JP6468379B2 - 液体吐出装置、駆動回路および液体吐出装置の制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は、液体吐出装置、駆動回路および液体吐出装置の制御方法に関する。
インクを吐出して画像や文書を印刷するインクジェットプリンターには、圧電素子(例えばピエゾ素子)を用いたものが知られている。圧電素子は、ヘッドユニットにおいて複数のノズルのそれぞれに対応して設けられ、それぞれが駆動信号にしたがって駆動されることによって、ノズルから所定のタイミングで所定量のインク(液体)が吐出されて、ドットが形成される。圧電素子は、電気的にみればコンデンサーのような容量性負荷であるので、各ノズルの圧電素子を動作させるためには十分な電流を供給する必要がある。
このため、増幅回路で増幅した駆動信号をヘッドユニットに供給して、圧電素子を駆動する構成となっている。増幅回路としては、増幅前の源信号をAB級などで電流増幅する方式(リニア増幅、特許文献1参照)が挙げられる。ただし、リニア増幅では消費電力が大きく、エネルギー効率が悪いので、近年では、D級増幅についても提案されている(特許文献2参照)。
一方、近年、印刷装置においては高速印刷や高解像度印刷に対する要求が強い。高速印刷を実現するためには、単位時間当たりで形成することが可能なドット数を増やせば良い。また、高解像度印刷を実現するためには、ノズルから吐出されるインクの量を少量にし、単位面積当たりで形成することが可能なドット数を増やせば良い。つまり、高速印刷および高解像度印刷を実現するためには単位時間および単位面積当たりで形成可能なドット数を増やせば良く、そのためには、インクの吐出周波数を高める手法が採られる。
ところで、インクの吐出周波数を高めるためには、圧電素子に供給する駆動信号の周波数を高める必要がある。駆動信号の周波数を高めて、残留振動等の影響を少なくして安定した吐出を行うには、D級増幅のスイッチング周波数を高める必要がある。
しかしながら、スイッチング周波数を高めていくと、スイッチングによる損失が大きくなり、やがて、D級増幅におけるエネルギー効率が、リニア増幅によるエネルギー効率を下回って、D級増幅の利点である高いエネルギー効率が実現できなくなってしまう。
加えて、D級増幅におけるスイッチングを高周波にした場合、ノイズによる誤動作や、スイッチング損失からくる発熱などの問題も発生する。
このように、圧電素子を駆動する駆動信号の周波数を高めるために、D級増幅のスイッチング周波数を高めようとすると、多くの問題に直面することになる。
加えて、D級増幅におけるスイッチングを高周波にした場合、ノイズによる誤動作や、スイッチング損失からくる発熱などの問題も発生する。
このように、圧電素子を駆動する駆動信号の周波数を高めるために、D級増幅のスイッチング周波数を高めようとすると、多くの問題に直面することになる。
そこで、本発明のいくつかの態様の目的の一つは、D級増幅した駆動信号で圧電素子を駆動する構成において、高速印刷および高解像度印刷が実現できる液体吐出装置、駆動回路および液体吐出装置の制御方法を提供することにある。
上記目的の一つを達成するために、本発明の一態様に係る液体吐出装置は、源信号をパルス変調した変調信号を生成する変調回路と、前記変調信号を増幅して増幅変調信号を生成するトランジスターと、前記増幅変調信号を平滑化して駆動信号を生成するローパスフィルターと、前記駆動信号が印加されることで変位する圧電素子と、前記圧電素子の変位により内部容積が変化するキャビティと、前記キャビティの内部容積の変化に応じて前記キャビティ内の液体を吐出するために設けられたノズルと、前記変調回路、前記トランジスターおよび前記ローパスフィルターが実装された多層回路基板と、を有し、前記変調回路は、前記変調信号、前記増幅変調信号、または、前記駆動信号のいずれかに基づく信号を帰還して前記変調信号を生成し、前記多層回路基板は、2つの表面層以外の少なくとも1つの層を含む3層以上の多層構造であって、前記1つの層に、前記変調信号、前記増幅変調信号、または、前記駆動信号のいずれかを、前記変調回路に帰還する帰還配線パターンが設けられたことを特徴とする。
上記一態様に係る液体吐出装置によれば、帰還によって源信号を忠実に再現した駆動信号を出力することができる。また、帰還した駆動信号の遅延要素が小さいほど、スイッチング信号である変調信号(増幅変調信号)を高周波数化することができる。このため、圧電素子に印加する駆動信号の周波数を高めて、高速印刷および高解像度印刷を実現することができる。
ここで、駆動信号は、増幅変調信号を平滑化した信号であるので、電圧振幅が大きい。このため、駆動信号と源信号との偏差を直接求めるよりも、例えば駆動信号を減衰させた上で源信号との偏差を求めた方が好ましい。駆動信号に基づく信号とは、駆動信号を直接的ではなく、このように間接的に示す信号という意味で用いている。また、帰還信号としては、駆動信号のほか、変調信号(増幅変調信号)を用いることができる。
源信号とは、圧電素子の変位を規定する駆動信号の源となる信号、すなわち、変調前の信号であって、駆動信号の波形の基準となる信号(規定する信号を含み、アナログ、デジタルを問わない)。変調信号とは、源信号をパルス変調(例えばパルス幅変調、パルス密度変調等)して得られるデジタル信号である。
また、ローパスフィルターは、典型的には、インダクター(コイル)およびコンデンサーで構成されるが、抵抗を加えても良いし、インダクターを抜いて、抵抗およびコンデンサーで構成しても良い。
ここで、駆動信号は、増幅変調信号を平滑化した信号であるので、電圧振幅が大きい。このため、駆動信号と源信号との偏差を直接求めるよりも、例えば駆動信号を減衰させた上で源信号との偏差を求めた方が好ましい。駆動信号に基づく信号とは、駆動信号を直接的ではなく、このように間接的に示す信号という意味で用いている。また、帰還信号としては、駆動信号のほか、変調信号(増幅変調信号)を用いることができる。
源信号とは、圧電素子の変位を規定する駆動信号の源となる信号、すなわち、変調前の信号であって、駆動信号の波形の基準となる信号(規定する信号を含み、アナログ、デジタルを問わない)。変調信号とは、源信号をパルス変調(例えばパルス幅変調、パルス密度変調等)して得られるデジタル信号である。
また、ローパスフィルターは、典型的には、インダクター(コイル)およびコンデンサーで構成されるが、抵抗を加えても良いし、インダクターを抜いて、抵抗およびコンデンサーで構成しても良い。
ところで、上記一態様に係る液体吐出装置では、増幅変調信号を平滑化して駆動信号を生成し、駆動信号の印加によって圧電素子が変位して、ノズルから液体を吐出させる。ここで、液体吐出装置が例えば小ドットを吐出するための駆動信号の波形を周波数スペクトル解析すると、50kHz以上の周波数成分が含まれていることが判っている。このような50kHz以上の周波数成分を含む駆動信号を生成するためには、変調信号(増幅変調信号)の周波数を1MHz以上とする必要がある。
もし、変調信号の周波数を1MHzよりも低くしてしまうと、再現される駆動信号の波形のエッジが鈍って丸くなってしまう。換言すれば、角が取れて波形が鈍ってしまう。駆動信号の波形が鈍ると、波形の立ち上がり、立ち下がりエッジに応じて動作する圧電素子の変位が緩慢になり、吐出時の尾引きや、吐出不良などを発生させて、印刷の品質を低下させてしまう。
一方、変調信号の周波数を8MHzよりも高くすれば、駆動信号の波形の分解能は高まる。ただし、トランジスターにおけるスイッチング周波数が上昇することによって、スイッチング損失が大きくなり、AB級アンプなどのリニア増幅と比べて、優位性を有する省電力性、省発熱性が損なわれてしまう。
このため、上記一態様に係る液体吐出装置において、前記変調信号の周波数は、1Mz以上8MHz以下であることが好ましい。
もし、変調信号の周波数を1MHzよりも低くしてしまうと、再現される駆動信号の波形のエッジが鈍って丸くなってしまう。換言すれば、角が取れて波形が鈍ってしまう。駆動信号の波形が鈍ると、波形の立ち上がり、立ち下がりエッジに応じて動作する圧電素子の変位が緩慢になり、吐出時の尾引きや、吐出不良などを発生させて、印刷の品質を低下させてしまう。
一方、変調信号の周波数を8MHzよりも高くすれば、駆動信号の波形の分解能は高まる。ただし、トランジスターにおけるスイッチング周波数が上昇することによって、スイッチング損失が大きくなり、AB級アンプなどのリニア増幅と比べて、優位性を有する省電力性、省発熱性が損なわれてしまう。
このため、上記一態様に係る液体吐出装置において、前記変調信号の周波数は、1Mz以上8MHz以下であることが好ましい。
上記一態様に係る液体吐出装置において、前記帰還配線パターンの上層または下層はグラウンドのパターンである構成としても良い。この構成によれば、帰還配線パターンは、グラウンドのパターンによって(絶縁物を介して)挟まれることになるので、シールドの効果を高めることができる。
なお、上層または下層とは、少なくとも3層の積層方向をいい、重力方向で規定しているのではない。
なお、上層または下層とは、少なくとも3層の積層方向をいい、重力方向で規定しているのではない。
また、上記一態様に係る液体吐出装置において、前記帰還配線パターンは、前記1つの層において、グラウンドのパターンで囲まれている構成としても良い。この構成によれば、帰還配線パターンは、同層のグラウンドのパターンで囲まれるので、シールドの効果を高めることができる。
本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば液体吐出装置の制御方法や、ヘッドユニットの単体など、様々な態様で実現することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
この実施形態に係る印刷装置は、外部のホストコンピューターから供給された画像データに応じてインクを吐出させることによって、紙などの印刷媒体にインクドット群を形成し、これにより、当該画像データに応じた画像(文字、図形等を含む)を印刷するインクジェットプリンター、すなわち液体吐出装置である。
図1は、印刷装置の内部の概略構成を示す斜視図である。
この図に示されるように、印刷装置1は、移動体2を、主走査方向に移動(往復動)させる移動機構3を備える。
移動機構3は、移動体2の駆動源となるキャリッジモーター31と、両端が固定されたキャリッジガイド軸32と、キャリッジガイド軸32とほぼ平行に延在し、キャリッジモーター31により駆動されるタイミングベルト33と、を有している。
移動体2のキャリッジ24は、キャリッジガイド軸32に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベルト33の一部に固定されている。そのため、キャリッジモーター31によりタイミングベルト33を正逆走行させると、移動体2がキャリッジガイド軸32に案内されて往復動する。
また、移動体2のうち、印刷媒体Pと対向する部分にはヘッドユニット20が設けられる。このヘッドユニット20は、後述するように、多数のノズルからインク滴(液滴)を吐出させるためのものであり、フレキシブルケーブル190を介して各種の制御信号等が供給される構成となっている。
この図に示されるように、印刷装置1は、移動体2を、主走査方向に移動(往復動)させる移動機構3を備える。
移動機構3は、移動体2の駆動源となるキャリッジモーター31と、両端が固定されたキャリッジガイド軸32と、キャリッジガイド軸32とほぼ平行に延在し、キャリッジモーター31により駆動されるタイミングベルト33と、を有している。
移動体2のキャリッジ24は、キャリッジガイド軸32に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベルト33の一部に固定されている。そのため、キャリッジモーター31によりタイミングベルト33を正逆走行させると、移動体2がキャリッジガイド軸32に案内されて往復動する。
また、移動体2のうち、印刷媒体Pと対向する部分にはヘッドユニット20が設けられる。このヘッドユニット20は、後述するように、多数のノズルからインク滴(液滴)を吐出させるためのものであり、フレキシブルケーブル190を介して各種の制御信号等が供給される構成となっている。
印刷装置1は、印刷媒体Pを、副走査方向にプラテン40上で搬送させる搬送機構4を備える。搬送機構4は、駆動源である搬送モーター41と、搬送モーター41により回転して、印刷媒体Pを副走査方向に搬送する搬送ローラー42と、を備える。
印刷媒体Pが搬送機構4によって搬送されたタイミングで、ヘッドユニット20が当該印刷媒体Pにインク滴を吐出することによって、印刷媒体Pの表面に画像が形成される。
印刷媒体Pが搬送機構4によって搬送されたタイミングで、ヘッドユニット20が当該印刷媒体Pにインク滴を吐出することによって、印刷媒体Pの表面に画像が形成される。
図2は、印刷装置の電気的な構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、印刷装置1では、制御ユニット10とヘッドユニット20とがフレキシブルケーブル190を介して接続される。
制御ユニット10は、制御部100と、キャリッジモーター31と、キャリッジモータードライバー35と、搬送モーター41と、搬送モータードライバー45と、2つの駆動回路50と、ヘッドユニット20と、を有する。このうち、制御部100は、ホストコンピューターから画像データが供給されたときに、各部を制御するための各種の制御信号等を出力する。
詳細には、第1に、制御部100は、キャリッジモータードライバー35に対して制御信号Ctr1を供給し、キャリッジモータードライバー35は、当該制御信号Ctr1にしたがってキャリッジモーター31を駆動する。これにより、キャリッジ24における主走査方向の移動が制御される。
