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JP6442200B2 - 基地局及びユーザ装置 - Google Patents

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JP6442200B2 JP2014181408A JP2014181408A JP6442200B2 JP 6442200 B2 JP6442200 B2 JP 6442200B2 JP 2014181408 A JP2014181408 A JP 2014181408A JP 2014181408 A JP2014181408 A JP 2014181408A JP 6442200 B2 JP6442200 B2 JP 6442200B2
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Description

本発明は、無線通信システムに関する。
LTE(Long Term Evolution)システムでは、RRC(Radio Resource Control) connected状態のユーザ装置(User Equipment:UE)に対して最適なセルで通信を実行させるため、常時ハンドオーバ制御を実施している。すなわち、基地局(evolved NodeB:eNB)によるメジャメント制御によって、ユーザ装置は、周辺セルとの通信状態を測定し、接続中のセルより通信品質の良好なセルを検出すると、当該事象を基地局に通知する。当該通知を受信すると、基地局は、ユーザ装置に対して当該セルへ遷移するためのハンドオーバ指示を送信し、ユーザ装置は、当該ハンドオーバ指示により指定された遷移先のセルへの接続を試みる。
図1は、LTEシステムにおけるハンドオーバ制御を示すシーケンス図である。図1に示されるように、ユーザ装置(UE)は、接続中の基地局(S−eNB)によるメジャメント制御の下、周辺セルの通信状態を測定し、測定結果(Measurement report)を基地局(S−eNB)に報告する。接続中のセルより通信品質の良好なセルが検出されると、基地局(S−eNB)は、検出されたセルのターゲット基地局(T−eNB)に対してハンドオーバリクエスト(HO request)を送信する。ターゲット基地局(T−eNB)から当該ハンドオーバリクエストに対する送達確認(HO request ACK)を受信すると、基地局(S−eNB)は、ユーザ装置(UE)にハンドオーバ指示を送信すると共に、ユーザ装置(UE)に送信未完了のデータをターゲット基地局(T−eNB)に転送する。
当該ハンドオーバ指示を受信すると、ユーザ装置(UE)は、ハンドオーバ指示に指定されたターゲット基地局(T−eNB)に接続するためランダムアクセス(Random Access:RA)手順を実行する。ターゲット基地局(T−eNB)との接続が完了すると、ユーザ装置は、RRC connection reconfiguration completeをターゲット基地局(T−eNB)に送信する。当該メッセージを受信すると、ターゲット基地局(T−eNB)は、ユーザ装置(UE)の接続先が変更されたことを通知するため、コアノード(CN)にPath swtich requestを送信する。その後、コアノードは、ユーザ装置(UE)宛てのパケットの送信先をソース基地局(S−eNB)からターゲット基地局(T−eNB)に変更する。
3GPP TS36.300 V12.2.0(2014−06) 3GPP TS36.213 V12.2.0(2014−06)
現在のLTE仕様では、ハンドオーバ時にアップリンクの同期確立のため、ユーザ装置は必ずRA手順を実施することが規定され、このため、ハンドオーバ時にRA手順に伴う瞬断が発生する。一方、このようなRA手順によるアップリンクの同期確立が不要なケース(同一周波数間のハンドオーバなど)も実際にはあり、当該ケースにおいては不要なRA手順による通信の瞬断が発生している。
そこで、このようなRA手順が不要なケースにおいて、RA手順を省略し、ハンドオーバ時の瞬断によるスループットの低下を回避するため、RA手順を実施することなくハンドオーバを実行するRACH(Random Access Channel)−lessハンドオーバ制御が検討されている。
