以下、添付の図1〜図13の図面を参照して、この出願の発明を実施するための実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態に係る電気炊飯器本体部部分の構成))
まず図1〜図12には、この出願の発明の実施の形態に係る電気炊飯器の炊飯器本体部分およびその要部の構成が示されている。
この出願の発明の実施の形態にかかる電気炊飯器は、その構成上の特徴として、操作パネルの操作スイッチ部分がタッチパネルによって構成されているとともに、同操作スイッチ部分を下方からLEDによって照明することにより表示するようになっており、またユーザーの存在を検出する人検知センサおよび省エネモードを有し、待機状態、非待機状態、その他、炊飯器動作状態の如何にかかわらず、少なくともユーザーが操作対応位置等所定の対応エリア内にいない場合には、省エネモードに制御して、液晶パネルの表示機能や照明機能に加えて、上記操作スイッチの操作機能や照明機能をそれぞれOFFにすることによって、可能な限り消費電力を低減するように構成されている。
そして、その場合において、さらに蓋開閉時における操作スイッチ部分の誤操作を回避し得るようにしている。
<電気炊飯器本体部分の構成について>
この出願の発明の実施の形態にかかる電気炊飯器における炊飯器本体は、たとえば図1〜図4および図7、図8に示すように、米および水を収容するセラミック材からなる有底筒状の内釜3(たとえば土鍋等のセラミック製の内釜)と、該内釜3の底部3aから側部3c部分までを覆う同じくセラミック材からなる有底筒状の外釜6と、底部側に同外釜6を設けるとともに、同外釜6を介して上記内釜3を任意に収納セットする内釜収納溝5を形成している保護枠(内ケース)4と、該保護枠4を収容保持する保護枠収容空間を備えた本体ケース1と、該本体ケース1の上記内釜収納溝5の開口部5a後端側に設けられ、同開口部5aを開閉する蓋体2とから構成されている。
上記本体ケース1は、合成樹脂製の側部側筒状の外ケース1aと同じく合成樹脂製の底部側皿状の底ケース1bとからなり、上記外ケース1aの上端部の内側に後述する合成樹脂製の肩部材8が設けられ、該肩部材8を介して上記内釜収納溝5を形成する保護枠4を連結支持している。肩部材8の外周側断面逆U字状の縁部84は、上記外ケース1a上端側の断面鉤状の係合縁部10に冠合する形で周方向の全体に亘って係合されている。
保護枠4は、それぞれ合成樹脂成型された相互に別体の第1の保護枠ユニット(下部ユニット)4Aと第2の保護枠ユニット(上部ユニット)4Bとの上下2つの筐体部材からなり、下部側の筐体を構成する第1の保護枠ユニット4Aの上部に上部側の筐体を構成する第2の保護枠ユニット4Bを積層して一体に構成されている。
まず、下部側の筐体を構成する第1の保護枠ユニット4Aは、所定の半径のフラットな円形面よりなる底部41aと、該底部41aの外周から次第に径を拡大させながら所定の高さ上方に延びる彎曲部41bと、該彎曲部41bの上縁部に半径方向外方に所定寸法拡大して形成された断面鉤状の段部41cと、該段部41cの外周部から略垂直に立ち上がり、所定の高さの筒状壁を形成した支持壁部41dとからなっている。そして、この第1の保護枠ユニット4A部分は、その底部41aおよび彎曲部41b部分を、後述する下方側コイル台9によって支持されている。
次に、上部側の筐体を構成する第2の保護枠ユニット4Bは、半径方向外方に開放した断面コの字型をした所定上下幅の筒状壁42bを中心とし、その下端側に上記第1の保護枠ユニット4Aの支持壁41d上への載置部42aが、また、その上端側に所定寸法半径方向外方に拡大された鉤状の係合段部42dが設けられている。該第2の保護枠ユニット42Bの上記筒状壁42b外周面のリブ42cで仕切られた上部部分(略上部1/2部分)は、後述する第3のワークコイルC3の設置面(巻成面)に形成されており、該ワークコイル設置面に内外2層状態に巻成された第3のワークコイルC3が設置されている。
なお、この第3のワークコイルC3の設置面を上記筒状壁42bの上下幅全体ではなく、例えば上部1/2部分としたのは、それにより少しでも上記下部側第1の保護枠ユニット4A側の第2のワークコイルC2との距離を拡大して、相互の誘導干渉を回避するためである。
そして、上記第1、第2の保護枠ユニット4A,4Bを図3、図4のように上下に積層一体化することによって、全体として有底の筒状体構造に形成された保護枠4の底部上面側(第1の保護枠ユニット4Aの底部41aおよび彎曲部41bの上面側)には、さらに上記セラミック材よりなる外釜6の底部6aおよび彎曲部6bが半径方向に部分的に配設された所定の厚さの接着剤部分(図示省略)を介して、かつ接着剤の無い部分に所定の断熱空気層を保った状態で貼設されており、このセラミック製の外釜6の上部に、たとえば図4に示すように、円形のフラットな底部3a、アール面上の彎曲部3bの各々に銀ペースト又は銀溶射よりなる第1、第2の誘導発熱体G1,G2を設けたセラミック製の内釜3の同円形の底部3aおよびその外周のアール面上の彎曲部3bが所定の隙間Sを保った状態で収納されるようになっている。
そして、それにより同収納状態においては、たとえば図3、図4に示すように、該内釜3の側部3cの上部部分まで、その側部6cの上端が長く延設された上記セラミック製の外釜6により、当該内釜3の底部3aから側部3c付近までが十分に覆われるようになっている。
ところで、この実施の形態の外釜6は、全体として椀形の構造をなし、そのフラットな円形の底部6a中央には上記第1の保護枠ユニット4A中央のセンターセンサ嵌装穴10aに対応するセンターセンサのセンサ部嵌挿穴6eが設けられており、上記センターセンサ嵌装穴10aに嵌装されたセンターセンサCS上部のセンサ部が昇降可能に遊嵌状態で嵌挿されているとともに、その半径方向外周側には周方向に所定の間隔を置いて、内釜3の高台部3eを支持するシリコンゴム等の耐熱性弾性部材よりなる高台部支持部材61,61・・を嵌装する高台部支持部材嵌装孔6f,6f・・が設けられている。また、それよりも外周側上部の彎曲部6bの外周寄り部分にも周方向に所定の間隔を置いて、内釜3の彎曲部3bの外周を支持する同じくシリコンゴム等の耐熱性弾性部材よりなるセンタリング支持部材62,62・・を嵌装するセンタリング支持部材嵌装孔6g,6g・・が設けられている。
