外周面に帯封紙が巻かれることにより帯封紙幣が形成される。その後、第1アーム機構41は帯封紙幣を保持した状態で図2に示す位置から上方に移動して第2アーム機構42に対向する位置まで到達すると、第1アーム機構41から第2アーム機構42に帯封紙幣が受け渡される。そして、第2アーム機構42が図2に示す位置からバラ紙幣出金部16に向かって左方向に移動し、帯封紙幣がバラ紙幣出金部16に送られる。ここで、帯封紙幣の出金処理が行われる際には、ステージ18は図2に示す位置から下方に移動してバラ紙幣出金部16の底面近傍に位置するようになり、第2アーム機構42からバラ紙幣出金部16に帯封紙幣が送られると当該帯封紙幣はステージ18に集積されるようになる。そして、ステージ18が上昇してバラ紙幣出金部16から帯封紙幣出金部17に移動すると、ステージ18から帯封紙幣出金部17に帯封紙幣が受け渡されて当該帯封紙幣は帯封紙幣出金部17に集積されるようになる。本実施の形態では、紙幣処理装置2において複数の帯封紙幣の出金処理が行われるときには、帯封紙幣出金部17に帯封紙幣が下から順次積み上げられるようになる。そして、出金されるべき帯封紙幣が全て帯封紙幣出金部17に送られると、バラ紙幣出金部16に設けられたシャッター16aが開くことにより帯封紙幣出金部17における筐体12の前面に面する開口も開くようになり、操作者は帯封紙幣出金部17から帯封紙幣を取り出すことができるようになる。
次に、紙幣処理装置2において帯封紙幣を形成して一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納させるような帯封紙幣の収納処理を行う際の動作について説明する。紙幣処理装置2において帯封紙幣の収納処理を行う際の動作において、第2アーム機構42からバラ紙幣出金部16に送られた帯封紙幣がステージ18に集積されるまでの動作は上述した帯封紙幣の出金処理を行う際の動作と同一である。このため、帯封紙幣がステージ18に集積された後の動作について以下に説明する。
帯封機構50により形成された帯封紙幣が第2アーム機構42によりステージ18上に集積されると、当該ステージ18が上昇して帯封紙幣搬送部60の近傍の位置まで到達する。また、帯封紙幣の収納処理が行われる際に、循環ベルト60bは図2における反時計回りの方向に循環移動する。このことにより、帯封紙幣搬送部60の近傍の位置に到達したステージ18上の帯封紙幣が突起60aにより引っ掛けられて循環ベルト60bの下面に沿って図2における右方向に搬送される。そして、帯封紙幣搬送部60により搬送される帯封紙幣は判別部62によりその金種が判別された後、当該判別部62による判別結果に基づいて一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納されるようになる。ここで、帯封紙幣搬送部60により搬送される帯封紙幣は、基本的には判別部62により判別された金種に対応する各金種別帯封紙幣収納庫72に収納されるが、判別部62により判別された金種に対応する金種別帯封紙幣収納庫72がフル状態またはニアフル状態であり当該金種別帯封紙幣収納庫72に帯封紙幣をこれ以上収納することができない場合には、当該帯封紙幣はオーバーフロー帯封紙幣として一括帯封紙幣収納庫70に収納されるようになる。
次に、紙幣処理装置2において一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納されている帯封紙幣の出金処理を行う際の動作について説明する。一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納されている帯封紙幣を帯封紙幣出金部17により筐体12の外部に出金する際には、循環ベルト60bが図2における時計回りの方向に循環移動する。また、一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72において帯封紙幣が集積されているステージ70a、72aが上昇することにより最上層にある帯封紙幣が突起60aにより引っ掛けられて循環ベルト60bの下面に沿って図2における左方向に搬送される。また、ステージ18が上昇して帯封紙幣搬送部60の近傍の位置まで到達するようになる。そして、帯封紙幣搬送部60により搬送される帯封紙幣の金種が判別部62により判別された後、当該帯封紙幣はステージ18上に1つずつ集積され、ステージ18に所定の数の帯封紙幣が集積されると当該ステージ18が下降してこのステージ18から帯封紙幣出金部17に帯封紙幣が受け渡されるようになる。そして、出金されるべき帯封紙幣が全て帯封紙幣出金部17に送られると、バラ紙幣出金部16に設けられたシャッター16aが開くことにより帯封紙幣出金部17における筐体12の前面に面する開口も開くようになり、操作者は帯封紙幣出金部17から帯封紙幣を取り出すことができるようになる。