しかしながら、現在のLTE仕様では、ハンドオーバ手順起動時に、ユーザ装置は、MAC(Medium Access Control)リセットによってタイミングアドバンス(TA)タイマを停止することが規定されている。このため、ユーザ装置は、PRACH(Physical Random Access Channel)以外の送信をすることができず、RA手順を実施しないRACH−lessハンドオーバを実行することができない。
また、通常のハンドオーバ時には、ユーザ装置は、RA手順が完了するまで送信電力を徐々に上げながら(パワーランピング)PRACHを送信し続けることが規定されている。しかしながら、RACH−lessハンドオーバにおいてターゲットセルに送信されるスケジューリングリクエストに対しては、このようなパワーランピングは規定されておらず、アップリンク送信タイミングは合っているが、電力不足のためスケジューリングリクエストが受信されない事態が生じる可能性がある。この場合、スケジューリングリクエストの再送超過となり、ユーザ装置は結局RA手順を実行することになる可能性がある。
上述した問題点を鑑み、本発明の課題は、適切なRACH−lessハンドオーバ制御を実現するための技術を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、セルを介し基地局と通信する送受信部と、前記基地局からのハンドオーバ指示に応答して、TA(Timing Advance)タイマを停止し、ターゲットセルへのハンドオーバを起動するハンドオーバ制御部とを有するユーザ装置であって、前記ハンドオーバ指示がRACH−lessハンドオーバ指示である場合、前記ハンドオーバ制御部は、前記TAタイマの動作状態に関わらずスケジューリングリクエストをターゲットセルに送信することによって、前記ターゲットセルへのRACH−lessハンドオーバを実行するユーザ装置に関する。
本発明の他の態様は、セルを介し基地局と通信する送受信部と、前記基地局からのRACH−lessハンドオーバ指示に応答して、パワーランピング制御によってターゲットセルにスケジューリングリクエストを送信するハンドオーバ制御部とを有するユーザ装置に関する。
本発明の更なる他の態様は、ユーザ装置との無線通信を制御する通信制御部と、ターゲットセルに送信されるスケジューリングリクエストの送信電力を指定したRACH−lessハンドオーバ指示を前記ユーザ装置に通知するハンドオーバ制御部とを有する基地局に関する。
本発明によると、適切なRACH−lessハンドオーバ制御を実現することができる。
図1は、LTEシステムにおけるハンドオーバ制御を示すシーケンス図である。 図2は、本発明の一実施例による無線通信システムを示す概略図である。 図3は、本発明の第1実施例によるユーザ装置の構成を示すブロック図である。 図4は、本発明の第1実施例によるユーザ装置におけるRACH−lessハンドオーバ処理を示すフロー図である。 図5は、本発明の第2実施例によるユーザ装置の構成を示すブロック図である。 図6は、本発明の第2実施例による一例となるスケジューリングリクエストの再送タイミングを示す図である。 図7は、本発明の第2実施例による他の例となるスケジューリングリクエストの再送タイミングを示す図である。 図8は、本発明の第2実施例によるユーザ装置におけるスケジューリングリクエスト再送処理を示すフロー図である。 図9は、本発明の第2実施例による基地局の構成を示すブロック図である。 図10は、本発明の第2実施例による基地局における送信電力通知処理を示すフロー図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
後述される実施例では、RA手順を実行することなくハンドオーバを実現するRACH−lessハンドオーバを実行する基地局及びユーザ装置が開示される。
本発明の第1実施例を概略すると、受信したハンドオーバ指示がRACH−lessハンドオーバ指示である場合、ユーザ装置は、通常のハンドオーバ起動時には停止されるTAタイマの動作状態に関わらずターゲットセルにスケジューリングリクエストを送信し、RACH−lessハンドオーバを実行する。TAタイマを停止すると、PRACH以外の送信ができなくなるが、RACH−lessハンドオーバ指示である場合、ユーザ装置は、TAタイマの動作状態に関わらずターゲットセルにスケジューリングリクエストを送信する。本実施例によると、RACH−lessハンドオーバ起動時にはTAタイマが停止されてもスケジューリングリクエストを送信可能とすることにより、RACH−lessハンドオーバの起動が可能になる。
