JP6459451B2 - 超音波診断装置、超音波画像処理方法、及びコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体 - Google Patents
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Description
しかしながら、ボディマーク、プローブマークは自動で付与されるものではなく、検査者自らが手作業で入力する必要があり手間がかかるという問題があった。例えば、リウマチ検査においては合計44箇所の指関節を評価することが提唱されるなど、一人の被検体に対して、検査対象部位が複数かつ多岐にわたることも多く、その手間は非常に大きいもであった。
超音波検査ではリアルタイムに断層画像が得られるため、被検体組織を動かしながら体内の動態を検査することが行われている。例えば、整形外科診療においては、関節を曲げたり伸ばしたりしながら超音波検査が行われている。このような場合に、精度と再現性の高い超音波検査を行うためには、比較観察の対象となる超音波画像取得時における関節の動作やプローブの動きを正しく把握する必要があった。
≪本発明を実施するための形態の概要≫
本実施の形態に係る超音波診断装置は、プローブ、撮像器、記録媒体及び表示器の各々と接続可能に構成され、プローブを用いて被検体に超音波を送信し反射超音波から得られる被検体体内の断層画像を表示する超音波診断装置であって、反射超音波に基づいて複数フレームの断層画像を生成する断層画像生成部と、撮像器より第1の断層画像を取得したときのプローブを操作する手技が撮像された第1の動画像を取得する動画像取得部と、前記断層画像生成部から供給される前記第1の断層画像と、前記動画像取得部から供給される前記第1の動画像とを対応付けて記録媒体に記録する対応付記録部と、過去に取得され前記記録媒体に記録されている第2の断層画像及びそれを取得したときのプローブを操作する手技が撮像された第2の動画像を読み出すデータ参照部と、前記データ参照部が、前記記録媒体から読み出した前記第2の断層画像及び前記第2の動画像と、前記断層画像生成部から供給される前記第1の断層画像とを、表示器に並べて表示する表示画面構成部とを備えたことを特徴とする。
また、別の態様では、前記動画像取得部から供給される前記第1の動画像を解析して検査部位を識別し第1検査部位識別情報を生成する動画像解析部を、さらに備え、前記対応付記録部は、前記第1の断層画像及び前記第1の動画像に、さらに前記第1の検査部位識別情報を対応付けて前記記録媒体に記録し、前記データ参照部は、過去に取得され前記記録媒体に記録されている第2の断層画像及び第2の動画像であって、対応付されている第2の検査部位識別情報と前記第1の検査部位識別情報とが一致する第2の断層画像及び第2の動画像を読み出す構成であってもよい。
≪実施の形態1≫
以下、実施の形態1に係る超音波診断装置150を含む超音波診断システム100について、図面を参照しながら説明する。
実施の形態1に係る超音波診断装置150を含む超音波診断システム100の全体構成について説明する。超音波診断システム100は、プローブ101を介して超音波診断のための超音波信号送受信と、受信した超音波反射信号の画像化を行う。図1は、実施の形態1に係る超音波診断装置150を含む超音波診断システム100の外観図である。図2は、超音波診断装置150の構成を示すブロック図である。
以下、超音波診断システム100を構成する各装置について説明する。
超音波診断装置150は、図2に示すように、制御部103と、送受信部104と、動画像取得部105と、断層画像生成部106と、対応付記録部107と、データ参照部108と、表示画面構成部109と、データ格納部110とを備える。そのうち、動画像取得部105と、断層画像生成部106と、対応付記録部107と、データ参照部108と、表示画面構成部109は、超音波診断装置150の画像処理回路151を構成する。
超音波診断装置150を構成する各要素、例えば、制御部103、送受信部104、動画像取得部105、断層画像生成部106、対応付記録部107、データ参照部108、表示画面構成部109、データ格納部110、それぞれ、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Ingegrated Circuit)などのハードウェア回路により実現される。あるいは、CPU(Central Processing Unit)やプロセッサなどのプログラマブルデバイスとソフトウェアにより実現される構成であってもよい。これらの構成要素は一個の回路部品とすることができるし、複数の回路部品の集合体にすることもできる。また、複数の構成要素を組合せて一個の回路部品とすることができるし、複数の回路部品の集合体にすることもできる。
