ところで、太陽熱や燃料電池等の排熱を主熱源として加熱した湯を貯湯タンク内に貯留することで蓄熱し、この貯湯タンクに対し、貯湯タンク内の湯水が低温である場合に補助加熱するための補助熱源機として給湯器を組み合わせて給湯システムを構成する場合、貯湯タンクや湯水混合のための設備に給湯器をまとめてユニット化して一体型に構成したり、一体型に組み込まなくても貯湯タンクや給湯器等を組み合わせて配置したりすることが行われている。これらの場合には、配管長も例えば数メートルとそれほど長くなることはなく、考慮すべき配管容量もそれほど大きくなることもない。
しかしながら、近年、特に住宅に既に設置されている給湯器を、前記給湯システムの補助熱源機として活用しようとする試みがなされ、この場合、給湯器とは別に、貯湯タンクや湯水混合のための設備を一体にしてタンクユニットを構成し、このタンクユニットを住宅に設置して既設の給湯器に組み合わせることになる。例えば図5に示すように、既に給湯器300がパイプシャフト等の空間に設置されて供用されている住宅Hに対し、ベランダもしくはテラスに前記のタンクユニット200や、主熱源として例えば燃料電池ユニット100を設置するケースが考えられている。このケースでは、タンクユニット200から給湯器300まで貯湯タンクからの湯水を供給するための接続配管310を設置する必要があり、配管長やその配管容量は飛躍的に長大化(例えば配管長10m以上)してしまったり、屋内配管ではなくて外部配管にせざるを得なくなったりすることになる。又、給湯器自体も年々進歩しており、潜熱をも回収する高効率型の給湯器も既に設置されている。
このため、配管容量の計測誤差による悪影響や、季節変化に伴う外気温変動による悪影響がより拡大する他、接続配管以外の例えば給湯器内の配管容量や、給湯器の熱交換器の熱特性等に起因して、制御結果に多大な誤差を生じさせて給湯温度に多大な変動を招く結果となることが考えられる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、たとえ配管長が長大化したとしても給湯温度に多大な変動を生じさせないようにし得る給湯システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明では、貯湯タンクと、この貯湯タンクから流出される湯水に対し必要に応じて上水を混合する湯水混合部と、湯水混合部からの湯水が接続配管を通して供給される補助熱源機とを備え、貯湯タンクから流出した湯水が前記湯水混合部及び補助熱源機を介して給湯栓に出湯されるように構成された給湯システムを対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記貯湯タンクから流出する湯水の温度が設定給湯温度以上の場合に、給湯運転が開始されたとき、前記補助熱源機の燃焼開始を許容しつつ、前記湯水混合部から前記補助熱源機に対し、前記接続配管の配管容量として予め設定された設定配管容量に相当する湯水量が入水した時点で前記補助熱源機の燃焼を禁止するように切換える一方、この燃焼禁止への切換タイミングを、前記補助熱源機からの出湯温度が一定に保持されるように補正する制御手段を備えることとする。そして、前記制御手段として、前記燃焼禁止への切換時点から前記補助熱源機からの出湯温度を監視し、この出湯温度に設定幅以上の変動発生を検出したとき、前記設定配管容量を補正する構成とした(請求項1)。
本発明の場合、燃焼禁止への切換時点から補助熱源機からの出湯温度を監視し、この出湯温度に設定幅以上の変動発生を検出したとき、設定配管容量を補正するようにしているため、この補正後の設定配管容量を用いれば補助熱源機の燃焼禁止への切換タイミングが変更されて、前記出湯温度の変動が抑制・解消されることになる。これにより、たとえ接続配管の配管長が長大化したとしても、出湯温度の変動発生を抑制して出湯温度に多大な変動を生じさせないようにして、給湯栓からの出湯温度をより一定に保持することができるようになる。特に、前記制御手段として、出湯温度の変動発生が上昇側であるとき、設定配管容量を減側に補正する構成とすることにより(請求項2)、その減側補正の分だけ燃焼禁止への切換タイミングがより早められ、補助熱源機の燃焼による加熱をより早くに停止させることができ、その分、出湯温度の上昇側への変動発生を回避させることができる。これにより、出湯温度の変動発生を確実に抑制・解消させ得ることになる。あるいは、前記制御手段として、出湯温度の変動発生が下降側であるとき、設定配管容量を増側に補正する構成とすることにより(請求項3)、その増側補正の分だけ燃焼禁止への切換タイミングがより遅らされ、より遅くまで補助熱源機の燃焼による加熱を与えることができるようになり、その分、出湯温度の下降側への変動発生を回避させることができる。これにより、出湯温度の変動発生を確実に抑制・解消させ得ることになる。
