以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態による警報器100の全体構成について説明する。
本発明の第1実施形態による警報器100は、4種のガス(可燃性ガス(combustible gas、COMB)、酸素(O2)、硫化水素(H2S)、および、一酸化炭素(CO))を検知可能なガス警報器である。この警報器100は、可搬型であり図示しない電池によって駆動される。
警報器100は、図1に示すように、携帯可能な大きさの警報器本体1と、警報器本体1の下側(Z2側)に設けられたセンサ部2と、警報器本体1の正面側(X1側)に設けられた表示部3、LED部4、警報ランプ部5および操作部6とを備えている。また、図2に示すように、警報器本体1の内部には、ブザー部7と、制御部8と、記憶部9とが配置されている。なお、センサ部2は、本発明の「ガス検知部」の一例である。
警報器本体1は、図1に示すように、直方体の外観形状を有している。また、センサ部2は、可燃性ガスを検知する接触燃焼式の可燃性ガスセンサ21と、一酸化炭素を検知する定電位電解式のCOセンサ22と、硫化水素を検知する定電位電解式のH2Sセンサ23と、酸素を検知するガルバニ電池式のO2センサ24とを含んでいる。この結果、センサ部2は、複数(4種)のガスを検知可能に構成されている。なお、4つのセンサ21〜24は、警報器本体1の下側(Z2側)にY方向に並ぶように設けられた4つのガス検知口2aの内部にそれぞれ配置されている。
ここで、4種のガスのうち、可燃性ガス、硫化水素および一酸化炭素に関しては、濃度が大きくなるにしたがって危険性が大きくなる一方、酸素に関しては、所定の濃度よりも濃度が小さくなるにしたがって危険性が大きくなる。
表示部3は、X1側から見て、横方向(Y方向)に長い矩形形状を有している。また、表示部3は、暗所であっても表示部3の表示を確認可能にするためのバックライト3a(図2参照)が設けられている。なお、表示部3の具体的な表示内容については後述する。
LED部4は、表示部3の下方(Z2側)に設けられている。このLED部4では、4つの色の異なるLED41〜44がY方向に並ぶように配置されている。具体的には、LED部4では、Y1側からY2側に向かって、可燃性ガスに対応する可燃性ガス用LED41、一酸化炭素に対応するCO用LED42、硫化水素に対応するH2S用LED43、および、酸素に対応するO2用LED44がこの順に配置されている。なお、この4つのLED41〜44には、それぞれ、可燃性ガス、酸素、硫化水素および一酸化炭素に対応する色のLEDが用いられている。また、LED部4は、警報時や校正時に、後述する警報対象ガスや校正対象ガスに対応するLEDを点灯または点滅させることによって、警報対象ガスや校正対象ガスをユーザに認識させやすくする機能を有している。
警報ランプ部5は、Y方向の両側端部にそれぞれ設けられている。この警報ランプ部5は、赤色LED(図示せず)を含んでおり、警報時に赤色LEDが点灯または点滅することによって、警報をユーザに報知する機能を有している。
操作部6は、表示部3とLED部4との間に設けられている。この操作部6は、一対のボタン部61を含んでいる。ユーザは、ボタン部61を操作することによって、警報器100に対する種々の指示を行うことが可能である。
図2に示すように、ブザー部7は、警報時に、警報としてのブザー音を発生させることによって、警報をユーザに報知する機能を有している。制御部8は、図示しないCPUなどを含み、後述する拡大表示(第2の表示状態)に関する制御を含む警報器100全体の制御を行うように構成されている。記憶部9は、図示しないROMやRAMを含み、制御部8の制御において用いられる各種データやプログラムなどが記憶されている。
次に、図3を参照して、表示部3の表示内容の詳細について説明する。
表示部3は、図3に示すように、所定の位置に各々配置された複数のセグメント3bから構成されている。このセグメント3bは、線状、点状、文字状、アイコン形状などの種々の形状を有している。また、セグメント3bは、図示しない液晶を有しており、液晶が切り替えられることによって、対応する形状(図3〜図10では、黒塗り部分に該当)が表示部3に表示されるように構成されている。なお、表示部3を複数のセグメント3bから構成することによって、複数の微細な画素がマトリックス状に配置された一般的な表示部と比べて、駆動電圧を低くすることができるので、例えば容易に防爆仕様とすることができる。
また、表示部3は、4種のガスの検知結果がそれぞれ表示される4つの表示領域31〜34と、電池(電源)の状態などの情報に対応するアイコンが表示されるアイコン表示領域35と、その他の情報が表示される情報表示領域36とを含んでいる。具体的には、4つの表示領域31〜34として、可燃性ガスの検知結果が表示される可燃性ガス表示領域31、酸素の検知結果が表示されるO2表示領域32、硫化水素の検知結果が表示されるH2S表示領域33、および、一酸化炭素の検知結果が表示されるCO表示領域34が表示部3に設けられている。なお、可燃性ガス表示領域31、O2表示領域32、H2S表示領域33、および、CO表示領域34は、本発明の「表示領域」の一例である。
可燃性ガス表示領域31は、表示部3のY1側で、かつ、Z1側に設けられている。また、可燃性ガス表示領域31は、Z2側の結果表示領域31aと、Z1側の文字表示領域31bとを含んでいる。結果表示領域31aは、7つのセグメント3bが組み合わされて、アラビア数字の「8」の形状を有する4つの7セグメントと、7セグメントの間に一対配置される点部とを表示可能に構成されている。なお、4つの7セグメントは、Y方向に並んで配置されている。
