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JP6485049B2 - 車載機、車載機診断システム - Google Patents

車載機、車載機診断システム Download PDF

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Description

本発明は、自機又は自機周辺に存在する他の車載機が正常に動作しているか否かを診断する車載機、および車載機診断システムに関する。
近年、複数の車両のそれぞれに搭載された車載機が、自機から所定の範囲内に存在する他の車載機と、広域通信網を介さない無線通信を実施するシステムが提案されている。一般的に、この種の車載機同士が実施する通信は車車間通信と称されている。
この種の車載機は、測位衛星からの電波を受信することで自機の現在位置を特定する測位電波受信機(例えばGPS受信機)や、加速度や回転角速度といった、所定の物理状態量を検出するセンサ(つまり加速度センサやジャイロセンサなど)を備えている。加速度センサやジャイロセンサの検出結果は、測位電波受信機によって特定される現在位置を補正するため等に用いられる。また、車載機は、加速度や回転角速度の他、照度や温度といった物理状態量を検出するセンサを備えている場合もある。
そして、車載機は、車載機に所定のサービスを提供するサービス提供端末(例えば路側機)に対して、自機の現在位置や加速度などの自機に関する情報を送信することで、そのサービス提供端末が提供するサービスを享受することができる。例えば、車載機は、サービス提供端末に現在位置情報を提供することで、現在位置に応じたサービスを享受することができる。
なお、特許文献1には、加速度センサの動作範囲に対して、予め閾値を設定しておき、その閾値を用いて、加速度センサが正常に動作しているか否かの診断を行う技術が開示されている。
特開2007−48302号公報
加速度センサやジャイロセンサといった、車載機が備えるセンサに不具合が生じている場合、例えば現在位置など、そのサービス提供端末に提供する情報が正確な情報ではなくなってしまう。具体的には、加速度センサやジャイロセンサに不具合が生じている場合には、現在位置を実際の位置とは異なる位置に推定してしまう場合がある。その結果、サービス提供端末によって提供されるサービスを車載機が適切に享受できなくなってしまう恐れがある。
つまり、車載機が備える種々のセンサが正常に動作しているか否かは、車載機が享受するサービスの質に大きな影響を与える。このため、車載機が備える種々のセンサが正常に動作しているか否かは、随時診断されることが好ましい。
ここで、特許文献1のように、車載機が備えるセンサの動作の傾向(動作範囲など)が予め分かっている場合には、その動作の傾向に適した閾値を設定することが出来、さらにその閾値を用いることによって、センサが正常に動作しているか否かを判定することができる。
しかしながら、車載機が用いられる外部環境は動的に変化しうるため、車載機で用いられる種々のセンサ(例えば加速度センサ)の動作の傾向を特定しづらい。ここでの外部環境とは、センサの検出値に影響を与える要素を指すものであって、主として、自車両が走行している道路の路面形状や、道路の形状(曲率)、道路の勾配、橋の上を走行しているか否か、時間帯、天候などが該当する。
その結果、車載機が備えるセンサが正常に動作しているか否かの閾値を、事前に或いは一意に定めることが難しい場合がある。以降、或る車載機を搭載した車両を自車両と称し、また、車載機が備えるセンサとして加速度センサを例にとって、上記の具体例を挙げる。
例えば、自車両が平坦な道路上を走行している場合、車体に生じる振動は相対的に小さく、車載機にも上下方向の力は作用しにくい。このため、加速度センサは、上下方向の加速度は検出しにくい。したがって、自車両が平坦な道路上を走行しているにも関わらず、加速度センサが上下方向において一定値以上の加速度を検出している場合には、加速度センサが正常に動作していないことが懸念される。なお、ここでの上下方向とは、重力が作用する方向を指す。
一方、凹凸が多い道路や、橋の上などを自車両が走行している場合には、車載機には相対的に大きい上下方向の力が作用する。このため、加速度センサもまた、上下方向の加速度を出力する。このとき検出される加速度の大きさは、走行している道路などの外部環境によって異なる。
つまり、加速度センサが上下方向の加速度を検出しているという状況は、凹凸が多い道路などを自車両が走行している場合には正常な動作をしていることを意味する一方、自車両が平坦な道路上を走行している場合には、不具合が発生していることを意味する。
したがって、固定された閾値を用いて、加速度センサが正常に動作しているか否かを診断する構成では、実際の外部環境が、その閾値を決定する上で想定された状況とは異なる外部環境となっている場合に、加速度センサが正常に動作していないと誤判定してしまう恐れがある。なお、ここでは一例として加速度センサの動作と外部環境との関係について言及したが、他の物理状態量を検出するためのセンサも同様である。
もちろん、車載機がセンサの動作状況に影響を与える外部環境についての情報を取得できる場合には、その外部環境に応じた閾値を適用することで、センサが正常に動作しているか否かを判定することはできる。
しかしながら、外部環境を示す情報を取得するためには、別途そのための構成を車載機に追加する必要があり、コストアップにつながってしまう。また、想定される外部環境毎に、正常か異常かを判定するための閾値を設定する必要もあり、ソフトウェア設計上の手間もかかってしまう。さらに、予期していない環境を自車両が走行している場合には、正常に動作しているにも関わらず、正常に動作していないと誤判定してしまう恐れも生じる。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、外部環境についての情報を用いなくても、車載機が備えるセンサが正常に動作しているか否かを診断することができる車載機、及び車載機診断システムを提供することにある。
その目的を達成するための車載機についての第1の発明は、車両で用いられるとともに、他の車両で用いられている他の車載機と車車間通信を実施する車載機であって、車車間通信による情報の送受信を実施する無線通信部(11)と、自機に作用する所定の物理状態量を検出するセンサ(15、16、17)と、センサの検出結果に基づいて、センサの動作状況を示す指標データを生成する指標データ生成部(F2)と、指標データ生成部が生成した指標データを無線通信部に送信させるとともに、自機周辺に存在する他の車載機(以降、周辺車載機とする)から送信された指標データを、無線通信部を介して取得する通信処理部(F3)と、通信処理部が取得した周辺車載機の指標データに基づいて、周辺車載機のうち、所定の診断対象とする周辺車載機が備えるセンサが正常に動作しているか否かを判定するための判定基準である他機判定基準を逐次決定する判定基準決定部(F5)と、判定基準決定部が決定した他機判定基準と、診断対象とする車載機から通信処理部が取得した指標データとを比較することによって、診断対象とする周辺車載機が備えるセンサが正常に動作しているか否かを判定する他機診断部(F7)と、を備えることを特徴とする。
以上の構成によれば、判定基準決定部が、周辺車載機から受信した指標データを用いて、周辺車載機のうち、診断対象とする車載機が備えるセンサが正常に動作しているかを判定するための判定基準を逐次決定する。そして、他機診断部は、判定基準決定部によって決定された判定基準を用いて、診断対象とする車載機が備えるセンサが正常に動作しているか否かを判定する。
ここで、診断対象とする車載機、及び、判定基準を生成するための元となった指標データを提供した周辺車載機は、いずれも自機と車々間通信が実施できる範囲、つまり比較的小さい範囲内に存在している。
周辺車載機がいずれも比較的小さい範囲内に存在しているため、各車両が走行している道路の路面形状や、道路の形状(曲率)、道路の勾配、橋の上を走行しているか否か、時間帯、天候などといった、センサの検出値に影響を与える外部環境は、周辺車載機及び自機において共通している可能性が高い。
したがって、判定基準を生成するための元となった指標データを提供した車載機も、診断対象とする車載機も、外部環境の影響を同様に受けており、その結果、診断される車載機が備えるセンサの指標データも、判定基準を決定するための元となった指標データも、外部環境の影響を同様に受けたデータとなっている。
つまり、判定基準決定部によって動的に決定される判定基準は、外部環境の影響が反映された基準となっている。また、比較的近いエリア内に存在する各車両の挙動は、類似することが期待されるため、複数の周辺車載機のそれぞれが備えるセンサの動作状況も類似することが期待される。言い換えれば、診断対象とする車載機が備えるセンサの動作状況が、複数の周辺車載機のそれぞれが備えるセンサの動作状況とは異なる動作状況となっている場合には、そのセンサが正常に動作していない可能性を示唆している。
また、以上の構成において判定基準を決定するために、センサの動作に影響を与える外部環境を特定するための情報は用いない。したがって、以上の構成によれば、外部環境についての情報を用いなくても、車載機が備えるセンサが正常に動作しているか否かを診断することができる。
また、上記目的を達成するための車載機についての第2の発明は、車両で用いられるとともに、他の車両で用いられている他の車載機と車車間通信を実施する車載機であって、車車間通信による情報の送受信を実施する無線通信部(11)と、自機に作用する所定の物理状態量を検出するセンサ(15、16、17)と、センサの検出結果に基づいて、センサの動作状況を示す指標値を含む指標データを生成する指標データ生成部(F2)と、指標データ生成部が生成した指標データを無線通信部に送信させるとともに、複数の車載機のうち、自機周辺に存在する他の車載機(以降、周辺車載機とする)から送信された指標データを、無線通信部を介して取得する通信処理部(F3)と、通信処理部が取得した周辺車載機の指標データに基づいて、自機が備えるセンサが正常に動作しているか否かを判定するための判定基準である自機判定基準と、周辺車載機のうちの所定の診断対象とする周辺車載機が備えるセンサが正常に動作しているか否かを判定するための判定基準である他機判定基準の、それぞれを逐次決定する判定基準決定部(F5)と、判定基準決定部が決定した自機判定基準と、自機の指標データとを比較することによって、自機が備えるセンサが正常に動作しているか否かを判定する自機診断部(F6)と、判定基準決定部が決定した他機判定基準と、診断対象とする車載機から通信処理部が取得した指標データとを比較することによって、診断対象とする周辺車載機が備えるセンサが正常に動作しているか否かを判定する他機診断部(F7)と、を備えることを特徴とする。
上記目的を達成するための車載機についての第3の発明は、車両で用いられるとともに、他の車両で用いられている他の車載機と車車間通信を実施する車載機であって、車車間通信による情報の送受信を実施する無線通信部(12)と、自機に作用する所定の物理状態量を検出するセンサ(15、16、17)と、センサの検出結果に基づいて、センサの動作状況を示す指標値を含む指標データを生成する指標データ生成部(F2)と、指標データ生成部が生成した指標データを無線通信部に送信させるとともに、自機周辺に存在する他の車載機(以降、周辺車載機とする)から送信された指標データを、無線通信部を介して取得する通信処理部(F3)と、通信処理部が取得した周辺車載機の指標データに基づいて、自機が備えるセンサが正常に動作しているか否かを判定するための判定基準である自機判定基準を逐次決定する判定基準決定部(F5)と、判定基準決定部が決定した自機判定基準と、自機の指標データとを比較することによって、自機が備えるセンサが正常に動作しているか否かを判定する自機診断部(F6)と、車載機の外部に設けられているセンター(3)と広域通信網を介した通信を行う広域通信部(13)と、自機診断部によって自機のセンサが正常に動作していないと判定された場合に、広域通信部を介して、自機のセンサが正常に動作していないことをセンターに通知する自機異常通知部(F9)と、を備え、センサとして、互いに直交する3つの軸方向に作用する加速度をそれぞれ検出する加速度センサを備え、指標データは、加速度センサが検出した軸方向毎の加速度を含み、判定基準決定部は、周辺車載機から取得した指標データに含まれる、軸方向毎の加速度に基づいて、自機が車両に対して予め定められている姿勢で取り付けられているか否かを判定するための判定基準を決定し、自機診断部は、判定基準決定部によって決定された判定基準と、自機の指標データに含まれる軸方向毎の加速度とを比較することによって、自機が車両に対して予め定められている姿勢で取り付けられているか否かを判定し、自機異常通知部は、自機診断部によって自機が車両に対して予め定められている姿勢で取り付けられていないと判定された場合には、広域通信部を介して、自機が車両に対して予め定められている姿勢で取り付けられていないことをセンターに通知するように構成されている。
