JP6330545B2 - タッチパネル付表示装置及び光学フィルム - Google Patents
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Description
なお、以下、タッチパネルの変形に伴って発生するニュートンリングを特にウォーターマークともいう。
しかしながら、樹脂材料を充填して最終的な製品を製造することは、最終製品を製造した後にタッチパネルに不具合が見つかったとしても、該タッチパネルのみを交換することはできない。また、樹脂材料をタッチパネルと液晶表示パネルとの隙間に完全に充填することは困難であり、気泡が含まれた状態となると表示画像の欠陥の原因となるものであった。
しかしながら、このような凹凸面を表示パネルの表面に設けたタッチパネル付表示装置では、該凹凸面により映像光が散乱し、いわゆるギラツキが生じてしまうことがあった。
また、表示パネルの内部ヘイズを高めてギラツキを抑制する方法も知られている。
ここで、近年、スマートフォンやタブレット端末といったタッチパネル搭載の小型モバイルが急速に普及してきているが、このような小型モバイルにおいては、表示画像の超高精細化のために、ギラツキの問題がより顕著になる一方、画像表示装置の今まで以上の輝度や光透過性が求められる。
しかしながら、超高精細な画像表示装置に対しては、従来の凹凸の間隔を小さくする方法では充分にギラツキを抑制できないことがあった。また、ギラツキの抑制のため全ヘイズや内部ヘイズを高めた表示パネルは、輝度や光透過性の低下を引き起こしてしまうため、表示パネルの内部ヘイズを高める方法は採用できなかった。
また、上記微粒子は、無機酸化物微粒子であることが好ましい。
上記無機酸化物微粒子の平均一次粒径が1nm以上100nm以下であることが好ましく、また、上記無機酸化物微粒子は、表面が疎水化処理された無機酸化物微粒子であることが好ましい。
また、本発明のタッチパネル付表示装置において、上記光学フィルムの全ヘイズ値が0%以上5%以下であり、上記光学フィルムの内部ヘイズ値が0%以上5%以下であることが好ましい。
また、本発明は、光透過性基材上に、表面に凹凸形状を有する光学層が積層された光学フィルムであって、上記光学フィルムの表面における表面高さ分布の半値幅が200nm以上であり、表面凹凸の平均曲率が0.30mm−1以下であることを特徴とする光学フィルムでもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において、「樹脂」とは、特に言及しない限り、モノマー、オリゴマー等も包含する概念である。
図1に示したように、本発明のタッチパネル付表示装置10は、光学フィルム11とタッチパネル15とが対向配置されており、光学フィルム11は、光透過性基材12の一方の面上に、表面に凹凸形状14を有する光学層13が積層されている。
本発明のタッチパネル付表示装置10において、光学フィルム11とタッチパネル15とは、互いに隙間を持った状態で光学層13(凹凸形状14)とタッチパネル15とが向き合うように対向配置されている。
ここで、上記光学フィルムの表面における表面高さ分布の半値幅を200nm以上としたのは、この範囲であれば、人間の目にはウォーターマークは観察されない、すなわち、ウォーターマークを不可視化できるからである。その理由としては種々の理論が考えられるが、例えば、以下に示す理論が挙げられる。
図2は、本発明のタッチパネル付表示装置に入射した光が反射する様子を示した模式図である。図2に示したように、タッチパネル25側から入射した光は、光学層23側の隙間26との界面で反射する光と、隙間26へ透過し光学層23の表面(凹凸形状24)で反射する光とで干渉が生じるが、タッチパネル25と光学層23の表面(凹凸形状24)との間の隙間26の各位置における厚みに応じて、各位置における干渉色が変化する。なお、図2においては、可視光波長全域で干渉が生じる場合を示しており、最も隙間26が厚い部分の光(A)における干渉色は赤色系であり、最も隙間26が薄い部分の光(C)における干渉色は青色系であり、光(B)における干渉色は、光(A)と光(B)との間の黄緑色系である。
そして、このような干渉色の変化が人間には認識できないような微小な領域で生じていてれば、各干渉色が混色されて、人間の眼には干渉縞(ウォーターマーク)とは認識されない。すなわち、隙間26の厚み変化は、凹凸形状24の高さ分布に対応しているので、上記高さ分布が人間の眼には認識できない領域で形成され、かつ、可視光波長全域で干渉色が充分に生じるような分布となっていればよい。ここで、可視光波長の下限波長の干渉色が生じる光学距離と可視光波長の上限波長の干渉色が生じる光学距離との差は、光学距離が1波長分となるときが最大で、可視光波長は380nm〜780nmの範囲であるから、その際の光学距離の差は400nm(780nm−380nm)となる。従って、光学距離の差が400nm以上存在し、その間の凹凸形状24の高さ分布がなるべく均等であれば、可視光波長全域に干渉色を充分に生じさせることができる。そして、上記光学距離は、隙間26の厚みの2倍であるから、隙間26の厚み変化としては200nm以上であればよいこととなる。これは言い換えると、凹凸形状24を表面に有する光学層23の表面高さが200nm以上の範囲になるべく均等な分布が存在していればよいこととなる。従って、光学フィルム11の表面における表面高さ分布の半値幅が200nm以上であれば、凹凸形状24は、上述の表面高さが200nm以上の範囲になるべく均等な分布が存在したものとなり、可視光波長全域で干渉色が充分に生じるような高さ分布が存在していることになって、ウォーターマークは不可視化できると言える。
