JP6323342B2 - 無線通信装置 - Google Patents
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Description
車車間通信システムでは、基地局が通信の管理と制御を実行するのではなく、各車載装置が自律分散的に通信制御を行う。アクセス制御方式にはCSMA方式が採用されており、この方式に従って各車載装置がブロードキャスト送信を周期的に行う。車車間通信は、基本的に、予め設定された1つの周波数チャネルを用いて、時分割多重により送受信を行う。このため、多数の車両が集中する場所では通信トラフィックが高くなり、通信パケットの衝突が生じることがある。そして、通信パケットの衝突によりパケット到達率が低下すると、安全運転支援アプリケーションの動作に支障を来す可能性がある。
自車両送信判断手段は、メッセージ作成手段により作成されたメッセージである自車両送信メッセージを第1無線通信手段に送信させるか否かを判断する。
このように構成された本発明の無線通信装置は、まず、第1周波数帯を用いてデータ通信を行う第1無線通信手段と、第2周波数帯を用いてデータ通信を行う第2無線通信手段の少なくとも一方に、自車両送信メッセージを送信させる。このため、本発明の無線通信装置を搭載した複数の車両が車車間通信を行う場合に、第1周波数帯と第2周波数帯の何れか一方に通信トラフィックが集中するのを抑制することができる。
以下に本発明の第1実施形態を図面とともに説明する。
本実施形態の車載装置1は、車両に搭載され、図1に示すように、第1バンド通信部11、第2バンド通信部12、アプリケーション部13およびファシリテーション部14を備える。
またアプリケーション部13は、センサ群2から取得した検出信号と、地図データベース3から取得した道路地図データと、他車両から受信した受信データとに基づいて、自車両が他車両と衝突する可能性を判定し、必要に応じて警告音や画像表示等を出力する。
ファシリテーション部14は、送信メッセージ構築部41、送信方法選択部42、受信メッセージ分解部43、バンド状態判定部44および送信方法判定部45を備える。
受信メッセージ分解部43は、第1バンド通信部11または第2バンド通信部12が受信した受信メッセージから、他車両との衝突回避等のためにアプリケーション部13が利用するデータ(以下、アプリ利用データという)を抽出して、このアプリ利用データをアプリケーション部13へ出力する。
送信方法判定部45は、自装置送信要求判定部51、他装置送信要求判定部52および送信方法判定部53を備える。
他装置送信要求判定部52は、他車両の車載装置1が第1周波数帯によるデータ送信を要求しているか否かを判定する。
次に、自装置送信要求判定部51の機能を実現するためにマイクロコンピュータにて実行されるソフトウェア処理(以下、自装置送信要求処理という)について説明する。自装置送信要求処理は、車載装置1の動作中に繰り返し実行される処理である。
そしてS60に移行すると、第1バンド送信要求フラグがセットしているか否かを示す送信要求関連情報を生成して出力し、自装置送信要求処理を一旦終了する。
ここで、第1バンド送信要求情報が含まれていない場合には(S120:NO)、S130にて、第1バンド送信フラグをクリアして、他装置送信要求処理を一旦終了する。
次に、送信方法判定部53の機能を実現するためにマイクロコンピュータにて実行されるソフトウェア処理(以下、送信方法判定処理という)について説明する。
送信方法判定処理が実行されると、車載装置1のマイクロコンピュータは、図4に示すように、まずS310にて、第1バンド送信要求フラグがセットされているか否かを判断する。ここで、第1バンド送信要求フラグがセットされている場合には(S310:YES)、S330に移行する。
その後S530にて、送信方法判定部45から送信要求関連情報が入力されたか否かを判断する。ここで、送信要求関連情報が入力されていない場合には(S530:NO)、S530の処理を繰り返すことにより、送信要求関連情報が入力されるまで待機する。一方、送信要求関連情報が入力された場合には(S530:YES)、S540にて、センサ群2から取得した検出信号と、地図データベース3から取得した道路地図データと、アプリケーション部13から取得した送信データとに基づいて、送信メッセージを構築する。
そしてS790に移行すると、S730,S750,S770,S780で設定された混雑度を示すバンド状態情報を送信方法判定部45へ出力して、バンド状態判定処理を一旦終了する。
例えば図8(a)に示すように、道路R1と道路R2とが合流点J1で交差しており、車両V1が合流点J1に向かって道路R1上を走行し、車両V2,V3が合流点J1に向かって道路R2上を走行しているとする。なお道路R2は、道路R1に対する優先道路であるとする。また車両V2は、車両V3よりも先行して道路R2上を走行しているとする。このとき、車両V1,V2,V3は、第2周波数帯(本実施形態では5.8GHz帯)でメッセージを送信している。
