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JP6447420B2 - スライドドアレール補強構造 - Google Patents

スライドドアレール補強構造 Download PDF

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JP6447420B2 JP2015169474A JP2015169474A JP6447420B2 JP 6447420 B2 JP6447420 B2 JP 6447420B2 JP 2015169474 A JP2015169474 A JP 2015169474A JP 2015169474 A JP2015169474 A JP 2015169474A JP 6447420 B2 JP6447420 B2 JP 6447420B2
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Description

本発明は、スライドドアレール補強構造に関する。
スライドドアレールを補強するために、スライドドアレールに閉断面形状を形成した自動車のスライドドア構造は、従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−186697号公報
しかしながら、スライドドアレールを車体骨格部材として利用するためには、スライドドアレールの強度を補強する必要があり、その補強構造には、未だ改善の余地がある。
そこで、本発明は、スライドドアレールの強度を効果的に補強できるスライドドアレール補強構造を得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載のスライドドアレール補強構造は、車室の後壁から車体後方側へ延在する車体骨格部材に形成され、前記車室を開閉するスライドドアのスライドドアアームに回転自在に取り付けられたガイドローラーが転動するガイド面を有するスライドドアレールと、前記車体骨格部材に形成され、前記スライドドアレールの前記ガイド面を支持する補強隔壁と、を備えている。
請求項1に記載の発明によれば、スライドドアアームに回転自在に取り付けられたガイドローラーが転動する、スライドドアレールのガイド面が、補強隔壁によって支持される。したがって、スライドドアレールの強度が効果的に補強される。
以上のように、本発明によれば、スライドドアレールの強度を効果的に補強することができる。
本実施形態に係るスライドドアレール補強構造を備えた車両の後部を示す斜視図である。 本実施形態に係るスライドドアレール補強構造を備えた車両の後部を示す側面図である。 本実施形態に係るスライドドアレール補強構造を備えた車両の後部を拡大して示す斜視図である。 本実施形態に係るスライドドアレール補強構造を備えた車両の後部を示す平断面図である。 図2におけるX−X線矢視断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、各図において適宜示す矢印UPを車体上方向、矢印FRを車体前方向、矢印RHを車体右方向とする。また、以下の説明で、特記することなく上下、前後、左右の方向を記載した場合は、車体上下方向の上下、車体前後方向の前後、車体左右方向(車幅方向)の左右を示すものとする。
図1、図2に示されるように、本実施形態に係るスライドドアレール補強構造10を備えた車両12の後部側には、車体後方側へ向かって延在するリアサイドメンバアッパ(以下「アッパメンバ」という)14が左右一対で配置されている。各アッパメンバ14は、一定断面とされたアルミニウム合金等の軽量金属材の押出成形によって矩形閉断面形状に形成されており、車体前後方向に延在する剛性及び強度の高い車体骨格部材となっている。
また、各アッパメンバ14の前端部には、それぞれ平板状のフランジ部16(図2参照)が溶接によって固着されており、各フランジ部16が、リアパネル20の上部側における左右両側に、それぞれボルト締結によって取り付けられている。リアパネル20は、車室18(図3参照)の後壁を構成する剛性及び強度の高い車体骨格部材であり、例えば炭素繊維強化樹脂材(CFRP)で形成されている。
また、リアパネル20の上部側には、車体後方側へ突出し、かつ車幅方向に延在する荷室ボックス22(図3では図示を省略)が一体に形成されている。荷室ボックス22は、中空状に形成されており、その側壁22A(図5参照)が、左右のアッパメンバ14の車幅方向内側を向く内壁14Aに、ボルト96(図1、図2参照)及びナット(図示省略)によって締結固定されている。