そして、それらの各嵌装孔6f,6f・・、6g,6g・・内にシリコンゴム等の耐熱性が高く、所定の弾性がある高台部支持部材61,61・・、センタリング支持部材62,62・・がそれぞれ嵌装固定され、上記内釜3の底部3aおよび彎曲部3bが支持されるが、上記高台部支持部材61,61・・部分は、上記下部側第1の保護枠ユニット4Aのポケット部P,P・・との間で安定した固定状態に支持され、その上部に内釜3の底部3a外周の高台部3e部分が上方から下方に当接する状態で載せられ、後述するように、フローティング支持機構を介して昇降可能に弾性支持されている保護枠4および外釜6が内釜3の重量に応じて下降すると、当該内釜3の開口部3dの外周側フランジ部Fが後述する肩部材8の内縁82部分上に耐熱支持部材を介して係合され、内釜3が周方向の全体に亘って均一に吊設されるようになり、上記保護枠4側第1、第2のワークコイルC1、C2と第1、第2の誘導発熱部G1、G2が適正な位置関係で、かつ適正な誘導ギャップを介して対向するようになるとともに、上記外釜6との間に適切な所定の隙間(蓄熱・対流空間)Sを保った状態で支持される。
また、同時に、上記第3のワークコイルC3によって誘導発熱される外釜6の側部6c内周面の第3の誘導発熱部G3と内釜3の側部6c部分との対向位置および対応距離も適正な設計位置および設計距離に維持される。
一方、上記彎曲部外周側のセンタリング支持部材62,62・・は、そのように収納後に外釜6を介して内釜3を保護枠4内に適切な位置関係で支持するだけでなく、収納時において収納される内釜3の彎曲部3bの外周を正確な位置関係で収納されるように全周においてガイドし、適正にセンタリングする機能を果たすようになっている。
また、上記高台部支持部材61,61・・、センタリング支持部材62,62・・の外釜6の内方側への突出寸法は、上記のように内釜3が保護枠4内に適正な位置関係で収納セットされた図3、図4の状態において、内釜3の外周面と外釜6の内周面との間に適切な隙間Sを形成する寸法に設定されている。
これらの結果、上記図3、図4に示す内釜3の収納状態では、内釜3の底部3aおよび彎曲部3bは、第1、第2の誘導発熱部G1、G2の発熱により加熱されて局部的に高温になり、やがて同高温の熱が同底部3aおよび彎曲部3b側から上方の側部3c側に壁内部を通して徐々に伝導されてゆき、誘導発熱部が設けられていない側部3c側の温度も次第に上昇する。
そして、以上の構成では、それに加えて、内釜3が収納される保護枠4の内側に同じくセラミック製の外釜6が設けられており、第1、第2の誘導発熱部G1、G2を有する内釜3の外周が該セラミック製の外釜6によって覆われることになり、内釜3の底部3a、彎曲部3bの誘導発熱部G1、G2および同誘導発熱部G1、G2付近から外方に放射される熱は同セラミック製の外釜6により遮断され、同内釜3底部3aの誘導発熱部G1、彎曲部3bの誘導発熱部G2、およびそれら付近から外方に放射された放射熱が内釜3の外周を大きく包み込む形で内釜3自体を加熱し、同熱が上記外釜6と内釜3相互の対向面部およびそれらの間の隙間S部分に蓄熱されるとともに、同蓄熱状態において加温された高温の空気が対流により上記隙間Sを通して上記内釜3の底部3a、彎曲部3bの外周面側から側部3cの外周面側に上昇し、内釜3外周面の全体を加熱、加温するようになる。
これらの結果、上記内釜3は、その底部3a、彎曲部3b側から側部3cの全体に亘って比較的速やかに高温になり、その熱量を有効に蓄える。したがって、第1、第2の誘導発熱部G1、G2における発熱量を有効に利用することができるようになる。
さらに、この実施の形態の構成の場合、その場合において、上記外釜6の側部内周面に第3の誘導発熱部G3が設けられているとともに、該第3の誘導発熱部G3に対応する上記保護枠4の側壁部外周に該第3の誘導発熱部G3を誘導発熱させる電磁誘導手段である第3のワークコイルC3が設けられており、上記外釜6の側部6c自体を、その内周面側から加熱するようになっている。
したがって、上記セラミック製の外釜6は、単に上記内釜3の底部3a側外周を覆って熱を逃がさないようにするだけでなく、それ自体が加熱されて高温になり、同高温状態の外釜6からの放射熱が僅かな隙間Sを置いた至近距離で内側の内釜3を積極的に加熱するようになり、内釜3は底部側だけでなく、従来加熱不足であった側部3cを含む全体が効果的に加熱、昇温されるようになる。この場合、第3のワークコイルC3と第3の誘導発熱部G3の距離が近いことから、第3のワークコイルC3による第3の誘導発熱部の誘導効率も高く、ノイズも発生しにくい。
しかも、同内釜3の側部3c部分の加熱は、例えば内釜3の側部3c部分に直接誘導発熱部を設けて加熱する場合と異なり、至近距離ではあるが、外釜6側から所定の隙間(熱拡散空間)Sを介した間接加熱となり、また外釜6の側部6c全体からの放射熱によって内釜3が加熱されるので、加熱状態が均一となり、内釜3の側部3c等に直接誘導発熱部を設けて加熱する場合のような局部加熱による焦げ付きを発生させる恐れもなくなる。
しかも、この実施の形態の場合、上記外釜6の側部6cは内釜3の側部3cの上部付近まで高く延設され、該高く延設された側部6cの内周面に位置して第3の誘導発熱部G3が設けられ、該第3の誘導発熱部G3に対応する保護枠4の側壁部外周に該第3の誘導発熱部G3を誘導発熱させる第3のワークコイルC3が設けられている。
したがって、セラミック製の外釜6は、その内釜3の側部3c上部に対応する位置まで延設された側部6cの内周面が効率良く加熱されて高温になり、同高温部が従来加熱不足であった内釜3の側部3c上部部分をも効果的に加熱するようになり、内釜3はその側部3cおよびその上部部分を含む全体が効果的に加熱、昇温されるようになり、内釜3内のご飯上部の空間部が竈の場合と同様の高温状態(120℃近く)に維持されるようになる。
この場合、上記第3の誘導発熱部G3が設けられる上記外釜6の側部6cが延設される内釜3の側部3cの上部位置は、たとえば当該電気炊飯器の定格炊飯容量から決まる炊き上げ完了後のご飯の上部位置付近(吸水時における水の位置よりも上方位置)に対応するものとされる。そのようにした場合、当該電気炊飯器の定格炊飯容量から決まる炊き上げ完了後のご飯およびその上部空間位置に、竈の場合と同様の適切で十分な量の熱を適切に作用させることが可能となり、焦げ付きを生じさせることなく、炊きむらをなくして、より美味しいご飯を炊き上げることが可能となる。
<保護枠のフローティング支持構造について>
上記のように、この実施の形態における保護枠4は、第1、第2の保護枠ユニット4A、4Bを上下に一体化して構成されているが、上記第1の保護枠ユニット4aは、例えばコイルスプリングを備えたフローティング支持機構を介して、上述の底ケース1b上にフローティング支持されており、所定の上下寸法範囲で昇降可能となっている。
他方、上記第2の保護枠ユニット4Bも、同第1の保護枠ユニット4Aの上部に載った図2、図3の状態で同様に昇降する。これらの結果、上記第1、第2の保護枠ユニット4A、4Bよりなる有底筒状の保護枠4内に収納設置された椀形状の外釜6も上記第1、第2の保護枠ユニット4A、4Bとともに同様に昇降する(図3中の矢印参照)。
