以下、遊技機としてのパチンコ遊技機の一実施形態を説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機10には、遊技盤YBが備えられている。パチンコ遊技機10には、発射ハンドルHDが備えられており、発射ハンドルHDが回動動作されることにより、遊技盤YBへ遊技球が発射される。
遊技盤YBには、複数の発光部を有する特別図柄表示装置11が配設されている。この特別図柄表示装置11では、複数種類の図柄(特別図柄)を変動させて表示する変動ゲーム(特別図柄変動ゲーム)が行われる。
本実施形態において特別図柄表示装置11には、複数種類の特別図柄の中から、当り抽選の抽選結果に対応する1つの特別図柄が選択され、その選択された特別図柄が変動ゲームの終了によって停止表示される。特別図柄には、大当りを認識し得る大当り図柄と、はずれを認識し得るはずれ図柄とに分類される。大当り図柄が停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技(特定遊技)が付与される。
また、遊技盤YBには、画像を表示する演出表示装置13が配設されている。演出表示装置13では、変動ゲームに関連する表示演出が行われる。表示演出として、具体的には、複数種類の飾り図柄を複数列(本実施形態では3列)で変動させる飾り図柄変動ゲームが行われる。
演出表示装置13には、各列毎に複数種類の飾り図柄が変動表示及び停止表示可能に構成されている。そして、演出表示装置13は、特別図柄表示装置11に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾り図柄は特別図柄に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、演出表示装置13に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。演出表示装置13に停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせから大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが停止表示されると、遊技者には、変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置13に停止表示された全列の図柄が同一種類でない場合には、その図柄組み合わせからはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。
また、本実施形態において、演出表示装置13における各列は、変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置13において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾り図柄が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾り図柄が同一種類となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態では、変動ゲームの開始後、最初に飾り図柄を停止表示させる左列が第1停止表示列になるとともに、次に飾り図柄を停止表示させる右列が第2停止表示列になり、さらに最後に飾り図柄を停止表示させる中列が第3停止表示列となる。
また、演出表示装置13には、特別図柄表示装置11の表示結果に応じた図柄組み合わせが最終的に停止表示される。より詳しくは、特別図柄表示装置11に停止表示される特別図柄と、演出表示装置13に最終的に停止表示される飾り図柄による図柄組み合わせが対応する。例えば、特別図柄表示装置11に大当り図柄が停止表示される場合には、演出表示装置13にも大当りの図柄組み合わせが最終的に停止表示される。また、特別図柄表示装置11にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出表示装置13にもはずれの図柄組み合わせが最終的に停止表示される。なお、特別図柄に対する飾り図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾り図柄による図柄組み合わせの中から1つの飾り図柄による図柄組み合わせが選択される。
図1に示すように、演出表示装置13の下方には、常時遊技球が入球可能な始動入賞口14を備えた始動入賞装置15が配設されている。また、始動入賞装置15には、始動入賞口14へ入球した遊技球を検知する始動センサSE1が設けられている。始動センサSE1が始動入賞口14に入球した遊技球を検知することを契機に、変動ゲームの始動条件が成立し得る。また、始動センサSE1が始動入賞口14に入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が成立する。
また、演出表示装置13の右下方(始動入賞口14の右方)には、遊技球が入球可能な大入賞口19を備えた大入賞装置20が備えられている。また、大入賞装置20には、大入賞口19へ入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3が配設されている。カウントセンサSE3が大入賞口19に入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が成立する。
また、大入賞装置20には、大入賞口ソレノイドSOL1の作動により開閉動作を行う大入賞口扉21が備えられている。大入賞口19は、常には大入賞口扉21が閉状態とされて閉鎖されている。そして、大当り遊技が付与されると、付与された大当り遊技の種類に応じて大入賞口扉21が開状態となり、大入賞口19が開放され、その開放により遊技球の入球が許容される。このため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が停止表示されることを契機に付与される。
図1に示すように、遊技盤YBには、保留表示装置22が配設されている。保留表示装置22は、実行が保留されている変動ゲームの数を示すものである。具体的には、保留表示装置22は、始動入賞口14に入球することにより変動ゲームの始動条件が成立した一方で、変動ゲームの実行条件が未だ成立していないことから実行(開始)が保留されている変動ゲームの数、所謂、始動保留の記憶数(以下、保留記憶数)を示す。
次に、本実施形態における大当り遊技について、説明する。
