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JP6307827B2 - 電気デバイスの製造装置、および電気デバイスの製造方法 - Google Patents

電気デバイスの製造装置、および電気デバイスの製造方法 Download PDF

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JP6307827B2 JP2013205205A JP2013205205A JP6307827B2 JP 6307827 B2 JP6307827 B2 JP 6307827B2 JP 2013205205 A JP2013205205 A JP 2013205205A JP 2013205205 A JP2013205205 A JP 2013205205A JP 6307827 B2 JP6307827 B2 JP 6307827B2
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Description

本発明は、電気デバイスの製造装置、および電気デバイスの製造方法に関する。
電気自動車用の電気デバイスの一例として、充電可能な二次電池が上げられる。二次電池の中でも、特に、リチウムイオン電池は、小型、軽量、高エネルギー密度、高出力密度といった特徴をもつ高性能の電池であるため、電気自動車に搭載可能な電池として注目が集まっている。
二次電池は、たとえば特許文献1に示すように、負極と、セパレータと、正極とを交互に複数積層して発電要素を形成する。二次電池では、正負の電極から延長する接続部(特許文献1の図2において「タブ4a、4b」)を積層して束にして、正負の端子板(特許文献1の図2において「リード21」)の片面に接合している。二次電池を車両に搭載するにあたり、大電流の出力や電池の高容量化を確保する必要がある。積層型の二次電池では、電極の積層数を増やすことによって、大電流の出力等を確保している。電極の積層数が増加するのに伴って、正負の端子板に接合する接続部の積層数も増加する。
特開2003−007345号公報
しかしながら、端子板に接合する接続部の積層数が多くなり過ぎると、接続部と端子板との接合強度を確保することが難しくなる。このため、端子板に接合可能な接続部の数には限界があるため、電極の積層数の増加に限界があり、大電流の出力や電池の高容量化が阻害されるという問題がある。
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、端子板と接続部との接合強度を確保しつつ、電極の積層数を増加可能な電気デバイスの製造装置、電気デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る電気デバイスの製造装置は、第1電極と、セパレータと、第2電極とを交互に複数積層することにより形成される発電要素が外装材によって封止されている電気デバイスを製造する。本発明に係る製造装置は、第1束形成部と、第2束形成部と、第1接合部と、第2接合部と、反転部とを有している。第1束形成部は、複数の第1電極の集電体から積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の第1接続部を、第1端子板の面方向または積層方向に分割して束にして複数の第1束を形成する。第2束形成部は、複数の第2電極の集電体から積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の第2接続部を、第2端子板の面方向または積層方向に分割して束にして複数の第2束を形成する。第1接合部は、複数の第1束を、積層方向から視た平面視において、第1端子板に互いに異なる位置で接合する。第2接合部は、複数の第2束を、積層方向から視た平面視において、第2端子板に互いに異なる位置で接合する。反転部は、発電要素と、複数の第1接続部および複数の第2接続部と、第1端子板および第2端子板とを、第1端子板および第2端子板を挟持して反転する。第1接続部および第2接続部は、それぞれ箔に形成されたものを用い、第1端子板および第2端子板は、それぞれ薄板状に形成されたものを用いる。第1接合部は、第1端子板の両面に分けられた複数の第1束を、積層方向から視た平面視において互いに重ならないように、第1端子板にそれぞれ接合し、第2接合部は、第2端子板の両面に分けられた複数の第2束を、積層方向から視た平面視において互いに重ならないように、第2端子板にそれぞれ接合する。発電要素と、複数の第1接続部および複数の第2接続部と、第1端子板および第2端子板とが反転部によって反転された状態において、第1接合部は、第1端子板の反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の第1束を第1端子板に接合し、第2接合部は、第2端子板の反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の第2束を第2端子板に接合する。
また、上記目的を達成する本発明に係る電気デバイスの製造装置は、第1電極と、セパレータと、第2電極とを交互に複数積層することにより形成される発電要素が外装材によって封止されている電気デバイスを製造する。本発明に係る製造装置は、第1束形成部と、第2束形成部と、第1接合部と、第2接合部と、反転部とを有している。第1束形成部は、複数の第1電極の集電体から積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の第1接続部を、第1端子板の面方向または積層方向に分割して束にして複数の第1束を形成する。第2束形成部は、複数の第2電極の集電体から積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の第2接続部を、第2端子板の面方向または積層方向に分割して束にして複数の第2束を形成する。第1接合部は、複数の第1束を、積層方向から視た平面視において、第1端子板に互いに異なる位置で接合する。第2接合部は、複数の第2束を、積層方向から視た平面視において、第2端子板に互いに異なる位置で接合する。反転部は、発電要素と、複数の第1接続部および複数の第2接続部と、第1端子板および第2端子板とを、第1端子板および第2端子板を挟持して反転する。第1接続部および第2接続部は、それぞれ箔に形成されたものを用い、第1端子板および第2端子板は、それぞれ薄板状に形成されたものを用いる。複数の第1接続部は、積層方向に分割され、第1端子板の両面のそれぞれに配置した第1束同士が積層方向で重ならない領域を形成する切欠き部または穴部を有し、複数の第2接続部は、積層方向に分割され、第2端子板の両面のそれぞれに配置した第2束同士が積層方向で重ならない領域を形成する切欠き部または穴部を有する。第1接合部は、第1端子板の両面に分けられた複数の第1束を、積層方向から視た平面視において互いに重ならない領域を形成するように、第1端子板にそれぞれ接合し、第2接合部は、第2端子板の両面に分けられた複数の第2束を、積層方向から視た平面視において互いに重ならない領域を形成するように、第2端子板にそれぞれ接合する。発電要素と、複数の第1接続部および複数の第2接続部と、第1端子板および第2端子板とが反転部によって反転された状態において、第1接合部は、第1端子板の反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の第1束を第1端子板に接合し、第2接合部は、第2端子板の反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の第2束を第2端子板に接合する。そして、第1接合部は、第1端子板を押さえる第1押さえ部と、第1押さえ部に対向して設けられ、第1端子板上に配置された第1束と第1端子板とを溶着する第1溶着部を有し、第2接合部は、第2端子板を押さえる第2押さえ部と、第2押さえ部に対向して設けられ、第2端子板上に配置された第2束と第2端子板とを溶着する第2溶着部を有する。第1押さえ部は、第1接続部に設けられた切欠き部または穴部を通して、第1端子板を直接押さえ、第2押さえ部は、第2接続部に設けられた切欠き部または穴部を通して、第2端子板を直接押さえる。第1溶着部は、第1押さえ部に押さえられた第1端子板および第1端子板に積層された複数の第1束を接合し、第2溶着部は、第2押さえ部に押さえられた第2端子板および第2端子板に積層された複数の第2束を接合する。
上記目的を達成する本発明に係る電気デバイスの製造方法は、第1電極と、セパレータと、第2電極とを交互に複数積層することにより形成される発電要素が外装材によって封止されている電気デバイスの製造方法である。本発明に係る製造方法は、第1束形成工程と、第2束形成工程と、第1接合工程と、第2接合工程とを有している。第1接合工程および第2接合工程は、発電要素と、複数の第1接続部および複数の第2接続部と、第1端子板および第2端子板とを、第1端子板および第2端子板を挟持して反転する反転工程を含んでいる。第1束形成工程は、複数の第1電極の集電体から積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の第1接続部を、第1端子板の面方向または積層方向に分割して束にして複数の第1束を形成する。第2束形成工程は、複数の第2電極の集電体から積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の第2接続部を、第2端子板の面方向または積層方向に分割して束にして複数の第2束を形成する。第1接合工程は、複数の第1束を、積層方向から視た平面視において、第1端子板に互いに異なる位置で接合する。第2接合工程は、複数の第2束を、積層方向から視た平面視において、第2端子板に互いに異なる位置で接合する。第1接続部および第2接続部は、それぞれ箔に形成されたものを用い、第1端子板および第2端子板は、それぞれ薄板状に形成されたものを用いる。第1接合工程は、第1端子板の両面に分けられた複数の第1束を、積層方向から視た平面視において互いに重ならないように、第1端子板にそれぞれ接合し、第2接合工程は、第2端子板の両面に分けられた複数の第2束を、積層方向から視た平面視において互いに重ならないように、第2端子板にそれぞれ接合する。発電要素と、複数の第1接続部および複数の第2接続部と、第1端子板および第2端子板とが反転工程において反転された後において、第1接合工程は、第1端子板の反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の第1束を第1端子板に接合し、第2接合工程は、第2端子板の反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の第2束を第2端子板に接合する
また、上記目的を達成する本発明に係る電気デバイスの製造方法は、第1電極と、セパレータと、第2電極とを交互に複数積層することにより形成される発電要素が外装材によって封止されている電気デバイスの製造方法である。本発明に係る製造方法は、第1束形成工程と、第2束形成工程と、第1接合工程と、第2接合工程とを有している。第1接合工程および第2接合工程は、発電要素と、複数の第1接続部および複数の第2接続部と、第1端子板および第2端子板とを、第1端子板および第2端子板を挟持して反転する反転工程を含んでいる。第1束形成工程は、複数の第1電極の集電体から積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の第1接続部を、第1端子板の面方向または積層方向に分割して束にして複数の第1束を形成する。第2束形成工程は、複数の第2電極の集電体から積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の第2接続部を、第2端子板の面方向または積層方向に分割して束にして複数の第2束を形成する。第1接合工程は、複数の第1束を、積層方向から視た平面視において、第1端子板に互いに異なる位置で接合する。第2接合工程は、複数の第2束を、積層方向から視た平面視において、第2端子板に互いに異なる位置で接合する。第1接続部および第2接続部は、それぞれ箔に形成されたものを用い、第1端子板および第2端子板は、それぞれ薄板状に形成されたものを用いる。第1接合工程は、第1端子板の両面に分けられた複数の第1束を、積層方向から視た平面視において互いに重ならない領域を形成するように、第1端子板にそれぞれ接合し、第2接合工程は、第2端子板の両面に分けられた複数の第2束を、積層方向から視た平面視において互いに重ならない領域を形成するように、第2端子板にそれぞれ接合する。発電要素と、複数の第1接続部および複数の第2接続部と、第1端子板および第2端子板とが反転工程において反転された後において、第1接合工程は、第1端子板の反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の第1束を第1端子板に接合し、第2接合工程は、第2端子板の反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の第2束を第2端子板に接合する。そして、第1接合工程は、第1端子板上に配置された第1束と第1端子板とを超音波の照射により溶着し、第2接合工程は、第2端子板上に配置された第2束と第2端子板とを超音波の照射により溶着する。第1押さえ部は、第1端子板の両面のそれぞれに配置した第1束同士が積層方向で重ならない領域を形成する切欠き部または穴部を通して、第1端子板を直接押さえ、第2押さえ部は、第2端子板の両面のそれぞれに配置した第2束同士が積層方向で重ならない領域を形成する切欠き部または穴部を通して、第2端子板を直接押さえる。第1接合工程は、第1押さえ部に押さえられた第1端子板および第1端子板に積層された複数の第1束を接合し、第2接合工程は、第2押さえ部に押さえられた第2端子板および第2端子板に積層された複数の第2束を接合する。