又、第2の発明では、貯湯タンクと、この貯湯タンクから流出される湯水に対し必要に応じて上水を混合する湯水混合部と、湯水混合部からの湯水が接続配管を通して供給される補助熱源機とを備え、貯湯タンクから流出した湯水が前記湯水混合部及び補助熱源機を介して給湯栓に出湯されるように構成された給湯システムを対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記貯湯タンクから流出する湯水の温度が設定給湯温度よりも低温である一方、前記接続配管内の滞留水は設定給湯温度と略等しい場合に、給湯運転が開始されたとき、前記補助熱源機の燃焼を禁止しつつ、前記湯水混合部から前記補助熱源機に対し、前記接続配管の配管容量として予め設定された設定配管容量に相当する湯水量が入水した時点で前記補助熱源機の燃焼禁止状態を解除して燃焼可能に切換える一方、この燃焼禁止状態を解除する切換タイミングを、前記補助熱源機からの出湯温度が一定に保持されるように補正する制御手段を備えることとする。そして、前記制御手段として、前記燃焼禁止状態を解除する切換時点から前記補助熱源機からの出湯温度を監視し、この出湯温度に設定幅以上の変動発生を検出したとき、前記設定配管容量を補正する構成とした(請求項4)。
本発明の場合、燃焼禁止状態を解除して燃焼可能への切換時点から補助熱源機からの出湯温度を監視し、この出湯温度に設定幅以上の変動発生を検出したとき、設定配管容量を補正するようにしているため、この補正後の設定配管容量を用いれば補助熱源機の燃焼可能状態への切換タイミングが変更されて、前記出湯温度の変動が抑制・解消されることになる。これにより、たとえ接続配管の配管長が長大化したとしても、出湯温度の変動発生を抑制して出湯温度に多大な変動を生じさせないようにして、給湯栓からの出湯温度をより一定に保持することができるようになる。特に、前記制御手段として、出湯温度の変動発生が上昇側であるとき、設定配管容量を増側に補正する構成とすることにより(請求項5)、その増側補正の分だけ燃焼禁止解除による燃焼可能状態への切換タイミングがより遅らされ、より遅くまで補助熱源機の燃焼停止状態を維持して湯水に対する加熱をより遅らせることができ、その分、出湯温度の上昇側への変動発生を回避させることができるようになる。これにより、出湯温度の変動発生を確実に抑制・解消させ得ることになる。あるいは、前記制御手段として、出湯温度の変動発生が下降側であるとき、設定配管容量を減側に補正する構成とすることにより(請求項6)、その減側補正の分だけ燃焼禁止状態から燃焼可能状態への切換タイミングがより早められ、湯水に対する補助熱源機の燃焼による加熱をより早くに開始させることができ、その分、出湯温度の下降側への変動発生を回避することができるようになる。これにより、出湯温度の変動発生を確実に抑制・解消させ得ることになる。
本発明の給湯システムにおいて、制御手段として、出湯温度に設定幅以上の変動発生を検出したか否かを、複数回の給湯運転で検出された出湯温度の変動幅に基づいて決定する構成とすることができる(請求項7)。このようにすることにより、過剰な補正に伴い、より大きな変動が発生するおそれを回避することが可能となる。
本発明の給湯システムにおいて、制御手段として、設定配管容量の補正処理が複数回生じたことを条件に、その後の給湯運転から補正後の設定配管容量を用いた燃焼状態の切換を実行する構成とすることができる(請求項8)。このようにすることにより、前記と同様に、過剰な補正に伴い、より大きな変動が発生するおそれを回避することが可能となる。
本発明の給湯システムにおいて、制御手段として、出湯温度に設定幅以上の変動発生を検出したときの補正対象として、設定配管容量に代えて、その設定配管容量に相当する湯水量が補助熱源機に入水する時点までの時間値として予め設定された設定時間値を用いる構成とすることができる(請求項9)。このようにすることにより、設定配管容量とは異なる対象である設定時間値を用いて、本発明による作用を得ることが可能となる。
以上、説明したように、第1の発明の給湯システムによれば、燃焼禁止への切換時点から補助熱源機からの出湯温度を監視し、この出湯温度に設定幅以上の変動発生を検出したとき、設定配管容量を補正するようにしているため、この補正後の設定配管容量を用いれば補助熱源機の燃焼禁止への切換タイミングを変更することができ、出湯温度の変動を抑制・解消させることができるようになる。これにより、たとえ接続配管の配管長が長大化したとしても、出湯温度の変動発生を抑制して出湯温度に多大な変動を生じさせないようにすることができ、給湯栓からの出湯温度をより一定に保持することができるようになる。特に、請求項2の給湯システムによれば、制御手段として、出湯温度の変動発生が上昇側であるとき、設定配管容量を減側に補正する構成とすることにより、その減側補正の分だけ燃焼禁止への切換タイミングをより早めることができ、補助熱源機の燃焼による加熱をより早くに停止させることができ、その分、出湯温度の上昇側への変動発生を回避させることができる。これにより、出湯温度の変動発生を確実に抑制・解消させることができるようになる。又、請求項3の給湯システムによれば、制御手段として、出湯温度の変動発生が下降側であるとき、設定配管容量を増側に補正する構成とすることにより、その増側補正の分だけ燃焼禁止への切換タイミングをより遅らせることができ、より遅くまで補助熱源機の燃焼による加熱を与えることができるようになり、その分、出湯温度の下降側への変動発生を回避させることができる。これにより、出湯温度の変動発生を確実に抑制・解消させることができるようになる。
