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JP6326140B2 - 化合物、組成物、膜、光学機器 - Google Patents

化合物、組成物、膜、光学機器 Download PDF

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JP6326140B2 JP2016545038A JP2016545038A JP6326140B2 JP 6326140 B2 JP6326140 B2 JP 6326140B2 JP 2016545038 A JP2016545038 A JP 2016545038A JP 2016545038 A JP2016545038 A JP 2016545038A JP 6326140 B2 JP6326140 B2 JP 6326140B2
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Description

本発明は、所定の構造の化合物、この化合物を含む組成物、および、この組成物より得られる膜、この膜を含む光学機器に関する。
従来、光学材料等に使用される化合物に対して、高い屈折率が求められている。
例えば、特許文献1には、高屈折率材料として、トリアジン環含有重合体が開示されている。より具体的には、トリアジン環構造を部分構造として有する重合体が、優れた屈折率を示す点が開示されている。
国際公開第2012/111682号
近年、光学機器(固体撮像素子、表示装置など)の高機能化や小型化などの要求に伴い、段差がある領域においても平坦な膜を形成することができる光学材料が求められている。つまり、屈折率が優れると共に、段差がある領域においても平坦性に優れる膜を形成しうる光学材料が求められている。なお、以後、形成される膜表面の平坦性が優れることを、表面平坦性に優れると称する。
本発明者らが、特許文献1に記載の光学材料の特性について検討を行ったところ、上記2つの特性の両立ができず、さらなる改良が必要であることが確認された。
本発明は、上記実情を鑑みて、高い屈折率を示すと共に、表面平坦性に優れる膜を形成しえる化合物を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記化合物を含む組成物、上記組成物より形成される膜、および、上記膜を含む光学機器を提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定構造の化合物を使用することで、所望の効果が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 後述する一般式(1)で表される化合物を含む組成物。
(2) 後述する一般式(2)中、ArとArとが連結している、(1)に記載の組成物。
(3) 一般式(1)中、Xが、後述する一般式(3)で表される化合物から1個の水素原子を除いた残基を表す、(1)または(2)に記載の組成物。
(4) 一般式(3)中、Ar〜Ar、および、Ar〜Arの少なくとも1つが多環芳香族基である、(3)に記載の組成物。
(5) 一般式(3)中、Ar〜Arの少なくとも1つが多環芳香族基である、(3)または(4)に記載の組成物。
(6) 一般式(1)中、Aが第4級炭素原子を1つ以上含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物。
(7) 一般式(1)中、Aが、後述する一般式(4)で表される部分構造を有する基、または、後述する一般式(5)で表される部分構造を有する基である、(1)〜(6)のいずれかに記載の組成物。
(8) 一般式(1)中、Yが、酸基、および、重合性基からなる群から選択される基を少なくとも1つ有する1価の有機基である、(1)〜(7)のいずれかに記載の化合物。
(9) 一般式(1)中、nに対するmの比が0.5〜5.0である、(1)〜(8)のいずれかに記載の組成物。なお、上記比は、m/nを表す。
(10) さらに、重合性化合物を含む、(1)〜(9)のいずれかに記載の組成物。
(11) 重合性化合物が、重合性基を2つ以上有し、かつ、フルオレン骨格を有する重合性化合物を含む、(10)に記載の組成物。
(12) (1)〜(11)のいずれかに記載の組成物より形成される膜。
(13) (12)に記載の膜を含む光学機器。
(14) 後述する一般式(1)で表される化合物。
(15) 後述する一般式(2)中、ArとArとが連結している、(14)に記載の化合物。
(16) 一般式(1)中、Xが、後述する一般式(3)で表される化合物から1個の水素原子を除いた残基を表す、(14)または(15)に記載の化合物。
(17) 一般式(3)中、Ar〜Ar、および、Ar〜Arの少なくとも1つが多環芳香族基である、(16)に記載の化合物。
(18) 一般式(3)中、Ar〜Arの少なくとも1つが多環芳香族基である、(16)または(17)に記載の化合物。
(19) 一般式(1)中、Aが第4級炭素原子を1つ以上含む、(14)〜(18)のいずれかに記載の化合物。
(20) 一般式(1)中、Aが、後述する一般式(4)で表される部分構造を有する基、または、後述する一般式(5)で表される部分構造を有する基である、(14)〜(19)のいずれかに記載の化合物。
(21) 一般式(1)中、Yが、酸基、および、重合性基からなる群から選択される基を少なくとも1つ有する1価の有機基である、(14)〜(20)のいずれかに記載の化合物。
(22) 一般式(1)中、nに対するmの比が0.5〜5.0である、(14)〜(21)のいずれかに記載の化合物。なお、上記比は、m/nを表す。
本発明によれば、高い屈折率を示すと共に、表面平坦性に優れる膜を形成しえる化合物を提供することができる。
また、本発明によれば、上記化合物を含む組成物、上記組成物より形成される膜、および、上記膜を含む光学機器を提供することもできる。
本発明の組成物をカラーフィルタの下地剤として使用した表示装置の一態様の1画素分の断面図である。 表面平坦性評価の方法を説明するための概略断面図である。 A−1のH−NMR(Nuclear Magnetic Resonance)チャートである。
以下に、本発明の化合物等について説明する。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを表し、(メタ)アクリロイルオキシとは、アクリロイルオキシまたはメタクリロイルオキシを表す。
さらに、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の化合物の特徴点としては、Aで表される(m+n)価の連結基を中心にして、屈折率の高い、一般式(2)で表される化合物から1個の水素原子を除いた残基が放射状に配置されている点が挙げられる。このような構造をとることにより、化合物自体の運動性が向上し、化合物の柔軟性が高まると推測される。そのため、段差がある領域に膜を形成しようとした際に、膜表面での化合物の運動性が高くなり、結果として形成される膜の平坦性が高まっていると推測される。
<化合物>
以下、一般式(1)で表される化合物中の各基について詳述する。
一般式(1)中、Aは(m+n)価の連結基を表す。
Aで表される(m+n)価の連結基の分子量は特に制限されないが、形成される膜の屈折率がより優れる、および/または、形成される膜の表面平坦性がより優れる点(以後、単に「本発明の効果がより優れる点」とも称する)で、100以上が好ましく、200以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、合成上の点から、2000以下が好ましく、1500以下がより好ましく、1000以下がさらに好ましい。
(m+n)価の連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、および0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれることが好ましく、無置換でも置換基をさらに有していてもよい。
(m+n)価の連結基は、具体的な例として、下記の構造単位、または、これら構造単位が組み合わさって構成される基(環構造を形成していてもよい)を挙げることができる。
(m+n)価の連結基は下記一般式のいずれかで表される基であることが好ましい。
上記一般式中、
は3価の基を表す。Tは単結合または2価の連結基を表し、3個存在するTは互いに同一であっても異なっていてもよい。
は4価の基を表す。Tは単結合または2価の連結基を表し、4個存在するTは互いに同一であっても異なっていてもよい。
は5価の基を表す。Tは単結合または2価の連結基を表し、5個存在するTは互いに同一であっても異なっていてもよい。
は6価の基を表す。Tは単結合または2価の連結基を表し、6個存在するTは互いに同一であっても異なっていてもよい。
なお、T〜Tで表される2価の連結基の具体例および好適な態様は、後述するLおよびLで表される2価の連結基と同じである。
Aで表される(m+n)価の連結基の具体的な例〔具体例(1)〜(17)、(35)〕を以下に示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
上記の具体例の中でも、原料の入手性、合成の容易さ、各種溶媒への溶解性の観点から、最も好ましい(m+n)価の連結基は下記(1)、(2)、(10)、(11)、(16)、(17)、(35)の基である。
上記Aの好適態様の一つとしては、形成される膜の表面平坦性がより優れる点で、Aに第4級炭素原子が少なくとも1つ含まれることが好ましい。
また、Aの最好適態様としては、一般式(4)で表される部分構造を有する基、または、一般式(5)で表される部分構造を有する基が挙げられる。
一般式(5)中、Rはアルキル基を表す。なお、一般式(4)および(5)中、*は結合位置を表す。
およびLは、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表す。mが2以上である場合、複数のLは同一であっても異なっていてもよく、nが2以上である場合、複数のLは同一であっても異なっていてもよい。
2価の連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、および0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基をさらに有していてもよい。
