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JP6312380B2 - リール部材及びフィルム収容体並びにフィルム収容体の製造方法 - Google Patents

リール部材及びフィルム収容体並びにフィルム収容体の製造方法 Download PDF

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JP6312380B2 JP2013160123A JP2013160123A JP6312380B2 JP 6312380 B2 JP6312380 B2 JP 6312380B2 JP 2013160123 A JP2013160123 A JP 2013160123A JP 2013160123 A JP2013160123 A JP 2013160123A JP 6312380 B2 JP6312380 B2 JP 6312380B2
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Description

本発明は、太陽電池のタブ線接合用等の一連の長尺の接着フィルムを巻き取り且つ引き出すためのリール部材の技術に関する。
従来より、種々の電子部品等を接着するための長尺の接着フィルムが知られている。
このような接着フィルムは、幅狭で長尺の剥離シート上に形成され、リール部材にロール状に巻取った形態で出荷されている。
ところで、近年、このような接着フィルムの長尺化が望まれているが、接着フィルムが長尺化すると、フィルムロールの径が増すことによって接着フィルムに生じる応力が特に巻芯部において増大するため、接着フィルム内の接着剤がはみ出てフランジ部に付着するおそれがあるという問題がある。
このような問題に対しては、リール部材の巻芯軸部を幅広に形成し、接着フィルムを所謂トラバース巻きにすることによって上述した問題を解決することができる可能性がある。
しかし、トラバース巻きで接着フィルムを巻き付けた場合には、巻芯軸部に巻き付けた接着フィルムの応力によって巻芯軸部に大きな力が作用し、巻芯軸部に歪みが生じて引出装置の駆動軸に装着することができなくなるという問題がある。
これに対し、巻芯軸部を鉄やSUS等の硬質の材料を用いることにより巻芯軸部の歪みを防止することも考えられるが、その場合には、リール部材の重量が大きくなるため、リール設置装置の剛性を大きくする必要性があるとともに、接着フィルムの巻取及び引出時に大きな力が必要になるという問題がある。
なお、本発明に関連する先行技術文献としては、例えば以下に示すようなものがある。
特開2011−11792号公報
本発明は、このような従来の技術の課題を考慮してなされたもので、その目的とするところは、非常に長尺の接着フィルムをリール部材に巻き付けて円滑に引き出すことができる技術を提供することにある。
上記目的を達成するためになされた本発明は、円筒形状に形成され、トラバース巻きで接着フィルムを巻取可能な巻芯軸部と、前記巻芯軸部の両端部に設けられた第1及び第2フランジ部と、前記巻芯軸部内において前記巻芯軸部と同心状に配置され、前記第1及び第2フランジ部に固定された円筒形状の駆動軸支持部を有する軸芯部とを備え、前記巻芯軸部、前記第1及び第2フランジ部、及び前記軸芯部は、樹脂の成形によって作成され、それぞれ固着されており、前記巻芯軸部は、直径が50〜120mmであり、幅が20〜100mmであり、前記軸芯部の駆動軸支持部の直径が、18.0〜26.0mmであり、前記第1及び第2フランジ部の厚さが、1.5〜5mmであり、前記第1及び第2フランジ部の直径が125〜200mmであるリール部材である。
た、本発明は、上述したリール部材と、当該リール部材の巻芯軸部にトラバース巻きで複数層に巻き付けられた接着フィルムとを有するフィルム収容体である。
本発明では、接着フィルムの長さが300m〜5000mである場合にも効果的である。
本発明では、接着フィルムの幅が、0.6〜3.0mmで、かつ、そのピッチが、0.05〜0.1mmである場合にも効果的である。