本発明の第2実施例を概略すると、ユーザ装置からターゲットセルに送信されるスケジューリングリクエストの送信電力が制御される。一実施例では、ユーザ装置は、スケジューリングリクエストを再送する際、パワーランピング制御の下でスケジューリングリクエストを再送する。他の実施例では、基地局は、取得したパワーヘッドルーム(PHR)や送信電力制御(TPC)コマンドに基づき、ユーザ装置により送信されるのに適したスケジューリングリクエストの送信電力を決定し、ユーザ装置は、当該送信電力によりスケジューリングリクエストを送信する。本実施例によると、RACH−lessハンドオーバにおけるスケジューリングリクエストの送信電力を適切に制御することが可能になる。
まず、図2を参照して、本発明の一実施例による無線通信システムを説明する。図2は、本発明の一実施例による無線通信システムを示す概略図である。
図2に示されるように、無線通信システム10は、基地局101,102又は301,302(以降、それぞれ基地局100,300として総称される)と、ユーザ装置200又は400とを有する。説明の便宜上、後述される第1実施例では、基地局100及びユーザ装置200が使用され、第2実施例では、基地局300及びユーザ装置400が使用される。一実施例では、無線通信システム10は、LTEシステム又はLTE−Advancedシステムである。図示された実施例では、2つの基地局101,102又は301,302しか示されていないが、一般には、無線通信システム10のサービスエリアをカバーするよう多数の基地局が配置される。
基地局100,300は、1以上のセルを提供し、当該セルを介しユーザ装置200,400と無線通信する。図示された実施例では、基地局101,301はセルC11,C12を提供し、セルC11を介しユーザ装置200,400と現在接続している。他方、基地局102,302はセルC21を提供し、基地局101,301に隣接して配置されている。ユーザ装置200,400は、セルC11との接続中に周辺セルC12,C21の通信状態を測定し、測定結果を基地局101,301に報告する(メジャメント制御)。接続中のセルC11より通信品質が良好なセルが検出されると、基地局101,301は、当該セルを遷移先とするハンドオーバ指示をユーザ装置200,400に通知する。以下の実施例では、セルC11,C12,C21の間のハンドオーバは、RA手順を実行することなくハンドオーバ可能なRACH−lessハンドオーバに対応可能である。また、基地局101,301と基地局102,302とは相互接続され、X2インタフェースを介し通信可能である。
基地局100,300は、典型的には、ユーザ装置200,400と無線通信するための通信回路、コアネットワーク(図示せず)や他の基地局と通信するための通信インタフェース、コアネットワークとユーザ装置200,400との間の無線通信を制御するためのプロセッサ、メモリ、各種回路などのハードウェアリソースにより構成される。後述される基地局100,300の各機能及び処理は、メモリに格納されているデータやプログラムをプロセッサ又は通信回路が処理又は実行することによって実現されてもよい。しかしながら、基地局100,300は、上述したハードウェア構成に限定されず、他の何れか適切なハードウェア構成を有してもよい。
ユーザ装置200,400は、基地局100,300により提供されるセルの何れかに在圏し、当該セルを介し基地局100,300と無線通信する。以下の実施例では、図示されるように、ユーザ装置200,400は、基地局101,301のソースセルから基地局102,302のターゲットセルへのRACH−lessハンドオーバを実行している。しかしながら、本発明は、これに限定されるものでなく、例えば、基地局101,301内のソースセルからターゲットセルへのRACH−lessハンドオーバに適用されてもよい。
ユーザ装置200,400は、スマートフォン、携帯電話、タブレット、ウェアラブル端末などの無線通信機能を備えた何れか適切な情報処理装置であり、基地局100,300と無線接続することによって、無線通信システム10により提供される各種通信サービスを利用する。ユーザ装置200,400は、プロセッサなどのCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリなどのメモリ装置、基地局100,300との間で無線信号を送受信するための無線通信回路などから構成される。例えば、後述されるユーザ装置200,400の各機能及び処理は、メモリ装置に格納されているデータやプログラムをCPUが処理又は実行することによって、あるいは、無線通信回路が無線信号を送受信することによって実現されてもよい。しかしながら、ユーザ装置200,400は、上述したハードウェア構成に限定されず、後述する処理の1つ以上を実現する回路などにより構成されてもよい。