大当り遊技は、変動ゲームにて大当り図柄が停止表示されて該ゲームが終了した後、開始される。大当り遊技が開始すると、オープニング時間が設定される。そして、このオープニング時間において、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。また、オープニング時間が終了すると、大入賞口19が開放されるラウンド遊技が、予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技中に大入賞口19は、入球上限個数の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、すべてのラウンド遊技が終了すると、エンディング時間が設定される。また、このエンディング時間において、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われる。また、エンディング時間が終了すると、大当り遊技は終了される。
そして、本実施形態では、大当り抽選に当選した場合、複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、複数種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。
また、図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機の前面側には、遊技中に遊技者の操作が許容される操作手段としての押し釦式の操作ボタンBTが設けられている。この操作ボタンBTが押下操作(操作)されると、操作ボタンBTは、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に操作ボタンBTが操作されたことを示すボタン検知信号を出力する。そして、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)には、操作ボタンBTが接続されており、操作ボタンBTから操作ボタンBTが操作されたことを示すボタン検知信号が入力されるようになっている。
ここで、図2に基づき、パチンコ遊技機のスペックについて説明する。
図2(a)には、変動ゲームにおいて大当りとなったときに付与される大当り遊技について説明している。なお、図2において、「図柄」は、大当り図柄の種類を示し、「割合」は、大当り遊技が付与される割合を示し、「規定R数」は、規定ラウンド数を示す。また、「OP」は、オープニング時間を示し、「大入賞口の開放態様」は、1回のラウンド遊技において入球上限個数の遊技球の入球がない場合における大入賞口19の最大開放時間を示す。また、「ED」は、エンディング時間を示す。
また、図2(b)において、「大当り確率」は、大当り判定(抽選)の当選確率を示す。「始動センサ検知時」は、始動センサSE1が遊技球を検知したときにおける払出し賞球数を示し、「カウントセンサ検知時」は、カウントセンサSE3が遊技球を検知したときにおける払出し賞球数を示す。また、「大当り遊技における入球上限個数」は、1回のラウンド遊技において入球させることができる個数を示す。
次に、図3に基づき、パチンコ遊技機の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機の機裏側には、主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機に関する各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置13の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)の決定に関する処理などを実行し、処理結果に応じて表示内容を制御する。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、主制御用CPU30aが備えられている。該主制御用CPU30aには、主制御用ROM30b及び主制御用RAM30cが接続されている。主制御用CPU30aには、始動センサSE1と、カウントセンサSE3が接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置11が接続されている。また、主制御用CPU30aには、大入賞口ソレノイドSOL1が接続されている。また、主制御用CPU30aには、保留表示装置22が接続されている。
また、主制御用ROM30bには、パチンコ遊技機10に関する各種処理を実行するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動表示を開始(変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出等)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、少なくとも、特別図柄が変動表示開始してから特別図柄が停止表示されるまでの演出時間(変動時間)を特定することができる。本実施形態における変動パターンでは、大当りの有無や、リーチ演出の有無なども特定することができる。
変動パターンには、大当り演出を特定する大当り変動パターンがある。また、変動パターンには、所定の演出(例えば、リーチ演出)が行われた後に最終的にはずれとするはずれリーチ演出を特定するはずれリーチ変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとするはずれ演出を特定するはずれ変動パターンがある。なお、大当り変動パターンと、はずれリーチ変動パターンと、はずれ変動パターンには、それぞれ複数種類の変動パターンが用意されている。
大当り演出は、変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ演出は、変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置13の飾り図柄による変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りの図柄組み合わせ、又ははずれの図柄組み合わせが停止表示される迄の間に行われる演出である。
また、主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、大当り抽選で用いられる大当り判定値が記憶されている。また、主制御用ROM30bには、リーチ演出を実行するか否かを決定するリーチ抽選で用いられるリーチ判定値が記憶されている。主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。
また、主制御基板30内では、当り判定用乱数や、特別図柄振分用乱数、リーチ演出判定用乱数、変動パターン振分用乱数として使用される各種乱数が生成される。因みに、当り判定用乱数は、大当り抽選に用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、リーチ抽選に用いる乱数である。特別図柄振分用乱数は、特別図柄(大当りの種類)を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する際に用いる乱数である。なお、はずれ変動パターン、はずれリーチ変動パターン及び大当り変動パターンの分類毎に、変動パターン振分用乱数の値の振り分けを異ならせている。また、各種乱数として使用される乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