一方、本発明は、上述したいずれかのフィルム収容体を製造する方法であって、上述したリール部材を巻取駆動軸に装着し、フィルム供給源から供給された接着フィルムの先端部を前記巻芯軸部に取り付け、前記巻取駆動軸と平行な回転軸を有する弾性の押圧ローラによって前記接着フィルムを前記リール部材の巻芯軸部に押圧した状態で、前記巻取駆動軸を巻取方向に回転させるとともに、表面にガイド溝を有し且つ当該巻取駆動軸と平行に設けられその軸方向に移動可能なガイドローラの当該ガイド溝を介して当該接着フィルムを当該巻取駆動軸方向に案内することにより、当該リール部材の巻芯軸部に当該接着フィルムをトラバース巻きで前記押圧ローラの幅と同等の幅に巻き付ける工程を有するフィルム収容体の製造方法である。
本発明のリール部材及びフィルム収容体の場合、駆動軸支持部を有する軸芯部が巻芯軸部内の空間において第1及び第2のフランジ部に固定(固着)されていることから、巻芯軸部に接着フィルムを巻き付け接着フィルムの応力によって巻芯軸部に大きな力が作用した場合であっても軸芯部には歪みが生ずることはない。
その結果、本発明によれば、接着フィルムをトラバース巻きによって巻き付けたリール部材(フィルム収容体)を引出装置の駆動軸に装着する場合に問題なく装着を行うことができるので、非常に長尺の接着フィルムが巻き付けられたフィルム収容体を提供することができる。
また、本発明のリール部材は、樹脂材料からなるものであるため、鉄やSUS等の硬質の材料を用いた場合と比べて重量が小さく、その結果、リール設置装置の剛性を大きくする必要はなく、また接着フィルムの巻取及び引出時に大きな力が必要になることもない。
一方、通常のトラバース巻きの場合、ロールの端部においてフィルム等の脱落(巻き崩れ)が生ずるおそれがあることから、ロールの上層に行くに従って巻き幅が狭くならざるを得ないが、本発明の方法の場合、弾性の押圧ローラによって接着フィルムをリール部材の巻芯軸部に押圧した状態で、巻取駆動軸を巻取方向に回転させるとともに、表面にガイド溝を有し且つ巻取駆動軸と平行に設けられその軸方向に移動可能なガイドローラのガイド溝を介して接着フィルムを巻取駆動軸方向に案内することにより、リール部材の巻芯軸部に接着フィルムをトラバース巻きで押圧ローラの幅と同等の幅に巻き付けることから、ロールの両端部において接着フィルムの脱落が発生せず、巻き数を最大にすることができるので、リール部材に巻き付けられる接着フィルムの一層の長尺化を図ることができる。
本発明によれば、非常に長尺の接着フィルムを巻き付けて円滑に引き出すことができるフィルム収容体を提供することができる。
その結果、本発明によれば、接着フィルムの貼付工程において、リール部材を頻繁に交換する必要がなく、生産効率を大幅に向上させることができる。
(a):本発明に係るリール部材の実施の形態の構成を示す正面図(b):同リール部材の側面図 (a):図1(b)のB−B線断面図(b):図1(a)のA−A線断面図 (a)(b):本発明に係るリール部材及びフィルム収容体の寸法関係を模式的に示す説明図であり、図3(a)は正面図、図3(b)は側面図 (a):本発明に係るフィルム収容体の実施の形態の構成を示す正面図(b):同フィルム収容体の内部側面図 (a)(b):本発明のリール部材の巻芯軸部に巻き付けられた接着フィルムの間隔を示す説明図 本発明のフィルム収容体の製造方法の例を示す図(その1) (a)(b):本発明のフィルム収容体の製造方法の例を示す図(その2)
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
本発明は、特に限定されることはないが、長尺の接着フィルムに好適となるものである。
この接着フィルムは、幅が0.6〜3.0mmのものが好適であり、基材上に形成される接着剤層の厚さが10〜50μmのものが好適である。
また、接着剤の最低溶融粘度は、1×103〜5.0×105Pa・sのものが好適である。