より具体的には、2価の連結基としては、例えば、2価の鎖状飽和炭化水素基(直鎖状でも分岐状であってもよく、炭素数1〜20であることが好ましい)、2価の環状飽和炭化水素基(炭素数3〜20であることが好ましい)、2価の芳香族基(炭素数5〜20であることが好ましく、例えば、フェニレン基)、−O−、−S−、−SO−、−NR−、−CO−、−NH−、−COO−、−CONR−、−O−CO−O−、−SO−、−NHCOO−、−SONR−、−NH−CO−NH−、または、これらを2種以上組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。ここで、Rは、水素原子またはアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)を表す。
なかでも、LおよびLで表される2価の連結基としては、−S−、−O−、−CO−、アルキレン基、および、これらを組み合わせた基が好ましい。
2価の連結基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基等が挙げられる。
Xは、一般式(2)で表される化合物から1個の水素原子を除いた残基を表す。つまり、Xは、一般式(2)で表される構造式中の任意の位置から水素原子が1個引き抜かれ、水素原子が引き抜かれた位置で結合可能な構造の基をいう。水素原子が引き抜かれる位置は特に制限されず、Ar〜Ar中のいずれかに含まれる水素原子が1個引き抜かれる。
一般式(2)中、Ar〜Arは、それぞれ独立に、芳香環基を表す。なお、Ar〜Arは、それぞれ互いに単結合または2価の連結基を介して連結していてもよい。
芳香環基の種類は特に制限されず、芳香族炭化水素基(アリール基)、芳香族複素環基(ヘテロアリール基)、または、これらを組み合わせた基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基を構成する環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ピレン環、ナフタセン環、ビフェニル環(2個のフェニル基は任意の連結様式で連結してもよい)、ターフェニル環(3個のフェニル基は任意の連結様式で連結してもよい)などが挙げられる。
芳香族複素環基としては、例えば、5員、6員もしくは7員の環またはその縮合環からなる芳香族複素環基が挙げられる。芳香族複素環基に含まれるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子など挙げられる。芳香族複素環基を構成する環の具体例としては、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、フラザン環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、テトラジン環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドール環、インドリン環、イソインドール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、キノリン環、イソキノリン環、シンノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、キノキサリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、カルバゾール環、アクリジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、ナフチリジン環、プリン環、プテリジン環などが挙げられる。
Ar〜Arで表される芳香環基の好適態様としては、多環芳香族基が挙げられる。つまり、Ar〜Arの少なくとも1つが多環芳香族基であることが好ましく、Ar〜Arのうち2〜4つが多環芳香族基であることがより好ましい。
多環芳香族基とは、複数の芳香環基が縮合して形成された基であり、具体的には、多環芳香族炭化水素基(多環芳香族炭化水素環基)または多環芳香族複素環基が挙げられる。
ここで、多環芳香族炭化水素基とは、2個以上の環を有する芳香族炭化水素環からなる基であり、より具体的には、2個以上の単環芳香族炭化水素環(ベンゼン環)を有する縮合環の基である。なかでも、2個以上の単環芳香族炭化水素環同士が縮環した環からなる基であるのが好ましい。
多環芳香族炭化水素基を構成する環の具体例としては、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、アセナフチレン環、クリセン環、フルオランテン環、ピレン環、トリフェニレン環、テトラセン環、ベンゾピレン環、ピセン環、ペリレン環、ペンタセン環、ヘキサセン環、ヘプタセン環、コロネン環などが挙げられる。なかでも、ナフタレン環が好ましい。
また、多環芳香族複素環基とは、2個以上の環を有する芳香族複素環からなる基であり、より具体的には、2個以上の環を有し、かつ、1個以上の単環芳香族複素環を有する縮合環の基である。なかでも、1個以上の単環芳香族炭化水素環と1個以上の単環複素環とが縮環した環からなる基、または、2個以上の単環複素環が縮環した環からなる基であるのが好ましい。
多環芳香族複素環基を構成する環の具体例としては、アクリジン環、ベンゾキノリン環、カルバゾール環、フェナジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、カルボリン環、サイクラジン環、キンドリン環、テペニジン環、キニンドリン環、トリフェノジチアジン環、トリフェノジオキサジン環、フェナントラジン環、アントラジン環、ペリミジン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭素原子の任意の1つが窒素原子で置き換わったものを表す)、フェナントロリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ナフトフラン環、ナフトチオフェン環、ベンゾジフラン環、ベンゾジチオフェン環、ナフトジフラン環、ナフトジチオフェン環、アントラフラン環、アントラジフラン環、アントラチオフェン環、アントラジチオフェン環、チアントレン環、フェノキサチイン環、チオファントレン環(ナフトチオフェン環)などが挙げられる。
多環芳香族複素環基を構成する単環複素環は特に制限されないが、その具体例としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、フラザン環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、テトラジン環などが挙げられる。
Xの好適態様としては、本発明の効果がより優れる点で、ArとArとが連結しているのが好ましい。ここで、「ArとArとが連結している」とは、ArとArとが単結合または2価の連結基を介して連結していることを表す。2価の連結基の具体例および好適な態様は、上述したLおよびLで表される2価の連結基と同じである。
Xの最好適態様としては、本発明の効果がより優れる点で、一般式(3)で表される化合物から1個の水素原子を除いた残基を表す。
一般式(3)中、Ar〜Ar、および、Ar〜Arは、それぞれ独立に、芳香環基を表す。芳香環基の定義は、上述の通りである。なお、Ar〜Arは、それぞれ一般式(3)中の2つの炭素原子を含む形で芳香環基を構成する。
一般式(3)で表される化合物からは1個の水素原子が除かれるが、水素原子が除かれる位置は特に制限されず、Ar〜Ar、および、Ar〜Ar中のいずれの基であってもよい。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、Ar〜Arのいずれかから水素原子が除かれることが好ましく、例えば、Arから水素原子が除かれる場合、一般式(3)で表される化合物から1個の水素原子を除いた残基は、以下の一般式(3−1)で表される基を表す。なお、以下式中、「*」は結合位置を表す。また、一般式(3−1)中、Arは、いわゆる2価の芳香環基(アリーレン基またはヘテロアリーレン基)を表す。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、ArおよびArの少なくとも1つが多環芳香族基であることが好ましく、ArおよびArの両方が多環芳香族基であることがより好ましい。
なお、多環芳香族基の定義は、上述の通りである。
Ar〜Arには、置換基が含まれていてもよい。
置換基の種類としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH))、ホスファト基(−OPO(OH))、スルファト基(−OSOH)、または、これらの基を組み合わせた基などが挙げられる。
Yは、1価の有機基を表す。有機基の構造は特に制限されないが、例えば、酸基、重合性基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、フェノール基、アルキル基、アリール基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、複素環基、アルコキシシリル基、イソシアネート基および水酸基よりなる群から選択される基(以後、官能基Xとも称する)を少なくとも1つ有する1価の有機基が好ましく挙げられる。
また、1価の有機基としては、ポリマー鎖(高分子骨格)であってもよい。
なお、1価の有機基中には、上述した官能基Xが2つ以上含まれていてもよい。上述した官能基Xが2つ以上含まれる態様としては、鎖状飽和炭化水素基(直鎖状でも分岐状であってもよく、炭素数1〜10であることが好ましい)、環状飽和炭化水素基(炭素数3〜10であることが好ましい)、芳香族基(炭素数5〜10であることが好ましく、例えば、フェニレン基)等を介して2個以上の官能基Xが結合し1価の有機基を形成する態様等が挙げられ、鎖状飽和炭化水素基を介して2個以上の官能基Xが結合し1価の有機基を形成する態様が好ましい。
また、ポリマー鎖に、上述した官能基Xが2つ以上含まれていてもよい。その場合、官能基Xはポリマー鎖の側鎖としてポリマー鎖の主鎖に直接結合していてもよいし、官能基Xは2価の連結基を介してポリマー鎖の主鎖に結合していてもよい。
