JP6494101B2 - 静電容量式タッチセンサ - Google Patents
静電容量式タッチセンサ Download PDFInfo
- Publication number
- JP6494101B2 JP6494101B2 JP2015105814A JP2015105814A JP6494101B2 JP 6494101 B2 JP6494101 B2 JP 6494101B2 JP 2015105814 A JP2015105814 A JP 2015105814A JP 2015105814 A JP2015105814 A JP 2015105814A JP 6494101 B2 JP6494101 B2 JP 6494101B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- transparent
- layer
- wiring
- touch sensor
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Description
静電容量式タッチセンサ等においては、透明フィルム基材の片面にパターン状の透明電極及び金属配線が形成されたセンサ用シートが用いられることがある。センサ用シートを構成する透明電極としては、例えば、ポリチオフェン等のπ共役系導電性高分子とポリスチレンスルホン酸等のポリアニオンとを含む透明導電膜からなるものが知られている(特許文献1)。
屋外又は自動車内においては、空気中の、二酸化硫黄等の硫黄化合物の濃度が高いことがある。特許文献1に記載のセンサ用シートにおいては、硫黄化合物濃度が高い環境下で使用されると、金属配線が硫黄化合物によって硫化して導電性が低下することがあった。また、特許文献1における透明導電膜は紫外線に弱く、太陽光等の、紫外線を多く含む光が長く当たる環境下で劣化して導電性が低下することがあった。
そこで、特許文献1に記載のセンサ用シートでは、透明電極及び金属配線を耐硫化層及び耐紫外線層で被覆することにより、耐硫化性及び耐紫外線性を向上させている。
しかし、耐硫化層及び耐紫外線層を設けると、層の数が多くなるため、センサ用シートの製造が煩雑になり、コストが高くなる傾向にあり、さらに、薄型化が困難になった。
ところで、前面パネル板の内部、特に非晶性透明樹脂からなる前面パネル板の内部には少量の水分が含まれることがあり、その水分が粘着剤層との界面に出てくると、前面パネル板と粘着剤層との間に空気の膨れが発生して、該タッチセンサにおける光透過性を低下させることがあった。そこで、センサ用シートと前面パネル板とを貼着する粘着剤層としては、空気の膨れが生じないように凝集力を高める粘着剤、具体的には、カルボキシ基等の酸基を有するアクリル系粘着剤を使用することがある。
しかし、粘着剤が酸基を有すると、その酸性によって、透明電極を劣化させることがあった。
本発明の静電容量式タッチセンサにおいては、前記配線保護層が、保護フィルム及び保護フィルム貼着用粘着剤層からなり、該保護フィルム貼着用粘着剤層が前記金属配線に接するように、前記配線保護層が前記センサ用シートに貼着されていることが好ましい。
本発明の静電容量式タッチセンサにおいては、前記透明レジスト層が、紫外線吸収剤を含む耐紫外線層により被覆されていることが好ましい。
本発明の静電容量式タッチセンサ(以下、「タッチセンサ」と略す。)の第1実施形態について説明する。
図1に、本実施形態のタッチセンサを示す。本実施形態のタッチセンサ1は、センサ用シート10と、紫外線吸収性前面パネル板(以下、「前面パネル板」と略す。)20と、センサ用シート10に前面パネル板20を貼着するパネル貼着用粘着剤層30と、配線保護層40aとを備える。
なお、タッチセンサ1においては、前面パネル板20の、センサ用シート10とは反対側の面が、タッチセンサ1の使用者側の前面となり、センサ用シート10側の面が裏面となる。
本実施形態におけるセンサ用シート10は、透明フィルム基材11と透明電極部12と透明レジスト層13と金属配線14とを備える。
また、本実施形態におけるセンサ用シート10は、電極領域10aと配線領域10bとから構成される。
電極領域10aは、透明電極部12と、透明レジスト層13と、金属配線14における透明電極部12近傍の部分とを含む領域である。本実施形態における電極領域10aは矩形状である。
配線領域10bは、電極領域10a以外の領域であって、金属配線14における透明電極部12近傍以外の部分を含む領域である。本実施形態における配線領域10bは電極領域10aよりも小さい矩形状であり、電極領域10aの一方の長辺の中央部から突出するように形成されている。また、配線領域10bにおいては、電極領域10aから突出する方向が長手方向になっている。後述するように、配線領域10bは、前面パネル板20に貼着されないので、折り曲げ可能な可撓性を有する。配線領域10bの可撓性が高いと、タッチセンサ1を筐体に収容する際、配線領域10bの配置の自由度が高くなる。
透明フィルム基材11は透明樹脂フィルムであり、且つ、絶縁フィルムである。ここで、本発明における「透明」とは、JIS K7136に従って測定した光線透過率が50%以上のことである。また、「絶縁」とは、電気抵抗値が1MΩ以上、好ましくは10MΩ以上のことである。
