以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける画像形成システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、画像形成システム1は、遠隔制御装置として機能するMFP100,100A,100Bと、サーバー300と、無線局5と、携帯情報装置200,200A,200Bと、を含む。MFP(Multi Function Peripheral)100,100A,100B、サーバー300および無線局5は、ネットワーク3に接続される。携帯情報装置200,200A,200Bは、無線局5を通して、ネットワーク3に接続される。
ネットワーク3は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。また、ネットワーク3は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
サーバー300は、一般的なコンピューターである。そのハードウェア構成は、周知なのでここでは説明を繰り返さない。
携帯情報装置200,200A,200Bは、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistants)など、ユーザーが携帯して使用するしコンピューターである。携帯情報装置200,200A,200Bのハードウェア構成および機能は同じなので、ここでは特に言及しない限り携帯情報装置200を例に説明する。ここでは、携帯情報装置200を、スマートフォンとしており、無線LAN機能と、通話機能とを備えている。このため、携帯情報装置200は、携帯電話用基地局と無線で通信することにより携帯電話網に接続し、通話が可能である。
本実施の形態における画像形成システム1において、携帯情報装置200,200A,200Bそれぞれは、MFP100,100A,100Bを遠隔操作する。この場合、携帯情報装置200,200A,200Bそれぞれは、MFP100,100A,100Bを遠隔操作する遠隔操作装置として機能し、MFP100,100A,100Bそれぞれは、携帯情報装置200,200A,200Bいずれかによって遠隔操作される遠隔制御装置として機能する。携帯情報装置200,200A,200Bには、MFP100,100A,100Bを遠隔操作するための遠隔操作プログラムがインストールされる。遠隔操作プログラムは、MFP100,100A,100Bに共通し、MFP100,100A,100Bのいずれにも対応可能なアプリケーションプログラムである。一方、MFP100には、携帯情報装置200により遠隔操作され、処理を実行する遠隔制御プログラムがインストールされている。ここでは、携帯情報装置200がMFP100を遠隔操作する場合を例に説明する。
本実施の形態における画像形成システム1において、MFP100,100A,100Bの構成および実行可能な機能がそれぞれ異なるが基本構成は同じである。ここでは、MFP100を例に、MFP100の基本構成を説明する。
図2は、MFPの基本構成の概要を示すブロック図である。図2を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、画像が形成された用紙を処理する後処理部155と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
後処理部155は、画像形成部140により画像が形成された1以上の用紙を並び替えて排紙するソート処理、パンチ穴加工するパンチ処理、ステープル針を打ち込むステープル処理を実行する。
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、CD−ROM(Compact Disk ROM)118が装着される外部記憶装置117と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、後処理部155および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。さらに、RAM114は,設定値記憶領域を含む。設定値記憶領域は、機能を実行するための設定値を記憶する領域である。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる読取データ(画像データ)を一時的に記憶する。
通信I/F部112は、MFP100をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介して、他のMFP100A,2100B、サーバー300または携帯情報装置200,200A,200Bとの間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、ネットワーク3を介してインターネットに接続されたコンピューターと通信が可能である。
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶する、または画像形成部140に出力する。画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
外部記憶装置117は、CD−ROM118が装着される。CPU111は、外部記憶装置117を介してCD−ROM118にアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置117に装着されたCD−ROM118に記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM118に限られず、光ディスク(MO(Magnetic Optical disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)などの半導体メモリであってもよい。
また、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM118に記録されたプログラムに限られず、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワーク3に接続された他のコンピューターが、MFP100のHDD115に記憶されたプログラムを書換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワーク3に接続された他のコンピューターからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD115に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられる。操作パネル160は、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。
操作部163は、タッチパネル165と、ハードキー部167とを含む。タッチパネル165は、表示部161の上面または下面に表示部161に重畳して設けられる。ハードキー部167は、複数のハードキーを含む。ハードキーは、例えば接点スイッチである。タッチパネル165は、表示部161の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。ユーザーがMFP100を操作する場合は直立した姿勢となる場合が多いので、表示部161の表示面、タッチパネル165の操作面およびハードキー部167は、上方を向いて配置される。ユーザーが表示部161の表示面を容易に視認することができ、ユーザーが指で操作部163を容易に指示することができるようにするためである。
図3は、携帯情報装置の構成の概要を示すブロック図である。図3を参照して、本実施の形態における携帯情報装置200は、携帯情報装置200の全体を制御するためのCPU201と、カメラ202と、データを不揮発的に記憶するフラッシュメモリ203と、通話部205と接続された無線通信部204と、情報を表示する表示部206と、ユーザーの操作を受け付ける操作部207と、無線LANI/F208と、加速度センサー210と、外部記憶装置211と、を含む。
表示部206は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部207は、メインキー207Aと、タッチパネル207Bとを備える。また、ユーザーが、表示部206の表示面を指示する場合、操作部207は、タッチパネル207Bにより検出される表示面の位置をCPU201に出力する。CPU201は、タッチパネル207Bによる検出された位置に基づいて、表示部206に表示されている画面中でユーザーにより指示された位置を検出する。CPU201は、表示部206に表示されている画面と、タッチパネル207Bによる検出された位置とに基づいて、ユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。例えば、表示部206にテンキーの画像を含む画面を表示する場合には、タッチパネル207Bによる検出された位置に表示されたキーに対応する数字を受け付ける。