又、第2の発明の給湯システムによれば、燃焼禁止状態を解除して燃焼可能への切換時点から補助熱源機からの出湯温度を監視し、この出湯温度に設定幅以上の変動発生を検出したとき、設定配管容量を補正するようにしているため、この補正後の設定配管容量を用いれば補助熱源機の燃焼可能状態への切換タイミングを変更することができ、出湯温度の変動を抑制・解消させることができるようになる。これにより、たとえ接続配管の配管長が長大化したとしても、出湯温度の変動発生を抑制して出湯温度に多大な変動を生じさせないようにすることができ、給湯栓からの出湯温度をより一定に保持することができるようになる。特に、請求項5の給湯システムによれば、制御手段として、出湯温度の変動発生が上昇側であるとき、設定配管容量を増側に補正する構成とすることにより、その増側補正の分だけ燃焼禁止解除による燃焼可能状態への切換タイミングをより遅らせることができ、より遅くまで補助熱源機の燃焼停止状態を維持して湯水に対する加熱をより遅らせることができ、その分、出湯温度の上昇側への変動発生を回避させることができるようになる。これにより、出湯温度の変動発生を確実に抑制・解消させることができるようになる。又、請求項6の給湯システムによれば、制御手段として、出湯温度の変動発生が下降側であるとき、設定配管容量を減側に補正する構成とすることにより、その減側補正の分だけ燃焼禁止状態から燃焼可能状態への切換タイミングをより早めることができ、湯水に対する補助熱源機の燃焼による加熱をより早くに開始させることができ、その分、出湯温度の下降側への変動発生を回避することができるようになる。これにより、出湯温度の変動発生を確実に抑制・解消させることができるようになる。
又、請求項7の給湯システムによれば、制御手段として、出湯温度に設定幅以上の変動発生を検出したか否かを、複数回の給湯運転で検出された出湯温度の変動幅に基づいて決定する構成とすることにより、過剰な補正に伴い、より大きな変動が発生するおそれを回避することができる。
請求項8の給湯システムによれば、制御手段として、設定配管容量の補正処理が複数回生じことを条件に、その後の給湯運転から補正後の設定配管容量を用いた燃焼状態の切換を実行する構成とすることにより、前記と同様に、過剰な補正に伴い、より大きな変動が発生するおそれを回避することができるようになる。
請求項9の給湯システムによれば、制御手段として、出湯温度に設定幅以上の変動発生を検出したときの補正対象として、設定配管容量に代えて、その設定配管容量に相当する湯水量が補助熱源機に入水する時点までの時間値として予め設定された設定時間値を用いる構成とすることにより、設定配管容量とは異なる対象である設定時間値を用いて、本発明による効果を得ることができるようになる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る給湯システムを模式的に示したものである。この給湯システムは、主熱源装置1と、貯湯タンク21を含み給湯システムの主機能部分がユニット化されたタンクユニット2と、補助熱源機3とを組み合わせたものである。そして、タンクユニット2は、主熱源装置1によって加熱された湯を貯湯する貯湯タンク21と、貯湯タンク21内の湯水を底部から取り出して頂部に戻す間に前記主熱源装置1によって加熱するための蓄熱循環回路22と、外部から水道水等を給水する給水回路23と、貯湯タンク21から供給される湯を用いて給湯栓Kに給湯する給湯回路24と、給湯回路24からの高温出湯を回避するための高温回避部25と、補助熱源機3に対する制御指令を含みタンクユニット2の作動制御を行うマイコン等からなるタンクコントローラ5とを備えている。つまり、タンクユニット2として、前記の各構成要素が1つのハウジング内に内蔵されてユニット化した装置として構成されている。
主熱源装置1としては、燃料電池(例えばSOFC;固体酸化物型燃料電池)やガスエンジン等の作動に伴い発生する排熱を用いるもの、ヒートポンプを用いるもの、集熱パネルにより集熱した太陽熱を用いるもの等の適宜の熱源を採用することができる。又、熱源の利用手法としては、前記の燃料電池等の外部の主熱源装置に貯湯タンク内の水を循環させつつ加熱する手法の他に、外部の主熱源装置により加熱した熱媒を貯湯タンク内の熱交換器に導き、この熱交換器により貯湯タンク内の水を加熱する手法を採用することができる。さらに、貯湯タンク21の内外に付設した電気ヒーター等を主熱源装置として用いることもできる。図例では、主熱源装置1として燃料電池の排熱を利用するものを示している。すなわち、主熱源装置1として、図示省略のガス供給系から供給されるガスを燃料として発電する燃料電池11と、燃料電池11から発生する排熱を熱源として供給される排熱回収用熱交換器12とを備え、蓄熱循環回路22により供給される貯湯タンク21の底部からの湯水が熱交換加熱対象として前記排熱回収用熱交換器12に供給されるようになっている。なお、符号10は燃料電池11の作動制御を行う燃料電池コントローラである。