上記目的を達成するための車載機についての第4の発明は、車両で用いられるとともに、他の車両で用いられている他の車載機と車車間通信を実施する車載機であって、車車間通信による情報の送受信を実施する無線通信部(12)と、自機に作用する所定の物理状態量を検出するセンサ(15、16、17)と、センサの検出結果に基づいて、センサの動作状況を示す指標値を含む指標データを生成する指標データ生成部(F2)と、指標データ生成部が生成した指標データを無線通信部に送信させるとともに、自機周辺に存在する他の車載機(以降、周辺車載機とする)から送信された指標データを、無線通信部を介して取得する通信処理部(F3)と、通信処理部が取得した周辺車載機の指標データに基づいて、自機が備えるセンサが正常に動作しているか否かを判定するための判定基準である自機判定基準を逐次決定する判定基準決定部(F5)と、判定基準決定部が決定した自機判定基準と、自機の指標データとを比較することによって、自機が備えるセンサが正常に動作しているか否かを判定する自機診断部(F6)と、自機の現在位置を検出し、その検出した現在位置を示す位置情報を逐次出力する位置情報出力部(14)と、を備え、位置情報出力部が出力する位置情報は、所定の基準面に対して自機が位置する高さを示す高さ情報を含み、通信処理部は、指標データを送信する場合には、位置情報出力部によって出力された位置情報と対応付けて送信するとともに、周辺車載機から送信された、その周辺車載機の現在位置を示す位置情報と対応付けられた指標データを取得し、判定基準決定部は、周辺車載機のうち、自機が位置する高さと等しい高さに位置する周辺車載機から取得した指標データに基づいて自機判定基準を決定するように構成されている。
以上の構成において判定基準決定部は、周辺車載機から受信した指標データを用いて、自機が備えるセンサが正常に動作しているかを判定するための判定基準を逐次決定する。そして、自機診断部は、判定基準決定部によって決定された判定基準を用いて、自機が備えるセンサが正常に動作しているか否かを診断する。
このような構成によれば、前述の車載機についての第1の発明と同様の作用によって、外部環境についての情報を用いなくても、自機が備えるセンサが正常に動作しているか否かを診断することができる。
さらに、上記目的を達成するための車載機診断システムの発明は、複数の車両のそれぞれに搭載される、複数の車載機(1、1Ba、1Bb)を備える車載機診断システムであって、車載機は、車車間通信による情報の送受信を実施する無線通信部(11)と、自機に作用する所定の物理状態量を検出するセンサ(15、16、17)と、センサの検出結果に基づいて、センサの動作状況を示す指標値を含む指標データを生成する指標データ生成部(F2)と、指標データ生成部が生成した指標データを無線通信部に送信させるとともに、複数の車載機のうち、自機周辺に存在する他の車載機(以降、周辺車載機とする)から送信された指標データを、無線通信部を介して取得する通信処理部(F3)と、通信処理部が取得した周辺車載機の指標データに基づいて、周辺車載機のうち、所定の診断対象とする周辺車載機が備えるセンサが正常に動作しているか否かを判定するための判定基準である他機判定基準を逐次決定する判定基準決定部(F5)と、判定基準決定部が決定した他機判定基準と、診断対象とする車載機から通信処理部が取得した指標データとを比較することによって、診断対象とする周辺車載機が備えるセンサが正常に動作しているか否かを判定する他機診断部(F7)と、を備えることを特徴とする。
この車載機診断システムの発明は、車載機についての第1の発明として上述した構成を備える車載機を、複数備えることによって実現されるシステムである。つまり、前述の車載機についての第1の発明と同様の作用によって、当該システムが備える各車載機は、外部環境についての情報を用いなくても、他の車載機が備えるセンサが正常に動作しているか否かを診断することができる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本実施形態に係る車載機診断システム100の概略的な構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る車載機1の概略的な構成を示すブロック図である。 制御部11の概略的な構成を示すブロック図である。 指標データの概略的な構成の一例を示す図である。 制御部11が実施する自端末診断処理について説明するためのフローチャートである。 自端末診断基準決定処理について説明するためのフローチャートである。 制御部11が実施する他端末診断処理について説明するためのフローチャートである。 他端末診断処理の作動について説明するための図である。 変形例2における制御部11の概略的な構成の一例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図を用いて説明する。図1は、本発明に係る車載機診断システム100の概略的な構成の一例を示す図である。この車載機診断システム100は、複数の車両の各々で1つずつ用いられる車載機1と、各車両の外部に設けられたセンター3を備える。センター3は、電話回線網やインターネットなどの広域通信網2に接続している。図1中の符号A、Bで示す車両は、車載機1を搭載した車両を表している。
各車両に搭載された車載機1は、予め割り当てられた周波数帯の電波を用いて、自端末周辺に存在する他の車載機1と、広域通信網2を介さない無線通信(いわゆる車車間通信)を行う。車車間通信に用いられる周波数帯は、例えば700MHz帯の電波や、5.8〜5.9GHz帯、2.4GHzなどである。
ここでの自端末周辺とは、車車間通信が実施できる範囲を指す。車車間通信や路車間通信ができる範囲は、適宜設計されればよく、数十m〜数百mに設計される場合が多い。以降において、自端末周辺に存在する他の車載機1を周辺車載機1とも記載する。
また以降では、便宜上、車両Aを自車両と称し、車両Bを周辺車両と称して、この車載機診断システム100、及び車載機1について説明する。周辺車両Bとは、自車両Aに搭載された車載機1と車車間通信を実施している車載機1を搭載した車両を指す。なお、これらの自車両、周辺車両といった関係は、相対的に定まるものであり、仮に車両Bを自車両とすると、当然ながら車両Aは、車両Bにとっての周辺車両となる。
また、ここでは、周辺車両Bに相当する車両を1つしか図示していないが、複数存在してもよい。それに伴い、周辺車両Bに搭載された車載機1も複数存在してもよい。自車両Aに搭載された車載機1と、周辺車両Bに搭載された車載機1とを区別する場合には、自車両Aに搭載された車載機の符号1Aを付与し、周辺車両に搭載された車載機(つまり周辺車載機)には符号1Bを付与して記載する。
なお、各車載機1は、予め割り当てられた周波数帯の電波を用いて、道路上又は道路沿いに設けられた路側機と、広域通信網2を介さない無線通信(いわゆる路車間通信)を行ってもよい。各車載機1は、車車間通信や路車間通信を行うための公知の通信規格に準拠して、車車間通信や路車間通信を行えばよい。例えば、車載機1は、IEEE1609.0(Guide for Wireless Access in Vehicular Environment)の規格に準拠して、車車間通信や路車間通信を実施すればよい。以降において車載機1と路側機とを区別しない場合には、単に通信端末と称する。
車載機診断システム100が備える通信端末(車載機1や路側機)のそれぞれには、複数の通信端末をそれぞれ識別するための識別コード(端末IDとする)が設定されている。また、各通信端末が送信するデータには、その送信端末の端末IDが含まれており、データを受信した通信端末は、当該データに含まれる端末IDによって送信端末を特定することができるようになっている。
(車載機診断システム100の概要)
まずは、車載機診断システム100の概要について述べる。車載機診断システム100が備える複数の車載機1のそれぞれは、自端末に作用する加速度や回転角速度といった、所定の物理状態量を検出するセンサ(つまり加速度センサやジャイロセンサなど)を備えている。そして、各車載機1は車車間通信によって、それぞれ自端末が備える種々のセンサの動作状況を示すデータ(後述の指標データ)を送信するとともに、自端末周辺に存在する他の車載機1が送信した指標データを受信する。つまり、車載機1Aは、自端末の指標データを送信するとともに、周辺車載機1Bが送信した指標データを受信する。
自車両Aと周辺車両Bとは、走行している環境はほぼ等しく、さらに、周辺車両Bは自車両Aと類似性の高い挙動(加速や減速、旋回など)をする可能性が高い。したがって、車載機1Aが備えるセンサの動作状況(検出値など)と、周辺車載機1Bが備えるセンサの動作状況もまた、類似性が高くなることが期待できる。なお、車両が走行している環境としては、走行している道路の路面形状や、道路の曲率、道路の勾配、時間帯、天候などが該当する。
本車載機診断システム100の車載機1は、上記の傾向を鑑みて、自端末が備えるセンサの動作状況を、他の車載機1が備えるセンサの動作状況と比較することで、自端末が備えるセンサを診断したり、周辺車載機1Bが備えるセンサを診断したりするものである。なお、ここでの診断とは、種々のセンサが正常に動作しているか否かを判定することを指す。
(車載機1の構成について)
次に、図2を用いて、車載機1の概略的な構成について説明を行う。図2に示すように車載機1は、制御部11、狭域通信部12、広域通信部13、GNSS受信機14、加速度センサ15、ジャイロセンサ16、及び照度センサ17を備えている。制御部11と、狭域通信部12、広域通信部13、GNSS受信機14、加速度センサ15、ジャイロセンサ16、及び照度センサ17のそれぞれとは、相互通信可能に接続されている。
狭域通信部12は、車車間通信や路車間通信に用いられる周波数帯の電波を送受信可能なアンテナを備えており、そのアンテナを介して、自端末周辺に存在する他の通信端末(車載機1や路側機)と無線通信を実施する。より具体的に、狭域通信部12は、アンテナで受信した信号を復調して制御部11に出力するとともに、制御部11から入力されたデータを変調し、さらに電波に変換して送信する。この狭域通信部12が請求項に記載の無線通信部に相当する。
広域通信部13は、広域通信網2に接続し、センター3との通信を実施する。広域通信部13は、広域通信網2を介して受信した信号を復調して制御部11に提供するとともに、制御部11から入力されたベースバンド信号を変調して、センター3に送信する。
GNSS受信機14は、GNSS(Global Navigation Satellite System)で用いられる衛星(GNSS衛星とする)からの電波を受信することで、GNSS受信機14の現在位置を示す情報を取得する。GNSS受信機14が取得した現在位置は、例えば、緯度、経度、高度で表されれば良い。高度は、所定の基準面(例えば海面)からの高さを表すものとすればよい。
GNSS受信機14が取得した位置情報は逐次(例えば100ミリ秒毎に)制御部11に提供される。なお、この実施形態においてGNSS受信機14は、任意の要素であって、備えていなくてもよい。GNSS受信機14が請求項に記載の位置情報出力部に相当する。