次に、図3〜4を参照して、本発明の第1実施例によるTAタイマ制御処理を説明する。後述される第1実施例では、受信したハンドオーバ指示においてTAタイマを停止しないことが通知されている場合、ユーザ装置200は、通常のハンドオーバ起動時には停止されるTAタイマを停止することなく、RACH−lessハンドオーバを実行する。
図3は、本発明の第1実施例によるユーザ装置の構成を示すブロック図である。図3に示されるように、ユーザ装置200は、送受信部210及びハンドオーバ制御部220を有する。
送受信部210は、セルを介し基地局101,102と通信する。具体的には、送受信部210は、基地局101,102との間でアップリンク/ダウンリンク制御チャネルやアップリンク/ダウンリンクデータチャネルなどの各種無線チャネルを送受信する。
ハンドオーバ制御部220は、基地局101からのハンドオーバ指示に応答して、TAタイマを停止し、ターゲットセルへのハンドオーバを起動する。本実施例では、ハンドオーバ制御部220は、ハンドオーバ指示がRACH−lessハンドオーバ指示である場合、TAタイマの動作状態に関わらずスケジューリングリクエストをターゲットセルに送信することによって、ターゲットセルへのRACH−lessハンドオーバを実行する。
すなわち、ハンドオーバ制御部220は、通常のハンドオーバ起動時にはTAタイマを停止し、PRACH以外の送信は不可とされる。一方、受信したハンドオーバ指示がRACH−lessハンドオーバ指示である場合、ハンドオーバ制御部220は、TAタイマが起動又は停止しているか、すなわち、TAタイマの動作状態に関わらず、ターゲットセルにスケジューリングリクエストを送信し、RACH−lessハンドオーバを起動する。本実施例によると、通常のハンドオーバ起動時のようにMACリセットが実行され、これに伴ってTAタイマが停止されたとしても、ハンドオーバ指示がRACH−lessハンドオーバ指示である場合、ハンドオーバ制御部220は、例外的にスケジューリングリクエストを送信することが可能とされ、ターゲットセルへのRACH−lessハンドオーバを起動できる。
なお、RACH−lessハンドオーバの実行後にTAコマンドを1回でも受信した場合、ハンドオーバ制御部220は、上述したスケジューリングリクエストの例外的な送信制御を停止してもよい。すなわち、TAコマンドが受信された場合、ターゲット基地局102は、ユーザ装置200のアップリンク送信を確認済みであるためである。
一実施例では、RACH−lessハンドオーバ指示はTAタイマの非停止を通知するMobilityControlInfoを含むものであってもよい。TAタイマの非停止通知を含むRACH−lessハンドオーバ指示を受信した場合、ハンドオーバ制御部220は、MACリセットの実行に伴ってTAタイマを停止することなく、RACH−lessハンドオーバのためターゲットセルにスケジューリングリクエストを送信する。本実施例では、RACH−lessハンドオーバ指示がTAタイマの非停止を明示的に指示することによって、PRACH以外の送信を不可にするTAタイマの停止を回避し、RACH−lessハンドオーバのためのスケジューリングリクエストの送信を可能にする。
この場合、ハンドオーバ制御部220は、受信したRACH−lessハンドオーバ指示内の当該情報要素を確認し、TAタイマの非停止の通知を検出すると、MACリセットの実行に伴ってTAタイマを停止することなく計時を継続し、RACH−lessハンドオーバを起動する。他方、当該情報要素にTAタイマの非停止の通知を検出できなかった場合、ハンドオーバ制御部220は、MACリセットを実行してTAタイマを停止するが、TAタイマの動作状態に関わらずターゲットセルにスケジューリングリクエストを送信することによって、RACH−lessハンドオーバを起動する。 さらに、当該MobilityControlInfoは、個別RACHリソースを指定してもよい。これにより、ターゲットセルへのスケジューリングリクエストの再送超過によるRACH−lessハンドオーバの失敗時、ハンドオーバ制御部220は、指定された個別RACHリソースを用いてRA手順を実行することが可能となり、早期にRA手順を完了させることが可能になる。
