図14に示すスイッチング電源装置100は、上側MOS[metal oxide semiconductor]トランジスタQ1を流れる電流を検出して電流モード制御を実行する。電流モード制御に従って上側MOSトランジスタQ1と下側MOSトランジスタQ2は相補的にオン/オフし、このスイッチング動作によって入力電圧VINがパルス状のスイッチ電圧VSWに変換される。そして、そのスイッチ電圧VSWがインダクタL1及び出力コンデンサC1によって平滑化されて入力電圧VINよりも低い出力電圧VOUTに変換される。
上側MOSトランジスタQ1を流れる電流を検出して電流モード制御を実行する場合、電流帰還部分が入力電圧とスイッチ電圧との差(VIN−VSW)に相当するため、電流検出回路が入力電圧VIN基準として検出電流の情報を生成することになり、内部電源電圧を基準としてスロープ電圧VSLPを生成するスロープ回路に伝達すると、上側MOSトランジスタQ1がオンになってからスロープ電圧VSLPに電流情報が伝達されるまでに図15に示すように遅延時間Dが生じる。
また電流帰還部分が入力電圧とスイッチ電圧との差(VIN−VSW)に相当するため、スイッチ電圧VSWの立ち上がりなどにノイズがのると、そのノイズがそのまま伝達されてスロープ電圧VSLPに反映されてしまう。
そして、スイッチ電圧VSWのパルス幅が細くなると、上記の遅延時間およびノイズが支配的になり、電流帰還ができなくなるという問題が生じる。
なお、特許文献1で開示されている電流モード制御型スイッチング電源装置も、図14に示すスイッチング電源装置100と同様に、上側スイッチング素子を流れる電流を検出して電流モード制御を実行しているので、同様の問題を有している。
本発明は、上記の状況に鑑み、入力電圧に対する出力電圧の比が小さい場合でも電流帰還が可能であって、当該電流帰還が入力電圧及び出力電流に依存しない電流モード制御型スイッチング電源装置を提供することを目的とする。
<第1の技術的特徴>
本明細書中に開示されている電流モード制御型スイッチング電源装置のうち、第1の技術的特徴を備えた電流モード制御型スイッチング電源装置は、第1端が入力電圧の印加端に接続された第1スイッチと、第1端が前記第1スイッチの第2端に接続されて第2端が前記入力電圧よりも低い電圧の印加端に接続された第2スイッチと、前記第2スイッチを流れる電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部によって検出された電流に応じて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1スイッチがオフ状態である間の所定期間に前記電流検出部によって検出された電流の情報を蓄積して、蓄積された電流の情報に基づいたスロープ電圧を生成するスロープ電圧生成部を有し、前記スロープ電圧に応じて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御する構成(第1−1の構成)である。
また上記第1−1の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記電流検出部は、前記第2スイッチを流れる電流に応じた電圧を電流に変換する電圧電流変換回路であって、前記スロープ電圧生成部は、前記電圧電流変換回路の出力電流を充電するコンデンサを有する構成(第1−2の構成)にするとよい。
また上記第1−2の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記スロープ電圧生成部は、前記電圧電流変換回路の出力端から前記コンデンサに至る電流経路を導通/遮断する充電用スイッチをさらに有する構成(第1−3の構成)にするとよい。
また上記第1−2または第1−3の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記スロープ電圧生成部は、前記コンデンサを放電させて前記コンデンサの充電電圧をリセットするリセット部を有する構成(第1−4の構成)にするとよい。
また上記第1−1〜第1−4いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記制御部は、前記電流モード制御型スイッチング電源装置の出力電圧に応じた電圧と基準電圧との差分に応じた誤差信号を生成するエラーアンプと、前記スロープ電圧と前記誤差信号を比較して比較信号であるリセット信号を生成するコンパレータと、所定周波数のクロック信号であるセット信号を生成するオシレータと、前記セット信号と前記リセット信号に応じて前記第1スイッチのオン/オフ及び前記第2スイッチのオン/オフを制御するタイミング制御回路と、を有する構成(第1−5の構成)にするとよい。
また上記第1−1〜第1−5いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記第2スイッチがMOSトランジスタであって、前記電流検出部が前記MOSトランジスタのオン抵抗の両端電圧を用いて前記第2スイッチを流れる電流を検出する構成(第1−6の構成)にするとよい。
また、本明細書中に開示されている車載機器のうち、第1の技術的特徴を備えた車載機器は、第1−1〜第1−6いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置を備える構成(第1−7の構成)である。
また、本明細書中に開示されている車両のうち、第1の技術的特徴を備えた車両は、第1−7の構成の車載機器と、前記車載機器に電力を供給するバッテリを備える構成(第1−8の構成)である。
<第2の技術的特徴>
本明細書中に開示されている電流モード制御型スイッチング電源装置のうち、第2の技術的特徴を備えた電流モード制御型スイッチング電源装置は、第1端が入力電圧の印加端に接続された第1スイッチと、第1端が前記第1スイッチの第2端に接続されて第2端が前記入力電圧よりも低い電圧の印加端に接続された第2スイッチと、前記第2スイッチを流れる電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部によって検出された電流に応じて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1スイッチがオフ状態である間の所定期間に前記電流検出部によって検出された電流の情報を蓄積する蓄積部と、第1スイッチがオフからオンに切り替わる前に前記蓄積部によって蓄積された電流の情報の伝達を開始して前記蓄積部によって蓄積された電流の情報をスロープ電圧に反映させる反映部と、を有し、前記スロープ電圧に応じて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御する構成(第2−1の構成)である。
また上記第2−1の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記蓄積部と前記反映部は互いに同一の電源電圧によって駆動する回路である構成(第2−1の構成)にするとよい。
また上記第2−1または第2−2の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記電流検出部は、前記第2スイッチを流れる電流に応じた電圧を電流に変換する電圧電流変換回路であって、前記蓄積部は、前記電圧電流変換回路の出力電流を充電するコンデンサを有し、前記反映部は、前記コンデンサの充電電圧を前記スロープ電圧に反映させる構成(第2−3の構成)にするとよい。
また上記第2−3の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記蓄積部は、前記電圧電流変換回路の出力端から前記コンデンサに至る電流経路を導通/遮断する充電用スイッチをさらに有する構成(第2−4の構成)にするとよい。
