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JP6312983B2 - フルオロ化合物で被覆された顔料とカルボシロキサンデンドリマー系単位を含むビニルポリマーとを含むメークアップおよび/またはケア組成物 - Google Patents

フルオロ化合物で被覆された顔料とカルボシロキサンデンドリマー系単位を含むビニルポリマーとを含むメークアップおよび/またはケア組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ケラチン物質、特に皮膚および粘膜のケアおよびメークアップの分野に関する。より詳しくは、本発明は、皮膚にサテン効果(satin effect)を与え、このサテン効果の改善された経時的残存性を有する組成物に関する。
皮膚、特に顔に色彩および美容効果を与えるために、化粧品組成物、例えば、ファンデーションがよく使用される。これらのメークアップ製品は一般に、油、顔料、充填剤および任意選択で添加剤、例えば、化粧活性剤(cosmetic agent)若しくは皮膚活性剤(dermatological agent)を含む。
消費者は、皮膚への適用時にくすみ(dull effect)を生じないメークアップ製品を次第に求めるようになってきている。一方、消費者は、マットでありすぎることも光沢がありすぎることもない、輝きのある(luminous)メークアップの結果を求めている。これを、本明細書中の他の部分でサテン効果と称する。
過度のマット性(mattness)は、顔の特徴を引き出さない乾燥した感じおよび粉っぽさを皮膚に与えるので、美しくない。対極として、過度の光沢は、この結果が皮膚表面の皮脂または汗の存在を連想させるため、これも望ましくない。
更に、光沢の増加は前記理由から嫌がられるため、消費者は、このサテンメークアップの結果が1日中残存することを望んでいる。
メークアップを1日中残存させるためにポリマーを使用することが、当業者に知られている。
これらのポリマーは、多種多様な化学的性質を有し、脂肪相または水性相で輸送され得る。これらのポリマーの例としては、シリコーン樹脂、ポリアクリレート、ラテックスなどを挙げることができる。
これらのポリマーは確かに残存特性を与えるが、通常、製品の適用中に(塗布の難しさ、粘着性など)または1日中(つっぱり、マスク効果など)不快感を伴う。
EP1862162 WO03/045337 EP963751 特願平9-171154号(特開平11-1530号公報) EP-A-486135 特公平05-86984号公報(特開昭62-250074号公報) US4578266 US2004-175338 EP-A-847752 US-A-5412004 US-A-5811487
したがって、サテン効果を有し且つこのサテン効果の改善された残存性を有し、適用が心地よく且つ容易であると同時に、適用時の満足できる心地よさを保持する、即ち、1日中つっぱり感もマスク効果もなく且つ/または適用中に油っぽい感じもつっぱり感も生じない化粧品組成物に対するニーズが依然として存在する。
本発明の目的は、これらのニーズを満たすことである。
本出願人は、意外なことに、特定のコーティング(フルオロコーティング(coating))を有する粒状色素を、特定のシリコーンポリマー(少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含むビニルポリマー)と組み合わせて、メークアップ組成物中の添加することによって、粒状色素の他のコーティングと比較してつややかであり且つ残存効果を有する他のポリマーと比較してこのサテン効果の残存特性が非常に良好である、メークアップの結果を得ることができることを発見した。
本発明は、液体脂肪相と、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む少なくとも1種のビニルポリマーと、少なくとも1種のフルオロ化合物で被覆された(coated)少なくとも1種の粒状色素とを含む、ケラチン物質、特に皮膚のメークアップおよび/またはケア用化粧品組成物に関する。
特許出願EP1862162は、心地よいメークアップを得るための、粘着感がなく、容易に拡がる、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む少なくとも1種のビニルポリマーと少なくとも1種のオレフィンコポリマーとを含む液体脂肪相を含む、ケラチン物質(特に皮膚)のメークアップまたはケア用組成物を開示している。この特許文献の前記組成物は更に、マット性および被覆性を与えることを目的とする粒状色素(充填剤、顔料および真珠層(nacre))を含む粉末相を含む。この粒状色素は任意選択で、それらを組成物の有機相と相溶性にする疎水性処理剤、例えば、シリコーン樹脂、脂肪酸、金属石鹸、フルオロ化合物またはアミノ酸およびそれらの混合物で処理されている。この特許文献の製剤例には、アミノ酸で被覆された顔料のみが記載されている。
本出願人の知る限りでは、少なくとも1種のフルオロ化合物で被覆された少なくとも1種の粒状色素を、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含むビニルポリマーと選択的に組み合わせて使用することは、これまで具体的に提示されておらず、この特定の組み合わせは、サテン効果およびこのサテン効果の残存性の点で、先行技術の教示(マット効果を有するアミノ酸コーティング)と比較して、予想外の結果を示した。
本発明の主題はまた、組成物にケラチン物質、特に皮膚に対するサテン効果を与え且つこのサテン効果の残存性を改善するために、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む少なくとも1種のビニルポリマーを、少なくとも1種のフルオロ化合物で被覆された少なくとも1種の粒状色素と組み合わせて、ケラチン物質、特に皮膚のメークアップおよび/またはケア用化粧品組成物中に使用することである。
本発明はまた、組成物にケラチン物質、特に皮膚に対するサテン効果を与えるために、フルオロ化合物で被覆された少なくとも1種の粒状色素を、ケラチン物質(特に皮膚)のメークアップおよび/またはケア用化粧品組成物中に使用することに関する。
本発明によれば、用語「サテン効果」は特に、前記ケラチン物質への本発明による組成物の適用後に偏光カメラを用いて測定される光沢度値増大が、5未満、好ましくは4以下、更に好ましくは3以下であることを意味する。
本発明はまた、本発明による組成物の少なくとも1つの被膜(coat)をケラチン物質に適用するステップを少なくとも含む、ケラチン物質、特に皮膚をメークアップおよび/またはケアするための非治療的方法に関する。
カルボシロキサンデンドリマーがグラフトされたビニルポリマー
本発明に従って使用するビニルポリマーは特に、主鎖と少なくとも1種の側鎖とを有するものであり、カルボシロキサンデンドリマー構造を有するカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む。
Dow Corning社による特許出願WO03/045337およびEP963751に記載されている、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー単位を含むビニルポリマーを、特に使用できる。
本発明との関連で、用語「カルボシロキサンデンドリマー構造」は、主鎖への結合から始まる半径方向に高い規則性を有する、高分子量の分岐鎖を有する構造を表す。このようなカルボシロキサンデンドリマー構造は、特願平9-171154号(特開平11-1530号公報)に、高分岐鎖シロキサン-シリルアルキレンコポリマーの形態で記載されている。
本発明によるビニルポリマーは、下記一般式で表すことができるカルボシロキサンデンドリマー系単位を含むことができる:
Figure 0006312983
[式中、
R1は、炭素数1〜10のアリール基またはアルキル基を表し、
Xiは、i=1とした場合の下記式のシリルアルキル基を表し:
Figure 0006312983
(式中、R1は前記定義と同一であり、R2は炭素数2〜10のアルキレン基を表し、R3は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Xi+1は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、i=i+1の前記で定義したシリルアルキル基を表し;iは、前記シリルアルキル基の階層(generation)を表す1〜10の整数であり、aiは0〜3の整数である)、
Yは、
- 式:
Figure 0006312983
(式中、R4は水素原子またはアルキル基を表し、R5は炭素数1〜10のアルキレン基、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基またはブチレン基を表し、メチレン基およびプロピレン基が好ましい]
で表される、メタクリル基またはアクリル基を含む有機基;および
- 式
Figure 0006312983
(式中、R6は水素原子またはアルキル基を表し、R7は炭素数1〜10のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基を表し、メチル基が好ましく、R8は炭素数1〜10のアルキレン基、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基またはブチレン基を表し、エチレン基が好ましく、bは0〜4の整数であり、cは0または1であり、cが0である場合には-(R8)c-は結合を表す]
で表される、スチリル基を含む有機基
から選択されるラジカル重合性有機基を表す]。
一実施形態によれば、R1は、炭素数1〜10のアリール基またはアルキル基を表すことができる。アルキル基は好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基またはシクロヘキシル基であることができる。アリール基は好ましくは、フェニル基およびナフチル基であることができる。メチルおよびフェニル基がより好ましく、中でもメチル基が好ましい。
少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含むビニルポリマーは、カルボシロキサンデンドリマー構造を含む分子側鎖を有し、
(A)ビニルモノマー0〜99.9重量部と
(B)一般式:
Figure 0006312983
[式中、
Yは、ラジカル重合性有機基を表し、
R1は炭素数1〜10のアリール基またはアルキル基を表し、
Xiは、i=1とした場合の下記式のシリルアルキル基を表す:
Figure 0006312983
(式中、R1は前記定義と同一であり、R2は炭素数2〜10のアルキレン基を表し、R3は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Xi+1は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、i=i+1の前記で定義したシリルアルキル基を表し;iは、前記シリルアルキル基の階層(generation)を表す1〜10の整数であり、aiは0〜3の整数である)]
で表される、ラジカル重合性有機基を含むカルボシロキサンデンドリマー100〜0.1重量部
との重合生成物であることができ、