また、7つのセグメント3bの液晶が各々制御されることによって、結果表示領域31aの4つの7セグメントは、各々、0〜9までのアラビア数字やアルファベットを表示可能なように構成されている。これにより、結果表示領域31aでは、4つのセグメントと点部とを用いることによって、小数点第3桁(たとえば、0.000)から4桁(たとえば、9999)までの数字を表示することが可能であり、この結果、結果表示領域31aは、可燃性ガスの検知結果(濃度)の数値(0〜100(%LEL))を表示可能に構成されている。
文字表示領域31bは、可燃性ガスを意味する「COMB」と、検知された可燃性ガスの濃度(%LEL)が可燃性ガスに設定された第1の警報閾値を超える場合(第1段階の警報の場合)に点灯される「AL1」と、第1の警報閾値よりも大きな第2の警報閾値を超える場合(第2段階の警報の場合)に点灯される「AL2」と、可燃性ガスの単位「%LEL」とを表示可能に構成されている。なお、第2段階の警報は、第1段階の警報よりも、ブザーの周期や音量を変更、例えばブザー周期を短くしたり、音量を大きくしたりするなどユーザにより認識されやすいように設定されている。
O2表示領域32は、表示部3のY1側で、かつ、Z2側に設けられている。また、O2表示領域32は、Z1側の結果表示領域32aと、Z2側の文字表示領域32bとを含んでいる。結果表示領域32aは、結果表示領域31aと略同様の構成を有しており、この結果、結果表示領域32aは、酸素の検知結果(濃度)の数値(00.0〜50.0(vol%))を表示可能に構成されている。文字表示領域32bは、酸素を意味する「O2」と、検知された酸素濃度(vol%)が酸素に設定された第1の警報閾値を下回る場合(第1段階の警報の場合)に点灯される「AL1」と、第1の警報閾値よりも小さな第2の警報閾値を下回る場合(第2段階の警報の場合)に点灯される「AL2」と、酸素の単位「vol%」とを表示可能に構成されている。
H2S表示領域33は、表示部3のY2側で、かつ、Z1側に設けられている。また、H2S表示領域33は、Z2側の結果表示領域33aと、Z1側の文字表示領域33bとを含んでいる。結果表示領域33aは、結果表示領域31aと略同様の構成を有しており、この結果、結果表示領域33aは、硫化水素の検知結果(濃度)の数値(000.0〜150.0(ppm))を表示可能に構成されている。文字表示領域33bは、硫化水素を意味する「H2S」と、検知された硫化水素濃度(ppm)が硫化水素に設定された第1の警報閾値を超える場合(第1段階の警報の場合)に点灯される「AL1」と、第1の警報閾値よりも大きな第2の警報閾値を超える場合(第2段階の警報の場合)に点灯される「AL2」と、硫化水素の単位「ppm」とを表示可能に構成されている。
CO表示領域34は、表示部3のY2側で、かつ、Z2側に設けられている。また、CO表示領域34は、Z1側の結果表示領域34aと、Z2側の文字表示領域34bとを含んでいる。結果表示領域34aは、結果表示領域31aと略同様の構成を有しており、この結果、結果表示領域34aは、一酸化炭素の検知結果(濃度)の数値(0000〜2000(ppm))を表示可能に構成されている。文字表示領域34bは、一酸化炭素を意味する「CO」と、検知された一酸化炭素濃度(ppm)が一酸化炭素濃度に設定された第1の警報閾値を超える場合(第1段階の警報の場合)に点灯される「AL1」と、第1の警報閾値よりも大きな第2の警報閾値を超える場合(第2段階の警報の場合)に点灯される「AL2」と、一酸化炭素の単位「ppm」とを表示可能に構成されている。なお、文字表示領域34bでは、一酸化炭素の単位(硫化水素の単位、ppm)の他に、可燃性ガスの単位(%LEL)および酸素の単位(vol%)も表示可能に構成されている。
この結果、図4に示すように、4種のガスのいずれのガスも第1段階の警報および第2段階の警報の場合に該当しない非警報時では、4種のガスの各々の検知結果が同時に表示部3に表示される第1の表示状態で表示されるように構成されている。この第1の表示状態では、4つの結果表示領域31a〜34aのそれぞれに、対応するガスの検知結果が数値として表示されている。また、文字表示領域31b〜34bに対応するガスの種別および単位が表示される一方、いずれの文字表示領域にも、第1段階の警報および第2段階の警報の場合であることを示す「AL1」および「AL2」は表示されていない。
また、図3に示すように、結果表示領域31a〜34aは、共に、表示部3の中央部側に設けられている。これにより、可燃性ガス表示領域31の結果表示領域31aは、Z2側でO2表示領域32の結果表示領域32aと隣接するとともに、Y2側でH2S表示領域33の結果表示領域33aと隣接している。また、O2表示領域32の結果表示領域32aは、Y2側でCO表示領域34の結果表示領域34aと隣接している。また、H2S表示領域33の結果表示領域33aは、Z2側でCO表示領域34の結果表示領域34aと隣接している。
アイコン表示領域35は、表示部3のY1側の側端部近傍に設けられている。また、アイコン表示領域35は、Z1側からZ2側に向かって順に、電池の残量を示す電池アイコン、ガスの検知結果のうちの最大の検知結果の値のみを表示するモードがユーザに選択された際に表示されるPEAKアイコン、消費電力を削減するモードがユーザに選択された際に表示されるecoアイコン、ブザー音を発生させないモードがユーザに選択された際に表示されるミュートアイコン、および、図示しない無線部を用いた無線通信状態であることを示す通信アイコンが表示可能に構成されている。