また、この際、隙間26の厚みの変化、すなわち、光学層23の表面における表面高さが微小な領域で分布していることを担保するためには、大きな間隔の凹凸をあらかじめ除去した表面プロファイルから表面高さ分布を算出すればよい。すなわち、長波長カットフィルターを適用した表面プロファイルを用いればよい。人間の目には認識できなくするとの観点から、長波長カットフィルターの波長としては800μmとするのが好適である。
上記表面プロファイルは、簡便性から干渉顕微鏡を用いて測定することが好ましい。このような干渉顕微鏡としては、例えば、Zygo社製の「New View」シリーズ等が挙げられる。
ウォーターマークを防止する等の目的で光学層の表面に凹凸形状を形成するが、この凹凸形状における凹凸がレンズのように作用してしまうことがある(レンズ効果)。そして、このようなレンズ効果が生じると、液晶ディスプレイ等の画素を仕切るブラックマトリクスや画素からの透過光がランダムに強調されてしまい、これによりギラツキが生じるものと考えられる。本発明者らが研究したところ、凹凸形状の曲率が大きくなるほど、レンズ効果が大きくなりギラツキが生じやすくなることを見出した。したがって、光学フィルムの表面における、表面凹凸の平均曲率を0.30mm−1以下とすることで、凹凸形状を形成してもギラツキを極めて効果的に防止できる。表面凹凸の平均曲率は0.25mm−1以下とすることが好ましく、0.20mm−1以下とすることがより好ましい。また、表面凹凸の平均曲率は0.05mm−1以上であることが好ましい。平均曲率が0.05mm−1未満であると、ウォーターマーク防止性が劣る恐れがある。
ここで、表面凹凸の平均曲率は以下のようにして求める。
図3は、上記光学フィルムの表面プロファイルであり、図3に示すように、光学フィルム表面プロファイルにA(x1、y1)、B(x2、y2)及びC(x3、y3)が与えられた場合、B点における曲率はA点、B点、C点の3点を通る円の半径の逆数として求めることができ、以下の式により表される。
しかしながら、表面凹凸の平均間隔が小さくなることは、平均曲率は大きくなることを意味する。従って、上記表面高さ分布の半値幅の値と、表面凹凸の平均曲率とが、上記で特定した数値範囲を満たす光学フィルムは、従来公知の光学フィルムの技術水準に照らして、予測され得る範囲を超えたものであると言える。
上記光透過性基材としては、光透過性を有すれば特に限定されないが、例えば、セルロースアシレート基材、シクロオレフィンポリマー基材、ポリカーボネート基材、アクリレート系ポリマー基材、ポリエステル基材、又は、ガラス基材等が挙げられる。
また、上記シクロオレフィンポリマー基材としては、例えば、ノルボルネン系モノマー及び単環シクロオレフィンモノマー等の重合体からなる基材等が挙げられる。
なお、上記トリアセチルセルロース基材としては、純粋なトリアセチルセルロース以外に、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートの如くセルロースとエステルを形成する脂肪酸として酢酸以外の成分も併用した物であってもよい。また、これらトリアセチルセルロースには、必要に応じて、ジアセチルセルロース等の他のセルロース低級脂肪酸エステル、或いは可塑剤、紫外線吸収剤、易滑剤等の各種添加剤が添加されていてもよい。
上記光重合性モノマーは、光学層の後述するバインダー樹脂にモノマー単位として含まれている重量平均分子量が1000以下の光重合性モノマーと同じものである。
また、上記混在領域を形成することにより、光透過性基材と光学層との密着性をより向上させることができる。
なお、上記したように、光学層の凹凸面によって充分に干渉縞の発生を抑制できるので、光学フィルムにこのような混在領域を形成しなくともよい。このように混在領域を形成しない場合であっても、干渉縞の発生を抑制できるので、例えば、アクリル基材、シクロオレフィンポリマー基材やポリエステル基材等の混在領域の形成が困難な基材であっても、光透過性基材として用いることができる。
上記バインダー樹脂は、光重合性化合物の重合物(架橋物)の他、溶剤乾燥型樹脂や熱硬化性樹脂を含んでいてもよい。
上記光重合性化合物は、光重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。なお、本明細書における、「光重合性官能基」とは、光照射により重合反応し得る官能基である。
