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JP6455664B2 - 凍結乾燥製剤製造システム - Google Patents

凍結乾燥製剤製造システム Download PDF

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JP6455664B2 JP2015036920A JP2015036920A JP6455664B2 JP 6455664 B2 JP6455664 B2 JP 6455664B2 JP 2015036920 A JP2015036920 A JP 2015036920A JP 2015036920 A JP2015036920 A JP 2015036920A JP 6455664 B2 JP6455664 B2 JP 6455664B2
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Description

本発明は、容器に充填した薬液を凍結乾燥して粉末化する凍結乾燥製剤製造システムに関し、より詳しくは、製造システムを設置した周辺環境に薬剤成分が飛散することを阻止するようにした凍結乾燥製剤製造システムに関する。
従来、容器に充填した薬液を凍結乾燥して粉末化する凍結乾燥製剤製造システムが公知である(例えば特許文献1)。
この製造システムでは、製造中の凍結乾燥製剤の汚染を防ぐために、容器の搬送路を無菌チャンバとしてのアイソレータで囲むことにより外部の雰囲気と遮断している。そして、アイソレータ内部を定期的に滅菌ガスによって滅菌し、製造運転時は内部を陽圧に制御することにより無菌を維持している。
特開2003−164509号公報
凍結乾燥製剤としては、抗ガン剤など少量で強い薬効を与える高薬理活性のものがある。このような高薬理活性の製剤を製造する際は、作業者が誤って薬剤成分を吸引して健康被害が生じることがないよう細心の注意が払われている。
これに対して、従来の製造システムでは、製造運転時はアイソレータ内部を陽圧に維持しているため、薬剤成分が外部に漏れ出す危険性があり、システムの周辺環境に飛散して周囲で作業をしている作業者に健康被害を及ぼす危険性があった。
上述した事情に鑑み、本発明は、容器に薬液を充填する充填装置と、容器内の薬液を凍結乾燥する凍結乾燥庫と、凍結乾燥処理された容器を凍結乾燥庫内で密封する密封手段と、充填装置から凍結乾燥庫に容器を搬送する容器搬送装置とを備え、容器に充填した薬液を凍結乾燥して粉末化する凍結乾燥製剤製造システムにおいて、
充填装置を収容し内部が陽圧に維持される陽圧アイソレータと、容器搬送装置を収容する圧力可変アイソレータと、圧力可変アイソレータの内部を陽圧または陰圧に維持する圧力調整手段と、陽圧アイソレータと圧力可変アイソレータを連通または遮断させる開閉手段を備え、液体を充填した容器を充填装置から凍結乾燥庫に搬送する際は、陽圧アイソレータと圧力可変アイソレータを連通させるとともに、圧力可変アイソレータの内部を陽圧に維持し、凍結乾燥処理された容器を凍結乾燥庫から容器搬送装置に搬出する際は、陽圧アイソレ一夕と圧力可変アイソレータの連通を遮断するとともに、圧力可変アイソレータの内部を陰圧に維持するようにしたものである。
上述した構成によれば、製造中の凍結乾燥製剤の汚染を防止しつつ、薬剤成分が周辺環境に飛散することを確実に阻止して、作業者に健康被害が及ぶことを防止することができる。
本発明の一実施例を示す凍結乾燥製剤製造システム1の概略平面図。 本発明の容器の状態を示す断面図であり、(a)は凍結乾燥製剤製品2としての状態を示し、(b)は栓2Bが半打栓された状態の容器2Aを示している。 凍結乾燥庫6に設けられた密封手段16を示す断面図。
以下、図示実施例について本発明を説明すると、図1において、1は本発明にかかる凍結乾燥製剤製造システムであり、図2(a)に示す凍結乾燥製剤製品2を製造する。
