<第1実施形態>
1.遊技機の構造
本発明の遊技機の第1実施形態であるパチンコ遊技機1について図面を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機1の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右方向のことである。また、パチンコ遊技機1の各部の前方向をパチンコ遊技機1から当該に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機1の各部の後方向をパチンコ遊技機1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機1に近づく方向として、説明する。
図1に示すように、本発明の遊技機の第1実施形態のパチンコ遊技機1は、図示しない遊技店に設置された外枠に回転可能に支持される遊技機枠50と、遊技機枠50にヒンジ52を介して回転自在に支持される前面枠51と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2と、を備えている。
前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60と、遊技球を貯留する打球供給皿(所謂「上皿」)61と、打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(所謂「下皿」)62と、が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66と、音を出力するスピーカ67と、が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。
図2に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、レール部材4などに囲まれて仕切られている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技用のくぎ(図示なし)が前方に突設されている。
また、遊技領域3の中央付近には、第2大入賞装置36が設けられている。第2大入賞装置36については後述する。
遊技領域3における第2大入賞装置36の下方には、遊技球の入球し易さが変化せずに一定の、すなわち不変の第1始動口20を備える第1始動入賞装置21が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(以下、「特図1抽選」という)および特図1の可変表示(後述の特図1関係乱数の取得と判定)の契機となっている。また、遊技球が第1始動口20へ入賞すると、所定個数(第1実施形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。
遊技領域3における第1始動口20の略右斜め上方には、第2始動口22を備える第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)23が設けられている。第2始動口22への遊技球の入賞は、第2特別図柄(以下、「特図2」という)の抽選(以下、「特図2抽選」)および特図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口22へ入賞すると、所定個数(第1実施形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。
電チュー23は、開閉可能な一対の開閉部材231を備えている。開閉部材231の作動によって第2始動口22が開閉する。電チュー23は、開状態と閉状態とをとる開閉部材231を備える。開閉部材231の作動により第2始動口22が開閉する。開閉部材231は正面視略正方形の平板からなり、通常は第2始動口22を塞いでいる。開閉部材231は下端を中心に前方側に略90度回転することができる。開閉部材231が回転すると、開閉部材231が遊技領域3に垂直に突出した状態になり、流下する遊技球を受け止めて第2始動口22の中に入球させる。このように、第2始動口22は、開閉部材231が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1始動入賞装置21の直下には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材311を備える。開閉部材311の作動により第1大入賞口30が開閉する。開閉部材311は正面視略長方形の平板からなり、通常は第1大入賞口30を塞いでいる。開閉部材311は下端を中心に前方側に略90度回転することができる。開閉部材311が回転すると、開閉部材311が遊技領域3に垂直に突出した状態になり、流下する遊技球を受け止めて第1大入賞口30の中に入球させる。このように、第1大入賞口30は、開閉部材311が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。遊技球が第1大入賞口30へ入賞すると、所定個数(第1実施形態では、14個)の遊技球が賞球として払い出される。
第2大入賞装置36の右側であって電チュー23の上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。遊技球のゲート28の通過は、電チュー23を開放するか否かを決める普通図柄の抽選および普通図柄の可変表示(すなわち普通図柄乱数の取得と判定)の契機となっている。
また、遊技領域3における第1始動入賞装置21の左側には、3つの一般入賞口27が設けられている。遊技球が各一般入賞口27へ入賞すると、所定個数(第1実施形態では、7個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3の外部へ排出するアウト口29が設けられている。
第2大入賞装置36は、第2大入賞口35と、一対の羽根部材361と、を備えている。一対の羽根部材361の一方は、第2大入賞装置36の上部右側に設けられている。一対の羽根部材361の他方は、第2大入賞装置36の上部左側に設けられている。一対の羽根部材361の作動により第2大入賞口35が開閉する。一対の羽根部材361は線対称の動作を行う。一対の羽根部材361が開いているときだけ遊技球の第2大入賞口35への入球可能となる。遊技球が第2大入賞口35へ入賞すると、所定個数(第1実施形態では、14個)の遊技球が賞球として払い出される。
ここで、図3を用いて、第2大入賞装置36について詳細に説明する。通常は、一対の羽根部材361が、閉状態にあり、第2大入賞口35を塞いでいる(図3における2点鎖線の状態)。よって、羽根部材361が閉状態に制御されているときは、遊技球が第2大入賞口35へ入賞することができない。しかしながら、特図1抽選または特図2抽選で大当たり図柄に当選すること(大当たり図柄の停止表示)により、一対の羽根部材361が、下端部を回転軸として先端が互いに離れる向きに回転し、開状態(図3における実線の状態)になる。一対の羽根部材361が開状態になると、一対の羽根部材361の各々は、流下する遊技球を受け止めて第2大入賞口35の中に入球させる。このように、第2大入賞口35は、一対の羽根部材361が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
図3に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域37と、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な第1非特定領域38と、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な第2非特定領域39と、が設けられている。また、第2大入賞装置36の内部において、第2大入賞口35へ入球した遊技球が特定領域37、第1非特定領域38、第2非特定領域39へ向かう経路上に、遊技球を特定領域37、第1非特定領域38または第2非特定領域39に振り分ける振分装置72が設けられている。振分装置72は、前後に進退可能な振分部材721を備えている。振分部材721の作動により、遊技球が特定領域37、第1非特定領域38または第2非特定領域39に振り分けられる。具体的に、振分部材721は、前方に突出しているとき、第2大入賞口35へ入球した遊技球が特定領域37へ向かう経路を塞ぐ。そして、振分部材721は、前方に突出しているときは、遊技球を弾く。遊技球は、振分部材721に弾かれると第1非特定領域38または第2非特定領域39に向かって転動する。よって、振分部材721が前方に突出しているとき、第2大入賞口35を通過した遊技球が特定領域37を通過することは不可能であり、第1非特定領域38または第2非特定領域39を通過することが可能である。一方、振分部材721が、後方に待避しているとき、第2大入賞口35に入球した遊技球は基本的には特定領域37を通過するが、特定領域37へ導かれずに、第1非特定領域38または第2非特定領域39を通過することもある。なお、以下において、振分装置72が設けられている位置から特定領域37までの経路を「スペシャルルート71」と称し、振分装置72が設けられている位置から非特定領域38までの経路を「第1ノーマルルート70A」と称し、振分装置72が設けられている位置から第2非特定領域39までの経路を「第2ノーマルルート70B」と称する。
特定領域37、第1非特定領域38および第2非特定領域39には、通過した遊技球を検知する特定領域センサ37a、第1非特定領域センサ38aおよび第2非特定領域センサ39aが設けられている。
特定領域37を通過した遊技球は、その下流側に設けられた特定排出口71aからステージ73に導かられる。同様に、第1非特定領域38を通過した遊技球はその下流側に設けられた第1非特定排出口70aから、第2非特定領域39を通過した遊技球はその下流側に設けられた第2非特定排出口70bから、ステージ73に導かられる。ステージ73に導かれた遊技球は、最終的に、遊技盤2の外部につながる排出口74に誘導され、遊技盤2の外部へ排出される。
また、第1非特定領域38と第1非特定排出口70aとの間には、遊技球が通過可能な第1特典ゲート装置78が設けられている。また、第2非特定領域39と第2非特定排出口70bとの間には、第2特典ゲート装置79が設けられている。
第1特典ゲート装置78〜第2特典ゲート装置79は、前方への突出と後方への退避が可能、言い換えれば、前後に進退可能な第1特典可動部材781〜第2特典可動部材791を備えている。第1特典可動部材781〜第2特典可動部材791は同一のゲート状に成形されており、内側で遊技球を通過させることができる。
第1特典可動部材781は、退避しているとき、第1非特定領域38と第1非特定排出口70aとの間における背面側の壁面70Cと面一の状態になり、遊技球を通過させることができる内側が壁面70Cの後方に収容されてしまう。よって、第1特典可動部材781が退避しているとき遊技球が第1特典可動部材781を通過することができない。一方、第1特典可動部材781が突出しているとき、遊技球を通過させることができる内側が壁面70Cの前方に突出する。よって、第1特典可動部材781が突出しているとき、遊技球は第1特典可動部材781を通過することができる。同様に、第2特典可動部材791が退避しているとき、第2特典可動部材791の遊技球を通過させることができる内側が、第2非特定領域39と第2非特定排出口70bとの間における背面側の壁面70Cの後方に収容されるので、遊技球が第2特典可動部材791を通過することができない。一方、第2特典可動部材791が突出しているとき、第2特典可動部材791の遊技球を通過させることができる内側が、壁面70Cの前方に突出するので、遊技球が第2特典可動部材791を通過することができる。
例えば、図4(A)は、第1特典可動部材781が、その前方側の端面と壁面70Cがと面一な状態で退避している状態、すなわち、第1特典ゲート装置78が、遊技球の通過が不可能な状態にある様子を表している。ここで、第1特典可動部材781が突出すると、図4(B)に示すように、第1特典ゲート装置78は、遊技球を通過させることが可能な状態になる。
また、第1特典可動部材781および第2特典可動部材791のそれぞれの前面には、同一のLEDからなる第1特典LED783および第2特典LED793が設けられている。遊技球が第1特典LED783または第2特典LED793を通過すると、第1特典LED783または第2特典LED793が点灯する(図4(C)参照)。
ところで、図2に示すように、第2大入賞装置36の前面で、一対の羽根部材361より下側には、第1画像表示装置7が設けられている。そして、第1画像表示装置7の第1表示画面7aは、特定領域37、第1非特定領域38、第2非特定領域39、ステージ73および排出口74などを全体的に覆っている。なお、振分装置72は、第1画像表示装置7に覆われておらず、遊技者から視認可能になっている。
第1画像表示装置7は、公知の透過式の液晶表示装置である。つまり第1画像表示装置7は、平板状の液晶層を、透明電極を有する透明の保護板によって挟み込んだ構造のものである。液晶層では、非通電時には透過性を有するように液晶素子が向いており、通電時には液晶素子の向きが変わって画像が表示される。画像表示の際には、透過性は失われる。つまり、第1画像表示装置7の第1表示画面7aは、画像を表示していないときには後方を視認可能な透過状態となり、画像を表示しているときには後方を視認することができない不透過状態となる。よって、第1表示画面7aが透過状態にあるときには、第1表示画面7aの後方にある第2大入賞装置36の内部が遊技者から視認可能となる。また、第1表示画面7aが不透過状態にあるときには、第2大入賞装置36の内部は遊技者から視認不可能となる。ここで、第1表示画面7aの不透過状態には、半透過状態(透過状態よりも困難だが後方を視認し得る状態)も含むものとする。つまり、「後方を視認不可能な不透過状態」は、半透過状態であってもよい。
なお、第1画像表示装置7は、透明の有機ELパネルを備える有機ELディスプレイにより構成してもよい。有機ELパネルは、通電時に発光する自発光式の有機ELのシートを、透明電極を有する透明の保護板によって挟み込んだものである。有機ELディスプレイとすれば、液晶表示装置よりも薄型のディスプレイとすることができる点でメリットがある。
また、第2大入賞装置36の前面で、一対の羽根部材361より上側には、第2画像表示装置17が設けられている。第2画像表示装置17の第2表示画面17aは、第1表示画面7aよりも小さい。
ところで、各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、がある。遊技球が左遊技領域3Aを流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、遊技球が右遊技領域3Bを流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。パチンコ遊技機1において、左打ちにて遊技をしたときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技をしたときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、3つの一般入賞口27と、第1大入賞口30と、第2大入賞口35とが設けられている。よって、遊技者は左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20、一般入賞口27、第1大入賞口30、または、第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、第2始動口22と、第1大入賞口30と、第2大入賞口35とが設けられている。よって、遊技者は右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28の通過や、第2始動口22、第1大入賞口30、または、第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
また、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。図5に示すように、表示器類40には、特図1を可変表示する特図1表示器41a、特図2を可変表示する特図2表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また、表示器類40には、後述する特図1保留数(U1:特図1表示器41aによる特図1の可変表示が保留されている数)を表示する特図1保留表示器43a、後述する特図2保留数(U2:特図2表示器41bによる特図2の可変表示が保留されている数)を表示する特図2保留表示器43b、および、後述する普図保留数(G:普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示が保留されている数)を表示する普図保留表示器44が含まれている。
特図1の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機に特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、第2始動口22への遊技球の入賞を契機に特図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特図1および特図2を総称して特図といい、特図1抽選および特図2抽選を総称して特図抽選という。また、特図1表示器41aおよび特図2表示器41bを総称して特図表示器41という。また、特図1保留表示器43aおよび特図2保留表示器43bを総称して特図保留表示器43という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が変動表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定の特図の種類(つまり当選した大当たりの種別)に応じた開放パターンにて大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)を開放させる大当たり遊技が行われる。
特図表示器41は、横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器41は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器41「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口22への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(数値情報)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として特図保留記憶部85(図7参照)に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口20への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図1関係乱数」といい、第2始動口22への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図2関係乱数」という。ここで、特図1関係乱数は、特図1保留として、特図保留記憶部85の中の特図1保留記憶部85a(図7参照)に記憶される。一方、特図2関係乱数は、特図2保留として、特図保留記憶部85の中の特図2保留記憶部85b(図7参照)に記憶される。特図1保留記憶部85aに記憶可能な特図1保留の数(特図1保留数)および特図2保留記憶部85bに記憶可能な特図2保留の数(特図2保留数)には上限がある。第1実施形態において、特図1保留数および特図2保留数の上限値はそれぞれ4個に設定されている。なお、以下において、特図1保留と特図2保留を総称して「特図保留」といい、特図1保留数と特図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口20または第2始動口22へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、所定個数を上限として、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
そして、特図保留数は、特図保留表示器43に表示される。特図1保留表示器43aと特図2保留表示器43bのそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示する。
また、普通図柄の可変表示は、普通図柄抽選の結果を報知する。普通図柄の可変表示では、普通図柄が変動表示したあと停止表示する。停止表示される普通図柄(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定の普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口22(電チュー23)を開放させる補助遊技が行われる。
普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示する。普通図柄抽選の結果が当たりである場合には、普通図柄表示器42は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普通図柄抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普通図柄抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
また、普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が行われる。普通図柄の変動表示の態様は、第1実施形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普通図柄の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
パチンコ遊技機1では、遊技球がゲート28を通過すると、普通図柄抽選を行うための普通図柄乱数(数値情報)が取得されることがある。この乱数は、普図保留として普図保留記憶部86(図7参照)に一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限がある。第1実施形態において、普図保留数の上限値は4個に設定されている。なお、以下において、遊技球がゲート28を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。
また、パチンコ遊技機1では、遊技球がゲート28を通過することに基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、詳細には、普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に遊技球がゲート28を通過した場合、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄の可変表示(あるいは、普通図柄抽選の権利)を留保することができる。普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。
そして、このような普通保留数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留数の分だけLEDを点灯させることにより普図保留数を表示する。
また、図6に示すように、打球供給皿61の上側には、遊技者が押下操作可能な演出ボタン63およびセレクトボタン65が設けられている。セレクトボタン65は、上ボタン65U、下ボタン65D、左ボタン65L、及び右ボタン65Rの4つのボタンからなっている。
2.遊技機の電気的構成
次に、図7および図8に基づいて、パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図7および図8に示すように、パチンコ遊技機1は、特別図柄抽選、特別図柄の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普通図柄抽選、普通図柄の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う主制御基板80、主制御基板80による遊技の進行に応じた遊技演出、客待ち演出、特典ゲート発射予告演出、特典内容説明演出、チャレンジタイム案内演出、コンプリートリーチ演出、コンプリート演出などの演出に関する制御を行うサブ制御基板90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけ、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御回路107、および音声制御回路106とともに、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(第1画像表示装置7、第2画像表示装置17、枠ランプ66、スピーカ67等)を用いた遊技演出、客待ち演出、特典ゲート発射予告演出、特典内容説明演出、チャレンジタイム案内演出、コンプリートリーチ演出、コンプリート演出を制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
図7に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。RAM84には、前述した特図保留記憶部85と普図保留記憶部86とが設けられている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