一実施例では、RACH−lessハンドオーバ指示がTAタイマの非停止を通知する場合、ハンドオーバ制御部220は、TAタイマを再起動し、ターゲットセルへのRACH−lessハンドオーバを実行してもよい。TAタイマが満了する間際にRACH−lessハンドオーバ指示が通知された場合、RACH−lessハンドオーバの完了前にTAタイマが満了し、ハンドオーバ制御部220がRACH−lessハンドオーバの起動中にスケジューリングリクエストを送信できなくなる可能性がある。本実施例では、このような事態を回避するため、ハンドオーバ制御部220は、TAタイマを再起動し、ターゲットセルへのRACH−lessハンドオーバを起動してもよい。
例えば、ハンドオーバ制御部220は、受信したRACH−lessハンドオーバ指示内にTAコマンドが含まれること、又はRACH−lessハンドオーバ指示に対してTAコマンド MAC CE(Control Element)が多重されていることに応答して、TAタイマを再起動してもよい。
図4は、本発明の第1実施例によるユーザ装置におけるRACH−lessハンドオーバ処理を示すフロー図である。
図4に示されるように、ステップS101において、ハンドオーバ制御部220は、基地局101からRACH−lessハンドオーバ指示を受信する。
ステップS102において、ハンドオーバ制御部220は、受信したRACH−lessハンドオーバ指示にTAタイマの非停止の通知があるか判断する。例えば、ハンドオーバ制御部220は、受信したRACH−lessハンドオーバ指示のMobilityControlInfoを確認し、当該情報要素にTAタイマの非停止の通知が含まれているか検出してもよい。
TAタイマの非停止の通知がある場合(S102:YES)、ハンドオーバ制御部220は、ステップS103において、MACリセットの実行に伴ってTAタイマを停止することなく、RACH−lessハンドオーバを実行する。
他方、TAタイマの非停止の通知がない場合(S102:NO)、ハンドオーバ制御部220は、ステップS104において、MACリセットを実行してTAタイマを停止するが、TAタイマの停止に関わらずターゲットセルにスケジューリングリクエストを送信することによってRACH−lessハンドオーバを実行する。
次に、図5〜10を参照して、本発明の第2実施例によるスケジューリングリクエストの送信電力制御処理を説明する。後述される第2実施例では、RACH−lessハンドオーバのためのスケジューリングリクエストの送信電力が制御される。図5〜8を参照して、ユーザ装置400がスケジューリングリクエストの再送にパワーランピングを適用するケースが説明され、図9〜10を参照して、基地局300がスケジューリングリクエストの適切な送信電力をユーザ装置400に通知するケースが説明される。
図5は、本発明の第2実施例によるユーザ装置の構成を示すブロック図である。図5に示されるように、ユーザ装置400は、送受信部410及びハンドオーバ制御部420を有する。
送受信部410は、セルを介し基地局301,302と通信する。具体的には、送受信部410は、基地局301,302との間でアップリンク/ダウンリンク制御チャネルやアップリンク/ダウンリンクデータチャネルなどの各種無線チャネルを送受信する。
ハンドオーバ制御部420は、基地局301からのRACH−lessハンドオーバ指示に応答して、パワーランピング制御によってターゲットセルにスケジューリングリクエストを送信する。具体的には、ハンドオーバ制御部420は、RACH−lessハンドオーバを実現するため、指定されたターゲットセルに対してスケジューリングリクエストを送信する際にアップリンクグラントなどの割当許可を受信できなかった場合、スケジューリングリクエストを再送する毎に送信電力を徐々に引き上げる(パワーランピング制御)。これは、送信電力不足によってターゲット基地局302がスケジューリングリクエストを受信できなかった場合、より高い送信電力によりスケジューリングリクエストを再送することによって、ターゲット基地局302がより確実にスケジューリングリクエストを受信することを可能にするためのものである。