次に、本実施の形態の紙幣処理装置2の帯封機構50において帯封処理が行われる際の動作について図5に示すフローチャートを用いて説明する。上述した帯封紙幣の出金処理や収納処理が行われる際に、各整理一時保留部40に所定枚数(例えば、100枚)のバラ紙幣が集積されると(STEP1の「YES」)、巻出ロール51の回転軸51aが駆動モータ51bによって図4における反時計回りの方向に回転させられることにより当該巻出ロール51から帯封紙が巻き出され、巻き出された帯封紙に対して印字部材52や押印部材53により所定内容の印字や押印が行われる(STEP2)。そして、帯封紙の先端部分が第1検知センサ56により検知されると巻出ロール51からの帯封紙の巻き出し動作が停止される。このことにより、所定内容の印字や押印が行われた帯封紙は、その先端部分が第1検知センサ56に位置する状態で待機するようになる。その後、整理一時保留部40に集積されたバラ紙幣の束が第1アーム機構41により当該整理一時保留部40から取り出され、この紙幣束は第1アーム機構41により帯封機構50の帯封部54に送られる(STEP3)。第1アーム機構41により保持された紙幣束が帯封機構50の帯封部54まで搬送されると、巻出ロール51からの帯封紙の巻き出し動作が再開され、その先端部分が第1検知センサ56に位置する状態で待機していた帯封紙が帯封部54に送られるようになる。そして、帯封部54において図示しないテープホルダによって図4に示すように帯封紙が紙幣束の周囲に巻かれた後に締め付けられ、締め付けられた帯封紙がヒータ54aにより溶着され、その後にカッター54bにより帯封紙が切断されることにより、帯封紙幣が形成されるようになる。
なお、本実施の形態では、帯封機構50により上記の帯封処理が行われる際に、帯封処理に関するエラーが発生すると、エラー検知部90により当該エラーが検知される。具体的には、上述したように巻出ロール51からの帯封紙の巻き出し動作が正常に行われなかったり、巻出ロール51から巻き出された帯封紙が紙幣束に適切に巻かれなかったりした場合等に、帯封処理に関するエラーが発生したことがエラー検知部90により検知される。エラー検知部90によりエラーが発生したことが検知されると(STEP4の「YES」)、巻出ロール51の回転軸51aが駆動モータ51bによって図4における時計回りの方向に回転させられることにより当該巻出ロール51に帯封紙が巻き戻される(STEP5)。このことにより、操作者は帯封機構50の第1引出ユニット50aや第2引出ユニット50bを筐体12から引き出してエラーの原因を除去することができるようになる。また、巻出ロール51に帯封紙が巻き戻される際に第2検知センサ58により帯封紙が検知されなくなると、巻出ロール51への帯封紙の巻き戻し動作が停止される。その後、図6(a)に示すように、操作表示部82において、帯封紙を巻出ロール51から巻き出して当該帯封紙における印字や押印が行われた箇所を含む部分を除去する旨のガイダンス画面が表示される(STEP6)。
