以下、図面を適宜参照して、実施の形態について説明する。本明細書の全体を通じて同一要素には、特に断らない限り、同一符号を付す。添付の図面と共に以下に記載される事項は、例示的な実施の形態を説明するためのものであり、唯一の実施の形態を示すためのものではない。例えば、実施の形態において動作の順序が示された場合、動作の順序は、全体的な動作として矛盾が生じない範囲で、適宜に変更されてもよい。
複数の実施形態及び/又は変形例を例示した場合、或る実施形態及び/又は変形例における一部の構成、機能及び/又は動作は、矛盾の生じない範囲で、他の実施形態及び/又は変形例に含まれてもよいし、他の実施形態及び/又は変形例の対応する構成、機能及び/又は動作に置き換えられてもよい。
また、実施の形態において、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、説明が不必要に冗長になること、及び/又は、技術的な事項又は概念が曖昧になることを回避して当業者の理解を容易にするために、公知又は周知の技術的な事項の詳細説明を省略する場合がある。また、実質的に同一の構成、機能及び/又は動作についての重複説明を省略する場合がある。
添付図面および以下の説明は、実施の形態の理解を助けるために提供されるものであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。また、以下の説明で使われる用語は、当業者の理解を助けるために他の用語に適宜に読み替えられてもよい。
(第1実施形態)
[システム構成例]
図1は、第1実施形態に係る健康支援システムの構成例を示す図である。図1に示す健康支援システム1は、例示的に、送信機10、受信機30、判定機50、及び、情報処理装置70を備えてよい。なお、判定機50は、モニタ50と称されてもよい。また、送信機10及び受信機30は、いずれも無線機の一例である。「無線機」は、「無線装置」又は「無線局」と称されてもよい。
送信機10は、無線電波を送信する。受信機30は、送信機10が送信した無線電波を受信する。また、受信機30は、例えば、送信機10から受信される無線電波の受信状態(例えば、受信電力又は受信強度といった受信レベル)をモニタ(又は、測定)し、測定結果を、判定機50へ無線又は有線によって送信する。受信機30は、送信機能を有するため、便宜的に、「中継機30」と称されてもよい。
送信機10及び受信機30には、例えば、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、又は、BLE(Bluetooth low energy)といった、免許及び登録が不要な小電力の無線通信規格に準拠した無線局が適用されてよい。
判定機50は、受信機30から受信される測定結果に基づいて、例えば、送信機10と受信機30との間に位置する対象(モニタターゲット)の状態を判定する。なお、「判定」という用語は、例えば、「判別」、「検出」、「検知」、「特定」あるいは「推定」といった他の用語に読み替えられてもよい。
モニタターゲットの一例は、人体である。例えば、人体の動きに応じて送信機10と受信機30との間の電波伝搬経路(「フレネルゾーン」と称してもよい)の少なくとも一部が遮蔽されるように、送信機10及び受信機30の配置位置を設定する。
この設定により、例えば、人体の動き(以下「体動」と略称することがある)に応じて、送信機10から受信機30への電波伝搬経路における電波遮蔽量が変化するため、受信機30での電波受信レベルが変化する。
したがって、判定機50は、受信機30での電波受信レベルの変動に基づいて、例えば、体動の有無、体動の大きさ、及び/又は、体動の持続時間といった、モニタターゲットの動きに関する情報を判定できる。なお、モニタターゲットの「体動」という用語は、モニタターゲットの「挙動」又は「行動」といった他の用語に読み替えられてもよい。
例えば図2に示すように、送信機10及び受信機30は、ベッド(寝台)90の幅方向両サイド(例えば、サイドレール91)に、マットレス92の上面から鉛直上方に所定距離だけ離れた高さ(位置)に設置されてよい。
送信機10から受信機30に向けて電波が送信(又は照射)されると、送信機10と受信機30との間に、電波(フレネルゾーン)による仮想的なロープ(又はベルト)(以下、便宜的に「電波ロープ」と称することがある)が形成される。
なお、図2に示したベッド90は、例えば、介護施設や医療現場で用いられる特殊ベッドであるが、送信機10及び受信機30の設置対象は、家庭や宿泊施設で用いられるような通常のベッドであってもよい。
「所定距離」(設置高さ)は、例えば、人体の仰臥位(仰向け)又は伏臥位(うつ伏せ)での身体の厚みに基づいて設定されてよい。例えば図3及び図4(A)に示したように、モニタターゲットである人体200がベッド90において仰向け(又は、うつ伏せ)の状態で、送信機10と受信機30との間に形成されるフレネルゾーン600が、人体200と重ならない高さに「所定距離」が設定されてよい。非限定的な一例として、「所定距離」は、数センチメートル(cm)〜数十cmのレンジ内の値に調整されてよい。
このような設置高さの設定によって、例えば図4(B)に示したように、人体200の姿勢が仰臥位又は伏臥位から寝返りによって側臥位に変化した場合、フレネルゾーン600における人体200による電波遮蔽量が図4(A)の状態よりも増加する。したがって、受信機30での電波受信レベルが低下する。
また、例えば図4(C)に示したように、人体200が就寝姿勢(例えば、仰臥位、伏臥位、又は、側臥位)から上体を起こした(起き上がり)状態に変化した場合、フレネルゾーン600における人体200による電波遮蔽量が図4(B)の状態よりも更に増加する。したがって、受信機30での電波受信レベルが図4(B)の状態よりも更に低下する。
以上の説明から理解されるように、送信機10及び受信機30のペアは、送信機10から受信機30へ伝搬する無線電波の遮蔽量に応じた無線電波のレベル変動を検出する「電波センサ装置」に相当する、と捉えてよい。
なお、ベッド90の長さ方向についての送信機10及び30の設置位置は、例えば図4(C)に示した、上体が起き上がった状態での電波遮蔽量が、他の姿勢での電波遮蔽量よりも増加する位置に設定されてよい。この設定により、例えば、人体200が就寝姿勢から座位へ変化した場合の検知感度を高めることができる。
以上のように、送信機10及び受信機30の人体200に対する配置関係(別言すると、電波ロープの形成位置)を適切に設定することで、ベッド90における人体200の動きを的確に検知できる。サイドレール91を備えたベッド90に送信機10及び受信機30を取り付ける場合、上述した配置関係を設定又は調整し易いと云える。
図5に、電波受信レベルのモニタ結果の一例を示す。図5の横軸は時間[秒]を表し、縦軸が電波受信レベル[dB]を表す。図5では、横軸の約105秒〜130秒の第1の時間レンジTR1において電波受信レベルが低下している。また、その後の約150秒〜175秒の第2の時間レンジTR2において、電波受信レベルは、第1の時間レンジよりも大きく低下している。
そのため、例えば、第1の時間レンジでは、ベッド90において人体200が寝返りを行った(又は、手足が動いた)と判定でき、第2の時間レンジでは、ベッド90において人体200が上体を起こしたと判定できる。このような判定には、例えば、電波受信レベル(瞬時値でもよいし所定期間の平均値でもよい)に関する閾値が用いられてよい。
例えば図5において、電波受信レベルが−55[dB]未満かつ−65[dB]以上のレンジに低下した場合に、人体200が「寝返り」を行ったとの判定が行われてよい。また、電波受信レベルが−65[dB]未満に低下した場合に、人体200が上体を起こした(「起き上がり」)との判定が行われてよい。
なお、体動判定の基準(又は条件)は、上記の例に限られない。例えば、閾値は、基準となる電波受信レベルに対する相対値(別言すると、変動量)によって表されてもよい。また、電波受信レベルに加えて、電波受信レベルの変動が継続する時間又は周期が、体動判定に用いられてもよい。体動判定の具体例については後述する。
以上のように、送信機10及び受信機30を人体200に対して適切な配置関係でベッド90に設置することで、ベッド90での人体の姿勢(例えば、仰臥位、伏臥位、側臥位など)の変化(例えば、寝返り又は起き上がり)を判定機50において検知できる。
判定機50で得られた情報(以下「モニタ情報」と称することもある)は、例えば、有線又は無線によって判定機50に接続された情報処理装置70へ送信されてよい。
情報処理装置70は、例示的に、デスクトップPC(パーソナルコンピュータ)、ラップトップコンピュータ、サーバコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、又は、PDA(personal digital assistance)であってよい。
情報処理装置70は、判定機50から受信したモニタ情報に基づいて、例えば、人体200の睡眠状態及び健康状態の少なくとも1つを判定する。また、情報処理装置70は、例えば、モニタ情報の蓄積及び分析によって、人体200の睡眠状態及び健康状態の少なくとも1つを把握又は管理でき、また、睡眠時間帯及び起き上がりの時間帯を予測できる。
なお、判定機50の機能又は処理の全部又は一部は、情報処理装置70の機能又は処理に統合されてもよい。例えば、後述するように、体動判定に関わる処理の全部又は一部は、判定機50及び情報処理装置70の一方で実行されてもよいし双方で実行されてもよい。そのため、判定機50及び情報処理装置70の一方又は双方は、体動判定に関わる処理を実行する「処理装置」に相当する、と捉えてもよい。
以下、健康支援システム1に含まれる送信機10、受信機30、判定機50、及び、情報処理装置70の構成例について、項目別に説明する。なお、以下の説明において、「・・・部」という文言は、「・・・回路」、「・・・デバイス」、又は、「・・・ユニット」といった用語に相互に読み替えられてよい。
[送信機及び受信機の構成例]