「酸基」として、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、ホウ酸基が好ましい例として挙げられ、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基がより好ましく、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基がさらに好ましく、カルボン酸基が特に好ましい。
「重合性基」としては、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基などが挙げられる。
ラジカル重合性基としては、一般に知られているラジカル重合性基を用いることができ、好適なものとしてラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性基を挙げることができ、具体的にはビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基などを挙げることができる。中でも、(メタ)アクリロイルオキシ基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。
カチオン重合性基としては、一般に知られているカチオン重合性を用いることができ、具体的には、脂環式エーテル基、環状アセタール基、環状ラクトン基、環状チオエーテル基、スピロオルソエステル基、ビニルオキシ基などを挙げることができる。中でも、脂環式エーテル基、ビニルオキシ基が好適であり、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルオキシ基が特に好ましい。
「ウレア基」として、例えば、−NR15CONR1617(ここで、R15、R16、およびR17は各々独立に、水素原子、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、または、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が好ましい例として挙げられ、−NR15CONHR17(ここで、R15およびR17は各々独立に、水素原子、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、または、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)がより好ましく、−NHCONHR17(ここで、R17は、水素原子、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、または、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が特に好ましい。
「ウレタン基」として、例えば、−NHCOOR18、−NR19COOR20、−OCONHR21、−OCONR2223(ここで、R18、R19、R20、R21、R22およびR23は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、または、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などが好ましい例として挙げられ、−NHCOOR18、−OCONHR21(ここで、R18、R21は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、または、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などがより好ましく、−NHCOOR18、−OCONHR21(ここで、R18、R21は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、または、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などが特に好ましい。
「配位性酸素原子を有する基」としては、例えば、アセチルアセトナト基、クラウンエーテルなどが挙げられる。
「塩基性窒素原子を有する基」として、例えば、アミノ基(−NH)、置換イミノ基(−NHR、−NR10、ここで、R、R、およびR10は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、または、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)、下記式(a1)で表されるグアニジル基、下記式(a2)で表されるアミジニル基などが好ましい例として挙げられる。
式(a1)中、R11およびR12は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、または、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
式(a2)中、R13およびR14は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、または、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
これらの中でも、アミノ基(−NH)、置換イミノ基(−NHR、−NR10、ここで、R、R、およびR10は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、フェニル基、または、ベンジル基を表す。)、式(a1)で表されるグアニジル基〔式(a1)中、R11およびR12は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、フェニル基、または、ベンジル基を表す。〕、式(a2)で表されるアミジニル基〔式(a2)中、R13およびR14は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、フェニル基、または、ベンジル基を表す。〕などがより好ましい。
特に、アミノ基(−NH)、置換イミノ基(−NHR、−NR10、ここで、R、R、およびR10は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、または、ベンジル基を表す。)、式(a1)で表されるグアニジル基〔式(a1)中、R11およびR12は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、または、ベンジル基を表す。〕、式(a2)で表されるアミジニル基〔式(a2)中、R13およびR14は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、または、ベンジル基を表す。〕などが好ましく用いられる。
「アルキル基」としては、直鎖状であっても、分岐状であってもよく、炭素数1〜40のアルキル基が好ましく、炭素数4〜30のアルキル基がより好ましく、炭素数10〜18のアルキル基がさらに好ましい。
「アリール基」としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。
「アルキレンオキシ鎖を有する基」としては、末端がアルキルオキシ基を形成していることが好ましく、炭素数1〜20のアルキルオキシ基を形成していることがより好ましい。また、アルキレンオキシ鎖としては、少なくとも1つのアルキレンオキシ基を有する限り特に制限はないが、炭素数1〜6のアルキレンオキシ基からなることが好ましい。アルキレンオキシ基としては、例えば、−CHCHO−、−CHCHCHO−等が挙げられる。
「アルキルオキシカルボニル基」におけるアルキル基部分としては、炭素数1から20までのアルキル基であることが好ましい。
「アルキルアミノカルボニル基」におけるアルキル基部分としては、炭素数1から20までのアルキル基であることが好ましい。
「カルボン酸塩基」としては、カルボン酸のアンモニウム塩からなる基などが挙げられる。
「スルホンアミド基」としては、窒素原子に結合する水素原子がアルキル基(メチル基等)、アシル基(アセチル基、トリフルオロアセチル基など)等で置換されていてもよい。
「複素環基」としては、例えば、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノンなどからなる基が好ましい例として挙げられる。
「イミド基」としては、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド等が挙げられる。
「アルコキシシリル基」としては、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基のいずれでもよいが、トリアルコキシシリル基であることが好ましく、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などが挙げられる。
上述したように、1価の有機基はポリマー鎖(高分子骨格)であってもよい。ポリマー鎖とは、ポリマー由来の基を意図し、ポリマー主鎖部分で結合可能であることが好ましい。
ポリマー鎖としては、公知のポリマーなどから目的等に応じて選択することができる。
ポリマーの中でも、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、およびこれらの変性物、または共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、およびこれらの変性物または共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体が特に好ましい。
有機基が上記ポリマー鎖である場合、化合物が長い分子鎖を有することとなり、ガラス転移温度の低下により、形成される膜の平坦性が向上する。
また、ポリマー鎖は各種官能基(例えば、カルボン酸基などの酸基や、重合性基など)が含まれていてもよい。なお、上記各種官能基は、ポリマー鎖中の側鎖部分に配置されていてもよく、2価の連結基を介してポリマー種鎖と結合していてもよい。2価の連結基の定義は、上述の通りである。
なかでも、硬化される膜に対して現像性を付与できる点、および/または、形成される膜の強度が向上する点で、Yは、酸基、および、重合性基からなる群から選択される基を少なくとも1つ有する1価の有機基であることが好ましい。
なお、Yで表される有機基には、酸基が2つ以上含まれていても、重合性基が2つ以上含まれていてもよい。
特に、酸基が含まれる場合、化合物を現像処理に好適に適用することができ、好ましい。