図6(a)に示すようなガイダンス画面を見た操作者は、帯封機構50の第1引出ユニット50aおよび第2引出ユニット50bを一体的に筐体12から引き出した後、第1引出ユニット50aを更に引き出す。このことにより、操作者は帯封紙を巻出ロール51から手動で巻き出して当該帯封紙における印字や押印が行われた箇所を含む部分をハサミ等により除去することができるようになる。そして、制御部80において、帯封紙が巻出ロール51から巻き出されて当該帯封紙における印字や押印が行われた箇所を含む部分が除去されたと判断された場合には(STEP7の「YES」)、第1引出ユニット50aを筐体12の内部に戻すことが可能となる(STEP8)。また、この場合には、帯封機構50において帯封処理を再開させることができるようになる(STEP9)。より詳細には、巻出ロール51に帯封紙が巻き戻され、操作表示部82において図6(a)に示すようなガイダンス画面が表示された後、巻出ロール51から帯封紙が巻き出されることにより当該帯封紙が第2検知センサ58により検知されると、制御部80において帯封紙が巻出ロール51から巻き出されて当該帯封紙における印字や押印が行われた箇所を含む部分が除去されたと判断されるようになる。一方、巻出ロール51に帯封紙が巻き戻され、操作表示部82において図6(a)に示すようなガイダンス画面が表示された後、帯封紙が第2検知センサ58により検知されない場合には、巻出ロール51から帯封紙が巻き出されておらず、よって帯封紙における印字や押印が行われた箇所を含む部分も除去されていないと考えられるため、第1引出ユニット50aを筐体12の外部に引き出した後、当該第1引出ユニット50aを筐体12の内部に戻すことができなくなるようにする。このことによって、操作表示部82において図6(a)に示すようなガイダンス画面が表示されているにもかかわらず操作者が帯封紙における印字や押印が行われた箇所を含む部分を除去していないときに、このことを操作者に気づかせることができるようになる。
従来技術の帯封機構では、帯封紙幣が形成されるまでに帯封処理に関するエラーが発生すると、帯封処理を中断して帯封紙を巻出ロールに巻き戻すようになっており、巻出ロールや帯封部が設けられた引出ユニットが帯封装置の筐体から引き出され、エラーの原因を除去した後に当該引出ユニットが帯封装置の筐体内に戻されると、再び帯封紙が巻出ロールから巻き出されて帯封処理が再開されるようになっていた。しかしながら、このような従来技術の帯封機構では、帯封紙に所定内容の印字や押印が行われた後に帯封処理に関するエラーが発生してしまい、当該帯封紙が巻出ロールに巻き戻されると、エラーの原因を除去した後に帯封処理が再開されたときに巻出ロールから巻き出された帯封紙に再び所定内容の印字や押印が行われることとなり、帯封紙に印字や押印が二重に行われて印字内容や押印内容が不明確になってしまうおそれがあった。また、帯封部において例えば損券の束に対して帯封処理を行う際に帯封紙に損券である旨の印字や押印が行われた場合において、帯封処理に関するエラーが発生してこのような損券である旨の印字や押印が行われた帯封紙が巻出ロールに巻き戻された後、帯封処理を再開させた後に正券の束に対して帯封処理を行うときに、損券である旨の印字や押印が行われた帯封紙が帯封部に送られて正券の束に巻かれてしまうおそれがあった。これに対して、本実施の形態では、エラー検知部90により帯封処理に関するエラーが発生したことが検知されると、巻出ロール51に帯封紙が巻き戻された後に、操作表示部82において、帯封紙を巻出ロール51から巻き出して当該帯封紙における印字や押印が行われた箇所を含む部分を除去する旨のガイダンス画面が表示される。このことにより、操作者は第1引出ユニット50aを筐体12の外部に引き出した後、帯封紙を巻出ロール51から巻き出して当該帯封紙における印字や押印が行われた箇所を含む部分を除去するようになるため、帯封紙に印字や押印が二重に行われて印字内容や押印内容が不明確になってしまったり、損券である旨の印字や押印が行われた帯封紙が帯封部に送られて正券の束に巻かれてしまったりすることを防止することができるようになる。
ここで、本実施の形態では、エラー検知部90により帯封処理に関するエラーが検知された場合でも、エラー検知部90によりエラーが検知されるタイミングが所定の期間内ではないときには、図6(a)に示すようなガイダンス画面が操作表示部82に表示されないようになっている。具体的には、印字部材52や押印部材53により帯封紙に印字や押印を行った後、帯封部54において帯封紙幣が形成されるまでの間にエラー検知部90によりエラーが検知されたときにおいてのみ、図6(a)に示すようなガイダンス画面が操作表示部82に表示されるようになる。