また上記第2−4の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記蓄積部は、前記第1スイッチがオンからオフに切り替わった直後に設けられるデッドタイムの終了時に前記充電用スイッチをオフからオンに切り替え、前記第2スイッチがオンからオフに切り替わった直後に設けられるデッドタイムの開始時に前記充電用スイッチをオンからオフに切り替える構成(第2−5の構成)にするとよい。
また上記第2−3〜第2−5いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記蓄積部は、前記コンデンサを放電させて前記コンデンサの充電電圧をリセットするリセット部を有する構成(第2−6の構成)にするとよい。
また上記第2−1〜第2−6いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記制御部は、前記電流モード制御型スイッチング電源装置の出力電圧に応じた電圧と基準電圧との差分に応じた誤差信号を生成するエラーアンプと、前記スロープ電圧と前記誤差信号を比較して比較信号であるリセット信号を生成するコンパレータと、所定周波数のクロック信号であるセット信号を生成するオシレータと、前記セット信号と前記リセット信号に応じて前記第1スイッチのオン/オフ及び前記第2スイッチのオン/オフを制御するタイミング制御回路と、を有する構成(第2−7の構成)にするとよい。
また上記第2−1〜第2−7いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記第2スイッチがMOSトランジスタであって、前記電流検出部が前記MOSトランジスタのオン抵抗の両端電圧を用いて前記第2スイッチを流れる電流を検出する構成(第2−8の構成)にするとよい。
また、本明細書中に開示されている車載機器のうち、第2の技術的特徴を備えた車載機器は、第2−1〜第2−8いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置を備える構成(第2−9の構成)である。
また、本明細書中に開示されている車両のうち、第2の技術的特徴を備えた車両は、第2−9の構成の車載機器と、前記車載機器に電力を供給するバッテリを備える構成(第2−10の構成)である。
<第3の技術的特徴>
本明細書中に開示されている電流モード制御型スイッチング電源装置のうち、第3の技術的特徴を備えた電流モード制御型スイッチング電源装置は、第1端が入力電圧の印加端に接続された第1スイッチと、第1端が前記第1スイッチの第2端に接続されて第2端が前記入力電圧よりも低い電圧の印加端に接続された第2スイッチと、前記第2スイッチを流れる電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部によって検出された電流に応じて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1スイッチがオフ状態である間の一定時間に前記電流検出部によって検出された電流の情報を蓄積する蓄積部と、前記蓄積部によって蓄積された電流の情報をスロープ電圧に反映させる反映部と、を有し、前記スロープ電圧に応じて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御する構成(第3−1の構成)である。
また上記第3−1の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記制御部は、前記電流モード制御型スイッチング電源装置の出力電圧に応じた電圧と基準電圧との差分に応じた誤差信号を生成するエラーアンプと、前記スロープ電圧と前記誤差信号を比較して比較信号であるリセット信号を生成するコンパレータと、所定周波数のクロック信号であるセット信号を生成するオシレータと、前記セット信号と前記リセット信号に応じて前記第1スイッチのオン/オフ及び前記第2スイッチのオン/オフを制御するタイミング制御回路と、を有し、前記一定時間は前記セット信号のハイレベル期間内に設けられる構成(第3−2の構成)にするとよい。
また上記第3−2の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記タイミング制御回路は、前記セット信号のハイレベルからローレベルへの切り替わり時に、前記第1スイッチをオンにし、前記リセット信号のローレベルからハイレベルへの切り替わり時に、前記第1スイッチをオフにし、且つ、前記セット信号のローレベルからハイレベルへの切り替わり時に、前記リセット信号のレベル遷移状態にかかわらず、強制的に前記第1スイッチをオフにし、前記第2スイッチをオンにする構成(第3−3の構成)にするとよい。
また上記第3−1〜第3−3いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記蓄積部と前記反映部は互いに同一の電源電圧によって駆動する回路である構成(第3−4の構成)にするとよい。
また上記第3−1〜第3−4いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記電流検出部は、前記第2スイッチを流れる電流に応じた電圧を電流に変換する電圧電流変換回路であって、前記蓄積部は、前記電圧電流変換回路の出力電流を充電するコンデンサを有し、前記反映部は、前記コンデンサの充電電圧を前記スロープ電圧に反映させる構成(第3−5の構成)にするとよい。
また上記第3−5の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記蓄積部は、前記電圧電流変換回路の出力端から前記コンデンサに至る電流経路を導通/遮断する充電用スイッチをさらに有する構成(第3−6の構成)にするとよい。
また上記第3−5または第3−6の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記蓄積部は、前記コンデンサを放電させて前記コンデンサの充電電圧をリセットするリセット部を有する構成(第3−7の構成)にするとよい。
また上記第3−1〜第3−7いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記反映部は、第1スイッチがオフからオンに切り替わる前に前記蓄積部によって蓄積された電流の情報の伝達を開始して前記蓄積部によって蓄積された電流の情報を前記スロープ電圧に反映させる構成(第3−8の構成)にするとよい。
また上記第3−1〜第3−8いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記第2スイッチがMOSトランジスタであって、前記電流検出部が前記MOSトランジスタのオン抵抗の両端電圧を用いて前記第2スイッチを流れる電流を検出する構成(第3−9の構成)にするとよい。
また、本明細書中に開示されている車載機器のうち、第3の技術的特徴を備えた車載機器は、第3−1〜第3−9いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置を備える構成(第3−10の構成)である。
また、本明細書中に開示されている車両のうち、第3の技術的特徴を備えた車両は、第3−10の構成の車載機器と、前記車載機器に電力を供給するバッテリを備える構成(第3−11の構成)である。
<第4の技術的特徴>
本明細書中に開示されている電流モード制御型スイッチング電源装置のうち、第4の技術的特徴を備えた電流モード制御型スイッチング電源装置は、第1端が入力電圧の印加端に接続された第1スイッチと、第1端が前記第1スイッチの第2端に接続されて第2端が前記入力電圧よりも低い電圧の印加端に接続された第2スイッチと、前記第2スイッチを流れる電流を検出する電流検出部と、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記入力電圧に対する出力電圧の比が所定値以下である場合に、前記電流検出部によって検出された電流に応じて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御し、前記入力電圧に対する前記出力電圧の比が前記所定値以下でない場合に、前記電流検出部によって検出された電流に依存せずに前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御する構成(第4−1の構成)である。
