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JP6464978B2 - 位置推定装置 - Google Patents

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JP6464978B2 JP2015196764A JP2015196764A JP6464978B2 JP 6464978 B2 JP6464978 B2 JP 6464978B2 JP 2015196764 A JP2015196764 A JP 2015196764A JP 2015196764 A JP2015196764 A JP 2015196764A JP 6464978 B2 JP6464978 B2 JP 6464978B2
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Description

本発明は、自車両の絶対位置を推定する技術に関する。
自車両の絶対位置と、自車両の絶対位置を基準としたランドマークとなる周辺物標までの相対位置を繰り返し検出した結果に基づいて、周辺物標の絶対位置の誤差分散を段階的に狭めることによって周辺物標の絶対位置を高精度に推定し、その推定された周辺物標の絶対位置と、自車両を基準とした周辺物標の相対位置とから、自車両の絶対位置を高精度に推定する技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2007−303841号公報
しかしながら、従来技術では、30m程度の比較的短い間隔で周辺物標が存在する環境でなければ、高精度な推定結果が得られないという問題があった。
本発明は、こうした問題にかんがみてなされたものであり、ランドマークとなる周辺物標の存在の有無に関わらず自車両の絶対位置を精度よく推定する技術を提供することを目的としている。
本発明の位置推定装置(1)は、自車位置情報生成部(3)と、物体位置情報生成部(4)と、通信部(2)と、相対位置設定部(5:S250〜S270)と、自車位置補正部(5:S280〜S290)とを備える。
自車位置情報生成部(3)は、当該位置推定装置を搭載した自車両の絶対位置を測定した結果である自車絶対位置を取得し、その自車絶対位置およびその自車絶対位置の誤差範囲を示す誤差分散を含んだ自車位置情報を生成する。物体位置情報生成部(4)は、自車両の周辺に存在する周辺物体との相対位置を測定した結果である物体相対位置を取得し、その物体相対位置を含んだ物体位置情報を生成する。通信部(2)は、自車位置情報を、自車両以外の車両である他車両との間で送受信する。相対位置設定部(5:S250〜S270)は、通信部により他車両から受信した自車位置情報を他車位置情報とし、その他車位置情報の送信元を送信元車両とし、送信元車両のそれぞれを対象車として、対象車毎に、自車両に対する対象車の相対位置である対象車相対位置を設定する。自車位置補正部(5:S280〜S290)は、相対位置設定部にて対象車相対位置が設定された対象車のそれぞれについて、自車両の自車絶対位置の誤差分散が示す誤差範囲に、対象車の自車絶対位置の誤差分散が示す誤差範囲を、対象車の自車絶対位置から相対位置設定部にて設定された対象車相対位置分だけシフトさせることで重なり合った範囲が補正後の誤差範囲となるように、自車位置情報を補正した推定自車位置情報を求め、該推定自車位置情報の誤差範囲が自車両の自車位置情報の誤差範囲より小さい場合に、推定自車位置情報により自車位置情報を更新する。
このような構成によれば、自車位置情報生成部が取得する自車両の絶対位置の精度が低い場合でも、通信部を介して他車両から取得した自車位置情報によって、自車両の絶対位置の誤差分散を狭めること、即ち、絶対位置の検出精度を高めることができる。しかも、この処理は、自車位置情報を送信する車両が存在しさえすればよいため、自車両の周囲にランドマークとなる周辺物標が存在しない状況でも実施することができる。更に、このようにして得られた高精度な自車位置情報を通信部を介して他の車両に送信することにより、通信部を介して形成される車両ネットワーク内の各車両の位置情報の精度をより向上させることができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
