以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<システムの概要>
まず、本開示の一実施の形態に係るドアホンシステムの概要について、図1を用いて説明する。図1に示すように、ドアホンシステム1は、玄関子機100と、ドアホン親機200と、から構成される。なお、図1では、ドアホン親機200に3台の玄関子機100−1、100−2、100−3が接続している場合を例示している。また、ドアホンシステム1には、増設モニタ300を追加しても良い。さらに、ドアホンシステム1は、他のドアホンシステムと接続することもできる。
玄関子機100は、例えば、住宅等の玄関先に設けられる。ドアホン親機200および増設モニタ300は、例えば、住宅等の宅内に設けられ、壁に固定されたり、テーブルまたは台の上等に載置されたりする。玄関子機100とドアホン親機200とは、1対の銅線から成る2線ケーブルにより接続されている。増設モニタ300は、2線ケーブルによりドアホン親機200と接続される。
ドアホン親機200は、玄関子機100と通信を行い、玄関子機100から映像データ、音声データおよび制御データを受信し、音声データおよび制御データを送信する。また、ドアホン親機200は、増設モニタ300と通信を行い、玄関子機100から受信した映像データ、音声データおよび制御データを増設モニタ300に転送し、増設モニタ300から受信した音声データおよび制御データを玄関子機100に転送する。
なお、以下の説明において、玄関子機100あるいは増設モニタ300からドアホン親機200への方向を「上り方向」といい、玄関子機100あるいは増設モニタ300から上り方向に送信されるパケット、信号をそれぞれ「上りパケット」、「上り信号」という。また、ドアホン親機200から玄関子機100あるいは増設モニタ300への方向を「下り方向」といい、ドアホン親機200から下り方向に送信されるパケット、信号をそれぞれ「下りパケット」、「下り信号」という。
<フレーム構成、タイムスロット構成>
次に、本実施の形態に係る同期通信時のフレーム構成、タイムスロット構成について図2Aを用いて説明する。図2Aに示すように、各フレームは、48000bitsの領域を有し、10ms周期、4.8Mbpsのビットレートであり、24個のタイムスロットに分割される。したがって、各タイムスロットは、2000bits=250bytesの領域を有し、0.416ms周期、4.8Mbpsのビットレートになる。
各タイムスロットは、52byteのガードスペース(Guard)、4byteのプリアンブルフィールド、2byteのシンクフィールド(Sync)、32byteの制御データフィールド、160byteのユーザデータフィールドに分けられている。
ガードスペースは、伝播遅延時間差やクロックジッタ等によるタイムスロットの衝突を避けるための時間である。プリアンブルフィールドには、所定のユニークパターンを有するプリアンブルデータ(後述)が付加される。シンクフィールドには、所定のシンクパターンが付加される。制御データフィールドには、制御データが付加される。ユーザデータフィールドには、画像データおよび音声データが付加される。ここでシンクパターンとは、シンクフィールドに配置された既知のデータあるいはデータ列であって、受信データ受信時の同期を確立するために用いられ、受信データが正確なタイミングで受信されたことを確認するための予め規定した既知のデータパターンである。
<割り込み信号の構成>
次に、本実施の形態に係る非同期通信時の割り込み信号の構成について図2Bを用いて説明する。
図2Bに示すように、割り込み信号は、4byteのプリアンブルフィールド、2byteのシンクフィールド(Sync)、32byteの制御データフィールドに分けられている。さらに、図2Bに示す割り込み信号には、将来の拡張用として、30byteのユーザデータフィールドが設けられている。
割り込み信号のプリアンブルデータおよびシンクパターンは、図2Aに示した同期通信時のタイムスロットと同一のものである。これにより、同期通信時と非同期通信時とで受信部等を共用できるため、コストを抑えることができる。
割り込み信号の制御データフィールドには、メッセージ種別(同期要求等)、送信元機器番号(ID)等の制御情報が書き込まれる。割り込み信号のユーザデータフィールドは、機器異常情報(機器の異常を検知したことを示す情報)等、メッセージ種別に応じた詳細情報を通知するフィールドとして使用しても良い。
なお、図2Bに示す割り込み信号は、接続機器の初期登録時にも使用される。
<玄関子機の構成>
次に、玄関子機100の構成について、図3のブロック図を用いて説明する。図3に示すように、玄関子機100は、ケーブル接続部101、キー入力部102、スピーカ103、マイク104、音声I/F(インターフェイス)部105、カメラ部106および制御部107を有する。制御部107は、内部に、第1クロック生成部131、パケット生成部132、データ再生部133、接続状態検出部134を有する。また、玄関子機100は、送信データ処理部108、送信データ反転部109、送信ドライバ110、受信ドライバ111、受信データ反転部112、受信データ処理部113、識別子記憶部114を有する。
ケーブル接続部101は、2線ケーブル用の接続端子を含み、2線ケーブルの玄関側の一端と、受信ドライバ111および送信ドライバ110との間を、信号を伝送可能な状態で接続する。なお、2線ケーブルの他端は、ドアホン親機200に接続される。
キー入力部102は、呼出ボタンを含み、呼出ボタンが操作されたとき、その旨を示す信号を制御部107に出力する。
スピーカ103は、音声I/F部105から出力されたアナログ音声データを、音声に変換して出力する。
マイク104は、周囲の音声を集音してアナログ音声データに変換し、音声I/F部105に出力する。
音声I/F部105は、制御部107から出力されたデジタル音声データを、アナログ音声データに変換し、信号レベルを調整して、スピーカ103に出力する。また、音声I/F部105は、マイク104から出力されたアナログ音声データを、信号レベルを調整し、デジタル音声データに変換して、制御部107に出力する。かかるアナログ/デジタル変換は、A/D,D/A変換器(図示せず)により行われる。
なお、音声I/F部105は、マイク104から出力されたアナログ音声データをデジタル変換したデータに対して、所定の音声圧縮処理を行って得られるデータを、デジタル音声データとして制御部107に出力してもよい。また、音声I/F部105は、制御部107から出力されたデジタル音声データが所定の音声圧縮処理を行って得られたデータである場合、当該データに対して所定の音声伸張処理を行ってから、デジタル/アナログ変換を行う。
カメラ部106は、デジタルカメラを含み、玄関の映像を撮影し、デジタル映像データを生成して、制御部107に出力する。なお、カメラ部106は、エンコーダモジュールを搭載していてもよい。すなわち、カメラ部106は、デジタルカメラから出力された映像データに対してH.264等の所定の動画圧縮処理を行って得られるデータを、デジタル映像データとして制御部107に出力してもよい。
制御部107は、玄関子機100の各部の制御を行う。また、制御部107は、送信を許可する送信区間、および、受信を許可する受信区間を指示する切り替え制御信号(SW CON)を送信ドライバ110および受信ドライバ111に出力する。
制御部107の第1クロック生成部131は、受信データをサンプリングするためのクロックであって、水晶発振を基準に、受信データのビットレートのn倍(nは1以上)に対応する第1周波数(例えば、48MHz(n=10))のクロック(CLK)を生成し、受信データ処理部113に出力する。
制御部107のパケット生成部132は、映像付き通話を実現するための上りパケットを生成する。具体的には、パケット生成部132は、音声I/F部105から出力されたデジタル音声データおよびカメラ部106から出力されたデジタル映像データを適宜分割して各タイムスロットのユーザデータフィールドに書き込み、自機(玄関子機100)に固有の識別子(以下、「自機IDslave」という)および通信相手のドアホン親機200の識別子(以下、「IDmaster」という)を含む制御データを各タイムスロットの制御データフィールドに書き込む。さらに、パケット生成部132は、各タイムスロットに、プリアンブルデータ、シンクパターンを書き込み、上りパケット(送信データ)を生成する。さらに、パケット生成部132は、送信用のイネーブル信号(SSCS)および送信用の第2周波数(例えば、4.8MHz)のクロック(SSCK)を生成する。そして、パケット生成部132は、上りパケットを、送信用のイネーブル信号(SSCS)およびクロック(SSCK)と同期させて、送信データ処理部108に出力する。
なお、玄関子機100とドアホン親機200との間でデータが送受されない待機状態では、パケット生成部132は、上りパケットを生成しない。また、待機状態(非同期通信時)において、呼出ボタンが操作される等の所定のイベントが発生すると、パケット生成部132は、プリアンブルデータ、シンクパターン、制御データを書き込んだ上りパケット(割り込み信号)を生成する。なお、非同期通信時の割り込み信号において使用されるプリアンブルとシンクパターンは、同期通信時に使用されるものと同一である。
制御部107のデータ再生部133は、受信データ処理部113からイネーブル信号(SSCS)を入力すると、受信データ処理部113から出力された第2周波数のクロック(SSCK)を使用し、受信データ処理部113から出力された下りパケット(復号データ)に含まれるデジタル音声データを音声I/F部105に出力し、下りパケット(復号データ)に含まれるシンクパターンを接続状態検出部134に出力する。なお、データ再生部133は、初期登録時に、下りパケットに含まれる自機IDslaveおよびIDmasterを識別子記憶部114に記憶させる。
また、データ再生部133は、待機状態(非同期通信時)において所定のイベントが発生し、下り信号(割り込み信号)を入力した場合、下り信号を復調して下りパケットを取得し、下りパケットに含まれるシンクパターンを接続状態検出部134に出力する。データ再生部133は、接続状態検出部134において正確に割り込み信号を捕捉できたことを確認した後、割り込み信号の制御データを抽出する。制御データが同期要求であれば、玄関子機100は、ドアホン親機200との同期処理に移行する。
制御部107の接続状態検出部134は、2線ケーブルが正接続である場合のチェック用シンクパターン(以下、「正接続チェック用シンクパターン」という(例えば、16bit全てが「0」))、および、正接続チェック用シンクパターンの逆のパターンであって、2線ケーブルが逆接続である場合のチェック用シンクパターン(以下、「逆接続チェック用シンクパターン」という(例えば、16bit全てが「1」))を記憶している。そして、接続状態検出部134は、データ再生部133から出力された受信データのシンクパターンを、正接続チェック用シンクパターンおよび逆接続チェック用シンクパターンと照合する。接続状態検出部134は、受信データのシンクパターンと正接続チェック用シンクパターンが完全に一致した場合に2線ケーブルが正接続であると判定し、受信データのシンクパターンと逆接続チェック用シンクパターンが完全に一致した場合に2線ケーブルが逆接続であると判定する。そして、接続状態検出部134は、判定結果を示す反転制御信号(INV CON)を、送信データ反転部109および受信データ反転部112に出力する。
送信データ処理部108は、パケット生成部132からイネーブル信号(SSCS)を入力すると、パケット生成部132から出力された第2周波数のクロック(SSCK)を使用し、パケット生成部132から出力された上りパケットのデータに対して変調処理を行って上り信号を生成し、送信データ反転部109に出力する。なお、送信データ処理部108の変調処理の詳細(具体例)については後述する。