補助熱源機3は、バックアップ給湯器として機能するものであり、新設の給湯器を用いたり、あるいは、給湯システムの設置対象の住宅に既に設置されている給湯器を活用したりして組み合わされる。かかる補助熱源機3は、タンクユニット2の後述の湯水混合部27から供給される湯水の給湯温度が設定給湯温度に満たない場合には、補助熱源機3によって設定給湯温度にまで補助加熱できるように構成されている。かかる補助熱源機3は、後述の接続配管41の下流端が接続された入水接続口311から入水した湯水が入水路31を通して熱交換器32に導かれ、主として燃焼バーナ33の燃焼熱との熱交換により加熱された湯水が出湯路34に出湯され、出湯接続口341から給湯配管42を通して給湯栓K等に給湯されるようになっている。熱交換器32は、燃焼バーナ33の燃焼ガスの有する顕熱との熱交換を行う熱交換器と、この熱交換器を通過した後の排ガスから潜熱を回収するための熱交換器との2種類を備えて構成されている。入水路31には入水温度センサ35や入水流量センサ36が介装され、出湯路34には出湯温度センサ37が介装されている。この補助熱源機3はその作動制御のために独自の給湯器コントローラ6を備えており、この給湯器コントローラ6はタンクコントローラ5と相互に通信し得るように接続されている。給湯器コントローラ6は燃焼バーナ33の燃焼制御を主とする給湯制御部を備えており、この給湯制御部により独自の作動制御を実行する一方、タンクコントローラ5からの各種指令や情報の出力を通信により受け、これら指令に基づき独自の作動制御が制限されるようになっている。この給湯制御部は、ユーザーにより給湯栓Kが開かれることにより入水流量センサ36が最低作動流量(MOQ)以上の流量を検出すれば、燃焼バーナ33の燃焼を開始して入水される湯水を設定給湯温度まで加熱して給湯栓Kに給湯する他、後述の如く、タンクユニット5から燃焼禁止指令の出力を受けると、たとえMOQ以上の流量を検出していたとしても、燃焼禁止の解除指令が出力されるまで燃焼停止状態を維持するようになっている。
以下、タンクユニット2の構成について詳細に説明すると、貯湯タンク21は密閉式に構成されている。貯湯タンク21の側部には少なくとも頂部位置を含む高さ方向の複数箇所に配設された複数の温度センサからなる残湯水量センサ211が設けられ、この残湯水量センサ211により各高さ位置における貯湯の湯温を検出できるように構成されており、これにより、貯湯タンク21内の上部側から貯湯される所定温度以上(例えば65℃以上)の高温湯の残湯量を検出できるようになっている。
蓄熱循環回路22は、蓄熱用循環ポンプ221が作動されると、貯湯タンク21の底部から貯湯タンク21内の比較的低温の湯水を取り出し、主熱源装置1を通過することにより加熱された湯水を貯湯タンク21の頂部に戻すことになるように配設されている。そして、タンクコントローラ5の蓄熱運転制御部52(図2参照)により蓄熱運転制御が開始されると、蓄熱用循環ポンプ221が作動され、これにより、貯湯タンク21の底部から取り出された湯水が、排熱回収用熱交換器12において燃料電池11からの排熱により熱交換加熱され、熱交換加熱後の湯水が貯湯タンク21の頂部に戻されて、貯湯タンク21内で温度成層を形成しつつ所定温度(例えば65℃以上)の湯として蓄熱されることになる。なお、貯湯タンク21と主熱源装置1との間の蓄熱循環回路22には、三方切換弁222を介したバイパス路223が設けられており、主熱源装置1の作動開始直後に主熱源装置1から供給される比較的低温の湯を、流路切換した三方切換弁222及びバイパス路223を通して主熱源装置1に循環させて、貯湯タンク21の頂部には戻さないようにし得るようになっている。
給水回路23は、その上流端が外部の水道管等に接続され、主給水路231と混水用給水路232とに分岐されている。主給水路231は、下流端が貯湯タンク21の底部に 接続されており、貯湯タンク21内の湯が頂部から出湯されるに伴い貯湯タンク21の底部に対し水道水が給水されるように構成されている。混水用給水路232の下流端は、後述の湯水混合部27に対し水側流量調整弁233を介して給水可能に接続されている。なお、主給水路231と混水用給水路232との分岐部よりも上流側位置の給水回路23には、給水温度センサ230や、例えば図示省略の減圧弁,逆止弁等が設けられている。
