JP6324192B2 - 画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents
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Description
実施例1の概要について説明する。実施例1では、まず、霧などの微小粒子が発生しているシーンを撮影した画像(以下、霧画像と呼ぶ)に対して、該霧画像の画素値に基づいたコントラスト補正を行う。更に、コントラスト補正が行われた画像に対して、霧画像よりも散乱光の影響が小さいシーンにおいて撮影した画像(以下、晴天画像と呼ぶ)に基づいて取得されたぼけ補正パラメータを用いて、ぼけを補正する鮮鋭化処理を行う。以下、実施例1の具体的な構成について述べる。
I(x,y)=J(x,y)・t(x,y)+(1−t(x,y))・A (1)
ここで、I(x,y)は霧画像データの画素値、J(x,y)は微小粒子による散乱光の影響がない場合の画素値、t(x,y)はセンサの各画素に入射する光のうち、散乱されずに被写体から直接各画素に到達した光の割合を示す透過率分布である。また、Aは太陽や空などの光源から直接発せられた光が霧等の微小粒子によって散乱された光成分である(以下、環境光と呼ぶ)。すなわち、ここで行われる画素値の補正処理とは、次式によってJ(x,y)を導き出し、I(x,y)と置き換える処理である。
IM’=IM*g (5)
ここで、ガウスフィルタgのフィルタ係数g(x,y)は、以下の式で求められる。
|IMs(x,y)|<thのとき、IMs’(x,y)=0 (8)
|IMs(x,y)|≧thのとき、g’(x,y)=g(x,y) (9)
そして、閾値処理後の差分画像IMs’に対して、補正量aをかけ、IMs’の画素値をa倍する。最後に、a倍した閾値処理後の差分画像IMs’を入力画像IMに加算することにより、アンシャープマスク適用後の画像J’が生成される。
J’=IMs’*a+IM (10)
実施例1では、アンシャープマスクのパラメータである補正量a、ガウスフィルタの半値幅σ、閾値th、を、霧画像データの透過率分布と、晴天画像データの透過率分布との比率T’の値に応じて変更する。ここで、晴天画像データの透過率分布をTfineとし、tとTfineとの比率T’を以下の式で求める。
T’(x,y)=t(x,y)/Tfine(x,y) (11)
アンシャープマスクのパラメータのうち、σ及びaは、図5(a)、および図5(b)に示すように、T’の増加に従って大きくなるようにする。これは、T’が大きい場合、微小粒子による光の散乱の影響が大きく、画像のぼけ度合いが大きいということを意味するため、シャープネス補正量も大きくするべきだからである。一方、thは、図5(c)に示すように、tが増加するに従って小さくなるようにする。tが小さい場合とは、被写体から直接届く光の割合が小さい、すなわち、一般的に遠方を指し、tが大きい場合は近方を指す。ステップS302での処理において、近方に比べて遠方のコントラスト補正量は大きくなるため、撮像時のノイズも、近方に比べて遠方の方が拡大してしまう。そのため、拡大したノイズ幅に対するロバスト性を担保するために、tが小さい場合のth、すなわち遠方のthは、近方のthに比べて大きくするようにする。上記の関係を基に、補正画像データに対するアンシャープマスクのパラメータσ、a、thをT’およびtから求める。
次に、実施例1のデータベース205の詳細について説明する。データベース205には、図8に示すように、微小粒子成分が少ない晴天時に撮像された画像データが、撮像された日時と撮像に用いられた撮像パラメータを示す情報と共に記憶されている。以下、このデータベースを生成するための処理について、図9に示すフローチャートを参照して説明する。
実施例1では、散乱光の影響を低減した補正画像データに、晴天画像データに基づく鮮鋭化処理を施す例について説明した。実施例2では、補正画像データに対して、晴天画像データに基づく色調補正処理を行う例について述べる。図11に実施例2の処理装置100の構成を示す。実施例2の処理装置100の構成は基本的に実施例1と同様であるが、鮮鋭化処理部204が色調補正部1101(以下補正部1101)に変更されている。また、実施例2の処理装置100で行われる処理の全体的な流れは基本的には図3のフローチャートに示す処理と同様であるが、実施例2ではステップS303の鮮鋭化処理が行われず、代わりに補正部1101による色調補正処理が行われる。以下、補正部1101による色調補正処理の詳細について、図12に示すフローチャートを参照して説明する。
を算出する画素位置の範囲は上記に限定されず、様々な形態をとることが可能である。また修正方法も上記に限定されず、色補正係数が周囲の画素位置と異なる場合に、周囲の色補正係数を用いて補正する方法であればよい。
Rout(x,y)=αR(x,y)・Rin(x,y) (17)
Gout(x,y)=Gin(x,y) (18)
Bout(x,y)=αB(x,y)・Bin(x,y) (20)
ここで、Rout(x,y)、Gout(x,y)、Bout(x,y)は補正部1101による色調補正後の画像データの、画素位置(x,y)におけるR,G,Bの各画素値である。補正部1101は、低減部203から取得した画像データの画素値と、ステップS1203で修正した色補正係数を式18〜20に代入し、色調補正後の画像データを生成して処理を終了する。
本発明の適用範囲は上述の実施形態に限られるものではなく、上述の実施形態を互いに組み合わせたものであってもよい。例えば、実施例1と実施例2を組み合わせて、補正画像データに鮮鋭化処理と色調補正処理を両方行うようにしたものも含まれる。
201 取得部
202 透過率算出部
203 散乱光低減部
204 鮮鋭化処理部
205 晴天画像データベース
206 判定部
1101 色調補正部
Claims (17)
- 散乱光の影響を含む第一の画像データと、前記第一の画像データよりも散乱光の影響が小さい第二の画像データとを取得する取得手段と、
前記第一の画像データに基づいて、前記第一の画像データにおける前記散乱光の影響を低減した第三の画像データを生成する生成手段と、