2.プローブ101
プローブ101は、超音波を送受信する超音波振動子を備えるプローブである。プローブ101は、例えば一次元方向に配列された複数の振動子(不図示)を有する。プローブ101は、後述の送受信部104から供給されたパルス状の電気信号である送信信号をパルス状の超音波に変換する。プローブ101は、プローブ101の振動子側外表面を被検体の皮膚表面に接触させた状態で、複数の振動子から発せられる複数の超音波からなる超音波ビームを測定対象に向けて送信する。そして、プローブ101は、被検体からの複数の反射超音波(以下、「超音波反射信号」とする)をエコー信号として受信し、複数の振動子によりこれら超音波反射信号をそれぞれ電気信号(以下、「受信信号」とする)に変換し、受信信号を送受信部104に供給する。
撮像器102は、制御部103の指示に従いプローブを操作する手技を撮像して、ビデオ画像の画像信号を動画像取得部105に連続的に出力するカメラである。超音波診断装置150では、撮像器102が通電されている間は、撮像器102から動画像取得部105に画像信号が連続的に出力される構成となっている。
表示器111は、いわゆる画像表示用の表示装置であって、表示画面構成部109により構成された画面構成に従い、後述する制御部103を介して出力される、参照画像の動画像、参照画像の断層画像、取得データの動画像、取得データの断層画像を表示する。表示器111には、LCD(Liquid crystal display、液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ等を用いることができる。
操作部112は、入力デバイスであり、検査者からの超音波診断装置150に対する各種設定、操作等の各種操作入力を受け付け、制御部103に出力する。検査者より入力される情報は、患者名、検査日時、画面の再生・停止、保存、画質調整、等である。これら入力情報は、データ格納部110に保存される。
<超音波診断装置150の各部構成>
次に、超音波診断装置150に含まれる各ブロックの構成について説明する。
制御部103は、超音波診断装置150に含まれる各処理部の制御を行う回路である。以降、特に明記しないが、制御部103が各処理部の動作を制御する。例えば、制御部103は、動作タイミングなどを制御しながら各処理部に処理を実行させる。
2.送受信部104
送受信部104は、プローブ101と接続される。送受信部104は、制御部103からの送信制御信号に基づき、プローブ101に超音波ビームを送信させるためのパルス状の送信超音波信号を供給する送信処理を行う回路である。具体的には、送受信部104は、例えば、クロック発生回路、パルス発生回路、遅延回路を備えている。クロック発生回路は、超音波ビームの送信タイミングを決定するクロック信号を発生させる回路である。パルス発生回路は、各振動子を駆動するパルス信号を発生させるための回路である。遅延回路は、超音波ビームの送信タイミングを各振動子毎に遅延時間を設定し、遅延時間だけ超音波ビームの送信を遅延させて超音波ビームのフォーカシングを行うための回路である。
RF信号とは、例えば、振動子配列方向と超音波の送信方向であって振動子配列と垂直な方向からなる複数の信号からなり、各信号は反射超音波の振幅から変換された電気信号をA/D変換したデジタル信号である。
3.画像処理回路151
実施の形態1に係る超音波診断装置150の画像処理回路151の構成を説明する。図3は、超音波診断装置150の画像処理回路151の構成を示すブロック図である。上述のとおり、超音波診断装置150の画像処理回路151は、動画像取得部105、断層画像生成部106、対応付記録部107、データ参照部108及び表示画面構成部109から構成される。
動画像取得部105は、撮像器により撮像された動画像を取得する回路である。動画像取得部105は、撮像器102により撮像され撮像器102により連続的に出力される画像信号を入力とし、プローブを操作する手技が撮像された動画像を取得する。動画像の取得開始、及び、停止は、制御部103により動画像取得部105に送信される制御信号に基づいて制御される。
(2)断層画像生成部106
断層画像生成部106は、プローブ101により被検体から取得された反射超音波に基づいて断層画像を生成する回路である。断層画像は、超音波受信信号の強さを輝度によって表したいわゆるBモード画像である。なお、検査者が被検体上でプローブを移動させながら、順次、反射超音波を取得する場合を例として説明する。ただし、プローブの移動は、直線的なものに限られない。つまり、検査者が曲線的にプローブを移動させる場合にも適用することができる。