第1バンド通信部11は、予め設定された第1周波数帯を用いて、データを無線で送受信する。第2バンド通信部12は、第1周波数帯と異なるように予め設定された第2周波数帯を用いて、データを無線で送受信する。
ファシリテーション部14は、構築された送信メッセージ(以下、自車両送信メッセージという)を第1バンド通信部11に送信させるか否かを判断し、この判断結果に基づいて、第1バンド送信要求フラグを設定する(S20〜S50)。
このように構成された車載装置1は、まず、第1周波数帯を用いてデータ通信を行う第1バンド通信部11と、第2周波数帯を用いてデータ通信を行う第2バンド通信部12の少なくとも一方に、自車両送信メッセージを送信させる。このため、本発明の車載装置1を搭載した複数の車両が車車間通信を行う場合に、第1周波数帯と第2周波数帯の何れか一方に通信トラフィックが集中するのを抑制することができる。
以下に本発明の第2実施形態を図面とともに説明する。なお第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。
まず、第2実施形態の他装置送信要求処理は、S910、S920の処理が追加された点以外は第1実施形態と同じである。
すなわち、図11に示すように、S610にて、送信メッセージが入力した場合には(S610:YES)、S1010にて、送信方法判定部53から入力した送信方法指示情報に含まれる第1バンド送信フラグまたは第1バンド送信要求フラグがセットされているか否かを判断する。ここで、第1バンド送信フラグまたは第1バンド送信要求フラグがセットされている場合には(S1010:YES)、S1020にて、入力した送信メッセージを第1バンド通信部11へ出力して、S1030に移行する。
そしてS1030に移行すると、入力した送信メッセージを第2バンド通信部12へ出力して、送信方法選択処理を一旦終了する。
例えば図12に示すように、道路R1上の車両V1が合流点J1付近で停止している状況では、車両V1は、第1バンド送信要求情報を含んだメッセージを第1周波数帯と第2周波数帯で送信する。そして、道路R2上で合流点J1に近付く車両V2は、車両V1からのメッセージを第1周波数帯で受信する。しかし車両V2は、受信判定期間内に、車両V1からのメッセージを第2周波数帯でも受信する。このため、車両V2は、第1周波数帯での送信を行わず、第2周波数帯でメッセージを送信する。
以下に本発明の第3実施形態を図面とともに説明する。なお第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。
まず、第3実施形態の送信方法選択処理は、S630の代わりにS1110の処理が実行される点以外は第1実施形態と同じである。
例えば図14に示すように、道路R3と道路R4とが合流点J2で交差し、道路R3上の車両V1が、道路R4に合流するために合流点J2付近で停止しており、合流点J2付近で多数の車両が道路R4上を走行しているとする。
以下に本発明の第4実施形態を図面とともに説明する。なお第4実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。
まず、第4実施形態の送信メッセージ構築処理は、S560,S570の代わりにS1210,S1220の処理が実行される点以外は第1実施形態と同じである。
すなわち、図16に示すように、S110にて、送信方法判定データが入力した場合には(S110:YES)、S1310にて、送信方法判定データに第1バンド非送信要求情報が含まれているか否かを判断する。
例えば図8(a)に示すように、道路R1と道路R2とが合流点J1で交差しており、車両V1が合流点J1に向かって道路R1上を走行し、車両V2,V3が合流点J1に向かって道路R2上を走行しているとする。なお道路R2は、道路R1に対する優先道路であるとする。また車両V2は、車両V3よりも先行して道路R2上を走行しているとする。このとき、車両V1,V2,V3は、第2周波数帯(本実施形態では5.8GHz帯)でメッセージを送信している。
第1バンド通信部11は、予め設定された第1周波数帯を用いて、データを無線で送受信する。第2バンド通信部12は、第1周波数帯と異なるように予め設定された第2周波数帯を用いて、データを無線で送受信する。
ファシリテーション部14は、構築された送信メッセージ(自車両送信メッセージ)を第1バンド通信部11に送信させるか否かを判断し、この判断結果に基づいて、第1バンド送信要求フラグを設定する(S20〜S50)。
(変形例1)
例えば上記第4実施形態では、第1実施形態において第1バンド送信要求情報の代わりに第1バンド非送信要求情報を用いるように変更したものを示した。しかし、第2,3実施形態において、第1バンド送信要求情報の代わりに第1バンド非送信要求情報を用いるように変更してもよい。