mは2以上の整数を表し、本発明の効果がより優れる点で、2〜6が好ましく、2〜5がより好ましく、3〜4がさらに好ましい。
nは0以上の整数を表し、本発明の効果がより優れる点で、0〜5が好ましく、1〜4がより好ましい。
なお、m+nの合計数は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、3〜10が好ましく、3〜6がより好ましい。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、nに対するmの比(m/n)が0.5〜5.0であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。
(化合物の合成方法)
一般式(1)で表される化合物の合成方法は特に制限されないが、特開2007−277514号公報段落0114〜0140および0266〜0348(対応する米国特許出願公開第2010/233595号明細書においては段落0145〜0173、および0289〜0429)に記載の合成方法に準じて合成することができる。
特に、複数のメルカプト基を有する化合物と、(メタ)アクリロイルオキシ基やビニル基などの炭素−炭素二重結合を有する化合物とを反応(チオール−エン反応法)させる方法が好ましい。
複数のメルカプト基を有する化合物の具体的な例〔具体例(18)〜(34)、(36)〕としては、以下の化合物が挙げられる。
上記の中でも、原料の入手性、合成の容易さ、各種溶媒への溶解性の観点から、特に好ましい化合物は、上記(18)、(19)、(27)、(28)、(33)、(34)、(36)の化合物である。
上記は、市販品として、(例えば(33)はジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート):堺化学工業(株)製)などが入手可能である。
また、一般式(1)中の「L−X」部分を得るために使用される、炭素−炭素二重結合を有する化合物としては、例えば、以下の一般式(6)で表される化合物が挙げられる。
一般式(6)中、Ar〜Arの定義は、上述の通りである。
は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の具体例および好適な態様は、上述したLおよびLで表される2価の連結基と同じである。
Wは、炭素−炭素二重結合を含む基であり、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基などが挙げられる。
チオール−エン反応法で用いられる適当な溶媒は特に制限されず、上述した反応基質を溶解できればよく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−エチルヘキサノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンが挙げられる。
これらの溶媒は、二種以上を混合して使用してもよい。
<組成物>
本発明の組成物は、上記一般式(1)で表される化合物を含む。なお、組成物中においては、一般式(1)で表される化合物は1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物より形成される膜を高屈折率膜として使用する場合、組成物中に含まれる一般式(1)で表される化合物の含有量としては、本発明の効果がより優れる点で、組成物中の全固形分に対して、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。上限は特に制限されないが、100質量%が挙げられ、後述する他の任意成分が含まれる場合、80質量%以下の場合が多く、60質量%以下の場合が多い。
なお、固形分とは、後述する膜を形成する成分を意図し、溶剤は含まれない。
<その他任意成分>
組成物には、上記一般式(1)で表される化合物以外の他の化合物が含まれていてもよく、例えば、重合性化合物、重合開始剤、界面活性剤、シランカップリング剤、無機粒子、溶剤、重合禁止剤などが含まれていてもよい。
以下、組成物に含まれていてもよい任意成分の代表例について詳述する。
(重合性化合物)
組成物中には、重合性化合物が含まれていてよい。重合性化合物が使用され、かつ、硬化処理が施されることにより、形成される膜の強度が向上する。
重合性化合物の種類は特に制限されず、公知の重合性化合物を使用することができる。重合性化合物に含まれる重合性基の種類は特に制限されず、上述した一般式(1)中のYがとり得る重合性基などが挙げられる。
重合性化合物中における重合性基の数は特に制限されないが、形成される膜の強度がより優れる点で、2つ以上の重合性基が含まれることが好ましい。言い換えると、多官能重合性化合物であることが好ましい。
なお、組成物中には、1種の重合性化合物のみを含有させても、2種以上の重合性化合物を含有させてもよい。
重合性化合物としては特に制限されないが、例えば、エチレン性不飽和結合を含む化合物が挙げられる。エチレン性不飽和結合を含む化合物の例としては、特開2013−253224号公報の段落0033〜0034の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
エチレン性不飽和結合を含む化合物としては、エチレンオキシ変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としてはNKエステルATM−35E;新中村化学社製)、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては KAYARAD D−330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては KAYARAD D−320;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD D−310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD DPHA ;日本化薬株式会社製)、およびこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。またこれらのオリゴマータイプも使用できる。
また、特開2012−251125号公報(対応する国際公開第2012/153826号)の段落[0107]〜[0118]や特開2012−255148号公報(対応する国際公開第2012−157784号)の段落[0114]〜[0128]等に記載の重合性化合物が援用でき、これらの内容は本願明細書に取り込まれる。
さらに、カチオン重合性基(特に、エポキシ基)を有する重合性化合物も好適に用いられる。
重合性化合物の好適態様の一つとしては、重合性基を2つ以上有し、かつ、フルオレン骨格を有する重合性化合物が挙げられる。なお、フルオレン骨格とは、フルオレン構造を少なくとも含む骨格であり、フルオレン構造中の芳香環基は、いわゆる単環構造(ベンゼン環)でも、多環構造(多環芳香族環構造)でもよい。
重合性化合物の最好適態様としては、下記一般式(M1)で表される重合性化合物が挙げられる。
上記一般式(M1)中、Ar11〜Ar14は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香環基を表し、Ar11〜Ar14のうち1つ以上は重合性基を有する置換基を含む。また、Ar11〜Ar14は、それぞれ互いに連結していてもよく、Ar13とAr14とが連結していることが好ましい。
Ar11〜Ar14で表される芳香環基の定義は、一般式(2)中のAr〜Arで表される芳香環基の定義と同義であり、好適態様も同じである。
また、Ar11〜Ar14が含む置換基が有する上記重合性基は、ラジカル重合性基またはカチオン重合性基(特に、エポキシ基)であることが好ましい。
Ar11〜Ar14のうち1つ以上は重合性基を有する置換基を含む。なかでも、形成される膜の強度がより優れる点で、Ar11〜Ar14のうち2〜4個が重合性基を有する置換基を含むことが好ましく、Ar11〜Ar14のうち2または3個が重合性基を有する置換基を含むことがより好ましく、Ar11〜Ar14のうち2個が重合性基を有する置換基を含むことが特に好ましい。
なお、重合性基を有する置換基の構造は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる点で、以下一般式(M2)で表される基が好ましい。
一般式(M2) *−L−V
は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の具体例および好適な態様は、上述したLおよびLで表される2価の連結基と同じである。
Vは、重合性基を表す。重合性基の定義は、上述の通りである。
上記一般式(M1)中、Ar11〜Ar14は、それぞれ互いに連結していてもよい。Ar11〜Ar14がそれぞれ互いに連結したときに形成されることとなる環は、脂環であることが好ましい。Ar11〜Ar14がそれぞれ互いに連結するときの連結基としては、単結合、−O−などを挙げることができ、単結合であることが好ましい。Ar11〜Ar14がそれぞれ互いに連結するときに形成される環(Ar11〜Ar14がそれぞれ互いに連結するときの連結基を含む1つの環を意味し、Ar11〜Ar14がそれぞれ互いに連結した結果として形成された縮合環全体ではない)の環員数は5または6であることが好ましく、5であることがより好ましい。
Ar11〜Ar14がそれぞれ互いに連結している場合、Ar11〜Ar14のうち互いに隣り合う2つが連結していることが好ましく、Ar13およびAr14が連結していることがより好ましく、Ar11〜Ar14のうちAr13およびAr14のみが連結していることが特に好ましい。
組成物に重合性化合物が含まれる場合、組成物中に含まれる重合性化合物の含有量としては、本発明の効果がより優れる点で、組成物中の全固形分に対して、20〜95質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましく、35〜60質量%がさらに好ましい。
また、一般式(1)で表される化合物と重合性化合物との質量比は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、一般式(1)で表される化合物100質量部に対して、重合性化合物の含有量が10〜120質量部であることが好ましく、10〜90質量部であることがより好ましく、30〜80質量部であることがさらに好ましい。