図6は、送信機10及び受信機30の構成例を示すブロック図である。図6に示すように、送信機10と受信機(中継機)30とは、無線機として共通の構成であってよい。例えば、送信機10は、モード切替(又は設定。以下において同じ)によって受信機として動作させることもでき、受信機30は、モード切替によって送信機として動作させることもできる。図6において、送信機10の構成要素には、100番台の符号が付されており、受信機30の構成要素には、300番台の符号が付されている。
[送信機の構成例]
送信機10は、例示的に、アンテナ101、無線部102、制御部103、及び、電源104を備える。
アンテナ101は、無線部102から出力された無線電波を空間へ放射する。アンテナ101には、特定の方向に電波指向性を有する指向性アンテナが適用されてよい。
無線部102は、無線信号の処理を行う。無線部102は、例示的に、送信部121、受信部122、無線制御部123、及び、モード切替スイッチ(SW)124を備えてよい。なお、受信部122は、送信機10において機能しなくてよい。別言すると、送信モードにおいて、受信部122は、無効化あるいはディゼーブルに設定されてよい。
送信機10において、モード切替スイッチ(以下「スイッチ」と略称することがある)124は、送信部121側へ切り替えられて、アンテナ101と送信部121とを電気的に接続する。
送信部121は、例えば、制御部103から入力された送信信号(例えば、ビーコン信号)に対して無線送信処理を行う。無線送信処理には、例示的に、変調、増幅、及び、アップコンバート等が含まれてよい。無線送信処理によって得られた無線信号(別言すると、無線電波)は、モード切替スイッチ124を通じてアンテナ101から空間へ放射される。
送信機10での無線送信処理には、例示的に、小電力データ通信技術に分類されるBLEのプロトコルが適用されてよい。BLEの無線電波には、例えば、2.4GHz帯の電波が用いられる。ただし、送信機10がアンテナ101から放射する無線電波の周波数は、2.4GHz帯に限られなくてよい。なお、「小電力データ通信技術」は、「近距離無線技術」又は「省電力無線技術」と称されることもある。
無線制御部123は、例えば、送信部121及びスイッチ124の動作を制御する。例えば、無線制御部123は、上述した送信部121による無線送信処理を制御する。また、無線制御部123は、例えば、スイッチ124を送信部121側へ切り替えて、アンテナ101と送信部121とを接続する。
制御部103は、例えば、ベースバンド信号の処理を行う。制御部103は、例示的に、信号生成部131、信号取得部132、及び、メモリ133を備えてよい。
信号取得部132は、送信機10においては機能しなくてよい。別言すると、送信モードにおいて、信号取得部132は、無効化あるいはディゼーブルに設定されてよい。なお、「取得」という用語は、「検出」又は「抽出」といった他の用語に読み替えられてよい。
信号生成部131は、例えば、電源104からの電力供給に応じて、受信機30へ送信する信号(例えば、ビーコン信号)を生成する。信号生成部131は、例示的に、プロセッサによって具現されてよい。
「プロセッサ」は、演算能力を備えた回路又はデバイスの一例である。「プロセッサ」には、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、及び、DSP(digital signal processor)の少なくとも1つが用いられてよい。プロセッサは、シングルコアプロセッサでもよいしマルチコアプロセッサでもよい。演算能力を備えた回路又はデバイスは、便宜的に「コンピュータ」と称されてもよい。
メモリ133には、例えば、ROM(read only memory)、EPROM(erasable programmable ROM)、EEPROM(electrically erasable programmable ROM)、RAM(random access memory)、及び、RAM(random access memory)の少なくとも1つが用いられてよい。メモリ133は、プロセッサが実行する各種プログラム、および、各種データを記憶する。メモリ133は、プロセッサのワークメモリに用いられてよい。
電源104は、例えば、送信機10に動作電力を供給する。電源104は、例示的に、送信機10に内蔵の電池(バッテリ)であってもよいし、外部の交流(AC)電源又は直流(DC)電源であってもよい。
[受信機の構成例]
受信機30は、図6に例示したように、アンテナ301、無線部302、制御部303、及び、電源304を備えてよい。
アンテナ301は、無線部302から出力された無線電波を空間へ放射する。アンテナ301には、特定の方向に電波指向性を有する指向性アンテナが適用されてよい。
無線部302は、無線信号の処理を行う。無線部302は、例示的に、送信部321、受信部322、無線制御部323、及び、モード切替スイッチ(SW)324を備えてよい。
受信機30において、モード切替スイッチ324は、受信動作において受信部322側に切り替えられ、送信動作において送信部321側に切り替えられる。受信動作において、送信機10から送信された無線電波が受信部322において受信され、送信動作において、送信部321での無線送信処理によって得られた無線電波が判定機50へ送信される。
受信部322は、アンテナ301で受信された無線電波に対して無線受信処理を行う。無線受信処理には、例示的に、増幅、ダウンコンバート、及び、復調等が含まれてよい。
送信部321は、例えば、制御部303から入力された判定機50宛の送信信号に対して無線送信処理(「中継処理」と称してもよい)を行う。送信部321での無線送信処理には、例示的に、変調、増幅、及び、アップコンバート等が含まれてよい。無線送信処理によって得られた無線信号(別言すると、無線電波)は、アンテナ301から空間へ放射される。
受信機30による中継処理には、例示的に、BLEのプロトコルが適用されてよい。BLEでは、例えば、2.4GHz帯の電波が用いられる。ただし、中継処理に用いる周波数は、2.4GHz帯に限られない。
例えば、送信機10と受信機30との間の無線接続に用いられる周波数とは異なる周波数(例えば、第2実施形態において後述する920MHz帯)が、受信機30から判定機50に対する中継処理に適用されてもよい。また、受信機30と判定機50との間は、有線によって通信可能に接続されてもよい。
無線制御部323は、例えば、送信部321、受信部322、及び、スイッチ324の動作を制御する。例えば、無線制御部323は、送信部321による無線送信処理と、受信部322による無線受信処理と、を制御する。
また、無線制御部323は、例えば、スイッチ324を送信部321側及び受信部322側の一方へ時分割に切り替える。スイッチ324の時分割切替によって、アンテナ301と送信部321及び受信部322とが時分割に選択的に接続される。
別言すると、受信機30において、送信機10からの無線電波に対する受信動作と、判定機50への無線電波の送信動作(別言すると、中継動作)と、が時分割に切り替えられる。
制御部303は、例えば、ベースバンド信号の処理を行う。制御部303は、例示的に、信号生成部331、信号取得部332、及び、メモリ333を備えてよい。
信号生成部331は、例えば、電源304からの電力供給に応じて、判定機50へ送信する信号を生成する。
信号取得部332は、例えば、受信部322から入力された受信信号を基に、無線電波の受信レベル(例えば、RSSI)を測定する。「RSSI」は、「received signal strength indicator」の略記である。「測定」という用語は、「検出」又は「検知」といった他の用語に読み替えられてもよい。測定された受信レベルの情報(以下「受信レベル情報」又は「受信レベル測定値」と称することがある)は、例えば、信号生成部331において生成される、判定機50宛の信号に含められて、判定機50へ送信されてよい。
信号生成部331及び信号取得部332は、例示的に、プロセッサによって具現されてよい。「プロセッサ」は、演算能力を備えた回路又はデバイスの一例である。「プロセッサ」には、例えば、CPU、MPU、及び、DSPの少なくとも1つが用いられてよい。プロセッサは、シングルコアプロセッサでもよいしマルチコアプロセッサでもよい。
メモリ333は、例えば、ROM、及び、RAMを有し、プロセッサが実行する各種プログラム、および、各種データを記憶する。メモリ333は、プロセッサのワークメモリに用いられてよい。
電源304は、例えば、受信機10に動作電力を供給する。電源304は、例示的に、受信機30に内蔵の電池(バッテリ)であってもよいし、外部の交流(AC)電源又は直流(DC)電源であってもよい。
なお、図6に例示した構成例は、送信機10及び受信機30に共通であるが、送信機10及び受信機30は、個別の構成を有していてもよい。例えば、送信機10において、受信部122、スイッチ124、及び、信号取得部132は、省略されてもよい。
[判定機の構成例]
次に、図7のブロック図を参照して、判定機50の構成例について説明する。図7に示すように、判定機50は、例示的に、アンテナ501、無線部502、制御部503、シリアル通信部504、表示器505、音声出力器506、及び、電源507を備える。
アンテナ501は、無線部502から出力された無線電波を空間へ(例えば、情報処理装置70に向けて)放射する。アンテナ501には、特定の方向に電波指向性を有する指向性アンテナが適用されてよい。
無線部502は、無線信号の処理を行う。無線部502は、例示的に、送信部521、受信部522、無線制御部523、及び、モード切替スイッチ(SW)524を備えてよい。
モード切替スイッチ524は、受信動作において受信部522側に切り替えられ、送信動作において送信部521側に切り替えられる。受信動作において、受信機30から送信された無線電波が受信部522において受信され、送信動作において、送信部521での無線送信処理によって得られた無線電波が情報処理装置70へ送信される。
送信部521は、例えば、制御部503から入力された情報処理装置70宛の送信信号に対して無線送信処理を行う。送信部521での無線送信処理には、例示的に、変調、増幅、及び、アップコンバート等が含まれてよい。無線送信処理によって得られた無線信号(別言すると、無線電波)は、アンテナ501から空間へ放射される。