給湯回路24は、上流端が貯湯タンク21の頂部に接続されて下流端側がタンクユニット2の接続口201に接続された給湯路241と、この給湯路241の途中位置において湯側流量調整弁242を介して設けられた湯水混合部27と、湯水混合部27の下流側位置に配設された給湯温度センサ243及び給湯水量センサ244と、湯水混合部27の上流側位置に配設されて貯湯タンク21から出湯された直後の湯温を検出する貯湯温度センサ245とを備えている。湯水混合部27では、給湯路241の上流側から供給されて湯側流量調整弁242を通して流量調整された湯と、混水用給水路232から供給されて水側流量調整弁233を通して流量調整された給水とを所定の混合割合で混水させることにより、ユーザーがリモコン51等に設定した設定給湯温度に温調した上で、補助熱源機3及び給湯栓Kの側に給湯するものである。このような湯水混合部27での混水制御はタンクユニット5のタンク給湯運転制御部54(図2参照)により実行されるようになっている。すなわち、前記の給湯温度センサ243により検出された温調後の給湯温度がタンクコントローラ5に出力され、この給湯温度センサ243からの出力に基づいて湯水混合部27に対する湯側流量調整弁242及び/又は水側流量調整弁233の開度がタンク給湯運転制御部54によりフィードバック制御される。
なお、図例では、前記の湯水混合部27を挟んで設けた湯側流量調整弁242及び/又は水側流量調整弁233の2つの流量調整弁によって湯水混合手段を構成した例を示しているが、これらに代えて、湯側と水側との流入口を有し、内部で湯と水とを所定の混合割合で混合させ得る混合制御弁271を湯水混合部27の合流部位に設けることで湯水混合手段を構成するようにすることもできる。
そして、前記の接続口201と、補助熱源機3の入水接続口311との両者間が接続配管41で互いに接続され、この接続配管41を通してタンクユニット2から給湯される湯水が補助熱源機3の入水路31に入水し、熱交換器32を通って、最終的に給湯栓Kまで給湯されることになる。接続配管41は屋内に敷設されることが好ましいが、屋外に敷設することができ、その長さ(配管長)も例えば10mを超えるものとすることができる。以上の給湯路241、接続配管41、入水路31、出湯路34及び給湯配管42によって、貯湯タンク21から給湯栓Kまでの給湯のための流路が構成され、本実施形態の給湯システムは補助熱源機3が前記給湯のための流路であって湯水混合部27よりも下流側位置の流路に介装されている。
また、混水用給水路232と湯水混合部27の下流側の給湯路241とを接続するバイパス流路251と、このバイパス流路251を開閉する電磁開閉弁からなる高温回避弁252とからなる高温回避部25が設けられており、常時は閉状態に維持される高温回避弁252がタンクコントローラ5により開切換制御されて湯水混合部27からの給湯に対し高温出湯回避に十分な量の水を供給して混水することができるようになっている。
以上の給湯システムは、リモコン51からの設定給湯温度等の入力設定信号や操作信号の出力や、種々の温度センサや水量センサ等からの検出信号の出力を受けて、タンクコントローラ5により総合的に作動制御されるようになっている。以下、本発明の特徴的な給湯最適化運転制御部55による制御や、その前提となる配管容量取得処理部53及びタンク給湯運転制御部54による制御について詳細に説明する。なお、給湯最適化運転制御部55による制御とは、特にタンクユニット2と補助熱源機3とを接続するための接続配管41の存在に伴い給湯栓Kからの出湯温度が変動することを回避して一定に保持されるよう給湯を最適化するための運転制御をいう。
まず、前提となる配管容量取得処理部53による接続配管41の配管容量の取得処理について説明する。この取得処理は貯湯タンク21からの給湯運転の初期段階に行われる。その取得処理の原理は、タンクユニット2から出た湯水が接続配管41を通って補助熱源機3に入水するまでの到達時間の間に流量積算を行い、得られた流量積算値を接続配管41の配管容量とし、これを配管容量の初期値として設定し記憶する。あるいは、前記の到達時間内では大きな流量変動は無いと仮定して、到達時間と、代表的な流量(又は平均流量)とを計測し、両者を乗じて得られる容量を配管容量とすることができる。詳細には、例えば、貯湯タンク21内に設定給湯温度以上の高温湯(例えば65℃以上の湯)が所定量以上ある場合には、給湯栓Kが開かれてMOQが検出されたとき、その高温湯が給湯路241を流れて湯水混合部27で混水処理されて設定給湯温度(例えば40℃)に温調されて給湯温度センサ243に至ることになる。このため、給湯温度センサ243の検出温度を監視し、その検出温度が設定給湯温度まで上昇した時点から、その同じ検出温度を補助熱源機3の入水温度センサ35が検出する時点までの時間値の範囲で入水流量センサ36又は給湯流量センサ244による検出流量を積算する。得られた流量積算値を接続配管41の配管容量の初期設定値として設定し記憶する。なお、かかる接続配管41の配管容量は、現場施工した接続配管41の配管容量の実測値又は演算値を、設定配管容量Pとして、供用開始前の試験運転の際に予め記憶・設定させるようにすることもできる。