このような光重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」の両方を含む意味である。
また、上記光重合性化合物を重合する際に照射される光としては、可視光線、並びに、紫外線、X線、電子線、α線、β線及びγ線のような電離放射線が挙げられる。
上記光重合性化合物としては、光重合性モノマーと、光重合性オリゴマー又は光重合性ポリマーとの組み合わせが好ましい。なお、上記混在領域を形成する場合には、光重合性化合物として少なくとも光重合性モノマーを含ませる。
上記2官能以上のモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、イソボロニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートや、これらをPO、EO等で変性したものが挙げられる。
上記光重合性オリゴマーとしては、2官能以上の多官能オリゴマーが好ましく、光重合性官能基が3つ(3官能)以上の多官能オリゴマーが好ましい。
上記多官能オリゴマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記多官能ポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記光学層が緩やかに凝集した凝集体により形成されている場合、膜厚を調整することによって緩やかに凝集した凝集体の大きさを調整することも可能である。すなわち、膜厚が大きいと緩やかに凝集した凝集体の大きさがより大きくなりやすい。それにより、凹凸の大きさをより大きく、凹凸の間隔をより広くすることができる。
上記フュームドシリカとは、乾式法で作製された200nm以下の粒径を有する非晶質のシリカであり、ケイ素を含む揮発性化合物を気相で反応させることにより得ることができる。具体的には、例えば、四塩化ケイ素(SiCl4)等のケイ素化合物を酸素と水素の炎中で加水分解して生成されたもの等が挙げられる。上記フュームドシリカの市販品としては、例えば、日本アエロジル社製のAEROSIL R805等が挙げられる。
疎水性のフュームドシリカは、フュームドシリカの表面に存在するシラノール基に上記のような表面処理剤を化学的に反応させることにより得ることができる。上記のような凝集体を容易に得るという観点からは、フュームドシリカはオクチルシラン処理されていることが最も好ましい。
まず、上記光透過性基材の表面に、以下の光学層用組成物を塗布する。
上記光学層用組成物を塗布する方法としては、例えば、スピンコート、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法等の公知の塗布方法が挙げられる。
このような溶剤としては、例えば、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、PGME、エチレングリコール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロヘプタノン、ジエチルケトン等)、エーテル類(1,4−ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合物であってもよい。
上記浸透性溶剤及び光重合性モノマーを用いることにより、光透過性基材に浸透性溶剤のみならず、光重合性モノマーも浸透するので、光透過性基材における光学層との界面付近に光透過性基材と、光重合性モノマーをモノマー単位として含む樹脂とが混在した混在領域を形成できる。
このような重合開始剤は、光照射によりラジカル重合を開始させる物質を放出することが可能であれば特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、具体例には、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
例えば、上記乾燥条件として、乾燥温度を低く、及び/又は、乾燥風速を小さくすることで、乾燥速度を遅くすることにより、微粒子がより凝集しやすくなるため、凹凸が大きくかつ凹凸の間隔が広い形状としやすくすることができる。
具体的な乾燥温度としては、30〜120℃、乾燥風速では0.2〜50m/sであることが好ましく、この範囲内で適宜調整した乾燥処理を、1回又は複数回行うことで微粒子の分布状態を所望の状態に調整することができる。
その後、塗膜状の光学層用組成物に紫外線等の光を照射して、光重合性化合物を重合(架橋)させることにより光学層用組成物を硬化させて、光学層を形成するとともに、混在領域を形成する。
具体的には、例えば、光重合性化合物、溶剤乾燥型樹脂、及び、微粒子を含む光学層用組成物を用いて、上記と同様の方法により光透過性基材上に光学層用組成物の塗膜を形成し、上記と同様に光学層用組成物を硬化させる。