第2に、制御部100は、搬送モータードライバー45に対して制御信号Ctr2を供給し、搬送モータードライバー45は、当該制御信号Ctr2にしたがって搬送モーター41を駆動する。これにより、搬送機構4による副走査方向の移動が制御される。
第3に、制御部100は、2つの駆動回路50のうち、一方にデジタルのデータdAを供給し、他方にデジタルのデータdBを供給する。ここで、データdAは、ヘッドユニット20に供給する駆動信号のうち、駆動信号COM−Aの波形を規定し、データdBは、駆動信号COM−Bの波形を規定する。
なお、詳細については後述するが、駆動回路50の一方は、データdAをアナログ変換した後に、D級増幅した駆動信号COM−Aをヘッドユニット20に供給する。同様に、駆動回路50の他方は、データdBをアナログ変換した後に、D級増幅した駆動信号COM−Bをヘッドユニット20に供給する。
第4に、制御部100は、ヘッドユニット20に、クロック信号Sck、データ信号Data、制御信号LAT、CHを供給する。
この図に示されるように、印刷装置1では、制御ユニット10とヘッドユニット20とがフレキシブルケーブル190を介して接続される。
制御ユニット10は、制御部100と、キャリッジモーター31と、キャリッジモータードライバー35と、搬送モーター41と、搬送モータードライバー45と、2つの駆動回路50と、ヘッドユニット20と、を有する。このうち、制御部100は、ホストコンピューターから画像データが供給されたときに、各部を制御するための各種の制御信号等を出力する。
詳細には、第1に、制御部100は、キャリッジモータードライバー35に対して制御信号Ctr1を供給し、キャリッジモータードライバー35は、当該制御信号Ctr1にしたがってキャリッジモーター31を駆動する。これにより、キャリッジ24における主走査方向の移動が制御される。
第2に、制御部100は、搬送モータードライバー45に対して制御信号Ctr2を供給し、搬送モータードライバー45は、当該制御信号Ctr2にしたがって搬送モーター41を駆動する。これにより、搬送機構4による副走査方向の移動が制御される。
第3に、制御部100は、2つの駆動回路50のうち、一方にデジタルのデータdAを供給し、他方にデジタルのデータdBを供給する。ここで、データdAは、ヘッドユニット20に供給する駆動信号のうち、駆動信号COM−Aの波形を規定し、データdBは、駆動信号COM−Bの波形を規定する。
なお、詳細については後述するが、駆動回路50の一方は、データdAをアナログ変換した後に、D級増幅した駆動信号COM−Aをヘッドユニット20に供給する。同様に、駆動回路50の他方は、データdBをアナログ変換した後に、D級増幅した駆動信号COM−Bをヘッドユニット20に供給する。
第4に、制御部100は、ヘッドユニット20に、クロック信号Sck、データ信号Data、制御信号LAT、CHを供給する。
ヘッドユニット20には、選択制御部210と、選択部230および圧電素子(ピエゾ素子)60の複数組とが設けられる。
選択制御部210は、選択部230のそれぞれに対して駆動信号COM−A、COM−Bのいずれかを選択すべきか(または、いずれも非選択とすべきか)を、制御部100から供給される制御信号等によって指示し、選択部230は、選択制御部210の指示にしたがって、駆動信号COM−A、COM−Bを選択し、圧電素子60の一端にそれぞれに駆動信号として供給する。なお、図では、この駆動信号の電圧をVoutと表記している。
圧電素子60のそれぞれにおける他端は、この例では、電圧VBSが共通に印加されている。
選択制御部210は、選択部230のそれぞれに対して駆動信号COM−A、COM−Bのいずれかを選択すべきか(または、いずれも非選択とすべきか)を、制御部100から供給される制御信号等によって指示し、選択部230は、選択制御部210の指示にしたがって、駆動信号COM−A、COM−Bを選択し、圧電素子60の一端にそれぞれに駆動信号として供給する。なお、図では、この駆動信号の電圧をVoutと表記している。
圧電素子60のそれぞれにおける他端は、この例では、電圧VBSが共通に印加されている。
圧電素子60は、ヘッドユニット20における複数のノズルのそれぞれに対応して設けられる。そして、圧電素子60は、選択部230により選択された駆動信号の電圧Voutと電圧VBSとの差に応じて変位してインクを吐出させる。そこで次に、圧電素子60への駆動によってインクを吐出させるための構成について簡単に説明する。
図3は、ヘッドユニット20において、ノズル1個分に対応した概略構成を示す図である。
図に示されるように、ヘッドユニット20は、圧電素子60と振動板621とキャビティ(圧力室)631とリザーバー641とノズル651とを含む。このうち、振動板621は、図において上面に設けられた圧電素子60によって変位(屈曲振動)し、インクが充填されるキャビティ631の内部容積を拡大/縮小させるダイヤフラムとして機能する。ノズル651は、ノズルプレート632に設けられるとともに、キャビティ631に連通する開孔部である。
図に示されるように、ヘッドユニット20は、圧電素子60と振動板621とキャビティ(圧力室)631とリザーバー641とノズル651とを含む。このうち、振動板621は、図において上面に設けられた圧電素子60によって変位(屈曲振動)し、インクが充填されるキャビティ631の内部容積を拡大/縮小させるダイヤフラムとして機能する。ノズル651は、ノズルプレート632に設けられるとともに、キャビティ631に連通する開孔部である。
この図で示される圧電素子60は、圧電体601を一対の電極611、612で挟んだ構造である。この構造の圧電体601にあっては、電極611、612により印加された電圧に応じて、電極611、612、振動板621とともに図において中央部分が両端部分に対して上下方向に撓む。具体的には、圧電素子60は、駆動信号の電圧Voutが高くなると、上方向に撓む一方、電圧Voutが低くなると、下方向に撓む構成となっている。この構成において、上方向に撓めば、キャビティ631の内部容積が拡大するので、インクがリザーバー641から引き込まれる一方、下方向に撓めば、キャビティ631の内部容積が縮小するので、縮小の程度によっては、インクがノズル651から吐出される。
なお、圧電素子60は、図示した構造に限られず、圧電素子60を変形させてインクのような液体を吐出させることができる型であれば良い。また、圧電素子60は、屈曲振動に限られず、縦振動を用いる構成でも良い。
また、圧電素子60は、ヘッドユニット20においてキャビティ631とノズル651とに対応して設けられ、当該圧電素子60は、図1において、選択部230にも対応して設けられる。このため、圧電素子60、キャビティ631、ノズル651および選択部230のセットは、ノズル651毎に設けられることになる。
また、圧電素子60は、ヘッドユニット20においてキャビティ631とノズル651とに対応して設けられ、当該圧電素子60は、図1において、選択部230にも対応して設けられる。このため、圧電素子60、キャビティ631、ノズル651および選択部230のセットは、ノズル651毎に設けられることになる。
図4の(a)は、ノズル651の配列の一例を示す図である。
この図に示されるように、ノズル651は、例えば2列で次のように配列している。詳細には、1列分でみたとき、複数個のノズル651が副走査方向に沿ってピッチPvで配置する一方、2列同士では、主走査方向にピッチPhだけ離間して、かつ、副走査方向にピッチPvの半分だけシフトした関係となっている。
なお、ノズル651は、カラー印刷する場合には、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)などの各色に対応したパターンが例えば主走査方向に沿って設けられるが、以下の説明では、簡略化するために、単色で階調を表現する場合について説明する。
この図に示されるように、ノズル651は、例えば2列で次のように配列している。詳細には、1列分でみたとき、複数個のノズル651が副走査方向に沿ってピッチPvで配置する一方、2列同士では、主走査方向にピッチPhだけ離間して、かつ、副走査方向にピッチPvの半分だけシフトした関係となっている。
なお、ノズル651は、カラー印刷する場合には、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)などの各色に対応したパターンが例えば主走査方向に沿って設けられるが、以下の説明では、簡略化するために、単色で階調を表現する場合について説明する。
図4の(b)は、同図の(a)に示したノズル配列による画像形成の基本解像度を説明するための図である。なお、この図は、説明を簡易化するために、ノズル651からインク滴を1回吐出させて、1つのドットを形成する方法(第1方法)の例であり、黒塗りの丸印がインク滴の着弾により形成されるドットを示している。
ヘッドユニット20が、主走査方向に速度vで移動するとき、同図に示されるように、インク滴の着弾によって形成されるドットの(主走査方向の)間隔Dと、当該速度vとは、次のような関係にある。
すなわち、1回のインク滴の吐出で1ドットが形成される場合、ドット間隔Dは、速度vを、インクの吐出周波数fで除した値(=v/f)、換言すれば、インク滴が繰り返し吐出される周期(1/f)においてヘッドユニット20が移動する距離で示される。
なお、図4の例では、ピッチPhがドット間隔Dに対して係数nで比例する関係にして、2列のノズル651から吐出されるインク滴が、印刷媒体Pにおいて同一列で揃うように着弾させている。このため、(b)に示されるように、副走査方向のドット間隔が、主走査方向のドット間隔の半分となっている。ドットの配列は、図示の例に限られないことは言うまでもない。
すなわち、1回のインク滴の吐出で1ドットが形成される場合、ドット間隔Dは、速度vを、インクの吐出周波数fで除した値(=v/f)、換言すれば、インク滴が繰り返し吐出される周期(1/f)においてヘッドユニット20が移動する距離で示される。
なお、図4の例では、ピッチPhがドット間隔Dに対して係数nで比例する関係にして、2列のノズル651から吐出されるインク滴が、印刷媒体Pにおいて同一列で揃うように着弾させている。このため、(b)に示されるように、副走査方向のドット間隔が、主走査方向のドット間隔の半分となっている。ドットの配列は、図示の例に限られないことは言うまでもない。
ところで、高速印刷を実現するためには、単純には、ヘッドユニット20が主走査方向に移動する速度vを高めれば良い。ただし、単に速度vを高めるだけでは、ドットの間隔Dが長くなってしまう。このため、ある程度の解像度を確保した上で、高速印刷を実現するためには、インクの吐出周波数fを高めて、単位時間当たりに形成されるドット数を増やす必要がある。
また、印刷速度とは別に、解像度を高めるためには、単位面積当たりで形成されるドット数を増やせば良い。ただし、ドット数を増やす場合に、インクを少量にしないと、隣り合うドット同士が結合してしまうだけでなく、インクの吐出周波数fを高めないと、印刷速度が低下する。
このように、高速印刷および高解像度印刷を実現するためには、インクの吐出周波数fを高める必要があるのは、上述した通りである。
また、印刷速度とは別に、解像度を高めるためには、単位面積当たりで形成されるドット数を増やせば良い。ただし、ドット数を増やす場合に、インクを少量にしないと、隣り合うドット同士が結合してしまうだけでなく、インクの吐出周波数fを高めないと、印刷速度が低下する。
このように、高速印刷および高解像度印刷を実現するためには、インクの吐出周波数fを高める必要があるのは、上述した通りである。
一方、印刷媒体Pにドットを形成する方法としては、インク滴を1回吐出させて、1つのドットを形成する方法のほかに、単位期間にインク滴を2回以上吐出可能として、単位期間において吐出された1以上のインク滴を着弾させ、当該着弾した1以上のインク滴を結合させることで、1つのドットを形成する方法(第2方法)や、これら2以上のインク滴を結合させることなく、2以上のドットを形成する方法(第3方法)がある。以降の説明では、ドットを上記第2方法によって形成する場合について説明する。
本実施形態では、第2方法について、次のような例を想定して説明する。すなわち、本実施形態において、1つのドットについては、インクを最多で2回吐出させることで、大ドット、中ドット、小ドットおよび非記録の4階調を表現させる。この4階調を表現するために、本実施形態では、2種類の駆動信号COM−A、COM−Bを用意して、それぞれにおいて、1周期に前半パターンと後半パターンとを持たせている。1周期のうち、前半・後半において駆動信号COM−A、COM−Bを、表現すべき階調に応じた選択して(または選択しないで)、圧電素子60に供給する構成となっている。
そこで、駆動信号COM−A、COM−Bについて説明し、この後、駆動信号COM−A、COM−Bを選択するための構成について説明する。なお、駆動信号COM−A、COM−Bについては、それぞれ駆動回路50によって生成されるが、駆動回路50については、便宜的に、駆動信号COM−A、COM−Bを選択するための構成の後に説明する。
そこで、駆動信号COM−A、COM−Bについて説明し、この後、駆動信号COM−A、COM−Bを選択するための構成について説明する。なお、駆動信号COM−A、COM−Bについては、それぞれ駆動回路50によって生成されるが、駆動回路50については、便宜的に、駆動信号COM−A、COM−Bを選択するための構成の後に説明する。
図5は、駆動信号COM−A、COM−Bの波形等を示す図である。