カメラ202は、レンズおよび光電変換素子を備え、レンズで集光した光を光電変換素子に結像し、光電変換素子は受光した光を光電変換して画像データをCPU201に出力する。光電変換素子は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー、CCD(Charge Coupled Device)センサー等である。
無線通信部204は、電話通信網に接続された携帯電話用基地局と無線通信する。無線通信部204は、携帯情報装置200を電話通信網に接続し、通話部205を用いた通話を可能とする。無線通信部204は、携帯電話用基地局から受信した無線信号を復調した音声信号を復号して通話部205に出力する。また、無線通信部204は、通話部205から入力される音声を符号化し、携帯電話用基地局に送信する。通話部205は、マイクおよびスピーカーを備え、無線通信部204から入力される音声をスピーカーから出力し、マイクから入力される音声を無線通信部204に出力する。さらに、無線通信部204は、CPU201により制御され、携帯情報装置200を電子メールサーバーに接続し、電子メールを送受信する。
無線LANI/F208は、無線局5と通信し、携帯情報装置200をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。携帯情報装置200に、サーバー300、MFP100,100A,100BそれぞれのIP(Internet Protocol)アドレスを登録しておくことにより、携帯情報装置200は、サーバー300、MFP100,100A,100Bと通信することができ、データの送受信が可能となる。なお、本実施の形態においては、携帯情報装置200が無線LANI/F208を用いて、サーバー300、MFP100,100A,100Bと通信する場合を例に説明するが、他の通信方法を用いて通信するようにしてもよい。具体的には、携帯情報装置200、サーバー300、MFP100,100A,100Bが、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離無線装置を搭載する場合には、携帯情報装置200が、サーバー300、MFP100,100A,100Bのいずれかと、1対1で通信するようにしてもよい。
フラッシュメモリ203は、CPU201が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。CPU201は、フラッシュメモリ203に記録されたプログラムを、CPU201が備えるRAMにロードして実行する。
加速度センサー210は、X軸、Y軸およびZ軸の3方向の加速度を測定する3軸加速度センサーである。加速度センサー210は、検出した加速度をCPU201に出力する。
外部記憶装置211は、携帯情報装置200に着脱自在であり、遠隔操作プログラムを記憶したCD−ROM211Aが装着可能である。CPU201は、外部記憶装置211を介してCD−ROM211Aにアクセス可能である。CPU201は、外部記憶装置211に装着されたCD−ROM211Aに記録された遠隔操作プログラムを、CPU201が備えるRAMにロードして実行することが可能である。
なお、CPU201が実行するプログラムとして、フラッシュメモリ203またはCD−ROM211Aに記録されたプログラムについて説明したが、ネットワーク3に接続された他のコンピューターが、フラッシュメモリ203に記憶されたプログラムを書換えたプログラム、または、追加して書き込んだ新たなプログラムであってもよい。さらに、携帯情報装置200が、ネットワーク3に接続された他のコンピューターからダウンロードしたプログラムでもよい。ここでいうプログラムは、CPU201が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
なお、CPU201が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM211Aに限られず、光ディスク(MO/MD/DVD)、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(登録商標)などの半導体メモリであってもよい。
図4は、本実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。図4に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115、CD−ROM118に記憶された遠隔制御プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。
図4を参照して、CPU111は、接続制御部51と、遠隔操作画面送信部53と、遠隔操作受信部55と、遠隔操作画面生成部57と、設定部59と、駆動時制御部61と、省電力時制御部63と、引継部65と、再現部67と、装置状態検出部69と、代理装置決定部71と、パネル制御部73と、機能実行部75と、動作モード切換部77と、を含む。
動作モード切換部77は、動作モードを駆動モードと駆動モードよりも消費電力が少ない省電力モードとのいずれかに切り換える。動作モード切換部77は、駆動モードの状態で、スリープ移行条件が成立すると、動作モードを省電力モードに切り換える。スリープ移行条件は、限定するものではないが、例えば、操作部163が所定時間継続して操作を受け付けない場合である。動作モード切換部77は、動作モードを省電力モードに切り換える場合、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に供給する電力を遮断する。動作モード切換部77は、通信I/F部112、ファクシミリ部116は、動作モードが省電力モードであっても電力の供給を継続する。外部から送信されるデータを受信するためである。
パネル制御部73は、操作パネル160を制御し、表示部161に操作画面を表示するとともに、ユーザーが操作部163に入力する操作を受け付ける。パネル制御部73は、機能実行部75から表示指示が入力されることに応じて、表示指示に含まれる操作画面を表示部161に表示する。パネル制御部73は、ユーザーが表示部161に表示された操作画面に従って操作部163に入力する操作を受け付け、受け付けられた操作を機能実行部75に出力する。
機能実行部75は、パネル制御部73から入力される操作に従って、操作に対応する機能を実行する。機能実行部75は、パネル制御部73から入力される操作が、複数の機能に対応する場合、操作に対応する複数の機能を実行する。パネル制御部73から入力される操作は、機能実行部75が機能を実行するために用いる設定値を設定する設定操作と、操作画面を別の操作画面に切り換えを指示する画面遷移操作と、機能の実行を指示する実行指示操作とを含む。機能実行部75は、設定操作が入力される場合には、設定操作により定まる設定項目に設定操作により定まる設定値を設定する。例えば、5部のプリントを指示する設定操作は、プリント部数を示す設定項目「置数」と設定値「5」とを含む。機能実行部75は、画面遷移操作が入力される場合には画面遷移操作により定まる操作画面を決定し、決定した操作画面を表示する表示指示をパネル制御部73に出力する。機能実行部75は、実行指示操作が入力される場合には、その実行指示操作により特定される実装機能を、それまでに設定された設定値に従って実行する。例えばプリント機能の実行を指示する実行指示操作は、設定項目「置数」と設定値「5」が設定されていれば、データの画像を形成する機能を5回実行する。
接続制御部51は、通信I/F部112を制御し、通信I/F部112が遠隔操作装置である携帯情報装置200,200A,200Bのいずれかから接続要求を受信すると、携帯情報装置200,200A,200Bのうち接続要求を送信してきた装置との間で通信経路を確立する。接続制御部51によって通信経路が確立された装置を、遠隔操作中装置という。接続制御部51は、遠隔操作中装置との間で確立された通信経路を識別するための経路識別情報と遠隔操作中装置を識別するための装置識別情報との組を遠隔操作画面送信部53、遠隔操作受信部55、駆動時制御部61および省電力時制御部63に出力する。
遠隔操作受信部55、遠隔操作画面生成部57、設定部59および遠隔操作画面送信部53は、動作モードが駆動モードに切り換えている状態で機能する。
