JP6312380B2 - リール部材及びフィルム収容体並びにフィルム収容体の製造方法 - Google Patents
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Description
このような接着フィルムは、幅狭で長尺の剥離シート上に形成され、リール部材にロール状に巻取った形態で出荷されている。
しかし、トラバース巻きで接着フィルムを巻き付けた場合には、巻芯軸部に巻き付けた接着フィルムの応力によって巻芯軸部に大きな力が作用し、巻芯軸部に歪みが生じて引出装置の駆動軸に装着することができなくなるという問題がある。
なお、本発明に関連する先行技術文献としては、例えば以下に示すようなものがある。
また、本発明は、上述したリール部材と、当該リール部材の巻芯軸部にトラバース巻きで複数層に巻き付けられた接着フィルムとを有するフィルム収容体である。
本発明では、接着フィルムの長さが300m〜5000mである場合にも効果的である。
本発明では、接着フィルムの幅が、0.6〜3.0mmで、かつ、そのピッチが、0.05〜0.1mmである場合にも効果的である。
一方、本発明は、上述したいずれかのフィルム収容体を製造する方法であって、上述したリール部材を巻取駆動軸に装着し、フィルム供給源から供給された接着フィルムの先端部を前記巻芯軸部に取り付け、前記巻取駆動軸と平行な回転軸を有する弾性の押圧ローラによって前記接着フィルムを前記リール部材の巻芯軸部に押圧した状態で、前記巻取駆動軸を巻取方向に回転させるとともに、表面にガイド溝を有し且つ当該巻取駆動軸と平行に設けられその軸方向に移動可能なガイドローラの当該ガイド溝を介して当該接着フィルムを当該巻取駆動軸方向に案内することにより、当該リール部材の巻芯軸部に当該接着フィルムをトラバース巻きで前記押圧ローラの幅と同等の幅に巻き付ける工程を有するフィルム収容体の製造方法である。
その結果、本発明によれば、接着フィルムをトラバース巻きによって巻き付けたリール部材(フィルム収容体)を引出装置の駆動軸に装着する場合に問題なく装着を行うことができるので、非常に長尺の接着フィルムが巻き付けられたフィルム収容体を提供することができる。
また、本発明のリール部材は、樹脂材料からなるものであるため、鉄やSUS等の硬質の材料を用いた場合と比べて重量が小さく、その結果、リール設置装置の剛性を大きくする必要はなく、また接着フィルムの巻取及び引出時に大きな力が必要になることもない。
一方、通常のトラバース巻きの場合、ロールの端部においてフィルム等の脱落(巻き崩れ)が生ずるおそれがあることから、ロールの上層に行くに従って巻き幅が狭くならざるを得ないが、本発明の方法の場合、弾性の押圧ローラによって接着フィルムをリール部材の巻芯軸部に押圧した状態で、巻取駆動軸を巻取方向に回転させるとともに、表面にガイド溝を有し且つ巻取駆動軸と平行に設けられその軸方向に移動可能なガイドローラのガイド溝を介して接着フィルムを巻取駆動軸方向に案内することにより、リール部材の巻芯軸部に接着フィルムをトラバース巻きで押圧ローラの幅と同等の幅に巻き付けることから、ロールの両端部において接着フィルムの脱落が発生せず、巻き数を最大にすることができるので、リール部材に巻き付けられる接着フィルムの一層の長尺化を図ることができる。
その結果、本発明によれば、接着フィルムの貼付工程において、リール部材を頻繁に交換する必要がなく、生産効率を大幅に向上させることができる。
本発明は、特に限定されることはないが、長尺の接着フィルムに好適となるものである。
この接着フィルムは、幅が0.6〜3.0mmのものが好適であり、基材上に形成される接着剤層の厚さが10〜50μmのものが好適である。
さらに、接着剤層上に剥離フィルムを有しない所謂2層タイプのものにも適用可能であるが、フィルム引き出し時のブロッキング防止の観点からは、接着剤層上に剥離フィルムが設けられた所謂3層タイプのものに特に有効となるものである。
また、図2(a)は、図1(b)のB−B線断面図、図2(b)は、図1(a)のA−A線断面図である。
このリール部材1は、接着フィルムが巻き付けられる円筒形状の巻芯軸部2を有している。
本実施の形態の場合、第1及び第2フランジ部11,12は、上記駆動軸の回転軸線に対して直交するように形成され、同一の構成を有している。
この軸芯部4は、巻芯軸部2より小径で巻芯軸部2と同心状に配置され、第1及び第2フランジ部11,12の内壁部に固定されている。
本発明の場合、リール部材1の第1及び第2のフランジ部11、12の直径(外径)をDとし、第1及び第2のフランジ部11、12の厚さをW1、W2とする。
また、巻芯軸部2の直径(外径)をd1とし、厚さをw1とし、幅をWとする。
さらに、軸芯部4の駆動軸支持部4aの直径(内径)をd2とし、厚さをw2とする。
例えば、射出成形等により第1及び第2のフランジ部11,12、巻芯軸部2、軸芯部4をそれぞれ作成し、熱溶着等によってこれらを固着することによって製造することができる。
また、一体成形によっても上述したリール部材1を製造することができる。
図4(a)(b)に示すように、本実施の形態のフィルム収容体7は、上述したリール部材1の巻芯軸部2に、接着フィルム10がトラバース巻きで巻き付けられているものである。
ここで、トラバース巻きとは、リール部材1の巻芯軸部2上に、長尺の接着フィルム10を所定のピッチ(間隔)で螺旋状に複数層に巻き付けることをいう。