この製造システム1は、供給位置Aから供給されるバイアル等の空の容器2Aの内外面を洗浄する洗浄装置3と、洗浄された容器2Aを滅菌する滅菌装置4と、滅菌された容器2Aに薬液L(図2(b)参照)を充填するとともに栓2Bを打栓する充填装置5と、充填された容器2A内の薬液Lを凍結乾燥して粉末化する凍結乾燥庫6と、充填装置5と凍結乾燥庫6の前方の処理位置Bの間で容器2Aを搬送する容器搬送装置7と、容器搬送装置7から容器2Aを排出させる容器排出手段8と、容器排出手段8で排出される凍結乾燥後の容器2Aにアルミ製のリング2Cを施す巻締め手段9と、リング2Cが施された容器2Aの外表面を洗い流す外洗手段10を備えて構成されている。これらシステムを構成する装置および手段の作動は、システム制御装置11によって制御されるようになっている。
製造システム1の供給位置Aには、作業者が供給した空の容器2Aを洗浄装置3に一列に整列させて供給する供給手段12が設けられ、排出位置Cには、排出された凍結乾燥製剤製品2を作業者が回収するための回収手段13が設けられている。また、処理位置Bには、容器搬送装置7上から凍結乾燥庫6内に一列ずつ容器2Aを押し込む搬入機構14が設けられている。
洗浄装置3では、容器2Aを搬送しながら洗浄水を噴射し、空の容器2Aの内部と外表面を洗い流すようになっている。滅菌装置4では、容器2Aを多列で搬送しながら加熱エアを吹き付けて加熱滅菌するとともに、冷却エアを吹き付けて温度を下げて排出する。多列で排出される容器2Aは、整列機構15によって一列に整列されて充填装置5に送られる。
充填装置5では、充填手段5Aにより容器2Aに薬液Lが充填され、打栓手段5Bによりゴムや樹脂製の栓2Bが半打栓されるようになっている。半打栓とは、図2(b)に示すように、栓2Bを容器2Aの口部に完全に押し込まず、栓2Bに設けた切り欠き2Baを介して、容器2Aの内部と外部を連通可能とした状態である。
凍結乾燥庫6の搬出入口6aは容器2A複数本分の幅を有しており、シャッタ等の閉鎖手段6Aにより閉鎖可能となっている。凍結乾燥庫6内では、栓2Bが半打栓状態の容器2Aに収容されている薬液Lを凍結させ、減圧して昇華させ乾燥させて粉末化している。この凍結乾燥処理は1日から数日かけて行われる。凍結乾燥後、図3に示すように、凍結乾燥庫6内に設けた密封手段16により容器2Aを密封する。この密封手段16は、板状の押下部材16aと、これを上下に進退動させる駆動シリンダや電動アクチュエータ等の駆動手段16bを備え、押下部材16aを下降させて、栓2Bを容器2Aに完全に押し込んで複数の容器2Aを一斉に密封する。密封された容器2Aは凍結乾燥庫6内に設けたコンベヤ等の移送手段6Bにより、容器搬送装置7上に搬出される。
充填装置5は、外部雰囲気から隔離するために陽圧アイソレータ17に収容されている。陽圧アイソレータ17の入口側と出口側には、容器2Aが通過できる程度の開口からなる導入口17a、排出口17bが形成されており、それぞれシャッタや閉鎖部材等からなる開閉手段17A、17Bにより連通または遮断可能となっている。
陽圧アイソレータ17は給排気手段からなる圧力調整手段17Cを備えており、内部空間に清浄化したエアを給排して、製造運転中は内部空間を加圧して外部より陽圧に維持している。
陽圧アイソレータ17の導入口17aの外側の滅菌装置4との間には、陽圧チャンバ18が整列機構15を取り囲んで設けられている。陽圧チャンバ18は給気手段18Aを備えており、内部空間に清浄化したエアを給気して、製造運転中は内部空間を加圧して陽圧アイソレータ17より高い圧力に維持している。これにより、陽圧アイソレータ17の導入口17aを閧放した状態では、陽圧チャンバ18から陽圧アイソレータ17に向けて気流が生じ、蒸気やミストとなって漂う薬剤成分を含む陽圧アイソレータ17内の雰囲気が、陽圧チャンバ18や陽圧チャンバ18を通過して滅菌装置4に流出することはない。