遠隔操作受信部55は、接続制御部51から経路識別情報と装置識別情報との組が入力されると、遠隔操作画面生成部57に初期画面生成指示と装置識別情報との組を出力する。また、遠隔操作受信部55は、初期画面生成指示と装置識別情報との組を出力した後に、通信I/F部112を制御し、経路識別情報で特定される通信経路を介して、装置識別情報で特定される遠隔操作中装置から送信される遠隔操作コマンドを受信する。遠隔操作受信部55は、遠隔操作中装置から遠隔操作コマンドを受信することに応じて、その遠隔操作コマンドに対応する遠隔操作を識別するための操作識別情報と装置識別情報との組を、遠隔操作画面生成部57、設定部59、および駆動時制御部61に出力する。
遠隔操作画面生成部57は、遠隔操作画面を生成する。遠隔操作画面生成部57が生成する遠隔操作画面は、パネル制御部73が表示部161に表示する操作画面と同じである。なお、携帯情報装置200で表示するために、操作画面とは異なる遠隔操作画面としてもよい。例えば、遠隔操作画面を、操作画面のフォーマットを異ならせた画面とする。遠隔操作画面生成部57は、遠隔操作受信部55から初期画面生成指示と装置識別情報との組が入力される場合、初期画面としてデフォルトで定められた遠隔操作画面をHDD116から読出し、読出した遠隔操作画面と装置識別情報との組を遠隔操作画面送信部53に出力する。また、遠隔操作画面生成部57は、遠隔操作受信部55から操作識別情報と装置識別情報との組が入力される場合、操作識別情報で特定される遠隔操作に対応する遠隔操作画面を生成し、生成した遠隔操作画面と装置識別情報との組を遠隔操作画面送信部53に出力する。
遠隔操作画面送信部53は、接続制御部51から経路識別情報と装置識別情報との組が入力される。遠隔操作画面送信部53は、遠隔操作画面生成部57から遠隔操作画面と装置識別情報が入力されることに応じて、装置識別情報で特定される遠隔操作中装置に遠隔操作画面を送信する。具体的には、接続制御部51から入力される経路識別情報と装置識別情報との組に基づいて、遠隔操作画面生成部57から入力される装置識別情報と組になる経路識別情報で識別される通信経路を特定する。そして、遠隔操作画面送信部53は、通信I/F部112を制御して、遠隔操作画面を、特定した通信経路を介して送信する。
遠隔操作中装置が、MFP100に送信する遠隔操作コマンドは、設定値を設定する設定操作に対応する設定コマンド、遠隔操作画面を別の遠隔操作画面に切り換えを指示する画面遷移操作に対応する画面遷移コマンドと、機能の実行を指示する実行指示操作に対応する実行指示コマンドと、を含む。遠隔操作受信部55は、遠隔操作画面が送信された後に受信する遠隔操作コマンドが位置情報を含む場合、その位置情報と、遠隔操作画面送信部53によって遠隔操作装置に送信された遠隔操作画面とに基づいて、遠隔操作を特定する。具体的には、位置情報によって、遠隔操作画面中で特定される位置が、遠隔操作画面に含まれる遷移ボタン内ならば画面遷移操作を特定する。位置情報によって遠隔操作画面中で特定される位置が、設定値を設定するコマンドが割り当てられた領域内ならば設定操作を特定する。位置情報によって遠隔操作画面中で特定される位置が、実行コマンドが割り当てられたボタンの領域内ならば実行指示操作を特定する。
設定部59は、遠隔操作受信部55から設定操作の操作識別情報と、装置識別情報との組が入力される場合、設定操作に従って設定値を設定する。設定操作は、設定項目と設定値とを含む。設定部59は、設定操作に含まれる設定項目に設定操作に含まれる設定値を設定する。設定部59は、設定値を設定すると、遠隔操作画面生成部57に、装置識別情報を含む生成指示を出力する。
遠隔操作画面生成部57は、設定部59から生成指示が入力されることに応じて、先に生成した遠隔操作画面と同じ遠隔操作画面を生成し、生成した遠隔操作画面と、生成指示に含まれる装置識別情報との組を遠隔操作画面送信部53に出力する。遠隔操作画面生成部57によって生成指示が入力されることに応じて生成される遠隔操作画面は、設定値が更新された後の値を含む。このため、遠隔操作中装置に、設定値が更新された後の値を含む遠隔操作画面が送信され、遠隔操作中装置において表示される。
遠隔操作画面生成部57は、遠隔操作受信部55から画面遷移操作の操作識別情報と装置識別情報との組が入力されることに応じて、画面遷移操作により定まる遠隔操作画面を生成し、生成された遠隔操作画面と、遠隔操作受信部55から入力される装置識別情報との組を遠隔操作画面送信部53に出力する。このため、遠隔操作中装置に、画面遷移操作により定まる遠隔操作画面が送信され、その遠隔操作画面が遠隔操作中装置において表示される。
装置状態検出部69は、他の情報処理装置の装置状態を検出する。他の情報処理装置は、ここでは、MFP100A,100Bおよびサーバー300である。MFP100A,100Bそれぞれの装置状態は、動作モードの状態、実行中のジョブの状態、実行待ちの待機中のジョブの状態を含む。サーバー300の装置状態は、動作モードの状態を含む。具体的には、通信I/F部112を制御し、装置状態の送信要求をブロードキャストで送信し、MFP100A,100Bおよびサーバー300それぞれが返信する、装置状態を示す装置状態情報を受信することによって、MFP100A,100Bおよびサーバー300それぞれの装置状態を検出する。MFP100A,100Bそれぞれから受信される装置状態情報は、動作モードが駆動モードと省電力モードとのいずれであるかを示す動作モード情報と、実行中のジョブの種類を示す実行ジョブ情報と、蓄積された蓄積ジョブの数と、蓄積ジョブの状態を示す蓄積ジョブ情報と、消費電力と、を含む。サーバー300から受信される装置状態情報は、動作モードが駆動モードと省電力モードとのいずれであるかを示す動作モード情報を含む。なお、MFP100A,100Bおよびサーバーそれぞれは、動作モードが省電力モードの場合には、装置状態の送信要求に応答しない場合があるが、その場合には、その装置の動作モードが省電力モードであると判断する。装置状態検出部69は、MFP100A,100Bそれぞれの装置状態を示す装置状態情報を代理装置決定部71に出力する。
代理装置決定部71は、装置状態検出部69からMFP100A,100Bおよびサーバー300それぞれの装置状態情報が入力され、MFP100A,100Bおよびサーバー300のうちから1つの代理装置を決定する。具体的には、状態情報に含まれる動作モード情報によって動作モードが駆動モードに設定されている装置を代理装置に決定する。状態情報に含まれる動作モード情報によって動作モードが駆動モードに設定されている装置が複数の場合、代理装置決定部71は、装置状態に含まれる実行ジョブ情報によって示される実行中のジョブの種類が操作画面を生成する処理を実行しないジョブを実行中の装置を優先して代理装置にする。また、状態情報に含まれる動作モード情報によって動作モードが駆動モードに設定されている装置が複数の場合、代理装置決定部71は、装置状態に含まれる蓄積ジョブ情報によって示される待機中のジョブの数が多い装置を優先して代理装置に決定する。代理装置決定部71は、代理装置を決定する場合、代理装置を識別するための装置識別情報を引継部65に出力する。
装置状態検出部69が所定時間間隔で装置状態を検出する場合、代理装置決定部71は装置状態が検出されるごとに代理装置を決定し、代理装置の装置識別情報を引継部65に出力する。また、引継部65から指示があった場合に、代理装置決定部71が装置状態検出部69に装置状態の検出を依頼し、代理装置決定部71は装置状態が検出されることに応じて代理装置を決定し、代理装置の装置識別情報を引継部65に出力するようにしてもよい。
<接続装置の場合>
MFP100が動作モードを省電力モードに切り換えている状態で、携帯情報装置200により遠隔操作される場合、MFP100は、遠隔操作中装置である携帯情報装置200によって遠隔操作される遠隔制御装置として機能する。この場合、MFP100を接続装置という。
省電力時制御部63は、動作モードを省電力モードに切り換えている状態で、接続制御部51から経路識別情報と遠隔操作中装置の装置識別情報との組が入力される場合、引継部65に第1引継指示を出力する。第1引継指示は、経路識別情報と遠隔操作中装置の装置識別情報との組を含む。
引継部65は、省電力時制御部63から第1引継指示が入力されることに応じて、第1引継指示に含まれる装置識別情報で特定される遠隔操作装置に、代理装置決定部71から入力される装置識別情報で特定される代理装置に接続を切り換える切換指示を送信するとともに、代理装置に遠隔操作装置による遠隔操作の継続を指示する。具体的には、引継部65は、通信I/F部112を制御して、第1引継指示に含まれる経路識別情報で特定される通信経路を介して、遠隔操作中装置に第1切換指示を出力する。第1切換指示は、代理装置決定部71から入力される代理装置の装置識別情報を含む。また、引継部65は、通信I/F部112を制御して、代理装置決定部71から入力される装置識別情報で特定される代理装置と通信し、第1引継依頼信号を送信する。第1引継依頼信号は、省電力時制御部63から第1引継指示が入力されるまでに設定部59によって設定された設定値の全てと、第1引継指示に含まれる遠隔操作中装置の装置識別情報と、を含む。引継部65は、代理装置に第1引継依頼信号を送信すると、代理装置の装置識別情報を省電力時制御部63に出力する。