また、主制御基板80には、RAM84に記憶されている情報をCPU82にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ89が実装されている。主制御基板80を含めてパチンコ遊技機1が備えている各種の基板は、パチンコ遊技機1の背面側に配されている。従って、遊技機枠50を開放することが可能な遊技店の店員等でなければ、RAMクリアスイッチ89を操作することはできない。
主制御基板80には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、主制御基板80には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、主制御基板80は、各種ソレノイド類に信号を出力する。
主制御基板80に接続されている各種センサ類には、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ22a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ37a、第1非特定領域センサ38a、第2非特定領域センサ39a、および、一般入賞口センサ27aが含まれている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20に入賞した遊技球を検出する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22に入賞した遊技球を検出する。ゲートセンサ28aは、ゲート28に設けられており、ゲート28を通過した遊技球を検出する。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出する。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられており、第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出する。特定領域センサ37aは、特定領域37内に設けられており、特定領域37に進入した遊技球を検出する。非特定領域センサ38a、39aは、それぞれ非特定領域38、39内に設けられており、非特定領域38、39に進入した遊技球を検出する。一般入賞口センサ27aは、遊技球を検出すると、その検出内容に応じた信号を主制御基板80に出力する。
また、主制御基板80に接続されている各種ソレノイド類には、電チューソレノイド232、第1大入賞口ソレノイド312、第2大入賞口ソレノイド362、および、振分部材ソレノイド722が含まれている。電チューソレノイド232は、電チュー23の開閉部材231を駆動する。第1大入賞口ソレノイド312は、第1大入賞装置31の開閉部材311を駆動する。第2大入賞口ソレノイド362は、第2大入賞装置36の羽根部材361を駆動する。振分部材ソレノイド722は、振分装置72の振分部材721を駆動する。
さらに主制御基板80には、表示器類40(特図表示器41、普通図柄表示器42、特図保留表示器43、および普図保留表示器44)が接続されている。これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお、パチンコ遊技機1においては、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図8に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、主制御基板80による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
また、サブ制御基板90には、リアルタイムクロック(RTC)99が実装されている。RTC99は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC99は、パチンコ遊技機1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板150が備えるバックアップ電源回路151から供給される電力によって動作する。このため、RTC99は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC99に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内臓電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
サブ制御基板90には、画像制御基板100が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板80による遊技の進行に応じて、画像制御基板100のCPU102に第1画像表示装置7および第2画像表示装置17(以下、第1画像表示装置7と第2画像表示装置17のいずれもまたは何れか一方をいう場合「画像表示装置7、17」という)の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板90と画像制御基板100との接続は、サブ制御基板90から画像制御基板100への信号の送信と、画像制御基板100からサブ制御基板90への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板100は、画像制御のためのプログラム等を記憶した制御用ROM103、ワークメモリとして使用される制御用RAM104、及び、制御用ROM103に記憶されたプログラムを実行するCPU102を備えている。また、画像制御基板100は、画像表示装置7、17に表示される画像のデータを記憶したCGROM143、CGROM143に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM144、及び、VDP(Video Display Processor)142を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM143には、画像表示装置7、17に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
VDP142は、演出制御用マイコン91からの指令に基づきCPU102によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM143から画像データを読み出してVRAM144内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM144内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置7、17に出力する。これにより、種々の演出画像が表示画面7a、17aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
また、画像制御基板100には、スピーカ67から出力される音声の音量を調整するための回転つまみ(図示なし)が回転操作されたことを検出する回転つまみ検出SW(スイッチ)105aが接続されている。回転つまみは、遊技盤2の背面側で画像制御基板100に搭載されている。回転つまみ検出SW105aは、回転つまみが回転操作されると、回転つまみの回転操作位置に応じた信号を画像制御基板100に出力する。画像制御基板100が回転つまみの回転操作位置に応じた信号を入力すると、サブ制御基板90にマスターボリューム変更コマンドを送信する。サブ制御基板90は、受信したマスターボリューム変更コマンドを音声制御回路106に送信する。これにより音声制御回路106は、受信したマスターボリューム変更コマンドに基づいてマスターボリューム(音量レベル)を変更するようになっている。音声制御回路106は、後述する音声による変動演出や特典演出などなどを行う際には、マスターボリュームに応じた音量で音声による変動演出や特典演出などを行う。
なお、第1実施形態では、画像制御基板100がサブ制御基板90を介して音声制御回路106にマスターボリューム変更コマンドを送信することによりマスターボリュームが変更されているが、マスターボリュームを変更するために、サブ制御基板90を介さないで音声制御回路106にマスターボリューム変更コマンドを送信するようにしても良い。また、回転つまみ及び回転つまみ検出SW105aをサブ制御基板90に設け、サブ制御基板90が音声制御回路106にマスターボリューム変更コマンドを送信するようにすることも可能である。また、回転つまみ及び回転つまみ検出SW105aを音声制御回路106側に設けて、回転つまみの回転操作位置に応じた信号が音声制御回路106に出力されることにより、マスターボリュームを変更するようにしても良い。なお、マスターボリュームを変更するための操作手段は、回転つまみに限られるものではなく、スライドスイッチやボタン等の他の機構からなるものであっても良い。
演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板80による遊技の進行に応じて、音声制御回路106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。音声制御回路106は、設定されているマスターボリュームに応じた音量で、音声、楽曲、効果音等をスピーカ67から出力する。後述する音声による変動演出や特典演出などは、マスターボリュームに応じた音量で行われる。なお、第1実施形態では、マスターボリュームは、最少の「0」から最大の「9」までの10段階で設定されている。すなわち、マスターボリュームの最少は消音(無音)を表す「0」であり、最大は「9」である。また、マスターボリューム「0」が設定されている場合は、音声による演出そのものは実行されるが、消音であるので、出力されないようにすることも、音声による演出そのものが実行されないようにすることもできる。
スピーカ67から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御回路106を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100の制御用ROM103に音声データを格納してもよい。
また、サブ制御基板90には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、サブ制御基板90には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板90は、各種ソレノイド類に信号を出力する。
サブ制御基板90に接続された各種センサ類には、第1特典ゲートセンサ78aおよび第2特典ゲートセンサ79aが含まれている。
第1特典ゲートセンサ78aは、第1特典可動部材781に設けられ、第1特典可動部材781を通過した遊技球を検出する。第2特典ゲートセンサ79aは、第2特典可動部材791に設けられ、第2特典可動部材791を通過した遊技球を検出する。各センサは、遊技球を検出すると、その検出内容に応じた信号をサブ制御基板90に出力する。
また、サブ制御基板90に接続された各種ソレノイド類には、第1特典ゲートソレノイド782および第2特典ゲートソレノイド792で構成されている。第1特典ゲートソレノイド782は、第1特典ゲート装置78の第1特典可動部材781を駆動する(進退させる)。第2特典ゲートソレノイド792は、第2特典ゲート装置79の第2特典可動部材791を駆動する(進退させる)。詳細には演出制御用マイコン91は、ランプ制御回路107を介して第1特典可動部材781および第2特典可動部材791の動作を制御する。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路107を介して枠ランプ66、第1特典LED783、および第2特典LED793等の点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
なお、ランプ制御回路107を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに枠ランプ66、第1特典LED783、および第2特典LED793等の点灯制御や第1特典可動部材781および第2特典可動部材791の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
3.主制御基板80による遊技の説明
次に、主制御基板80により行われる遊技について説明する。発射された遊技球が第1始動口20に入賞すると、特図1保留数(U1)が4未満であることを条件に、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器41aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄とハズレ図柄とがある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たりとハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に係る遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に係る遊技が終了する。同様に、発射された遊技球が第2始動口22に入賞すると、特図2保留数(U2)が4未満であることを条件に、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器41bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄とハズレ図柄とがある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たりとハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に係る遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に係る遊技が終了する。
主制御基板80は、このような一連の遊技(特別図柄抽選、特別図柄の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、図9(A)に示すように、特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(数値情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(数値情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(数値情報)である。変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(数値情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。具体的に、特別図柄乱数の範囲は、0〜65535である。大当たり図柄種別乱数の範囲は、0〜9のである。リーチ乱数の範囲は、0〜255である。変動パターン乱数の範囲は、0〜99である。
次に、特図関係乱数を用いて行われる各判定について説明する。最初に、大当たり判定について説明する。大当たり判定は、図9(B)に示す大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態(通常確率状態/高確率状態)によって分けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態のときに用いられる大当たり判定テーブル(通常確率大当たり判定テーブル)と高確率状態のときに用いられる大当たり判定テーブル(高確率大当たり判定テーブル)とがある。通常確率状態と高確率状態についての詳細は後述するが、通常確率状態は大当たり判定で大当たりと判定される確率が相対的に低く設定された遊技状態である。一方、高確率状態は大当たり判定で大当たりと判定される確率が相対的に高く設定された遊技状態である。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たりとハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに照合して、大当たりかハズレかを判定する。図9(B)に示すように、高確率状態で用いられる大当たり判定テーブルの方が、通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数値が多く設定されている。大当たり判定の結果が大当たりであると、特別図柄の可変表示で大当たり図柄が停止表示される。一方、大当たり判定の結果がハズレであると、特別図柄の可変表示でハズレ図柄が停止表示される。
次に、大当たり図柄種別判定について説明する。大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図9(C)に示す大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別を決定するための判定である。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する入賞に掛かる始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)によって分けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄の種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。図9(C)に示すように、大当たり図柄として、大当たり図柄A,大当たり図柄B、大当たり図柄Cの3種類の大当たり図柄が設けられている。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が大当たり図柄Aと大当たり図柄Bとに50%ずつ振り分けられている。一方、第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が大当たり図柄Cに100%振り分けられている。
次に、リーチ判定について説明する。リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図9(D)に示すリーチ判定テーブルを用いてリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。ここで、リーチについて説明するために、リーチの前提となる変動演出について説明する。
特図の可変表示が行われると、当該特図の可変表示に応じて、変動演出が行われる。変動演出は、第1画像表示装置7、第2画像表示装置17、スピーカ67、および枠ランプ66などの様々な演出装置を用いて行われる。変動演出として、第1画像表示装置7の第1表示画面7aでは、当該特図の可変表示に同期した演出図柄の可変表示が行われる。すなわち、特図の変動表示に伴って演出図柄の変動表示が行われ、特図の変動停止(停止表示)に伴って、演出図柄の変動停止(停止表示)が行われる。なお、演出図柄を表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出は「変動演出」の一部を構成している。
例えば、第1表示画面7aが「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアに分けられ、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄8L,8C,8Rはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。そして、演出図柄の変動表示においては、演出図柄8L,8C,8Rが上から下にスクロールして、第1表示画面7aで表示される(視認される)数字が次々に入れ替わる。なお、演出図柄の変動表示の態様としては、上下方向にスクロールする態様に限られず、左右方向(例えば、右から左)にスクロールする態様など他の態様であってもよい。また、演出図柄変動演出では、演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
そして、特図が停止表示されるときに、左、中、右の演出図柄8L,8C,8Rが所定の配列(組み合わせ)で停止表示される。すなわち、変動表示において第1表示画面7aで次々に入れ替わっていた様々な数字が1つに特定される。このとき、停止表示した(特定された)演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせによって、特図表示器41にて停止表示される特図(可変表示の結果、つまりは特別図柄抽選の結果)が、わかりやすく表示される。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄抽選の結果を特図1表示器41aや特図2表示器41bにより把握するのではなく、第1画像表示装置7の第1表示画面7aにて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。
そして、リーチとは、変動演出(演出図柄変動演出)において、演出図柄8L,8C,8Rを用いて遊技者に大当たりを期待させるための演出である。具体的に、リーチは、演出図柄8L,8C,8Rのうちでスクロール表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、スクロール表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチにおいてスクロール表示されていない演出図柄は、第1表示画面7a内の所定位置で仮停止している。仮停止とは、所定の演出図柄が略所定位置で留まり(所定の演出図柄が第1表示画面7a内に表示され続け)、すなわち、大きな移動はないものの、微小な変動(例えば、多少の上下方向の往復運動の繰り返し、また、多少の揺動の繰り返し、また、拡大と縮小の繰り返しなど)のことである。なお、仮停止の態様はこれらに限られない。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)によって分けられている。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短リーチ判定テーブル)とがある。非時短状態と時短状態についての詳細は後述するが、非時短状態と時短状態は、特別図柄の変動表示に要する時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間:特図変動時間)に関する遊技状態であり、時短状態では、非時短状態よりも特図変動時間が短くなり易い。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチを発生させる(リーチあり)」と「リーチを発生させない(リーチなし)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチを発生させる否かを判定する。図9(D)に示すように、非時短状態で用いられるリーチ判定テーブルの方が、時短状態で用いられるリーチ判定テーブルよりも、リーチを発生させると判定されるリーチ乱数値が多く振り分けられている。リーチ判定の結果がリーチを発生させるであると、変動演出でリーチが発生する。一方、リーチ判定の結果がリーチを発生させないであると、変動演出でリーチが発生しない。なお、以下において、リーチ判定結果「リーチを発生させる」のことを「リーチ有りハズレ」といい、リーチ判定結果「リーチを発生させない」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
次に、特別図柄の変動パターン判定について説明する。特別図柄の変動パターン判定(特図変動パターン判定)は、大当たり判定の結果が大当たりおよびハズレの何れの場合にも、図10に示す特図の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特別図柄の変動表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定である。特図変動パターンとは、特図変動時間などの特別図柄の変動表示に関する所定事項に関する識別情報である。特図変動パターンには、特図変動時間の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果も含まれている。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる変動表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)によって分けられている。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の変動表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図10(A))と、特図2の変動表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図10(B))とがある。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)によっても分けられている。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルおよび特図2変動パターン判定テーブルのそれぞれには、非時短状態のときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(非時短特図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(時短特図変動パターン判定テーブル)とがある。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)によって分けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果によっても分けられている。詳細には、非時短特図変動パターン判定テーブルには、大当たり用の特図変動パターン判定テーブルと、リーチ有りハズレ用の特図変動パターン判定テーブルと、リーチ無しハズレ用の特図変動パターン判定テーブルと、がある。同様に、時短特図変動パターン判定テーブルにも、大当たり用の特図変動パターン判定テーブルと、リーチ有りハズレ用の特図変動パターン判定テーブルと、リーチ無しハズレ用の特図変動パターン判定テーブルと、がある。