陽圧アイソレータ17には、除染ガス供給手段19から供給管19Aを介して過酸化水素蒸気等の除染ガスが供給されるようになっている。これにより、開閉手段17A、17Bで導入口17aおよび排出口17bを閉鎖した状態で除染ガスを供給することで、陽圧アイソレータ17の内部を除染することができる。除染後、内部を陽圧に制御することで無菌状態を維持するようになっている。また、排出口17bは閉鎖し導入口17aを開放して、滅菌装置4の搬出口4aを閉鎖手段4Aで閉鎖した状態で、陽圧アイソレータ17に除染ガスを供給することで、陽圧チャンバ18の内部を含めて除染することもできる。
陽圧アイソレータ17の排出口17bから凍結乾燥庫6の前方の処理位置Bにかけて、単列コンベヤからなる容器搬送装置7が設けられている。また、その途中の容器搬送装置7の搬送経路には、同じく単列コンベヤからなる容器排出手段8が接続されている。容器搬送装置7は容器排出手段8が接続された分岐位置Dから処理位置Bまでの間において、上流側搬送手段7Aと下流側搬送手段7Bに分割されており、容器排出手段8は上流側搬送手段7Aに接続されている。
上流側搬送手段7Aと下流側搬送手段7Bは、ともに搬送方向を正逆に切り換えることが可能で、陽圧アイソレータ17の排出口17bから処理位置Bに向けた正方向と、処理位置Bから分岐位置Dおよび陽圧アイソレータ17の排出口17bに向けた逆方向とに、容器2Aを搬送することができるようになっている。
分岐位置Dには容器2Aの搬送方向を転換させるガイド部材からなる転換手段20が配置されており、容器搬送装置7の上流側搬送手段7Aを正方向または逆方向に搬送されている容器2Aを、必要に応じて容器排出手段8に案内することができるようになっている。
容器排出手段8によって容器搬送装置7(上流側搬送手段7A)から排出された容器2Aは、巻締め手段9に供給される。巻締め手段9では、容器2Aに完全に打栓された栓2Bの上にキャップ状をしたリング2Cを被せ、裾を内側に折り曲げるように巻き締めることで、栓2Bが抜け出ることがないよう固定している。また、外洗手段10では、容器2Aの外表面に洗浄水を流して、粉末状の凍結乾燥製剤P等の表面に付着している薬剤成分を洗い流すようにしている。
容器搬送装置7と容器排出手段8は、圧力可変アイソレータ21に収容されて外部雰囲気から隔離されている。圧力可変アイソレータ21は、上流側搬送手段7Aと下流側搬送手段7Bの接続位置で上流側部21Aと下流側部21Bに分割されており、その間に区画壁21Cが設けられている。上流側部21Aに上流側搬送手段7Aと容器排出手段8と巻締め手段9を収容し、下流側部21Bに下流側搬送手段7Bを収容している。
上流側部21Aの内部と陽圧アイソレータ17の内部は排出口17bを介して連通しており、開閉手段17Bにより遮断できるようになっている。区画壁21Cには容器2Aが通過できる程度の開口からなる連通口21Caが形成されているとともに、シャッタや閉鎖部材等からなる開閉手段21Dにより連通または遮断可能となっている。下流側部21Bには、下流側搬送手段7Bの搬送方向側方の面に凍結乾燥庫6が連結され、搬出入口6aを介して連通している。
上流側部21Aは、陽圧アイソレータ17と同様の給排気手段からなる圧力調整手段21Aaを備えており、内部空間に対して清浄化したエアを給排気して、製造運転中は内部空間を加圧して陽圧アイソレータ17と同程度の陽圧に維持する場合と、減圧して外部より陰圧に維持する場合とで切換可能になっている。
下流側部21Bは、陽圧アイソレータ17と同様の給排気手段からなる圧力調整手段21Baを備えており、凍結乾燥庫6の閉鎖手段6Aを開放した状態では、下流側部21Bおよび凍結乾燥庫6の内部空間に対して清浄化したエアを給排気して、製造運転中は内部空間を加圧して陽圧アイソレータ17と同程度の陽圧に維持する場合と、減圧して外部より陰圧に維持する場合とで切換可能になっている。