前記成分(B)中に含まれる前記ラジカル重合性有機基は、
- 式:
Figure 0006312983
[式中、R4は水素原子またはアルキル基を表し、R5は炭素数1〜10のアルキレン基を表す]
で表される、メタクリル基またはアクリル基を含む有機基;および
- 式
Figure 0006312983
[式中、R6は水素原子またはアルキル基を表し、R7は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R8は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、bは0〜4の整数であり、cは0または1であり、cが0である場合には-(R8)c-は結合を表す]
で表される、スチリル基を含む有機基
から選択される。
ビニルポリマー中の成分(A)であるビニル型のモノマーは、ラジカル重合性ビニル基を含むビニル型のモノマーである。
このようなモノマーに関して特に制約はない。
この型のビニルモノマーの例は、以下の通りである:メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸イソプロピルまたはより低級のアルキル類似体のメタクリレート;メタクリル酸グリシジル;メタクリル酸ブチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸n-ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2‐エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリルまたはより高級の類似体のメタクリレート;またはより高級の類似体のメタクリレート;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルまたはより低級の脂肪酸類似体のビニルエステル;カプロン酸ビニル、ビニル2‐エチルヘキソエート、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニルまたはより高級の脂肪酸類似体のエステル;スチレン、ビニルトルエン、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、ビニルピロリドンまたは類似ビニル芳香族モノマー;メタクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド、N-メトキシメチルメタクリルアミド、イソブトキシメトキシメタクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミドまたはアミド基を含むビニル型の類似モノマー;ヒドロキシエチルメタクレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートまたはヒドロキシル基を含むビニル型の類似モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸またはカルボン酸基を含むビニル型の類似モノマー;テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、エトキシジエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテルまたはエーテル結合を有する類似モノマー;メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、分子末端の1つにメタクリル基を含むポリジメチルシロキサン、分子末端の1つにスチリル基を含むポリジメチルシロキサンまたは不飽和基を含む類似シリコーン化合物;ブタジエン;塩化ビニル;塩化ビニリデン;メタクリロニトリル;フマル酸ジブチル;無水
マレイン酸;無水コハク酸;メタクリルグリシジルエーテル;メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸またはフマル酸の有機アミン塩、アンモニウム塩およびアルカリ金属塩;スルホン酸基、例えば、スチレンスルホン酸基を含むラジカル重合性不飽和モノマー;メタクリル酸から得られる第四級アンモニウム塩、例えば、2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド;ならびに第三級アミン基を含むアルコールのメタクリル酸エステル、例えば、ジエチルアミンのメタクリル酸エステル。
ビニル型の多官能価モノマーも使用できる。
このような化合物の例は、以下の通りである:トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリチルトリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチルメタクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジメタクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート、ジビニルベンゼン基を含むスチリル基で両末端がキャップされているポリジメチルシロキサンまたは不飽和基を含む類似シリコーン化合物。
成分(B)であるカルボシロキサンデンドリマーは、下記式:
Figure 0006312983
[式中、Yは前記で定義したラジカル重合性有機基を表す]
で表すことができる。
ラジカル重合性有機基Yの好ましい例は、以下の通りである:アクリルオキシメチル基、3-アクリルオキシプロピル基、メタクリルオキシメチル基、3-メタクリルオキシプロピル基、4-ビニルフェニル基、3-ビニルフェニル基、4-(2-プロペニル)フェニル基、3-(2-プロペニル)フェニル基、2-(4-ビニルフェニル)エチル基、2-(3-ビニルフェニル)エチル基、ビニル基、アリル基、メタリル基および5-ヘキセニル基。
R'は、前記で定義した通りである。
Xiは、iが1に等しい場合の、下記式:
Figure 0006312983
[式中、R1は前記で定義した通りである]
で表されるシリルアルキル基を表す。
R2は、炭素数2〜10のアルキレン基、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基または類似直鎖アルキレン基;メチルメチレン基、メチルエチレン基、1-メチルペンチレン基、1,4-ジメチルブチレン基または類似分岐鎖アルキレン基を表す。
中でも、エチレン、メチルエチレン、ヘキシレン、1-メチルペンチレンおよび1,4-ジメチルブチレン基が好ましい。
R3は、炭素数1〜10のアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびイソプロピル基を表す。
Xi+1は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基またはi=i+1のシリルアルキル基を表す。
aiは0〜3の整数であり、iは、シリルアルキル基の反復数を表す階層数を示す1〜10の整数である。
例えば、階層数が1に等しい場合には、カルボシロキサンデンドリマーは、下記の第1の一般式[式中、Y、R1、R2およびR3は前記定義と同一であり;R12は水素原子を表すかまたはR1と同一であり;a1は、aiと同一である]で表すことができる。好ましくは、分子中の基OR3の平均総数は、0〜7の範囲内である。
階層数が2に等しい場合には、カルボシロキサンデンドリマーは下記の第2の一般式[式中、Y、R1、R2、R3およびR12は前記定義と同一であり;a1およびa2は、示される階層のaiを表す]で表すことができる。好ましくは、分子中の基OR3の平均総数は、0〜25の範囲内である。
階層数が3に等しい場合には、カルボシロキサンデンドリマーは下記の第3の一般式[式中、Y、R1、R2、R3およびR12は前記定義と同一であり;a1、a2およびa3は、示される階層のaiを表す]で表される。好ましくは、分子中の基OR3の平均総個数は、0〜79の範囲内である。
Figure 0006312983
ラジカル重合性有機基を含むカルボシロキサンデンドリマーは、以下の平均構造式で表すことができる:
Figure 0006312983
Figure 0006312983
Figure 0006312983
カルボシロキサンデンドリマーは、特願平9-171154号に記載されている、分岐鎖シルアルキレンシロキサンの製造方法に従って製造できる。
例えば、カルボシロキサンデンドリマーは、下記一般式:
Figure 0006312983
で表される、ケイ素原子に結合している水素原子を含む有機ケイ素化合物およびアルケニル基を含む有機ケイ素化合物を、ヒドロシリル化反応に供することによって製造できる。
前記式において、有機ケイ素化合物は、3-メタクリルオキシプロピルトリス(ジメチルシロキシ)シラン、3-アクリルオキシプロピルトリス(ジメチルシロキシ)シランおよび4-ビニルフェニルトリス(ジメチルシロキシ)シランであることができる。アルケニル基を含む有機ケイ素化合物は、ビニルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ビニルトリス(ジメチルフェニルシロキシ)シランおよび5-ヘキセニルトリス(トリメチルシロキシ)シランであることができる。
ヒドロシリル化反応は、塩化白金酸、ビニルシロキサンと白金との錯体、または類似遷移金属触媒の存在下において実施する。
少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含むビニルポリマーは、カルボシロキサンデンドリマー系単位が式(I):
Figure 0006312983
[式中、Zは二価有機基を表し、pは0または1であり、R1は炭素数1〜10のアリールまたはアルキル基であり、X1は式(II):
Figure 0006312983
{式中、R1は前記で定義した通りであり、R2は炭素数1〜10のアルキレン基であり、R3は炭素数1〜10のアルキル基であり、Xi+1は水素原子、炭素数10以下のアリール基およびアルキル基、ならびにシリルアルキル基Xi(式中、指数iは1〜10の整数であり、式(I)中の基Xiに関する値が1である各カルボシロキサン樹状構造中の出発シリルアルキル基の階層を示す)からなる群から選択される基であり、添え字aiは0〜3の整数である]
で表されるシリルアルキル基である]
で表されるカルボシロキサン樹状構造であるようなポリマーから選択できる。
少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含むビニルポリマーにおいて、成分(A)と成分(B)との重合比は、(A)と(B)との重量比に換算して、0/100〜99.9/0.1、または更には0.1/99.9〜99.9/0.1、好ましくは1/99〜99/1の範囲内であることができる。成分(A)と成分(B)との比0/100は、化合物が成分(B)のホモポリマーとなることを意味する。
少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含むビニルポリマーは、成分(A)と成分(B)との共重合によってまたは成分(B)単独の重合によって得ることができる。
重合はラジカル重合またはイオン重合であることができるが、ラジカル重合が好ましい。
重合は、成分(A)と成分(B)と間の反応を溶液中、ラジカル開始剤の存在下で温度50〜150℃において3〜20時間実施することによって行うことができる。