なお、組成物中においては、重合性化合物は1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(重合開始剤)
重合開始剤としては、光、熱のいずれか、または、その双方により重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はないが、光重合開始剤であることが好ましい。光で重合を開始させる場合、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましい。
また、熱で重合を開始させる場合には、150〜250℃で分解する重合開始剤が好ましい。
重合開始剤としては、少なくとも芳香族基を有する化合物であることが好ましく、例えば、アシルホスフィン化合物、アセトフェノン化合物、α−アミノケトン化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾインエーテル化合物、ケタール誘導体化合物、チオキサントン化合物、オキシム化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、トリハロメチル化合物、アゾ化合物、有機過酸化物、ジアゾニウム化合物、ヨードニウム化合物、スルホニウム化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物等のオニウム塩化合物、有機硼素塩化合物、ジスルホン化合物、チオール化合物などが挙げられる。
上記重合開始剤としては、特開2013−253224号公報の段落0217〜0228の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
オキシム化合物としては、市販品であるIRGACURE−OXE01(BASF社製)、IRGACURE−OXE02(BASF社製)を用いることができる。アセトフェノン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−907、IRGACURE−369、および、IRGACURE−379(商品名:いずれもBASFジャパン社製)を用いることができる。また、アシルホスフィン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−819やDAROCUR−TPO(商品名:いずれもBASFジャパン社製)を用いることができる。
また、フッ素原子を有するオキシム開始剤を用いることも可能である。そのような開始剤の具体例としては、特開2010−262028号公報に記載されている化合物、特表2014−500852号公報の段落番号0345に記載されている化合物24、36〜40、特開2013−164471号公報の段落番号0101に記載されている化合物(C−3)が挙げられる。
また、特開2012−251125号公報(対応する国際公開第2012/153826号)の段落[0119]〜[0215]や特開2012−255148号公報(対応する国際公開第2012−157784号)の段落[0129]〜[0226]等に記載の重合開始剤が援用でき、これらの内容は本願明細書に取り込まれる。
組成物に重合開始剤が含まれる場合、組成物中に含まれる重合開始剤の含有量としては、本発明の効果がより優れる点で、組成物中の全固形分に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
(界面活性剤)
界面活性剤としては特に制限されないが、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781、F781F(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(OMNOVA社製)等が挙げられる。
界面活性剤としては、特開2012−251125号公報(対応する国際公開第2012/153826号)の段落[0256]〜[0264]や特開2012−255148号公報(対応する国際公開第2012−157784号)の段落[0295]〜[0303]等に記載の界面活性剤が援用でき、これらの内容は本願明細書に取り込まれる。
組成物に界面活性剤が含まれる場合、組成物中に含まれる界面活性剤の含有量としては、本発明の効果がより優れる点で、組成物中の全固形分に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
(シランカップリング剤)
シランカップリング剤としては特に制限されないが、例えば、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル−メチルジメトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBM−602)、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル−トリメトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBM−603)、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル−トリエトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBE−602)、γ−アミノプロピル−トリメトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBM−903)、γ−アミノプロピル−トリエトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBE−903)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBM−503)などが挙げられる。
組成物にシランカップリング剤が含まれる場合、組成物中に含まれるシランカップリング剤の含有量としては、本発明の効果がより優れる点で、組成物中の全固形分に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
(重合禁止剤)
本発明の組成物の製造中あるいは保存中において重合性化合物の不要な重合を阻止するために、組成物には重合禁止剤が含まれていてもよい。
重合禁止剤としては、フェノール系水酸基含有化合物、N−オキシド化合物類、ピペリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類、ピロリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン類、ジアゾニウム化合物類、カチオン染料類、スルフィド基含有化合物類、ニトロ基含有化合物類、FeCl、CuCl等の遷移金属化合物類が挙げられる。
組成物に重合禁止剤が含まれる場合、組成物中に含まれる重合禁止剤の含有量としては、本発明の効果がより優れる点で、組成物中の全固形分に対して、0.001〜1質量%が好ましく、0.001〜0.5質量%がより好ましい。
(無機粒子)
無機粒子としては、屈折率が高く、無色、白色または透明な無機粒子であることが好ましく、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)またはマグネシウム(Mg)の酸化物粒子が挙げられ、二酸化チタン(TiO2)粒子、酸化ジルコニウム(ZrO2)粒子または二酸化珪素(SiO2)粒子であることがより好ましい。
無機粒子の一次粒子径は特に制限されず、1〜100nmが好ましく、1〜80nmがより好ましく、1〜50nmが特に好ましい。無機粒子の一次粒子径が上記範囲内であれば、分散性が優れると共に、屈折率および透過率が向上する。
無機粒子の屈折率は特に制限はないが、高屈折率を得る観点から、1.75〜2.70であることが好ましく、1.90〜2.70であることがより好ましい。
無機粒子の比表面積は特に制限はないが、10〜400m2/gが好ましく、20〜200m2/gがより好ましく、30〜150m2/gがさらに好ましい。
また、無機粒子の形状には特に制限はなく、例えば、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状または不定形状などが挙げられる。
無機粒子は、有機化合物により表面処理されたものであってもよい。表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤またはチタネートカップリング剤が含まれる。なかでも、ステアリン酸またはシランカップリング剤が好ましい。
また、無機粒子の表面は、耐候性がより向上する点で、アルミニウム、ケイ素、ジルコニアなどの酸化物により覆われていることも好ましい。
無機粒子としては、市販されているものを好ましく用いることができる。
無機粒子は、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(硬化促進剤)
本発明の組成物は、特に重合性化合物にエポキシ基などのカチオン重合性基を含む場合、硬化促進剤を含むことが好ましい。
硬化速度を向上させる硬化促進剤としては、酸無水物、塩基(脂肪族アミン、芳香族アミン、変性アミン)、酸(スルホン酸、リン酸、カルボン酸等)、ポリメルカプタンなどが挙げられる。なかでも、好ましくは酸無水物で、さらに好ましくは脂肪族酸無水物が好ましい。
本発明の組成物は、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、フィルタで濾過することが好ましい。フィルタとしては、従来からろ過用途等に用いられているものであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量を含む)等によるフィルタが挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)およびナイロンが好ましい。