情報表示領域36は、表示部3のZ2側の側端部近傍に設けられている。また、情報表示領域36は、16つのセグメント3bが組み合わされた8つの16セグメントと、16セグメントの間などに配置される点部とを表示可能に構成されている。なお、8つの16セグメントは、Y方向に並んで配置されている。この結果、16つのセグメント3bの点灯の有無が各々制御されることによって、情報表示領域36の8つの16セグメントは、各々、0〜9までのアラビア数字やアルファベットを7セグメントよりも緻密に表示可能なように構成されている。なお、図4に示すように、情報表示領域36には、日時や気温、後述する拡大表示された警報ガスの種別(図5参照)などが表示可能なように構成されている。
また、情報表示領域36のY2側には、丸形状表示部37が設けられている。この丸形状表示部37は、警報器100に後付の機能を追加した場合に、丸形状表示部37の点灯の有無によって、追加した機能が稼働しているか否かをユーザが確認可能なように構成されている。
ここで、第1実施形態では、警報器100は、制御部8の制御により、4種のガスのうちの1種以上のガス(警報対象ガス)の濃度が対応する所定の範囲(正常範囲)を超える場合(警報時)に、警報対象ガス以外のガスの検知結果(濃度)は表示部3に表示されずに警報対象ガスの検知結果(濃度)が表示部3に拡大表示される第2の表示状態に、第1の表示状態から切り替わるように構成されている。具体的には、4種のガスのうち酸素を除く所定のガスでは、所定の範囲(正常範囲)は、0から第1の警報閾値までの範囲に設定されている。また、酸素では、所定の範囲(正常範囲)は第1の警報閾値から所定の上限値(たとえば、25.0(vol%))までの範囲に設定されている。そして、警報器100は、酸素を除く所定のガスにおいては、所定のガスの濃度が対応する第1の警報閾値を超える場合に、第2の表示状態に切り替わるように構成されているとともに、酸素においては、酸素の濃度が対応する第1の警報閾値を下回る場合に、第2の表示状態に切り替わるように構成されている。
この際、警報対象ガスのみの検知結果が拡大表示される第2の表示状態では、結果表示領域31a〜34aの7セグメントおよび点部が組み合わされることによって、1種の警報対象ガスの検知結果が拡大表示されるように構成されている。また、警報器100では、4種のガスの各々の検知結果を同時に表示する第1の表示状態と、第2の表示状態とが所定の時間(たとえば、約1秒)毎に切り替わるように構成されている。
第1実施形態の一例として、2種のガス(酸素および一酸化炭素)が所定の範囲内である一方、2種のガス(可燃性ガスおよび硫化水素)が所定の範囲を超える(第2の警報閾値以上である)ことにより、警報対象ガスである場合について説明する。この場合、表示部3における表示は、図5のように切り替わる。具体的には、表示部3では、警報対象ガスである可燃性ガスのみの検知結果が拡大表示される第2の表示状態と、警報対象ガスである硫化水素のみの検知結果が拡大表示される第2の表示状態と、4種のガスの各々の検知結果が同時に表示される第1の表示状態とが、所定の時間毎にループ状に切り替わる。つまり、この場合、第1の表示状態と2つの第2の表示状態とが交互に切り替わる。
図5の上側に図示された可燃性ガスのみの検知結果が拡大表示される第2の表示状態では、結果表示領域31a〜34aの7セグメントおよび点部が組み合わされることによって、可燃性ガスの検知結果(濃度)の数値(100)が拡大表示されている。同様に、図5の中央に図示された硫化水素のみの検知結果が拡大表示される第2の表示状態では、結果表示領域31a〜34aの7セグメントおよび点部が組み合わされることによって、硫化水素の検知結果(濃度)の数値(94.0)が拡大表示されている。ここで、第2の表示状態では、第1の表示状態(4種ガス表示の場合)において結果表示領域31a〜34aに各々表示される検知結果の2倍近い大きさで、警報対象ガスの検知結果が拡大表示されるように構成されている。
なお、図5の上側および中央に図示された第2の表示状態では、情報表示領域36の16セグメントが組み合わされることによって、検知結果を拡大表示している警報対象ガスの名称または略称(COMBまたはH2S)が表示されている。なお、この情報表示領域36には、他の情報を表示してもよい。たとえば、警報を行うか否かがTWA(Time Weighted Average)や、STEL(Short Term Exposure Limit)に基づく場合には、情報表示領域36に警報対象ガスの名称または略称に加えて、「TWA」や「STEL」も表示してもよい。
また、第2の表示状態では、表示部3のY2側で、かつ、Z1側のH2S表示領域33の文字表示領域33bにおいて、「AL2」が点灯されている。これにより、拡大表示されている警報対象ガスの濃度が第2の警報閾値以上であることをユーザに報知することが可能である。また、第2の表示状態では、表示部3のY2側で、かつ、Z2側のCO表示領域34の文字表示領域34bにおいて、拡大表示されている警報対象ガスの単位が表示されている。
図5の下側に図示された4種のガスの各々の検知結果が同時に表示される第1の表示状態では、警報対象ガス(可燃性ガスおよび硫化水素)に対応する文字表示領域31bおよび33bに「AL2」が表示される点を除いて、図4に示す非警報時の第1の表示状態と同様に表示が行われる。