透明フィルム基材11の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、トリアセチルセルロースなどが挙げられる。
透明フィルム基材11の厚さは10〜250μmであることが好ましく、25〜188μmであることがより好ましい。透明フィルム基材11の厚さが前記下限値以上であれば、充分な強度・剛性を確保でき、前記上限値以下であれば、タッチセンサ1を容易に薄型化できる。
透明電極部12は、透明フィルム基材11の第1面11a、具体的には前面側の面に設けられた透明導電膜からなる。本発明において、「導電」とは、電気抵抗値が1MΩ未満であることである。
本実施形態では、図2に示すように、矩形状の透明電極部12が3つ並んで形成されている。
透明導電膜としては、導電性高分子を含む膜、導電性ナノワイヤーを含む膜、金属粒子又は導電性金属酸化物粒子を含む膜、カーボンを含む膜、金属蒸着法によって形成された金属蒸着膜等が挙げられる。
導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等が挙げられる。導電性高分子のなかでもポリチオフェンが好ましく、特に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)にポリスチレンスルホン酸がドープしたものが好ましい。
導電性ナノワイヤーとしては、銀ナノワイヤー、金ナノワイヤー、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
金属粒子としては、例えば、銀、銅、金等の金属の粒子が挙げられる。
導電性金属酸化物粒子としては、例えば、インジウムドープ酸化錫の粒子が挙げられる。
カーボンとしては、例えば、カーボンブラック、グラファイト等が挙げられる。
金属蒸着膜を形成する金属としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、亜鉛、金等を使用することができる。これらの中でも、電気抵抗が低く、低コストであることから、銅が好ましい。
金属ナノワイヤーを含む透明導電膜からなる場合には、透明電極部12の平均厚さは、20〜1000nmであることが好ましく、50〜300nmであることがより好ましい。
金属粒子、導電性金属酸化物粒子又はカーボンを含む透明導電膜からなる場合には、透明電極部12の平均厚さは、0.01〜25μmであることが好ましく、0.1〜15μmであることがより好ましい。
金属蒸着膜の透明導電膜からなる場合には、透明電極部12の平均厚さは、0.01〜1.0μmであることが好ましく、0.05〜0.3μmであることがより好ましい。
透明電極部12の厚さが前記下限値未満であると、ピンホールが形成して断線するおそれがあり、前記上限値を超えると、薄型化が困難になる。
厚さを測定する方法としては、厚さのレンジによって異なる。例えば、μmオーダーの膜厚の場合には、マイクロメーター、デジマティックインジケーターやレーザー変位計測によって厚さを測定することができる。また、μmオーダーよりも薄い膜厚の場合には、走査型電子顕微鏡を用いた断面観察や蛍光X線分析装置によって厚さを測定することができる。
透明レジスト層13は、透明電極部12を被覆して保護する層である。具体的に、透明レジスト層13は透明絶縁樹脂膜からなり、透明絶縁樹脂は熱可塑性樹脂であってもよいし、硬化性樹脂の硬化物であってもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリエステルウレタン、ビニル系樹脂(例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン)等が挙げられる。
硬化性樹脂としては、活性エネルギー線硬化性樹脂(例えば、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、可視光線硬化性樹脂等)又は熱硬化性樹脂が挙げられ、具体的には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタンアクリル樹脂等が挙げられる。
また、透明レジスト層13には紫外線吸収剤が含まれてもよい。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。これら紫外線吸収剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
金属配線14は、図2に示すように透明電極部12に電気的に接続され、金属を主成分とした配線である。具体的に、金属配線14は、導電性ペーストの硬化膜、又は、金属蒸着膜が挙げられる。金属配線14を容易に形成できる点では、導電性ペーストの硬化膜が好ましい。銀は硫黄化合物によって硫化しやすいため、導電性ペーストの硬化膜のなかでも、銀ペーストの硬化膜を選択した場合には、本発明の耐硫化性向上効果がより発揮される。
金属配線14の幅は20〜500μmであることが好ましく、50〜300μmであることがより好ましい。金属配線14の幅が前記下限値以上であれば、金属配線14の断線を防止でき、前記上限値以下であれば、より低コスト化できる。