また上記第4−1の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記第1スイッチを流れる電流を検出する第1スイッチ用電流検出部をさらに備え、前記制御部は、前記入力電圧に対する出力電圧の比が所定値以下でない場合に、前記第1スイッチ用電流検出部によって検出された電流に応じて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御する構成(第4−2の構成)にするとよい。
また上記第4−1または第4−2の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記制御部は、前記入力電圧に対する前記出力電圧の比が所定値以下である場合に、前記第1スイッチがオフ状態である間の所定期間に前記電流検出部によって検出された電流の情報を蓄積して、蓄積された電流の情報に基づいたスロープ電圧を生成するスロープ電圧生成部を有し、前記入力電圧に対する前記出力電圧の比が所定値以下である場合に、前記スロープ電圧に応じて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御する構成(第4−3の構成)にするとよい。
また上記第4−3の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記電流検出部は、前記第2スイッチを流れる電流に応じた電圧を電流に変換する電圧電流変換回路であって、前記スロープ電圧生成部は、前記電圧電流変換回路の出力電流を充電するコンデンサを有する構成(第4−4の構成)にするとよい。
また上記第4−4の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記スロープ電圧生成部は、前記電圧電流変換回路の出力端から前記コンデンサに至る電流経路を導通/遮断する充電用スイッチをさらに有する構成(第4−5の構成)にするとよい。
また上記第4−4または第4−5の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記スロープ電圧生成部は、前記コンデンサを放電させて前記コンデンサの充電電圧をリセットするリセット部を有する構成(第4−6の構成)にするとよい。
また上記第4−3〜第4−6いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記制御部は、前記出力電圧に応じた電圧と基準電圧との差分に応じた誤差信号を生成するエラーアンプと、前記スロープ電圧と前記誤差信号を比較して比較信号であるリセット信号を生成するコンパレータと、所定周波数のクロック信号であるセット信号を生成するオシレータと、前記セット信号と前記リセット信号に応じて前記第1スイッチのオン/オフ及び前記第2スイッチのオン/オフを制御するタイミング制御回路と、を有する構成(第4−7の構成)にするとよい。
また上記第4−1〜第4−7いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記第2スイッチがMOSトランジスタであって、前記電流検出部が前記MOSトランジスタのオン抵抗の両端電圧を用いて前記第2スイッチを流れる電流を検出する構成(第4−8の構成)にするとよい。
また、本明細書中に開示されている車載機器のうち、第4の技術的特徴を備えた車載機器は、第4−1〜第4−8いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置を備える構成(第4−9の構成)である。
また、本明細書中に開示されている車両のうち、第4の技術的特徴を備えた車両は、第4−9の構成の車載機器と、前記車載機器に電力を供給するバッテリを備える構成(第4−10の構成)である。
<第5の技術的特徴>
本明細書中に開示されている電流モード制御型スイッチング電源装置のうち、第5の技術的特徴を備えた電流モード制御型スイッチング電源装置は、第1端が入力電圧の印加端に接続された第1スイッチと、第1端が前記第1スイッチの第2端に接続されて第2端が前記入力電圧よりも低い電圧の印加端に接続された第2スイッチと、前記第2スイッチを流れる電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部によって検出された電流に応じて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1スイッチがオフ状態である間の所定期間に前記電流検出部によって検出された電流の情報を蓄積する蓄積部と、前記蓄積部によって蓄積された電流の情報をスロープ電圧のオフセット電圧に反映させる反映部と、前記スロープ電圧のスロープの傾きを一定値にするための傾き設定部と、を有し、前記スロープ電圧に応じて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御する構成(第5−1の構成)である。
また上記第5−1の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記所定期間が一定時間である構成(第5−2の構成)にするとよい。
また上記第5−1または第5−2の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記反映部は、第1スイッチがオフからオンに切り替わる前に前記蓄積部によって蓄積された電流の情報の伝達を開始して前記蓄積部によって蓄積された電流の情報を前記スロープ電圧のオフセット電圧に反映させる構成(第5−3の構成)にするとよい。
また上記第5−1〜第5−3いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記電流検出部は、前記第2スイッチを流れる電流に応じた電圧を電流に変換する電圧電流変換回路であって、前記蓄積部及び前記反映部は、前記電圧電流変換回路の出力電流を充電するコンデンサを共有する構成(第5−4の構成)にするとよい。
また上記第5−4の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記傾き設定部が、定電流源と、前記定電流源から前記コンデンサに至る電流経路を導通/遮断するスロープ用スイッチと、を有する構成(第5−5の構成)にするとよい。
また上記第5−4または第5−5の構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記蓄積部は、前記電圧電流変換回路の出力端から前記コンデンサに至る電流経路を導通/遮断する充電用スイッチをさらに有する構成(第5−6の構成)にするとよい。
また上記第5−4〜第5−6いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記蓄積部は、前記コンデンサを放電させて前記コンデンサの充電電圧をリセットするリセット部を有する構成(第5−7の構成)にするとよい。
また上記第5−1〜第5−7いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記制御部は、前記出力電圧に応じた電圧と基準電圧との差分に応じた誤差信号を生成するエラーアンプと、前記スロープ電圧と前記誤差信号を比較して比較信号であるリセット信号を生成するコンパレータと、所定周波数のクロック信号であるセット信号を生成するオシレータと、前記セット信号と前記リセット信号に応じて前記第1スイッチのオン/オフ及び前記第2スイッチのオン/オフを制御するタイミング制御回路と、を有する構成(第5−8の構成)にするとよい。