次に、給湯最適化運転制御部55による給湯最適化処理について、図3及び図4を参照しつつ説明する。まず、貯湯タンク21内に所定温度以上の高温湯(例えば65℃以上の湯)が所定量以上有るか否かを判定する(ステップS1)。この判定は、残湯水量センサ211により所定温度以上の高温湯の存在と、その高温湯の残湯量との検出の有無に基づいて行う。もしも、その高温湯が無ければ後述の図4の各処理を実行する一方(ステップS1でNO)、その高温湯が所定量以上有れば給湯器コントローラ6に対し燃焼禁止指令を出力する(ステップS1でYES,S2)。次に、接続配管41内は冷えているか否かについて判定する(ステップS3)。接続配管41内が冷えているか否かは、補助熱源機3の入水温度センサ35の検出温度が[設定給湯温度−β℃](例えばβ=2℃)より低いか高いかで判定し、低ければ冷えていると判定する。接続配管41内が冷えていると判定されれば(ステップS3でYES)、ステップS2で出力した燃焼禁止指令を解除するための解除指令を給湯器コントローラ6に出力して(ステップS4)、入水流量センサ36によりMOQがON検出されるか否かを給湯器コントローラ6から送信される検出情報に基づいて監視する(ステップS5)。
燃焼禁止が解除された状態では、入水流量センサ36によりMOQがON検出されれば(ステップS5でYES)、給湯器コントローラ6の本来の給湯制御に基づき燃焼バーナ33が燃焼開始され、熱交換器32で設定給湯温度まで熱交換加熱された湯が出湯路34及び給湯配管42を通して給湯栓Kに向けて給湯される。この給湯の際に、入水流量センサ36又は給湯流量センサ244により通過する湯水の流量を積算し、この積算流量との対比で設定配管容量P分の湯水が通過したか否かの監視をMOQがON検出されている限り継続する(ステップS6でNO,S5でYES)。そして、積算流量が設定配管容量Pに到達して設定配管容量P分の湯水量が通過すれば(ステップS6でYES)、燃焼禁止指令を給湯器コントローラ6に出力する(ステップS7)。これにより、補助熱源機3では燃焼バーナ33の燃焼が強制的に停止され、以後、タンクユニット2側から接続配管41を通して給湯される湯水が非燃焼状態の補助熱源機3を素通りして給湯栓Kに給湯されることになる。
すなわち、貯湯タンク21内に所定の高温湯が有り(ステップS1でYES)、この高温湯が出湯されて湯水混合部27で設定給湯温度に温調された湯が接続配管41を通して補助熱源機3に供給されることになる。この供給前に、接続配管41内の既に冷えている滞留湯水(ステップS3でYES)が補助熱源機3に先に入水され、これがステップS4で燃焼禁止が解除されて燃焼開始された燃焼バーナ33により熱交換加熱されて給湯栓Kに送られることになる。そして、接続配管41内の滞留湯水が通過してしまえば(ステップS6でYES)、続いてタンクユニット2から設定給湯温度に温調された湯が補助熱源機3に入水し、これがステップS7で燃焼禁止されて非燃焼状態の補助熱源機3を素通りして給湯栓Kに送られることになるのである。
しかしながら、初期設定された設定配管容量Pに基づいて燃焼禁止指令(ステップS6でYES,S7)のタイミングを定めているため、例えば入水流量センサ36(又は入水温度センサ35)から熱交換器32までの入水路31内の配管容量分の存在、燃焼禁止が解除された後に実際に燃焼が開始されるまでのラグタイムの存在、あるいは、熱交換器32を構成する特に潜熱回収用の熱交換器の熱特性等に基づき、ステップS7の燃焼禁止指令のタイミングが必ずしも最適ではない場合が生じ、その燃焼禁止解除状態から燃焼禁止する切換タイミングにおいて補助熱源機3から給湯栓Kへの出湯温度に変動が発生するおそれがある。このため、燃焼禁止指令の出力後から所定時間が経過するまで、出湯温度センサ37の検出温度を監視し、出湯温度にプラス・マイナスα℃(例えばα=3℃)以上の変動があるか否かを監視する(ステップS8)。この変動は瞬時変化の発生を監視するのではなくて、所定時間の範囲内での変動(例えば平均変化量)がプラス・マイナスα℃以上有るか無いかで判定する。
出湯温度に前記のプラス側にα℃以上の変動が生じる場合には、それまで設定されていた配管容量Pに対し所定の減分補正量SΔ1を減じたものを補正後の新たな配管容量Pとして更新設定する(ステップS9)。逆に、出湯温度にマイナス側にα℃以上の変動が生じる場合には、初期設定の配管容量Pに対し所定の増分補正量SΔ2を加えたものを補正後の新たな配管容量Pとして更新設定する(ステップS10)。そして、リターンして、以後の給湯運転が生じれば更新設定された配管容量Pを用いて、給湯最適化処理を実行する。これにより、配管容量Pが減側に補正された場合には、その減側補正の分だけステップS7の燃焼禁止指令の出力タイミングがより早められ、入水される湯水に対する燃焼バーナ33による加熱をより早くに停止させることができ、その分、出湯温度のプラス側への変動発生を回避させることができる。逆に、配管容量Pが増側に補正された場合には、その増側補正の分だけステップS7の燃焼禁止指令の出力タイミングがより遅らされ、入水される湯水に対し、より遅くまで燃焼バーナ33による加熱を与えることができるようになり、その分、出湯温度のマイナス側への変動発生を回避させることができる。これにより、出湯温度の変動発生を抑制して、給湯栓Kからの出湯温度をより一定に保持することができるようになる。
