JP6333142B2 - 電気温水器の設置構造 - Google Patents
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Description
このような状況にあって、洗面器(洗面化粧台)の下部に電気温水器を備え、混合水栓を操作したときに直ちに湯又は所望温度の混合水を吐水させることができるようにした給湯設備も提案されている(例えば、特許第4335373号公報参照)。この提案による給湯設備では、特に、電気温水器の外形寸法の小型化が図られている。
また、車椅子で座ったまま洗髪した際の使い勝手を考慮した洗面台も提案されている(例えば、特開2001−32344号公報参照)。
実際に電気温水器を設置するに際しては、単に、車椅子に乗った利用者が洗面器に十分接近することができるのみならず、電気温水器のメンテナンス時に容易に取り外すことができることが重要であるが、上記何れの特許文献にもこの点での課題認識を欠く。
前記収納区画の底面部を構成し且つ床面から所定距離離隔した底板(例えば、後述の底板610)と、
前記収納区画の前面部を構成し且つ取り外し可能な前板(例えば、後述の洗面前板425)と、を備え、
前記底板は、設置された前記電気温水器の下方に、厚み方向に貫通した開口(例えば、後述の開口620)が前記前板側が開放端となるように形成されている電気温水器の設置構造。
前記吊持部は、前記前板を取り外した状態において、前記電気温水器を吊持した状態から当該吊持部位を中心として前方上方に回動(例えば、後述の図6の二点鎖線の矢印方向に回動)させることで前記電気温水器を取り外し可能となるように設けられていることが好ましい。
図1は、本発明の実施形態としての電気温水器の設置構造を有するトイレユニットの斜視図である。
トイレユニット1は、車いすに乗った状態で出入りが可能なトイレルームに設置される。このトイレユニット1は、図示の便器10と、汚物流しユニット20と、後方ライニング30と、側方ライニング40と、この側方ライニング40の上面に設けられる手洗器50及び洗面器60と、側方ライニング40の前面40aに配置される操作部70と、可動手すり32と、固定手すり33と、を備える。また、側方ライニング40の内部には、図1では見えない給水部及び排水部が配置される。
側方ライニング40の上面はカウンター46として構成される。また、側方ライニング40の前面40aは、複数の前板で構成される。即ち、中央上部前板421と、中央下部前板422と、第1側部前板423と、第2側部前板424と、洗面前板425と、により構成される。
側方ライニング40の下部には床面103との間に巾木44が張りめぐらされている。更に、側方ライニング40の下部には、ダストボックス45が設置される区画が設けられ、この区画の前面側は部分的に中央下部前板422で覆われている。中央下部前板422の上辺側に、廃棄物をダストボックス45に投入するための投入用開口450が設けられている。
また、洗面器60は、底部に排水開口61aが形成された洗面ボウル部61と、洗面側水栓62と、液体せっけん収容容器63とを有する。
また、操作部70には、便座12の温水の吐出操作を行う操作部71と、ボタンを押すことにより便器10の洗浄操作を行うタッチ操作部72とが備えられている。
タッチ操作部72の下部には、中央上部前板421に紙巻器115が取り付けられる。
側方ライニング40の上面はカウンター46をなしているが、このカウンター46では、手洗器50が設けられた手洗側水平板部464と、洗面器60が設けられた洗面側水平面部465とが、後者の方が低くなるような段差をなして連なっている。
尚、破線図示のように、側方ライニング40内の中央上部前板421の奥には手洗側電磁弁83が設けられ、第1側部前板423奥には排水部90を構成する手洗側排水管91が設けられている。
図2では、特に、手洗側水平板部464より洗面側水平面部465の方が段差を成して低くなり、洗面側水平面部465の高さがH1であることが示されている。
洗面側水平面部465の高さH1がこのように低く設定されているのは、車椅子に乗ったままの使用者が洗面側水平面部465に腕(肘)を当てて体を支えながら、手洗や洗顔ができるようにするためである。
即ち、この実施形態では、電気温水器64の収納区画600の下方に車椅子に乗った使用者の下肢の部分の進入を許容する高さH2の空間が確保される。
尚、電気温水器64は被吊持部65をその上部に有し、この被吊持部65で後述する吊持部により吊持されている。
図3において、既述の図1及び図2との対応部には同一の符号が附されている。
洗面器60下方の収納区画600は、外形が縦長で小型の小容量のものである等の所定仕様の電気温水器64を設置可能なものであり、複数の縦フレーム411と横フレーム412によって外形が維持されている。
洗面前板425を開放すると底板610で底部側が区画された収納区画600に設置された電気温水器64が露呈する。
底板610の電気温水器64の設置位置に対応する部位には、左側縁部611及び右側縁部612によって左右方向の幅が規定された開口620が設けられ、図示のとおり、この開口620は、洗面前板425側が開放端となっている。
電気温水器64は、外形が縦長の柱状で、小型小容量の仕様のものであり、その上部に、給水や出水の配管接続部と共に、金属板の被吊持部65が設けられている。また、図示の電気温水器64は、下部に排水栓64dが設けられており、冬季などにおける不使用時にはこの排水栓64dから排水して凍結を防止する。更に、電気温水器64の下方背面には面ファスナー66aが設けられている。