上記バインダー樹脂を形成する材料として、光重合性化合物と溶剤乾燥型樹脂とを併用した場合、光重合性化合物のみを用いた場合に比べて粘度を上昇させることができ、また、硬化収縮(重合収縮)を少なくすることができるので、乾燥時及び硬化時に、光学層の凹凸面が微粒子の形状に追随することなく形成され、特異な凹凸面を形成することができる。ただし、光学層の凹凸面の凹凸形状は、光学層の膜厚等の影響を受けるので、このような方法で光学層を形成する場合であっても、光学層の膜厚等を適宜調整する必要があることは言うまでもない。
上記下地凹凸層は、光学層であってもよい。
上記表面調整層は、上記下地凹凸層の表面に存在する微細な凹凸を埋めて、滑らかな凹凸面を得るため、及び/又は、凹凸層の表面に存在する凹凸の間隔、大きさ等を調整するための層である。上記表面調整層は、表面が凹凸面となっており、該表面調整層の凹凸面が特異な凹凸面となっている。ただし、光学層が多層構造の場合には、製造工程が複雑となり、また製造工程の管理が1層構造の場合に比べて困難となるおそれがあるので、光学層は1層構造が好ましい。
そして、この塗膜を乾燥した後に、塗膜に紫外線等の光を照射して、光重合性化合物を重合(架橋)させることにより下地凹凸層用組成物を硬化させて、下地凹凸層を形成する。
その後、下地凹凸層上に、表面調整層用組成物を塗布し、表面調整層用組成物の塗膜を形成する。そして、この塗膜を乾燥した後、塗膜に紫外線等の光を照射して、光重合性化合物を重合(架橋)させることにより表面調整層用組成物を硬化させて、表面調整層を形成する。これにより、緩やかな凝集体を形成する微粒子を用いなくとも、特異な凹凸面を有する光学層を形成することができる。ただし、光学層の凹凸面の凹凸形状は、塗膜の乾燥条件、並びに、下地凹凸層及び表面調整層の膜厚等によっても影響を受けるので、このような方法で光学層を形成する場合であっても、塗膜の乾燥条件および下地凹凸層および表面調整層の膜厚等を適宜調整する必要があることは言うまでもない。
上記光学フィルムの表面においては、この表面を構成する凹凸の平均山間隔Smpが0.05mm以上0.3mm以下となっていることが好ましく、0.10mm以上0.25mm以下となっていることがより好ましい。
上記光学フィルムの表面においては、この表面を構成する凹凸の10点平均粗さRzが0.10μm以上0.30μm以下となっていることが好ましく、0.12μm以上0.28μm以下となっていることがより好ましい。
すなわち、x軸方向にi番目、y軸方向にj番目の点の位置(以降(i,j)と表記する)における高さをZi,jとすると、任意の位置(i,j)において、x軸に対するx軸方向の傾きSx、y軸に対するy軸方向の傾きSyは、以下のように算出される。
Sx=(Zi+1,j−Zi−1,j)/2d
Sy=(Zi,j+1−Zi,j−1)/2d
更に、(i,j)における基準面に対する傾きStは、下記式で算出される。
上記三次元粗さ曲面は、簡便性から干渉顕微鏡を用いて測定することが好ましい。このような干渉顕微鏡としては、例えば、Zygo社製の「New View」シリーズ等が挙げられる。
そして、上記三次元平均傾斜角θa3Dは、各点の傾斜角度の平均値により算出される。
また、本発明における上記凹凸の平均山間隔Smpは、次のように求める。
上記3次元粗さ曲面から基準面より高い部分で一つの領域で囲まれた部分を一つの山としたきの山の個数をPsとし、測定領域全体(基準面)の面積をAとすると、Smpは下記式で算出される。
また、上述のZi,jを用いると、上記凹凸の算術平均粗さRaは、下記式で算出される。
すなわち、基準面上に該基準面の中心を通る直線を、全域を網羅するように360度放射状に多数置き、3次元粗さ曲面から各直線に基づいて切断した断面曲線を得て、該断面曲線における十点平均粗さ(最高の山頂から高い順に5番目までの山高さの平均と最深の谷底から深い順に5番目までの谷深さの平均との和)を求める。そのようにして得られた多数の十点平均粗さのうち、上位50%を平均することにより算出される。
上記凹凸層としては、上述したバインダー樹脂及び微粒子を含んでなる光学層と同様のもの組成及び方法で形成されたものが挙げられる。
上記低屈折率層は、外部からの光(例えば蛍光灯、自然光等)が光学フィルムの表面にて反射する際、その反射率を低くするという役割を果たす層である。低屈折率層としては、好ましくは1)シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率粒子を含有する樹脂、2)低屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、3)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有するフッ素系樹脂、4)シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率物質の薄膜等のいずれかで構成される。フッ素系樹脂以外の樹脂については、上述した光学層を構成するバインダー樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