加速度センサ15は、それぞれが直交する3つの軸方向に作用する加速度を検出する3軸加速度センサである。便宜上、加速度を検出する3つの軸方向をそれぞれX軸、Y軸、Z軸方向と称する。ここでは、一例として、車両に対して車載機1が予め定められた姿勢で取り付けられている場合には、X軸方向は、車両の前後方向と一致し、Y軸方向は車幅方向と一致し、Z軸方向は、高さ方向と一致するものとする。
加速度センサ15が検出した軸方向毎の加速度を表すデータは、逐次制御部11に出力される。なお、加速度センサ15が、検出値を出力する間隔(出力間隔)は適宜設計されればよく、例えば100ミリ秒とする。もちろん、出力間隔はその他の値でもよく、例えば50ミリ秒や200ミリ秒としてもよい。また、ここでは加速度センサ15を3軸加速度センサとするが、3軸以外の加速度センサであってもよい。
ジャイロセンサ16は、車両に対して車載機1が予め定められた姿勢で取り付けられている状態において、車両の鉛直軸回りの回転角速度を検出する。ジャイロセンサ16の検出値は、所定の出力間隔で逐次制御部11に出力される。
照度センサ17は、自端末の周囲の明るさ(つまり照度)を検出するセンサであって、検出した照度に対応した信号を出力する。照度センサ17の検出値もまた、所定の出力間隔で逐次制御部11に出力される。
以降において、自端末が備える加速度センサ15、ジャイロセンサ16、照度センサ17を区別しない場合には、単にセンサと称する。さらに、自端末が備えるセンサを、他の車載機1が備えるセンサと区別する場合には、自端末が備えるセンサを自センサと称する。
制御部11は、通常のコンピュータとして構成されており、周知のCPU、ROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、RAMなどの揮発性メモリ、I/O、及びこれらの構成を接続するバスライン(何れも図示略)などを備えている。
制御部11が備えるメモリ11Mは、不揮発性の記憶領域、及び、書き換え可能な記憶領域を備えており、例えば制御部11が備えるフラッシュメモリやROM、RAMなどによって実現される。メモリ11Mの不揮発性の記憶領域には、種々の処理を実行するためのプログラムモジュールやデータ、車載機1に割り当てられている端末ID等が格納されている。
また、メモリ11Mの書き換え可能な記憶領域には、自センサの検出結果、及びその検出結果から定まる指標データ、他の車載機1から取得した指標データを、最も新しいものから一定時間分格納する。
この制御部11は、上述のプログラムモジュールを実行することによって実現する機能ブロックとして、図3に示すように、検出結果取得部F1、指標データ生成部F2、狭域通信制御部F3、指標データ管理部F4、正常範囲決定部F5、自端末診断部F6、他端末診断部F7、広域通信制御部F8、自端末異常通知部F9、及び他端末異常通知部F10を備える。なお、制御部11が実行する機能の一部又は全部は、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。
検出結果取得部F1は、自センサから逐次出力される検出値を逐次取得する。つまり、検出結果取得部F1は、加速度センサ15から出力される軸方向毎の加速度、ジャイロセンサ16から出力される回転角速度、照度センサ17から出力される照度を逐次取得する。
取得した種々の検出値は、その検出値の出力元となるセンサ毎に区別して、メモリ11Mの書き換え可能な記憶領域に時系列順に格納していく。なお、各時点における検出値は、その検出値を取得した時点における時刻が分かる情報(タイムスタンプとする)が付与して格納するものとする。
メモリ11Mは、他の機能部によっても参照可能となっており、各機能部は必要に応じてメモリ11Mに格納されている、センサ毎の検出結果の時系列データを用いた処理を実行することができる。
指標データ生成部F2は、メモリ11Mに格納されている、センサ毎の検出結果の時系列データを用いて、各センサの動作状況の特徴を示す指標データを生成する。例えば指標データは、図4に示すように、加速度センサ15の動作状況についての情報である加速度センサ情報と、ジャイロセンサ16の動作状況についての情報である加速度センサ情報と、照度センサ17の動作状況についての情報である加速度センサ情報と、を含むデータである。
加速度センサ情報は、加速度センサ15の動作状況を示す種々の指標値を含む。例えば、加速度センサ情報は、現時点から所定の第1時間以内における加速度センサ15の軸方向毎の検出値の最大値、最小値、及び中央値と、検出結果の出力間隔と、検出結果を最後に出力した時刻(最終出力時刻)とを含むものとする。
なお、ここでの第1時間は、適宜設計されればよく、例えば加速度センサ15の出力間隔に対して十分に大きいことが好ましい。例えば、第1時間は出力間隔の10倍の時間(ここでは1秒)とすれば良い。もちろん、第1時間はその他の値でもよく、5秒などであってもよい。また、ここでの中央値とは統計学等において用いられる中央値を意味する。
ジャイロセンサ情報は、ジャイロセンサ16の動作状況を示す種々の指標値を含む。例えば、ジャイロセンサ情報は、現時点から第1時間以内におけるジャイロセンサ16の検出値の最大値及び最小値と、出力積分値と、検出結果の出力間隔と、最終出力時刻とを含む。
出力積分値は、現時点から所定の第2時間以内のジャイロセンサ16の検出値を積分した値である。第2時間もまた、出力間隔に対して十分に大きいことが好ましく、さらには第1時間よりも長いことが好ましい。出力積分値は、車載機1が予め定められた姿勢で取り付けられている場合には、車載機1の移動方向の変化角を表すものである。そのため、第2時間が短すぎると、移動方向の変化角が小さい値となり、後述する自端末診断処理や他端末診断処理において、ジャイロセンサ16が正常であるか否かの判定精度が低下してしまう。したがって、第2時間は、例えば10秒など、車両の進行方向の変化が検出できるほど十分に長い時間とすることが好ましい。
照度センサ情報は、照度センサ17の動作状況を示す種々の指標値を含む。例えば、照度センサ情報は、現時点から第1時間以内における照度センサ17の検出値の中央値、検出値の出力間隔、及び最終出力時刻を含む。
なお、以上で例示した指標データの内容は一例であって、これに限らない。例えば上述した全ての種類の指標値を含んでいる必要はない。さらに、上述した以外の種類の指標値を含んでいても良い。例えば、種々の中央値に代わって、平均値や分散、標準偏差等を含んでいてもよい。また、指標データは、車両が停車している時の加速度センサ15の軸方向毎の検出値を含んでいていてもよい。
指標データ生成部F2が生成した指標データは、生成時刻を示すタイムスタンプを付与してメモリ11Mに格納するとともに、狭域通信制御部F3に提供する。
指標データ生成部F2が指標データを生成するタイミングは、適宜設計さればよく、例えば、一定時間(第1時間の整数倍)毎に生成してもよいし、後述する狭域通信制御部F3が、路側機との通信を開始した場合であってもよい。また、他の車載機1から、その車載機1を診断対象とする後述の他端末診断処理を実施するように要求する信号を受信した場合としてもよい。
狭域通信制御部F3は、狭域通信部12の動作を制御するとともに、狭域通信部12が受信したデータを取得する。また、狭域通信部12に対し、他の車載機1や路側機に送信するべきデータを出力して、送信させる。つまり、狭域通信制御部F3は、他の車載機1や路側機とデータの送受信を実施するインターフェースとしても機能する。
例えば狭域通信制御部F3は、指標データ生成部F2から指標データが提供された場合には、当該指標データを含む送信用データを生成し、狭域通信部12に送信させる。送信用データは、車車間通信を行うための通信規格において採用されているデータ・フォーマットに従って生成されればよく、例えば、車載機1の端末IDなどを含むヘッダを、指標データに付与したデータとすればよい。
また、狭域通信制御部F3は、他の車載機1が送信した指標データを含むデータを取得した場合には、その指標データを、送信元の端末IDと対応付けて指標データ管理部F4に提供する。この狭域通信制御部F3が請求項に記載の通信処理部に相当する。
指標データ管理部F4は、狭域通信制御部F3から提供される、他の車載機1から送信された指標データを、送信元の車載機1毎に区別してメモリ11Mに保存する。車載機1毎の指標データは、例えば受信順にソートされて保存されればよい。また、一定時間以上の過去のデータは逐次破棄されればよい。
正常範囲決定部F5は、自センサを診断するための診断基準や、他の車載機1のセンサを診断するための診断基準を決定する。診断基準は、所定の複数の診断項目のそれぞれに対する正常範囲を規定するものである。正常範囲は、その診断項目が正常であると見なす範囲(正常範囲)の上限と下限を表す。この正常範囲決定部F5が請求項に記載の判定基準決定部に相当する。
ここでは一例として、複数の診断項目は、指標データに含まれる項目に対応するものとする。つまり、加速度センサ15についての診断項目は、軸方向毎の検出値の最大値、最小値、及び中央値と、出力間隔、及び最終出力時刻であり、ジャイロセンサ16についての診断項目は、検出値の最大値、最小値、出力間隔、及び最終出力時刻である。また、照度センサ17についての診断項目は、中央値、出力間隔、最終出力時刻である。
もちろん、診断項目は、ここで例示したものに限らない。一部の項目(例えば出力間隔など)については、診断項目としなくてもよい。また、後述の変形例で述べるように、加速度センサ15の取付姿勢角を診断項目としてもよい。
この正常範囲決定部F5は、診断基準を、周辺車載機1から受信した指標データに基づいて決定する。また、本実施形態では、より好ましい態様として、診断の対象とする車載機1以外の周辺車載機1から受信した指標データに基づいて決定する。
つまり、自センサを診断するための診断基準は、周辺車載機1Bから受信した指標データに基づいて決定する。また、他の車載機1のセンサを診断するための診断基準は、診断対象とする周辺車載機1以外の周辺車載機1から受信した指標データに基づいて決定する。他の車載機1のセンサを診断するための診断基準は、診断対象とする周辺車載機1以外の周辺車載機1から受信した指標データに加えて、自端末の指標データを用いて決定してもよい。
この正常範囲決定部F5の作動については別途後述する。また、以降において自端末のセンサを診断するための診断基準は、自端末診断基準とも称し、他の車載機1のセンサを診断するための診断基準は、他端末診断基準とも称する。自端末診断基準が請求項に記載の自機判定基準に相当し、他端末診断基準が請求項に記載の他機判定基準に相当する。
自端末診断部F6は、正常範囲決定部F5が決定した自端末診断基準に示される診断項目毎の正常範囲と、自端末の指標データとを比較することによって、自センサが正常に動作しているか否かを判定する。この自端末診断部F6の詳細については、別途図5に示すフローチャートの説明の中で言及する。自端末診断部F6が請求項に記載の自機診断部に相当する。
他端末診断部F7は、正常範囲決定部F5が決定した他端末診断基準に示される診断項目毎の正常範囲と、診断対象とする他の車載機1から取得した指標データとを比較することによって、その診断対象が備えるセンサが正常に動作しているか否かを判定する。この他端末診断部F7の詳細については、別途図7に示すフローチャートの説明の中で言及する。他端末診断部F7が請求項に記載の他機診断部に相当する。
広域通信制御部F8は、広域通信部13の動作を制御するとともに、広域通信部13が受信したデータを取得する。また、センター3に送信するべきデータを広域通信部13に出力して、送信させる。
自端末異常通知部F9は、自端末診断部F6によって自センサが正常に動作していないと判定された場合に、自端末のセンサが正常に動作していない旨を示すメッセージ(自端末異常通知とする)を、センター3に送信するように広域通信制御部F8に要求する。広域通信制御部F8は、自端末異常通知部F9からの要求に基づいて、自端末異常通知をセンター3に送信する。自端末異常通知は、自端末の端末IDを含んでいればよく、また、より好ましい態様として、正常に動作していないセンサを示す情報や、その異常事象の内容を含むものとする。自端末異常通知部F9が請求項に記載の自機異常通知部に相当する。