本実施形態では、金属配線14の端部に、外部の回路に接続するための導電性の外部接続用端子14aが設けられている。外部接続用端子14aは、導電性ペースト又は金属めっきから形成される。導電性ペーストのなかでも、カーボンペーストが好ましく、金属めっきのなかでも、金めっきが好ましい。
センサ用シート10は、図3に示すように、透明レジスト層13の前面側の表面に、透明レジスト層13の少なくとも一部、好ましくは全部を被覆する耐紫外線層15が設けられてもよい。耐紫外線層15を設ければ、紫外線による透明電極部12の劣化をより防止できる。
耐紫外線層15としては、樹脂と紫外線吸収剤とを含む層、紫外線吸収性樹脂を含む層が挙げられる。
樹脂としては各種熱可塑性樹脂又は各種硬化性樹脂を使用することができ、熱可塑性アクリル樹脂が好ましい。
紫外線吸収剤としては上述したものと同様のものを使用することができる。なお、紫外線吸収剤は、ポリマーではなく、紫外線吸収性樹脂とは異なる。
紫外線吸収性樹脂としては、例えば、紫外線吸収性アクリル樹脂等が挙げられる。
本実施形態における前面パネル板20は、透明樹脂板21と、透明樹脂板21の前面側に設けられた加飾層22とを備える。
前面パネル板20は紫外線吸収性を有するものであり、本実施形態では、透明樹脂板21及び加飾層22の少なくとも一方が紫外線吸収性を有していればよい。
本実施形態で使用する透明樹脂板21は、透明樹脂により形成された厚さ一定の板である。
透明樹脂板21に含まれる透明樹脂は非晶性樹脂でもよいし、結晶性樹脂でもよい。このうち、非晶性樹脂は水分を包含しやすく、その水分が原因となってパネル貼着用粘着剤層30との界面における空気の膨れが発生しやすいため、透明樹脂板21が非晶性の透明樹脂からなる場合には、本発明の効果がより発揮される。
非晶性の透明樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂、非晶性ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
結晶性の透明樹脂としては、例えば、結晶性ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては上述したものと同様のものが挙げられる。
透明樹脂板21における紫外線吸収剤の含有割合は、透明樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましい。紫外線吸収剤の含有割合が前記下限値以上であれば、透明樹脂板21の紫外線吸収性をより高くできる。しかし、紫外線吸収剤の含有割合が前記上限値を超えると、耐紫外線性向上効果は頭打ちとなるため、無益である。
加飾層22は、前面パネル板20において、透明電極部12に対応する位置を示すために透明樹脂板21を被覆して加飾する層である。通常、加飾層22は、着色されており、遮光性を有する。加飾層22の主成分としては、樹脂、ゴム、金属が挙げられる。
加飾層22は着色されているため、それ自体でも紫外線を透過しにくいが、加飾層22に紫外線吸収剤を含有させて、加飾層22の紫外線吸収性をより高めてもよい。
また、加飾層22は、単一の色又は単一の材料で形成される必要はなく、複数の配色で形成されてもよいし、複数の材料で形成されてもよい。例えば、透明電極部12に対応する領域と、それ以外の領域とで、色及び材料の少なくとも一方が異なってもよい。
加飾層22は、加飾用インクの印刷により形成されてもよいし、加飾用フィルムの貼着により形成されてもよい。
本実施形態におけるパネル貼着用粘着剤層30は、センサ用シート10の電極領域10aの全面に設けられ、センサ用シート10の電極領域10aと前面パネル板20とを貼着する。なお、パネル貼着用粘着剤層30は配線領域10bには設けられず、配線領域10bには前面パネル板20は貼着されない。
また、本実施形態におけるパネル貼着用粘着剤層30は、センサ用シート10の第1面11a側に形成されて、センサ用シート10の、透明フィルム基材11の露出した部分と、透明レジスト層13と、金属配線14を覆っている。
酸基を有するアクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル酸単量体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体との共重合体である。
(メタ)アクリル酸単量体は、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体は1種でもよいし、2種以上でもよい。
(メタ)アクリル酸単量体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体との合計量に対する(メタ)アクリル酸単量体の割合は、0.1〜10.0質量%であることが好ましく、0.5〜5.0質量%であることがより好ましい。
また、(メタ)アクリル酸単量体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体との共重合体は架橋剤によって架橋されても構わない。架橋剤としては、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物等が挙げられる。