フィルタの孔径は、0.1〜7.0μm程度が適しており、好ましくは0.2〜2.5μm程度、より好ましくは0.2〜1.5μm程度、さらに好ましくは0.3〜0.7μmである。この範囲とすることにより、ろ過詰まりを抑えつつ、組成物に含まれる不純物や凝集物など、微細な異物を確実に除去することが可能となる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタを組み合わせてもよい。その際、第1のフィルタでのフィルタリングは、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。異なるフィルタを組み合わせて2回以上フィルタリングを行う場合は1回目のフィルタリングの孔径より2回目以降の孔径が同じ、または、大きい方が好ましい。また、上述した範囲内で異なる孔径の第1のフィルタを組み合わせてもよい。ここでの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)、または、株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
第2のフィルタは、上述した第1のフィルタと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。第2のフィルタの孔径は、0.2〜10.0μm程度が適しており、好ましくは0.2〜7.0μm程度、さらに好ましくは0.3〜6.0μm程度である。この範囲とすることにより、組成物に含有されている成分粒子を残存させたまま、組成物に混入している異物を除去することができる。
例えば、第1のフィルタでのフィルタリングは、分散液のみで行い、他の成分を混合した後で、第2のフィルタリングを行ってもよい。
<用途>
本発明の化合物および組成物の用途は特に制限されないが、例えば、表示装置や固体撮像素子の高屈折部材(マイクロレンズ、カラーフィルタの下地層や隣接層などの透明膜、カラーフィルタのホワイトピクセル)、レンズ(眼鏡レンズ、デジタルカメラ用レンズ、フレネルレンズ、プリズムレンズなど)、光学用オーバーコート剤、ハードコート剤、反射防止膜、光ファイバー、光導波路、LED(Light Emitting Diode)用封止材料、LED用平坦化材料、太陽光電池用コーティング材として有用である。
<膜>
本発明の膜は、本発明の組成物から得られる膜である。組成物中に重合性基を有する成分(例えば、重合性化合物)が含まれる場合は、組成物に硬化処理を施すことにより、硬化膜を得ることができる。
本発明の膜の屈折率は特に制限されないが、1.55以上であることが好ましく、1.6〜2.0であることがより好ましい。
本発明の膜の光透過率は特に制限されないが、400〜700nmの波長領域全域に渡って90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、100%であることがさらに好ましい。
本発明の膜の厚みは特に制限されないが、0.1〜20μmであることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましく、0.5〜4μmであることがさらに好ましい。
本発明の組成物を硬化させる方法は特に制限されず、加熱や露光などが挙げられる。加熱に使用する装置は特に制限されず、送風乾燥機、オーブン、赤外線乾燥機、加熱ドラムなどを用いることができる。露光に使用装置は特に制限されず、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン(Xe)ランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯などを用いることができる。
上記膜は、各種用途に適用でき、例えば、固体撮像素子や表示装置などの光学機器に適用できる。
<固体撮像素子>
本発明の膜は、固体撮像素子に好適に適用できる。
例えば、基板上に、固体撮像素子(CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコン等からなる受光素子を有するとともに、カラーフィルタの下に本発明の膜である下塗り膜を備えた構成などが挙げられる。
<表示装置>
本発明の膜は、表示装置に好適に適用できる。
本発明の表示装置は、デジタル一眼レフカメラのビューファインダやヘッドマウント形ディスプレイなどに用いられる小型・高精細有機EL表示装置(例えば、マイクロOLED)であることが好ましく、例えば、ガラスなどの基板の上に、各画素がマトリクス状に配置されてなる表示領域が設けられたものであることが好ましい。
以下に図面を参照して、本発明の表示装置の一実施態様について説明する。
図1は、本発明の組成物をカラーフィルタの下地剤として使用した表示装置の一態様の1画素分の断面図である。各画素は、例えば、白色光を発生する複数の有機EL素子20と、カラーフィルタ50(50R、50G、50B)との組み合わせにより三原色(赤,緑および青)のいずれかの光を発生するものである。複数の有機EL素子20のピッチ(中心間距離)pは、例えば30μm以下、具体的には例えば約2μmないし3μmである。すなわち、この表示装置は、有機EL素子20の寸法が極めて小さい、いわゆるマイクロディスプレイと呼ばれるものである。なお、この表示装置上には接眼レンズ(図示せず)が設けられており、使用者は、表示装置に表示された画像を、接眼レンズを通して拡大して見るようになっている。そのため、使用者が見ることができるのは、表示装置に表示された画像のうち、接眼レンズの取り込み角の範囲内の部分のみである。
有機EL素子20は、基板10上に行列状に配置されると共に、保護膜30により被覆されている。保護膜30上には、接着層(図示せず)を間にして、ガラスなどよりなる封止用基板(図示せず)が全面にわたって貼り合わせられている。この封止用基板の基板10側の表面にカラーフィルタ50が設けられている。
カラーフィルタ50は、複数の有機EL素子20に対向する透過赤色領域(図示せず)を有している。透過色領域の一部には、半透過領域(図示せず)が設けられている。これにより、この表示装置では、有機EL素子20の寸法が小さい場合にも、隣接する透過色領域を通過した光の回折による混色を抑えることが可能となっている。
カラーフィルタ50の下には、本発明の膜である下地層40が設けられている。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、本実施例に関しては組成物の調製後に、全て日本ポール製DFA4201NXEY(0.45μmナイロンフィルター)を用いてろ過を行った。
<化合物の合成>
公知の方法により下記A−1〜A−5を合成した。なお、各化合物の同定はH−NMRにより行った。図3にA−1のH−NMRチャートを示す。
<合成例1:A−1(X)>
(単官能フルオレンモノマーXの合成)
以下に示す合成スキームおよび合成方法(工程A〜D)に従って、単官能フルオレンモノマーXを合成した。
(工程A)
マグネシウム,削り状(和光純薬(株)製)15.8g(0.2171mol)を含むテトラヒドロフラン200mLを攪拌しているところに、2−ブロモナフタレン(東京化成工業(株)製)134.9g(0.6514mol)のテトラヒドロフラン溶液600mLを滴下し、Grignard試薬を作製した。その後、0℃に冷却し、11H−ベンゾ[b]フルオレン−11−オン(東京化成工業製)50gのテトラヒドロフラン(THF)溶液600mLを滴下した。滴下後、30分攪拌した後に飽和塩化アンモニウム水溶液を滴下し、反応を停止した。分液、濃縮して得られたオイルをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)による精製を行い、目的の三級アルコール65g(収率:83.5%)を得た。
(工程B)
工程Aで得られた三級アルコール62g(0.1730mol)と2−ナフトール(東京化成工業(株)製)29.9g(0.2076mol)、3−メルカプトプロピオン酸(東京化成工業(株)製)2.8g(0.02595mol)のトルエン600mL溶液を60℃に加熱した。その溶液にメタンスルホン酸(東京化成工業(株)製)249.9g(2.595mol)を滴下した。滴下後、1時間攪拌した後に水と酢酸エチルを添加し、分液、濃縮して得られたオイルをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)による精製を行い、目的のナフトール付加体77g(収率:91.9%)を得た。
(工程C)
工程Bで得られたナフトール付加体74g(0.1527mol)と炭酸エチレン(東京化成工業(株)製)26.9g(0.3054mol)、炭酸カリウム(和光純薬(株)製)42.2g(0.3054mol)のジメチルホルムアルデヒド溶液740mLを110℃で3時間攪拌した。原料の消失を確認後、水酸化カリウム18.8%水溶液91gを添加した。原料の炭酸エチレンの消失を確認後、水と酢酸エチルを添加し、分液、濃縮して、目的のアルコール68g(収率:84.3%)を得た。
(工程D)
工程Cで得られたアルコールを68g(0.1286mol)のテトラヒドロフラン1000mL溶液にトリエチルアミン(和光純薬(株)製)52.1g(0.5145mol)を加え、0℃に冷却した。次にアクリル酸クロライド(東京化成工業(株)製)23.3g(0.2573mol)を滴下し、30分攪拌した。原料が消失していることを確認後、水と酢酸エチルを添加し、分液、濃縮して得られたオイルに酢酸エチルを加え30%溶液にし、0℃に冷却したメタノールに滴下し、析出してきた目的の単官能フルオレンモノマーX(45g)(収率:60.0%)をろ過により回収した。
単官能フルオレンモノマーX(5g)とジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(DPMP)(SC有機化学製)1.68gのシクロヘキサノン(和光純薬製)65g溶液にトリエチルアミン(和光純薬製)0.1gを添加し、65℃で12時間攪拌した。その溶液にイタコン酸(和光純薬製)0.56gとV−601(和光純薬製)0.01gを添加し、90℃で加熱攪拌した。さらに2時間後、V−601(和光純薬製)0.01gを添加した。反応終了後、反応液をメタノールに滴下し、析出してきたA−1(X)をろ過により回収した(7g、収率97%)。得られたA−1(X)をシクロヘキサノンに溶解させ、A−1(X)の33.6%溶液を得た。
なお、A−1(X)においては、m=4、n=2であった。
また、使用する単官能フルオレンモノマーXおよびイタコン酸の量を変更した以外は、上記A−1(X)の製造手順と同様にして、m=3、n=3であるA−1(Y)を製造した。
さらに、使用する単官能フルオレンモノマーXおよびイタコン酸の量を変更した以外は、上記A−1(X)の製造手順と同様にして、m=2、n=4であるA−1(Z)を製造した。
<合成例2:A−2>
以下のスキームに従って、フルオレノンXを合成した。