また、車両12の後部側で、かつ各アッパメンバ14の車体下方側には、車幅方向から見た側面視で略「L」字状に屈曲されたリアサイドメンバロア(以下「ロアメンバ」という)24が左右一対で配置されている。各ロアメンバ24は、一定断面とされたアルミニウム合金等の軽量金属材の押出成形によって矩形閉断面形状に形成されており、剛性及び強度の高い車体骨格部材となっている。
そして、各ロアメンバ24の前端部には、それぞれ略平板状のフランジ部26が溶接によって固着されており、各フランジ部26が、リアパネル20の下部側における左右両側に、それぞれボルト締結によって取り付けられている。なお、以下において、ロアメンバ24の車体後方側へ向かって延在する部位を前後ロアメンバ24Aとし、前後ロアメンバ24Aの後端部から車体上方側へ向かって延在する部位を上下ロアメンバ24Bとする。
また、各ロアメンバ24の断面積は、各アッパメンバ14の断面積よりも大きく形成されている。これにより、各ロアメンバ24の強度及び剛性が、各アッパメンバ14の強度及び剛性よりも高くなる構成になっている。また、各アッパメンバ14は、各ロアメンバ24よりも車幅方向外側に配置されているが、各アッパメンバ14は、例えば意匠的に、平面視で車体後方側が車幅方向内側へ向かってカーブするような曲率を有する形状とされていてもよい。
各ロアメンバ24の車体後方側へ延在する各前後ロアメンバ24Aの下面には、それぞれリアサスペンション46(図1では右側のみ示す)のロアアーム48を取り付けるためのロアブラケット28が設けられている。なお、各前後ロアメンバ24Aのロアブラケット28が設けられている部位を、車幅方向に延在するロアクロスメンバ(図示省略)によって連結して補強するようにしてもよい。このロアクロスメンバも、一定断面とされたアルミニウム合金等の軽量金属材の押出成形によって矩形閉断面形状に形成される。
また、各アッパメンバ14の後端部と各ロアメンバ24の車体上方側へ延在する各上下ロアメンバ24Bの上端部とが、それぞれ左右一対のジョイント部材30によって連結されている。各ジョイント部材30は、アルミニウム合金等の軽量金属材により、前壁の一部と下壁の一部と内壁の一部とがそれぞれ開口された筐体状に形成されている。
したがって、各アッパメンバ14の後端部及び各上下ロアメンバ24Bの上端部は、それぞれ車体前方側及び車体下方側からジョイント部材30の前壁及び下壁の各開口内へ挿入され、各開口の縁部にアーク溶接によって接合されている。これにより、各アッパメンバ14の後端部と各上下ロアメンバ24B(各ロアメンバ24)の上端部とがジョイント部材30を介して連結されている。
また、左右のジョイント部材30同士が、車幅方向に延在するアッパクロスメンバ32によって連結されている。アッパクロスメンバ32は、一定断面とされたアルミニウム合金等の軽量金属材の押出成形によって閉断面形状に形成されており、その左右両端部が、ジョイント部材30の内壁の開口内へ挿入され、その開口の縁部にアーク溶接によって接合されている。なお、この車両12には、各ジョイント部材30の上壁とリアパネル20とを連結する左右一対の連結ロッド34も設けられている。
また、各ロアメンバ24の前後ロアメンバ24Aと上下ロアメンバ24Bとの境界部分(屈曲部分)の近傍には、車体後方側へ延在する左右一対のエクステンションメンバ36の前端部が、それぞれボルト締結によって取り付けられている。各エクステンションメンバ36も、一定断面とされたアルミニウム合金等の軽量金属材の押出成形によって矩形閉断面形状に形成されている。
また、各エクステンションメンバ36の後端部には、車幅方向に延在するリアバンパリインフォースメント38が架設されている。このリアバンパリインフォースメント38も、一定断面とされたアルミニウム合金等の軽量金属材の押出成形によって扁平な閉断面形状に形成されており、各エクステンションメンバ36の後端部にアーク溶接によって接合されている。
なお、リアバンパリインフォースメント38の車体前方側で、かつ各ロアメンバ24の間には、エンジンを含むパワーユニット40が配置されている。そして、パワーユニットの車体後方側には、マフラー(サイレンサー)42が配置されており、リアバンパリインフォースメント38の車体下方側には、マフラー42から延びる円筒状のマフラーカッター44が配置されている。