配線保護層40aは、センサ用シート10の配線領域10bに設けられ、金属配線14を被覆して保護する層である。配線保護層40aは、絶縁樹脂により構成される。
本実施形態における配線保護層40aは、保護フィルム41及び保護フィルム貼着用粘着剤層42からなり、センサ用シート10の配線領域10bに貼着されている。
保護フィルム41としては、絶縁樹脂フィルムが使用され、金属配線14の硫化をより防ぐためには、ガス透過性が低い樹脂フィルムが好ましい。ガス透過性が低い樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を積層して使用してもよい。
保護フィルム41の平均厚さは10〜200μmであることが好ましく、25〜100μmであることがより好ましい。保護フィルム41の平均厚さが前記下限値以上であれば、耐硫化性をより向上させることができ、前記上限値以下であれば、配線領域10bの可撓性低下を防止できる。
保護フィルム貼着用粘着剤層42は、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等を使用することができる。
保護フィルム貼着用粘着剤層42の平均厚さは10〜200μmであることが好ましく、25〜100μmであることがより好ましい。保護フィルム貼着用粘着剤層42の平均厚さが前記下限値以上であれば、充分な粘着力を確保でき、前記上限値以下であれば、配線領域10bの可撓性低下を防止できる。
上記タッチセンサ1は、例えば、下記(1)〜(9)の工程を有する方法により製造される。
(1)透明フィルム基材11の第1面11aの全面に透明導電膜を形成する。
(2)前記透明導電膜の表面に、スクリーン印刷により導電性ペーストを印刷して金属配線14を形成する。
(3)前記透明導電膜の、透明電極部12になる部分に、スクリーン印刷により透明レジストインクを印刷して、透明レジスト層13を形成する。
(4)プラズマエッチング処理を施して、前記透明導電膜のうち露出している部分を除去して、透明電極部12を形成し、センサ用シート10を得る。
(5)配線領域10bにおける金属配線14の端部の表面に、スクリーン印刷により導電性ペーストを印刷して外部接続用端子14aを形成する。
(6)センサ用シート10の配線領域10bに、保護フィルム41と保護フィルム貼着用粘着剤層42とからなる粘着フィルムを貼着する。
(7)一対の離型フィルムにパネル貼着用粘着剤層30が挟まれた両面粘着シートを用い、センサ用シート10の電極領域10aにパネル貼着用粘着剤層30を貼り付ける。
(8)フィルム状の加飾層22を金型内に配置した状態で透明樹脂を射出成形して透明樹脂板21を形成するインサート成形法により前面パネル板20を得る。
(9)センサ用シート10に貼り付けたパネル貼着用粘着剤層30の露出面と、前面パネル板20の透明樹脂板21とを貼り付ける。これにより、タッチセンサ1を得る。
上記のタッチセンサ1では、金属配線14が前面パネル板20及び配線保護層40aで覆われているため、硫黄化合物濃度が高い環境下でタッチセンサ1を使用しても金属配線14に硫黄化合物が接触しない。そのため、タッチセンサ1は耐硫化層を備えていないにもかかわらず、金属配線14の耐硫化性が高い。
また、前面パネル板20が紫外線吸収性を有するため、タッチセンサ1が耐紫外線層を備えない場合でも、透明電極部12の耐紫外線性が高い。
上記のようにタッチセンサ1は、耐硫化層を備えないため、薄型化しやすい。また、タッチセンサ1を構成する層が少なくなるため、製造が簡便になり、さらに、製造に使用する材料が少なくなるため、製造コストが低くなる。
また、タッチセンサ1においては、センサ用シート10と前面パネル板20とを貼着するパネル貼着用粘着剤層30が、酸基を有するアクリル系粘着剤を含有し、凝集力が高く、変形しにくい。そのため、透明樹脂板21の内部からパネル貼着用粘着剤層30との界面に水分が移動しても、透明樹脂板21とパネル貼着用粘着剤層30との間にて、空気の膨れが生じにくい。
また、透明レジスト層13によって透明電極部12を被覆するため、透明電極部12はパネル貼着用粘着剤層30に接触しない。そのため、パネル貼着用粘着剤層30に含まれる酸基によって透明電極部12が劣化することを防止できる。
本発明のタッチセンサの第2実施形態について説明する。
図5に、本実施形態のタッチセンサを示す。本実施形態のタッチセンサ2は、センサ用シート10と前面パネル板20とパネル貼着用粘着剤層30と配線保護層40bとを備える。
本実施形態は、配線保護層40bが第1実施形態における配線保護層40aではない以外は同様である。すなわち、本実施形態におけるセンサ用シート10、前面パネル板20及びパネル貼着用粘着剤層30は、第1実施形態におけるセンサ用シート10、前面パネル板20、パネル貼着用粘着剤層30と同様である。
配線保護層40bとしては、熱可塑性樹脂層、熱硬化性樹脂の硬化物層、活性エネルギー線硬化性樹脂の硬化物層が挙げられる。
また、配線保護層40bは、耐硫化性がより高いものが好ましい。耐硫化性がより高い配線保護層40bとしては、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、ポリウレタン・ポリウレア系樹脂、スチレン・ブタジエン系樹脂等が挙げられる。