また上記第5−1〜第5−8いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置において、前記第2スイッチがMOSトランジスタであって、前記電流検出部が前記MOSトランジスタのオン抵抗の両端電圧を用いて前記第2スイッチを流れる電流を検出する構成(第5−9の構成)にするとよい。
また、本明細書中に開示されている車載機器のうち、第5の技術的特徴を備えた車載機器は、第5−1〜第5−9いずれかの構成の電流モード制御型スイッチング電源装置を備える構成(第5−10の構成)である。
また、本明細書中に開示されている車両のうち、第5の技術的特徴を備えた車両は、第5−10の構成の車載機器と、前記車載機器に電力を供給するバッテリを備える構成(第5−11の構成)である。
本明細書中に開示されている電流モード制御型スイッチング電源装置によれば、入力電圧に対する出力電圧の比が小さい場合でも電流帰還が可能となる。さらに、本明細書中に開示されている電流モード制御型スイッチング電源装置のうち、第5の技術的特徴を備えた電流モード制御型スイッチング電源装置は、当該電流帰還が入力電圧及び出力電流に依存しない。
<全体構成(第1実施形態)>
図1は、電流モード制御型スイッチング電源装置の第1実施形態の全体構成例を示す図である。本構成例のスイッチング電源装置101は、入力電圧を降圧する降圧動作を行う電流モード制御型スイッチング電源装置であって、タイミング制御回路1と、上側MOSトランジスタQ1と、下側MOSトランジスタQ2と、インダクタL1と、出力コンデンサC1と、分圧抵抗R1及びR2と、エラーアンプ2と、基準電圧源3と、電流検出回路4と、スロープ回路5と、コンパレータ6と、オシレータ7と、を備える。
タイミング制御回路1は、上側MOSトランジスタQ1のオン/オフ及び下側MOSトランジスタQ2のオン/オフを制御し、セット信号SETとリセット信号RESETに応じて上側MOSトランジスタQ1のゲート信号G1及び下側MOSトランジスタQ2のゲート信号G2を生成する。
上側MOSトランジスタQ1は、Nチャネル型MOSトランジスタであって、入力電圧VINが印加されている入力電圧印加端からインダクタL1に至る電流経路を導通/遮断する上側スイッチの一例である。上側MOSトランジスタQ1のドレインは、入力電圧VINが印加されている入力電圧印加端に接続されている。上側MOSトランジスタQ1のソースは、インダクタの一端及び下側MOSトランジスタQ2のドレインに接続されている。上側MOSトランジスタQ1のゲートには、タイミング制御回路1からゲート信号G1が供給される。上側MOSトランジスタQ1は、ゲート信号G1がハイレベルであるときにオンとなり、ゲート信号G1がローレベルであるときにオフとなる。
下側MOSトランジスタQ2は、Nチャネル型MOSトランジスタであって、接地端からインダクタL1に至る電流経路を導通/遮断する下側スイッチの一例である。下側MOSトランジスタQ2のドレインは、上述の通りインダクタの一端及び上側MOSトランジスタQ1のソースに接続されている。下側MOSトランジスタQ2のソースは、接地端に接続されている。下側MOSトランジスタQ2のゲートには、タイミング制御回路1からゲート信号G2が供給される。下側MOSトランジスタQ2は、ゲート信号G2がハイレベルであるときにオンとなり、ゲート信号G2がローレベルであるときにオフとなる。なお、下側MOSトランジスタQ2の代わりにダイオードを下側スイッチとして用いることができるが、この場合は当該ダイオードに直列接続されるセンス抵抗を設け、電流検出回路4が当該センス抵抗の両端電圧を検出する必要がある。
上側MOSトランジスタQ1と下側MOSトランジスタQ2は、タイミング制御回路1の制御により、相補的にオン/オフする。これにより、上側MOSトランジスタQ1と下側MOSトランジスタQ2の接続ノードにパルス状のスイッチ電圧VSWが生成される。なお、上側MOSトランジスタQ1と下側MOSトランジスタQ2のオン/オフ切り替わり時には、上側MOSトランジスタQ1と下側MOSトランジスタQ2の双方がオフになるデッドタイムを設けることが好ましい。
インダクタL1及び出力コンデンサC1は、パルス状のスイッチ電圧VSWを平滑化して出力電圧VOUTを生成し、その出力電圧VOUTを出力電圧VOUTの印加端に供給する。
分圧抵抗R1及びR2は、出力電圧VOUTを分圧して帰還電圧VFBを生成する。
エラーアンプ2は、帰還電圧VFBと、基準電圧源3から出力される基準電圧との差分に応じた誤差信号VERRを生成する。
電流検出回路4は、下側MOSトランジスタQ2のオン状態におけるドレイン−ソース間電圧すなわち下側MOSトランジスタQ2のオン抵抗の両端電圧に基づいて、下側MOSトランジスタQ2を流れる電流を検出する。
スロープ回路5は、電流検出回路4によって検出された下側MOSトランジスタQ2を流れる電流に応じたスロープ電圧を生成して出力する。
コンパレータ6は、スロープ回路5の出力電圧と誤差信号VERRを比較して比較信号であるリセット信号RESETを生成する。スロープ回路5によって生成されるスロープ電圧VSLPが固定周期であるため、リセット信号RESETはPWM[pulse width modulation]信号となる。
オシレータ7は、所定周波数のクロック信号であるセット信号SETを生成する。
<スロープ電圧の第1生成例>
図2は、電流検出回路4及びスロープ回路5の一構成例を示す図である。図2に示す例において電流検出回路4は、電圧電流変換回路4Aによって構成される。また図2に示す例においてスロープ回路5は、スイッチS1〜S3と、コンデンサC2及びC3と、電圧電流変換回路5Aによって構成される。
電圧電流変換回路4A及び5Aそれぞれは、タイミング制御回路1と、エラーアンプ2と、基準電圧源3と、電流検出回路4と、スロープ回路5と、コンパレータ6と、オシレータ7と、を備えるIC[integrated circuit]内部で生成される内部電源電圧VCCによって駆動する回路である。
電圧電流変換回路4Aは下側MOSトランジスタQ2のドレイン−ソース間電圧を電流に変換して出力する。スイッチS1がオンのとき電圧電流変換回路4Aの出力電流によってコンデンサC2が充電される。一方、スイッチS2がオンのときコンデンサC2は放電する。
電圧電流変換回路5AはコンデンサC2の充電電圧VCRGを電流に変換して出力する。電圧電流変換回路5Aの出力電流によってコンデンサC3が充電される。一方、スイッチS3がオンのときコンデンサC3は放電する。コンデンサC3の充電電圧がスロープ電圧VSLPとなる。
図3A及び図3Bは、電圧電流変換回路4A及び5Aそれぞれの一構成例を示す図である。図3Aに示す電圧電流変換回路では、電流源8が、Nチャネル型MOSトランジスタQ3及びQ4からなるカレントミラー回路に電流を供給する。Nチャネル型MOSトランジスタQ3及びQ4からなるカレントミラー回路のミラー比が1:1であれば、抵抗R4を流れる電流はスイッチ電圧Vswを抵抗R3の抵抗値r3と抵抗R4の抵抗値r4の差(r3−r4)で除した値となる。そして、Pチャネル型MOSトランジスタQ5及びQ6からなるカレントミラー回路によって、抵抗R4を流れる電流に応じた電流(電圧電流変換回路4Aの入力電圧であるスイッチ電圧Vswに応じた電流)が電圧電流変換回路4Aの出力電流として掃き出される。図3Bに示す電圧電流変換回路では、抵抗R5とPNPトランジスタQ7の直列回路により電圧電流変換回路の入力電圧に応じた電流が抵抗R5を流れ、抵抗R5とPNPトランジスタQ7の接続ノードに電圧電流変換回路の入力電圧に応じた電圧が生成される。さらに、NPNトランジスタQ8と抵抗R6の直列回路により抵抗R5とPNPトランジスタQ7の接続ノード電圧(電圧電流変換回路の入力電圧に応じた電圧)に応じた電流が抵抗R6を流れる。そして、Pチャネル型MOSトランジスタQ9及びQ10からなるカレントミラー回路によって、抵抗R6を流れる電流に応じた電流(電圧電流変換回路5Aの入力電圧Vに応じた電流)が電圧電流変換回路の出力電流として掃き出される。
