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JP6471437B2 - 撮像装置、測色装置および画像形成装置 - Google Patents

撮像装置、測色装置および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、撮像装置、測色装置および画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置がインクなどの色材を用いて記録媒体に形成したパターン(パッチ)を二次元イメージセンサにより撮像し、得られたパターンのRGB値を標準色空間における表色値(測色値)に変換することで、パターンの測色を行う測色装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の測色装置では、二次元イメージセンサの撮像範囲内で正反射した正反射光が二次元イメージセンサに入射すると、撮像した画像に正反射光による不良画像が含まれてしまい、パターンの測色に悪影響を与える虞がある。そこで、特許文献1に記載の測色装置では、照明光源からの光を二次元イメージセンサとは異なる方向に拡散する拡散板を照明光源の直下となる位置に配置することにより、二次元イメージセンサの撮像範囲内で正反射された正反射光が二次元イメージセンサに入射することを防止している。
しかし、特許文献1に記載の測色装置のように、照明光源の直下となる位置に配置した拡散板で照明光源の光を拡散させる構成の場合、拡散板の稜線で反射した強い反射光が二次元イメージセンサに入射することでパターンの測色に悪影響を与える虞がある。
上述した課題を解決するために、本発明は、被写体を含む所定の撮像範囲を撮像する二次元イメージセンサと、前記撮像範囲を照明する光源と、前記撮像範囲外に配置され、前記光源からの光を正反射して前記二次元イメージセンサに入射させる前記撮像範囲内の位置を正反射位置としたときに、前記光源から前記正反射位置に向かう光を遮断する遮光部材とを備え、前記遮光部材は、前記二次元イメージセンサの光軸方向に沿って見たときに、前記光源と重なり、且つ、前記被写体に重ならないように配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、被写体での正反射光が二次元イメージセンサに入射することを適切に防止できるという効果を奏する。
図1は、画像形成装置の内部を透視して示す斜視図である。 図2は、画像形成装置の内部の機械的構成を示す上面図である。 図3は、キャリッジに搭載される記録ヘッドの配置例を説明する図である。 図4−1は、測色カメラの縦断面図(図4−3中のX1−X1線断面図)である。 図4−2は、測色カメラの縦断面図(図4−3中のX2−X2線断面図)である。 図4−3は、測色カメラの筐体内部を透視して示す上面図である。 図5は、遮光部材の一例を示す斜視図である。 図6は、正反射位置および二次元イメージセンサの画角と遮光部材が配置される位置との関係を示す図である。 図7は、基準チャートの具体例を示す図である。 図8は、画像形成装置の制御ブロック図である。 図9は、測色カメラの制御ブロック図である。 図10は、第1変形例の測色カメラの縦断面図である。 図11は、第2変形例の測色カメラの縦断面図である。 図12は、第3変形例の測色カメラの縦断面図である。 図13−1は、第4変形例の測色カメラの縦断面図(図13−2中のX3−X3線断面図)である。 図13−2は、第4変形例の測色カメラの筐体内部を透視して示す上面図である。 図14は、測色システムの概略構成を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る撮像装置、測色装置および画像形成装置について詳しく説明する。なお、以下で説明する実施形態では、本発明を適用した画像形成装置の一例としてシリアルヘッド方式のインクジェットプリンタを例示するが、本発明は、記録媒体に画像を形成する様々なタイプの画像形成装置に対して広く適用可能である。
<画像形成装置の機械的構成>
まず、図1乃至図3を参照しながら、本実施形態の画像形成装置100の機械的構成について説明する。図1は、画像形成装置100の内部を透視して示す斜視図、図2は、画像形成装置100の内部の機械的構成を示す上面図、図3は、キャリッジ5に搭載される記録ヘッド6の配置例を説明する図である。
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、主走査方向(図中矢印A方向)に往復移動するキャリッジ5を備える。キャリッジ5は、主走査方向に沿って延設された主ガイドロッド3により支持されている。また、キャリッジ5には連結片5aが設けられている。連結片5aは、主ガイドロッド3と平行に設けられた副ガイド部材4に係合し、キャリッジ5の姿勢を安定化させる。
キャリッジ5には、図2に示すように、例えば4つの記録ヘッド6y,6m,6c,6kが搭載されている。記録ヘッド6yは、イエローのインクを吐出する記録ヘッドである。記録ヘッド6mは、マゼンタのインクを吐出する記録ヘッドである。記録ヘッド6cは、シアンのインクを吐出する記録ヘッドである。記録ヘッド6kは、ブラックのインクを吐出する記録ヘッドである。以下、これら記録ヘッド6y,6m,6c,6kを総称する場合は、記録ヘッド6という。記録ヘッド6は、インク吐出面が下方(記録媒体M側)に向くように、キャリッジ5に支持されている。
記録ヘッド6にインクを供給するためのインク供給体であるカートリッジ7は、キャリッジ5には搭載されず、画像形成装置100内の所定の位置に配置されている。カートリッジ7と記録ヘッド6とは図示しないパイプで連結されており、このパイプを介して、カートリッジ7から記録ヘッド6に対してインクが供給される。
キャリッジ5は、駆動プーリ9と従動プーリ10との間に張架されたタイミングベルト11に連結されている。駆動プーリ9は、主走査モータ8の駆動により回転する。従動プーリ10は、駆動プーリ9との間の距離を調整する機構を有し、タイミングベルト11に対して所定のテンションを与える役割を持つ。キャリッジ5は、主走査モータ8の駆動によりタイミングベルト11が送り動作されることにより、主走査方向に往復移動する。キャリッジ5の主走査方向の移動は、例えば図2に示すように、キャリッジ5に設けられたエンコーダセンサ13がエンコーダシート14のマークを検知して得られるエンコーダ値に基づいて制御される。
また、本実施形態の画像形成装置100は、記録ヘッド6の信頼性を維持するための維持機構15を備える。維持機構15は、記録ヘッド6の吐出面の清掃やキャッピング、記録ヘッド6からの不要なインクの排出などを行う。
記録ヘッド6のインク吐出面と対向する位置には、図2に示すように、プラテン16が設けられている。プラテン16は、記録ヘッド6から記録媒体M上にインクを吐出する際に、記録媒体Mを支持するためのものである。本実施形態の画像形成装置100は、キャリッジ5の主走査方向の移動距離が長い広幅機である。このため、プラテン16は、複数の板状部材を主走査方向(キャリッジ5の移動方向)に繋いで構成している。記録媒体Mは、図示しない副走査モータによって駆動される搬送ローラにより挟持され、プラテン16上を、図中矢印Bで示す副走査方向(主走査方向と直交する方向)に間欠的に搬送される。