この目的に好適な溶媒は、ヘキサン、オクタン、デカン、シクロヘキサンまたは類似脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンまたは類似芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたは類似エーテル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンまたは類似ケトン;メチルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルまたは類似エステル;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールまたは類似アルコール;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサンまたは類似オルガノシロキサンオリゴマーである。
ラジカル開始剤は、標準的なラジカル重合反応用として当業界で知られている任意の化合物であることができる。このようなラジカル開始剤の具体例は、2,2'-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)またはアゾビス型の類似化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートまたは類似有機過酸化物である。これらのラジカル開始剤は、単独でもまたは2種以上の組み合わせでも使用できる。ラジカル開始剤は、成分(A)および(B)100重量部当たり、0.1〜5重量部の量で使用できる。連鎖移動剤も添加できる。連鎖移動剤は、2-メルカプトエタノール、ブチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピル基を含むポリジメチルシロキサンまたはメルカプト型の類似化合物;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、臭化ブチル、3-クロロプロピルトリメトキシシランまたは類似ハロゲン化化合物である。
ビニル型のポリマーの製造においては、重合後に、残りの未反応ビニルモノマーは、真空加熱条件の下で除去できる。
化粧品の出発原料混合物の調製を容易にするために、カルボシロキサンデンドリマーを含むビニルポリマーの数平均分子量は、3000〜2000000、好ましくは5000〜800000の範囲内で選択できる。それは、液体、ガム、ペースト、固体、粉末または任意の他の形態であることができる。好ましい形態は、分散液または溶媒中粉末の希釈物からなる溶液である。
ビニルポリマーは、分子側鎖にカルボシロキサンデンドリマー構造を有するビニル型のポリマーの液体(シリコーン油、有機油、アルコールまたは水)中分散液であることができる。
シリコーン油は、2つの分子末端がトリメチルシロキシ基でキャップされているジメチルポリシロキサン、メチルフェニルシロキサンと2つの分子末端がトリメチルシロキシ基でキャップされているジメチルシロキサンとのコポリマー、メチル-3,3,3-トリフルオロプロピルシロキサンと2つの分子末端がトリメチルシロキシ基でキャップされているジメチルシロキサンとのコポリマー、または類似の非反応性直鎖シリコーン油、更にはヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンまたは類似環状化合物であることができる。非反応性シリコーン油に加えて、末端または分子側鎖内にシラノール基、アミノ基およびポリエーテル基などの官能基を含む改質ポリシロキサンを使用できる。
有機油は、イソドデカン、流動パラフィン、イソパラフィン、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル;パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、オレイン酸2-オクチルドデシル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、ホホバ油、ガム油、ヒマワリ油、ダイズ油、ツバキ油、スクアラン、ヒマシ油、ミンク油、綿実油、ココナッツ油、卵黄油、牛脂、ラード、ポリプロピレングリコールモノオレエート、ネオペンチルグリコール2-エチルヘキサノエートまたは類似グリコールエステル油;イソステアリン酸トリグリセリル、ココナッツ油脂肪酸のトリグリセリドまたは多価アルコールエステルの類似の油;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテルまたは類似ポリオキシアルキレンエーテルであることができる。
アルコールは、化粧品出発原料との併用に好適な任意の型であることができる。例えば、アルコールは、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノールまたはより低級の類似アルコールであることができる。アルコールの溶液または分散液の粘度は、25℃において10〜109mPaの範囲でなければならない。化粧品の使用感特性(sensory use property)を改善するためには、粘度は100〜5×108mPa.sの範囲内でなければならない。
溶液および分散液は、カルボシロキサンデンドリマー構造を有するビニルポリマーをシリコーン油、有機油、アルコールまたは水と混合することによって容易に調製できる。
液体は、カルボシロキサンデンドリマー構造を有するビニル型ポリマーの重合ステップに存在してもよい。この場合、残りの未反応ビニルモノマーは、大気圧または減圧下で溶液または分散液の熱処理によって完全に除去しなければならない。
分散液の場合には、ビニル型ポリマーの分散度は、界面活性剤の添加によって改善できる。
このような界面活性剤は、ヘキシルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、セチルベンゼンスルホン酸、ミリスチルベンゼンスルホン酸またはこれらの酸のナトリウム塩である陰イオン界面活性剤;オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、デシルジメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、牛脂-トリメチルアンモニウムヒドロキシド、ココナッツ油-トリメチルアンモニウムヒドロキシドまたは類似陽イオン界面活性剤;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンのソルビトールエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコールトリメチルノナノールのエチレンオキシド付加物(additive)およびポリエステル型の非イオン界面活性剤、ならびに更にそれらの混合物であることができる。
更に、溶媒および分散液は、粉末の形態の、化粧品への使用に好適な酸化鉄または類似顔料および更に酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ケイ素、マイカ、タルクまたは類似無機酸化物と合することができる。分散液において、ビニル型ポリマーの平均粒径は、0.001〜100ミクロン、好ましくは0.01〜50ミクロンの範囲内であることができる。これは、推奨範囲外では、エマルジョンと混合される化粧品は皮膚上の感触も手触りも十分には良くなく、十分な延展性も心地よい肌触りもないためである。
分散液または溶液中に含まれるビニルポリマーは、0.1〜95重量%、好ましくは5〜85重量%の範囲の濃度を有することができる。しかし、混合物の取扱いおよび調製を容易にするためには、この範囲は好ましくは10〜75重量%でなければならない。
好ましい一態様によれば、本発明への使用に好適なビニルポリマーは、特許出願EP0963751の実施例に記載されているポリマーの1種であることができる。
好ましい一実施形態によれば、カルボシロキサンデンドリマーがグラフトされたビニルポリマーは、
(A)1種または複数のアクリレートまたはメタクリレートモノマー0.1〜99重量部と、
(B)トリス[トリ(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチルシロキシ]シリルプロピルカルボシロキサンデンドリマーのアクリレートまたはメタクリレートモノマー100〜0.1重量部
との重合生成物であることができる。一実施形態によれば、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含むビニルポリマーは、式:
Figure 0006312983
の1つに対応するトリス[トリ(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチルシロキシ]シリルプロピルカルボシロキサンデンドリマー系単位を含むことができる。このような化合物は、INCI名がアクリレート/ポリトリメチルシロキシメタクリレートコポリマー(ACRYLATES/POLYTRIMETHYL SILOXYMETHACRYLATE COPOLYMER)である。
好ましい一態様によれば、本発明に使用する少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含むビニルポリマーは、少なくとも1つのアクリル酸ブチルモノマーを含む。
一実施形態によれば、ビニルポリマーは、少なくとも1種のフルオロ有機基を含むこともできる。フルオロビニルポリマーは、特許出願WO03/045337の実施例中に記載されているポリマーの1種であることができる。
好ましい一実施形態によれば、本発明の意味での、グラフトされたビニルポリマーは、好ましくは揮発性である、特にシリコーン油および炭化水素系油、ならびにそれらの混合物から選択される油または油の混合物中に含まれた状態で輸送できる。
特定の一実施形態によれば、本発明への使用に好適なシリコーン油は、シクロペンタシロキサンであることができる。
別の特定の実施形態によれば、本発明への使用に好適な炭化水素系油は、イソドデカンであることができる。
好ましい実施形態において、本発明の意味での、グラフトされたビニルポリマーは、イソドデカン中に含まれた状態で輸送する。
本発明への使用に特に好適であることができる、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位がグラフトされたビニルポリマーは、Dow Corning社によってTIB4-100、TIB4-101、TIB4-120、TIB4-130、TIB4-200、FA4002ID(TIB4-202)、TIB4-220およびFA4001CM(TIB 4-230)の名称で販売されているポリマーである。好ましくは、Dow Corning社によってFA4002ID(TIB4-202)のおよびFA4001CM(TIB4-230)の名称で販売されているポリマー(INCI名:アクリレート/ポリトリメチルシロキシメタクリレートコポリマー)を使用する。
本発明の特定の一態様によれば、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む前記ビニルポリマーは、組成物中に、組成物の総重量を基準として、1重量%以上の活性物質含量で存在する。