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図変動パターン判定テーブルは、特図保留数によって細分化されている。具体的には、特図1保留数(U1)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図変動パターン判定テーブルと、がある。また、特図2保留数(U2)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図変動パターン判定テーブルと、がある。
以上のように分けられた各特図変動パターン判定テーブルでは、特図変動パターン判定の結果である特図変動パターンに、変動パターン乱数の判定値(特図変動パターン乱数値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得した変動パターン乱数を特図変動パターン判定テーブルに照合して、特図変動パターンを判定する。そして、この判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特別図柄の変動表示が、特図表示器41で行われる。
このように、大当たり判定、大当たり図柄種別判定、リーチ判定および特図変動パターン判定が行われることによって、特図表示器41において特図の可変表示が行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、大当たり遊技が実行される。
大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口30、35の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。そして、これらの各要素は、停止表示された大当たり図柄の種別に対応付けられている。主制御基板80は、停止表示された大当たり図柄の種別に基づいて、図11に示す大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルには、大当たり図柄毎に大当たり遊技構成要素が格納されている。よって、主制御基板80は、大当たり図柄が停止表示されると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技を実行する。ここで、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技について説明する。
大当たり図柄Aに応じた大当たり遊技(第1大当たり遊技)では、ラウンド遊技が16回行われる。そして、1Rから15Rまでは1回のラウンド遊技で第1大入賞口30が1回開放する。各開放時間は29.5秒である。1〜14Rまでは開放した後の閉鎖時間が2.0秒であり、15Rでは開放した後の閉鎖時間が10.0秒である。これは、前述したように、大当たり図柄Aと大当たり図柄Bは、特図1抽選で当選可能であり、後述するように、特図1抽選は基本的に非時短状態で行われる。よって、非時短状態で遊技を行っていて大当たりに当選すると、後述するように、16Rで第2大入賞口35が開放するが、この開放には遊技球を特定領域37に進入させ易い開放パターンと進入させ難い開放パターンとがあり、16Rが開始される直前の閉鎖時間を利用して、特定領域37に進入させ易い進入させ易い開放パターンであることを案内する演出または特定領域37に進入させ難い進入させ易い開放パターンであることを案内する演出を行うからである。そして、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35が2回開放する。1回目の開放時間が15.0秒であり、2回目の開放時間が0.1秒である。そして、1回目の開放と2回目の開放の間の閉鎖の時間は14.0秒である。大当たり遊技においては、大当たり図柄種別に関係なく、振分部材721が、第2大入賞口35が開放するラウンド遊技が開始してから一様な動作パターンで作動する。具体的には、突出し、特定領域37を塞いでいた振分部材721が16Rの開始とともに退避して特定領域37を開放する。そして、16R開始から14.0秒が経過した時に振分部材721が突出して特定領域37を塞ぐ。すなわち、16Rが開始してから14.0秒間、遊技球を特定領域37に進入させることができる。よって、大当たり図柄Aに応じた第1大当たり遊技の16Rでは、第2大入賞口35が相対的に長い時間開放している時間帯と、振分部材721が特定領域37を開放している時間帯とがほとんど一致しているといえる。そのため、第2大入賞口35が長く開放しているときに遊技球を第2大入賞口35に入賞させると、遊技球を特定領域37に進入(V通過)させることができる。すなわち、大当たり図柄Aに応じた第1大当たり遊技では、遊技球を特定領域37に進入(V通過)させることが容易である。
大当たり図柄Bに応じた第2大当たり遊技では、ラウンド遊技が16回行われる。そして、1Rから15Rまでは1回のラウンド遊技で第1大入賞口30が1回開放する。各開放時間は29.5秒である。また、1〜14Rまでは開放した後の閉鎖時間が2.0秒であり、15Rでは開放した後の閉鎖時間が10.0秒である。これも、前述の通り、16Rが開始される直前の閉鎖時間を利用して、特定領域37に進入させ易い開放パターンであることを案内する演出または特定領域37に進入させ難い開放パターンであることを案内する演出を行うからである。そして、大当たり図柄Aに応じた第1大当たり遊技と同様に、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35が2回開放する。しかしながら、1回目の開放時間が0.1秒であり、2回目の開放時間が15.0秒である。そして、1回目の開放と2回目の開放の間の閉鎖の時間は14.0秒である。よって、大当たり図柄Bに応じた第2大当たり遊技の16Rでは、第2大入賞口35が相対的に短い時間開放しているときに、振分部材721が特定領域37を開放しているが、第2大入賞口35が相対的に長く開放している時間帯と、振分部材721が特定領域37を開放している時間帯とがほとんど一致していない。そのため、大当たり図柄Bに応じた第2大当たり遊技で、遊技球を特定領域37に進入(V通過)させることが困難である。
大当たり図柄Cに応じた大当たり遊技では、ラウンド遊技が16回行われる。そして、1Rから15Rまでは1回のラウンド遊技で第1大入賞口30が1回開放する。各開放時間は29.5秒である。そして、1〜15Rまでは開放した後の閉鎖時間が2.0秒である。また、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35が1回開放する。この開放時間は29.5秒である。よって、大当たり図柄Cに応じた第3大当たり遊技の16Rでは、第2大入賞口35が開放している時間帯に、振分部材721が特定領域37を開放している時間帯が完全に含まれている。すなわち、大当たり図柄Cに応じた第3大当たり遊技では、遊技球を特定領域37に進入(V通過)させることが容易である。前述したように、大当たり図柄Cは、特図2抽選でのみ当選可能であり、後述するように、特図2抽選は基本的に時短状態で行われる。よって、時短状態で遊技を行っていて大当たりに当選すると、基本的には特定領域37に進入させ易い開放パターンしか発生しない。よって、16Rが開始する直前の閉鎖時間を利用して、特定領域37に進入させ易い開放パターンであることを案内する演出または特定領域37に進入させ難い開放パターンであることを案内する演出を行っても、遊技者からすれば煩わしくなり、演出効果が低下する。そのため、大当たり図柄Aおよび大当たり図柄Bに応じた大当たり遊技とは異なって、16Rの直前の閉鎖時間が2.0秒に設定されている。
このように、大当たり遊技には、当該大当たり遊技中に、遊技球の特定領域37の通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で羽根部材361が作動する大当たり遊技と、遊技球の特定領域37の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で羽根部材361が作動する大当たり遊技とがある。このように、Vロング開放パターンで羽根部材361が作動する大当たり遊技に対応付けられた大当たり図柄Aおよび大当たり図柄Cに当選することを「Vロング大当たり」という。一方、Vショート開放パターンで羽根部材361が作動する大当たり遊技に対応付けられた大当たり図柄Bに当選することを「Vショート大当たり」という。
主制御基板80は、大当たり遊技の終了に伴って、当該大当たり遊技後の遊技状態を新たに設定する。具体的には、主制御基板80は、大当たり遊技中に遊技球が特定領域37を通過していれば、大当たり遊技の終了に伴って高確率状態を設定する。これに対して、主制御基板80は、大当たり遊技中に遊技球が特定領域37を通過していなければ、大当たり遊技の終了に伴って高確率状態を設定しない。従って、上記のVロング大当たり(大当たり図柄Aまたは大当たり図柄C)に当選した場合には、高い確率で、大当たり遊技の終了に伴って、当該大当たり遊技後は高確率状態で遊技が進行することとなる。これに対して、Vショート大当たり(大当たり図柄B)に当選した場合には、高い確率で、大当たり遊技の終了後も、当該大当たり遊技後は通常確率状態で遊技が進行することとなる。
また、主制御基板80は、大当たり遊技中に遊技球が特定領域37を通過したか否かに関わらず(V通過の有無に関わらず)、その大当たり遊技の終了に伴って、時短状態を設定する。ただし、この場合は、大当たり遊技中に遊技球が特定領域37を通過したか否かに応じて時短回数が異なる。時短回数とは、時短状態で実行可能な特別図柄の変動表示の回数の上限値のことである。大当たり遊技中に遊技球が特定領域37を通過した場合は時短回数が「180回」となる。一方、大当たり遊技中に遊技球が特定領域37を通過していない場合は時短回数が「100回」となる。
前述のとおり、特図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率は、大当たり図柄A(Vロング大当たり)が50%であり、大当たり図柄B(Vショート大当たり)が50%である。これに対して、特図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率は、大当たり図柄C(Vロング大当たり)が100%である。すなわち、第2始動口22への入賞に基づく大当たり判定の結果が大当たりである場合には、必ずVロング大当たり遊技が実行される。このようにパチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる特図1抽選よりも、第2始動口22に遊技球が入賞して行われる特図2抽選の方が、遊技者にとって有利に設定されている。
また、主制御基板80は、遊技球が始動口20、22に入賞して、特図関係乱数を取得すると、一旦、RAM84の特図保留記憶部85とは異なる領域(例えば、バッファ)に記憶し、当該乱数に基づいて始動入賞コマンドを特定してサブ制御基板90に送信する。始動入賞コマンドには、大当たりか否かに関する情報(当否情報)が含まれている。また、始動入賞コマンドには、第1始動口20と第2始動口22とのどちらの始動口に入賞したのかの情報(始動口情報)が含まれている。さらに、始動入賞コマンドには、通常確率状態と高確率状態とのどちらの遊技状態で入賞したのかの情報(遊技状態情報)が含まれている。主制御基板80は、取得した特図関係乱数に基づいて、図12に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて始動入賞コマンドを特定する。なお、始動入賞コマンドは、少なくとも当否情報を含むものであればよく、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜に変更可能である。前述のとおり、特図関係乱数に基づいて特別図柄の可変表示が行われるが、その特図関係乱数に基づいて実行される特別図柄の可変表示よりも前に、当否情報などをサブ制御基板90に送信することで、後述する先読み演出を実行可能にし、遊技興趣を向上させる。
また、主制御基板80は、発射された遊技球がゲート28を通過すると、普図保留数(G)が4未満であることを条件に、普通図柄抽選を行う。普通図柄抽選が行われると、普通図柄表示器42において、普通図柄の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普通図柄には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート28の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート28の通過に係る遊技が終了する。
主制御基板80は、このような一連の遊技(普通図柄抽選、普通図柄の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普通図柄乱数を取得し、普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。普通図柄乱数には、適宜に範囲が設けられている。具体的に、普通図柄乱数の範囲は、0〜65535である(図13(A)参照)。
当たり判定は、図13(B)に示す当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)によって分けられている。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる当たり判定テーブル(非時短当たり判定テーブル)と時短状態のときに用いられる当たり判定テーブル(時短当たり判定テーブル)とがある。
各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかを判定する。図13(B)に示すように、時短状態で用いられる当たり判定テーブルの方が、非時短状態で用いられる当たり判定テーブルよりも、当たりと判定される普通図柄乱数値が多く振り分けられている。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普通図柄の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普通図柄の可変表示でハズレ図柄が停止表示される。
次に、普通図柄の変動パターン判定(普図変動パターン判定)について説明する。普通図柄の変動パターン判定は、図13(C)に示す普通図柄の変動パターン判定テーブル(普図変動パターン判定テーブル)を用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普通図柄の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。普図変動パターンには、普図変動時間の他、当たり判定の結果も含まれている。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)によって分けられている。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
各普図変動パターン判定テーブルには、普通図柄の変動パターン判定の結果である普図変動パターンが1つ格納されている。すなわち、主制御基板80は、非時短状態であれば普図変動パターンFP1(普図変動時間が15秒)に決定し、時短状態であれば普図変動パターンFP2(普図変動時間が3秒)に決定する。この判定で決定された普通図柄の変動時間に応じた普通図柄の変動表示が、普通図柄表示器42で行われる。
このように、当たり判定、および、普通図柄の変動パターン判定が行われることによって、普通図柄表示器42において普通図柄の可変表示が行われる。そして、普通図柄の可変表示で、表示結果(普通図柄抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示されると、補助遊技が実行される。
補助遊技では、電チュー23(第2始動口22)の開閉が行われる。補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー23が開放する回数、各開放についての開放時間、第2始動口22が複数回開放する場合の開放間の閉鎖時間(いわゆる「インターバル時間」)が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。主制御基板80は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、図13(D)に示す電チュー開放パターンテーブルを用いて補助遊技を制御する。電チュー開放パターンテーブルには、遊技状態(非時短状態/時短状態)毎に補助遊技構成要素が格納されている。よって、主制御基板80は、当たり図柄が停止表示されると、遊技状態に応じた補助遊技を実行する。ここで、遊技状態に応じた補助遊技について説明する。
非時短状態での補助遊技では、電チュー23は1回開放する。このときの開放時間は0.2秒である。よって、補助遊技が実行されたとしても、遊技球を電チュー23に入賞させるのは困難である。
時短状態での補助遊技では、電チュー23は2回開放する。1回目の開放時間は2.5秒であり、2回目の開放時間は2.5秒である。そして、1回目の開放と2回目の開放とのインターバル(閉鎖)時間は1.0秒である。よって、補助遊技が実行された場合、遊技球を電チュー23に入賞させるのは容易である。
次に、第1実施形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特図表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能とが設けられている。特図表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態」という。よって、特図表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特図表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなり易い。すなわち、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターンテーブルを用いて、特別図柄の変動パターン判定が行われる(図10参照)。つまり、特図表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、短い特図変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特図表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、時短状態では、当たりと判定される普通図柄乱数の値が非時短状態で用いる普通図柄の当たり判定テーブルよりも多い普通図柄の当たり判定テーブルを用いて、当たり判定が行われる(図13(B)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、当たり図柄となる確率が高くなる。
また、時短状態では、普図変動時間が非時短状態よりも短くなっている。第1実施形態では、普図変動時間は、遊技状態に関連付けられた普図変動パターン判定テーブルに基づいて決定される。具体的に、普図変動時間は、非時短状態においては15.0秒に決定され、時短状態においては3.0秒に決定される。
さらに、時短状態では、電チュー23の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における電チュー23の開放時間が非時短状態よりも長く設定されている。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー23の開放時間延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー23が頻繁に開放され、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー23により第2始動口22への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ということもできる。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ということもできる。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、および電チュー23の開放時間延長機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー23が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
第1実施形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に遊技球が特定領域37を通過すれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(第1実施形態では180回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に遊技球が特定領域37を通過しなければ、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(第1実施形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、大当たり遊技の開始に伴って、遊技状態が通常遊技状態に設定される。
4.サブ制御基板90による演出の説明
前述のように、主制御基板80は、遊技球が始動口20、22に入賞することによって、特別図柄抽選、特別図柄の可変表示、大当たり遊技などを行う。そして、サブ制御基板90は、これらの主制御基板80が行う遊技の内容に応じて、種々の演出を実行する。以下に、サブ制御基板90により行われる種々の演出について図14〜図27を用いて説明する。なお、図14〜図24は、各種演出を説明するために、パチンコ遊技機1の第1表示画面7aおよび第2表示画面17aの部分を抽出している。最初に変動演出について説明する。
4−1.変動演出
前述のように、変動演出は、特別図柄の可変表示に応じて行われる演出である。サブ制御基板90は、特別図柄の可変表示が開始されると、特別図柄の可変表示に係る特別図柄の変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特別図柄の変動パターン判定結果)などに基づいて、変動演出を制御する。変動演出では、第1表示画面7aにおいて、演出図柄の可変表示が行われる。演出図柄の可変表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。演出図柄の変動表示が行われているときには、大当たりに当選したことの可能性(所謂「大当たり期待度」)が示唆されることがある。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
例えば、図14(A)に示すように、第1表示画面7aにおいて、左演出図柄8L、中演出図柄8Cおよび右演出図柄8Rが停止表示されており、特別図柄の変動表示が行われておらず、特別図柄の可変表示を待機している状態から、特別図柄の可変表示が開始されると、図14(B)に示すように、それに伴って演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が開始される。そして、この新たに開始された特別図柄の変動表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレの特図変動パターンであると、リーチが発生することなく、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、図14(C)に示すように、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で左演出図柄8L、中演出図柄8Cおよび右演出図柄8Rが停止表示する。
一方、同様に、第1表示画面7aにおいて、図15(A)に示すように、左演出図柄8L、中演出図柄8Cおよび右演出図柄8Rが停止表示されている状態から、特別図柄の変動表示が開始されて、図15(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が開始したとする。そして、この特別図柄の変動表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターンであると、図15(C)に示すように、リーチが発生し、図15(D)に示すように、リーチが保持された状態で所定のリーチ演出(例えば、SPリーチ)が実行され、最後に、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、図15(E)に示すように、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄8L、中演出図柄8Cおよび右演出図柄8Rが停止表示する。