図に示されるように、駆動信号COM−Aは、印刷周期Taのうち、制御信号LATが出力されて(立ち上がって)から制御信号CHが出力されるまでの期間T1に配置された台形波形Adp1と、印刷周期Taのうち、制御信号CHが出力されてから次の制御信号LATが出力されるまでの期間T2に配置された台形波形Adp2とを連続させた波形となっている。
図に示されるように、駆動信号COM−Aは、印刷周期Taのうち、制御信号LATが出力されて(立ち上がって)から制御信号CHが出力されるまでの期間T1に配置された台形波形Adp1と、印刷周期Taのうち、制御信号CHが出力されてから次の制御信号LATが出力されるまでの期間T2に配置された台形波形Adp2とを連続させた波形となっている。
本実施形態において台形波形Adp1、Adp2とは、互いにほぼ同一の波形であり、仮にそれぞれが圧電素子60の一端に供給されたとしたならば、当該圧電素子60に対応するノズル651から所定量、具体的には中程度の量のインクをそれぞれ吐出させる波形である。
駆動信号COM−Bは、期間T1に配置された台形波形Bdp1と、期間T2に配置された台形波形Bdp2とを連続させた波形となっている。本実施形態において台形波形Bdp1、Bdp2とは、互いに異なる波形である。このうち、台形波形Bdp1は、ノズル651の開孔部付近のインクを微振動させてインクの粘度の増大を防止するための波形である。このため、仮に台形波形Bdp1が圧電素子60の一端に供給されたとしても、当該圧電素子60に対応するノズル651からインク滴が吐出されない。また、台形波形Bdp2は、台形波形Adp1(Adp2)とは異なる波形となっている。仮に台形波形Bdp2が圧電素子60の一端に供給されたとしたならば、当該圧電素子60に対応するノズル651から上記所定量よりも少ない量のインクを吐出させる波形である。
なお、台形波形Adp1、Adp2、Bdp1、Bdp2の開始タイミングでの電圧と、終了タイミングでの電圧とは、いずれも電圧Vcで共通である。すなわち、台形波形Adp1、Adp2、Bdp1、Bdp2は、それぞれ電圧Vcで開始し、電圧Vcで終了する波形となっている。
図6は、図2における選択制御部210の構成を示す図である。
この図に示されるように、選択制御部210には、クロック信号Sck、データ信号Data、制御信号LAT、CHが制御ユニット10から供給される。選択制御部210では、シフトレジスタ(S/R)212とラッチ回路214とデコーダー216との組が、圧電素子60(ノズル651)のそれぞれに対応して設けられている。
この図に示されるように、選択制御部210には、クロック信号Sck、データ信号Data、制御信号LAT、CHが制御ユニット10から供給される。選択制御部210では、シフトレジスタ(S/R)212とラッチ回路214とデコーダー216との組が、圧電素子60(ノズル651)のそれぞれに対応して設けられている。
データ信号Dataは、画像の1ドットを形成するにあたって、当該ドットのサイズを規定する。本実施形態では、非記録、小ドット、中ドットおよび大ドットの4階調を表現するために、データ信号Dataは、上位ビット(MSB)および下位ビット(LSB)の2ビットで構成される。
データ信号Dataは、クロック信号Sckに同期してノズルごとに、ヘッドユニット20の主走査に合わせて制御部100からシリアルで供給される。シリアルで供給されたデータ信号Dataを、ノズルに対応して2ビット分、一旦保持するための構成がシフトレジスタ212である。
詳細には、圧電素子60(ノズル)に対応した段数のシフトレジスタ212が互いに縦続接続されるとともに、シリアルで供給されたデータ信号Dataが、クロック信号Sckにしたがって順次後段に転送される構成となっている。
なお、圧電素子60の個数をm(mは複数)としたときに、シフトレジスタ212を区別するために、データ信号Dataが供給される上流側から順番に1段、2段、…、m段と表記している。
データ信号Dataは、クロック信号Sckに同期してノズルごとに、ヘッドユニット20の主走査に合わせて制御部100からシリアルで供給される。シリアルで供給されたデータ信号Dataを、ノズルに対応して2ビット分、一旦保持するための構成がシフトレジスタ212である。
詳細には、圧電素子60(ノズル)に対応した段数のシフトレジスタ212が互いに縦続接続されるとともに、シリアルで供給されたデータ信号Dataが、クロック信号Sckにしたがって順次後段に転送される構成となっている。
なお、圧電素子60の個数をm(mは複数)としたときに、シフトレジスタ212を区別するために、データ信号Dataが供給される上流側から順番に1段、2段、…、m段と表記している。
ラッチ回路214は、シフトレジスタ212で保持されたデータ信号Dataを制御信号LATの立ち上がりでラッチする。
デコーダー216は、ラッチ回路214によってラッチされた2ビットのデータ信号Dataをデコードして、制御信号LATと制御信号CHとで規定される期間T1、T2ごとに、選択信号Sa、Sbを出力して、選択部230での選択を規定する。
デコーダー216は、ラッチ回路214によってラッチされた2ビットのデータ信号Dataをデコードして、制御信号LATと制御信号CHとで規定される期間T1、T2ごとに、選択信号Sa、Sbを出力して、選択部230での選択を規定する。
図7は、デコーダー216におけるデコード内容を示す図である。
この図において、ラッチされた2ビットの印刷データDataについては(MSB、LSB)と表記している。デコーダー216は、例えばラッチされた印刷データDataが(0、1)であれば、選択信号Sa、Sbの論理レベルを、期間T1ではそれぞれH、Lレベルとし、期間T2ではそれぞれL、Hレベルとして、出力するということを意味している。
なお、選択信号Sa、Sbの論理レベルについては、クロック信号Sck、印刷データData、制御信号LAT、CHの論理レベルよりも、レベルシフター(図示省略)によって、高振幅論理にレベルシフトされる。
この図において、ラッチされた2ビットの印刷データDataについては(MSB、LSB)と表記している。デコーダー216は、例えばラッチされた印刷データDataが(0、1)であれば、選択信号Sa、Sbの論理レベルを、期間T1ではそれぞれH、Lレベルとし、期間T2ではそれぞれL、Hレベルとして、出力するということを意味している。
なお、選択信号Sa、Sbの論理レベルについては、クロック信号Sck、印刷データData、制御信号LAT、CHの論理レベルよりも、レベルシフター(図示省略)によって、高振幅論理にレベルシフトされる。
図8は、図2における圧電素子60(ノズル651)の1個分に対応する選択部230の構成を示す図である。
この図に示されるように、選択部230は、インバーター(NOT回路)232a、232bと、トランスファーゲート234a、234bとを有する。
デコーダー216からの選択信号Saは、トランスファーゲート234aにおいて丸印が付されていない正制御端に供給される一方で、インバーター232aによって論理反転されて、トランスファーゲート234aにおいて丸印が付された負制御端に供給される。同様に、選択信号Sbは、トランスファーゲート234bの正制御端に供給される一方で、インバーター232bによって論理反転されて、トランスファーゲート234bの負制御端に供給される。
トランスファーゲート234aの入力端には、駆動信号COM−Aが供給され、トランスファーゲート234bの入力端には、駆動信号COM−Bが供給される。トランスファーゲート234a、234bの出力端同士は、共通接続されるとともに、対応する圧電素子60の一端に接続される。
トランスファーゲート234aは、選択信号SaがHレベルであれば、入力端および出力端の間を導通(オン)させ、選択信号SaがLレベルであれば、入力端と出力端との間を非導通(オフ)させる。トランスファーゲート234bについても同様に選択信号Sbに応じて、入力端および出力端の間をオンオフさせる。
この図に示されるように、選択部230は、インバーター(NOT回路)232a、232bと、トランスファーゲート234a、234bとを有する。
デコーダー216からの選択信号Saは、トランスファーゲート234aにおいて丸印が付されていない正制御端に供給される一方で、インバーター232aによって論理反転されて、トランスファーゲート234aにおいて丸印が付された負制御端に供給される。同様に、選択信号Sbは、トランスファーゲート234bの正制御端に供給される一方で、インバーター232bによって論理反転されて、トランスファーゲート234bの負制御端に供給される。
トランスファーゲート234aの入力端には、駆動信号COM−Aが供給され、トランスファーゲート234bの入力端には、駆動信号COM−Bが供給される。トランスファーゲート234a、234bの出力端同士は、共通接続されるとともに、対応する圧電素子60の一端に接続される。
トランスファーゲート234aは、選択信号SaがHレベルであれば、入力端および出力端の間を導通(オン)させ、選択信号SaがLレベルであれば、入力端と出力端との間を非導通(オフ)させる。トランスファーゲート234bについても同様に選択信号Sbに応じて、入力端および出力端の間をオンオフさせる。
次に、選択制御部210と選択部230との動作について図5を参照して説明する。
データ信号Dataが、制御部100からノズル毎に、クロック信号Sckに同期してシリアルで供給されて、ノズルに対応するシフトレジスタ212において順次転送される。そして、制御部100がクロック信号Sckの供給を停止させると、シフトレジスタ212のそれぞれには、ノズルに対応したデータ信号Dataが保持された状態になる。なお、データ信号Dataは、シフトレジスタ222における最終m段、…、2段、1段のノズルに対応した順番で供給される。
ここで、制御信号LATが立ち上がると、ラッチ回路214のそれぞれは、シフトレジスタ212に保持されたデータ信号Dataを一斉にラッチする。図5において、L1、L2、…、Lmは、データ信号Dataが、1段、2段、…、m段のシフトレジスタ212に対応するラッチ回路214によってラッチされたデータ信号Dataを示している。
ここで、制御信号LATが立ち上がると、ラッチ回路214のそれぞれは、シフトレジスタ212に保持されたデータ信号Dataを一斉にラッチする。図5において、L1、L2、…、Lmは、データ信号Dataが、1段、2段、…、m段のシフトレジスタ212に対応するラッチ回路214によってラッチされたデータ信号Dataを示している。
デコーダー216は、ラッチされたデータ信号Dataで規定されるドットのサイズに応じて、期間T1、T2のそれぞれにおいて、選択信号Sa、Saの論理レベルを図7に示されるような内容で出力する。
すなわち、第1に、デコーダー216は、当該データ信号Dataが(1、1)であって、大ドットのサイズを規定する場合、選択信号Sa、Sbを、期間T1においてH、Lレベルとし、期間T2においてもH、Lレベルとする。第2に、デコーダー216は、当該データ信号Dataが(0、1)であって、中ドットのサイズを規定する場合、選択信号Sa、Sbを、期間T1においてH、Lレベルとし、期間T2においてL、Hレベルとする。第3に、デコーダー216は、当該データ信号Dataが(1、0)であって、小ドットのサイズを規定する場合、選択信号Sa、Sbを、期間T1においてL、Lレベルとし、期間T2においてL、Hレベルとする。第4に、デコーダー216は、当該データ信号Dataが(0、0)であって、非記録を規定する場合、選択信号Sa、Sbを、期間T1においてL、Hレベルとし、期間T2においてL、Lレベルとする。
すなわち、第1に、デコーダー216は、当該データ信号Dataが(1、1)であって、大ドットのサイズを規定する場合、選択信号Sa、Sbを、期間T1においてH、Lレベルとし、期間T2においてもH、Lレベルとする。第2に、デコーダー216は、当該データ信号Dataが(0、1)であって、中ドットのサイズを規定する場合、選択信号Sa、Sbを、期間T1においてH、Lレベルとし、期間T2においてL、Hレベルとする。第3に、デコーダー216は、当該データ信号Dataが(1、0)であって、小ドットのサイズを規定する場合、選択信号Sa、Sbを、期間T1においてL、Lレベルとし、期間T2においてL、Hレベルとする。第4に、デコーダー216は、当該データ信号Dataが(0、0)であって、非記録を規定する場合、選択信号Sa、Sbを、期間T1においてL、Hレベルとし、期間T2においてL、Lレベルとする。
図9は、データ信号Dataに応じて選択されて、圧電素子60の一端に供給される駆動信号の電圧波形を示す図である。
データ信号Dataが(1、1)であるとき、選択信号Sa、Sbは、期間T1においてH、Lレベルとなるので、トランスファーゲート234aがオンし、トランスファーゲート234bがオフする。このため、期間T1において駆動信号COM−Aの台形波形Adp1が選択される。選択信号Sa、Sbは期間T2においてもH、Lレベルとなるので、選択部230は、駆動信号COM−Aの台形波形Adp2を選択する。
このように期間T1において台形波形Adp1が選択され、期間T2において台形波形Adp2が選択されて、駆動信号として圧電素子60の一端に供給されると、当該圧電素子60に対応したノズル651から、中程度の量のインクが2回にわけて吐出される。このため、印刷媒体Pにはそれぞれのインクが着弾し合体して、結果的に、データ信号Dataで規定される通りの大ドットが形成されることになる。
データ信号Dataが(1、1)であるとき、選択信号Sa、Sbは、期間T1においてH、Lレベルとなるので、トランスファーゲート234aがオンし、トランスファーゲート234bがオフする。このため、期間T1において駆動信号COM−Aの台形波形Adp1が選択される。選択信号Sa、Sbは期間T2においてもH、Lレベルとなるので、選択部230は、駆動信号COM−Aの台形波形Adp2を選択する。