5−ブロモ−1−インダノン50g(和光純薬製)とo−フタルアルデヒド32gのメタノール1500mL溶液を40℃に加熱し完溶させた。そこに水酸化カリウム(和光純薬製)40gのメタノール100mLを30℃以下に保持しながら滴下した。滴下後55℃で2時間加熱した後、0℃に冷却した。ろ過することで目的のフルオレノンXを37g得た。
11H−ベンゾ[b]フルオレン−11−オンの代わりに上記フルオレノンXを用い、かつ、DPMPの代わりにペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)(SC有機化学製)を用いた以外は、合成例1と同様の手順に従って、A−2を合成した。なお、A−2中のmは2、nは2であった。
<合成例3:A−3>
DPMPの代わりに、カレンズMT NR1(昭和電工製)を用いた以外は、合成例1と同様の手順に従って、A−3を合成した。なお、A−3中のmは2、nは1であった。
<合成例4:A−4>
(化合物Xの合成)
以下スキームに従って、化合物Xを合成した。
5−ブロモ−1−インダノン50g(和光純薬製)とo−フタルアルデヒド32gのメタノール1500mL溶液を40℃に加熱し完溶させた。そこに水酸化カリウム(和光純薬製)40gのメタノール100mLを30℃以下に保持しながら滴下した。滴下後55℃で2時間加熱した後、0℃に冷却した。ろ過することで目的のフルオレノンを37g得た。
窒素雰囲気下、得られたフルオレノン30gと2−ナフタレンボロン酸(東京化成工業製)20gのTHF500mL溶液に炭酸カリウム35g(和光純薬製)の水250mL溶液を加え65℃に加熱した。そこにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(東京化成工業製)1.1gを添加した。5時間加熱攪拌した後、分液し得られた有機層にメタノールを500mL加えた。析出してきた目的物である化合物Xをろ過により得た(31g、収率90%)。
11H−ベンゾ[b]フルオレン−11−オンの代わりに上記化合物Xを用い、2−ブロモナフタレンの代わりに2−(4−ブロモフェニル)−ベンゾチアゾール(東京化成製)を用いた以外は、合成例1の(単官能フルオレンモノマーXの合成)と同様の手順に従って、単官能フルオレンモノマーYを合成した。
単官能フルオレンモノマーY(5g)とジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(DPMP)(SC有機化学製)1.68gのシクロヘキサノン(和光純薬製)65g溶液にトリエチルアミン(和光純薬製)0.1gを添加し、65℃で12時間攪拌した。その溶液をメタノール650mLに滴下し、ろ過して、固体を得た。得られた固体をシクロヘキサノン17gに溶解させた後に、イタコン酸(和光純薬製)0.56gとV−601(和光純薬製)0.01gを添加し、90℃で加熱攪拌した。さらに2時間後、V−601(和光純薬製)0.01gを添加した。反応終了後、反応液をメタノールに滴下し、析出してきた化合物をろ過により回収した(7g、収率97%)。
次に、得られた化合物(7g)のシクロヘキサノン溶液(16g)に対して、グリシジルメタクリレート(0.84g)(和光純薬製)、テトラブチルアンモニウムブロミド(0.29g)(和光純薬製)、p−メトキシフェノール(0.01g)(和光純薬製)を添加し、90℃で12時間攪拌したことでA−4のシクロヘキサノン溶液を得た。なお、A−4中のmは3、nは3であった。
<合成例5:A−5>
11H−ベンゾ[b]フルオレン−11−オン(東京化成工業製)の代わりに9−フルオレノン(東京化成工業(株)製)を用い、2−ブロモナフタレンの代わりにブロモベンゼンを用い、2−ナフトールの代わりにフェノールを用いた以外は、合成例1と同様の手順に従って、A−5を合成した。なお、A−5中のmは3、nは3であった。
<合成例6:A−6(X)>
合成例4と同様に単官能フルオレンモノマーYを合成した。
単官能フルオレンモノマーY(3.65g)とジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(DPMP)(SC有機化学製)0.90gのシクロヘキサノン(和光純薬製)50g溶液にトリエチルアミン(和光純薬製)0.19gを添加し、65℃で12時間攪拌した。その溶液をメタノール500mLに滴下し、ろ過して、固体を得た。得られた固体をシクロヘキサノン16gに溶解させた後に、その溶液をアクリル酸(東京化成製)1.05gと130A(共栄社化学製)1.11gとV−601(和光純薬製)0.12gを添加し、90℃で加熱攪拌した。さらに2時間後、V−601(和光純薬製)0.12gを添加した。反応終了後、反応液をメタノールに滴下し、析出してきた化合物をろ過により回収した(6.5g、収率97%)。
次に、得られた化合物(6.5g)のシクロヘキサノン溶液(16g)に対して、グリシジルメタクリレート(0.30g)(和光純薬製)、テトラブチルアンモニウムブロミド(0.13g)(和光純薬製)、p−メトキシフェノール(0.01g)(和光純薬製)を添加し、90℃で12時間攪拌したことでA−6(X)のシクロヘキサノン溶液を得た。なお、A−6(X)中のmは4、nは2であった(Mw:7800、Mn:5000)。
なお、使用する化合物の量を調整することにより、mが3、nが3のA−6(Y)も合成した。
<合成例7:A−7>
合成例4と同様に単官能フルオレンモノマーYを合成した。
単官能フルオレンモノマーY(3.65g)とジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(DPMP)(SC有機化学製)(0.90g)とのシクロヘキサノン(和光純薬製)50g溶液に、トリエチルアミン(和光純薬製)0.19gを添加し、65℃で12時間攪拌した。その溶液をメタノール500mLに滴下し得られた固体をろ過により得た。得られた固体をシクロヘキサノン16gに溶解させた後にその溶液をM−5300(共栄社)1.14gとV−601(和光純薬製)0.12gを添加し、90℃で加熱攪拌した。さらに2時間後、V−601(和光純薬製)0.12gを添加した。反応終了後、反応液をメタノールに滴下し、析出してきた化合物(A−7)をろ過により回収した(6.5g、収率97%)。なお、A−7中のmは4、nは2であった(Mw8500、Mn6500)。
<合成例8:A−8>
合成例4と同様に単官能フルオレンモノマーYを合成した。
単官能フルオレンモノマーY(3.65g)とジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(DPMP)(SC有機化学製)(0.90g)とのシクロヘキサノン(和光純薬製)50g溶液に、トリエチルアミン(和光純薬製)0.19gを添加し、65℃で12時間攪拌した。その溶液をメタノール500mLに滴下し得られた固体をろ過により得た。得られた固体をシクロヘキサノン16gに溶解させた後にその溶液をアクリル酸(東京化成製)1.05gとV−601(和光純薬製)0.12gを添加し、90℃で加熱攪拌した。さらに2時間後、V−601(和光純薬製)0.12gを添加した。反応終了後、反応液をメタノールに滴下し、析出してきた化合物をろ過により回収した(5.3g、収率95%)。
次に、得られた化合物(5.3g)のシクロヘキサノン溶液(16g)に対して、グリシジルメタクリレート(2.67g)(和光純薬製)、テトラブチルアンモニウムブロミド(0.30g)(和光純薬製)、p−メトキシフェノール(0.01g)(和光純薬製)を添加し、90℃で12時間攪拌したことでA−8のシクロヘキサノン溶液を得た。なお、A−8中のmは4、nは2であった(Mw8000、Mn6000)。
上記M−1は、以下の手順に従って合成した。
11H−ベンゾ[b]フルオレン−11−オン(東京化成工業製)100g、2−ナフトール156.6g(東京化成工業(株)製)、3−メルカプトプロピオン酸(東京化成工業(株)製)6.9gにトルエン1200gを加え、60℃に加熱攪拌した。溶解後、メタンスルホン酸(東京化成工業(株)製)166.9gを滴下し、60℃にて2時間攪拌した。その後、水と酢酸エチルを添加し、分液、濃縮を行った。得られた濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより目的のナフトール付加体101g(収率:46.5%)を得た。
得られたナフトール付加体101gのジメチルホルムアミド(DMF)1000g溶液に炭酸エチレン(東京化成工業(株)製)71.1g、炭酸カリウム(和光純薬(株)製)111.5gを加え、110℃で2時間撹拌した。原料の消失を確認後、水酸化カリウム18.5%水溶液245gを添加した。原料の炭酸エチレンの消失を確認後、水と酢酸エチルを添加し、分液、濃縮して、目的のアルコール100g(収率:84.0%)を得た。
得られたアルコールを69gのテトラヒドロフラン1000mL溶液にトリエチルアミン(和光純薬(株)製)95.0gを加え、0℃に冷却した。次に、アクリル酸クロライド(東京化成工業(株)製)42.5gを滴下し、30分攪拌した。原料が消失していることを確認後、水と酢酸エチルを添加し、分液、濃縮して得られたオイルに酢酸エチルを加え30%溶液にし、0℃に冷却したメタノールに滴下し、析出してきた目的のM−1(57g)(収率:70.0%)をろ過により回収した。
上記C−1は、特許文献1(段落0083)に記載の合成法を参照して、合成した。
上記C−2は、以下の手順に従って合成した。
窒素下で90℃に加熱したシクロヘキサノン7.2gに、ビニルナフタレン10g(Alfa Aesar社製)、アクリル酸2.0g(東京化成工業(株)製)、V−601 0.85g(和光純薬(株)製)のシクロヘキサノン溶液10.8gを2時間かけて滴下した。2時間攪拌後、V−601 0.4gを追加し、さらに5時間攪拌した。そこにグリシジルメタクリレート2.63g(東京化成工業(株)製)、テトラブチルアンモニウムブロミド 0.30g(東京化成工業(株)製)、p−メトキシフェノール0.005g(和光純薬(株)製)を添加し、終夜攪拌を行うことでC−2のシクロヘキサノン溶液を得た(Mw:5400、Mn:3200)。
なお、後述する「M−2」として、東亞合成(株)製アロニックスTO−2349を用いた。
重合性化合物M−4は、特開2014−208804号公報の比較例5を参考にして合成した。
「M−5」として、株式会社ダイセル製EHPE3150を用いた。