したがって、該外釜6の上に高台部支持部材61,61・・、センタリング支持部材62,62・・を介して水および米の入った内釜3が収納されると、同内釜3の重量に応じて、上記保護枠4および外釜6が内釜3とともに所定寸法下降し、内釜3の開口部3d外端のフランジ部Fの下面が、内釜収納溝5の開口部5aを形成している肩部材8の内周縁部82上の耐熱支持部材部分に当接し、同部分に吊設された状態で支持される。
この結果、この実施の形態の場合、底部側に第1、第2の誘導発熱部G1、G2を備えた上記内釜3は、第1、第2のワークコイルC1、C2を備えた第1の保護枠ユニット4Aの第1、第2のワークコイルC1、C2、第3のワークコイルC3を備えた第2の保護枠ユニット4Bの第3のワークコイルC3、第3の誘導発熱部G3を備えた外釜6の第3の誘導発熱部G3に対して、それぞれ適切な位置、および寸法関係でセットされることになる。
この時、上記高台部支持部材61,61・・やセンタリング支持部材62,62・・が外釜6と内釜3との間の適正な隙間Sを設定すること、またセンタリング支持部材62,62・・が収納時の内釜3のセンタリング機能を果たすことなどは、すでに述べたとおりである。
<昇降用隙間のシール構造について>
ところで、上記のように保護枠4および外釜6を炊飯器本体に対してフローティング構造とし、肩部材8と外釜6の側部6cの上端6dとの間に昇降空間Dを形成すると、同昇降空間Dから内釜3と外釜6との間の熱が外部に逃げるし、また内釜3の外周についた水などが侵入する恐れもあり、さらには内釜収納溝5の見栄えが悪くなる等の問題がある。
そこで、この実施の形態では、同昇降空間D上部側の、上述した肩部材8に対する肩ヒータ枠31、肩ヒータカバー30連結補強用の金属プレート32、32の内周縁側に、それらを組み付けた後において、たとえば図3に示すように、下方側外釜6の側部6c上端6dの内周面側(開口部内周面側)に所定寸法延設されて、当該肩部材8と外釜6の側部6c上端6dとの間の昇降空間Dを周方向の全体に亘って内外方向にシールするスカート状の摺動パッキン35が取り付けられており、保護枠4および外釜6の上方側に、肩部材8、肩ヒータ枠31、肩ヒータカバー31、摺動パッキン35、金属プレート32、32が相互に重合されて連結一体化された時に、同摺動パッキン35のスカート部(シール用の縁部)35bが外釜6の側部6cの上端6dの内周面に摺動可能に内接するようになっている。
このパッキン35は、上記スカート部35bの上部側に金属プレート32、32と肩ヒータカバー30との間に挟まれて固定される固定部35aが設けられており、この固定部35aを利用して図3のように取り付けられる。
いる。
<肩部における肩ヒータの設置について>
以上のように、この実施の形態の炊飯器本体における内釜収納溝5の開口部5aは、本体外ケース1aの上端部1cの内周縁側に嵌合固定される肩部材8と、この肩部材8の内周部内側に、下方側から金属プレート32、32、パッキン35を介して連結固定される肩ヒータカバー30および肩ヒータ枠31とからなっているが、そのうちの肩ヒータ枠31は、半径方向外側に開放した断面コの字形の構造をしており、その外周面には例えばコードヒータよりなる肩ヒータHが全周に亘って設けられている。そして、同肩ヒータHが発熱すると、たとえば図3に示すように、内釜収納溝5内への収納状態において隣接対応する内釜3の開口部3dにおける半径方向内方に厚肉のヒートキープ部HKの下部部分を効率良く加熱し、同部分における露の発生を防止して、ご飯の白ボケ等の発生を防止する。
<コイル台の構成について>
他方、上記のように構成された保護枠4の下方側(第1の保護枠ユニット4Aの下方側)には、同保護枠4の底部を支持する合成樹脂製の皿状のコイル台9が設けられている。このコイル台9には、たとえば図7に示されるように、その周方向4方の上面側に位置して、上記第1の保護枠ユニット4A外周面側の第1、第2のワークコイルC1、C2に対応して半径方向に延びるフェライトコア収納溝9a,9a・・が設けられ、このフェライトコア収納溝9a,9a・・内に同第1の保護枠ユニット4A側の第1、第2のワークコイルC1、C2用の4本のフェライトコア70,70・・が収納されている。そして、同フェライトコア70,70・・を収納したフェライトコア収納溝9a,9a・・の上面によって、第1,第2のワークコイルC1,C2が4方で支持されている。そして、その上で、上記第1の保護枠ユニット4Aとコイル台9は、外周側の連結部を利用して相互に連結固定される。
また、このコイル台9の下部外周側には、上記フェライトコア収納溝9a,9a・・位置に対応して、4本の脚部9b,9b・・が下方に向けて設けられており、同脚部9b,9b・・部分が上記底ケース1b上に設けられているフローティング支持機構63、63・・により支持されるようになっている。また、同コイル台9の中央部には、上記第1の保護枠ユニット4A側のセンターセンサ嵌装穴10aと同心状に貫通したセンタ−センサ本体嵌装口9cが設けられており、該センタ−センサ本体嵌装口9cを介して上下方向に昇降自在な状態で、かつ常時コイルスプリングにより上方に上昇付勢された状態でサーミスタ等の内鍋温度検知センサよりなるセンターセンサCSが下方から上方に向けて嵌装設置されている。
<蓋体の構成について>
一方、上記炊飯器本体の内釜収納溝5の開口部5aを覆う蓋体2は、たとえば図1、図2、図3、図5に示すように、その上部側外周面を構成する銘板20と、上面側前部に銘板20の支持面部およびマイコン基板等設置用凹部21aを有し、周壁部21bを含めて蓋体2の中心的な筐体部を構成している合成樹脂製の上板21と、該上板21の内側(下側)に設けられた同じく合成樹脂製の下板22と、該下板22の本体部22aの中央部外周側下面の凹部22b部分にゴム製の第1のパッキン25を介して下方側から嵌合固定されている蓋ヒータ(図示省略)を有する金属製の放熱板23と、該放熱板23の下方に設けられ、その外周縁部分に合成樹脂製の着脱可能な枠部材27を介してゴム製の第2のパッキン14が取り付けられた金属製の内カバー24とから形成されている。
内カバー24の外周側パッキン14部分は、上記のように、下板22の中央部外周側に設けられた内カバー嵌合用凹部22b部分に下方側から着脱可能に嵌合して取り付けられている。また、下板22の外周側縁部22c部分は、上記上板21の所定上下幅の周壁21c部分の下端側内周面部分に係合されている。
ところで、耐圧力強度を高めるために、上記中心となる下板22の本体部分22aの後端部外周側部分を連結片、ネジ等を介してヒンジユニット11側の連結片に係止しているとともに、同下板22の本体部22aの上面には、所定の板厚、所定の構造の金属製の補強板および多数の補強リブを左右および前後に亘って設けることにより、当該蓋体2の全体を高強度の構造体に形成するようにしている。
すなわち、上記下板22は、その本体部22a後端側外周の中間部分が上方に向けてコ字状に曲成され、内側に前述したヒンジユニット11を収納しているとともに、その外周端側下降部は同ヒンジユニット11をカバーしている。
