JP6324927B2 - 電力ケーブルの耐電圧試験用端末接続治具 - Google Patents
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Description
電力ケーブルの耐電圧試験には、数万KV以上の電圧が印加されるものもあり、その電力ケーブルPは、導体1aを露出させた後、その露出導体1aを絶縁油を封入した碍管で被って行われている(特許文献1、第1図等参照)。
その並べられた状態で、図12に示すように、ドラムDから引き出されたケーブル端末pにおいて、所要長さのシース6を剥ぎ取るとともに、押さえテープ5、3及び介在2を剥ぎ取り、遮蔽層4を露出させる。その後、絶縁心線1の絶縁体1bを剥ぎ取って導体1aを露出させる(同図(a))。
このような端末接続治具であると、ケーブル端末の差し込みだけで、リード線への接続が行われるため、その接続作業が簡単かつ円滑である。
上記電力ケーブルとしては、低圧の物に限らず、高圧の物も採用し得るが、その場合には、他の部材、例えば、リード線等もその高圧に耐え得る物を使用する。
上記導電性弾性体は、その作用を発揮し得る限りにおいて、その態様は任意であるが、例えば、スチールウールやコイルばね等を使用することができる。
また、各端末接続治具をそれぞれのリード線で相互に接続するのではなく、隣接する端末接続治具の間は同一のリード線とすることもできる(アリゲータクリップ端子等を省略した1本のリード線状とすることができる)。
この態様においては、その耐電圧試験用電線の端末を電圧計又は電流計を介して電源装置に接続し、その電源装置によって、前記耐電圧試験用電線を介して各ドラムの電力ケーブルの遮蔽層と導体の間に所定電圧を印加することができる。
一方の挟み部材11の挟持部13に銅片からなる一方の電極16をその挟持部13の先端縁を包むように設け、この電極16に上記両リード線w1、w2の同一着色(例えば、緑)のリード線(絶縁電線)w1が半田によって接続されている。半田接続に代えて、圧着等の適宜な接続手段を採用できる。電極(銅片)16は挟持部13の内側(挟持面)に至っている。
この実施形態においては、樹脂バンド17を電極16の回りに嵌めて挟持部13から電極(銅片)16が外れないようにしている。
このように、ケーブル端末pが電極20(筒体21)に挿し込まれると、被試験物であるケーブルPの導体1aと電圧印加用電線Wのリード線w2は導通状態となる。
このとき、シース6にその長さ方向の切り目を入れ、その切れ目から銅テープ4のみを引き出し、その銅テープ4を引き出し端のシース6上に巻回することもできる。この場合、電極20に挿し込まれるケーブル端末pが円柱状を維持してその挿し込みが円滑となる。
この状態が図5であって、一方の電極16に遮蔽層4が接続しているとともに、他方の電極20(導電性弾性体22)に導体1aが接続している。
その後、又はその前に、隣り合う各端末接続治具Aのリード線w1、w2をアリゲータクリップ7で同一色の穴あき端子8を挟持して接続し、電圧印加用電線Wを構成する。
その場合、例えば、並んだ各ドラムDの端(図4において左端側)から順々に端末接続装置Aを電力ケーブルPから外したり、その端末接続装置Aから隣の端末接続装置Aに伸びるリード線w1、w2のアリゲータクリップ7と穴あき端子8との接続を外したりすることによって、電圧印加用電線Wからその端のドラムDの電力ケーブルPを外し、再度、上記電圧を印加し、以後、電圧が低下しないドラムDまでその試験作業を行う。この作業により、その電圧が低下しなくなった直前のドラムDのケーブルPにおいて絶縁破壊が生じていることが分かる。
また、この端末接続装置Aを外すドラムDのケーブルPは任意であり、外したケーブルPを除いて上記電圧印加用電線Wを構成して耐電圧試験をした際、電圧の低下が無ければ、その外したドラムDのケーブルPが絶縁破壊をしていることとなる。
なお、絶縁破壊が生じているドラムDの電力ケーブルPはその全体が不良品となる。
また、端末接続治具Aの導電性弾性体22は、図8に示すように、導電性金属からなるコイルばね22aを採用することができる。
また、筒体21の材質も塩化ビニール以外の種々の絶縁性樹脂を採用し得ることは勿論である。
さらに、上記実施形態において、各端末接続治具Aをそれぞれのリード線w1、w2で相互に接続するのではなく、隣接する端末接続治具Aの間は同一のリード線w1、w2とすることもできる。すなわち、図4において、アリゲータクリップ端子7、穴あき端子8を省略し、その省略部分もリード線w1、w2が連続するものとすることができる。このようにすれば、隣接する端末接続治具Aの間は切れ目のない2本のリード線w1、w2で接続されたものとなる。
また、電圧計Vに代えて電流計を採用できる。この場合は、絶縁心線1に絶縁破壊が生じていると、導体1aと遮蔽層4間に電流が流れ、その電流検知によって前記絶縁破壊を検知する。
また、2相(絶縁心線1が2本)に限らず、1相、3相等の電力ケーブルにおいても、この発明は採用できる。このとき、この発明の耐電圧試験は、何れかの絶縁心線1の導体1aと遮蔽層4との絶縁破壊の有無の検査であるため、複数相の電力ケーブルであっても支障がない。すなわち、この耐電圧試験を行うことができる。