図3、図4に示されるように、車室18の開口部を開閉するスライドドア50は、リアパネル20と同様に、剛性及び強度の高い炭素繊維強化樹脂材(CFRP)で形成されている。そして、スライドドア50を構成するドアインナパネル51の後壁52における車体上下方向略中央部(スライドドア50の重心近傍となる高さ位置)には、ヒンジブラケット54が取り付けられている。
ヒンジブラケット54は、車幅方向外側が開放側となる断面略「コ」字状に形成されており、その上壁と下壁との間が円筒状のカラー部56によって一体に連結されている。そして、その上壁及び下壁には、それぞれカラー部56の貫通孔(図示省略)と連通する貫通孔(図示省略)が形成されている。
また、上壁及び下壁の車幅方向外側端部には、それぞれ車体上方側及び車体下方側へ延在するフランジ部54A、54Bが一体に形成されている。更に、ヒンジブラケット54の下壁の車体後方側端部には、車体上方側へ延在する後壁が一体に形成されており、その後壁の車幅方向外側には、車体後方側へ延在するフランジ部54Cが一体に形成されている。そして、各フランジ部54A、54B、54Cには、それぞれ貫通孔58が形成されている。
また、スライドドア50の後壁52には、貫通孔(図示省略)が形成されており、その後壁52の内面側には、その貫通孔と同軸的にウエルドナット98が取り付けられている。したがって、ヒンジブラケット54は、各フランジ部54A、54B、54Cに形成されている貫通孔58及び後壁52に形成されている貫通孔にボルト96が挿入されてウエルドナット98に螺合されることにより、その後壁52に取り付けられている。
また、ヒンジブラケット54は、カラー部56に挿入されるボルト96により、スライドドアアーム60の前端部に回動可能に取り付けられている。スライドドアアーム60は、鋼鉄又はアルミニウム合金等の軽量金属材のダイキャスト又はプレス加工によって車体前後方向を長手方向として形成されており、スライドドア50の車体上下方向略中央部にヒンジブラケット54を介して取り付けられている。そして、このスライドドアアーム60は、スライドドア50を開閉可能に支持するようになっている。
詳細に説明すると、スライドドアアーム60の前端部は、車幅方向外側が開放側となる断面略「コ」字状に形成されており、その上壁及び下壁には、貫通孔(図示省略)が形成されている。したがって、ヒンジブラケット54をスライドドアアーム60の前端部の内側に挿入し、車体上方側から各貫通孔にボルト96を挿入してナット(図示省略)に螺合することにより、そのヒンジブラケット54がスライドドアアーム60の前端部にカラー部56を中心に回動可能に取り付けられている。
また、スライドドアアーム60の後端部には、後述するスライドドアレール70(図5参照)に転動可能に嵌められる単一のロアガイドローラー62及び一対のアッパガイドローラー66が回転自在に取り付けられている。詳細に説明すると、スライドドアアーム60の後端面の略中央には、金属製の支軸64が車体後方側へ向けて突設されており、その支軸64の先端部(後端部)にロアガイドローラー62がフリー回転可能に取り付けられている。
また、スライドドアアーム60の後端面の上部両側には、車体後方側へ向けて突出する平板状の突出部65が一体に形成されており、各突出部65の先端部(後端部)には、金属製の支軸68が車体上方側へ向けて突設されている。そして、各支軸68の先端部(上端部)にアッパガイドローラー66がフリー回転可能に取り付けられている。つまり、ロアガイドローラー62は、水平方向を軸方向とする鉛直ローラーとなっており、アッパガイドローラー66は、鉛直方向を軸方向とする水平ローラーとなっている。
そして、ロアガイドローラー62及びアッパガイドローラー66は、各アッパメンバ14に設けられた凹溝状のスライドドアレール70に転動可能に嵌められている。詳細に説明すると、図5に示されるように、スライドドアレール70は、アッパメンバ14の車幅方向外側を向く外壁14Bの高さ方向略中央部に形成された開口部80の内側に、アッパメンバ14と一体に設けられている。
スライドドアレール70は、アッパメンバ14の長手方向(車体前後方向)に沿って延在されており、断面略「C」字状に形成されている。すなわち、スライドドアレール70は、ロアガイドローラー62が転動するガイド面72Aを有する下壁72と、スライドドア50を開けるときにアッパガイドローラー66が転動するガイド面74Aを上部側に有する内壁74と、スライドドア50を閉めるときにアッパガイドローラー66が転動するガイド面76Aを有する外壁76と、を有している。なお、この外壁76は、アッパメンバ14の外壁14Bと一体化されている。