また、同様に、第1表示画面7aにおいて、図16(A)に示すように、左演出図柄8L、中演出図柄8Cおよび右演出図柄8Rが停止表示されている状態から、特別図柄の変動表示が開始されて、図16(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示が開始したとする。そして、この特別図柄の変動表示の特図変動パターンが大当たりの特図変動パターンであると、図16(C)に示すように、リーチが発生し、図16(D)に示すように、所定のリーチ演出が実行され、最後に、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、図16(E)に示すように、大当たりに特有な当たり目(所謂「ゾロ目」)で左演出図柄8L、中演出図柄8Cおよび右演出図柄8Rが停止表示する。
このように、特別図柄の可変表示に応じて変動演出が行われるが、変動演出の演出内容は、演出モードに関連付けられている。すなわち、演出モード毎に特図変動パターンに応じた変動演出の演出内容が設定されている。演出モードは、遊技状態に関連付けられている。第1実施形態では、演出モードとして、通常遊技状態に関連付けられた通常モードと、高確率状態且つ時短状態(高確高ベース)に関連付けられた確変モードと、通常確率状態且つ時短状態(低確低ベース)に関連付けられた時短モードと、が設定されている。要するに、変動演出には、通常モードによる変動演出と、確変モードによる変動演出と、時短モードによる変動演出と、がある。
また、図14〜図16では図示されていないが、第1表示画面7aにおいては、演出図柄変動演出とは別系統の背景画像が表示される。よって、演出図柄変動演出が行われないときでも背景画像が表示されることがある。演出図柄変動演出はこの背景画像に重畳的に行われる。よって、第1表示画面7aでは、演出図柄やキャラクタ画像と背景画像とが同時に表示され、複合的な演出が実行され得ることとなる。そして、この背景画像は、演出モードに関連付けられており、演出モードによって背景画像が異なる。すなわち、背景画像には、通常モード用の背景画像と、確変モード用の背景画像と、時短モード用の背景画像とがある。
また、変動演出では、第1表示画面7aの他に、特図変動パターンに基づいて、スピーカ67からも、音声による演出が行われる。すなわち、変動演出には、音声からなる音声変動演出も含まれている。そして、高確率状態且つ時短状態(高確高ベース)と、通常確率状態且つ時短状態(低確低ベース)においては、音声変動演出とは直接的な因果関係を持たないBGMもスピーカ67から別系統で出力される。そして、このBGMは、演出モードに関連付けられており、演出モードによってBGMが異なる。すなわち、確変モード用のBGMと、時短モード用のBGMとがある。
さらに、時短モード用のBGMには、通常のBGM(時短用通常BGM)と、特別なBGM(時短用特別BGM)と、がある。大当たり遊技で遊技球がV通過できなかったが、後述するコンプリートした場合には、当該大当たり遊技後の通常確率状態且つ時短状態(低確高ベース)において、時短用特別BGMが出力される。一方、大当たり遊技で遊技球がV通過できず、後述するコンプリートもできなかった場合には、当該大当たり遊技後の通常確率状態且つ時短状態(低確高ベース)において、時短用通常BGMが出力される。なお、以下において、時短用通常BGMが出力される(大当たり遊技でV通過もコンプリートもできなかった後の)時短モードを「通常時短モード」といい、時短用特別BGMが出力される(大当たり遊技でV通過できなかったがコンプリートはできた後の)時短モードを「特別時短モード」という。
4−2.保留演出
次に、特図保留に応じた保留演出について説明する。前述したように、始動口20、22に遊技球が入賞し、特図関係乱数を取得したとしても、その時に特別図柄の可変表示が実行されている場合、または、大当たり遊技が実行されている場合は、その取得した特図関係乱数に基づいて即座に特別図柄の可変表示を行うことができない。そのような場合は、主制御基板80は、特図関係乱数をRAM84の特図保留記憶部85に記憶し、特別図柄の可変表示を保留する。特別図柄の可変表示が保留されると、言い換えれば、特図保留が発生すると、サブ制御基板90は、当該特図保留を表す保留演出を行う。具体的には、主制御基板80は、取得した特図関係乱数に基づいて、当否情報などを含む始動入賞コマンドを特定して、サブ制御基板90に送信する。サブ制御基板90は、送信された始動入賞コマンドに基づいて保留演出を実行する。
保留演出は、図17に示すように、第1表示画面7aの一区画である保留演出領域7Aにおいて行われる。なお、図17において保留演出領域7Aは破線で明示されているが、これは保留演出領域7Aの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
次に、保留演出の具体例について説明する。前提として、現在、特別図柄の変動表示中(変動演出中)であり、特図1保留数(U1)が2個であるとする。図17(A)に示すように、保留されている特別図柄の可変表示、言い換えれば、特図保留記憶部85に記憶されている特図関係乱数に基づく未実行の特別図柄の可変表示は、個別に保留画像で表示される。図17(A)に示す保留画像HG1は、現在保留されている特図保留の中で最も先に発生した特図保留を表している。保留画像HG2は、保留画像HG1が表す特図保留の次に発生した特図保留を表している。なお、この状況で特図保留が発生すると、その特図保留を表す保留画像は、保留画像HG2の右隣の一点鎖線の円で表された箇所に表示される。そして、さらに特図保留が発生すると、そのさらに右隣の2点鎖線の円で表された箇所に表示される。このように、保留演出においては、特図保留の発生した順に特図保留が保留演出領域7Aの左端から右に並んで表示される。
そして、図17(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rの停止表示が行われると、次に、保留画像HG1に対応する特別図柄の可変表示(変動演出)が開始される。ここで、保留画像HG1に対応する特別図柄の可変表示が開始されたことから、保留画像HG1に対応する特図保留は消化されるので、図17(C)に示すように、保留画像HG1が消去される。そして、この特図保留の消化(保留画像HG1の消去)に伴って、図17(D)に示すように、そのとき表示されている保留画像(図17(D)においては保留画像HG2)が1つ分、左にシフト(移動)する。ここで、保留演出領域7Aの左端に移動した保留画像HG2に対応する特別図柄の可変表示が次に開始される特別図柄の可変表示ということになる。
ところで、前述のとおり、始動入賞コマンドには当否情報が含まれている。そして、サブ制御基板90は、始動入賞コマンドに基づいて保留演出を実行するが、当否情報に基づいて、保留画像を通常態様で表示するか、特別態様で表示するかを判定する。具体的には、サブ制御基板90は、当否情報がハズレを示す場合は90%の確率で通常態様で表示すると判定し、10%の確率で特別態様で表示すると判定する。一方、サブ制御基板90は、当否情報が大当たりを示す場合は50%の確率で通常態様で表示すると判定し、50%の確率で特別態様で表示すると判定する。よって、保留画像の表示態様が特別態様であると、遊技者は、その保留画像に対応した特別図柄の可変表示で大当たりに当選できるかもしれないという期待を持つことができる。このように、特別図柄の可変表示が保留されている事前の段階から、その保留について遊技者に期待感を抱かせることによって遊技興趣が向上する。
なお、図17(A)〜図17(D)に示す保留画像HG1および保留画像HG2は、通常態様を表している。そして、図17(D)に示す状況において、第1始動口20に遊技球が入賞して、始動入賞コマンドがサブ制御基板90に送信されて、サブ制御基板90が保留画像を通常態様で表示すると判定したとする。すると、図17(E)に示すように、この新たに発生した特図保留に対して、通常態様で保留画像HG3が表示される。そして、さらに、第1始動口20に遊技球が入賞して、始動入賞コマンドがサブ制御基板90に送信されたが、サブ制御基板90が保留画像を特別態様で表示すると判定したとする。すると、図17(F)に示すように、このさらに新たに発生した特図保留に対して、特別態様で保留画像HG4が表示される。
このように、サブ制御基板90は、特図保留を表す保留演出において、大当たりの期待感を抱かせる先読み演出を実行する。なお、保留演出による先読み演出の演出内容および特別態様と判定する確率などは上記の設定に限られず、適宜に設定することができる。
4−3.大当たり遊技演出
次に、大当たり遊技演出について説明する。大当たり遊技演出は、大当たり遊技に応じて行われる演出である。サブ制御基板90は、大当たり遊技が開始されると、大当たり遊技演出を開始する。大当たり遊技演出は、オープニングに応じたオープニング演出と、ラウンド遊技に応じたラウンド遊技演出と、エンディングに応じたエンディング演出と、を含む。大当たり遊技演出の演出内容は大当たり図柄の種別、言い換えれば、大当たり遊技の種類に対応付けられている。
最初に、大当たり図柄A(第1大当たり遊技)に対応付けられた大当たり遊技演出Aについて説明する。
第1大当たり遊技が開始されると、最初に、オープニングにおいてオープニング演出が実行される。オープニング演出においては、例えば、図18(A)に示すように、第1表示画面7aでは、大当たり遊技が開始されたことを表す内容の大当たり遊技開始表示が行われる。大当たり遊技開始表示には、「○○BONUS」という第1大当たり遊技の名称が含まれている。また、このとき、第2表示画面17aでは、当該大当たり遊技が開始される直前に第1表示画面7aで停止表示されていた当たり目(ゾロ目)の左演出図柄8L、中演出図柄8Cおよび右演出図柄8R(図16では、「555」)が、第2表示画面17aに応じた大きさで、大当たり図柄表示として表示される。
次に、ラウンド遊技が開始されると、ラウンド遊技演出が行われる。ラウンド遊技演出において、例えば、図18(B)〜図18(C)に示すように、第2表示画面17aでは、現在行われているラウンド遊技の回数を表すラウンド数表示が行われる。ラウンド数表示はラウンド遊技の進行に応じて行われる。よって、図18(B)は、1回目のラウンド遊技が実行されているラウンド数表示であり、図18(C)は、15回目のラウンド遊技が実行されているラウンド数表示である。また、ラウンド遊技演出においても第2表示画面17aで、大当たり図柄表示が行われるが、ここでは、オープニング演出で行われていた大当たり図柄表示が簡略化されて、ゾロ目(555)に共通する1つの数字が大当たり図柄表示として表示される。一方、大当たり遊技演出Aのラウンド遊技演出において、第1表示画面7aでは、1ラウンドが開始されてから15ラウンドの開放が終了するまで、一連のバトル演出が行われる。バトル演出は、主人公キャラクタと敵キャラクタとが対決するムービー(動画)で構成される。バトル演出で主人公キャラクタが勝利すると、16ラウンドで羽根部材361がVロング開放パターンで開放する。この場合、16ラウンドでV通過させることが容易であり、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態で遊技を行う可能性が高い。一方、このバトル演出で主人公キャラクタが敗北すると、16ラウンドで羽根部材361がVショート開放パターンで開放する。この場合、16ラウンドでV通過させることは困難であり、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態で遊技を行う可能性が低い。よって、1ラウンドが開始されてから15ラウンドの開放が終了するまでの間、バトル演出を行うことで、16ラウンドにおいて羽根部材361がVロング開放パターンで開放するか否か(当該大当たり遊技でV通過できるか否か)を煽り、遊技者をドキドキさせることができる。
そして、15ラウンドにおける第1大入賞口30の開放が終了して、第1大入賞口30が閉鎖すると、第1表示画面7aでは、最初に図19(A)に示すように、主人公キャラクタがバトルに勝利する。この勝利によって、次の16ラウンドにおいて、羽根部材361がVロング開放パターンで開放する(Vロング大当たりである)ことを遊技者に間接的に示す。次に、図19(B)に示すように、「次のラウンドでVを狙え!」というメッセージを表示するV発射予告表示を含むV発射予告演出を行って、次の16ラウンドで、遊技球を第2大入賞口35へ入賞させるように遊技球の発射操作を行ってV通過させることを予告(事前に注意喚起する)。なお、第1大当たり遊技が開始されてから15ラウンドが終了するまでは、第1表示画面7aの全面が有色(第1表示画面7aは全体的に不透過状態)であり、第2大入賞装置36の内部が視認できない状態である。なお、V発射予告演出は、大当たり遊技演出Bの15ラウンドのラウンド遊技演出に組み込まれて行われている。
次に、16ラウンドが開始されると、図19(C)に示すように、第1表示画面7aを左右方向に略3分割した左側の領域と右側の領域では、「Vを狙え!」というメッセージと特定領域37を向いた矢印(図において右斜め上を向いた白抜きの矢印と左斜め上を向いた白抜きの矢印)からなるV発射表示が行われる。このV発射表示によって、遊技球を第2大入賞口35へ入賞させるように遊技球の発射操作を行ってV通過させることを遊技者に促す。また、このとき、第1表示画面7aを左右方向に略3分割した中央の領域を透明化(透過状態に)し、スペシャルルート71を視認可能にする。スペシャルルート強調表示が行われることで、遊技球が第2大入賞口35に入賞してV通過することを遊技者に堪能させることができる。V発射表示と中央の領域を透明化とをまとめて「V案内演出」という。なお、V案内演出は、大当たり遊技演出Bの16ラウンドのラウンド遊技演出に組み込まれて行われている。
そして、16ラウンドにおいて、遊技球が最初にV通過すると、図20(A)に示すように、第1表示画面7aでは、遊技球がV通過したことを報知するV通過演出を行う。第1実施形態では、V通過演出では、第1表示画面7aにおいて大きな文字「V」が揺動するV通過表示を行うとともに、スピーカ67から所定の効果音を出力する。
全てのラウンド遊技が終了してエンディングが開始されると、エンディング演出が行われる。エンディング演出において、例えば、図20(B)に示すように、第1表示画面7aでは、大当たり遊技が終了し、高確高ベースに移行することを表す大当たり遊技終了表示が行われる。第1実施形態では、大当たり遊技終了表示には、「○○RUSH突入」というフレーズの表示が含まれている。なお、「○○RUSH」は高確高ベースの名称である。また、エンディング演出においては、第2表示画面17aでは、大当たり図柄表示やラウンド数表示は行われていない。
そして、大当たり遊技が終了し、高確高ベースに移行したことに応じて、演出モードが確変モードになる。なお、図示されていないが確変モードにおいて、第1表示画面7aでは、確変モード専用の背景画像が表示される。また、図20(C)に示すように、第2表示画面17aでは、確変モードの名称である「○○RUSH」を表示する演出モード表示を行うとともに、確変モードにより実行可能な特図の可変表示(変動演出)の回数の残り回数を表示する演出モード残り回数表示を行う。
次に、大当たり図柄B(第2大当たり遊技)に対応付けられた大当たり遊技演出Bについて説明する。最初に、第2大当たり遊技において行われるチャレンジタイムについて説明する。
前述のとおり、第2大入賞装置36の内部には、進退可能な特典ゲート装置78、79が設けられている。特典ゲート装置78、79は、演出制御用マイコン91により駆動される。具体的に、演出制御用マイコン91は、第1特典ゲート装置78と第2特典ゲート装置79とを交互に突出および退避させる。詳細には、第1特典ゲート装置78と第2特典ゲート装置79の何れか一方を5秒間突出させるとともに、他方を5秒間退避させると、次はその一方を5秒間退避させるとともに、他方を5秒間突出させる。このように、第1特典ゲート装置78と第2特典ゲート装置79とを互いに同一の状態にならないように5秒周期で突出状態と退避状態とを切り換える。なお、演出制御用マイコン91は、この突出状態と退避状態との切り換えを、電源投入時から繰り返し行い続ける。よって、大当たり遊技が行われていないときも、第1特典ゲート装置78および第2特典ゲート装置79は突出と退避を繰り返し実行し続けている。
そして、Vショート大当たりである大当たり図柄Bに応じた第2大当たり遊技の16ラウンドにおいて、遊技球が第1特典ゲート装置78と第2特典ゲート装置79の何れも通過(以下、「コンプリート」という)すると、遊技者に所定の特典が付与される。第1実施形態では、所定の特典は、特別時短モードに設定されている。言い換えれば、時短用特別BGMが所定の特典となる。前述の通り、第2大当たり遊技における16ラウンドでは、第2大入賞口35が長時間(14.0秒)開放しているときに、振分装置72は突出して非特定領域38、39に振り分けている。すなわち、V通過できない状況である。そして、第1特典ゲート装置78と第2特典ゲート装置79は、第1非特定領域38と第2非特定領域39の下流側に設けられている。よって、実質的に遊技球が第1特典ゲート装置78と第2特典ゲート装置79の何れも通過できるのは、第2大入賞口35が長時間開放し、且つ、振分装置72が非特定領域38、39に振り分けているときである。そして、この第2大入賞口35が長時間開放し、且つ、振分装置72が非特定領域38、39に振り分けている期間を、所定の特典(特別BGM)を獲得するための「チャレンジタイム」とする。
ここで、第2大当たり遊技に対応付けられた大当たり遊技演出Bについて説明する。大当たり遊技演出Bにおいて、第2大当たり遊技が開始してから15ラウンドの開放が終了するまでは、大当たり遊技演出Aと同様な内容の演出が行われる。
そして、15ラウンドにおける第1大入賞口30の開放が終了して、第1大入賞口30が閉鎖すると、第1表示画面7aでは、まずは図21(A)に示すように、主人公キャラクタがバトルに敗北する。この敗北によって、次の16ラウンドで羽根部材361がVショート開放パターンで開放する(Vショート大当たりである)ことが遊技者に間接的に示される(暗示される)。次に、図21(B)に示すように、「次のラウンドで左右の特典ゲートを狙え!」というメッセージを表示する特典ゲート発射予告表示を含む特典ゲート発射予告演出を行って、次の16ラウンドで、第2大入賞口35へ入賞させるように遊技球の発射操作を行って遊技球を両方の特典ゲート装置78、79を通過させることを予告(事前に注意喚起)する。なお、特典ゲート発射予告演出は、大当たり遊技演出Bの15ラウンドのラウンド遊技演出に組み込まれて行われている。
次に、16ラウンドが開始されると、図21(C)に示すように、「特典ゲートを狙ってプレミアム曲をゲットしよう!」というメッセージを表示する特典内容説明表示を含む特典内容説明演出を行って、遊技球を両方の特典ゲート装置78、79を通過させることで遊技者が獲得できる所定の特典の内容を説明する。特典内容説明表示は、16ラウンドにおける第2大入賞口35の2回目の長時間の開放、言い換えれば、チャレンジタイムが開始されるまで行われる。なお、大当たり遊技演出Bにおいては、第2大当たり遊技が開始してからチャレンジタイムが開始するまでは、第1表示画面7aの全面が有色(第1表示画面7aが全体的に不透過状態)であり、第2大入賞装置36の内部が視認できない状態である。なお、特典内容説明演出は、大当たり遊技演出Bの16ラウンドのラウンド遊技演出に組み込まれて行われている。
16ラウンドにおける第2大入賞口35の2回目の長時間の開放(チャレンジタイム)が開始すると、図21(D)に示すように、第1表示画面7aを左右方向に略3分割した中央の領域では、「特典ゲートを狙え」というメッセージと第1特典ゲート装置78を向いた矢印(図において左側を向いた白抜きの矢印)と第2特典ゲート装置79を向いた矢印(図において右側を向いた白抜きの矢印)からなる特典ゲート発射表示が行われる。この特典ゲート発射表示によって、第2大入賞口35へ入賞させるように遊技球の発射操作を行って遊技球を両方の特典ゲート装置78、79を通過させることを遊技者に促す。また、このとき、第1表示画面7aを左右方向に略3分割した左右の領域を透明化(透過状態に)し、ノーマルルート70A、70Bを視認可能にする。左右の領域を透明化することで、遊技球が第2大入賞口35に入賞して特典ゲート装置78、79を通過することを遊技者に堪能させることができる。特典ゲート発射表示と左右の領域を透明化とをまとめて「チャレンジタイム案内演出」という。なお、チャレンジタイム案内演出は、大当たり遊技演出Bの16ラウンドのラウンド遊技演出に組み込まれて行われている。
チャレンジタイムにおいて、遊技球が最初に特典ゲート装置78、79の何れかを通過すると、通過した側の特典ゲート装置78、79に応じたコンプリートリーチ演出が行われる。例えば、チャレンジタイムにおいて、遊技球が最初に第1特典ゲート装置78を通過したとする。この場合、コンプリートリーチ演出として、図22(A)に示すように、第1特典ゲート装置78を覆う左側の領域が所定の色(例えば、青色)で有色化(不透明状態化)される通過完了表示が行われる。このように、通過した方の領域が有色化され、通過した第1特典ゲート装置78を視認不可能にすることで、遊技球が第1特典ゲート装置78を通過したことを遊技者に報知する。また、コンプリートリーチ演出として、第1表示画面7aを左右方向に3分割した中央の領域では、「あとは右の特典ゲートだ」というメッセージと、遊技球が通過されていない第2特典ゲート装置79を向いた矢印(図において右側を向いた白抜きの矢印)からなる残りゲート表示が行われる。この残りゲート表示によって、未通過の特典ゲート装置があと第2特典ゲート装置79だけであることを遊技者に示す。なお、16ラウンドにおいて、遊技球が最初に第2特典ゲート装置79を通過すると、通過完了表示では、第2特典ゲート装置79を覆う右側の領域が所定の色で有色化される。また、残りゲート表示では、「あとは左の特典ゲートだ」というメッセージと、遊技球が通過されていない第1特典ゲート装置78を向いた矢印が表示される。
そして、16ラウンドにおいてコンプリートすると、第1表示画面7aにおいて、コンプリートして特典を獲得したことを報知する特典獲得表示を行うと共に、スピーカ67から所定の効果音を出力するコンプリート演出を行う。第1実施形態では、特典獲得表示において「プレミアム曲ゲット」というフレーズが大きく表示される。
最後に、ラウンド遊技が終了してエンディングが開始されると、エンディング演出が行われる。エンディング演出において、第1表示画面7aでは、例えば、図22(C)に示すように、大当たり遊技が終了し、時短用特別BGMが流れる特別時短モード(低確高ベース)に移行することを表す大当たり遊技終了表示が行われる。第1実施形態では、大当たり遊技終了表示には、「××RUSH〜プレミアム〜突入」というフレーズの表示が含まれている。なお、「××RUSH」は時短モードの名称である。また、大当たり遊技演出Aと同様に、エンディング演出において第2表示画面17aでは、大当たり図柄表示やラウンド数表示は行われていない。
そして、大当たり遊技が終了し、低確高ベースに移行したことに応じて、演出モードが特別時短モードになる。なお、図22(D)に図示されていないが、特別時短モードにおいて、第1表示画面7aでは、時短モード専用の背景画像が表示され、当該背景画像の上から演出図柄変動表示が行われる。さらに、特別時短モードにおいて、図22(D)に示すように、スピーカ67から、時短用特別BGMが出力される。また、第2表示画面17aでは、時短モードの名称である「××RUSH」を表示する演出モード表示が行われるとともに、時短モードにより実行可能な特図の可変表示(変動演出)の残り回数を表示する演出モード残り回数表示が行われる。
なお、16ラウンドでコンプリートしなかった場合は、エンディング演出において、第1表示画面7aでは、例えば、図23(A)に示すように、大当たり遊技が終了し、時短用通常BGMが流れる通常時短モード(低確高ベース)に移行することを表す大当たり遊技終了表示が行われる。第1実施形態では、大当たり遊技終了表示には、「××RUSH突入」というフレーズの表示が含まれている。そして、大当たり遊技が終了し、低確高ベースに移行したことに応じて、演出モードが通常時短モードになる。なお、図23(B)で図示されていないが、通常時短モードにおいて、第1表示画面7aでは、時短モード専用の背景画像が表示され、当該背景画像の上から演出図柄変動表示が行われる。また、通常時短モードにおいて、図23(B)に示すように、スピーカ67から、時短用通常BGMが出力される。また、第2表示画面17aでは、時短モードの名称である「××RUSH」を表示する演出モード表示が行われるとともに、時短モードにより実行可能な特図の可変表示(変動演出)の残り回数を表示する演出モード残り回数表示が行われる。
なお、図18〜図20を用いて説明した第1大当たり遊技の後部の概略的な進行状況と種々の演出などの概略的な進行状況との関係を図24のタイムチャートに表す。また、図21〜図22を用いて説明した第2大当たり遊技の後部の概略的な進行状況の概略的な進行状況と種々の演出およびチャレンジタイムなどの概略的な進行状況との関係を図25のタイムチャートに示す。また、図23を用いて説明した第2大当たり遊技の後部の概略的な進行状況と種々の演出およびチャレンジタイムなどの概略的な進行状況との関係を図26のタイムチャートに表す。なお、図24〜図26のタイムチャートにおける「第1大」は「第1大入賞口30」を表し、「第2大」は「第2大入賞口35」を表している。また、「振分」は「振分装置72」を表している。また、「第1特典G」は「第1特典ゲート装置78」を表し、「第2特典G」は「第2特典ゲート装置79」を表している。また、「ED」は「エンディング」を表している。