記録ヘッド6は、複数のノズル列を備えており、プラテン16上を搬送される記録媒体M上にノズル列からインクを吐出することで、記録媒体Mに画像を形成する(画像形成部)。本実施形態では、キャリッジ5の1回の走査で記録媒体Mに形成できる画像の幅を多く確保するため、図3に示すように、キャリッジ5に、上流側の記録ヘッド6と下流側の記録ヘッド6とを搭載している。また、ブラックのインクを吐出する記録ヘッド6kは、カラーのインクを吐出する記録ヘッド6y,6m,6cの2倍の数だけキャリッジ5に搭載している。また、記録ヘッド6y,6mは左右に分離して配置されている。これは、キャリッジ5の往復動作で色の重ね順を合わせ、往路と復路とで色が変わらないようにするためである。なお、図3に示す記録ヘッド6の配列は一例であり、図3に示す配列に限定されるものではない。
本実施形態の画像形成装置100を構成する上記の各構成要素は、外装体1の内部に配置されている。外装体1にはカバー部材2が開閉可能に設けられている。画像形成装置100のメンテナンス時やジャム発生時には、カバー部材2を開けることにより、外装体1の内部に設けられた各構成要素に対して作業を行うことができる。
本実施形態の画像形成装置100は、記録媒体Mを副走査方向(図中矢印B方向)に間欠的に搬送し、記録媒体Mの副走査方向の搬送が停止している間に、キャリッジ5を主走査方向に移動させながら、キャリッジ5に搭載された記録ヘッド6のノズル列からプラテン16上の記録媒体M上にインクを吐出して、記録媒体Mに画像を形成する。
特に、画像形成装置100の色調整を行う色調整時には、記録ヘッド6からプラテン16上の記録媒体M上にインクを吐出して多数の測色用パターンCPを形成し、これら測色用パターンCPの測色を行う。測色用パターンCPは、画像形成装置100が実際にインクを用いて記録媒体Mに形成するものであり、画像形成装置100に固有の特性を反映している。したがって、これらの測色用パターンCPの測色値を用いて、画像形成装置100に固有の特性を記述したデバイスプロファイルを生成、あるいは修正することができる。そして、このデバイスプロファイルに基づいて標準色空間と機器依存色との間の色変換を行うことで、画像形成装置100は再現性の高い画像を出力することができる。
本実施形態の画像形成装置100は、記録媒体Mに形成した測色用パターンCPの画像を撮像して測色値を算出する機能を持った測色カメラ20(撮像装置、測色装置)を備える。測色カメラ20は、図2に示すように、記録ヘッド6が搭載されたキャリッジ5に支持されている。そして、測色カメラ20は、記録媒体Mの搬送およびキャリッジ5の移動により測色用パターンCPが形成された記録媒体M上を移動して、各測色用パターンCPと対向する位置にきたときに、画像の撮像を行う。そして、撮像により得られた測色用パターンCPのRGB値に基づいて、測色用パターンCPの測色値を算出する。
<測色カメラの具体例>
次に、図4−1乃至図4−3を参照しながら、測色カメラ20の具体例について詳細に説明する。図4−1乃至図4−3は、測色カメラ20の機械的構成の一例を示す図であり、図4−1は、測色カメラ20の縦断面図(図4−3中のX1−X1線断面図)、図4−2は、測色カメラ20の縦断面図(図4−3中のX2−X2線断面図)、図4−3は、測色カメラ20の筐体23内部を透視して示す上面図である。
測色カメラ20は、枠体21と基板22とを組み合わせて構成された筐体23を備える。枠体21は、筐体23の上面となる一端側が開放された有底筒状に形成されている。基板22は、枠体21の開放端を閉塞して筐体23の上面を構成するように、締結部材24によって枠体21に締結され、枠体21と一体化されている。
筐体23は、その底面部23aが所定の間隙dを介してプラテン16上の記録媒体Mと対向するように、キャリッジ5に固定される。記録媒体Mと対向する筐体23の底面部23aには、記録媒体Mに形成された被写体となる測色用パターンCPを筐体23の内部から撮像可能にするための開口部25が設けられている。
筐体23の内部には、画像を撮像する二次元イメージセンサ26が設けられている。二次元イメージセンサ26は、CCDセンサまたはCMOSセンサなどの撮像素子や結像レンズなどを備え、受光面が筐体23の底面部23a側に向くように、例えば基板22の内面側(部品実装面)に実装されている。
筐体23の底面部23aの内面側には、開口部25と隣り合うようにして、基準チャート40が配置されている。基準チャート40は、測色用パターンCPの測色を行う際に、二次元イメージセンサ26により測色用パターンCPとともに撮像されるものである。つまり、基準チャート40は、筐体23の外部の測色用パターンCPとともに、二次元イメージセンサ26の撮像範囲に含まれるように、筐体23の内部に配置されている。なお、基準チャート40の詳細については後述する。
また、筐体23の内部には、測色用パターンCPの測色を行う際に二次元イメージセンサ26の撮像範囲を拡散光によって概ね均一に照明するための照明光源27が設けられている。照明光源27としては、例えばLED(Light Emitting Diode)が用いられる。本実施形態では、照明光源27として、基板22に実装された2つのLEDを用いている。
これら照明光源27として用いる2つのLEDは、例えば図4−3に示すように、二次元イメージセンサ26の撮像範囲を基板22側から二次元イメージセンサ26の光軸方向に沿って平面視したときに、開口部25(つまり、開口部25を介して撮像される被写体である測色用パターンCP)と基準チャート40との間の領域(以下、中間領域という。)に重なり、且つ、二次元イメージセンサ26を中心として対称となる位置になるように配置されている。換言すると、照明光源27として用いる2つのLEDを結ぶ線が二次元イメージセンサ26の結像レンズの中心を通り、且つ、この2つのLEDを結ぶ線に対して、筐体23の開口部25と基準チャート40とが中間領域を介して線対称の位置で並ぶように、2つのLEDを配置している。照明光源27として用いる2つのLEDをこのように配置することにより、測色用パターンCPと基準チャート40とを概ね同一の条件にて照明することができる。
なお、以上は照明光源27の望ましい配置の一例であり、この例に限定されるものではない。照明光源27は、二次元イメージセンサ26の撮像範囲を概ね均一に照明できるように配置されていればよく、必ずしも基板22に直接実装されていなくてもよい。また、本実施形態では、照明光源27としてLEDを用いているが、光源の種類はLEDに限定されるものではない。例えば、有機ELなどを照明光源27として用いるようにしてもよい。有機ELを照明光源27として用いた場合は、太陽光の分光分布に近い照明光が得られるため、測色精度の向上が期待できる。