送信データ反転部109は、接続状態検出部134において2線ケーブルが逆接続であると判定された場合、送信データ処理部108から出力された上り信号を反転させて送信ドライバ110に出力する。一方、送信データ反転部109は、接続状態検出部134において2線ケーブルが正接続であると判定された場合、送信データ処理部108から出力された上り信号をそのまま送信ドライバ110に出力する。
送信ドライバ110は、制御部107からの切り替え制御信号(SW CON)によって指示された送信区間において、上り信号を、ケーブル接続部101を介してドアホン親機200に送信する。
受信ドライバ111は、ドアホン親機200から送信された下り信号を、ケーブル接続部101を介して受信する。そして、受信ドライバ111は、制御部107からの切り替え制御信号(SW CON)によって指示された受信区間において、下り信号を、受信データ反転部112に出力する。
受信データ反転部112は、接続状態検出部134において2線ケーブルが逆接続であると判定された場合、受信ドライバ111から出力された下り信号を反転させて受信データ処理部113に出力する。一方、受信データ反転部112は、接続状態検出部134において2線ケーブルが正接続であると判定された場合、受信ドライバ111から出力された下り信号をそのまま受信データ処理部113に出力する。
受信データ処理部113は、第1クロック生成部131から出力された第1周波数のクロック(CLK)を使用し、受信ドライバ111から出力された下り信号に含まれるプリアンブルデータを用いてドアホン親機200との同期(受信データの各ビットの先頭のタイミング)を検出する。そして、受信データ処理部113は、プリアンブルデータのユニークパターンを検出したタイミングで、データ再生動作を許可するイネーブル信号(SSCS)をデータ再生部133に出力する。
また、受信データ処理部113は、受信データ反転部112から出力された下り信号(受信データ)を復号し、復号データをデータ再生部133に出力する。また、受信データ処理部113は、第1クロック生成部131から出力された第1周波数のクロック(CLK)を基準に、受信データのビットレートに対応する第2周波数(例えば、4.8MHz)のクロック(SSCK)を生成し、データ再生部133に出力する。
識別子記憶部114は、ドアホン親機200から受信した自機IDslaveおよびIDmasterを記憶する。
<ドアホン親機の構成>
次に、ドアホン親機200の構成について、図4のブロック図を用いて説明する。図4に示すように、ドアホン親機200は、ケーブル接続部201、キー入力部202、スピーカ203、マイク204、音声I/F部205、ディスプレイ部206および制御部207を有する。制御部207は、内部に、第1クロック生成部231、パケット生成部232、データ再生部233、接続状態検出部234、識別子設定部235を有する。また、ドアホン親機200は、送信データ処理部208、送信データ反転部209、送信ドライバ210、受信ドライバ211およびルーティング制御部212、受信データ処理部213、識別子記憶部214を有する。なお、ドアホン親機200は、ケーブル接続部201、送信ドライバ210および受信ドライバ211を、N個(Nは自然数)有する。
ケーブル接続部201−i(iは1からNまでの何れかの整数)は、2線ケーブル用の接続端子を含み、2線ケーブルの室内側の一端と、送信ドライバ210−iおよび受信ドライバ211−iとの間を、信号を伝送可能な状態で接続する。なお、各2線ケーブルの他端は、玄関子機100、増設モニタ300あるいは他のドアホンシステムの親機に接続される。図4では、ケーブル接続部201−1が、他のドアホンシステムの親機に接続されている場合を例示している。
キー入力部202は、応答ボタンを含み、応答ボタンが操作されたとき、その旨を示す信号を制御部207に出力する。
スピーカ203は、音声I/F部205から出力されたアナログ音声データを、音声に変換して出力する。
マイク204は、周囲の音声を集音してアナログ音声データに変換し、音声I/F部205に出力する。
音声I/F部205は、制御部207から出力されたデジタル音声データを、アナログ音声データに変換し、信号レベルを調整して、スピーカ203に出力する。また、音声I/F部205は、マイク204から出力されたアナログ音声データを、信号レベルを調整し、デジタル音声データに変換して、制御部207に出力する。かかるアナログ/デジタル変換は、A/D,D/A変換器(図示せず)により行われる。
なお、音声I/F部205は、マイク204から出力されたアナログ音声データをデジタル変換したデータに対して、所定の音声圧縮処理を行って得られるデータを、デジタル音声データとして制御部207に出力してもよい。また、音声I/F部205は、制御部207から出力されたデジタル音声データが所定の音声圧縮処理を行って得られたデータである場合、当該データに対して所定の音声伸張処理を行ってから、デジタル/アナログ変換を行う。
ディスプレイ部206は、液晶ディスプレイを含み、制御部207から出力されたデジタル映像データを再生し、玄関の映像を表示する。なお、制御部207から出力されたデジタル映像データが所定の動画圧縮処理を行って得られたデータである場合、当該データに対して所定の動画伸張処理を行って、映像表示を行う。
制御部207は、ドアホン親機200の各部の制御を行う。また、制御部207は、送信を許可する送信区間、および、受信を許可する受信区間を指示する切り替え制御信号(SW CON)を各送信ドライバ210−i、各受信ドライバ211−iおよびルーティング制御部212に出力する。
制御部207の第1クロック生成部231は、受信データをサンプリングするためのクロックであって、水晶発振を基準に、受信データのビットレートのn倍に対応する第1周波数(例えば、48MHz(n=10))のクロック(CLK)を生成し、ルーティング制御部212および受信データ処理部213に出力する。
制御部207のパケット生成部232は、映像付き通話を実現するための下りパケットを生成する。具体的には、パケット生成部232は、音声I/F部205から出力されたデジタル音声データを適宜分割して各タイムスロットのユーザデータフィールドに書き込み、自機(ドアホン親機200)に固有の識別子(以下、「自機IDmaster」という)および通信相手の機器の識別子を含む制御データを各タイムスロットの制御データフィールドに書き込む。さらに、パケット生成部232は、各タイムスロットに、プリアンブルデータ、シンクパターンを書き込み、下りパケット(送信データ)を生成する。さらに、パケット生成部232は、送信用のイネーブル信号(SSCS)および送信用の第2周波数(例えば、4.8MHz)のクロック(SSCK)を生成する。そして、パケット生成部232は、下りパケットを、送信用のイネーブル信号(SSCS)およびクロック(SSCK)と同期させて、送信データ処理部208に出力する。
また、パケット生成部232は、ドアホン親機200の動作あるいは玄関子機100の動作に関する制御データを、玄関子機100への送信の対象となるデータとして送信データ処理部208に出力してもよい。かかる制御データには、例えば、ドアホン親機200から玄関子機100のカメラ動作(データレート、パン、チルト、ライト、シャッター、およびフィルタ等の動作)や、玄関子機100に備えられた各種センサデバイスの動作を、ドアホン親機200から制御するための制御信号が含まれる。また、かかる制御データには、玄関子機100に備えられた無線通信回路等(図示せず)を介して屋外に配置されたデバイス(門の電子鍵等)の動作を制御するための制御信号が含まれる。
パケット生成部232は、玄関子機100、増設モニタ300等の機器の初期登録時において、識別子設定部235にて設定された、登録対象の機器に割り当てた固有の識別子を含む下り信号を生成する。
なお、玄関子機100(あるいは増設モニタ300)とドアホン親機200との間でデータが送受されない待機状態では、パケット生成部232は、下りパケットを生成しない。また、待機状態(非同期通信時)において、応答ボタンが操作される等の所定のイベントが発生すると、パケット生成部232は、プリアンブルデータ、シンクパターン、制御データを書き込んだ下りパケット(割り込み信号)を生成する。なお、非同期通信時の割り込み信号において使用されるプリアンブルとシンクパターンは、同期通信時に使用されるものと同一である。
制御部207のデータ再生部233は、受信データ処理部213からイネーブル信号(SSCS)を入力すると、受信データ処理部213から出力された第2周波数のクロック(SSCK)を使用し、受信データ処理部213から出力された上りパケット(復号データ)に含まれるデジタル音声データを音声I/F部205に出力し、上りパケットに含まれるデジタル映像データをディスプレイ部206に出力し、上りパケットに含まれるシンクパターンを接続状態検出部234に出力する。
また、データ再生部233は、待機状態(非同期通信時)において所定のイベントが発生し、上り信号(割り込み信号)を入力した場合、上り信号を復調して上りパケットを取得し、上りパケットに含まれるシンクパターンを接続状態検出部234に出力する。データ再生部233は、接続状態検出部234において正確に割り込み信号を捕捉できたことを確認した後、割り込み信号の制御データを抽出する。制御データが同期要求であれば、ドアホン親機200は、玄関子機100あるいは増設モニタ300との同期処理に移行する。
制御部207の接続状態検出部234は、正接続チェック用シンクパターンおよび逆接続チェック用シンクパターンを記憶し、データ再生部233から出力された受信データのシンクパターンを、正接続チェック用シンクパターンおよび逆接続チェック用シンクパターンと照合する。接続状態検出部234は、受信データのシンクパターンと正接続チェック用シンクパターンが完全に一致した場合に2線ケーブルが正接続であると判定し、受信データのシンクパターンと逆接続チェック用シンクパターンが完全に一致した場合に2線ケーブルが逆接続であると判定する。そして、接続状態検出部234は、判定結果を示す反転制御信号(INV CON)を、送信データ反転部209に出力する。
制御部207の識別子設定部235は、玄関子機100、増設モニタ300等の機器の初期登録時において、各登録対象の機器に割り当てる固有の識別子を設定し、パケット生成部232に出力し、識別子記憶部214に記録させる。また、識別子設定部235は、必要に応じて、識別子記憶部214に記録された識別子を読み出す。なお、識別子設定部235は、識別子を送信してから所定の時間が経過しても、データ再生部233から識別子の受領確認が入力されなかった場合には、再び、設定した識別子をパケット生成部232に出力する。
送信データ処理部208は、パケット生成部232からイネーブル信号(SSCS)を入力すると、パケット生成部232から出力された第2周波数のクロック(SSCK)を使用し、パケット生成部232から出力された下りパケットのデータに対して変調処理を行って下り信号を生成し、ルーティング制御部212に出力する。
送信データ反転部209は、接続状態検出部234において2線ケーブルが逆接続であると判定された場合、ルーティング制御部212から出力された下り信号を反転させて送信ドライバ210−1に出力する。一方、送信データ反転部209は、接続状態検出部234において2線ケーブルが正接続であると判定された場合、ルーティング制御部212から出力された下り信号をそのまま送信ドライバ210−1に出力する。
送信ドライバ210−1は、制御部207からの切り替え制御信号(SW CON)によって指示された送信区間において、下り信号を、ケーブル接続部201−1を介して他のドアホンシステムの親機に送信する。送信ドライバ210−i(この場合、iは1以外)は、制御部207からの切り替え制御信号(SW CON)によって指示された送信区間において、下り信号を、ケーブル接続部201−iを介して玄関子機100あるいは増設モニタ300に送信する。