ここで、1種のガスのみが警報対象ガスである場合には、表示部3では、第1の表示状態と1つの第2の表示状態とが交互に切り替えられる。また、3種のガスが警報対象ガスである場合には、表示部3では、第1の表示状態と3つの第2の表示状態とが交互に切り替えられる。また、4種のガスの全てが警報対象ガスである場合には、表示部3では、第1の表示状態と4つの第2の表示状態とが交互に切り替えられる。
また、警報時には、表示部3のバックライト3aを点灯させるように構成されている。これにより、警報対象ガスの存在をユーザに確実に認識させることが可能である。この際、LED部4と同様に、バックライト3aの色を警報対象ガスに対応する色にすることによって、警報対象ガスの存在だけでなく、警報対象ガスのガス種もユーザに認識させることが可能である。
また、警報対象ガスの濃度が所定の範囲(正常範囲)内になり、警報対象ガスでなくなった際には、警報器100は、制御部8の制御により、図4に示す非警報時の第1の表示状態になった後に、一度だけ、警報対象ガスでなくなったガスの検知結果のみを拡大表示する第2の表示状態になる(図5参照)ように構成されている。これにより、警報対象ガスでなくなったガスを、ユーザに容易に認識させることが可能である。
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、4種のガスのうちの1種以上のガス(警報対象ガス)の濃度が対応する所定の範囲を超える場合に、警報対象ガス以外のガスの検知結果は表示部3に表示されずに警報対象ガスの検知結果が表示部3に拡大表示される第2の表示状態に切り替わるように構成する。これにより、所定のガス(警報対象ガス)の濃度が所定の範囲を超える場合に表示部3に警報対象ガスの検知結果のみが拡大表示されるので、いずれのガスの濃度が所定の範囲を超えたかをユーザに明確に認識させることができる。
また、第1実施形態では、警報対象ガスのみの検知結果が拡大表示される第2の表示状態では、結果表示領域31a〜34aの7セグメントおよび点部が組み合わされることによって、警報対象ガスの検知結果が拡大表示されるように構成する。これにより、複数の微細な画素がマトリックス状に配置された一般的な表示部と比べて、表示サイズの切り替えが容易ではない複数のセグメント3bから表示部3が構成されている場合であっても、複数のセグメント3bを組み合わせて警報対象ガスの検知結果を表示部3に拡大表示することにより、いずれのガスの濃度が所定の範囲を超えたかをユーザに明確に認識させることができる。また、複数のセグメント3bから表示部3を構成することによって、複数の微細な画素がマトリックス状に配置された一般的な表示部と比べて、表示部3にガスの検知結果を表示するための制御を簡素化することができる。
また、第1実施形態では、所定のガスの濃度が所定の範囲を超える警報時に、第1の表示状態と第2の表示状態とが交互に切り替わるように構成する。これにより、警報対象ガスのみが拡大表示される第2の表示状態に切り替わることにより、ユーザに対して所定のガスの濃度が所定の範囲を超えたことを明確に認識させることができるとともに、各々のガスの検知結果が同時に表示される第1の表示状態に切り替わることにより、ユーザに対して警報対象ガス以外のガスの検知結果も提示することができる。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、第1実施形態では、警報器100が、ガス検知部2と表示部3とが配置され、携帯可能な大きさに形成された警報器本体1を備えることによって、警報器本体1が携帯可能な大きさであることに起因して表示部3の大きさが制限される場合であっても、警報対象ガスの濃度が所定の範囲を超える場合に、警報対象ガスの検知結果が表示部3に拡大表示されるので、大きさが制限された表示部3であっても警報対象ガスの濃度が所定の範囲を超えたことをユーザに明確に認識させることができる。
(第1実施形態の第1変形例)
次に、図6および図7を参照して、本発明の第1実施形態の第1変形例について説明する。この第1実施形態の第1変形例では、第2の表示状態において1種の警報対象ガスの検知結果のみが拡大表示される上記第1実施形態とは異なり、第2の表示状態において2種の警報対象ガスの検知結果が同時に拡大表示される場合について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
本発明の第1実施形態の第1変形例では、2種以上の警報対象ガスが存在する場合に、4種のガスの各々の検知結果を同時に表示する第1の表示状態と、警報対象ガス以外のガスの検知結果は表示部203に表示されずに、2種の警報対象ガスの検知結果(濃度)が表示部203に同時に拡大表示される第2の表示状態とが所定の時間(たとえば、約1秒)毎に切り替わるように構成されている。
この際、2種の警報対象ガスの検知結果が同時に拡大表示される第2の表示状態では、4つの結果表示領域31a〜34aのうち隣接する一対の結果表示領域の7セグメントおよび点部がそれぞれ組み合わされることによって、2種の警報対象ガスの検知結果が拡大表示されるように構成されている。具体的には、図6の上側に示すように、Z方向に隣接する結果表示領域31aおよび32aの7セグメントおよび点部が組み合わされることによって、一方の警報対象ガスの検知結果がZ方向に拡大表示されるとともに、Z方向に隣接する結果表示領域33aおよび34aの7セグメントおよび点部が組み合わされることによって、他方の警報対象ガスの検知結果がZ方向に拡大表示されるように構成されている。また、図7の上側に示すように、Y方向に隣接する結果表示領域31aおよび33aの7セグメントおよび点部が組み合わされることによって、一方の警報対象ガスの検知結果がY方向に拡大表示されるとともに、Y方向に隣接する結果表示領域32aおよび34aの7セグメントおよび点部が組み合わされることによって、他方の警報対象ガスの検知結果がY方向に拡大表示されるように構成されている。