より詳細には、印字部材52や押印部材53により帯封紙に印字や押印を行った後、帯封部54においてカッター54bにより帯封紙が切断されるまでの間にエラー検知部90によりエラーが検知されたときにおいてのみ、図6(a)に示すようなガイダンス画面が操作表示部82に表示されるようになる。一方、帯封機構50において帯封処理が行われる際に、印字部材52や押印部材53により帯封紙に印字や押印を行う前にエラー検知部90によりエラーが検知された場合には、第1引出ユニット50aや第2引出ユニット50bを筐体12の外部に引き出してエラーの原因を除去する際に、巻出ロール51に巻き戻された帯封紙には印字や押印が行われておらず当該帯封紙を巻出ロール51から巻き出してその一部を除去する必要がないため、操作表示部82には図6(a)に示すようなガイダンス画面が表示されない。
また、本実施の形態では、図6(a)に示すようなガイダンス画面が操作表示部82に表示された後、帯封紙が巻出ロール51から巻き出されて当該帯封紙における印字や押印が行われた箇所を含む部分が除去されたと判断されるまでは、少なくとも帯封機構50において帯封処理に関する動作を行うことができなくなるような運用が行われてもよい。すなわち、紙幣処理装置2において帯封機構50以外の各構成部材を動作させることができるが帯封機構50が動作しなくなるような帯封機構50の縮退運用が行われるようになっていてもよい。この場合には、紙幣処理装置2において筐体12内で所定枚数のバラ紙幣から帯封紙幣を形成する動作は行うことができなくなるがバラ紙幣の入金処理や出金処理等の他の動作は行うことができるようになる。
また、本実施の形態では、帯封機構50において、所定間隔毎に所定のマークが付けられた帯封紙が巻出ロール51から巻き出される場合がある。マーク付き帯封紙とは、例えば帯封紙に銀行名などが予め印刷されており、帯封紙を作成した際にこの印刷箇所が一定の位置に表れるようにするためにマークをつけたものである。このような場合には、帯封紙に付けられたマークは第1検知センサ56や第2検知センサ58により検知されるようになる。また、帯封紙にマークが付けられていることが第1検知センサ56や第2検知センサ58により検知された場合には、帯封処理に関するエラーが発生したことがエラー検知部90により検知されたときに、巻出ロール51に帯封紙が巻き戻された後、操作表示部82において図6(a)に示すようなガイダンス画面が表示される代わりに図6(b)に示すようなガイダンス画面が表示されるようになる。このような運用を行うことにより、帯封機構50において帯封処理に関するエラーが発生した場合にエラーの原因を除去するにあたり、より現実に沿った帯封機構50の状態に合わせて操作表示部82にガイダンス画面を表示させることができるようになる。すなわち、従来技術では、巻出ロールから巻き出された帯封紙に所定のマークが付けられているか否かに関係なく帯封紙の除去を操作者に促すガイダンス画面の内容は共通であった(すなわち、図6(a)に示すようなガイダンス画面であった)。これに対し、本実施の形態では、巻出ロール51から巻き出された帯封紙に所定のマークが付けられているか否かに応じて操作表示部82に表示されるガイダンス画面を変えることにより、操作者にとっての利便性を向上させることができるようになる。
また、本実施の形態では、帯封機構50により形成された帯封紙幣を一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納させる際にエラーが発生したときに、図7に示すようなガイダンス画面が操作表示部82に表示されるようになっている。ここで、図7に示すガイダンス画面における帯封紙幣収納庫の数や位置は、一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72の実際の数や位置と同一となっている。このため、操作者は一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72からエラーの原因を除去するにあたり、一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72の実際の数や位置に合わせてより現実に沿ったガイダンス画面が操作表示部82に表示されるため、操作者は迷わずにエラーの原因を除去することができるようになる。