Claims (6)
- 車両に搭載される無線通信装置(1)であって、
予め設定された第1周波数帯を用いて、データを無線で送受信する第1無線通信手段(11)と、
前記第1周波数帯と異なるように予め設定された第2周波数帯を用いて、データを無線で送受信する第2無線通信手段(12)と、
少なくとも前記車両の現在位置と前記車両の状態を示す自車両情報を取得して、メッセージを作成するメッセージ作成手段(S540)と、
前記メッセージ作成手段により作成された前記メッセージである自車両送信メッセージを前記第1無線通信手段に送信させるか否かを判断する自車両送信判断手段(S20〜S50)と、
前記車両とは異なる他車両から受信したメッセージである他車両受信メッセージに、前記第1周波数帯でのデータ送信を要求しているか否かを示す第1周波数帯要求指示情報が含まれているか否かに基づいて、前記自車両送信メッセージを前記第1無線通信手段に送信させるか否かを判断する他車両送信判断手段(S120,S130,S150,S160,S170,S920)と、
前記自車両送信判断手段と前記他車両送信判断手段による判断結果に基づいて、前記自車両送信メッセージを、前記第1無線通信手段および前記第2無線通信手段の少なくとも一方に送信させる送信選択手段(S340〜S390,S610〜S640,S1110)と、
前記自車両送信判断手段による判断結果に基づいて、前記第1周波数帯要求指示情報を前記自車両送信メッセージに追加する追加手段(S550,S560,S1210)とを備える
ことを特徴とする無線通信装置。 - 前記第1周波数帯要求指示情報は、前記第1周波数帯でのデータ送信を要求することを示す第1周波数帯送信要求情報であり、
前記追加手段(S550,S560)は、前記自車両送信メッセージを前記第1無線通信手段に送信させると前記自車両送信判断手段が判断した場合に、前記第1周波数帯送信要求情報を前記自車両送信メッセージに追加する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。 - 前記第1周波数帯要求指示情報は、前記第1周波数帯でのデータ送信を要求しないことを示す第1周波数帯非送信要求情報であり、
前記追加手段(S550,S1210)は、前記自車両送信メッセージを前記第1無線通信手段に送信させないと前記自車両送信判断手段が判断した場合に、前記第1周波数帯非送信要求情報を前記自車両送信メッセージに追加する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。 - 前記自車両情報と、前記他車両受信メッセージに含まれる情報とに基づいて、前記第1周波数帯でのデータ送信が不要であるか否かを判断する不要判断手段(S140)を備え、
前記他車両送信判断手段(S120,S130,S150,S160,S170)は、
前記他車両受信メッセージに含まれる第1周波数帯要求指示情報に基づいて、前記第1周波数帯でのデータ送信を要求していると判断した場合であっても、前記第1周波数帯でのデータ送信が不要であると前記不要判断手段が判断したときには、前記自車両送信メッセージを前記第1無線通信手段に送信させないと判断する
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の無線通信装置。 - 予め設定された受信判定期間内に前記第1周波数帯と前記第2周波数帯とで同一の前記他車両受信メッセージを受信したか否かを判断する同一判断手段(S910)と、
前記他車両送信判断手段(S120,S130,S160,S170,S920)は、
前記他車両受信メッセージに含まれる第1周波数帯要求指示情報に基づいて、前記第1周波数帯でのデータ送信を要求していると判断した場合であっても、同一の前記他車両受信メッセージを受信したと前記同一判断手段が判断したときには、前記自車両送信メッセージを前記第1無線通信手段に送信させないと判断する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の無線通信装置。 - 前記第1周波数帯の混雑状態を判断する混雑状態判断手段(S330,S710〜S780)を備え、
前記送信選択手段(S340〜S390,S610,S620,S640,S1110)は、
前記混雑状態判断手段の判断結果に基づいて、前記第1周波数帯の混雑状態に応じて、前記自車両送信メッセージを前記第1無線通信手段により送信させる場合の送信周期を変化させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の無線通信装置。
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