受信ドライバ211−iは、玄関子機100、増設モニタ300あるいは他のドアホンシステムの親機から送信された上り信号を、ケーブル接続部201−iを介して受信する。そして、受信ドライバ211−iは、制御部207からの切り替え制御信号(SW CON)によって指示された受信区間において、上り信号を、ルーティング制御部212に出力する。
ルーティング制御部212は、玄関子機100から送信され、受信ドライバ211−iから出力された上り信号を、親機200宛である場合には受信データ処理部213に出力し、増設モニタ300宛である場合には対応の送信ドライバ210−iに出力する。また、ルーティング制御部212は、送信データ処理部208から出力された玄関子機100宛の下り信号を、対応の送信ドライバ210−iに出力する。また、ルーティング制御部212は、増設モニタ300から送信され、受信ドライバ211−iから出力された玄関子機100宛の上り信号を、対応の送信ドライバ210−iに出力する。また、ルーティング制御部212は、ルーティング(通信ルートの有効/無効)の制御を行う。また、ルーティング制御部212は、受信データを他のドアホンシステムの親機に転送する際にデューティ比を補正する。なお、ルーティング制御部212が行うルーティング制御の具体例およびデューティ比補正処理の詳細については後述する。
受信データ処理部213は、第1クロック生成部231から出力された第1周波数のクロック(CLK)を使用し、ルーティング制御部212から出力された上り信号に含まれるプリアンブルデータを用いて玄関子機100との同期(受信データの各ビットの先頭のタイミング)を検出する。そして、受信データ処理部213は、プリアンブルデータのユニークパターンを検出したタイミングで、データ再生動作を許可するイネーブル信号(SSCS)をデータ再生部233に出力する。
また、受信データ処理部213は、ルーティング制御部212から出力された上り信号(受信データ)を復号し、復号データをデータ再生部233に出力する。また、受信データ処理部213は、第1クロック生成部231から出力された第1周波数のクロック(CLK)を基準に、受信データのビットレートに対応する第2周波数(例えば、4.8MHz)のクロック(SSCK)を生成し、データ再生部233に出力する。
また、受信データ処理部213は、受信データの波形が反転したタイミングに関する情報をルーティング制御部212に出力する。なお、受信データ処理部213の構成の詳細については、後述する。
識別子記憶部214は、自機IDmaster、および、各機器(玄関子機100、増設モニタ300、他のドアホンシステムの親機)の識別子を記憶する。
<増設モニタの構成>
次に、増設モニタ300の構成について、図5のブロック図を用いて説明する。図5に示すように、増設モニタ300は、ケーブル接続部301、キー入力部302、スピーカ303、マイク304、音声I/F(インターフェイス)部305、ディスプレイ部306および制御部307を有する。制御部307は、内部に、第1クロック生成部331、パケット生成部332、データ再生部333、接続状態検出部334を有する。また、増設モニタ300は、送信データ処理部308、送信データ反転部309、送信ドライバ310、受信ドライバ311、受信データ反転部312、受信データ処理部313、識別子記憶部314を有する。
ケーブル接続部301は、2線ケーブル用の接続端子を含み、2線ケーブルの増設モニタ側の一端と、受信ドライバ311および送信ドライバ310との間を、信号を伝送可能な状態で接続する。なお、2線ケーブルの他端は、ドアホン親機200に接続される。
キー入力部302は、呼出ボタンを含み、呼出ボタンが操作されたとき、その旨を示す信号を制御部307に出力する。
スピーカ303は、音声I/F部305から出力されたアナログ音声データを、音声に変換して出力する。
マイク304は、周囲の音声を集音してアナログ音声データに変換し、音声I/F部305に出力する。
音声I/F部305は、制御部307から出力されたデジタル音声データを、アナログ音声データに変換し、信号レベルを調整して、スピーカ303に出力する。また、音声I/F部305は、マイク304から出力されたアナログ音声データを、信号レベルを調整し、デジタル音声データに変換して、制御部307に出力する。かかるアナログ/デジタル変換は、A/D,D/A変換器(図示せず)により行われる。
なお、音声I/F部305は、マイク304から出力されたアナログ音声データをデジタル変換したデータに対して、所定の音声圧縮処理を行って得られるデータを、デジタル音声データとして制御部307に出力してもよい。また、音声I/F部305は、制御部307から出力されたデジタル音声データが所定の音声圧縮処理を行って得られたデータである場合、当該データに対して所定の音声伸張処理を行ってから、デジタル/アナログ変換を行う。
ディスプレイ部306は、液晶ディスプレイを含み、制御部307から出力されたデジタル映像データを再生し、玄関の映像を表示する。なお、制御部307から出力されたデジタル映像データが所定の動画圧縮処理を行って得られたデータである場合、当該データに対して所定の動画伸張処理を行って、映像表示を行う。
制御部307は、増設モニタ300の各部の制御を行う。また、制御部307は、送信を許可する送信区間、および、受信を許可する受信区間を指示する切り替え制御信号(SW CON)を送信ドライバ310および受信ドライバ311に出力する。
制御部307の第1クロック生成部331は、受信データをサンプリングするためのクロックであって、水晶発振を基準に、受信データのビットレートのn倍に対応する第1周波数(例えば、48MHz(n=10))のクロック(CLK)を生成し、受信データ処理部313に出力する。
制御部307のパケット生成部332は、映像付き通話を実現するための上りパケットを生成する。具体的には、パケット生成部332は、音声I/F部305から出力されたデジタル音声データを適宜分割して各タイムスロットのユーザデータフィールドに書き込み、自機(増設モニタ300)に固有の識別子(以下、「自機IDmonitor」という)およびIDmasterを含む制御データを各タイムスロットの制御データフィールドに書き込む。さらに、パケット生成部332は、各タイムスロットに、プリアンブルデータ、シンクパターンを書き込み、上りパケット(送信データ)を生成する。さらに、パケット生成部332は、送信用のイネーブル信号(SSCS)および送信用の第2周波数(例えば、4.8MHz)のクロック(SSCK)を生成する。そして、パケット生成部332は、上りパケットを、送信用のイネーブル信号(SSCS)およびクロック(SSCK)と同期させて、送信データ処理部308に出力する。
なお、増設モニタ300とドアホン親機200との間でデータが送受されない待機状態では、パケット生成部332は、上りパケットを生成しない。また、待機状態(非同期通信時)において、呼出ボタンが操作される等の所定のイベントが発生すると、パケット生成部332は、プリアンブルデータ、シンクパターン、制御データを書き込んだ上りパケット(割り込み信号)を生成する。なお、非同期通信時の割り込み信号において使用されるプリアンブルとシンクパターンは、同期通信時に使用されるものと同一である。
制御部307のデータ再生部333は、受信データ処理部313からイネーブル信号(SSCS)を入力すると、受信データ処理部313から出力された第2周波数のクロック(SSCK)を使用し、受信データ処理部313から出力された下りパケット(復号データ)に含まれるデジタル映像データをディスプレイ部306に出力し、下りパケットに含まれるデジタル音声データを音声I/F部305に出力し、下りパケットに含まれるシンクパターンを接続状態検出部334に出力する。なお、データ再生部333は、初期登録時に、下りパケットに含まれる自機IDmonitorおよびIDmasterを識別子記憶部314に記憶させる。
また、データ再生部333は、待機状態(非同期通信時)において所定のイベントが発生し、下り信号(割り込み信号)を入力した場合、下り信号を復調して下りパケットを取得し、下りパケットに含まれるシンクパターンを接続状態検出部334に出力する。データ再生部333は、接続状態検出部334において正確に割り込み信号を捕捉できたことを確認した後、割り込み信号の制御データを抽出する。制御データが同期要求であれば、増設モニタ300は、ドアホン親機200との同期処理に移行する。
制御部307の接続状態検出部334は、正接続チェック用シンクパターンおよび逆接続チェック用シンクパターンを記憶し、データ再生部333から出力された受信データのシンクパターンを、正接続チェック用シンクパターンおよび逆接続チェック用シンクパターンと照合する。接続状態検出部334は、受信データのシンクパターンと正接続チェック用シンクパターンが完全に一致した場合に2線ケーブルが正接続であると判定し、受信データのシンクパターンと逆接続チェック用シンクパターンが完全に一致した場合に2線ケーブルが逆接続であると判定する。そして、接続状態検出部334は、判定結果を示す反転制御信号(INV CON)を、送信データ反転部309および受信データ反転部312に出力する。
送信データ処理部308は、パケット生成部332からイネーブル信号(SSCS)を入力すると、パケット生成部332から出力された第2周波数のクロック(SSCK)を使用し、パケット生成部332から出力された上りパケットのデータに対して変調処理を行って上り信号を生成し、送信データ反転部309に出力する。
送信データ反転部309は、接続状態検出部334において2線ケーブルが逆接続であると判定された場合、送信データ処理部308から出力された上り信号を反転させて送信ドライバ310に出力する。一方、送信データ反転部309は、接続状態検出部334において2線ケーブルが正接続であると判定された場合、送信データ処理部308から出力された上り信号をそのまま送信ドライバ310に出力する。
送信ドライバ310は、制御部307からの切り替え制御信号(SW CON)によって指示された送信区間において、上り信号を、ケーブル接続部301を介してドアホン親機200に送信する。
受信ドライバ311は、ドアホン親機200から送信された下り信号を、ケーブル接続部301を介して受信する。そして、受信ドライバ311は、制御部307からの切り替え制御信号(SW CON)によって指示された受信区間において、下り信号を、受信データ反転部312に出力する。
受信データ反転部312は、接続状態検出部334において2線ケーブルが逆接続であると判定された場合、受信ドライバ311から出力された下り信号を反転させて受信データ処理部313に出力する。一方、受信データ反転部312は、接続状態検出部334において2線ケーブルが正接続であると判定された場合、受信ドライバ311から出力された下り信号をそのまま受信データ処理部313に出力する。
受信データ処理部313は、第1クロック生成部331から出力された第1周波数のクロック(CLK)を使用し、受信ドライバ311から出力された下り信号に含まれるプリアンブルデータを用いてドアホン親機200との同期(受信データの各ビットの先頭のタイミング)を検出する。そして、受信データ処理部313は、プリアンブルデータのユニークパターンを検出したタイミングで、データ再生動作を許可するイネーブル信号(SSCS)をデータ再生部333に出力する。
また、受信データ処理部313は、受信データ反転部312から出力された下り信号(受信データ)を復号し、復号データをデータ再生部333に出力する。また、受信データ処理部313は、第1クロック生成部131から出力された第1周波数のクロック(CLK)を基準に、受信データのビットレートに対応する第2周波数(例えば、4.8MHz)のクロック(SSCK)を生成し、データ再生部333に出力する。
識別子記憶部314は、ドアホン親機200から受信した自機IDmonitorおよびIDmasterを記憶する。