代理装置の詳細は後述するが、第1引継依頼信号を受信すると、MFP100に代わって、第1引継依頼信号に含まれる装置識別情報で特定される遠隔操作中装置によりMFP100が遠隔操作されていた状態を再現し、MFP100に代わって、遠隔操作中装置により遠隔操作される。代理装置は、遠隔操作中装置から実行指示コマンドを受信すると、第1引継依頼信号を送信してきたMFP100に、第2引継依頼信号と、実行指示コマンドとを送信する。第2引継依頼信号は、代理装置がMFP100に代わって、遠隔操作中装置により遠隔操作されて設定された設定値の全てと、遠隔操作中装置の装置識別情報と、最後に遠隔操作中装置に送信した遠隔操作画面の画面識別情報と、を含む。
省電力時制御部63は、引継部65から代理装置の装置識別情報が入力された後に、通信I/F部112が代理装置から第2引継依頼信号を受信すると、再現部67に第2再現指示を出力する。第2再現指示は、第2引継依頼信号に含まれる遠隔操作中装置の装置識別情報と、設定値と、画面識別情報と、を含む。動作モード切換部77は、通信I/F部112が代理装置から第2引継依頼信号を受信することに応じて、動作モードを駆動モードに切り換える。
再現部67は、省電力時制御部63から第2再現指示が入力されることに応じて、代理装置が遠隔操作中装置によって遠隔操作されていた状態を再現する。具体的には、再現部67は、接続再現部81と、設定値再現部83と、を含む。接続再現部81は、第2再現指示に含まれる遠隔操作中装置の装置識別情報および画面識別情報を含む第2再確立指示を接続制御部51および遠隔操作受信部55に出力する。
接続制御部51は、接続再現部81から第2再確立指示が入力されることに応じて、通信I/F部112を制御し、通信I/F部112が携帯情報装置200,200A,200Bのうち第2再確立指示に含まれる装置識別情報で特定される遠隔操作装置から接続要求を受信すると、接続要求を送信してきた遠隔操作装置との間で通信経路を確立する。接続制御部51は、遠隔操作装置との間で確立された通信経路を識別するための経路識別情報と遠隔操作装置を識別するための装置識別情報との組を遠隔操作受信部55、遠隔操作画面送信部53および省電力時制御部63に出力する。以降、遠隔操作受信部55、遠隔操作画面送信部53および省電力時制御部63それぞれは、装置識別情報で特定される遠隔操作装置を、遠隔操作中装置として取り扱う。
設定値再現部83は、第2引継指示に含まれる設定値を含む設定指示を設定部59に出力する。設定部59は、設定値再現部83から設定指示が入力されることに応じて、設定指示に含まれる設定値の全てを設定する。また、設定値再現部83は、第2引継指示に含まれる設定値が画像を形成する機能に対する設定値を含む場合、親展プリントの機能を有効に設定する指示を設定部59に出力する。親展プリントの機能は、遠隔操作中装置を操作するユーザーによる許可が操作部163によって受け付けられることを条件に、画像を形成する機能を実行する機能である。MFP100までの距離が長く、移動に時間を要する場合であっても、MFP100は、MFP100を遠隔操作していたユーザーにより操作されなければ画像を形成しないので、他人に出力結果を見られるのを防止することができる。親展プリントの機能を実行するための設定値として、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報が必要となるが、例えば、MFP100が遠隔操作中装置を操作するユーザーを認証するようにすればよい。
遠隔操作受信部55は、接続再現部81から再接続指示が入力された後に、接続制御部51から経路識別情報と装置識別情報との組が入力される場合、遠隔操作画面生成部57に、初期画面生成指示と装置識別情報との組を出力することなく、継続画面生成指示と装置識別情報との組を出力する。継続画面生成指示は、再接続指示に含まれる画面識別情報を含む。
遠隔操作画面生成部57は、遠隔操作受信部55から継続画面生成指示と装置識別情報との組が入力されることに応じて、継続画面生成指示に含まれる画面識別情報で特定される遠隔操作画面を生成し、生成した遠隔操作画面と、継続画面生成指示とともに遠隔操作受信部55から入力される装置識別情報との組を遠隔操作画面送信部53に出力する。この段階で、遠隔操作画面生成部57が生成する遠隔操作画面は、設定部59が設定値再現部83からの設定指示に従って設定値を設定した後の設定値に基づいて生成された遠隔操作画面であり、第2引継依頼信号を送信してきた代理装置が遠隔操作中装置に最後に送信した遠隔操作画面と同じである。
省電力時制御部63は、引継部65から代理装置の装置識別情報が入力された後に、通信I/F部112が代理装置から実行指示コマンドを受信すると、実行指示コマンドを機能実行部75に出力し、機能実行部75に実行指示コマンドにより特定される機能を実行させる。
機能実行部75は、実行指示コマンドに特定される機能を、設定部59によって設定された設定値に従って実行する。この段階で、設定部59によって設定される設定値は、設定部59が設定値再現部83からの設定指示に従って設定した設定値なので、遠隔操作中装置のユーザーは、遠隔操作中装置による遠隔操作の対象がMFP100から代理装置に切り換わる場合であっても、1台のMFP100を遠隔操作する場合と同様にMFP100に設定値を設定し、機能を実行させることができる。
<代理装置の場合>
他のMFP100A,100Bのいずれか、例えばMFP100Aが動作モードを省電力モードに切り換えている状態で、携帯情報装置200により遠隔操作される場合、MFP100Aは、接続装置として機能する。この場合、MFP100Aは、他のMFP100,100Bのいずれかを代理装置に決定する。ここでは、MFP100がMFP100Aにより代理装置に決定された場合を例に説明する。
駆動時制御部61は、動作モードを駆動モードに切り換えている状態で、通信I/F部112が接続装置であるMFP100Aから第1引継依頼信号を受信すると、再現部67に第1再現指示を出力する。第1再現指示は、第1引継依頼信号に含まれる遠隔操作中装置の装置識別情報と、設定値と、を含む。
再現部67は、省電力時制御部63から第1再現指示が入力されることに応じて、接続装置が遠隔操作中装置によって遠隔操作されていた状態を再現する。設定値再現部83は、第1再現指示が入力されることに応じて、第1再現指示に含まれる設定値を含む設定指示を設定部59に出力する。設定部59は、設定値再現部83から設定指示が入力されることに応じて、設定指示に含まれる設定値の全てを設定する。接続再現部81は、第1再現指示に含まれる遠隔操作中装置の装置識別情報を含む第1再確立指示を接続制御部51および遠隔操作受信部55に出力する。
接続制御部51は、接続再現部81から第1再確立指示が入力されることに応じて、通信I/F部112を制御し、通信I/F部112が携帯情報装置200,200A,200Bのうち第1再確立指示に含まれる装置識別情報で特定される遠隔操作装置から接続要求を受信すると、接続要求を送信してきた遠隔操作装置との間で通信経路を確立する。接続制御部51は、遠隔操作装置との間で確立された通信経路を識別するための経路識別情報と遠隔操作装置を識別するための装置識別情報との組を遠隔操作受信部55、遠隔操作画面送信部53および駆動時制御部61に出力する。以降、遠隔操作受信部55、遠隔操作画面送信部53および駆動時制御部61それぞれは、装置識別情報で特定される遠隔操作装置を、遠隔操作中装置として取り扱う。
遠隔操作受信部55は、接続再現部81から第1再接続指示が入力された後に、接続制御部51から経路識別情報と装置識別情報との組が入力される場合、遠隔操作画面生成部57に、初期画面生成指示と装置識別情報との組を出力する。遠隔操作受信部55は、初期画面生成指示と装置識別情報との組を遠隔操作画面生成部57に出力した後に、通信I/F部112を制御し、経路識別情報で特定される通信経路を介して、遠隔操作中装置から送信される遠隔操作コマンドを受信する。遠隔操作受信部55は、遠隔操作中装置から遠隔操作コマンドを受信することに応じて、その遠隔操作コマンドに対応する遠隔操作を識別するための操作識別情報と装置識別情報との組を、遠隔操作画面生成部57、設定部59、および駆動時制御部61に出力する。
遠隔操作画面生成部57は、遠隔操作受信部55から初期画面生成指示と装置識別情報との組が入力される場合、初期画面としてデフォルトで定められた遠隔操作画面をHDD116から読出し、読出した遠隔操作画面と装置識別情報との組を遠隔操作画面送信部53に出力する。また、遠隔操作画面生成部57は、遠隔操作受信部55から操作識別情報と装置識別情報との組が入力される場合、操作識別情報で特定される遠隔操作に対応する遠隔操作画面を生成し、生成した遠隔操作画面と装置識別情報との組を遠隔操作画面送信部53に出力する。
