JP6338917B2 - 寝具 - Google Patents
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Description
また、ダブルラッセルと呼ばれる立体編物を使用したものもある(例えば、特許文献2参照。)。
また、立体編物を使用した特許文献2に記載のものは、立体編物によって中間に空気層が形成されるが、立体編物の上下の両面が別生地で挟まれるような構造になると、上下の通気孔が塞がれる状態になり、中間層の空気が横方向には良く流れるが、上下方向には流れにくくなる。
実際にこの種の敷きパッドの上に寝てみると、最初は多少涼しさを感じるが、じっと身体を動かさずにいると徐々に涼しさがなくなり、逆に、保温による暑さを感じるようになる。この現象は、立体編物の内部に形成された空間の空気が、移動できずに滞留し、断熱作用を発揮してしまうことに原因がある。
これによって、夏季の使用時の蒸れを防止することができ、寝苦しさを解消することができる。
図1には、本発明の寝具の第1の実施形態に係る敷きパッドの全体斜視図が示されている。
また、図2には、同敷きパッドの要部断面図で、圧力非作用状態図(a)及び圧力作用状態図(b)がそれぞれ示されている。
図1に示される敷きパッド1は、全体としての厚みが2〜4mm程度の比較的薄いものであり、敷き布団の上に敷いて寝たり、直接畳や床の上に敷いて寝たりするのに適した形状寸法にキルティング生地2を裁断し、裁断したキルティング生地2の外周縁にヘム加工等を施して縫製してなるものである。
図2(a)に示されるように、キルティング生地2は、表地3及び裏地4の間にメッシュ生地5を介在させてキルティング加工により接結してなり、該キルティング加工により、互いに隣り合うキルティング部6の間において、表地3が上向きに膨出されるとともに、裏地4が下向きに膨出されて、表地3とメッシュ生地5との間、及び裏地4とメッシュ生地5との間に、それぞれ空間7が形成されている。
表地3及び裏地4は、いずれも通気性及び吸水性を有する布地からなり、例えば、綿、麻、絹等の天然繊維、アクリル、ポリエステル等の合成繊維、レーヨン等の再生繊維等を材料として、しじら織り布等の布の表面が多数の皺で波状(凹凸状)を呈する布を好適に用いることができる。
また、表地3及び裏地4については、吸水性が良好なものを用いることが好ましい。
メッシュ生地5は、通気孔の大きさが1〜20mm角(好ましくは2〜5mm角)となるように、例えば、ポリエチレン等の合成繊維を用いて単純なラッセル編みにより網状に編成してなるものである。
メッシュ生地5においては、経糸を鎖状に編んで比較的太い経糸部5aが形成されるとともに、隣り合う経糸部5aの間に、例えば、2本の緯糸を交差するように編み込んで経糸部5aよりも細い緯糸部5bが形成されている。
そして、図2(b)に示されるように、キルティング生地2を上下方向に押すような圧力の作用でメッシュ生地5に表地3及び裏地4が押し付けられた状態でも、表地3及び裏地4と、緯糸部5bとの間に隙間8を形成するようにしている。
メッシュ生地5としては、ダブルラッセルと呼ばれる立体編物のような本発明の形態で使用すると通気性が低くなるものを除いて、種々の公知のメッシュ生地を使用することができ、例えば、経糸と緯糸の交差部を融着して(編成せずに)メッシュ状とした網状部材を使用することもできる。この場合、経糸と緯糸の交差部を融着してメッシュ状とした網状部材は、断面が比較的平滑なものとなるため、表地3及び裏地4には、布の表面が多数の皺で波状を呈するしじら織り布等の表面が凹凸形状を呈する生地を用いることが好ましい。
以上に述べたような敷きパッド1によれば、該敷きパッド1を構成するキルティング生地2が、通気性を有する表地3及び裏地4の間にメッシュ生地5を介在させてキルティング加工により接結してなるものとされ、表地3及び裏地4とメッシュ生地5との間に空間7が形成されるので、メッシュ生地5の通気孔が表地3及び裏地4で塞がれることがなくなって上下方向の空気の流れが良くなるのは勿論のこと、使用の際、使用者の身体の移動に伴いキルティング生地2を上下方向に押すような圧力が作用すると、体温で温められたキルティング生地2内部の空気が表地3及び裏地4を通して外部に押し出されるとともに、該圧力がなくなると、外部の空気が表地3及び裏地4を通してキルティング生地2内部に吸い込まれ、所謂ポンプ的な動作を呈するものとなり、温めたられたキルティング生地2内部の空気を外部の空気と素早く入れ替えることができる。
ところで、キルティング加工そのものは、元々複数の生地全体を一体化させ、互いにズレをなくするとともに、皺などを防ぐために行われるが、本発明に係る敷きパッド1においては、当該効果に加え、縫製された部分とその縫製で囲まれた部分を作ることにより、断面があたかも薄い円盤状に形成されるため、単純に生地を重ねた場合と比べて、自然と表地3と裏地4との間に空間が形成される状態になる。そして、その上に人が寝ることで、当該空間の空気は、自然に外部に押し出され、少し身体を動かすことで、また、空間が形成される。このようにして、身体によって温められた空気は、滞留する部分がないため、一箇所に滞留することがなく、結果的に敷きパッド1の内部に熱がこもりにくくなるという効果を奏する。
これによって、夏季の使用時の蒸れを防止することができ、寝苦しさを解消することができる。
また、キルティング生地2を上下方向に押すような圧力の作用でメッシュ生地5に表地3及び裏地4が押し付けられた状態でも、表地3及び裏地4と、緯糸部5bとの間に隙間8が形成されるので、キルティング生地2に使用者の身体の重みが作用した状態でも、通気性を確保することができる。
また、敷きパッド1の全体としての厚みが2〜4mm程度と薄くされているので、使用の際の取り扱いが容易であるとともに、収納時には嵩低く折り畳んでコンパクトに収納可能であるという利点がある。
図3には、本発明の寝具の第2の実施形態に係る敷きパッドの要部断面図で、圧力非作用状態図(a)及び圧力作用状態図(b)がそれぞれ示されている。
なお、第2の実施形態の敷きパッド11において、第1の実施形態の敷きパッド1と同一又は同様のものについては、図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては、第2の実施形態の敷きパッド11に特有の部分を中心に説明することとする。
図3(a)に示される第2の実施形態の敷きパッド11においても、キルティング生地12は、表地13及び裏地14の間にメッシュ生地15を介在させてキルティング加工により接結してなり、該キルティング加工により、互いに隣り合うキルティング部6の間において、表地13が上向きに膨出されるとともに、裏地14が下向きに膨出されて、表地13とメッシュ生地15との間、及び裏地14とメッシュ生地15との間に、それぞれ空間7が形成されている。
表地13及び裏地14はいずれも、例えば、綿、麻、絹等の天然繊維や、アクリル、ポリエステル等の合成繊維、レーヨン等の再生繊維を材料として、通気性及び吸水性を有する表面が平坦な布からなるものである。
表地13及び裏地14の通気量や吸水性は、第1の実施形態における表地3及び裏地4と同様である。
メッシュ生地15は、通気孔の大きさが1〜20mm角(好ましくは2〜5mm角)となるように、例えば、ポリエチレン等の合成繊維からなる経糸15aと緯糸15bとを、例えば、平織りにより網状に織り成してなるものである。
以上に述べたような敷きパッド11によっても、該敷きパッド11を構成するキルティング生地12が、通気性を有する表地13及び裏地14の間にメッシュ生地15を介在させてキルティング加工により接結してなるものとされ、表地13及び裏地14とメッシュ生地15との間に空間7が形成されるので、第1の実施形態の敷きパッド1と基本的に同じ作用効果を得ることができる。
また、図4(c)に示されるように、第2の実施形態の敷きパッド11(図3(a)参照)における表面が平坦な布の表地13を、しじら織り布の表地3としたり、図4(d)に示されるように、第2の実施形態の敷きパッド11(図3(a)参照)における表面が平坦な布の表地13及び裏地14を、それぞれしじら織り布の表地3及び裏地4としたりすることができる。
このメッシュ生地25は、同じ太さの経糸25aと緯糸25bとを本目網や蛙又網等のように互いに結び合わせて結節部25cを形成してなるものであり、図5(b)に示されるように、該メッシュ生地25に表地3及び裏地4が押し付けられた状態でも、表地3及び裏地4と、経糸25a及び緯糸25bとの間に隙間8を形成することができるようになっている。
このメッシュ生地25を採用することによっても、キルティング生地2に使用者の身体の重みが作用した状態でも、通気性を確保することができる。
2,12 キルティング生地
3,13 表地
4,14 裏地
5,15,25 メッシュ生地
5a 経糸部
5b 緯糸部
7 空間
8 隙間
Claims (3)
- キルティング生地よりなる寝具において、キルティング生地は、通気性を有する表地及び裏地の間にメッシュ生地を介在させてキルティング加工により接結してなるものとし、表地及び裏地と、メッシュ生地との間に空間を形成したことを特徴とする寝具。
- 表地及び裏地の通気量が、それぞれ50cc/cm2/秒以上であることを特徴とする請求項1記載の寝具。
- メッシュ生地は、経糸部とその経糸部よりも細い緯糸部とが網状に編成されてなるものとし、キルティング生地への圧力の作用でメッシュ生地に表地及び裏地が押し付けられた状態でも、表地及び裏地と、緯糸部との間に隙間を形成するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の寝具。
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