このように期間T1において台形波形Adp1が選択され、期間T2において台形波形Adp2が選択されて、駆動信号として圧電素子60の一端に供給されると、当該圧電素子60に対応したノズル651から、中程度の量のインクが2回にわけて吐出される。このため、印刷媒体Pにはそれぞれのインクが着弾し合体して、結果的に、データ信号Dataで規定される通りの大ドットが形成されることになる。
データ信号Dataが(0、1)であるとき、選択信号Sa、Sbは、期間T1においてH、Lレベルとなるので、トランスファーゲート234aがオンし、トランスファーゲート234bはオフする。このため、期間T1において駆動信号COM−Aの台形波形Adp1が選択される。次に、選択信号Sa、Sbは期間T2においてL、Hレベルとなるので、駆動信号COM−Bの台形波形Bdp2が選択される。
したがって、ノズルから、中程度および小程度の量のインクが2回にわけて吐出される。このため、印刷媒体Pには、それぞれのインクが着弾して合体して、結果的に、データ信号Dataで規定された通りの中ドットが形成されることになる。
したがって、ノズルから、中程度および小程度の量のインクが2回にわけて吐出される。このため、印刷媒体Pには、それぞれのインクが着弾して合体して、結果的に、データ信号Dataで規定された通りの中ドットが形成されることになる。
データ信号Dataが(1、0)であるとき、選択信号Sa、Sbは、期間T1においてともにLレベルとなるので、トランスファーゲート234a、234bがオフする。このため、期間T1において台形波形Adp1、Bdp1のいずれも選択されない。トランスファーゲート234a、234bがともにオフする場合、当該トランスファーゲート234a、234bの出力端同士の接続点から圧電素子60の一端までの経路は、電気的にどの部分にも接続されないハイ・インピーダンス状態になる。ただし、圧電素子60は、自己が有する容量性によって、トランスファーゲートがオフする直前の電圧(Vc−VBS)を保持する。
次に、選択信号Sa、Sbは期間T2においてL、Hレベルとなるので、駆動信号COM−Bの台形波形Bdp2が選択される。このため、ノズル651から、期間T2においてのみ小程度の量のインクが吐出されるので、印刷媒体Pには、データ信号Dataで規定された通りの小ドットが形成されることになる。
データ信号Dataが(0、0)であるとき、選択信号Sa、Sbは、期間T1においてL、Hレベルとなるので、トランスファーゲート234aがオフし、トランスファーゲート234bがオンする。このため、期間T1において駆動信号COM−Bの台形波形Bdp1が選択される。次に、選択信号Sa、Sbは期間T2においてともにLレベルとなるので、台形波形Adp2、Bdp2のいずれも選択されない。
このため、期間T1においてノズル651の開孔部付近のインクが微振動するのみであり、インクは吐出されないので、結果的に、ドットが形成されない、すなわち、データ信号Dataで規定された通りの非記録になる。
このため、期間T1においてノズル651の開孔部付近のインクが微振動するのみであり、インクは吐出されないので、結果的に、ドットが形成されない、すなわち、データ信号Dataで規定された通りの非記録になる。
このように、選択部230は、選択制御部210による指示にしたがって駆動信号COM−A、COM−Bを選択し(または選択しないで)、圧電素子60の一端に供給する。このため、各圧電素子60は、データ信号Dataで規定されるドットのサイズに応じて駆動されることになる。
なお、図5に示した駆動信号COM−A、COM−Bはあくまでも一例である。実際には、ヘッドユニット20の移動速度や印刷媒体Pの性質などに応じて、予め用意された様々な波形の組み合わせが用いられる。
また、ここでは、圧電素子60が、電圧の上昇に伴って上方向に撓む例で説明したが、電極611、612に供給する電圧を逆転させると、圧電素子60は、電圧の上昇に伴って下方向に撓むことになる。このため、圧電素子60が、電圧の上昇に伴って下方向に撓む構成では、図に例示した駆動信号COM−A、COM−Bが、電圧Vcを基準に反転した波形となる。
なお、図5に示した駆動信号COM−A、COM−Bはあくまでも一例である。実際には、ヘッドユニット20の移動速度や印刷媒体Pの性質などに応じて、予め用意された様々な波形の組み合わせが用いられる。
また、ここでは、圧電素子60が、電圧の上昇に伴って上方向に撓む例で説明したが、電極611、612に供給する電圧を逆転させると、圧電素子60は、電圧の上昇に伴って下方向に撓むことになる。このため、圧電素子60が、電圧の上昇に伴って下方向に撓む構成では、図に例示した駆動信号COM−A、COM−Bが、電圧Vcを基準に反転した波形となる。
このように本実施形態において、印刷媒体Pに対して1ドットは単位期間である周期Taを単位として形成される。このため、周期Taにおいて(最多で)2回のインク滴の吐出により1ドットを形成する本実施形態では、インクの吐出周波数fは2/Taとなり、ドット間隔Dは、ヘッドユニットの移動速度vを、インクの吐出周波数f(=2/Ta)で除した値となる。
一般に、単位期間Tにおいてインク滴がQ(Qは2以上の整数)回吐出可能であって、当該Q回のインク滴の吐出で1ドットが形成される場合、インクの吐出周波数fはQ/Tと表すことができる。
本実施形態のように、印刷媒体Pに異なるサイズのドットを形成する場合の方が、1回のインク滴の吐出で1ドットを形成する場合と比較して、1ドットを形成するために要する時間(周期)が同じでも、1回のインク滴を1回吐出するため時間を短くする必要がある。
なお、2以上のインク滴を結合させないで2以上のドットを形成する第3方法については、特段の説明は要しないであろう。
一般に、単位期間Tにおいてインク滴がQ(Qは2以上の整数)回吐出可能であって、当該Q回のインク滴の吐出で1ドットが形成される場合、インクの吐出周波数fはQ/Tと表すことができる。
本実施形態のように、印刷媒体Pに異なるサイズのドットを形成する場合の方が、1回のインク滴の吐出で1ドットを形成する場合と比較して、1ドットを形成するために要する時間(周期)が同じでも、1回のインク滴を1回吐出するため時間を短くする必要がある。
なお、2以上のインク滴を結合させないで2以上のドットを形成する第3方法については、特段の説明は要しないであろう。
続いて、駆動回路50について説明する。2つの駆動回路50について概略すると、次のようにして駆動信号COM−A(COM−B)を生成する。すなわち、2つの駆動回路50のうち、一方は、第1に、制御部100から供給されるデータdAをアナログ変換し、第2に、出力される駆動信号COM−Aを帰還するとともに、当該駆動信号COM−Aに基づく信号(減衰信号)と目標信号との偏差を、当該駆動信号COM−Aの高周波成分で補正して、当該補正した信号にしたがって変調信号を生成し、第3に、当該変調信号にしたがってトランジスターをスイッチングすることによって増幅変調信号を生成し、第4に、当該増幅変調信号をローパスフィルターで平滑化して、当該平滑化した信号を駆動信号COM−Aとして出力する。
なお、2つの駆動回路50のうち、他方についても同様な構成であり、データdBから駆動信号COM−Bを出力する点についてのみ異なる。そこで、便宜的に、駆動回路COM−Aを出力する駆動回路50を例にとって説明する。
なお、2つの駆動回路50のうち、他方についても同様な構成であり、データdBから駆動信号COM−Bを出力する点についてのみ異なる。そこで、便宜的に、駆動回路COM−Aを出力する駆動回路50を例にとって説明する。
図10は、駆動回路50の回路構成を示す図である。
この図に示されるように、駆動回路50は、LSI500や、トランジスターM3、M4のほか、抵抗やコンデンサーなどの各種素子から構成される。
なお、図10では、駆動信号COM−Aを出力するための構成を示しているが、LSI500については、実際には、2系統の駆動信号COM−AおよびCOM−Bの双方を生成するための回路が1個にパッケージ化されている。
この図に示されるように、駆動回路50は、LSI500や、トランジスターM3、M4のほか、抵抗やコンデンサーなどの各種素子から構成される。
なお、図10では、駆動信号COM−Aを出力するための構成を示しているが、LSI500については、実際には、2系統の駆動信号COM−AおよびCOM−Bの双方を生成するための回路が1個にパッケージ化されている。
LSI(Large Scale Integration)500は、制御部100からピンD0〜D9を介して入力した10ビットのデータdAに基づいて、トランジスターM3、M4のそれぞれにゲート信号を出力するものである。このため、LSI500は、DAC(Digital to Analog Converter)502と、加算器504、506と、積分減衰器512、減衰器514と、コンパレーター520と、NOT回路522と、ゲートドライバー533、534と、を含む。
DAC502は、駆動信号COM−Aの波形を規定するデータdAを、アナログ信号Aaに変換し、加算器504の入力端(−)に供給する。なお、このアナログ信号Aaの電圧振幅は、例えば0〜2ボルト程度であり、この電圧を約20倍に増幅したものが、駆動信号COM−Aとなる。つまり、アナログ信号Aaは、駆動信号COM−Aの増幅前の目標となる信号である。
積分減衰器512は、ピンVfbを介して入力した端子Outの電圧、すなわち、駆動信号COM−Aを減衰するとともに、積分して、加算器504の入力端(+)に供給する。
加算器504は、入力端(+)の電圧から入力端(−)の電圧を差し引いて積分した電圧の信号Abを加算器506の入力端の一方に供給する。
なお、DAC502からNOT回路522までに至る回路の電源電圧は、低振幅の3.3ボルト(電圧Vdd)である。このため、アナログ信号Aaの電圧が最大でも2ボルト程度であるのに対し、駆動信号COM−Aの電圧が最大で40ボルトを超える場合があるので、偏差を求めるにあたって両電圧の振幅範囲を合わせるため、駆動信号COM−Aの電圧を積分減衰器512によって減衰させている。
積分減衰器512は、ピンVfbを介して入力した端子Outの電圧、すなわち、駆動信号COM−Aを減衰するとともに、積分して、加算器504の入力端(+)に供給する。
加算器504は、入力端(+)の電圧から入力端(−)の電圧を差し引いて積分した電圧の信号Abを加算器506の入力端の一方に供給する。
なお、DAC502からNOT回路522までに至る回路の電源電圧は、低振幅の3.3ボルト(電圧Vdd)である。このため、アナログ信号Aaの電圧が最大でも2ボルト程度であるのに対し、駆動信号COM−Aの電圧が最大で40ボルトを超える場合があるので、偏差を求めるにあたって両電圧の振幅範囲を合わせるため、駆動信号COM−Aの電圧を積分減衰器512によって減衰させている。
減衰器514は、ピンIfbを介して入力した駆動信号COM−Aの高周波成分を減衰して、加算器506の入力端の他方に供給する。加算器506は、入力端の一方における電圧と他方における電圧とを加算した電圧の信号Asを、コンパレーター520に供給する。減衰器514による減衰は、積分減衰器512と同様に、駆動信号COM−Aを帰還するにあたって、振幅を合わせるためである。
加算器506から出力される信号Asの電圧は、ピンVfbに供給された信号の減衰電圧から、アナログ信号Aaの電圧を差し引いて、 ピンIfbに供給された信号の減衰電圧を加算した電圧である。このため、加算器506による信号Abの電圧は、端子Outから出力される駆動信号COM−Aの減衰電圧から、目標であるアナログ信号Aaの電圧を指し引いた偏差を、当該駆動信号COM−Aの高周波成分で補正した信号ということができる。
加算器506から出力される信号Asの電圧は、ピンVfbに供給された信号の減衰電圧から、アナログ信号Aaの電圧を差し引いて、 ピンIfbに供給された信号の減衰電圧を加算した電圧である。このため、加算器506による信号Abの電圧は、端子Outから出力される駆動信号COM−Aの減衰電圧から、目標であるアナログ信号Aaの電圧を指し引いた偏差を、当該駆動信号COM−Aの高周波成分で補正した信号ということができる。
コンパレーター520は、加算器506による加算電圧に基づいて、次のようにパルス変調した変調信号Msを出力する。詳細には、コンパレーター520は、加算器506から出力される信号Asが電圧上昇時であれば、電圧閾値Vth1以上になったときにHレベルとなり、信号Asが電圧下降時であれば、電圧閾値Vth2を下回ったときにLレベルとなる変調信号Msを出力する。なお、後述するように、電圧閾値は、
Vth1>Vth2
という関係に設定されている。
Vth1>Vth2
という関係に設定されている。
コンパレーター520による変調信号Msは、NOT回路522による論理反転を経て、ゲートドライバー534に供給される。一方、ゲートドライバー533には、論理反転を経ることなく変調信号Msが供給される。このため、ゲートドライバー533、534に供給される論理レベルは互いに排他的な関係にある。
ゲートドライバー533、534に供給される論理レベルは、実際には、同時にHレベルとはならないように(トランジスターM3、M4が同時にオンしないように)、タイミング制御しても良い。このため、ここでいう排他的とは、厳密にいえば、同時にHレベルになることがない(トランジスターM3、M4でいえば、同時にオンすることがない)、という意味である。