次に、図3に基づき演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、演出制御用CPU31aが備えられている。該演出制御用CPU31aには、演出制御用ROM31b及び演出制御用RAM31cが接続されている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。また、演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御用RAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、演出制御用CPU31aには、操作ボタンBTが接続されている。
また、演出制御用ROM31bには、遊技演出を実行させるための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置13が接続されており、各種制御コマンドを入力すると、演出制御プログラムに基づき、演出表示装置13の表示内容を制御する。
次に、主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。最初に、特別図柄入力処理を説明する。特別図柄入力処理は、主制御用CPU30aにより所定周期毎に実行されるようになっている。
まず、主制御用CPU30aは、始動入賞口14に遊技球が入球したか否かを判定する入球判定を実行する。すなわち、主制御用CPU30aは、入球判定において、始動センサSE1が遊技球を検知した時に出力する検知信号を入力したか否かを判定する。入球判定の判定結果が肯定の場合(入球した場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの記憶内容に基づき、保留記憶数を特定し、特定した保留記憶数が上限値(本実施形態では「4」)よりも少ないか否かを判定する保留記憶数判定を実行する。保留記憶数判定の判定結果が否定の場合(保留記憶数の上限値に達していた場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
一方、保留記憶数判定の判定結果が肯定の場合(上限値に達していない場合)、主制御用CPU30aは、変動ゲームに係わる各種乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に取得した乱数値を記憶する。その際、変動ゲームに係わる乱数値の取得順序が認識できるように記憶する。なお、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの記憶内容(例えば、未だ変動ゲームで利用されていない乱数値の記憶量)に基づき、保留記憶数を特定可能に構成されている。そして、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの記憶内容が更新され、保留記憶数が変化すると、更新後の保留記憶数を表示させるように保留表示装置22を制御する。また、主制御用CPU30aは、更新後の保留記憶数等の保留記憶情報を指定する保留指定コマンドを出力する。そして、特別図柄入力処理を終了する。なお、入球判定の判定結果が否定の場合(始動入賞口14に入球しなかった場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を所定周期毎に実行するようになっている。
主制御用CPU30aは、大当り遊技中でなく、且つ、図柄変動ゲーム中でない場合、保留記憶数を特定し、保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する。保留記憶数が「0」の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、この判定結果が肯定の場合(保留記憶数>0の場合)、主制御用CPU30aは、変動ゲームの実行条件が成立したと判定し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶される特別図柄変動処理フラグに変動ゲームを実行することを示す値を設定する。なお、本実施形態では、大当り遊技及び図柄変動ゲームのいずれも実行中でない場合であって、保留記憶数が>0のときに、変動ゲームの実行条件が成立する。
次に、主制御用CPU30aは、変動ゲームに係わる(変動ゲームに利用される)乱数値のうち、取得順序に従って最も早く実行される変動ゲームに係わる乱数値(当り判定用乱数、変動パターン振分用乱数、リーチ判定用乱数及び特別図柄振分用乱数の値)を取得する。具体的には、変動ゲームに係わる乱数値であって、まだ変動ゲームを実行させるために利用されていない乱数値のうち、最も早く取得された乱数値を取得する。また、主制御用CPU30aは、特定した保留記憶数を1減算し、当該保留記憶数を表すように保留表示装置22の表示内容を変更させる。また、主制御用CPU30aは、更新後の保留記憶数等の保留記憶情報を示す保留指定コマンドを出力する。
主制御用CPU30aは、取得した当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。
大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、主制御用CPU30aは、取得した特別図柄振分用乱数の値に基づき、大当り遊技の種類を決定すると共に、特別図柄による大当り図柄の中から特別図柄表示装置11にて停止表示される最終停止図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数の値に基づき、大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。
具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。変動パターン指定コマンドを出力する同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄を変動開始させるように特別図柄表示装置11の表示内容を制御する。また、同時に、主制御用CPU30aは、変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、主制御用CPU30aは、最終停止図柄の種類を指定するための特別図柄指定コマンドを出力する。なお、最終停止図柄が大当り図柄である場合には、大当り遊技の種類を特定することができるため、特別図柄指定コマンドは、当り遊技の種類を指定するための当り種別指定コマンドでもある。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間(変動時間)に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特別図柄表示装置11の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾り図柄の変動停止を指示し、図柄組み合わせを停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、主制御用CPU30aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定するリーチ判定を行う。本実施形態では、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから取得したリーチ判定用乱数の値が、リーチ判定値に一致するか否かにより当選判定を行う。