ところで、筐体23外部の測色用パターンCPを筐体23の内部に配置された基準チャート40と同一の条件で照明するには、撮像時に外光が測色用パターンCPに当たらないようにして、照明光源27からの照明光のみで測色用パターンCPを照明する必要がある。測色用パターンCPに外光が当たらないようにするには、筐体23の底面部23aと記録媒体Mとの間の間隙dを小さくし、測色用パターンCPに向かう外光が筐体23によって遮られるようにすることが有効である。ただし、筐体23の底面部23aと記録媒体Mとの間の間隙dを小さくしすぎると、記録媒体Mが筐体23の底面部23aに接触して適切な撮像を行えなくなる虞がある。そこで、筐体23の底面部23aと記録媒体Mとの間の間隙dは、記録媒体Mの平面性を考慮して、記録媒体Mが筐体23の底面部23aに接触しない範囲で小さな値に設定することが望ましい。例えば、筐体23の底面部23aと記録媒体Mとの間の間隙dを1mm〜2mm程度に設定すれば、記録媒体Mが筐体23の底面部23aに接触することなく、記録媒体Mに形成された測色用パターンCPに外光が当たることを有効に防止できる。
また、筐体23の底面部23aと記録媒体Mとの間の間隙dを小さくすれば、二次元イメージセンサ26から測色用パターンCPまでの光路長と、二次元イメージセンサ26から基準チャート40までの光路長との差を、二次元イメージセンサ26の被写界深度の範囲内とすることもできる。本実施形態の測色カメラ20は、筐体23外部の測色用パターンCPと筐体23の内部に設けられた基準チャート40とを二次元イメージセンサ26により同時に撮像する構成である。したがって、二次元イメージセンサ26から測色用パターンCPまでの光路長と二次元イメージセンサ26から基準チャート40までの光路長との差が二次元イメージセンサ26の被写界深度の範囲を超えていると、測色用パターンCPと基準チャート40との双方に焦点の合った画像を撮像することができない。
二次元イメージセンサ26から測色用パターンCPまでの光路長と基準チャート40までの光路長との差は、概ね、筐体23の底面部23aの厚みに間隙dを加えた値となる。したがって、間隙dを十分に小さな値とすれば、これらの光路長の差を二次元イメージセンサ26の被写界深度の範囲内として、測色用パターンCPと基準チャート40との双方に焦点の合った画像を撮像することができる。例えば、間隙dを1mm〜2mm程度に設定すれば、これらの光路長の差を二次元イメージセンサ26の被写界深度の範囲内とすることができる。
なお、二次元イメージセンサ26の被写界深度は、二次元イメージセンサ26の絞り値や結像レンズの焦点距離、二次元イメージセンサ26と被写体との間の距離などに応じて定まる、二次元イメージセンサ26に固有の特性である。本実施形態の測色カメラ20においては、筐体23の底面部23aと記録媒体Mとの間の間隙dを例えば1mm〜2mm程度の十分に小さな値としたときに、二次元イメージセンサ26から測色用パターンCPまでの光路長と基準チャート40までの光路長との差が被写界深度の範囲内となるように、二次元イメージセンサ26が設計されている。
本実施形態の測色カメラ20は、測色用パターンCPの測色時に、被写体となる測色用パターンCPと基準チャート40とを含む撮像範囲を、照明光源27による照明下で二次元イメージセンサ26により撮像する。この際、照明光源27から出射して二次元イメージセンサ26の撮像範囲内で正反射した正反射光が二次元イメージセンサ26に入射すると、二次元イメージセンサ26が撮像した画像に正反射光による不良画像が含まれてしまい、測色用パターンCPの測色に悪影響を与える虞がある。そこで、本実施形態の測色カメラ20では、筐体23の内部に、二次元イメージセンサ26の撮像範囲での正反射光が二次元イメージセンサ26に入射することを防止するための遮光部材28が設けられている。
遮光部材28は、照明光源27からの光を正反射して二次元イメージセンサ26に入射させる撮像範囲内の位置を正反射位置としたときに、照明光源27から正反射位置に向かう光を遮断するように設けられている。特に本実施形態の測色カメラ20では、この遮光部材28が、筐体23の内部において、二次元イメージセンサ26の撮像範囲外となる位置に配置されている。
図5は、遮光部材28の一例を示す斜視図である。この遮光部材28は、照明光源27に用いる2つのLEDに各々対応する一対の遮光片28aを、筐体23の内壁部の平面形状に倣った矩形のフレームを介して連結した構成とされ、例えば金属板を打ち抜き加工することにより作製される。この遮光部材28は、例えば、筐体23の内壁部に形成されたスリットにフレームの外周端部を嵌め込むことにより、筐体23に対して固定される。遮光部材28をこのように構成することにより、筐体23内部における組み付け性を良好なものとし、さらに、一対の遮光片28aの剛性を高めることができる。また、遮光部材28を打ち抜き加工により作製できるので、作製が容易である。
なお、図5に示す遮光部材28の形状は一例であり、この例に限定されるものではない。例えば、照明光源27に用いる2つのLEDに各々対応する一対の遮光片28aのみ(つまり、一対の遮光片28aを連結する矩形のフレームを備えない構成)を、遮光部材28として用いるようにしてもよい。この場合、遮光部材28として用いる一対の遮光片28aは、例えば、接着剤などを用いて筐体23の内壁部に接合されることで、筐体23に対して固定される。また、筐体23の内壁部に一対の遮光片28aを一体成型するようにしてもよい。
遮光部材28が配置される位置は、上述したように、照明光源27から正反射位置に向かう光を遮光片28aにより遮断できる位置であり、且つ、二次元イメージセンサ26の撮像範囲外となる位置である。ここで、遮光部材28が配置される位置について、図6を参照してさらに詳しく説明する。
図6は、正反射位置および二次元イメージセンサ26の画角と遮光部材28が配置される位置との関係を示す図である。図中のCAは二次元イメージセンサ26の画角を表し、Hは二次元イメージセンサ26の撮像範囲の投影面を表し、LPは二次元イメージセンサ26の撮像範囲内の正反射位置を表している。また、図中のLは、照明光源27から正反射位置LPに向かう光の光路を表している。なお、図6では、2つの照明光源27(例えばLED)のうちの一方に対応する部分(図6の二次元イメージセンサ26の左側)のみを図示しているが、2つの照明光源27の他方に対応する部分についても同様である。
ここでは説明を分かり易くするために、二次元イメージセンサ26の結像レンズの高さ位置と、照明光源27の高さ位置とが等しく、これら二次元イメージセンサ26の結像レンズと照明光源27とを結ぶ線分が、二次元イメージセンサ26の撮像範囲の投影面Hと平行であるものと仮定する。なお、二次元イメージセンサ26の画角CAは、二次元イメージセンサ26の性能(結像レンズの性能)に依存する固定の値である。
二次元イメージセンサ26の結像レンズの高さ位置と照明光源27の高さ位置とが等しい場合、二次元イメージセンサ26の撮像範囲内の正反射位置LPは、二次元イメージセンサ26の結像レンズと照明光源27とを結ぶ線分の垂直二等分線が、二次元イメージセンサ26の撮像範囲の投影面Hと交わる交点である。また、二次元イメージセンサ26の画角CAの外側(図6におけるCAの左上側)が、二次元イメージセンサ26の撮像範囲外となる領域である。したがって、遮光部材28は、その全体が二次元イメージセンサ26の画角CAの外側に位置し、且つ、遮光片28aが図6の左側から図中のハッチングを付した領域に突出するように配置されればよい。