車載用位置推定装置の構成を示すブロック図である。 メモリに格納される自車情報の内容を示す説明図である。 メモリに格納される他車情報の内容を示す説明図である。 位置情報処理部が実行する情報取得時処理のフローチャートである。 位置情報処理部が実行する周期処理のフローチャートである。 自車位置情報の補正に使用する各種情報を示す説明図である。 自車位置情報の補正の仕方を示す説明図である。 自車位置情報の補正をした結果を示す説明図である。 自車位置情報の補正の仕方の他の例および自車位置情報の補正が可能な一状況を示す説明図である。 周期処理中で実行する装置位置設定処理の詳細を示すフローチャートである。 相対位置の第1候補が設定される状況を示す説明図である。 相対位置の第2候補が設定される状況を示す説明図である。 相対位置の第3候補が設定される状況を示す説明図である。 相対位置の補正の仕方を示す説明図である。 相対位置の第4候補が設定される状況を示す説明図である。 相対位置の第5候補が設定される状況を示す説明図である。 相対位置の第6候補が設定される状況を示す説明図である。 相対位置の第7候補が設定される状況を示す説明図である。 直接相対位置と間接相対位置との関係を示す説明図である。 間接相対位置を算出する際に含まれる誤差を示す説明図である。
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。
[1.構成]
図1に示す車載用位置推定装置1は、通信部2と、自車位置情報生成部3と、物体位置情報生成部4と、位置情報処理部5とを備える。
自車位置情報生成部3は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を構成する航法衛星からの電波を受信して、自車両の絶対位置である自車絶対位置を求め、自車絶対位置および自車絶対位置の誤差範囲を示す誤差分散を含んだ自車位置情報を出力する。
物体位置情報生成部4は、車両に搭載されたカメラ等の画像センサやミリ波レーダ,LIDAR,ソナー等の各種レーダセンサを用いて周辺物体を検出し、自車両に対する周辺物体の相対位置である物体相対位置を求めると共に、周辺物体の種類(車両、歩行者、障害物など)を識別した識別情報を生成し、物体相対位置、物体相対位置の誤差範囲を示す誤差分散、識別情報を含んだ物体位置情報を出力する。
通信部2は、他車両との車車間通信を実施し、自車位置情報生成部3にて生成される自車位置情報および物体位置情報生成部4にて生成される物体位置情報を送受信する。但し、通信部2を介した通信の通信相手となる他車両は、自車位置情報のみを送信するように構成されていてもよい。
位置情報処理部5は、CPU51と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ)52と、を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成されている。また、位置情報処理部5は、後述する情報取得時処理、周期処理を少なくとも実行し、処理結果として得られる自車絶対位置や周辺物体の相対位置(又は絶対位置)を、運転支援制御等を実行する他の車載装置に提供する。なお、位置情報処理部5が実現する各種機能は、CPU51が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ52が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。なお、位置情報処理部5を構成するマイクロコンピュータの数は一つでも複数でもよい。また、位置情報処理部5の機能を実現する手法はソフトウェアに限るものではなく、その一部又は全部を、論理回路やアナログ回路等を組み合わせたハードウェアを用いて実現してもよい。
位置情報処理部5を構成するメモリ52には、自車位置情報生成部3にて生成された自車位置情報および物体位置情報生成部4にて生成された物体位置情報等を格納する自車情報格納領域と、通信部2を介して他車両から取得した他者量の自車位置情報および物体位置情報等を格納する他者情報格納領域とが少なくとも確保されている。
自車情報格納領域は、図2に示すように、自車位置情報(自車絶対位置、誤差分散)および検出された周辺物体毎の物体位置情報(物体相対位置、誤差分散、識別情報)からなる取得情報に加えて、情報取得時処理および周期処理により得られる認識情報および予測情報からなる付加情報を格納する領域が用意されている。他車情報格納領域には、図3に示すように、通信部2の通信相手である送信元車両毎に、自車情報格納領域のものと同様の情報を格納する領域が用意されている。
[2.処理]
[2−1.情報取得時処理]
位置情報処理部5が実行する情報取得時処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
本処理は、車両のイグニッションスイッチがオンである間、繰り返し実行される。
本処理が起動すると、CPU51は、まず、S110にて、物体位置情報生成部4から物体位置情報を取得したか否かを判断する。物体位置情報を取得していればS120に移行する。