そして、これら下板22の本体部22aの後端側外周を取り付け用のブラケットとして、上記蓋体2は、その後端側を、上記炊飯器本体上部の肩部材8に対してヒンジユニット11を介して回動自在に取付けられ、その開放端側(前端側)には、上記蓋体2の所定位置に係合して該蓋体2の上下方向への開閉を行うロックおよびロック解除機構13が設けられている。
さらに、上記上板21の上記銘板支持面部を形成している上面部外周21bは、たとえば図5に示すように、上部から下方側に次第に外径を拡大した彎曲面となっており、その下端側は、上述した周壁部21cの上端側に、銘板嵌合溝(U状溝)を介して連結一体化されている。そして、図1および図2のような操作パネル60面および液晶パネル60Aに対応した透明窓60c部分を形成している銘板20は、それら上板21各部の支持面形状に対応した形状に成形されており、たとえば図5に示すように、上記上板21外周の銘板嵌合溝を利用して略面一状態に冠合一体化されている。そして、同銘板20の上面には、さらに防水用の合成樹脂製の透明シート80が貼設されている。
なお、この銘板20は、後に述べるように、後端側蒸気ユニット51部分から前端側方向にかけて、次第に高さが低くなる下降傾斜状態にして設けられており、銘板の支持面部を構成している上板21の支持面構造も、それに対応した前端側への下降傾斜面構造となっている。
<蓋体部分における圧力調節機構の構成について>
この実施の形態では、一例として圧力型電気炊飯器に適用した場合について示しており、上記蓋体2の略中央部には、お粘成分を回収しながら蒸気のみを外部に逃がすとともに炊飯工程に応じて上記内釜3内の圧力を複数の段階に調節する調圧ユニット26Aが設けられている。
この調圧ユニット26Aは、たとえば上記内釜3内から外部に向けて迂回する蒸気逃し通路50,50a〜50cと同蒸気逃し通路50,50a〜50cに設けた圧力調整機構により構成される(この調圧ユニット26Aは実際には複数組設けられるが、この実施の形態の場合には必須の構成ではないので、その詳細については説明を省略する)。
<蓋体上面の操作パネルおよび表示パネル部分の構成について>
図1中の符号60が操作パネルであり、この操作パネル60は、そのパネル部裏側に所定の深さの基板および液晶パネル収納ボックスを備えてなり、炊飯および保温制御手段としてのマイコンを備えたマイコン基板60Bおよび液晶パネル60Aが上記上板21の開口部および上板21の凹溝部内に嵌合して収納されている。
そして、その中央部には液晶パネル60Aの表示面に対応する透明窓60Cを有するとともに、同透明窓60Cの周囲に、タイマー炊飯用の炊飯予約スイッチSW1、炊飯スイッチSW2、保温スイッチSW8、取消スイッチSW3、炊飯メニュー(例えば白米、早炊き、おこわ、おかゆ、玄米その他のコースメニュー)を選択するメニュースイッチSW5(もどる),SW6(すすむ)、火かげん選択スイッチSW4、音声ガイドSW7、時計及びタイマーの時刻時・分設定スイッチSW9の各種操作キーが設けられている。
これらタイマー炊飯用の炊飯予約スイッチSW1、炊飯スイッチSW2、保温スイッチSW8、取消スイッチSW3、メニュースイッチSW5(もどる),SW6(すすむ)、火かげん選択スイッチSW4、音声ガイドSW7、時計及びタイマーの時刻時・分設定スイッチSW9の各種操作キーは、タッチパネル構造の操作キー(操作スイッチ)となっており、それら各々の下方には、図示はしないが、必要に応じて当該操作キーを図2のように明確に表示するための表示用LEDが設けられている(図1は省エネモード)。
この実施の形態の場合、以下に述べるように、上記マイコン基板60Bには、操作対応位置等所定の対応エリア内にユーザーが居ることを検出する例えば赤外線センサよりなる人感センサ90が設けられており、待機状態、非待機状態、その他、炊飯器動作状態の如何にかかわらず、少なくともユーザーが操作対応位置等所定の対応エリア内にいない場合には、省エネモードに制御して、液晶パネルの表示機能や照明機能に加えて、上記操作スイッチの操作機能や照明機能をそれぞれOFFにすることによって、可能な限り消費電力を低減するように構成されている。この結果、同省エネ状態では、例えば図1のように、当該電気炊飯器本体の蓋体2の上面は「スモーク状態」となり、次に述べる人感センサ90の受光用凹面部80a部分を除いて何も見えない状態となる。
もちろん、この場合において、例えば「炊飯中」、「保温中」などの必要な表示を行うことは自由である。
<蓋体部分における人感センサの構成とその設置構造について>
この実施の形態の場合、例えば図1、図2および図5、図6に示すように、蓋体2の前部部分に上記赤外線センサよりなる人感センサMSが設けられている。この人感センサMSは、例えば図9に示すような電気的な構成を有し、操作設定又は操作設定状態の確認、炊飯状態や保温状態、時計表示の確認などで、ユーザーが当該電気炊飯器本体の正面位置に所定距離以上接近してきたことを検出する人検知センサとして機能するように構成されている。
すなわち、該人感センサMSは、受光部90aおよび受光回路部(センサ本体)90bよりなり、受光部90aの受光レンズ(フレネルレンズ)91を通して入射する赤外線を赤外線フィルタ92を通すことによってセレクトし、受光回路部90b中の赤外線焦電素子93に集め、該赤外線焦電素子93から出力される電圧信号をアンプ回路(出力電圧増幅回路)96を介して所定の電圧レベルに増幅した上でコンパレータ回路97に入力する。
上記焦電素子93は、たとえば一対の焦電素子93a、93aよりなり、それらを並設して構成されており、これら一対の焦電素子93a、93aにより、それぞれ入射する赤外光の光源までの距離を検知し、各々の検知距離の差の変化によりユーザーの動きを検知して、ユーザーがいるか居ないかを判定するようになっている。そして、焦電素子93からは、それら検知距離の差の変化に応じた電圧レベルの信号が出力される。
コンパレータ回路97には、たとえば当該電気炊飯器本体上部の操作パネル部60に対向して、ユーザーが操作を行う場合の正面側位置および透明窓60cを介して液晶パネル60Aの表示を確認する正面側位置(それらの立ち位置におけるユーザー(光源)と受光部90a(焦電素子)との距離))に応じて、当該ユーザー(光源)から各焦電素子93a、93aに入射される赤外線量に応じた電圧値の差に応じた電圧が比較用の基準電圧として設定されている。したがって、同コンパレータ回路97に入力される上記アンプ回路96からの出力電圧が、そのような基準電圧以上になったとすると、コンパレータ回路97からは当該ユーザーの存在を検知した人検知信号(H信号)が出力される。