図2を参照して集合的に表した横フレームのうちの一つである奥側の上側横フレーム412aに電気温水器64の被吊持部65に対応する、金属製のフックである吊持部630が設けられている。また、図示のとおり、上側横フレーム412aと下側横フレーム412bとが設けられ、これら上下の横フレーム間は縦フレーム411によって一定間隔が保たれた構造をなしている。下側横フレーム412bには、電気温水器64の面ファスナー66aに対応する面ファスナー66bが設けられている。
一方、図3を参照して既述のとおり、底板610の電気温水器64の設置位置に対応する部位には、左側縁部611及び右側縁部612によって左右方向の幅が規定された開口620が設けられている。図4の状態では、開口620の後方縁を規定する後側縁部613が露呈している。
本実施形態の設置構造に適用する電気温水器64は、既述のとおり、小型で小容量のものである。従って、電気温水器64の上部に設けられた金属板の被吊持部65を金属製のフックである吊持部630に引っ掛けた上、下部にて面ファスナー66a及び66bで止めるだけの簡単な手法で、耐震性等の見地からも十分に耐力のある設置を行うことができる。
底板610には、図4を参照して既述のとおり、左側縁部611、右側縁部612及び後側縁部613によって規定される開口620が形成され、この開口620の洗面前板425側は開放端である。
底板610における開口620は、底板610上方に設置された電気温水器64下部の板面610aへの投影形状64a(二点鎖線図示)を少なくとも部分的にカバーする形状で底板610の厚み方向に貫通している。
底板610の、開口620よりも奥側の部分、即ち、開口620を成す一つの縁部である後側縁部613を前縁部とする一定の領域は、電気温水器64(その底部の後半部分)を載置可能な載置部640を成している。
底板610の載置部640によって電気温水器64による荷重の一部を分散させて受け、安定して支持でき、且つ、特定の構造部に荷重が集中することが回避されるため、耐久性にも優れる。
即ち、収納区画600の上下の寸法は、高さH1とH2との差分よりも小さい限定的なものであるが、収納区画600電気温水器64を設置したり取り出したりするに際して、上述の開口620が底板610に設けられているため、作業者の手が底板610と干渉するおそれが極小となり、作業性が損なわれない。
図6は、既述の収納区画600を側面視した場合の模式図であり、図1から図5の各図との対応部には同一の符号が附してある。
図6の側面視において、収納区画600は、その前面と底面とが、洗面前板425と底板610とによって画定され、その内部に、電気温水器64が、その被吊持部65の吊持部位(この実施形態では金属板である被吊持部の孔部)630aで吊持部630により吊持されるようにして設置されている。
上述のような作業を行うに際し、開口620は洗面前板425側に開放されるように形成されているため、電気温水器64を回動させる時に、電気温水器64の下部が底板610に干渉しない。また、洗面前板425自体が開放されていれば、作業する手に干渉するものがなく、作業性が良好である。
更に、電気温水器64の下部が開口620となっていることから、電気温水器64を取り付けたままの状態で、排水栓64dを開栓して水抜き作業を行うことが可能である。
このため、洗面器60の上面(洗面側水平面部465)の高さを、車椅子に乗ったままの使用者に適合する高さH1に抑えつつ、収納区画600の下方には、この使用者のフットレスト上の足部など下肢の部分の進入を許容するだけの空間が確保される。従って、使用者は洗面器60に十分接近して、容易に手洗や洗顔などを行うことができる。
10 便器
40 側方ライニング
60 洗面器
61 洗面ボウル部
64 電気温水器
64a 電気温水器下部の、板面への投影形状
64d 排水栓
65 被吊持部
66a、66b 面ファスナー
411 縦フレーム
412 横フレーム
412a 上側横フレーム
412b 下側横フレーム
425 洗面前板
465 洗面側水平面部
600 収納区画
610 底板
610a 板面
611 左側縁部
612 右側縁部
613 後側縁部
620 開口
630 吊持部
630a 吊持部位
640 載置部
Claims (3)
- 洗面器の下方に電気温水器を設置可能な収納区画が形成される電気温水器の設置構造であって、
前記収納区画の底面部を構成し且つ床面から所定距離離隔した底板と、
前記収納区画の前面部を構成し且つ開放可能な前板と、
前記収納区画内に設けられ、前記電気温水器の被吊持部に係合する吊持部と、
を備え、
前記底板は、設置された前記電気温水器の下方に、厚み方向に貫通した開口が前記前板側が開放端となるように形成され、
前記吊持部は、前記前板を取り外した状態において、前記電気温水器を吊持した状態から当該吊持部位を中心として前方上方に回動させることで前記電気温水器を取り外し可能となるように設けられている電気温水器の設置構造。 - 洗面器の下方に電気温水器を設置可能な収納区画が形成される電気温水器の設置構造であって、
前記収納区画の底面部を構成し且つ床面から所定距離離隔した底板と、
前記収納区画の前面部を構成し且つ開放可能な前板と、を備え、
前記底板は、設置された前記電気温水器の下方に、厚み方向に貫通した開口が前記前板側が開放端となるように形成され、
前記底板は、前記開口を成す少なくとも一つの縁部に臨む一定の領域が、前記電気温水器を載置可能な載置部である電気温水器の設置構造。 - 前記収納区画は、内部の高さ寸法が、前記電気温水器の設置姿勢における高さ寸法と略等しく構成されている請求項1又は2に記載の電気温水器の設置構造。
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