前記の減分補正量SΔ1及び増分補正量SΔ2としては、なるべく僅かずつの補正量、例えば更新前の配管容量Pの1〜2%に相当する量を設定することができ、さらに、減分補正量SΔ1と増分補正量SΔ2とで互いに異なる補正量を設定することもできる。前記の更新設定は、前記の変動が生じれば即座に実行し、次回の給湯から更新設定後の配管容量Pを用いるようにすることができるし、ステップS9又はS10の補正による更新設定自体を、所定時間範囲での出湯温度の変動が1回生じたら即座に実行するのではなくて、そのような変動が複数回の給湯運転でいずれも変動が生じたことを条件に、前記のステップS9又はS10の補正による更新設定を実行し、その複数回の給湯運転の次の給湯運転のときから更新後の配管容量Pを適用するようにすることができる。これにより、過剰な補正に伴い、より大きな変動が発生するおそれを回避することができる。
前記のステップS3で配管内が冷えていないと判定された場合(ステップS3でNO)、ステップS5でMOQのON検出がないと判定された場合(ステップS5でNO)、又は、ステップS8で出湯温度にプラス・マイナスα℃以上の変動はないと判定された場合(ステップS8でNO)、いずれもリターンしてステップS1からの処理を繰り返す。ステップS3で配管内が冷えていないと判定された場合とは、前回の給湯運転の終了からそれほど時間が経過していなくて、接続配管41内に設定給湯温度に近似する温度の湯が滞留している状態であり、次に給湯運転が再開されたとしても、その設定給湯温度に近い温度の湯が補助熱源機3に即座に入水するため、これを燃焼加熱すると設定給湯温度以上の高温となって出湯されてしまうため、リターンすることにより、給湯器コントローラ6に対する燃焼禁止指令(ステップS2)が維持されることになる。
一方、ステップS1で貯湯タンク21内に所定温度以上の高温湯が所定量ない、つまり、高温湯が貯留されていない、あるいは、高温湯が残り少なくてまもなく湯切れを生じると判定された場合には(ステップS1でNO)、まず、接続配管41内は冷えているか否かについて判定する(ステップS11;図4参照)。接続配管41内が冷えているか否かは、ステップS3と同様に、補助熱源機3の入水温度センサ35の検出温度が[設定給湯温度−β℃](例えばβ=2℃)より低いか高いかで判定し、低ければ冷えていると判定する。接続配管41内が冷えていると判定されれば(ステップS11でYES)、それまでに出力されているかも知れない燃焼禁止指令を解除するための解除指令を給湯器コントローラ6に出力して(ステップS12)、以後の給湯制御(補助熱源機3の燃焼バーナ33を燃焼させるか否か等)は給湯器コントローラ6の独自の給湯制御に委ねる。これにより、タンクユニット2の側から補助熱源機3の側に低温水が供給されたとしても、その低温水は給湯器コントローラ6による独自の給湯制御に基づいて設定給湯温度まで加熱された上で給湯されることになる。逆に、接続配管41内は冷えていないと判定されれば(ステップS11でNO)、燃焼禁止指令を給湯器コントローラ6に出力し(ステップS13)、入水流量センサ36によりMOQがON検出されるか否かを給湯器コントローラ6から送信される検出情報に基づいて監視する(ステップS14)。つまり、前回の給湯運転の終了からそれほど時間が経過していなくて、接続配管41内に設定給湯温度に近似する温度の湯が滞留している状態であり、次に給湯運転が再開されたとしても、その設定給湯温度に近い温度の湯が補助熱源機3に即座に入水するため、これを燃焼加熱すると設定給湯温度以上の高温となって出湯されてしまうため、給湯器コントローラ6に対し燃焼禁止指令を出力しておくのである。
そして、入水流量センサ36によりMOQがON検出されれば(ステップS14でYES)、接続配管41内に滞留していた設定給湯温度近くの湯が補助熱源機3に入水されるため、入水流量センサ36又は給湯流量センサ244により通過する湯水の流量を積算し、この積算流量との対比で設定配管容量P分の湯水が通過したか否かの監視をMOQがON検出されている限り継続する(ステップS15でNO,S14でYES)。そして、積算流量が設定配管容量Pに到達して設定配管容量P分の湯水量が通過すれば(ステップS15でYES)、次はタンクユニット2からの低温の湯水が入水されることになるため、ステップS13の燃焼禁止指令を解除するための解除指令を給湯器コントローラ6に出力する(ステップS16)。これにより、補助熱源機3では本来の給湯制御に基づき燃焼バーナ33の燃焼が開始され、以後、タンクユニット3側から接続配管41を通して給湯される低温の湯水が燃焼状態の補助熱源機3により設定給湯温度まで加熱された上で給湯栓Kに給湯されることになる。