他端末異常通知部F10は、他端末診断部F7によって周辺車載機1Bが備えるセンサが正常に動作していないと判定された場合に、その周辺車載機1Bのセンサが正常に動作していない旨を示すメッセージ(他端末異常通知とする)を、センター3に送信するように広域通信制御部F8に要求する。広域通信制御部F8は、他端末異常通知部F10からの要求に基づいて、他端末異常通知をセンター3に送信する。他端末異常通知は、診断対象とした周辺車載機1Bの端末IDを含んでいればよく、さらには、正常に動作していないセンサを示す情報や、正常に動作していないと判定した根拠を示す情報を含んでいることが好ましい。他端末異常通知部F10が請求項に記載の他機異常通知部に相当する。
(センター3について)
センター3は、広域通信網2に接続しており、車載機診断システム100が備える車載機1と広域通信網2を介して相互通信を実施する。センター3は、或る車載機1から自端末異常通知を受信した場合には、例えば、その車載機1に対してメンテナンスを行うためのスタッフの手配を行う。また、予め車載機1の端末IDとユーザの連絡先(例えばメールアドレス)と対応付けたデータを備えている場合には、その連絡先に、車載機1のセンサが正常に動作していない旨を通知してもよい。
他端末異常通知を受信した場合も同様に、その他端末異常通知で指定されている車載機1に対してメンテナンスを行うためのスタッフを手配したり、その車載機1のユーザに対して、利用中の車載機1のセンサが正常に動作していない旨を通知したりする。
(自端末診断処理について)
次に、図5に示すフローチャートを用いて、車載機1の制御部11が、自センサを診断する処理(自端末診断処理とする)について説明する。便宜上、当該処理を行う車載機1と、他の車載機1とを区別するため、車載機1Aを当該処理の主体として説明する。
このフローチャートは、例えば車載機1Aの指標データ生成部F2が指標データを生成したことをトリガとして開始されれば良い。もちろん、自端末診断処理を開始する条件は適宜、設計されれば良く、例えば、他の車載機1(つまり周辺車載機1B)から指標データを取得した場合であってもよい。また、車載機1Aが所定の数以上の周辺車載機1Bと車車間通信を実施している場合において、指標データ生成部F2が指標データを生成した場合に開始されてもよい。その他、車載機1Aが図示しない路側機と路車間通信を開始した場合に開始してもよい。
まず、ステップS10では正常範囲決定部F5が自端末診断基準決定処理を実施してステップS11に移る。このステップS10での自端末診断基準決定処理は、周辺車載機1Bから受信した指標データに基づいて、所定の診断項目毎の正常範囲を決定する処理である。
この自端末診断基準決定処理の、より具体的な処理手順の一例を図6に示す。まず、ステップS101では、メモリ11Mに格納されている周辺車載機1Bから受信した指標データのうち、自端末診断基準を生成するための母集団とする指標データを抽出してステップS102に移る。
ここでは、一例として、指標データ生成部F2が指標データを生成した時点よりも過去一定時間(母集団採用時間とする)以内に他の車載機1から受信した指標データを、自端末診断基準を決定するための母集団として抽出する。
この母集団採用時間の長さは、例えば第1時間や指標データを送信する周期程度の、比較的短い時間とすることが好ましい。これは次の理由による。冒頭でも述べた通り、自車両Aと周辺車両Bとは、類似性の高い挙動をする可能性が高く、その場合、自センサの動作状況(検出値など)と、周辺車載機1Bが備えるセンサの動作状況もまた、類似性が高くなることが期待できる。
しかしながら、自端末の指標データの生成時刻と比較する指標データの生成時刻が離れていると、各センサの出力値が異なっている可能性が高まってしまう。そのため、母集団採用時間は、できるだけ短いことが好ましい。もちろん、母集団採用時間が短すぎると、母集団として抽出される指標データの数が少なくなってしまう。母集団採用時間は、上記のトレードオフを鑑みて適宜決定されればよい。
また、この母集団採用時間内に、同一の車載機1から受信した指標データが複数存在する場合には、それらのうちの1つの指標データを用いることとする。つまり、1つの車載機1からは、多くとも1つの指標データしか用いない。同一の車載機1から受信した指標データが複数存在する場合に、その中から1つの指標データを選択する基準は適宜設計されれば良い。ここでは、最も新しい指標データを採用することとする。
なお、自端末診断基準を決定するための母集団とする指標データの選択方法の変形例については、別途後述する。また、ここでは、指標データ生成部F2が指標データを生成した時刻の過去、母集団採用時間以内に受信した指標データを母集団として採用することするが、これに限らない。指標データ生成部F2が指標データを生成した時点から母集団採用時間経過するまでに受信した指標データを母集団として採用してもよい。また、指標データ生成部F2が指標データを生成した時点の前後母集団採用時間以内に受信した指標データを母集団として採用してもよい。
ステップS102では、ステップS101で抽出された指標データが、複数存在する否かを判定する。ここで複数存在する場合には、ステップS104に移る。一方、1つしかない場合にはステップS103に移る。なお、1つも存在しなかった場合には、エラーとして当該自端末診断基準決定処理、及び自端末診断処理を終了すれば良い。
ステップS103では、ステップS101で抽出された1つの指標データに基づいて、診断項目毎の正常範囲を決定する。
例えば、加速度センサ15の軸方向毎の検出値の最大値が正常であると判定する範囲、つまり、加速度センサ15の軸方向毎の検出値の最大値に対する正常範囲は、ステップS101で抽出された指標データにおける加速度センサ15の軸方向毎の検出値の最大値を基準として定まる所定の範囲とすればよい。
より具体的には、加速度センサ15の軸方向毎の検出値の最大値に対する正常範囲の上限は、抽出された指標データにおける加速度センサ15の軸方向毎の検出値の最大値に一定値を加えた値とし、その下限は、抽出された指標データにおける加速度センサ15の軸方向毎の検出値の最大値に一定値を引いた値とすればよい。ここでの一定値は適宜設計されれば良い。
もちろん、他の態様として、抽出された指標データにおける加速度センサ15の軸方向毎の検出値の最大値に対して、正常範囲の上限や下限を定義するための所定の比率を乗算することで、加速度センサ15の軸方向毎の検出値の最大値に対する正常範囲を決定してもよい。例えば、抽出された指標データにおける加速度センサ15の軸方向毎の検出値の最大値の±30%となる範囲を、加速度センサ15の軸方向毎の検出値の最大値に対する正常範囲としてもよい。
その他の診断項目に対する正常範囲も、同様に、ステップS101で抽出した指標データに含まれる各項目の指標値に対して、診断項目毎に予め設定されている一定値を加減算したり、所定の比率を乗算したりすることで決定されればよい。以上のようにして、指標データに含まれる項目(つまり診断項目)毎の正常範囲を決定すると、呼び出し元の処理である自端末診断処理に戻る(図5 ステップS11)。
ステップS104では、ステップS101で抽出された複数の指標データに基づいて、診断項目毎の正常範囲を決定する。ステップS104での処理と、ステップS103での処理との違いは、自端末診断基準を決定するための母集団が、1つの指標データであるか複数の指標データであるかの違いにある。
このステップS104では、まず、ステップS101で抽出された複数の指標データに基づいて、指標データに含まれる項目毎に、その代表値を算出する。複数の指標データは、いずれも異なる周辺車載機1Bから受信したデータであるため、当然、同じ項目についての指標値であっても指標データ毎にその値は異なる(ばらつく)ことが想定される。或る項目の代表値とは、複数の指標データのそれぞれにおけるその項目の値を、代表的に表す値である。
或る項目の代表値とは、統計学等で用いられる平均値であってもよいし、中央値であってもよい。また、平均値に標準偏差を加えた値、さらには、平均値に標準偏差の2倍を加えた値であってもよい。項目毎に、どのような値を代表値とするかは適宜設計されれば良い。ここでは一例として何れの項目も、各指標データにおけるその項目の値を母集団として定まる平均値とする。
そして、各項目の正常範囲の下限は、その項目の平均値に標準偏差の2倍の値を減算した値とし、上限は、平均値に標準偏差の2倍の値を加えた値とする。もちろん、各項目の正常範囲の決定方法は上記に限らず、適宜設計されればよい。例えば、各項目の代表値を平均値や中央値とし、その後は、その代表値を基準としてステップS103と同様の手法によって、正常範囲の上限や下限を決定してもよい。
以上のようにして、診断項目毎の正常範囲(つまり自端末診断基準)を決定すると、呼び出し元の処理である自端末診断処理(図5)に戻り、ステップS11に移る。
ステップS11では自端末診断部F6が、ステップS10で決定された診断項目毎の正常範囲を用いて自センサの診断を行う。つまり、指標データ生成部F2が生成した指標データに含まれる各項目の値が、その項目に対応する正常範囲に収まっているか否かを判定する。
例えば、指標データ生成部F2が生成した指標データに含まれる加速度センサ15のZ軸方向の検出値の最大値が、加速度センサ15のZ軸方向の検出値の最大値に対して決定された正常範囲に収まっているか否かを判定する。
ここで、種々の正常範囲は、自端末周辺に存在する車載機1Bの指標データに基づいて定まるものである。このため、例えば加速度センサ15のZ軸方向の検出値の最大値が、それに対応する正常範囲に収まっていない場合とは、加速度センサ15の動作が、周囲の車載機1が備える加速度センサ15の動作傾向と乖離していることを意味する。
加速度センサ15の動作が、周囲の車載機1が備える加速度センサ15の動作傾向と乖離する場合とは、加速度センサ15に不具合が生じている可能性や、自車両Aに対する車載機1Aの取付姿勢が正しい取付姿勢となっていない可能性を示唆する。自車両Aに対する車載機1Aの取付姿勢が正しい取付姿勢となっていない場合には、自端末が備える加速度センサ15のZ軸の検出方向が、周囲の車載機1Bが備える加速度センサ15のZ軸の検出方向とずれるためである。
例えば、周囲の車載機1BにおいてZ軸方向に作用する加速度が相対的に小さい値となっているにも関わらず、自端末における加速度センサ15のZ軸方向の加速度が相対的に大きい値となっている場合には、加速度センサ15が故障しているか、或いは、Z軸方向が本来の検出方向(高さ方向)とは異なる方向(例えば車両前後方向など)に作用する加速度を検出していることを示唆している。
このステップS11で、指標データ生成部F2が生成した指標データに含まれる全ての項目において、その項目の値が、対応する正常範囲で定義される範囲に収まっているか否かの判定を完了すると、ステップS12に移る。
ステップS12では、ステップS11の判定の結果、自センサの何れかに異常が生じているか否かを判定する。異常が生じているか否かの判定する条件(異常判定条件)は、センサ毎に適宜設定されれば良い。例えば、そのセンサに対する診断項目のうち、1つでも正常範囲から逸脱している項目があった場合には、そのセンサに異常が生じていると判定してもよい。また、そのセンサに対する診断項目のうち、正常範囲から逸脱している項目の数が所定の数(例えば3つ)以上であった場合に、そのセンサに異常が生じていると判定してもよい。
ところで、周辺車載機1Bが備える加速度センサ15の動作状況に対して、自端末の加速度センサ15の動作状況が乖離する場合とは、追い抜き操作など、自車両Aが周辺車両Bとは異なる挙動をしている場合も含みうる。このため、1回の自端末診断処理によって或るセンサを異常と判断するのではなく、自端末診断処理を複数回実施し、そのうち所定回数、異常判定条件が充足された場合に、最終的にそのセンサに異常が生じていると判定する態様としてもよい。
ステップS12の判定処理の結果、異常が生じていると判定したセンサが存在する場合には、ステップS12がYESとなってステップS13に移る。一方、ステップS12の判定処理の結果、異常が生じていると判定されたセンサが存在しない場合には、ステップS12がNOとなって本フローを終了する。
ステップS13では自端末異常通知部F9が、自端末異常通知をセンター3に送信するように広域通信制御部F8に要求する。そして、広域通信制御部F8が、自端末異常通知部F9からの要求に基づいて自端末異常通知をセンター3に送信し、本フローを終了する。