図4Aは、スイッチング電源装置101の一動作例を示すタイミングチャートである。
図4Aに示す例では、タイミング制御回路1は、セット信号SETのローレベルからハイレベルへの切り替わり時にゲート信号G1をローレベルからハイレベルに切り替え、リセット信号RESETのローレベルからハイレベルへの切り替わり時にゲート信号G1をハイレベルからローレベルに切り替える。スロープ回路5は、タイミング制御回路1からの指示に従って、スイッチS1〜S3のオン/オフを切り替える。
リセット信号RESETのローレベルからハイレベルへの切り替わり時に(t11のタイミングで)、スロープ回路5は、スイッチS1のオフ状態を維持し、スイッチS2をオフ状態からオン状態に切り替え、スイッチS3をオフ状態からオン状態に切り替える。これにより、コンデンサC2及びC3は放電され、コンデンサC2の充電電圧VCRG、スロープ電圧VSLPはそれぞれ0になる。
それからスロープ回路5がスイッチS2をオン状態からオフ状態に切り替えてコンデンサC2の放電を終了した後、t12のタイミングでスロープ回路5はスイッチS1をオフ状態からオン状態に切り替える。t12のタイミングは例えば上側MOSトランジスタQ1がオンからオフに切り替わった直後に設けられるデッドタイムの終了時とすることができる。
次に、t13のタイミングでスロープ回路5はスイッチS1をオン状態からオフ状態に切り替える。t13のタイミングは例えば下側MOSトランジスタQ2がオンからオフに切り替わった直後に設けられるデッドタイムの開始時とすることができる。
t12のタイミングからt13のタイミングまでの期間、電圧電流変換回路4AからコンデンサC2に至る電流経路をスイッチS1が導通するので、下側MOSトランジスタQ2を流れる電流の情報が充電電圧VCRGの形で蓄積される。
その後、セット信号SETのローレベルからハイレベルへの切り替わり時に(t14のタイミングで)、スロープ回路5はスイッチS3をオン状態からオフ状態に切り替える。t14のタイミングから次のt11のタイミングまでの期間(上側MOSトランジスタQ1がオンになっている期間)において、電圧電流変換回路5Aの出力電流によってコンデンサC3が充電されるので、t12のタイミングからt13のタイミングまでの期間に下側MOSトランジスタQ2を流れていた電流の情報が伝達されてスロープ電圧VSLPに反映される。
スイッチング電源装置101によれば、電流帰還部分がスイッチ電圧VSWと接地電圧との差(VSW−GND)に相当する。したがって、スロープ電圧の本生成例のように、電流検出回路4及びスロープ回路5の双方を内部電源電圧VCC基準で動作させることができるので、電流検出回路4からスロープ回路5に電流情報を伝達する際に生じ得る遅延時間を短くすることができる。
またスロープ電圧の本生成例では、t12のタイミングからt13のタイミングまでの期間に下側MOSトランジスタQ2を流れる電流の情報が充電電圧VCRGの形で蓄積されるので、スイッチ電圧VSWの立ち上がりなどにノイズがのっても、そのノイズがt12のタイミングからt13のタイミングまでの期間で平均化されることになる。すなわち、スロープ電圧VSLPに伝達されて反映される単位時間当たりのノイズ量を小さくすることができる。
したがって、スロープ電圧の本生成例によれば、入力電圧VINに対する出力電圧VOUTの比が小さい場合(スイッチ電圧VSWのパルス幅が細い場合)でも電流帰還が可能となる。
なお、電流モード制御の制御系を安定させる観点から、スロープ回路5に重畳部を設け、当該重畳部が、一定の傾きでt14のタイミングからt11のタイミングまでの期間上昇する鋸波形状または三角波形状の疑似スロープ電圧VSをスロープ電圧VSLPに重畳した電圧(新たなスロープ電圧VSLP’)を生成し、その新たなスロープ電圧VSLP’をスロープ回路5の出力電圧として出力することが望ましい。この場合、図4Bに示すように、スロープ電圧VSLP’が誤差信号VERRを超えると、リセット信号RESETがローレベルからハイレベルに切り替わることになる。
<スロープ電圧の第2生成例>
電流検出回路4及びスロープ回路5の構成は、上述したスロープ電圧の第1生成例と同様である。
図5Aは、スイッチング電源装置101の他の動作例を示すタイミングチャートである。
図5Aに示す例では、タイミング制御回路1は、セット信号SETのハイレベルからローレベルへの切り替わり時にゲート信号G1をローレベルからハイレベルに切り替え、リセット信号RESETのローレベルからハイレベルへの切り替わり時にゲート信号G1をハイレベルからローレベルに切り替える。スロープ回路5は、タイミング制御回路1からの指示に従って、スイッチS1〜S3のオン/オフを切り替える。
リセット信号RESETのローレベルからハイレベルへの切り替わり時に(t21のタイミングで)、スロープ回路5は、スイッチS1のオフ状態を維持し、スイッチS2をオフ状態からオン状態に切り替え、スイッチS3をオフ状態からオン状態に切り替える。これにより、コンデンサC2及びC3は放電され、コンデンサC2の充電電圧VCRG、スロープ電圧VSLPはそれぞれ0になる。
それからスロープ回路5がスイッチS2をオン状態からオフ状態に切り替えてコンデンサC2の放電を終了した後、t22のタイミングでスロープ回路5はスイッチS1をオフ状態からオン状態に切り替える。t22のタイミングは例えば上側MOSトランジスタQ1がオンからオフに切り替わった直後に設けられるデッドタイムの終了時とすることができる。
次に、t23のタイミングでスロープ回路5はスイッチS1をオン状態からオフ状態に切り替える。t23のタイミングは例えば下側MOSトランジスタQ2がオンからオフに切り替わった直後に設けられるデッドタイムの開始時とすることができる。
t22のタイミングからt23のタイミングまでの期間、電圧電流変換回路4AからコンデンサC2に至る電流経路をスイッチS1が導通するので、下側MOSトランジスタQ2を流れる電流の情報が充電電圧VCRGの形で蓄積される。
その後、セット信号SETのローレベルからハイレベルへの切り替わり時に(t24のタイミングで)、スロープ回路5はスイッチS3をオン状態からオフ状態に切り替える。t24のタイミングから次のt21のタイミングまでの期間において、電圧電流変換回路5Aの出力電流によってコンデンサC3が充電されるので、t22のタイミングからt23のタイミングまでの期間に下側MOSトランジスタQ2を流れていた電流の情報が伝達されてスロープ電圧VSLPに反映される。
上述したスロープ電圧の第1生成例では、上側MOSトランジスタQ1がオフからオンに切り替わると同時に、下側MOSトランジスタQ2を流れる電流の情報の伝達を開始してスロープ電圧VSLPに反映している。これに対して、スロープ電圧の本生成例では、上側MOSトランジスタQ1がオフからオンに切り替わる前に、下側MOSトランジスタQ2を流れる電流の情報の伝達を開始してスロープ電圧VSLPに反映している。したがって、スロープ電圧の本生成例は、電流帰還が可能となるスイッチ電圧VSWの最小パルス幅を、上述したスロープ電圧の第1生成例よりも細くすることができる。
なお、電流モード制御の制御系を安定させる観点から、スロープ回路5に重畳部を設け、当該重畳部が、一定の傾きでt24のタイミングからt21のタイミングまでの期間上昇する鋸波形状または三角波形状の疑似スロープ電圧VSをスロープ電圧VSLPに重畳した電圧(新たなスロープ電圧VSLP’)を生成し、その新たなスロープ電圧VSLP’をスロープ回路5の出力電圧として出力することが望ましい。この場合、図5Bに示すように、スロープ電圧VSLP’が誤差信号VERRを超えると、リセット信号RESETがローレベルからハイレベルに切り替わることになる。
