JP6479432B2 - 赤色系果汁入り発酵麦芽飲料 - Google Patents
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Description
赤色系果汁添加発酵試験を、以下の方法で行った。
1.1Lスケールで発酵試験を実施した。麦芽飲料の原料配合は、麦芽100%で実施し、一般的な麦汁の製法を取った。糖化、麦汁濾過を行い、得られた麦汁に、ホップ(チェコ産ザーツ種)を0.5g/1Lを加え90分間煮沸した。得られた液(糖度12°P)を発酵前液とした。
2.「主発酵開始時」果汁添加の水準は、発酵液調製の段階で果汁を添加した。ビール酵母の添加は、ビール酵母を添加時酵母数=10million-cells/mlとなるように添加し、10℃で1週間発酵させた。
3.「主発酵中添加」サンプルは、糖度が4.3°Pを切ってから果汁を添加した。主発酵終了後、沈降した酵母を除去し、後発酵を4℃で10日間実施した。濾紙濾過後、遠心分離を行って、酵母を除去した。
調製した、果汁入り発酵麦芽飲料について、6名のパネラーにより、官能評価を実施した。評価は、果汁感(果汁の香味)と、複雑な香味の調和(発酵麦芽飲料の香味との調和)の「有」(感じられる)又は「無」(感じられない)の官能評価の結果で評価した。
結果を、表1に示す。「主発酵開始時」に赤色系果汁を添加した試験品は、ダイアセチルの値が高く、オフフレーバーが強く、全体の香味の調和を損ねた。主発酵開始後に果汁を添加した試験品は、ダイアセチルの値が低く、オフフレーバーが無く、果実香味と、麦芽飲料の香味との調和された良好な香味となった。
ダイアセチルの濃度と、該ダイアセチルの濃度がオフレーバーによる香味へ与える影響
についての試験を、以下の方法で行った。
1.実施例1と同じ方法で麦汁を調製した。
2.ビール酵母を添加時酵母数=10million-cells/mlとなるように添加し、10℃で1週間発酵させた。
3.糖度が4.3°Pとなった時点で、果汁を添加した。主発酵終了後、沈降した酵母を除去し、後発酵を4℃で10日間実施した。
4.濾紙濾過後、遠心分離を行って、酵母を除去した。酵母沈降後の試験品に、表2に示すとおりにダイアセチルを添加し、官能評価を実施した。
官能評価は、4名のパネラーにより、官能評価を実施した。評価は、果汁感(果汁の香味)と、複雑な香味の調和(発酵麦芽飲料の香味との調和)の「有」(感じられる)又は「無」(感じられない)の官能評価の結果で評価した。オフフレーバーについての官能評価は、以下の評価基準により、行い、評価の多い数値で示した。
(評価基準):
「3」:オフフレーバーによる香味への影響が強く、果汁入り飲料への悪影響が感じられた。
「2」:オフフレーバーによる香味への影響があり、果汁入り飲料への悪影響が感じられたが、影響は軽微であった。
「1」:オフフレーバーによる香味への影響が無く、果汁入り飲料への悪影響が感じられなかった。
結果を、表2に示す。ラズベリー果汁を発酵液中に添加したサンプル(ダイアセチル濃度0.01ppm)に、ダイアセチルを添加したところ、発酵麦芽飲料のダイアセチルの値が0.06ppm未満(0.05ppm以下)であれば、オフフレーバーによる香味への悪影響がなく、かつ果汁感と発酵麦芽飲料の香味の調和((果汁感と発酵麦芽との複雑な香味の調和)が得られた。
果汁添加時期と浮遊酵母数が、オフレーバーによる香味へ与える影響についての試験を、以下の方法で行った。
1.実施例1と同じ方法で発酵前液を調製した。
2.ビール酵母を添加時酵母数=10million-cells/mlとなるように添加し、10℃で1週間発酵させた。
3.糖度が4.3°Pとなった後、遠心分離による酵母除去を行った。試験水準の酵母数になるように発酵に用いた酵母と同じ酵母を添加して調製した。
4.主発酵終了後、沈降した酵母を除去し、果汁を添加したのち後発酵を4℃で10日間実施した。