本発明では、リール部材1の巻芯軸部2上に、接着フィルム10が、隣接する接着フィルム10の間隔が所定の値pとなるように巻き付けられ(図5(a))、さらに、これら接着フィルム10上に、隣接する接着フィルム10の間隔が所定の値となるように接着フィルム10が重ねて巻き付けられる(図5(b))。
上述したフィルム収容体7を製造するには、例えば図6に示すフィルム巻取装置を用いるとよい。
この巻取駆動軸24の近傍には、例えばシリコーンゴム等の弾性材料からなりリール部材1の巻芯軸部2に対して所定の力で押圧可能な押圧ローラ23が設けられている。
この状態で、巻取駆動軸24又は回転軸22を巻取方向に回転させる。
そして、この動作を繰り返すことにより、リール部材1の巻芯軸部2上に接着フィルム10をトラバース巻きによって巻き取る。
なお、本実施の形態では、接着フィルム10のロールの両端部において一層おきに接着フィルム10同士が重なるようにガイドローラ駆動軸20の動作を制御する。
例えば、上述した実施の形態においては、リール部材1の軸芯部4を一体構成の円筒形状としたが、本発明はこれに限られず、第1及び第2のフランジ部11,12においてそれぞれ別個の軸芯部を設けることもできる。
接着フィルムとして、幅1mmのPETからなる基材上に厚さ30μmの接着剤層を形成したものを用いた。
この最低溶融粘度は、回転式レオメータ(TA instrument社製)を用い、昇温速度が10℃/分、測定圧力が5gで一定に保持し、直径8mmの測定プレートを使用して測定した値である。
リール部材として、ポリスチレン樹脂からなり、図1(a)(b)に示す構成のものを用いた。
ここでは、巻芯軸部の幅が50mmで直径が65mmで厚さが5mm、軸芯部の直径が25mmで厚さが5mm、第1及び第2フランジ部の直径が135mmで厚さが3.0mmのものを用いた。
この場合、隣接する接着フィルムの間隔は、0.05mmとした。
巻芯軸部を形成しない以外は実施例と同一のリール部材を用い、実施例と同一の条件によって軸芯部に接着フィルムをトラバース巻きで、それぞれ300m、500m、2000m、5000m巻き付けた。
リール部材として、ポリスチレン樹脂からなり、軸芯部の直径が18.5mmで厚さが5.35mm、第1及び第2フランジ部の直径が250mmで厚さが2.1mmの従来のものを用いた。
このリール部材に対し、上述した接着フィルムを通常の方法で、それぞれ300m、500m、2000m、5000m巻き付けた。
実施例及び比較例1、2によって作成したフィルム収容体をそれぞれ室温で24時間の横置きの状態で放置した後、フィルム引出装置の駆動軸に装着できるか否かを確認した。
表1から明らかなように、巻芯軸部を設けない構成の比較例1の場合、接着フィルムの巻き長さが300m、500mと短い場合には、フィルム引出時において問題は生じなかったが、接着フィルムの長さが2000m、5000mと長尺化した場合には、軸芯部の歪みによってフィルム引出装置の駆動軸にリール部材を装着することができなかった。
以上の結果から、本発明の効果を実証することができた。
2…巻芯軸部
3…内部
4…軸芯部
4a…駆動軸支持部
7…フィルム収容体
10…接着フィルム
11…第1フランジ部
12…第2フランジ部
Claims (5)
- 円筒形状に形成され、トラバース巻きで接着フィルムを巻取可能な巻芯軸部と、
前記巻芯軸部の両端部に設けられた第1及び第2フランジ部と、
前記巻芯軸部内において前記巻芯軸部と同心状に配置され、前記第1及び第2フランジ部に固定された円筒形状の駆動軸支持部を有する軸芯部とを備え、
前記巻芯軸部、前記第1及び第2フランジ部、及び前記軸芯部は、樹脂の成形によって作成され、それぞれ固着されており、
前記巻芯軸部は、直径が50〜120mmであり、幅が20〜100mmであり、
前記軸芯部の駆動軸支持部の直径が、18.0〜26.0mmであり、
前記第1及び第2フランジ部の厚さが、1.5〜5mmであり、
前記第1及び第2フランジ部の直径が125〜200mmであるリール部材。 - 請求項1記載のリール部材と、
当該リール部材の巻芯軸部にトラバース巻きで複数層に巻き付けられた接着フィルムとを有するフィルム収容体。 - 前記接着フィルムの長さが300m〜5000mである請求項2記載のフィルム収容体。
- 前記接着フィルムの幅が、0.6〜3.0mmで、かつ、そのピッチが、0.05〜0.1mmである請求項2又は3のいずれか1項記載のフィルム収容体。
- 請求項2乃至4のいずれか1項記載のフィルム収容体を製造する方法であって、
請求項1記載のリール部材を巻取駆動軸に装着し、フィルム供給源から供給された接着フィルムの先端部を前記巻芯軸部に取り付け、
前記巻取駆動軸と平行な回転軸を有する弾性の押圧ローラによって前記接着フィルムを前記リール部材の巻芯軸部に押圧した状態で、前記巻取駆動軸を巻取方向に回転させるとともに、表面にガイド溝を有し且つ当該巻取駆動軸と平行に設けられその軸方向に移動可能なガイドローラの当該ガイド溝を介して当該接着フィルムを当該巻取駆動軸方向に案内することにより、当該リール部材の巻芯軸部に当該接着フィルムをトラバース巻きで前記押圧ローラの幅と同等の幅に巻き付ける工程を有するフィルム収容体の製造方法。
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