上記のように構成した本発明の電気デバイスの製造装置、および電気デバイスの製造方法によれば、第1電極から延長する第1接続部は、分割して形成した複数の第1束が積層方向から視た平面視において第1端子板に互いに異なる位置において接合し、第2電極から延長する第2接続部は、分割して形成した複数の第2束が積層方向から視た平面視において第2端子板に互いに異なる位置において接合している。第1束のそれぞれと第1端子板との接合強度を確保できる限度において、第1接続部の積層数ひいては第1電極の積層数を増加させることができる。第2束のそれぞれと第2端子板との接合強度を確保できる限度において、第2接続部の積層数ひいては第2電極の積層数を増加させることができる。したがって、端子板と接続部との接合強度を確保しつつ、電極の積層数を増加させることが可能となり、もって、大電流の出力や電池の高容量化を図ることが可能となる。
第1の実施形態に係る電気デバイスの構成を示す断面図である。 第1端子板および第2端子板に接合された発電要素の構成を示す斜視図である。 図3(A)は、第1端子板および第2端子板に接合された発電要素の構成を示す平面図であり、図3(B)は、図3(A)の領域3Bの拡大図である。 図4(A)は、図3(A)の4A−4A線に沿う端面図、図4(B)は、図3(B)の4B−4B線に沿う端面図、図4(C)は、図4(B)の4C−4C線に沿う端面図である。 図5(A)は、第1端子板と第1束との接合部分における力の係具合を示す模式図であり、図5(B)は、図5(A)の5B−5B線に沿う断面図である。 第1端子板と第1束との接合部分に流れる電流が均一に拡散して流れている状態を示す模式図である。 第1電極および第2電極の形状を示す平面図であり、図7(A1)は、第1端子板の上面側の第1電極の形状を示す平面図、図7(A2)は、第1端子板の下面側の第1電極の形状を示す平面図、図7(B1)は、第2端子板の上面側の第2電極の形状を示す平面図、図7(B2)は、第2端子板の下面側の第2電極の形状を示す平面図である。 第1電極および第2電極の製造工程を示す平面図である。 第1束形成部および第2束形成部の形成工程を示す斜視図である。 発電要素の製造装置の第2接合部の構成を示す断面図である。 発電要素の製造装置の第1接合部および第2接合部の接合工程と反転部の反転工程との構成を示す斜視図である。 図12(A)は、第1端子板および第1端子板の上面側の第1束の接合時の状態を示す模式図、図12(B)は、第1端子板および第1端子板の下面側の第1束の接合時の状態を示す模式図である。 図13(A)は、発電要素を外装材で封止している状態を示す平面図、図13(B)は、図13(A)の13B−13B線に沿う断面図、図13(C)は、図13(A)の13C−13C線に沿う断面図である。 第1の実施形態に係る発電要素の製造工程を示すフローチャートである。 切欠き部を有する第2接続部の形状を示す模式図であり、図15(A)は、第2端子板の上面側の第2接続部の形状を示す斜視図、図15(B)は、第2端子板の下面側の第2接続部の形状を示す斜視図である。 穴部を有する第2接続部の形状を示す模式図であり、図16(A)は、第2端子板の上面側の第2接続部の形状を示す斜視図、図16(B)は、第2端子板の下面側の第2接続部の形状を示す斜視図である。 面方向に不分割の第2接続部の形状を示す模式図であり、図17(A)は、第2端子板の上面側の第2接続部の形状を示す斜視図、図17(B)は、第2端子板の下面側の第2接続部の形状を示す斜視図である。 切欠き部を有する第2束と第2端子板との接合時の状態を示す模式図であり、図18(A)は、第2端子板および第2端子板の上面側の第2束の接合時の状態を示す模式図、図18(B)は、第2端子板および第2端子板の下面側の第2束の接合時の状態を示す模式図である。 穴部を有する第2束と第2端子板との接合時の状態を示す模式図であり、図19(A)は、第2端子板および第2端子板の上面側の第2束の接合時の状態を示す模式図、図19(B)は、第2端子板および第2端子板の下面側の第2束の接合時の状態を示す模式図である。 面方向に不分割の第2束と第2端子板との接合時の状態を示す模式図であり、図20(A)は、第2端子板および第2端子板の上面側の第2束の接合時の状態を示す模式図、図20(B)は、第2端子板および第2端子板の下面側の第2束の接合時の状態を示す模式図である。 第1の実施形態に係る発電要素の変形例の構成を示す斜視図である。 図22(A)は、第1端子板および第2端子板に接合された発電要素の構成を示す平面図、図22(B)は、図22(A)の領域22Bの拡大図である。 図23(A)は、図22(B)の23A−23A線に沿う端面図、図23(B)は、図22(B)の23B−23B線に沿う端面図、図23(C)は、図22(B)の23C−23C線に沿う端面図である。 第1電極および第2電極の形状を示す平面図であり、図24(A1)は、第1端子板の上面側の第1電極の形状を示す平面図、図24(A2)は、第1端子板の下面側の第1電極の形状を示す平面図、図24(B1)は、第2端子板の上面側の第2電極の形状を示す平面図、図24(B2)は、第2端子板の下面側の第2電極の形状を示す平面図である。 図25(A)は、発電要素を外装材で封止している状態を示す平面図、図25(B)は、図25(A)の25B−25B線に沿う断面図、図25(C)は、図25(A)の25C−25C線に沿う断面図である。 第2の実施形態に係る第1端子板および第2端子板に接合された発電要素の構成を示す斜視図である。 図27(A)は、第1端子板および第2端子板に接合された発電要素の構成を示す平面図であり、図27(B)は、図27(A)の領域27Bの拡大図である。 図28(A)は、図27(A)の28A−28A線に沿う端面図、図28(B)は、図27(B)の28B−28B線に沿う端面図、図28(C)は、図27(B)の28C−28C線に沿う端面図である。 第1端子板の形状を示す斜視図である。 電気デバイスの第1集電板の形状を示す断面図であり、図30(A)は、図29(B)の30A−30A線に沿う端面図、図30(B)は、図29(B)の30B−30B線に沿う端面図である。 第2の実施形態に係る第1束形成部および第2束形成部の形成工程を示す斜視図である。 第2の実施形態に係る発電要素の製造装置の第1接合部および第2接合部の接合工程を示す斜視図である。 図33(A)は、発電要素を外装材で封止している状態を示す平面図、図33(B)は、図33(A)の33B−33B線に沿う断面図、図33(C)は、図33(A)の33C−33C線に沿う断面図である。 第2の実施形態に係る発電要素の製造工程を示すフローチャートである。 図35(A)は、第2の実施形態に係る発電要素に接合する第1端子板および第2端子板の変形例の構成を示す平面図であり、図35(B)は、図35(B)の35B−35B線に沿う端面図である。 図36(A)は、発電要素を外装材で封止している状態を示す平面図、図36(B)は、図36(A)の36B−36B線に沿う断面図、図36(C)は、図36(A)の36C−36C線に沿う断面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本願発明に係る実施形態を説明する。図面における各部材の大きさや比率は、説明の都合上誇張され実際の大きさや比率とは異なる場合がある。なお、本発明の電気デバイスは、例えば、二次電池やキャパシタ等として電気自動車、燃料電池車及びハイブリッド電気自動車等の車両のモータ等の駆動用電源や補助電源に用いられる。本実施形態では、電気デバイスとして、積層型のリチウムイオン二次電池を例示して説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係るリチウムイオン二次電池10、リチウムイオン二次電池10の製造装置100、リチウムイオン二次電池10の製造方法について、図1〜図20を参照しながら説明する。
まず、リチウムイオン二次電池10の構成について、図1〜7を参照しながら説明する。
第1実施形態に係るリチウムイオン二次電池10は、第1電極(負極)20と、セパレータ30と、第2電極(正極)40とを交互に複数積層することにより形成される発電要素60を外装材50によって封止している。リチウムイオン二次電池10は、第1接続部(負極接続部)23と、第2接続部(正極接続部)43と、第1端子板(負極端子板)24と、第2端子板(正極端子板)44とを有している。
図1を参照して、リチウムイオン二次電池10は、充放電反応が進行する略矩形の発電要素60を外装材50であるラミネートシートの内部に封止している。発電要素60は、負極20と、セパレータ30と、正極40とを積層した構成を有している。隣接する負極20、セパレータ30、正極40は、1つの単電池層70を形成する。発電要素60は、単電池層70が複数積層することによって、電気的に並列接続してなる構成を有している。なお、リチウムイオン二次電池10は、図1に示すリチウムイオン二次電池10の負極20および正極40の配置を逆にして、発電要素60の両最外層に正極40が位置するようにしてもよい。
リチウムイオン二次電池10は、長方形状の扁平な形状を有し、対向する両端から電力を取り出すための負極端子板24、正極端子板44を引き出している。外装材50の周囲を熱溶着することによって、負極端子板24および正極端子板44を引き出した状態で、発電要素60を密封している。
リチウムイオン二次電池10の構成は、一般的なリチウムイオン二次電池に用いられている公知の材料を用いればよく、特に限定するものではない。リチウムイオン二次電池10に使用することのできる負極20の集電体21および活物質層22、正極40の集電体41および活物質層42、セパレータ30等について説明する。
負極20は、集電体21の両面に活物質層22が形成されている。
負極20の集電体21は、例えば、ステンレススチール箔である。しかし、これに特に限定することなく、例えばアルミニウム箔、ニッケルとアルミニウムのクラッド材、銅とアルミニウムのクラッド材、あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材を、利用することも可能である。
負極20の活物質層22は、例えば、ハードカーボン(難黒鉛化炭素材料)である。しかし、これに特に限定することなく、例えば黒鉛系炭素材料や、リチウム−遷移金属複合酸化物を利用することも可能である。特に、カーボンおよびリチウム−遷移金属複合酸化物からなる負極活物質は、容量および出力特性の観点から好ましい。
正極40は、集電体41の両面に活物質層42が形成されている。
正極の集電体41は、負極の集電体21と同じ材料で構成されている。
正極40の活物質層42は、例えば、LiMnである。しかし、これに特に限定されることはない。なお、容量および出力特性の観点から、リチウム−遷移金属複合酸化物を適用することが好ましい。
負極20および正極40の厚さは、特に限定せず、電池の使用目的を考慮して設定する。
セパレータ30は、ポーラス形状を有し、通気性を有する。セパレータ30は、電解質が含浸することによって電解質層を構成する。電解質層であるセパレータ30の素材は、例えば、電解質を浸透し得る通気性を有するポーラス状のPE(ポリエチレン)である。しかし、これに特に限定することなく、例えばPP(ポリプロピレン)などの他のポリオレフィン、PP/PE/PPの3層構造をした積層体、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、不織布を、利用することも可能である。不織布は、例えば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステルである。
電解質のホストポリマーは、例えば、HFP(ヘキサフルオロプロピレン)コポリマーを10%含むPVDF−HFP(ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体)である。しかし、これに特に限定することなく、その他のリチウムイオン伝導性を持たない高分子や、イオン伝導性を有する高分子(固体高分子電解質)を適用することも可能である。その他のリチウムイオン伝導性を持たない高分子は、例えば、PAN(ポリアクリロニトリル)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)である。イオン伝導性を有する高分子は、例えば、PEO(ポリエチレンオキシド)やPPO(ポリプロピレンオキシド)である。
ホストポリマーが保持する電解液は、例えば、PC(プロピレンカーボネート)およびEC(エチレンカーボネート)からなる有機溶媒、支持塩としてのリチウム塩(LiPF)を含んでいる。有機溶媒は、PCおよびECに特に限定せず、その他の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類、テトラヒドロフラン等のエーテル類を適用することが可能である。リチウム塩は、LiPFに特に限定することなく、その他の無機酸陰イオン塩、LiCFSO等の有機酸陰イオン塩を、適用することが可能である。