対応付記録部107は、断層画像と動画像とを対応付けてデータ格納部110に記録する回路である。超音波診断装置150では、対応関係を示した保存データリストを作成してデータ格納部110に記録する。本実施の形態では、断層画像と動画像との対応付けは、ファイル単位で行われる構成としている。具体的には、図3に示すように、対応付記録部107は、断層画像生成部106から供給される現在取得中の断層画像と、動画像取得部105から供給される現在取得中の動画像とを入力として、断層画像及び動画像を参照画像(リファレンス画像)としてデータ格納部110に別のファイルとして各々記録する。併せて、対応付記録部107は、両画像のファイルの対応関係を示す保存データリスト追加情報をデータ格納部110に保存されている保存データリストに記録し、保存データリストを更新する。したがって、断層画像生成部106において新たな断層画像が取得されると、データ格納部110に保存されている保存データリストには、新規に保存データリスト追加情報が追加されながら更新される。
なお、動画像を対応付ける方法として、保存データリストを用いる方法を説明したが、断層動画と動画像とが1対1で紐付けすることができる他の方法であってもよい。例えば、断層動画に対して、対応する動画像のファイル情報を、例えば、断層動画ファイルのヘッダ部分に付加情報として付与し、さらに、動画像に対して、対応する断層動画のファイル情報を、例えば、動動画ファイルのヘッダ部分に付加情報として付与する構成であってもよい。
データ参照部108は、操作部112から供給される検査者の操作入力情報を入力として、データ格納部110に記録された断層画像、及び、動画像を参照画像(以後、断層画像と対応付けられた動画像像とを総称するときは「参照画像」とする)として読み出す回路である。検査者は表示器111に表示される、例えば電子カルテ等の表示画面を見ながら、操作部112への操作入力により参照したい断層画像が選択することができる。操作部112へ検査者が参照したい断層画像が選択されると、対応する動画像が同時にデータ格納部110から読み出される。このとき、断層画像の選択には保存データリストを利用してもよい。これによれば、被検体IDや、検査日時等を特定することにより、選択可能な断層画像を絞り込んだ後、個別の断層画像を選択することができる。また、検査者が参照したい動画像を選択することにより、対応する断層画像が同時に読み出される構成であってもよい。また、断層画像と対応する動画像とを選択して呼び出すことができる方法であれば他の方法を採ることも可能である。
表示画面構成部109は、参照画像である検査者により選択された断層画像及び動画像と、現在収集中の断層画像とを、表示器111の画面に並べて表示する回路である。現在取得中データには、動画像取得手段が取得する動画像を含めてもよい。ここで、「並べて表示」とは、参照画像と、現在収集中の断層画像及び動画像が表示画面内にあればばよく、参照画像と現在収集中の断層画像及び動画像との位置関係はどのような位置関係であってもよい。
データ格納部110は、断層画像生成部106が生成する断層画像、動画像取得部105が生成する動画像、対応付記録部107により生成される保存データリスト等の対応情報、表示画面構成部109により生成された表示用画面情報、操作部112より入力された各種操作に関する情報を制御部103を介して取得し記録する記録媒体である。データ格納部110は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、MO、DVD、DVD−RAM、半導体メモリ等を用いることができる。また、データ格納部110は、超音波診断装置150に外部から接続された記憶装置であってもよい。
次に、超音波診断装置150における表示画像の一例について説明する。図6、図7及び図8は、超音波診断装置150における表示画像の一例を示した概略図である。
図6、図7及び図8に示すように、表示画面構成部109により構成された表示画面には、参照画像と、現在収集中の断層画像及び動画像が表示画面内に並べて配置されており、参照画像と、現在収集中の断層画像及び動画像が表示器111の画面に並べて表示される。例えば、図6に示す例では、表示画面構成部109は、表示枠201に参照画像の断層画像、表示枠202に参照画像の動画像、表示枠203に取得データの断層画像、表示枠204に取得データの動画像を配置して、表示画面を構成する。
次に、実施の形態1に係る超音波診断装置150の動作について説明する。図5は、超音波診断装置150の超音波画像表示処理フローの一例を示したフローチャートである。
1.ステップS201