S120では、取得された物体位置情報により、メモリ52の自車情報保存領域を更新して、S150に進む。このとき、既に保存されている周辺物体の情報と比較し、同一物体であると推定されるものは取得情報を更新して付加情報を引き継ぐ。また、複数回続けて更新されなかった周辺物体の情報は削除する。
先のS110にて物体位置情報を取得していないと判断した場合はS130に移行し、通信部2を介して他車情報を受信しているか否かを判断する。他車情報を受信していなければ、そのまま本処理を一端終了し、他車情報を受信していればS140に移行する。
S140では、受信した他車情報により、メモリ52の他車情報保存領域を更新して、S150に進む。なお、ここではS120での処理と同様の処理を実施する。
S150では、同一物標認識処理を実行して、本処理を一端終了する。
この同一物標認識処理では、自車情報の物体位置情報に示された周辺物体の位置が、他車情報に示された送信元車両およびその送信元車両の周辺物体の位置と一致していれば、そのことを図2および図3に示す自車情報および他車情報の認識情報に記録すると共に、前記の位置情報との差分から周辺物体の移動方向および移動速度を表す速度ベクトルを求めて予測情報に記録する。具体的には、自車両の絶対位置と周辺物体の相対位置から求めた周辺物体の絶対位置が、送信元車両の絶対位置、又は送信元車両の絶対位置とその周辺物体の相対位置から求めた送信元車両の周辺物体の絶対位置と一致していれば、同一物標であると認識する。また、求めた絶対位置の前回値と今回値の差分から速度ベクトルを求める。そして、同様の処理を、異なる送信元車両から得られた他車情報同士の間でも実施する。
これにより、例えば、図2,図3に示すように、自車情報に含まれる(即ち、自車両が認識した)周辺物体1は、送信元車両の一つである他車1と同一物標であること、自車両が認識した周辺物体3は、他車1から受信した他者情報に含まれる(即ち、他車1が認識した)周辺物体2と同一物標であること、他車1が認識した周辺物体3は、自車両であること等の情報が得られる。
[2−2.周期処理]
次に、位置情報処理部5が実行する周期処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
本処理は、情報取得時処理と同様に、車両のイグニッションスイッチがオンである間、繰り返し実行される。
本処理が起動するとCPU51は、まず、S210にて、予め設定された一定周期のタイミングである位置取得タイミングであるか否かを判断する。位置取得タイミングでなければ、本処理を一端終了し、位置取得タイミングであれば、S220に移行する。
S220では、自車位置情報生成部3から自車位置情報の取得に成功したか否かを判断する。取得に成功していればS230に移行し、取得した自車位置情報により、図2に示す自車情報の自車両に関する位置情報を更新してS250に進む。このとき誤差分散は、基本的には、自車位置情報生成部3の測位精度が用いられるが、別途実施する白線検出等により道路上における自車の横位置が正確に把握できている場合は、これによって車幅方向の誤差分散が小さくなるように補正したものが用いられる。つまり、この場合、自車両の誤差分散が示す誤差範囲は、車幅方向が狭く、車両の前後方向に長い楕円形となる。
一方、S220にて自車位置情報の取得に成功していないと判断された場合、S240に移行し、後述するS310にて算出され予測情報として記憶されている予測絶対位置を、今回の処理サイクルで使用する自車両の絶対位置に設定してS250に進む。
S250では、他車情報の送信元である送信元車両の一つを対象車として選択する。つまり、自車両は、少なくとも対象車の自車位置情報、即ち、対象車の絶対位置およびその誤差分散を把握していることになる。
続くS260では、自車両に対する対象車の相対位置である対象車相対位置を設定する相対位置設定処理を実行する。なお、相対位置設定処理の詳細は後述する。
続くS270では、全ての送信元車両について上述のS250〜S260の処理を実行済みであるか否かを判断する。未処理の送信元車両がある場合にはS250に戻って同様の処理を繰り返し、全ての送信元車両について処理済みである場合にはS280に移行する。
S280では、先のS260により対象車相対位置が設定された送信元車両が存在するか否かを判断する。そのような送信元車両が存在すればS290に進み、存在しなければS300に進む。
S290では、自車両との相対位置が設定された全ての送信元車両について、自車両の絶対位置、送信元車両の絶対位置、設定された対象車相対位置に基づいて推定自車位置情報を生成し、この推定自車位置情報が示す誤差範囲が、自車情報の自車位置情報が示す誤差範囲より小さい場合に、自車情報に記憶されている自車情報を、推定自車位置情報によって更新して、S300に進む。