遠隔操作画面送信部53は、接続制御部51から経路識別情報と装置識別情報との組が入力され、遠隔操作画面生成部57から遠隔操作画面と装置識別情報が入力されることに応じて、装置識別情報で特定される遠隔操作中装置に遠隔操作画面を、通信I/F部112を制御して、遠隔操作中装置に送信する。
駆動時制御部61は、再現部67に第1再現指示を出力した後に、通信I/F部112が遠隔操作中装置から実行指示コマンドを受信すると、引継部65に、第2引継指示を出力し、通信I/F部112を制御して、実行指示コマンドを接続装置に送信する。
引継部65は、駆動時制御部61から第2引継指示が入力されることに応じて、接続装置に接続を切り換える切換指示を遠隔操作中装置に送信するとともに、接続装置に遠隔操作中装置による遠隔操作の継続を指示する。具体的には、引継部65は、通信I/F部112を制御して、第2引継指示に含まれる経路識別情報で特定される通信経路を介して、遠隔操作中装置に第2切換指示を出力する。第2切換指示は、接続装置の装置識別情報を含む。また、引継部65は、通信I/F部112を制御して、接続装置と通信し、第2引継依頼信号を送信する。第2引継依頼信号は、駆動時制御部61から第2引継指示が入力されるまでに設定部59によって設定された設定値の全てと、遠隔操作中装置の装置識別情報と、遠隔操作画面送信部53が最後に遠隔操作中装置に送信した遠隔操作画面の画面識別情報と、含む。
このように、MFP100は、接続装置であるMFP100Aから第1引継依頼信号を受信した後は、代理装置として機能し、接続装置であるMFP100Aに設定されていた設定値を再現し、遠隔操作中装置である携帯情報装置200によって遠隔操作され、設定値を更新する。そして、携帯情報装置200から実行指示コマンドを受信すると、接続装置であるMFP100Aに第2引継依頼信号と実行指示コマンドとを送信するとともに、携帯情報装置200に接続装置であるMFP100Aに接続先を切り換える第2切換指示を出力する。これにより、携帯情報装置200が接続装置であるMFP100Aを遠隔操作する状態になるとともに、MFP100Aにおいては、MFP100が携帯情報装置200によって遠隔操作されて設定された設定値と同じ設定値を用いて、実行指示コマンドで特定される機能を実行する。
図5は、携帯情報装置が備えるCPUの機能の概要の一例を示すブロック図である。図5に示す機能は、携帯情報装置200が備えるCPU201が、フラッシュメモリ203、またはCD−ROM211Aに記憶された遠隔操作プログラムを実行することにより、CPU201に形成される機能である。図5を参照して、CPU201は、通信制御部251と、遠隔操作画面受信部253と、画像表示制御部255と、操作受付部257と、遠隔操作送信部259と、切換制御部261と、接続先表示部263と、を含む。
通信制御部251は、遠隔操作の対象となる遠隔制御装置との間で通信経路を確立する。具体的には、通信制御部251は、ユーザーが操作部207を操作して、MFP100,100A,100Bのうち遠隔操作の対象となる遠隔制御装置を指示すれば、無線LANI/F208を制御して、遠隔制御装置に接続要求を送信し、遠隔制御装置との間の通信経路を確立する。ここで、通信制御部251が通信経路を確立し、遠隔操作の対象となる遠隔制御装置は、接続装置である。
本実施の形態においては、遠隔制御装置は、MFP100,100A,100Bのいずれかとしている。通信制御部251は、接続装置との間で通信経路を確立すると、その通信経路の経路識別情報を、遠隔操作画面受信部253、遠隔操作送信部259および切換制御部261に出力するとともに、接続装置の装置識別情報を接続先表示部263に出力する。
接続先表示部263は、接続装置の装置識別情報を表示部206に表示する。これにより、遠隔操作装置を操作するユーザーに、遠隔操作の対象となる遠隔制御装置である接続装置が、MFP100,100A,100Bのいずれであるかを通知することができる。
遠隔操作画面受信部253は、通信制御部251から経路識別情報が入力されると、無線LANI/F208を制御し、無線LANI/F208が経路識別情報で特定される通信経路で、接続装置から遠隔操作画面を受信する。遠隔操作画面受信部253は、受信された遠隔操作画面を、画像表示制御部255に出力する。
画像表示制御部255は、表示部206を制御し、遠隔操作画面が入力されることに応じて、遠隔操作画面の画像を表示部206に表示する。
操作受付部257は、操作部207を制御し、ユーザーが操作部207に入力する操作を遠隔操作として受け付け、遠隔操作を遠隔操作送信部259に出力する。ユーザーが操作部207の備えるタッチパネル207Bを指示する場合、操作受付部257は、表示部206に表示された遠隔操作画面中の位置を示す位置情報を含む遠隔操作を遠隔操作送信部259に出力する。
遠隔操作画面受信部253は、操作受付部257から遠隔操作が入力されると、無線LANI/F208を制御し、経路識別情報で特定される通信経路を介して、遠隔操作に対応する遠隔操作コマンドを接続装置に送信する。
切換制御部261は、通信制御部251から経路識別情報が入力されると、無線LANI/F208を制御し、無線LANI/F208が経路識別情報で特定される通信経路で、接続装置または代理装置から切換指示を受信する。切換制御部261は切換指示を受信する場合、切換指示に含まれる装置識別情報で特定される遠隔制御装置との間の通信経路の確立要求を通信制御部251に依頼する。具体的には、切換制御部261は、切換指示を受信すると、切換指示に含まれる装置識別情報を含む確立依頼を通信制御部251に出力する。
通信制御部251は、切換制御部261から確立依頼が入力されることに応じて、確立依頼に含まれる装置識別情報で特定される遠隔制御装置との間で通信経路を確立する。具体的には、通信制御部251は、確立依頼が入力されることに応じて、無線LANI/F208を制御して、MFP100,100A,100Bのうち確立依頼に含まれる装置識別情報で特定される遠隔制御装置に接続要求を送信し、その遠隔制御装置との間の通信経路を確立する。通信制御部251は、通信経路を確立すると、その通信経路の経路識別情報を、遠隔操作画面受信部253、遠隔操作送信部259および切換制御部261に出力するとともに、遠隔制御装置の装置識別情報を接続先表示部263に出力する。以降、遠隔操作画面受信部253、遠隔操作送信部259および切換制御部261においては、通信制御部251が通信経路を確立した遠隔制御装置を、新たに遠隔操作の対象とする装置として取り扱う。このため、接続先表示部263によって、切換指示に含まれる装置識別情報が表示部206に表示される。
図6は、遠隔制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。遠隔制御処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115、CD−ROM118に記憶された遠隔制御プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図6を参照して、CPU111は、接続要求を受信したか否かを判断する(ステップS01)。通信I/F部112が携帯情報装置200,200A,200Bのいずれかから接続要求を受信したか否かを判断する。接接続要求を受信したならば処理をステップS02に進めるが、そうでなければ処理をステップS12に進める。ここでは、携帯情報装置200から接続要求を受信する場合を例に説明する。
ステップS02においては、接続要求を送信してきた装置、ここでは携帯情報装置200との間で通信経路を確立する。次のステップS03においては、動作モードが省電力モードか否かを判断する。動作モードが省電力モードならば処理をステップS04に進めるが、そうでなければ処理をステップS11に進める。ステップS11においては、通常の遠隔制御処理を実行し、処理をステップS01に戻す。通常の遠隔制御処理は周知なのでここでは説明を繰り返さないが、携帯情報装置200に遠隔操作画面を送信し、携帯情報装置200から受信される遠隔操作コマンドに従って処理を実行する。
ステップS04においては、他のMFP100A,100Bおよびサーバー300の装置状態を検出する。具体的には、通信I/F部112を制御し、装置状態の送信要求をブロードキャストで送信し、MFP100A,100Bおよびサーバー300それぞれが返信する、装置状態を示す装置状態情報を受信することによって、MFP100A,100Bおよびサーバー300それぞれの装置状態を検出する。なお、MFP100A,100Bおよびサーバーそれぞれは、動作モードが省電力モードの場合には、装置状態の送信要求に応答しない場合があるが、その場合には、その装置の動作モードが省電力モードであると判断する。