さらに、接着剤層上に剥離フィルムを有しない所謂2層タイプのものにも適用可能であるが、フィルム引き出し時のブロッキング防止の観点からは、接着剤層上に剥離フィルムが設けられた所謂3層タイプのものに特に有効となるものである。
図1(a)は、本発明に係るリール部材の実施の形態の構成を示す正面図、図1(b)は、同リール部材の側面図である。
また、図2(a)は、図1(b)のB−B線断面図、図2(b)は、図1(a)のA−A線断面図である。
本実施の形態のリール部材1は、例えばポリスチレンやポリカーボネイト等の樹脂からなるもので、図示しないフィルム巻取装置又はフィルム引出装置の駆動軸に装着されるものである。
このリール部材1は、接着フィルムが巻き付けられる円筒形状の巻芯軸部2を有している。
この巻芯軸部2の両端部に、円板形状の第1及び第2フランジ部11,12がそれぞれ固定されている。
本実施の形態の場合、第1及び第2フランジ部11,12は、上記駆動軸の回転軸線に対して直交するように形成され、同一の構成を有している。
巻芯軸部2の内部3には、円筒形状の軸芯部4が設けられている。
この軸芯部4は、巻芯軸部2より小径で巻芯軸部2と同心状に配置され、第1及び第2フランジ部11,12の内壁部に固定されている。
そして、この軸芯部4の内壁部分の駆動軸支持部4aに対応するように第1及び第2フランジ部11,12にそれぞれ孔部5、6が設けられ、これら孔部5、6内に上記駆動軸が挿入され駆動軸支持部4aによって支持されてリール部材1が駆動軸に取り付けられるように構成されている。
図3(a)(b)は、本発明に係るリール部材の寸法関係を模式的に示す説明図であり、図3(a)は正面図、図3(b)は側面図である。
本発明の場合、リール部材1の第1及び第2のフランジ部11、12の直径(外径)をDとし、第1及び第2のフランジ部11、12の厚さをW1、W2とする。
また、巻芯軸部2の直径(外径)をd1とし、厚さをw1とし、幅をWとする。
さらに、軸芯部4の駆動軸支持部4aの直径(内径)をd2とし、厚さをw2とする。
本発明の場合、特に限定されることはないが、リール取り付け時の省スペース化の観点からは、リール部材1の第1及び第2のフランジ部11、12の直径Dは、125〜200mmに設定することが好ましい。
また、本発明の場合、特に限定されることはないが、リール取り付け時の省スペース化の観点より、第1及び第2のフランジ部11、12の厚さW1、W2は、1.5〜5.0mmに設定することが好ましい。
また、本発明の場合、特に限定されることはないが、リール取り付け時の省スペース化の観点からは、リール部材1の巻芯軸部2の幅W(第1及び第2のフランジ部11,12間の距離)は、20〜100mmに設定することが好ましい。
この場合、巻芯軸部2に巻き付けられる接着フィルム10のロール幅wは、巻崩れを防止する観点からは、巻芯軸部2の幅Wに対して両端部においてそれぞれ0.05〜2.0mm小さくなるように設定することが好ましい。
また、特に限定されることはないが、長尺の接着フィルムを巻き付けた際に必要な剛性を確保する観点からは、リール部材1の巻芯軸部2の直径d1は、50〜120mmに設定することが好ましく、巻芯軸部2の厚さw1は、1.5〜5.0mmに設定することが好ましい。
さらに、本発明の場合、特に限定されることはないが、長尺の接着フィルムの巻取及び引出の際に必要な剛性を確保する観点からは、リール部材1の軸芯部4の駆動軸支持部4aの径d2は、18.0〜26.0mmに設定することが好ましく、軸芯部4の厚さw2は、1.0〜2.5mmに設定することが好ましい。
本発明のリール部材1は、種々の方法によって製造することができる。
例えば、射出成形等により第1及び第2のフランジ部11,12、巻芯軸部2、軸芯部4をそれぞれ作成し、熱溶着等によってこれらを固着することによって製造することができる。
また、一体成形によっても上述したリール部材1を製造することができる。
図4(a)は、本発明に係るフィルム収容体の実施の形態の構成を示す正面図、図4(b)は、同フィルム収容体の内部側面図である。