以上では、自端末診断基準を、複数の他の車載機1Bから取得した指標データに基づいて決定できる態様としたが、これに限らない。自端末診断基準は、常に1つの車載機1Bから取得した指標データに基づいて決定する態様としてもよい。また、そのような場合には、他の車載機1Bからの指標データを取得した場合に自端末診断処理を開始する態様としてもよい。
(他端末診断処理について)
次に、図7に示すフローチャートを用いて、制御部11が、周辺車載機1Bが備えるセンサを診断する処理(他端末診断処理とする)について説明する。このフローチャートは、任意の周辺車載機1Bから指標データを取得したことをトリガとして開始されれば良い。もちろん、自端末診断処理を開始する条件は適宜、設計されれば良く、例えば指標データ生成部F2が指標データを生成した場合であってもよい。
また、或る周辺車載機1Bから、その周辺車載機1Bを診断対象とする他端末診断処理を実施するように要求された場合に開始されてもよい。その他、図示しない路側機と路車間通信を開始した場合に開始してもよい。
便宜上、以降では、周辺車載機1Bのうち、診断対象とする周辺車載機1Bを周辺車載機1Bbとし、周辺車載機1Bのうち周辺車載機1Bb以外の周辺車載機1Bを周辺車載機1Baとして表す(図8参照)。また、図8の車載機1Aは、冒頭でも述べたように、自端末に相当する車載機1である。この他端末診断処理を実行する主体は、車載機1Aである。
まず、ステップS20では正常範囲決定部F5が、他端末診断基準決定処理を実施してステップS21に移る。このステップS20での他端末診断基準決定処理は、車載機1Baから受信した指標データに基づいて、診断項目毎の正常範囲を決定する処理である。
この他端末診断基準決定処理の処理手順は、診断基準を決定するための母集団となりうる指標データが異なる点を除いて、前述の自端末診断基準決定処理の処理手順と同様である。より具体的には、前述の自端末診断基準決定処理においては、周辺車載機1Bから取得した指標データのうち、所定の条件を満たす指標データを用いて診断基準を決定した。
この他端末診断基準決定処理においては、周辺車載機1Baから取得した指標データのうち、所定の条件を満たす指標データを用いて診断基準を決定する。つまり、周辺車載機1Baから受信した指標データのうち、周辺車載機1Bbからの指標データを受信した時点よりも過去、母集団採用時間以内に、周辺車載機1Baから受信した指標データを母集団として採用する。
また、周辺車載機1Bbからの指標データを受信した時点よりも過去、母集団採用時間以内に、自端末の指標データが生成されている場合には、その指標データも母集団として抽出する。
この他端末診断基準処理は、上記相違点を除いて、前述の自端末診断基準決定処理の処理手順と同様であるため、詳細な処理手順についての説明は省略する。
なお、本実施形態では、診断対象とする周辺車載機1Bbから取得した指標データについては、他端末診断基準を決定するための母集団として採用しない態様とするが、これに限らない。他の態様として、正常範囲決定部F5は、診断対象とする周辺車載機1Bbから取得した指標データも用いて、他端末診断基準を決定してもよい。
ステップS21では他端末診断部F7が、ステップS20において、他端末診断基準として決定された診断項目毎の正常範囲を用いて、周辺車載機1Bbが備えるセンサの診断を行う。つまり、周辺車載機1Bbから受信した指標データに含まれる各項目の値が、その項目に対応する正常範囲に収まっているか否かを判定する。
例えば、周辺車載機1Bbから受信した指標データに含まれる加速度センサ15のZ軸方向の検出値の最大値が、加速度センサ15のZ軸方向の検出値の最大値に対して決定された正常範囲に収まっているか否かを判定する。
このステップS21で、周辺車載機1Bbから取得した指標データに含まれる全ての項目において、その項目の値が、対応する正常範囲で定義される範囲に収まっているか否かの判定を完了すると、ステップS22に移る。
ステップS22では他端末診断部F7が、ステップS21の判定の結果、周辺車載機1Bbが備えるセンサの何れかに異常が生じているか否かを判定する。つまり、ステップS21の判定の結果、或るセンサが、予め設定されている異常判定条件を充足しているか否かを判定する。
ステップS22の判定処理の結果、異常が生じていると判定したセンサが存在する場合には、ステップS22がYESとなってステップS23に移る。一方、ステップS22の判定処理の結果、異常が生じていると判定されたセンサが存在しない場合には、ステップS22がNOとなって本フローを終了する。
ステップS23では他端末異常通知部F10が、他端末異常通知をセンター3に送信するように広域通信制御部F8に要求する。そして、広域通信制御部F8が、他端末異常通知部F10からの要求に基づいて他端末異常通知をセンター3に送信し、本フローを終了する。
なお、以上では、他端末診断基準を、他の周辺車載機1Baから取得した指標データに加えて自端末の指標データも用いて決定できる態様としたが、これに限らない。他端末診断基準は、自端末の指標データを用いずに、車載機1Baから取得した指標データに基づいて決定する態様としてもよい。
(実施形態のまとめ)
以上の構成では、診断対象とする車載機1が備えるセンサの動作の傾向を示す指標値と、診断対象を除く少なくとも1つの車載機1が備えるセンサの動作の傾向を示す指標値に基づいて定まる診断基準とを比較することで、診断対象とする車載機1が備えるセンサが正常であるか否かを判定する。
より具体的には、診断対象を除く少なくとも1つの車載機1が備えるセンサの動作の傾向を示す指標値に基づいて、指標値毎の正常範囲を決定し(ステップS10、S20)、診断対象とする車載機1が備えるセンサの指標値が、その正常範囲に収まっているか否かを判定する。そして、正常範囲に収まっていない指標値の数や種類が、所定の異常判定条件を充足している場合に、センサが正常に動作していないと判定する(ステップS12、S22)。
このような態様によれば、外部環境についての情報を用いなくても、車載機に生じている異常をより精度よく検出することができる。より具体的には、次の通りである。
上述の外部環境とは、自車両が走行している環境を表すものであって、自車両が走行している道路の路面形状や、道路の形状(曲率)、道路の勾配、時間帯、天候などが該当する。これらの要素は、自車両Aと周辺車両Bにおいて共通していることが想定される。それに伴い、それらの要素が各車載機1のセンサの検出値に与える影響もまた共通していることが想定される。
つまり、診断されるセンサの検出値も、当該センサを診断するための正常範囲を決定するために用いられるセンサの検出値もいずれもが、外部環境の影響を同様に受けた検出値となっている。このため、センサを診断するための正常範囲は、診断されるセンサに作用している外部環境の影響が反映された範囲となっている。
また、自車両Aと周辺車両Bとは、互い交通の流れに沿って走行しているため、いずれも類似性の高い挙動を行うことが想定される。特に、自車両Aと周辺車両Bとが、近年普及が進んでいる追従走行機能などを用いた隊列走行を実施している場合には、その傾向は顕著となることが期待される。
そのため、仮に各車載機1において同一種類の物理状態量を検出するセンサ(例えば加速度センサ15)が、いずれも正常に動作している場合には、各センサの動作の傾向は、類似性が高くなることが期待できる。
言い換えれば、診断対象とする車載機1において或る種類の物理状態量を検出するセンサの動作の傾向が、他の車載機1において、同一種類の物理状態量を検出するセンサの動作の傾向と異なる場合には、その診断対象とする車載機1のそのセンサが正常に動作していないことを意味する。
また、上記の診断を行う際において用いる情報は、車載機1が備えるセンサが検出した検出値に基づいて定まる種々の指標値のみである。つまり、車載機1外部の情報、例えば、自車両が走行している道路の路面形状や、道路の形状(曲率)、道路の勾配、時間帯、天候などの情報は用いない。
したがって、以上で述べた態様によれば、外部環境によっては正常な動作状況となりうる動作をする異常がセンサに生じていることを、外部環境についての情報を用いなくても、検出することができる。
以下、本実施形態の効果を説明するための具体的な事例を幾つか述べる。例えば、照度センサ17は、昼間においては相対的に大きい検出値を出力する一方、夜間においては、相対的に小さい値を出力する。したがって、仮に、照度センサ17の出力値の大きさに対して、照度センサ17に不具合が生じているか否かを判定するための閾値を設定しようとすると、時間帯に応じた閾値を用いる必要があり、それに伴って車載機1は、時刻情報を取得したり、予め時間帯に応じた複数の閾値が設定されていたりする必要が生じる。
また、雨や雪が降っている場合には、晴天時によりも出力値は低下するとともに、季節に応じて日の入り日の出は異なる。そのため、照度センサ17に不具合が生じているか否かを判定するための照度に対する閾値は、天候や季節に応じた値を用いる必要があり、車載機1は天候情報や、日付情報まで取得する必要が生じる。
そのような課題に対し、本実施形態の構成によれば、車載機1が時刻情報や、日付情報、天候情報を取得する必要もなく、それらの要素に応じた閾値を動的に用いる必要もない。例えば、昼間においては、車載機1Aや車載機1Baの照度センサ17の出力する照度は、夜間に比べて十分大きい値となる。そのような状況において、車載機1Bbが備える照度センサ17の出力値が相対的に小さい場合には、車載機1Bbの照度センサ17に何か不具合が生じていることを検出することができる。
なお、車載機1Bbの照度センサ17の出力が周りの車載機1Baや自端末よりも小さくなる場合とは、車載機1Bbの照度センサ17を日光から遮るようなカバーが車載機1Bbに取り付けられていたり、照度センサ17に不具合が生じていたりする場合などである。ここでは、車載機1Bbの照度センサ17を診断の対象とする態様を例示したが、自端末の照度センサ17についても同様である。
また、加速度センサ15の動作の傾向は、その車載機1が用いられている車両が走行している道路の滑らかさや、勾配、曲率などの影響を受ける。例えば、背景技術欄でも述べたように、加速度センサ15が上下方向の加速度を検出しているという状況は、凹凸が多い道路や橋の上の道路などを自車両が走行している場合には正常な動作をしていることを意味する一方、自車両が平坦な道路上を走行している場合には、不具合が発生していることを意味する。
ここで、仮に車載機1が、現在走行している道路の路面状況に関する情報を取得できる場合であって、かつ、その路面状況に応じた閾値が予め用意されている場合には、その閾値を用いて加速度センサ15が正常に動作しているか否かを判定することは可能である。しかしながら、その場合、車載機1が現在走行している道路の路面状況に関する情報を取得する必要や、路面状況に応じた複数の閾値を予め用意しておく必要がある。
そのような課題に対し、本実施形態の構成によれば、車載機1が現在走行している道路の路面状況に関する情報を取得する必要はなく、また、路面状況に応じた複数の閾値を予め用意しておく必要はない。したがって、より簡素な構成で適切に加速度センサ15が正常に動作しているか否かを判定することができる。
さらに、ジャイロセンサ16は、その車載機1が搭載された車両(搭載車両)の挙動の影響を受ける。例えば、車両が交差点やカーブを走行している場合には、相対的に大きな検出値を出力する一方、当該車両が直進走行している場合には、その出力値は相対的に小さい値になるべきである。
つまり、ジャイロセンサ16が所定の大きさ(0も含む)の検出値を出力しているという状況は、その車載機1を搭載した車両がカーブを走行している場合や交差点で曲がっている場合には、正常な動作をしていることを意味する一方、自車両が直進道路を走行している場合には不具合が発生していることを意味する。
ここで、仮に車載機1が、その車載車両が直進しているか否かを特定できる情報を取得できる場合には、ジャイロセンサ16が出力している検出値の大きさと、予め設定された閾値から、ジャイロセンサ16が正常に動作しているか否かを判定することは可能である。しかしながら、その場合、車載機1は、搭載車両が直進しているか否かを特定できる情報を取得する必要がある。なお、搭載車両が直進しているか否かを特定できる情報とは、走行している道路の曲率や、操舵角や走行速度といった車両情報などが該当する。