ステップS201では、検査者から操作部112にされた指示入力に基づきデータ参照部108はデータ格納部110に記録されている複数の参照画像(断層画像及び動画像)から1の参照画像を選択し、表示画面構成部109はデータ格納部110から選択された参照画像を読み出す。上述のとおり、データ格納部110には、予め断層画像と動画像とが対応付けて参照画像として記録されており、例えば1の断層画像を選択すると、その断層画像と共に、その断層画像を取得したときのプローブを操作する手技が撮像された動画像も読み出すことができる。
2.ステップS202
ステップS202では、表示画面構成部109は、S201で読み出した参照画像を表示器111の画面に表示する。ここでは、表示画面構成部109で構成された表示画面の構成にしたがって、例えば、図6、図7及び図8における表示枠201内に参照画像の断面画像と動画像を配置して表示を行う。断面画像と動画像は自動で再生が開始される。断層画像と動画像の再生は同期して行われ、同一の時刻に取得された断層画像と動画像のフレームが同時に表示される。これにより、参照する断層画像を取得したときのプローブを操作する手技の様子(断層画像を取得した際の検査風景)が検査者に示される。
ステップS203では、検査者の指示により超音波検査が開始される。すなわち、検査者から操作部112にされたフリーズ解除操作の指示入力に基づき、送受信部104での超音波の送信及び受信処理が開始され、断層画像生成部106は、プローブ101が取得した反射超音波に基づいて断層画像を生成する。あわせて、動画像取得部105は、撮像器102により取得された、断層画像を取得したときのプローブを操作する手技が撮像された動画像を取得を開始する。
4.ステップS204
ステップS204では、表示画面構成部109は、断層画像生成部106から直接供給される現在取得中の断層画像及び動画像取得部105から直接供給される動画像を表示器111の画面に表示する。このとき、現在取得中の断層画像及び動画像は、表示画面構成部109で構成された表示画面の構成にしたがって、例えば、図6、図7及び図8における表示枠202内に表示する。
検査者は、参照画像の動画像と現在取得中の動画像とが一致するようプローブを操作して新たな断層画像を取得し、参照画像の断層画像と現在取得中の断層画像との比較診断を実施する。すなわち、検査者は表示器111の画面に表示される参照画像の動画像と現在取得中の動画像とを見比べながら、両画像における被検体検査部位とプローブ101との位置関係が等価となるように被検体の検査部位に対してプローブ101を当てるように検査を行う。
これに対し、超音波診断装置150では、参照画像の動画像には、参照画像の断層画像を取得したときのプローブを操作する手技が撮像され、表示器111の画面には、例えば、上述のとおり同じ撮像条件にで撮像された参照画像と現在取得中の断層画像及び動画像とが並べて表示される。そのため、検査者は表示器111の画面に表示される参照画像の動画像と現在取得中の動画像とを見比べながら、両画像において被検体部位とプローブ101との位置関係が等価となるように、被検体部位に対してプローブ101を当てることができる。これにより、簡易かつ迅速に、現在のプローブ101と検査部位との位置関係を、参照画像における断層画像取得時のプローブ101と検査部位との位置関係と同じにすることができる。また、検査者は表示器111の画面だけを見ながら検査が行えるので、作業負担が軽減できる。
ステップS205では、対応付記録部107は、断層画像生成部106から供給される現在取得中の断層画像と、動画像取得部105から供給される現在取得中の動画像とを対応付けて、現在取得中の断層画像、現在取得中の動画像をデータ格納部110に記録する。併せて、対応付記録部107は、両画像のファイルの対応関係を示した保存データリスト追加情報を作成して、データ格納部110に保存されている保存データリストに記録し、保存データリストを更新する。
ステップS206では、検査者から操作部112にされたフリーズ操作の指示入力に基づき、検査者の指示により現在の検査部位に対する超音波検査を終了する。送受信部104は、超音波の送信及び受信が停止され、あわせて、動画像取得部105は、撮像器102による画像撮像を停止する。さらに、同時に対応付記録部107により、取得中の断層画像と動画像とを対応付けた記録は停止される。また、表示画面構成部109により、ステップS202で開始された参照画像の表示器111画面への表示は停止される。
<効果>
以上説明したように、本実施の形態に係る超音波診断装置150は、反射超音波に基づいて複数フレームの断層画像を生成する断層画像生成部106と、撮像器102より第1の断層画像を取得したときのプローブ101を操作する手技が撮像された第1の動画像を取得する動画像取得部105と、断層画像生成部106から供給される第1の断層画像と、動画像取得部105から供給される第1の動画像とを対応付けて記録媒体110に記録する対応付記録部107と、過去に取得され記録媒体110に記録されている第2の断層画像及びそれを取得したときのプローブ101を操作する手技が撮像された第2の動画像を読み出すデータ参照部108と、データ参照部108が、記録媒体110から読み出した第2の断層画像及び第2の動画像と、断層画像生成部106から供給される第1の断層画像とを、表示器111に並べて表示する表示画面構成部109とを備えた構成を採る。