遮光部材28を以上のように配置することにより、二次元イメージセンサ26の撮像範囲で正反射した正反射光が二次元イメージセンサ26に入射することを有効に防止できる。しかも、遮光部材28は二次元イメージセンサ26の撮像範囲外に配置されるため、遮光部材28で反射する強い反射光が二次元イメージセンサ26に直接入射することもない。したがって、照明光源27による照明下で、測色用パターンCPと基準チャート40とを含む撮像範囲を二次元イメージセンサ26により撮像した場合に、撮像範囲の画像に正反射光や遮光部材28での強い反射光による不良画像が含まれることがなく、この画像を用いて測色用パターンCPの測色値を精度よく算出することができる。
遮光部材28は、上述したように二次元イメージセンサ26の撮像範囲外に配置されるが、遮光部材28の表面で反射した光が迷光となって二次元イメージセンサ26に入射する懸念がある。このため、遮光部材28には、照明光源27からの光を吸収または減衰する表面処理を施すことが望ましい。表面処理としては、例えば、黒色の塗料など光の吸収率が高い塗料を遮光部材28の表面に塗布することが有効である。また、遮光部材28の表面を反射防止構造に加工する、あるいは、遮光部材28の表面に反射防止フィルムを貼り付けるようにしてもよい。反射防止フィルムとしては、例えば、微細な突起により光の反射を抑えるモスアイ(登録商標)フィルムなどを用いることができる。遮光部材28に以上のような表面処理を施すことにより、遮光部材28の表面での照明光源27からの光の反射を抑えて、二次元イメージセンサ26に迷光が入射することを有効に防止できる。
遮光部材28は、上述したように、照明光源27から撮像範囲内の正反射位置に向かう光を遮光片28aにより遮断する構成とされる。しかし、遮光片28aを過度に大きくすると、撮像範囲内の測色用パターンCPや基準チャート40の領域に照射される拡散光の光量が低下する懸念がある。このため、遮光部材28の遮光片28aは、照明光源27から撮像範囲内の正反射位置に向かう光を遮断しつつ、撮像範囲内の測色用パターンCPや基準チャート40の領域に十分な光量の拡散光が照射される構成とすることが望ましい。
本実施形態では、上述したように、照明光源27として用いる2つのLEDを、二次元イメージセンサ26の撮像範囲を基板22側から二次元イメージセンサ26の光軸方向に沿って平面視したときに、開口部25と基準チャート40との間の中間領域に重なるように配置している(図4−3参照)。この構成の場合、遮光部材28の一対の遮光片28aは、図4−3に示すように、二次元イメージセンサ26の撮像範囲を基板22側から二次元イメージセンサ26の光軸方向に沿って平面視したときに、中間領域内で照明光源27と重なり、且つ、開口部25および基準チャート40には重ならない位置であって、二次元イメージセンサ26の光軸方向において、照明光源27よりも中間領域側となる位置に配置されることが望ましい。遮光部材28の遮光片28aをこのように配置することにより、照明光源27から撮像範囲内の正反射位置に向かう光を遮光片28aにより遮断しつつ、撮像範囲内の測色用パターンCPや基準チャート40の領域に十分な光量の拡散光を照射させることができる。
<基準チャートの具体例>
次に、図7を参照しながら、測色カメラ20の筐体23内部に配置される基準チャート40について詳細に説明する。図7は、基準チャート40の具体例を示す図である。
図7に示す基準チャート40は、測色用の基準パッチを配列した複数の基準パッチ列41〜44、ドット径計測用パターン列46、距離計測用ライン45、およびチャート位置特定用マーカ47を有する。
基準パッチ列41〜44は、YMCKの1次色の基準パッチを階調順に配列した基準パッチ列41と、RGBの2次色の基準パッチを階調順に配列した基準パッチ列42と、グレースケールの基準パッチを階調順に配列した基準パッチ列43と、3次色の基準パッチを配列した基準パッチ列44と、を含む。ドット径計測用パターン列46は、大きさが異なる円形パターンが大きさ順に配列された幾何学形状測定用のパターン列であり、記録媒体Mに形成された画像のドット径の計測に用いることができる。
距離計測用ライン45は、複数の基準パッチ列41〜44やドット径計測用パターン列46を囲む矩形の枠として形成されている。チャート位置特定用マーカ47は、距離計測用ライン45の四隅の位置に設けられていて、各基準パッチの位置を特定するためのマーカとして機能する。二次元イメージセンサ26により撮像される基準チャート40の画像から、距離計測用ライン45とその四隅のチャート位置特定用マーカ47を特定することで、基準チャート40の位置および各基準パッチやパターンの位置を特定することができる。
測色用の基準パッチ列41〜44を構成する各基準パッチは、測色カメラ20の撮像条件を反映した色味の基準として用いられる。なお、基準チャート40に配置されている測色用の基準パッチ列41〜44の構成は、図7に示す例に限定されるものではなく、任意の基準パッチ列を適用することが可能である。例えば、可能な限り色範囲が広く特定できる基準パッチを用いてもよいし、また、YMCKの1次色の基準パッチ列41や、グレースケールの基準パッチ列43は、画像形成装置100に使用されるインクの測色値のパッチで構成されていてもよい。また、RGBの2次色の基準パッチ列42は、画像形成装置100で使用されるインクで発色可能な測色値のパッチで構成されていてもよく、さらに、Japan Color等の測色値が定められた基準色票を用いてもよい。
なお、本実施形態では、一般的なパッチ(色票)の形状の基準パッチ列41〜44を有する基準チャート40を用いているが、基準チャート40は、必ずしもこのような基準パッチ列41〜44を有する形態でなくてもよい。基準チャート40は、測色に利用可能な複数の色が、それぞれの位置を特定できるように配置された構成であればよい。
基準チャート40は、測色カメラ20の筐体23の底面部23aに、開口部25と隣り合うように配置されているため、二次元イメージセンサ26によって測色対象の測色用パターンCPと同時に撮像することができる。なお、ここでの同時に撮像とは、測色対象の測色用パターンCPと基準チャート40とを含む1フレームの画像データを取得することを意味する。つまり、画素ごとのデータ取得に時間差があっても、1フレーム内に測色用パターンCPと基準チャート40とを含む画像データを取得すれば、測色用パターンCPと基準チャート40とを同時に撮像したことになる。
なお、以上説明した測色カメラ20の機械的構成は一例であり、これに限らない。本実施形態の測色カメラ20は、二次元イメージセンサ26の撮像範囲外に遮光部材28を配置して撮像範囲での正反射光を二次元イメージセンサ26に入射させない構成であればよく、上記の構成に対して様々な変形や変更が可能である。測色カメラ20の変形例については後述する。
<画像形成装置の制御機構の概略構成>