このコンパレータ97からの人検知信号(HまたはLのVout信号)は、たとえば図12に示すように、マイコン基板60B側のマイコン制御ユニット100に入力されて、ユーザーが操作設定、操作設定状態の確認、炊飯状態や保温状態、時計表示の確認、その他何らかの理由で当該電気炊飯器本体の正面位置に居るか、居ないかが判定される。
そして、ユーザーが同位置に居ることが判定されると、当該マイコン制御ユニット100は、操作基板回路への電源の供給状態を制御する操作基板回路制御手段111、操作スイッチ照明用のLED駆動手段114を作動させて、非通電状態(省エネモード)にあった操作パネル部60の操作基板回路に電源を供給し、各種操作スイッチSW1〜SW9の操作による炊飯又は保温機能の操作設定、取り消し、変更等の操作機能、それら各操作スイッチSW1〜SW9の照明による表示を可能とし、また液晶パネル駆動制御手段112を作動させて、ユーザーが居ないときには消灯状態にあった液晶パネル60Aのバックライトを点灯させるとともに、ユーザーが居ないときには非表示状態にあった液晶パネル60Aの情報を表示する。この結果、それまでは図1のようなスモーク状態にあった蓋体2の上面の操作パネル60部分が図2のように明確に表示された状態となる。ユーザーが居ないと判定された場合には、これと逆の制御になる。
これにより、ユーザーは、透明窓60cを通して、明るく点灯、表示された液晶パネル60Aの表示情報を見ながら、操作パネル60の各操作スイッチSW1〜SW9を操作して適切な炊飯または保温機能の操作設定、取り消し、変更が可能となる。また、タイマー予約時の炊飯待機状態における操作設定状態の確認、炊飯中における炊飯状態や保温中における保温状態、時計表示等の確認も可能となる。なお、図12中の符号115は、ワークコイル等の加熱出力制御手段である。
しかも、それらの各々が、単にユーザーが電気炊飯器本体に近づくだけで自動的に実現され、操作キーのON操作等何らのマニュアル操作を必要としないので、非常に便利である。
また、このような構成の場合、従来のような単なる待機状態のみに限られず、要するにユーザーが電気炊飯器のそばにおらず、操作も表示も必要がない場合には、時計表示も含めて殆どの電力消費部分への電源の供給をセーブまたは停止することが可能となるので、非常に省エネ効果の高いものとなる。
なお、図9の受光回路部90bの構成中、符号95は回路駆動用の安定化電源回路であり、符号94は各種電子デバイスを組み込んだワンチップICを示している。
ところで、この場合、上記コンパレータ回路97の基準電圧は、上述のように人感センサMS自体の検出感度に応じて、上記ユーザーが当該電気炊飯器本体に近づき、その上面部の操作パネル60面に対向し、かつ適切に操作を行い得る通常の操作位置を基準として、当該ユーザーの人体から放射される赤外線の量に対応したものに設定されているので、一応それ以外の位置からの赤外線の検出量は外乱として排徐することができる。したがって、本来の操作設定位置におけるユーザーの体温に対応した赤外線の検出量を基準値として、実際に入力される赤外線の量の大きさを判定しさえすれば、適正にユーザーの接近を検出し、ほぼ正確に上記のような対応を取ることができる
しかし、上記蓋体2の上部中央(やや後部寄り)には、上述のように調圧用の蒸気ユニット51が設けられており、この蒸気ユニット51には蒸気口51a,51aが開口されている。そして、この蒸気口51a,51aからは、炊飯時(沸騰維持工程)において高温の蒸気Vが吹き出される。したがって、仮に上記赤外線センサMSの受光部90aの受光面が上記蓋体2の上面(上板20の上面)よりも低い位置にあったとしても、上記蓋体2の上面(上板20の上面)が同図6に示すように蒸気ユニット51のある後端側から前端20b側にかけてフラットであったとすると、上記赤外線センサMSの受光部90aの受光角θ1が後方側に広くなり、上記蒸気口51a,51aからの蒸気Vの赤外線を検出してしまい、適正なユーザー検知を行うことができない問題がある(誤検知の発生)。その結果、上述の省エネ効果の高さが阻害される。
そこで、この実施の形態の構成では、まず上記蓋体2の上面部を構成する銘板20の上記蒸気ユニット51よりも前部側部分20aの全体をその前端20b側にかけて次第に高さが低くなるように所定角θ2だけ下降傾斜させた傾斜面に構成し(図6の構成を参照)、同下降傾斜面となった銘板20の傾斜角の大きい前端寄り部分一側(タイマー予約スイッチSW1の隣:図2参照)に円形の第1の受光用の開口20cを形成するとともに、その下方側のマイコン基板設置空間28内に設けられたマイコン基板60B上の同軸部分に位置して、上述の受光部90aおよび受光回路部90bよりなる人感センサMSを設置している。上記マイコン基板60B上には、さらに液晶パネル60Aに対応する部分を除いて基板カバー29が設けられていて、上記マイコン基板60B上の所定の電子部品がカバーされるようになっているが、同マイコン基板カバー29側の上記人感センサMSの受光部90aおよび上記銘板20側第1の受光用開口20cに同軸状に対応する部分には、同じく円形の第2の受光用の開口(第1の受光用開口20cよりも少し大径)29aが開口されている。
そして、これらの構成により、図5に示すような上記人感センサMS設置用の所定の深さの凹溝部が形成され、上記人感センサMSは同凹溝部内に収納される形で設置されており、上記第1、第2の受光用の開口20c、29aを介して受光部90aに入射する外部赤外線のみを正確に検出するようになっている。
しかも、この場合、上記銘板20の上記ユニット51よりも前部側部分20aは、上述のように所定の下降角度θ2で蒸気ユニット51の前方側から前端20b側にかけて下降傾斜している。したがって、同銘板20の傾斜面部分に位置して開口されている上記第1の受光用の開口20cは、例えば図6に示すように、その円形の開口面が上記下降傾斜角θ2に対応して前傾したものとなり、図6に示した前後方向の受光検出角θ1も、その受光中心軸を垂直方向から前方側斜め下方にθ2分傾斜させたものとなる。
この結果、上記銘板20の後端側(より具体的には上板21の後端側水平面部)にある蒸気ユニット51の蒸気口51a,51aから吹き出される蒸気Vによる赤外線を検知することがなくなり、正確なユーザー検知が可能となる。
しかも、この実施の形態の場合、図1および図2から明らかなように、上記人感センサMSは、上記蒸気ユニット51から炊飯器本体前端側方向に大きく距離を取って離間させ、かつ銘板20の左側の一側部に寄せて設けられており、後端側中央部に位置して蒸気口51a、51aを設けている上記蒸気ユニット51とは、左右方向の位置が大きくずれており、前後方向においても対応しないようにオフセットして設置されている。したがって、上述の作用と合わせて、より誤検知が生じにくくなる。