ここで、第2の表示状態において、図6のように警報対象ガスの検知結果がZ方向に拡大表示されるか、または、図7のように警報対象ガスの検知結果がY方向に拡大表示されるかは、4種のガスの各々の検知結果を同時に表示する第1の表示状態における各々のガスの表示位置で定められる。具体的には、Y方向に隣接するガスが共に警報対象ガスである場合(可燃性ガスと硫化水素、または、酸素と一酸化炭素)には、第2の表示状態において警報対象ガスの検知結果はZ方向に拡大表示される。一方、Z方向に隣接するガスが共に警報対象ガスである場合(可燃性ガスと酸素、または、硫化水素と一酸化炭素)には、第2の表示状態において警報対象ガスの検知結果はY方向に拡大表示される。なお、2種の警報対象ガスがZ方向およびY方向に隣接しない場合(可燃性ガスと一酸化炭素硫化水素、または、酸素と硫化水素)には、第2の表示状態において警報対象ガスの検知結果はZ方向またはY方向のいずれか一方に拡大表示される。
第1実施形態の第1変形例の一例として、2種のガス(酸素および一酸化炭素)が所定の範囲内である一方、2種のガス(可燃性ガスおよび硫化水素)が所定の範囲を超えた警報対象ガスである場合について説明する。この場合、2種の警報対象ガスがY方向に隣接することにより、表示部203における表示は、図6のように切り替わる。具体的には、表示部203では、警報対象ガスである可燃性ガスおよび硫化水素の検知結果(濃度)が同時にZ方向に拡大表示される第2の表示状態と、4種のガスの各々の検知結果(濃度)が同時に表示される第1の表示状態とが、所定の時間毎に交互に切り替わる。
図6の上側に図示された可燃性ガスおよび硫化水素の検知結果が同時に拡大表示される第2の表示状態では、可燃性ガスの検知結果(濃度)の数値(100)が、表示部203のY1側においてZ方向に拡大表示されているとともに、硫化水素の検知結果(濃度)の数値(94.0)が、表示部203のY2側においてZ方向に拡大表示されている。また、第2の表示状態では、警報対象ガスである可燃性ガスおよび硫化水素にそれぞれ対応する文字表示領域31bおよび33bにおいて、「AL1」以外が点灯されている。これにより、Z方向に拡大表示された一対の数値が、それぞれ、可燃性ガスの検知結果の数値および硫化水素の検知結果の数値であることをユーザに認識させることが可能である。
第1実施形態の第1変形例の別例として、2種のガス(硫化水素および一酸化炭素)が所定の範囲内である一方、2種のガス(可燃性ガスおよび酸素)が所定の範囲を超えた警報対象ガスである場合について説明する。この場合、2種の警報対象ガスがZ方向に隣接することにより、表示部203における表示は、図7のように切り替わる。具体的には、表示部203では、警報対象ガスである可燃性ガスおよび酸素の検知結果が同時にY方向に拡大表示される第2の表示状態と、4種のガスの各々の検知結果が同時に表示される第1の表示状態とが、所定の時間毎に交互に切り替わる。
図7の上側に図示された可燃性ガスおよび酸素の検知結果が同時に拡大表示される第2の表示状態では、可燃性ガスの検知結果(濃度)の数値(100)が、表示部203のZ1側においてY方向に拡大表示されているとともに、酸素の検知結果(濃度)の数値(18.5)が、表示部203のZ2側においてY方向に拡大表示されている。また、第2の表示状態では、警報対象ガスである可燃性ガスおよび硫化水素にそれぞれ対応する文字表示領域31bおよび32bにおいて、それぞれ、「AL1」以外、および、「AL2」以外が点灯されている。これにより、Y方向に拡大表示された一対の数値が、それぞれ、可燃性ガスの検知結果の数値および酸素の検知結果の数値であることをユーザに認識させることが可能である。
なお、図6および図7の下側に図示された4種のガスの各々の検知結果が同時に表示される第1の表示状態、および、その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第1実施形態の第1変形例では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態の第1変形例では、上記のように、第2の表示状態では、2種の警報対象ガスの検知結果を同時に拡大表示するように構成する。これにより、2種の警報対象ガスを拡大表示された状態で同時にユーザに認識させることができるので、2種の警報対象ガスをユーザに明確に認識させることができる。なお、第1実施形態の第1変形例のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第1実施形態の第2変形例)
次に、図8を参照して、本発明の第1実施形態の第2変形例について説明する。この第1実施形態の第2変形例では、第2の表示状態において1種の警報対象ガスの検知結果のみが拡大表示される上記第1実施形態とは異なり、第2の表示状態において1種の警報対象ガスの検知結果に加えて、他の2種のガスが表示される場合について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