これにより、過去に記録された検査でのプローブを操作する手技が撮像された動画像と、現在取得中の断層画像を取得するプローブの手技を表示する動画像とを同じ表示画面上で見比べながら超音波検査を行うことができる。そのため、過去に行った検査での手技を容易に再現することが可能となり、正確な比較診断を迅速かつ容易に行うことができる。
また、参照画像が健側の断層画像であり、取得データが患側の断層画像であれば、患部の相対的な定量評価が正確にできる。
次に、実施の形態2に係る超音波診断装置152の構成について説明する。超音波診断装置152は、断層画像を取得したときのプローブを操作する手技が撮像された動画像を解析することで断層画像の示す検査部位を特定し、検査部位と断層画像とを対応付けてデータ格納部に検査部位識別情報として記録する。さらに、検査部位識別情報をもとにデータ格納部から参照画像を特定して参照する機能を有する。
<全体構成>
図9は、実施の形態2に係る超音波診断装置152を用いた超音波診断システム100の構成を示すブロック図である。図10は、超音波診断装置152の画像処理回路153の構成を示すブロック図である。超音波診断装置152は、超音波診断装置150の構成に加え動画像を解析し検査部位を識別する動画像解析部213を設けた点で、超音波診断装置150と相違する。また、超音波診断装置152における対応付記録部207及びデータ参照部208は、超音波診断装置150における対応付記録部107及びデータ参照部108と、各々異なる機能を有する。図9及び10の要素において、図1及び2の要素と同じ構成の要素には同じ符号を付して説明を省略する。
1.動画像解析部213
動画像解析部213は、動画像取得部105から供給される現在取得中の動画像を入力として、動画像を解析してプローブ101が当てられている被検体の検査部位を識別し、検査部位識別情報として対応付記録部207及びデータ参照部208に出力する回路である。検査部位識別情報とは、プローブ101が当てられている被検体における検査部位を特定する情報である。例えば、左手指関節、右手指関節、左頸動脈、右頸動脈、左ひじ、右ひし、、左肩、右肩、胃、肝臓、肺、心臓等の臓器、左ひざ、右ひざ等、身体上の部位が、検査部位識別情報に該当する。動画像を解析して被検体の検査部位を識別する方法は後述する。
対応付記録部207は、断層画像と動画像とを対応付けて、さらに動画像解析部213が識別した検査部位識別情報を付加してデータ格納部110に記録する回路である。対応付記録部107と同様に、例えば、保存データリストを用いて対応関係とともに検査部位識別情報を記録してよい。具体的には、図10に示すように、対応付記録部207は、対応付記録部107と同様に、断層画像生成部106から供給される現在取得中の断層画像と、動画像取得部105から供給される現在取得中の動画像、動画像解析部213から出力される検査部位識別情報とを入力として、断層画像及び動画像を参照画像としてデータ格納部110に記録する。併せて、対応付記録部207は両画像のファイルの対応関係及び検査部位識別情報を含む保存データリスト追加情報をデータ格納部110に保存されている保存データリストに記録し、保存データリストを更新する。したがって、データ格納部110に保存されている保存データリストは、新規に追加情報が追加されながら更新される。
3.データ参照部208
データ参照部208は、動画像解析部213から供給される検査部位識別情報、操作部112から供給される検査者の操作入力情報とを入力として、データ格納部110に記録された参照画像を読み出す回路である。検査者は表示器111に表示される、例えば電子カルテ等の表示画面を見ながら、操作部112へ被検体ID、検査日時を入力する。データ参照部208は、被検体ID、検査日時に基づき、選択可能な断層画像を絞り込む。そして、データ格納部110に記録されている保存データリストに記録されている検査部位識別情報の中から、動画像解析部213から供給される検査部位識別情報(現在取得中の動画像から抽出された検査部位識別情報)と一致するものを検索し、検査部位識別情報と一致する参照画像を選択してデータ格納部110から読み出す。
次に、実施の形態2に係る超音波診断装置152の動作について説明する。図12は、超音波診断装置152の処理フローを示したフローチャートである。
1.ステップS301A