また、アッパメンバ14の内部には、スライドドアレール70のガイド面72A、74Aを支持する補強隔壁82、84が一体に形成されている。詳細に説明すると、アッパメンバ14の下壁14Cとスライドドアレール70の下壁72との間が、車幅方向を法線方向とする平板状の補強隔壁82によって一体に連結されており、その補強隔壁82の車体上方側への仮想延長線K1上におけるガイド面72A上をロアガイドローラー62が転動するようになっている。
また、アッパメンバ14の内壁14Aとスライドドアレール70の内壁74の上部側との間が、車体上下方向を法線方向とする平板状の補強隔壁84によって一体に連結されており、その補強隔壁84の車幅方向外側への仮想延長線K2上におけるガイド面74A上を、スライドドア50を開けるときに、アッパガイドローラー66が転動するようになっている。そして、その補強隔壁84の車幅方向外側への仮想延長線K2上におけるガイド面76A上を、スライドドア50を閉めるときに、アッパガイドローラー66が転動するようになっている。
なお、アッパメンバ14の内部には、車体上下方向が法線方向とされた平板状に形成され、アッパメンバ14の内壁14Aとスライドドアレール70の下壁72の車幅方向内側端部とを一体に連結する補強隔壁86と、車幅方向が法線方向とされた平板状に形成され、アッパメンバ14の上壁14Dとスライドドアレール70の内壁74の車体上方側端部とを一体に連結する補強隔壁88も形成されている。
そして、各補強隔壁82、84、86、88は、スライドドアレール70と同様に、アッパメンバ14の長手方向(車体前後方向)に沿って延在されている。したがって、アッパメンバ14の内部には、アッパメンバ14の外壁14Bと補強隔壁82とスライドドアレール70の下壁72とで構成された略矩形閉断面形状(閉断面部S1)と、アッパメンバ14の外壁14Bと補強隔壁88とスライドドアレール70の上壁78とで構成された矩形閉断面形状(閉断面部S2)と、が形成されている。
そして更に、アッパメンバ14の内部には、アッパメンバ14の下壁14C及び内壁14Aとスライドドアレール70の下壁72及び補強隔壁86と補強隔壁82とで構成された矩形閉断面形状(閉断面部S3)と、アッパメンバ14の内壁14Aと補強隔壁84、86とスライドドアレール70の内壁74とで構成された矩形閉断面形状(閉断面部S4)と、アッパメンバ14の内壁14A及び上壁14Dとスライドドアレール70の内壁74の上部側及び補強隔壁88と補強隔壁84とで構成された矩形閉断面形状(閉断面部S5)と、が形成されている。
なお、図4に示されるように、アッパメンバ14やロアメンバ24の車幅方向外側には、サイドアウタパネル90が配置されるようになっている。したがって、そのサイドアウタパネル90には、スライドドアアーム60の後端部側を通すためのスリット部92がスライドドアレール70に沿って形成されている。
また、スライドドア50は、乗員のタッチ操作によって自動的に開閉されるように構成されている。すなわち、スライドドア50は、乗員のタッチ操作により、モーターを含む電動ユニット(図示省略)が作動することによって、自動的に開閉されるようになっている。なお、この電動ユニットは、車室18の車幅方向外側下端部に車体前後方向に沿って配置されているロッカ94(図3参照)の内部に設けられている。
また、図示は省略するが、スライドドア50の下部側にも、スライドドアアームが取り付けられており、そのスライドドアアームの後端部に取り付けられているガイドローラーがロアメンバ24に形成されたスライドドアレールに転動可能に支持されている。そして、このガイドローラーが電動ユニットによって回転駆動されることにより、スライドドア50が自動で開閉されるようになっている。
以上のような構成とされたスライドドアレール補強構造10において、次にその作用について説明する。
スライドドア50を開閉するときには、スライドドアアーム60のロアガイドローラー62が、スライドドアレール70の下壁72におけるガイド面72A上を転動する。したがって、スライドドア50の重量によってスライドドアアーム60に掛かる車体下方側への荷重が、ロアガイドローラー62を介してスライドドアレール70の下壁72に入力される。
ここで、スライドドアレール70の下壁72は、アッパメンバ14の下壁14Cと一体に連結された補強隔壁82によって支持されており、その補強隔壁82は、ロアガイドローラー62による荷重中心線(仮想延長線K1)上に配置されている。そして、スライドドアレール70の下壁72は、その下壁72から車幅方向内側へ延設された補強隔壁86によってアッパメンバ14の内壁14Aとも連結されている。