<スロープ電圧の第3生成例>
電流検出回路4及びスロープ回路5の構成は、上述したスロープ電圧の第1生成例及び第2生成例と同様である。
図6Aは、スイッチング電源装置101の更に他の動作例を示すタイミングチャートである。
図6Aに示す例では、タイミング制御回路1は、セット信号SETのハイレベルからローレベルへの切り替わり時にゲート信号G1をローレベルからハイレベルに切り替え、リセット信号RESETのローレベルからハイレベルへの切り替わり時にゲート信号G1をハイレベルからローレベルに切り替える。
また、タイミング制御回路1は、セット信号SETに基づいて、セット信号SETのローレベルからハイレベルへの切り替わり時にローレベルからハイレベルへ切り替わり、セット信号SETのハイレベル期間より短いハイレベル期間を有する内部クロック信号CLKを内部で生成する。なお、内部クロック信号CLKの各ハイレベル期間は一定時間であり、スロープ電圧の第3生成例において電流帰還の実施期間となる。なお、下側MOSトランジスタQ2がオンからオフに切り替わった直後に設けられるデッドタイムの開始前に、内部クロック信号CLKがハイレベルからローレベルに切り替わるように、内部クロック信号CLKの各ハイレベル期間を調整するとよい。
さらに、タイミング制御回路1は、内部クロック信号CLKのローレベルからハイレベルへの切り替わり時に、リセット信号RESETのレベル遷移状態にかかわらず、強制的にゲート信号G1をローベル、ゲート信号G2をハイレベルにする。これにより、内部クロック信号CLKのローレベルからハイレベルへの切り替わり時に、確実に電流帰還を開始することができる。
スロープ回路5は、タイミング制御回路1からの指示に従って、スイッチS1〜S3のオン/オフを切り替える。
リセット信号RESETのローレベルからハイレベルへの切り替わり時に(t31のタイミングで)、スロープ回路5は、スイッチS1のオフ状態を維持し、スイッチS2をオフ状態からオン状態に切り替え、スイッチS3をオフ状態からオン状態に切り替える。これにより、コンデンサC2及びC3は放電され、コンデンサC2の充電電圧VCRG、スロープ電圧VSLPはそれぞれ0になる。
それからスロープ回路5がスイッチS2をオン状態からオフ状態に切り替えてコンデンサC2の放電を終了した後、内部クロック信号CLKのローレベルからハイレベルへの切り替わり時に(t32のタイミングで)、スロープ回路5はスイッチS1をオフ状態からオン状態に切り替える。
次に、内部クロック信号CLKのハイレベルからローレベルへの切り替わり時に(t33のタイミングで)、スロープ回路5はスイッチS1をオン状態からオフ状態に切り替える。
t32のタイミングからt33のタイミングまでの期間、すなわちセット信号SETのハイレベル期間内に設けられた一定時間、電圧電流変換回路4AからコンデンサC2に至る電流経路をスイッチS1が導通するので、電圧電流変換回路4Aが下側MOSトランジスタQ2を流れる電流を検出し、下側MOSトランジスタQ2を流れる電流の情報が充電電圧VCRGの形で蓄積される。
その後、t34のタイミングでスロープ回路5はスイッチS3をオン状態からオフ状態に切り替える。t34のタイミングは例えば下側MOSトランジスタQ2がオンからオフに切り替わった直後に設けられるデッドタイムの開始時とすることができる。t34のタイミングから次のt31のタイミングまでの期間において、電圧電流変換回路5Aの出力電流によってコンデンサC3が充電されるので、t32のタイミングからt33のタイミングまでの期間に下側MOSトランジスタQ2を流れていた電流の情報が伝達されてスロープ電圧VSLPに反映される。
上述したスロープ電圧の第1生成例及び第2生成例では、スイッチS1のオン期間が上側MOSトランジスタQ1のオン期間に依存した期間になっているため、スイッチS1のオン期間がスイッチング電源装置101の入力電圧VINに対する出力電圧VOUTの比に依存して変動してしまい、電流モード制御の制御系が不安定になる傾向にある。これに対して、スロープ電圧の本生成例では、スイッチS1のオン期間を一定期間にしているため、電流モード制御の制御系が安定する。
また、スロープ電圧の本生成例では、上述した上述したスロープ電圧の第2生成例と同様に、上側MOSトランジスタQ1がオフからオンに切り替わる前に、下側MOSトランジスタQ2を流れる電流の情報の伝達を開始してスロープ電圧VSLPに反映している。したがって、スロープ電圧の本生成例は、電流帰還が可能となるスイッチ電圧VSWの最小幅を、上述したスロープ電圧の第1生成例よりも細くすることができる。
なお、電流帰還が可能となるスイッチ電圧VSWの最小パルス幅は上述したスロープ電圧の第1生成例と同等になってしまうが、スロープ電圧の本生成例において、上側MOSトランジスタQ1がオフからオンに切り替わった時点から、下側MOSトランジスタQ2を流れる電流の情報をスロープ電圧VSLPの伝達を開始するような変形を施すこともできる。
なお、電流モード制御の制御系をより一層安定させる観点から、スロープ回路5に重畳部を設け、当該重畳部が、一定の傾きでt34のタイミングからt31のタイミングまでの期間上昇する鋸波形状または三角波形状の疑似スロープ電圧VSをスロープ電圧VSLPに重畳した電圧(新たなスロープ電圧VSLP’)を生成し、その新たなスロープ電圧VSLP’をスロープ回路5の出力電圧として出力することが望ましい。この場合、図6Bに示すように、スロープ電圧VSLP’が誤差信号VERRを超えると、リセット信号RESETがローレベルからハイレベルに切り替わることになる。
<スロープ電圧の第4生成例>
上述したスロープ電圧の第1〜第3生成例では、図7に示すように電流情報をスロープの傾きに反映させたスロープ電圧を生成するのに対し、本生成例では、図8に示すように電流情報をスロープのオフセット電圧に反映させたスロープ電圧を生成する。
上述したスロープ電圧の第1〜第3生成例を採用した場合、制御系の伝達特性(閉ループ伝達関数)が入力電圧VIN及び出力負荷(出力電圧VOUTの印加端に接続される負荷)に依存するため使用条件が制限されるのに対して、本生成例を採用した場合、制御系の伝達特性(閉ループ伝達関数)が入力電圧VIN及び出力負荷に依存しないため使用条件が制限されないという利点がある。
以下、上述した制御系の伝達特性と入力電圧VIN及び出力負荷との関係について詳細に説明する。
(スロープ電圧の第1〜第3生成例を採用した場合)
上側MOSトランジスタQ1のオンデューティDと、エラーアンプ2から出力される誤差信号V
ERRの値V
Cとの間には、下記(1)式の関係が成立する。なお、S
Eは疑似スロープ電圧V
Sのスロープの傾き(固定値)であり、S
Nは下側MOSトランジスタQ2を流れる電流の情報が反映されたスロープの傾きであり、TはDの最大値が1となるための係数である。
ここで、エラーアンプ2から出力される誤差信号V
ERRの値V
CがΔV
C変動したときに、上側MOSトランジスタQ1のオンデューティDがΔD変動するため、下記(2)式が成立する。なお、S
N’は下側MOSトランジスタQ2を流れる電流の情報が反映されたスロープの傾きである。
上記(1)式及び(2)式により、ΔDは下記(3)式で表される。
ここで、S
Nは下記(4)式で表されるので、下記(5)式が成立する。なお、t
Pは、下側MOSトランジスタQ2を流れる電流の情報の蓄積時間であり、I
OUTは、出力負荷に供給される出力電流であり、エラーアンプ2から出力される誤差信号V
ERRの値V
CがΔV
C変動したときに、出力電流I
OUTがΔI
OUT変動する。
ここで、ΔIは下記(6)式で表され、ΔV
OUTは下記(7)式で表される。なお、G
DV(S)はスイッチ電圧V
SWを出力電圧V
OUTに整形するためのパラメータである。
上記(6)式及び(7)式を、上記(3)式及び(5)式に代入して整理すると、下記(8)式が求まる。
ΔV
Cに対するΔV
OUTの比は、上記(8)を用いると、下記(9)式で表される。