例えば、車両Aおよび車両Bが、図6に示すような位置関係にあり、それぞれで検出された絶対位置の誤差分散が示す誤差範囲が、図示されているような楕円形であるものとする。車両Aが自車、車両Bが送信元車両である他車とした場合、図7に示すように、他車Bの誤差範囲を、対象車相対位置だけ自車A側にシフトさせて、自車Aの誤差範囲と重ね合わせたときに、両誤差範囲の重なり領域が新たな誤差範囲となるように、自車Aの絶対位置と誤差分散が補正される。また、立場を変えて車両Bが自車、車両Aが他車であるとして同様の処理が実行されると、図8に示すように、車両Aおよび車両Bの両方とも誤差範囲の狭い絶対位置、即ち精度が向上した自車位置情報が得られることになる。また、図9に示すように、交差する二つの道路のそれぞれに位置する車両A,Cの誤差範囲が楕円形であり、交差点の中にいる車両Bの自車Sの絶対位置の誤差範囲が白線検出による補正がされず円形である場合を考える。この場合、車両Bが自車両、車両A,Cが送信元車両とすると、自車Bの誤差範囲に、自車Bとの対象車相対位置が設定されている全ての他車A,Cの誤差範囲を重ね合わせることで、誤差範囲を十分に狭めることができ、精度のよい自車絶対位置が得られる。但し、重ね合わせた誤差範囲が元の誤差範囲より狭くならない場合は補正せずにS300に進む。なお、車両Aおよび車両Cを自車両として見た場合、当初は車両Bの自車位置情報の精度が低いため、車両Aおよび車両Cは、車両Bから取得した情報を用いて自車位置情報の精度を十分に向上させることができない。しかし、上述のように車両Bの自車位置情報の精度が向上した後の処理サイクルでは、車両Aおよび車両Cは車両Bから取得した情報を用いることで自車位置情報の精度を向上させることができる。
S300では、S290で補正された自車位置情報を含む自車情報を通信部2を介して自車両の周辺に存在する他車両に送信すると共に、自車の絶対位置および自車の絶対位置と自車情報に含まれる周辺物体の相対位置とから求めた周辺物体の絶対位置を、他の車載装置に送信する。
続くS310では、次の処理サイクルでの自車両の絶対位置の予測値である予測絶対位置を、自車情報の予測情報領域に格納されている速度ベクトルを用いて算出し、同様に自車情報に示された周辺物体の予測絶対位置、他車情報に示された他車およびその周辺物体の予測絶対位置を算出し、これら算出結果を速度ベクトルと共に予測情報領域に格納して本処理を一端終了する。
つまり、航法衛星からの電波を受信することができず、自車両の絶対位置を求めることができない状況であっても、過去に求められた絶対位置と速度ベクトルから予測した結果を用いることで、上述の処理が直ちに実行不能となることを防いでいる。
[2−3.相対位置設定処理]
次に、S260で実行する相対位置設定処理の詳細について、図10のフローチャートを用いて説明する。
本処理が起動するとCPU51は、まずS410にて、自車は対象車を認識しているか否かを判断する。具体的には自車情報の認識情報に対象車であることが示された周辺物体が存在すれば、対象車を認識していると判断する。自車が対象車を認識していなければ、S420に移行する。
S420では、対象車が自車を認識しているか否かを判断する。具体的には、対象車から受信した他車情報の認識情報に自車であることが示された周辺物体が存在すれば、自車を認識していると判断する。対象車が自車を認識していれば、S430に移行し、認識していなければS470に移行する。
S430では、対象車が自車であると認識した周辺物体の相対位置を第1候補に設定して、S470に進む。即ち、図11に示す状況では、対象車から取得した自車との相対位置R1sが第1候補となる。なお、図中、Rij(i,j=s,1,2,…)は、車両iで計測された車両jの相対位置を表し、Aiは、車両iの絶対位置を表し、矢印上の記号は通信により自車Sが取得する情報を表すものとする。
先のS410にて自車は対象車を認識していると判断された場合、S440にて、対象車は自車を認識しているか否かを判断する。認識していなければS450に移行し、認識していればS460に移行する。
S450では、自車が対象車であると認識した周辺物体の相対位置を第2候補に設定すしてS470に進む。即ち、図12に示す状況では、自車で測定された対象車との相対位置Rs1が第2候補となる。
S460では、自車が対象車であると認識した周辺物体の相対位置Rs1と、対象車が自車であると認識した周辺物体の相対位置R1sとを用いて補正した相対位置を第3候補に設定してS470に進む。即ち、図13に示す状況では、図14に示すように、自車で計測された相対位置Rs1の誤差範囲に、対象車から取得した相対位置R1sの誤差範囲を該相対位置R1sだけ対象車側にシフトさせたときに、両誤差範囲の重なり合った領域が、補正後の誤差範囲となるように、自車から対象車を見た相対位置Rs1と、その誤差範囲を規定する誤差分散とを補正した結果が第3候補となる。