なお、玄関子機100、ドアホン親機200および増設モニタ300は、図示しないが、例えば、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)等の記憶媒体、RAM(Random Access Memory)等の作業用メモリ、および通信回路をそれぞれ有する。この場合、上記した各部の機能は、CPUが制御プログラムを実行することにより実現される。
<変調処理の一例>
次に、送信データ処理部108(208、308)が行う変調処理の一例について図6、図7を用いて説明する。図6、図7では、マンチェスタ符号を採用した場合を示している。
送信データ処理部108(208、308)は、周期Tm毎に、パケットの各データ(1ビット)に対応する信号を1つ生成する。マンチェスタ符号を採用した場合、図6に示すように、送信データ処理部108(208、308)は、値「0」のデータ401にLowからHighへの立上りを発生させ、変調信号402を生成する。また、送信データ処理部108(208、308)は、値「1」のデータ411にHighからLowへの立下りを発生させ、変調信号412を生成する。
そして、図7に示すように、「0,0,1,・・・,1,0」というデータ列421に対して、送信データ処理部108(208、308)は、各ビットの値に対応して、周期Tm毎に立上りあるいは立下りを有する変調信号422を生成する。
<プリアンブルデータの一例>
次に、本実施の形態において使用されるプリアンブルデータの一例について図8を用いて説明する。
図8に示すように、本実施の形態において使用されるプリアンブルデータ(4byte=32bit)は、1byte目から3byte目までがすべて「1」のパターンであり、4byte目が、最初から6bitまでが「1」、7bitが「0」、8bit(最後の1bit)が「1」のパターンである。さらに、この場合、プリアンブルデータに続くシンクパターンの最初の1bitが「1」である。この結果、図8に示すプリアンブルデータは、4byte目の6bit目から8bit目にかけての隣接する立下りエッジ間501の期間が他よりも長いユニークパターンとなっている。また、隣接する立下りエッジ間501のH(High)の期間およびL(Low)の期間が他よりも長くなっている。なお、図8は、マンチェスタエンコード後のプリアンブルデータの波形を示している。
なお、本実施の形態では、プリアンブルデータが、図8に示すものが反転されたものであっても良い。すなわち、本実施の形態において使用されるプリアンブルデータ(4byte=32bit)は、1byte目から3byte目までがすべて「0」のパターンであり、4byte目が、最初から6bitまでが「0」、7bitが「1」、8bit(最後の1bit)が「0」のパターンであってもよい。この場合、プリアンブルデータに続くシンクパターンの最初の1bitが「0」である。
<受信データ処理部の内部構成>
次に、ドアホン親機200の受信データ処理部213の内部構成の詳細について、図9を用いて説明する。なお、その説明の際、本実施の形態の同期検出処理について理解を容易にするため、図9と併せて図10を用いる。図10の例において、プリアンブルデータおよびそのユニークパターンは、図8に示したものを用いる。なお、図10では、第1クロック生成部131が48MHzのクロック(CLK)を生成し、第2クロック生成部256が4.8MHzのクロック(SSCK)を生成している場合を示している。
図9に示すように、受信データ処理部213は、第1のユニークパターン検出部251、第2のユニークパターン検出部252、イネーブル信号生成部253、タイミング調整部254、受信データ復号部255および第2クロック生成部256を有する。
受信データ反転部112から出力された受信データは、第1のユニークパターン検出部251、第2のユニークパターン検出部252、タイミング調整部254および受信データ復号部255に入力される。第1クロック生成部131のクロック(CLK)は、第1のユニークパターン検出部251、第2のユニークパターン検出部252、タイミング調整部254、受信データ復号部255および第2クロック生成部256に入力される。
第1のユニークパターン検出部251および第2のユニークパターン検出部252は、ユニークパターン検出用のクロックの第1規定数(例えば、「18」から「22」)を記憶している。
第1のユニークパターン検出部251は、第1クロック生成部131のクロックで、受信データ反転部112から出力された受信データに含まれるプリアンブルデータをサンプリングし、隣接する立下りエッジ間のクロックを計数する。第1のユニークパターン検出部251は、隣接する立下りエッジ間のクロック数が第1規定数のいずれかに一致した場合にユニークパターンを検出したと判定する。図10の例では、隣接する立下りエッジ間501のクロック数「20」が、第1規定数の中の1つと一致する。そして、第1のユニークパターン検出部251は、所定のタイミングで、その旨を示す信号を、イネーブル信号生成部253に出力する。
第2のユニークパターン検出部252は、第1のユニークパターン検出部251と同一タイミングで、受信データ反転部112から出力された受信データに含まれるプリアンブルデータをサンプリングし、隣接する立上りエッジ間のクロックを計数する。第2のユニークパターン検出部252は、隣接する立上りエッジ間のクロック数が第1規定数のいずれかに一致した場合にユニークパターンを検出したと判定し、その旨を示す信号をイネーブル信号生成部253に出力する。
イネーブル信号生成部253は、第1のユニークパターン検出部251あるいは第2のユニークパターン検出部252のいずれかから、ユニークパターンを検出した旨を示す信号を入力すると(図10のタイミング510)、データ再生動作を許可するイネーブル信号をタイミング調整部254およびデータ再生部133に出力する(図10の例では、イネーブル信号SSCSを立下げ、L(Low)信号とする(アクティブにする))。
タイミング調整部254は、内部にタイミング生成用カウンタを有し、イネーブル信号生成部253からイネーブル信号を入力すると、先頭の受信データ(シンクパターン1ビット目)の波形エッジを検出する。なお、先頭の受信データは、プリアンブルデータとシンクパターンの間の波形エッジであるデータ反転のタイミング511から始まる。
そして、タイミング調整部254は、該波形エッジを検出した後に、第1周波数のクロックで、タイミング生成用カウンタによるカウントを行い、各受信データの波形エッジのタイミングにおけるカウンタ値を観測する。そして、該カウンタ値が正常な値と異なる場合、タイミング調整部254は、カウンタ値を補正し、補正後のカウンタ値を受信データ復号部255および第2クロック生成部256に出力する。これにより、カウンタ値が所定の値となる範囲であるデータ再生ウィンドウの範囲(図10の範囲502)の開始タイミングが調整される。なお、タイミング調整部254が行うカウンタ値の補正処理の詳細については後述する。
受信データ復号部255は、タイミング調整部254からカウンタ値を入力し、データ再生ウィンドウの範囲(図10の範囲502)で、受信データ1ビット分の波形の論理反転をスキャン検出し、当該受信データ1ビット分のマンチェスタエンコードされた波形の論理反転に対応したデータの復号処理を行い、復号データをデータ再生部133に出力する。図10の例では、受信データ復号部255は、範囲502において、波形が「H」から「L」に反転した場合には復号データ「1」を出力し、波形が「L」から「H」に反転した場合には復号データ「0」を出力する。2番目の受信データが受信データ復号部255に入力される時間とほぼ同じ時間に、先頭の受信データの復号データが受信データ復号部255から一定の時間遅延して出力される。また、受信データ復号部255は、受信データの波形が反転した時点のカウンタ値を示す情報をルーティング制御部212に出力する。なお、受信データ復号部255が行う受信データの復号処理の詳細については後述する。
第2クロック生成部256は、タイミング調整部254からカウンタ値を入力し、2番目の受信データのカウンタの値「0」(図10のタイミング512)で、SSCKの出力(図10では「L」)を開始し、先頭の受信データのカウンタ値「5」で、一定の遅延後にある先頭の復号データ用のSSCKの論理を「L」から「H」に反転し、2番目の受信データのカウンタ値「0」で、先頭の復号データと2番目の復号データの境界のSSCKの論理を「H」から「L」に反転する。その後、第2クロック生成部256は、再生クロックSSCKについて、カウント値「0」での「H」から「L」への論理反転およびカウント値「5」での「L」から「H」への論理反転を繰返す。そして、第2クロック生成部256は、「L」から「H」へ論理反転したタイミングで、第2周波数(例えば、4.8MHz)のクロック(SSCK)をデータ再生部133に出力する。
<ユニークパターンの検出の詳細説明>
次に、ユニークパターンの検出について、図11を用いて詳細に説明する。図11(A)は、2線ケーブルが正接続の場合の正常極性のユニークパターンおよびその近傍の受信波形を示し、図11(A)の(1)は、第1のユニークパターン検出部251によって計数されるクロック数を示し、図11(A)の(2)は、第2のユニークパターン検出部252によって計数されるクロック数を示す。図11(B)は、2線ケーブルが逆接続の場合の反転極性のユニークパターンおよびその近傍の受信波形を示し、図11(B)の(1)は、第1のユニークパターン検出部251によって計数されるクロック数を示し、図11(B)の(2)は、第2のユニークパターン検出部252によって計数されるクロック数を示す。
2線ケーブルが正接続の場合、図11(A)の(1)に示すように、第1のユニークパターン検出部251において計数されるクロック数は、ユニークパターン1の隣接する立下りエッジ間では「20」となり、第1規定数の中の1つと一致し、他の隣接する立下りエッジ間では「10」となり、第1規定数の中の何れにも一致しない。第1のユニークパターン検出部251がユニークパターン1を検出すると、イネーブル信号生成部253が所定のタイミングZでイネーブル信号(SSCS)を立下げる(アクティブにする)。一方、図11(A)の(2)に示すように、第2のユニークパターン検出部252において計数されるクロック数は、何れの隣接する立上りエッジ間でも「10」または「15」となり、第1規定数の中の何れにも一致しない。このため、第2のユニークパターン検出部252は、ユニークパターンを検出することができない。このように、2線ケーブルが正接続の場合、受信データ処理部213(第1のユニークパターン検出部251および第2のユニークパターン検出部252)において、サンプリングクロック数がユニークであるユニークパターン1が唯一検出される。
2線ケーブルが逆接続の場合、図11(B)の(2)に示すように、第2のユニークパターン検出部252において計数されるクロック数は、ユニークパターン2の隣接する立上りエッジ間では「20」となり、第1規定数の中の1つと一致し、他の隣接する立上りエッジ間では「10」となり、第1規定数の中の何れにも一致しない。第2のユニークパターン検出部252がユニークパターン2を検出すると、イネーブル信号生成部253が所定のタイミングYでイネーブル信号(SSCS)を立下げる(アクティブにする)。一方、図11(B)の(1)に示すように、第1のユニークパターン検出部251において計数されるクロック数は、何れの隣接する立下りエッジ間でも「10」または「15」となり、第1規定数の中の何れにも一致しない。このため、第1のユニークパターン検出部251は、ユニークパターンを検出することができない。このように、2線ケーブルが逆接続の場合、受信データ処理部213(第1のユニークパターン検出部251および第2のユニークパターン検出部252)において、サンプリングクロック数がユニークであるユニークパターン2が唯一検出される。