詳細には、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む前記ビニルポリマーは、前記組成物の総重量を基準として、1〜20重量%、特に2〜15重量%、より特定すれば3〜10重量%の範囲の活性物質(少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む前記ビニルポリマー)含量で存在する。
フルオロ化合物で処理された粒状色素
本発明の組成物は、少なくとも1種のフルオロ化合物で被覆された少なくとも1種の粒状色素を含む。
用語「被覆された」および「表面処理された(されている)」は、本明細書の他の部分において区別せずに使用する。
用語「フルオロ化合物」は、少なくとも1つのフッ素原子を含む化合物を意味する。
粒状色素
少なくとも1種のフルオロ化合物で被覆された粒状色素は、顔料および真珠層、ならびにそれらの混合物から選択できる。
用語「顔料」は、組成物の着色を目的とする、生理的媒体中に不溶な任意の形態の、白色若しくは有色の、無機または有機粒子を意味すると理解すべきである。
用語「真珠層」は、任意の形態の虹色の粒子、特にある種の軟体動物によってそれらの殻内部で生成されたものまたは合成されたものを意味すると理解すべきである。
顔料は、白色でも有色でもよく、無機および/または有機であることができる。無機顔料としては、二酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウム、および更に酸化亜鉛、酸化鉄(黒色、黄色または赤色)または酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物およびフェリックブルー、ならびに金属粉末、例えば、アルミニウム粉末または銅粉末を挙げることができる。
有機顔料としては、カーボンブラック、D & C型の顔料、およびカーマイン(cochineal carmine)またはバリウム、ストロンチウム、カルシウム若しくはアルミニウムを基材とするレーキを挙げることができる。
更に、効果を有する顔料、例えば、天然または合成の、有機または無機基材、例えば、ガラス、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、セラミックまたはアルミナを含む粒子を挙げることができ、前記基材は、金属材料(例えば、アルミニウム、金、銀、白金、銅または青銅)または金属酸化物(例えば、二酸化チタン、酸化鉄または酸化クロム)およびそれらの混合物で被覆されていてもいなくてもよい。
真珠光沢顔料は、白色真珠光沢顔料(例えば、チタンまたはオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ)、有色真珠光沢顔料(例えば、酸化鉄で被覆されたチタンマイカ、特にフェリックブルー若しくは酸化クロムで被覆されたチタンマイカ、前記型の有機顔料で被覆されたチタンマイカ)、および更にオキシ塩化ビスマスを基材とする真珠光沢顔料から選択できる。干渉顔料、特に液晶または多層干渉顔料も使用できる。
第1の組成物中に干渉顔料として添加できる真珠層の一例としては、とりわけ、特にEngelhard社によってBrilliant gold 212G(Timica)、Gold 222C(Cloisonne)、Sparkle gold(Timica)、Gold 4504(Chromalite)およびMonarch gold 233X(Cloisonne)の名称で販売されているゴールド色真珠層;特にMerck社によってBronze fine(17384)(Colorona)およびBronze(17353)(Colorona)の名称で、ならびにEngelhard社によってSuper bronze(Cloisonne)の名称で販売されているブロンズ色真珠層;特にEngelhard社によってOrange 363C(Cloisonne)およびOrange MCR 101(Cosmica)の名称で、ならびにMerck社によってPassion orange(Colorona)およびMatte orange (17449)(Microna)の名称で販売されているオレンジ色真珠層;特にEngelhard社によってNu-antique copper 340XB(Cloisonne)およびBrown CL4509(Chromalite)の名称で販売されているブラウン色真珠層;特にEngelhard社によってCopper 340A(Timica)の名称で販売されている、カッパー色の色合いを有する真珠層;特にMerck社によってSienna fine(17386)(Colorona)の名称で販売されている、レッド色の色合いを有する真珠層;特にEngelhard社によってYellow(4502) (Chromalite)の名称で販売されている、イエロー色の色合いを有する真珠層;特にEngelhard社によってSunstone G012(Gemtone)の名称で販売されている、ゴールド色の色合いを有するレッド色真珠層;特にEngelhard社によってTan opale G005(Gemtone)の名称で販売されているピンク色真珠層;特にEngelhardによってNu antique bronze 240 AB(Timica)の名称で販売されている、ゴールド色の色合いを有するブラック色真珠層;特にMerck社によってMatte blue(17433)(Microna)の名称で販売されているブルー色真珠層;特にMerck社によってXirona Silverの名称で販売されている、シルバー色の色合いを有するホワイト色真珠層;特にMerck社によってIndian summer(Xirona)の名称で販売されているゴールデン-グリーンピンク-オレンジ色真珠層;ならびにそれらの混合物を挙げることができる。
特定の一実施形態において、粒状色素は無機顔料、好ましくは二酸化チタン、酸化鉄およびそれらの混合物から選択される。
好ましい一実施形態において、粒状色素は酸化鉄である。
コーティングのフルオロ化合物
前記粒状色素は、少なくとも1種のフルオロ化合物で完全にまたは部分的に表面処理されている。
詳細には、フルオロ化合物は、ペルフルオロアルカン、ペルフルオロアルキルホスフェート、ペルフルオロアルキルシラン、ペルフルオロアルキルシラザン、ポリヘキサフルオロプロピレンオキシド、ペルフルオロポリエーテル、ポリテトラフルオロポリエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルキル基を含むポリオルガノシロキサン、例えば、ペルフルオロアルキルジメチコンおよびペルフルオロアルキルトリアルコキシシラン、ならびにそれらの混合物から選択される。
特定の一態様によれば、本発明による組成物は、ペルフルオロアルキルホスフェートまたはペルフルオロポリメチルイソプロピルエーテルで被覆された酸化鉄およびペルフルオロアルキルホスフェートで被覆された二酸化チタン、ならびにそれらの混合物から選択される、少なくとも1種のフルオロ化合物で被覆された粒状色素を含む。
ペルフルオロポリエーテルは特に、特許出願EP-A-486135に記載されており、Montefluos社によって商標名Fomblinで販売されている。
ペルフルオロアルキルホスフェートは、特公平05-86984号公報(特開昭62-250074号公報)において詳述されている。旭硝子株式会社によって参照記号AsahiGuard AG530で販売されているペルフルオロアルキルホスフェートジエタノールアミンを、使用できる。
ペルフルオロアルカンは、直鎖または環状ペルフルオロアルカンであることができる。直鎖ペルフルオロアルカンとしては、直鎖アルカン系列、例えば、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロノナンまたはペルフルオロデカンを挙げることができる。環状ペルフルオロアルカンとしては、ペルフルオロシクロアルカン、ペルフルオロ(アルキルシクロアルカン)、ペルフルオロポリシクロアルカンおよび芳香族ペルフルオロ炭化水素(ペルフルオロアレーン)を挙げることができる。ペルフルオロアルカンとしては、少なくとも1つのヘテロ原子を含む炭化水素系有機ペルフルオロ化合物を挙げることもできる。
ペルフルオロシクロアルカンおよびペルフルオロ(アルキルシクロアルカン)としては、Rhodia社によってFlutec PP5 GMPの名称でで販売されているペルフルオロデカリン、ペルフルオロ(メチルデカリン)およびペルフルオロ(C3-C5アルキルシクロヘキサン)、例えば、ペルフルオロ(ブチルシクロヘキサン)を挙げることができる。
ペルフルオロポリシクロアルカンとしては、ペルフルオロトリメチルビシクロ[3.3.1]ノナンなどのビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体、ペルフルオロジメチルアダマンタンなどのアダマンタン誘導体、およびテトラコサフルオロテトラデカヒドロフェナントレンなどの水素化ペルフルオロフェナントレン誘導体を挙げることができる。
ペルフルオロアレーンとしては、ペルフルオロナフタレン誘導体、例えば、ペルフルオロナフタレンおよびペルフルオロメチル-1-ナフタレンを挙げることができる。
少なくとも1種のフルオロ化合物で表面処理された顔料の市販参照例としては、以下のものを挙げることができる:
- 大東化成工業株式会社によって参照記号PFX 5 Sunpuro Yellow C33-9001で販売されている、ペルフルオロアルキルホスフェートで被覆された黄色酸化鉄(INCI名:酸化鉄(および)C9-15フルオロアルコールホスフェート(C9-15 FLUOROALCOHOL PHOSPHATE))、
- 大東化成工業株式会社によって参照記号PFX 5 Sunpuro Red C33-8001で販売されている、ペルフルオロアルキルホスフェートで被覆された赤色酸化鉄(INCI名:酸化鉄(および)C9-15フルオロアルコールホスフェート)、
- 大東化成工業株式会社によって参照記号PFX 5 Sunpuro Black C33-7001で販売されている、ペルフルオロアルキルホスフェートで被覆された黒色酸化鉄(INCI名:酸化鉄(および)C9-15フルオロアルコールホスフェート)、
- 大東化成工業株式会社によって参照記号PF 5 TiO2 A 100で販売されている、ペルフルオロアルキルホスフェートで被覆された二酸化チタン(INCI名:二酸化チタン(および)C9-15フルオロアルコールホスフェート)、
- 大東化成工業株式会社によって参照記号PFX 5 TiO2 CR 50で販売されている、ペルフルオロアルキルホスフェートで被覆された二酸化チタン(INCI名:二酸化チタン(および)C9-15フルオロアルコールホスフェート)、
- Toshiki社によって参照記号Iron oxide yellow BF-25-3で販売されている、ペルフルオロポリメチルイソプロピルエーテルで被覆された黄色酸化鉄、
- Cardre Inc.によって参照記号D&C Red 7 FHCで販売されている、ペルフルオロポリメチルイソプロピルエーテルで被覆されたDC Red 7、
- Warner-Jenkinson社によって参照記号T 9506で販売されている、PTFEで被覆されたDC Red 6。
特定の一実施形態において、コーティングのフルオロ化合物は、ペルフルオロアルキルホスフェート、特にC9-C15フルオロアルコールホスフェートから選択される。