S470では、自車および対象車がともに同一の周辺物体(以下、同一物体という)を認識しているか否かを判断する。具体的には、自車情報および対象車の他車情報の双方の認識情報に、同じ位置に存在する周辺物体があれば、同一物体を認識していると判断する。自車および対象車が同一物体を認識していればS480に移行し、認識していなければS490に移行する。
S480では、自車情報および対象車の他車情報に示された同一物体の相対位置に基づいて算出された自車から対象車までの相対位置を第4候補に設定してS490に進む。即ち、図15に示す状況では、自車で測定された周辺物体との相対位置Rs2と対象車から取得した周辺物体の相対位置R12とから第4候補となる相対位置が間接的に求められる。
続くS490では、対象車以外の送信元車両を非対象車として、対象車が非対象車を認識し、かつ、非対象車が自車両を認識しているか否かを判断する。具体的には、対象車から受信した他車情報の認識情報に非対象車であることが示された周辺物体が存在し、かつ、非対象車から受信した他車情報の認識情報に自車であることが示された周辺物体が存在すれば、肯定判断する。肯定判断された場合はS500に移行し、否定判断された場合はS510に移行する。
S500では、対象車が認識した非対象車との相対位置および非対象車が認識した自車との相対位置に基づいて算出された自車から対象車までの相対位置を第5候補に設定して、S510に進む。即ち、図16に示す状況では、対象車から取得した非対象車との相対位置R12と、非対象車から取得した自車との相対位置R2sとから第5候補となる相対位置が間接的に求められる。
S510では、対象車を認識する非対象車が存在するか否かを判断する。具体的には、非対象車の他車情報の認識情報に対象車であることが示された周辺物体が存在すれば肯定判断する。肯定判断された場合はS520に移行し、否定判断された場合はS560に移行する。
S520では、非対象車は自車を認識しているか否かを判断する。具体的には、非対象車の他車情報の認識情報に自車であることが示された周辺物体が存在すれば認識していると判断する。非対象車が自車を認識していればS530に移行し、認識していなければS540に移行する。
S530では、非対象車が自車であると認識した周辺物体の相対位置と、非対象車が対象車であると認識した周辺物体の相対位置とから求めた自車から対象車までの相対位置を第6候補に設定してS540に進む。即ち、図17に示す状況では、非対象車から取得した自車との相対位置R2sと、同じく非対象車から取得した対象車との相対位置R21とから第6候補となる相対位置が間接的に求められる。
S540では、自車は非対象車を認識しているか否かを判断する。具体的には、自車情報の認識情報に非対象車であることが示された周辺物体が存在すれば認識していると判断する。自車が非対象車を認識していればS550に進み、認識していなければS560に進む。
S550では、自車が非対象車であると認識した周辺物体の相対位置と、非対象車が対象車であると認識した周辺物体の相対位置とから求めた自車から対象車までの相対位置を第7候補に設定してS560に進む。即ち、図18に示す状況では、非対象車から取得した対象車との相対位置R21と自車で測定された非対象車との相対位置Rs2とから第7候補となる相対位置が間接的に求められる。
S560では、上述の処理で求めた第1候補から第7候補のうち、誤差分散(誤差範囲)が最小となるものを対象車相対位置に選定すると共に、その選定結果に従って、自車情報に含まれる対象車であると認識された周辺物体の相対位置および誤差分散を更新して、本処理を終了する。但し、比較に用いる誤差分散は、先に図14を用いて説明したS460での処理と同様に、二つの相対位置の誤差範囲を重ね合わせることによって補正されたものを使用する。
なお、第1〜第3候補は直接相対位置に相当し、第4〜第7候補は間接相対位置に相当する。そして、図19に示すように、周囲の状況によっては、必ずしも、直接相対位置の誤差範囲が間接相対位置の誤差範囲より小さくなるとは限らないため、本処理では、直接相対位置および間接相対位置をいずれも求め、その中から誤差範囲が最も小さくなるものを対象車相対位置として選ぶようにしている。
[3.効果]
以上詳述したように、本実施形態によれば、自車位置情報生成部3が生成する自車の絶対位置の精度が低い場合でも、通信部2を介して取得した他車の自車位置情報を利用することで、自車の絶対位置の誤差分散によって示される誤差範囲を狭めること、即ち、絶対位置の検出精度を高めることができる。しかも、この処理は、自車位置情報を送信する車両である送信元車両が存在し、かつ、自車と送信元車両との相対位置がわかりさえすればよいため、自車両の周囲にランドマークとなる周辺物体が存在しない状況でも実施することができる。