ステップS05においては、代理装置決定処理を実行し、処理をステップS06に進める。代理装置決定処理の詳細は後述するが、装置状態に基づいて1つの代理装置を決定する処理である。ここでは、MFP100Aを代理装置に決定する場合を例に説明する。ステップS06においては、代理装置であるMFP100Aに第1引継依頼信号を送信し、処理をステップS07に進める。第1引継依頼信号は、代理装置に携帯情報装置200による遠隔操作を依頼する信号であり、携帯情報装置200の装置識別情報と、それまでに設定されている設定値と、を含む。ステップS07おいては、携帯情報装置200に第1切換指示を送信し、処理をステップS08に進める。第1切換指示は、接続先を代理装置に切り換えることを指示する信号であり、代理装置を識別するための装置識別情報を含む。
ステップS08においては、ステップS02において確立した通信経路を切断し、処理をステップS09に進める。ステップS09においては、第2引継依頼信号を受信したか否かを判断する。第2引継依頼信号は、第1引継依頼信号を送信した代理装置から受信される信号であり、携帯情報装置200の装置識別情報と、それまでに代理装置によって設定されている設定値と、代理装置が最後に携帯情報装置200に送信した遠隔操作画面の画面識別情報と、を含む。
ステップS10においては、第2再現処理を実行し、処理をステップS11に進める。第2再現処理の詳細は後述するが、代理装置が携帯情報装置200によって遠隔操作されて設定した設定値を再現し、機能を実行する処理である。
ステップS12においては、第1引継依頼信号を受信したか否かを判断する。第1引継依頼信号は、動作モードが駆動モードの場合に、他のMFP100A,100Bのうち遠隔操作装置により遠隔操作される接続装置から受信される信号であり、接続装置を遠隔制御する遠隔操作装置の装置識別情報と、それまでに接続装置によって設定されている設定値とを含む。第1引継依頼信号を受信したならば処理をステップS13に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。
次のステップS13においては、第1再現処理を実行し、処理をステップS14に進める。第1再現処理の詳細は後述するが、遠隔操作装置により遠隔操作されて、接続装置に代わって設定値を設定する処理である。
次のステップS14においては、第1引継依頼信号を送信してきた接続装置に第2引継依頼信号を送信し、処理をステップS15に進める。第2引継依頼信号は、遠隔操作中装置である携帯情報装置200の装置識別情報と、それまでに遠隔操作中装置により遠隔操作されて設定された設定値と、携帯情報装置200に最後に送信した遠隔操作画面の画面識別情報と、を含む。
次のステップS15においては、遠隔操作中装置に第2切換指示信号を送信し、処理をステップS16に進める。第2切換指示は、接続先を接続装置に切り換えることを指示する信号であり、接続装置を識別するための装置識別情報を含む。ステップS16においては、遠隔操作中装置との間で確立された通信経路を切断し、処理をステップS01に戻す。
図7は、代理装置決定処理の流れの位置を示すフローチャートである。代理装置決定処理は、図6のステップS05において実行される処理である。代理装置決定処理が実行される前の段階で、MFP100A,100Bおよびサーバー300の装置状態が検出されている。図7を参照して、CPU111は、MFP100A,100Bおよびサーバー300それぞれの装置状態に基づいて、動作モードが駆動モードの装置を抽出する(ステップS21)。次のステップS22においては、動作モードが駆動モードの装置が単数か否かを判断する。動作モードが駆動モードの装置が単数ならば処理をステップS23に進めるが、そうでなければ処理をステップS24に進める。ステップS23においては、動作モードが駆動モードの装置を代理装置に決定し、処理を遠隔制御処理に戻す。動作モードが省電力モードの装置を代理装置にすると、その代理装置が動作モードを駆動モードに切り替えるので、代理装置により消費される電力が増加する。このため、動作モードが駆動モードの装置を代理装置に決定することで、代理装置により消費される電力が増加するのを防止することができる。
ステップS24においては、動作モードが駆動モードの装置それぞれの装置状態に基づいて、実行中ジョブが操作画面を生成する処理を含まない装置を抽出する。次のステップS25においては、ステップS24において抽出された装置が単数か否かを判断する。
実行中ジョブが操作画面を生成する処理を含まない装置が単数ならば処理をステップS26に進めるが、そうでなければ処理をステップS27に進める。ステップS26においては、動作モードが駆動モードであり、実行中ジョブが操作画面生成処理を含まない装置を代理装置に決定し、処理を遠隔制御処理に戻す。操作画面生成処理を実行中の装置は、遠隔操作画面を生成する処理の負荷が大きくなるので、遠隔操作画面を生成する処理の負荷が小さい装置を優先して代理装置に決定する。また、遠隔操作画面を生成する処理の速度を早くすることができるので、遠隔操作装置のレスポンスタイムを短くすることができる。
ステップS27においては、動作モードが駆動モードであり、実行中ジョブが操作画面生成処理を含まない装置のうち、蓄積ジョブ数が最大の装置を選択し、処理をステップS28に進める。ステップS28においては、ステップS27において選択された装置を代理装置に決定し、処理を遠隔制御処理に戻す。蓄積ジョブ数が多い装置ほど、動作モードを省電力モードに切り換えるまでの時間が長い。このため、動作モードを駆動モードに維持する時間の長い装置を優先して代理装置に決定する。これにより、蓄積ジョブの数の少ない装置を早期に省電力モードに移行させることができる。
図8は、第1再現処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1再現処理は、MFP100が代理装置の場合に実行される処理であり、図6のステップS13において実行される処理である。第1再現処理が実行される前の段階で、接続装置から第1引継依頼信号を受信している。ここでは、携帯情報装置200により遠隔制御される接続装置であるMFP100Aから第1引継依頼信号を受信する場合を例に説明する。第1引継依頼信号は、遠隔操作中装置である携帯情報装置200の装置識別情報と、MFP100Aに設定されている設定値と、を含む。
図8を参照して、CPU111は、設定値を再現する(ステップS31)。第1引継依頼信号に含まれる設定値を設定する。次のステップS32においては、遠隔操作中装置から接続要求を受信したか否かを判断する。具体的には、第1引継依頼信号に含まれる装置識別情報から遠隔操作中装置を特定し、通信I/F部112を制御して、遠隔操作中装置から接続要求を受信したか否かを判断する。遠隔操作中装置から接続要求を受信するまで待機状態となり(ステップS32でNO)、遠隔操作中装置から接続要求を受信したならば(ステップS32でYES)、処理をステップS33に進める。ステップS33においては、遠隔操作中装置との間で通信経路を確立し、処理をステップS34に進める。
ステップS34においては、遠隔操作画面として初期画面を決定する。そして、初期画面に決定された遠隔操作画面を、遠隔操作中装置に送信する(ステップS35)。具体的には、通信I/F部112を制御して、ステップS33において確立された通信経路を介して遠隔操作画面を遠隔操作中装置に送信する。
次のステップS36においては、遠隔操作コマンドを受信したか否かを判断する。通信I/F部112が、ステップS33において確立された通信経路を介して遠隔操作コマンドを受信したか否かを判断する。遠隔操作コマンドを受信するまで待機状態となり(ステップS36でNO)、遠隔操作コマンドを受信したならば(ステップS36でYES)、処理をステップS37に進める。ステップS37においては、遠隔操作コマンドにより特定される遠隔操作によって処理を分岐させる。遠隔操作が、画面遷移操作ならば処理をステップS38に進め、遠隔操作が設定操作ならば処理をステップS39に進め、遠隔操作が実行指示操作ならば、処理を遠隔制御処理に戻す。
ステップS38においては、画面遷移操作により特定される遠隔操作画面を決定し、処理をステップS35に戻す。ステップS35においては、処理がステップS38から進む場合には、ステップS38において決定された遠隔操作画面を生成し、生成された遠隔操作画面を送信する。ステップS39においては、設定操作に従って設定値を設定し、処理をステップS35に戻す。ステップS35においては、処理がステップS39から進む場合には、設定値が設定された後の遠隔操作画面を生成し、生成された遠隔操作画面を送信する。