なお、図11(B)の受信波形は、図11(A)のの受信波形が反転されたものであって、正常極性のときに立下りエッジ間のクロック数が第1規定数となるユニークパターンが存在する場合は、必然的に、反転極性のときに立上がりエッジ間のクロック数が第1規定数となるユニークパターンが存在することになる。また、その場合のユニークパターン1とユニークパターン2の配置位置およびタイミングは同一となり、イネーブル信号(SSCS)を立下げる(アクティブにする)タイミングZとYも一致する(図10のタイミング510)。
<カウンタ値の補正処理の詳細説明>
次に、タイミング調整部254が行うカウンタ値の補正処理の詳細について図12を用いて説明する。図12(A)は、受信データの開始の波形エッジおよび終了の波形エッジが遅延していない場合を示す。図12(B)は、受信データと第1周波数のサンプリングクロックとの非同期のメタステーブル処理において、受信データの開始の波形エッジが、から1サンプリングクロック分遅延した場合を示す。図12(C)は、受信データと第1周波数のサンプリングクロックとの非同期のメタステーブル処理において、受信データの終了の波形エッジが1サンプリングクロック分遅延した場合を示す。
タイミング調整部254は、プリアンブルのユニークパターンを検出した後にイネーブル信号(SSCS)がアクティブとなるタイミング510から、先頭受信データの波形エッジが現れる波形エッジのタイミング511を検出した直後に、第1周波数のクロック(48MHz)でカウントするタイミング生成用カウンタの動作を開始させる。
図12(A)の場合、受信データの開始/終了の波形エッジに遅延が生じておらず、2番目以降の受信データの開始の波形エッジが、カウンタ値「9」(正常な値)のタイミンとなっている。この場合、タイミング調整部254は、カウンタ値の補正を行わず、カウンタ値「9」でタイミング生成用カウンタをリセットし、カウント値「9」の次の値をカウント値「0」としてカウントを開始する。
図12(B)の場合、受信データの開始の波形エッジが図12(A)の場合より1サンプリングクロック分遅延し、2番目の受信データの開始の波形エッジが、カウンタ値「8」のタイミンとなっている。この場合、タイミング調整部254は、カウンタ値「9」をカウントせずにタイミング生成用カウンタをリセットし、カウント値「8」の次の値をカウント値「0」としてカウントを開始する。これにより、図12(B)の先頭の受信データと2番目の受信データのビット境界の波形エッジ(カウント値「8」)から2番目の受信データのデータ再生ウィンドウの最初のサンプリングポイント(カウント値「1」)までの時間を図12(A)の場合に合わせることができる。
図12(C)の場合、受信データの終了の波形エッジが図12(A)の場合より1サンプリングクロック分遅延し、2番目の受信データの開始の波形エッジが、カウンタ値「0」のタイミンとなっている。この場合、タイミング調整部254は、タイミング生成用カウンタをリセットしてカウント値「0」した後、タイミング生成用カウンタを再リセットして次の値をカウント値「0」としてカウントを開始する。これにより、図12(C)の先頭の受信データと2番目の受信データのビット境界の波形エッジ(カウント値:最初の「0」)から2番目の受信データのデータ再生ウィンドウの最初のサンプリングポイント(カウント値「1」)までの時間を図12(A)の場合に合わせることができる。
<受信データの復号処理の詳細説明>
次に、受信データ復号部255が行う受信データの復号処理の詳細について図13、図14、図15を用いて説明する。なお、図13は図12(A)に対応し、図14は図12(B)に対応し、図15は図12(C)に対応する。
図13、図14、図15の何れの場合も、受信データ復号部255は、カウンタ値「1」から「7」までのデータ再生ウィンドウの範囲において、受信データ1ビット分の波形の論理反転をスキャン検出し、当該受信データ1ビット分のマンチェスタエンコードされた波形の論理反転に対応したデータの復号処理を行う。具体的には、受信データ復号部255は、データ再生ウィンドウの範囲において、波形が「H」から「L」に反転した場合には復号データの値を「1」とし、波形が「L」から「H」に反転した場合には復号データの値を「0」とする。
受信データ復号部255は、各受信データについて、カウンタ値「8」のタイミングで復号データの値を確定し、次のカウンタ値「0」のタイミングにおいて、復号データの出力を一定の遅延後に開始し、さらにその次の受信データのカウンタ値「0」のタイミングが対応する一定の遅延のポイントまで復号データの出力を継続する。
なお、第2クロック生成部256は、各受信データのカウンタ値「5」のタイミングで、各受信データに対応する各復号データ用の第2周波数のクロック(SSCK)を「L」から「H」に変化させる。
図14の場合、先頭の受信データのカウンタ値「8」の次の値が「9」ではなく「0」となるので、先頭の復号データに対する第2周波数のクロック(SSCK)の「H」の期間が、通常のものより1サンプリング期間分だけ短くなる。また同様に先頭の第2周波数のクロック(SSCK)の「H」の出力期間に対応する先頭の復号データの出力期間は、通常のものより1サンプリング期間分だけ短くなる。
図15の場合、2番目の受信データのカウンタ値「0」が2回続くので、2番目の復号データに対する2番目の第2周波数のクロック(SSCK)の「L」の期間が通常のものより1サンプリング期間分だけ長くなる。また同様に2番目の第2周波数のクロック(SSCK)の「L」の出力期間に対応する2番目の復号データの出力期間は、通常のものより1サンプリング期間分だけ長くなる。なお、図15において、2番目の受信データのようにカウンタ値「0」が2回続く場合は、受信データの最初のカウンタ値「0」が、規定の時間遅延後に出力開始される隣接する復号データの境界となって、また、同タイミングでクロック(SSCK)が、「H」から「L」に立ち下がる。
このように、本実施の形態では、先頭の受信データの波形エッジを検出した後に第1周波数のクロックでカウントを行い、各受信データのビット毎の境界に波形エッジが発生する場合において、ビット毎の境界の波形エッジのタイミングにおけるカウンタ値が正常な値と異なる場合にはカウンタ値を補正する。これにより、マンチェスタエンコードされた波形の論理を判定する論理反転のタイミングが常に受信データのカウンタ値「1」から「7」のデータ再生ウィンドウの範囲に入るように、また各受信データのビット毎の境界に波形エッジが発生する場合は、ビットの境界の波形エッジがデータ再生ウィンドウ内に入らないように、データ再生ウィンドウの開始タイミングを調整することができる。
なお、玄関子機100の受信データ処理部113および増設モニタ300の受信データ処理部313の内部構成も、図9に示したドアホン親機200の受信データ処理部213の内部構成と同一である。
<同期検出処理のフロー>
次に、ドアホン親機200(受信データ処理部213、接続状態検出部234)における同期検出処理のフローについて図16を用いて説明する。
ステップS610において、受信データ処理部213は、第1のユニークパターン検出部251および第2のユニークパターン検出部252により、第1クロック生成部231のクロックで、受信ドライバ211から出力された復調前の下り信号に含まれるプリアンブルデータをサンプリングし、隣接する立下りエッジ間あるいは隣接する立上りエッジ間の何れか一方である測定区間のクロック数に基づいてプリアンブルデータのユニークパターンのチェックを行う。
ユニークパターンを検出できた場合(S620:YES)、ビット同期を取ることができたとして、フローをステップS630へ進め、検出できていない場合(S620:NO)、フローをステップS610に戻し、ユニークパターンのチェックを再び行う。
ステップS630において、接続状態検出部234は、データ再生部233から出力された受信データのシンクパターンのチェックを行う。
受信データのシンクパターンが、正接続チェック用シンクパターンと一致した場合(S640:YES)、ステップS650において、接続状態検出部234は、2線ケーブルが正接続であると判定し、同期検出処理を終了する。
また、受信データのシンクパターンが、逆接続チェック用シンクパターンと一致した場合(S640:NO,S660:YES)、ステップS670において、接続状態検出部234は、2線ケーブルが逆接続であると判定し、同期検出処理を終了する。
また、受信データのシンクパターンが、正接続チェック用シンクパターンおよび逆接続チェック用シンクパターンのどちらにも一致しなかった場合(S640:NO,S660:NO)、ステップS680において、接続状態検出部234は、シンクパターンの検知に失敗したと判定し、フローをステップS610に戻し、ユニークパターンのチェックを再び行う。
<初期登録までのシーケンス>
次に、本実施の形態に係る初期登録までのシーケンスについて図17を用いて説明する。
玄関子機100とドアホン親機200が2線ケーブルで接続され、電源がONされた場合(S701)、ドアホン親機200は、玄関子機100に対して、制御データフィールドに登録開始情報が書き込まれた割り込み信号を送信する(S702)。
玄関子機100は、ドアホン親機200からの割り込み信号を捕捉し、割り込み信号の制御データ(登録開始情報)を確認する(S703)。なお、割り込み信号の捕捉とは、具体的には、第1周波数のクロックを用いて割り込み信号のサンプリングを行い、プリアンブル内のユニークパターンを検出してビット同期を確立し、第2周波数のクロックを用いて割り込み信号を再生してシンクパターンを検出することである。
また、玄関子機100は、割り込み信号のシンクパターンを用いて、2線ケーブルの反転検出(正接続/逆接続の判定)を行い、2線ケーブルが逆接続である場合、送信データ反転部109および受信データ反転部112に対して反転設定を行う(S704)。
その後、玄関子機100は、制御データフィールドに登録開始情報の受領確認が書き込まれた割り込み信号をドアホン親機200に送信する(S705)。
ドアホン親機200は、玄関子機100からの割り込み信号を捕捉し、割り込み信号の制御データ(登録開始情報受領)を確認する(S706)。
そして、ドアホン親機200は、玄関子機100に割り当てた固有の識別子(端末ID)が制御データフィールドに書き込まれた割り込み信号を送信する(S707)。
玄関子機100は、割り込み信号の制御データ(端末ID)を確認し、制御データフィールドに端末IDの受領確認が書き込まれた割り込み信号をドアホン親機200に送信する(S708)。
以上の処理により、初期登録が完了する(S709)。
<待機状態から通信状態までのシーケンス>
次に、本実施の形態に係る待機状態(非同期通信時)から通信状態までのシーケンスについて図18を用いて説明する。なお、図18では、玄関子機100−1、100−2および増設モニタ300がドアホン親機200と接続している場合のシーケンスを示す。
各機器とドアホン親機200との間でデータが送受されない待機状態(非同期通信時)において(S801)、玄関子機100−2の呼出ボタンが操作された場合(S802)、玄関子機100−2は、制御データフィールドに同期要求が書き込まれた割り込み信号をドアホン親機200に送信することにより同期要求を行う(S803)。
ドアホン親機200は、割り込み信号を捕捉し(S804)、割り込み信号に含まれる同期要求を確認する。なお、割り込み信号の捕捉とは、具体的には、第1周波数のクロックを用いて割り込み信号のサンプリングを行い、プリアンブル内のユニークパターンを検出してビット同期を確立し、第2周波数のクロックを用いて割り込み信号を再生してシンクパターンを検出することである。
ドアホン親機200は、玄関子機100−2からの同期要求を確認すると、各機器と同期通信するためのフレームタイミングを決定し(S805)、各機器に同期スロット信号を送信する(S806)。
各機器は、同期スロット信号に従って、ドアホン親機200と同期を取る(S807)。これにより、各機器とドアホン親機200との間は、同期状態となる(S808)。