本発明の第1実施形態の第2変形例では、4種のガスの各々の検知結果を同時に表示する第1の表示状態と、警報対象ガス以外のガスのうちの1種の検知結果(濃度)は表示部303に表示されずに、1種の警報対象ガスの検知結果(濃度)が表示部303に拡大表示されるとともに、2種のガスの検知結果(濃度)が表示部303に表示される第2の表示状態とが所定の時間(たとえば、約1秒)毎に切り替わるように構成されている。
この際、1種の警報対象ガスの検知結果が表示部303に拡大表示されるとともに、2種のガスの検知結果が表示部303に表示される第2の表示状態では、結果表示領域31a〜34aのうちの隣接する一対の結果表示領域の7セグメントおよび点部が組み合わされることによって、1種の警報対象ガスの検知結果が拡大表示されるように構成されている。具体的には、図8の上側に示すように、Z方向に隣接する一対の結果表示領域の7セグメントおよび点部が組み合わされることによって、1種の警報対象ガスの検知結果がZ方向に拡大表示されるように構成されている。なお、Y方向に隣接する一対の結果表示領域の7セグメントおよび点を組み合わせて、1種の警報対象ガスの検知結果がY方向に拡大表示されるように構成してもよい。
ここで、第2の表示状態において検知結果がY1側で拡大表示されるか、または、Y2側で拡大表示されるかは、4種のガスの各々の検知結果を同時に表示する第1の表示状態における各々のガスの表示位置で定められる。具体的には、第1の表示状態においてY1側に表示されるガスが警報対象ガスである場合(可燃性ガスまたは酸素)には、第2の表示状態において検知結果はY1側で拡大表示される。一方、第1の表示状態においてY2側に表示されるガスが警報対象ガスである場合(硫化水素または一酸化炭素)には、第2の表示状態において検知結果はY2側で拡大表示される。
第1実施形態の第2変形例の一例として、3種のガス(酸素、硫化水素および一酸化炭素)が所定の範囲内である一方、1種のガス(可燃性ガス)が所定の範囲を超えた警報対象ガスである場合について説明する。この場合、表示部303における表示は、図8のように切り替わる。具体的には、表示部303では、警報対象ガスである可燃性ガスの検知結果が拡大表示されるとともに、2種のガス(硫化水素および一酸化炭素)の検知結果が表示される第2の表示状態と、4種のガスの各々の検知結果が同時に表示される第1の表示状態とが、所定の時間毎に交互に切り替わる。
図8の上側に図示された第2の表示状態では、可燃性ガスの検知結果(濃度)の数値(100)が、表示部303のY1側においてZ方向に拡大表示されているとともに、第1の表示状態と同様に、硫化水素および一酸化炭素の検知結果が、表示部303のY2側において表示されている。この結果、第2の表示状態では、酸素の検知結果は表示部303に表示されない。また、第2の表示状態では、警報対象ガスである可燃性ガスに対応する文字表示領域31bにおいて、「AL1」以外が点灯されている一方、検知結果が表示されていない酸素に対応する文字表示領域32bにおいては全てが点灯されていない。これにより、Z方向に拡大表示された数値が可燃性ガスの検知結果の数値であることを、ユーザに認識させることが可能である。
図8の下側に図示された4種のガスの各々の検知結果が同時に表示される第1の表示状態、および、その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第1実施形態の第2変形例では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態の第2変形例では、上記のように、第2の表示状態では、警報対象ガス以外のガスのうちの1種の検知結果は表示部303に表示されずに、1種の警報対象ガスの検知結果が表示部303に拡大表示されるとともに、2種のガスの検知結果が表示部303に表示されるように構成する。これにより、1種の警報対象ガスを拡大表示することによって、ユーザは、いずれのガスの濃度が所定の範囲を超えたかをユーザに明確に認識させつつ、2種のガスの検知結果も同時にユーザに認識させることができる。なお、第1実施形態の第2変形例のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態)
次に、図2、図9および図10を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態に加えて、ガス校正の場合、および、警報器本体に異常が発生した場合に、所定の情報が拡大表示される場合について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
本発明の第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、通常時には、4種のガスの各々の検知結果を同時に表示する第1の表示状態(図4参照)になるとともに、警報時には、警報対象ガス以外のガスの検知結果は表示されずに警報対象ガスの検知結果が拡大表示される第2の表示状態(図5参照)に切り替わるように構成されている。
さらに、第2実施形態では、ガス校正モードがユーザにより選択された場合などのガス校正の場合(校正時)には、図9に示すように、校正対象のガス(校正対象ガス)の検知結果(濃度)のみが表示部403に拡大表示される第3の表示状態に、第1の表示状態または第2の表示状態から切り替えられるように構成されている。この第3の表示状態は、情報表示領域36に校正対象ガスの名称または略称(図9では、硫化水素(H2S))に加えて、ガス校正中であることを示す「CALI(calibration)」が表示される点を除いて、上記第1実施形態の1種の警報対象ガスのみが拡大表示される第2の表示状態と同様である。また、ガス校正が終了した際には表示部403の表示状態は、4種のガスの各々の検知結果を同時に表示する第1の表示状態(図4参照)に戻るように構成されている。