好ましい一実施形態において、少なくとも1種のフルオロ化合物で被覆された粒状色素は、ペルフルオロアルキルホスフェートで被覆された二酸化チタン(好ましくはC9-C15フルオロアルコールホスフェートで被覆された二酸化チタン)、ペルフルオロアルキルホスフェートで被覆された酸化鉄(好ましくは、C9-C15フルオロアルコールホスフェートで被覆された酸化鉄)、およびそれらの混合物から選択される。
特定の一実施形態において、本発明による化粧品組成物は、液体脂肪相と、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む少なくとも1種のビニルポリマーと、C9-C15フルオロアルコールホスフェートで被覆された少なくとも二酸化チタンおよび/または酸化鉄とを含む。
コーティング
表面処理された粒状色素は、当業者によく知られている、化学的、電子的、機械化学的または機械的な表面処理技術に従って調製できる。市販品も使用できる。
表面剤は、溶媒の蒸発、化学反応および共有結合の形成によって、粒状色素に吸収または吸着させることができる。
一変形形態によれば、表面処理は、粒状色素の被覆からなる。
コーティングは、非処理の粒状色素の重量を基準として、1〜300重量%、例えば、5〜200重量%、特に10〜100重量%であることができる。
コーティングは、被覆された粒状色素の総重量を基準として、0.1〜10重量%。特に1〜5重量%であることができる。
コーティングの形成は、メークアップまたはケア組成物の他の成分中に粒子を混和する前に、例えば、粒状色素と液体表面剤とを、任意選択で高温において、撹拌しながら単純に混合することによって、粉状色素表面に液体表面剤を吸着させることによって行うことができる。
コーティングは、例えば、表面剤と粒状色素の表面との化学反応および表面剤と粉末状色素との間の共有結合の形成によって形成できる。この方法は、特に特許US4578266に記載されている。
化学表面処理は、揮発性溶媒中で表面剤を希釈し、この混合物中に粒状色素を分散させ、次いで表面剤が粒状色素の表面に付着するように揮発性溶媒をゆっくりと蒸発させて除去することであることができる。
詳細には、少なくとも1種のフルオロ化合物で被覆された前記粒状色素は、前記組成物の総重量を基準として、0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、更に優先的には5〜15重量%の範囲の含量で存在する。
特定の一態様によれば、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む少なくとも1種のビニルポリマーと少なくとも1種のフルオロ化合物で被覆された少なくとも1種の粒状色素とを含む、本発明による組成物は、下記プロトコールに従って測定される、本発明による組成物が適用されるケラチン物質の光沢度を増加させる。適用後に測定される光沢度値増大は、5未満、好ましくは4以下、更に好ましくは3以下(所望のサテン効果に相当する)であることがわかっている。
ケラチン物質、特に皮膚への本発明による組成物の適用によって与えられる所望のサテン効果およびこの効果の残存性を測定するためのプロトコールは、
- 偏光カメラを用いて、平行(P)偏光および直交(C)偏光の画像の減算(P-C)によって得られる画像解析と光沢部位に相当する画素の最も明るい5%の平均グレースケールの測定とによって、T0において、メークアップが適用されていない皮膚の光沢度を測定し;
- メークアップが適用されていない前記皮膚に試験組成物100mgを素手の指で適用し、15分間の乾燥時間後に、メークアップが適用された頬の光沢度を測定し(Timm);
- 空調室で3時間後にメークアップが適用された同じ頬の第2の測定値を取り(T3h);
- 差(Timm-T0)を算出して、皮膚に対するメークアップの効果を判定し;
- 差(T3h-Timm)を算出して、皮膚に対するメークアップの効果の残存性を判定する
ことである。
正であるが5未満、好ましくは4以下、更に好ましくは3以下の光沢度値増大が、本発明の前記組成物によって皮膚表面に与えられるサテン効果の特徴である。
本発明の特定の一態様によれば、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む前記ビニルポリマー(活性物質としての)と、少なくとも1種のフルオロ化合物で被覆された前記粒状色素との重量比は、0.1〜1の範囲である。詳細には、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む前記ビニルポリマー(活性物質としての)と、少なくとも1種のフルオロ化合物で被覆された前記粒状色素との重量比は、0.2〜0.7、好ましくは0.25〜0.5の範囲である。
本発明に従って使用する、少なくとも1種のフルオロ化合物で被覆された粒状色素の他に、本発明による組成物は、特に更なるテキスチャー特性または被覆特性を与え得る、少なくとも1種の有機または無機充填剤を含むこともできる。本発明の組成物に使用する充填剤含量は、少なくとも1種のフルオロ化合物で被覆される粒状色素と、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含むビニルポリマーとの組み合わせによって提供される、本発明において所望のサテン効果およびこのサテン効果の残存性に悪影響を与えないように適合させる。
用語「充填剤」は、組成物の媒体中に不溶であり且つその媒体中に分散される形態であり、任意の形態の無色または白色固体粒子を意味すると理解すべきである。無機または有機のこれらの粒子は、組成物に腰(body)若しくは剛さを与え、且つ/またはメークアップに軟らかさおよび均一性を与えることできる。
充填剤は、層状、球状、球形若しくは繊維の形態、またはこれらの形態の中間の任意の他の形態であることができる。
充填剤は、表面被覆されていてもいなくてもよく、詳細には、シリコーン樹脂、アミノ酸、フルオロ誘導体、または組成物への充填剤の分散性および相溶性を高める任意の他の物質で表面処理されていてもよい。
本発明による組成物中に使用できる充填剤としては、タルク、マイカ、カオリン、ベントン、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、ガラスまたはセラミックマイクロカプセル、シリカと二酸化チタンとの複合材料、例えば、日本板硝子によって販売されているTSGシリーズ、ポリアミド粉末(Atochem製のNylon(登録商標)Orgasol)、ポリ-β-アラニン粉末、ポリエチレン粉体、ポリテトラフルオロエチレン(Teflon(登録商標))粉末、ラウロイルリジン、澱粉、中空ポリマー微小球、例えば、Expancel(Nobel Industrie)、炭素数8〜22、好ましくは12〜18の有機カルボン酸から得られた金属石鹸(例えば、ステアリン酸亜鉛、マグネシウム若しくはリチウム、ラウリン酸亜鉛またはミリスチン酸マグネシウム)、Polypore(登録商標)L200(Chemdal Corporation)、シリコーン樹脂ミクロビーズ(例えば、Toshiba製のTospearl(登録商標))およびポリウレタン粉末、特にコポリマー(トリメチロールヘキシルラクトンを含む)を含む架橋ポリウレタンの粉末を挙げることができる。充填剤は、特にヘキサメチレンジイソシアネート/トリメチロールヘキシルラクトンポリマーであることができる。このような粒子は、特に、例えば、Toshiki社からPlastic Powder D-400(登録商標)またはPlastic Powder D-800(登録商標)の名称で市販されているもの、およびそれらの混合物である。
充填剤は、本発明の組成物中に、組成物の総重量を基準として、0.01〜10重量%、特に0.5〜5重量%の範囲の含量で存在できる。
生理学的に許容され得る媒体
前記化合物の他に、本発明による組成物は、生理学的に許容され得る媒体を含む。
用語「生理学的に許容され得る媒体」は、ケラチン物質、特に皮膚への本発明の組成物の適用に特に好適な媒体を意味するものとする。
生理学的に許容され得る媒体は一般に、組成物を適用する支持物の性質に、また、組成物を適応させる外見(aspect)に適合させる。
本発明の組成物は、分散液またはエマルジョンであることができる。
分散液は、水相または油性相として調製できる。
エマルジョンは、油性または水性連続相を有することができる。このようなエマルジョンは、例えば、逆(W/O)エマルジョンまたは直接(O/W)エマルジョン、あるいは複合エマルジョン(W/O/WまたはO/W/O)であることができる。
本発明の好ましい一態様によれば、本発明の組成物は、油中水型(W/O)エマルジョンの形態である。
水性相
本発明による組成物は、水性相を含むことができる。
水性相は、水を含む。本発明への使用に好適な水は、フローラルウォーター、例えば、コーンフラワーウォーター、および/またはミネラルウォーター、例えば、Vittel水、Lucas水若しくはLa Roche Posay水、および/または湧き水であることができる。
水性相はまた、水混和性である(室温:25℃で)有機溶媒、例えば、炭素数2〜6のモノアルコール、例えば、エタノールまたはイソプロパノール;炭素数が特に2〜20、好ましくは2〜10、優先的には2〜6のポリオール、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコールまたはジエチレングリコール;グリコールエーテル(特に炭素数3〜16のグリコールエーテル)、例えば、モノ-、ジ-またはトリプロピレングリコール(C1-C4)アルキルエーテル、モノ-、ジ-またはトリエチレングリコール(C1-C4)アルキルエーテルおよびそれらの混合物を含むことができる。
水性相はまた、安定剤、例えば、塩化ナトリウム、二塩化マグネシウムまたは硫酸マグネシウムを含むことができる。
水性相はまた、水性相と相溶性である任意の水溶性または水分散性化合物、例えば、ゲル化剤、フィルム形成ポリマー、増粘剤または界面活性剤およびそれらの混合物を含むことができる。
詳細には、本発明の組成物は水性相を、組成物の総重量を基準として、1〜90重量%、特に10〜70重量%、より特定すれば20〜60重量%の範囲の含量で含むことができる。
別の実施形態によれば、本発明の組成物は、無水であることができる。
無水組成物は、組成物の総重量を基準として、5重量%未満、特に3重量%未満、特に2重量%未満、より特定すれば1重量%未満の水を含むことができる。より特定すれば、無水組成物は水を含まなくてもよい。
少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含むビニルポリマーは一般に、本発明の組成物の脂肪相で輸送される。
脂肪相
本発明による化粧品組成物は、少なくとも1種の液体脂肪相、特に下記の少なくとも1種の油を含む。
用語「油」は、室温(20〜25℃)および大気圧において液体の形態である任意の脂肪性物質を意味する。
本発明の組成物は液体脂肪相を、組成物の総重量を基準として、1〜90重量%、特に10〜80重量%、特に15〜70重量%、より特定すれば20〜50重量%の範囲の含量で含むことができる。
発明による化粧品組成物の調製に好適な油性相は、炭化水素系油、シリコーン油、フッ素油若しくは非フッ素油またはそれらの混合物を含むことができる。
油は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