リチウムイオン二次電池10の発電要素60では、負極20とこれに隣接する正極40とが電解質層であるセパレータ30を介して対向するようにして、負極20、セパレータ30、正極40の順に積層している。
次に、負極端子板24および正極端子板44の構成について、図1および図2を参照しながら説明を行う。
図1および図2に示すように、負極端子板24は、複数の負極接続部23と電気的に接続されて外装材50を越えて外部に導出している。正極端子板44は、複数の正極接続部43と電気的に接続されて外装材50を越えて外部に導出している。負極端子板24および正極端子板44は、外装材50の端部に挟まれるようにして外装材50の外部に導出する。負極端子板24および正極端子板44は、例えば金属の中でも比較的柔らかい銅またはアルミニウム製の薄板状の導電性を有する平板であり、発電要素60から供給する電流Iを外部に導出するために用いられる。
次に、負極接続部23および負極束25、正極接続部43および正極束45の構成について、図1および図2を参照しながら説明を行う。
負極接続部23は、複数の負極20の集電体21から積層方向に交差する方向で、かつ同一方向に延長している。複数の負極接続部23は、負極端子板24の面方向または積層方向に分割されて束となって複数の第1束(負極束)25を形成する。本実施形態では、複数の負極接続部23は、負極端子板24の上面側および下面側に分割した後、それぞれ束となって複数の負極束25を形成する。
正極接続部43は、複数の正極40の集電体41から積層方向に交差する方向で、かつ同一方向に延長している。複数の正極接続部43は、正極端子板44の面方向または積層方向に分割されて束となって複数の第2束(正極束)45を形成する。本実施形態では、複数の正極接続部43は、正極端子板44の上面側および下面側に分割した後、それぞれ束となって複数の正極束45を形成する。
本実施形態では、説明を簡便に行うために、負極端子板24の上下面にそれぞれ1つの負極束25を形成し、正極端子板44の上下面にそれぞれ1つの正極束45を形成した場合を例に示している。しかし、これに限ることなく、負極端子板24の上下面にそれぞれ複数の負極束25を形成し、正極端子板44の上下面にそれぞれ複数の正極束45を形成する構成にしてもよい。
次に、負極束25と負極端子板24との接合、および正極束45と正極端子板44との接合について、図3および図4を参照しながら説明を行う。
複数の負極束25は、積層方向から視た平面視において、負極端子板24に異なる位置で接合される。複数の正極束45は、積層方向から視た平面視において、正極端子板44に異なる位置で接合される。
複数の負極束25は、負極端子板24の両面に分けられて接合され、複数の正極束45は、正極端子板44の両面に分けられて接合される。
図3(A)に示すように、負極束25は、積層方向上側から負極端子板24と接合している。同様に、正極束45は、積層方向上側から正極端子板44と接合している。図3(B)に示すように、負極束25と負極端子板24との接合箇所には、後で詳細に説明を行う製造装置100の負極接合部130による溶着跡Mが形成している。
図4(A)に示すように、負極端子板24の上面の負極束25と、下面の負極束25とは、積層方向から視た平面視において、負極端子板24に異なる位置で接合している。図4(B)および図4(C)に示すように、負極束25は、負極端子板24の片端に接合している。このとき、図4(A)〜(C)に示すように、負極束25は、負極端子板24から一部がはみ出した状態で接合している。負極束25および負極端子板24の接合と、正極束45および正極端子板44の接合とは同じであるため、負極束25および負極端子板24の接合のみ説明を行い、正極束45および正極端子板44の接合の説明は省略する。
次に、負極端子板24と負極用バスバー26との接合、および正極端子板44と図示しない正極用バスバーとの接合について、図5および図6を参照しながら説明を行う。
図5および図6に示すように、負極端子板24には、他のリチウムイオン二次電池と接続するための負極用バスバー26が接合している。同様に、正極端子板44には、他のリチウムイオン二次電池と接続するための図示しない正極用バスバーが接合している。このように、負極端子板24には負極用バスバー26が接合し、正極端子板44には図示しない正極用バスバーが接合しているので、リチウムイオン二次電池10を他のリチウムイオン二次電池と直列または並列に接合することができる。
次に、負極束25と負極端子板24との接合部分、および正極束45と正極端子板44との接合部分の力の係り具合について、図5を参照しながら説明を行う。
図5(A)に示すように、負極端子板24には、負極用バスバー26が接合しているため、負極用バスバー26からの引っ張り力(外力)Fがかかる。図5(B)に示すように、負極端子板24の上下面にそれぞれに分割している負極束25は、負極端子板24から一部がはみ出した状態で接合しているので、図中に示す矢印方向に負極端子板24から剥がれようとする力(力のモーメント)MFがかかる。負極端子板24に外力Fがかかるとき、負極端子板24の上下面それぞれに接合している負極束25にかかる力のモーメントMFは、上面側と下面側とで釣り合っている。
したがって、負極端子板24は、上下面それぞれに負極束25が安定して接合している状態で外力Fにより引っ張られる。このため、負極端子板24が外力Fで引っ張られても、負極端子板24の上下面にそれぞれ接合している負極束25は、負極端子板24から剥がれにくい。負極端子板24と負極束25との接合構成と、正極端子板44と正極束45との接合構成とは同じ構成である。このため、正極端子板44と正極束45との接合部分には、負極端子板24と負極束25との接合部分に係るモーメントMFと同様のモーメントMFがかかる。本実施形態では、負極端子板24と負極束25との接合部分に係るモーメントMFのみ説明を行い、正極端子板44と正極束45との接合部分に係るモーメントMFの説明は省略する。
次に、負極束25と負極端子板24との接合部から負極用バスバー26への電流Iの流れ、および正極束45と正極端子板44との接合部から図示しないバスバーへの電流Iの流れについて、図6を参照しながら説明を行う。
図6に示すように、負極端子板24は、負極端子板24と接合している負極用バスバー26の方向に負極20からの電流Iを流す。負極端子板24の上面および下面にそれぞれ積層している負極束25は、図中それぞれに示す溶着跡Mにおいて負極端子板24と接合している。溶着跡Mの数は、負極束25の束数の増加に比例して増加し、中央部にのみ集中せずに分布する。このように、負極端子板24に溶着跡Mが均等に分布しているので、負極20から負極端子板24方向に流れる電流Iは、負極端子板24中を均等に分布して流れる。負極端子板24と同様に、正極端子板44は、図示しない正極用バスバーと接続している。このため、正極端子板44は、正極用バスバーの方向に正極40から電流Iを流す。したがって、電流Iの流れが負極端子板24および正極端子板44の一部に集中しないので、リチウムイオン二次電池10に急激な温度上昇が生じることを防止することができる。このように、リチウムイオン二次電池10の安全性、耐久性、信頼性を向上することができる。本実施形態では、負極端子板24から負極用バスバーの方向に流れる電流Iのみ説明を行い、正極端子板44から正極用バスバーの方向に流れる電流Iの説明は省略する。
次に、負極20から延長する負極接続部23および正極40から延長する正極接続部43の形状について、図7を参照しながら説明を行う。
図7(A1)は、負極端子板24の上面側に分割した負極接続部23を示し、図7(A2)は、下面側に分割した負極接続部23を示している。図7(A1)および図7(A2)に示すように、上面側に分割した負極接続部23と、下面側に分割した負極接続部23とは、積層方向から視た平面視において、互いに干渉し合わない形状でそれぞれの負極20から突出している。したがって、上面側に分割した負極接続部23が束になって形成した負極束25と、下面側に分割した負極接続部23が束となって形成した負極束25とは、積層方向から視た平面視において、負極端子板24の異なる位置に配置している。図7(B1)は、正極端子板44の上面側に分割した正極接続部43を示し、図7(B2)は、下面側に分割した正極接続部43を示している。負極接続部23と正極接続部43とは同じ構成であるため、負極接続部23のみ説明を行い、正極接続部43の説明は省略する。
次に、製造装置100の構成について、図8〜図13を参照しながら説明する。
第1実施形態に係る製造装置100は、リチウムイオン二次電池10を製造する。製造装置100は、第1束形成部(負極束形成部)110と、第2束形成部(正極束形成部)120と、第1接合部(負極接合部)130と、第2接合部(正極接合部)140とを有している。
まず、負極20および正極40の製造工程について、図8を参照しながら説明を行う。
負極20の活物質層22を塗布する前の集電体21は、図示しない負極用供給ロールがロール状に積層して保持している。負極用供給ロールは、回転可能に保持するため円柱形状から成り、図示しない負極用巻取ロールに従動して回転しながら、図示しない負極用ガイドロールに向かって負極の集電体21を搬出する。ここで、負極の活物質を塗布するための図示しない負極用コータ―を、負極用供給ローラと負極用ガイドロールとの間に配設し、負極の集電体21に当接している。この負極用コータ―は、負極の集電体21に対して負極の活物質を所定の厚みで塗布し、負極20を形成する。また、負極用ガイドロールは、回転可能に保持するため円柱形状から成り、負極用コータ―で形成した負極20を図示しない乾燥部に向けてガイドする。乾燥部において乾燥した負極20は、負極用巻取ロールで巻き取られて保管する。負極20と正極40とは同様の製造工程により製造されるため、負極20の製造工程のみ説明を行い、正極40の製造工程の説明は省略する。
乾燥部は、負極20および正極40を乾燥手段により乾燥させる。この乾燥手段は、例えば加熱ヒータに相当するが、負極20または正極40を乾燥可能なものであれば特に限定することはなく、たとえばファンでもよい。
図8に示すように、本実施形態では、巻取ロールでそれぞれ巻き取られている長尺の負極20および正極40は、それぞれ2つずつ(それぞれの端子板の上下それぞれに1つずつ積層するため)用意される。長尺の負極20および正極40は、それぞれを保持する巻取ロールから搬送部150が有するコンベア151〜154へ搬送される。長尺の負極20および正極40は、集電体に区切られて塗布している活物質層に基づき、1個1個に切断される。
長尺の負極20および正極40をそれぞれ1個1個に切断する図示しない切断部材は、それぞれのコンベア151〜154に配設されている。切断部材は、例えばレーザーである。切断部材であるレーザーの照射形状は、負極20から突出する負極接続部23の形状または正極40から突出する正極接続部43の形状に対応している。なお、それぞれのコンベア151〜154上に形成したスリット151a〜154aは、負極接続部23または正極接続部43を形成するために各コンベア151〜154に照射するレーザーの照射形状に対応している。このような切断により、負極接続部23が突出する負極20を形成する。同様に、上記切断により、正極接続部43が突出する正極40を形成する。
次に、セパレータ30の製造工程について説明を行う。
セパレータ30は、図示しないセパレータ巻付ローラにロール状に巻き付けて保持している。セパレータ巻付ローラは、円柱形状からなり、図示しない搬送装置の回転に従動して、回転する。セパレータ30は、搬送装置に近接して設けられた図示しない切断部材によって、同一形状に切断する。
次に、発電要素組立部160の構成について、図8を参照しながら説明を行う。
製造装置100の発電要素組立部160は、切断した負極20と、セパレータ30と、正極40とを交互に積層して単電池層70を形成する。発電要素組立部160は、単電池層70を複数積層して、発電要素60を組み立てる。ここで、発電要素60に含まれる単電池層70の積層数は、負極接合部130および正極接合部140が接合可能な積層枚数以内である。この接合可能な積層枚数は、たとえば20枚ぐらいである。
次に、負極束形成部110および正極束形成部120の構成について、図9を参照しながら説明を行う。
負極束形成部110は、複数の負極20の集電体21から積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の負極接続部23を、負極端子板24の面方向および積層方向に分割して束にして複数の負極束25を形成する。本実施形態では、負極束形成部110は、まず負極接続部23を面方向に分割して束にして複数の負極束25を形成する。その後、負極束形成部110は、形成した複数の負極束25を負極端子板24の上面側および下面側に分割し、上面側の負極束25および下面側の負極束25を形成する。
正極束形成部120は、複数の正極40の集電体41から積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の正極接続部43を、正極端子板44の面方向および積層方向に分割して束にして複数の正極束45を形成する。本実施形態では、正極束形成部120は、まず正極接続部43を面方向に分割して束にして複数の正極束45を形成する。その後、正極束形成部120は、形成した複数の正極束45を正極端子板44の上面側および下面側に分割し、上面側の正極束45および下面側の正極束45を形成する。