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
D ドラム
E 電源装置
P 被試験体である電力ケーブル
V 電圧計(電流計)
p 電力ケーブルの端末
W 電圧印加用電線
w、w1、w2 その電圧印加用電線用リード線(絶縁電線)
1 電力ケーブルの絶縁心線
1a 同絶縁心線の導体
1b 同絶縁被覆(絶縁体)
2 電力ケーブルの介在
3、5 同押さえテープ
4 同遮蔽層(銅テープ)
6 同シース
7 アリゲータクリップ(端末接続子)
8 穴あき端子
10 端末接続治具本体
11 同本体の挟み部材
12 同支点部
13 同挟持部
14 同把持部
15 弾性体(バネ)
16 一方の電極(銅片)
20 他方の電極
21 同電極の筒体
22 同導電性弾性体(スチールウール)
22a 同導電性弾性体(コイルばね)
Claims (7)
- 導体(1a)、絶縁体(1b)、遮蔽層(4)及びシース(6)を有する電力ケーブル(P)の前記導体(1a)と遮蔽層(4)の間の耐電圧を試験する耐電圧試験用端末接続治具(A)であって、
一対の挟み部材(11、11)の略中央位置を支点部(12)とし、その支点部(12)より前方側に挟持部(13、13)、後方側に把持部(14、14)を有し、前記両挟持部(13)が閉じる方向に付勢する弾性部材(15)を取付けたハサミ状の治具本体(10)から成り、
上記一対の挟み部材(11)の挟持部(13)に上記遮蔽層(4)に接続される一方の電極(16)を設け、上記支点部(12)の前記挟持部(13)側に上記導体(1a)に接続される他方の電極(20)を設け、前記一方の電極(16)は板片から成ってその板片から外部にリード線(w1)が導出され、他方の電極(20)は、前記両挟持部(13)間に位置する筒体(21)と、その筒体(21)内に装填された導電性弾性体(22)とから成って、その導電性弾性体(22)からリード線(w2)が外部に導出されており、
上記電力ケーブル(P)のシース(6)を剥がして遮蔽層(4)を露出させた端末(p)を、上記一対の挟み部材(11)の両挟持部(13)の間に差し入れ、その両挟持部(13)で前記遮蔽層(4)を露出させた端末(p)を上記一方の電極(16)を介し挟持してその一方の電極(16)を前記遮蔽層(4)に接続するとともに、上記他方の電極(20)の筒体(21)にその開口から前記電力ケーブルの端末(p)を挿し込み、その挿し込みによって、前記電力ケーブルの導体(1a)を上記導電性弾性体(22)を圧縮し接しさせて上記他方の電極(20)に接続するようにしたことを特徴とする電力ケーブルの耐電圧試験用端末接続治具。 - 上記一対の挟み部材(11、11)の一方の挟持部(13)に上記一方の電極(16)を設け、他方の挟み部材(13)の挟持部(13)に弾性材(18)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の電力ケーブルの耐電圧試験用端末接続治具。
- 上記導電性弾性体(22)をスチールウールによって構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力ケーブルの耐電圧試験用端末接続治具。
- 上記導電性弾性体(22)をコイルばね(22a)によって構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力ケーブルの耐電圧試験用端末接続治具。
- 請求項1乃至4の何れか1つに記載の複数の端末接続治具(A)を並べ、その各端末接続治具(A)の各リード線(w1、w2)を直列に接続したことを特徴とする電力ケーブルの耐電圧試験用電線。
- 上記各端末接続治具(A)の各リード線(w1、w2)の接続を、アリゲータクリップ端子7と、そのアリゲータクリップ端子7で挟持される端子8により行った請求項5に記載の電力ケーブルの耐電圧試験用電線。
- 電力ケーブル(P)が巻き付けられた複数のドラム(D)を並べ、その各ドラム(D)から前記電力ケーブル(P)を引き出し、その引き出した電力ケーブル(P)のシース(6)を剥がして遮蔽層(4)を露出させた端末(p)を、請求項5又は6に記載の耐電圧試験用電線(W)の各端末接続治具(A)の両挟持部(13)の間に差し入れ、その両挟持部(13)で前記遮蔽層(4)を露出させた端末(p)を上記一方の電極(16)を介し挟持してその一方の電極(16)を前記遮蔽層(4)に接続するとともに、上記他方の電極(20)の筒体(21)にその開口から前記電力ケーブルの端末(p)を挿し込み、その挿し込みによって、前記電力ケーブルの導体(1a)を上記導電性弾性体(22)を圧縮し接しさせて上記他方の電極(20)に接続し、前記耐電圧試験用電線(W)を介して各ドラム(D)の前記電力ケーブル(P)に所定の電圧を印加し、ドラム(D)の電力ケーブル(P)の遮蔽層(4)と導体(1a)の間に絶縁破壊が生じている時、電圧計(V)や電流計によってその絶縁破壊を検知することを特徴とする電力ケーブルの耐電圧試験装置。
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