上流側部21Aの容器排出手段8の搬送方向前方側の端部壁21Eには、容器2Aが通過できる程度の開口からなる排出口21Eaが形成されるとともに、シャッタや閉鎖部材等からなる開閉手段21Fにより連通または遮断可能となっている。この排出口21Eaの外側に外洗手段10を収容する陰圧チャンバ22が設けられている。陰圧チャンバ22の出口側には、容器2Aが通過できる程度の開口22aが形成され外部と連通している。陰圧チャンバ22は排気手段22Aを備えており、内部空間からエアを排気して、製造運転中は内部空間を減圧して圧力可変アイソレータ21における陰圧と同程度の圧力に維持している。これにより、外部から陰圧チャンバ22内部に向けて気流が生じ、圧力可変アイソレータ21内の雰囲気が外部に流出することを阻止している。
下流側部21Bには、供給管19Bが接続され、除染ガス供給手段19から過酸化水素蒸気等の除染ガスが供給されるようになっている。これにより、陽圧アイソレータ17の開閉手段17Bおよび圧力可変アイソレータ21の開閉手段21Fを閉鎖し、開閉手段21Dおよび凍結乾燥庫6の閉鎖手段6Aを開放した状態で除染ガスを供給することで、上流側部21A、下流側部21Bおよび凍結乾燥庫6の内部を除染することができる。除染後、これらの内部を陽圧に制御することで無菌状態を維持するようになっている。
本発明に係る凍結乾燥製剤製造システム1の凍結乾燥製剤製造運転における、容器2Aに薬液を充填して凍結乾燥庫6に収容させる凍結乾燥前運転について説明する。
この運転では、充填装置5で容器2Aに所定量の薬液を充填して栓2Bを半打栓し、容器搬送装置7の上流側搬送手段7Aと下流側搬送手段7Bにより処理位置Bに容器2Aを搬送する。処理位置Bでは搬入機構14により、下流側搬送手段7B上の容器2Aを所定数ずつ凍結乾燥庫6に搬入する。凍結乾燥する所定数の容器2Aが全て凍結乾燥庫6に収容されたら、搬出入口6aを閉鎖手段6Aにより閉鎖し、凍結乾燥庫6内を密閉して凍結乾燥処理を実行する。
この運転に際して、事前に陽圧チャンバ18、陽圧アイソレータ17、圧力可変アイソレータ21の上流側部21Aおよび下流側部21B、凍結乾燥庫6の内部に、供給管19A、19Bを介して除染ガス供給手段19から除染ガスを供給して除染する。その後の製造運転中は、開閉手段17A、17B、21D、21Fおよび閉鎖手段4A、6Aの全てを開放した状態で、陽圧アイソレータ17、上流側部21A、下流側部21B、凍結乾燥庫6については外部より高い陽圧に維持し、陽圧チャンバ18についてはさらに高い陽圧に維持するとともに、陰圧チャンバ22については外部より低い陰圧に維持する。
これにより、陽圧アイソレータ17、上流側部21A、下流側部21B、凍結乾燥庫6の内部に外気が流人することはなく無菌性を維持することが可能であり、容器2Aに充填された薬液の汚染を防止することができる。また、陽圧チャンバ18を設けて陽圧アイソレータ17の内部よりも高い圧力に維持することで、充填される薬液の成分を含む雰囲気が導入口17aから滅菌装置4側に流出することは阻止されており、また、陰圧チャンバ22を設けて外部より低い陰圧に維持することで、排出口21Eaから陰圧チャンバ22に流出する薬液の成分を含む雰囲気が開口22aから外部に流出することも阻止され、薬剤成分を製造システム1内に封じ込めて、薬剤成分が周辺環境に飛散することを確実に阻止して、作業者に健康被害が及ぶことを防止している。
次に、本発明に係る凍結乾燥製剤製造システム1の凍結乾燥製剤製造運転における、凍結乾燥後の容器2Aにリング2Cを施し、凍結乾燥製剤製品2として外部に排出する凍結乾燥後運転について説明する。