受信部522は、アンテナ501で受信された無線電波に対して無線受信処理を行う。無線受信処理には、例示的に、増幅、ダウンコンバート、及び、復調等が含まれてよい。
送信部521による無線送信処理には、例示的に、BLEのプロトコルが適用されてよい。BLEでは、例えば、2.4GHz帯の電波が用いられる。ただし、送信部521による無線送信処理に用いる周波数は、2.4GHz帯に限られない。
例えば、送信機10と受信機30との間、及び、受信機30と判定機50との間の無線接続に用いられる周波数とは異なる周波数が、判定機50から情報処理装置70に対する送信処理に適用されてもよい。
また、判定機50と情報処理装置70との間は、有線によって通信可能に接続されてもよい。例えば、シリアル通信部504に、シリアル通信ケーブルを介して情報処理装置70が接続されてもよい。判定機50と情報処理装置70との間が有線接続される場合、送信部521を用いた情報処理装置70との無線接続は、無効化あるいはディゼーブルに設定されてもよい。
無線制御部523は、例えば、送信部521、受信部522、及び、スイッチ524の動作を制御する。例えば、情報処理装置70との無線接続が有効あるいはイネーブルの場合、無線制御部523は、送信部521による無線送信処理と、受信部522による無線受信処理と、を制御する。
また、情報処理装置70との無線接続が有効あるいはイネーブルの場合、無線制御部523は、例えば、スイッチ524を送信部521側及び受信部522側の一方へ時分割に切り替える。スイッチ524の時分割切替によって、アンテナ501と送信部521及び受信部522とが時分割に選択的に接続される。
別言すると、受信機30において、判定機50からの無線電波に対する受信動作と、情報処理装置70への無線電波の送信動作と、が時分割に切り替えられる。
なお、判定機50と情報処理装置70との無線接続が無効あるいはディゼーブルの場合、判定機50と情報処理装置70との間の通信は、例えば、シリアル通信部504を用いた有線接続によって行われてよい。有線接続を用いた情報処理装置70との通信は、例えば、制御部503によって制御されてよい。
制御部503は、例えば、ベースバンド信号の処理を行う。制御部503は、例示的に、信号生成部531、信号取得部532、及び、メモリ533を備えてよい。
信号取得部532は、例えば、受信部522から入力された受信信号に含まれる情報(例えば、受信機30で得られたRSSI等の受信レベル測定値)を検出又は抽出する。受信信号から検出又は抽出された情報は、例えば、信号生成部531及びシリアル通信部504の一方又は双方に入力されてよい。
信号生成部531は、例えば、電源507からの電力供給に応じて、情報処理装置70へ送信する信号を生成する。また、信号生成部531は、例えば、信号取得部532において検出又は抽出された情報に基づいて、モニタターゲットの体動の有無、体動の大きさ、及び/又は、体動の持続時間を判定する。そのため、「信号生成部531」は、便宜的に、「判定部531」又は「体動判定部531」と表記されてもよい。
体動判定の結果を示す情報は、例えば、モニタ情報として、情報処理装置70宛の信号に含められて情報処理装置70へ送信されてよい。なお、体動判定に関わる処理の全部又は一部は、情報処理装置70において実行されてもよい。別言すると、体動判定に関わる処理は、判定機50及び情報処理装置70のいずれにおいて実行されてもよいし、判定機50及び情報処理装置70によって分散処理されてもよい。
体動判定に関わる処理の全部又は一部が情報処理装置70において実行される場合、例えば、信号取得部532において検出又は抽出された情報が、情報処理装置70へ送信されてもよい。
あるいは、信号取得部532において検出又は抽出された情報を分散処理に応じて加工した情報が、情報処理装置70へ送信されてもよい。分散処理に応じた情報の加工は、例えば、信号生成部531によって行われてよい。
信号生成部531及び信号取得部532は、例示的に、プロセッサによって具現されてよい。「プロセッサ」は、演算能力を備えた回路又はデバイスの一例である。「プロセッサ」には、例えば、CPU、MPU、及び、DSPの少なくとも1つが用いられてよい。プロセッサは、シングルコアプロセッサでもよいしマルチコアプロセッサでもよい。
メモリ533は、例えば、ROM、及び、RAMを有し、プロセッサが実行する各種プログラム、および、各種データを記憶する。メモリ533は、プロセッサのワークメモリに用いられてよい。
シリアル通信部504は、例えば、情報処理装置70との有線接続インタフェースを提供し、制御部503による制御の下、情報処理装置70とシリアル通信を行う。シリアル通信によって、例えば、信号取得部532によって検出された(別言すると、受信機30において検出された)RSSI等の受信レベル測定値、及び/又は、上述した体動判定の結果を示す情報が情報処理装置70に提供されてよい。
表示器505は、例えば、制御部503による制御の下、体動判定の結果に応じた情報を判定機50の外部に向けて表示する。表示器505には、例示的に、LED(light emitting diode)のような発光デバイスが用いられてよい。例えば、体動判定の結果に応じてLEDの発光状態(例えば、発光色、又は、点滅等)が制御されることで、体動判定の結果を判定機50のユーザへ視覚的に知らせることができる。なお、表示器505には、LEDの代替であるいは追加で、液晶ディスプレイが適用されてもよい。
音声出力器506は、例えば、制御部503による制御の下、体動判定の結果に応じた情報を音によって判定機50の外部に出力する。例えば、体動判定の結果が特定の体動を示す場合、特定の体動が検出されたことを示す電子音(例えば、アラーム音)が音声出力器506から出力されてよい。電子音の出力により、モニタターゲットについて特定の体動が検出されたことを判定機50のユーザに聴覚的に知らせることができる。
なお、音声出力器506から出力される電子音には、音声メッセージ又は音楽が含まれてもよい。また、音声出力器506による音の出力と、表示器505による表示と、は、例えば制御部503によって連動して制御されてよい。
アラーム音は、例えば、モニタターゲットの支援のための行動(例えば、モニタターゲットの元へのかけつけ)を促す情報(アラーム情報)の一例である。「アラーム情報」には、音に限られず、文字や画像といった、人に視覚的にアラーム状態を覚知させる情報が含まれてよい。例えば、アラーム情報が表示器505によって表示されてもよい。
電源507は、例えば、判定機50に動作電力を供給する。電源507は、例示的に、判定機50に内蔵の電池(バッテリ)であってもよいし、外部の交流(AC)電源又は直流(DC)電源であってもよい。
[情報処理装置の構成例]
次に、図8のブロック図を参照して、情報処理装置の一例である情報処理装置70の構成例について説明する。図8に例示したように、情報処理装置70は、例えば、プロセッサ701、メモリ702、ストレージ703、通信装置704、入力装置705、出力装置706、及び、バス707を備えてよい。なお、「・・・装置」は、「・・・回路」、「・・・デバイス」、又は、「・・・ユニット」といった他の用語に相互に読み替えられてもよい。
情報処理装置70の構成は、図8に例示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
例えば、プロセッサ701は図8において1つ示されているが、複数のプロセッサ701が情報処理装置70に備えられてもよい。また、プロセッサ701は、シングルコアプロセッサでもよいしマルチコアプロセッサでもよい。情報処理装置70による1つ又は複数の処理は、1つ又は複数のプロセッサ701によって逐次的に実行されてもよいし、並列的に実行されてもよい。
情報処理装置70が備える1つ又は複数の機能は、例えば、プロセッサ701が、メモリ702及びストレージ703の少なくとも1つに記憶されたプログラムを読み取ってプログラムに従った演算処理を実行することで具現される。なお、「プログラム」は、「ソフトウェア」又は「アプリケーション」と称されてもよい。
プロセッサ701は、例えば、オペレーティングシステム(OS)を動作させて情報処理装置70の動作を制御する。例えば、プロセッサ701は、通信装置704による通信、又は、メモリ702及びストレージ703の少なくとも1つに記憶されたデータの読み出し及び書き込みの少なくとも1つを制御してよい。
プロセッサ701は、周辺装置とのインタフェース(IF)、制御装置、演算装置、及び、レジスタの少なくとも1つを含むCPUによって構成されてよい。プロセッサ701には、代替的又は追加的に、MPU、DSP、及び、GPU(graphics processing unit)の少なくとも1つが用いられてよい。
また、プロセッサ701は、プログラム(又は、プログラムコード)、及び、ソフトウェアモジュール又はデータの少なくとも1つを、ストレージ703及び通信装置704の少なくとも1つからメモリ702に読み出し、読み出した情報に従って各種の処理を実行する。なお、プログラムは、ネットワークを介して情報処理装置70において受信されてもよい。
メモリ702は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、及び、RAMの少なくとも1つを用いて構成されてよい。メモリ702は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ、又は、主記憶装置と称されてもよい。メモリ702には、上述した体動判定に関わる処理を実行するためのプログラム(又は、プログラムコード)、及び、ソフトウェアモジュールの少なくとも1つを記憶する。
ストレージ703は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(compact disc ROM)のような光ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、又は、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ、及び、磁気ストリップの少なくとも1つを用いて構成されてよい。ストレージ703は、補助記憶装置と称されてもよい。