また、第2実施形態では、センサ部2(図2参照)の故障や、電池の電圧が規定値未満になった場合、ガス校正が正常に終了しない場合など警報器本体1(図2参照)に異常が生じた場合(エラー時)には、図10に示すように、異常の情報が表示部403に拡大表示される第4の表示状態に、第1の表示状態または第2の表示状態から切り替えられるように構成されている。この第4の表示状態では、結果表示領域31a〜34aの7セグメントおよび点部が組み合わされることによって、異常の情報「E−S」が拡大表示されている。また、この際、バックライト3aの色を警報対象ガスに対応する色にすることによって、センサ部2のセンサ21〜24のうち、どのセンサが故障したかをユーザに認識させることが可能である。なお、Eは、異常(Error)が生じたことを示し、Sは、センサ部2において異常が生じたことを示している。また、異常が解消した際には、表示部403の表示状態は、4種のガスの各々の検知結果を同時に表示する第1の表示状態(図4参照)に戻るように構成されている。
なお、電池(Battery)の異常の場合には、異常の情報として、「E−B」が拡大表示され、ガス校正(Calibrataion)時の異常の場合には、異常の情報として、「E−C」が拡大表示される。また、情報表示領域36には、センサ部2の4つのセンサ21〜24(図2参照)のうち、いずれのセンサ(図10では、硫化水素(H2S)のH2Sセンサ23)に異常が生じたかが表示されるように構成されている。これによっても、センサ部2のセンサ21〜24のうち、どのセンサが故障したかをユーザに認識させることが可能である。なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、ガス校正モードがユーザにより選択された場合などのガス校正の場合には、校正対象のガス(校正対象ガス)の検知結果のみが表示部403に拡大表示される第3の表示状態に切り替えられるように構成する。これにより、校正対象ガスをユーザに明確に認識させることができるので、ガス校正を容易に行うことができる。
また、第2実施形態では、警報器本体1に異常が生じた場合には、異常の情報が表示部403に拡大表示される第4の表示状態に切り替えられるように構成する。これにより、ユーザは、異常の発生と異常の内容とをユーザに明確に認識させることができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1〜第2実施形態では、表示部3(203、303、403)を4種のガスの検知結果を同時に表示可能に構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示部を、4種以外の複数のガス(たとえば、6種のガス)の検知結果を同時に表示可能で、かつ、所定の範囲を超えたガスの検知結果を拡大表示可能なように構成してもよい。
また、上記第1〜第2実施形態では、表示部3(203、303、403)が、所定の位置に各々配置された複数のセグメント3bから構成される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示部をセグメント以外から構成してもよい。たとえば、複数の微細な画素がマトリックス状に配置された一般的な表示部を用いてもよい。これにより、容易に、警報対象ガスまたは校正対象ガスの検知結果や、異常の情報を拡大表示することが可能である。
また、上記第1実施形態では、2種のガスが警報対象ガスである場合に、一方の警報対象ガスが拡大表示される第2の表示状態と、他方の警報対象ガスが拡大表示される第2の表示状態と、第1の表示状態とがループ状に切り替わることによって、第1の表示状態と2つの第2の表示状態とが交互に切り替わる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1の表示状態と、一方の警報対象ガスが拡大表示される第2の表示状態と、第1の表示状態と、他方の警報対象ガスが拡大表示される第2の表示状態とがループ状に切り替わることによって、第1の表示状態といずれか1つの第2の表示状態とが交互に切り替わるように構成してもよい。なお、3種または4種のガスが警報対象ガスである場合も、上記構成と同様に構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、第1の表示状態と第2の表示状態とが所定の時間(たとえば、約1秒)毎に切り替わる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1の表示状態と第2の表示状態との切り替わる時間を可変にしてもよい。たとえば、警報対象ガスの検知結果の値自体または増加率が大きい場合に、その警報対象ガスの検知結果が拡大表示された第2の表示状態を、通常の切り替わり時間よりも長い時間保持するように構成してもよい。これにより、ユーザにその警報対象ガスの危険度が高いこと、または、危険度が急激に上昇したことを認識させることが可能である。