また、上述したシリカは、中空シリカ微粒子であることが好ましく、このような中空シリカ微粒子は、例えば、特開2005−099778号公報の実施例に記載の製造方法にて作製できる。
これらの低屈折率層は、その屈折率が1.45以下、特に1.42以下であることが好ましい。
また、低屈折率層の厚みは限定されないが、通常は30nm〜1μm程度の範囲内から適宜設定すれば良い。
また、上記低屈折率層は単層で効果が得られるが、より低い最低反射率、あるいはより高い最低反射率を調整する目的で、低屈折率層を2層以上設けることも適宜可能である。上記2層以上の低屈折率層を設ける場合、各々の低屈折率層の屈折率及び厚みに差異を設けることが好ましい。
上記電離放射線で硬化する官能基と熱硬化する極性基とを併せ持つ重合性化合物としては、アクリル又はメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類、完全又は部分フッ素化ビニルエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルケトン類等を例示することができる。
上記電離放射線硬化性基を有する重合性化合物の含フッ素(メタ)アクリレート化合物を少なくとも1種類含むモノマー又はモノマー混合物の重合体;上記含フッ素(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種類と、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートの如き分子中にフッ素原子を含まない(メタ)アクリレート化合物との共重合体;フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンのような含フッ素モノマーの単独重合体又は共重合体など。これらの共重合体にシリコーン成分を含有させたシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体も用いることができる。この場合のシリコーン成分としては、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサン、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、メタクリル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が例示される。なかでも、ジメチルシロキサン構造を有するものが好ましい。
dA=mλ/(4nA) (1)
(上記式中、
nAは低屈折率層の屈折率を表し、
mは正の奇数を表し、好ましくは1を表し、
λは波長であり、好ましくは480〜580nmの範囲の値である)
を満たすものが好ましい。
120<nAdA<145 (2)
を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
上記画像表示装置は、公知のバックライトユニット備えた液晶表示装置が好適であるが、上記バックライトとしては、量子ドットLEDを用いることもできる。
すなわち、本発明の光学フィルムは、光透過性基材上に、表面に凹凸形状を有する光学層が積層された光学フィルムであって、上記光学フィルムの表面における表面高さ分布の半値幅が200nm以上で、表面凹凸の平均曲率が0.30mm−1以下であることを特徴とする光学フィルムである。
(光学フィルムの作製)
光透過性基材(セルローストリアセテートフィルム、厚み40μm、コニカミノルタ社製、KC4UAW)を準備し、該光透過性基材の片面に、下記に示した組成の光学層用組成物を塗布し、塗膜を形成した。
次いで、形成した塗膜に対して、0.2m/sの流速で50℃の乾燥空気を30秒間流通させた後、更に10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させた。
その後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、厚さ5.0μm(硬化時)の光学層を形成し、光学フィルムを作製した。
シリカ微粒子(オクチルシラン処理フュームドシリカ、平均一次粒子径12nm、日本アエロジル社製) 0.5質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)(製品名「PETA」、ダイセル・サイテック社製) 50質量部
ウレタンアクリレート(製品名「V−4000BA」、DIC社製) 50質量部
重合開始剤(イルガキュア184、BASFジャパン社製) 5質量部
ポリエーテル変性シリコーン(製品名「TSF4460」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) 0.025質量部
トルエン 115質量部
イソプロピルアルコール 45質量部
シクロヘキサノン 15質量部