通信装置704は、例えば、有線又は無線によって判定機50と通信するためのインタフェースを提供する。通信装置704は、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、又は、通信モジュールと称されてもよい。通信装置704には、判定機50が送信した信号を受信する受信部、及び、判定機50へ信号を送信する送信部の少なくとも1つが備えられてよい。
入力装置705は、外部から情報の入力を受け付ける。入力装置705には、例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、及び、センサの少なくとも1つが含まれてよい。
出力装置706は、外部へ情報を出力する出力デバイスである。出力装置706には、例えば、ディスプレイ、スピーカ、及び、LEDランプの少なくとも1つが含まれてよい。なお、入力装置705及び出力装置706は、例えば、タッチパネルディスプレイのように一体に構成されてもよい。
上述した情報処理装置70における構成要素は、情報を通信するためのバス707によって接続されてよい。バス707は、単一のバスによって構成されてもよいし、構成要素間で異なるバスによって接続されてもよい。
また、情報処理装置70は、例えば、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)、及び、FPGA(field programmable gate array)の少なくとも1つのハードウェアを含んで構成されてもよい。当該ハードウェアによって、情報処理装置70が有する各種機能の一部又は全部が実現されてもよい。例えば、プロセッサ701は、ASIC、PLD、及び、FPGAの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
[動作例]
次に、図9の信号シーケンス図を参照して、送信機10と受信機30との間、及び、受信機30と判定機50との間の信号の送信又は受信に着目した動作例について説明する。なお、図9において、送信機10、受信機30、及び、判定機50には、それぞれ、ID#1、ID#2、及び、ID#3が割り当てられている。
図9の上段に例示したように、送信機10は、電源ONに応じて、例えば、周期的(又は、間欠的)に信号(例えば、ビーコン信号)を送信する。非限定的な一例として、図9において信号の送信周期は、0.5秒(s)である。ビーコン信号は、例えば、信号生成部131(図6参照)によって生成される。
ビーコン信号には、例示的に、同期タイミングを示す情報(以下「同期情報」と略称することがある)と、ビーコン信号の送信元(送信機10)を識別するための情報(例えば、送信元ID#1)と、が含められてよい。
ビーコン信号の送信周期(以下「ビーコン周期」と略称することがある)が短いほど、例えば、電波遮蔽量に基づく体動判定に利用可能な1周期あたりの情報量が増加するため、体動判定の精度向上が見込める。その一方で、ビーコン周期が短いほど、1周期あたりのビーコン信号の送信頻度が増加するため、送信機10の消費電力は増加する。このように、両者はトレードオフの関係にあるため、送信機10のビーコン周期は、求められる体動判定の精度と消費電力とのバランスによって設定されてよい。
一方、受信機30は、電源ONに応じて、送信機10の送信電波を所定のサーチ期間SP1にわたってサーチする。サーチ期間SP1において、送信機10が送信したビーコン信号の受信が検出された場合、受信機30(例えば、無線制御部323)は、同期情報に基づいて、その後のビーコン信号の受信タイミングをビーコン周期に同期させる。この受信タイミングの同期によって、受信機30は、図9の中段下側に例示したように、送信機10が周期的に送信したビーコン信号をビーコン周期に同期したタイミングに従って受信できる。
また、受信機30(例えば、無線制御部323)は、サーチ期間SP1において受信したビーコン信号の同期情報に基づいて、判定機50に中継送信する信号の送信タイミングをビーコン周期に同期させる。この送信タイミングの同期によって、受信機30は、図9の中段上側に例示したように、ビーコン周期に同期したタイミングに従って判定機50に対する信号送信を行う。
なお、受信機30が判定機50宛に送信する信号は、例えば、信号生成部331(図6参照)によって生成される。信号生成部331は、例示的に、送信元(受信機30)を識別するための情報(例えば、送信元ID#2)と、信号取得部332によって得られた、送信機10からのビーコン信号の受信レベル情報(例えば、RSSI)と、を判定機50宛に送信する信号に含めてよい。また、この信号には、ビーコン周期に同期したタイミングを示す同期情報が含められてよい。
これらの情報が判定機50宛の信号に含められることで、後述するように健康支援システム1に、送信機10と受信機30とのペアが複数設けられた場合でも、個々のペアにおけるビーコン信号の受信レベル情報を判定機50において識別できる。別言すると、判定機50は、送信機10及び受信機30の複数のペアに共用できる。
次に、判定機50の受信動作に着目すると、図9の下段に例示したように、判定機50は、電源ONに応じて、受信機30の送信電波を所定のサーチ期間SP2にわたってサーチする。なお、判定機50でのサーチ期間SP2の時間長は、受信機30でのサーチ期間SP1の時間長と同じでもよいし異なっていてもよい。
サーチ期間SP2において、受信機30が判定機50宛に送信した信号の受信が検出された場合、判定機50(例えば、無線制御部523)は、受信した信号に含まれる同期情報に基づいて、その後の信号の受信タイミングを受信機30の送信タイミングに同期させる。この受信タイミングの同期によって、判定機50は、受信機30による中継送信周期に同期したタイミングに従って受信機30から信号を受信できる。
[体動判定の一例]
次に、図10及び図11を参照して、図9を用いて説明した信号シーケンスの一例において、判定機50(例えば、体動判定部531)による体動判定の一例について説明する。以下では、便宜的に、モニタターゲット200が「被介護者」であり、判定機50及び情報処理装置70のユーザが、被介護者を介護する「介護人」であるケースについて説明する。
判定機50は、例えば、受信機30での受信レベル情報(例えば、RSSI)が信号取得部532から入力(S11)される毎に、図10のフローチャートを繰り返し実行する。
RSSIの入力に応じて、体動判定部531は、例えば、RSSIの変動の大きさ(別言すると、変動量)を判定する(S12)。S12での判定を便宜的に「変動判定」と表記することがある。変動判定は、非限定的な一例として、RSSIの変動の大きさが「大」、「中」、及び、「小」の3段階の何れの条件を満たすかを判定することによって行われてよい。3段階の条件は、例えば、2つの閾値によって設定されてよい。閾値は、例えば、メモリ533に記憶されることによって設定されてよい。
S12での変動判定の結果、RSSIの変動の大きさが小さいと判定された場合(S12;「小」)、体動判定部531は、例えば、RSSIのレベルを更に判定する(S13)。S13での判定を便宜的に「レベル判定」と表記することがある。
なお、RSSIの変動の大きさが「小さい」と判定されるケースには、RSSIの変動が実質的に「無い」と判定してもよいケースが含まれてもよい。また、S13でのレベル判定は、非限定的な一例として、RSSIのレベルが「高い」及び「低い」の2段階の何れの条件を満たすかを判定することによって行われてよい。このような2段階の条件は、例えば、1つの閾値によって設定されてよい。閾値は、例えば、メモリ533に記憶されることによって設定されてよい。
S13でのレベル判定の結果、RSSIのレベルが「高い」と判定された場合(S13;「高」)、体動判定部531は、例えば、RSSIのレベルが「高い」と判定される状態が継続(又は持続)する時間を更に判定する(S14)。S14での判定を便宜的に「継続時間判定」と表記することがある(後述するS16、S18、及び、S21についても同様である)。
S14での継続時間判定は、非限定的な一例として、継続時間が「長い」及び「短い」の2段階の何れかの条件を満たすかを判定することによって行われてよい(後述するS16、S18、及び、S21についても同様である)。このような2段階の条件は、例えば、1つの閾値によって設定されてよい。閾値は、例えば、メモリ533に記憶されることによって設定されてよい。
S14での継続時間判定の結果、RSSIのレベルが「高い」状態の継続時間が「長い」と判定された場合(S14:「長」)、体動判定部531は、例えば、被介護者200が「仰臥位(仰向け)」又は「伏臥位(うつ伏せ)」の状態(図4(A)参照)で「就寝中」であると判定する(S15)。なお、「就寝中」との用語には、「睡眠中」である状態と、「睡眠中」ではないが「寝床に就いている状態」と、が含まれてよい。S15での判定結果は、例えば図11の期間T1において受信機30で検出されたRSSIに基づいて得られた判定結果に相当する。
S14での継続時間判定の結果、RSSIのレベルが「高い」状態の継続時間が「短い」と判定された場合(S14:「短」)、体動判定部531は、処理をS11以降に戻してよい。
S13でのレベル判定の結果、RSSIのレベルが「低い」と判定された場合(S13;「低」)、体動判定部531は、例えば、RSSIのレベルが「低い」と判定される状態が継続(又は持続)する時間を更に判定する(S16)。
S16での継続時間判定の結果、RSSIのレベルが「低い」状態の継続時間が「長い」と判定された場合(S16:「長」)、体動判定部531は、例えば、被介護者200が「側臥位(横向き)」の状態(図4(B)参照)で「就寝中」であると判定する(S17)。S17での判定結果は、例えば図11の期間T3において受信機30で検出されたRSSIに基づいて得られた判定結果に相当する。
S16での継続時間判定の結果、RSSIのレベルが「低い」状態の継続時間が「短い」と判定された場合(S16:「短」)、体動判定部531は、処理をS11以降に戻してよい。
一方、S12での変動判定において、RSSIの変動の大きさが「中」程度であると判定された場合(S12;「中」)、体動判定部531は、例えば、その大きさの変動の継続時間を更に判定する(S18)。