また、上記第1実施形態では、所定のガスの濃度が対応する所定の範囲を超えた場合に1種の警報対象ガスの検知結果のみが表示部3に拡大表示される第2の表示状態に切り替わる例を示した。また、上記第1実施形態の第1変形例では、所定のガスの濃度が対応する所定の範囲を超えた場合に2種の警報対象ガスの検知結果が表示部203に同時に拡大表示される第2の表示状態に切り替わる例を示した。また、上記第1実施形態の第2変形例では、所定のガスの濃度が対応する所定の範囲を超えた場合に1種の警報対象ガスの検知結果が表示部303に拡大表示されるとともに、他の2種のガスの検知結果が表示部303に表示される第2の表示状態に切り替わる例を示したが、本発明はこれらに限られない。本発明では、上記第1実施形態の構成と、上記第1実施形態の第1変形例の構成と、上記第1実施形態の第2変形例の構成とを組み合わせてもよい。たとえば、ガスの濃度が対応する第1の警報閾値を超える(酸素に関しては、対応する第1の警報閾値を下回る)場合には、上記第1実施形態の第1変形例の構成または上記第1実施形態の第2変形例の構成によって警報対象ガスの検知結果が表示部に拡大表示されるとともに、ガスの濃度が対応する第1の警報閾値よりも大きな第2の警報閾値を超える(酸素に関しては、対応する第2の警報閾値を下回る)場合には、上記第1実施形態の構成によって警報対象ガスの検知結果が表示部に拡大表示されるように構成してもよい。これにより、危険性が大きな第2段階の警報の場合において、第1段階の警報の場合よりも警報対象ガスの検知結果をより大きく拡大表示することができるので、ユーザにその警報対象ガスの危険度が高いか否かを表示態様によっても認識させることが可能である。
また、上記第1実施形態では、警報時に表示部3のバックライト3aを点灯させる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、第2の表示状態が所定の時間以上継続する場合や、警報対象ガスの濃度が第2の警報閾値を超える(酸素に関しては、対応する第2の警報閾値を下回る)場合にのみ、表示部のバックライトを点灯させるように構成してもよい。これにより、バックライトの点灯の有無で危険性の大きさをユーザに認識させることが可能である。また、2種以上の複数のガスが警報対象ガスである場合にのみ、表示部のバックライトを点灯させるように構成してもよい。これにより、バックライトの点灯の有無で警報対象ガスが単数であるかまたは緊急性の高い複数であるかを、ユーザに認識させることが可能である。
また、上記第1実施形態では、電池の残量を考慮しない例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、電池の残量が少なく電池の電圧が低下した場合(電池電圧低下時)には、警報時におけるユーザへの報知を、電池の残量が多い場合(通常時)と異ならせてもよい。たとえば、電池電圧低下時には、警報対象ガスの検知結果を拡大表示する第2の表示状態の表示時間を通常時よりも長くするとともに、警報ランプ部の点滅間隔およびブザー音の発生間隔の少なくともいずれか一方を長くしてもよい。これにより、表示の切り替わりや警報ランプ部の点滅、ブザー音の発生による消費電力を低減することが可能である。また、電池電圧低下時には、第1の表示状態に切り替わった際に、LED部の警報対象ガスに対応するLEDを点灯または点滅させ、第2の表示状態に切り替わった際に、警報対象ガスに対応するLEDを点灯または点滅させないように構成してもよい。これにより、LED部のLEDを点灯させなくてもユーザに明確に警報対象ガスを認識させることができる第2の表示状態においてLEDを点灯および点滅させないことによって、ユーザに明確に警報対象ガスを認識させつつ、消費電力を低減することが可能である。
さらに、電池電圧低下時には、警報時におけるバックライトの点灯の回数(期間)を減少させるように構成してもよい。たとえば、第1の表示状態(4種ガス表示)の場合にのみバックライトを点灯させたり、第2の表示状態(1種ガス拡大表示)の場合にのみバックライトを点灯させたりしてもよい。なお、第1の表示状態の場合にのみバックライトを点灯させる場合には、バックライトの色を警報対象ガスに対応する色にすることによって、第1の表示状態であっても、ユーザに警報対象ガスのガス種を認識させることが可能である。これらにより、消費電力を低減することができるので、警報器の使用途中で電池の電圧が低下して警報器が警報されない状態になるのを抑制することが可能である。
また、上記第1〜第2実施形態では、酸素を除く所定のガスにおいては、所定のガスの濃度が対応する第1の警報閾値を超える場合に、第2の表示状態に切り替わるように構成し、酸素においては、酸素の濃度が対応する第1の警報閾値を下回る場合に、第2の表示状態に切り替わるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2の表示状態に切り替えるか否かを判断するために用いられる、ガスの濃度の所定の範囲の境界値(上限値または下限値)は、第1の警報閾値に限られない。つまり、ガスの濃度の所定の範囲の境界値として、第1の警報閾値とは別の閾値を用いてもよい。
また、上記第1〜第2実施形態では、警報器100が検知可能な4種のガスとして、可燃性ガス、酸素、硫化水素および一酸化炭素を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、警報器をオゾンやアンモニアなどの他のガスを検知可能なように構成してもよい。この際、濃度が大きくなるにしたがって危険性が大きくなるガスの場合には、可燃性ガス、硫化水素および一酸化炭素と同様に、第1(第2)の警報閾値が濃度の上限値として設定される。また、濃度が小さくなるにしたがって危険性が大きくなるガスの場合には、酸素と同様に、第1(第2)の警報閾値が濃度の下限値として設定される。