図4(a)(b)に示すように、本実施の形態のフィルム収容体7は、上述したリール部材1の巻芯軸部2に、接着フィルム10がトラバース巻きで巻き付けられているものである。
ここで、トラバース巻きとは、リール部材1の巻芯軸部2上に、長尺の接着フィルム10を所定のピッチ(間隔)で螺旋状に複数層に巻き付けることをいう。
図5(a)(b)は、本発明のリール部材の巻芯軸部に巻き付けられた接着フィルムの間隔を示す説明図である。
本発明では、リール部材1の巻芯軸部2上に、接着フィルム10が、隣接する接着フィルム10の間隔が所定の値pとなるように巻き付けられ(図5(a))、さらに、これら接着フィルム10上に、隣接する接着フィルム10の間隔が所定の値となるように接着フィルム10が重ねて巻き付けられる(図5(b))。
この場合、隣接する接着フィルム10の間隔pは、特に限定されることはないが、0.05〜0.1mmとなるように設定することが好ましい。
隣接する接着フィルム10の間隔pが0.05mmより小さいと、フィルム幅方向にはみ出す接着剤によって隣接する接着フィルム10同士が接着するおそれがあり、他方、0.1mmより大きいと、接着フィルム10を巻き取る際に巻き崩れが発生するおそれがあり、2層タイプの場合は隣接する接着フィルム10の隙間から上下層の接着フィルム10が接触しブロッキングが発生するおそれがある。
図6及び図7(a)(b)は、本発明のフィルム収容体の製造方法の例を示すものである。
上述したフィルム収容体7を製造するには、例えば図6に示すフィルム巻取装置を用いるとよい。
このフィルム巻取装置は、巻取駆動軸24を有し、この巻取駆動軸24に上述したリール部材1を装着するように構成されている。
この巻取駆動軸24の近傍には、例えばシリコーンゴム等の弾性材料からなりリール部材1の巻芯軸部2に対して所定の力で押圧可能な押圧ローラ23が設けられている。
この押圧ローラ23は、上記巻取駆動軸24と平行に設けた回転軸22に取り付けられている。そして、図示しない駆動機構によって巻取駆動軸24又は回転軸22を回転駆動させ、巻取駆動軸24に装着されたリール部材1の巻芯軸部2に巻き取られる接着フィルム10の摩擦力によって巻取駆動軸24と回転軸22が共に駆動されるように構成されている。
この場合、押圧ローラ23の幅は、リール部材1の巻芯軸部2の幅W(図3参照)より小さく、接着フィルム10の脱落を防止する観点から、接着フィルム10のロール幅wと同等(同一若しくは0〜−1.0mm)に設定することが好ましい。
さらに、押圧ローラ23の近傍には、その表面にガイド溝21a(図7(a)(b)参照)を有するガイドローラ21が設けられ、このガイドローラ21は、上記巻取駆動軸24と平行に設けられその軸方向に移動可能なガイドローラ駆動軸20によって駆動されるように構成されている。
このフィルム巻取装置を用いてリール部材1に接着フィルム10を巻き取る場合には、図示しないフィルム供給源から引き出された接着フィルム10をガイドローラ21のガイド溝21aを介して押圧ローラ23に引き渡し、リール部材1の巻芯軸部2と押圧ローラ23の間を通してたすき掛けにし巻芯軸部2の一方の端部に接着フィルム10の先端部を取り付る。
この状態で、巻取駆動軸24又は回転軸22を巻取方向に回転させる。
この場合、図7(a)(b)に示すように、押圧ローラ23によって接着フィルム10をリール部材1の巻芯軸部2に押圧しつつ、ガイドローラ駆動軸20をその軸方向に移動させ、接着フィルム10を巻取駆動軸24方向に巻芯軸部2の一方の端部から他方の端部に移動させる。
そして、この動作を繰り返すことにより、リール部材1の巻芯軸部2上に接着フィルム10をトラバース巻きによって巻き取る。
なお、本実施の形態では、接着フィルム10のロールの両端部において一層おきに接着フィルム10同士が重なるようにガイドローラ駆動軸20の動作を制御する。
以上述べた本実施の形態のリール部材1及びフィルム収容体7の場合、駆動軸支持部4aを有する軸芯部4が巻芯軸部2内の内部3において第1及び第2のフランジ部11,12に固定されていることから、巻芯軸部2に接着フィルム10を巻き付け接着フィルム10の応力によって巻芯軸部2に大きな力が作用した場合であっても軸芯部4には歪みが生ずることはない。