「中」程度の変動の大きさの継続時間が「短い」と判定された場合(S18;「短」)、体動判定部531は、例えば、被介護者200が「寝返り」を行ったと判定する(S19)。この判定結果は、例えば図11の期間T2、T4、T5、及び、T6において受信機30で検出されたRSSIに基づいて得られた判定結果に相当する。
一方、「中」程度の変動の大きさの継続時間が「長い」と判定された場合(S18;「長」)、体動判定部531は、例えば、被介護者200が「起きかけ」の状態、別言すると、「起き上がり」の予兆を示す体動であると判定する(S20)。
この判定に応じて、判定機50(例えば、制御部503)は、音声出力器506からアラーム音を出力してよい。なお、S20での判定結果は、例えば図11の期間T7において受信機30で検出されたRSSIに基づいて得られた判定結果に相当する。
また、S12での変動判定において、RSSIの変動の大きさが「大きい」と判定された場合(S12;「大」)、体動判定部531は、例えば、その大きさの変動の継続時間を更に判定する(S21)。
「大きい」変動の継続時間が「長い」と判定された場合(S21;「長」)、体動判定部531は、例えば、被介護者200が「起き上がった」と判定する(S22)。この判定に応じて、判定機50(例えば、制御部503)は、音声出力器506からアラーム音を出力してよい。S22での判定結果は、例えば図11の期間T8において受信機30で検出されたRSSIに基づいて得られた判定結果に相当する。
なお、「起きかけ」の状態が検知された場合のアラーム音と、「起き上がった」状態が検知されたアラーム音とは、同じでもよいし異なってもよい。「起きかけ」の状態が検知された場合は、その後に「起き上がった」状態が検知される場合よりも対応の「緊急度」が高いと考えることもできる。
したがって、「起きかけ」の状態が検知された場合のアラーム音は、例えば、「起き上がった」状態が検知された場合のアラーム音よりも音量又は音色の点で「緊急度」が高いことを示すアラーム音に設定されてよい。
S21での継続時間判定の結果、「大きい」変動の継続時間が「短い」と判定された場合(S21;「短」)、体動判定部531は、処理をS11以降に戻してよい。
なお、RSSIの変動が、例えば、被介護者200の通常の睡眠時間を超える時間継続した場合は、被介護者200に何らかの健康上の問題が発生している可能性がある。そのため、判定機50(例えば、制御部503)は、例えば、被介護者200の状態確認を介護人に促すために、音声出力器506からアラーム音を出力してよい。
以上のように、判定機50は、受信機30で検出されたRSSI(例えば、変動量、レベル、及び、変動の継続時間)に基づいて、被介護者200の体動を判定するので、被介護者200の就寝中の状態(例えば、姿勢)を非接触で検知できる。
被介護者200の就寝中の状態を非接触で検知できるため、被介護者200にセンサを装着しなくてよい。したがって、被介護者200に対してセンサ装着による不快感や不安感を与えずに済むため、被介護者200の状態をモニタするに際して、被介護者200の身体的及び精神的な負担を軽減できる。
また、被介護者200が「起き上がる」前の体動の初動又は予兆を示す「起きかけ」の状態が検知されることによって、判定機50からアラーム音が出力される。したがって、例えば、被介護者200の介護人は、「起き上がり」前の被介護者200の初動又は予兆動作が検知された段階で、被介護者200の排泄行動(例えば、排便)に対して迅速な対応が可能になる。
なお、判定機50は、受信機30からの電波を受信できる範囲内において、被介護者200が位置する部屋と同じ部屋に設置されてもよいし、異なる部屋(例えば、介護人のための待機部屋)に設置されてもよい。
また、判定機50(制御部503)は、図10のフローチャートに示した判定条件と判定結果とをテーブル化し、テーブル引きによって、被介護者200の体動を判定してもよい。テーブルは、例えば、メモリ533に記憶されてよい。
[体動判定結果の出力例]
次に、図11に例示した体動判定結果の出力例について説明する。図11の出力例は、情報処理装置70の出力装置(例えば、ディスプレイ)706における表示例に相当すると捉えてもよい。
図11には、受信機30で検出されたRSSIの時間変動がトレンドグラフ800によって示されている。また、図11において、トレンドグラフ800と関連付けて、期間T1〜T8毎の、被介護者200に関する体動判定条件、及び、体動判定結果(別言すると、被介護者200の状態)の一例が示される。
体動判定条件の非限定的な一例は、既述のとおり、RSSIの変動の大きさ(大中小)、RSSIのレベル(高低)、及び、RSSIの変動又はレベルの継続時間(長短)である。
RSSIのトレンドグラフ800を時間経過に従って観察すると、期間T1では、RSSIが高いレベルかつ小さな変動量で長い時間継続している。そのため、判定機50は、図10のS15にて説明したとおり、被介護者200が、「仰臥位(仰向け)」又は「伏臥位(うつ伏せ)」の状態(図4(A)参照)で「就寝中」であると判定する。
その後の期間T2において、RSSIのトレンドグラフ800は、短い時間で大きな変動量が生じたことを示す。そのため、判定機50は、図10のS19にて説明したとおり、被介護者200が「寝返り」を行ったと判定する。
ここで、期間T2において「寝返り」後にRSSIのレベルが低下、別言すると、被介護者200による電波遮断量が増加している。そのため、判定機50は、「寝返り」の種類が、「仰向け」又は「うつ伏せ」から「横向き」への「寝返り」であると判定してもよい。
更にその後の期間T3において、RSSIのトレンドグラフ800は、低いレベルかつ小さな変動量が長い時間継続することを示す。そのため、判定機50は、図10のS17にて説明したとおり、被介護者200が「横向き」の状態で就寝中であると判定する。
期間T3の後の期間T4において、RSSIのトレンドグラフ800は、再び、短い時間で大きな変動量が生じたことを示す。そのため、判定機50は、図10のS19にて説明したとおり、被介護者200が「寝返り」を行ったと判定する。
ここで、期間T4において「寝返り」後にRSSIのレベルが増加、別言すると、被介護者200による電波遮断量が減少している。そのため、判定機50は、「寝返り」の種類が、「横向き」から「仰向け」又は「うつ伏せ」への「寝返り」であると判定してもよい。
期間T4の後の期間T5及びT6のそれぞれにおいて、RSSIのトレンドグラフ800は、「中」程度の変動量が短い時間継続することを示す。そのため、判定機50は、図10のS19にて説明したとおり、被介護者200が「寝返り」を行ったと判定する。
ここで、期間T5において「寝返り」後にRSSIのレベルが低下、別言すると、被介護者200による電波遮断量が増加している。そのため、判定機50は、期間T2において検知された「寝返り」と同様に、「寝返り」の種類が、「仰向け」又は「うつ伏せ」から「横向き」への「寝返り」であると判定してもよい。
また、期間T6において「寝返り」後にRSSIのレベルが増加、別言すると、被介護者200による電波遮断量が減少している。そのため、判定機50は、期間T4において検知された「寝返り」と同様に、「寝返り」の種類が、「横向き」から「仰向け」又は「うつ伏せ」への「寝返り」であると判定してもよい。
期間T6の後の期間T7において、RSSIのトレンドグラフ800は、「中」程度の変動量が短い時間継続することを示す。そのため、判定機50は、図10のS20にて説明したとおり、被介護者200が「起きかけ」の状態であると判定する。
期間T7の後の期間T8において、RSSIのトレンドグラフ800は、「中」程度の変動量が長い時間継続することを示す。そのため、判定機50は、図10のS22にて説明したとおり、被介護者200が「起きかけ」の状態から「起き上がった」と判定する。
なお、以上の判定処理の一部又は全部は、既述のとおり、情報処理装置70において実行されてもよい。
情報処理装置70は、判定結果における被介護者200の「寝返り」の周期に基づいて、被介護者200の睡眠状態を判定してもよい。
例えば、情報処理装置70は、期間T2及びT4における「寝返り」の周期t1と、期間T5及びT6における「寝返り」の周期t2と、を比較することで、被介護者200の睡眠状態が良好であるか不良であるかを判定してよい。
例えば、「寝返り」の周期t1が被介護者200の通常又は正常な「寝返り」の周期(基準周期)に相当する場合、「寝返り」の周期t2が基準周期t1よりも短い、すなわち「寝返り」の頻度が多いため、被介護者200の睡眠状態が不良であると判定してよい。
情報処理装置70(例えば、プロセッサ701)は、以上のような各種の判定結果(別言すると、被介護者200の状態を示す情報)を、図11に例示したように、トレンドグラフ800に関連付けてディスプレイ706にリアルタイムに表示してよい。なお、情報処理装置70は、被介護者200が位置する部屋と同じ部屋に設置されてもよいし、異なる部屋(例えば、介護人のための待機部屋)に設置されてもよい。
被介護者200の介護人は、ディスプレイ706に表示される情報を監視することで、例えば、被介護者200の「見守り」、「見回り」、及び、被介護者200の排泄行動(例えば、排便)に対応するための「かけつけ」を適切に実施できる。
例えば、介護人は、トレンドグラフ800に関連付けられた期間T1〜T4での判定結果を見ることで、被介護者200が異常なく睡眠していることを認識できるため、被介護者200の「見守り」を継続する。なお、期間T1〜T4の一部又は全部においてディスプレイ706に表示される情報は、例えば、「青色」を基調とした表示色によって表示されてよい。「青」を基調とした表示色によって、被介護者200に異常が生じていないことを直感的、視覚的に介護者に覚知させることができる。
また、期間T5及びT6において被介護者200の「寝返り」の周期が短いため睡眠状態が不良であると判定された場合、情報処理装置70は、例えば、被介護者200の介護人に、被介護者200の「見回り」を促す情報をディスプレイ706に表示してよい。
なお、被介護者200の睡眠状態が不良であることの原因の一例としては、被介護者200の体調不良、あるいは、室温が不適切であるため「寝苦しい」といった室内環境の不適応が考えられる。