塗膜の硬化条件を、紫外線の積算光量が50mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させたこと以外は、実施例1の光学層と同様にして凹凸層を形成した。
形成した凹凸層の表面に、下記に示した低屈折率層用組成物を塗布し、塗膜を形成した。
次いで、形成した塗膜に対して、0.2m/sの流速で40℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、更に10m/sの流速で40℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させた。
その後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、0.1μm厚み(硬化時)の低屈折率層を形成し凹凸層と該凹凸層上に低屈折率層が積層された構成の光学層を形成した。これにより実施例2に係る光学フィルムを作製した。
中空シリカ微粒子(平均粒径60nm) 125質量部(固形分100%換算値)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製) 20質量部
フッ素含有ポリマー(製品名「オプスターJN35」、JSR社製)
80質量部(固形分100%換算値)
重合開始剤(イルガキュア127;BASFジャパン社製) 7質量部
変性シリコーンオイル(X22164E;信越化学工業社製) 5質量部
メチルイソブチルケトン(MIBK) 5300質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA) 2200質量部
光学層用組成物におけるシリカ微粒子の配合量を0.8質量部とし、塗膜の乾燥条件を、1.0m/sの流速で70℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、更に10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させるものとした以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを作製した。
光学層の硬化時の厚みを4.5μmとした以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを作製した。
塗膜の乾燥条件を、1.0m/sの流速で70℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、更に10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させるものとし、光学層の硬化時の厚みを4.5μmとした以外は、実施例3と同様にして、光学フィルムを作製した。
光学層用組成物に、有機粒子(アクリル−スチレン共重合体粒子、平均粒子径:2.0μm、屈折率:1.55、積水化成品工業社製)を1.0質量部含有させ、塗膜の乾燥条件を、1.0m/sの流速で70℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、更に10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させるものとした以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを作製した。
光学層用組成物におけるシリカ微粒子の配合量を1.0質量部とするとともに、有機粒子(アクリル−スチレン共重合体粒子、平均粒子径:2.0μm、屈折率:1.55、積水化成品工業社製)を3.0質量部含有させ、塗膜の乾燥条件を、0.2m/sの流速で70℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、更に10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させるものとし、光学層の硬化時の厚みを4.0μmとした以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを作製した。
光学層用組成物に、シリカ微粒子を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを作製した。
各実施例及び比較例で作製した光学フィルムを、透明粘着剤を介して、凹凸面が表面になるように黒アクリル板に貼り付けた。
また、厚さが0.7mmであり、かつ大きさが10cm×10cmのガラス板の両端にテープを貼り付けた。そして、光学フィルムとガラス板とが離間するように、ガラス板のテープを貼り付けた面を光学フィルムが向き合うように配置した。光学フィルムの表面とガラス板との間のエアギャップの間隔は0.1mmであった。そして、ガラス板を指で押した状態で、ガラス上に配置されたナトリウムランプから光を照射し、ウォーターマークが確認されるか否か調べた。評価基準は以下の通りとした。結果を表1に示した。