したがって、スライドドアレール70の下壁72の強度及び剛性を向上させることができ、スライドドアレール70が、アッパメンバ14と一体にアルミニウム合金等の軽量金属材で構成されていても、上記した車体下方側への荷重に対して充分な強度及び剛性を確保することができる。
また、このように、スライドドアレール70の下壁72の強度が効果的に補強されていると、ロアガイドローラー62を介して、スライドドア50の重心近傍の高さ位置に配置されているスライドドアアーム60の車体上下方向(鉛直方向)の位置を精度良く位置規制することができる。よって、そのスライドドアアーム60(ロアガイドローラー62)を介して、スライドドア50の車体上下方向(鉛直方向)の位置を精度良く位置規制することができる。
また、スライドドア50を開けるときには、スライドドアアーム60のアッパガイドローラー66が、スライドドアレール70の内壁74の上部側におけるガイド面74A上を転動する。そして、スライドドア50を閉めるときには、スライドドアアーム60のアッパガイドローラー66が、スライドドアレール70の外壁76におけるガイド面76A上を転動する。
つまり、スライドドア50を開けるときには、スライドドア50によってスライドドアアーム60に掛かる車幅方向内側への荷重が、アッパガイドローラー66を介してスライドドアレール70の内壁74の上部側に入力される。そして、スライドドア50を閉めるときには、スライドドア50によってスライドドアアーム60に掛かる車幅方向外側への荷重が、アッパガイドローラー66を介してスライドドアレール70の外壁76に入力される。
ここで、スライドドアレール70の内壁74の上部側は、アッパメンバ14の内壁14Aと一体に連結された補強隔壁84によって支持されており、その補強隔壁84は、アッパガイドローラー66による荷重中心線(仮想延長線K2)上に配置されている。そして、スライドドアレール70の内壁74の上部側は、その内壁74の上部側から車体上方側へ延設された補強隔壁88によってアッパメンバ14の上壁14Dとも連結されている。更に、スライドドアレール70の外壁76は、スライドドアレール70の上壁78によって、スライドドアレール70の内壁74の上部側及び補強隔壁88と連結されている。
したがって、スライドドアレール70の内壁74及び外壁76の強度及び剛性を向上させることができ、スライドドアレール70が、アッパメンバ14と一体にアルミニウム合金等の軽量金属材で構成されていても、上記した車幅方向内側及び外側への荷重に対して充分な強度及び剛性を確保することができる。
また、このように、スライドドアレール70の内壁74及び外壁76の強度が効果的に補強されていると、アッパガイドローラー66を介して、スライドドア50の重心近傍の高さ位置に配置されているスライドドアアーム60の車体上下方向(鉛直方向)と直交する方向(水平方向)の位置を精度良く位置規制することができる。よって、そのスライドドアアーム60(アッパガイドローラー66)を介して、スライドドア50の車体上下方向(鉛直方向)と直交する方向(水平方向)の位置を精度良く位置規制することができる。
また、スライドドアレール70の強度(剛性)が効果的に補強(向上)され、スライドドア50の車体上下方向(鉛直方向)の位置及び車体上下方向(鉛直方向)と直交する方向(水平方向)の位置が精度良く位置規制されるようになっていると、スライドドア50を開閉させたときに発生する異音や振動(揺れ)を効果的に抑制又は防止することができる利点もある。
更に、このアッパメンバ14の内部には、各補強隔壁82、84、86、88と、アッパメンバ14の内壁14A、外壁14B、下壁14C、上壁14Dと、スライドドアレール70と、で複数の閉断面部S1、S2、S3、S4、S5が形成されている。つまり、このアッパメンバ14には、矩形閉断面形状(略矩形閉断面形状を含む)が複数形成されており、折れ曲げ変形や捩れ変形、軸方向の圧縮変形に対して強度上(剛性上)有利な稜線(角部)が複数形成されている。
したがって、エンジンを含むパワーユニット40からアッパメンバ14に入力される荷重や車両12の走行時にリアサスペンション46からアッパメンバ14に入力される荷重、更には車両12の(後面)衝突時にアッパメンバ14に入力される荷重などに対して、そのアッパメンバ14の強度(剛性)をより効果的に向上させることができる。なお、各補強隔壁82、84、86、88の板厚を図示のものよりも厚く形成すれば、その補強効果をより一層高めることができる。