ところで、ここでいう変調信号は、狭義には、変調信号Msであるが、信号Aaに応じてパルス変調したものと考えれば、変調信号Msの否定信号(NOT回路522も変調信号に含まれる。すなわち、信号Aaに応じてパルス変調した変調信号には、変調信号Msのみならず、当該変調信号Msの論理レベルを反転させたものや、タイミング制御されたものが含まれる。
なお、コンパレーター520が変調信号Msを出力するので、当該コンパレーター520に致るまでの回路、すなわち、DAC502と、加算器504、506と、積分減衰器512、減衰器514と、コンパレーター520とが変調信号Msを生成する変調回路ということができる。
また、図10に示した構成では、デジタルのデータdAをDAC502によってアナログの信号Aaに変換したが、DAC502を介することなく、例えば制御部100による指示にしたがって外部回路から信号Aaの供給を受けても良い。デジタルのデータdAにしても、アナログの信号Aaにしても、駆動信号COM−Aの波形を生成するにあたっての目標値を規定しているので、源信号であることには変わりはない。
また、図10に示した構成では、デジタルのデータdAをDAC502によってアナログの信号Aaに変換したが、DAC502を介することなく、例えば制御部100による指示にしたがって外部回路から信号Aaの供給を受けても良い。デジタルのデータdAにしても、アナログの信号Aaにしても、駆動信号COM−Aの波形を生成するにあたっての目標値を規定しているので、源信号であることには変わりはない。
ゲートドライバー534は、コンパレーター520の出力信号である低論理振幅(Lレベル:0ボルト、Hレベル:3.3ボルト)を高論理振幅(例えばLレベル:0ボルト、Hレベル:7.5ボルト)にレベルシフトして、ピンLdrから出力する。ゲートドライバー534の電源電圧のうち、高位側として、ピンGvdを介して電圧Vm(例えば12ボルト)が印加され、低位側として、ピンGndを介して電圧ゼロが印加される、すなわちピンGvdはグラウンドに接地される。また、ピンGvdは、逆流防止用のダイオードD2のカソード電極に接続され、当該ダイオードD2のアノード電極は、コンデンサーC12の一端とピンBstとに接続される。
ゲートドライバー533は、NOT回路522の出力信号である低論理振幅を高論理振幅にレベルシフトして、ピンHdrから出力する。ゲートドライバー533の電源電圧のうち、高位側は、ピンBstを介して印加される電圧であり、低位側は、ピンSwを介して印加される電圧である。ピンSwは、トランジスターM3におけるソース電極、トランジスターM4におけるドレイン電極、コンデンサーC12の他端、および、インダクターL2の一端に接続される。
トランジスターM3、M4は、例えばNチャンネル型のFET(Field Effect Transistor)である。このうち、ハイサイドのトランジスターM3において、ドレイン電極には、電圧Vh(例えば42ボルト)が印加され、ゲート電極が、抵抗R8を介してピンHdrに接続される。ローサイドのトランジスターM4については、ゲート電極が、抵抗R9を介してピンLdrに接続され、ソース電極が、グラウンドに接地されている。
インダクターL2の他端は、この駆動回路50で出力となる端子Outであり、当該端子Outから駆動信号COM−Aが、ヘッドユニット20に、フレキシブルケーブル190(図1および図2参照)を介して供給される。
端子Outは、コンデンサーC10の一端と、コンデンサーC22の一端と、抵抗R4の一端と、にそれぞれ接続される。このうち、コンデンサーC10の他端は、グラウンドに接地されている。このため、インダクターLとコンデンサーC10とは、トランジスターM3、M4の接続点に現れる増幅変調信号を平滑化するLPF(Low Pass Filter)として機能する。
抵抗R4の他端は、ピンVfbおよび抵抗R23の一端に接続され、当該抵抗R23の他端には電圧Vhが印加される。これにより、ピンVfbには、端子Outからの駆動信号COM−Aがプルアップされて帰還されることになる。
一方、コンデンサーC22の他端は、抵抗R5の一端と抵抗R32の一端とに接続される。このうち、抵抗R5の他端はグラウンドに接地される。このため、コンデンサーC22と抵抗R5とは、端子Outからの駆動信号COM−Aのうち、カットオフ周波数以上の高周波成分を通過させるHPF(High Pass Filter)として機能する。なお、HPFのカットオフ周波数は、例えば約9MHzに設定される。
また、抵抗R32の他端は、コンデンサーC20の一端とコンデンサーC58の一端とに接続される。このうち、コンデンサーC58の他端はグラウンドに接地される。このため、抵抗R32とコンデンサーC58とは、上記HPFを通過した信号成分のうち、カットオフ周波数以下の低周波成分を通過させるLPF(Low Pass Filter)として機能する。なお、LPFのカットオフ周波数は、例えば約160MHzに設定される。
上記HPFのカットオフ周波数は、上記LPFのカットオフ周波数よりも低く設定されているので、HPFとLPFとは、駆動信号COM−Aのうち、所定の周波数域の高周波成分を通過させるBPF(Band Pass Filter)として機能する。
上記HPFのカットオフ周波数は、上記LPFのカットオフ周波数よりも低く設定されているので、HPFとLPFとは、駆動信号COM−Aのうち、所定の周波数域の高周波成分を通過させるBPF(Band Pass Filter)として機能する。
コンデンサーC20の他端は、LSI500のピンIfbに接続される。これにより、ピンIfbには、上記BPFを通過した駆動信号COM−Aの高周波成分のうち、直流成分がカットされて帰還されることになる。
ところで、端子Outから出力される駆動信号COM−Aは、トランジスターM3、M4の接続点(ピンSw)における増幅変調信号を、インダクターL2およびコンデンサーC10からなるローパスフィルターによって平滑化した信号である。この駆動信号COM−Aは、ピンVfbを介して積分・減算された上で、加算器504に正帰還されるので、帰還の遅延(インダクターL2およびコンデンサーC10の平滑化による遅延と、積分減衰器512による遅延と、の和)と、帰還の伝達関数で定まる周波数で自励発振することになる。
ただし、ピンVfbを介した帰還経路の遅延量が大であるために、当該ピンVfbを介した帰還のみでは、自励発振の周波数を、駆動信号COM−Aの精度を十分に確保できるほど高くすることができない。
そこで、本実施形態では、ピンVfbを介した経路とは別に、ピンIfbを介して、駆動信号COM−Aの高周波成分を帰還する経路を設けることによって、回路全体でみたときの遅延を小さくしている。このため、信号Abに、駆動信号COM−Aの高周波成分を加算した信号Asの周波数は、ピンIfbを介した経路が存在しない場合と比較して、駆動信号COM−Aの精度を十分に確保できるほど高くなる。
ただし、ピンVfbを介した帰還経路の遅延量が大であるために、当該ピンVfbを介した帰還のみでは、自励発振の周波数を、駆動信号COM−Aの精度を十分に確保できるほど高くすることができない。
そこで、本実施形態では、ピンVfbを介した経路とは別に、ピンIfbを介して、駆動信号COM−Aの高周波成分を帰還する経路を設けることによって、回路全体でみたときの遅延を小さくしている。このため、信号Abに、駆動信号COM−Aの高周波成分を加算した信号Asの周波数は、ピンIfbを介した経路が存在しない場合と比較して、駆動信号COM−Aの精度を十分に確保できるほど高くなる。
図11は、信号Asと変調信号Msとの波形を、アナログ信号Aaとの波形と関連付けて示す図である。
この図に示されるように、信号Asは三角波であり、その発振周波数は、アナログ信号Aaの電圧(入力電圧)に応じて変動する。具体的には、入力電圧が中間値である場合に最も高くなり、入力電圧が中間値から高くなるにつれて、または、低くなるにつれて低くなる。
この図に示されるように、信号Asは三角波であり、その発振周波数は、アナログ信号Aaの電圧(入力電圧)に応じて変動する。具体的には、入力電圧が中間値である場合に最も高くなり、入力電圧が中間値から高くなるにつれて、または、低くなるにつれて低くなる。
また、信号Asにおいて三角波の傾斜は、入力電圧が中間値付近であれば、上り(電圧の上昇)と下り(電圧の下降)とでほぼ等しくなる。このため、信号Asをコンパレーター520によって電圧閾値Vth1、Vth2と比較した結果である変調信号Msのデューティー比は、ほぼ50%となる。入力電圧が中間値から高くなると、信号Asの下りの傾斜が緩くなる。このため、変調信号MsがHレベルとなる期間が相対的に長くなって、デューティー比が大きくなる。一方、入力電圧が中間値から低くなるにつれて、信号Asの上りの傾斜が緩くなる。このため、変調信号MsがLレベルとなる期間が相対的に短くなって、デューティー比が小さくなる。
このため、変調信号Msは、次のようなパルス密度変調信号となる。すなわち、変調信号Msのデューティー比は、入力電圧の中間値でほぼ50%であり、入力電圧が中間値よりも高くなるにつれて大きくなり、入力電圧が中間値よりも低くなるにつれて小さくなる。
このため、変調信号Msは、次のようなパルス密度変調信号となる。すなわち、変調信号Msのデューティー比は、入力電圧の中間値でほぼ50%であり、入力電圧が中間値よりも高くなるにつれて大きくなり、入力電圧が中間値よりも低くなるにつれて小さくなる。
ゲートドライバー533は、変調信号Msに基づいてトランジスターM3をオン/オフさせる。すなわち、ゲートドライバー533は、トランジスターM3を、変調信号MsがHレベルであればオンさせ、変調信号MsがLレベルであればオフさせる。ゲートドライバー534は、変調信号Msの論理反転信号に基づいてトランジスターM4をオン/オフさせる。すなわち、ゲートドライバー534は、トランジスターM4を、変調信号MsがHレベルであればオフさせ、変調信号MsがLレベルであればオンさせる。
したがって、トランジスターM3、M4の接続点における増幅変調信号をインダクターL2およびコンデンサーC10で平滑化した駆動信号COM−Aの電圧は、変調信号Msのデューティー比が大きくなるにつれて高くなり、デューティー比が小さくなるにつれて低くなるので、結果的に、駆動信号COM−Aは、アナログ信号Aaの電圧を拡大した信号となるように制御されて、出力されることになる。
したがって、トランジスターM3、M4の接続点における増幅変調信号をインダクターL2およびコンデンサーC10で平滑化した駆動信号COM−Aの電圧は、変調信号Msのデューティー比が大きくなるにつれて高くなり、デューティー比が小さくなるにつれて低くなるので、結果的に、駆動信号COM−Aは、アナログ信号Aaの電圧を拡大した信号となるように制御されて、出力されることになる。
この駆動回路50は、パルス密度変調を用いているので、変調周波数が固定のパルス幅変調と比較して、デューティー比の変化幅を大きく取れる、という利点がある。
すなわち、回路全体で扱うことができる最小の正パルス幅と負パルス幅はその回路特性で制約されるので、周波数固定のパルス幅変調では、デューティー比の変化幅として所定の範囲(例えば10%から90%までの範囲)しか確保できない。これに対し、パルス密度変調では、入力電圧が中間値から離れるにつれて、発振周波数が低くなるため、入力電圧が高い領域においては、デューティー比をより大きくすることができ、また、入力電圧が低い領域においては、デューティー比をより小さくすることができる。このため、自励発振型パルス密度変調では、デューティー比の変化幅として、より広い範囲(例えば5%から95%までの範囲)を確保することができるのである。
すなわち、回路全体で扱うことができる最小の正パルス幅と負パルス幅はその回路特性で制約されるので、周波数固定のパルス幅変調では、デューティー比の変化幅として所定の範囲(例えば10%から90%までの範囲)しか確保できない。これに対し、パルス密度変調では、入力電圧が中間値から離れるにつれて、発振周波数が低くなるため、入力電圧が高い領域においては、デューティー比をより大きくすることができ、また、入力電圧が低い領域においては、デューティー比をより小さくすることができる。このため、自励発振型パルス密度変調では、デューティー比の変化幅として、より広い範囲(例えば5%から95%までの範囲)を確保することができるのである。
また、駆動回路50は、自励発振であり、他励発振のように高い周波数の搬送波を生成する回路が不要である。このため、高電圧を扱う回路以外の、すなわちLSI500の部分の、集積化が容易である、という利点がある。
加えて、駆動回路50では、駆動信号COM−Aの帰還経路として、ピンVfbを介した経路だけでなく、ピンIfbを介して高周波成分を帰還する経路があるので、回路全体でみたときの遅延が小さくなる。このため、自励発振の周波数が高くなるので、駆動回路50は、駆動信号COM−Aを精度良く生成することが可能になる。
加えて、駆動回路50では、駆動信号COM−Aの帰還経路として、ピンVfbを介した経路だけでなく、ピンIfbを介して高周波成分を帰還する経路があるので、回路全体でみたときの遅延が小さくなる。このため、自励発振の周波数が高くなるので、駆動回路50は、駆動信号COM−Aを精度良く生成することが可能になる。
このような駆動回路50は、コンデンサーや抵抗などの各種の素子を多層のプリント回路基板に実装することによって構成される。そこで次に、プリント回路基板における各種の素子が実装される状態や、当該プリント回路基板における配線の引き回しなどについて説明する。
なお、このプリント回路基板は、4層基板としている。後述するように、プリント回路基板は、第1層から第4層までの配線パターンが絶縁層を挟んで積層されるとともに、スルーホールを介して異なる層の配線パターン同士が適宜電気的に接続された構造となっている。この説明において、層とは、絶縁層ではなく、絶縁層の界面に形成された配線パターンの構成層を指す。