本実施形態では、例えば、図9に示すように、自車(車両A)と対象車(車両C)とが互いに通信可能ではあるが、互いを認識していない、即ち、互いに相手との相対位置を計測することができない状況であっても、他車(非対象車)を介して得られた情報を用いて対象車相対位置を設定できるため、様々な状況下において使用することができ、ロバスト性を向上させることができる。
更に、自車で得られた高精度な自車位置情報を通信部2を介して他車に送信し、自車が他車にとっての送信元車両となることにより、通信部2を介して形成される車両ネットワーク内の全ての車両の位置情報の精度を、全体的に向上させることができる。
[4.他の実施形態]
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(1)上記実施形態では、間接相対位置(第4候補〜第7候補)を求める際に利用する物体や非対象物について特に制限を設けていないが、例えば、予め設定された大きさ以下のもののみを用いるようにしてもよい。即ち、車両Aおよび車両Bが計測した車両Cとの相対位置に基づいて、車両Aと車両Bとの間接相対位置を算出する場合、図20から明らかなように、車両Cが大きいほど、間接相対位置には大きな誤差が含まれる可能性が高くなり、精度を劣化させるおそれがあるためである。
(2)上記実施形態では、自車情報や他車情報の計測タイミングと、これらの情報を実際の処理で使用するタイミングとの差を考慮していないが、これらの差によって生じる位置ずれが抑制されるように、速度ベクトルなどを用いて各種位置情報を補正し、即ち位置情報の予測値を求めて処理に使用するようにしてもよい。また、時間を考慮した位置情報の予測値を求めた場合、予測値が想定するタイミングと同じタイミングで得られた実測値が存在する場合、予測値の誤差範囲と実測値の誤差範囲とが重なり合った範囲が補正後の誤差範囲となるように位置情報を補正して、位置情報の精度を向上させるようにしてもよい。
(3)上記実施形態における一つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を一つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
(4)上述した位置推定装置の他、当該位置推定装置を構成要素とするシステム、当該位置推定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、位置推定方法など、種々の形態で本発明を実現することもできる。
1…車載用位置推定装置、2…通信部、3…自車位置情報生成部、4…物体位置情報生成部、5…位置情報処理部、51…CPU、52…メモリ

Claims (10)

  1. 車両に搭載される位置推定装置(1)であって、
    当該位置推定装置を搭載した自車両の絶対位置を測定した結果である自車絶対位置を取得し、該自車絶対位置および該自車絶対位置の誤差範囲を示す誤差分散を含んだ自車位置情報を生成する自車位置情報生成部(3)と、
    前記自車両の周辺に存在する周辺物体との相対位置を測定した結果である物体相対位置を取得し、該物体相対位置を含んだ物体位置情報を生成する物体位置情報生成部(4)と、
    前記自車位置情報を、前記自車両以外の車両である他車両との間で送受信する通信部(2)と、
    前記通信部により前記他車両から受信した前記自車位置情報を他車位置情報とし、該他車位置情報の送信元を送信元車両とし、前記送信元車両のそれぞれを対象車として、該対象車毎に、前記自車両に対する前記対象車の相対位置である対象車相対位置を設定する相対位置設定部(5:S250〜S270)と、
    前記相対位置設定部にて前記対象車相対位置が設定された対象車のそれぞれについて、前記自車両の自車絶対位置の誤差分散が示す誤差範囲に、前記対象車の自車絶対位置の誤差分散が示す誤差範囲を、前記対象車の自車絶対位置から前記相対位置設定部にて設定された対象車相対位置分だけシフトさせることで重なり合った範囲が補正後の誤差範囲となるように、前記自車位置情報を補正した推定自車位置情報を求め、該推定自車位置情報の誤差範囲が前記自車両の前記自車位置情報の誤差範囲より小さい場合に、前記推定自車位置情報により前記自車位置情報を更新する自車位置補正部(5:S280〜S290)と、
    を備える位置推定装置。
  2. 請求項1に記載の位置推定装置において、
    前記通信部により前記送信元車両から得られた自車位置情報、前記自車位置情報生成部にて生成された自車位置情報、前記物体位置情報生成部にて生成された物体位置情報に従って、前記送信元車両と前記物体位置情報が示す周辺物体とが同一物であるか否かを判定する一致判定部(5:S150)を更に備え、