その結果、本実施の形態によれば、接着フィルム10をトラバース巻きによって巻き付けたリール部材1を引出装置の駆動軸に装着する場合に問題なく装着を行うことができるので、非常に長尺の接着フィルム10が巻き付けられたフィルム収容体7を提供することができる。
また、本実施の形態によれば、リール部材1を構成する各部分は樹脂の成形によって作成することができるため、鉄やSUS等の硬質の材料を用いた場合と比べて重量が小さく、その結果、リール設置装置の剛性を大きくする必要はなく、また接着フィルム10の巻取及び引出時に大きな力が必要になることもない。
一方、通常のトラバース巻きの場合、フィルム等のロールの端部において脱落(巻き崩れ)が生ずるおそれがあることから、ロールの上層に行くに従って巻き幅が狭くならざるを得ないが、本実施の形態の方法の場合、弾性の押圧ローラ23によって接着フィルム10をリール部材1の巻芯軸部2に押圧した状態で、巻取駆動軸24を巻取方向に回転させるとともに、ガイドローラ21によって接着フィルム10を巻取駆動軸24の方向に案内することにより、リール部材1の巻芯軸部2にトラバース巻きで接着フィルム10を押圧ローラ23の幅と同等の幅に巻き付けることから、接着フィルム10のロールの両端部において接着フィルム10の脱落が発生せず、巻き数を最大にすることができるので、リール部材1に巻き付けられる接着フィルム10の一層の長尺化を図ることができる。
このように、本実施の形態によれば、非常に長尺の接着フィルム10を巻き付けて円滑に引き出すことができるフィルム収容体7を提供することができ、接着フィルム10の貼付工程において、リール部材1を頻繁に交換する必要がなく、生産効率を大幅に向上させることができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることはなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、上述した実施の形態においては、リール部材1の軸芯部4を一体構成の円筒形状としたが、本発明はこれに限られず、第1及び第2のフランジ部11,12においてそれぞれ別個の軸芯部を設けることもできる。
また、接着フィルム10の長さ及び第1及び第2のフランジ部11,12の厚さによっては、第1及び第2のフランジ部11,12に設けた孔部5,6の内壁によって駆動軸支持部を構成することもできる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
接着フィルムとして、幅1mmのPETからなる基材上に厚さ30μmの接着剤層を形成したものを用いた。
ここで、接着剤はエポキシ系の樹脂からなるもので、その最低溶融粘度は7.0×103Pa・sである。
この最低溶融粘度は、回転式レオメータ(TA instrument社製)を用い、昇温速度が10℃/分、測定圧力が5gで一定に保持し、直径8mmの測定プレートを使用して測定した値である。
<実施例>
リール部材として、ポリスチレン樹脂からなり、図1(a)(b)に示す構成のものを用いた。
ここでは、巻芯軸部の幅が50mmで直径が65mmで厚さが5mm、軸芯部の直径が25mmで厚さが5mm、第1及び第2フランジ部の直径が135mmで厚さが3.0mmのものを用いた。
このリール部材に対し、図6及び図7(a)(b)に示す方法によって接着フィルムをトラバース巻きで、それぞれ300m、500m、2000m、5000m巻き付けた。
この場合、隣接する接着フィルムの間隔は、0.05mmとした。
<比較例1>
巻芯軸部を形成しない以外は実施例と同一のリール部材を用い、実施例と同一の条件によって軸芯部に接着フィルムをトラバース巻きで、それぞれ300m、500m、2000m、5000m巻き付けた。
<比較例2>
リール部材として、ポリスチレン樹脂からなり、軸芯部の直径が18.5mmで厚さが5.35mm、第1及び第2フランジ部の直径が250mmで厚さが2.1mmの従来のものを用いた。