次に、図8を参照しながら、本実施形態の画像形成装置100の制御機構の概略構成について説明する。図8は、画像形成装置100の制御機構の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図8に示すように、CPU101、ROM102、RAM103、記録ヘッドドライバ104、主走査ドライバ105、副走査ドライバ106、制御用FPGA(Field-Programmable Gate Array)110、記録ヘッド6、測色カメラ20、エンコーダセンサ13、主走査モータ8、および副走査モータ12を備える。CPU101、ROM102、RAM103、記録ヘッドドライバ104、主走査ドライバ105、副走査ドライバ106、および制御用FPGA110は、メイン制御基板120に搭載されている。記録ヘッド6、エンコーダセンサ13、および測色カメラ20は、上述したようにキャリッジ5に搭載されている。
CPU101は、画像形成装置100の全体の制御を司る。例えば、CPU101は、RAM103を作業領域として利用して、ROM102に格納された各種の制御プログラムを実行し、画像形成装置100における各種動作を制御するための制御指令を出力する。
記録ヘッドドライバ104、主走査ドライバ105、副走査ドライバ106は、それぞれ、記録ヘッド6、主走査モータ8、副走査モータ12を駆動するためのドライバである。
制御用FPGA110は、CPU101と連携して画像形成装置100における各種動作を制御する。制御用FPGA110は、機能的な構成要素として、例えば、CPU制御部111、メモリ制御部112、インク吐出制御部113、センサ制御部114、およびモータ制御部115を備える。
CPU制御部111は、CPU101と通信を行って、制御用FPGA110が取得した各種情報をCPU101に伝えるとともに、CPU101から出力された制御指令を入力する。
メモリ制御部112は、CPU101がROM102やRAM103にアクセスするためのメモリ制御を行う。
インク吐出制御部113は、CPU101からの制御指令に応じて記録ヘッドドライバ104の動作を制御することにより、記録ヘッドドライバ104により駆動される記録ヘッド6からのインクの吐出タイミングを制御する。
センサ制御部114は、エンコーダセンサ13から出力されるエンコーダ値などのセンサ信号に対する処理を行う。
モータ制御部115は、CPU101からの制御指令に応じて主走査ドライバ105の動作を制御することにより、主走査ドライバ105により駆動される主走査モータ8を制御して、キャリッジ5の主走査方向への移動を制御する。また、モータ制御部115は、CPU101からの制御指令に応じて副走査ドライバ106の動作を制御することにより、副走査ドライバ106により駆動される副走査モータ12を制御して、プラテン16上の記録媒体Mの副走査方向への移動を制御する。
なお、以上の各部は、制御用FPGA110により実現する制御機能の一例であり、これら以外にも様々な制御機能を制御用FPGA110により実現する構成としてもよい。また、上記の制御機能の全部または一部を、CPU101または他の汎用のCPUにより実行されるプログラムにより実現する構成であってもよい。また、上記の制御機能の一部を、制御用FPGA110とは異なる他のFPGAやASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの専用のハードウェアにより実現する構成であってもよい。
記録ヘッド6は、CPU101および制御用FPGA110により動作制御される記録ヘッドドライバ104により駆動され、プラテン16上の記録媒体Mにインクを吐出し、画像の形成を行う。
エンコーダセンサ13は、エンコーダシート14のマークを検知して得られるエンコーダ値を制御用FPGA110に出力する。このエンコーダ値は制御用FPGA110からCPU101へと送られて、例えば、キャリッジ5の位置や速度を計算するために用いられる。CPU101は、このエンコーダ値から計算したキャリッジ5の位置や速度に基づき、主走査モータ8を制御するための制御指令を生成して出力する。
測色カメラ20は、上述したように、画像形成装置100の色調整時に、記録媒体Mに形成された測色用パターンCPを基準チャート40とともに撮像し、撮像画像から得られる測色用パターンCPのRGB値と基準チャート40の各基準パッチのRGB値とに基づいて、測色用パターンCPの測色値(標準色空間における表色値であり、例えばL色空間におけるL値)を算出する。測色カメラ20が算出した測色用パターンCPの測色値は、制御用FPGA110を介してCPU101に送られる。なお、測色用パターンCPの測色値を算出する具体的な方法としては、例えば特開2013−051671号公報に開示される方法を利用することができる。
<測色カメラの制御機構の構成>
次に、図9を参照しながら、測色カメラ20の制御機構について具体的に説明する。図9は、測色カメラ20の制御機構の一構成例を示すブロック図である。
測色カメラ20は、図9に示すように、上述した二次元イメージセンサ26および照明光源27のほか、光源駆動制御部51、タイミング信号発生部52、フレームメモリ53、平均化処理部54、測色演算部55および不揮発性メモリ56を備える。これらの各部は、例えば、測色カメラ20の筐体23の上面部を構成する基板22に実装されている。
二次元イメージセンサ26は、当該二次元イメージセンサ26に入射した光を電気信号に変換して、照明光源27により照明された撮像範囲の画像データを出力する。二次元イメージセンサ26は、光電変換により得られたアナログ信号をデジタルの画像データにAD変換し、その画像データに対してシェーディング補正やホワイトバランス補正、γ補正、画像データのフォーマット変換などの各種の画像処理を行った後に出力する機能を内蔵している。二次元イメージセンサ26の各種動作条件の設定は、CPU101からの各種設定信号に従って行われる。なお、画像データに対する各種の画像処理は、その一部あるいは全部を二次元イメージセンサ26の外部で行うようにしてもよい。
光源駆動制御部51は、二次元イメージセンサ26による画像の撮像時に、照明光源27を点灯させるための光源駆動信号を生成して、照明光源27に供給する。
タイミング信号発生部52は、二次元イメージセンサ26による撮像開始のタイミングを制御するタイミング信号を生成し、二次元イメージセンサ26に供給する。
フレームメモリ53は、二次元イメージセンサ26から出力された画像を一時的に格納する。
平均化処理部54は、測色用パターンCPの測色を行う際に、二次元イメージセンサ26から出力されてフレームメモリ53に一時的に格納された画像から、測色用パターンCPを映した領域と、基準チャート40の各基準パッチを映した領域とを抽出する。そして、平均化処理部54は、測色用パターンCPの領域の画像データを平均化して、得られた値を測色用パターンCPのRGB値として測色演算部55に出力するとともに、各基準パッチの領域の画像データを各々平均化して、得られた値を各基準パッチのRGB値として測色演算部55に出力する。
測色演算部55は、平均化処理部54の処理によって得られた測色用パターンCPのRGB値と、基準チャート40の各基準パッチのRGB値とに基づいて、測色用パターンCPの測色値を算出する。測色演算部55が算出した測色用パターンCPの測色値は、メイン制御基板120上のCPU101へと送られる。なお、測色演算部55は、例えば特開2013−051671号公報に開示される方法により測色用パターンCPの測色値を算出できるため、ここでは測色演算部55の処理の詳細な説明は省略する。