油は、動物、植物、鉱物または合成由来であることができる。
本発明の解釈上、用語「揮発性油」は、室温および大気圧において、皮膚との接触時に1時間未満で蒸発し得る油(または非水性媒体)を意味する。揮発性油は、室温で液体である、特に室温および大気圧においてゼロ以外の蒸気圧を有する、詳細には0.13〜40000Pa(10-3〜300mmHg)、好ましくは1.3〜13000Pa(0.01〜100mmHg)、優先的には1.3〜1300Pa(0.01〜10mmHg)の範囲の蒸気圧を有する、揮発性化粧用油である。
本発明の解釈上、用語「不揮発性油」は、0.13Pa未満の蒸気圧を有する油を意味する。
本発明の解釈上、用語「シリコーン油」は、少なくとも1つのケイ素原子、少なくとも1つのSi-O基を含む油を意味する。
用語「フッ素油」は、少なくとも1つのフッ素原子を含む油を意味する。
用語「炭化水素系油」は、主に水素および炭素原子を含む油を意味する。
油は任意選択で、酸素、窒素、イオウおよび/またはリン原子を、例えば、ヒドロキシルまたは酸基の形態で含むことができる。
揮発性油
揮発性油は、炭素数8〜16の炭化水素系油、特にC8-C16分岐鎖アルカン(イソパラフィンとしても知られる)、例えば、イソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとしても知られる)、イソデカンおよびイソヘキサデカン(例えば、商標名Isopar(登録商標)またはPermethyl(登録商標)で販売されている油)から選択できる。
更に使用できる揮発性の油としては、揮発性シリコーン樹脂、例えば、揮発性の直鎖または環状シリコーン油、とりわけ、8センチストーク(cSt)(8×10-6m2/s)の粘度を有し、特に2〜10個、特に2〜7個のケイ素原子を含むものが挙げられ、これらのシリコーン樹脂は任意選択で、炭素数1〜10のアルキルまたはアルコキシ基を含む。本発明において使用できる揮発性シリコーン油としては特に、粘度5および6cStのジメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサンおよびドデカメチルペンタシロキサン、ならびにそれらの混合物を挙げることができる。
揮発性フッ素油、例えば、ノナフルオロメトキシブタンまたはペルフルオロメチルシクロペンタンおよびそれらの混合物も使用できる。
一実施形態によれば、本発明の組成物は、組成物の総重量を基準として、1〜80重量%、または更には5〜70重量%、または更には10〜60重量%、特に15〜50重量%の揮発性油を含むことができる。
不揮発性油
不揮発性油は、特に不揮発性炭化水素系油、フッ素油および/またはシリコーン油から選択できる。
不揮発性炭化水素系油としては、特に以下のものを挙げることができる:
- 動物由来の炭化水素系油、例えば、ペルヒドロスクアレン、
- 植物由来の炭化水素系油、例えば、フィトステアリルエステル、例えば、フィトステアリルオレエート、フィトステアリルイソステアレートおよびラウロイル/オクチルドデシル/フィトステアリルグルタメート(味の素株式会社、Eldew PS203)、
グリセロールの脂肪酸エステル(特に、脂肪酸はC4〜C36、特にC18〜C36の鎖長を有することができるもの)から形成されたトリグリセリド(これらの油は場合によって直鎖または分岐鎖であり、飽和または不飽和であり、特に、ヘプタン酸またはオクタン酸トリグリセリド、シアオイル(shea oil)、アルファルファ油、ケシ油、冬カボチャ油(winter squash oil)、雑穀油(millet oil)、オオムギ油、キノア油、ライ麦油、ククイ油、トケイソウ油、シアバター、アロエベラ油、甘扁桃油、桃核油、落花生油、アルガンオイル(argan oil)、アボカド油、バオバブ油、ルリヂサ油、ブロッコリー油、キンセンカ油、椿油、キャノーラ油、ニンジン油、ベニバナ油、亜麻油、ナタネ油、綿実油、ココナッツ油、カボチャ種子油(marrow seed oil)、小麦胚芽油、ホホバ油、ユリ油、マカダミア油、トウモロコシ油、メドフォーム油、セントジョーンズワート油(St John's Wort oil)、モノイオイル(monoi oil)、ヘイゼルナッツ油、杏仁油、クルミ油、オリーブ油、月見草油、パーム油、ブラックカラント種油、キーウィ種子油、グレープシード油、ピスタチオ油、冬カボチャ油、カボチャ油、キノア油、ジャコウバラ油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、ヒマシ油およびスイカ油、ならびにそれらの混合物、あるいはカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、Stearineries Dubois社によって販売されているものまたはDynamit Nobel社によってMiglyol 810(登録商標)、812(登録商標)および818(登録商標)の名称で販売されているものであることができる)、
- 無機または合成由来の直鎖または分岐鎖炭化水素、例えば、流動パラフィンおよびその誘導体、ワセリン、ポリデセン、ポリブテン、水素化ポリイソブテン、例えば、Parleam、ならびにスクアラン、
- 炭素数10〜40の合成エーテル、
- 合成エステル、例えば、式R1COOR2[R1は、炭素数1〜40の直鎖または分岐鎖脂肪酸残基を表し、R2は、炭素数1〜40の炭化水素系鎖、特に分岐鎖を表し、但し、R1+R2≧である]の油(これらのエステルは、特にアルコールの脂肪酸エステル、例えば:セトステアリルオクタノエート、イソプロピルアルコールエステル、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ヒドロキシル化エステル、例えば、乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、アジピン酸ジイソプロピル、ヘプタン酸エステル、特にヘプタン酸イソステアリル、アルコールまたは多価アルコールオクタノエート、デカノエートエステルまたはリシノエートエステル、例えば、プロピレングリコールジオクタノエート、オクタン酸セチル、オクタン酸トリデシル、2-エチルヘキシル4-ジヘプタノエート、パルミチン酸2-エチルヘキシル、安息香酸アルキル、ポリエチレングリコールジヘプタノエート、プロピレングリコール2-ジエチルヘキサノエートおよびそれらの混合物、C12-C15アルコールベンゾエート、ラウリン酸ヘキシル、ネオペンタン酸エステル、例えば、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、イソノナン酸エステル、例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸オクチル、ヒドロキシル化エステル、例えば、乳酸イソステアリルおよびリンゴ酸ジイソステアリルから選択できる)、
- ポリオールエステルおよびペンタエリスリトールエステル、例えば、ジペンタエリスリチルテトラヒドロキシステアレート/テトライソステアレート、
- ジオール二量体および二酸二量体のエステル、例えば、日本精化株式会社によって販売されているLusplan DD-DA5(登録商標)およびLusplan DD-DA7(登録商標)(特許出願US2004-175338に記載)、
- ジオール二量体および二酸二量体、ならびにそれらのエステルのコポリマー、例えば、ジリノレイルジオール二量体/ジリノール酸二量体コポリマーおよびそのエステル、例えば、Plandool-G、
- ポリオールおよび二酸二量体、ならびにそれらのエステルのコポリマー、例えば、Hailuscent ISDAまたはジリノール酸/ブタンジオールコポリマー、
- 室温の液体である、炭素数12〜26の分岐鎖および/または不飽和炭素系鎖を有する脂肪族アルコール、例えば、2-オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノールおよび2-ウンデシルペンタデカノール、
- C12-C22高級脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノール酸若しくはリノレン酸およびそれらの混合物、
- 2つのアルキル鎖が場合によって同一または異なる炭酸ジアルキル、例えば、CognisによってCetiol CC(登録商標)の名称で販売されている炭酸ジカプリリル、
- 高モル質量(molar mass)の油、とりわけ、約400〜約10000g/mol、特に約650〜約10000g/mol、特に約750〜約7500g/mol、より特定すれば約1000〜約5000g/molの範囲のモル質量を有するもの(本発明において使用できる高モル質量の油としては、特に以下:
・ 親油性ポリマー
・ 総炭素数が35〜70の範囲の直鎖脂肪酸エステル、
・ ヒドロキシル化エステル、
・ 芳香族エステル、
・ 脂肪族アルコールまたは分岐鎖脂肪酸のC24〜C28エステル、
・ シリコーン油、
・ 植物由来の油、および
・ それらの混合物
から選択される油を挙げることができる)、
- 任意選択で部分的に炭化水素系および/またはシリコーンのフッ素油、例えば、フルオロシリコーン油、フルオロポリエーテルおよびフルオロシリコーン(特許文献EP-A-847752に記載)、
- シリコーン油、例えば、不揮発性の直鎖または環状ポリジメチルシロキサン(PDMS);側鎖としてまたはシリコーン鎖の末端に炭素数2〜24のアルキル、アルコキシまたはフェニル基を含む、ポリジメチルシロキサン;フェニルシリコーン、例えば、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサンおよび2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、
- それらの混合物。
一実施形態によれば、本発明の組成物は、組成物の総重量を基準として、0.5〜50重量%、好ましくは1〜30重量%の不揮発性油を含むことができる。
界面活性剤
本発明による組成物は、エマルジョンの形態である場合には、一般に、特に両性、陰イオン、陽イオンおよび非イオン界面活性剤から選択され、単独でまたは混合物として使用される少なくとも1種の界面活性剤を含む。
界面活性剤は一般に、組成物中に、組成物の総重量を基準として、例えば、0.3〜15重量%、特に0.5〜10重量%まで、より特定すれば1〜7重量%の範囲の割合で存在する。
言うまでもなく、界面活性剤は、エマルジョン、より特定すれば、本発明によって考慮されるエマルジョン、即ち、O/W、W/OまたはO/W/O形のエマルジョンを効果的に安定させるように選択される。この選択は、当業者の力量の範囲内である。
O/Wエマルジョンとしては、以下の例を挙げることができる:非イオン界面活性剤、特に、炭素数が例えば8〜24、より好ましくは12〜22の飽和または不飽和鎖を有するポリオールおよび脂肪酸のエステル、ならびにそれらのオキシアルキレン化誘導体、即ち、オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化単位を含む誘導体、例えば、C8〜C24脂肪酸のグリセリルエステルおよびそのオキシアルキレン化誘導体;C8〜C24脂肪酸のポリエチレングリコールエステルおよびそのオキシアルキレン化誘導体;C8〜C24脂肪酸のソルビトールエステルおよびそのオキシアルキレン化誘導体;C8〜C24脂肪酸の糖(スクロース、グルコースまたはアルキルグルコース)エステルおよびそのオキシアルキレン化誘導体;脂肪族アルキルエーテル;C8〜C24脂肪族アルコールの糖エーテル、更にそれらの混合物。