ステップS301Aでは、検査者により、参照したい被検体データ、日時データが操作部112に入力される。ここでは明示的に参照画像を選択せず、被検体識別子と、参照したいデータを取得した期間を指定する。例えば、「鈴木太郎」「2か月前」といった指定である。なお、被検体を識別するID番号であってもよい。また、「直近の検査」といった指定であってもよい。
ステップS301Bでは、動画像解析部213が、動画像取得部105から供給される現在取得中の動画像とを入力として、現在取得中の断層画像を取得したときのプローブを操作する手技が撮像された動画像を解析し、現在プローブ101が当たっている診断部位を識別し、検査部位識別情報を作成する。
本ステップでは、動画像解析部213は、撮像器102が撮像したプローブを101操作する手技が撮像された動画像を取得し(S301B1)、現在動画像中に主要な要素として含まれる被検体部位の画像と、予め検査部位毎に学習された検査部位用の識別器(テンプレート画像)とを比較し、検査部位の概略を識別する(S301B2)。検査部位の概略とは、例えば、左手指、右手指、左頸部、右頸部、左手、右手、腹部、胸部、左足、右足等、現在動画像中に主要な要素として含まれる身体上の部位の概略を示す情報である。
次に、現在のプローブ101の画像と、予めプローブ用に学習されたプローブ用の識別器(テンプレート画像)とを比較し、現在のプローブの位置及び角度を識別する(S301B4)。
なお、撮像器102を複数設けることで、奥行情報を加えた識別処理を行ってもよい。また、3次元の奥行情報を得られる3次元撮像器を用いてもよい。解析において奥行情報を用いることで、より正確に識別を行うことが可能となる。
3.ステップS302
ステップS302では、データ参照部208は、動画像解析部213から供給される検査部位識別情報を入力として、データ格納部110に記録された参照画像の中から、現在取得中の動画像から抽出された検査部位識別情報と同じ検査部位識別情報を有する参照画像を読み出す。データ格納部110には、あらかじめ、断層画像と動画像と、検査部位情報とが対応付けて記録されている。そのため、データ参照部208は、データ格納部110に記録されている保存データリストに記録されている検査部位識別情報の中から、動画像解析部213から供給される検査部位識別情報(現在取得中の動画像から抽出された検査部位識別情報)と一致するものを検索し、その検査部位識別情報に対応する断層画像とその断層画像を取得したときの手技を記録した動画像を参照画像として読み出す。
4.ステップS303、S304
ステップS303、S304は、それぞれ、図5におけるS203、S204と同じ処理が行われる。
図14は、実施の形態2に係る超音波診断装置152における表示画像の一例を示した概略図である。図14に示すように、例えば、挟持枠205には、参照画像である頸動脈に対応するボディマーク画像が表示され、表示枠206には、同様に現在取得中の断層画像である頸動脈に対応するボディマーク画像が表示されている。これにより、検査者は、表示器111に表示されるボディマーク画像から動画像解析部213による検査部位識別結果を即時かつ明確に認識することができる。
5.ステップS305
ステップS305では、断層画像と動画像とを対応付けて、さらに動画像解析部213が識別した検査部位識別情報を付加してデータ格納部110に記録する。具体的には、対応付記録部207は、断層画像生成部106から供給される現在取得中の断層画像と、動画像取得部105から供給される現在取得中の動画像とを対応付けて、現在取得中の断層画像、現在取得中の動画像をデータ格納部110に記録する。併せて、対応付記録部207は、図11に示すような両画像のファイルの対応関係と、動画像解析部213が識別した検査部位識別情報を示した保存データリスト追加情報を作成して、データ格納部110に保存されている保存データリストに記録し、保存データリストを更新する。
6.ステップS306
ステップS306では、検査者から操作部112にされたフリーズ操作の指示入力に基づき、検査者の指示により現在の検査部位に対する超音波検査を終了する。送受信部104は、超音波の送信及び受信が停止され、あわせて、動画像取得部105は、撮像器102による画像撮像を停止する。さらに、同時に対応付記録部207により、取得中の断層画像と動画像とを対応付け検査部位識別情報を付加した記録は停止される。
<効果>