◎:ウォーターマークが確認されなかった。
○:若干ウォーターマークが観察されたが問題のないレベルであった。
×:ウォーターマークが明確に確認された。
実施例及び比較例で得られた各光学フィルムの光学層が形成されている面とは反対側の面に、透明粘着剤を介して、ガラス板に貼付してサンプルとし、白色干渉顕微鏡(New View7300、Zygo社製)を用いて、以下の条件にて、光学フィルムの表面プロファイルを得た。なお、測定・解析ソフトにはMetroPro ver8.3.2のMicroscope Applicationを用いた。
(測定条件)
対物レンズ:10倍
Zoom:1倍
測定領域:2.71mm×2.71mm
解像度(1点当たりの間隔):2.18μm
(解析条件)
Removed:None
Filter:BandPass
FilterType:GaussSpline
Low wavelength:800μm
High wavelength:25μm
Remove spikes:on
Spike Height(xRMS):2.5
なお、Low wavelengthが長波長カットフィルターの波長であり、High wavelengthが短波長カットフィルターの波長に相当する。
次に、上記解析ソフト(MetroPro ver8.3.2−Microscope Application)にてSurface Map画面を表示し、前記画面中でヒストグラムを区間幅が約20nmとなるように表示させ、表面高さ分布のヒストグラムデータを得た。得られたヒストグラムデータから、そのピーク位置における分布の高さの、半分の高さの位置における分布の幅を読み取り、表面高さ分布の半値幅とした。
なお、半値幅の算出においては、得られたヒストグラムデータの各階級の値の直線補間による近似曲線を作成し、該曲線から算出した。
上記と同様にして得られた表面プロファイルからx方向について各点とその前後の点の3点から上述の式に従って、曲率を計算し、全ての点における曲率の平均を計算することにより、表面凹凸の平均曲率を算出した。
実施例及び比較例で得られた各光学フィルムにおいて、光学フィルムの光学層が形成されていない面と、350ppiのブラックマトリクス(ガラス厚み0.7mm)のマトリクスが形成されていないガラス面とを粘着剤で貼り合わせた。こうして得られた試料に対し、ブラックマトリクス側に白色面光源(HAKUBA製LIGHTBOX、平均輝度1000cd/m2)を設置することで、疑似的にギラツキ発生させた。これを光学フィルム側からCCDカメラ(KP−M1、Cマウントアダプタ、接写リング;PK−11A ニコン、カメラレンズ;50mm,F1.4s NIKKOR)で撮影した。CCDカメラと光学フィルムの距離は250mmとし、CCDカメラのフォーカスは光学フィルムに合うように調節した。CCDカメラで撮影した画像をパーソナルコンピュータに取り込み、画像処理ソフト(ImagePro Plusver.6.2;Media Cybernetics社製)で次のように解析を行った。まず、取り込んだ画像から200×160ピクセルの評価箇所を選び、該評価箇所において、16bitグレースケールに変換した。
次に、フィルタコマンドの強調タブからローパスフィルタを選択し3×3、回数3、強さ10の条件でフィルタをかけた。これによりブラックマトリクスパターン由来の成分を除去した。
次に、平坦化を選択し、背景:暗い、オブジェクト幅10の条件でシェーディング補正を行った。
次に、コントラスト強調コマンドでコントラスト:96、ブライトネス:48としてコントラスト強調を行った。得られた画像を8ビットグレースケールに変換し、その中の150×110ピクセルについてピクセルごとの値のばらつきを標準偏差値として算出することにより、ギラツキを数値化した。この数値化したギラツキ値が小さいほど、ギラツキが少ないと言える。結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得られた各光学フィルムにおいて、以下のようにしてギラツキを評価した。輝度1500cd/m2のライトボックス(白色面光源)、350ppiのブラックマトリクスガラス、光学フィルムの順に下から重ねた状態にし、30cm程度の距離から上下、左右様々な角度から、被験者15人が目視評価を行った。ギラツキが気になるか否かを判定し、下記の基準により評価した。結果を表1に示した。
◎:良好と答えた人が13人以上
○:良好と答えた人が10〜12人
△:良好と答えた人が7〜9人
×:良好と答えた人が6人以下
上記実施例及び比較例で得られた各光学フィルムについて、以下のようにして、全ヘイズ、内部ヘイズ、表面ヘイズを測定した。結果を表1に示した。
まず、ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K7136に従って光学フィルムの全ヘイズ値を測定した。