次に、製造装置100が有する負極接合部130および正極接合部140について、図10および図11を参照しながら説明を行う。
負極接合部130は、複数の負極束25を、積層方向から視た平面視において、負極端子板24に異なる位置で接合する。正極接合部140は、複数の正極束45を、積層方向から視た平面視において、正極端子板44に異なる位置で接合する。
図11に示すように、負極接合部130は、第1押さえ部(負極用アンビル)131と、第1溶着部(負極用ホーン)132とを有する。図10および図11に示すように、正極接合部140は、第2押さえ部(正極用アンビル)141と、第2溶着部(正極用ホーン)142とを有する。
図10に示すように、正極用アンビル141は、ワーク(正極束45を積層した正極端子板44)を載置するために、正極端子板44を押さえるアンビルである。同様に、負極用アンビル131は、ワーク(負極束25を積層した負極端子板24)を載置するために、負極端子板24を押さえるアンビルである。
図10に示すように、正極用ホーン142は、正極用アンビル141に対向して設けられ、正極端子板44上に形成された正極束45と正極端子板44とを溶着するホーンである。正極用ホーン142は、正極用アンビル141が載置するワークに押し付けて超音波振動を付与する。正極用ホーン142は、ホルダ143を介して正極接合部140に位置調整可能に取り付けている。正極用アンビル141は、正極接合部140に対して位置調整可能な移動ステージ144に取り付けている。同様に、負極用ホーン132は、負極用アンビル131に対向して設けられ、負極端子板24上に形成された負極束25と負極端子板24とを溶着するホーンである。正極接合部140は、正極用アンビル141および正極用ホーン142を含め、負極接合部130と同じ構成を有している。したがって、正極接合部140のみ説明を行い、負極接合部130の説明は省略する。
正極接合部140上に対向配置している正極用アンビル141および正極用ホーン142の先端部には、図示しない複数の突起部をそれぞれ形成している。上記突起部は、角錐形状を有しており、正極用アンビル141および正極用ホーン142の先端部には、複数の上記突起部を碁盤目状に形成している。このように、正極用アンビル141および正極用ホーン142の先端部は、それぞれ複数の突起部が角錐形状を有しているので、正極束45および正極端子板44を食い込むように挟むことができる。このため、正極接合部140は、正極束45および正極端子板44に対し、超音波振動をロスなく伝達することができる。
正極接合部140は、正極用アンビル141と正極用ホーン142との間に正極束45および正極端子板44を接合箇所に合わせて挟んで加圧しつつ、接触面に平行に超音波振動を加えることによって、正極束45および正極端子板44を接合する。正極接合部140は、挟持している正極端子板44および上面側の正極束45に対し、正極束45の最上部から正極端子板44方向に向けて超音波を照射する。これにより、上面側の正極束45と正極端子板44とは接合する。
図10および図11に示すように、発電要素60は、移動可能な移動部材155が負極接合部130に搬送する。移動部材155の上面には、パレット156を配置し、発電要素60は、パレット156の上面に載置する。発電要素60は、負極接合部130へ搬送後、正極接合部140へ搬送する。
負極接合部130は、負極用アンビル131および負極用ホーン132の配置位置が固定である。そのため、負極端子板24の下面側の負極束25と負極端子板24とを接合するには、ワーク(発電要素60、負極端子板24、正極端子板44)を上下反転する必要がある。同様に、正極接合部140は、正極用アンビル141および正極用ホーン142の配置位置が固定である。そのため、正極端子板44の下面側の正極束45と正極端子板44とを接合するには、ワークを上下反転する必要がある。製造装置100は、ワークを上下反転する構成として、反転部170、180を有している。
次に、ワークを反転するための構成について、図11を参照しながら説明を行う。
交互に複数積層されている負極20とセパレータ30と正極40と、複数の負極接続部23および複数の正極接続部43と、負極端子板24および正極端子板44とを反転する反転部170、180を有している。負極接合部130は、負極端子板24の反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の負極束25を負極端子板24に接合する。正極接合部140は、正極端子板44の反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の正極束45を電極板に接合する。
反転部170は、図11に示すように、負極接合部130において、負極端子板24および負極端子板24の上面側の負極束25を接合した後に、負極端子板24および下面側の負極束25を接合するために、ワークを上下反転するために用いる。反転部170は、負極端子板24を挟持して反転する負極側回転部171と、正極端子板44を挟持して反転する正極側回転部172とを有している。負極側回転部171は、接近離反可能な対となる上型171aおよび下型171bから成る。正極側回転部172は、接近離反可能な対となる上型172aおよび下型172bから成る。負極側回転部171が負極端子板24を挟持して反転するとともに、正極側回転部172が正極端子板44を挟持して反転すると、ワークは、上下反転する。
反転部180は、図11に示すように、正極接合部140において、正極端子板44および正極端子板44の上面側の正極束45を接合した後、正極端子板44および下面側の正極束45を接合するために、ワークを上下反転するために用いる。反転部180は、負極側回転部181と、正極側回転部182とを有している。負極側回転部181は、上型181aおよび下型181bから成る。正極側回転部182は、上型182aおよび下型182bから成る。反転部170、180は同じ構成であるため、反転部170のみ説明を行い、反転部180の説明は省略する。
次に、正極束45と正極端子板44との接合時の状態を積層方向から視た場合について、図12を参照しながら説明する。
図12(A)に示すように、正極接合部140は、正極端子板44の上面側に積層している正極束45と正極端子板44とを接合するために、正極用アンビル141で正極端子板44の下面側の正極束45が積層していない領域を直接押さえる。そして、正極用ホーン142は、正極用アンビル141に押さえられた正極端子板44および正極端子板44の上面に積層した複数の正極束45を正極用アンビル141とともに挟持して超音波を照射して接合する。このように、積層方向から視た平面視において、正極束45同士が重なっていないので、正極接合部140は、積層方向から視た平面視において、正極束45同士を正極端子板44に異なる位置で接合することができる。図12(B)に示すように、反転部180によりワークを反転した後も、正極接合部140は、同様に上記接合処理を行う。一方、反転部170によりワークを反転した後も、負極接合部130は、反転したワークに対し同様の接合処理を行う。
負極接合部130および正極接合部140による接合処理を終えたワーク(発電要素60、負極端子板24、正極端子板44)は、搬送部150が、外装材接合部190に搬送する。
次に、外装材50で封止したリチウムイオン二次電池10の構成および外装材接合部190の構成について、図13を参照しながら説明する。
図13(A)および図13(B)に示すように、外装材50は、発電要素60を内部に収納し負極端子板24および正極端子板44を外部に導出した状態で、外装材接合部190により外周縁を接合する。外装材50は、たとえば、可撓性を備えたフィルムであり、間に発電要素60を挟んだ状態で一対のラミネートフィルムの外周縁同士を重ね合わせている。
外装材接合部190は、外装材50の外周縁をヒートプレス等で加熱することによって樹脂を溶着して、外周縁を封止した袋状の外装材50を形成すると同時に内部に発電要素60を収納する。
図13(A)〜(C)に示すように、外装材接合部190は、一対の上型191および下型192と、一対の上型193および下型194とを有している。これら上型191、193および下型192、194は、それぞれヒータを内蔵している。図13(C)に示すように、一対の上型191および下型192は、外装材50の外周縁のうち正極端子板44を外部に導出した側の外周縁を押圧した状態でヒートプレス等で加熱する。同様に一対の上型193および下型194は、外装材50の外周縁のうち負極端子板24を外部に導出した側の外周縁を押圧した状態でヒートプレス等で加熱する。このように、外装材接合部190が発電要素60を外装材50により封止すると、リチウムイオン二次電池10は、形成する。
次に、製造装置100の動作について、図14のフローチャートおよび図8〜図13を参照しながら説明する。
図8に示すように、2つの長尺の負極20および2つの正極40は、それぞれを保持する巻取ロールから搬送部150が有するコンベア151〜154へ搬送する。長尺の負極20および正極40は、コンベア151〜154上に形成したスリット151a〜154aの形状に基づき、コンベア151〜154にそれぞれ設けた図示しない切断部材により1個1個に切断する。このとき、切断部材は、負極接続部23が突出する負極20を形成する。同様に、切断部材は、正極接続部43が突出する正極40を形成する。
長尺のセパレータ30は、図示しない切断部材によって、同一形状に1個1個に切断する(ステップS1)。
発電要素組立部160は、切断した負極20と、セパレータ30と、正極40とを交互に積層して単電池層70を形成する。発電要素組立部160は、単電池層70を複数積層して、発電要素60を組み立てる(ステップS2)。
図9に示すように、負極束形成部110は、複数の負極接続部23を、負極端子板24の積層方向に分割して束にして複数の負極束25を形成する(ステップS3)。正極束形成部120は、複数の正極接続部43を、正極端子板44の積層方向に分割して束にして複数の正極束45を形成する(ステップS4)。負極束形成部110および正極束形成部120での束形成工程を終えたワーク(発電要素60、負極端子板24、正極端子板44)は、搬送部150が負極接合部130へ搬送する。
負極接合部130は、負極端子板24の上面に積層した負極束25と負極端子板24とを接合する(ステップS5)。このとき、負極接合部130は、第1の接合箇所P1を接合した後、第2の接合箇所P2を接合する。
負極接合部130が第1の接合箇所P1および第2の接合箇所P2を接合し終えると、反転部170では、負極側回転部171が負極端子板24を挟持して反転し、正極側回転部172が正極端子板44を挟持して反転する(ステップS6)。このような反転部170の反転動作により、ワークは、上下反転する。
反転部170がワークを上下反転すると、負極接合部130は、反転前に負極端子板24の下面に分割した負極束25と負極端子板24とを接合する(ステップS7)。このとき、負極接合部130は、第3の接合箇所P3を接合した後、第4の接合箇所P4を接合する。
負極接合部130での接合工程を終えたワーク(発電要素60、負極端子板24、正極端子板44)は、移動部材155によって正極接合部140へ搬送する。
正極接合部140は、正極端子板44の上面に積層した正極束45と正極端子板44とを接合する。このとき、正極接合部140は、第5の接合箇所P5を接合した後、第6の接合箇所P6を接合する(ステップS8)。
正極接合部140が接合箇所P5および接合箇所P6を接合し終えると、反転部180の負極側回転部181が正極端子板44を挟持して反転し、正極側回転部182が正極端子板44を挟持して反転する(ステップS9)。このような反転部180の反転動作により、ワークは上下反転する。
反転部180がワークを上下反転すると、正極接合部140は、反転前に正極端子板44の下面に分割した正極束45と正極端子板44とを接合する。このとき、正極接合部140は、第7の接合箇所P7を接合した後、第8の接合箇所P8を接合する(ステップS10)。
上記工程を終えると、それぞれの負極束25および負極端子板24は接合し、それぞれの正極束45および正極端子板44は接合している。
外装材接合部190は、一対の上型191および下型192と、一対の上型193および下型194とを用いて外装材50の外周縁を加熱により封止した袋状の外装材50を形成するとともに同時に内部に発電要素60を収納する(ステップS11)。外装材接合部190が発電要素60を外装材50により封止すると、リチウムイオン二次電池10は、形成する。
上述した第1実施形態に係るリチウムイオン二次電池10、製造装置100および製造方法により以下の作用効果を奏する。
本リチウムイオン二次電池10は、負極接続部23と、正極接続部43と、負極端子板24と、正極端子板44とを有している。負極接続部23は、複数の負極20の集電体21から積層方向に交差する方向で、かつ同一方向に延長している。負極端子板24は、複数の負極接続部23と電気的に接続して外装材50を越えて外部に導出している。複数の負極接続部23は、負極端子板24の積層方向に分割して束となって複数の負極束25を形成する。複数の負極束25は、積層方向から視た平面視において、負極端子板24に互いに異なる位置で接合する。正極接続部43は、負極接続部23と同じ構成である。正極端子板44は、負極端子板24と同じ構成である。