以上、図14〜図24を用いて、演出制御用マイコン91が制御する演出として、変動演出、保留演出、および、大当たり遊技演出などについて説明したが、演出制御用マイコン91が制御可能な演出はこれらに限られない。また、例示した変動演出、保留演出、大当たり遊技演出、コンプリートリーチ演出、および、コンプリート演出は一例であって、これらの演出内容はこれに限られない。
5.遊技制御用マイコン81による遊技の制御
[主制御メイン処理]
次に図27〜図37に基づいて遊技制御用マイコン81による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン81による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1が電源投入されると、ROM83から図27に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、RAM84へのアクセスの許可設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図9(A)および図13(A)に示した種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図28に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図27の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図9(A)および図13(A)に示した各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、特別動作処理(S106)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
次に、遊技制御用マイコン81は、その他の処理(S107)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、RAM84に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S107)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、第1始動口20用の賞球カウンタ、第2始動口22用の賞球カウンタ、第1大入賞口30用の賞球カウンタ、第2大入賞口35用の賞球カウンタ、及び、一般入賞口27用の賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えていると、賞球要求信号を払出制御基板110に送信する。そして、賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
そして、遊技制御用マイコン81は、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理を繰り返し実行し(図27参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン81は、再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[センサ検出処理]
次に、図29〜図30を用いてセンサ検出処理について説明する。センサ検出処理(S104)ではまず、一般入賞口27に遊技球が入賞したか否か、即ち、一般入賞口センサ27aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。一般入賞口27に遊技球が入賞していない場合(S201でNO)にはステップS203に進み、一般入賞口27に遊技球が入賞した場合には(S201でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための一般入賞口賞球処理を行う(S202)。一般入賞口賞球処理では、一般入賞口27用の賞球カウンタに、一般入賞口27への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「7」)を加算する。
ステップS203では、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球がゲート28を通過していなければ(S203でNO)、ステップS208に進む。一方、遊技球がゲート28を通過していれば(S203でYES)、普図保留数(具体的にはRAM84に設けた普図保留数をカウントするカウンタ(普図保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S204)。普図保留数が「4」以上である場合(S204でYES)には、ステップS208に進むが、普図保留数が「4」以上でない(「4」未満である)場合には(S204でNO)、普図保留数加算処理を行う(S205)。普図保留数加算処理では、普図保留数カウンタを「1」加算し、普図保留表示器44が示す普図保留数を「1」増加させる。
続いて、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−F)のカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し(S206)、取得した普通図柄乱数を普図保留記憶部86のうち現在の普図保留数に応じた普図保留記憶部86の記憶領域に格納する(S207)。
ステップS208では、第2始動口22に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ22aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口22に遊技球が入賞していない場合(S208でNO)にはステップS215に進み、第2始動口22に遊技球が入賞した場合には(S208でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2始動口賞球処理を行う(S209)。第2始動口賞球処理では、第2始動口22用の賞球カウンタに、第2始動口22への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図2保留数(具体的にはRAM84に設けた特図2保留の数をカウントするカウンタ(特図2保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S210)。特図2保留数が「4」以上である場合(S210でYES)には、ステップS215に進むが、特図2保留数が「4」以上でない(「4」未満である)場合には(S210でNO)、特図2保留数加算処理を行う(S211)。特図2保留数加算処理では、特図2保留数カウンタを「1」加算し、特図2保留表示器43bが示す特図2保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−HP)からなる特図2関係乱数を取得する(S212)。
次に、第2始動入賞コマンド特定処理を行う(S213)。第2始動入賞コマンド特定処理では、図12に示す第2始動口用の始動入賞コマンド特定テーブルに、現在の遊技状態とステップS212で取得した特図2関係乱数とを照合して第2始動入賞コマンドを特定し、特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。第2始動入賞コマンド特定処理においては、現在の遊技状態が通常確率状態であり、特別図柄乱数が「1」であれば、図12の第2始動入賞コマンド特定テーブルにおける通常確率状態の箇所を参照して、第2始動入賞コマンドとして「E2H11H」というコマンドが特定される。なお、第2始動入賞コマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばE2H)と1バイトの下位コマンド(例えば11H))からなっている。
続いて、遊技制御用マイコン81は、ステップS212で取得した特図2関係乱数を特図2保留記憶部85bのうち現在の特図2保留数に応じた記憶領域に記憶する(S214)。
続いて、ステップS215では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S215でNO)にはステップS222に進み、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S215でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1始動口賞球処理を行う(S216)。第1始動口賞球処理では、第1始動口20用の賞球カウンタに、第1始動口20への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図1保留数(具体的にはRAM84に設けた特図1保留の数をカウントするカウンタ(特図1保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S217)。特図1保留数が「4」以上である場合(S217でYES)には、ステップS222に進むが、特図1保留数が「4」以上でない(未満である)場合には(S217でNO)、特図1保留数加算処理を行う(S218)。特図1保留数加算処理では、特図1保留数カウンタを「1」加算し、特図1保留表示器43aが示す特図1保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−HP)からなる特図1関係乱数を取得する(S219)。
次に、第1始動入賞コマンド特定処理を行う(S220)。第1始動入賞コマンド特定処理では、図12に示す第1始動口用の始動入賞コマンド特定テーブルに、現在の遊技状態とステップS219で取得した特図1関係乱数とを照合して第1始動入賞コマンドを特定し、特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。第1始動入賞コマンド特定処理においては、現在の遊技状態が通常確率状態であり、特別図柄乱数が「1」であれば、図12の第1始動入賞コマンド特定テーブルにおける通常確率状態の箇所を参照して、第1始動入賞コマンドとして「E1H11H」というコマンドが特定される。なお、第1始動入賞コマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばE1H)と1バイトの下位コマンド(例えば11H))からなっている。
続いて、遊技制御用マイコン81は、ステップS219で取得した特図1関係乱数を特図1保留記憶部85aのうち現在の特図1保留数に応じた記憶領域に記憶する(S221)。
なお、第1実施形態の始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンドおよび第2始動入賞指定コマンド)では、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、コマンドの種類(始動入賞コマンドであること)を指定する情報である。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、始動口の種類(第1始動口20への入賞か第2始動口22への入賞か)を指定する始動口情報である。また、16進数で二桁の下位コマンドのうち、上の桁の値は、遊技状態(通常確率状態か高確率状態か)を指定する遊技状態情報である。また、下位コマンドのうち下の桁の値は、大当たりの当否を示す当否情報である。なお、このような始動入賞コマンドの生成に関する取り決めは、一例であり、任意に変更可能である。
ステップS222では、第1大入賞口30に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1大入賞口センサ30aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1大入賞口30に遊技球が入賞していない場合(S222でNO)にはステップS224に進み、第1大入賞口30に遊技球が入賞した場合には(S222でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1大入賞口賞球処理(S223)を行う。第1大入賞口賞球処理では、第1大入賞口30用の賞球カウンタに、第1大入賞口30への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「14」)を加算する。
ステップS224では、第2大入賞口35に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2大入賞口センサ35aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2大入賞口35に遊技球が入賞していない場合(S224でNO)にはステップS226に進み、第2大入賞口35に遊技球が入賞した場合には(S224でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2大入賞口賞球処理を行う(S225)。第2大入賞口賞球処理では、第2大入賞口35用の賞球カウンタに、第2大入賞口35への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「14」)を加算する。
ステップS226では、遊技球が特定領域37を通過したか否か、即ち、特定領域センサ37aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球が特定領域37を通過していない場合(S226でNO)にはセンサ検出処理を終了し、遊技球が特定領域37を通過した場合には(S226でYES)、V有効期間中であるか否かを判定する(S227)。V有効期間は、後述する特別電動役物処理(図36参照)におけるステップS1706で設定される期間である。V有効期間中でなければ(S227でNO)、センサ検出処理を終了し、V有効期間中であれば(S227でYES)、VフラグをONにし(S228)、V通過コマンドを出力バッファにセットし(S229)、センサ検出処理を終了する。
[普通動作処理]
図31に示すように、普通動作処理(S105)では、普通図柄表示器42および電チュー23に関する処理を4つのステータス(段階)に分け、それらの各ステータスに「普通動作ステータス=1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン81は、最初に、「普通動作ステータス」が「1」であるか否かを判定する(S1001)。「普通動作ステータス」が「1」である場合には(S1001でYES)、普通図柄待機処理(S1002)を行い、「普通動作ステータス」が「1」でない場合には(S1001でNO)、「普通動作ステータス」が「2」であるか否かを判定する(S1003)。「普通動作ステータス」が「2」である場合には(S1003でYES)、普通図柄変動中処理(S1004)を行い、「普通動作ステータス」が「2」でない場合には(S1003でNO)、「普通動作ステータス」が「3」であるか否かを判定する(S1005)。「普通動作ステータス」が「3」である場合には(S1005でYES)、普通図柄確定処理(S1006)を行い、「普通動作ステータス」が「3」でない場合には(S1005でNO)、普通電動役物処理(S1007)を行う。なお「普通動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
普通図柄待機処理(S1002)は、普通図柄の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理(S1002)では、普図保留記憶部86に記憶された普通図柄乱数の中で最も先に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。さらに、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定し、決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間の普通図柄の変動表示を普通図柄表示器42に開始させて、普通動作ステータスを「2」に変更する。
普通図柄変動中処理(S1004)は、普通図柄が変動表示しているときに行われる処理である。普通図柄変動中処理(S1004)では、実行中の普通図柄の変動表示が開始してから普図変動時間が経過したか否か(普通図柄の変動表示を終了させるか否か)を判定し、普図変動時間が経過したと判定されれば、当たり判定結果に基づいて普通図柄の停止表示を行って、普通動作ステータスを「3」に変更する。
普通図柄確定処理(S1006)は、普通図柄が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理(S1006)では、実行中の普通図柄の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過したか否か(普通図柄の停止表示を終了させるか否か)を判定し、所定の停止時間が経過したと判定されれば、停止表示している普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄でなければ(停止表示している普通図柄がハズレ図柄であれば)、普通動作ステータスを「1」に変更する。一方、当たり図柄が停止表示していれば、普通動作ステータスを「4」に変更して、現在の遊技状態および電チューの開放パターンテーブルに基づいて補助遊技を開始させる。
普通電動役物処理(S1007)は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。普通電動役物処理(S1007)では、現在の遊技状態および電チュー23の開放パターンテーブルに基づいて補助遊技を制御する。そして、補助遊技が終了すれば、普通動作ステータスを「1」に変更する。
[特別動作処理]
図32に示すように、特別動作処理(S106)では、特図表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つのステータス(段階)に分け、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン81は、最初に、「特別動作ステータス」が「1」であるか否かを判定する(S1301)。「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「1」でない場合には(S1301でNO)、「特別動作ステータス」が「2」であるか否かを判定する(S1303)。「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「2」でない場合には(S1303でNO)、「特別動作ステータス」が「3」であるか否かを判定する(S1305)。「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「3」でない場合には(S1305でNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
特別図柄待機処理(S1302)は、特別図柄の可変表示および大当たり遊技が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理(S1302)については後に詳述する。
特別図柄変動中処理(S1304)は、特別図柄が変動表示しているときに行われる処理である。特別図柄変動中処理(S1304)については後に詳述する。
特別図柄確定処理(S1306)は、特別図柄が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理(S1306)については後に詳述する。
特別電動役物処理(S1307)は、大当たり遊技が行われているときに行われる処理である。特別電動役物処理(S1307)については後に詳述する。
[特別図柄待機処理]
図33に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、特図2保留数が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口22への入賞に起因して取得した特図2関係乱数の記憶がない場合には、特図1保留数が「0」であるか否かを判定する(S1408)。そして、特図1保留数も「0」である場合(S1408でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した特図1関係乱数の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1418)。ここで、客待ちフラグがONであれば(S1418でYES)、特別図柄待機処理を終え、客待ちフラグがONでなければ(S1418でNO)、客待ちコマンドを出力バッファにセットし(S1419)、客待ちフラグをONにし(S1420)、特別図柄待機処理を終える。
ステップS1401において特図2保留数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口22への入賞に起因して取得した特図2関係乱数の記憶が1つ以上ある場合には、特図2判定処理(S1402)及び特図2変動パターン判定処理(S1403)を行う。
特図2判定処理(S1402)では、特図2保留記憶部85bに記憶されている特別図柄乱数値の中で最も先に記憶されたものを読み出して、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図9(B)参照)に基づいて、大当たりの当否の判定(大当たり判定)を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たり図柄種別乱数値を読み出して、第2大当たり図柄種別判定テーブル(図9(C)参照)に基づいて大当たり図柄種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり図柄種別を表す大当たり図柄データをRAM84に設けた特図バッファにセットする。一方、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ図柄データを特図バッファにセットする。
特図2変動パターン判定処理(S1403)では、まず、前述した大当たり判定の結果が「ハズレ」であった場合には、リーチ乱数値を読み出してリーチ判定テーブル(図9(D)参照)に基づいて、リーチ有りハズレの特図変動パターンにするのか、リーチ無しハズレの特図変動パターンにするのかを決定するリーチ判定を行う。そして、特図2保留記憶部85bに記憶されている変動パターン乱数値の中で最も先に記憶されたものを読み出して、遊技状態、大当たり判定結果、リーチ判定結果、および第2特図保留数などに対応付けられた特図2変動パターン判定テーブル(図10(B)参照)に基づいて、特別図柄の変動パターンの判定(特別図柄の変動パターン判定)を行う。そして、決定された特別図柄の変動パターンに応じた特図2変動開始コマンドを出力バッファにセットし、決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマにセットする。なお、特別動作用タイマは図28のその他の処理(S107)において更新される。また、セットされる特図2変動開始コマンドには、特別図柄の種別(特図2であるということ)に関する情報、特図2判定処理(S1402)で行われた大当たり判定の結果に関する情報や特図2変動パターン判定処理(S1403)で行われた特別図柄の変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特図変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
続いて、遊技制御用マイコン81は、ステップS1403で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図2表示器41bに特図2の変動表示を開始させる(S1404)。
次に、遊技制御用マイコン81は、特図2保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1405)。このようにして、特図2保留が保留された順に消化される。
次に、遊技制御用マイコン81は、特図2保留数カウンタを「1」ディクリメントし(S1404)、特図2保留表示器43bが示す特図2保留数を「1」減少(変更)させ(S1407)、特別動作ステータスを「2」に変更する(S1415)。
その後、遊技制御用マイコン81は、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1416)、ONであれば(S1416でYES)、客待ちフラグをOFFして(S1417)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければ(S1416でNO)、ステップS1417を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