これに対し、本実施形態の構成によれば、車載機1は、上述した種々の情報を取得する必要はなく、また、車両の挙動に対応する複数種類の閾値を予め用意しておく必要はない。したがって、より簡素な構成で適切にジャイロセンサ16が正常に動作しているか否かを判定することができる。
また、上記構成によれば、車載機1Aは、自端末が備える種々のセンサを、自分自身(つまり自端末診断部F6)で診断することができるとともに、その指標データを送信することで、他の車載機1Bの他端末診断部F7によって診断してもらうことができる。
したがって、仮に車載機1Aがセンター3と通信できない場合であっても、車載機1Bが、車載機1Aのセンサが正常に動作していないと判定した場合には、センター3は車載機1Bからの通知に基づいて、車載機1Aのセンサが正常に動作していないことを認識することができる。そして、センター3は、車載機1Aのメンテナンスの手配などの対策を講じることができる。なお、車載機1Aがセンター3と通信できない場合とは、車載機1Aの広域通信部13が故障している場合や、広域通信部13を備えていない場合などが該当する。
言い換えれば、全ての車載機1が、或る車載機1が備えるセンサに異常が生じていることをセンター3に通知する機能を有している必要はない。車載機診断システム100全体として、或る車載機1が備えるセンサに異常が生じていることをセンター3に通知する機能を有する車載機1が一定の割合で存在すればよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
<変形例1>
以上では、車載機診断システム100が備える車載機1を何れも同様の機能を備えるものとしたが、これに限らない。診断される側の車載機1と、診断する側の車載機1とで、備えるべき機能は異なる。
診断される側の車載機1は、少なくとも、検出結果取得部F1と、指標データ生成部F2と、自端末の指標データを送信する機能を有する狭域通信制御部F3と、を備えていればよい。
また、診断する側の車載機1は、少なくとも、診断される側の車載機1から送信された指標データを取得する機能を有する狭域通信制御部F3と、指標データ管理部F4と、正常範囲決定部F5と、他端末診断部F7と、広域通信制御部F8と、を備えていれば良い。
ただし、上記構成によれば、診断する側の車載機1は、診断される側の車載機1を診断することは出来ても、自分自身を診断したり、診断してもらうことができない。したがって、診断する側の車載機1は、上記必要最低限の構成に加えて、検出結果取得部F1と、指標データ生成部F2と、を備え、さらに狭域通信制御部F3は、自端末の指標データを送信する機能を備えていることが好ましい。
なお、自端末診断部F6は備えていなくとも、他の診断する側の車載機1に、自分の指標データを送信することによって診断してもらうことが可能である。そのため、自端末診断部F6は備えていなくても良い。つまり、自端末診断部F6は、任意の要素である。
<変形例2>
車載機1が備えるセンサが正常に動作していない場合とは、車載機1が車両に対して、正しい姿勢で取り付けられていない場合も含みうる。ここでの正しい姿勢とは、予め定められている取付姿勢を指す。
このため、自端末診断部F6は、自端末の取付姿勢が正しい姿勢となっているか否かを判定してもよい。また、他端末診断部F7は、診断対象とする車載機1Bbが、その車載機1Bbが搭載された車両Bbにおいて、正しい姿勢で取り付けられているか否かを判定してもよい。
ここでは一例として、加速度センサ15が出力する3つの軸方向の検出値に基づいて、車載機1Aの自端末診断部F6が、自端末の取付姿勢が正しい姿勢となっているか否かを判定する態様を例示する。
まずは、自車両Aの走行状態と、車載機1Aの加速度センサ15が出力する3つの軸方向の検出値との関係について述べる。自車両Aが停車している場合、自車両Aの加減速や旋回に起因して車載機1Aに作用する力は生じないため、加速度センサ15が検出する加速度の大きさは、一定の値、すなわち重力加速度(≒9.8m/sec^2)と等しくなる(略一致も含む)。
また、重力加速度は、水平面に対する車載機1の姿勢に応じて、加速度センサ15の3つの軸方向に分解されて表れる。言い換えれば、車両が停車している場合における加速度センサ15の軸方向毎の検出値は、水平面に対する車載機1の姿勢を表すものである。なお、ここでの水平面とは、重力が作用する方向に対して垂直な平面を指す。
したがって、仮に自車両Aが停車していることを車載機1Aが認識できる構成となっている場合には、自車両Aが停車しているときの加速度センサ15の軸方向毎の検出値が、予め定められた範囲内の値となっているか否かによって、車載機1Aの自車両に対する取付姿勢が正しいか否かを判定する方法も考えられる。
しかしながら、自車両Aが停車している場合であっても、加速度センサ15の軸方向毎の出力値がいつも同じとは限らない。自車両Aが坂道など、勾配がある道路に存在している場合には、加速度センサ15の軸方向毎の出力値の比率は、道路の勾配の影響を受けて変化するためである。
したがって、仮に自車両Aが停車していることを車載機1Aが認識できる構成となっている場合であっても、予め定められた一定の閾値を用いて、車載機1Aが正しい姿勢で車両に取り付けられているかを精度よく判定することは難しい。
ところで、自車両Aが勾配のある道路に存在している場合、周辺車両Bもまた同様な勾配の道路に存在している可能性が高い。つまり、道路の勾配による影響は自端末の加速度センサ15だけでなく、周辺車載機1Bの加速度センサ15も受ける。
いずれの車載機1も、車両に対して正しい姿勢で取り付けられている場合には、道路の勾配による影響は、自端末及び周辺の車載機1の加速度センサ15のそれぞれに対して、等しく作用する。
上記考察を鑑みて、自端末診断部F6は、停車中の加速度センサ15が出力する軸方向毎の検出値と、停車中の周辺車載機1Bが備える加速度センサ15が出力する3つの軸方向の検出値と、を比較することによって、自端末の取付姿勢が正しい姿勢となっているか否かを判定する。
この変形例2における車載機診断システム100は、例えば以下のような構成とすればよい。まず、車載機1Aの制御部11は、図9に示すように、自車両Aが停車しているか否かを判定する停車判定部F11を備える。
この停車判定部F11は、例えば、GNSS受信機14の受信状況に基づいて判定すればよい。自車両Aの走行に伴って車載機1が移動している場合、GNSS受信機14とGNSS衛星との距離は変化する。その結果、例えばGNSS受信機14が或るGNSS衛星に接近している場合には、そのGNSS衛星から送信された搬送波の周波数は、ドップラー効果によって規定の周波数よりも高くなる。また、GNSS受信機14が或るGNSS衛星から離れるように移動している場合には、そのGNSS衛星から送信された搬送波の周波数は規定の周波数よりも低くなる。そのようなドップラー効果によるGNSS衛星から送信された信号の受信周波数の変化は、受信信号の位相の変化となって観測できることが知られている。
したがって、GNSS受信機14が、少なくとも1つのGNSS衛星からの信号を受信している状態において、何れのGNSS衛星からの受信信号にも、ドップラー効果による位相変化を観測していない場合には、自車両Aが停車していると判定する。また、GNSS受信機14が、少なくとも1つのGNSS衛星からの信号を受信している状態において、捕捉中の何れかのGNSS衛星からの受信信号に、ドップラー効果による位相変化を観測している場合には、自車両Aが停車していないと判定すればよい。なお、GNSS受信機14が、1つもGNSS衛星を補足していない場合には、上述の判定は行わなかったり、停車していないと判定したりする態様とすればよい。
もちろん、その他、停車判定部F11は、GNSS受信機14が出力した現在位置情報が、前回出力された位置情報と同一(略同一を含む)の位置を示している場合に、自車両Aが移動していないと判定してもよい。
そして、指標データ生成部F2は、停車判定部F11によって自車両Aが停車していると判定されている場合には、その判定が維持されている間に加速度センサ15が出力した軸方向毎の検出値を、指標データに含めて送信する。指標データに含まれる、停車中に加速度センサ15が出力した軸方向毎の検出値を、姿勢情報と称する。
以上では、車両Aに搭載された車載機1Aの構成について述べたが、周辺車両Bに搭載された車載機1Bも同様に、自端末が搭載された車両が停車しているか否かを判定する停車判定部F11を備え、さらに、停車判定部F11によって停車していると判定されている場合には、姿勢情報を含む指標データを送信するものとする。
そして、正常範囲決定部F5は、周辺車載機1Bから姿勢情報を含む指標データを受信した場合には、その姿勢情報に基づいて、取付姿勢に対する正常範囲を決定する。例えば、取付姿勢に対する正常範囲は、受信した姿勢情報に含まれる軸方向毎の検出値に対して、所定の裕度(例えば±20%)を付与した範囲とすればよい。
自端末診断部F6は、自端末の指標データ生成部F2が生成した指標データに姿勢情報が含まれている場合であって、かつ、正常範囲決定部F5が、周辺車載機1Bから取得した姿勢情報に基づいて取付姿勢に対する正常範囲を決定している場合には、自端末の姿勢情報に示される軸方向毎の検出値が、その正常範囲に収まっているか否かを判定する。
そして、自端末の姿勢情報に示される軸方向毎の検出値が、その正常範囲に収まっていない場合には、自端末の取付姿勢が正しい姿勢ではないと判定すれば良い。また、自端末の姿勢情報に示される軸方向毎の検出値が、その正常範囲に収まっている場合には、自端末の取付姿勢は正しい姿勢となっていると判定すればよい。自端末の取付姿勢が正しい姿勢ではないと判定した場合には、自端末異常通知部F9が自端末の取付姿勢に正しい姿勢ではない旨をセンター3に通知するための処理を行う。
この変形例2の構成によれば、道路の勾配を考慮して、自端末の取付姿勢が正しいか否かを判定することができる。
以上では自端末診断部F6が自端末の取付姿勢を判定する態様を例示したが、所定の診断対象とする周辺車載機1Bbの取付姿勢が正しい姿勢となっているか否かを判定する方法も同様である。正常範囲決定部F5は、周辺車載機1Baから姿勢情報を含む指標データを受信した場合には、その姿勢情報に基づいて、取付姿勢に対する正常範囲を決定すればよい。また、自端末の指標データ生成部F2が生成した指標データに含まれる姿勢情報に基づいて、取付姿勢に対する正常範囲を決定してもよい。
他端末診断部F7は、診断対象とする周辺車載機1Bbから取得した指標データに含まれる姿勢情報と、正常範囲決定部F5が決定した取付姿勢に対する正常範囲とを比較することで、周辺車載機1Bbが正しい姿勢で取り付けられているか否かを判定すればよい。
<変形例3>
上述の変形例2では、各車載機1がGNSS受信機14及び停車判定部F11を備え、停車中に加速度センサ15が検出した結果を用いて、車載機1の取付姿勢が正しい姿勢で取り付けられているか否かを検出する態様を例示したが、これに限らない。
GNSS受信機14及び停車判定部F11を備えずに、指標データに含まれる加速度センサ15の軸方向毎の中央値を用いて自端末や周辺車載機1Bの車両に対する取付姿勢が正しい姿勢であるか否かを判定してもよい。ここでは一例として、車載機1Aの自端末診断部F6が、自端末の取付姿勢が正しい姿勢となっているか否かを判定する態様を例示する。
変形例2でも述べた通り、自車両Aが停車している場合、自車両Aの加減速や旋回に起因して車載機1Aに作用する力は生じないため、加速度センサ15が検出する加速度の大きさ(以降、検出加速度絶対値)は、重力加速度と等しくなる(略一致も含む)。もちろん、自車両Aが等速直進運動をしている場合も、検出加速度絶対値は重力加速度と等しくなる。
したがって、逆説的に、検出加速度絶対値が重力加速度と等しくなっている場合には、自車両Aが停車又は等速直線運動している可能性を示唆している。なお、検出加速度絶対値は、軸方向毎の検出値をそれぞれ二乗した値の和の平方根である。