本製造装置100は、負極束形成部110と、正極束形成部120と、負極接合部130と、正極接合部140とを有している。負極束形成部110は、複数の負極20の集電体21から積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の負極接続部23を、負極端子板24の積層方向に分割して束にして複数の負極束25を形成する。負極接合部130は、複数の負極束25を、積層方向から視た平面視において、負極端子板24に互いに異なる位置で接合する。正極束形成部120は、負極束形成部110と同じ構成である。正極接合部140は、負極接合部130と同じ構成である。
本製造方法は、負極束形成工程と、正極束形成工程と、負極接合工程と、正極接合工程とを有している。負極束形成工程は、複数の負極20の集電体21から積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の負極接続部23を、負極端子板24の積層方向に分割して束にして複数の負極束25を形成する。負極接合工程は、複数の負極束25を、積層方向から視た平面視において、負極端子板24に互いに異なる位置で接合する。正極束形成工程は、負極束形成工程と同じ工程である。正極接合工程は、負極接合工程と同じ工程である。
このように構成した本リチウムイオン二次電池10、本製造装置100、本製造方法によれば、負極束25および正極束45をそれぞれ複数設け、負極端子板24および正極端子板44に対し、積層方向から視た平面視において異なる位置にそれぞれ接合することができる。このため、それぞれの負極束25を形成する負極接続部23の積層数およびそれぞれの正極束45を形成する正極接続部43の積層数を所定数以下にしながらも、大電流の出力が可能である。
また、積層数をそれぞれ所定以下にしているので、負極接続部23を負極端子板24から剥がれにくくすることができ、正極接続部43を正極端子板44から剥がれにくくすることができる。このように、負極束25と負極端子板24、正極束45と正極端子板44とをそれぞれを所定の接合強度で接合することができるので、接合強度が弱い場合に生じる電気抵抗の増加を防ぐことができる。
さらに、本リチウムイオン二次電池10では、複数の負極束25は、負極端子板24の両面に分けられて接合し、複数の正極束45は、正極端子板44の両面に分けられて接合している。
さらに、本製造装置100では、負極接合部130は、複数の負極束25を、負極端子板24の両面に分けて接合し、正極接合部140は、複数の正極束45を、正極端子板44の両面に分けて接合する。
さらに、本製造方法では、負極接合工程は、複数の負極束25を、負極端子板24の両面に分けて接合し、正極接合工程は、複数の正極束45を、正極端子板44の両面に分けて接合する。
このように構成した本リチウムイオン二次電池10、本製造装置100、本製造方法によれば、負極端子板24の上面側に積層する負極束25および下面側に積層する負極束25は、負極端子板24に対し対称的な位置において接合している。このため、上面側の負極束25と下面側の負極束25とによる負極端子板24に対するそれぞれの荷重は、釣り合っている。したがって、複数の負極束25は、負極端子板24から剥がれにくい。同様に、複数の正極束45は、正極端子板44から剥がれにくい。このため、負極束25と負極端子板24、正極束45と正極端子板44とをそれぞれ所定の接合強度で接合することができるので、接合強度が弱い場合に生じる電気抵抗の増加を防ぐことができる。したがって、本リチウムイオン二次電池10は、電気抵抗の増加を防ぎ、これにより、大電流の出力が可能である。
さらに、本製造装置100では、負極接合部130は、負極端子板24を押さえる負極用アンビル131と、負極用アンビル131に対向して設けられ、負極端子板24上に形成した負極束25と負極端子板24とを溶着する負極用ホーン132を有している。正極接合部140は、負極接合部130と同じ構成を有している。
さらに、本製造方法では、負極接合工程は、負極端子板24上に配置された負極束25と負極端子板24とを超音波の照射により溶着し、正極接合工程は、正極端子板44上に配置された正極束45と正極端子板44とを超音波の照射により溶着する。
このように構成した本製造装置100、および本製造方法によれば、負極束25および負極端子板24は、負極用アンビル131および負極用ホーン132を用いた超音波の照射により確実に接合することができる。正極束45および正極端子板44は、正極用アンビル141および正極用ホーン142を用いた超音波の照射により確実に接合することができる。
さらに、本製造装置100では、発電要素60と、複数の負極接続部23および複数の正極接続部43と、負極端子板24および正極端子板44とを反転する反転部170、180をさらに有している。負極接合部130は、負極端子板24の反転前に接合した面と逆側の面に積層した複数の負極束25を負極端子板24に接合する。正極接合部140は、正極端子板44の反転前に接合した面と逆側の面に積層した複数の正極束45を正極端子板44に接合する。
さらに、本製造方法では、負極接合工程および正極接合工程は、発電要素60と、複数の負極接続部23および複数の正極接続部43と、負極端子板24および正極端子板44とを反転する反転工程を含み、負極接合工程は、負極端子板24の反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の負極束25を負極端子板24に接合し、正極接合工程は、正極端子板44の反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の正極束45を正極端子板45に接合する。
このように構成した本製造装置100、および本製造方法によれば、負極接合部130は、負極用アンビル131および負極用ホーン132を反転することなく、簡易な構成からなる反転部170を用いて、発電要素60を容易に反転することができる。同様に、正極接合部140は、正極用アンビル141および正極用ホーン142を反転することなく、簡易な構成からなる反転部180を用いて、発電要素60を容易に反転することができる。したがって、負極接合部130および正極接合部140は、それぞれの接合処理を短時間で行うことができる。
次に、負極接続部23および正極接続部43が他の形状を有している場合について、図15〜図20を参照しながら説明を行う。
本実施形態では、図7に示すように、負極接続部23が、負極端子板24の上下面それぞれに積層する負極束25同士が互いに干渉し合わない形状を有している場合を例に説明している。同様に、本実施形態では、正極接続部43が、正極端子板44の上下面それぞれに積層する正極束45同士が互いに干渉し合わない形状を有している場合を例に説明している。しかしながら、負極接続部23および正極接続部43は、このような形状に限ることなく、例えば、図15〜図17に示すような形状をしていてもよい。
複数の負極接続部は、積層方向に分割され、負極端子板24の両面のそれぞれに配置した負極束25同士が積層方向で重ならない領域を形成する切欠き部または穴部(不図示)を有している。同様に、複数の正極接続部431、432、433、434は、積層方向に分割され、正極端子板44の両面のそれぞれに配置した正極束45同士が積層方向で重ならない領域を形成する切欠き部431a、432aまたは穴部433b、434bを有している。
図15に示すように、正極接続部431、432は、正極端子板44の上下面それぞれに積層する正極束451、452(図18(A)参照)同士が重ならない領域を形成する切欠き部431a、432aを有する構成であってもよい。図15(A)に正極端子板44の上面に積層する正極接続部431を示し、図15(B)に下面に積層する正極接続部432を示す。同様に、負極接続部は、負極端子板24の上下面それぞれに積層する負極束25同士が重ならない領域を形成する切欠き部(不図示)を有する構成であってもよい。
このように、正極束451、452同士が重ならない領域(切欠き部431a、432a)を設けることで、正極端子板44の上下面それぞれに積層する正極束451、452は、積層方向から視た平面視において、正極端子板44に異なる位置で接合する。同様に、負極束25同士が重ならない領域を設けることで、負極端子板24の上下面それぞれに積層する負極束25は、積層方向から視た平面視において、負極端子板24に異なる位置で接合する。
図16に示すように、正極接続部433、434は、正極端子板44の上下面それぞれに積層する正極束453、454(図19(A)参照)同士が重ならない領域を形成する穴部433b、434bを有する構成であってもよい。図16(A)に正極端子板44の上面に積層する正極接続部433を示し、図16(B)に下面に積層する正極接続部434を示す。同様に、負極接続部は、負極端子板24の上下面それぞれに積層する負極束25同士が重ならない領域を形成する穴部(図示せず)を有する構成であってもよい。
このように、正極束453、454同士が重ならない領域(穴部433b、434b)を設けることで、正極端子板44の上下面それぞれに積層する正極束453、454は、積層方向から視た平面視において、正極端子板44に異なる位置で接合する。同様に、負極束25同士が重ならない領域を設けることで、負極端子板24の上下面それぞれに積層する負極束25は、積層方向から視た平面視において、負極端子板24に異なる位置で接合する。
図17に示すように、正極接続部435、436は、正極端子板44の面方向に不分割で、かつ積層方向から視た平面視において、正極束455、456(図20(A)参照)同士が重なる形状を有する構成であってもよい。このような形状の場合、それぞれの正極束455、456同士は、積層方向から視た平面視において、それぞれ異なる位置で正極端子板44に接合する。図17(A)に正極端子板44の上面に積層する正極接続部435および接合位置Pを示し、図17(B)に下面に積層する正極接続部436および接合位置Pを示す。同様に、負極接続部は、負極端子板24の面方向に分割で、かつ積層方向から視た平面視において、負極束25同士が重なる形状を有する構成であってもよい。このような形状の場合、それぞれの負極束25同士は、積層方向から視た平面視において、それぞれ異なる位置で負極端子板24に接合する。
このように、正極束45同士を互いに重ねて正極端子板44に積層しても、積層方向から視た平面視において、それぞれの正極束455、456を正極端子板44に異なる位置で接合するので、それぞれの正極束455、456と正極端子板44とを確実に接合することができる。同様に、負極束25同士を互いに重ねて負極端子板24に積層しても、積層方向から視た平面視において、それぞれの負極束25を負極端子板24に異なる位置で接合するので、それぞれの負極束25と負極端子板24とを確実に接合することができる。
負極用アンビル131は、負極接続部23に設けられた切欠き部または穴部を通して、負極端子板24を直接押さえている。正極用アンビル141は、正極接続部43に設けられた切欠き部431a、432aまたは穴部433b、434bを通して、正極端子板44を直接押さえている。負極用ホーン132は、負極用アンビル131に押さえられた負極端子板24および負極端子板24に積層された複数の負極束25を接合し、正極用ホーン142は、正極用アンビル141に押さえられた正極端子板44および正極端子板44に積層された複数の正極束45を接合する。
図15に示すような、切欠き部431aを有する複数の正極接続部431から形成した正極束451、切欠き部432aを有する複数の正極接続部432から形成した正極束452と正極端子板44との接合時の状態について説明を行う。図18(A)に示すように、正極接合部140は、正極用アンビル141を正極端子板44の下面に積層した正極接続部432の切欠き部432aを通して、負極用アンビル131により正極端子板44を直接押さえる。そして、正極用ホーン142は、正極用アンビル141に押さえられた正極端子板44および正極端子板44の上面に積層した正極束451を正極用アンビル141と挟持して超音波を照射して接合する。このように、正極束451、452同士が重ならない領域を設けることで、正極接合部140は、積層方向から視た平面視において、正極束451、452同士を正極端子板44に異なる位置で接合することができる。図18(B)に示すように、反転部180によりワークを反転した後も、正極接合部140は、同様に上記接合処理を行う。一方、負極接合部130は、ワークを反転する前と反転した後に、同様の接合処理を行う。
図16に示すような、穴部433bを有する複数の正極接続部433から形成した正極束453、穴部434bを有する複数の正極接続部434から形成した正極束454と正極端子板44との接合時の状態について説明を行う。図19(A)に示すように、正極接合部140は、正極用アンビル141を正極端子板44の下面に積層した正極接続部434の穴部434bを通して、負極用アンビル131により正極端子板44を直接押さえる。そして、正極用ホーン142は、正極用アンビル141に押さえられた正極端子板44および正極端子板44の上面に積層した正極束453を正極用アンビル141と挟持して超音波を照射して接合する。このように、正極束453、454同士が重ならない領域を設けることで、正極接合部140は、積層方向から視た平面視において、正極束451同士を正極端子板44に異なる位置で接合することができる。図19(B)に示すように、反転部180によりワークを反転した後も、正極接合部140は、同様に上記接合処理を行う。一方、負極接合部130は、ワークを反転する前と反転した後に、同様の接合処理を行う。