脂肪酸のグリセリルエステルとしては、特に、ステアリン酸グリセリル(モノ-、ジ-および/またはトリステアリン酸グリセリル)(CTFA名:ステアリン酸グリセリル)またはリシノール酸グリセリルおよびそれらの混合物を挙げることができる。
脂肪酸のポリエチレングリコールエステルとしては、特に、ポリエチレングリコールステアレート(ポリエチレングリコールモノ-、ジ-および/またはトリステアレート)、特にポリエチレングリコール50 OEモノステアレート(CTFA名:PEG-50ステアレート)およびポリエチレングリコール100 OEモノステアレート(CTFA名:PEG-100ステアレート)、ならびにそれらの混合物を挙げることができる。
これらの界面活性剤の混合物、例えば、Uniqema社によってArlacel 165の名称で販売されている、ステアリン酸グリセリルおよびPEG-100ステアレートを含む製品、ならびにGoldschmidt社によってTeginの名称で販売されている、ステアリン酸グリセリル(グリセリルモノ-ジステアレート)およびステアリン酸カリウムを含む製品(CTFA名:ステアリン酸グリセリルSE)も使用できる。
グルコースまたはアルキルグルコースの脂肪酸エステルとしては、特に以下のものを挙げることができる:グルコースパルミテート、アルキルグルコースセスキステアレート(例えば、メチルグルコースセスキステアレート)、アルキルグルコースパルミテート(例えば、メチルグルコースパルミテートまたはエチルグルコースパルミテート)、メチルグルコシドの脂肪酸エステル、特にメチルグルコシドのおよびオレイン酸のジエステル(CTFA名:メチルグルコースジオレエート);メチルグルコシドおよびオレイン酸/ヒドロキシステアリン酸混合物の混合エステル(CTFA名:メチルグルコースジオレエート/ヒドロキシステアレート);メチルグルコシドおよびイソステアリン酸のエステル(CTFA名:メチルグルコースイソステアレート);メチルグルコシドおよびラウリン酸のエステル(CTFA名:メチルグルコースラウレート);メチルグルコシドのモノエステルおよびジエステルとイソステアリン酸との混合物(CTFA名:メチルグルコースセスキイソステアレート);メチルグルコシドのモノエステルおよびジエステルとステアリン酸との混合物(CTFA名:メチルグルコースセスキステアレート);特に、Amerchol社によってGlucate SSの名称で販売されている製品、ならびにそれらの混合物。
脂肪酸およびグルコースまたはアルキルグルコースのオキシエチレン化エーテルの例としては、以下のものを挙げることができる:脂肪酸およびメチルグルコースのオキシエチレン化エーテル、特に、約20モルのエチレンオキシドを含む、メチルグルコースおよびステアリン酸のジエステルのポリエチレングリコールエーテル(CTFA名:PEG-20メチルグルコースジステアレート)、例えば、Amerchol社によってGlucam E-20 distearateの名称で販売されている製品;約20モルのエチレンオキシドを含む、メチルグルコースおよびステアリン酸のモノエステルおよびジエステルの混合物のポリエチレングリコールエーテル(CTFA名:PEG-20メチルグルコースセスキステアレート)、特に、Amerchol社によってGlucamate SSE-20の名称で販売されている製品、およびGoldschmidt社によってGrillocose PSE-20の名称で販売されている製品、ならびにそれらの混合物。
スクロースエステルの例としては、スクロースパルミトステアレート、スクロースステアレートおよびスクロースモノラウレートを挙げることができる。
脂肪族アルキルエーテルの例としては、炭素数8〜30、特に10〜22の脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテル、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコールまたはセテアリルアルコール(セチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物)のポリエチレングリコールエーテルを挙げることができる。例としては、1〜200個、好ましくは2〜100個のオキシエチレン基を含むエーテル、例えば、CTFA名がCeteareth-20およびCeteareth-30のもの、およびそれらの混合物を挙げることができる。
糖エーテルとしては、特に以下のものを挙げることができる:アルキルポリグルコシド、例えば、デシルグルコシド、例えば、Kao Chemicals社によってMydol 10の名称で販売されている製品、Henkel社によってPlantaren 2000の名称で販売されている製品、およびSEPPIC社によってOramix NS 10の名称で販売されている製品;カプリリル/カプリルグルコシド、例えば、SEPPIC社によってOramix CG 110の名称で販売されている製品またはBASF社によってLutensol GD 70の名称で販売されている製品;ラウリルグルコシド、例えば、Henke社によってPlantaren 1200 NおよびPlantacare 1200の名称で販売されている製品;ココグルコシド、例えば、Henkel社によってPlantacare 818/UPの名称で販売されている製品;例えば、SEPPIC社によってMontanov 68の名称で、Goldschmidt社によってTego-Care CG90の名称でおよびHenkel社によってEmulgade KE3302の名称で販売されている、場合によってはセトステアリルアルコールとの混合物としての、セトステアリルグルコシド;SEPPIC社によってMontanov 202の名称で販売されている、例えば、アラキジルアルコールおよびベヘニルアルコールとアラキジルグルコシドとの混合物の形態の、アラキジルグルコシド;SEPPIC社によってMontanov 82の名称で販売されている、例えば、セチルアルコールおよびステアリルアルコールとの混合物(35/65)の形態のココイルエチルグルコシド;ならびにそれらの混合物。
W/Oエマルジョンとしては、炭化水素系またはシリコーン界面活性剤を使用できる。
実施形態の一変形形態によれば、シリコーン界面活性剤が好ましい。
炭化水素系界面活性剤の例としては、ポリエステルポリオール、例えば、Uniqema社によって参照記号Arlacel P 135で販売されているPEG-30ジポリヒドロキシステアレート、およびCognis社によって参照記号Dehymuls PGPHで販売されているポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアレートを挙げることができる。
シリコーン界面活性剤の例としては、アルキルジメチコンコポリオール例えば、Dow Corning社によってDow Corning 5200 Formulation Aidの名称で販売されているラウリルメチコンコポリオール、およびGoldschmidt社によってAbil EM 90の名称で販売されているセチルジメチコンコポリオール、またはGoldschmidt社によってAbil WE 09の名称で販売されているポリグリセリル-4イソステアレート/セチルジメチコンコポリオール/ラウリン酸ヘキシル混合物を挙げることができる。
更に、1種または複数の共乳化剤(co-emulsifier)をそれらに添加することもできる。共乳化剤は有利には、ポリオールのアルキルエステルからなる群から選択できる。ポリオールのアルキルエステルとしては、特に、グリセロールおよび/またはソルビタンエステル、例えば、Cognis社によってLameform TGIの名称で販売されているポリグリセリル-3ジイソステアレート、ポリグリセリル-4イソステアレート、例えば、Goldschmidt社によってIsolan GI 34の名称で販売されている製品、ソルビタンイソステアレート、例えば、ICI社によってArlacel 987の名称で販売されている製品、ソルビタングリセリルイソステアレート、例えば、ICI社によってArlacel 986の名称で販売されている製品、ならびにそれらの混合物を挙げることができる。
少なくとも1種のオキシアルキレン基を含む固体架橋エラストマー性オルガノポリシロキサン、例えば、特許文献US-A-5412004の実施例3、4および8、ならびに特許文献US-A-5811487の実施例の手順に従って得られる生成物、特に、信越化学工業株式会社によって参照記号KSG 21で販売されている、特許US-A-5412004の実施例3(合成例)の製品も、W/Oエマルジョン用の界面活性剤として使用できる。
特定の一態様によれば、本発明による組成物は、特にジメチコンコポリオールおよびアルキルジメチコンコポリオール、ならびにそれらの混合物から選択される、少なくとも1種のシリコーン界面活性剤を含む。
シリコーン界面活性剤は有利には、前記組成物の総重量を基準として、0.5〜5重量%の範囲の含量で存在する。
添加剤
本発明による化粧品組成物はまた、例えば、ゲル化剤、ガム、樹脂、分散剤、半結晶質ポリマー、酸化防止剤、保存剤、香料、中和剤、防腐剤、紫外線遮断剤、化粧活性剤、モイスチャライザーおよびエモリエント、ならびにそれらの混合物から選択される、当該分野で常用されている任意の添加剤を含むことができる。
これらの添加剤は、本発明の組成物中に、組成物の総重量を基準として、0.1〜20重量%、特に1〜10重量%の範囲の含量で存在できる。
本発明による組成物は特に、皮膚または唇のメークアップおよび/またはケアのための組成物、特にファンデーションの形態であることができる。
好ましい一態様によれば、本発明による組成物は、油中水型エマルジョンの形態である。
特に、それはメークアップ組成物である。好ましくは、本発明による組成物はファンデーションである。
本発明を下記実施例においてより詳細に示すが、これらは、単に本発明の実例として示すのであって、本発明を限定するものと解してはならない。
(例1〜4)
所望のサテン効果に対するコーティングの性質の影響
流体ファンデーションの例1〜4は、フルオロコーティングが、他の型のコーティングと比較して、サテンメークアップの結果を生じることができ、また、この結果が、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含むビニルポリマーとの併用で非常に良好な残存特性を有することを示している。
Figure 0006312983
Figure 0006312983
手順
相A1の成分を、主ビーカー中に秤取し、室温に保持しながらMoritzブレンダー(1000rpm)で撹拌する。
次に、相A2を室温で添加し、ホモジナイズされるまでMoritzブレンダー(1000rpm)を用いて撹拌する。
顔料とシクロヘキサシロキサンとの混合物を三本ロール練り機中で3回磨砕することによって、相A3を別個に調製する。
次いで、撹拌を続けながら、この相A3を相A4と共に添加する。
水性相Bもまた、ブチレングリコールおよび硫酸マグネシウムをビーカー中に秤取し且つ95℃まで予熱された水を添加することによって、別個に調製する。
水性相を、ホモジナイズされるまで磁気バーを用いて撹拌する。
エマルジョンを、室温で調製する:撹拌速度(Moritzブレンダー)を4000rpmまで徐々に増加させながら、水性相Bを脂肪相中に注ぎ入れる。撹拌は10分間続ける。