その後、光学層の表面に、透明光学粘着層を介してトリアセチルセルロース基材(コニカミノルタ社製、KC4UAW)を貼り付けた。これによって、光学層における凹凸面の凹凸形状が潰れ、光学フィルムの表面が平坦になった。この状態で、ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K7136に従ってヘイズ値を測定して内部ヘイズ値を求めた。そして、全ヘイズ値から内部ヘイズ値を差し引くことにより、表面ヘイズ値を求めた。
実施例及び比較例で得られた各光学フィルムの表面において、三次元平均傾斜角θa3Dを以下のようにして測定した。結果を表1に示した。
各光学フィルムの凹凸が形成されている面とは反対側の面に、透明粘着剤を介して、ガラス板に貼付してサンプルとし、白色干渉顕微鏡(New View7300、Zygo社製)を用いて、以下の条件にて、光学フィルムの表面形状の測定・解析を行った。なお、測定・解析ソフトにはMetroPro ver8.3.2のMicroscope Applicationを用いた。
(測定条件)
対物レンズ:50倍
Zoom:1倍
測定領域:545μm×545μm
解像度(1点当たりの間隔):0.44μm
(解析条件)
Removed:Plane
Filter:High Pass
FilterType:GaussSpline
Low wavelength:250μm
High wavelength:3μm
Remove spikes:on
Spike Height(xRMS):2.5
なお、Low wavelengthは、粗さパラメータにおけるカットオフ値λcに相当する。
次に、上記解析ソフト(MetroPro ver8.3.2−Microscope Application)にてSlope Mag Map画面上に「Ra」を表示させ、その数値を光学フィルムのθa3Dとした。
上述の三次元平均傾斜角θa3Dを算出する際に得られた表面形状データ及び同一の解析条件にて、Surface Map画面上に「Ra」、「SRz」を表示させ、それぞれの数値を光学フィルムのRa、Rzとした。
次に、上記Surface Map画面中に「Save Data」ボタンを表示させ、解析後の3次元曲面粗さデータを保存した。そして、Advanced Texture Applicationにて、上記の保存データを読み込み以下の解析条件を適用した。
(解析条件)
High FFT Filter:off
Low FFT Filter:off
Remove:Plane
次に、Peak/Valleys画面を表示し「Peaks Stats」から山の個数をカウントした。ただし、有意でない山を除くために、面積がLow wavelengthを直径とする円の面積(125μm×125μm×π)の1/10000以上、かつ、高さがRtmの1/10以上の山をカウント対象とした。なお、Rtmは「Roughness/Waviness Map」画面から読み取ることができ、全測定領域を3×3に分割したときの各区域毎の最大高さの平均を表す。そして、上述した方法にて、すなわち、下記式に基づき、Smpを算出した。
各結果を表1に示した。
一方、比較例1に係る光学フィルムは、表面凹凸形状の平均曲率が大きく、表面凹凸形状によるレンズ効果が大きくなり、ギラツキの評価に劣っていた。また、比較例2に係る光学フィルムは、表面高さ分布の半値幅が小さく、ウォーターマークの評価に劣っていた。
11 光学フィルム
12 光透過性基材
13 光学層
14 凹凸形状
15 タッチパネル
Claims (7)
- 光透過性基材上に、表面に凹凸形状を有する光学層が積層された光学フィルムと、タッチパネルとが対向配置された構成を有するタッチパネル付表示装置であって、
前記光学フィルムと前記タッチパネルとは、互いに隙間を持った状態で前記光学層と前記タッチパネルとが向き合うように対向配置されており、
前記光学フィルムの表面における表面高さ分布の半値幅が200nm以上であり、
表面凹凸の平均曲率が0.30mm−1以下である
ことを特徴とするタッチパネル付表示装置。 - 光学層は、バインダー樹脂と微粒子とを含む請求項1記載のタッチパネル付表示装置。
- 微粒子は、無機酸化物微粒子である請求項2記載のタッチパネル付表示装置。
- 無機酸化物微粒子の平均一次粒径が1nm以上100nm以下である請求項3記載のタッチパネル付表示装置。
- 無機酸化物微粒子は、表面が疎水化処理された無機酸化物微粒子である請求項3又は4記載のタッチパネル付表示装置。
- 光学フィルムの全ヘイズ値が0%以上5%以下であり、前記光学フィルムの内部ヘイズ値が0%以上5%以下である請求項1、2、3、4又は5記載のタッチパネル付表示装置。
- 光透過性基材上に、表面に凹凸形状を有する光学層が積層された光学フィルムであって、
前記光学フィルムの表面における表面高さ分布の半値幅が200nm以上であり、
表面凹凸の平均曲率が0.30mm−1以下である
ことを特徴とする光学フィルム。
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