もちろん、加速度センサ15の検出加速度絶対値が重力加速度と等しくなっているからといって、自車両Aが停車、又は等速直線運動しているとは限らない。
それは、加速度センサ15に異常が生じている場合において、自車両Aの加減速や旋回に起因して発生する力によって、偶然、検出加速度絶対値が重力加速度と等しくなっている場合があり得るからである。
ところで、周辺車両Bが停止している場合には、自車両Aも停止している可能性が高い。また、周辺車両Bが等速で直進している場合には、自車両Aもまた等速で直進している可能性が高い。さらに、複数の車載機1のそれぞれが備える加速度センサ15の検出加速度絶対値のいずれもが、偶然、重力加速度と等しくなっている可能性は低い。
したがって、自端末、及び自端末周辺に存在する複数の車載機1Bのそれぞれが備える加速度センサ15の検出加速度絶対値が、何れも(或いはそのうちの一部が)重力加速度と等しくなっている場合には、自車両A及び周辺車両Bは、停車又は等速直線運動しているとみなすことができる。
自車両Aや及び周辺車両Bは、停車又は等速直線運動している場合の加速度センサ15が出力する軸方向毎の検出値は、前述の通り、道路の勾配の影響を受けた水平面に対する各車載機1の姿勢を表している。
上記考察を鑑みて、自端末診断部F6は、自端末及び周辺車載機1Bの検出加速度絶対値がそれぞれ重力加速度と等しくなっている場合には、それらの加速度センサ15の検出結果を比較することで、自端末の取付姿勢が正しい姿勢となっているか否かをすることができる。
この変形例3における車載機診断システム100の構成は次のようにすればよい。検出結果取得部F1は、加速度センサ15から検出結果を取得する度に、その検出結果から検出加速度絶対値を算出し、メモリ11Mに格納する。そして、指標データ生成部F2は、最新の検出結果に対応する検出加速度絶対値と、その検出加速度絶対値の元となった軸方向毎の検出値を含む指標データを生成する。
そして、自端末診断部F6は、図6のステップS101で抽出した指標データが複数存在し、かつ、それらの検出加速度絶対値が何れも(又は一定の割合以上)重力加速度と等しくなっているか否かを判定する。ここで、複数の指標データの検出加速度絶対値が重力加速度と等しくなっている場合には、さらに、自端末の指標データにおける検出加速度絶対値もまた重力加速度と等しいか否かを判定する。
そして、自端末の指標データにおける検出加速度絶対値もまた重力加速度と等しい場合に、自端末の指標データに含まれる軸方向毎の検出値と、周辺車載機1Bから取得した指標データに含まれる軸方向毎の検出値を、それぞれ比較する。
この比較の結果、軸方向毎の検出値の差異が、それぞれ所定の許容範囲内に収まっている場合に、自端末の取付姿勢は正しいと判定する。また、比較の結果、軸方向毎の検出値の差異が、それぞれ所定の許容範囲内に収まっていない場合に、自端末の取付姿勢は正しい姿勢ではないと判定する。自端末の取付姿勢が正しい姿勢ではないと判定した場合には、自端末異常通知部F9が自端末の取付姿勢に正しい姿勢ではない旨をセンター3に通知するための処理を行う。
以上では、自端末診断部F6が自端末の取付姿勢が正しい姿勢となっているか否かを判定する態様を例示したが、他端末診断部F7が、診断対象とする周辺車載機1Bbが正しい取付姿勢となっているか否かの判定も、診断対象とする指標データを、自端末の指標データから、その診断対象とする車載機1Bbから取得した指標データに置き換えて、以上で述べた手順と同様に行えばよい。
上記の構成によれば、変形例3の構成によれば、GNSS受信機14がGNSS衛星を1つも補足していない状況においても、自端末や周辺車載機1Bbの取付姿勢が正しいか否かを判定することができる。また、以上で述べた方法によれば、変形例2と同様に、道路の勾配の影響によって取付姿勢について誤った判定が行われる恐れも低減することができる。
<変形例4>
前述の実施形態では、自端末診断基準を決定するための指標データの母集団を、指標データ生成部F2が指標データを生成した時点を基準として定まる一定時間内に他の車載機1Bから受信した指標データとしたが、これに限らない。
例えば、上記条件を満たす指標データの中でもさらに、自端末から一定距離以内に存在する車載機1Bから取得した指標データを、母集団として採用する構成としてもよい。冒頭でも述べた通り、自車両Aと周辺車両Bとは、類似性の高い挙動(加減速や旋回)をする可能性が高いが、その中でも、自車両Aに近い周辺車両Bほど、その類似度は高いことが期待されるためである。つまり、周辺車載機1Bのうち、自端末から一定距離以内に存在する車載機1Bから受信した指標データを、自端末診断基準を決定するための母集団として採用することで、自端末診断処理の精度を向上させることができる。
この変形例4は、例えば以下のような構成とすればよい。まず、各車載機1の狭域通信制御部F3は、指標データに対して、端末IDと、GNSS受信機14の検出結果に基づいて定まる現在位置を示す位置情報(緯度、経度、高さ)と、を含むヘッダを付与して送信する。
また、狭域通信制御部F3は、他の車載機1Bから送信された指標データを含むデータを取得した場合には、その受信データから、指標データと、送信元の車載機1を表す端末IDと、その位置情報とを取り出して指標データ管理部F4に提供する。
指標データ管理部F4は、狭域通信制御部F3から指標データと、端末IDと、位置情報とを取得すると、その指標データと位置情報と端末IDとを対応付けてメモリ11Mに格納する。
そして、正常範囲決定部F5は、自端末診断基準決定処理において、指標データ生成部F2が指標データを生成した時点の過去、母集団採用時間以内に、他の車載機1Bから受信した指標データのうち、さらに、自端末から一定距離以内に存在する車載機1Bから受信した指標データを、自端末診断基準を決定するための母集団として採用してもよい。
自端末の現位置は、GNSS受信機14から提供される位置情報に基づいて特定されればよい。また、自端末と各車載機1Bとの距離は、その車載機1Bから受信した指標データに対応付けられている位置情報に含まれる緯度及び経度と、自端末の緯度及び経度の差から算出すれば良い。ここでの一定距離は、例えば25mや50mなどとすればよい。
以上では自端末診断基準を決定するための母集団とする指標データを抽出する際の態様を例示したが、他端末診断基準を決定するための母集団とする指標データを抽出する際の態様についても同様である。
つまり、正常範囲決定部F5は、他端末診断基準決定処理において、診断対象とする車載機1Bbからの指標データを受信した時点の過去、母集団採用時間以内に、他の車載機1Baから受信した指標データのうち、さらに、その車載機1Bbの現在位置から一定距離以内に存在する車載機1Baから受信した指標データを母集団として抽出する。また、自端末の現在位置が、車載機1Bbの現在位置から一定距離以内であって、且つ、車載機1Bbからの指標データを受信した時点の過去母集団採用時間以内に、指標データ生成部F2が指標データを生成した場合には、当該指標データも母集団として含ませればよい。
なお、指標データを取得した時点についての条件は用いずに、車載機1間の距離によって種々の診断基準を決定するための指標データを取捨選択する態様としてもよい。
<変形例5>
上述の変形例4では、診断対象とする車載機1からの距離に基づいて、車載機1Bから取得した指標データや自端末の指標データのうち、正常範囲決定部F5が種々の診断基準を決定するために用いる指標データを取捨選択する態様を例示したが、これに限らない。例えば、正常範囲決定部F5は、診断対象とする車載機1と等しい高さに存在する車載機1から取得した指標データを母集団として採用してもよい。
例えば、高速道路などの高架道路を走行する車両と、その高架道路の下方に延設されている道路を走行する車両とでは、挙動が異なることが想定される。したがって、車載機1が位置する高さ情報に基づいて、診断対象とする車載機1から、高さが一定値以上離れている車載機1からの指標データは、診断基準を決定するための母集団として採用しない態様としてもよい。これによって、正常範囲をより適切に決定することができる。
この変形例5は、変形例4と同様の態様によって実現すればよい。つまり、周辺車載機1Bが位置する高さは指標データに対応付けられている位置情報に基づいて特定されれば良く、また、自端末が位置する高さはGNSS受信機14の検出結果に基づいて特定されれば良い。
<変形例6>
さらに、正常範囲決定部F5は、診断対象とする車載機1の移動方向と等しい方向(略一致も含む)に移動している車載機1から取得した指標データに基づいて診断基準を決定してもよい。冒頭でも述べた通り、自車両Aと周辺車両Bとは、類似性の高い挙動(加減速や旋回)をする可能性が高いが、移動方向が異なる車載機1については、その限りではない。
つまり、診断対象とする車載機1が搭載された車両と、その車両が走行する車線の対向車線を走行する車両や、交差点付近において他の方向に移動していく車両とでは、挙動は異なっている可能性のほうが高い。したがって、診断対象とする車載機1の移動方向と異なる方向に移動していく車載機1からの指標データは、診断基準を決定するための母集団として採用しないことで、その判定精度を向上させることができる。
なお、車載機1の移動方向は、例えば、変形例3で述べた、GNSS受信機14が受信する信号のドップラー効果に基づいて特定されればよい。ドップラー効果によってGNSS受信機14が受信する信号に生じる周波数の変化から、水平面における移動方向を求める方法は周知技術である。
また、この変形例6は、例えば以下のような構成とすればよい。まず、各車載機1の狭域通信制御部F3は、送信しようとしている指標データに対して、端末IDと、GNSS受信機14の受信信号の周波数変化に基づいて定まる自端末の移動方向を示す情報と、を含むヘッダを付与して送信する。
また、狭域通信制御部F3は、他の車載機1から送信された指標データを含むデータを取得した場合には、その受信データから、指標データと、送信元の車載機1を表す端末IDと、その移動方向と、を取り出して指標データ管理部F4に提供する。
指標データ管理部F4は、狭域通信制御部F3から指標データと、それに対応付けられている端末ID及び移動方向を取得すると、その指標データ及び移動方向を端末IDと対応付けてメモリ11Mに格納する。
そして、正常範囲決定部F5は、正常範囲決定部F5は、診断対象とする車載機1の移動方向と等しい方向に移動している車載機1から取得した指標データを母集団として採用する。もちろん、診断対象とする車載機1の移動方向が等しい車載機1から取得した指標データであって、かつ、上述した実施形態と同様に、診断対象とする車載機1の指標データを取得した時点の過去、母集団採用時間以内に取得した指標データに基づいて、診断基準を決定しても良い。
<変形例7>
以上では、車載機1が他端末診断部F7を備える態様を例示したが、これに限らない。路側機が、車載機1から送信される指標データを受信する狭域通信制御部F3、指標データ管理部F4、正常範囲決定部F5、他端末診断部F7、及び広域通信制御部F8を備える態様としてもよい。
つまり、或る車載機1が備えるセンサが正常であるか否かは、その車載機1と路車間通信を実施している路側機によって判定されても良い。
100 車載機診断システム、A 自車両、B 周辺車両、1・1A・1B・1Ba・1Bb 車載機、3 センター、11 制御部、12 狭域通信部(無線通信部)、13 広域通信部、14 GNSS受信機(位置情報出力部)、15 加速度センサ、16 ジャイロセンサ、17 照度センサ、F1 検出結果取得部、F2 指標データ生成部、F3 狭域通信制御部(通信処理部)、F4 指標データ管理部、F5 正常範囲決定部(判定基準決定部)、F6 自端末診断部(自機診断部)、F7 他端末診断部(他機診断部)、F8 広域通信制御部、F9 自端末異常通知部(自機異常通知部)、F10 他端末異常通知部(他機異常通知部)、F11 停車判定部

Claims (10)

  1. 車両で用いられるとともに、他の車両で用いられている他の車載機と車車間通信を実施する車載機であって、
    車車間通信による情報の送受信を実施する無線通信部(12)と、
    自機に作用する所定の物理状態量を検出するセンサ(15、16、17)と、