ここで、各ランピングアップにおける送信電力の引き上げ量α(ランピングステップ)及び初期送信電力piは、ソース基地局301からのRACH−lessハンドオーバ指示で通知されてもよい。
一実施例では、ハンドオーバ制御部420は、送信したスケジューリングリクエストに対して割当許可を受信すると、割当許可に対応するスケジューリングリクエストの送信電力によって以降のアップリンク送信を実行してもよい。例えば、パワーランピング制御の下でx回目に送信されたスケジューリングリクエストに対してアップリンクグラントを受信できた場合、ハンドオーバ制御部420は、x回目に送信されたスケジューリングリクエストの送信電力pi+(x−1)αによって、以降のPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)の送信などのアップリンク送信を実行してもよい。これにより、以降のアップリンク送信をターゲットセルに適切に受信させることが可能になる。
ここで、典型的には、ハンドオーバ時にターゲットセルに対するスケジューリングリクエストの初送が送信電力の不足によりターゲット基地局302に届かなかった場合、スケジューリングリクエストは、スケジューリングリクエストのためのリソースが設定されている次のタイミングで再送可能である。しかしながら、このようなスケジューリングリクエストの送信間隔が、20msなどに設定される場合、RACH−lessハンドオーバによる遅延低減効果は限定的になる可能性がある。通常、RA手順は、数10ms程度で完了することが想定されるためである。このため、一実施例では、ハンドオーバ制御部420は、スケジューリングリクエストを再送する際、スケジューリングリクエストに設定されている送信間隔より短い送信間隔によって、パワーランピング制御の下でスケジューリングリクエストを再送してもよい。例えば、スケジューリングリクエストに設定されている送信間隔が、通常は20msなどに設定されているが、RACH−lessハンドオーバによるスケジューリングリクエストの再送タイミングは、遅延を低減させるため1〜2msなどに設定されてもよい。
図6は、本発明の第2実施例による一例となるスケジューリングリクエストの再送タイミングを示す図である。図6に示されるように、RACH−lessハンドオーバ時のスケジューリングリクエストを再送する際の送信間隔が、RA手順を伴う通常のハンドオーバにおいて設定されるスケジューリングリクエストの送信間隔より短く設定されてもよい。
図6の例1では、スケジューリングリクエストを再送する際、スケジューリングリクエストに対するアップリンクグラントを受信するまで、ハンドオーバ制御部420は、短い送信間隔によって、パワーランピング制御の下でターゲット基地局302にスケジューリングリクエストの再送を継続してもよい。
図6の例2では、スケジューリングリクエストを再送する際、スケジューリングリクエストに対するアップリンクグラントを受信するまで、ハンドオーバ制御部420は、RA手順を伴う通常のハンドオーバにおいて設定されるスケジューリングリクエストの各送信タイミングの後に、パワーランピング制御の下で所定の回数だけスケジューリングリクエストの再送を継続してもよい。所定の回数だけ短い送信間隔でスケジューリングリクエストを再送した後、ハンドオーバ制御部420は、RA手順を伴う通常のハンドオーバにおいて設定される送信タイミングでスケジューリングリクエストを再送する。
図7は、本発明の第2実施例による他の例となるスケジューリングリクエストの再送タイミングを示す図である。図7に示されるように、ハンドオーバ制御部420は、所定の期間内にターゲットセルへのRACH−lessハンドオーバが完了しなかった場合、スケジューリングリクエストに設定されている送信間隔に戻してもよい。すなわち、スケジューリングリクエストを再送する際、スケジューリングリクエストに対するアップリンク送信を受信するまで、ハンドオーバ制御部420は、所定の期間内は短い送信間隔によってパワーランピング制御の下でターゲット基地局302にスケジューリングリクエストの再送を継続するが、当該期間の経過後は、RA手順を伴う通常のハンドオーバにおいて設定されるスケジューリングリクエストの送信タイミングで再送を継続してもよい。これは、短い送信間隔のスケジューリングリクエストのリソースを各ユーザ装置に対して設定した場合のリソースの利用効率の低下を回避するためである。例えば、ハンドオーバ制御部420は、RACH−lessハンドオーバにおいてスケジューリングリクエストの送信開始時にタイマを起動し、当該タイマが満了するまでは短い送信間隔によりスケジューリングリクエストの再送を継続し、当該タイマが満了すると通常の送信間隔に戻すようにしてもよい。