なお、このプリント回路基板は、4層基板としている。後述するように、プリント回路基板は、第1層から第4層までの配線パターンが絶縁層を挟んで積層されるとともに、スルーホールを介して異なる層の配線パターン同士が適宜電気的に接続された構造となっている。この説明において、層とは、絶縁層ではなく、絶縁層の界面に形成された配線パターンの構成層を指す。
図12は、プリント回路基板のうち、駆動回路50の構成領域周辺における第1層の配線パターンを示す図である。同様に、図13から図15までは、当該プリント回路基板における第2層、第3層、第4層の配線パターンを示す図である。
なお、図12乃至図15において、第1層、第2層、第3層および第4層とは、プリント回路基板を構成する4層を実装面から順に便宜的に付与した名称である。このため、第1層および第4層が表面層となり、第2層および第3層が表面層以外の層となる。また、図12乃至図15は、いずれもプリント回路基板を実装面から平面視したときの状態を示している。
なお、図12乃至図15において、第1層、第2層、第3層および第4層とは、プリント回路基板を構成する4層を実装面から順に便宜的に付与した名称である。このため、第1層および第4層が表面層となり、第2層および第3層が表面層以外の層となる。また、図12乃至図15は、いずれもプリント回路基板を実装面から平面視したときの状態を示している。
また、図12乃至図15において、斜線でハッチングを施した領域が銅箔をパターニングした配線パターンである。ここで、ある層の配線パターンにおいて、黒色で塗り潰した円形の領域は、当該層の配線パターンを、他の層の配線パターンに接続するためのスルーホール(ビア)である。また、各層において、ハッチングが施されていない領域は、配線パターンが設けられない領域であり、このうち、白抜きの円形部分は、当該ある層の配線パターンとは接続せずに、他の層の配線パターン同士を接続するために設けられたスルーホールの開孔部分を示している。
また、図12における第1層の配線パターンにおいて、黒色で塗り潰した矩形状の領域は、各種の素子を接続するための端子(ターミナルではなく、プリント回路基板における接続部位、ランドとも呼ばれる)である。なお、表面層の第1層および第4層の配線パターンは、スルーホールおよび端子を除き、ソルダーレジスト(図示省略)で保護される。換言すれば、プリント回路基板において端子およびスルーホールは、配線パターンの露出部分ということもできる。
また、図12における第1層の配線パターンにおいて、黒色で塗り潰した矩形状の領域は、各種の素子を接続するための端子(ターミナルではなく、プリント回路基板における接続部位、ランドとも呼ばれる)である。なお、表面層の第1層および第4層の配線パターンは、スルーホールおよび端子を除き、ソルダーレジスト(図示省略)で保護される。換言すれば、プリント回路基板において端子およびスルーホールは、配線パターンの露出部分ということもできる。
図16は、当該プリント回路基板において、駆動回路50を構成する素子の配置を示す平面図であり、図17は、駆動回路50の等価回路を、当該プリント回路基板に実装された素子の配置との関係で示す図である。また、図18は、LSI500のピンアサイン、すなわち、デュアル・イン・ラインで配列するピンの割り当てを示す図である。
なお、図12乃至図17は、プリント回路基板の平面構成を示すために縮尺を揃えているが、図18は、説明便宜のために、図12乃至図17とは縮尺を拡大させている。また、LSI500のピン番号は、図18において右上に印した黒塗りの丸印のピンが「1」であり、この1番ピンを基準に反時計回りに、ピン番号として「2」、「3」、「4」、…、「48」が付されている。
なお、図12乃至図17は、プリント回路基板の平面構成を示すために縮尺を揃えているが、図18は、説明便宜のために、図12乃至図17とは縮尺を拡大させている。また、LSI500のピン番号は、図18において右上に印した黒塗りの丸印のピンが「1」であり、この1番ピンを基準に反時計回りに、ピン番号として「2」、「3」、「4」、…、「48」が付されている。
図17に示した等価回路の配線のうち、実線は、第1層(図12参照)の配線パターンで構成されるものを示し、破線は、第2層から第4層までの配線パターンで構成されるものを示している。
インダクターL2の他端とコンデンサーC10の一端との接続部分である端子Outは、スルーホールN1を介して、帰還配線パターンFbl(図14参照)の一端に接続される。
インダクターL2の他端とコンデンサーC10の一端との接続部分である端子Outは、スルーホールN1を介して、帰還配線パターンFbl(図14参照)の一端に接続される。
図19は、スルーホールN1の周辺におけるプリント回路基板の構造を示す部分断面図である。
プリント回路基板90は、第1層から第4層までの配線パターンと、ガラスエポキシなどの絶縁性樹脂とを積層した構造となっている。スルーホールN1では、端子Outを含む第1層の配線パターンが貫通孔を介し、第3層の配線パターンからなる帰還配線パターンFblの一端に接続される。
なお、第2層には、スルーホールN1を介して端子Out(帰還配線パターンFbl)と接続される配線パターンが存在しないので、第2層のグラウンドの配線パターンは、領域Naにおいて、スルーホールN1の貫通部分と接触しないようにパターニングされている(図13も併せて参照)。
プリント回路基板90は、第1層から第4層までの配線パターンと、ガラスエポキシなどの絶縁性樹脂とを積層した構造となっている。スルーホールN1では、端子Outを含む第1層の配線パターンが貫通孔を介し、第3層の配線パターンからなる帰還配線パターンFblの一端に接続される。
なお、第2層には、スルーホールN1を介して端子Out(帰還配線パターンFbl)と接続される配線パターンが存在しないので、第2層のグラウンドの配線パターンは、領域Naにおいて、スルーホールN1の貫通部分と接触しないようにパターニングされている(図13も併せて参照)。
帰還配線パターンFblの他端は、スルーホールN2を介して、第1層の配線パターンにおける抵抗R4の一端およびコンデンサーC12の一端に接続される(図17参照)。なお、スルーホールN2の断面構造は、スルーホールN1とほぼ同じであるので、図示を省略する。また、第2層のグラウンドの配線パターンは、図13に示されるように、領域Nbにおいて、スルーホールN2の貫通部分と接触しないようにパターニングされている。
なお、駆動回路50において、帰還経路として、端子Outから、ピンVfbまでの経路とピンVfbまでの経路との2経路が設けられる。この帰還経路のうち、帰還配線パターンFblとは、当該上記2経路で共用される配線パターンであって、スルーホールN1からスルーホールN2までの第3層からなる配線パターンをいう。
また、スルーホールN1、N2等は、実際には、1つではなく、図12等を参照しても判るように、複数個、スルーホールN1、N2でいえば4個となっているが、これらを機能的にみれば、1個1個区別する意義はない。このため、以下においてスルーホールについては、複数個をまとめて区別しないで指していることがある。
また、スルーホールN1、N2等は、実際には、1つではなく、図12等を参照しても判るように、複数個、スルーホールN1、N2でいえば4個となっているが、これらを機能的にみれば、1個1個区別する意義はない。このため、以下においてスルーホールについては、複数個をまとめて区別しないで指していることがある。
さて、図14に示されるように、第3層の帰還配線パターンFblは、グラウンドの配線パターンに囲まれている。また、第3層における帰還配線パターンFblを平面視したときに、当該帰還配線パターンFblと平面視したときに重なる第2層(図13参照)および第4層(図15参照)の配線パターンは、いずれもグラウンドとなっている。
このため、帰還経路Fblは、同じ第3層の配線パターンによって基板平面方向にわたってグラウンドの配線パターンでシールドされるだけでなく、第2層および第4層の配線パターンによって基板鉛直方向にわたってもグラウンドの配線パターンでシールドされることになる。
このため、帰還経路Fblは、同じ第3層の配線パターンによって基板平面方向にわたってグラウンドの配線パターンでシールドされるだけでなく、第2層および第4層の配線パターンによって基板鉛直方向にわたってもグラウンドの配線パターンでシールドされることになる。
一方、図10の回路図では、端子Outから2系統に分かれて、LSI500のピンVfb、Ifbに帰還されているが、実際には、図17に示されるように、第1層の端子OutからスルーホールN1を介して帰還配線パターンFblに導かれるとともに、LSI500の手前においてスルーホールN2を介して再び第1層に導かれて、抵抗R4の一端とコンデンサーC22の一端とに分岐している。このうち、抵抗R4側の経路がピンVfbに帰還され、コンデンサーC22側の経路がピンIfbに帰還される構成となっている。
ピンVfbへの分岐経路上の抵抗R4が配置する領域は、第1層においてグラウンドのパターンで囲まれる。さらに、当該抵抗R4の一端および他端の端子間にも、グラウンドのパターンが内挿されている。なお、ピンVfbをプルアップする抵抗R23についても同様であり、配置領域がグラウンドのパターンで囲まれるとともに、端子間には、グラウンドのパターンが内挿されている。
また、ピンIfbへの分岐経路には、コンデンサーC22のほか、抵抗R32、コンデンサーC20が存在する。これらの素子が配置する領域についても、同様にグラウンドのパターンで囲まれるとともに、端子間には、グラウンドのパターンが内挿されている。
なお、抵抗R5およびコンデンサーC58は、他端そのものがグラウンドとなるために、端子間には、グラウンドのパターンが内挿されていない。
また、ピンIfbへの分岐経路には、コンデンサーC22のほか、抵抗R32、コンデンサーC20が存在する。これらの素子が配置する領域についても、同様にグラウンドのパターンで囲まれるとともに、端子間には、グラウンドのパターンが内挿されている。
なお、抵抗R5およびコンデンサーC58は、他端そのものがグラウンドとなるために、端子間には、グラウンドのパターンが内挿されていない。
トランジスターM3のドレイン電極は、スルーホールN3を介して、第3層の配線パターンおよび第4層の配線パターンに接続される。このうち、第3層の配線パターンは、スルーホールN4を介し、第1層の配線パターンによって抵抗R4の他端に接続される。
コンデンサーC12の他端(ピンSw)は、スルーホールN5を介して、第2層および第4層の配線パターンにそれぞれ接続される。これらの第2層および第4層の配線パターンは、スルーホールN6を介して、第1層におけるトランジスターM3のソース電極と、トランジスターM4のドレイン電極とに接続される。また、図15において、コンデンサーC12の他端とスルーホールN5を介して接続される第4層の配線パターンは、スルーホールN7を介して、第1層におけるインダクターL2の一端に接続される。
このため、スルーホールN5、N6の間は、第2層および第4層の配線パターン同士による並列接続となり、スルーホールN6、N7の間は、第4層の配線パターンによる単独の接続となる。
このため、スルーホールN5、N6の間は、第2層および第4層の配線パターン同士による並列接続となり、スルーホールN6、N7の間は、第4層の配線パターンによる単独の接続となる。
駆動回路50では、トランジスターM3、M4がオンオフ(スイッチング)することによって、数アンペア程度のスパイク電流が、出力である端子OutからコンデンサーC10を介してグラウンドに流れる。このため、グラウンドにはスパイク電流に起因するノイズが重畳される。
ただし、本実施形態では、帰還配線パターンFblと、当該帰還配線パターンFblの他端を接続するスルーホールN2からピンVfb、Ifbまでに至る2つ経路とは、周囲がグラウンドでシールドされている。このため、帰還経路上の素子および当該帰還経路に一端が接続された素子は、当該グラウンドを基準にして動作するので、上記ノイズの影響が低減される。したがって、本実施形態では、ノイズの影響による誤動作を発生させずに、目標信号である信号Aaに対して高精度の駆動信号COM−Aを生成して出力することができるのである。
ただし、本実施形態では、帰還配線パターンFblと、当該帰還配線パターンFblの他端を接続するスルーホールN2からピンVfb、Ifbまでに至る2つ経路とは、周囲がグラウンドでシールドされている。このため、帰還経路上の素子および当該帰還経路に一端が接続された素子は、当該グラウンドを基準にして動作するので、上記ノイズの影響が低減される。したがって、本実施形態では、ノイズの影響による誤動作を発生させずに、目標信号である信号Aaに対して高精度の駆動信号COM−Aを生成して出力することができるのである。
駆動回路50については、駆動信号COM−Aを生成する方を例にとって説明したが、駆動信号COM−Bを生成する駆動回路50についても同様な回路となる。なお、駆動信号COM−Bを生成する駆動回路50は、プリント回路基板において、図12乃至図15において、その一部が示されているように、駆動信号COM−Aを生成する駆動回路50とは、LSI500の13ピンと36ピンとを結んで延長した仮想的な直線E(図16、図17および図18参照)を基準にして、対称なパターンで構成される(一部の配線パターンやスルーホールを除く)。
なお、LSI500が、駆動信号COM−Aのみならず、駆動信号COM−B用のゲート信号を出力する場合、例えばD0〜D9にはデータdA、dBが時分割で入力される。
なお、LSI500が、駆動信号COM−Aのみならず、駆動信号COM−B用のゲート信号を出力する場合、例えばD0〜D9にはデータdA、dBが時分割で入力される。