このリール部材に対し、上述した接着フィルムを通常の方法で、それぞれ300m、500m、2000m、5000m巻き付けた。
<評価>
実施例及び比較例1、2によって作成したフィルム収容体をそれぞれ室温で24時間の横置きの状態で放置した後、フィルム引出装置の駆動軸に装着できるか否かを確認した。
また、フィルム引出装置の駆動軸に装着できたものに対し、環境試験温度30℃、引張速度4000mm/分、引出張力50gの条件で引き出し、引出後の接着フィルムの状態(ブロッキング、接着剤のはみ出しの有無)を目視で観察した。これらの結果を表1に示す。
Figure 0006312380
<評価結果>
表1から明らかなように、巻芯軸部を設けない構成の比較例1の場合、接着フィルムの巻き長さが300m、500mと短い場合には、フィルム引出時において問題は生じなかったが、接着フィルムの長さが2000m、5000mと長尺化した場合には、軸芯部の歪みによってフィルム引出装置の駆動軸にリール部材を装着することができなかった。
一方、従来の構成のリール部材を用いた比較例2の場合、接着フィルムの巻き長さが300m、500mと短い場合には、フィルム引出時において問題は生じなかったが、接着フィルムの巻き長さが2000m、5000mと長尺化した場合にブロッキング及び接着剤のはみ出しが生じ、フィルム収容体を形成することができなかった。
これに対し、実施例にあっては、接着フィルムの巻き長さが5000mと長尺化した場合であっても、フィルム引出装置の駆動軸にリール部材を装着することができ、またブロッキング及び接着剤のはみ出しが生じなかった。
以上の結果から、本発明の効果を実証することができた。
1…リール部材
2…巻芯軸部
3…内部
4…軸芯部
4a…駆動軸支持部
7…フィルム収容体
10…接着フィルム
11…第1フランジ部
12…第2フランジ部

Claims (5)

  1. 円筒形状に形成され、トラバース巻きで接着フィルムを巻取可能な巻芯軸部と、
    前記巻芯軸部の両端部に設けられた第1及び第2フランジ部と、
    前記巻芯軸部内において前記巻芯軸部と同心状に配置され、前記第1及び第2フランジ部に固定された円筒形状の駆動軸支持部を有する軸芯部とを備え、
    前記巻芯軸部、前記第1及び第2フランジ部、及び前記軸芯部は、樹脂の成形によって作成され、それぞれ固着されており、
    前記巻芯軸部は、直径が50〜120mmであり、幅が20〜100mmであり、
    前記軸芯部の駆動軸支持部の直径が、18.0〜26.0mmであり、
    前記第1及び第2フランジ部の厚さが、1.5〜5mmであり、
    前記第1及び第2フランジ部の直径が125〜200mmであるリール部材。
  2. 請求項1記載のリール部材と、
    当該リール部材の巻芯軸部にトラバース巻きで複数層に巻き付けられた接着フィルムとを有するフィルム収容体。
  3. 前記接着フィルムの長さが300m〜5000mである請求項記載のフィルム収容体。
  4. 前記接着フィルムの幅が、0.6〜3.0mmで、かつ、そのピッチが、0.05〜0.1mmである請求項又はのいずれか1項記載のフィルム収容体。
  5. 請求項乃至のいずれか1項記載のフィルム収容体を製造する方法であって、
    請求項記載のリール部材を巻取駆動軸に装着し、フィルム供給源から供給された接着フィルムの先端部を前記巻芯軸部に取り付け、
    前記巻取駆動軸と平行な回転軸を有する弾性の押圧ローラによって前記接着フィルムを前記リール部材の巻芯軸部に押圧した状態で、前記巻取駆動軸を巻取方向に回転させるとともに、表面にガイド溝を有し且つ当該巻取駆動軸と平行に設けられその軸方向に移動可能なガイドローラの当該ガイド溝を介して当該接着フィルムを当該巻取駆動軸方向に案内することにより、当該リール部材の巻芯軸部に当該接着フィルムをトラバース巻きで前記押圧ローラの幅と同等の幅に巻き付ける工程を有するフィルム収容体の製造方法。
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