その後、玄関子機100−2は、制御データフィールドに画像接続要求が書き込まれた上りパケットを親機200に送信することにより画像接続要求を行う(S809)。ドアホン親機200は、画像接続要求を確認すると、制御データフィールドに画像接続確認が書き込まれた下りパケットを玄関子機100−2に送信することにより画像接続確認を行う(S810)。以降、玄関子機100−2が上りパケットによりドアホン親機200に画像データを送信し、ドアホン親機200が当該画像データを表示する画像データ通信状態となる(S811)。なお、玄関子機100−2から送信された画像データは、ドアホン親機200から他の機器(玄関子機100−1、増設モニタ300)に同報送信され、増設モニタ300においても、画像データが表示可能になる。
<各装置の動作>
次に、各装置の動作について説明する。
<玄関子機の動作>
図19は、玄関子機100の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS1010において、制御部107は、呼出ボタンが操作されたか否かを判定する。制御部107は、呼出ボタンが操作された場合(S1010:YES)、フローをステップS1020へ進め、操作されていない場合(S1010:NO)、フローを後述のステップS1100へ進める。
ステップS1020において、制御部107は、呼出信号をドアホン親機200へ送信する。
ステップS1030において、制御部107は、ドアホン親機200から応答信号を受信したか否かを判定する。制御部107は、応答信号を受信していない場合(S1030:NO)、フローをステップS1020へ戻し、応答信号を受信した場合(S1030:YES)、フローをステップS1040へ進める。なお、制御部107は、呼出信号を所定回数送信しても応答信号を受信しない場合、フローを、後述のステップS1100へ進めてもよい。
ステップS1040において、制御部107は、マイク104、音声I/F部105、およびカメラ部106を用いて、音声入力および映像撮影を開始する。また、制御部107は、パケット生成部132および送信データ処理部108を用いて、送信の対象となる各種データ(制御データ/デジタル音声データ/デジタル映像データ)のパケット化および符号化を開始する。なお、制御部107は、デジタル音声データおよびデジタル映像データの送信レート制御を行ってもよい。
ステップS1050において、制御部107は、子機側送信区間であるか否かを判定する。制御部107は、送信区間である場合(S1050:YES)、フローをステップS1060へ進め、送信区間ではない場合(S1050:NO)、フローを後述のステップS1070へ進める。
ステップS1060において、制御部107は、送信ドライバ110を用いて、符号化により生成された上り信号を、2線ケーブルを介してドアホン親機200へ送信する。なお、制御部107は、送信区間が終了したとき、上り信号の送信を停止する。
ステップS1070において、制御部107は、親機側送信区間であるか否かを判定する。制御部107は、送信区間である場合(S1070:YES)、フローをステップS1080へ進め、送信区間ではない場合(S1070:NO)、フローを後述のステップS1090へ進める。
ステップS1080において、制御部107は、下り信号の受信、各種データ(制御データ/音声データ)の抽出、および音声の出力を開始する。なお、制御部107は、送信区間が終了したとき、下り信号の受信あるいは各種データの抽出を停止する。
ステップS1090において、制御部107は、玄関子機100とドアホン親機200との間の通話が終了したか否かを判定する。例えば、制御部107は、ドアホン親機200で通話終了の操作が行われたことを示す信号をドアホン親機200から受信したとき、通話が終了したと判定する。制御部107は、通話が終了していない場合(S1090:NO)、フローをステップS1050へ戻し、通話が終了した場合(S1090:YES)、フローをステップS1100へ進める。
ステップS1100において、制御部107は、ドアホン機能に関する処理の終了を指示されたかを判定する。例えば、制御部107は、ドアホン親機200でドアホン機能の停止の操作が行われたことを示す信号をドアホン親機200から受信したとき、上記処理の終了を指示されたと判定する。制御部107は、上記処理の終了を指示されていない場合(S1100:NO)、フローをステップS1010へ戻し、上記処理の終了を指示された場合(S1100:YES)、一連の処理を終了する。
<ドアホン親機の動作>
図20は、ドアホン親機200の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS2010において、制御部207は、玄関子機100から呼出信号を受信したか否かを判定する。制御部207は、呼出信号を受信した場合(S2010:YES)、フローをステップS2020へ進め、呼出信号を受信していない場合(S2010:NO)、フローを後述のステップS2090へ進める。
ステップS2020において、制御部207は、応答信号を玄関子機100へ送信するとともに、音声I/F部205およびスピーカ203を用いて、呼出音を出力する。
ステップS2030において、制御部207は、マイク204および音声I/F部205を用いて、音声入力を開始する。また、制御部207は、パケット生成部232および送信データ処理部208を用いて、送信の対象となる各種データ(制御データ/デジタル音声データ)のパケット化および符号化を開始する。なお、制御部207は、デジタル音声データの送信レート制御を行ってもよい。
ステップS2040において、制御部207は、子機側送信区間であるか否かを判定する。制御部207は、送信区間である場合(S2040:YES)、フローをステップS2050へ進め、送信区間ではない場合(S2040:NO)、フローを後述のステップS2060へ進める。
ステップS2050において、制御部207は、上り信号の受信および各種データ(制御データ/音声データ/映像データ)の抽出を開始する。また、制御部207は、音声I/F部205、スピーカ203および液晶ディスプレイを用いて、音声および映像の出力を開始する。なお、制御部207は、送信区間が終了したとき、上り信号の受信あるいは各種データの抽出を停止する。
ステップS2060において、制御部207は、親機側送信区間であるか否かを判定する。制御部207は、送信区間である場合(S2060:YES)、フローをステップS2070へ進め、送信区間ではない場合(S2060:NO)、フローを後述のステップS2080へ進める。
ステップS2070において、制御部207は、送信ドライバ210を用いて、符号化により生成された下り信号を、2線ケーブルを介して玄関子機100へ送信する。但し、制御部207は、上述の通り、応答ボタンが操作されるまでは、デジタル音声データの送信を行わないことが望ましい。なお、制御部207は、送信区間が終了したとき、下り信号の送信を停止する。
ステップS2080において、制御部207は、玄関子機100とドアホン親機200との間の通話が終了したか否かを判定する。例えば、制御部207は、ドアホン親機200で通話終了の操作が行われたこと検知したとき、通話が終了したと判定する。なお、制御部207は、かかる通話終了の操作が行われたとき、その旨を示す信号を玄関子機100に送信することが望ましい。制御部207は、通話が終了していない場合(S2080:NO)、フローをステップS2040へ戻し、通話が終了した場合(S2080:YES)、フローをステップS2090へ進める。
ステップS2090において、制御部207は、ドアホン機能に関する処理の終了を指示されたかを判定する。例えば、制御部207は、ドアホン親機200でドアホン機能の停止の操作が行われたことを検知したとき、上記処理の終了を指示されたと判定する。なお、制御部207は、かかるドアホン機能の停止の操作が行われたとき、その旨を示す信号を玄関子機100に送信することが望ましい。制御部207は、上記処理の終了を指示されていない場合(S2090:NO)、フローをステップS2010へ戻し、上記処理の終了を指示された場合(S2090:YES)、一連の処理を終了する。
<通常動作時のルーティング制御>
次に、本実施の形態に係るドアホン親機200の通常動作時のルーティング制御の具体例について、図21、図22を用いて説明する。図21の例では、ドアホン親機200(制御部207(図21では「親機制御部」と記載))が、いずれかのDRV(送信ドライバ(Tx)と受信ドライバ(Rx)のセット)1〜5を介して5個の機器(玄関子機100、増設モニタ300、他のドアホンシステムの親機)と接続している場合を示している。この場合、7種類の設定パターン(P1〜P7)が用意される。図22は、ルーティング制御部212の内部構成を示す図である。図22に示すように、ルーティング制御部212は、内部に、切替スイッチ2121、OR回路2122およびデューティ比補正部2123を有する。
設定パターンP1は、ドアホン親機200がいずれの機器ともデータの送受を行っていない待機状態におけるルーティング(通信ルートの有効/無効)を示す。設定パターンP1では、ドアホン親機200は、受信モード(送信を行わず、受信のみを行うモード)となり、制御部207は、図21に示すように受信モードであるため、SPI-RWの制御により、切替スイッチ2121の端子T3をT2に接続し、各機器からのデータ受信が可能となるように各DRVの受信ドライバ(Rx)を有効にし、各接続機器からの割り込みを待っている状態となる。なお、設定パターンP1で、各接続機器からの割り込みを待っている状態において、すべてのDRVの受信ドライバ(Rx)の出力は「L」とする。
待機状態において、いずれかの機器から非同期の割り込み信号を受信した場合、ドアホン親機200は、当該割り込み信号を送信した機器との間で同期を確立する。例えば、ドアホン親機200は、DRV1から割り込み信号を受信した場合、DRV1と接続する機器と同期を確立し、データの送受を行う(P2(送信時)またはP3(受信時)に移行する)。
設定パターンP2は、ドアホン親機200が全ての機器に対してデータを送信する一斉送信時(Broadcast)におけるルーティングを示す。設定パターンP2では、ドアホン親機200は、送信モード(受信を行わず、送信のみを行うモード)となり、制御部207は、切替スイッチ2121の端子T3を端子T1と接続させ、各機器へのデータ送信が可能となるように各DRVの送信ドライバ(Tx)を有効にする。このとき、いずれかの機器からドアホン親機200にデータが送信されても、各DRVにおいて受信できず、親機200において当該データは破棄される。なお、設定パターンP2では、ドアホン親機200が、接続中のすべての機器に対してデータ送信を行うが、下りパケットの制御データフィールドには通信相手の機器の識別子のみが記載されているため、他の機器は、データを受信しても破棄する。なお、設定パターンP2で、すべてのDRVの受信ドライバ(Rx)の出力は「L」とする。
設定パターンP3からP7は、ドアホン親機200がいずれか1つの機器からデータを受信する個別受信時におけるルーティングを示す。設定パターンP3からP7では、ドアホン親機200は受信モードとなり、制御部207は、切替スイッチ2121の端子T3を端子T2と接続させ、各設定パターンに対応する1つのDRVの受信ドライバ(Rx)を有効にし、他のDRVの送信ドライバ(Tx)を有効にする。これにより、ドアホン親機200は、受信ドライバ(Rx)が選択されたDRVから受信したデータを、ルーティング制御部212において、受信データ処理部213に出力すると同時に、当該データをそのまま、送信ドライバ(Tx)が選択されたすべてのDRVに接続されている他の機器に同報送信することができる。したがって、同報送信する際に、受信データを復号して解析する必要がない。なお、送信ドライバ(Tx)が選択されているすべてのDRVの受信ドライバ(Rx)の出力は「L」とする。