    前記相対位置設定部は、前記一致判定部にて前記送信元車両と一致すると判定された周辺物体の物体相対位置を、前記対象車相対位置として用いる
    位置推定装置。
  3. 請求項1に記載の位置推定装置において、
    前記物体位置情報生成部が生成する物体位置情報には、前記物体相対位置の誤差範囲を示す誤差分散が含まれ、
    前記通信部は、前記自車位置情報に加え、前記物体位置情報生成部にて生成された前記物体位置情報を送受信し、
    前記相対位置設定部は、
    前記物体位置情報生成部が取得した物体位置情報である自車情報および前記通信部を介して取得した前記送信元車両の物体位置情報である他車情報に基づき、前記対象車毎に、一つ以上の相対位置候補を求める候補生成部(5:S410〜S550)と、
    前記対象車毎に、前記候補生成部にて生成された前記相対位置候補の中から前記誤差範囲が最も小さいものを前記対象車相対位置として選択する選択部(5:S560)と、
    を備える位置推定装置。
  4. 請求項3に記載の位置推定装置において、
    前記候補生成部は、
    前記自車両と前記対象車との相対位置を直接測定した結果である直接相対位置を前記相対位置候補として生成する直接候補生成部(5:S410〜S460)と、
    前記対象車以外の前記周辺物体を介して間接的に求められる間接相対位置を前記相対位置候補として生成する間接候補生成部(5:S470〜S550)と、
    を備える位置推定装置。
  5. 請求項4に記載の位置推定装置において、
    前記直接候補生成部は、前記自車情報に含まれ前記対象車と一致する前記周辺物体の物体相対位置である第1相対位置および前記対象車から得られた前記他情報に含まれ前記自車両と一致する周辺物体の物体相対位置である第2相対位置を、前記直接相対位置の一つとして用いる
    位置推定装置。
  6. 請求項5に記載の位置推定装置において、
    前記直接候補生成部は、前記第1相対位置および前記第2相対位置がいずれも得られた場合、前記第1相対位置の誤差分散が示す範囲に、前記第2相対位置の誤差分散が示す範囲を、前記自車両の自車絶対位置から前記第2相対位置分だけシフトさせることで重なり合った範囲が補正後の誤差範囲となるように、前記第1相対位置を補正したものを、前記直接相対位置の一つとして用いる
    位置推定装置。
  7. 請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の位置推定装置において、
    前記間接候補生成部は、前記自車情報および前記対象車から得られた前記他車情報の双方に共通の周辺物体である共通物体の情報が含まれている場合、前記自車両から前記共通物体までの物体相対位置および前記対象車から前記共通物体までの物体相対位置から求められる前記自車両から前記対象車までの相対位置を、前記間接相対位置の一つとして用いる
    位置推定装置。
  8. 請求項4ないし請求項7のいずれか1項に記載の位置推定装置において、
    前記間接候補生成部は、前記対象車以外の前記送信元車両である非対象車から得られた前記他車情報に前記自車両および前記対象車の情報がいずれも含まれている場合、前記非対象車から前記自車両までの物体相対位置および前記非対象車から前記対象車までの物体相対位置から求められる前記自車両から前記対象車までの相対位置を、前記間接相対位置の一つとして用いる
    位置推定装置。
  9. 請求項4ないし請求項8のいずれか1項に記載の位置推定装置において、
    前記間接候補生成部は、前記対象車から得られた前記他車情報に該対象車以外の前記送信元車両である非対象車の情報が含まれ、かつ、前記非対象車から得られた前記他車情報に前記自車両の情報が含まれている場合、前記非対象車から前記自車両までの物体相対位置および前記対象車から前記非対象車までの物体相対位置から求められる前記自車両から前記対象車までの相対位置を、前記間接相対位置の一つとして用いる
    位置推定装置。
  10. 請求項4ないし請求項9のいずれか1項に記載の位置推定装置において、
    前記間接候補生成部は、前記対象車以外の前記送信元車両である非対象車から得られた前記他車情報に前記対象車の情報が含まれ、かつ、前記自車情報に前記非対象車の情報が含まれている場合、前記自車両から前記非対象車までの物体相対位置および前記非対象車から対象車までの物体相対位置から求められる前記自車両から前記対象車までの相対位置を、前記間接相対位置の一つとして用いる
    位置推定装置。
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