不揮発性メモリ56は、測色演算部55が測色用パターンCPの測色値を算出するために必要な各種データなどを記憶する。
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施形態の測色カメラ20は、二次元イメージセンサ26の撮像範囲外に配置されて、照明光源27から二次元イメージセンサ26の撮像範囲内の正反射位置LPに向かう光を遮断する遮光部材28を備えている。したがって、本実施形態の測色カメラ20によれば、照明光源27による照明下で、二次元イメージセンサ26が測色用パターンCPと基準チャート40とを含む撮像範囲を撮像した場合に、撮像範囲の画像に正反射光や遮光部材28での強い反射光による不良画像が含まれることがなく、この画像を用いて測色用パターンCPの測色値を精度よく算出することができる。
また、本実施形態の画像形成装置100は、記録媒体Mに形成した測色用パターンCPに対する測色を、測色カメラ20を用いて高精度に行うことができるので、適切な色調整を行って再現性の高い画像を形成することができる。
<測色カメラの変形例>
次に、本実施形態の測色カメラ20の変形例(第1乃至第4変形例)について説明する。以下では、第1変形例の測色カメラ20を測色カメラ20A、第2変形例の測色カメラ20を測色カメラ20B、第3変形例の測色カメラ20を測色カメラ20C、第4変形例の測色カメラ20を測色カメラ20Dとそれぞれ表記する。なお、各変形例において、上述した測色カメラ20と共通の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
<第1変形例>
図10は、第1変形例の測色カメラ20Aの縦断面図であり、図4−1に示した測色カメラ20の縦断面図と同じ位置の断面図である。
第1変形例の測色カメラ20Aでは、筐体23の底面部23aに、測色用パターンCPを撮像するための開口部25とは別の開口部60が設けられている。そして、この開口部60を筐体23の外側から閉塞するように、基準チャート40が着脱可能に配置されている。
具体的には、例えば、筐体23の底面部23aの外面側に、基準チャート40を収容できる大きさの凹部が開口部60と連通するように形成されている。そして、この凹部内に基準チャート40が配置されている。また、この凹部内には、基準チャート40を筐体23の底面部23aの外面側から押さえ込んで保持する保持部材61が、筐体23の底面部23aに対して取り外し可能に装着されている。したがって、第1変形例の測色カメラ20Aでは、保持部材61を筐体23の底面部23aから取り外すことにより、基準チャート40を取り出すことができる。
なお、遮光部材28は、上述した測色カメラ20と同様に、二次元イメージセンサ26の撮像範囲外に配置され、照明光源27から二次元イメージセンサ26の撮像範囲内の正反射位置に向かう光を遮断する構成である。
以上のように構成される第1変形例の測色カメラ20Aでは、基準チャート40を筐体23の底面部23aの外面側に配置することにより、上述した測色カメラ20に比べて、二次元イメージセンサ26から測色用パターンCPまでの光路長と基準チャート40までの光路長との差が小さくなる。したがって、二次元イメージセンサ26の被写界深度が比較的浅い場合でも、測色用パターンCPと基準チャート40との双方に焦点の合った画像を撮像することができる。
また、第1変形例の測色カメラ20Aでは、基準チャート40が筐体23に対して着脱可能に保持され、基準チャート40を取り出すことができるので、基準チャート40が汚れの付着などにより劣化した場合に、基準チャート40を交換する作業を簡単に行うことができる。
<第2変形例>
図11は、第2変形例の測色カメラ20Bの縦断面図であり、図4−1に示した測色カメラ20の縦断面図と同じ位置の断面図である。
第2変形例の測色カメラ20Bでは、筐体23の内部に、光路長変更部材62が配置されている。光路長変更部材62は、光を透過する屈折率n(nは任意の数)の光学素子である。光路長変更部材62は、筐体23外部の被写体(測色用パターンCP)と二次元イメージセンサ26との間の光路中に配置され、測色用パターンCPの光学像の結像面を基準チャート40の光学像の結像面に近付ける機能を持つ。つまり、第2変形例の測色カメラ20Bでは、測色用パターンCPと二次元イメージセンサ26との間の光路中に光路長変更部材62を配置することによって、筐体23外部の測色用パターンCPの光学像の結像面と、筐体23の内部の基準チャート40の結像面とを、ともに二次元イメージセンサ26のセンサ面に合わせるようにしている。なお、図11では、光路長変更部材62を筐体23の底面部23a上に載置した例を図示しているが、光路長変更部材62は必ずしも底面部23a上に載置する必要はなく、筐体23外部の測色用パターンCPと二次元イメージセンサ26との間の光路中に配置されていればよい。
光路長変更部材62を光が通過すると、光路長変更部材62の屈折率nに応じて光路長が延び、画像が浮き上がって見える。画像の浮上がり量Cは、光路長変更部材62の光軸方向の長さをLpとすると、以下の式で求めることができる。
C=Lp(1−1/n)
また、二次元イメージセンサ26の結像レンズの主点と基準チャート40との間の距離をLcとすると、結像レンズの主点と光路長変更部材62を透過する光学像の前側焦点面(撮像面)との間の距離Lは、以下の式で求めることができる。
L=Lc+Lp(1−1/n)
ここで、光路長変更部材62の屈折率nを1.5とした場合、L=Lc+Lp(1/3)となり、光路長変更部材62を透過する光学像の光路長を光路長変更部材62の光軸方向の長さLpの約1/3だけ長くすることができる。この場合、例えばLp=9[mm]とすれば、L=Lc+3[mm]となるので、二次元イメージセンサ26から基準チャート40までの距離と測色用パターンCPまでの距離との差が3mmとなる状態で撮像すれば、基準チャート40の光学像の後側焦点面(結像面)と、測色用パターンCPの光学像の後側焦点面(結像面)とを、ともに二次元イメージセンサ26のセンサ面に合わせることができる。
なお、遮光部材28は、上述した測色カメラ20と同様に、二次元イメージセンサ26の撮像範囲外に配置され、照明光源27から二次元イメージセンサ26の撮像範囲内の正反射位置に向かう光を遮断する構成である。
以上のように構成される第2変形例の測色カメラ20Bでは、測色用パターンCPと二次元イメージセンサ26との間の光路中に光路長変更部材62を配置することで、測色用パターンCPの光学像の結像面を基準チャート40の光学像の結像面に近付けるようにしているので、二次元イメージセンサ26の被写界深度が比較的浅い場合でも、測色用パターンCPと基準チャート40の双方に焦点の合った適切な画像を撮像することができる。
<第3変形例>
図12は、第3変形例の測色カメラ20Cの縦断面図であり、図4−1に示した測色カメラ20の縦断面図と同じ位置の断面図である。