上記(9)式より、入力電圧VINが大きくなると、電圧利得が大きくなり、出力電流IOUTが大きくなると、GDV(S)が分母と分子でキャンセルしにくくなるため電流帰還しにくくなる。すなわち、制御系の伝達特性(閉ループ伝達関数)が入力電圧VIN及び出力負荷に依存している。
(スロープ電圧の本生成例を採用した場合)
スロープ電圧の第1〜第3生成例を採用した場合と同様に、制御系の伝達特性を考えると、下記(10)式により、下記(12)式が求まる。なお、R
Sは、電流情報をオフセット電圧としてどの程度強くスロープ電圧にのせるかを示すパラメータであり、下記(11)式で表される。
このとき、下記(13)式の条件を設定すると、下記(14)式が成立する。
上記(14)式より、制御系の伝達特性(閉ループ伝達関数)が入力電圧VIN及び出力負荷に依存していないことが分かる。
(本生成例の詳細)
次に、本生成例の詳細を説明する。電流検出回路4及びスロープ回路5は図9に示す構成であり、スイッチング電源装置101は図10に示すように動作する。
図9に示す例において電流検出回路4は、電圧電流変換回路4Aによって構成される。また図9に示す例においてスロープ回路5は、スイッチS1、S2、及びS4と、コンデンサC2と、定電流源9によって構成される。なお、定電流源9から出力される定電流の値は調整可能であることが望ましい。
電圧電流変換回路4A及び定電流源9それぞれは、タイミング制御回路1と、エラーアンプ2と、基準電圧源3と、電流検出回路4と、スロープ回路5と、コンパレータ6と、オシレータ7と、を備えるIC[integrated circuit]内部で生成される内部電源電圧VCCによって駆動する回路である。
電圧電流変換回路4Aは下側MOSトランジスタQ2のドレイン−ソース間電圧を電流に変換して出力する。コンデンサC2は、スイッチS1がオンのとき電圧電流変換回路4Aの出力電流によって充電され、スイッチS4がオンのとき定電流源9の出力電流によって充電される。一方、スイッチS2がオンのときコンデンサC2は放電する。コンデンサC2の充電電圧がスロープ電圧VSLPとなる。
図10に示す例では、タイミング制御回路1は、セット信号SETのハイレベルからローレベルへの切り替わり時にゲート信号G1をローレベルからハイレベルに切り替え、リセット信号RESETのローレベルからハイレベルへの切り替わり時にゲート信号G1をハイレベルからローレベルに切り替える。
また、タイミング制御回路1は、セット信号SETに基づいて、セット信号SETのローレベルからハイレベルへの切り替わり時にローレベルからハイレベルへ切り替わり、セット信号SETのハイレベル期間より短いハイレベル期間を有する内部クロック信号CLKを内部で生成する。なお、内部クロック信号CLKの各ハイレベル期間は一定時間であり、スロープ電圧の第4生成例において電流帰還の実施期間となる。なお、下側MOSトランジスタQ2がオンからオフに切り替わった直後に設けられるデッドタイムの開始前に、内部クロック信号CLKがハイレベルからローレベルに切り替わるように、内部クロック信号CLKの各ハイレベル期間を調整するとよい。
さらに、タイミング制御回路1は、内部クロック信号CLKのローレベルからハイレベルへの切り替わり時に、リセット信号RESETのレベル遷移状態にかかわらず、強制的にゲート信号G1をローベル、ゲート信号G2をハイレベルにする。これにより、内部クロック信号CLKのローレベルからハイレベルへの切り替わり時に、確実に電流帰還を開始することができる。
スロープ回路5は、タイミング制御回路1からの指示に従って、スイッチS1、S2、及びS4のオン/オフを切り替える。
リセット信号RESETのローレベルからハイレベルへの切り替わり時に(t41のタイミングで)、スロープ回路5は、スイッチS1のオフ状態を維持し、スイッチS2をオフ状態からオン状態に切り替え、スイッチS4をオン状態からオフ状態に切り替える。これにより、コンデンサC2は放電され、コンデンサC2の充電電圧であるスロープ電圧VSLPは0になる。
それからスロープ回路5がスイッチS2をオン状態からオフ状態に切り替えてコンデンサC2の放電を終了した後、内部クロック信号CLKのローレベルからハイレベルへの切り替わり時に(t42のタイミングで)、スロープ回路5はスイッチS1をオフ状態からオン状態に切り替える。
次に、内部クロック信号CLKのハイレベルからローレベルへの切り替わり時に(t43のタイミングで)、スロープ回路5はスイッチS1をオン状態からオフ状態に切り替える。
t42のタイミングからt43のタイミングまでの期間、電圧電流変換回路4AからコンデンサC2に至る電流経路をスイッチS1が導通するので、下側MOSトランジスタQ2を流れる電流の情報がコンデンサC2の充電電圧の形で蓄積される。
次に、セット信号SETのハイレベルからローレベルへの切り替わり時に(t44のタイミングで)、スロープ回路5はスイッチS4をオフ状態からオン状態に切り替える。t44のタイミングから次のt41のタイミングまでの期間において、定電流源9の出力電流によってコンデンサC2が充電される。これにより、コンデンサC2の充電電圧であるスロープ電圧VSLPは、定電流源9の出力電流に応じた一定の増加率(定電流源9の出力電流に応じた一定の傾き)で増加する電圧を、下側MOSトランジスタQ2を流れる電流の情報が反映されたオフセット電圧に重畳した電圧になる。そして、コンデンサC2の充電電圧であるスロープ電圧VSLPが、スロープ回路5の出力信号となる。
本生成例では、下側MOSトランジスタQ2を流れる電流の情報をスロープのオフセット電圧に反映させたスロープ電圧VSLPを生成するので、制御系の伝達特性(閉ループ伝達関数)が入力電圧VIN及び出力負荷に依存しない。このためスイッチング電源装置101の使用条件が制限されない。
また本生成例では、上述したスロープ電圧の第2生成例と同様、上側MOSトランジスタQ1がオフからオンに切り替わる前に、下側MOSトランジスタQ2を流れる電流の情報の伝達を開始してスロープ電圧VSLPに反映している。したがって、スロープ電圧の本生成例は、電流帰還が可能となるスイッチ電圧VSWの最小パルス幅を、上述したスロープ電圧の第1生成例よりも細くすることができる。
また本生成例では、上述したスロープ電圧の第3生成例と同様、スイッチS1のオン期間を一定期間にしているため、電流モード制御の制御系が安定する。
<全体構成(第2実施形態)>
図11は、電流モード制御型スイッチング電源装置の第2実施形態の全体構成例を示す図である。本構成例のスイッチング電源装置102は、スイッチング電源装置101に電流検出回路10を追加した構成である。
電流検出回路10は、上側MOSトランジスタQ1のオン状態におけるドレイン−ソース間電圧すなわち上側MOSトランジスタQ1のオン抵抗の両端電圧に基づいて、上側MOSトランジスタQ1を流れる電流を検出する。
第1実施形態で既に説明したように、スロープ回路5が電流検出回路4によって検出された下側MOSトランジスタQ2を流れる電流に応じたスロープ電圧を生成して出力することによって、入力電圧VINに対する出力電圧VOUTの比が小さい場合(スイッチ電圧VSWのパルス幅が細い場合)でも電流帰還が可能となる。しかしながら、スロープ回路5が電流検出回路4によって検出された下側MOSトランジスタQ2を流れる電流に応じたスロープ電圧を生成して出力する態様では、スイッチ電圧VSWのパルス幅が太くなると、下側MOSトランジスタQ2を流れる電流が検出可能な時間(下側MOSトランジスタQ2がオンである時間)が短くなり、電流帰還ができなくなるおそれがある。これに対して、従来技術のように、上側MOSトランジスタQ1を流れる電流に応じたスロープ電圧を生成して電流モード制御を行う態様では、スイッチ電圧VSWのパルス幅が太くなると、上側MOSトランジスタQ1を流れる電流が検出可能な時間(上側MOSトランジスタQ1がオンである時間)が長くなるので、電流帰還ができなくなるおそれがない。