図9は、第2再現処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2再現処理は、MFP100が接続装置の場合に実行される処理である、図6のステップS10において実行される処理である。第2再現処理が実行される前の段階で、代理装置から第2引継依頼信号を受信している。ここでは、MFP100が遠隔操作中装置である携帯情報装置200により遠隔操作され、MFP100が代理装置に決定したMFP100Aから第2引継依頼信号を受信する場合を例に説明する。第2引継依頼信号は、遠隔操作中装置である携帯情報装置200の装置識別情報と、代理装置であるMFP100Bが遠隔操作中装置によって遠隔操作されて設定した設定値と、代理装置であるMFP100Bが遠隔操作中装置に最後に送信した遠隔操作画面の画面識別情報と、を含む。
図9を参照して、CPU111は、設定値を再現する(ステップS21)。そして、代理装置から実行指示コマンドを受信したか否かを判断する。実行指示コマンドを受信するまで待機状態となり(ステップS41でNO)、実行指示コマンドを受信すると(ステップS41でYES)、処理をステップS42に進める。ステップS43においては、動作モードを駆動モードに切り換える。そして、実行指示コマンドにより特定される機能を実行し(ステップS44)、処理をステップS45に進める。
ステップS45においては、遠隔操作中装置から接続要求を受信したか否かを判断する。具体的には、第2引継依頼信号に含まれる装置識別情報から遠隔操作中装置を特定し、通信I/F部112を制御して、遠隔操作中装置から接続要求を受信したか否かを判断する。遠隔操作中装置から接続要求を受信したならば、処理をステップS46に進めるが、そうでなければ処理をステップS44に戻す。ステップS46においては、遠隔操作中装置との間で通信経路を確立し、処理をステップS47に進める。
ステップS47においては、継続画面を決定し、処理をステップS48に進める。具体的には、第2引継依頼信号に含まれる画面識別情報で特定される遠隔操作画面を継続画面に決定する。ステップS48においては、継続画面に決定された遠隔操作画面を生成し、生成した遠隔操作画面を、通信I/F部112を制御して、ステップS46において確立された通信経路を介して遠隔操作中装置に送信し、処理を遠隔制御処理に戻す。
図10は、遠隔操作処理の流れの一例を示すフローチャートである。遠隔操作処理は、携帯情報装置200,200A,200Bそれぞれが備えるCPU201が、フラッシュメモリ203、またはCD−ROM211Aに記憶された遠隔操作プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。ここでは、携帯情報装置200が遠隔操作処理を実行する場合を例に説明する。
図10を参照して、CPU201は、遠隔操作指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS51)。操作部207がユーザーにより入力される遠隔操作指示を受け付けたならば遠隔操作指示を受け付ける。遠隔操作指示を受け付けるまで待機状態となり(ステップS51でNO)、遠隔操作指示を受け付けたならば(ステップS51でYES)、処理をステップS52に進める。遠隔操作指示は、遠隔操作の対象となる遠隔制御装置を特定する指示を含む。ここでは、MFP100が遠隔操作の対象に特定される場合を例に説明する。
ステップS52においては、遠隔操作の対象であるMFP100に接続要求を送信する。無線LANI/F208を制御して、MFP100との間の通信経路を確立するために接続要求を送信する。そして、通信経路が確立したか否かを判断する(ステップS53)。MFP100とネゴシエーションすることによって、通信経路を確立する。通信経路が確立するまでステップS52を繰り返し(ステップS53でNO)、通信経路が確立したならば(ステップS53でYES)、処理をステップS54に進める。
ステップS54においては、接続先を表示部206に表示し、処理をステップS55に進める。ステップS52において接続要求を送信した装置、ここでは、MFP100の装置識別情報または名称を表示部206に表示する。これにより、ユーザーは、MFP100,100A,100Bのうち遠隔操作の対象としている装置を知ることができる。
ステップS55においては、遠隔操作画面を受信したか否かを判断する。無線LANI/F208が、ステップS53において確立した通信経路を介してMFP100から遠隔操作画面を受信したか否かを判断する。遠隔操作画面を受信したならば処理をステップS56に進めるが、そうでなければ処理をステップS59に進める。
ステップS56においては、受信された遠隔操作画面を表示部206に表示し、処理をステップS57に進める。ステップS57においては、ユーザーによる指示を受け付けたか否かを判断する。指示を受け付けるまで待機状態となり(ステップS57でNO)、指示を受け付けたならば(ステップS57でYES)、処理をステップS58に進める。タッチパネル207Bがユーザーにより指示された位置を検出すると、指示を受け付ける。
ステップS58においては、遠隔操作を遠隔制御装置であるMFP100に送信し、処理をステップS55に戻す。具体的には、ステップS57において検出されたユーザーにより指示された位置に基づいて、操作画面の画像中の位置を特定し、無線LANI/F208を制御し、特定された位置を示す位置情報を含む遠隔操作を、ステップS53において確立された通信経路を介してMFP100に送信する。
一方、ステップS59においては、切換指示を受信したか否かを判断する。無線LANI/F208が、ステップS53において確立した通信経路を介して遠隔操作の対象であるMFP100から切換指示を受信したか否かを判断する。切換指示を受信したならば処理をステップS60に進めるが、そうでなければ処理をステップS61に進める。
切換指示は、第1切換指示と、第2切換指示とを含む。第1切換指示は、接続装置から受信され、接続装置により決定された代理装置の装置識別情報を含む。第2切換指示は、代理装置から受信され、接続装置の装置識別情報を含む。例えば、MFP100から第1切換指示を受信する場合は、MFP100は、MFP100A,MFP100Bまたはサーバー300のいずれかを代理装置に決定する場合である。ここでは、MFP100がMFP100Aを代理装置に決定する場合を例に説明する。この場合、次のステップS52においては、代理装置であるMFP100Aに、接続要求を送信し、MFP100Aとの間で通信して、ステップS53〜ステップS58の処理を実行する。その後、ステップS59において、代理装置であるMFP100Aから第2切換指示を受信すると、次のステップS52においては、接続装置であるMFP100に、接続要求を送信し、MFP100との間で通信して、ステップS53〜ステップS58の処理を実行する。
図11は、遠隔操作装置、接続装置および代理装置の間で送受信されるデータのタイミングを示す図である。図10を参照して、遠隔操作装置を携帯情報装置200とし、携帯情報装置200により遠隔操作される接続装置をMFP100とし、MFP100に代わって携帯情報装置200によって遠隔操作される代理装置をMFP100Aとしている。
携帯情報装置200がMFP100を遠隔操作するために、MFP100に接続要求を送信する。MFP100は、携帯情報装置200との間で通信経路を確立するが、動作モードを省電力モードに切り換えているので、MFP100Aを代理装置に決定し、MFP100Aに第1引継依頼信号を送信するとともに、携帯情報装置200に第1切換信号を送信し、携帯情報装置200との間で確立した通信経路を切断する。
MFP100Aは、第1引継依頼信号を受信すると、第1引継依頼信号に含まれる設定値を設定する。一方、携帯情報装置200は、MFP100から第1切換信号を受信すると、第1切換信号に従ってMFP100Aに接続要求を送信する。MFP100Aは、携帯情報装置200との間で通信経路を確立し、携帯情報装置200によって遠隔操作され、携帯情報装置200から実行指示コマンドを受信するまで、MFP100に代わって携帯情報装置200により遠隔制御される。具体的には、設定コマンドを受信する場合には設定値を変更し、画面遷移コマンドを受信する場合には遠隔操作画面を生成し、携帯情報装置200に送信する。
MFP100Aは、携帯情報装置200から実行指示コマンドを受信すると、MFP100に第2引継依頼信号を送信した後、実行指示コマンドを送信し、携帯情報装置200に第2切換信号を送信する。MFP100では、第2引継依頼信号を受信すると、第2引継依頼信号に含まれる設定値を設定することによって、MFP100Aに設定されている設定値を再現する。また、MFP100は、実行指示コマンドを受信すると、動作モードを駆動モードに切り換えて、再現された設定値に従って、実行指示コマンドで特定される機能を実行する。