第3変形例の測色カメラ20Cでは、筐体23の内壁を構成する枠体21の側面部に基準チャート40が配置されている。そして、この基準チャート40の光学像を反射ミラー63で反射して二次元イメージセンサ26に入射させる構成となっている。筐体23の内部における反射ミラー63の設置位置および設置角度は、二次元イメージセンサ26から基準チャート40までの光路長が、二次元イメージセンサ26から測色用パターンCPまでの光路長に近づき、その差が二次元イメージセンサ26の被写界深度の範囲内となるように調整されている。
なお、遮光部材28は、上述した測色カメラ20と同様に、二次元イメージセンサ26の撮像範囲外に配置され、照明光源27から二次元イメージセンサ26の撮像範囲内の正反射位置に向かう光を遮断する構成である。
以上のように構成される第3変形例の測色カメラ20Cでは、基準チャート40の光学像を反射ミラー63で反射させて二次元イメージセンサ26に入射させることで、基準チャート40の光学像の結像面を測色用パターンCPの光学像の結像面をに近付けるようにしているので、二次元イメージセンサ26の被写界深度が比較的浅い場合でも、測色用パターンCPと基準チャート40の双方に焦点の合った適切な画像を撮像することができる。
<第4変形例>
図13−1は、第4変形例の測色カメラ20Dの縦断面図(図13−2中のX3−X3線断面図)であり、図13−2は、第4変形例の測色カメラDの筐体23内部を透視して示す上面図である。
第4変形例の測色カメラ20Dでは、筐体23の底面部23aにおいて、二次元イメージセンサ26の光軸と重なる位置に開口部25Dが設けられている。そして、二次元イメージセンサ26は、この開口部25Dを介して筐体23の外部の測色用パターンCPを撮像する。すなわち、第4変形例の測色カメラ20Dでは、筐体23の外部の測色用パターンCPを撮像するための開口部25Dが、二次元イメージセンサ26の撮像範囲において略中心に位置するように設けられている。
また、第4変形例の測色カメラ20Dでは、開口部25Dの周囲を取り囲むように、円環状の基準チャート40Dが配置されている。つまり、円環状の基準チャート40Dは、開口部25を介して撮像される被写体である測色用パターンCPの外側を囲むようにして筐体23内に配置され、測色用パターンCPとともに二次元イメージセンサ26によって撮像される。
また、第4変形例の測色カメラ20Dでは、照明光源27として、例えば、二次元イメージセンサ26とともに基板22の内面に実装された4つのLEDを用いる。照明光源27として用いるこれら4つのLEDは、図13−2に示すように、二次元イメージセンサ26の光軸方向に沿って撮像範囲を平面視したときに、基準チャート40Dの外側となる位置に均等に配置される。照明光源27として用いる4つのLEDをこのように配置することにより、測色用パターンCPと基準チャート40Dとを、概ね同一の条件にて照明することができる。
また、第4変形例の測色カメラ20Dでは、照明光源27に用いる4つのLEDに各々対応する4つの遮光片28Daを備えた遮光部材28Dが、二次元イメージセンサ26の撮像範囲外となる筐体23内部の位置に配置されている。遮光部材28Dの4つの遮光片28Daは、例えば図13−2に示すように、筐体23の内壁部の平面形状に倣った矩形のフレームを介して連結され、それぞれ、照明光源27が配置されている筐体23の4隅の位置から二次元イメージセンサ26側に突出した形状とされている。そして、遮光部材28Dは、二次元イメージセンサ26の光軸方向において、照明光源27の位置よりも基準チャート40D側となる位置に配置されている。
第4変形例の測色カメラ20Dが備える遮光部材28Dは、上述した遮光部材28と同様に、照明光源27から二次元イメージセンサ26の撮像範囲内の正反射位置に向かう光を遮光片28Daにより遮断する。
以上のように構成される第4変形例の測色カメラ20Dでは、筐体23の外部の測色用パターンCPを撮像するための開口部25Dを二次元イメージセンサ26の光軸と重なる位置に設け、さらにその開口部25Dの周囲を取り囲むように、基準チャート40Dを配置しているので、二次元イメージセンサ26の画角が狭く、撮像範囲が制限される場合であっても、測色用パターンCPおよび基準チャート40Dの撮像を適切に行うことができる。
<その他の変形例>
上述した実施形態では、シリアルヘッド方式のインクジェットプリンタとして構成された画像形成装置100を例示したが、本発明は上述した例に限らず、様々なタイプの画像形成装置に対して有効に適用可能である。例えば、ラインヘッド方式のインクジェットプリンタに本発明を適用する場合は、記録媒体Mの搬送方向と直交する方向に、複数の測色カメラ20を並べて配置する構成としてもよい。また、電子写真方式の画像形成装置に本発明を適用する場合は、少なくとも定着後の記録媒体Mの搬送経路のいずれかの位置に、複数の測色カメラ20を記録媒体Mの搬送方向と直交する方向に並べて配置する構成としてもよい。
また、上述した実施形態では、測色用パターンCPの測色値を算出する機能を測色カメラ20に持たせるようにしているが、測色カメラ20の外部で測色用パターンCPの測色値を算出するようにしてもよい。例えば、画像形成装置100のメイン制御基板120に実装されたCPU101や制御用FPGA110が、測色用パターンCPの測色値を算出するように構成することができる。この場合、測色カメラ20は、測色用パターンCPの測色値の代わりに、測色用パターンCPや基準チャート40のRGB値を、CPU101や制御用FPGA110に送る構成となる。つまり、測色カメラ20は、測色値を算出する機能を持たない撮像装置として構成される。
また、上述した実施形態では、測色カメラ20が画像形成装置100の機構を利用して測色用パターンCPが形成された記録媒体M上を移動するようにしているが、測色カメラ20を画像形成装置100から分離して、独自の移動機構により測色用パターンCPが形成された記録媒体M上を移動する構成としてもよい。つまり、上述した実施形態は、画像形成装置100に測色装置としての機能を持たせた例であるが、測色装置を画像形成装置100とは異なる独立した装置として構成し、この測色装置により、画像形成装置100が形成した測色用パターンCPの測色値を算出するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、測色用パターンCPの測色値を算出する機能を、測色カメラ20を含む画像形成装置100に持たせるようにしているが、測色用パターンCPの測色値の算出は、必ずしも画像形成装置100内部で実行する必要はない。例えば、図14に示すように、画像形成装置100と外部装置300とが通信可能に接続された画像形成システム(測色システム)を構築し、測色用パターンCPの測色値を算出する測色演算部55の機能を外部装置300に持たせて、外部装置300において測色値の算出を行うようにしてもよい。つまり、測色システムは、画像形成装置100に設けられた撮像装置200(上述した測色カメラ20から測色演算部55の機能を除いた構成)と、外部装置300に設けられた測色演算部55と、これら撮像装置200と測色演算部55(画像形成装置100と外部装置300)とを接続する通信手段400と、を備えた構成となる。外部装置300は、例えば、DFE(Digital Front End)と呼ばれるコンピュータを用いることができる。また、通信手段400は、有線や無線によるP2P通信のほか、LANやインターネットなどのネットワークを利用した通信などを利用することができる。