図17に示すような、正極端子板44の積層方向にのみ分割した正極接続部435から形成した正極束455、同様に積層方向にのみ分割して正極接続部436から形成した正極束456と、正極端子板44との接合時の状態について説明を行う。図20(A)に示すように、正極接合部140は、正極用アンビル141により下面の正極束456の最下面を直接押さえる。そして、正極用ホーン142は、正極用アンビル141に下面の正極束456を介して押さえられた正極端子板44および上面の正極束455を正極用アンビル141と挟持して超音波を照射して接合する。このとき、正極用ホーン142から照射する超音波が下面の正極束456に照射しないよう周波数を調整する。なお、上記接合時において、正極端子板44と、正極端子板44の上下面に積層する正極束455、456とは、正極用アンビル141および正極用ホーン142で挟持するだけでなく、クランプなどの固定部材145により正極端子板44を挟持することにより確実に固定している。図20(B)に示すように、反転部180によりワークを反転した後も、正極接合部140は、同様に上記接合処理を行う。一方、負極接合部130は、ワークを反転する前と反転した後に、同様の接合処理を行う。
正極接続部431、432に切欠き部431a、432aを形成する場合、専用の工具を用いて加工しなければならない。一方、正極接続部433、434に穴部433b、434bを形成する場合、たとえばピアスパンチなどの一般的な工具を用いて加工することができる。したがって、穴部433b、434bを有する正極接続部433、434または積層方向にのみ分割した正極接続部435、436は、切欠き部431a431bを有する正極接続部431、432と比べ、集電体の加工に用いる工具の費用(初期投資、研磨・保全費用、交換費用)が安価である。
上述した負極接続部23および正極接続部43が他の形状を有している場合において、リチウムイオン二次電池10、製造装置100および製造方法により以下の作用効果を奏する。
本リチウムイオン二次電池10では、複数の負極接続部23が積層方向に分割されている場合において、負極端子板24の両面のそれぞれに配置した負極束25同士が積層方向で重ならない領域を形成する切欠き部または穴部を有している。複数の正極接続部43が積層方向に分割されている場合において、正極端子板44の両面のそれぞれに配置した正極束45同士が積層方向で重ならない領域を形成する切欠き部431a、432aまたは穴部433b、434bを有している。
本製造装置100では、複数の負極接続部23は、積層方向に分割されている場合において、負極端子板24の両面のそれぞれに配置した負極束25同士が積層方向で重ならない領域を形成する切欠き部または穴部を有している。複数の正極接続部43は、積層方向に分割されている場合において、正極端子板44の両面のそれぞれに配置した正極束45同士が積層方向で重ならない領域を形成する切欠き部431a、432aまたは穴部433b、434bを有している。負極用アンビル131は、負極接続部23に設けられた切欠き部または穴部を通して、負極端子板24を直接押さえる。正極用アンビル141は、正極接続部43に設けられた切欠き部431a、432aまたは穴部433b、434bを通して、正極端子板44を直接押さえる。負極用ホーン132は、負極用アンビル131に押さえられた負極端子板24および負極端子板24に積層された複数の負極束25を接合する。正極用ホーン142は、正極用アンビル141に押さえられた正極端子板44および正極端子板44に積層された複数の正極束45を接合する。
本製造方法では、負極用アンビル131は、負極端子板24の両面のそれぞれに配置した負極束25同士が積層方向で重ならない領域を形成する切欠き部または穴部を通して、負極端子板24を直接押さえ、正極用アンビル141は、正極端子板44の両面のそれぞれに配置した正極束45同士が積層方向で重ならない領域を形成する切欠き部431a、432aまたは穴部433b、434b通して、正極端子板44を直接押さえ、負極接合工程は、負極用アンビル131に押さえられた負極端子板24および負極端子板24に積層された複数の負極束25を接合し、正極接合工程は、正極用アンビル141に押さえられた正極端子板44および正極端子板44に積層された複数の正極束を接合する。
このように構成した本リチウムイオン二次電池10、本製造装置100、および本製造方法によれば、各極用アンビルは、切欠き部または穴部を通して、各極の端子板を直接押さえ、各極用ホーンは、各極の端子板および各極の端子板に積層した複数の各極用束を接合することができる。したがって、負極端子板24および正極端子板44にそれぞれの束が重なっているだけに見えるけれども、積層方向から見たとき、負極束25および正極束45のそれぞれの切欠き部または穴部を通して、積層方向の異なる位置で接合している。
<変形例>
次に、第1実施形態に係るリチウムイオン二次電池10の変形例であるリチウムイオン二次電池210について、図21〜図25を参照しながら説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。変形例のリチウムイオン二次電池210は、外装材50に内包されている発電要素260を有している。発電要素260は、片側から負極端子板224および正極端子板244を引き出している。このように、変形例では、片側から負極端子板224および正極端子板244を引き出している発電要素260について説明を行う。なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
まず、変形例の発電要素260の構成について、図21を参照しながら説明する。
図21に示すように、発電要素260は、長方形状の扁平な形状を有し、片側から電力を取り出すための負極端子板224、正極端子板244を引き出している。このように、本変形例のリチウムイオン二次電池210は、第1実施形態のリチウムイオン二次電池10のように両側から負極端子板24、正極端子板44を引き出している構成ではなく、片側から負極端子板224、正極端子板244を引き出している構成である。
次に、負極束225と負極端子板224との接合、および正極束245と正極端子板244との接合について、図22および図23を参照しながら説明を行う。
図22(A)に示すように、負極束225は、積層方向上側から負極端子板224と接合する。同様に、正極束245は、積層方向上側から正極端子板244と接合する。図22(B)に示すように、負極束225と負極端子板224との接合箇所には、発電要素260の製造装置300(図25(C)参照)の負極接合部(図示せず)による溶着跡Mが形成している。同様に、正極束245と正極端子板244との接合箇所には、発電要素60の製造装置300の正極接合部(図示せず)による溶着跡Mが形成している。
図23(A)に示すように、負極端子板224の上面の負極束225と、下面の負極束225とは、積層方向から視た平面視において、負極端子板224に異なる位置で接合する。同様に、正極端子板244の上面の正極束245と、下側の正極束245とは、積層方向から視た平面視において、正極端子板244に異なる位置で接合する。図23(B)および図23(C)に示すように、負極束225は、負極端子板224の片端に接合している。同様に、正極束245は、正極端子板244の片端に接合している(図示せず)。このとき、図23(A)〜(C)に示すように、負極束225は、負極端子板224から一部がはみ出した状態で接合している。同様に、正極束245は、正極端子板244から一部がはみ出した状態で接合している(図示せず)。
次に、負極20から延長する負極接続部223および正極40から延長する正極接続部243の形状について、図24を参照しながら説明を行う。
図24(A1)は、負極端子板224の上面側に分割した負極接続部223を示し、図24(A2)は、下面側に分割した負極接続部223を示している。図24(A1)および図24(A2)に示すように、上面側に分割した負極接続部223と、下面側に分割した負極接続部223とは、積層方向から視た平面視において、互いに干渉し合わない形状でそれぞれの負極220から突出している。したがって、上面側に分割した負極接続部223が束になって形成した負極束225と、下面側に分割した負極接続部223が束となって形成した負極束225とは、積層方向から視た平面視において、負極端子板224の異なる位置に配置する。
図24(B1)は、正極端子板244の上面側に分割した正極接続部243を示し、図24(B2)は、下面側に分割した正極接続部243を示している。図24(B1)および図24(B2)に示すように、上面側に分割した正極接続部243と、下面側に分割した正極接続部243とは、積層方向から視た平面視において、互いに干渉し合わない形状でそれぞれの正極240から突出している。したがって、上面側に分割した正極接続部243が束になって形成した正極束245と、下面側に分割した正極接続部243が束となって形成した正極束245とは、積層方向から視た平面視において、正極端子板244の異なる位置に配置する。負極接続部223および正極接続部243がこのような形状であるため、負極端子板224と正極端子板244とは、積層方向から視た平面視において、互いに干渉しない異なる位置に配置する。
次に、発電要素260の製造装置300の外装材接合部390の構成について、図25を参照しながら説明する。
図25(A)および(B)に示すように、外装材50は、発電要素260を内部に収納し負極端子板224および正極端子板244を片側から外部に導出した状態で、外装材接合部390により外周縁を熱溶着等によって接合する。発電要素260は、負極220と、セパレータと、正極240とを積層した構成を有している。なお、発電要素260に含まれるセパレータは、第1実施形態のリチウムイオン二次電池10が有する発電要素60に含まれるセパレータ30と同じである。
図25(A)〜(C)に示すように、外装材接合部390は、一対の上型391および下型392を有している。この上型391および下型392は、それぞれヒータを内蔵している。図25(C)に示すように、一対の上型391および下型392は、外装材50の外周縁のうち負極端子板224および正極端子板244を外部に導出した側の外周縁を押圧した状態でヒートプレス等で加熱する。これにより、外装材50により封止したリチウムイオン二次電池210を形成することができる。
上述したように、本変形例によれば、本発明に発電要素が外装材によって封止されているリチウムイオン二次電池、製造装置、および製造方法は、リチウムイオン二次電池210のように発電要素260の片側から負極端子板224および正極端子板244を引き出す構成に対しても適用可能である。
<第2実施形態>
つぎに、第2実施形態に係るリチウムイオン二次電池410について、図26〜図34を参照しながら説明する。第2実施形態のリチウムイオン二次電池410では、複数の負極束25は、負極端子板424の片面(上面)に接合され、複数の正極束45は、正極端子板444の片面(上面)に接合される。このように、第2実施形態では、それぞれの極性の集電板の上面のみにそれぞれの極性用束を積層して接合する構成からなるリチウムイオン二次電池410について説明を行う。なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
まず、リチウムイオン二次電池410の外観的特徴について、図26〜図28を参照しながら説明を行う。
図26に示すように、リチウムイオン二次電池410は、複数の負極接続部23が負極端子板424の面方向に分割して束となって複数の負極束25を形成している。同様に、複数の正極接続部43が正極端子板444の面方向に分割して束となって複数の正極束45を形成している。
つぎに、負極束25と負極端子板424との接合、および正極束45と正極端子板444との接合について、図27および図28を参照しながら説明を行う。
図27(A)に示すように、全ての負極束25は、負極端子板424の上面において負極端子板424と接合する。同様に、全ての正極束45は、正極端子板444の上面において正極端子板444と接合する。図27(B)に示すように、負極束25と負極端子板424との接合箇所には、後述する製造装置500の負極接合部530による溶着跡Mが形成する。同様に、正極束45と正極端子板444との接合箇所には、後述する製造装置500の負極接合部530による溶着跡Mが形成する。
図28(A)に示すように、負極端子板424の上段および下段の負極束25は、積層方向から視た平面視において、負極端子板424に異なる位置で接合する。同様に、正極端子板444の上段および下段の複数の正極束45は、積層方向から視た平面視において、正極端子板444に異なる位置で接合する。図29(B)および図28(C)に示すように、上段および下段の負極束25は、負極端子板424の上面の片端にそれぞれ接合している。同様に、上段および下段の正極束45は、正極端子板444の上面の片端にそれぞれ接合している(図示せず)。このとき、図28(A)〜(C)に示すように、上段および下段の負極束25は、負極端子板424から一部がはみ出した状態で接合している。同様に、上段および下段の正極束45は、正極端子板444から一部がはみ出した状態で接合している(図示せず)。