そのため、情報処理装置70は、例えば、「見回り」を促す情報に、被介護者200の体調確認や被介護者200が位置する部屋の空調(温度)確認を促す情報を含めてもよいし関連付けてもよい。「見回り」を促す情報は、ディスプレイ706において強調表示(表示色の変更や点滅等)されてもよい。例えば、「黄色」を基調とした表示色によって「見回り」を促す情報がディスプレイ706に表示されてよい。「黄色」を基調とした表示色によって、介護者に注意喚起を直感的、視覚的に促すことができる。また、「見回り」を促す情報の表示に際して、情報処理装置70は、アラーム音をスピーカから出力してもよい。これにより、介護人に対して、視覚的及び聴覚的に、被介護者200の「見回り」の必要性を覚知させることができる。
また、期間T7において被介護者200が「起きかけ」の状態であることが検知された場合、情報処理装置70は、例えば、被介護者200の元への「かけつけ」を促す情報をディスプレイ706に表示してよい。
「かけつけ」を促す情報には、被介護者200の排泄行動(例えば、排便)に対応することを促す情報が含められてもよいし関連付けられてもよい。また、「かけつけ」を促す情報は、ディスプレイ706において強調表示(表示色の変更や点滅等)されてもよい。例えば、「赤色」又は「オレンジ色」を基調とした表示色によって「かけつけ」を促す情報がディスプレイ706に表示されてよい。「赤色」又は「オレンジ色」を基調とした表示色によって、介護者に迅速な対応を直感的、視覚的に促すことができる。
また、「かけつけ」を促す情報の表示に際して、情報処理装置70は、アラーム音をスピーカから出力してもよい。このアラーム音は、「見回り」を促す情報の表示と併せて出力されるアラーム音よりも音量又は音色の点で「緊急度」が高いことを示すアラーム音に設定されてよい。これにより、介護人に対して、視覚的及び聴覚的に、被介護者200の元への「かけつけ」の必要性及び緊急性を覚知させることができる。
したがって、介護人による被介護者200の元への迅速な「かけつけ」を支援できる。介護人による迅速な「かけつけ」が可能になることによって、例えば、被介護者200の排泄行為(例えば、排便)に対するサポートの成功率を向上できる。
被介護者200の排泄行為(例えば、排便)に対するサポートの成功率が向上することで、「かけつけ」が間に合わなかった場合の汚物処理や、被介護者200の着衣の交換、ベッドや部屋の清掃といった作業負担(別言すると、介護負担)を軽減できる。
以上のように、上述した健康支援システム1によれば、電波ロープの人の動きに応じた電波レベル変動に基づいて、人の動きを判定し、判定した動きに応じた情報、例えば、人の介護を含む健康に関する支援情報を提供できる。したがって、人に対する的確で効率的な健康支援を実現できる。なお、「人の動きを判定」することには、「人の動きの態様」(又は、人の姿勢)を判定」することが含まれてよいし、「人の就寝時の動きを判定」すること、あるいは、「人の就寝時の動きの態様を判定」することが含まれてもよい。
[介護(健康)支援予測]
情報処理装置70は、例えば、判定機50から受信された情報(例えば、受信機30での電波の受信レベル測定値、あるいは受信レベル測定値に基づく判定結果)を、ログデータとして時系列にストレージ703に記憶(蓄積)してよい。
情報処理装置70は、被介護者200の体動に応じて変化する受信レベル測定値の大きさ、変動量、安定時間、変動時間、及び、変動周期の少なくとも1つに関するログデータを分析することで、例えば、被介護者200の体動の特徴又は特性を把握できる。
例えば、被介護者200は、手から動くことが多い、足がよく動く、頭から動くことが多い、あるいは、動きの幅が大きいといった、被介護者200に特徴的な体動の傾向(以下、便宜的に「体動特性」と称することがある)を特定できる。
また、情報処理装置70は、例えば、被介護者200の健康時と不調時との間の体動特性(例えば、変動周期)の差異を基に、被介護者200の健康状態(睡眠状態が含まれてよい)を推定又は予測できる。
更に、情報処理装置70は、ログデータの分析によって、例えば、被介護者200が就寝時に排泄のために起き上がる時間帯を予測できる。
情報処理装置70は、例えば、以上のようなログデータを用いた分析、推定又は予測の結果を被介護者200の介護人に視覚化して提示(例えば、ディスプレイ706に表示)する。被介護者200個人の体動特性に応じたきめ細かなケア又は介護支援が可能になる。
別言すると、情報処理装置70は、被介護者200の体動に応じて変化する電波の大きさ、変動量、安定時間、変動時間、及び、変動周期の少なくとも1つに関する情報に基づいて、人体200の健康又は介護に関する支援情報を提供する。
なお、視覚化による情報の提示には、情報をグラフやチャートによって表すことが含まれてよい。例えば、上述した受信レベル測定値の大きさ、変動量、安定時間、変動時間、及び、変動周期をレーダーチャートによって表すことで、異なる被介護者200の体動特性の比較が容易になる。
また、被介護者200の体動特性に関する情報は、送信機10及び受信機30の配置関係の設定又は調整に利用されてもよい。例えば、手から動くことが多い、足がよく動く、頭から動くことが多い、あるいは、動きの幅が大きいといった体動特性に基づいて、送信機10の電波照射範囲や角度が設定又は調整されてよい。このような設定又は調整によって、受信機30での受信レベル変動の検出感度を向上できる。
また、上述した推定又は予測には、人工知能(artificial intelligence, AI)が用いられてもよい。
[比較例]
次に、上述した電波ロープを用いた体動検出の効果について、幾つかの比較例(センサマット、赤外線センサ、排尿センサ)との対比で説明する。
表1には、被介護者に対する即応性、人体負担、及び、得られる情報量の観点から、電波ロープと各種センサとを対比した効果の一例が示されている。
[センサマット]
センサマットは、例えば、被介護者が利用するベッドの脇の床(被介護者がベッドを上り下りする際に踏み付けられるであろう場所)に設置されるケース#1と、ベッドマット上に設置されるケース#2とが考えられる。
床設置のケース#1については、被介護者にセンサ類は取り付けられないため、人体負担の観点では有利である。しかし、被介護者がベッドから下りた(別言すると、離床した)ことがセンサマットによって検知されてから、介護人が被介護者の元にかけつけても、排泄行動に対する対応が間に合わないことが多い。また、被介護者がベッドから下りたか否か(検知有無)の情報しか得られない。また、センサマットを避けてベッドから下りようとする被介護者も存在する。そのため、センサマットの設置が意味をなさないこともある。また、被介護者がセンサマットを避けようとして転倒してしまうおそれもある。
これに対し、ベッドマット設置のケース#2では、ベッド上で被介護者が起き上がったことを検知できるため、ケース#1に比して即応性については改善される。しかし、被介護者は、ベッドマット上においてセンサマットの異物感を受けるため、人体負担の観点では有効とは云えない。得られる情報量については、ケース#1と同じく、検知有無の情報しか得られない。
[赤外線センサ]
次に、赤外線センサを用いた被介護者の動きの検出について説明する。赤外線センサは、例えば図12に示すように、ベッド脇のベッド長手方向に赤外線による仮想的な壁が形成されるように配置されることがある。被介護者が、ベッドから下りる際に赤外線の壁に触れることで、被介護者の行動(例えば、排泄のための離床行動)を検知できる。
被介護者の離床行動を非接触で検知できるため、被介護者の人体負担の観点では有効と云えるが、センサマットをベッド脇の床に設置するケース#1と同じく、離床検知後に被介護者の元に介護人がかけつけても、排泄行動に対する対応が間に合わないことが多い。また、得られる情報量についても、検知有無の情報しか得られない。
[排尿センサ]
排尿センサは、例えば、人体の膀胱近傍の皮膚に装着されて、膀胱の膨らみを検知することで、排尿のタイミングを予測できる。したがって、排尿に対する即応性については有利であるが、接触式であるため、被介護者に不快感を与えてしまう。また、得られる情報量については、排尿に関する情報しか得られず排便に関する情報は得られない。したがって、被介護者の排便行動に対してはそもそも対応できない。
[電波ロープセンサ]
以上の各種センサに比して、上述した実施形態に係る電波ロープセンサでは、被介護者200の排便行動の初動(起きかけ)を非接触で検知できるため、即応性及び人体負担の観点で有利である。また、電波の時間変動及び変動量といった情報を基に被介護者200毎の体動特性を特定したり、体調変化といった健康状態を推定又は予測したりすることが可能であるため、得られる情報量の観点でも有利である。
[第1変形例(オプション1)]
上述した第1実施形態においては、送信機10と受信機30とのペアが1つであるケースについて説明したが、送信機10と受信機30とのペアは複数であってもよい。例えば、複数の被介護者200のそれぞれに対して、送信機10及び受信機30とのペアが図2〜図4にて説明した態様で設置されてよい。複数ペアの送信機10及び受信機30に対して、判定機50は共用でよい。
別言すると、健康支援システム1は、送信機10と受信機30との複数のペアによって、複数の被介護者200の状態を監視してよい。このような監視態様は、便宜的に、「複数台監視」と称されてよい。「複数台監視」の対比で、上述したように送信機10と受信機30との1つのペアによって1人の被介護者200の状態を監視する態様は、便宜的に、「1台監視」と称されてもよい。
図13に、送信機10と受信機30とのペアが複数存在する場合の信号シーケンスの一例を示す。図13において、送信機10(#1−1)には、ID「#1−1」が割り当てられ、送信機10(#2−1)には、ID「#2−1」が割り当てられている。
また、送信機10(#1−1)とペアを成す受信機30(#1−2)には、ID#1−2が割り当てられ、送信機10(#2−1)とペアを成す受信機30(#2−2)には、ID#2−2が割り当てられている。