この場合も、初期設定された設定配管容量Pに基づいて燃焼禁止の解除指令(ステップS15でYES,S16)のタイミングを定めているため、ステップS8〜S10(図3参照)の処理が必要になる前述の理由と同様に、例えば入水流量センサ36(又は入水温度センサ35)から熱交換器32までの入水路31内の配管容量分の存在、燃焼禁止が解除された後に実際に燃焼が開始されるまでのラグタイムの存在、あるいは、熱交換器32を構成する特に潜熱回収用の熱交換器の熱特性等に基づき、ステップS16の燃焼禁止の解除指令のタイミングが必ずしも最適ではない場合が生じ、その燃焼禁止状態からそれを解除する切換タイミングにおいて補助熱源機3から給湯栓Kへの出湯温度に変動が発生するおそれがある。このため、燃焼禁止の解除指令の出力後から所定時間が経過するまで、出湯温度センサ37の検出温度を監視し、出湯温度にプラス・マイナスγ℃以上の変動があるか否かを監視する(ステップS17)。この変動は瞬時変化の発生を監視するのではなくて、所定時間の範囲内での変動(例えば平均変化量)がプラス・マイナスγ℃以上有るか無いかで判定する。γ℃としては、ステップS8のα℃と同様に、例えばγ=3℃とすることができ、ステップS8の燃焼禁止の解除状態から燃焼禁止する場合と、このステップS17の燃焼禁止状態からそれを解除する場合とでは、特性が異なるため前記のα℃とは互いに異なる変動判定量を設定するようにすることもできる。
出湯温度に前記のプラス側にγ℃以上の変動が生じる場合には、それまで設定されていた配管容量Pに対し所定の増分補正量FΔ1を加えたものを補正後の新たな配管容量Pとして更新設定する(ステップS18)。逆に、出湯温度にマイナス側にγ℃以上の変動が生じる場合には、初期設定の配管容量Pに対し所定の減分補正量FΔ2を減じたものを補正後の新たな配管容量Pとして更新設定する(ステップS19)。そして、リターンして、以後の給湯運転が生じれば更新設定された配管容量Pを用いて、給湯最適化処理を実行する。これにより、配管容量Pが増側に補正された場合には、その増側補正の分だけステップS16の燃焼禁止の解除指令の出力タイミングがより遅らされ、より遅くまで燃焼バーナ33の燃焼停止状態を維持して入水される湯水に対する加熱をより遅らせることができ、その分、出湯温度のプラス側への変動発生を回避させることができるようになる。逆に、配管容量Pが減側に補正された場合には、その減側補正の分だけステップS16の燃焼禁止の解除指令の出力タイミングがより早められ、入水される湯水に対する燃焼バーナ33による加熱をより早くに開始させることができ、その分、出湯温度のマイナス側への変動発生を回避することができるようになる。これにより、出湯温度の変動発生を抑制して、給湯栓Kからの出湯温度をより一定に保持することができるようになる。
前記の増分補正量FΔ1及び減分補正量FΔ2としては、なるべく僅かずつの補正量、例えば更新前の配管容量Pの1〜2%に相当する量を設定することができ、さらに、増分補正量FΔ1と減分補正量FΔ2とで互いに異なる補正量を設定することもできる。又、前記の更新設定は、ステップS9やS10の場合(図3参照)の更新設定と同様に、前記の変動が生じれば即座に実行し、次回の給湯から更新設定後の配管容量Pを用いるようにすることができるし、ステップS18又はS19の補正による更新設定自体を、所定時間範囲での出湯温度の変動が1回生じたら即座に実行するのではなくて、そのような変動が複数回の給湯運転でいずれも変動が生じたことを条件に、前記のステップS18又はS19の補正による更新設定を実行し、その複数回の給湯運転の次の給湯運転のときから更新後の配管容量Pを適用するようにすることができる。これにより、過剰な補正に伴いより大きな変動が発生するおそれを回避することができる。
前記のステップS14でMOQのON検出がないと判定された場合(ステップS14でNO)、又は、ステップS17で出湯温度にプラス・マイナスγ℃以上の変動はないと判定された場合(ステップS17でNO)、いずれもリターンしてステップS1からの処理を繰り返す。
<他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、予め設定された配管容量P分の湯水量が通過した時点で燃焼禁止指令(ステップS7)又は燃焼禁止の解除指令(ステップS16)を出力するようにしているが、これに限らず、ステップS6又はステップS15の配管容量Pに代えて、その配管容量P分に相当する湯水量が接続配管41を通過するのに要する時間値を設定し、MOQのON検出(ステップS5又はステップS14でYES)により給湯動作が開始された時点からその設定時間値が経過した時点で燃焼禁止指令(ステップS7)又は燃焼禁止の解除指令(ステップS16)を出力するようにすることができる。前記の時間値の設定は、例えば平均流量を定め、この平均流量で前記の配管容量P分の湯水量が接続配管41を流れると仮定して演算により定めることができる。