つぎに、負極端子板424および正極端子板444の形状について、図29および図30を参照しながら説明を行う。
第2実施形態のリチウムイオン二次電池410では、負極端子板424および正極端子板444は、段差を有する形状である。
図29および図30(A)に示すように、リチウムイオン二次電池410では、負極端子板424は、負極接続部23と接続する側の端面に、段差424aを有している。同様に、正極端子板444は、正極接続部43と接続する側の端面に、段差(図示せず)を有している。このように、負極端子板424および正極端子板444は、段差(曲げ)を有する形状であるので、薄板状でありながらも曲げにより高い剛性を有している。
図30(B)に示すように、リチウムイオン二次電池410では、負極端子板424の負極接続部23と接続する側と反対側の端面は、平板形状を有している。同様に、正極端子板444の正極接続部43と接続する側と反対側の端面は、平板形状を有している。このように、負極端子板424および正極端子板444は、段差(曲げ)を有しながらも平板状の部分も有している。このため、負極端子板424および正極端子板444は、それぞれの平板状部分を用いてそれぞれのバスバーと接続することができる。
次に、発電要素460の製造装置500が有する負極束形成部510および正極束形成部520の構成について、図31を参照しながら説明を行う。
負極束形成部510は、複数の負極接続部23を、負極端子板424の面方向に分割して束にして複数の負極束25を形成する。正極束形成部520は、複数の正極接続部43を、正極端子板444の面方向に分割して束にして複数の正極束45を形成する。
次に、発電要素460の製造装置500が有する負極接合部530および正極接合部540について、図32を参照しながら説明を行う。
負極接合部530は、負極束25および負極端子板424を負極用アンビル131と負極用ホーン132との間に挟んで加圧しつつ、接触面に平行に超音波振動を加えることによって、負極端子板424の上段および下段の負極束25を負極端子板424に順次接合する。負極接合部530と正極接合部540とは、構成が同じである。そのため、負極接合部530についてのみ説明を行う。
次に、製造装置500が有する外装材接合部590の構成について、図33を参照しながら説明する。
図33(A)に示すように、外装材50は、発電要素460を内部に収納し負極端子板24および正極端子板44を外部に導出した状態で、外装材接合部590により外周縁を熱溶着等によって接合する。
図33(B)に示すように、外装材接合部590は、一対の上型591および下型592と、一対の上型593および下型594とを有している。これら上型591、593および下型592、594は、それぞれヒータを内蔵している。図33(C)に示すように、一対の上型591および下型592は、外装材50の外周縁のうち正極端子板444を外部に導出した側の外周縁を押圧した状態でヒートプレス等で加熱する。一対の上型593および下型594は、外装材50の外周縁のうち負極端子板424を外部に導出した側の外周縁を押圧した状態でヒートプレス等で加熱する。これにより、外装材50により封止したリチウムイオン二次電池410を形成することができる。
次に、製造装置500の動作について、図34のフローチャート、図32および図33を参照しながら説明する。
製造装置500のステップS21およびステップS22の動作は、第1の実施形態に係る製造装置100のステップS1およびステップS2の動作と同じ動作である。
負極束形成部510は、複数の負極接続部23を、負極端子板424の面方向に分割して束にして複数の負極束25を形成する(ステップS23)。正極束形成部520は、複数の正極接続部43を、正極端子板444の面方向に分割して束にして複数の正極束45を形成する(ステップS24)。負極束形成部510および正極束形成部520での束形成工程を終えたワーク(発電要素460、負極端子板424、正極端子板444)は、図示しない搬送部が負極接合部530へ搬送する。
負極接合部530は、負極端子板424の上段および下段の負極束25を負極端子板424に順次接合する(ステップS25)。このとき、負極接合部530は、下段の負極束25と負極端子板424との接合箇所である第1の接合箇所P1を接合し、続けて第2の接合箇所P2を接合する。その後、負極接合部530は、上段の負極束25と負極端子板424との接合箇所である第3の接合箇所P3を接合し、続けて第4の接合箇所P4を接合する。
負極接合部530が上記接合をし終えると、搬送部は、ワークを正極接合部540へ搬送する。
正極接合部540は、正極端子板444の上段および下段の正極束45を正極端子板444に順次接合する(ステップS26)。このとき、正極接合部540は、上段の正極束45と正極端子板444との接合箇所である第5の接合箇所P5を接合し、続けて第6の接合箇所P6を接合する。その後、正極接合部540は、下段の正極束45と正極端子板444との接合箇所である第7の接合箇所P7を接合し、続けて第8の接合箇所P8を接合する。
正極接合部540が上記処理を終えると、負極端子板424の上段および下段の負極束25は、負極端子板424の上面にそれぞれ接合し、正極端子板444の上段および下段の正極束45は、正極端子板444の上面にそれぞれ接合している。
製造装置500のステップS27の動作は、第1の実施形態に係る製造装置100のステップS11の動作と同じ動作である。
上述した第2実施形態に係るリチウムイオン二次電池410、製造装置500および製造方法により以下の作用効果を奏する。
本リチウムイオン二次電池410では、複数の負極束25は、負極端子板424の片面に接合し、複数の正極束45は、正極端子板444の片面に接合する。
本製造装置500では、負極接合部530は、複数の負極束25を、負極端子板424の片面に接合し、正極接合部540は、複数の正極束45を、正極端子板444の片面に接合する。
本製造方法では、負極接合工程は、複数の負極束25を、負極端子板424の片面に接合し、正極接合工程は、複数の正極束45を、正極端子板444の片面に接合する。
このように構成した本リチウムイオン二次電池410、本製造装置500、および本製造方法によれば、複数の負極束25は、積層方向から視た平面視において負極端子板424の片面に異なる位置で接合することができる。同様に、複数の正極束45は、積層方向から視た平面視において正極端子板444の片面に異なる位置で接合することができる。したがって、複数の負極束25および正極束45をそれぞれの端子板の片面側のみに接合しても、大電流の出力が可能である。
さらに、本リチウムイオン二次電池410では、負極端子板424および正極端子板444は、段差を有する形状である。
このように構成した本リチウムイオン二次電池410によれば、負極端子板424および正極端子板444は、段差(曲げ)を有する形状であるので、薄板状でありながらも曲げにより高い剛性を有することができる。したがって、負極端子板424と負極束25とは、容易に接合できる。同様に、正極端子板444と正極束45とは、容易に接合できる。
また、本リチウムイオン二次電池410によれば、負極束25および正極束45を各端子板の両面に接合せず、片面のみに接合しても、大電流を出力することができる。このため、本製造装置500では、第1の実施形態の製造装置200異なり、ワークを反転する反転機構が不要である。したがって、超音波接合時のワーク反転するための機構、工程が不要となり、設備投資を削減および接合処理に係る時間を短縮できる。また、反転機構が不要であるので、設備が簡易化し、保全性を向上することができる。
<変形例>
次に、第2実施形態に係るリチウムイオン二次電池410の変形例であるリチウムイオン二次電池610について、図35、図36を参照しながら説明する。変形例のリチウムイオン二次電池610は、平板形状の負極端子板24の片面に複数の負極束25を接合し、平板形状の正極端子板44の片面に複数の正極束45を接合する。このように、変形例では、第1実施形態と同様の平板形状の負極端子板24および正極端子板44の片面のみにそれぞれの極性用束を積層して接合する構成からなるリチウムイオン二次電池410について説明を行う。なお、上述した第1実施形態および第2実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
まず、変形例のリチウムイオン二次電池610の構成について、図35を参照しながら説明する。
図35(A)および(B)に示すように、本変形例のリチウムイオン二次電池610は、第2実施形態のリチウムイオン二次電池410と異なり、第1実施形態のリチウムイオン二次電池10と同様に、段差を有していない平板形状の負極端子板24および正極端子板44を用いている。
次に、負極束25と負極端子板24との接合、および正極束45と正極端子板44との接合について、図35(B)を参照しながら説明を行う。
図35(B)に示すように、複数の負極束25は、負極端子板24の上面にそれぞれ接合している。同様に、複数の正極束45は、正極端子板44の上面にそれぞれ接合している。負極束25と負極端子板24との接合箇所には、製造装置700(図36参照)の負極接合部(図示せず)による溶着跡Mが形成している。同様に、正極束45と正極端子板44との接合箇所には、製造装置700の正極接合部(図示せず)による溶着跡Mが形成している。
図35(B)に示すように、負極端子板24の上面の複数の負極束25は、積層方向から視た平面視において、負極端子板24に異なる位置で接合する。同様に、正極端子板44の上面の正極束45は、積層方向から視た平面視において、正極端子板44に異なる位置で接合する。
次に、製造装置700の外装材接合部790の構成について、図36を参照しながら説明する。
図36(A)に示すように、外装材50は、発電要素660を内部に収納し負極端子板24および正極端子板44を外部に導出した状態で、外装材接合部790により外周縁を熱溶着等によって接合する。
図36(B)に示すように、外装材接合部790は、一対の上型791および下型792と、一対の上型793および下型794を有している。これら上型791、793および下型792、794は、それぞれヒータを内蔵している。図36(C)に示すように、一対の上型791および下型792は、外装材50の外周縁のうち正極端子板44を外部に導出した側の外周縁を押圧した状態でヒートプレス等で加熱する。一対の上型793および下型794は、外装材50の外周縁のうち負極端子板24を外部に導出した側の外周縁を押圧した状態でヒートプレス等で加熱する。これにより、外装材50により封止したリチウムイオン二次電池610を形成することができる。
上述したように、本変形例によれば、本リチウムイオン二次電池、本製造装置、および本製造方法は、発電要素660のように平板形状の負極端子板24および正極端子板44の上面のみにそれぞれ複数の負極束25および複数の正極束45を形成する構成に対しても適用可能である。
そのほか、本発明は、特許請求の範囲に記載した構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。
10、210、410、610 リチウムイオン二次電池(電気デバイス)、
20 負極(第1電極)、
21 負極の集電体、
22 負極の活物質層、
23、23a、23b、23c、223 負極接続部(第1接続部)、
24、224、424 負極端子板(第1端子板)、
25、225 負極束(第1束)、
26 バスバー、
30 セパレータ、
40 正極(第2電極)、
41 正極の集電体、
42 正極の活物質層、
43、243、431、432、433、434、435、436 正極接続部(第2接続部)、
44、244、444 正極端子板(第2端子板)、
45、245 正極束(第2束)、
50 外装材、
60、260、460、660 発電要素、
70 単電池層、
100、300、500、700 製造装置、
110、510 負極束形成部(第1束形成部)、
120、520 正極束形成部(第2束形成部)、
130、530 負極接合部(第1接合部)、
131 負極用アンビル(第1押さえ部)、
132 負極用ホーン(第1溶着部)、
140、540 正極接合部(第2接合部)、
141 正極用アンビル(第2押さえ部)、
142 正極用ホーン(第2溶着部)、
143 ホルダ、
144 移動ステージ、
145 固定部材、
150 搬送部、
151、152、153、154 コンベア、
151a、152a、153a、154a スリット、
155 移動部材、
156 パレット、
160 発電要素組立部、
170、180 反転部、
190、390、590、790 外装材接合部、
191、391、591、791 上側のヒーターブロック、
192、392、592、792 下側のヒーターブロック、
424a 段差、
431a、432a 切欠け部、
433b、434b 穴部、
F 外力、
I 電流、
M 溶着跡、
MF 力のモーメント、
P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8 接合箇所。

Claims (6)