さらに、この実施の形態の場合、上記の場合において、上記銘板20の上面には所定の厚さの透明な防水シート80が貼設されており、この防水シート80は、上記銘板20の第1の受光用の開口20c部分では、たとえば図5に示すように、凹レンズ形状に形成され、赤外線集光用の凹レンズ80aを形成している。
したがって、それにより受光部90aのある凹溝部内まで比較的広い範囲の赤外線を入射させることができるようになる。
さらに、また、この実施の形態では、上述した人感センサMSに加えて、さらに図10〜図12に示すように、上記蓋体2内のマイコン基板60Bにおける例えば電池基板60C部分に蓋体2の開閉を検知する傾斜センサ(蓋開閉センサ)ISを設けて構成されており、同傾斜センサISの検出信号を利用してユーザーが蓋体2を開閉操作したときのタッチパネル部分の誤操作を防止するようにしている。
すでに述べたように、蓋体2上面側の操作パネル60の操作スイッチ部分をタッチパネル構造(タッチスイッチ構造)にすると、指先で軽くタッチするだけで操作キーをオンにすることができ、操作、入力が著しく容易になる。
しかし、一方、本来操作スイッチを操作するわけではない蓋体2の開閉操作時に、意図せずにユーザーの指が操作キーに触れるということが起こりうる。この場合、いずれの場合にもユーザーが人感センサMSの検出対応エリア内に居ることから、人感センサMSはユーザーの存在を検知して、省エネモードを解除し、操作スイッチSW1〜SW9は操作可能とされ、LEDによる照明表示もなされ、液晶パネル60Bも照明され、駆動されている。その結果、操作スイッチの誤操作が生じることになる。
そこで、この出願の発明の実施の形態では、当該傾斜センサISにより蓋体2の開閉状態を検出し、少なくとも蓋開状態では、仮に人感センサMSがユーザーの存在を検出したとしても、操作スイッチの操作キー入力を不可能とし、そのような誤操作入力を防止するようにしている。
この傾斜センサISは、例えば図10および図11に示すように、所定の厚さの正方形状の内実型のパッケージング99内に、外部形状とは90度位置をずらせた状態で、所定寸法小さい正方形状の遮光物移動空間99aを設け、まず同遮光物移動空間99a内に軸長の短い所定の直径の円柱体よりなる遮光物99bをスライド移動可能に内装している。
この遮光物99bは、上記パッケージング99の前後左右4方向の傾斜に応じて遮光物移動空間99a内を自由に移動し、例えば図11に示すように、パッケージング99の前後左右4方向の何れかに対応する遮光物移動空間99aのコーナー位置(その時の傾斜状態により低くなった位置)a〜dに停止するようになっている。
一方、これら4つのコーナー位置a〜dの内の3つのコーナー位置a、b、dの外側(パッケージング99内)には、例えばa部分に赤外線発光ダイオードD、b部分にフォトトランジスタT1、d部分にフォトトランジスタT2を配置し、それらのアノード側、コレクタ側にVcc電源、グランド側に電流制限抵抗R、負荷抵抗R1、R2が接続されている。
したがって、同構成の場合、たとえば上記遮光物99bがa位置にあるときは、フォトトランジスタT1、T2は共に遮光されて出力はOFF、OFF、次にb位置にあるときはフォトトランジスタT1はOFFでフォトトランジスタT2はON、またc位置にあるときはフォトトランジスタT1、T2は共にON、d位置にあるときはフォトトランジスタT1はONでフォトトランジスタT2はOFFとなる。したがって、これらフォトトランジスタT1、T2の出力V1、V2のONとOFFの組み合わせにより、前後左右4方向の傾斜状態を判定することができる。
いま上記パッケージング99が、例えば図11の状態で、蓋体2が開かれた時に発光ダイオードDが上に来る状態(傾斜角45度)で設置されているとすると、遮光物99bがa位置(傾斜角5度)にあるフォトトランジスタT1、T2共にOFFの時が蓋体2の閉状態、遮光物99bがc位置にあるフォトトランジスタT2、T1共にONの時が蓋体2の開状態となる。
これら蓋体2の開閉状態を示す2つのフォトトランジスタT1、T2の出力V1、V2は、例えば図12に示すように、上記人感センサMSの出力Voutとともにマイコン制御ユニット100に入力されて、以下のような操作部および表示部の省エネモード、被省エネモードの制御を行う。
<人感センサセンサと傾斜センサを用いた省エネモード制御>
次に図13のフローチャートは、この出願の発明の実施の形態に係る電気炊飯器の上記人感センサMSと傾斜センサISを用いた省エネモード、非省エネモードの制御の内容を示している。
すなわち、同制御では、当該電気炊飯の電源回路にAC電源が接続されることにより制御を開始し、まず人感センサMS、傾斜センサISを起動し(ステップS1、S2)、操作キー照明用LEDの表示制御、液晶パネル60Bの表示制御、操作キー入力制御を開始する(ステップS3)。これにより、電源投入後は先ず省エネモードには設定されず、操作および表示可能な状態に設定される。
ところで、上述のように人感センサMSは、電源を投入してから正規の検出特性を得られるまでに所定の時間(立ち上がり時間/10〜30秒)が必要である。そのため人感センサMSの検出信号(図9のVout信号)を入力し、ユーザーが所定の検出対応エリア内に居ることを判定するまでに同所定の時間が経過しているか否かを判定する(ステップS4)。
その結果、YES(所定時間経過)と判定されて初めて上記人感センサ検出入力値の判定動作に進む(ステップS5)。そして、同ステップS5の人感センサ検出入力値の判定で、ユーザーが上記人感センサの検出対応エリア内に居ることが判定されると、続いて上記傾斜センサISの検出入力値に基づく蓋体2の閉状態の判定処理(ステップS6)に進み、現在きちんと蓋体2が閉じられているか否かを判定する。
ここで、現在きちんと蓋体2が閉じられているとして、YESと判定されると、ただちに操作部および表示部の操作および表示制御を可能とすることもできるが、同蓋体2の閉状態は、蓋体2が開けられていない場合と、開けられていた状態から閉じられた直後の状態との2通りがあり、後者の場合には、蓋体2を閉じるときに操作スイッチを誤操作している可能性があることから、まずステップS9で現在蓋体2が閉じられているが所定の操作キーがON状態にある場合、該操作キーのONが蓋体2の開状態からのものであったか否かを判定し、そうでないことを確認したうえで省エネモードを解除し、ステップS10の操作キー入力読み込み動作に進む。
他方、現在蓋体2が閉じられているが、それは開状態から閉められたばかりのものであり、しかも操作スイッチがON操作状態にあり、それは同蓋開状態から継続しているものであるYESの場合には、ステップS11に移って、現在操作キーからユーザーの指が離されて、操作スイッチがOFF状態になったか否かを判定する。この判定でYESとなるまでは、上記操作部の操作および表示部の表示を行うことができない省エネモードに維持する。