また、特図2保留数が「0」であるが特図1保留数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1408でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した特図1関係乱数の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、特図1判定処理(S1409)及び特図1変動パターン判定処理(S1410)を行う。特図1判定処理(S1409)は、特図2判定処理(S1402)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図1変動パターン判定処理(S1410)は、特図2変動パターン判定処理(S1403)と同様の処理であるため説明を省略する。
次に、遊技制御用マイコン81は、ステップS1410で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図1表示器41aに特図1の変動表示を開始させる(S1411)。
次に、遊技制御用マイコン81は、特図1保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1412)。このようにして、特図1保留が保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン81は、特図1保留数カウンタを「1」ディクリメントし(S1413)、特図1保留表示器43aが示す特図1保留数を「1」減少(変更)させ(S1414)、特別動作ステータスを「2」に変更し(S1415)、ステップS1416に進む。
上記のように第1実施形態では、特図1保留に基づく特別図柄の変動表示は、特図2保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち特図2保留の消化は、特図1保留の消化に優先して実行される。そして第1実施形態では、特図2保留に基づく抽選の方が、特図1保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり図柄(Vロング大当たり)に当選しやすくなっている(図9(C)参照)。
[特別図柄変動中処理]
図34に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1403又はステップS1410で特別動作用タイマにセットした特図変動時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1501)。特別図柄の変動表示を終了させない場合(S1501でNO)、特別図柄変動中処理を終了し、特別図柄の変動表示を終了させる場合(S1501でYES)、特図表示器41に、特別図柄の変動表示を終了させるとともに、ステップS1402又はステップS1409で特図バッファにセットされたデータ(大当たり図柄データまたはハズレ図柄データ)に応じた特別図柄の停止表示をさせる(S1502)。
続いて、特別図柄の停止表示に要する時間(特図確定時間:第1実施形態では0.8秒)を特別動作用タイマにセットし(S1503)、特別図柄の変動表示が終了することを示す変動停止コマンドを出力バッファにセットし(S1504)、特別動作ステータスを「3」に変更し(S1505)、特別図柄変動中処理を終了する。
[特別図柄確定処理]
図35に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1503で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1601)。特別図柄の停止表示を終了させない場合(S1601でNO)、特別図柄確定処理を終了し、特別図柄の停止表示を終了させる場合(S1601でYES)、時短状態(つまりは高ベース状態)を管理するために、現在時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する(S1602)。
現在時短状態でなければ(S1602でNO)、ステップS1606に進み、現在時短状態であれば(S1602でYES)、時短カウンタの値を「1」ディクリメントし(S1603)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1604)。時短カウンタの値が「0」でなければ(S1604でNO)、ステップS1606に進み、時短カウンタの値が「0」であれば(S1604でYES)、時短状態から非時短状態に設定(時短フラグをOFF)する(S1605)。
次に、ステップS1606において、高確率状態を管理するために、現在高確率状態(高確率フラグがON)であるか否かを判定する。現在高確率状態でなければ(S1606でNO)、ステップS1610に進み、現在高確率状態であれば(S1606でYES)、高確率カウンタの値を「1」ディクリメントし(S1607)、高確率カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1608)。高確率カウンタの値が「0」でなければ(S1608でNO)、ステップS1610に進み、高確率カウンタの値が「0」であれば(S1608でYES)、高確率状態から通常確率状態に設定(高確率フラグをOFF)する(S1609)。
次に、現在の遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし(S1610)、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する(S1611)。大当たり図柄でなければ(S1611でNO)、特別動作ステータスを「1」に変更し(S1615)、特別図柄確定処理を終了する。一方、大当たり図柄であれば(S1611でYES)、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、時短フラグをOFFし、時短カウンタの値を「0」にし、高確率フラグをOFFし、高確率カウンタの値を「0」にする)(S1612)。
続いて、大当たり遊技準備処理を行い(S1613)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1614)、特別図柄確定処理を終了する。大当たり遊技準備処理では、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブル(TBLNo.5−1〜5−3)をRAM84の所定領域にセットし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットし、ラウンド遊技の実行回数をラウンドカウンタにセットし、1ラウンドの大入賞口の開放回数を開放カウンタにセットする。
[特別電動役物処理]
図36に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、全ラウンド終了フラグがONであるか否かを判定する(S1701)。全ラウンド終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放(ラウンド遊技)が全て終了したことを示すフラグである。
全ラウンド終了フラグがONでなければ(S1701でNO)、特別動作用タイマに基づいて、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否かを判定する(S1702)。開放中でなければ(S1702でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時間(大入賞口開放時間)であるか否か、すなわち大当たりのオープニング時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S1703)。
大入賞口開放時間でなければ(ステップS1703でNO)、特別電動役物処理を終える。一方、大入賞口開放時間であれば(ステップS1703でYES)、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たりによるものか否かを判定する(S1704)。そして、Vロング大当たりでなければ(S1704でNO)、ステップS1707に進み、Vロング大当たりであれば(S1704でYES)、第2大入賞口35を開放させる16ラウンドを開始するか否かを判定する(S1705)。16ラウンドの開始でなければ(S1705でNO)、ステップS1707に進む。これに対して、16ラウンドの開始であれば(S1705でYES)、ステップS1706に進む。
次に、特定領域センサ37aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間を設定する(S1706)。V有効期間は、Vロング大当たりの16ラウンドにおける第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間からなる。なお、第1実施形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)は、特定領域センサ37aによる遊技球の検知を無効とするV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ37aによる遊技球の検知を有効とするというのは、特定領域センサ37aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONすることである。また、特定領域センサ37aによる遊技球の検知を無効とするというのは、特定領域センサ37aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないことである。なお、V有効期間に第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を含めているのは、第2大入賞口35の閉鎖直前に第2大入賞口35へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち第1実施形態では、V有効期間中の特定領域37への遊技球の通過の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に制御されることのないようにしている。
ステップS1707では、大入賞口開放処理を行う。大入賞口開放処理では、ステップS1613でセットされた大当たり遊技制御テーブル(図11参照)を参照し、ラウンドカウンタが示すラウンド遊技の順番および開放カウンタが示す各ラウンド遊技における開放の順番に基づいて、大入賞口の開放時間を特別動作用タイマにセットするとともに、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させるために、第1大入賞口ソレノイド312または第2大入賞口ソレノイド362を駆動させる。
続いて、ラウンド数コマンド送信判定処理を行い(S1708)、特別電動役物処理を終える。ラウンド数コマンド送信判定処理では、ステップS1707での大入賞口の開放が1回のラウンド遊技における最初の開放か否かを判定し、最初の開放あれば、これから開始するラウンド遊技の順番に関する情報を含むラウンド数コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。
特別電動役物処理のステップS1702において、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S1702でYES)、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S1709)。第1実施形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(第1実施形態では1ラウンド当たり9個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S1709でNO)、特別電動役物処理を終える。
これに対して、大入賞口の閉鎖条件が成立していれば(S1709でYES)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖させるために、第1大入賞口ソレノイド312または第2大入賞口ソレノイド362を駆動させる(S1710)。そして、開放カウンタの値を「1」ディクリメントし(S1711)、開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1712)。開放カウンタの値が「0」でなければ、すなわち、1回のラウンド遊技が終了しなければ(S1712でNO)、所定の閉鎖時間を特別動作用タイマにセットし(S1715)、特別電動役物処理を終える。開放カウンタの値が「0」であれば、すなわち、1回のラウンド遊技が終了すれば(S1712でYES)、ラウンドカウンタの値を「1」ディクリメントし(S1713)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1714)。ラウンドカウンタの値が「0」でなければ(S1714でNO)、図示はしていないが次回のラウンド遊技における大入賞口の開放回数を開放カウンタにセットした後に、所定の閉鎖時間を特別動作用タイマにセットし(S1715)、特別電動役物処理を終える。
一方、ステップS1714でラウンドカウンタの値が「0」であれば(S1714でYES)、全ラウンド終了フラグをONし(S1716)、エンディングを開始させる処理として、実行中の大当たり遊技に対応したエンディング時間を特別動作用タイマにセットし(S1717)、実行中の大当たり遊技に対応したエンディングコマンドをセットし(S1718)、特別電動役物処理を終える。
また、ステップS1701において全ラウンド終了フラグがONであれば(S1701でYES)、最終ラウンドが終了し、全てのラウンド遊技が終了しているので、大当たりのエンディング時間が経過したか否かを判定する(S1719)。エンディング時間が経過していなければ(S1719でNO)、特別電動役物処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S1719でYES)、全ラウンド終了フラグをOFFし(S1720)、遊技状態設定処理を行い(S1721)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1722)、特別電動役物処理を終える。特別動作ステータスを「1」にセットすることにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。
ここで、遊技状態設定処理(S1721)について説明する。図37に示すように、遊技状態設定処理では、まず、VフラグがONしているか否かを判定する(S1751)。VフラグがONしていれば(S1751でYES)、高確率状態且つ時短状態を設定し(S1752)、VフラグをOFFする(S1753)。ステップS1752で高確率状態且つ時短状態を設定する際には、高確率フラグ及び時短フラグをONし、確変カウンタ及び時短カウンタに「180」をセットする。
VフラグがONしていなければ(S1751でNO)、通常確率状態且つ時短状態を設定する(S1754)。ステップS1754で通常確率状態且つ時短状態を設定する際には、時短フラグをONし、時短カウンタに「100」をセットする。
そして、現在の遊技状態を示す遊技状態コマンドを出力バッファにセットする(S1755)。
6.演出制御用マイコン91による演出の制御
[サブ制御メイン処理]
次に図38〜図53に基づいて演出制御用マイコン91による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン91による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1が電源投入されると、サブ側電源断フラグをONして、図38に示したサブ制御メイン処理のプログラムをROM93から読み出して実行する。
同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等の演出内容を決定するための様々な乱数がある。演出決定用乱数の更新方法は、一例として、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(例えば、後述する変動演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、モード残り回数表示更新コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、V通過演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、コンプリートリーチ演出開始コマンド、コンプリート演出開始コマンド、確変モード開始コマンド、時短モード開始コマンド、通常モード開始コマンド)を、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、受信したコマンドに従って、表示画面7a、17aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、サブ制御基板90は、画像制御基板100によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路106を介してスピーカ67から音声を出力させたり(音声による種々の演出を実行したり)、ランプ制御回路107を介して枠ランプ66や特典LED783、793を発光させたり(発光による種々の演出を実行したり)、特典可動部材781、791(特典ゲート装置78、79)を作動させたり(動作による種々の演出を実行したり)する。なお、種々の演出としては、変動演出や、大当たり遊技演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)、コンプリートリーチ演出、コンプリート演出、客待ち演出等がある。
演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002〜S4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]
図39に示すように、受信割り込み処理(S4010)では、STB信号(ストローブ信号)がONか否か、すなわち、主制御基板80から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、STB信号がONでなければ(S4101でNO)、受信割り込み処理を終える。STB信号がONであれば(S4101でYES)、主制御基板80の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]
1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図40に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4011)ではまず、入力処理を行う(S4151)。入力処理では、演出ボタン検出スイッチ63aからの検知信号に基づいて演出ボタンスイッチデータを作成する。セレクトボタン検出スイッチ65aからの検知信号に基づいてセレクトボタンスイッチデータを作成する。さらに、第1特典ゲートセンサ78aからの検知信号に基づいて第1特典ゲート装置通過データを作成する。また、第2特典ゲートセンサ79aからの検知信号に基づいて第2特典ゲート装置通過データを作成する。
続いて、ランプデータ出力処理を行う(S4152)。ランプデータ出力処理では、画像による演出等に合うタイミングで枠ランプ66や特典LED783、793を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4209)で作成されたランプデータをランプ制御回路107に出力する。つまり、ランプデータに従って枠ランプ66や特典LED783、793を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理を行う(S4153)。駆動制御処理では、所定のタイミングで特典可動部材781、791を駆動させるべく、駆動データ(特典可動部材781、791の駆動のためのデータ)を作成し、または、出力する。後述の10msタイマ割り込み処理における各処理でセットされた駆動データもこの処理で出力される。つまり、駆動データに従って、特典可動部材781、791を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S4154)、1msタイマ割り込み処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図41に示すように、10msタイマ割り込み処理ではまず、ステップS4102で受信バッファに格納された受信コマンドなどを解析する受信コマンド解析処理を行う(S4201)。続いて、変動演出、客待ち演出、大当たり遊技演出などの各演出ならびに特典ゲート装置78、79の作動(突出および退避)の制御に関する時間を計測するためのタイマを更新する演出タイマ更新処理を行う(S4202)。さらに、後述する客待ち演出実行処理(S4203)を行う。
次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータ、第1特典ゲート装置通過データ、または、第2特典ゲート装置通過データを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータ、第1特典ゲート装置通過データ、または、第2特典ゲート装置通過データとしてRAM94に格納するスイッチ状態・特典ゲート装置通過状況取得処理を行う(S4204)。スイッチ状態・特典ゲート装置通過状況取得処理によって、演出制御用マイコン91は、演出ボタン63の操作の有無、遊技球の第1特典ゲート装置78の通過の有無、および、遊技球の第2特典ゲート装置79の通過の有無を認識することができる。
続いて、特典ゲート装置78、79の特典可動部材781、791の作動(突出および退避)を制御するための特典ゲート装置作動制御処理を行う(S4205)。特典ゲート装置作動制御処理については後述する。
次に、遊技球が特典ゲート装置78、79を通過したことに基づいて所定の演出(コンプリートリーチ演出、コンプリート演出、時短用特別BGMなど)を行うための特典ゲート装置通過検知処理を行う(S4206)。特典ゲート装置通過検知処理については後述する。
次に、遊技球が第1特典ゲート装置78または第2特典ゲート装置79を通過したことを条件にコンプリートリーチ演出を開始させるためのコンプリートリーチ演出処理を行う(S4207)。コンプリートリーチ演出処理については後述する。
次に、コンプリートしたことを条件にコンプリート演出を開始させるためのコンプリート演出処理を行う(S4208)。コンプリートリーチ演出処理については後述する。
その後、演出制御用マイコン91は、その他の処理として、後述するように、出力バッファにセットされ、画像制御基板100に送信される変動演出開始コマンド、客待ち演出開始コマンド、モード残り回数表示更新コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、V通過演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、コンプリートリーチ演出開始コマンド、コンプリート演出開始コマンドが示す演出内容や遊技球の特典ゲート装置78、79の通過の検知などに基づいて、ランプデータ(枠ランプ66や特典LED783、793の点灯を制御するデータ)の作成、および、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路106への出力を行う(S4209)。
[受信コマンド解析処理]
次に、図42〜図43を用いて受信コマンド解析処理について説明する。図42に示すように、受信コマンド解析処理ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する(S4301)。始動入賞コマンドを受信していれば(S4301でYES)、ステップS4302に進む一方、始動入賞コマンドを受信していなければ(S4301でNO)、ステップS4303に進む。
ステップS4302において、先読み演出判定処理を行う。先読み演出判定処理ではまず、受信した始動入賞コマンドをRAM94の所定の記憶領域に記憶する。記憶された始動入賞コマンドは、当該コマンドに対応する特別図柄乱数に基づく特別図柄の変動表示が終了するまでRAM94の所定の記憶領域に記憶される。次に、その記憶した始動入賞コマンドを解析して、大当たり期待度を示す先読み演出(先読み予告演出)を実行するか否かの抽選を行う。先読み演出には、前述した保留演出の他に、連続する複数回の特別図柄の変動表示にわたって相互に関連する連続予告演出等がある。これらの先読み演出を実行すると決定した場合には、決定した演出を実行するための先読み演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
ステップS4303において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か、言い換えれば、変動開始コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。変動開始コマンドを受信していなければ(S4303でNO)、ステップS4305に進む一方、変動開始コマンドを受信していれば(S4303でYES)、変動演出開始処理を行う(S4304)。変動演出開始処理では、変動開始コマンドを解析し、その解析結果に基づいて変動演出の演出内容を特定する。変動演出開始処理については後述する。