  1. 集電体の両面に活物質層が形成された第1電極と、セパレータと、前記集電体の両面に活物質層が形成された前記第1電極と極性の異なる第2電極とを交互に複数積層することにより形成される発電要素が外装材によって封止されている電気デバイスの製造装置であって、
    複数の前記第1電極の前記集電体から積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の第1接続部を、第1端子板の面方向または前記積層方向に分割して第1束を形成する第1束形成部と、
    複数の前記第2電極の前記集電体から前記積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の第2接続部を、第2端子板の面方向または前記積層方向に分割して第2束を形成する第2束形成部と、
    複数の前記第1束を、前記積層方向から視た平面視において、前記第1端子板に互いに異なる位置で接合する第1接合部と、
    複数の前記第2束を、前記積層方向から視た平面視において、前記第2端子板に互いに異なる位置で接合する第2接合部と、
    前記発電要素と、複数の前記第1接続部および複数の前記第2接続部と、前記第1端子板および前記第2端子板とを、前記第1端子板および前記第2端子板を挟持して反転する反転部と、を有し、
    前記第1接続部および前記第2接続部は、それぞれ箔に形成されたものを用い、
    前記第1端子板および前記第2端子板は、それぞれ薄板状に形成されたものを用い、
    前記第1接合部は、前記第1端子板の両面に分けられた複数の前記第1束を、前記積層方向から視た平面視において互いに重ならないように、前記第1端子板にそれぞれ接合し、
    前記第2接合部は、前記第2端子板の両面に分けられた複数の前記第2束を、前記積層方向から視た平面視において互いに重ならないように、前記第2端子板にそれぞれ接合し、
    前記発電要素と、複数の前記第1接続部および複数の前記第2接続部と、前記第1端子板および前記第2端子板とが前記反転部によって反転された状態において、前記第1接合部は、前記第1端子板の前記反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の前記第1束を前記第1端子板に接合し、前記第2接合部は、前記第2端子板の前記反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の前記第2束を前記第2端子板に接合する、電気デバイスの製造装置。
  2. 前記第1接合部は、前記第1端子板を押さえる第1押さえ部と、前記第1押さえ部に対向して設けられ、前記第1端子板上に配置された前記第1束と前記第1端子板とを溶着する第1溶着部を有し、
    前記第2接合部は、前記第2端子板を押さえる第2押さえ部と、前記第2押さえ部に対向して設けられ、前記第2端子板上に配置された前記第2束と前記第2端子板とを溶着する第2溶着部を有する、請求項1に記載の電気デバイスの製造装置。
  3. 集電体の両面に活物質層が形成された第1電極と、セパレータと、前記集電体の両面に活物質層が形成された前記第1電極と極性の異なる第2電極とを交互に複数積層することにより形成される発電要素が外装材によって封止されている電気デバイスの製造装置であって、
    複数の前記第1電極の前記集電体から積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の第1接続部を、第1端子板の面方向または前記積層方向に分割して第1束を形成する第1束形成部と、
    複数の前記第2電極の前記集電体から前記積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の第2接続部を、第2端子板の面方向または前記積層方向に分割して第2束を形成する第2束形成部と、
    複数の前記第1束を、前記積層方向から視た平面視において、前記第1端子板に互いに異なる位置で接合する第1接合部と、
    複数の前記第2束を、前記積層方向から視た平面視において、前記第2端子板に互いに異なる位置で接合する第2接合部と、
    前記発電要素と、複数の前記第1接続部および複数の前記第2接続部と、前記第1端子板および前記第2端子板とを、前記第1端子板および前記第2端子板を挟持して反転する反転部と、を有し、
    前記第1接続部および前記第2接続部は、それぞれ箔に形成されたものを用い、
    前記第1端子板および前記第2端子板は、それぞれ薄板状に形成されたものを用い、
    複数の前記第1接続部は、前記積層方向に分割され、前記第1端子板の両面のそれぞれに配置した前記第1束同士が前記積層方向で重ならない領域を形成する切欠き部または穴部を有し、
    複数の前記第2接続部は、前記積層方向に分割され、前記第2端子板の両面のそれぞれに配置した前記第2束同士が前記積層方向で重ならない領域を形成する切欠き部または穴部を有し、
    前記第1接合部は、前記第1端子板の両面に分けられた複数の前記第1束を、前記積層方向から視た平面視において互いに重ならない領域を形成するように、前記第1端子板にそれぞれ接合し、
    前記第2接合部は、前記第2端子板の両面に分けられた複数の前記第2束を、前記積層方向から視た平面視において互いに重ならない領域を形成するように、前記第2端子板にそれぞれ接合し、
    前記発電要素と、複数の前記第1接続部および複数の前記第2接続部と、前記第1端子板および前記第2端子板とが前記反転部によって反転された状態において、前記第1接合部は、前記第1端子板の前記反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の前記第1束を前記第1端子板に接合し、前記第2接合部は、前記第2端子板の前記反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の前記第2束を前記第2端子板に接合してなり、
    前記第1接合部は、前記第1端子板を押さえる第1押さえ部と、前記第1押さえ部に対向して設けられ、前記第1端子板上に配置された前記第1束と前記第1端子板とを溶着する第1溶着部を有し、
    前記第2接合部は、前記第2端子板を押さえる第2押さえ部と、前記第2押さえ部に対向して設けられ、前記第2端子板上に配置された前記第2束と前記第2端子板とを溶着する第2溶着部を有し、
    前記第1押さえ部は、前記第1接続部に設けられた前記切欠き部または前記穴部を通して、前記第1端子板を直接押さえ、
    前記第2押さえ部は、前記第2接続部に設けられた前記切欠き部または前記穴部を通して、前記第2端子板を直接押さえ、
    前記第1溶着部は、前記第1押さえ部に押さえられた前記第1端子板および前記第1端子板に積層された複数の前記第1束を接合し、
    前記第2溶着部は、前記第2押さえ部に押さえられた前記第2端子板および前記第2端子板に積層された複数の前記第2束を接合する、電気デバイスの製造装置。
  4. 集電体の両面に活物質層が形成された第1電極と、セパレータと、前記集電体の両面に活物質層が形成された前記第1電極と極性の異なる第2電極とを交互に複数積層することにより形成される発電要素が外装材によって封止されている電気デバイスの製造方法であって、
    複数の前記第1電極の前記集電体から積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の第1接続部を、第1端子板の面方向または前記積層方向に分割して第1束を形成する第1束形成工程と、
    複数の前記第2電極の前記集電体から前記積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の第2接続部を、第2端子板の面方向または前記積層方向に分割して第2束を形成する第2束形成工程と、
    複数の前記第1束を、前記積層方向から視た平面視において、前記第1端子板に互いに異なる位置で接合する第1接合工程と、
    複数の前記第2束を、前記積層方向から視た平面視において、前記第2端子板に互いに異なる位置で接合する第2接合工程と、を有し、
    前記第1接合工程および前記第2接合工程は、前記発電要素と、複数の前記第1接続部および複数の前記第2接続部と、前記第1端子板および前記第2端子板とを、前記第1端子板および前記第2端子板を挟持して反転する反転工程を含み、
    前記第1接続部および前記第2接続部は、それぞれ箔に形成されたものを用い、
    前記第1端子板および前記第2端子板は、それぞれ薄板状に形成されたものを用い、
    前記第1接合工程は、前記第1端子板の両面に分けられた複数の前記第1束を、前記積層方向から視た平面視において互いに重ならないように、前記第1端子板にそれぞれ接合し、
    前記第2接合工程は、前記第2端子板の両面に分けられた複数の前記第2束を、前記積層方向から視た平面視において互いに重ならないように、前記第2端子板にそれぞれ接合し、
    前記発電要素と、複数の前記第1接続部および複数の前記第2接続部と、前記第1端子板および前記第2端子板とが前記反転工程において反転された後において、前記第1接合工程は、前記第1端子板の前記反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の前記第1束を前記第1端子板に接合し、前記第2接合工程は、前記第2端子板の前記反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の前記第2束を前記第2端子板に接合する、電気デバイスの製造方法。
  5. 前記第1接合工程は、前記第1端子板上に配置された前記第1束と前記第1端子板とを超音波の照射により溶着し、
    前記第2接合工程は、前記第2端子板上に配置された前記第2束と前記第2端子板とを超音波の照射により溶着する、請求項4に記載の電気デバイスの製造方法。
  6. 集電体の両面に活物質層が形成された第1電極と、セパレータと、前記集電体の両面に活物質層が形成された前記第1電極と極性の異なる第2電極とを交互に複数積層することにより形成される発電要素が外装材によって封止されている電気デバイスの製造方法であって、
    複数の前記第1電極の前記集電体から積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の第1接続部を、第1端子板の面方向または前記積層方向に分割して第1束を形成する第1束形成工程と、
    複数の前記第2電極の前記集電体から前記積層方向と交差する方向で、かつ同一方向に延長する複数の第2接続部を、第2端子板の面方向または前記積層方向に分割して第2束を形成する第2束形成工程と、
    複数の前記第1束を、前記積層方向から視た平面視において、前記第1端子板に互いに異なる位置で接合する第1接合工程と、
    複数の前記第2束を、前記積層方向から視た平面視において、前記第2端子板に互いに異なる位置で接合する第2接合工程と、を有し、
    前記第1接合工程および前記第2接合工程は、前記発電要素と、複数の前記第1接続部および複数の前記第2接続部と、前記第1端子板および前記第2端子板とを、前記第1端子板および前記第2端子板を挟持して反転する反転工程を含み、
    前記第1接続部および前記第2接続部は、それぞれ箔に形成されたものを用い、
    前記第1端子板および前記第2端子板は、それぞれ薄板状に形成されたものを用い、
    前記第1接合工程は、前記第1端子板の両面に分けられた複数の前記第1束を、前記積層方向から視た平面視において互いに重ならない領域を形成するように、前記第1端子板にそれぞれ接合し、
    前記第2接合工程は、前記第2端子板の両面に分けられた複数の前記第2束を、前記積層方向から視た平面視において互いに重ならない領域を形成するように、前記第2端子板にそれぞれ接合し、
    前記発電要素と、複数の前記第1接続部および複数の前記第2接続部と、前記第1端子板および前記第2端子板とが前記反転工程において反転された後において、前記第1接合工程は、前記第1端子板の前記反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の前記第1束を前記第1端子板に接合し、前記第2接合工程は、前記第2端子板の前記反転前に接合した面と逆側の面に積層された複数の前記第2束を前記第2端子板に接合してなり、
    前記第1接合工程は、前記第1端子板上に配置された前記第1束と前記第1端子板とを超音波の照射により溶着し、
    前記第2接合工程は、前記第2端子板上に配置された前記第2束と前記第2端子板とを超音波の照射により溶着し、
    第1押さえ部は、前記第1端子板の両面のそれぞれに配置した前記第1束同士が前記積層方向で重ならない領域を形成する切欠き部または穴部を通して、前記第1端子板を直接押さえ、
    第2押さえ部は、前記第2端子板の両面のそれぞれに配置した前記第2束同士が前記積層方向で重ならない領域を形成する切欠き部または穴部を通して、前記第2端子板を直接押さえ、
    前記第1接合工程は、前記第1押さえ部に押さえられた前記第1端子板および前記第1端子板に積層された複数の前記第1束を接合し、
    前記第2接合工程は、前記第2押さえ部に押さえられた前記第2端子板および前記第2端子板に積層された複数の前記第2束を接合する、電気デバイスの製造方法。
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