送信機10(#1−1)は、送信元IDにID「#1−1」を設定したビーコン信号(便宜的に「ビーコン信号#1−1」と表記することがある)を周期的に送信する。同様に、送信機10(#2−1)は、送信元IDにID「#2−1」を設定したビーコン信号(便宜的に「ビーコン信号#2−1」を周期的に送信する。非限定的な一例として、図13においてビーコン信号の送信周期は、いずれも0.5秒(s)である。
受信機30(#1−2)は、電源ONに応じて、送信機10(#1−1)の送信電波を所定のサーチ期間SP1−1にわたってサーチする。サーチ期間SP1−1において、送信機10(#1−1)が送信したビーコン信号#1−1の受信が検出された場合、受信機30(#1−2)は、同期情報に基づいて、その後のビーコン信号#1−1の受信タイミングをビーコン周期に同期させる。この受信タイミングの同期によって、受信機30(#1−2)は、送信機10(#1−1)が周期的に送信したビーコン信号#1−1をビーコン周期に同期したタイミングに従って受信できる。
また、受信機30(#1−2)は、サーチ期間SP1−1において受信したビーコン信号の同期情報に基づいて、判定機50に送信する信号の送信タイミングをビーコン周期に同期させる。この送信タイミングの同期によって、受信機30(#1−2)は、ビーコン周期に同期したタイミングに従って判定機50に対する信号送信を行う。
受信機30(#1−2)は、送信元ID#1−2と、ビーコン信号#1−1の受信レベル情報(例えば、RSSI#1−1)と、を判定機50宛に送信する信号に含める。同様に、受信機30(#2−2)は、送信元ID#2−2と、ビーコン信号#2−1の受信レベル情報(例えば、RSSI#2−1)と、を判定機50宛に送信する信号に含める。
他の送信機10及び受信機30のペアについても、上記と同様にしてタイミング同期が確立される。
例えば、受信機30(#2−2)は、電源ONに応じて、送信機10(#2−1)の送信電波を所定のサーチ期間SP2−1にわたってサーチする。サーチ期間SP2−1において、送信機10(#2−1)が送信したビーコン信号#2−1の受信が検出された場合、受信機30(#2−2)は、同期情報に基づいて、その後のビーコン信号#2−1の受信タイミングをビーコン周期に同期させる。この受信タイミングの同期によって、受信機30(#2−2)は、送信機10(#2−1)が周期的に送信したビーコン信号#2−1をビーコン周期に同期したタイミングに従って受信できる。
また、受信機30(#2−2)は、サーチ期間SP1−2において受信したビーコン信号の同期情報に基づいて、判定機50に送信する信号の送信タイミングをビーコン周期に同期させる。この送信タイミングの同期によって、受信機30(#2−2)は、ビーコン周期に同期したタイミングに従って判定機50に対する信号送信を行う。
なお、各受信機30のサーチ期間の時間長は、同じでもよいし全部又は一部が異なっていてもよい。
複数の受信機30からは判定機50宛の信号が受信機30間で非同期に送信されるため、判定機50は、図9の例とは異なり、例えば、電源ON後に、各受信機30が非同期に送信した信号のそれぞれを受信するために、連続受信状態となる。
判定機50は、例えば、各受信機30から受信した信号に含まれる送信元IDを基に、個々のペアにおけるビーコン信号の受信レベル情報を識別する。したがって、判定機50は、送信機10及び受信機30の複数のペア毎に、別言すると、複数の被介護者200毎に、第1実施形態にて説明した動作(例えば、体動判定)が可能である。
また、判定機50が情報処理装置70へ送信する情報についても、例えば、判定機50において、各受信機30から受信した信号に含まれる送信元IDを設定することで、情報処理装置70において、被介護者200毎に、第1実施形態にて説明した動作が可能となる。
判定機50を複数ペアの送信機10及び受信機30に共用できるため、複数の被介護者200のそれぞれに送信機10及び受信機30のペアを設置する場合のコストを低減できる。なお、「複数台監視」においては、例えば、図5及び/又は図7に例示した情報が、情報処理装置70のディスプレイ706において、被介護者200の別に区分された表示領域に表示されてよい。また、被介護者200の別に区分された表示領域毎に、既述の強調表示が行われてもよい。これらの表示態様は、後述する第2実施形態に適用されてもよい。
[第2変形例(オプション2)]
図14に示すように、送信機10及び受信機30が、屋内空間に設置される場合、受信機30には、送信機10が送信した無線電波の直接波の他に、壁や天井、床で反射した反射波が到達する。
そのため、受信機30で検出される受信レベル測定値は、反射波の電波強度に応じて変動し得る。別言すると、受信機30で検出される受信レベル測定値は、屋内空間におけるマルチパスフェージングによって変動し得る。
図3及び図4にて説明したような人体200による電波遮断量に基づく体動判定において、フレネルゾーン600外から到来する反射波によって受信レベル測定値が変動すると、体動判定精度が低下する。その結果、期待される体動判定精度を維持又は向上するために、送信機10及び受信機30の設置条件が制約され得る。
そこで、例えば、送信機10のアンテナ101及び受信機30のアンテナ301に、円偏波アンテナを適用する。送信機10の円偏波アンテナ101から送信された円偏波の電波は、奇数次の反射によって円偏波の旋回方向が逆方向になる。
したがって、奇数次の反射波は、受信機30の円偏波アンテナ301において受信されないか受信が抑制される。ここで、反射波の電波強度は、反射が繰り返されるほど減衰するため、奇数次の反射波の中でも、第1(1次)反射波の電波強度が最も強い。
よって、受信機30での反射波に起因した受信レベル測定値の変動は、1次反射波による影響が支配的であると云える。したがって、アンテナ101及びアンテナ301に円偏波アンテナを適用することで、少なくとも1次反射波が受信機30において受信されることを阻害でき、1次反射波に起因した受信レベル測定値の変動を抑えることができる。
1次反射波に起因した受信レベル測定値の変動が抑えられることで、体動判定の精度を向上又は安定化できる。体動判定の精度が向上又は安定化することで、情報処理装置70による既述の推定又は予測の確度も向上又は安定化できる。また、送信機10及び受信機30の屋内空間における設置条件を緩和できるため、送信機10及び受信機30の屋内空間における設置場所の自由度を高めることができる。
なお、偶数次の反射波における円偏波の旋回方向は、直接波の円偏波の旋回方向と同一であるため、受信機30のアンテナ301において受信される。しかし、偶数次数の反射波は少なくとも2回以上の反射が繰り返されているため、受信機30で観測される電波強度は、1次反射波の電波強度に比して大きく減衰している。したがって、偶数次の反射波の電波強度は、受信機30での受信レベル測定値に実質的な変動を与えないと扱ってよい。
また、屋内空間が狭いほど、高い電波強度の1次反射波が受信機30に到達し易いため、狭い屋内空間ほど円偏波アンテナの適用による有効性が大きいと云える。例えば、狭い屋内空間において送信機10及び受信機30の設置場所の自由度を向上できることは有利である。
なお、反射波に起因した直接波の変動を抑制する手法としては、上述した円偏波アンテナを用いる手法の他に、電波の伝搬距離設定による手法や既述の指向性アンテナを用いる手法が挙げられる。これらの手法は、上述した円偏波アンテナを用いる手法と組み合わせて実施されてもよい。
伝搬距離設定による手法では、例えば、直接波に対して反射波の電波強度が十分に小さくなる距離関係で、送信機10及び受信機30を設置する。例えば、直接波と反射波との経路長差が3倍以上となるように送信機10及び受信機30が設置されることで、受信機30に到来する反射波の電波強度を−10dB程度抑えることができる。
送信機10(アンテナ101)及び受信機30(アンテナ301)に指向性アンテナを用いる手法は、直接波と反射波との経路長差が十分に確保できないケースに有効である。そのようなケースの一例としては、屋内の壁に近い場所に送信機10及び受信機30を設置せざるを得ないようなケースが挙げられる。
なお、上述した第2変形例は、第1変形例と組み合わせて実施されてもよい。
(第2実施形態)
[システム構成例]
図15は、第2実施形態に係る健康支援システムの構成例を示す図である。図15に示す健康支援システム1は、第1実施形態に比して、受信機30に代えて第1無線機30A及び第2無線機30Bを備える点が異なる。
第1無線機30Aは、送信機10からの無線電波を受信する受信機に相当する。第2無線機30Bは、第1無線機30Aと例えば有線ケーブル35によって接続されて、第1無線機30Aから有線ケーブル35を介して受信した情報を判定機50へ無線によって送信する送信機に相当する。有線ケーブル35は、非限定的な一例として、シリアル通信ケーブルであってよい。
第2無線機30Bが、判定機50へ送信する情報は、例えば、第1無線機30Aにおいて第1実施形態と同様の測定によって得られた受信レベル測定値である。
別言すると、第2実施形態では、第1実施形態において受信機30が兼用する、送信機30に対する受信機能と判定機50に対する送信機能とが、個別の無線機30A及び30Bを用いて具現される。
第1実施形態のように受信機30において受信機能と送信機能とを無線で共用化(アンテナ301も送受信に共用化)した場合、例えば、受信機30での受信レベル測定値の変動検知性能と、判定機50への情報伝送性能と、の両立が難しい場合がある。
そこで、第2実施形態では、受信機30での受信レベル測定値の変動検知と判定機50への情報伝送とをそれぞれ個別の無線機30A及び30B(アンテナも送受信に個別化)にて処理することで、例えば、受信レベル測定値の変動検知性能と、判定機50への情報伝送性能と、の両立を図る。
例えば、第2無線機30Bから判定機50に対する送信電波の周波数に、送信機10から第1無線機30Aへ送信される電波の周波数(例えば、BLEの2.4GHz帯)よりも低い周波数(例えば、920MHz帯)を適用する。
このような周波数設定によって、第1無線機30Aでの受信レベル測定値の変動検知性能を低下させずに、第2無線機30Bによる判定機50への情報伝送性能を高めることができる。例えば、第1実施形態に比して、同じ送信電力でも第2無線機30Bと判定機50との間の無線伝送距離を拡大できる。