図8は、本発明の第2実施例によるユーザ装置におけるスケジューリングリクエスト再送処理を示すフロー図である。
図8に示されるように、ステップS201において、ハンドオーバ制御部420は、ソース基地局301からRACH−lessハンドオーバ指示を受信する。当該RACH−lessハンドオーバ指示は、例えば、ターゲットセルと共に、各ランピングアップにおける送信電力の引き上げ量α(ランピングステップ)及び初期送信電力piを含むものであってもよい。
ステップS202において、ハンドオーバ制御部420は、ターゲットセルにスケジューリングリクエストを送信する。例えば、RACH−lessハンドオーバ指示に初期送信電力piが指定されている場合、ハンドオーバ制御部420は、当該送信電力piによりスケジューリングリクエストを送信してもよい。
ステップS203において、ハンドオーバ制御部420は、ステップS202において送信したスケジューリングリクエストに対する割当許可(アップリンクグラント)を受信できたか判断する。割当許可を受信できた場合(S203:YES)、ハンドオーバ制御部420は、ターゲットセルに対するRACH−lessハンドオーバが完了したと判断し、ステップS204において、PUSCHの送信などの以降のアップリンク送信を開始する。
他方、割当許可を受信できなかった場合(S203:NO)、ハンドオーバ制御部420は、パワーランピング制御の下、送信電力を引き上げてスケジューリングリクエストを再送する。例えば、RACH−lessハンドオーバ指示にランピングステップαが指定されている場合、ハンドオーバ制御部420は、ランピングアップした送信電力pi+αによりスケジューリングリクエストを再送する。例えば、RA手順を伴うハンドオーバ時に設定されているスケジューリングリクエストの送信間隔(20msなど)より短い送信間隔(1〜2msなど)によって、スケジューリングリクエストの再送を実行することが規定されている場合、ハンドオーバ制御部420は、当該短い送信間隔によりステップS202,203,205を繰り返す。
以降、スケジューリングリクエストに対する割当許可が受信できるまで、ハンドオーバ制御部420は、パワーランピング制御の下で送信電力を徐々に引き上げながらスケジューリングリクエストの再送を継続する。
図9は、本発明の第2実施例による基地局の構成を示すブロック図である。図5〜9に示される実施例では、ユーザ装置がパワーランピング制御の下でスケジューリングリクエストの再送を継続したが、本実施例では、基地局300がRACH−lessハンドオーバ指示において適切な送信電力をユーザ装置400に通知し、ユーザ装置400は、通知された送信電力によりターゲットセルにスケジューリングリクエストを送信する。
図9に示されるように、基地局300は、通信制御部310及びハンドオーバ制御部320を有する。
通信制御部310は、ユーザ装置400との無線通信を制御する。具体的には、通信制御部310は、セルを介しユーザ装置400との間で各種制御信号及びデータ信号を送受信する。
ハンドオーバ制御部320は、ターゲットセルに送信されるスケジューリングリクエストの送信電力を指定したRACH−lessハンドオーバ指示をユーザ装置400に通知する。具体的には、ソース基地局301は、ユーザ装置400に周辺セルとの通信状態を測定させ、測定対象の周辺セルを示すセル識別子(Physical Cell Identifier:PCI)と検出した通信品質とを示す測定結果(Measurement Report)を報告させる(メジャメント制御)。接続中のセルより通信品質が良好な周辺セルが検出されると、ハンドオーバ制御部320は、検出された周辺セルがRACH−lessハンドオーバ可能なセルであるか判定し、検出されたセルがRACH−lessハンドオーバ可能なセルである場合、ターゲットセルへのスケジューリングリクエストの送信電力を指定することによって、当該セルへのRACH−lessハンドオーバをユーザ装置400に実行させる。例えば、RACH−lessハンドオーバ可能なセルは、ソースセルと同一の周波数の周辺セル及びソースセルと同一の基地局301のセルの少なくとも1つ以上を含むものであってもよい。