次に、プリント回路基板におけるトランジスターM3、M4の配置、および、トランジスターM3(M4)の構造、について説明する。なお、トランジスターM3、M4には、同一性能、例えば同じ型番のものが用いられる。
図20は、プリント回路基板90において、トランジスターM3、M4が実装される位置を示す平面図であって、図12を部分的に拡大した図である。なお、図12で施していたハッチングについては、図20において、見難くなるのを避けるために付与していない。
図20において、配線パターン901は、トランジスターM3のドレイン電極と接続するための4つの端子93を含む。この配線パターン901には、また、複数のスルーホール911が設けられる。これらのスルーホール911は、すでに説明したスルーホールN3と同じであり、第1層の配線パターン901を、第3層(図14参照)および第4層(図15参照)の配線パターンにそれぞれ接続させる。なお、配線パターン901には電圧Vhが印加される。
後述するようにトランジスターM3(M4)のドレイン電極は、電極としての機能のほかに、当該トランジスターの放熱機能を有している。このため、トランジスターM3で発生した熱は、ドレイン電極を介し、第1層の配線パターン901のみならず、さらにスルーホール911(N3)を介して第3層および第4層の配線パターンに伝播して、これらの配線パターンで放出されることになる。
なお、端子91は、トランジスターM3のゲート電極を接続するためのものであり、端子92は、トランジスターM3のソース電極を接続するためのものである。
後述するようにトランジスターM3(M4)のドレイン電極は、電極としての機能のほかに、当該トランジスターの放熱機能を有している。このため、トランジスターM3で発生した熱は、ドレイン電極を介し、第1層の配線パターン901のみならず、さらにスルーホール911(N3)を介して第3層および第4層の配線パターンに伝播して、これらの配線パターンで放出されることになる。
なお、端子91は、トランジスターM3のゲート電極を接続するためのものであり、端子92は、トランジスターM3のソース電極を接続するためのものである。
端子92を含む配線パターン902は、トランジスターM4のドレイン電極を接続するための4つの端子93と、複数のスルーホール912とを含む。これらのスルーホール912は、すでに説明したスルーホールN6と同じであり、第1層の配線パターン902を、第2層および第4層の配線パターンにそれぞれ接続させる。なお、配線パターン902の一部は、端子Outである。
ここで、トランジスターM4が実装された場合に、当該トランジスターM4で発生した熱は、ドレイン電極を介し、第1層の配線パターン902のみならず、さらにスルーホール912(N4)を介して第2層および第4層の配線パターンに伝播して、これらの配線パターンで放出されることになる。
ここで、トランジスターM4が実装された場合に、当該トランジスターM4で発生した熱は、ドレイン電極を介し、第1層の配線パターン902のみならず、さらにスルーホール912(N4)を介して第2層および第4層の配線パターンに伝播して、これらの配線パターンで放出されることになる。
配線パターン902に設けられるスルーホール912の密度は、配線パターン901に設けられるスルーホール911の密度よりも密となっている。これは、図12を併せて参照すると判るが、配線パターン902の面積が、配線パターン901の面積より小さいために、熱を効率良く他の層からなる配線パターンに伝播させる必要があるためである。
なお、スルーホールが設けられる間隔は、スルーホール911でいえば0.75mm程度であり、スルーホール912は、その0.75mmよりも狭い、ということになる。参考までに、トランジスターM3(M4)においてゲート電極(端子91)およびソース電極(端子92)を挟んで対向するドレイン電極(端子93)の距離は、図20に示されるように、5.0mm程度である。また、スルーホールのメッキ厚は35μm程度である。
なお、スルーホールが設けられる間隔は、スルーホール911でいえば0.75mm程度であり、スルーホール912は、その0.75mmよりも狭い、ということになる。参考までに、トランジスターM3(M4)においてゲート電極(端子91)およびソース電極(端子92)を挟んで対向するドレイン電極(端子93)の距離は、図20に示されるように、5.0mm程度である。また、スルーホールのメッキ厚は35μm程度である。
図21は、トランジスターM3の外観構成を示す斜視図であり、図22は、トランジスターM3の構造等を示す断面図である。
これらの図に示されるように、トランジスターM3は、ダイ(ベアチップ)70とクリップ74とを含む、ダイ70の裏面(図において上側の面)にはドレインパッド(第1電極)72Dが設けられ、実装面(図において下側の面)には、ゲートパッド(第2電極)72Gおよびソースパッド(第3電極)72Sが設けられる。
これらの図に示されるように、トランジスターM3は、ダイ(ベアチップ)70とクリップ74とを含む、ダイ70の裏面(図において上側の面)にはドレインパッド(第1電極)72Dが設けられ、実装面(図において下側の面)には、ゲートパッド(第2電極)72Gおよびソースパッド(第3電極)72Sが設けられる。
クリップ74は、平面視では矩形状であるが、ダイ70を収納するために、実装面の反対側にへこんだ収納面74aを有する形状となっている。クリップ74は、銅などの導電性および熱伝導性が良好な材質によって形成されて、収納面74aにダイ70の裏面がダイボンド剤Pによって接着される。クリップ74において対向する二辺の各々には、それぞれヒレ状に形成されて、この部分が端子74Dとなっている。
このため、トランジスターM3としてみたときに、ゲートパッド72Gが外部と接続するためのゲート電極となり、ソースパッド72Sがソース電極となり、クリップ74の一部である端子74Dがドレイン電極となる。
このため、トランジスターM3としてみたときに、ゲートパッド72Gが外部と接続するためのゲート電極となり、ソースパッド72Sがソース電極となり、クリップ74の一部である端子74Dがドレイン電極となる。
クリップ74の端子74Dの底面と、ダイ70のゲートパッド72Gおよびソースパッド72Sの底面とは、ほぼ揃っている(いわゆるツライチ)。トランジスターM3は、この面がプリント回路基板90に対して、位置合わせされて、図22(b)に示されるように半田付けされる。これにより、ゲートパッド72Gがプリント回路基板90における第2端子としての端子91に、ソースパッド72Sがプリント回路基板90における第3端子としての端子92に、端子74Dがプリント回路基板90における第1端子としての端子93に、それぞれ接続される。
また、トランジスターM3がプリント回路基板90に実装されたとき、ダイ70は露出することなく、クリップ74に覆われることになる。
なお、ここでは、トランジスターM3について説明したが、トランジスターM4についても同様である。
また、トランジスターM3がプリント回路基板90に実装されたとき、ダイ70は露出することなく、クリップ74に覆われることになる。
なお、ここでは、トランジスターM3について説明したが、トランジスターM4についても同様である。
図23は、トランジスターM3(M4)に限られず、トランジスターの一般的な等価回路を示す図である。この図に示されるように、トランジスターの各電極には、直列にインダクタンス成分が寄生する。詳細には、トランジスターにおいて、ゲート電極にはインダクタンスLgが、ドレイン電極にはインダクタンスLdが、ソース電極にはインダクタンスLsが、それぞれ寄生する。なお、トランジスターでは、各電極において抵抗や容量成分も寄生するが、図示を省略している。
本実施形態のように、駆動信号COM−Aを生成するために、トランジスターM3、M4がスイッチングしたとき、ドレイン電極およびソース電極の間において電流が急峻に流れたり、遮断されたりされる。トランジスターM3(M4)の各電極に寄生するインダクタンス、特にインダクタンスLd、Lsが大きいと、図24(a)に示されるように、ドレイン・ソース間の電極の電圧波形において、オーバーシュート(またはアンダーシュート)のような電圧ノイズを発生させる。
仮に、インダクタンスLd、Lsの和をLとすると、ドレイン・ソース間の電圧Vは、L(di/dt)となり、電圧ノイズは、インダクタンスLだけでなく、周波数にも依存することになる。
駆動信号COM−A(COM−B)を精度良く生成するために、トランジスターM3、M4を高い周波数でスイッチングさせると、電圧ノイズが発生しやすい状況になる。このような電圧ノイズが発生すると、正規のパルス成分とともに当該ノイズ成分が、インダクターL2およびコンデンサーC10で平滑化され、帰還経路を介してLSI500のピンVfb、Ifbに入力されるので、変調信号Msの生成に際しエラーを生じさせる。このため、トランジスターM3、M4の不正スイッチング(例えば両方同時にオンさせるダブルトリガー)を発生させて、出力である駆動信号COM−Aの波形精度を低下させるだけでなく、駆動回路50で消費される電力の増大を招く。
駆動信号COM−A(COM−B)を精度良く生成するために、トランジスターM3、M4を高い周波数でスイッチングさせると、電圧ノイズが発生しやすい状況になる。このような電圧ノイズが発生すると、正規のパルス成分とともに当該ノイズ成分が、インダクターL2およびコンデンサーC10で平滑化され、帰還経路を介してLSI500のピンVfb、Ifbに入力されるので、変調信号Msの生成に際しエラーを生じさせる。このため、トランジスターM3、M4の不正スイッチング(例えば両方同時にオンさせるダブルトリガー)を発生させて、出力である駆動信号COM−Aの波形精度を低下させるだけでなく、駆動回路50で消費される電力の増大を招く。
本実施形態の印刷装置1に適用される駆動回路50では、ダイ70に設けられるゲートパッド72Gはプリント回路基板90の端子91に、ソースパッド72Sは端子92に、それぞれ接続される。すなわち、ダイ70は、ソース、ゲートに限っていえば、フェイス・ダウン・ボンディングによってプリント回路基板90に実装される。また、ドレインパッド72Dは、クリップ74を介して端子93に接続される。このため、トランジスターM3(M4)おいて、各電極に寄生するインダクタンス成分は、ボンディングワイヤやリードを有するタイプと比較して、小さくなるので、図24(b)に示されるように、オーバーシュート等の発生を抑えることができる。したがって、駆動回路50では、駆動信号COM−Aの波形精度の低下や、消費電力の増大を防止することができる。
また、ダイ70で発生した熱は、実装面を介してプリント回路基板90に直接、伝播するほか、裏面においてクリップ74を介してプリント回路基板90に伝播して、放熱される。すなわち、スイッチングにより(厳密にいえば、オンしたときに流れる電流によって)ダイ70において発生した熱は、ダイ70の両面を介してプリント回路基板90に伝播するので、トランジスターM3(M4)で発生した熱の伝播の効率が高められる。
さらに、プリント回路基板90においてトランジスターM3、M4の周辺では、スルーホール911、912、913(図20参照)を介して、第1層のみならず、他層の配線パターンに接続されている。詳細には、トランジスターM3のドレイン電極が接続される配線パターン901は、スルーホール911を介して第3層および第4層に接続され、トランジスターM3のソース電極およびトランジスターM4のドレイン電極が接続される配線パターン902は、スルーホール912を介して第2層および第4層に接続され、トランジスターM4のソース電極が接続される配線パターン903は、スルーホール913を介してグラウンドの第2層、第3層および第4層に接続される。したがって、プリント回路基板90においても放熱の効率が高められる。
上述したように、印刷媒体Pに異なるサイズのドットを形成する場合、1回のインク滴を1回吐出するため時間を短くする必要があるので、すなわち、インクを吐出周波数fを高める必要があるので、発熱やノイズが問題になりやすい。ただし、本実施形態によれば、特にトランジスターM3、M4によって発熱やノイズを効果的に抑えることができる。
続いて、プリント回路基板90におけるコンデンサーC10の配置および実装について説明する。
図25は、コンデンサーC10の外観構成を示す斜視図であり、図26は、コンデンサーC10の実装状態を示す端面図である。
これらの図に示されるように、コンデンサーC10は、プリント回路基板90に表面実装される、いわゆるチップコンデンサーであり、2つの外部電極82との間で誘電体84を挟持した構成である。このコンデンサーC10としては、内部構造については特に図示せずに詳述することもしないが、例えば誘電体層と、櫛歯状に形成された一対の外部電極82とが交互に積層された積層セラミックチップコンデンサが用いられる。
なお、図26に示されるように、コンデンサーC10において外部電極82のうち、一方が端子Outを含む配線パターンの端子922に接続され、他方がグラウンドの配線パターンの端子924に接続される。
これらの図に示されるように、コンデンサーC10は、プリント回路基板90に表面実装される、いわゆるチップコンデンサーであり、2つの外部電極82との間で誘電体84を挟持した構成である。このコンデンサーC10としては、内部構造については特に図示せずに詳述することもしないが、例えば誘電体層と、櫛歯状に形成された一対の外部電極82とが交互に積層された積層セラミックチップコンデンサが用いられる。
なお、図26に示されるように、コンデンサーC10において外部電極82のうち、一方が端子Outを含む配線パターンの端子922に接続され、他方がグラウンドの配線パターンの端子924に接続される。