配線保護層40bの平均厚さは1〜200μmであることが好ましく、5〜100μmであることがより好ましい。配線保護層40bの平均厚さが前記下限値以上であれば、耐硫化性をより向上させることができ、前記上限値以下であれば、配線領域10bの可撓性低下を防止できる。
具体的に、配線保護層40bが熱可塑性樹脂層である場合には、熱可塑性樹脂を含むインクを、少なくとも配線領域10bの金属配線14を被覆するように印刷し、乾燥する方法を適用することができる。
配線保護層40bが熱硬化性樹脂の硬化物層である場合には、熱硬化性樹脂を含むインクを、少なくとも配線領域10bの金属配線14を被覆するように印刷し、加熱する方法を適用することができる。
配線保護層40bが活性エネルギー線硬化性樹脂層である場合には、活性エネルギー線硬化性樹脂を含むインクを、少なくとも配線領域10bの金属配線14を被覆するように印刷し、活性エネルギー線を照射する方法を適用することができる。
本実施形態のタッチセンサ2においても、第1実施形態のタッチセンサ1と同様に、金属配線14の耐硫化性、透明電極部12の耐紫外線性が高い。また、タッチセンサ2は、耐硫化層を必須としないから、薄型化しやすい。また、パネル貼着用粘着剤層30が、酸基を有するアクリル系粘着剤を含むから、前面パネル板20とパネル貼着用粘着剤層30との間の空気の膨れを防止できる。さらに、透明レジスト層13によって、透明電極部12の酸による劣化を防止できる。
本実施形態における配線保護層40bは単層であるが、単層の配線保護層40bであっても、金属配線14を被覆することにより保護でき、金属配線14の硫化を防ぐことができる。また、配線保護層40bが単層であると、低コストになる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されない。
前面パネル板においては、加飾層を備えていなくても構わない。ただし、前面パネル板が加飾層を備えない場合には、紫外線吸収剤を含有する透明樹脂板を使用する。
また、本発明で使用するセンサ用シートにおいては、誤検知を防止するために、透明電極部に重複しない部分に公知の接地用配線を設けてもよい。
また、本発明で使用するセンサ用シートの配線領域においては、裏面に、強度を補強するための補強用シートが貼着されてもよい。
(1)厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる透明フィルム基材11の第1面11aの全面に、導電性高分子分散液をグラビア印刷して、厚さ0.2μmの透明導電膜を形成した。その際、導電性高分子分散液としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸が水に分散した分散液を使用した。
(2)前記透明導電膜の表面に、スクリーン印刷により銀ペーストを印刷して金属配線14を形成した。
(3)前記透明導電膜の、矩形状の透明電極部12になる部分に、スクリーン印刷により、ポリエステル系樹脂を含む透明レジストインクを印刷し、乾燥して、厚さ1μmの透明レジスト層13を形成した。
(4)プラズマエッチング処理を施して、前記透明導電膜のうち露出している部分を除去して、透明電極部12を形成し、センサ用シート10を得た。
(5)配線領域10bにおける金属配線14の端部の表面に、スクリーン印刷によりカーボンペーストを印刷して外部接続用端子14aを形成した。
(6)センサ用シート10の配線領域10bに、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(保護フィルム41)と厚さ50μmのアクリル系粘着剤層(保護フィルム貼着用粘着剤層42)とからなる粘着フィルムを貼着した。
(7)一対の離型フィルムにパネル貼着用粘着剤層30が挟まれた両面粘着シートを用意した。パネル貼着用粘着剤層30を構成する粘着剤としては、カルボキシ基を有するアクリル系粘着剤を用いた。前記両面粘着シートの一方の離型フィルムを剥離し、これにより露出したパネル貼着用粘着剤層30の一方の面を、センサ用シート10の電極領域10aに貼り付けた。
(8)厚さ200μmのフィルム状の加飾層22を金型内に配置した状態でポリカーボネートを射出成形して厚さ3mmの透明樹脂板21を形成するインサート成形法により前面パネル板20を得た。
(9)センサ用シート10に貼り付けた両面粘着シートの他方の離型フィルムを剥離してパネル貼着用粘着剤層30の他方の面を露出させ、その露出面と、前面パネル板20の透明樹脂板21とを貼り付けた。これにより、タッチセンサ1を得た。
得られたタッチセンサ1について、耐硫化性、耐紫外線性、空気の膨れの有無を以下の方法により評価した。
得られたタッチセンサ1を、硫化水素濃度:10ppm、温度:40℃、相対湿度:80%の環境下に240時間放置した。その後、銀の金属配線を目視により観察したところ、金属配線の変色は見られなかった。したがって、耐硫化性は良好であった。