この運転では凍結乾燥庫6の内部で凍結乾燥処理が終了し、容器2Aには粉末状の製剤Pが収容されている。この状態において、凍結乾燥庫6の内部で密封手段16により栓2Bを一斉に押し込んで完全に打栓し、容器2Aを密封する。その後、閉鎖手段6Aを開放して移送手段6Bを作動させて、容器2Aを一列ずつ下流側搬送手段7B上に搬出する。下流側搬送手段7Bおよび上流側搬送手段7Aは搬送方向を逆方向に運転されており、転換手段20に向けて容器2Aを搬送する。転換手段20は、逆方向に搬送されてくる容器2Aを上流側搬送手段7Aから容器排出手段8に移載するよう制御されており、容器排出手段8は、容器2Aを容器搬送装置7(上流側搬送手段7A)から排出させて、巻締め手段9に供給する。巻締め手段9では、完全に打栓されている栓2Bにリング2Cを被せて巻き締めを行う。その後、外洗手段10に容器2Aを送って外表面を洗い流し、凍結乾燥製剤製品2として回収手段13に排出する。
凍結乾燥処理により粉末化されることで、薬剤成分が浮遊して外部に流出するリスクは高まっている。一方で栓2Bが完全に打栓された後では、容器2Aは密封されているため、容器2A内の凍結乾燥製剤Pに外気が触れることはなく汚染の心配はない。そこでこの運転中は、開閉手段17Bを閉鎖するとともに、開閉手段21D、21Fは開放した状態で、上流側部21A、下流側部21B、凍結乾燥庫6を、陰圧チャンバ22と同程度の圧力に減圧して外部より低い陰圧に維持する。これにより、圧力可変アイソレータ21に外気が流入するため内部空間の無菌状態は解除されるが、粉末化された薬剤成分が浮遊している凍結乾燥庫6や圧力可変アイソレータ21内の雰囲気が外部に流出することは阻止され、薬剤成分を確実に製造システム1内に封じ込めることができる。
また、この運転中には、陽圧アイソレータ17において、供給管19Aを介して除染ガス供給手段19から除染ガスを供給して内部を除染したり清掃するなど、次回の作業の準備を行うことができる。
さらに、本発明に係る凍結乾燥製剤製造システム1において、容器2Aに薬液を充填した後、凍結乾燥処理を行わず液状製剤製品として排出する場合について説明する。
この運転では、充填装置5において、充填手段5Aで容器2Aに所定量の薬液を充填した後、打栓手段5Bでは栓2Bを完全に打栓して容器2Aを密封する。容器搬送手段7は上流側搬送手段7Aだけを作動させて、容器2Aは分岐位置Dで転換手段20により容器排出手段8に案内されて排出され巻締め手段9に送られる。巻締め手段9では、完全に打栓されている栓2Bにリング2Cを被せて巻き締めを行う。その後、容器2Aは外洗手段10に送られて、外表面が洗い流されて液状製剤製品として回収手段13に排出される。
この運転に際して、開閉手段21Dを閉鎖して圧力可変アイソレータ21の内部を上流側部21Aと下流側部21Bの間で遮断した状態で、陽圧チャンバ18、陽圧アイソレータ17、上流側部21Aの内部を、供給管19Aを介して除染ガス供給手段19から供給される除染ガスにより除染する。その後の運転中は、閉鎖手段4Aおよび開閉手段17A、17B、21Fを開放するとともに、開閉手段21Dは閉鎖した状態で、陽圧アイソレータ17、上流側部21Aを外部より高い陽圧に維持し、陽圧チャンバ18についてはさらに高い陽圧に維持するとともに、陰圧チャンバ22については外部より低い陰圧に維持する。これにより、陽圧アイソレータ17、上流側部21Aの内部に外部雰囲気が流入することはなく無菌性を維持することが可能である。また、容器2Aに充填される薬液の成分を含む雰囲気が、導入口17aから滅菌装置4側に流出することは阻止されるとともに、排出口21Eaから陰圧アイソレータ22に流出する雰囲気が外部に流出することも阻止され、薬剤成分を確実に製造システム1内に封じ込めることができる。
この運転中には、下流側部21Bおよび凍結乾燥庫6において、供給管19Bを介して除染ガス供給手段19から除染ガスを供給して内部を除染したり清掃するなど、次回の作業の準備を行うことができる。