従来技術では、帯封紙幣を帯封紙幣収納庫に収納させる際にエラーが発生したときに操作表示部に表示されるガイダンス画面として、帯封紙幣収納庫の数や位置に関わらず共通のガイダンス画面が使用されていた。このため、実際の帯封紙幣収納庫の数や位置と、操作表示部に表示されるガイダンス画面における帯封紙幣収納庫の数や位置とが異なる場合があり、操作者が帯封紙幣収納庫からエラーの原因を除去する際に迷ってしまうおそれがあった。具体的には、従来技術では、例えば図8に示すような共通のガイダンス画面が操作表示部に表示されるようになっており、このガイダンス画面における帯封紙幣収納庫の数が例えば5つであった場合には、図2等に示すように1つの一括帯封紙幣収納庫70および3つの金種別帯封紙幣収納庫72を備えた紙幣処理装置2が実際に用いられるときに、実際の帯封紙幣収納庫の数や位置と、操作表示部に表示されるガイダンス画面における帯封紙幣収納庫の数や位置とが異なるようになってしまう。これに対し、本実施の形態では、一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72の数や位置に応じて操作表示部82に表示されるガイダンス画面を変えることにより、操作者にとっての利便性を向上させることができるようになる。
なお、上記の技術的特徴は、バラ紙幣の入金処理において当該バラ紙幣を一括バラ紙幣収納庫32や各金種別バラ紙幣収納庫34に収納させる際にエラーが発生したときに操作表示部82に表示されるガイダンス画面にも適用することができる。すなわち、本実施の形態では、一括バラ紙幣収納庫32や各金種別バラ紙幣収納庫34の数や位置に応じて、バラ紙幣を一括バラ紙幣収納庫32や各金種別バラ紙幣収納庫34に収納させる際にエラーが発生したときに操作表示部82に表示されるガイダンス画面を変えることができるようになっており、このことにより操作者にとっての利便性を向上させることができるようになっている。
以上のような構成からなる本実施の形態の紙幣処理装置2(帯封装置)やこのような紙幣処理装置2による帯封方法によれば、帯封処理に関するエラーを検知するエラー検知部90と、操作者に報知を行う報知部としての操作表示部82と、エラー検知部90によりエラーが検知されたときに、帯状の帯封紙を供給する供給部としての巻出ロール51に帯封紙を巻き戻すよう当該巻出ロール51の駆動モータ51bを制御する制御部80とを備えており、制御部80は、エラー検知部90によりエラーが検知されたときに、帯封紙における印字や押印が行われた箇所を含む部分を除去する旨のガイダンスを操作者に報知するために図6に示すようなガイダンス画面を表示させるよう操作表示部82を制御するようになっている。このように、帯封処理に関するエラーが発生したときに、帯封紙における印字や押印が行われた箇所を含む部分を除去する旨のガイダンスを操作者に報知することにより、このようなエラーが解除された後に、当該エラーが発生する前に印字や押印が行われた帯封紙が再び巻出ロール51から巻き出されて帯封部54に送られてしまうことを防止することができ、よって紙幣束に巻かれた帯封紙の印字内容や押印内容を適切なものとすることができる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2においては、上述したように、制御部80は、印字部材52や押印部材53により帯封紙に印字や押印を行った後、帯封部54において帯封紙幣が形成されるまでの間にエラー検知部90によりエラーが検知されたときにおいてのみ、図6に示すようなガイダンス画面を表示させるよう操作表示部82を制御するようになっている。より詳細には、制御部80は、印字部材52や押印部材53により帯封紙に印字や押印を行った後、帯封部54のカッター54bにより帯封紙が切断されるまでの間にエラー検知部90によりエラーが検知されたときにおいてのみ、図6に示すようなガイダンス画面を表示させるよう操作表示部82を制御するようになっている。帯封機構50において帯封処理が行われる際に、印字部材52や押印部材53により帯封紙に印字や押印を行う前にエラー検知部90によりエラーが検知された場合には、第1引出ユニット50aや第2引出ユニット50bを筐体12の外部に引き出してエラーの原因を除去する際に、巻出ロール51に巻き戻された帯封紙には印字や押印が行われておらず当該帯封紙を巻出ロール51から巻き出してその一部を除去する必要がないからである。