    前記センサの検出結果に基づいて、前記センサの動作状況を示す指標データを生成する指標データ生成部(F2)と、
    前記指標データ生成部が生成した前記指標データを前記無線通信部に送信させるとともに、自機周辺に存在する他の前記車載機(以降、周辺車載機とする)から送信された前記指標データを、前記無線通信部を介して取得する通信処理部(F3)と、
    前記通信処理部が取得した前記周辺車載機の前記指標データに基づいて、前記周辺車載機のうち、所定の診断対象とする前記周辺車載機が備える前記センサが正常に動作しているか否かを判定するための判定基準である他機判定基準を逐次決定する判定基準決定部(F5)と、
    前記判定基準決定部が決定した前記他機判定基準と、診断対象とする前記車載機から前記通信処理部が取得した前記指標データとを比較することによって、診断対象とする前記周辺車載機が備える前記センサが正常に動作しているか否かを判定する他機診断部(F7)と、を備えることを特徴とする車載機。
  2. 車両で用いられるとともに、他の車両で用いられている他の車載機と車車間通信を実施する車載機であって、
    車車間通信による情報の送受信を実施する無線通信部(12)と、
    自機に作用する所定の物理状態量を検出するセンサ(15、16、17)と、
    前記センサの検出結果に基づいて、前記センサの動作状況を示す指標値を含む指標データを生成する指標データ生成部(F2)と、
    前記指標データ生成部が生成した前記指標データを前記無線通信部に送信させるとともに、自機周辺に存在する他の前記車載機(以降、周辺車載機とする)から送信された前記指標データを、前記無線通信部を介して取得する通信処理部(F3)と、
    前記通信処理部が取得した前記周辺車載機の前記指標データに基づいて、自機が備える前記センサが正常に動作しているか否かを判定するための判定基準である自機判定基準と、前記周辺車載機のうちの所定の診断対象とする前記周辺車載機が備える前記センサが正常に動作しているか否かを判定するための判定基準である他機判定基準の、それぞれを逐次決定する判定基準決定部(F5)と、
    前記判定基準決定部が決定した前記自機判定基準と、自機の前記指標データとを比較することによって、自機が備える前記センサが正常に動作しているか否かを判定する自機診断部(F6)と、
    前記判定基準決定部が決定した前記他機判定基準と、診断対象とする前記車載機から前記通信処理部が取得した前記指標データとを比較することによって、診断対象とする前記周辺車載機が備える前記センサが正常に動作しているか否かを判定する他機診断部(F7)と、を備えることを特徴とする車載機。
  3. 請求項において、
    前記車載機の外部に設けられているセンター(3)と広域通信網を介した通信を行う広域通信部(13)と、
    前記他機診断部によって診断対象とする前記周辺車載機が備える前記センサが正常に動作していないと判定された場合に、前記広域通信部を介して、その周辺車載機の前記センサが正常に動作していないことを前記センターに通知する他機異常通知部(F10)と、を備えることを特徴とする車載機。
  4. 請求項又はにおいて、
    自機の現在位置を検出し、その検出した現在位置を示す位置情報を逐次出力する位置情報出力部(14)を備え、
    前記位置情報出力部が出力する位置情報は、所定の基準面に対して自機が位置する高さを示す高さ情報を含み、
    前記通信処理部は、前記指標データを送信する場合には、前記位置情報出力部によって出力された位置情報と対応付けて送信するとともに、前記周辺車載機から送信された、その周辺車載機の現在位置を示す位置情報と対応付けられた前記指標データを取得し、
    前記判定基準決定部は、前記周辺車載機のうち、診断対象とする前記周辺車載機が位置する高さと等しい高さに位置する前記周辺車載機から取得した前記指標データに基づいて前記他機判定基準を決定することを特徴とする車載機。
  5. 請求項2からの何れか1項において、
    前記車載機の外部に設けられているセンター(3)と広域通信網を介した通信を行う広域通信部(13)と、
    前記自機診断部によって自機の前記センサが正常に動作していないと判定された場合に、前記広域通信部を介して、自機の前記センサが正常に動作していないことを前記センターに通知する自機異常通知部(F9)と、を備えることを特徴とする車載機。
  6. 請求項において、
    前記センサとして、互いに直交する3つの軸方向に作用する加速度をそれぞれ検出する加速度センサを備え、
    前記指標データは、前記加速度センサが検出した軸方向毎の加速度を含み、
    前記判定基準決定部は、前記周辺車載機から取得した前記指標データに含まれる、前記軸方向毎の加速度に基づいて、自機が前記車両に対して予め定められている姿勢で取り付けられているか否かを判定するための判定基準を決定し、
    前記自機診断部は、前記判定基準決定部によって決定された判定基準と、自機の指標データに含まれる前記軸方向毎の加速度とを比較することによって、自機が前記車両に対して予め定められている姿勢で取り付けられているか否かを判定し、
    前記自機異常通知部は、前記自機診断部によって自機が前記車両に対して予め定められている姿勢で取り付けられていないと判定された場合には、前記広域通信部を介して、自機が前記車両に対して予め定められている姿勢で取り付けられていないことを前記センターに通知することを特徴とする車載機。
  7. 車両で用いられるとともに、他の車両で用いられている他の車載機と車車間通信を実施する車載機であって、
    車車間通信による情報の送受信を実施する無線通信部(12)と、
    自機に作用する所定の物理状態量を検出するセンサ(15、16、17)と、
    前記センサの検出結果に基づいて、前記センサの動作状況を示す指標値を含む指標データを生成する指標データ生成部(F2)と、
    前記指標データ生成部が生成した前記指標データを前記無線通信部に送信させるとともに、自機周辺に存在する他の前記車載機(以降、周辺車載機とする)から送信された前記指標データを、前記無線通信部を介して取得する通信処理部(F3)と、
    前記通信処理部が取得した前記周辺車載機の前記指標データに基づいて、自機が備える前記センサが正常に動作しているか否かを判定するための判定基準である自機判定基準を逐次決定する判定基準決定部(F5)と、
    前記判定基準決定部が決定した前記自機判定基準と、自機の前記指標データとを比較することによって、自機が備える前記センサが正常に動作しているか否かを判定する自機診断部(F6)と、
    前記車載機の外部に設けられているセンター(3)と広域通信網を介した通信を行う広域通信部(13)と、
    前記自機診断部によって自機の前記センサが正常に動作していないと判定された場合に、前記広域通信部を介して、自機の前記センサが正常に動作していないことを前記センターに通知する自機異常通知部(F9)と、を備え
    前記センサとして、互いに直交する3つの軸方向に作用する加速度をそれぞれ検出する加速度センサを備え、
    前記指標データは、前記加速度センサが検出した軸方向毎の加速度を含み、
    前記判定基準決定部は、前記周辺車載機から取得した前記指標データに含まれる、前記軸方向毎の加速度に基づいて、自機が前記車両に対して予め定められている姿勢で取り付けられているか否かを判定するための判定基準を決定し、
    前記自機診断部は、前記判定基準決定部によって決定された判定基準と、自機の指標データに含まれる前記軸方向毎の加速度とを比較することによって、自機が前記車両に対して予め定められている姿勢で取り付けられているか否かを判定し、
    前記自機異常通知部は、前記自機診断部によって自機が前記車両に対して予め定められている姿勢で取り付けられていないと判定された場合には、前記広域通信部を介して、自機が前記車両に対して予め定められている姿勢で取り付けられていないことを前記センターに通知するように構成されている車載機。
  8. 請求項2から7の何れか1項において、
    自機の現在位置を検出し、その検出した現在位置を示す位置情報を逐次出力する位置情報出力部(14)を備え、
    前記位置情報出力部が出力する位置情報は、所定の基準面に対して自機が位置する高さを示す高さ情報を含み、
    前記通信処理部は、前記指標データを送信する場合には、前記位置情報出力部によって出力された位置情報と対応付けて送信するとともに、前記周辺車載機から送信された、その周辺車載機の現在位置を示す位置情報と対応付けられた前記指標データを取得し、
    前記判定基準決定部は、前記周辺車載機のうち、自機が位置する高さと等しい高さに位置する前記周辺車載機から取得した前記指標データに基づいて前記自機判定基準を決定することを特徴とする車載機。
  9. 車両で用いられるとともに、他の車両で用いられている他の車載機と車車間通信を実施する車載機であって、
    車車間通信による情報の送受信を実施する無線通信部(12)と、
    自機に作用する所定の物理状態量を検出するセンサ(15、16、17)と、
    前記センサの検出結果に基づいて、前記センサの動作状況を示す指標値を含む指標データを生成する指標データ生成部(F2)と、
    前記指標データ生成部が生成した前記指標データを前記無線通信部に送信させるとともに、自機周辺に存在する他の前記車載機(以降、周辺車載機とする)から送信された前記指標データを、前記無線通信部を介して取得する通信処理部(F3)と、
    前記通信処理部が取得した前記周辺車載機の前記指標データに基づいて、自機が備える前記センサが正常に動作しているか否かを判定するための判定基準である自機判定基準を逐次決定する判定基準決定部(F5)と、
    前記判定基準決定部が決定した前記自機判定基準と、自機の前記指標データとを比較することによって、自機が備える前記センサが正常に動作しているか否かを判定する自機診断部(F6)と、
    自機の現在位置を検出し、その検出した現在位置を示す位置情報を逐次出力する位置情報出力部(14)と、を備え、
    前記位置情報出力部が出力する位置情報は、所定の基準面に対して自機が位置する高さを示す高さ情報を含み、
    前記通信処理部は、前記指標データを送信する場合には、前記位置情報出力部によって出力された位置情報と対応付けて送信するとともに、前記周辺車載機から送信された、その周辺車載機の現在位置を示す位置情報と対応付けられた前記指標データを取得し、
    前記判定基準決定部は、前記周辺車載機のうち、自機が位置する高さと等しい高さに位置する前記周辺車載機から取得した前記指標データに基づいて前記自機判定基準を決定するように構成されている車載器。
  10. 複数の車両のそれぞれに搭載される、複数の車載機(1)を備える車載機診断システムであって、
    前記車載機は、
    車車間通信による情報の送受信を実施する無線通信部(12)と、
    自機に作用する所定の物理状態量を検出するセンサ(15、16、17)と、
    前記センサの検出結果に基づいて、前記センサの動作状況を示す指標値を含む指標データを生成する指標データ生成部(F2)と、
    前記指標データ生成部が生成した前記指標データを前記無線通信部に送信させるとともに、複数の前記車載機のうち、自機周辺に存在する他の前記車載機(以降、周辺車載機とする)から送信された前記指標データを、前記無線通信部を介して取得する通信処理部(F3)と、
    前記通信処理部が取得した前記周辺車載機の前記指標データに基づいて、前記周辺車載機のうち、所定の診断対象とする前記周辺車載機が備える前記センサが正常に動作しているか否かを判定するための判定基準である他機判定基準を逐次決定する判定基準決定部(F5)と、
    前記判定基準決定部が決定した前記他機判定基準と、診断対象とする前記周辺車載機から前記通信処理部が取得した前記指標データとを比較することによって、診断対象とする前記周辺車載機が備える前記センサが正常に動作しているか否かを判定する他機診断部(F7)と、を備えることを特徴とする車載機診断システム。
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