そこで、本実施形態におけるスロープ回路5は、タイミング制御回路1からの指示に従って、スイッチング電源装置102の入力電圧に対する出力電圧の比(VOUT/VIN)が50%以下である場合に、電流検出回路4によって検出された下側MOSトランジスタQ2を流れる電流に応じたスロープ電圧を生成して出力し、VOUT/VINが50%以下でない場合に、電流検出回路10によって検出された上側MOSトランジスタQ1を流れる電流に応じたスロープ電圧を生成して出力する。これにより、スイッチ電圧VSWのパルス幅が細くなった場合だけでなく、スイッチ電圧VSWのパルス幅が太くなった場合でも、電流帰還が可能となる。
電流検出回路4によって検出された下側MOSトランジスタQ2を流れる電流に応じたスロープ電圧の生成は、例えば第1実施形態で既に説明した各生成例のいずれかと同様にすればよい。また、電流検出回路10によって検出された上側MOSトランジスタQ1を流れる電流に応じたスロープ電圧の生成は、公知技術であるため、その詳細な説明は割愛する。
図12Aは、VOUT/VINが50%以下であるか否かの判断例を示すタイミングチャートである。当該判断は、セット信号SETのローレベルからハイレベルへの切り替わり時にゲート信号G1をローレベルからハイレベルに切り替え、リセット信号RESETのローレベルからハイレベルへの切り替わり時にゲート信号G1をハイレベルからローレベルに切り替えるタイミング制御回路1によって実行される。
タイミング制御回路1はセット信号SETに基づいて分周クロック信号DIVを生成する。分周クロック信号DIVは、セット信号SETを2分周した信号であって、ローレベルからハイレベルへの切り替わりタイミングがセット信号SETと一致する。
また、タイミング制御回路1は、セット信号SET及び分周クロック信号DIVに基づいて検知クロック信号DETを生成する。検知クロック信号DETは、ローレベルからハイレベルへの切り替わりタイミングがセット信号SET及び分周クロック信号DIVと一致し、分周クロック信号DIVがローレベルからハイレベルに切り替わり且つセット信号SETがローレベルからハイレベルに切り替わらないタイミングでハイレベルからローレベルに切り替わる。
そして、タイミング制御回路1は、検知クロック信号DETのハイレベルからローレベルへの切り替わり時に、ゲート信号G1をハイレベルにしている場合(この場合スイッチ電圧VSWはハイレベルになる)にはVOUT/VINが50%以下でないと判断し、ゲート信号G1をローレベルにしている場合(この場合スイッチ電圧VSWはローレベルになる)にはVOUT/VINが50%以下であると判断する。
図12Bは、VOUT/VINが50%以下であるか否かの他の判断例を示すタイミングチャートである。当該判断は、セット信号SETのハイレベルからローレベルへの切り替わり時にゲート信号G1をローレベルからハイレベルに切り替え、リセット信号RESETのローレベルからハイレベルへの切り替わり時にゲート信号G1をハイレベルからローレベルに切り替えるタイミング制御回路1によって実行される。
タイミング制御回路1はセット信号SETに基づいて分周クロック信号DIVを生成する。分周クロック信号DIVは、セット信号SETを2分周した信号であって、ハイレベルからローレベルへの切り替わりタイミングがセット信号SETと一致する。
また、タイミング制御回路1は、セット信号SET及び分周クロック信号DIVに基づいて検知クロック信号DETを生成する。検知クロック信号DETは、ローレベルからハイレベルへの切り替わりタイミングがセット信号SET及び分周クロック信号DIVのハイレベルからローレベルへの切り替わりタイミングと一致し、分周クロック信号DIVがハイレベルからローレベルに切り替わり且つセット信号SETがハイレベルからローレベルに切り替わらないタイミングでハイレベルからローレベルに切り替わる。
そして、タイミング制御回路1は、検知クロック信号DETのハイレベルからローレベルへの切り替わり時に、ゲート信号G1をハイレベルにしている場合(この場合スイッチ電圧VSWはハイレベルになる)にはVOUT/VINが50%以下でないと判断し、ゲート信号G1をローレベルにしている場合(この場合スイッチ電圧VSWはローレベルになる)にはVOUT/VINが50%以下であると判断する。
上記の説明では、VOUT/VINが50%以下である場合は、電流検出回路4によって検出された下側MOSトランジスタQ2を流れる電流に応じたスロープ電圧がスロープ回路5から出力されたが、50%は単なる一例であって他の値であっても構わない。
また上記の説明では、VOUT/VINが50%以下でない場合は、電流検出回路10によって検出された上側MOSトランジスタQ1を流れる電流に応じたスロープ電圧がスロープ回路5から出力されたが、VOUT/VINが所定値以下でない場合に電流モード制御を行わない構成にして、スイッチ電圧VSWのパルス幅が太くなったときに電流帰還ができなくなるおそれを回避してもよい。例えば、スロープ回路5が疑似スロープ電圧を生成するようにし、VOUT/VINが所定値以下である場合に、電流検出回路4によって検出された下側MOSトランジスタQ2を流れる電流に応じたスロープ電圧に疑似スロープ電圧を重畳した電圧(新たなスロープ電圧)がスロープ回路5の出力電圧としてスロープ回路5から出力され、VOUT/VINが所定値以下でない場合に、疑似スロープ電圧がスロープ回路5の出力電圧としてスロープ回路5から出力されるようにすればよい。
<用途>
次に、先に説明したスイッチング電源装置101の用途例について説明する。図13は、車載機器を搭載した車両の一構成例を示す外観図である。本構成例の車両Xは、車載機器X11〜X17と、これらの車載機器X11〜X17に電力を供給するバッテリ(不図示)と、を搭載している。
車載機器X11は、エンジンに関連する制御(インジェクション制御、電子スロットル制御、アイドリング制御、酸素センサヒータ制御、及び、オートクルーズ制御など)を行うエンジンコントロールユニットである。
車載機器X12は、HID[high intensity discharged lamp]やDRL[daytime running lamp]などの点消灯制御を行うランプコントロールユニットである。
車載機器X13は、トランスミッションに関連する制御を行うトランスミッションコントロールユニットである。
車載機器X14は、車両Xの運動に関連する制御(ABS[anti-lock brake system]制御、EPS[electric power Steering]制御、電子サスペンション制御など)を行うボディコントロールユニットである。
車載機器X15は、ドアロックや防犯アラームなどの駆動制御を行うセキュリティコントロールユニットである。
車載機器X16は、ワイパー、電動ドアミラー、パワーウィンドウ、電動サンルーフ、電動シート、及び、エアコンなど、標準装備品やメーカーオプション品として、工場出荷段階で車両Xに組み込まれている電子機器である。
車載機器X17は、車載A/V[audio/visual]機器、カーナビゲーションシステム、及び、ETC[Electronic Toll Collection System]など、ユーザの任意で車両Xに装着される電子機器である。
なお、先に説明したスイッチング電源装置101は、車載機器X11〜X17のいずれにも組み込むことが可能である。
<その他の変形例>
なお、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、降圧型スイッチング電源装置を例に挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、降圧動作のみならず昇圧動作も行える昇降圧型スイッチング電源装置に適用することも可能である。
このように、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。