最後に、相C(エタノール)を添加する。
得られた生成物を、Rayneriブレンダー(パドル)を用いて50〜60rpmで10分間撹拌する。
所望のサテン効果およびサテン効果の残存性の測定
測定原理
皮膚の光沢度は、偏光カメラを用いて測定する。偏光カメラは、画像が平行(P)および直交(C)偏光で取得される白黒偏光イメージングシステム(black and white polarimetric imaging system))である。2つの画像の減算(P-C)によって得られる画像の解析によって、光沢部位に相当する画素の最も明るい5%の平均グレースケールを測定することによって、光沢度を数値化する。
試験手順
試験は、以下の方法で実施する:
16名の女性を、試験開始15分前に、空調待機室(22℃±2℃)に入ってもらう。
彼女達は、メークアップを適用していない状態である。彼女達の頬の一方の画像を偏光カメラで撮る。この画像から、メークアップ適用前のT0における光沢度を測定できる。
次に、ファンデーション100mgを時計皿上に秤取し、T0の測定を行った顔半分に素手の指で適用する。
15分間の乾燥時間後、メークアップが適用された頬の画像を撮る。この画像から、メークアップ適用直後(Timm)の光沢度を測定できる。
次いで、モデルを3時間、空調室に戻す。
最後に、3時間の待機時間後の、メークアップが適用された頬の画像を、偏光カメラで撮る。この画像から、3時間のメークアップ後(T3h)の光沢度を測定できる。
結果の報告
皮膚表面のメークアップの効果を判定する差(Timm-T0)を算出する。負の値は、メークアップが皮膚の光沢度を低下させることおよびそのためにマットな効果を有することを意味する。
正の値は、メークアップが皮膚の光沢度を増加させることを意味する。したがって、メークアップは、本発明において所望のサテン効果を生じる。このサテン効果は、このプロトコールに従って測定される光沢度値増大が5未満、好ましくは4以下、より好ましくは3以下であることを特徴とする。

次に、この効果の残存性を判定する差(T3h-Timm)を算出する。得られる値は可能な限り低くなければならない。これは、メークアップ効果が経時的に変化しないことを意味する。
Figure 0006312983
これらの結果は、フルオロコーティングのみがサテンメークアップの結果(正の光沢度測定値)を生じることができ、他のコーティングはマットなメークアップの結果(負の光沢度測定値)を生じることを示している。また、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む最終ポリマーとの併用によって、このサテン効果の良好な残存性(最初のメークアップの結果に近い低い値)が得られる。
(例5)
所望のサテン効果の残存性に対するポリマーの性質の影響
Figure 0006312983
手順
組成物は、前記例中に記載したようにして調製する。
Figure 0006312983
これらの結果は、本発明の少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含むビニルポリマーが、サテン効果およびサテン効果の残存性に関して最良の性質をもたらすことを示している。

Claims (15)

  1. 液体脂肪相と、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む少なくとも1種のビニルポリマーと、少なくとも1種のフルオロ化合物で被覆され、二酸化チタン、酸化鉄、およびそれらの混合物から選択される、少なくとも1種の粒状色素とを含む、皮膚のメークアップおよび/またはケア用化粧品組成物であって、
    少なくとも1種のフルオロ化合物で被覆された前記粒状色素が、前記組成物の総重量を基準として、0.5〜40重量%の範囲の含量で存在し、
    パーフルオロアルキルリン酸エステルで処理したベンガラ被覆雲母チタン及びフッ素処理微粒子酸化チタン含有ガラスフレークを含まない、化粧品組成物。
  2. 少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含むビニルポリマーが、組成物中に、前記組成物の総重量を基準として、1重量%以上の含量で存在することを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
  3. 少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む前記ビニルポリマーが、カルボシロキサンデンドリマー構造を含む分子側鎖を有し、
    (A)ビニルモノマー0〜99.9重量部と
    (B)式:
    Figure 0006312983
    [式中、Yは、ラジカル重合性有機基を表し、R1は炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基を表し、Xlは、i=1とした場合の下記式のシリルアルキル基を表す:
    Figure 0006312983
    (式中、R1は前記定義と同一であり、R2は炭素数2〜10のアルキレン基を表し、R3は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Xi+1は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基またはi=i+1の前記シリルアルキル基を表し;iは、前記シリルアルキル基の階層を表す1〜10の整数であり、aiは0〜3の整数である)]
    で表される、ラジカル重合性有機基を含むカルボシロキサンデンドリマー100〜0.1重量部
    との重合生成物であり、
    前記成分(B)中に含まれる前記ラジカル重合性有機基が、
    - 式:
    Figure 0006312983
    [式中、R4は水素原子またはアルキル基を表し、R5は炭素数1〜10のアルキレン基を表す]
    で表される、メタクリル基またはアクリル基を含む有機基;および
    - 式
    Figure 0006312983
    [式中、R6は水素原子またはアルキル基を表し、R7は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R8は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、bは0〜4の整数であり、cは0または1であり、cが0である場合には-(R8)c-は結合を表す]
    で表される、スチリル基を含む有機基
    から選択される、請求項1または2に記載の化粧品組成物。
  4. 少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む前記ビニルポリマーが、カルボシロキサンデンドリマー系単位が、式(I):
    Figure 0006312983
    [式中、Zは二価有機基を表し、pは0または1であり、R1は炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基であり、X1は式(II):
    Figure 0006312983
    {式中、R1は前記で定義した通りであり、R2は炭素数1〜10のアルキレン基であり、R3は炭素数1〜10のアルキル基であり、Xi+1は水素原子、炭素数10以下のアルキル基およびアリール基、ならびにシリルアルキル基Xi(式中、指数iは1〜10の整数であり、式(I)中の基Xiに関する値が1である各カルボシロキサン樹状構造中の出発シリルアルキル基の階層を示す)からなる群から選択される基であり、添え字aiは0〜3の整数である]
    で表されるシリルアルキル基である]
    で表されるカルボシロキサン樹状構造であるようなポリマーから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む前記ビニルポリマーが、式:
    Figure 0006312983
    の1つに対応する少なくとも1つのトリス[トリ(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチルシロキシ]シリルプロピルカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む前記ビニルポリマーが、少なくとも1つのアクリル酸ブチルモノマーを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む前記ビニルポリマーが、前記組成物の総重量を基準として、1〜20重量%の範囲の含量で存在する、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. フルオロ化合物が、ペルフルオロアルカン、ペルフルオロアルキルホスフェート、ペルフルオロアルキルシラン、ペルフルオロアルキルシラザン、ポリヘキサフルオロプロピレンオキシド、ペルフルオロポリエーテル、ポリテトラフルオロポリエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルキル基を含むポリオルガノシロキサン、例えば、ペルフルオロアルキルジメチコンおよびペルフルオロアルキルトリアルコキシシラン、ならびにそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 少なくとも1種のフルオロ化合物で被覆された粒状色素が、ペルフルオロアルキルホスフェートまたはペルフルオロポリメチルイソプロピルエーテルで被覆された酸化鉄およびペルフルオロアルキルホスフェートで被覆された二酸化チタン、ならびにそれらの混合物から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 少なくとも1種のフルオロ化合物で被覆された前記粒状色素が、前記組成物の総重量を基準として、1〜30重量%の範囲の含量で存在する、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 油中水型エマルジョンの形態である、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. ジメチコンコポリオールおよびアルキルジメチコンコポリオール、ならびにそれらの混合物から選択される少なくとも1種のシリコーン界面活性剤を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. ファンデーションである、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物の少なくとも1つの被膜を、皮膚に適用するステップを少なくとも含む、皮膚をメークアップおよび/またはケアするための非治療的方法。
  15. 皮膚のメークアップおよび/またはケア用化粧品組成物中における、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む少なくとも1種のビニルポリマーと、少なくとも1種のフルオロ化合物で被覆された少なくとも1種の粒状色素との組み合わせの、皮膚にサテン効果及び前記サテン効果の良好な残存特性を与えるための使用。
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