サンシャインウェザーメータを用いて、得られたタッチセンサ1を紫外線が当たる環境下に200時間放置した。その際のサンシャインウェザーメータの条件は、JIS D0205−1987に従い、放電電圧:50V、放電電流:60A、フィルタ:ガラスフィルタAタイプ、ブラックパネル温度:63℃とした。その後、タッチセンサ1の動作を試験したところ、問題は生じなかった。したがって、耐紫外線性は良好であった。
得られたタッチセンサ1を、温度:60℃、相対湿度:95%の環境下に500時間放置した。その後、タッチセンサ1の内部を目視により観察したところ、気泡の発生は見られず、空気の膨れは生じなかった。
10 センサ用シート
10a 電極領域
10b 配線領域
11 透明フィルム基材
11a 第1面
12 透明電極部
13 透明レジスト層
14 金属配線
14a 外部接続用端子
20 前面パネル板
21 透明樹脂板
22 加飾層
23 透光部
30 パネル貼着用粘着剤層
40a,40b 配線保護層
41 保護フィルム
42 保護フィルム貼着用粘着剤層
Claims (3)
- センサ用シートと、該センサ用シートよりも前面側に積層された紫外線吸収性前面パネル板とを備え、
前記センサ用シートは、透明フィルム基材と、該透明フィルム基材の第1面の一部に設けられた透明電極部と、該透明電極部を被覆する透明レジスト層と、前記透明フィルム基材の第1面側に設けられて前記透明電極部に電気的に接続された金属配線とを備え、且つ、前記センサ用シートは、前記透明電極部、前記透明レジスト層及び前記金属配線における前記透明電極部近傍の部分を含む電極領域と、該電極領域以外の領域である配線領域とから構成され、
前記センサ用シートの電極領域と前記紫外線吸収性前面パネル板とは、酸基を有するアクリル系粘着剤を含有すると共に前記透明レジスト層及び前記金属配線を覆うように形成されたパネル貼着用粘着剤層によって貼着され、
前記センサ用シートの配線領域には、前記金属配線を被覆して保護する配線保護層が設けられている、静電容量式タッチセンサ。 - 前記配線保護層が、保護フィルム及び保護フィルム貼着用粘着剤層からなり、該保護フィルム貼着用粘着剤層が前記金属配線に接するように、前記配線保護層が前記センサ用シートに貼着されている、請求項1に記載の静電容量式タッチセンサ。
- 前記透明レジスト層が、紫外線吸収剤を含む耐紫外線層により被覆されている、請求項1又は2に記載の静電容量式タッチセンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015105814A JP6494101B2 (ja) | 2015-05-25 | 2015-05-25 | 静電容量式タッチセンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015105814A JP6494101B2 (ja) | 2015-05-25 | 2015-05-25 | 静電容量式タッチセンサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016218922A JP2016218922A (ja) | 2016-12-22 |
JP6494101B2 true JP6494101B2 (ja) | 2019-04-03 |
Family
ID=57578996
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015105814A Active JP6494101B2 (ja) | 2015-05-25 | 2015-05-25 | 静電容量式タッチセンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6494101B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019216273A1 (ja) * | 2018-05-07 | 2019-11-14 | 株式会社コイネックス | 透明タッチパッドとその製造方法およびそれを用いた電子機器 |
JP7487878B2 (ja) * | 2019-11-13 | 2024-05-21 | 株式会社コイネックス | タッチパッド、タッチパネルとその製造方法およびそれを用いた電子機器 |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5299804B2 (ja) * | 2004-08-03 | 2013-09-25 | 綜研化学株式会社 | 金属貼着用粘着シート |
JP2007052975A (ja) * | 2005-08-17 | 2007-03-01 | Fujikura Ltd | 静電容量式スイッチ及びその電極構造 |
JP5591477B2 (ja) * | 2008-03-13 | 2014-09-17 | 日東電工株式会社 | 光学部材用粘着剤組成物、光学部材用粘着剤層、粘着型光学部材、透明導電性積層体、タッチパネルおよび画像表示装置 |
JP5277937B2 (ja) * | 2008-12-17 | 2013-08-28 | Dic株式会社 | 透明導電膜固定用両面粘着シート、透明導電膜積層体、タッチパネル装置 |
TWI381303B (zh) * | 2010-02-09 | 2013-01-01 | Oji Paper Co | 導電性積層體及使用其之觸控面板 |