したがって、人体200に対して設置された送信機10及び第1無線機(受信機)30Aのペアから、第1実施形態よりも離れた場所に、判定機50を設置することが許容される。よって、判定機50の設置場所に関して自由度を向上できる。例えば、被介護者200が位置する部屋から離れた部屋に判定機50を設置することが許容されるため、健康支援システム1の実用性を向上できる。
なお、第2無線機30Bと判定機50との間に求められる無線伝送距離が第1実施形態と変わらない場合、第2無線機30Bを用いることで、判定機50での信号受信品質を高めることができる。
また、第2実施形態では、受信機30Aと中継機30Bとが個別の無線機によって構成されるため、例えば、中継機30Bを送信機10及び受信機30Aの設置場所から離れた場所に設置できる。したがって、中継機30Bの設置場所に関しても自由度を高めることができる。
なお、第2実施形態においては、例えば、送信機10と第1無線機30Aとが、「電波センサ装置」に相当する、と捉えてよい。
[第1無線機及び第2無線機の構成例]
図16に、第2実施形態に係る第1無線機30A及び第2無線機30Bの構成例を示す。図16に例示した第1無線機30Aの構成は、図6に例示した受信機30の構成に比して、シリアル通信部305を備える点が異なる。
また、第2無線機30Bは、第1無線機30Aと同等の構成を有してよい。例えば、第2無線機30Bは、アンテナ401、無線部402、制御部403、及び、シリアル通信部404を備えてよい。第1無線機30Aのシリアル通信部305と、第2無線機30Bのシリアル通信部404と、が有線ケーブル35によって接続されてよい。
なお、電源304は、第1無線機30A及び第2無線機30Bに共用でよい。また、第2実施形態において、送信機10、判定機50、及び、情報処理装置70の構成例は、それぞれ、第1実施形態と同様でよい。
第2無線機30Bのアンテナ401及び無線部402は、判定機50に対する無線信号の送信処理を行う点で、第1無線機30Aのアンテナ301及び無線部302とは機能が相違するが、構成要素としては無線部302の構成要素と同等であってよい。
また、第2無線機30Bの制御部403は、第1無線機30Aから有線ケーブル35を介した信号の受信制御と、判定機50に対する信号の送信制御と、を行う点で、第1無線機30Aの制御部303と機能が相違するが、構成要素としては制御部303の構成要素と同等であってよい。
例えば、無線部402は、送信部421、受信部422、無線制御部423、及び、モード切替スイッチ424を備えてよい。また、制御部403は、例えば、信号生成部431、信号取得部432、及び、メモリ433を備えてよい。なお、受信部422は、第2無線機30Bにおいて機能しなくてよい。別言すると、判定機50に対する送信モードにおいて、受信部422は、無効化あるいはディゼーブルに設定されてよい。
スイッチ424は、送信部421側へ切り替えられて、アンテナ401と送信部421とを電気的に接続する。
送信部421は、例えば、制御部403から入力された判定機50宛の送信信号(例えば、第1無線機30Aでの受信レベル測定値を含む信号)に対して無線送信処理を行う。無線送信処理には、例示的に、変調、増幅、及び、アップコンバート等が含まれてよい。無線送信処理によって得られた無線信号(別言すると、無線電波)は、スイッチ424を通じてアンテナ401から空間へ放射される。
第2無線機30Bが送信する無線電波には、例示的に、送信機10と第1無線機30Bとの間の無線伝送距離よりも長距離の無線伝送が可能な電波、例えば、送信機10と第1無線機30Bとの間の周波数よりも低い周波数の電波が適用されてよい。
無線制御部423は、例えば、送信部421及びスイッチ424の動作を制御する。例えば、無線制御部423は、上述した送信部421による無線送信処理を制御する。また、無線制御部423は、例えば、スイッチ424を送信部421側へ切り替えて、アンテナ401と送信部421とを接続する。
制御部403において、信号取得部432は、例えば、シリアル通信部404を通じて入力された情報(例えば、第1無線機30Aでの受信レベル測定値)を取得する。
信号生成部431は、例えば、判定機50へ送信する信号(例えば、第1無線機30Aでの受信レベル測定値を含む信号)を生成する。
信号生成部431及び信号取得部432は、例示的に、プロセッサによって具現されてよい。「プロセッサ」は、演算能力を備えた回路又はデバイスの一例である。「プロセッサ」には、例えば、CPU、MPU、及び、DSPの少なくとも1つが用いられてよい。プロセッサは、シングルコアプロセッサでもよいしマルチコアプロセッサでもよい。演算能力を備えた回路又はデバイスは、便宜的に「コンピュータ」と称されてもよい。
メモリ433には、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、RAM、及び、RAMの少なくとも1つが用いられてよい。メモリ433は、プロセッサが実行する各種プログラム、および、各種データを記憶する。メモリ433は、プロセッサのワークメモリに用いられてよい。
[動作例]
図17に、送信機10と第1無線機(受信機)30Aとの間、第1無線機(受信機)30Aと第2無線機(中継機)30Bとの間、及び、第2無線機(中継機)30Bと判定機50との間の信号の送信又は受信に着目した信号シーケンスの一例を示す。
図17に例示した信号シーケンスは、図9に例示した信号シーケンスに比して、受信機30Aから中継機30Bへ、有線ケーブル35を介して信号が伝送される点が異なる。なお、受信機30Aと中継機30Bとは、健康支援システム1において1つの無線機と扱われてよいため、例示的に、共通のID(#2)が割り当てられてよい。別言すると、受信機30Aと中継機30Bとの1つのセットに対して1つのIDが割り当てられてよい。
受信機30Aは、送信機10(ID#1)から受信した無線電波(例えば、送信元ID#1のビーコン信号)の受信レベル情報(例えば、RSSI)を信号取得部332にて測定し、測定結果(受信レベル測定値)とID#1とを含む信号を信号生成部331にて生成する。生成した信号は、シリアル通信部305から有線ケーブル35を介して中継機30Bへ送信される。
中継機30Bは、第1送信機30Aからシリアル通信部404を通じて、第1無線機30Aでの受信レベル測定値を含む信号を受信すると、受信した信号を判定機50へ送信(中継送信)する。その際、中継機30Bは、判定機50へ中継送信する信号の送信元IDに、中継機30BのID#2を設定する。
この送信元IDの設定により、判定機50は、中継機30B毎に、別言すると、受信機30A毎に、受信レベル測定値を識別できる。
したがって、第1実施形態の第1変形例(複数台監視)と同様に、健康支援システム1に、送信機10と、受信機30A及び中継機30Bと、のセットが複数設けられた場合でも、個々のセットにおける受信レベル測定値を判定機50において識別できる。別言すると、判定機50は、送信機10と受信機30A及び中継機30Bとの複数のセットに共用できる。
複数のセットにおける信号シーケンスの一例は、例えば図13において、送信機10及び受信機30の複数のペアについての信号シーケンスのそれぞれを、図17に例示した送信機10と受信機30A及び中継機30Bとのセットについての信号シーケンスに置き換えた信号シーケンスに相当する。ただし、個々のセットに割り当てられるIDは異なるため、個々のセットから判定機50へ中継送信される信号には、個々のセットに対応する送信元IDが設定される。
判定機50は、第1実施形態の第1変形例(図13)と同様に、例えば、電源ON後に連続受信状態となり、複数のセットから非同期に中継送信される信号を受信する。
判定機50は、例えば、各セットの中継機30Bから受信した信号に含まれる送信元IDを基に、個々のセットにおける受信レベル測定値を識別する。したがって、判定機50は、複数の被介護者200毎に、第1実施形態にて説明した動作(例えば、体動判定)が可能である。
また、判定機50が情報処理装置70へ送信する情報についても、例えば、判定機50において、各中継機30Bから受信した信号に含まれる送信元IDを設定することで、情報処理装置70において、被介護者200毎に、第1実施形態にて説明した動作が可能となる。
判定機50を、送信機10と受信機30A及び中継機30Bとの複数セットに共用できるため、例えば、受信レベル測定値の変動検知性能と、判定機50への情報伝送性能と、の両立を図りながら、設置コストを低減できる。
なお、上述した第2実施形態において、第1実施形態の第2変形例と同様に、送信機10のアンテナ101及び受信機30Aのアンテナ301には、円偏波アンテナ(及び/又は指向性アンテナ)が適用されてよい。
円偏波アンテナ(及び/又は指向性アンテナ)の適用によって、第1実施形態の第2変形例と同様に、送信機10から送信された無線電波の反射波に起因した、受信機30Aでの受信レベル測定値の変動が抑えられるため、体動判定の精度を向上又は安定化できる。また、送信機10と受信機30Aの屋内空間における設置条件を緩和できるため、送信機10及び受信機30Aの屋内空間における設置場所の自由度を高めることができる。
また、中継機30Bのアンテナ401及び判定機50のアンテナ501に指向性アンテナを適用することで、中継機30Bから判定機50への情報伝送性能を向上又は安定化できる。
なお、上述した各変形例を含む各実施形態において、「健康支援」システム又は機器(又はロボット)は、「介護支援」システム又は機器(又はロボット)、「排泄支援」システム又は機器(又はロボット)、あるいは、「排泄予測」システム又は機器(又はロボット)に読み替えられてもよい。
また、上述した各変形例を含む各実施形態においては、送信機10及び受信機30(又は30A)がベッド脇に設置される例について説明したが、送信機10及び受信機30(又は30A)は、寝室において人が就寝する場所の床面に、図2〜図4にて説明したような人体200に対する配置関係で載置されてもよい。
また、送信機10及び受信機30(又は30A)は、例えば、部屋の出入口に設置されてもよい。部屋の出入口に対する設置によって、例えば、被介護者200や患者といった人の徘徊行動を検知できる。
以上のように、健康支援システム1の活用場面は介護現場に限られず、活用幅は広いと云える。