他方、同ステップS11の判定でYESとなり、それまでの操作スイッチのON状態がリセットされると、上記省エネモードを解除してステップS10に進み、操作部の操作、表示部の表示を可能とし、必要な操作スイッチの操作入力を読み込んで、ステップS12の通常処理操作を実行する。
他方、上記ステップS6の判定で蓋体2が開かれている判定されると(NO:閉状態ではない)、操作部の操作および表示部の表示が不可能な省エネモードに維持した上で、ステップS12の通常の処理操作に進む。
さらに、上述のステップS5の判定で、ユーザーが上記人感センサMSの検出対応エリア内に居なかったとしてNOと判定された場合には、次にステップS7に移って、同ユーザーの居ない時間が所定時間以上継続しているか否かを判定し、所定時間以上ユーザー不在の状態が継続していると判定された場合には、つぎにステップS8に進んで、上述した操作部の操作および表示部の表示を不能(電源OFF)として電力消費を節約する「省エネモード」に制御し、必要な操作を待つスタンバイ状態を継続する(リターン制御)。
他方、少なくともユーザーが所定の検出対応エリア内に居ない時間が所定時間以上には継続していないステップS7でNO判定の場合には、上記人感センサMSによりユーザーの存在が検出され(ステップS5でYES)、かつ傾斜センサISにより蓋体2の閉状態が検出された上記の場合(ステップS6でYES)と同様にステップS9に進んで、現在蓋体2が閉じられて入るが、その状態はユーザーが蓋体2を開状態から閉状態に操作したときのものであり、現在ON操作状態にある操作キーは、同蓋体2の開放状態から押されていたものであるか否かの判定動作に進む。
この判定で、現在操作スイッチがON操作状態にあり、しかも、それは上記蓋開状態から継続しているものであるYESの場合には、さらにステップS11に移って、現在は操作キーからユーザーの指が離されて操作スイッチがOFF状態になったか否かを判定する。この判定でYESとなるまでは、上記操作部の操作および表示部の表示を行うことができない省エネモードが維持される。
他方、同ステップS11の判定でYESとなり、それまでの操作スイッチのON状態が完全にリセットされると、上記省エネモードを解除してステップS10に進み、操作部の操作、表示部の表示を可能とし、必要な操作スイッチの操作入力を読み込んで、ステップS12の通常処理操作を実行する。
これらの結果、以上の構成によると、傾斜センサISの検出結果に基づき、蓋体2が閉じられていると判定された場合には、人感センサMSの検出結果に基づいて、ユーザーが居る場合には、操作部の操作および表示部の表示が可能となり、適正な操作、設定が可能となる。
他方、少なくとも傾斜センサISが蓋体2の開放を検出しているときには、仮に人感センサMSがユーザーの存在を検出したとしても、同傾斜センサISの検出結果の方を優先して、上記操作部の操作および表示部の表示が不可能な省エネモードに制御して、操作、設定を行なえないようにする。
また、傾斜センサISの検出結果からだけ見ると、現在蓋体2が閉じられているとしても、その前の蓋体2の開放状態において人感センサMSによりユーザーの存在が検出され、同蓋体2の開放状態において操作キーがON操作されているような場合には、仮に傾斜センサISが蓋体2が閉状態にあると判定したような場合にも、当該操作キーが一旦OFFになってからでないと、上記省エネモードを解除して操作部の操作および表示部の表示を行なえないようにする。
これらの結果、前述のような人感センサを設けた場合の問題を確実に解消することができる。
また、上記のような人感センサMSを構成している赤外線センサは、蓋体2の銘板20部分の受光用開口20c部分に設けられた凹レンズ部80aが変色したり、汚れたりする問題があり、それにより検出機能が低下する問題がある。そこで、このような場合の対応策として、例えば上記省エネモードからスタンバイ状態への復帰を上記蓋体2の開閉動作を示す上記傾斜センサISの出力によって行うようにしても良い。そのようにすると、同凹レンズ部80aが汚れていて、人感センサMSの検出精度が所定レベル以下に低下したような場合にも、確実に操作可能なスタンバイ状態に復帰させることができる。
また、以上のような電気炊飯器の場合、当該電気炊飯器の電源回路に電源を通電した直後(上記制御開始時)の所定の時間内は、操作部および表示部を操作および表示可能な非省エネモードに制御するようにすることが好ましい。
電源コンセントに電源プラグを挿入したときなど、当該電気炊飯器の電源回路に電源を通電した時は、仮に人感センサMSの適正な出力がないとしても、少なくともユーザーが炊飯器本体のそばに居り、今から炊飯器を使用しようとしているときであると考えられる。したがって、その後所定の時間内は、人感センサMSや傾斜センサISの出力に関係なく、操作部および表示部を操作および表示可能な非省エネモード(スタンバイモード)に制御し、操作設定を可能とすることもできる。
そのようにすると、上述のように、単に人感センサMSの立ち上がりに必要な短時間内だけスタンバイ状態に制御する場合に比べて、より利便性が向上する。
また、以上の構成では、蓋開閉センサが遮光物移動型の傾斜センサISにより構成されている。したがって、同傾斜センサISが蓋体2の開状態または閉状態を検出した場合、所定の時間をおいて、操作部および表示部を省エネモードまたは非省エネモードに制御するように構成される。
蓋開閉センサとして、上述のような遮光物移動型の傾斜センサISを採用した場合(図11の構成を参照)、蓋体2を開いた時または閉じた時に移動した遮光物99bが静止するまでに所定の時間がかかる。したがって、蓋体2開閉時のセンサ出力をそのまま読み込むと、チャタリング状態の出力信号により誤作動、誤制御の原因となる。
そこで、傾斜センサISが蓋体2の開状態または閉状態を検出したとしても、直ちに同検出信号を使用して制御するのではなく、所定の時間をおいて、検出信号が安定してから操作部および表示部を省エネモードまたは非省エネモードに制御するようにし、誤作動、誤制御を防止する。
ただし、そのような構成を採用すると、同所定の待機時間が短いとは言え、蓋を閉めてから所定の時間は操作、設定ができないことになり、ユーザーが違和感を持つことも考えられる。そこで、少なくとも蓋が開かれている状態から蓋が閉じられた状態に移行したときには、ユーザーが存在することは明らかであるから、人感センサMSの出力に関係なく、少なくとも傾斜センサISの出力から蓋が閉められたことを判定できる限りにおいて、所定の時間内は操作部の操作および表示部の表示を可能として、違和感を解消させるようにする構成も必要に応じて採用される。
このような構成を採用すると、蓋閉時の人感センサMSの検出信号の不安定さによる誤制御を回避することも可能となる。
<この出願の発明の実施の形態による電気炊飯器の主たる構成と作用効果>