携帯情報装置200は、MFP100Aから第2切換信号を受信すると、第2切換信号に従ってMFP100に接続要求を送信する。MFP100は、携帯情報装置200との間で通信経路を確立し、携帯情報装置200によって遠隔操作される。例えば、第2引継依頼信号に含まれる画面識別情報で特定される遠隔操作画面を生成し、携帯情報装置200に送信する。第2引継依頼信号に含まれる画面識別情報で特定される遠隔操作画面は、MFP100Aが最後に携帯情報装置200に送信した遠隔操作画面である。このため、携帯情報装置200が実際に通信する装置がMFP100からMFP100A、さらにMFP100に切り換わるが、携帯情報装置200に表示される画面を切り換えないようにすることができる。
なお、本実施の形態においては、代理装置をMFP100Aとする場合を例に示したが、代理装置はサーバー300であってもよい。この場合、サーバー300は、MFP100Aと同様の機能を有する、具体的には、図4に示したMFP100が備えるCPU111の機能のうち、接続制御部51、遠隔操作画面送信部53、遠隔操作受信部55、遠隔操作画面生成部57、設定部59、駆動時制御部61、再現部67および引継部65を、備えていればよい。
また、本実施の形態におけるMFP100,100A,100BそれぞれはCPU111を備え、動作モードが省電力モードと駆動モードの場合でもCPU111が駆動するが、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150およびHDD113に供給する電力を遮断するので、消費電力を低くすることができる。
また、CPU111は、省電力モードの場合に電源が遮断され、駆動モードの場合に電源が供給されるようにしてもよい。この場合、通信I/F部112は、動作モードが省電力モードおよび駆動モードの何れの場合でも電力が供給されて駆動するので、通信I/F部112が携帯情報装置200から接続要求を受信することに応じて、また、代理装置から第2引継依頼信号を受信することに応じて、動作モードを駆動モードに切り換え、CPU111に電力を供給するようにしてもよい。この場合、CPU111は、携帯情報装置200に第1切換指示を送信し、かつ、代理装置に第1引継依頼信号を送信した後に、動作モードを省電力モードに切り換える。このため、代理装置に第1引継依頼信号を送信した後に、代理装置から第2引継依頼信号を受信するまで、動作モードを省電力モードに切り換えることができ、この間の消費電力を低減することができる。
さらに、CPU111を、メインCPUと、メインCPUよりも消費電力の低いサブCPUとで構成するようにしてもよい。この場合には、動作モードが駆動モードの場合にメインCPUを駆動させるとともにサブCPUを停止し、動作モードが省電力モードの場合にサブCPUを駆動させるとともにメインCPUを停止する。動作モードが省電力モードの場合には、サブCPUは、遠隔操作装置である携帯情報装置200から接続要求を受信すると、携帯情報装置200と通信して第1切換指示を送信するとともに、代理装置に第1引継依頼信号を送信し、その後代理装置から第2引継依頼信号を受信すると、動作モードを駆動モードに切り換える。動作モードが駆動モードに切り換えられると、メインCPUが起動し、メインCPUは、代理装置から受信される実行指示コマンドに従って機能を実行する。この場合には、動作モードが省電力モードの場合における消費電力を、さらに低減させることができる。具体的には、サブCPUは、携帯情報装置200から接続要求を受信してから代理装置から第2引継依頼信号を受信するまでの処理を実行するので、メインCPUは、代理装置から第2引継依頼信号を受信した後に、電力が供給され、代理装置から受信される実行指示コマンドに従って機能を実行する。
さらに、メインCPUの作業領域として用いられるメインRAMと、メインRAMよりも消費電力が小さく、サブCPUの作業領域として用いられるサブRAMと、を備えるようにして、動作モードが省電力モードの場合には、サブCPUとサブRAMを駆動し、メインCPUとメインRAMを停止させ、動作モードが駆動モードの場合に、メインCPUとメインRAMを駆動し、サブCPUとサブRAMを停止させるようにしてもよい。この場合には、動作モードが省電力モードの場合における消費電力を、さらに低減させることができる。なお、動作モードを駆動モードから省電力モードに切り換える場合には、設定情報をメインRAMからサブRAMに転送し、動作モードを省電力モードから駆動モードに切り換える場合には、設定情報をサブRAMからメインRAMに転送する必要がある。
以上説明したように、本実施の形態におけるMFP100,100A,100Bそれぞれは、画像形成装置として機能する。例えば、MFP100を携帯情報装置200によって遠隔操作される接続装置として、MFP100AをMFP100が決定した代理装置とする。この場合、MFP100は、動作モードが駆動モードのMFP100Aを代理装置に決定し、動作モードを省電力モードに切り換えている状態で、遠隔操作装置である携帯情報装置200から接続要求を受信することに応じてMFP100Aに携帯情報装置200による遠隔操作の継続を指示し、MFP100Aは、MFP100から遠隔操作の継続が指示されることに応じてMFP100が遠隔操作されていた状態を再現するとともに、携帯情報装置200と接続し、携帯情報装置200によって遠隔操作され、その後携帯情報装置200から処理の実行を指示する実行指示操作を受信することに応じてMFP100に携帯情報装置200による遠隔操作の継続を指示し、実行指示操作を送信する。MFP100は、MFP100Aから遠隔操作の継続が指示されると、MFP100Aが遠隔操作されていた状態を再現し、MFP100Aから実行指示操作を受信すると、動作モードを駆動モードに切り換えて、実行指示装置に従って処理を実行する。このため、MFP100は、動作モードを省電力モードに切り換えている状態で、動作モードが駆動モードのMFP100Aに、携帯情報装置200による遠隔操作の継続を指示するので、MFP100Aが遠隔操作を継続している間に、動作モードを駆動モードに切り換える必要がない。したがって、MFP100の消費電力の増大を抑制することができる。また、MFP100Aは、動作モードが駆動モードなので、MFP100Aで消費される電力が大幅に増加することがない。一方、MFP100Aによって、MFP100が携帯情報装置200によって遠隔操作されていた状態を再現するとともに、携帯情報装置200と接続するので、携帯情報装置200によるMFP100の遠隔操作を継続することができる。
また、MFP100は、MFP100Aが携帯情報装置200から受け付けた実行指示操作をMFP100Aから受け付ける場合、MFP100Aから受信される設定情報に従って設定値を設定した後に、MFP100Aから受け付けた実行指示操作に従って処理を実行する。このため、MFP100から実行指示操作を受け付けるまで省電力モードを維持することができる。
また、通信I/F部112が、動作モードが駆動モードおよび省電力モードのいずれの場合であっても通信可能な場合、携帯情報装置200から接続要求を受信しても動作モードを省電力モードを維持することができる。この場合には、MFP100Aから実行指示操作を受け付けるまで、動作モードを駆動モードに切り換えないようにすることができる。
また、携帯情報装置200から接続要求を受信することに応じて、動作モードを駆動モードに切り換える場合、MFP100Aに携帯情報装置200による遠隔操作の継続を指示することに応じて動作モードを省電力モードに切り換える。この場合には、MFP100に携帯情報装置200による遠隔操作の継続を指示してからMFP100から実行指示操作を受け付けるまで、省電力モードを維持することができる。
また、MFP100は、MFP100A,100Bおよびサーバー300のうちから消費電力の低い装置を優先して代理装置に決定するので、消費電力ができるだけ増加しないようにすることができる。
また、MFP100は、操作画面を生成する処理の負荷の低い装置を優先して代理装置に決定するので、遠隔操作画面を生成する処理の速度を早くすることができ、携帯情報装置200のレスポンスタイムを短くすることができる。
また、MFP100は、蓄積ジョブの数が多い装置を優先して代理装置に決定する。蓄積ジョブの数の多い装置は、駆動モードに切り換えている時間が蓄積ジョブの数の少ない装置よりも長いので、蓄積ジョブの数の少ない装置を早期に省電力モードに移行させることができる。
なお、上述した実施の形態においては、画面形成システム1について説明したが、図6〜図9に示した遠隔制御処理を、MFP100に実行させる遠隔制御方法、その遠隔制御方法をMFP100を制御するCPU111に実行させる遠隔制御プログラム、図10に示した遠隔制御処理を携帯情報装置200に実行させる遠隔操作方法、その遠隔操作方法を携帯情報装置200を制御するCPU201に実行させる遠隔操作プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<付記>
(1)前記引継手段は、さらに、前記遠隔操作装置に前記第1の操作装置への接続を指示する、請求項2〜5のいずれかに記載の画像形成装置。