図27は、コンデンサーC10に限られず、コンデンサーの一般的な等価回路を示す図である。
この図に示されるように、コンデンサーの各電極には、直列にインダクタンスLa、Lbが寄生する。なお、各電極において抵抗や容量成分も寄生するが、図示を省略している。
コンデンサーC10は、トランジスターM3、M4の接続点(ピンSw)における増幅変調信号、すなわちスイッチング電流を、インダクターL2とともに平滑化させる。このため、コンデンサーC10に寄生するインダクター成分が大きいと、トランジスターM3、M4と同様に、オーバーシュート等のような電圧ノイズを発生させる。この電圧ノイズが、帰還経路を介してLSI500のピンVfb、Ifbに入力されると、トランジスターM3、M4の不正スイッチングを発生させて、駆動信号COM−Aの波形精度を低下させるだけでなく、駆動回路50で消費される電力の増大を招く点についても、トランジスターM3、M4と同様である。
この図に示されるように、コンデンサーの各電極には、直列にインダクタンスLa、Lbが寄生する。なお、各電極において抵抗や容量成分も寄生するが、図示を省略している。
コンデンサーC10は、トランジスターM3、M4の接続点(ピンSw)における増幅変調信号、すなわちスイッチング電流を、インダクターL2とともに平滑化させる。このため、コンデンサーC10に寄生するインダクター成分が大きいと、トランジスターM3、M4と同様に、オーバーシュート等のような電圧ノイズを発生させる。この電圧ノイズが、帰還経路を介してLSI500のピンVfb、Ifbに入力されると、トランジスターM3、M4の不正スイッチングを発生させて、駆動信号COM−Aの波形精度を低下させるだけでなく、駆動回路50で消費される電力の増大を招く点についても、トランジスターM3、M4と同様である。
印刷装置1に適用される駆動回路50において、コンデンサーC10は、リードを有しないタイプ、すなわち、2つの外部電極82の一方がプリント回路基板90の端子922に、外部電極82の他方が端子924に、それぞれ半田付けされるリードレスタイプのチップコンデンサーである。このため、インダクタンスLa、Lbは、リードを有するタイプと比較して小さく、オーバーシュート等の発生が抑えられるので、駆動信号COM−Aの波形精度の低下や、消費電力の増大を防止することができる。
また、コンデンサーC10は、プリント回路基板90において次のように配置する。すなわち、図16に示されるように、平面視したときに、コンデンサーC10における一対の外部電極82を仮想的に結ぶ直線Fが、直線Eとほぼ平行となるように、プリント回路基板90に実装される。
そして、当該2つの外部電極82のうち、グラウンドの端子922に接続される外部電極82は、端子Outに接続される外部電極82よりもLSI500の側に向いている。これをプリント回路基板90でみると、コンデンサーC10に接続される2つの端子のうち、グラウンドの端子922は、駆動回路50において出力となる端子924よりもLSI500に近くなっているので、端子922からLSI500までに至るグラウンドのインピーダンスが小さくなる。
そして、当該2つの外部電極82のうち、グラウンドの端子922に接続される外部電極82は、端子Outに接続される外部電極82よりもLSI500の側に向いている。これをプリント回路基板90でみると、コンデンサーC10に接続される2つの端子のうち、グラウンドの端子922は、駆動回路50において出力となる端子924よりもLSI500に近くなっているので、端子922からLSI500までに至るグラウンドのインピーダンスが小さくなる。
上述したように、駆動回路50では、トランジスターM3、M4がスイッチングすることによって、数アンペア程度のスパイク電流がグラウンドに流れるので、当該スパイク電流に起因するノイズがグラウンドに重畳される。しかしながら、本実施形態では、端子922からLSI500までに至るグラウンドのインピーダンスが小さいので、上記ノイズの影響を少なく抑えることができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば次に述べるような各種の変形が可能である。なお、次に述べる変形の態様は、任意に選択された一または複数を適宜に組み合わせることもできる。
実施形態において、駆動回路50は、変調信号Msの生成にあたって、増幅変調信号をローパスフィルターで平滑化した駆動信号COM−A(COM−B)を帰還する構成としたが変調信号Ms自体を帰還しても良い。例えば、特に図示しないが、変調信号Msと入力信号Asとの誤差を算出するとともに、当該誤差を遅延させた信号と、目標である信号Aaとを加算または減算させて、コンパレーター520の入力とする構成としても良い。
なお、トランジスターM3、M4との接続点(ピンSw)に現れる増幅変調信号は、変調信号Msと論理振幅が異なるだけであるので、例えば増幅変調信号を減衰した上で、変調信号Msと同様に帰還する構成とすれば良い。
なお、トランジスターM3、M4との接続点(ピンSw)に現れる増幅変調信号は、変調信号Msと論理振幅が異なるだけであるので、例えば増幅変調信号を減衰した上で、変調信号Msと同様に帰還する構成とすれば良い。
また、プリント回路基板90については4層としたが、4層以外、例えば6層であっても良い。プリント回路基板90を6層とする場合、帰還配線パターンFblを例えば第4層で、グラウンドパターンで囲むように形成するとともに、第3層および第5層をグラウンドパターンとすれば良い。また、この場合に、第3層、第5層に加えて、第2層、第6層をグラウンドパターンとしても良い。
実施形態では、2つの駆動回路50によってそれぞれ個別に生成した2系統の駆動信号COM−A、COM−Bを、選択部230によって選択して(または非選択して)、圧電素子60の一端に供給する構成としたが、例えば1系統の駆動信号に例えば4つの台形波形を繰り返させて、データ信号Dataで規定されるドットのサイズに応じて、いずれかを、または、複数組み合わせて、圧電素子60の一端に供給する構成としても良い。
1…印刷装置(液体吐出装置)、10…制御ユニット、20…ヘッドユニット、50…駆動回路、60…圧電素子、520…コンパレーター、L2…インダクター、C10…コンデンサー、Fbl…帰還配線パターン、M3、M4…トランジスター、600…吐出部、631…キャビティ、651…ノズル。
Claims (15)
- 変調信号を生成する変調回路と、
前記変調信号が入力され、増幅変調信号を生成するトランジスターと、
前記増幅変調信号が入力され、駆動信号を生成するローパスフィルターと、
前記駆動信号が印加されることで変位する圧電素子と、
前記圧電素子の変位により内部容積が変化するキャビティと、
前記キャビティの内部容積の変化に応じて前記キャビティ内の液体を吐出するために設けられたノズルと、
第1の層と、
第2の層と、
前記第1の層と前記第2の層との間に設けられた第3の層と、
を有する多層構造であって、前記変調回路、前記トランジスターおよび前記ローパスフィルターが実装された回路基板と、
を有し、
前記変調回路には、前記変調信号、前記増幅変調信号、または前記駆動信号のいずれかが帰還され、
前記第3の層には、前記変調信号、前記増幅変調信号、または前記駆動信号のいずれかを前記変調回路に帰還する帰還配線パターンが設けられ、
前記帰還配線パターンは、前記第1の層および前記第2の層のグラウンドのパターンにより挟まれるとともに、前記第3の層においてグラウンドのパターンで囲まれている、
ことを特徴とする液体吐出装置。 - 前記変調信号の周波数は、1MHz以上8MHz以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。 - 前記変調回路には前記駆動信号が帰還され、
前記帰還配線パターンは、前記ローパスフィルターと前記圧電素子との間に設けられたノードと電気的に接続される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出装置。 - 前記変調回路に帰還される前記駆動信号は、第1帰還信号、及び前記駆動信号の電圧を減衰した第2帰還信号を含むことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
- 前記ローパスフィルターはコンデンサーを含み、
前記コンデンサーは、リードレスタイプである
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の液体吐出装置。 - 前記第1の層と前記第3の層との間に第4の層をさらに有し、
前記帰還配線パターンは、前記第2の層および前記第4の層のグラウンドのパターンにより挟まれる
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の液体吐出装置。 - 第1面と、前記第1面と向き合う第2面を有し、前記第1の層上に設けられた前記トランジスターは、
前記第1面に設けられたゲート電極と、
前記第1面に設けられたソース電極と、
前記第2面に設けられたドレイン電極と、
を有し、
前記第1の層は、
前記ゲート電極と電気的に接続されたゲート端子と、
前記ソース電極と電気的に接続されたソース端子と、
ドレイン端子と、
を有し、
前記トランジスターを覆うように前記第1の層上に設けられ、前記ドレイン電極及び前記ドレイン端子と電気的に接続されたクリップをさらに有する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の液体吐出装置。 - キャビティ内のインクを吐出するために、前記キャビティの内部容積を変化させる圧電素子に駆動信号を印加する駆動回路であって、
前記駆動回路は、
変調信号を生成する変調回路と、
前記変調信号が入力され、増幅変調信号を生成するトランジスターと、
前記増幅変調信号が入力され、駆動信号を生成するローパスフィルターと、
第1の層と、
第2の層と、
前記第1の層と前記第2の層との間に設けられた第3の層と、
を有する多層構造であって、前記変調回路、前記トランジスターおよび前記ローパスフィルターが実装された回路基板と、
を有し、
前記変調回路には、前記変調信号、前記増幅変調信号、または前記駆動信号のいずれかが帰還され、
前記第3の層には、前記変調信号、前記増幅変調信号、または前記駆動信号のいずれかを前記変調回路に帰還する帰還配線パターンが設けられ、
前記帰還配線パターンは、前記第1の層および前記第2の層のグラウンドのパターンにより挟まれるとともに、前記第3の層においてグラウンドのパターンで囲まれている、
ことを特徴とする駆動回路。 - 前記変調信号の周波数は、1MHz以上8MHz以下である
ことを特徴とする請求項8に記載の駆動回路。 - 前記変調回路には前記駆動信号が帰還され、
前記帰還配線パターンは、前記ローパスフィルターと前記圧電素子との間に設けられたノードと電気的に接続される
ことを特徴とする請求項8または9に記載の駆動回路。 - 前記変調回路に帰還される前記駆動信号は、第1帰還信号、及び前記駆動信号の電圧を減衰した第2帰還信号を含む
ことを特徴とする請求項10に記載の駆動回路。 - 前記ローパスフィルターはコンデンサーを含み、
前記コンデンサーは、リードレスタイプである
ことを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一に記載の駆動回路。 - 前記第1の層と前記第3の層との間に第4の層をさらに有し、
前記帰還配線パターンは、前記第2の層および前記第4の層のグラウンドのパターンにより挟まれる
ことを特徴とする請求項8乃至12のいずれか一に記載の駆動回路。 - 第1面と、前記第1面と向き合う第2面を有し、前記第1の層上に設けられた前記トランジスターは、
前記第1面に設けられたゲート電極と、
前記第1面に設けられたソース電極と、
前記第2面に設けられたドレイン電極と、
を有し、
前記第1の層は、
前記ゲート電極と電気的に接続されたゲート端子と、
前記ソース電極と電気的に接続されたソース端子と、
ドレイン端子と、
を有し、
前記トランジスターを覆うように前記第1の層上に設けられ、前記ドレイン電極及び前記ドレイン端子と電気的に接続されたクリップをさらに有する
ことを特徴とする請求項8乃至13のいずれか一に記載の駆動回路。 - 駆動信号が印加されることで変位する圧電素子と、
前記圧電素子の変位により内部容積が変化するキャビティと、
前記キャビティの内部容積の変化に応じて前記キャビティ内の液体を吐出するために設けられたノズルと、
第1の層と、
第2の層と、
前記第1の層と前記第2の層との間に設けられた第3の層と、
を有する多層構造であって、変調回路、トランジスターおよびローパスフィルターが実装された回路基板と、
を有する液体吐出装置の制御方法であって、
前記変調回路は、変調信号を生成し、
前記トランジスターは、前記変調信号が入力され、増幅変調信号を生成し、
前記ローパスフィルターは、前記増幅変調信号が入力され、前記駆動信号を生成し、
前記変調回路は、
前記変調信号、前記増幅変調信号、または、前記駆動信号のいずれかからの信号を帰還して前記変調信号を生成し、
前記変調回路には、前記変調信号、前記増幅変調信号、または前記駆動信号のいずれかが帰還され、
前記第3の層には、前記変調信号、前記増幅変調信号、または前記駆動信号のいずれかを前記変調回路に帰還する帰還配線パターンが設けられ、
前記帰還配線パターンは、前記第1の層および前記第2の層のグラウンドのパターンにより挟まれるとともに、前記第3の層においてグラウンドのパターンで囲まれている、
ことを特徴とする液体吐出装置の制御方法。
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