前記第二の画像データに基づいて、前記第三の画像データに高画質化処理を行う処理手段とを有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記高画質化処理は、前記第三の画像データの鮮鋭化処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記第一の画像データと前記第二の画像データとに含まれる各画素について、該画素に入射する光のうち、散乱光が占める割合を示す情報を導出する導出手段を更に有し、
前記処理手段は、前記第一の画像データの所定の画素において前記散乱光が占める割合と、前記第二の画像データの、前記所定の画素に対応する画素において前記散乱光が占める割合との比に基づいて、前記第三の画像データの、前記所定の画素に対応する画素に対する前記鮮鋭化処理の強度を決定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記処理手段は、前記第一の画像データの所定の画素において前記散乱光が占める割合の、前記第二の画像データに含まれる前記所定の画素に対応する画素において前記散乱光が占める割合に対する比が小さくなるほど、前記鮮鋭化処理の強度を大きくすることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
- 前記散乱光が占める割合を示す情報は、透過率であることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像処理装置。
- 前記高画質化処理は、前記第三の画像データの色調補正処理を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記色調補正処理は、前記第三の画像データの画素値に補正係数を乗ずる処理であり、
前記処理手段は、前記第二の画像データの画素値と、前記第三の画像データの画素値とに基づいて、前記補正係数を決定し、該決定した補正係数を用いて前記色調補正処理を行うことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。 - 良天候の際に撮像された複数の良天候画像データを記憶する記憶手段を更に有し、
前記取得手段は、前記記憶手段に記憶された前記複数の良天候画像データの中から、前記第二の画像データとして前記高画質化処理に用いる画像データを選択することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 前記記憶手段は、前記複数の良天候画像データを撮影に用いられた撮影条件を示す情報を更に記憶し、
前記取得手段は、前記撮影条件を示す情報に基づいて、前記複数の良天候画像データから、前記第二の画像データとして前記高画質化処理に用いる画像データを選択することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。 - 前記撮影条件を示す情報は、前記複数の良天候画像データを撮影した時間帯を示す情報を含み、
前記取得手段は、前記複数の良天候画像データのうち、撮影された時間帯が前記第一の画像データが撮影された時間帯と最も近い画像データを、前記第二の画像データとして取得することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。 - 所定の期間ごとに画像データを撮像して出力する撮像装置と接続されており、
前記撮像装置から出力された画像データを取得し、該取得した画像データが良天候の際に撮像された画像であるかどうかを判定する判定手段を更に有し、
前記記憶手段は、前記判定手段により、良天候の際に撮像された画像データであると判定された画像データを、良天候画像データとして記憶することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 前記判定手段は、前記取得した画像データの透過率の最大値と最小値との差があらかじめ設定された閾値よりも大きい場合、前記取得した画像データを良天候で撮影された画像データとして判定することを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
- 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の画像処理装置としての機能を有し、
画像データを撮像する撮像部を更に有することを特徴とする撮像装置。 - 前記撮像部により撮像された画像データが良天候の際に撮像された画像であるかどうかを判定する判定手段を更に有し、
前記撮像部は、所定の期間ごとに画像データを撮像し、
前記判定手段は、前記所定の期間ごとに前記撮像部により撮像された画像データが、良天候の際に撮像された画像であるかどうかを判定することを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。 - 前記判定手段は、前記撮像部により撮像された画像データの透過率の最大値と最小値との差があらかじめ設定された閾値よりも大きい場合、前記取得した画像データを良天候で撮影された画像データとして判定することを特徴とする請求項14に記載の撮像装置。
- 散乱光の影響を含む第一の画像データと、前記第一の画像データよりも散乱光の影響が小さい第二の画像データとを取得するステップと、
前記第一の画像データに基づいて、前記第一の画像データにおける前記散乱光の影響を低減した第三の画像データを生成するステップと、
前記第二の画像データに基づいて、前記第三の画像データに高画質化処理を行うステップとを含むことを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータを請求項1乃至12のいずれか一項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるプログラム。
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JP2014091812A JP6324192B2 (ja) | 2014-04-25 | 2014-04-25 | 画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム |
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