一実施例では、ハンドオーバ制御部320は、ユーザ装置400から取得したパワーヘッドルームレポート(PHR)と送信電力制御(TPC)コマンドとの累積値に基づき送信電力を決定してもよい。ここで、PHRは、ユーザ装置400における送信電力余力を示す指標であり、TPCコマンドは、ソース基地局301との通信に適用された送信電力値である。
具体的には、ソース基地局301は、ターゲット基地局302にハンドオーバリクエストを送信する際、ユーザ装置400から取得した当該時点におけるPHR及びTPCコマンドの累積値をターゲット基地局302に報告する。ターゲット基地局302は、受信したPHR及びTPCコマンドの累積値に基づき、ターゲットセルへのスケジューリングリクエストの送信に適した送信電力を算出し、ソース基地局301を介しユーザ装置400に通知する。ソース基地局301は、算出された送信電力を初期送信電力としてユーザ装置400に通知してもよい。当該初期送信電力を指定するRACH−lessハンドオーバ指示を受信すると、ユーザ装置400は、指定された初期送信電力によりターゲットセルにスケジューリングリクエストを送信する。また、上述したパワーランピング制御が適用されている場合、ユーザ装置400は、当該初期送信電力と共に通知されたランピングステップを用いて、パワーランピング制御によりスケジューリングリクエストを再送してもよい。
なお、図5に示されるユーザ装置400と図9に示される基地局300について、基地局300に早期に現在のパワーヘッドルームを報告するため、ユーザ装置400のPHR機能がオンである場合、ユーザ装置400は、ハンドオーバ指示の受信時にPHRを報告するようにしてもよい。
図10は、本発明の第2実施例による基地局における送信電力通知処理を示すフロー図である。
図10に示されるように、ステップS301において、ターゲット基地局302は、ソース基地局301からユーザ装置400のPHR及びTPCコマンドの累積値を取得する。
ステップS302において、ターゲット基地局302は、取得したPHR及びTPCコマンドの累積値に基づき、RACH−lessハンドオーバ時にユーザ装置400によるスケジューリングリクエストの送信電力を決定する。
ステップS303において、ソース基地局301は、ターゲット基地局302により通知された送信電力を指定したRACH−lessハンドオーバ指示をユーザ装置400に通知する。例えば、指定された送信電力は、パワーランピング制御の下の初期送信電力として利用されてもよい。
上述した第1実施例と第2実施例とは組み合わせて利用可能である。すなわち、第1実施例に従って、ターゲットセルへのRACH−lessハンドオーバが指示された場合、ユーザ装置200,400は、TAタイマの動作状態に関わらずターゲットセルにスケジューリングリクエストを送信し、当該スケジューリングリクエストに対するアップリンクグラントを受信できなかったとき、パワーランピング制御の下でスケジューリングリクエストの再送を継続してもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 無線通信システム
100,101,102,300,301,302 基地局
200,400 ユーザ装置

Claims (3)

  1. セルを介し基地局と通信する送受信部と、
    前記基地局からのハンドオーバ指示に応答して、TA(Timing Advance)タイマを停止し、ターゲットセルへのハンドオーバを起動するハンドオーバ制御部と、
    を有するユーザ装置であって、
    前記ハンドオーバ指示がRACH(Random Access Channel)−lessハンドオーバ指示である場合、前記ハンドオーバ制御部は、スケジューリングリクエストを前記ターゲットセルに送信することによって、前記ターゲットセルへのRACH−lessハンドオーバを実行し、前記RACH−lessハンドオーバ指示は、前記TAタイマの非停止を通知するMobilityControlInfoを含むユーザ装置。
  2. 前記MobilityControlInfoは、個別RACHリソースを指定する、請求項記載のユーザ装置。
  3. 前記RACH−lessハンドオーバ指示が前記TAタイマの非停止を通知する場合、前記ハンドオーバ制御部は、前記TAタイマを再起動し、前記ターゲットセルへのRACH−lessハンドオーバを実行する、請求項1又は2記載のユーザ装置。
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