以上、説明したように、超音波診断装置152は、反射超音波に基づいて複数フレームの断層画像を生成する断層画像生成部106と、撮像器102より第1の断層画像を取得したときのプローブ101を操作する手技が撮像された第1の動画像を取得する動画像取得部105と、断層画像生成部106から供給される第1の断層画像と、動画像取得部105から供給される第1の動画像とを対応付けて記録媒体110に記録する対応付記録部207と、過去に取得され記録媒体110に記録されている第2の断層画像及びそれを取得したときのプローブ101を操作する手技が撮像された第2の動画像を読み出すデータ参照部208と、データ参照部208が、記録媒体110から読み出した第2の断層画像及び第2の動画像と、断層画像生成部106から供給される第1の断層画像とを、表示器111に並べて表示する表示画面構成部109と、動画像取得部105から供給される第1の動画像を解析して検査部位を識別し第1検査部位識別情報を生成する動画像解析部213を備え、対応付記録部207は、第1の断層画像及び第1の動画像に、さらに第1の検査部位識別情報を対応付けて記録媒体110に記録し、データ参照部208は、過去に取得され記録媒体110に記録されている第2の断層画像及び第2の動画像であって、対応付されている第2の検査部位識別情報と第1の検査部位識別情報とが一致する第2の断層画像及び第2の動画像を読み出すことを特徴とする。
係る構成により、検査者が被検体のどの部位を検査しようとしているかが識別され、その部位に対応する参照画像を正しく簡易に読み出して参照することができる。その結果、正確な比較検査が可能となる。
<その他の変形例>
上記実施形態に係る超音波診断装置では、記憶装置であるデータ格納部110を超音波診断装置内に含む構成としたが、記憶装置はこれに限定されず、半導体メモリ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、磁気記憶装置、等が、超音波診断装置に外部から接続される構成であってもよい。
また、プローブ101に例えば、角度センサ等の傾斜角度測定手段を設け、プローブ101の傾斜角度を測定して検査結果に記録する構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、プローブ101は、複数の圧電素子が一次元方向に配列されたプローブ構成を示した。しかしながら、プローブの構成は、これに限定されるものではなく、例えば、複数の圧電変換素子を二次元方向に配列した二次元配列振動子や、一次元方向に配列された複数の振動子を機械的に揺動させて三次元の断層画像を取得する揺動型超音波探触子を用いてもよく、測定に応じて適宜使い分けることができる。例えば、2次元に配列されたプローブを用いた場合、圧電変換素子に電圧を与えるタイミングや電圧の値を個々に変化させることによって、送信する超音波ビームの照射位置や方向を制御することができる。
また、実施の形態では、各ブロックは、独立したハードウエアによる構成として説明した。しかしながら、超音波診断装置を構成する各ブロックは、必ずしも独立したハードウエアによって構成される必要はなく、例えば、各ブロックを必要に応じて一体としたCPUおよびソフトウエアによって、その機能を実現する構成であってもよい。
また、各実施の形態に係る、超音波診断装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
さらに、本発明は上記プログラムであってもよいし、上記プログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
また、上記のステップが実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
さらに、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。
以上、説明したとおり、本実施の形態に係る超音波診断装置は、プローブ101、撮像器102、記録媒体110及び表示器111の各々と接続可能に構成され、プローブ101を用いて被検体に超音波を送信し反射超音波から得られる被検体体内の断層画像を表示する超音波診断装置であって、反射超音波に基づいて複数フレームの断層画像を生成する断層画像生成部106と、撮像器102より第1の断層画像を取得したときのプローブ101を操作する手技が撮像された第1の動画像を取得する動画像取得部105と、断層画像生成部106から供給される第1の断層画像と、動画像取得部105から供給される第1の動画像とを対応付けて記録媒体110に記録する対応付記録部107と、過去に取得され記録媒体110に記録されている第2の断層画像及びそれを取得したときのプローブ101を操作する手技が撮像された第2の動画像を読み出すデータ参照部108と、データ参照部108が、記録媒体110から読み出した第2の断層画像及び第2の動画像と、断層画像生成部106から供給される第1の断層画像とを、表示器111に並べて表示する表示画面構成部109とを備えた構成を採る。また、表示画面構成部109は、さらに、動画像取得部105から供給される第1の動画像をも併せた表示画面を構成し、表示器111に表示する構成であってもよい。