JP4855536B1 (ja) * | 2010-12-20 | 2012-01-18 | 日本写真印刷株式会社 | 防錆性に優れたタッチ入力シートの製造方法 |
US10353520B2 (en) * | 2011-11-07 | 2019-07-16 | Oji Holdings Corporation | Display device with capacitive touch panel, capacitive touch panel |
CN104470716B (zh) * | 2012-06-14 | 2016-08-31 | 保力马科技(日本)株式会社 | 基板片及触控面板 |
JP5805799B2 (ja) * | 2013-05-15 | 2015-11-10 | 日本写真印刷株式会社 | タッチセンサおよびタッチセンサモジュール |
CN104216547B (zh) * | 2013-06-04 | 2017-12-01 | 宸鸿科技(厦门)有限公司 | 一种触控面板及其制造方法 |
JP6645185B2 (ja) * | 2013-06-04 | 2020-02-14 | 日立化成株式会社 | 硬化膜付き透明基材の製造方法 |
-
2015
- 2015-05-25 JP JP2015105814A patent/JP6494101B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016218922A (ja) | 2016-12-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8243225B2 (en) | Electronic device having protection panel | |
EP2846236A2 (en) | Touch window and touch device including the same | |
TWI470304B (zh) | 觸控輸入裝置及電子機器 | |
US9826637B2 (en) | Film and body with such a film | |
CN106575187B (zh) | 触摸窗 | |
KR101989457B1 (ko) | 고성능 터치 센서 및 그 제조방법 | |
CN105474148A (zh) | 静电电容型输入装置 | |
CN107239162B (zh) | 触摸传感器及其制备方法 | |
JP2012178149A (ja) | 静電容量式センサーシートおよびその製造方法 | |
KR101406221B1 (ko) | 일체형 터치 편광판 및 이를 구비하는 액정표시장치 | |
JP7321155B2 (ja) | 感圧タッチセンサ及び感圧タッチセンサモジュール | |
JP6494101B2 (ja) | 静電容量式タッチセンサ | |
TWI729147B (zh) | 光學疊層體及具備此之觸控輸入裝置 | |
TW201107831A (en) | Protection panel having a function of touch input for a display window of electronic machine | |
JP6047420B2 (ja) | 静電容量スイッチ及びその製造方法 | |
JP7232263B2 (ja) | 感圧タッチセンサ及び感圧タッチセンサモジュール | |
JP2020154641A (ja) | タッチパネル装置 | |
JP2017111478A (ja) | 静電容量式タッチセンサ用シート及びその製造方法 | |
JP2012133673A (ja) | 静電容量式センサシート | |
TWM465753U (zh) | 電氣裝置 | |
KR102350858B1 (ko) | 플렉서블 기판을 포함하는 표시장치 | |
KR20190003375A (ko) | 포스 터치 센서 | |
JP6562555B2 (ja) | 静電容量式3次元センサ | |
KR20170096475A (ko) | 폴더블 터치 센서 및 그 제조방법 | |
JP2023152490A (ja) | フレキシブルタッチセンサ及びタッチセンサモジュール |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180411 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20181019 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20181228 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190205 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190304 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6494101 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |