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JP6336081B2 - トリアシルグリセロールが豊富な原料を変換するための並流断熱反応システム - Google Patents

トリアシルグリセロールが豊富な原料を変換するための並流断熱反応システム Download PDF

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Description

本明細書に記載の実施形態は、概して、トリアシルグリセロールを含有する植物性又は動物性脂肪含有油から留出燃料等の有用な炭化水素を製造することに関する。
作物、動物性脂肪、植物性廃油、動物由来廃油などから得られたトリアシルグリセロール含有油の水素化熱分解(hydrothermolysis)には、多くの化学反応が関わっている。一例として、いくつかの先行技術のプロセスでは、トリアシルグリセロール含有油を触媒を用いて水素化処理(hydrotreat)し、トリアシルグリセロール含有油中の不飽和脂肪鎖を直鎖パラフィンに変換すると同時に、酸基及びグリセリル基を脱酸素/脱炭酸して水、二酸化炭素及びプロパンを生成する。その後、(a)n−パラフィンをイソパラフィンに骨格異性化して、規格に適合したディーゼル燃料を製造するとともに、(b)ディーゼル範囲のn−パラフィン及びイソパラフィンを炭化水素に水素化分解して、規格に適合したジェット燃料を製造するという2つの下流プロセスが必要である。
例えば、特許文献1には、超臨界水状態にある圧縮熱水の存在下、トリアシルグリセロールをより小さい有機酸に変換する水素化熱分解プロセスが開示されている。上記プロセスでは、トリアシルグリセロール骨格の転位反応が起こる。この反応は、吸熱反応熱を提供する焼成炉内の水素化熱分解域で起こすことができる。焼成炉内では、水素化熱分解による中間生成物が高温の金属表面と接触してコークスが形成される。
米国特許第7,691,159号明細書
一態様によれば、本明細書に記載の実施形態は、植物、藻類、有機廃棄物又は動物資源に由来するトリアシルグリセロール含有油又は脂肪酸を原油前駆体及び/又は留出炭化水素燃料に変換する方法に関する。該方法は、均一系触媒水素化熱分解(hydrothermolysis)反応域と不均一系触媒水素化処理(hydrotreatment)域とを有する並流反応器に、水素、水及びトリアシルグリセロール含有油を供給する工程;上記トリアシルグリセロール含有油の少なくとも一部を上記水素化熱分解反応域で水素化熱分解して水素化熱分解反応生成物を生成する工程;上記水素化熱分解反応生成物を、成分分離を行うことなくそのまま上記触媒水素化処理域で水素化処理する工程;及び、上記触媒水素化処理域から流出物を回収する工程を含んでいてもよい。
別の態様によれば、本明細書に記載の実施形態は、トリアシルグリセロール含有油を原油前駆体及び/又は留出炭化水素燃料に変換するための反応器システムに関する。該反応器システムは、トリアシルグリセロール含有油の少なくとも一部を水素化熱分解して水素化熱分解反応生成物を生成するための均一系触媒水素化熱分解反応域と、上記水素化熱分解反応生成物を水素化処理するための不均一系触媒水素化処理域とを有していてもよい。
別の態様によれば、本明細書に記載の実施形態は、トリアシルグリセロール含有油を原油前駆体及び/又は留出炭化水素燃料に変換する方法に関する。該方法は、水素を水と混合して過熱混合水流を形成する工程;水素化熱分解断熱反応域と触媒断熱水素化処理域とを有する並流反応システムに上記混合水流を投入する工程;上記並流反応システムにトリアシルグリセロール含有油を投入する工程;水素化熱分解によって上記トリアシルグリセロールの少なくとも一部を変換するのに充分な反応条件下、第一の水素化熱分解断熱反応域で上記混合水流の第一の部分と上記トリアシルグリセロール含有油とを反応させて、イソオレフィン、イソパラフィン、シクロオレフィン、シクロパラフィン及び芳香族化合物を1以上含む水素化熱分解反応生成物を生成する工程;水素及び上記水素化熱分解反応生成物を第一の触媒断熱水素化処理域に供給して、上記反応生成物の少なくとも一部を水素化処理する工程;及び、水素化処理流出物を回収する工程を含んでいてもよい。
別の態様によれば、本明細書に記載の実施形態は、トリアシルグリセロール含有油を原油前駆体及び/又は留出炭化水素燃料に変換するためのシステムに関する。該システムは、水素を水と混合して水素/水混合物を得るための混合装置と、少なくとも1つの並流断熱反応システムとを有していてもよく、該並流断熱反応システムは、250℃〜約650℃の温度範囲で約75barを超える圧力下、上記水素/水混合物とトリアシルグリセロール含有油とを反応させて水素化熱分解流出物を得るための少なくとも1つの水素化熱分解反応域と、上記水素化熱分解流出物を水素化処理するための少なくとも1つの水素化処理域とを有する。
別の態様によれば、本明細書に記載の実施形態は、トリアシルグリセロール含有油を原油前駆体及び/又は留出炭化水素燃料に変換する方法に関する。該方法は、水及び水素を含む過熱混合水流を並流断熱反応システムに投入する工程;上記並流断熱反応システムにトリアシルグリセロール含有油を並流で投入する工程;及び、水素化熱分解及び水素化処理によって上記トリアシルグリセロールを変換するのに充分な反応条件下、複数の断熱反応域で上記混合水流と上記トリアシルグリセロール含有油とを反応させて、イソオレフィン、イソパラフィン、シクロオレフィン、シクロパラフィン及び芳香族化合物を1以上含む水素化処理流出物を得る工程を含んでいてもよい。
別の態様によれば、本明細書に記載の実施形態は、トリアシルグリセロール含有油を原油前駆体及び/又は留出炭化水素燃料に変換する方法に関する。該方法は、水素を水と混合して過熱混合水流を形成する工程;少なくとも第一の水素化熱分解反応域及び第二の水素化熱分解反応域を含む水素化熱分解反応域と、少なくとも第一の水素化処理反応域及び第二の水素化処理反応域を含む水素化処理反応域とを有する並流反応器システムに上記混合水流の第一の部分を投入する工程;上記並流反応システムにトリアシルグリセロール含有油を投入する工程;水素化熱分解によって上記トリアシルグリセロールの少なくとも一部を変換するのに充分な反応条件下、上記第一の水素化熱分解反応域で上記混合水流の第一の部分と上記トリアシルグリセロール含有油とを反応させて、イソオレフィン、イソパラフィン、シクロオレフィン、シクロパラフィン、芳香族化合物及び未反応のトリアシルグリセロール含有油を1以上含む第一の中間生成物を生成する工程;上記第一の水素化熱分解反応域と上記第二の水素化熱分解反応域との間で上記混合水流の第二の部分を上記第一の中間生成物と混合する工程;水素化熱分解によって上記第一の中間生成物の少なくとも一部を変換するのに充分な反応条件下、上記第二の水素化熱分解反応域で上記混合水流の第二の部分と上記第一の中間生成物とを反応させて、イソオレフィン、イソパラフィン、シクロオレフィン、シクロパラフィン及び芳香族化合物を1以上含む水素化熱分解生成物を生成する工程;上記第二の水素化熱分解反応域と上記第一の水素化処理反応域との間で、上記第二の水素化熱分解反応域から得られた上記水素化熱分解生成物を非加熱水素流の第一の部分と混合する工程;上記第一の水素化処理反応域で上記水素化熱分解生成物の一部を水素化処理して部分水素化処理物を生成する工程;上記第一及び第二の水素化処理反応域間で上記部分水素化処理物を上記非加熱水素流の第二の部分と混合する工程;上記第二の水素化処理反応域で上記部分水素化処理物を水素化処理して水素化処理物を生成する工程;及び、上記並流反応器システムから水素化処理流出物を回収する工程を含んでいてもよい。
以下の説明及び添付した特許請求の範囲から他の態様及び利点も明らかとなるであろう。
本明細書の実施形態に係る方法を簡略化したプロセスフロー図を表す。 本明細書の実施形態に係る別の方法を簡略化したプロセスフロー図を表す。 本明細書の実施形態に係る別の方法を簡略化したプロセスフロー図を表す。
一態様によれば、本明細書に記載の実施形態は、概して、再生可能な原料などから得られたトリアシルグリセロール含有油からパラフィン等の有用な炭化水素を製造することに関する。他の態様において、本明細書に記載の実施形態は、トリアシルグリセロール含有油を原油前駆体及び/又は留出炭化水素燃料に変換する方法及びシステムに関する。該方法は、典型的には触媒水素化熱分解、水素化処理及び分留を含む。
本明細書に記載の実施形態で有用なトリアシルグリセロール含有油を含む再生可能な原料としては、脂肪酸、飽和トリアシルグリセロール、及び、任意の植物、動物又は藻類などから得られたオレフィン結合を1以上有するトリアシルグリセロールが挙げられる。トリアシルグリセロール含有油としては、例えば、カメリナ(camelina)、カリナタ(carinata)、ヤトロファ(jatropha)、カランジャ(karanja)、モリンガ(moringa)、レスクエレラ(lesquerella)、フィサリア(physaria)、ヤシ、トウゴマ(castor)、綿、トウモロコシ、亜麻仁、落花生、大豆、ヒマワリ、アブラギリ、ババス(babassu)及びキャノーラ(canola)の少なくとも1種から得られる油;又は、シアバター、トール油、タロー、植物性廃油、藻油及びポンガミア(pongamia)の少なくとも1種から得られる少なくとも1種のトリアシルグリセロール含有油が挙げられる。
超臨界水状態での水素化熱分解には、例えば、以下に限定されないが、加水分解、環化、架橋、共役、熱分解、脱炭酸及びディールス・アルダー反応等の複数の異なる化学反応が含まれる。均一系触媒水素化熱分解では、トリアシルグリセロールの遊離脂肪酸の炭素数にもよるが、最大で約9重量%の水が消費され、全てではないにしても、グリセロール副産物(供給量の約10〜13重量%)の多くが更に脱水され、ガス又は部分脱酸素化合物に変換される。低分子量有機酸は、下流側の不均一系触媒水素化処理工程で水素化されて対応するパラフィンとなる。
トリアシルグリセロール含有油は、約250℃〜約650℃の温度範囲で約75bar超〜約250barの圧力下、水及びH(二原子水素)として供給される水素と反応させることで、均一系触媒水素化熱分解によってトリアシルグリセロールの少なくとも一部を、イソオレフィン、イソパラフィン、シクロオレフィン、シクロパラフィン及び芳香族化合物を1以上含む炭化水素又は炭化水素混合物に変換できる。いくつかの実施形態において、上記反応条件の温度及び圧力は、水の超臨界温度及び圧力を超える。その後、得られた反応流出物は、更に処理及び分離して炭化水素生成物を回収してもよい。
トリアシルグリセロール/水/水素混合物を得るために、トリアシルグリセロール含有油を任意の順番で水及び二原子水素と混合してもよいし、水及び二原子水素の混合物と混合してもよい。
均一系触媒水素化熱分解のための超臨界水水素化熱分解反応条件では、その場でプロトン性水素が生成される。例えば、特許文献1の仮説によれば、大豆油1モルにつき1.5モルのHが水から引き抜かれ、得られる炭化水素に添加される。二原子水素に換算して記載したが、その場で得られたプロトン性水素原子であれば、速やかに反応してトリアシルグリセロール由来のカルボン酸分子に組み込まれるであろう。本明細書の実施形態で用いる二原子水素の供給は、均一系触媒水素化熱分解反応器において水又は他の成分からその場で生成される任意の水素に追加するものであり、運転経費は追加でかかるものの、均一系触媒水素化熱分解反応器内での反応性が向上するとともに、得られる生成物のH/C比が増大するという利益が得られる。均一系触媒水素化熱分解反応条件及びトリアシルグリセロール含有原料の組成に依存することからその場で単原子水素を生成するだけでは得ることができないプロセス性能を制御する独立した手段も、外部から二原子水素を供給することで得られる。全体として、超臨界水及び再生可能な油原料と共に外部から二原子水素を均一系触媒水素化熱分解反応器に加えることによって、その場で生成した単原子水素だけの場合と比べて異なるプロセス、異なる反応機構及び向上した性能が得られる。
均一系触媒水素化熱分解反応器に外部から二原子水素を同時供給する別の利点としては、均一系触媒水素化熱分解反応時に生成したフリーラジカルを安定化して、オリゴマー物質及び/又はポリマー物質の生成を防ぐという水素キャッピング効果が挙げられる。上記物質は、コークス、コークス前駆体又はコークス沈着物と呼ばれることが多く、上記フリーラジカルが安定化されずに縮合した場合に生成されるものである。このように、二原子水素を外部から同時供給することによって、二原子水素ガスを同時供給しないプロセスと比較して生産中の操作性が向上する。
いくつかの実施形態では、トリアシルグリセロール/水/二原子水素混合物を得るために、最初にトリアシルグリセロール含有油を水と混合してトリアシルグリセロール/水混合物を得る。その後、得られたトリアシルグリセロール/水混合物を二原子水素と混合してトリアシルグリセロール/水/二原子水素混合物を得る。
上記トリアシルグリセロール/水/二原子水素混合物は、水:トリアシルグリセロール質量比が、いくつかの実施形態では約0.001:1〜約1:1の範囲であってもよく、別の実施形態では約0.01:1〜約1:1の範囲であってもよく、更に別の実施形態では約0.1:1〜約1:1の範囲であってもよい。
上記トリアシルグリセロール/水/二原子水素混合物は、二原子水素:トリアシルグリセロール質量比が、いくつかの実施形態では約0.001:1〜約1:1の範囲であってもよく、別の実施形態では約0.005:1〜約0.5:1又は1:1の範囲であってもよく、別の実施形態では約0.01:1〜約0.5:1の範囲であってもよく、更に別の実施形態では約0.1:1〜約0.5:1の範囲であってもよい。いくつかの実施形態において、上記二原子水素:トリアシルグリセロール質量比は約0.1:1〜約0.2:1の範囲であってもよい。いくつかの実施形態において、全二原子水素供給率は、均一系触媒水素化熱分解に加えて、不均一系触媒水素化処理等の近接した下流処理工程において必要な水素の一部又は全部を供給するのに充分なものであってもよい。
上記トリアシルグリセロール/水/水素混合物は、水:トリアシルグリセロール質量比が、いくつかの実施形態では約0.001:1〜約1:1の範囲であってもよく、別の実施形態では約0.01:1〜約1:1の範囲であってもよく、更に別の実施形態では約0.1:1〜約1:1の範囲であってもよい。
上記水/水素混合物は、水素:水質量比が、いくつかの実施形態では約0.005:1〜約500:1の範囲であってもよく、別の実施形態では約0.1:1〜約250:1の範囲であってもよく、更に別の実施形態では約5:1〜約50:1の範囲であってもよい。
その後、均一系触媒水素化熱分解反応流出物は、同じ反応器などにおいて、水、未反応の二原子水素又は他の軽質ガス副産物を途中で分離することなく、不均一系触媒を用いてそのまま触媒水素化処理することによって、更に留分範囲の炭化水素を生成し、及び/又は、反応流出物中の前駆体を留分範囲の炭化水素に変換することができる。均一系触媒水素化熱分解によって原油が得られ、この原油は、インフラに対応した有用な留出燃料に変換するためには不均一系触媒による触媒水素化処理を必要とする。不均一系触媒水素化処理プロセスは、500〜2000+psigなどの高圧下、ヘテロ原子除去反応と二重結合飽和化反応の両方に活性を有する担持触媒を用いて実施できる。また、化学量論的必要量以上の過剰流量の二原子水素ガスが必要であり、均一系触媒水素化熱分解に由来する原油原料の場合、再生可能な原料の種類及び均一系触媒水素化熱分解反応条件にもよるが、1000〜2000scf/bblの範囲であってもよい。過剰量の二原子水素ガスが必要であるのは、(a)所望の水素化処理反応を高変換度にするため、及び、(b)高熱の水素化処理反応によりもたらされる制御困難な発熱を制御するヒートシンクを提供するためである。断熱的な温度上昇、すなわち、水素化処理触媒床を挟んで反応物投入流から生成物流出流へと上昇する温度上昇量は、水素消費量1000標準立方フィート当たり約180〜200°Fに達し得る。均一系触媒水素化熱分解反応器に外部から二原子水素を同時供給する利点として、上述の通り、均一系触媒水素化熱分解反応器自体での反応を促進できることに加えて、均一系触媒水素化熱分解反応器からの流出物ガス流に含まれる二原子水素によって、下流側の不均一系触媒による触媒水素化処理反応器に必要な二原子水素ガス供給量の一部又は全部を提供できることが挙げられる。
いくつかの実施形態において、上記トリアシルグリセロール含有油は、均一系触媒水素化熱分解後、均一系触媒水素化熱分解域又は不均一系触媒水素化処理域のいずれかで他の炭化水素原料(例えば、常圧軽油(AGO)、減圧軽油(VGO)、又は、石油、シェールオイル、タールサンド、石炭液化油若しくは有機廃油等に由来する他の原料)と同時処理してもよい。有機廃油の例としては、一般廃棄物(municipal solid wastes)、下水汚泥固形物、クラフト工場廃液、飲食店廃油脂及び使用済み植物油の少なくとも1種から選択してもよい。並流断熱反応器内では水素化熱分解反応及び水素化処理反応の両方が起こる。
水素化処理後、続いて水素化処理流出物を処理して、水素化処理流出物から水、未反応の二原子水素及び軽質ガスを分離したり、炭化水素を1以上の炭化水素留分(例えば、ナフサ、ディーゼル又はジェット燃料の範囲で沸騰する炭化水素留分)に分留したりしてもよい。その後、水及び二原子水素は、上述の通りトリアシルグリセロール含有油と混合するために再利用してもよい。
トリアシルグリセロールから炭化水素を製造する反応は、主として、水を均一系触媒として使用し、且つ、約250℃〜約650℃の範囲、いくつかの実施形態では約350℃〜約550℃の範囲、別の実施形態では約425℃〜約525℃の範囲の反応温度で行う1以上の水素化熱分解反応であってもよい。反応条件としては、75barを超える圧力、別の実施形態では140barを超える圧力、別の実施形態では218barを超える圧力、いくつかの実施形態では約75〜約300barの圧力、別の実施形態では約165〜約250barの圧力も挙げられる。温度及び/又は圧力条件は、水の臨界温度及び/又は圧力を超えるように選択してもよい。全ての実施形態において、上記均一系触媒水素化熱分解反応は、無機不均一系触媒又は可溶性金属触媒等の追加の触媒の非存在下で実施してもよい。
図1には、本明細書の実施形態に係るトリアシルグリセロール含有油を原油前駆体及び/又は留出炭化水素燃料に変換する方法を簡略化したプロセスフロー図を示す。補給水素又は新しい水素14aと、存在する場合は再利用水素14bとを焼成炉20に供給できる。ここでの「水素」とは、二原子水素又は水素分子を意味する。超高純度Hも使用できるが、実際には、メタン、エタン、場合によってはCOx等の希釈剤がHに含まれることになる。補給Hは、純度が90パーセント台と高いH豊富な流れであることが望ましい。再利用水素は、再利用流を再圧縮するサイズ及びコストの制限から、これより低い純度であってもよい。石油の水素化処理の場合、典型的には85〜95体積%という濃度が考えられる。ボイラー供給水10も、別のパイプコイルで焼成炉20に供給してもよい。ひとまとめにした(補給+再利用)水素流14は、例えば221barを超える圧力まで圧縮してから焼成炉20に投入してもよい。水10も、例えば221barを超える圧力までポンプで圧縮してから焼成炉20に投入してもよい。加熱された水素16は、例えば500℃を超える温度で焼成炉20から排出されてもよい。加熱された水12も、例えば500℃を超える温度で焼成炉20から排出されてもよい。いくつかの実施形態では、水10を水素14と混合してから、通常のパイプコイルで焼成炉に投入してもよい。加熱水12及び加熱水素16のエンタルピーによって、均一系触媒水素化熱分解反応、特に遊離脂肪酸及びグリセロールを生成する加水分解反応における吸熱の大部分が供給される。加熱水素16及び加熱水12の温度及び流量は、エンタルピー要件を満たすように設定される。水素/水比は、エンタルピー要件を満たす上で必要な各流れの温度に影響を与え得る。水素/水比を変化させることによって、反応速度論的及び反応化学量論的要件を満たしつつエンタルピー要件に対処できる。加熱水素16を加熱水12と混合して水/水素加熱混合物22を得、その一部を並流断熱反応器24の頂部に供給してもよい。水素と水の混合は、T字合流配管、撹拌容器、インラインミキサー又は当業者に公知の他の混合装置等の混合装置で行うことができる。
また、トリアシルグリセロール含有油2も反応器24に提供される。水/水素加熱混合物22及びトリアシルグリセロール含有油2は、反応器24の頂部に投入され、そこで所望の断熱床投入温度で混合、平衡化される。図示した通り、反応器24は下降流式並流断熱反応器であるが、他の種類の並流反応器も使用できる。反応器24は、該反応器24の上部に少なくとも第一の不活性固体床26aを有していてもよく、そこでは均一系触媒水素化熱分解反応が起こる。いくつかの実施形態では、図示した通り、第二の不活性固体床26b等、複数の不活性固体床26を使用してもよい。不活性固体床26によって、熱移動、物質移動及び混合が促進される。また、反応器24は、該反応器24の下部に少なくとも第一の不均一系水素化処理触媒床28aを有していてもよい。いくつかの実施形態では、図示した通り、第二の水素化処理床28b等、複数の不均一系水素化処理触媒床28を使用してもよい。不活性固体床26及び水素化処理床28の数は、具体的なトリアシルグリセロール含有油について目標とする化学反応の速度、及び、具体的なトリアシルグリセロール含有油について目標とする化学反応を完了するための滞留時間要件によって決まる。図1には、直径が単一である反応容器が1つだけ図示されているが、それぞれ直径の異なる様々な部分を有する反応器を用いて空塔速度を調節できる他の実施形態も想定される。後者の場合、各域での乱流度及び滞留時間の両方に影響が出ることとなる。
図2に示すような別の実施形態において、反応器24は、第一の反応器56と第二の反応器58など、下降流式並流断熱反応器を2以上有していてもよい。図1及び図2において、同様の参照番号は同様の部材を示す。第一の反応器56は、該第一の反応器26の上部に第一の不活性固体床26aを有していてもよく、そこでは均一系触媒水素化熱分解反応が起こる。いくつかの実施形態では、図示した通り、第二の不活性固体床26b等、複数の不活性固体床26を使用してもよい。不活性固体床26によって、熱移動及び混合が促進される。第二の反応器58は、該第二の反応器58の上部に少なくとも第一の水素化処理床28aを有していてもよい。いくつかの実施形態では、図示した通り、第二の水素化処理床28b等、複数の水素化処理床28を使用してもよい。図2には、直径が単一である反応器56及び58のみが図示されているが、それぞれ直径の異なる様々な部分を有する反応器56及び58を用いて空塔速度を調節できる他の実施形態も想定される。後者の場合、各域での乱流度及び滞留時間の両方に影響が出ることとなる。
第一の不活性固体床26aにおいて、トリアシルグリセロール含有油2の均一系触媒水素化熱分解反応を実施できる。第一の床26aにおける水素化熱分解反応は吸熱性であってもよく、第一の不活性固体床26aを通過すると、反応物及び生成物の温度が低下してもよい。第一の不活性固体床26の底部に水/水素加熱混合物22の一部30を投入して、部分的に変換されたトリアシルグリセロール含有油の温度を上昇させてから、水素化熱分解反応が起こる第二の不活性固体床26bに投入してもよい。第二の床26bにおける水素化熱分解反応は、第一の床26aで起こる反応よりも発熱性が高いものであってもよく、第二の不活性固体床26bの底部直近の温度を約490℃〜約510℃の範囲に上昇させるものであってもよい。
不活性固体床26はある反応条件で保持されてもよく、流量は、トリアシルグリセロールの少なくとも一部を留出炭化水素又はその前駆体に変換するのに充分な時間となるように調整してもよい。反応条件は、温度が約250℃〜約650℃の範囲であり、圧力が少なくとも75barであってもよい。不活性固体床26でトリアシルグリセロールを変換するのに必要な滞留時間は、反応条件及び使用する特定のトリアシルグリセロール含有油によって異なる。いくつかの実施形態において、不活性固体床26での滞留時間は約1秒〜約10分の範囲、例えば約3分〜約6分の範囲であってもよい。また、上記水素化熱分解反応はいくつかの発熱反応を含んでいてもよく、この場合、更に熱が供給されることにより、必要な反応温度条件を保持でき、且つ、外部入熱要件を低減できる。いくつかの実施形態では、水供給ライン(図示せず)を1以上設けて、不活性固体床26における発熱及び温度又は温度プロファイルを制御してもよい。
不活性固体床26におけるトリアシルグリセロールの反応後、続いて水素化熱分解流出物を水素化処理床28に送って更に処理してもよい。水素化処理床28は、上記水素化熱分解流出物の少なくとも一部を留出炭化水素に変換する水素化変換触媒を含有していてもよい。
第二の不活性固体床26bから得られた流出物は、非加熱水素32を利用して望ましい触媒水素化処理床温度(例えば約300℃〜約400℃)まで冷却してから、第一の水素化処理床28aに投入してもよい。また、場合によっては、第二の不活性固体床26bから得られた流出物は、水素/水混合流52との直接熱交換を利用して望ましい触媒水素化処理床温度(例えば約300℃〜約400℃)まで加熱してから、第一の水素化処理床28aに投入してもよい。非加熱水素の第一の部分32aを第二の不活性固体床26b下に投入して、水素化熱分解流出物を冷却してもよい。第一の水素化処理床28aにおける反応は、例えばトリアシルグリセロールが豊富な原料のアシル骨格のオレフィン結合の飽和化など、発熱性のものである。得られる温度上昇は、最大で約425℃に制限するのが望ましく、この温度は、第一の水素化処理床28aと第二の水素化処理床28bとの間に非加熱水素の第二の部分32bを投入することにより、反応流温度を約300〜約400℃の範囲内に低下させることによって達成できる。図面には触媒水素化処理断熱床が2つ図示されているが、それ以上又は以下の床が必要な場合もある。断熱床の正確な数及びクエンチ要件は、例えば、所定の原料についてベンチスケール試験ユニットで得られた反応速度を用いて触媒水素化処理反応をシミュレーションすることによって決定してもよい。
上記均一系触媒水素化熱分解システム及び上記不均一系触媒水素化処理システムは、「近接した(close−coupled)」配置であってもよく、この場合、不活性固体床26から得られた流出物が、相分離されることなく(水、油及び二原子水素を分離することなく)水素化処理床28へ送られる。いくつかの実施形態において、水素化熱分解反応工程で得られた流出物は、自生圧力下、すなわち、配管や原料−流出物間熱交換器において流れにより生じる通常の圧力低下が原因のものを除いて、水素化熱分解と水素化処理との間で一切圧力を降下させることなく、水素化処理システムへ送られてもよい。また、水素化熱分解反応器に二原子水素が供給されるので、水素化処理のために二原子水素を追加する必要がほとんど又は全くなく、したがって水素の圧縮又は再圧縮は必要最低限で済むか又はその必要が全くない。圧力、二原子水素:トリアシルグリセロール比及び空間速度等の反応条件を適合させることで、二原子水素が反応システム全体に運ばれるため、コークス化率の抑制、熱効率の上昇、コストの低減など、システム性能を向上させることができる。
その後、水素化処理床28から得られた流出物34は、反応生成物を分離、回収するために流出物処理システム36に供給してもよい。例えば、得られた炭化水素は、図示した通り、ナフサ38、ディーゼル41又はジェット燃料40及び減圧軽油(VGO)42の範囲で沸騰する留出炭化水素等の2以上の留分に分留してもよい。いくらかオフガス44が生成されることもある。また、流出物処理システム36によって、炭化水素から水及び水素を分離してもよい。余分な水素は回収し、再利用水素14bとしてもう一度再利用することもできる。CO、CO、CH等の不要な成分は、蓄積されて水素純度を望ましくない程度にまで低下させてしまうので、パージにより除去することが必要な場合もある。
上述の通り、不活性固体床26から得られた流出物は、自生圧力下、すなわち、配管や原料−流出物間熱交換器において流れにより生じる通常の圧力低下が原因のものを除いて、水素化熱分解と水素化処理との間で一切圧力を降下させることなく、水素化処理床28へ送られるように近接していてもよい。このような実施形態では、水素化処理床28と流出物処理システム36との間に圧力降下バルブ(図示せず)を設けて、1以上の降下工程で圧力を自生圧力(例えば水の超臨界圧以上)から水の超臨界圧未満の圧力(例えば大気圧)まで低下させてもよい。また、圧力降下システムによって、軽質ガス(二原子水素を含む)、水及び炭化水素の初期相分離を行ってもよい。
いくつかの実施形態では、流出物34を熱交換器50へ送って冷却すると同時にトリアシルグリセロール含有油2を予熱し、その後に流出物34を流出物処理システム36へ送ってもよい。また、場合によっては、流出物34をクエンチしてから、水素流54によって熱交換器に投入してもよい。
例えば水素化熱分解反応器18でC20+炭化水素を製造する場合など、更に留分範囲の燃料を製造するために、VGO留分42の一部又はディーゼルより重質の他の炭化水素留分を反応器24に戻して再利用して、不活性固体床26内などで追加処理してもよい。
図1の実施形態で記載した通り、水素化処理前に水素化熱分解流出物の相分離又は分離という中間処理は行わないが、水素化熱分解流出物は同じ反応器で更に処理してもよい。水素化熱分解工程及び水素化熱分解流出物流全体の水素化処理反応域への供給は、中間分離を行わない近接システムにおいて実施される。当業者は、担持触媒の活性金属が可溶化又はか焼されると予想して、そのような近接システムは技術的に実現不可能であると考えるかもしれない。しかしながら、数百時間にわたるパイロットプラント運転中、高濃度の水及び有機酸(すなわち、典型的な石油原料で通常用いられるよりもかなり高い濃度の含酸素化合物)の存在下であっても、触媒活性を保持できることが分かった。このように、水、炭化水素、遊離脂肪酸、アルコール及び未変換のトリアシルグリセロールを水素化処理域に直接投入することで、所望の留出燃料を製造するのに必要な単位操作及び処理工程を著しく低減できる。
追加の炭化水素原料をトリアシルグリセロール含有油2と同時処理してもよい。追加の炭化水素原料は、トリアシルグリセロール含有油2と共に反応器24に供給してもよい。例えば再生不能な炭化水素原料として、特に、石油留分、シェールオイル留分、タールサンド由来留分、石炭ガス化副産物油及び石炭熱分解油の1以上が挙げられる。必要に応じて、触媒を最も活性の高い状態で保持するために、例えば好適な炭化水素溶媒に溶解させたジメチルジスルフィド等の硫黄含有化合物を断続的又は連続的に水素化処理床28にいくらか供給してもよい。
別の実施形態では、図3に示す通り、反応器24の床26bから得られた流出物流68は、第一の熱交換器50及び第二の熱交換器53で連続して冷却してから、オレフィン飽和化反応器84に導入してHが豊富なガス流69と接触させてもよい。反応器84は、遊離脂肪酸のアルキル骨格のオレフィン結合の飽和化に対して活性及び選択性を有する好適な水素化触媒を含有する下降流式並流断熱触媒床を2以上有していてもよい。オレフィン飽和化反応は、約150℃〜約232℃の範囲にわたって進行し得る。オレフィン飽和化反応は発熱性であるため、温度が上昇する。水素流69の量を制御することによって、反応器84の触媒床出口を約260℃未満、好ましくは約232℃未満に保持できる。触媒床が複数の場合(図示せず)、流れ69から分離した水素を触媒床間に導入して床温度プロファイルを制御してもよい。反応器84を作動させる際の圧力は、上流側水素化熱分解反応器システムの自生圧力が熱交換器50及び53での水力損失によって減少したものであってもよい。他の実施形態では、圧力制御弁71によってシステム圧を低下させてもよい。また、制御弁71は、固定オリフィス、タービン又は他の圧力降下装置を1以上有していてもよい。
流出物流61は、熱交換器53で加熱して水素化脱酸素反応器55に導入して、水素が豊富なガス流70と接触させてもよい。反応器55は、遊離脂肪酸の水酸基及びカルボニル基の他、反応器投入流62に含まれるアルコール、ケトン又はアルデヒドを水素化脱酸素することによるパラフィンの生成に対して活性及び選択性を有する好適な水素化触媒を含有する下降流式並流断熱触媒床を2以上有していてもよい。水素化脱酸素反応は、約315℃〜約400℃の範囲にわたって進行し得る。水素化脱酸素反応は発熱性であるため、温度が上昇する。水素流70の量を制御することによって、反応器55の触媒床出口を385℃未満、好ましくは357℃未満に保持できる。触媒床が複数の場合(図示せず)、流れ70から分離した水素を触媒床間に導入して床温度プロファイルを制御できる。流出物流63は、第一の熱交換器51及び第二の熱交換器86で連続して冷却された後、低温高圧セパレータ57に供給され、そこで水素が豊富な高圧ガス流75、水素化処理液体生成物流67及び水性生成物流66という3つの流れが回収される。
不活性固体床26としては、熱分解、水素化熱分解又は水素化処理反応に対する化学変換活性をほとんど又は全く示さず、且つ、ひどい圧力低下をもたらすことなく反応物と生成物との混合を促進する幾何的特性を有するアルミナ、アランダム、セラミック、発泡体、砂、溶融ガラス、ワイヤ、メッシュ、ロッド、チューブの1以上が挙げられるが、これらに限定されない。他の実施形態において、不活性固体床26は内容物を何も含んでいなくてもよい。
水素化処理床28で有用な触媒としては、炭化水素原料を水素化処理又は水素化分解するのに使用できる触媒が挙げられる。いくつかの実施形態において、水素化処理触媒は、水素化処理原料に含まれる酸素結合を効果的に水素化脱酸素及び/又は脱炭酸し、流出物34の有機酸濃度を低減又は排除するものであってもよい。いくつかの実施形態では、水素化処理触媒によって有機酸の99%超、99.9%超又は99.99%超を変換できる。
有用であり得る水素化処理触媒としては、触媒水素化活性を与えることが知られている元素から選択される触媒が挙げられる。通常、8〜10族元素及び/又は6族元素から選択される少なくとも1種の金属成分が選択される。6族元素としては、クロム、モリブデン及びタングステンが挙げられる。8〜10族元素としては、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金が挙げられる。触媒中の水素化成分量は、全触媒100重量部当たりの金属酸化物として換算した場合、8〜10族の金属成分が約0.5重量%〜約10重量%の範囲であり、6族の金属成分が約5重量%〜約25重量%の範囲であることが好適である。なお、ここでの重量パーセントは硫化前の触媒重量に基づく。触媒中の水素化成分は、酸化物型及び/又は硫化物型であってもよい。少なくとも6族及び8族金属成分の組み合わせが(混合)酸化物として存在する場合、硫化処理を行った後に水素化分解において適切に使用することとなる。いくつかの実施形態において、上記触媒は、ニッケル及び/又はコバルトの1以上の成分、及び、モリブデン及び/又はタングステンの1以上の成分、又は、白金及び/又はパラジウムの1以上の成分を含む。ニッケル及びモリブデン、ニッケル及びタングステン、白金及び/又はパラジウムを含有する触媒が有用である。
いくつかの実施形態において、水素化処理床28は、水素化処理触媒を含有する第一層と水素化分解触媒を含有する第二層など、触媒床又は層を2以上含んでいてもよい。
いくつかの実施形態において、上記層状触媒システムは、減圧軽油(VGO)範囲の水素化熱分解生成物又は追加原料を水素化分解してディーゼル範囲又はそれより軽質の炭化水素とするのに適した水素化分解触媒の床を含む触媒下層を有していてもよい。また、使用する水素化分解触媒は、水素化熱分解反応器で生成されたアルキル芳香族化合物の脱芳香族化を最小限にする又は低減するように選択してもよい。本明細書の実施形態で使用できるVGO水素化分解触媒としては、低酸性度ゼオライトに担持された1以上の貴金属が挙げられ、該ゼオライトの酸性度は触媒粒子全体に広く分布している。例えば、本明細書の実施形態では、米国特許第4990243号明細書、米国特許第5069890号明細書、米国特許第5071805号明細書、米国特許第5073530号明細書、米国特許第5141909号明細書、米国特許第5277793号明細書、米国特許第5366615号明細書、米国特許第5439860号明細書、米国特許第5593570号明細書、米国特許第6860986号明細書、米国特許第6902664号明細書及び米国特許第6872685号明細書に記載された触媒を1以上使用してもよい。上記文献はそれぞれ、記載された水素化分解触媒について参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、VGO水素化分解が行われると、重質炭化水素が水素化分解されて消滅することにより、最終的な炭化水素生成物しかディーゼル範囲及びそれより軽質の炭化水素を含まないこともある。
当業者であれば、各種の触媒層は、単一の触媒のみから構成されなくてもよく、該層について最適な金属又は残留炭素除去及び脱酸素が達成されるように異なる触媒の混合物から構成されてもよいことが理解できよう。上記領域の下部では、いくらかオレフィン結合の水素化が起こることとなるが、主に上層では、酸素、窒素及び硫黄の除去が起こり得る。更に金属の除去が起こるのも明らかである。各層に対して選択される特定の触媒又は触媒混合物、上記領域における層数、各層の床での体積比及び選択される特定の水素化処理条件は、そのユニットで処理される原料、回収される所望の生成物、及び、触媒コスト等の商業的な観点によって決定される。これらのパラメータは全て、石油加工業に従事する者の技術範囲内であり、ここでは更に詳細を必要としないはずである。
上述の通り、本明細書の実施形態に係る方法は、トリアシルグリセロール含有油を原油前駆体及び/又は留出炭化水素燃料に変換する。いくつかの実施形態において、該方法は、均一系触媒水素化熱分解反応域と不均一系触媒水素化処理域とを有する並流反応器に、水素、水及びトリアシルグリセロール含有油を供給する工程を含んでいてもよい。上記反応器は、トリアシルグリセロール含有油の少なくとも一部を均一系触媒水素化熱分解反応域で水素化熱分解して水素化熱分解反応生成物を生成するのに適した条件、及び、水素化熱分解反応生成物を不均一系触媒水素化処理域で水素化処理するのに適した条件で作動させてもよい。その後、触媒水素化処理域から反応流出物を回収してもよい。
均一系触媒水素化熱分解反応域及び不均一系触媒水素化処理域は、断熱反応域である。また、これらの反応域は、同一の反応器、例えば下降流式並流反応器等の並流反応器内に含まれていてもよい。
均一系触媒水素化熱分解反応域は、混合を促進する不活性固体の床を1以上有していてもよい。均一系触媒水素化処理域は、水素化処理触媒を含有する触媒床を1以上有していてもよい。温度及び反応物濃度を制御するために、並流反応器の1以上の均一系触媒水素化熱分解反応域の間、1以上の不均一系触媒水素化処理域の間、及び、水素化熱分解反応域と水素化処理域との間に水素及び水の少なくとも一方を供給してもよい。
本明細書の実施形態はまた、トリアシルグリセロール含有油を原油前駆体及び/又は留出炭化水素燃料に変換するための反応器システムに関する。該反応器システムは、トリアシルグリセロール含有油の少なくとも一部を水素化熱分解して水素化熱分解反応生成物を生成するための均一系触媒水素化熱分解反応域と、水素化熱分解反応生成物を水素化処理するための不均一系触媒水素化処理域とを有していてもよい。均一系触媒水素化熱分解反応域と不均一系触媒水素化処理域とは、同一の反応器内で流体連結しており、断熱反応域を1以上有していてもよい。水素化熱分解反応域は、混合を促進する不活性固体の床を1以上有しており、触媒水素化処理域は、水素化処理触媒を含有する床を1以上有していてもよい。触媒水素化処理域は、例えば、水素化活性を有する触媒を含有する第一の触媒床と、水素化分解活性を有する触媒を含有する第二の触媒床とを有していてもよい。
複数の不活性固体床26と複数の水素化処理床28とを有する単一の反応器を参照して上述のシステムを説明したが、上記反応域は、直列又は並列に配置された2以上の反応器を構成していてもよい。同様に、予備のコンプレッサ、フィルタ、ポンプ等を使用してもよい。さらに、コンプレッサは一段コンプレッサであっても多段コンプレッサであってもよく、いくつかの実施形態において、該コンプレッサは、プラント配置に応じて、連続した各段階で単一のガス流を圧縮するのに使用してもよいし、別々のガス流を圧縮するのに使用してもよい。
図1を参照して上述した通り、様々な炭化水素留分を回収するために分留装置を使用してもよい。水素化処理床28が水素化分解触媒の床又は層を含む場合、重質炭化水素の生成を低減又は排除できる。このような実施形態の場合、分留装置を使用してディーゼル留分を塔底物として回収でき、VGO等の重質炭化水素を再利用する必要はない。VGOが生成される場合は、上述の通り再利用してもよいし、低硫黄燃料油製品として回収してもよい。
上述の通り、本明細書に記載の方法は、トリアシルグリセロール含有油を原油前駆体及び/又は留出炭化水素燃料に変換するためのシステム又は装置において実施してもよい。該システムは、トリアシルグリセロール含有油原料を水及び水素と混合するための混合装置を1以上有していてもよい。例えば、該システムは、トリアシルグリセロール含有油原料を水と混合して油/水混合物を得るための第一の混合装置と、上記油/水混合物を水素と混合して原料混合物を得るための第二の混合装置とを有していてもよい。
炉20は、例えば、電気加熱炉であってもよいし、天然ガス、合成ガス又は軽質炭化水素ガス(例えば、断熱反応器で生成され、回収されるもの)等の燃料ガスを燃料とする炉であってもよい。反応条件は、ポンプ、コンプレッサ及び熱交換器を1以上使用して達成できる。その後、反応流出物中の炭化水素から水及び水素を分離するためにセパレータを使用してもよい。
上記システムはまた、セパレータから回収された水素を圧縮するためのコンプレッサや、圧縮した水素及び/又は回収した水を、水素を混合するための混合装置又は水を混合するための混合装置で再利用するための1以上の流体導管を有していてもよい。
上記システムはまた、水素化処理流出物中の炭化水素を分留して、ナフサ、ジェット燃料又はディーゼル範囲で沸騰する炭化水素留分を1以上形成するための分留装置を有していてもよい。
断熱反応器中での反応温度及び発熱を制御するために、上記システムは、均一系触媒水素化熱分解反応器床に水を投入するための流体導管を1以上有していてもよい。
上述の通り、本明細書に記載の実施形態によれば、再生可能な原料をインフラに対応した留出燃料に変換する方法が提供される。例えば、いくつかの実施形態において、回収したジェット燃料留分は、mgKOH/gで表される全酸価が0.1未満、他の実施形態では0.015mgKOH/g未満、他の実施形態では0.010未満であり得る。ジェット燃料留分は、いくつかの実施形態において、オレフィン含量が約5体積%未満であり、芳香族化合物含量が約25体積%未満であり得る。特にこれらの特性のおかげで、本明細書の実施形態で製造されたジェット燃料及び/又はディーゼル留分は、ブレンドすることなくそのままエンジン燃料として使用できる。いくつかの実施形態において、水素化処理反応域から回収した炭化水素液体生成物を全て、軍用、ASTM、EN、ISO等の燃料規格を満たす留出燃料を製造するために使用してもよい。
上記方法は、商業規模で経済的に実現可能な方法で実施できる。本明細書の実施形態によれば、触媒付着に関連した操作性の問題に阻まれることなく、経済的に魅力的な方法でトリアシルグリセロール含有油変換時の熱効率を最大化できる。均一系触媒水素化熱分解プロセスでは、上部の不活性固体含有床で水(例えば、供給した水の約5%)が消費されてもよい。水素化処理床では、上流側の均一系触媒水素化熱分解反応システムで水素化熱分解反応により消滅しなかったグリセロール中間生成物を、近接した不均一系触媒水素化処理反応システムで更に触媒を用いて水素化し、プロパンに変換してもよい。水素化処理工程で水素が消費されるので、生成物の平均比重は、例えば約0.91から約0.81に減少し得る。脱炭酸反応によってCOxが生成され、この炭素の損失によって、液体生成物の質量収率が減少し、容積収率も同等に低下し得る。実際の粗収率は、水素化熱分解/水素化処理プロセスをどのように実施するかにもよるが、約75%〜約90%の範囲、例えば約80%〜84%の範囲となり得る。
本明細書に記載の方法によってナフサ、ジェット燃料及びディーゼル燃料を製造できる。高沸点ガスオイル製品を製造することもでき、そのような製品は、炭素数17〜24の沸点範囲の高水素含量の高品質パラフィンを含んでいてもよい。これらのより重質な炭化水素は、更に処理してナフサ、ジェット燃料及びディーゼル範囲製品を製造するために並流断熱反応器の水素化熱分解床で再利用してもよい。燃料ガス(オフガス)が生成する場合もあるが、いくつかの実施形態では、プロセス加熱又は水素製造に使用してもよいし、個別の製品(LPG、エチレン、プロピレン、n−ブタン、イソブタン等)として回収してもよい。別の実施形態において、これらのより重質な炭化水素は、更に処理してナフサ、ジェット燃料及びディーゼル範囲製品を製造するために、選択的な水素化分解触媒を含有する触媒水素化処理床で再利用してもよい。
本明細書の実施形態で製造された燃料は、シクロパラフィン及び芳香族化合物を含有し、高密度であり、高エネルギー密度であり、良好な低温特性(凝固点、曇点、流動点及び粘度)を有し、本来の潤滑性(natural lubricity)を有し、石油留分と類似した広範囲の炭化水素種及び分子量を有し、及び/又は、良好な熱安定性を有し得る。したがって、これらの燃料は、対応する石油系燃料の忠実な「ドロップイン」類似体として、ブレンドすることなく現在の石油規格を満たすことができる。
中間生成物を分離することなく、均一系触媒水素化熱分解反応と不均一系触媒水素化処理反応システムとが近接しているという点に独自性があり、それにより多くのプロセス的及び経済的利点が得られる。例えば、利点としては、金属壁の温度が高いとコークス化が促進され得る焼成炉域で起こる反応を排除できること、水素化熱分解生成物の冷却工程並びにガス、オイル及び水成分の分離工程を排除できること、酸性水の製造及び処理を排除できること、水素化処理原料に対して追加の液体ポンピング、ガス圧縮及び熱交換操作を排除できること、熱損失を低減できること、及び/又は、電力消費を低減できることが挙げられる。
本明細書には限られた数の実施形態しか記載されていないが、本明細書の恩恵を受ける当業者であれば、本明細書の範囲を逸脱しない他の実施形態も想到されることを理解するであろう。したがって、本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。

Claims (42)

  1. 植物、藻類、有機廃棄物又は動物資源に由来するトリアシルグリセロール含有油又は脂肪酸を原油前駆体及び/又は留出炭化水素燃料に変換する方法であって、
    均一系触媒水素化熱分解反応域と不均一系触媒水素化処理域とを有する並流反応器に、水素、水及び、トリアシルグリセロール含有油又は脂肪酸を供給する工程;
    上記トリアシルグリセロール含有油又は脂肪酸の少なくとも一部を上記均一系触媒水素化熱分解反応域で水素化熱分解して水素化熱分解反応生成物を生成する工程;
    上記水素化熱分解反応生成物を、上記水素化熱分解反応生成物の成分分離を行うことなくそのまま上記不均一系触媒水素化処理域で水素化処理する工程;及び、
    上記不均一系触媒水素化処理域から流出物を回収する工程を含み、
    上記均一系触媒水素化熱分解反応域及び上記不均一系触媒水素化処理域は、断熱反応域である方法。
  2. 上記均一系触媒水素化熱分解反応域及び上記不均一系触媒水素化処理域は、同一の反応容器内に含まれる、請求項1に記載の方法。
  3. 上記均一系触媒水素化熱分解反応域は、混合を促進する不活性固体の床を1以上有する、請求項2に記載の方法。
  4. 上記不均一系触媒水素化処理域は、水素化処理触媒を1以上含有する床を1以上有する、請求項2に記載の方法。
  5. 上記均一系触媒水素化熱分解反応域と上記不均一系触媒水素化処理域との間に水素及び水の少なくとも一方を供給する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  6. 上記並流反応器に供給する上記トリアシルグリセロール含有油を、上記不均一系触媒水素化処理域から回収した上記流出物を用いて間接的に加熱する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  7. 上記反応器は、250℃〜650℃の温度範囲で少なくとも75barの圧力下、作動されるか、又は、
    上記均一系触媒水素化熱分解反応域は、水の臨界圧力及び温度より高い圧力及び温度を含む、
    請求項1に記載の方法。
  8. 上記並流反応器は下降流式反応器である、請求項1に記載の方法。
  9. 上記水素化熱分解反応生成物は、水素/水過熱混合物との直接熱交換によって加熱してから水素化処理される、請求項1に記載の方法。
  10. トリアシルグリセロール含有油を原油前駆体及び/又は留出炭化水素燃料に変換するための反応器システムであって、
    トリアシルグリセロール含有油の少なくとも一部を水素化熱分解して均一系触媒水素化熱分解反応生成物を生成するための均一系触媒水素化熱分解断熱反応域と、
    上記水素化熱分解反応生成物を水素化処理するための不均一系触媒水素化断熱処理域とを有する並流反応器システムであって、
    均一系触媒水素化熱分解反応域と不均一系触媒水素化処理域との間に、上記均一系触媒水素化熱分解反応生成物の成分分離のための領域が設けられていない、並流反応器システム。
  11. 上記均一系触媒水素化熱分解断熱反応域と上記不均一系触媒水素化断熱処理域とは、同一の反応器内で流体連結している、請求項10に記載の反応器システム。
  12. 上記均一系触媒水素化熱分解断熱反応域は第一の反応器内にあり、上記不均一系触媒水素化断熱処理域は第二の反応器内にあり、上記第一及び第二の反応器は流体連結している、請求項10に記載の反応器システム。
  13. 上記均一系触媒水素化熱分解断熱反応域は、混合を促進する不活性固体の床を1以上有しており、上記触媒水素化処理域は、水素化処理触媒を1以上含有する床を1以上有する、請求項10に記載の反応器システム。
  14. トリアシルグリセロール含有油を原油前駆体及び/又は留出炭化水素燃料に変換する方法であって、
    水素を水と混合して過熱混合水流を形成する工程;
    断熱水素化熱分解断熱反応域と触媒断熱水素化処理域とを有する並流反応システムを通して上記過熱混合水流及びトリアシルグリセロール含有油を並流で投入する工程;
    水素化熱分解によって上記トリアシルグリセロールの少なくとも一部を変換するのに充分な反応条件下、断熱水素化熱分解反応域で上記混合水流の第一の部分と上記トリアシルグリセロール含有油とを反応させて、イソオレフィン、イソパラフィン、シクロオレフィン、シクロパラフィン及び芳香族化合物を1以上含む水素化熱分解反応生成物を生成する工程;
    水素及び上記水素化熱分解反応生成物を触媒断熱水素化処理域に供給して、上記反応生成物の少なくとも一部を水素化処理する工程;及び、
    水素化処理流出物を回収する工程を含む方法。
  15. 上記水素化熱分解断熱反応域は、250℃〜650℃の温度範囲で作動される、請求項14に記載の方法。
  16. 上記反応システムは、少なくとも75barの圧力下、作動される、請求項14に記載の方法。
  17. 上記水素化熱分解反応条件は、水の臨界圧力及び臨界温度より高い圧力及び温度を含む、請求項14に記載の方法。
  18. 水:トリアシルグリセロール含有油質量比は0.001:1〜1:1の範囲である、請求項14に記載の方法。
  19. 上記混合水の供給は、水素:水質量比が0.005:1〜500:1の範囲である、請求項14に記載の方法。
  20. 再生不能な炭化水素原料を上記トリアシルグリセロール含有油と混合する工程を更に含む、請求項14に記載の方法。
  21. 上記トリアシルグリセロール含有油は、カメリナ(camelina)、カリナタ(carinata)、綿、ヤトロファ(jatropha)、カランジャ(karanja)、モリンガ(moringa)、レスクエレラ(lesquerella)、フィサリア(physaria)、ヤシ、トウゴマ(castor)、トウモロコシ、亜麻仁、落花生、大豆、ヒマワリ、アブラギリ及びババス(babassu)の少なくとも1種から得られる再生可能油;キャノーラ(canola)、シアバター、トール油、タロー、藻油及びポンガミア(pongamia)の少なくとも1種から得られる少なくとも1種のトリアシルグリセロール含有油;タロー、ラード、鶏脂、バター脂及び魚油の少なくとも1種から得られる少なくとも1種の動物由来油脂;又は、一般廃棄物(municipal solid wastes)、下水汚泥固形物、クラフト工場廃液、飲食店廃油脂及び使用済み植物油の少なくとも1種から得られる少なくとも1種の有機廃棄物を含む、請求項14に記載の方法。
  22. 上記水素化処理流出物を分留して、ナフサ燃料、ディーゼル燃料又はジェット燃料の範囲で沸騰する炭化水素留分を1以上回収する工程を更に含む、請求項14に記載の方法。
  23. 上記水素化処理流出物を分留する工程の前に、水素流を用いて上記水素化処理流出物をクエンチする工程を更に含む、請求項22に記載の方法。
  24. 上記ディーゼル留分の終沸点よりも沸点が高い重質炭化水素留分を回収する工程、及び、該重質炭化水素留分を上記並流反応システムで再利用する工程を更に含む、請求項22に記載の方法。
  25. トリアシルグリセロール含有油を原油前駆体及び/又は留出炭化水素燃料に変換するためのシステムであって、
    水素を水と混合して水素/水混合物を得るための混合装置と、
    少なくとも1つの並流断熱反応システムとを有しており、
    該並流断熱反応システムは、
    250℃〜650℃の温度範囲で75barを超える圧力下、上記水素/水混合物とトリアシルグリセロール含有油とを反応させて水素化熱分解流出物を得るための少なくとも1つの均一系触媒水素化熱分解断熱反応域と、
    上記水素化熱分解流出物を水素化処理して水素化処理流出物を得るための少なくとも1つの不均一系触媒水素化断熱処理域とを有する、システム。
  26. 圧縮した水素流を、水素を混合するための上記混合装置で再利用するための流体導管を1以上更に有する、請求項25に記載のシステム。
  27. 上記並流断熱反応システム流出物中の炭化水素を分留して、ナフサ、ジェット燃料又はディーゼルの範囲で沸騰する炭化水素留分を1以上形成するための分留器を更に有する、請求項25に記載のシステム。
  28. 上記並流断熱反応システム流出物と上記トリアシルグリセロール含有油との間で熱を交換するための熱交換装置を更に有する、請求項25に記載のシステム。
  29. 上記少なくとも1つの水素化処理域は、少なくとも2つの触媒床を有しており、
    第一の触媒床は、水素化活性を有する触媒を含有する触媒床を少なくとも1つ含み、
    第二の触媒床は、上記第一の触媒床より下流側に位置しており、水素化分解活性を有する触媒を含有する触媒床を少なくとも1つ含む、請求項25に記載のシステム。
  30. 上記水素化処理域が有する上記第一の触媒床は、
    カルボン酸基の脱炭酸反応;
    不飽和又は飽和遊離脂肪酸を水素化脱酸素して炭素数6〜24のパラフィンを生成する反応;
    上記遊離脂肪酸のアルキル骨格に含まれるモノ、ジ及びトリオレフィンの飽和化反応;
    微量有機窒素化合物の水素化脱窒素反応;及び、
    炭化水素系原料の供給と共に導入される水に対する触媒耐性
    の少なくとも1つに有用な触媒を含有する、請求項29に記載のシステム。
  31. 上記水素化熱分解反応域及び上記水素化処理域の少なくとも一方において再生不能な炭化水素原料を上記トリアシルグリセロール含有油と同時処理するための流体導管を1以上更に有する、請求項25に記載のシステム。
  32. 上記少なくとも1つの水素化熱分解反応域は、パイロリシス、熱分解、水素化熱分解又は水素化処理反応に対する化学変換活性をほとんど又は全く示さないアルミナ、セラミック、発泡体、ワイヤ、メッシュ、マイクロ流路、ロッド及びチューブの1以上で構成される床を少なくとも2つ有する、請求項25に記載のシステム。
  33. 上記水素化熱分解反応域の各床の間に水素及び水の少なくとも一方を供給するための流体導管を1以上更に有する、請求項25に記載のシステム。
  34. 全活性水素化処理触媒インベントリ1kgに対して1時間当たりに供給されるトリアシルグリセロール含有油量(kg)で定義される1時間当たりの積算重量空間速度は、少なくとも0.5:1である、請求項25に記載のシステム。
  35. トリアシルグリセロール含有油を原油前駆体及び/又は留出炭化水素燃料に変換する方法であって、
    水及び水素を含む過熱混合水流を並流断熱反応システムに投入する工程;
    上記並流断熱反応システムにトリアシルグリセロール含有油を並流で投入する工程;及び、
    均一系触媒水素化熱分解及び不均一系触媒水素化処理によって上記トリアシルグリセロールを変換するのに充分な反応条件下、複数の断熱反応域で上記混合水流と上記トリアシルグリセロール含有油とを反応させて、イソオレフィン、イソパラフィン、シクロオレフィン、シクロパラフィン及び芳香族化合物を1以上含む水素化処理流出物を得る工程を有する方法。
  36. 上記複数の断熱反応域は、複数の水素化熱分解反応域及び複数の水素化処理反応域を含む、請求項35に記載の方法。
  37. 上記複数の断熱反応域間に水素流及び水流の少なくとも一方を投入する工程を更に含む、請求項35に記載の方法。
  38. 上記水素化処理流出物との間接熱交換によって上記トリアシルグリセロール含有油を予熱する工程を更に含む、請求項35に記載の方法。
  39. トリアシルグリセロール含有油を原油前駆体及び/又は留出炭化水素燃料に変換する方法であって、
    水素を水と混合して過熱混合水流を形成する工程;
    少なくとも第一の水素化熱分解反応域及び第二の水素化熱分解反応域を含む水素化熱分解反応域と、少なくとも第一の水素化処理反応域及び第二の水素化処理反応域を含む水素化処理反応域とを有する並流反応器システムに上記混合水流の第一の部分を投入する工程;
    上記並流反応システムにトリアシルグリセロール含有油を投入する工程;
    水素化熱分解によって上記トリアシルグリセロールの少なくとも一部を変換するのに充分な反応条件下、上記第一の水素化熱分解反応域で上記混合水流の第一の部分と上記トリアシルグリセロール含有油とを反応させて、イソオレフィン、イソパラフィン、シクロオレフィン、シクロパラフィン、芳香族化合物及び未反応のトリアシルグリセロール含有油を1以上含む第一の中間生成物を生成する工程;
    上記第一の水素化熱分解反応域の下流、かつ上記第二の水素化熱分解反応域の上流で、上記混合水流の第二の部分を上記第一の中間生成物と混合する工程;
    水素化熱分解によって上記第一の中間生成物の少なくとも一部を変換するのに充分な反応条件下、上記第二の水素化熱分解反応域で上記混合水流の第二の部分と上記第一の中間生成物とを反応させて、イソオレフィン、イソパラフィン、シクロオレフィン、シクロパラフィン及び芳香族化合物を1以上含む水素化熱分解生成物を生成する工程;
    上記第二の水素化熱分解反応域の下流、かつ上記第一の水素化処理反応域の上流で、上記第二の水素化熱分解反応域から得られた上記水素化熱分解生成物を非加熱水素流の第一の部分と混合する工程;
    上記第一の水素化処理反応域で上記水素化熱分解生成物の一部を水素化処理して部分水素化処理物を生成する工程;
    上記第一の水素化処理反応域の下流、かつ第二の水素化処理反応域の上流で、上記部分水素化処理物を上記非加熱水素流の第二の部分と混合する工程;
    上記第二の水素化処理反応域で上記部分水素化処理物を水素化処理して水素化処理物を生成する工程;及び、
    上記並流反応器システムから水素化処理流出物を回収する工程を含む方法。
  40. 上記水素化処理流出物と上記トリアシルグリセロール含有油との間で熱を交換するための熱交換装置を更に有する、請求項25に記載のシステム。
  41. 上記水素化熱分解流出物と上記水素化処理流出物との間で熱を交換するための熱交換装置を更に有する、請求項25に記載のシステム。
  42. 上記水素化熱分解流出物と上記トリアシルグリセロール含有油との間で熱を交換するための熱交換装置を更に有する、請求項25に記載のシステム。

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