JP6449034B2 - 樹脂サッシ - Google Patents
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Description
そして、樹脂サッシにおいて、樹脂製の枠体や框の中空内部に補強部材や熱膨張耐火材を配置するなどして、火災時に樹脂製の枠体や框が溶融した場合であっても、枠体と框との間から火炎が浸入することを防止する樹脂サッシが知られている(特許文献1)。
しかしながら、アングル部材が枠体の内周面及び框の外周面に固着されていることから、枠体及び框の中空内部に配置された補強部材に取り付けられた熱膨張耐火材が膨張しても、アングル部材の固着部分によって枠体と框との間の空間への膨張が妨げられ、また、溶融した枠体と框との間から膨張した熱膨張耐火材が漏れ出すなど、熱膨張耐火材が非効率的に膨張して、枠体と框との間の広い空間内を膨張した耐火材で十分に満たすことが難しく、空間の貫通を防ぐことが難しかった。
また、建物開口部に取付けられる樹脂製の窓枠と、窓枠に開閉自在に設けられる樹脂製の障子とを備え、樹脂製の窓枠及び障子を構成する樹脂製の框のうちのいずれか一方は、中空の本体部及び他方側に向けて延設される中空の立上り壁を有しており、窓枠及び框の他方は、障子の閉鎖時に、窓枠及び框の一方に延設された立上り壁に対して見込み方向で重複する中空部を有しており、窓枠及び框の一方の本体部の中空部内及び立上り壁の中空部内と、窓枠及び框の他方の中空部内には金属製の補強部材が配置されるとともに、窓枠及び框の他方の中空部内に配置された補強部材の、窓枠及び框の一方の本体部及び立上り壁と窓枠及び框の他方の中空部により囲まれる空間に向かう面には、熱により膨張して中空部により囲まれる空間に充満する耐火材を設けたことを特徴とする。
(全体の構成)
図1に示すように、本発明の実施形態の樹脂サッシは、建物開口部に設置され、上枠11、下枠12及び左、右縦枠13,14を四周に組んでなる枠体1と、上框21、下框22、及び左、右縦框23,24を四周に組んでその内周にガラス等のパネル体25が嵌め込まれてなる障子2とからなる。
そして、枠体1の左、右縦枠13,14と障子2の左、右縦框23,24と間に配置されたアーム部材3,3により、枠体1に対して障子2がすべり出し開閉自在に支持されたすべり出し窓として構成されている。
下框22の室内側には、障子2の開閉時に操作者が握ることができ、また、障子2を閉鎖状態にロック操作するためのハンドル93が配置されている。
以下に、本発明の実施形態の樹脂サッシを構成する各部材について、図面を参考に詳細に説明する
枠体1を構成する上枠11、下枠12及び左、右縦枠13,14は、合成樹脂により形成されており、図2、3に示すように、各枠の断面形状はほぼ同一に形成されている。
各枠の構成について、図4を参照しながら、左縦枠を用いて説明する。
左縦枠13の外周面の見込み方向中間付近には、外周方向に向けて取付片部131aが延設されており、建物開口部の躯体に対して、金属製の釘ヒレアングル材51を挟んでネジ等の固定手段nにより固定されている。
また、左縦枠13の外周面の室内側からは室内方向に向けて室内側取付片部131bが延設されており、ネジ等の固定手段nにより建物開口部の内周面に固定されている。
枠立上り壁133の中空内部の左右方向中間位置付近(枠本体部131の内周面付近)には、中間壁133bが形成されており、枠立上り壁133内部が外周側中空部133aと内周側中空部133cに分割され、枠立上り壁133の強度を向上させている。
外周側補強部材54,内周側補強部材55は、見付け面部54a,55a、及び、少なくとも一つの見込み面部54b,55bを有しており、見込み面部54b,55b同士が中間壁133bを挟んで対向するように配置されている。
なお、枠立上り壁133は、内周側に延設される部分が存在すればよく、例えば上記説明において、外周側中空部133aを枠本体部131と一体の中空部とし、内周側中空部133cを枠立上り壁133として構成することも可能である。
障子2を構成する上框21、下框22及び左、右縦框23,24は、合成樹脂により形成され、図2、3に示すように、各框の断面形状はほぼ同一に形成されている。
各框の構成について、図5を参照しながら、左縦框23を用いて説明する。
框本体部231の中空部内に挿入される主框補強部材62は、少なくとも外周片62a、内周片62b及び見付け片62cを有し、その外周片62aは、左縦框23の框本体部231及び框カバー部材61の見込み面部61bに対してビス等の連結手段bにより連結固定されているとともに、その内周片62bには、熱膨張耐火材fが配置されている。
室外側框補強部材63の室外側には、熱膨張耐火材fが配置されており、室外側の火災に対して速やかに膨張して、室外側框補強部材63の室外側(火災が発生した側)に断熱層を形成して、枠と框の溶融を遅らせて、火炎等の浸入を遅延させることができる。
なお、框立上り壁232は、外周側に延設される部分が存在すればよく、例えば上記説明において、内周側框中空部232aを框本体部231と一体の中空部とし、外周側框中空部232cを框立上り壁232として構成することも可能である。