例えば、ドアホン親機200が、玄関子機100のデータをDRV2から受信する場合(設定パターンP4)、制御部207は、DRV2の受信ドライバ(Rx)を有効とし、他のDRVの送信ドライバ(Tx)を有効にする。この場合、玄関子機100からのデータは、DRV2から受信され、ルーティング制御部212のOR回路2122を通り、復号用として受信データ処理部213へ出力される。さらに、OR回路2122を通ったデータは、デューティ比補正部2123および切替スイッチ2121を経由して、DRV1、3、4、5に送信され、各接続機器に同報送信される。その際、DRV2は、受信ドライバ(Rx)のみが有効であり、送信ドライバ(Tx)が無効であるため、OR回路2122を通ったデータは、DRV2からは同報送信されない。また、この時、他の機器からドアホン親機200にデータが送信されても、DRV1、3、4、5において受信できず、親機200において当該データは破棄される。
なお、DRV1を介して他のドアホンシステムの親機にデータを転送する際には、デューティ比補正部2123において、受信データのデューティ比が補正される。
<初期登録時のルーティング制御>
次に、本実施の形態に係るドアホン親機200の初期登録時のルーティング制御の具体例について、図22、図23を用いて説明する。図23の例では、ドアホン親機200(制御部207(図23では「親機制御部」と記載))が、いずれかのDRV1〜5を介して5個の機器と接続している場合を示している。この場合、5種類の設定パターン(EP1〜EP5)が用意される。
設定パターンEP1からEP5は、ドアホン親機200がいずれか1つの機器を登録する初期登録時におけるルーティングを示す。設定パターンEP1からEP5では、ドアホン親機200は送信モードとなり、制御部207は、切替スイッチ2121の端子T3を端子T1と接続させ、登録対象の機器に対応するDRVの送信ドライバ(Tx)を有効にし、他のDRVの受信ドライバ(Rx)を有効にする。これにより、ドアホン親機200は、パケットを送信する区間において、登録対象以外の機器に対してパケットの送信を行わず、登録対象の機器のみにパケットの送信を行うことができる。なお、このとき、他のDRVの受信ドライバ(Rx)が有効になるが、ドアホン親機200が送信の場合は、全ての機器からのパケットの受信を遮断する論理とし、それらのDRVからのパケットの受信を受け付けない(SPI-RWで制御部207は送信を選択する)。なお、各登録対象の機器からドアホン親機200へのパケットの送信は、図21のP3からP7の設定を使用する。この場合、他接続機器への同報送信の機能が働くが、ドアホン親機200のみへの送信であるため、他接続機器はこれを無視する。これにより、ドアホン親機200が、各玄関子機100等の登録対象機器と1対1に通信することができる。なお、送信ドライバ(Tx)が選択されているすべてのDRVの受信ドライバ(Rx)の出力は「L」とする。また、DRVの受信ドライバ(Rx)が選択され、各接続機器からの割り込みを待っている状態においては、受信ドライバ(Rx)の出力は「L」とする。
<デューティ比の補正処理の詳細説明>
デューティ比補正部2123は、データ再生ウィンドウのカウンタ値の中央値を記憶している。そして、デューティ比補正部2123は、入力した受信データの論理判定用の波形エッジ(マンチェスタエンコードされた受信データの論理判定用の立上りのタイミングあるいは立下りのタイミング)のカウンタ値が中央値からずれている場合、中央値に一致するように受信データの波形反転時を調整する。これにより、デューティ比が50%に近づくように補正される。
例えば、図24に示すように、カウンタ値が「1」から「7」のデータ再生ウィンドウの中央値は「4」となる。そして、入力した受信データの波形が「H」から「L」に反転するタイミング521のカウンタ値が「2」であった場合(図24(A))、デューティ比補正部2123は、カウンタ値「2」から「4」までの範囲のサンプリングデータ522を「L」から「H」に反転し、入力した受信データの波形が「H」から「L」に反転するタイミング523をカウンタ値「4」に一致させる(図24(B))。
同様に、デューティ比補正部2123は、タイミング521のカウンタ値が「1」であった場合、カウンタ値「1」から「4」までの範囲のサンプリングデータ522を反転し、タイミング521のカウンタ値が「3」であった場合、カウンタ値「3」から「4」までの範囲のサンプリングデータ522を反転し、タイミング521のカウンタ値が「5」であった場合、カウンタ値「4」から「5」までの範囲のサンプリングデータ522を反転し、タイミング521のカウンタ値が「6」であった場合、カウンタ値「4」から「6」までの範囲のサンプリングデータ522を反転し、タイミング521のカウンタ値が「7」であった場合、カウンタ値「4」から「7」までの範囲のサンプリングデータ522を反転する。
なお、タイミング521のカウンタ値が「4」であった場合、デューティ比補正部2123は、入力した受信データをそのまま通過させる。
<デューティ比補正処理のフロー>
次に、ドアホン親機200(受信データ復号部255、デューティ比補正部2123)におけるデューティ比補正処理のフローについて図25を用いて説明する。
ステップS901において、受信データ復号部255は、受信データの復号処理を行う際に、カウンタ値「1」からカウンタ値「7」の中で、受信データの論理判定用の波形エッジのカウンタ値を検知し、該カウンタ値を示す情報をデューティ比補正部2123に出力する。
ステップS902において、デューティ比補正部2123は、受信データ復号部255から出力されたカウンタ値とデータ再生ウィンドウのカウンタ値の中央値とを比較する。
カウンタ値が中央値からずれている場合(S903:NO)、ステップS904において、デューティ比補正部2123は、入力した受信データの波形反転時を、中央値に一致するように調整することによりデューティ比を補正する。一方、カウンタ値が中央値と一致している場合(S903:YES)、デューティ比補正部2123は、入力した受信データをそのまま通過させる。なお、受信データ復号部255で受信データの波形が反転した時点のカウンタ値を検出してデューティ比補正部2123に出力した受信データのビットと、デューティ比補正部2123にてデューティ比補正を実施する受信データのビットとの間には既知の遅延が発生するが、本実施の形態では、デューティ比の補正を実施する際、デューティ比補正部2123は、既知の遅延が発生する受信データに対して、全く同一の既知の遅延にてカウントを開始する第2のカウンタのカウント値で、それぞれの受信データのビットとそれぞれのカウンタ値を一致させる。なお、同一のカウンタを使用して、既知の遅延分、カウント値をシフトしてそれぞれの受信データとカウント値を対応させても良い。
<本実施の形態の効果>
以上のように、本実施の形態では、ドアホン親機200において、接続機器の1つから受信した受信データを、制御部207に出力するとともに、他の機器に同報送信する。同報送信の際、デューティ比補正部2123は、マンチェスタエンコードされた受信データの論理判定用の波形反転時のカウンタ値がデータ再生ウィンドウのカウンタ値の中央値からずれている場合に、論理判定用の波形反転位置を中央値に一致するように調整することにより、デューティ比を補正する。これにより、受信データを転送する際に、転送元のドアホン親機200でデコード前の受信データのビット毎の受信波形のデューティ比のずれを高精度に補正してからデータを転送することができるので、転送先の機器において受信データを正しく復号することができる。
なお、本実施の形態では、受信データの受信波形のデューティ比にずれが生じている場合に、常に、デューティ比を50%に近づけるように補正してデータ転送する場合について説明したが、本発明はこれに限られず、受信データの受信波形のデューティ比が、受信側装置で正常に受信可能な範囲に収まっていれば、デューティ比の補正を行わずにデータを転送しても良い。例えば、送信側装置にて転送するデータのデューティ比が40%から60%までの範囲であれば受信側装置にて正常に受信できる場合、送信側装置は、デューティ比が40%から60%までの範囲のときには補正を行わない。これにより、回路規模を小さくできるので、システムの簡略化を図ることができる。
また、本実施の形態では、マンチェスタエンコードされた受信データの受信波形のデューティ比を補正する場合について説明したが、本発明はこれに限られず、受信データの各ビットの境界に波形エッジが発生する一般的なデジタルデータのデューティ比の補正にも適用できる。例えば、図26に示すように、デジタルデータの波形エッジ531のカウンタ値が「7」であった場合(図26(A))、ドアホン親機200は、カウンタ値「7」から「9」までの範囲のサンプリングデータ532を「L」から「H」に反転し、デジタルデータの波形エッジ531を規定のカウンタ値「9」と一致させる(図26(B))。これにより、一般的なデジタルデータのデューティ比を50%に近づけるように補正することができる。
また、本実施の形態では、マンチェスタエンコードされた受信データにおいて、論理判定用の波形エッジのみを調整する場合について説明したが、本発明はこれに限られず、各ビットの境界の波形エッジも調整しても良い。例えば、図27に示すように、論理判定用の波形エッジ541が「2」であり、各ビットの境界の波形エッジ542が「8」であった場合(図27(A))、ドアホン親機200は、カウンタ値「2」から「4」までの範囲のサンプリングデータ543を「L」から「H」に反転するとともにカウンタ値「8」から「9」までの範囲のサンプリングデータ544を「H」から「L」に反転し、論理判定用の波形エッジ541を第1の規定のカウンタ値「4」に一致するように調整し、かつ、各ビットの境界の波形エッジ542を第2の規定のカウンタ値「9」に一致するように調整しても良い。
<同期検出処理のバリエーション1>
以下、本実施の形態のバリエーション1について図28を用いて説明する。なお、以下の説明において、プリアンブルデータおよびそのユニークパターンは、図8に示したものであるとする。すなわち、プリアンブルデータは、1byte目から3byte目までがすべて「1」のパターンであり、4byte目が、最初から6bitまでが「1」、7bitが「0」、8bit(最後の1bit)が「1」のパターンである。
なお、図28に示す受信データ処理部213aにおいて、図9に示した受信データ処理部213と共通する構成部分には、図9と同一符号を付してその説明を省略する。図28に示す受信データ処理部213aは、図9に示した受信データ処理部213と比較して、受信データ反転部261を追加した構成を採る。
第1のユニークパターン検出部251および第2のユニークパターン検出部252は、ユニークパターン検出用のクロックの第1規定数(例えば、「18」から「22」)を記憶している。
第1のユニークパターン検出部251は、第1クロック生成部131のクロックで、受信データ反転部112から出力された受信データに含まれるプリアンブルデータをサンプリングし、測定区間である隣接する立下りエッジ間のクロックを計数する。第1のユニークパターン検出部251は、隣接する立下りエッジ間のクロック数が第1規定数のいずれかに一致した場合にユニークパターンを検出したと判定する。そして、第1のユニークパターン検出部251は、所定のタイミングで、その旨を示す信号を、イネーブル信号生成部253に出力する。
受信データ反転部261は、受信データ反転部112から出力された受信データを反転し、反転後の受信データを第2のユニークパターン検出部252に出力する。
第2のユニークパターン検出部252は、第1のユニークパターン検出部251と同一タイミングで、受信データ反転部261から出力された受信データに含まれるプリアンブルデータをサンプリングし、隣接する立下りエッジ間のクロックを計数する。第2のユニークパターン検出部252は、隣接する立下りエッジ間のクロック数が第1規定数のいずれかに一致した場合にユニークパターンを検出したと判定し、その旨を示す信号をイネーブル信号生成部253に出力する。