以上のように、この出願の発明の実施の形態に係る電気炊飯器は、内釜と、この内釜を取り出し可能に収納する炊飯器本体と、この炊飯器本体内にあって上記内釜を加熱する内釜加熱手段と、上記炊飯器本体の上部に開閉可能に設けられ、操作部、表示部を有する蓋体とからなる電気炊飯器であって、上記蓋体の操作部および表示部を省エネ状態に制御して消費電力を低減する省エネモードを有するとともに、上記炊飯器本体に対するユーザーの存在を検出する人感センサおよび上記蓋体の開閉を検出する蓋開閉センサを備え、それら両センサの検出結果に基づいて上記省エネモードの制御を行うようになっており、特に蓋開閉センサが蓋体の開放を検出したときには、上記人感センサの検出結果よりも該蓋開閉センサの検出結果の方を優先し、上記操作部および表示部を操作および表示が不可能な省エネモードに制御するようになっている。
すでに述べたように、人感センサを備え、炊飯器の動作状態の如何にかかわらず、少なくともユーザーがいない場合には、蓋体の操作部および表示部を省エネ状態に設定して消費電力を低減するようにすると、待機状態、非待機状態、その他、炊飯器動作状態の如何にかかわらず、少なくともユーザーが所定の対応エリア内に居ない場合には、蓋体の操作部および表示部を省エネ状態に設定して可能な限り消費電力を低減することができる。
しかし、そのような構成を採用した場合、人感センサがユーザーの存在を検出した場合には必ず省エネモードが解除されて、表示部の表示が開始され、操作部の操作スイッチの操作が可能となることから、実際には操作スイッチの操作が想定されない蓋体の開閉操作時にもスイッチ操作が可能となるので、蓋を開くときや閉める時にユーザーの指が操作スイッチに触って操作スイッチがオンになる誤操作が生じる恐れがある。特に最近ではタッチパネル式のスイッチ構造が普及してきており、そのようなスイッチ構造を採用した場合には、同問題が一層顕著となる。
そこで、この発明の実施の形態では、上記のように人感センサとは別に、蓋体が開かれたことを検出する蓋開閉センサを設けており、少なくとも蓋開閉センサが蓋体の開放を検出したときには、仮に人感センサがユーザーの存在を検出していたとしても、同人感センサの検出結果よりも蓋開閉センサの検出結果の方を優先し、操作部および表示部を表示および操作が不能な省エネモードに制御するようにしている。
したがって、たとえ人感センサがユーザーの存在を検出し、上記操作部および表示部の省エネ状態を解除し、表示部の表示および操作部の操作を可能にしようとしたとしても、蓋開閉センサにより蓋体が開かれたことが検出された場合には、それを優先して上記省エネモードを非解除状態に制御し、表示部の表示および操作部の操作を行うことができないようにして、誤ったスイッチ操作による操作設定が生じないようにしている。
以上の結果、この出願の発明の実施の形態によると、人感センサによりユーザーの存在を検出できることから、ユーザーが居なくなると自動的に省エネモードに移行して、省エネ機能を実現することができるので、従来に比べて省エネ性能が大きく向上する。また、逆に省エネモードの解除が必要になると、何らのスイッチ操作等を要することなく、ユーザーが電気炊飯器に近づくだけで、自動的に省エネ状態が解除されて、表示および操作設定が可能となるので非常に便利である。
しかも、この出願の発明の場合、同人感センサとは別に、蓋体の開閉状態を検出する蓋開閉センサが設けられており、実質的に操作および表示の必要がない蓋体が開かれたような時には、仮に人感センサがユーザーの存在を検出していても、操作および表示を行わせないようにすることができるので、不要な操作および表示を回避し、誤操作を防止することができる。
(その他の実施の形態)
まず、以上の実施の形態の説明では、この出願の発明をセラミック製の内釜とセラミック製の外釜とを備えた電磁誘導型の電気炊飯器に適用した場合について説明したが、この出願の発明は、その本質的な技術的思想の内容から明らかなように、決して以上のような特定の構成の電気炊飯器にのみ適用されるものではなく、たとえば外釜を有しないセラミック製内釜の電気炊飯器、セラミック製でない金属製内鍋の電気炊飯器、セラミック製以外の非金属製内鍋の電気炊飯器、電磁誘導型でないヒータ式の電気炊飯器など、種々の構成の電気炊飯器一般に適用しても、全く同様に上述のような有益な作用効果を奏することができる。
また、以上の実施の形態では、ユーザーの存在を検出する人感センサMSの一例として、ユーザーの体温に応じてユーザーの体から放射される赤外線量を受光部に入射させて所定の位置におけるユーザーの存在を検出する焦電型の赤外線センサを採用したが、これは例えば赤外線発光部と赤外線受光部とを備え、赤外線発光部から放射され、ユーザーの体に当たって反射した赤外線を赤外線受光部で受光するようにした反射光受光型の赤外線センサによって構成することもできる。また、固体撮像素子を用いた画像検出方式の人検知手段を採用することもできる。
また、蓋体の開閉を検出する蓋開閉センサについても、上述のような発光ダイオードと一対のフォトトランジスタ、移動可能な遮光物の組み合わせによるもの以外の各種の傾斜センサの採用が可能である。また、蓋の開閉を検出するという点で考えると、必ずしも傾斜センサに限られるものではなく、例えば発光素子と受光素子を組み合わせた近接センサやリミットスイッチの採用も可能である。
さらに、以上の実施の形態の場合、図5に示すように、銘板20の上面には所定の厚さの透明な防水シート80が貼設されており、この防水シート80は、銘板20の第1の受光用の開口20c部分では、凹レンズ形状に成形され、赤外線集光用の凹レンズ80aを形成している。そして、それにより人感センサ90の受光部90aのある凹溝部内まで比較的広い範囲の赤外線を効率良く入射させるようにしている。
しかし、銘板20には、一般にPET製の合成樹脂が使用され、同樹脂は赤外線を通しにくい性質を有している。そのため、そのままでは必ずしも人感センサMSの検出感度を高くするのに十分ではない、そこで、同凹レンズ80a部分の厚さを他の部分に比べて薄くするとともに、受光部90aの受光レンズ91には特に感度の高い凸レンズを採用し、それらの組み合わせによって、可能な限り検出感度が高くなるように構成する。
また、上述のように、人感センサMSは、一対の焦電素子93a、93aを並設して赤外線焦電素子93が構成されており、これら一対の焦電素子93a、93aにより、入射する赤外光の光源までの距離を検知し、各々の検知距離の差の変化によりユーザーの動きを検知して、ユーザーがいるか居ないかを判定するようになっている。
したがって、それら一対の焦電素子93a、93aをユーザーに対して正面方向に平行に並設したのでは、2つの焦電素子93a、93aにより検知される検知距離に差が生じにくく、検出感度を有効に向上させることができにくい。
そこで、より好ましくは、それら一対の焦電素子93a、93aをユーザーに対して斜めになるように並設する。