また、スライドドアレール70は、アッパメンバ14の内部に、そのアッパメンバ14とともに押出成形によって一体に形成されているので、そのアッパメンバ14には、スライドレールを接合してなる接合部等が形成されない。よって、アッパメンバ14及びスライドドアレール70は、強度上(剛性上)有利になるとともに、意匠部品としてのアッパメンバ14の見栄えが損なわれるおそれもない。
更に、スライドドアレール70は、アッパメンバ14の内部に、そのアッパメンバ14とともに押出成形によって一体に形成されているので、容易に形成することができるとともに、部品点数を削減することができる。したがって、アッパメンバ14とは別体でスライドドアレールが設けられる構成に比べて、車両12の組立工程を簡素化することができるとともに、車両12の重量増加を抑制することができる。
つまり、車両12の製造コストを削減することができるとともに、車両12の燃費性能の低下を抑制することができる。なお、図示は省略したが、スライドドア50の下部側に設けられているスライドドアアーム(ガイドローラー)及びロアメンバ24に形成されているスライドドアレールにおいても、上記と同様である。
以上、本実施形態に係るスライドドアレール補強構造10について、図面を基に説明したが、本実施形態に係るスライドドアレール補強構造10は、図示のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能なものである。例えば、補強隔壁82、84、86、88の数量は、図示のものに限定されるものではなく、図示のものより更に多く形成してもよい。
また、アッパガイドローラー66は、スライドドア50を開けるときに、スライドドアレール70の内壁74の上部側におけるガイド面74A上を転動し、スライドドア50を閉めるときに、スライドドアレール70の外壁76におけるガイド面76A上を転動するとしたが、これに限定されるものではなく、例えばスライドドア50を閉めるときに、スライドドアレール70の内壁74の上部側におけるガイド面74A上を転動してもよい。
また、補強隔壁82は、ロアガイドローラー62による荷重中心線(仮想延長線K1)上に形成される構成に限定されるものではなく、補強隔壁84も、アッパガイドローラー66による荷重中心線(仮想延長線K2)上に形成される構成に限定されるものではない。各補強隔壁82、84は、各荷重中心線(仮想延長線K1、K2)から若干ずれた位置に形成されていてもよい。
また、アッパメンバ14、ロアメンバ24、エクステンションメンバ36は、断面矩形状に形成される構成に限定されるものではなく、例えば断面円形状等に形成される構成とされていてもよい。更に、エクステンションメンバ36は、ロアメンバ24にボルト締結によって結合される構成に限定されるものではなく、図示しないリベットやアーク溶接等によってロアメンバ24に結合される構成とされていてもよい。
また、アッパクロスメンバ32、エクステンションメンバ36、リアバンパリインフォースメント38は、それぞれ一定断面とされた軽量金属材の押出成形によって形成される構成に限定されるものではなく、例えば図示しないアウタパネルとインナパネルとを接合することで閉断面形状に形成される構成とされていてもよい。また、軽量金属材は、アルミニウム合金に限定されるものではなく、例えばチタン合金等であってもよい。
10 スライドドアレール補強構造
14 アッパメンバ(リアサイドメンバアッパ/車体骨格部材)
18 車室
50 スライドドア
60 スライドドアアーム
62 ロアガイドローラー(ガイドローラー)
66 アッパガイドローラー(ガイドローラー)
70 スライドドアレール
72A ガイド面
74A ガイド面
82 補強隔壁
84 補強隔壁

Claims (2)

  1. 車室の後壁から車体後方側へ延在する車体骨格部材に形成され、前記車室を開閉するスライドドアのスライドドアアームに回転自在に取り付けられたガイドローラーが転動するガイド面を有するスライドドアレールと、
    前記車体骨格部材に形成され、前記スライドドアレールの前記ガイド面を支持する補強隔壁と、
    を備えたスライドドアレール補強構造。
  2. 前記車室の後壁には、車体後方側へ突出する中空状の荷室ボックスが形成されており、
    前記車体骨格部材が、前記荷室ボックスに締結固定されている請求項1に記載のスライドドアレール補強構造。
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