そして、内周側の見込み面部64bの外周側面、及び、外周側の見込み面部64cの外周側面には熱膨張耐火材fが配置されており、室内側壁部233の中空部内において外周側の見込み面部64cを室内側壁部233の外周面に対して熱膨張耐火材fを挟んでビス等の連結手段bにより連結固定している。
なお、図示はしていないが、室内側框補強部材64の外周側の見込み面部64cと主框補強部材62とを金属製の連結部材等により連結することもでき、火災時に主框補強部材62と室内側框補強部材64とが分離して広がることを防止できる。
次に、枠体1に対する障子2の取付けについて説明する。
図1,3,6に示すように、障子2の左、右縦框23,24が枠体1の左右縦枠13,14に対して、左右のアーム部材3,3により支持されている。アーム部材3,3の一端は、左、右縦枠13,14の内周面に連結され、他端は、障子2の左、右縦框23,24の外周面に連結され、リンク機構を形成することにより、障子2が枠体1に対してすべり出し開放自在に支持されている。
本発明の実施形態において、枠体1と障子2との間の空間に採用されている耐火構造について、図2乃至6を参照して、さらに詳しく説明する。
左、右縦枠13、14と左、右縦框23、24との間の空間は、左、右縦枠13、14を構成する枠本体部131の中空部内に挿入される主補強部材53、枠立上り壁133、143の中空部内に配置される内周側補強部材55、及び、左、右縦框23、24を構成する框本体部231、241の中空部内に配置される主框補強部材62、框立上り壁232、242の中空部内に配置される室外側框補強部材63、室内側壁部233、243の中空部内に配置される室内側框補強部材64により、四周に亘って金属製の補強部材により囲まれている。
その後、左、右縦枠13,14と左、右縦框23,24との間の空間全体に膨張させて、より火炎等の浸入を遅延させることができる。
このとき、熱膨張耐火材fが室内側に配置して、膨張初期の段階では、少なくとも枠の枠本体部と枠立上り壁、及び、框の室内側壁部の中空部内に配置した補強部材により囲まれる室内側の空間Aに向けて膨張させることにより、熱膨張耐火材fの膨張過程における比較的初期の段階において、枠体と障子との間の貫通をすばやく防止することができる。
また、本実施形態において熱膨張耐火材fは、室内側框補強部材64の框の外周面の背面に対向する部位に取付けられているが、その取付箇所は框の室内側の箇所に限定されるものではなく、例えば、図7に示すように、左縦枠13の枠本体部131内に配置される主補強部材53の内周片53bの室外側内周面に熱膨張耐火材fを設けるなど、枠体側に設けることも、また、室外側に設けることも可能である。
11 :上枠
12 :下枠
13 :左縦枠
131 :枠本体部
131a :取付片部
131b :室内側取付片部
132 :室外側中空部
133 :枠立上り壁
133a :外周側中空部
133b :中間壁
133c :内周側中空部
14 :右縦枠
2 :障子
21 :上框
22 :下框
23 :左縦框
231 :框本体部
231a :レール部
232 :框立上り壁
232a :室内側框中空部
232b :中間壁
232c :外周側框中空部
233 :室内側壁部
234 :押縁部材
24 :右縦框
25 :パネル体
3 :アーム部材
51 :釘ヒレアングル材
53 :主補強部材
53a :外周片
53b :内周片
53c :見付け片
54 :外周側補強部材
55 :内周側補強部材
61 :框カバー部材
62 :主框補強部材
63 :室外側框補強部材
64 :室内側框補強部材
65 :ガラス受け
66 :ガラス押さえ
b :連結手段
f :熱膨張耐火材
n :固定手段
s :シール材
Claims (2)
- 建物開口部に取付けられる樹脂製の窓枠と、窓枠に開閉自在に設けられる樹脂製の障子とを備え、
樹脂製の窓枠及び障子を構成する樹脂製の框は、それぞれ中空部を有し、
窓枠及び框の少なくとも一方には、他方側に向けて中空の立上り壁が延設されるとともに、窓枠及び框の他方は、障子の閉鎖時に、窓枠及び框の一方に延設された立上り壁に対して見込み方向で重複しており、
窓枠の中空部内及び框の中空部内には、窓枠と框との間に形成される空間を囲むように、金属製の補強部材がそれぞれ配置され、少なくとも何れか補強部材の窓枠と框との間に形成される空間に向かう面には、熱により膨張して補強部材により囲まれる空間に充満する耐火材を設けたことを特徴とする防火樹脂サッシ。 - 建物開口部に取付けられる樹脂製の窓枠と、窓枠に開閉自在に設けられる樹脂製の障子とを備え、
樹脂製の窓枠及び障子を構成する樹脂製の框のうちのいずれか一方は、中空の本体部及び他方側に向けて延設される中空の立上り壁を有しており、
窓枠及び框の他方は、障子の閉鎖時に、窓枠及び框の一方に延設された立上り壁に対して見込み方向で重複する中空部を有しており、
窓枠及び框の一方の本体部の中空部内及び立上り壁の中空部内と、窓枠及び框の他方の中空部内には金属製の補強部材が配置されるとともに、
窓枠及び框の他方の中空部内に配置された補強部材の、窓枠及び框の一方の本体部及び立上り壁と窓枠及び框の他方の中空部により囲まれる空間に向かう面には、熱により膨張して中空部により囲まれる空間に充満する耐火材を設けたことを特徴とする防火樹脂サッシ。
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