ステップS4305において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定する。変動停止コマンドを受信していなければ(S4305でNO)、ステップS4307に進む一方、変動停止コマンドを受信していれば(S4305でYES)、変動演出終了処理を行う(S4306)。変動演出終了処理では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了(演出図柄の変動表示を停止)させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
ステップS4307において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から客待ちコマンドを受信したか否か、言い換えれば、変動停止コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。客待ちコマンドを受信していなければ(S4307でNO)、ステップS4309に進む一方、客待ちコマンドを受信していれば(S4307でYES)、客待ち演出待機処理を行う(S4308)。客待ち演出待機処理では、演出図柄の停止表示が行われてから客待ち演出を開始させるまでの待機時間(例えば、20秒)を客待ち演出タイマにセットする。なお、この待機時間が経過したか否かはステップS4203の客待ち演出実行処理で監視される。演出制御用マイコン91は、ステップS4203の客待ち演出実行処理で、待機時間が経過したと判定すると、客待ち演出を開始させるための客待ち演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
ステップS4309において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から遊技状態コマンドを受信したか否か、言い換えれば、遊技状態コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。遊技状態コマンドを受信していなければ(S4309でNO)、ステップS4311に進む一方、遊技状態コマンドを受信していれば(S4309でYES)、演出モードを制御するための演出モード処理を行う(S4310)。演出モード処理について後述する。
ステップS4311において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、オープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。オープニングコマンドを受信していなければ(S4311でNO)、ステップS4313に進む一方、オープニングコマンドを受信していれば(S4311でYES)、オープニング演出を開始させるためのオープニング演出開始処理を行う(S4312)。オープニング演出開始処理については後述する。
ステップS4313において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド数コマンドを受信したか否か、言い換えれば、ラウンド数コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。ラウンド数コマンドを受信していなければ(S4313でNO)、ステップS4315に進む一方、ラウンド数コマンドを受信していれば(S4313でYES)、ラウンド演出を開始させるためのラウンド演出開始処理を行う(S4314)。ラウンド演出開始処理については後述する。
ステップS4315において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か、言い換えれば、V通過コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。V通過コマンドを受信していなければ(S4315でNO)、ステップS4317に進む一方、V通過コマンドを受信していれば(S4315でYES)、V通過演出を開始させるためのV通過演出開始処理を行う(S4316)。V通過演出開始処理については後述する。
ステップS4317において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、エンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。エンディングコマンドを受信していなければ(S4317でNO)、受信コマンド解析処理を終了する一方、エンディングコマンドを受信していれば(S4317でYES)、エンディング演出を開始させるためのエンディング演出開始処理を行う(S4318)。エンディング演出開始処理については後述する。
[変動演出開始処理]
図44に示すように、変動演出開始処理ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S4401)。変動開始コマンドには、特別図柄の変動パターン判定処理(ステップS1403又はS1410)で行われた特別図柄の変動パターン判定の結果に関する情報などが含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した情報(解析結果)は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
次に、演出制御用マイコン91は、変動演出パターン選択処理を行う(S4402)。変動演出パターン選択処理では、変動演出パターン決定用乱数を取得し、変動演出パターンを判定するための変動演出パターン判定テーブルを複数の中から選択し、さらに、取得した変動演出パターン決定用乱数と選択した変動演出パターン判定テーブルに基づいて、複数の変動演出パターンの中から1つの変動演出パターンを選択する。なお、変動演出パターン判定テーブルは、演出モード(通常モード、確変モード、および、時短モード)で大別されている。そして各演出モードについて特図変動パターン毎に変動演出パターン判定テーブルが設けられている。よって、演出制御用マイコン91は、変動演出パターン判定テーブルを選択する際には、現在の演出モードと特図変動パターンに応じた変動演出パターン判定テーブルを選択する。また、各変動演出パターン判定テーブルには、所定の振分率(選択率)となるように変動演出パターン決定用乱数の値が変動演出パターンに適宜に振り分けられている。変動演出パターンが選択されれば、変動演出の時間、装飾図柄の変動表示態様、リーチの有無、リーチ演出の内容、SW演出(演出ボタン演出)の有無、SW演出の内容、演出の展開構成等からなる変動演出の内容が決まることとなる。
続いて演出制御用マイコン91は、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄を決定する停止演出図柄選択処理を行う(S4403)。停止演出図柄選択処理では、演出図柄決定用乱数を取得し、停止表示する特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄(装飾図柄8L、8C、8R)を選択する。これにより、最終的に停止表示される装飾図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン91は、予告演出の有無およびその演出内容の選択を行う予告演出選択処理を行う(S4404)。予告演出選択処理では、予告演出決定用乱数を取得し、停止表示する特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出の有無および演出内容を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の実行の有無および演出内容が決定される。
そして、選択した変動演出パターン、演出図柄、及び予告演出からなる演出内容(変動演出内容)を示す変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4405)。変動演出開始コマンドには、第1画像表示装置7で行われる画像による変動演出の他に、スピーカ67から出力される音声による変動演出、および、枠ランプ66で行われる発光による変動演出の演出内容が含まれている。ステップS4405でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、制御用ROM103から所定の演出画像を読み出して、第1画像表示装置7の第1表示画面7aにて画像による変動演出を行う。また、演出制御用マイコン91は、画像制御基板100によって行われる画像による変動演出が行われている間、画像制御基板100に送信された変動演出開始コマンドが示す変動演出内容に応じて、音声制御回路106を介してスピーカ67から音声を出力させ(音声による変動演出を実行し)、また、ランプ制御回路107を介して枠ランプ66を発光させる(発光による変動演出を実行する)。
次に、演出制御用マイコン91は、現在、確変モード中、または、時短モード中である(確変モードフラグがONまたは時短モードフラグがON)か否かを判定する(S4406)。確変モード中または時短モード中でなければ(S4406でNO)、変動演出開始処理を終了し、確変モード中または時短モード中であれば(S4406でYES)、演出モード残り回数表示が示す演出モードの残り回数を「1」減算させる演出モード残り回数表示減算コマンドをRAM94の出力バッファにセットするとともに、後述する演出モードカウンタを「1」減算する。演出モード残り回数表示減算コマンドがコマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、第2画像表示装置17の第2表示画面17aにて表示されている演出モード残り回数表示を「1」減算させる。
[演出モード処理]
図45に示すように、演出モード処理ではまず、演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドを解析し(S4501)、当該遊技状態コマンドが示す遊技状態が高確率状態且つ時短状態であるか否かを判定する(S4502)。高確率状態且つ時短状態でなければ(S4502でNO)ステップS4506に進み、高確率状態且つ時短状態であれば(S4502でYES)後述するエンディングフラグがONしているか否かを判定する(S4503)。エンディングフラグがONしていなければ(S4503でNO)演出モード処理を終了し、エンディングフラグがONしていれば(S4503でYES)、確変モード設定処理を行い(S4504)、確変モード開始コマンドを出力バッファにセットし(S4505)、演出モード処理を終了する。なお、ステップS4504の確変モード設定処理では、確変モードを示す確変モードフラグをONし、演出モードカウンタに「180」をセットするとともに、エンディングフラグをOFFし、後述するV通過フラグをOFFする。
また、確変モード開始コマンドには、確変モード用の背景画像およびBGMなどの演出内容が含まれている。セットされた確変モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、制御用ROM103から所定の演出画像を読み出して、第1画像表示装置7の第1表示画面7aに確変モード用の背景画像を表示する。また、演出制御用マイコン91は、音声制御回路106を介してスピーカ67から確変用のBGMを出力させる。
ステップS4506において、演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常確率状態且つ時短状態であるか否かを判定する。通常確率状態且つ時短状態でなければ(S4506でNO)ステップS4511に進み、通常確率状態且つ時短状態であれば(S4506でYES)後述するエンディングフラグがONしているか否かを判定する(S4507)。エンディングフラグがONしていなければ(S4507でNO)演出モード処理を終了し、エンディングフラグがONしていれば(S4507でYES)、後述する特典付与フラグのON/OFFを確認する(S4508)。特典付与フラグについては後述するが、特典付与フラグはコンプリートした際にONされる。
次に、演出制御用マイコン91は、特典付与フラグのON/OFFに応じて、時短モード(通常時短モードまたは特別時短モード)設定処理を行い(S4509)、時短モード開始コマンド(通常時短モード開始コマンドまたは特別時短モード開始コマンド)を出力バッファにセットし(S4510)、演出モード処理を終了する。なお、ステップS4509の時短モード設定処理では、特典付与フラグがONしていれば特別時短モードを示す特別時短モードフラグをONし、演出モードカウンタに「100」をセットするとともに、エンディングフラグ、特典付与フラグ、後述のコンプリートリーチ演出実行フラグ、および、コンプリート演出実行フラグをOFFする。一方、特典付与フラグがONしていなければ通常時短モードを示す通常時短モードフラグをONし、演出モードカウンタに「100」をセットするとともに、エンディングフラグ、後述の通過フラグ、および、コンプリートリーチ演出実行フラグをOFFする。また、ステップS4510でセットする時短モード開始コマンドは、特典付与フラグがONしていれば特別時短モードが開始されることを示す特別時短モード開始コマンドであり、特典付与フラグがONしていなければ通常時短モードが開始されることを示す通常時短モード開始コマンドである。
また、特別時短モード開始コマンドには、時短モード用の背景画像および時短用特別BGMなどの演出内容が含まれている。セットされた特別時短モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、制御用ROM103から所定の演出画像を読み出して、第1画像表示装置7の第1表示画面7aに時短モード用の背景画像を表示する。また、演出制御用マイコン91は、音声制御回路106を介してスピーカ67から時短用特別BGMを出力させる。同様に、通常時短モード開始コマンドがコマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、制御用ROM103から所定の演出画像を読み出して、第1画像表示装置7の第1表示画面7aに時短モード用の背景画像を表示する。また、演出制御用マイコン91は、音声制御回路106を介してスピーカ67から時短用通常BGMを出力させる。
次に、演出制御用マイコン91は、現在、通常モード中であるか否かを判定する(S4511)。通常モード中であれば(S4511でYES)演出モード処理を終了し、通常モード中でなければ(S4511でNO)、通常モード設定処理を行い(S4512)、通常モード開始コマンドを出力バッファにセットし(S4513)、演出モード処理を終了する。なお、ステップS4512の通常モード設定処理では、通常モードを示す通常モードフラグをONする。
また、通常モード開始コマンドには、通常モード用の背景画像などの演出内容が含まれている。セットされた通常モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、制御用ROM103から所定の演出画像を読み出して、第1画像表示装置7の第1表示画面7aに通常モード用の背景画像を表示する。
なお、ステップS4504の確変モード設定処理、ステップS4509の時短モード設定処理、および、ステップS4512の通常モード設定処理では、それまでにONされていた演出モードのフラグをOFFする。
[オープニング演出開始処理]
図46に示すように、オープニング演出開始処理では、演出制御用マイコン91は、オープニングコマンドを解析して、これから開始される大当たり遊技の種別(大当たり図柄の種別)を特定し(S4601)、その特定結果に応じたオープニング演出の演出パターンを判定して、オープニング演出の演出内容を決定し(S4602)、オープニング演出の演出内容を示すオープニング演出開始コマンドを出力バッファにセットし(S4603)、オープニング演出開始処理を終了する。なお、ここで演出制御用マイコン91がステップS4601で解析した結果(大当たり遊技の種別:大当たり図柄の種別)は、RAM94の所定領域に記憶され、当該大当たり遊技が終了するまでの処理においても適宜利用可能なものとする。すなわち、演出制御用マイコン91は、当該大当たり遊技に関する演出の処理において、現在実行されている大当たり遊技の種別を特定することができる。
[ラウンド演出開始処理]
図47に示すように、ラウンド演出開始処理では、演出制御用マイコン91は、ラウンド数コマンドを解析して、これから開始されるラウンド遊技の順番を特定し(S4651)、その特定結果と現在実行されている大当たり遊技の種別とに基づいて、ラウンド演出の演出パターンを判定して、ラウンド演出の演出内容を決定し(S4652)、ラウンド演出の演出内容を示すラウンド演出開始コマンドを出力バッファにセットし(S4653)、ラウンド演出開始処理を終了する。
例えば、第2大当たり遊技が実行されており、ラウンド数コマンドが15ラウンドを示す場合は、15ラウンドのラウンド遊技演出として、バトル敗北演出と特典ゲート発射予告演出を実行する演出内容のラウンド演出開始コマンドがセットされる。また、第2大当たり遊技が実行されており、ラウンド数コマンドが16ラウンドを示す場合は、16ラウンドのラウンド遊技演出として、特典内容説明演出とチャレンジタイム案内演出を実行する演出内容のラウンド演出開始コマンドがセットされる。
なお、演出制御用マイコン91がステップS4651で解析した結果(ラウンド遊技の順番)は、RAM94の所定領域に記憶され、当該ラウンド遊技が終了するまでの処理においても適宜利用可能なものとする。すなわち、演出制御用マイコン91は、当該大当たり遊技に関する演出の処理において、現在実行されているラウンド遊技の順番を特定することができる。
[V通過演出開始処理]
図48に示すように、V通過演出開始処理では、演出制御用マイコン91は、V通過演出の演出内容を示すV通過演出開始コマンドを出力バッファにセットし(S4701)、V通過フラグをRAM94の所定領域にONし(S4702)、V通過演出開始処理を終了する。
[エンディング演出開始処理]
図49に示すように、エンディング演出開始処理では、演出制御用マイコン91は、エンディングコマンドを解析して、エンディングを迎えた大当たり遊技の種別(大当たり図柄の種別)を確認し(S4751)、V通過フラグのON/OFFを確認し(S4752)、特典付与フラグのON/OFFを確認し(S4753)、これらの確認結果に応じたエンディング演出の演出パターンを判定して、エンディング演出の演出内容を決定し(S4754)、エンディング演出の演出内容を示すエンディング演出開始コマンドを出力バッファにセットし(S4755)、エンディングフラグをRAM94の所定領域にONし(S4756)、エンディング演出開始処理を終了する。演出制御用マイコン91は、V通過フラグがONされていれば、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態で遊技が進行し、確変モードによる変動演出が行われるため、図20(B)に示すような確変モード用のエンディング演出内容に決定する。また、エンディングを迎えた大当たり遊技が第2大当たり遊技で、V通過フラグがONされていないが特典付与フラグがONされている場合、大当たり遊技後に通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行し、特別時短モードによる変動演出が行われるため、図22(C)に示すような特別時短モード用のエンディング演出内容に決定する。それ以外の場合は、大当たり遊技後に通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行し、通常時短モードによる変動演出が行われるため、図23(A)に示すような通常時短モード用のエンディング演出内容に決定する。
[特典ゲート装置作動制御処理]
図50に示すように、特典ゲート装置作動制御処理ではまず、第1特典ゲート装置78が突出中であるか否か、言い換えれば、後述する第1特典ゲート装置突出フラグがONしているか否かを判定する(S5001)。突出中でなければ(S5001でNO)、すなわち、第2特典ゲート装置79が突出中であれば、ステップS5008に進み、突出中であれば(S5001でYES)、第1特典ゲート装置78を退避させる時間(第1特典ゲート装置退避時間)であるか否かを判定する(S5002)。具体的には、特典ゲート装置78、79の動作を制御するための特典ゲート装置動作用タイマ=0か否かを判定する。なお、特典ゲート装置動作用タイマは、ステップS4202の演出タイマ更新処理によって適宜に更新(「10ms」分、ディクリメント)される。第1特典ゲート装置退避時間でなければ(ステップS5002でNO)、特典ゲート装置作動制御処理を終える。一方、第1特典ゲート装置退避時間であれば(ステップS5002でYES)、第1特典ゲート装置78を退避させるために第1特典ゲートソレノイド782を駆動し(S5003)、第2特典ゲート装置79を突出させるために第2特典ゲートソレノイド792を駆動する(S5004)。
次に、演出制御用マイコン91は、突出させた第2特典ゲート装置79を退避させる時間(第2特典ゲート装置退避時間)、言い換えれば、第2特典ゲート装置79の突出を保持する時間を、特典ゲート装置動作用タイマにセットし(S5005)、第1特典ゲート装置突出フラグをOFFし(S5006)、第2特典ゲート装置突出フラグをRAM94の所定領域にONし(S5007)、特典ゲート装置作動制御処理を終了する。
ステップS5008において、演出制御用マイコン91は、第2特典ゲート装置79を退避させる時間(第2特典ゲート装置退避時間)であるか否か、言い換えれば、ステップS5005で第2特典ゲート装置退避時間がセットされた特典ゲート装置動作用タイマ=0か否かを判定する。第2特典ゲート装置退避時間でなければ(ステップS5008でNO)、特典ゲート装置作動制御処理を終える。一方、第2特典ゲート装置退避時間であれば(ステップS5008でYES)、第2特典ゲート装置79を退避させるために第2特典ゲートソレノイド792を駆動し(S5009)、第1特典ゲート装置78を突出させるために第1特典ゲートソレノイド782を駆動する(S5010)。
次に、演出制御用マイコン91は、第1特典ゲート装置退避時間、言い換えれば、第1特典ゲート装置78の突出を保持する時間を、特典ゲート装置動作用タイマにセットし(S5011)、第2特典ゲート装置突出フラグをOFFし(S5012)、第1特典ゲート装置突出フラグをRAM94の所定領域にONし(S5013)、特典ゲート装置作動制御処理を終了する。
第1実施形態では、第1特典ゲート装置退避時間および第2特典ゲート装置退避時間は5秒に設定されている。よって、特典ゲート装置作動制御処理によって、第1特典ゲート装置78と第2特典ゲート装置79が5秒おきに交互に突出と退避とを繰り返す。
[特典ゲート装置通過検知処理]
図51に示すように、特典ゲート装置通過検知処理では、演出制御用マイコン91は、現在、第2大当たり遊技の16ラウンド中であるか否かを判定する(S6001)。第2大当たり遊技の16ラウンド中でなければ(ステップS6001でNO)特典ゲート装置通過検知処理を終え、第2大当たり遊技の16ラウンド中であれば(ステップS6001でYES)、特典付与フラグがONしているか否か、すなわち、コンプリートしたか否かを判定する(S6002)。
特典付与フラグがONであれば(ステップS6002でYES)特典ゲート装置通過検知処理を終え、特典付与フラグがONでなければ(ステップS6002でNO)、遊技球の第1特典ゲート装置78または第2特典ゲート装置79の通過を検知したか否かを判定する(S6003)。遊技球の第1特典ゲート装置78または第2特典ゲート装置79の通過を検知していなければ(ステップS6003でNO)特典ゲート装置通過検知処理を終え、遊技球の第1特典ゲート装置78または第2特典ゲート装置79の通過を検知していれば(ステップS6003でYES)、その検知した特典ゲート装置の番号に応じた通過フラグをONする(S6004)。なお、特典ゲート装置の番号とは、第1特典ゲート装置78、第2特典ゲート装置79の語頭の「第○」の「○」の数字の部分になる。例えば、第1特典ゲート装置78であれば特典ゲート装置の番号は「1」であり、第2特典ゲート装置79であれば特典ゲート装置の番号は「2」である。
次に、演出制御用マイコン91は、特典ゲート装置の全ての番号(1〜2)の通過フラグがONしているか否かを判定する(S6005)。全ての番号(1〜2)の通過フラグがONしていなければ(S6005でNO)、特典ゲート装置通過検知処理を終え、全ての番号(1〜2)の通過フラグがONしていれば(S6005でYES)、特典付与フラグをONし(S6006)、全ての番号(1〜2)の通過フラグをOFFし(S6007)、特典ゲート装置通過検知処理を終了する。このように、特典付与フラグのONは、コンプリートしたことを示している。
[コンプリートリーチ演出処理]
図52に示すように、コンプリートリーチ演出処理では、演出制御用マイコン91は、遊技球が第1特典ゲート装置78を通過したか否か、言い換えれば、特典ゲート装置の番号「1」の通過フラグがONしているか否かを判定する(S7001)。第1特典ゲート装置78を通過していなければ(ステップS7001でNO)ステップS7005に進み、第1特典ゲート装置78を通過していれば(ステップS7001でYES)、第1特典ゲート装置78の通過によるコンプリートリーチ演出(図22(A)参照)を実行済みか否か、すなわち、後述の第1コンプリートリーチ演出実行フラグがONであるか否かを判定する(S7002)。
演出制御用マイコン91は、第1特典ゲート装置78の通過によるコンプリートリーチ演出が実行済みであれば(ステップS7002でYES)、重複した実行を防ぐためにコンプリートリーチ演出処理を終了し、第1特典ゲート装置78の通過によるコンプリートリーチ演出が実行済みでなければ(S7002でNO)、第1特典ゲート装置78の通過によるコンプリートリーチ演出の演出内容を示すコンプリートリーチ演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットし(S7003)、第1コンプリートリーチ演出実行フラグをRAM94の所定領域にONし(S7004)、コンプリートリーチ演出処理を終了する。