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2においては、上述したように、巻出ロール51から巻き出された帯封紙の通過を検知するための通過検知部として第2検知センサ58が設けられており、エラー検知部90によりエラーが検知されたときに巻出ロール51に帯封紙が巻き戻されると第2検知センサ58により帯封紙が検知されなくなるようになっている。そして、制御部80は、図6に示すようなガイダンス画面が操作表示部82に表示されることによって操作者に対して報知が行われた後、第2検知センサ58により帯封紙の通過が検知されると、帯封紙が巻出ロール51から巻き出されて当該帯封紙における印字や押印が行われた箇所を含む部分が除去されたと判断するようになっている。また、この場合には、図6に示すようなガイダンス画面が操作表示部82に表示されることによって操作者に対して報知が行われた後、帯封紙が巻出ロール51から巻き出されて当該帯封紙における印字や押印が行われた箇所を含む部分が除去されたと制御部80により判断されるまでは筐体12から引き出された第1引出ユニット50aを当該筐体12内に戻すことができないようになっている。このことにより、操作表示部82において図6に示すようなガイダンス画面が表示されているにもかかわらず操作者が帯封紙における印字や押印が行われた箇所を含む部分を除去していないときに、このことを操作者に気づかせることができるようになる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2では、上述したように、図6に示すようなガイダンス画面が操作表示部82に表示されることによって操作者に対して報知が行われた後、帯封紙が巻出ロール51から巻き出されて当該帯封紙における印字や押印が行われた箇所を含む部分が除去されたと制御部80により判断されるまでは少なくとも帯封処理に関する動作を行うことができなくなる。このことにより、紙幣処理装置2において帯封機構50の縮退運用が行われるようになる。すなわち、紙幣処理装置2において筐体12内で所定枚数のバラ紙幣から帯封紙幣を形成する動作は行うことができなくなるがバラ紙幣の入金処理や出金処理等の他の動作は行うことができるようになる。
なお、本実施の形態による紙幣処理装置2やこのような紙幣処理装置2による紙幣処理方法(具体的には、帯封機構50による帯封処理の内容)は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、エラー検知部90によりエラーが検知されたときに帯封紙における印字や押印が行われた箇所を含む部分を除去する旨のガイダンスを操作者に報知する報知部は、図6に示すようなガイダンス画面を表示する操作表示部82に限定されることはない。本実施の形態では、上記の報知部として、音声により操作者に対して注意を喚起する音声部が用いられ、エラー検知部90によりエラーが検知されたときに帯封紙における印字や押印が行われた箇所を含む部分を除去する旨のアナウンスが当該音声部により行われるようになっていてもよい。
また、帯封機構50において、印字部材52および押印部材53の両方が設置される代わりに、印字部材52または押印部材53のいずれか一方のみが設置されるようになっていてもよい。
また、別の変形例に係る紙幣処理装置の帯封機構において、帯封処理に関するエラーがエラー検知部により検知されたときに巻出ロールに帯封紙が巻き戻された後、この巻出ロールから帯封紙が自動的に巻き出され、帯封紙における印字や押印が行われた箇所を含む部分が自動的に除去されるようになっていてもよい。具体的には、帯封機構の引出ユニットを筐体から外部に引き出してエラーの原因を除去した後、引出ユニットを筐体の内部に戻すと、紙幣束に類似する形状の直方体形状のダミー部材が帯封部に搬送され、帯封部においてテープホルダによりこのダミー部材に帯封紙が巻き付けられて溶着および切断が行われることにより、帯封紙における印字や押印が行われた箇所を含む部分がダミー部材に巻き付けられて当該部分が除去されるようになっていてもよい。