5.濾紙濾過後、遠心分離を行って、酵母を除去し、官能評価を実施した。
調製した、果汁入り発酵麦芽飲料について、5名のパネラーにより、官能評価を実施した。評価は、果汁感(果汁の香味)と、複雑な香味の調和(発酵麦芽飲料の香味との調和)の「有」(感じられる)又は「無」(感じられない)の官能評価の結果で評価した。また、渋味の評価は、次の基準に従った。
「1」:香味を損ねない程度にある。
「2」:僅かに香味を損ねるが、問題ない範囲である。
「3」:明らかに香味を損ねるほどに渋味が強い。
結果を、表3に示す。果汁添加時に、酵母細胞数が、3million-cells/ml以上含まれていれば、果汁感と発酵麦芽飲料の香味の調和((果汁感と発酵麦芽との複雑な香味の調和)が得られた。120million-cells/mlでは、雑味(渋味)が目立った。
既存(市販)品赤色果汁入り発酵麦芽飲料について、ダイアセチル濃度を測定した。
結果を、表4に示す。表4に示されるように、測定した既存(市販)品赤色果汁入り発酵麦芽飲料は、飲料中のダイアセチル濃度が高めに推移しており、すべてのサンプルにおいて、オフフレーバーが感じられた。
Claims (5)
- 麦芽及びアントシアニンを含有する赤色系果汁を原料とする赤色系果汁入り発酵麦芽飲料の製造方法において、発酵麦芽飲料中のダイアセチルの値を0.06ppm未満に調整することを特徴とし、
発酵麦芽飲料中のダイアセチルの値が、発酵麦芽飲料製造工程における、果汁の添加時期と、果汁添加時の温度により調整され、果汁の添加時期が、主発酵開始から、貯蔵終了前であり、果汁添加時の温度が、10℃未満であることを特徴とする、果汁の香味及び色調の付与と、オフフレーバーを抑制した芳醇で清涼感を有する赤色系果汁入り発酵麦芽飲料の製造方法。 - 麦芽及びアントシアニンを含有する赤色系果汁を原料とする赤色系果汁入り発酵麦芽飲料の製造方法において、発酵麦芽飲料中のダイアセチルの値を0.06ppm未満に調整することを特徴とし、
発酵麦芽飲料中のダイアセチルの値が、発酵麦芽飲料製造工程における、果汁の添加時期により調整され、果汁の添加時期が、主発酵開始後であり、浮遊酵母数が、3million-cells/ml〜100million-cells/mlであるように調整されることを特徴とする、果汁の香味及び色調の付与と、オフフレーバーを抑制した芳醇で清涼感を有する赤色系果汁入り発酵麦芽飲料の製造方法。 - 発酵麦芽飲料の発酵液に対する、果汁の添加量が固形分として、0.5〜50w/v%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
- 麦芽及びアントシアニンを含有する赤色系果汁を原料とする赤色系果汁入り発酵麦芽飲料の製造方法において、発酵麦芽飲料中のダイアセチルの値を0.06ppm未満に調整することを特徴とし、
発酵麦芽飲料中のダイアセチルの値が、発酵麦芽飲料製造工程における、果汁の添加時期と、果汁添加時の温度により調整され、果汁の添加時期が、主発酵開始から、貯蔵終了前であり、果汁添加時の温度が、10℃未満であることを特徴とする、赤色系果汁入り発酵麦芽飲料のオフフレーバーの抑制方法。 - 麦芽及びアントシアニンを含有する赤色系果汁を原料とする赤色系果汁入り発酵麦芽飲料の製造方法において、発酵麦芽飲料中のダイアセチルの値を0.06ppm未満に調整することを特徴とし、
発酵麦芽飲料中のダイアセチルの値が、発酵麦芽飲料製造工程における、果汁の添加時期により調整され、果汁の添加時期が、主発酵開始後であり、浮遊酵母数が、3million-cells/ml〜100million-cells/mlであるように調整されることを特徴とする、赤色系果汁入り発酵麦芽飲料のオフフレーバーの抑制方法。
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