「P−1」として、東京化成工業株式会社製シクロヘキサンジカルボン酸無水物を用いた。
「P−2」として、東京化成工業株式会社製フタル酸無水物を用いた。
<組成物1〜11の調製>
上記化合物A−1の33.6%溶液(5.0質量部)と、重合性化合物M−1(1.3質量部)と、重合性化合物M−2(0.33質量部)と、IRGACURE OXE01(BASF社製)0.16質量部と、添加剤Megafac F−781F(DIC社製、含フッ素ポリマー型界面活性剤)0.17質量部と、KBM−602(信越化学工業社製)0.02質量部と、p−メトキシフェノール(和光純薬製)0.01質量部と、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート(PGMEA)(13質量部)とを混合することで組成物1を調製した。
組成物2〜11に関しては、後述する表1に示すように、一般式(1)で表される化合物および重合性化合物の種類を変更して、組成物1と同様の手順で調製した。
<屈折率の評価>
各組成物をシリコンウエハ上にスピンコート法で塗布し、その後、ホットプレート上にて100℃で2分間加熱して膜厚1μmの感光性膜を得た。次いでExecure3000(HOYA(株)社製)を用いて10mW/cmの紫外線を照射することで、硬化膜を調製した。
得られた膜について屈折率(波長:500nm)(装置:大日本スクリーン製造(株)製エリプソ式膜厚測定装置 REシリーズ、RE−3320)を用いて測定した。そして、以下の基準から屈折率を評価した。結果を表1に示す。実用上、A〜Cであることが好ましい。
・A:屈折率が1.65以上
・B:屈折率が1.60以上1.65未満
・C:屈折率が1.55以上1.60未満
・D:屈折率が1.55未満
<平坦性の評価>
平坦性の評価方法に関して、図2を用いて詳述する。
まず、図2に示す、深さD1が1400nmで、幅Wが3000nmの溝が形成された基板110を用意し、各組成物を基板110上にスピンコート法で塗布する。なお、塗布の際には、後述する手順によって得られる硬化膜120のT1の厚みが200nmとなるように調整した。
その後、ホットプレート上にて100℃で2分間加熱して感光性膜を得た。次いでExecure3000(HOYA(株)社製)を用いて10mW/cmの紫外線を照射することで、硬化膜を作製した。
得られた硬化膜の溝上に位置する硬化膜の凹部の深さD2の最大値を走査型プローブ顕微鏡(Veeco Instruments社製 AFM Nano Scope IV)を用いて測定し、以下の基準から平坦性を評価した。結果を表1に示す。実用上、A〜Bであることが好ましい。
・A:深さD2が600nm未満
・B:深さD2が600nm以上800nm未満
・C:深さD2が800nm以上
表1に示すように、本発明の化合物を含む組成物より得られた膜は、優れた屈折率および表面平坦性を示した。
特に、実施例7と他の実施例との比較より、一般式(2)中のAr〜Arのいずれかが多環芳香族基である場合、屈折率がより優れることが確認された。
また、実施例2と実施例5との比較より、一般式(1)中のAが一般式(4)で表される部分構造を有する基である場合、表面平坦性がより優れることが確認された。
なお、本発明の化合物を含まない組成物を用いた比較例1〜3では、屈折率と表面平坦性とを両立することができなかった。
<組成物12〜21の調製>
上記化合物A−6(X)の30.0%溶液(5.0質量部)と、重合性化合物M−1(0.5質量部)と、重合性化合物M−2(0.38質量部)と、硬化促進剤P−1(東京化成工業製)0.13質量部と、IRGACURE OXE01(BASF社製)0.16質量部と、添加剤Megafac F−781F(DIC社製、含フッ素ポリマー型界面活性剤)0.17質量部と、KBM−602(信越化学工業社製)0.02質量部と、p−メトキシフェノール(和光純薬製)0.01質量部と、シクロヘキサノン(13質量部)とを混合することで組成物12を調製した。
組成物13〜21に関しては、後述する表2に示すように、一般式(1)で表される化合物および重合性化合物の種類などを変更して、組成物12と同様の手順で調製した。
得られた組成物(組成物12〜21)を用いて、上述した<平坦性の評価>を実施した。
<評価サンプル(マイクロレンズ用厚膜基盤)の作製方法>
ガラス基板にFFEM製CT−4000をスピンコート法で塗布した。その後、220℃で1時間加熱処理を実施して、下地層付きガラス基板を作製した。下地層の膜厚は0.1μmであった。
得られた組成物(組成物12〜21)を下地層付きガラス基板上にスピンコート法で塗布した。その後、100℃で2分間プレベークを実施した後、さらに、265℃で10分間加熱処理を実施してポストベークを行った。得られた硬化膜の膜厚は3μmであった。
上述した<屈折率の評価>で述べた方法により、得られた硬化膜の屈折率を測定した。また、上述した<平坦性の評価>で述べた方法により、平坦性を評価した。
<耐熱性の評価>
上記で得られた評価サンプルを用いて、硬化膜の波長400nmでの透過率を測定し、以下の基準に従って評価した。
A:95%以上
B:90%以上95%未満
C:80%以上90%未満
D:80%未満
<耐溶剤性の評価>
上記で得られた評価サンプルをシクロヘキサノンに5分間浸漬した後、硬化膜の残存率(%)[{(浸漬前の硬化膜の質量−浸漬後の硬化膜の質量)/浸漬前の硬化膜の質量}×100]を測定した。結果を表1に示す。実用上、A〜Bであることが好ましい。
A:残存率が95%以上
B:残存率が85%以上95%未満
C:残存率が85%未満
<クラックの評価>
上記で得られた評価サンプルを用いて、硬化膜を光学顕微鏡にて観察し、以下の基準に従って評価した。
A:ヒビなし
B:小さなヒビあり
C:大きなひびあり
D:膜形成できず

表2に示すように、本発明の化合物を含む組成物より得られた膜は、優れた屈折率および表面平坦性を示した。
なお、実施例9と10との比較より、重合性化合物がエポキシ基を有する場合、耐溶剤性がより優れることが確認された。
また、実施例12と13との比較より、酸基(カルボン酸基)が連結基を介してポリマー鎖を結合している場合、耐溶剤性およびクラックがより優れることが確認された。
10 基板
20 有機EL素子
30 保護膜
40 下地層
50R 赤色カラーフィルタ
50G 緑色カラーフィルタ
50B 青色カラーフィルタ
100 表示装置(マイクロOLED)
110 基板
120 硬化膜

Claims (16)

  1. 一般式(1)で表される化合物を含む組成物。

    一般式(1)中、Aは(m+n)価の連結基を表す。LおよびLは、それぞれ独立に、−S−を含む2価の連結基を表す。Xは、一般式(3)で表される化合物から1個の水素原子を除いた残基を表す。Yは、酸基、および、重合性基からなる群から選択される基を少なくとも1つ有する1価の有機基を表す。mは2以上の整数を表し、nは1〜4の整数を表す。

    一般式(3)中、Ar〜Ar、および、Ar〜Arは、それぞれ独立に、芳香環基を表す。なお、Ar〜Arの少なくとも1つは多環芳香族基である。
  2. 一般式(1)中、Aが第4級炭素原子を1つ以上含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 一般式(1)中、Aが、一般式(4)で表される部分構造を有する基、または、一般式(5)で表される部分構造を有する基である、請求項1または2に記載の組成物。

    一般式(5)中、Rはアルキル基を表す。なお、一般式(4)および(5)中、*は結合位置を表す。
  4. 一般式(1)中、nに対するmの比が0.5〜5.0である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。なお、前記比は、m/nを表す。
  5. 一般式(1)中、m+nの合計数が3〜10である、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 一般式(1)中、LおよびLが、それぞれ独立に、−S−、または、−S−と、−O−、−CO−、および、アルキレン基からなる群から選択される基とを組み合わせた基である、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  7. さらに、重合性化合物を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記重合性化合物が、重合性基を2つ以上有し、かつ、フルオレン骨格を有する重合性化合物を含む、請求項に記載の組成物。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物より形成される膜。
  10. 請求項に記載の膜を含む光学機器。
  11. 一般式(1)で表される化合物。

    一般式(1)中、Aは(m+n)価の連結基を表す。LおよびLは、それぞれ独立に、−S−を含む2価の連結基を表す。Xは、一般式(3)で表される化合物から1個の水素原子を除いた残基を表す。Yは、酸基、および、重合性基からなる群から選択される基を少なくとも1つ有する1価の有機基を表す。mは2以上の整数を表し、nは1〜4の整数を表す。

    一般式(3)中、Ar〜Ar、および、Ar〜Arは、それぞれ独立に、芳香環基を表す。なお、Ar〜Arの少なくとも1つは多環芳香族基である。
  12. 一般式(1)中、Aが第4級炭素原子を1つ以上含む、請求項11に記載の化合物。
  13. 一般式(1)中、Aが、一般式(4)で表される部分構造を有する基、または、一般式(5)で表される部分構造を有する基である、請求項11または12に記載の化合物。

    一般式(5)中、Rはアルキル基を表す。なお、一般式(4)および(5)中、*は結合位置を表す。
  14. 一般式(1)中、nに対するmの比が0.5〜5.0である、請求項1113のいずれか1項に記載の化合物。なお、前記比は、m/nを表す。
  15. 一般式(1)中、m+nの合計数が3〜10である、請求項1114のいずれか1項に記載の化合物。
  16. 一般式(1)中、LおよびLが、それぞれ独立に、−S−、または、−S−と、−O−、−CO−、および、アルキレン基からなる群から選択される基とを組み合わせた基である、請求項1115のいずれか1項に記載の化合物。
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