なお、本発明に係る凍結乾燥製剤製造システム1においては、予め薬剤が収容されたプレフィルドシリンジを製造することも可能である。その場合は、容器としてトップキャップで先端を塞いだバレル(シリンジの本体部分)を供給し、このバレルに充填装置5において、充填手段5Aで薬液を充填し、打栓手段5Bでガスケットを半打栓する。これを容器搬送装置7で処理位置Bまで搬送して凍結乾燥庫6に収納し、凍結乾燥処理を行うとともに、密封手段16でトップキャップを完全に押し込んで密封する。トップキャップが押し込まれたバレルは、凍結乾燥庫6から搬出されて搬送方向を逆方向とした容器搬送装置7によって分岐位置Dまで搬送され、容器排出手段8によって外洗手段10に送られて外表面を洗い流されて外部へ排出される。シリンジの場合は、リングを施す必要はないため巻締め手段9は通過させる。また、充填した薬液のまま凍結乾燥処理を行わず液状製剤製品として排出することも可能である。このような場合においても、陽圧チャンバ18、陽圧アイソレータ17、圧力可変アイソレータ21、凍結乾燥庫6、陰圧チャンバ22の圧力の状態を、前述のバイアル等の容器を対象とした製造運転時と同様に制御することにより、本発明と同様の効果を得ることができる。
1‥凍結乾燥製剤製造システム 2‥凍結乾燥製剤製品
2A‥容器 5‥充填装置
6‥凍結乾燥庫 7‥容器搬送装置
16‥密封手段 17‥陽圧アイソレータ
21‥圧力可変アイソレータ
21Aa、21Ba‥圧力調整手段 17B‥開閉手段

Claims (5)

  1. 容器に薬液を充填する充填装置と、容器内の薬液を凍結乾燥する凍結乾燥庫と、凍結乾燥処理された容器を凍結乾燥庫内で密封する密封手段と、充填装置から凍結乾燥庫に容器を搬送する容器搬送装置とを備え、容器に充填した薬液を凍結乾燥して粉末化する凍結乾燥製剤製造システムにおいて、
    充填装置を収容し内部が陽圧に維持される陽圧アイソレータと、容器搬送装置を収容する圧力可変アイソレータと、圧力可変アイソレータの内部を陽圧または陰圧に維持する圧力調整手段と、陽圧アイソレータと圧力可変アイソレータを連通または遮断させる開閉手段を備え、
    液体を充填した容器を充填装置から凍結乾燥庫に搬送する際は、陽圧アイソレータと圧力可変アイソレータを連通させるとともに、圧力可変アイソレータの内部を陽圧に維持し、
    凍結乾燥処理された容器を凍結乾燥庫から容器搬送装置に搬出する際は、陽圧アイソレ一夕と圧力可変アイソレータの連通を遮断するとともに、圧力可変アイソレータの内部を陰圧に維持することを特徴とする凍結乾燥製剤製造システム。
  2. 上記圧力可変アイソレータは、凍結乾燥処理された容器を排出する排出口を備え、この排出口の外側に内部が陰圧に維持される陰圧チャンバを設けたことを特徴とする請求項1に記載の凍結乾燥製剤製造システム。
  3. 上記容器搬送装置は、容器の搬送方向を正逆に切換可能であり、充填装置と凍結乾燥庫の間の搬送経路中に容器排出手段を備え、
    液体を充填した容器を充填装置から凍結乾燥庫に搬送する際は、搬送方向を正方向とし、
    凍結乾燥処理された容器を凍結乾燥庫から容器排出手段に搬送する際は、搬送方向を逆方向とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の凍結乾燥製剤製造システム。
  4. 上記陽圧アイソレータは、空の容器を導入する導入口を備え、この導入口の外側に内部が陽圧アイソレータよりも高い圧力に維持される陽圧チャンバを設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の凍結乾燥製剤製造システム。
  5. 上記充填装置は、薬液が充填された容器に半打栓を行う打栓手段を備え、上記容器搬送装置は、液体が充填された半打栓状態の容器を凍結乾燥庫に搬送することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の凍結乾燥製剤製造システム。
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