ユニークパターンの検出について、図29を用いてさらに詳細に説明する。図29(A)は、2線ケーブルが正接続の場合の正常極性のユニークパターンおよびその近傍の受信波形を示し、図29(A)の(1)は、第1のユニークパターン検出部251によって計数されるクロック数を示し、図29(A)の(2)は、第2のユニークパターン検出部252によって計数されるクロック数を示す。図29(B)は、2線ケーブルが逆接続の場合の反転極性のユニークパターンおよびその近傍の受信波形を示し、図29(B)の(1)は、第1のユニークパターン検出部251によって計数されるクロック数を示し、図29(B)の(2)は、第2のユニークパターン検出部252によって計数されるクロック数を示す。
2線ケーブルが正接続の場合、図29(A)の(1)に示すように、第1のユニークパターン検出部251において計数されるクロック数は、ユニークパターン1の隣接する立下りエッジ間では「20」となり、第1規定数の中の1つと一致し、他の隣接する立下りエッジ間では「10」となり、第1規定数の中の何れにも一致しない。第1のユニークパターン検出部251がユニークパターン1を検出すると、イネーブル信号生成部253が所定の位置Zでイネーブル信号(SSCS)を立下げる(アクティブにする)。一方、図29(A)の(2)に示すように、第2のユニークパターン検出部252において計数されるクロック数は、何れの隣接する立下りエッジ間でも「10」または「15」となり、第1規定数の中の何れにも一致しない。このため、第2のユニークパターン検出部252は、ユニークパターンを検出することができない。このように、2線ケーブルが正接続の場合、受信データ処理部213a(第1のユニークパターン検出部251および第2のユニークパターン検出部252)において、サンプリングクロック数がユニークであるユニークパターン1が唯一検出される。
2線ケーブルが逆接続の場合、図29(B)の(2)に示すように、第2のユニークパターン検出部252において計数されるクロック数は、ユニークパターン2の隣接する立下りエッジ間では「20」となり、第1規定数の中の1つと一致し、他の隣接する立下りエッジ間では「10」となり、第1規定数の中の何れにも一致しない。第2のユニークパターン検出部252がユニークパターン2を検出すると、イネーブル信号生成部253が所定の位置Yでイネーブル信号(SSCS)を立下げる(アクティブにする)。一方、図29(B)の(1)に示すように、第1のユニークパターン検出部251において計数されるクロック数は、何れの隣接する立下りエッジ間でも「10」または「15」となり、第1規定数の中の何れにも一致しない。このため、第1のユニークパターン検出部251は、ユニークパターンを検出することができない。このように、2線ケーブルが逆接続の場合、受信データ処理部213a(第1のユニークパターン検出部251および第2のユニークパターン検出部252)において、サンプリングクロック数がユニークであるユニークパターン2が唯一検出される。
なお、図29(B)の(2)の受信波形は、図29(A)の(1)のものと同一であって、正常極性のときに立下りエッジ間のクロック数が第1規定数となるユニークパターンが存在する場合は、必然的に、反転極性のときに立下りエッジ間のクロック数が第1規定数となるユニークパターンが存在することになる。また、その場合のユニークパターン1とユニークパターン2の配置位置およびタイミングは同一となり、イネーブル信号(SSCS)を立下げる(アクティブにする)位置ZとYのタイミングも一致する。
なお、受信データの隣接する立上りエッジ間を測定区間としても同様の効果を得ることができる。この場合のユニークパターンの検出について、図30を用いて説明する。図30(A)は、2線ケーブルが正接続の場合の正常極性のユニークパターンおよびその近傍の受信波形を示し、図30(A)の(1)は、第1のユニークパターン検出部251によって計数されるクロック数を示し、図30(A)の(2)は、第2のユニークパターン検出部252によって計数されるクロック数を示す。図30(B)は、2線ケーブルが逆接続の場合の反転極性のユニークパターンおよびその近傍の受信波形を示し、図30(B)の(1)は、第1のユニークパターン検出部251によって計数されるクロック数を示し、図30(B)の(2)は、第2のユニークパターン検出部252によって計数されるクロック数を示す。
2線ケーブルが正接続の場合、図30(A)の(2)に示すように、第2のユニークパターン検出部252において計数されるクロック数は、ユニークパターン1の隣接する立上りエッジ間では「20」となり、第1規定数の中の1つと一致し、他の隣接する立上りエッジ間では「10」となり、第1規定数の中の何れにも一致しない。第2のユニークパターン検出部252がユニークパターン1を検出すると、イネーブル信号生成部253が所定の位置Yでイネーブル信号(SSCS)を立下げる(アクティブにする)。一方、図30(A)の(1)に示すように、第1のユニークパターン検出部251において計数されるクロック数は、何れの隣接する立上りエッジ間でも「10」または「15」となり、第1規定数の中の何れにも一致しない。このため、第1のユニークパターン検出部251は、ユニークパターンを検出することができない。このように、2線ケーブルが正接続の場合、受信データ処理部213a(第1のユニークパターン検出部251および第2のユニークパターン検出部252)において、サンプリングクロック数がユニークであるユニークパターン1が唯一検出される。
2線ケーブルが逆接続の場合、図30(B)の(1)に示すように、第1のユニークパターン検出部251において計数されるクロック数は、ユニークパターン2の隣接する立上りエッジ間では「20」となり、第1規定数の中の1つと一致し、他の隣接する立上りエッジ間では「10」となり、第1規定数の中の何れにも一致しない。第1のユニークパターン検出部251がユニークパターン2を検出すると、イネーブル信号生成部253が所定の位置Zでイネーブル信号(SSCS)を立下げる(アクティブにする)。一方、図30(B)の(2)に示すように、第2のユニークパターン検出部252において計数されるクロック数は、何れの隣接する立上りエッジ間でも「10」または「15」となり、第1規定数の中の何れにも一致しない。このため、第2のユニークパターン検出部252は、ユニークパターンを検出することができない。このように、2線ケーブルが逆接続の場合、受信データ処理部213a(第1のユニークパターン検出部251および第2のユニークパターン検出部252)において、サンプリングクロック数がユニークであるユニークパターン2が唯一検出される。
なお、図30(B)の(1)の受信波形は、図30(A)の(2)のものと同一であって、正常極性のときに立上りエッジ間のクロック数が第1規定数となるユニークパターンが存在する場合は、必然的に、反転極性のときに立上りエッジ間のクロック数が第1規定数となるユニークパターンが存在することになる。また、その場合のユニークパターン1とユニークパターン2の配置位置およびタイミングは同一となり、イネーブル信号(SSCS)を立下げる(アクティブにする)位置ZとYのタイミングも一致する。
<同期検出処理のバリエーション2>
以下、本実施の形態のバリエーション2について図31を用いて説明する。なお、以下の説明において、プリアンブルデータおよびそのユニークパターンは、図8に示したものであるとする。すなわち、プリアンブルデータは、1byte目から3byte目までがすべて「1」のパターンであり、4byte目が、最初から6bitまでが「1」、7bitが「0」、8bit(最後の1bit)が「1」のパターンである。
なお、図31に示す受信データ処理部213bにおいて、図9に示した受信データ処理部213と共通する構成部分には、図9と同一符号を付してその説明を省略する。図31に示す受信データ処理部213bは、図9に示した受信データ処理部213と比較して、繰り返しパターン数検出部271を追加した構成を採る。
繰り返しパターン数検出部271は、ユニークパターン以外の隣接する立下りエッジ間(あるいは、隣接する立上りエッジ間)検出用のクロックの第2規定数(例えば、「8」から「12」)、および、繰り返しパターン検出用の第3規定数(例えば、「16」)を記憶している。繰り返しパターン数検出部271は、第1のカウンタにより、プリアンブル波形の隣接する立下りエッジ間(あるいは、隣接する立上りエッジ間)のクロックを計数し、当該クロック数が第2規定数のいずれかに一致した場合に、第2のカウンタをカウントアップさせる。そして、繰り返しパターン数検出部271は、第2のカウンタのカウント値が第3規定数に達した場合に、第1のユニークパターン検出部251および第2のユニークパターン検出部252に対して動作開始を指示するトリガ信号を出力する。
第1のユニークパターン検出部251および第2のユニークパターン検出部252は、繰り返しパターン数検出部271からトリガ信号を入力してから動作を開始する。
<同期検出処理のバリエーション2のフロー>
次に、同期検出処理のバリエーション2のフローについて図32を用いて説明する。なお、図32に示すフローにおいて、図16に示したフローと共通するステップには、図16と同一符号を付してその説明を省略する。図32に示すフローは、図16に示したフローのステップS610の前に、ステップS601、S602を追加した構成を採る。
ステップS601において、受信データ処理部213bは、繰り返しパターン数検出部271により、第1クロック生成部131のクロックで、受信ドライバ111から出力された復調前の下り信号に含まれるプリアンブルデータをサンプリングし、隣接する立下りエッジ間(あるいは、隣接する立上りエッジ間)のクロック数が第2規定数のいずれかに一致した場合をカウントする。
カウント値が第3規定数に達するまでステップS601が繰り返される(S602:NO)。カウント値が第3規定数に達した場合(S602:YES)、ユニークパターン検出を開始するため、フローをステップS610へ進める。
以上のように、バリエーション2では、プリアンブルの繰り返しパターンが第3規定数に達したことを条件としてユニークパターン検出を開始する。これにより、初期状態での通信ラインのDCバイアスの変動、微分特性による通信ラインの極性変化、ソフトの状態変化による通信待ち状態での通信波形の変化、突発的なノイズによる通信波形の乱れ等で擬似のユニークパターンが偶発的に発生した場合であっても誤同期を防止することができ、非常に精度が高いビット同期を実現できる。
なお、バリエーション2の上記の説明では、受信データ処理部213bに繰り返しパターン数検出部271を追加する場合について説明したが、本発明はこれに限られず、第1のユニークパターン検出部251あるいは第2のユニークパターン検出部252において、上記に説明した繰り返しパターン数検出部271の機能を実現することができる。
また、バリエーション2では、図33に示す受信データ処理部213cのように、図31に示した受信データ処理部213bに受信データ反転部261を追加することもできる。
なお、上記の説明では、玄関子機100からの画像データを、親機200、増設モニタ300、他のドアホンシステムの親機等、複数の機器に同報送信し、各機器において画像を同時に表示させる場合について説明したが、本発明はこれに限られず、例えば、緊急メッセージを、玄関子機100の呼出ボタンの長押し等の処理によって発生させ、この緊急メッセージを複数の機器に同報送信し、各機器からアラームを出力させるようにしても良い。なお、本実施の形態では、ドアホン親機200と玄関子機100などの接続機器同士の接続を一例として説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、その他の応用機器として、ビジネスホン(内線電話機と制御装置間)、ホームセキュリティ装置(監視カメラ装置と室内モニタ間、各種センサーノードと制御装置間)等の制御装置(通信装置)などであっても、同様の効果が得られる。