ステップS7005において、演出制御用マイコン91は、遊技球が第2特典ゲート装置79を通過したか否か、言い換えれば、特典ゲート装置の番号「2」の通過フラグがONしているか否かを判定する。第2特典ゲート装置79を通過していなければ(ステップS7005でNO)コンプリートリーチ演出処理を終了し、第2特典ゲート装置79を通過していれば(ステップS7005でYES)、第2特典ゲート装置79の通過によるコンプリートリーチ演出(図22(A)参照)を実行済みか否か、すなわち、後述の第1コンプリートリーチ演出実行フラグがONであるか否かを判定する(S7006)。
演出制御用マイコン91は、第2特典ゲート装置79の通過によるコンプリートリーチ演出が実行済みであれば(ステップS7006でYES)、重複した実行を防ぐためにコンプリートリーチ演出処理を終了し、第2特典ゲート装置79の通過によるコンプリートリーチ演出が実行済みでなければ(S7006でNO)、第2特典ゲート装置79の通過によるコンプリートリーチ演出の演出内容を示すコンプリートリーチ演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットし(S7007)、第2コンプリートリーチ演出実行フラグをRAM94の所定領域にONし(S7008)、コンプリートリーチ演出処理を終了する。
[コンプリート演出処理]
図53に示すように、コンプリート演出処理では、演出制御用マイコン91は、特典付与フラグがONしているか否か、言い換えれば、コンプリートしたか否かを判定する(S8001)。特典付与フラグがONしていなければ(ステップS8001でNO)コンプリート演出を終了し、特典付与フラグがONしていれば(ステップS8001でYES)、コンプリート演出(図22(B)参照)を実行済みか否か、すなわち、後述のコンプリート演出実行フラグがONであるか否かを判定する(S8002)。
演出制御用マイコン91は、コンプリート演出が実行済みであれば(ステップS8002でYES)、コンプリート演出が重複して実行されることを防ぐためにコンプリート演出処理を終了し、コンプリート演出が実行済みでなければ(S8002でNO)、コンプリート演出の演出内容を示すコンプリート演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットし(S8003)、コンプリート演出実行フラグをRAM94の所定領域にONし(S8004)、コンプリート演出処理を終了する。
以上のように、パチンコ遊技機1によれば、チャレンジタイムにおいて、第2大入賞口35へ入賞した遊技球を第1特典ゲート装置78および第2特典ゲート装置79の何れにも通過させることで所定の特典として時短用特別BGMが出力される。よって、遊技興趣が向上する。また、チャレンジタイムは、相対的に遊技者に不利な(高確率状態を発生させない)第2大当たり遊技において実行されるので、遊技者の落胆を和らげることができる。また、第1特典ゲート装置78および第2特典ゲート装置79は、第1非特定領域38および第2非特定領域39の下流側に設けられているので、遊技者の遊技意欲の低下を抑えることができる。さらに、第1特典ゲート装置78は左打ちした場合に遊技球を通過させ易く、第2特典ゲート装置79は右打ちした場合に遊技球を通過させ易いため、遊技球を双方の特典ゲート装置78、79を通過させるためには、遊技球を打ち分ける必要がある。このように、所定の特典を獲得するために、遊技者の技術が介入するので遊技興趣がさらに向上する。
<第2実施形態>
本発明の遊技機の第2実施形態であるパチンコ遊技機1について図面を用いて説明する。なお、前述した第1実施形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、説明を省略する。
第1実施形態では、第2大入賞装置36に特定領域37、非特定領域38、39が設けられており、大当たり遊技においてV通過しないと高確率状態に移行しないが、第2実施形態のパチンコ遊技機1においては、第2大入賞装置36に特定領域37、非特定領域38、39が設けられておらず、特別図柄抽選で特定の種類の大当たり図柄(例えば、大当たり図柄Aと大当たり図柄C)に当選して、特定の種類の大当たり図柄の停止表示が行われると、その大当たり遊技(第1大当たり遊技または第3大当たり遊技)の終了に伴って高確率状態時短状態に移行し、高確率状態且つ時短状態により180回の特図可変表示が行えるようにすることができる。一方、特別図柄抽選で非特定の種類の大当たり図柄(例えば、大当たり図柄B)に当選して、非特定の種類の大当たり図柄の停止表示が行われると、その大当たり遊技(第2大当たり遊技)の終了に伴って通常確率状態且つ時短状態に移行し、通常確率状態且つ時短状態により100回の特図可変表示が行えるようにすることができる。
そして、この場合、例えば、第2大入賞装置36を図54のようにすることができる。図54に示すように、第2大入賞装置36には、第2大入賞口35に入球して第2大入賞口センサ35aを通過した遊技球が流下可能な演出領域364が設けられている。そして、演出領域364には、遊技球が停留可能な5つの特典スライダー装置75〜79(第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79)が設けられている。第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79は設けられている位置が異なっているが、その構造は同一である。
第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79は、突出と退避が可能、言い換えれば、前後に進退可能な第1特典可動部材751〜第5特典可動部材791と、第1特典可動部材751〜第5特典可動部材791を駆動する(前後に進退させる)第1特典ソレノイド751〜第5特典ソレノイド792(図55参照)と、を備えている。第1特典可動部材751〜第5特典可動部材791は衝撃吸収機能を有する素材(例えば、硬いゴム)からなり、同一の矩形状に成形されている。第1特典可動部材751〜第5特典可動部材791は、通常は、その前側の端面が演出領域364と面一の状態で退避しており、遊技球の停留が不可能な状態に保持されている。
そして、所定の突出条件が成立することによって、第1特典可動部材751〜第5特典可動部材791が前方に突出し、所定時間、突出した状態で保持される。ここで、第1特典可動部材751〜第5特典可動部材791が突出した状態で保持されているときの演出領域364から第1特典可動部材751〜第5特典可動部材791の先端までの長さは遊技球の直径以上である。よって、第1特典可動部材751〜第5特典可動部材791が突出しているとき、遊技球は第1特典可動部材751〜第5特典可動部材791(第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79)に停留することが可能(貯留されることが可能)である。全ての第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79に遊技球が停留する(貯留される)と、所定の特典(第1実施形態においては、時短用特別BGMなど)が遊技者に付与される。
また、第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79のそれぞれは、遊技球が第1特典可動部材751〜第5特典可動部材791の上に停留していることを検知する第1特典停留検知センサ75a〜第5特典停留検知センサ79a(図55参照)を備えている。第1特典停留検知センサ75a〜第5特典停留検知センサ79aは、突出状態(遊技球を停留させることが可能な状態)にある第1特典可動部材751〜第5特典可動部材791の上から、当該第1特典可動部材751〜第5特典可動部材791の上面に到着したものの、その上面ではねて演出領域364上に放り出され、第1特典可動部材751〜第5特典可動部材791に停留できなかった遊技球は検知しない構成となっている。
図56(A)は、第1特典可動部材751が、その前側の端面と演出領域364と面一な状態で退避している状態、すなわち、第1特典スライダー装置75が、遊技球の停留が不可能な状態(遊技球を貯留することが不可能な状態)にある様子を表している。ここで、所定の突出条件が成立して、第1特典可動部材751が突出すると、図56(B)に示すように、第1特典スライダー装置75は、遊技球の停留が可能な状態(遊技球を貯留することが可能な状態)になる。第1特典可動部材751の上面には、遊技球を確実に停留させるための凹部751Aが形成されている。凹部751Aは、半球状に形成されている。遊技球を確実に停留させるために、凹部751Aの半径は、遊技球の半径と同等になっている。なお、第2特典可動部材761〜第5特典可動部材791にも、凹部751Aと同様な凹部が設けられている。
また、図56(C)に示すように、第1特典可動部材751の上面で遊技球が停留しているときに第1特典可動部材751が退避すると、図56(D)に示すように、遊技球は第1特典可動部材751から落ち、再び演出領域364を流下する。
ここで、第2大入賞口35は第2大当たり遊技の所定のラウンド遊技(例えば、最終ラウンド)において29.0秒開放し、そのラウンド遊技が開始されてから5秒経過することが第1特典可動部材751〜第5特典可動部材791が突出するための突出条件にしておき、突出条件が成立すると、20秒間突出するとする。すなわち、第2大当たり遊技の所定のラウンド遊技(例えば、最終ラウンド)が開始されてから5秒経過するとチャレンジタイムが発生する。そして、第1特典可動部材751〜第5特典可動部材791が突出しているときに遊技球が全ての第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79に停留する(コンプリートする)と、遊技者に所定の特典が付与される。
遊技者に付与される所定の特典としては、第1実施形態のように、大当たり遊技終了後の時短用特別BGMとすることができる。このように、第2実施形態のパチンコ遊技機1は、主に、第2大入賞装置36の構造、高確率状態の発生条件について第1実施形態のパチンコ遊技機1と異なっている。また、第2実施形態のパチンコ遊技機1の第1特典ゲート装置78〜第2特典ゲート装置79の代わりに、第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79が設けられている。そして、第2実施形態のパチンコ遊技機1においても、チャレンジタイムにおいて、第2大入賞口35に入球して第2大入賞口センサ35aを通過した、ある意味役目を終えた遊技球を第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79の何れにも貯留させることで所定の特典として時短用特別BGMが出力される。よって、遊技興趣が向上する。
6.その他の変更例
以下、本発明の遊技機について、前述した第1実施形態および第2実施形態のその他の変更例について説明する。
第1実施形態などでは、所定の特典を発生させる(付与する)ための構造物として第1特典ゲート装置78〜第2特典ゲート装置79や第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79が設けられているが、これらの構造や形状は第1実施形態などに限られず適宜に設定することができる。例えば、第1特典ゲート装置78〜第2特典ゲート装置79や第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79は可動式であるが、作動不可能な固定式であり、所定の時間の時間帯のみ、その通過や停留が有効になり所定の特典を発生(付与)させるようにすることもできる。
また、所定の特典を発生させる(付与する)ための構造物が可動式である場合、その機構は、第1特典ゲート装置78〜第2特典ゲート装置79や第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79のように突出および退避が可能なものに限られない。例えば、第1大入賞装置31の開閉部材311のように、第2大入賞装置36内の背面側(後方)の壁面に面一に保持された状態から下端の回転軸を中心に前面側に倒れるように回転し、当該壁面に垂直に保持することが可能であるようにしても良い。
また、所定の特典を発生させる(付与する)ための構造物が固定式である場合、その構造は、例えば、不図示の遊技機くぎのような棒状体が第2大入賞装置36内の背面側(後方の)の壁面に垂直に設けられており、遊技球が棒状体に接触することが、遊技機の第1特典ゲート装置78〜第2特典ゲート装置79の通過などに代わるようにすることもできる。この場合、遊技球は棒状体に接触した後も、その下流側を流下することになり、遊技球が棒状体に接触したことを事後的に確認することが困難であるので、所定のLEDを棒状体の先端に設け、チャレンジタイムにおいて接触した場合は点灯することが望ましい。
また、第1実施形態などでは、同一の形状・機構からなる第1特典ゲート装置78〜第2特典ゲート装置79や第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79が設けられているが、例えば、第1特典ゲート装置78と第1特典スライダー装置75〜第3特典スライダー装置77など、異なる形状・機構からなる構造物を混在させても良い。この場合、第1特典スライダー装置75〜第3特典スライダー装置77の第1特典可動部材751〜第3特典可動部材771の大きさを変えることもできる。
また、所定の特典を発生させる(付与する)ための構造物の数および位置も第1実施形態などには限定されず、適宜に設定することができる。
また、第1実施形態では、全ての第1特典ゲート装置78〜第2特典ゲート装置79を遊技球が通過することにより所定の特典が付与され、第2実施形態では、全ての第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79に遊技球が貯留されることにより所定の特典が付与されている。しかしながら、遊技球が全てを通過しなくても、または、全てに貯留されなくても、特典が付与されるようにしても良い。この場合は、通過した遊技球の個数または貯留した遊技球の個数に関わらず、同一の特典を付与してもよい。また、通過した遊技球の個数または貯留した遊技球の個数に応じて、異なる特典を付与してもよい。例えば、通過した遊技球の個数または貯留した遊技球の個数が多くなるにつれて、特典の内容が遊技者に有利になるようにしてもよい。例えば、通過した遊技球の個数または貯留した遊技球の個数が多くなるにつれて、特別BGMの希少性が増すようにすることができる。さらに、特典を付与させるために通過させる又は貯留させる遊技球の個数を所定の抽選で、例えば、1〜7の中で決定し、表示画面7a、17aやスピーカ67を用いて報知するようにしてもよい。
また、第1実施形態などでは、チャレンジタイムにおいてコンプリートすることにより遊技者に付与される所定の特典として、時短用特別BGMなどが設けられているが、所定の特典の内容はこれに限られず適宜に設定することができる。例えば、所定の特典として、時短用特別BGMに加えて、または、時短用特別BGMに代えて、大当たり遊技後から特別な背景画像や演出図柄が表示されるようにすることもできる。また、大当たり遊技後の時短状態における第2始動口22の開放時間がコンプリートしない場合に比べて長くなるようにすることもできる。これに加えて、または、これとは別に、大当たり遊技後の時短状態における普通図柄の変動時間がコンプリートしない場合に比べて短くなるようにすることもできる。これに加えて、または、これとは別に、大当たり遊技後の時短状態における当たり判定の当選確率がコンプリートしない場合に比べて高くなるようにすることもできる。これらの場合、第1特典ゲートセンサ78a〜第2特典ゲートセンサ79aおよび第1特典ゲートソレノイド782〜第2特典ゲートソレノイド792などは、サブ制御基板90ではなく主制御基板80に接続されており、主制御基板80に第1特典ゲートセンサ78a〜第2特典ゲートセンサ79aからの検知信号が入力し、所定の特典の付与の制御や第1特典ゲートソレノイド782〜第2特典ゲートソレノイド792の制御を行うようにしても良い。また、第1特典ゲートセンサ78a〜第2特典ゲートセンサ79aおよび第1特典ゲートソレノイド782〜第2特典ゲートソレノイド792などは、画像制御基板100に接続されており、画像制御基板100が第1特典ゲートセンサ78a〜第2特典ゲートセンサ79aなどからの検知信号を中継してサブ制御基板90に出力し、サブ制御基板90が、所定の特典の付与の制御や第1特典ゲートソレノイド782〜第2特典ゲートソレノイド792の制御を行うようにしても良い。また、画像制御基板100に第1特典ゲートセンサ78a〜第2特典ゲートセンサ79aなどからの検知信号が入力し、所定の特典の付与の制御や第1特典ゲートソレノイド782〜第2特典ゲートソレノイド792の制御を行うようにしても良い。
また、第1実施形態などでは、所定の特典の種類は1種類であるが、複数種類設けられており、所定の抽選により所定の特典の種類が選択されるようにしてもよい。また、所定の特典の種類を複数設け、コンプリートした時点でのチャレンジタイムの残り時間に基づいて複数の中から1つに決定するようにしてもよい。
また、第1実施形態などでは、コンプリートしたことにより遊技者に付与される所定の特典として、時短用特別BGMなどのように、第1始動口20や第2始動口22への入賞およびゲート28への通過を契機には行われない特殊な演出が設けられているが、演出に係る(サブ制御基板90の制御による)所定の特典はこれに限られない。例えば、この所定の特典として、コンプリートした大当たり遊技後の所定期間において、特別態様による保留画像の表示などのような先読み演出の実行確率を通常より向上させるようにしてもよい。また、コンプリートした大当たり遊技後の所定期間においては、リーチ判定でリーチ有りと判定される確率を通常より向上させるようにしてもよい。さらには、コンプリートした大当たり遊技後の所定期間においては、疑似連やステップアップ予告などの特定の演出の実行確率を通常より向上させるようにしてもよい。なお、コンプリートした大当たり遊技後の所定期間は、時間や特別図柄の可変表示の実行回数など適宜に設定することができる。また、所定の特典の種類を複数設け、コンプリートする度にまたはチャレンジタイムが発生する度に所定の抽選により所定の特典の種類を決定してもよい。また、所定の特典の種類を複数設け、コンプリートする度にまたはチャレンジタイムが発生する度に、所定の特典の種類が予め設定された順序で入れ替わるようにしてもよい。さらには、所定の特典の種類を複数設け、客待ち状態において、メニュー画面などを表示させて演出ボタン63およびセレクトボタン65の操作により、遊技者が任意に所定の特典の種類を設定できるようにしてもよい。
また、第1実施形態などでは、チャレンジタイムは16ラウンドで1回発生しているが、チャレンジタイムが発生する回数およびタイミングはこれに限られない。また、第2実施形態において、第2大入賞口35の開放を伴うが、その開放後に遊技状態が変化しない、詳細には、その開放中も開放前の遊技状態が継続される小当たり遊技を設けておき、小当たり遊技において、第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79の何れかに貯留されることによって所定の特典が付与されるようにすることもできる。また、RTC99が計測する日時に基づいて、所定の時刻から所定期間、チャレンジタイムが発生するようにしてもよい。
また、第1実施形態では、第1特典ゲート装置78と第2特典ゲート装置79とが交互に突出および退避しているが同時に突出および退避するようにすることもできる。また、第1特典ゲート装置78と第2特典ゲート装置79とが突出している時間が一部重複するようにすることもできる。また、第1特典ゲート装置78と第2特典ゲート装置79の突出時間および退避時間はそれぞれ複数設けられており、その都度、抽選で決定するようにすることもできる。また、第1特典ゲート装置78または第2特典ゲート装置79の何れか一方のみが設けられているようにすることもできる。さらに、第1特典ゲート装置78と同様な構造物が特定領域37の下流側にも設けられており、大当たり遊技中または所定のラウンド遊技中に、遊技球が全ての特典ゲート装置を通過することをもってコンプリートとすることもできる。
また、第2実施形態では、チャレンジタイム中に第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79の何れかに遊技球が1度貯留されると、同一のチャレンジタイム中のその後に、貯留されている遊技球が、例えば、他の遊技球に衝突されることなどによって落ちたとしても、その貯留の有効性が保持される。すなわち、現実的には、第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79の全てに遊技球が貯留されていない状況でも、チャレンジタイム全体を通して第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79の全てに貯留されたことをもってコンプリートとなり、所定の特典が付与される。このように、第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79の全てに遊技球が貯留されていないくてもコンプリート可能とすることで、所定の特典の付与の機会が減少することを防ぐことができる。
しかしながら、貯留されている遊技球が、例えば、他の遊技球に衝突されることなどによって落ちた場合はその貯留を無効にし、第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79の全てに遊技球が同時に貯留されたことをもってコンプリートとするようにしてもよい。これにより、より高度な遊技球の発射技術が必要となるので、遊技興趣が向上する。また、この場合に、チャレンジタイム終了時点で、第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79の全てに遊技球が同時に貯留されていなくても、チャレンジタイム全体を通して第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79の全てに遊技球が貯留されていれば、同時に貯留されたときよりは遊技者に不利な(例えば、希少性の低い)時短用特別BGMを実行させることもできる。
また、第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79の全てに遊技球が同時に貯留されたことをもってコンプリートとする難易度の高いチャレンジタイムと、チャレンジタイム全体を通して第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79の全てに遊技球が貯留されることをもってコンプリートとする難易度の低いチャレンジタイムを、例えば、客待ち状態において、メニュー画面などを表示させて演出ボタン63およびセレクトボタン65の操作により、遊技者が任意に設定できるようにしてもよい。なお、この場合は、何度の高いチャレンジタイムの方が、コンプリートすることによって付与される所定の特典は遊技者に有利であることが望ましい。
また、第2実施形態において、遊技者に所定の特典を付与するための構造物として、第1特典スライダー装置75のみが設けられているが、第1特典スライダー装置75は、第2実施形態の場合に比べて、遊技球が到達困難な位置に設けられており、所定のラウンド遊技などにおい遊技球が第1特典スライダー装置75に貯留されることをもってコンプリートとすることもできる。
なお、以下の説明では、参考のために、本発明を構成する要素(構成要素)に、[発明を実施するための形態]における対応する構成名や表現、図面に使用した符号等をかっこ書きで付記している。但し、かっこ書きで付記された内容は一例であり、本発明の構成要素はこの付記の内容に限定されるものではない。
<A−1>本発明に係る遊技機は、
遊技領域(遊技領域3)に設けられた始動領域(始動口20、22)に遊技球が進入することにより、識別情報の可変表示を実行可能であり、当該可変表示で特定結果が導出されると、遊技領域に設けられた可変入賞領域(第2大入賞口35)が開状態に変化可能な特別遊技を行う遊技機であって、
前記可変入賞領域に進入した遊技球が到達可能な特別領域(第1特典ゲート装置78、第2特典ゲート装置79、第1特典スライダー装置75〜第5特典スライダー装置79)と、
前記特別領域に到達した遊技球を検知する検知手段(第1特典ゲートセンサ78a、第2特典ゲートセンサ79a、第1特典停留検知センサ75a〜第5特典停留検知センサ79a)と、
前記検知手段が遊技球を検知したことにより、前記特別遊技と異なる所定の特典(時短用特別BGM)を遊技者に付与する付与手段(サブ制御基板90)と、を備えることを特徴とする。
<A−2>本発明に係る遊技機は、
<A−1>に記載する遊技機であって、
前記可変入賞領域に進入した遊技球を特定領域(特定領域37)又は非特定領域(非特定領域38、39)に振り分ける振分手段(振分装置72)と、
遊技球が前記特定領域に進入することにより、前記特別遊技が終了した後に、通常の遊技状態より遊技者に有利な特定遊技状態(高確率状態)に制御可能な遊技状態制御手段と、をさらに備え、
前記特別領域は、前記振分手段によって前記非特定領域に振り分けられた遊技球が到達可能に配置されていることを特徴とする。