上記の構成の場合、例えば、画像形成装置100は、撮像装置200の撮像画像から得られる測色用パターンCPのRGB値および基準チャート40の各基準パッチのRGB値を、通信手段400を利用して外部装置300に送信する。外部装置300は、画像形成装置100から受信した測色用パターンCPのRGB値や基準チャート40の各基準パッチのRGB値を用いて測色用パターンCPの測色値を算出し、算出した測色用パターンCPの測色値に基づいて、画像形成装置100の特性を記述したデバイスプロファイルを生成あるいは修正する。そして、外部装置300は、このデバイスプロファイルを、通信手段400を利用して画像形成装置100に送信する。画像形成装置100は、外部装置300から受信したデバイスプロファイルを保持し、画像形成を行う際には、このデバイスプロファイルに基づいて画像データを補正し、補正後の画像データに基づいて画像形成を行う。これにより、画像形成装置100は色再現性の高い画像形成を行うことができる。
また、外部装置300が、測色用パターンCPの測色値に基づいて生成した画像形成装置100のデバイスプロファイルを保持し、外部装置300において画像データの補正を行うようにしてもよい。すなわち、画像形成装置100は、画像形成を行う際に、画像データを外部装置300に送信する。外部装置300は、画像形成装置100から受信した画像データを、自身が保持する画像形成装置100のデバイスプロファイルに基づいて補正し、補正した画像データを画像形成装置100に送信する。画像形成装置100は、外部装置300から受信した補正後の画像データに基づいて画像形成を行う。これにより、画像形成装置100は色再現性の高い画像形成を行うことができる。
また、画像形成装置100から外部装置300に対して測色用パターンCPのRGB値および基準チャート40の各基準パッチのRGB値を送信する代わりに、撮像装置200が撮像した撮像画像そのものを送信するようにしてもよい。この場合は、外部装置300は、画像形成装置100から受信した撮像画像から測色用パターンCPのRGB値や基準チャート40の各基準パッチのRGB値を求め、得られたRGB値を用いて測色用パターンCPの測色値を算出する。
なお、上述した本実施形態に係る画像形成装置100や測色カメラ20(撮像装置200)を構成する各部の制御機能は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成を用いて実現することができる。本実施形態に係る画像形成装置100や測色カメラ20を構成する各部の制御機能をソフトウェアにより実現する場合は、画像形成装置100や測色カメラ20(撮像装置200)が備えるプロセッサが処理シーケンスを記述したプログラムを実行する。プロセッサにより実行されるプログラムは、例えば、画像形成装置100や測色カメラ20内部のROMなどに予め組み込まれて提供される。また、プロセッサが実行するプログラムを、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供するようにしてもよい。
また、プロセッサにより実行されるプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、プロセッサにより実行されるプログラムを、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
以上、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で様々な変形や変更を加えながら具体化することができる。
6 記録ヘッド
20 測色カメラ
26 二次元イメージセンサ
27 照明光源
28 遮光部材
40 基準チャート
55 測色演算部
100 画像形成装置
M 記録媒体
CP 測色用パターン
LP 正反射位置
特開2013−224924号公報

Claims (6)

  1. 被写体を含む所定の撮像範囲を撮像する二次元イメージセンサと、
    前記撮像範囲を照明する光源と、
    前記撮像範囲外に配置され、前記光源からの光を正反射して前記二次元イメージセンサに入射させる前記撮像範囲内の位置を正反射位置としたときに、前記光源から前記正反射位置に向かう光を遮断する遮光部材とを備え、
    前記遮光部材は、前記二次元イメージセンサの光軸方向に沿って見たときに、前記光源と重なり、且つ、前記被写体に重ならないように配置されていることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記被写体の位置から所定距離離れた前記撮像範囲内の位置に配置され、前記被写体とともに前記二次元イメージセンサにより撮像される基準チャートをさらに備え、
    前記光源は、前記二次元イメージセンサの光軸方向に沿って前記撮像範囲を平面視したときに前記被写体と前記基準チャートとの間の中間領域に重なる位置に配置され、
    前記遮光部材は、前記二次元イメージセンサの光軸方向に沿って平面視したときに前記中間領域内で前記光源と重なり、且つ、前記被写体および前記基準チャートに重ならない位置であって、前記二次元イメージセンサの光軸方向において前記光源の位置よりも前記中間領域側となる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記被写体の位置の外側を囲むように前記撮像範囲内に配置され、前記被写体とともに前記二次元イメージセンサにより撮像される円環状の基準チャートをさらに備え、
    複数の前記光源は、前記二次元イメージセンサの光軸方向に沿って前記撮像範囲を平面視したときに前記基準チャートの外側となる位置に均等に配置され、
    前記遮光部材は、前記二次元イメージセンサの光軸方向において前記光源の位置よりも前記基準チャート側となる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記遮光部材は、前記光源からの光を吸収または減衰する表面処理が施されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の撮像装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の撮像装置と、
    前記二次元イメージセンサにより撮像された前記被写体の画像データに基づいて、前記被写体の測色値を算出する測色演算部と、を備えることを特徴とする測色装置。
  6. 請求項5に記載の測色装置と、
    色材を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備え、
    前記被写体は、前記画像形成部が前記記録媒体に形成した画像であることを特徴とする画像形成装置。
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