また、過去に記録された検査でのプローブを操作する手技が撮像された動画像と、現在取得中の断層画像を取得するプローブの手技を表示する動画像とを同じ表示画面上で見比べながら超音波検査を行うことができるので、過去に行った検査での手技を容易に再現することができる。そのため、正確な比較診断を迅速かつ容易に行うことができる。
以上で説明した実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない工程については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
さらに、超音波診断装置においては基板上に回路部品、リード線等の部材も存在するが、電気的配線、電気回路について当該技術分野における通常の知識に基づいて様々な態様を実施可能であり、本発明の説明として直接的には無関係のため、説明を省略している。尚、上記示した各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
102 撮像器
103 制御部
104 送受信部
106 断層画像生成部
105 動画像取得部
107、207 対応付記録部
108、208 データ参照部
109 表示画面構成部
110 データ格納部(記録媒体)
111 表示器
112 操作部
150、152 超音波診断装置
151、153 画像処理回路
213 動画像解析部
1100 超音波診断システム
Claims (5)
- プローブ、撮像器、記録媒体及び表示器の各々と接続可能に構成され、プローブを用いて被検体に超音波を送信し反射超音波から得られる被検体体内の断層画像を表示する超音波診断装置であって、
反射超音波に基づいて複数フレームの断層画像を生成する断層画像生成部と、
撮像器より第1の断層画像を取得したときのプローブを操作する手技が撮像された第1の動画像を取得する動画像取得部と、
前記断層画像生成部から供給される前記第1の断層画像と、前記動画像取得部から供給される前記第1の動画像とを対応付けて記録媒体に記録する対応付記録部と、
過去に取得され前記記録媒体に記録されている第2の断層画像及びそれを取得したときのプローブを操作する手技が撮像された第2の動画像を読み出すデータ参照部と、
前記データ参照部が、前記記録媒体から読み出した前記第2の断層画像及び前記第2の動画像と、前記断層画像生成部から供給される前記第1の断層画像と、前記動画像取得部から供給される前記第1の動画像とを、表示器に並べて表示する表示画面構成部とを備えた
超音波診断装置。 - 前記動画像取得部から供給される前記第1の動画像を解析して検査部位を識別し第1の検査部位識別情報を生成する動画像解析部を、さらに備え、
前記対応付記録部は、前記第1の断層画像及び前記第1の動画像に、さらに前記第1の検査部位識別情報を対応付けて前記記録媒体に記録し、
前記データ参照部は、過去に取得され前記記録媒体に記録されている第2の断層画像及び第2の動画像であって、対応付されている第2の検査部位識別情報と前記第1の検査部位識別情報とが一致する第2の断層画像及び第2の動画像を読み出す
請求項1に記載の超音波診断装置。 - 前記記録媒体は、前記第2の検査部位識別情報に対応するボディマーク画像が記録されており、
前記データ参照部は、前記記録媒体に記録されたボディマーク画像の中から、前記第2の検査部位識別情報に基づき特定のボディマーク画像を読み出し、
前記表示画面構成部は、前記ボディマーク画像を前記表示器に、さらに表示させるよう表示画面を構成する
請求項2に記載の超音波診断装置。 - プローブ、撮像器、記録媒体及び表示器の各々と接続可能に構成され、プローブを用いて被検体に超音波を送信し反射超音波から得られる被検体体内の断層画像を表示する超音波画像処理方法であって、
反射超音波に基づいて複数フレームの断層画像を生成し、
撮像器より第1の断層画像を取得したときのプローブを操作する手技が撮像された第1の動画像を取得し、
生成された前記第1の断層画像と、取得された前記第1の動画像とを対応付けて前記記録媒体に記録し、
過去に取得され記録媒体に記録されている第2の断層画像及びそれを取得したときのプローブを操作する手技が撮像された第2の動画像を読み出し、
前記記録媒体から読み出した前記第2の断層画像及び前記第2の動画像と、生成された前記第1の断層画像と、取得された前記第1の動画像とを、表示器に並べて表示する
超音波画像処理方法。 - 請求項4に記載の超音波画像処理方法をコンピュータ、に実行させるプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体。
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