そして、リーチ判定の判定結果が肯定の場合(リーチ演出を行う場合)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を特別図柄表示装置11にて停止表示させる最終停止図柄として決定する。次に、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれリーチ変動パターンの中から変動パターンを決定する。
そして、変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、前述(大当りの場合)同様、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、リーチ判定の判定結果が否定の場合(リーチ演出を行わない場合)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を特別図柄表示装置11にて停止表示させる最終停止図柄として決定する。次に、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。
そして、変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、前述(大当りの場合)同様、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
そして、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。
具体的には、主制御用CPU30aは、オープニング時間の設定を開始する。また、主制御用CPU30aは、オープニング時間が開始したことを指示するオープニングコマンドを演出制御基板31に出力する。次に、主制御用CPU30aは、オープニング時間の終了後、各ラウンド遊技を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、各ラウンド遊技の開始時にラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを演出制御基板31に出力する。また、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技毎に、大入賞口19の開放及び閉鎖を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、入球上限個数の遊技球が入賞するまでの間、又はラウンド遊技毎に予め決められた規定時間が経過するまでの間、大入賞口19を開放する。
そして、主制御用CPU30aは、大入賞口19を閉鎖した場合には、ラウンド遊技毎に予め決められたインターバル時間を経過するまで、閉鎖を維持し、その後、ラウンド遊技を終了する。これらの一連の制御を、規定ラウンド数に達するまで実行する。
規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、主制御用CPU30aは、エンディング時間の設定を開始する。また、主制御用CPU30aは、エンディング時間が開始したことを指示するエンディングコマンドを演出制御基板31に出力する。そして、エンディング時間を経過すると、主制御用CPU30aは、大当り遊技を終了させる。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。主制御用CPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、演出制御用CPU31aは、それに応じて各種処理を実行する。
例えば、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づき、演出表示装置13に停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。
すなわち、演出制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄が大当り図柄である場合には、大当りの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄が、はずれ図柄の場合であって、はずれリーチ変動パターンが指定された場合、はずれリーチの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄が、はずれ図柄の場合であって、はずれ変動パターンが指定された場合、はずれの図柄組み合わせを決定する。
そして、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンにより特定される演出時間内において、変動ゲームに係わる遊技演出を実行させるように演出表示装置13を制御する。その後、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、変動ゲームを終了させると共に、決定した図柄組み合わせを停止表示させる。
そして、本実施形態では、変動ゲーム中、ストーリーに沿って演出が行われるストーリー演出が実行可能に構成されている。
図4(a)に示すように、ストーリー演出は、複数種類用意されており、種類毎にストーリーの内容を異ならせている。本実施形態では、3種類のストーリー演出が存在し、第1ストーリーから第3ストーリーが存在する。なお、これらの3種類のストーリー演出は、1種類の変動パターンに対応付けられているため、いずれも演出時間は同じとなっている。
そして、図4(a)に示すように、各ストーリー演出には、それぞれ複数のシナリオが存在し、シナリオ毎に演出内容の一部が異なるようになっている。そして、各ストーリー演出に対応付けられた複数のシナリオが、1つの演出グループを構成している。具体的には、演出グループG1(第1ストーリー演出)には、第1ストーリーにおいて、演出内容の一部が異なる6種類のシナリオSC11〜SC16が存在する。演出グループG2(第2ストーリー演出)には、第2ストーリーにおいて、演出内容の一部が異なる6種類のシナリオSC21〜SC26が存在する。演出グループG3(第3ストーリー演出)には、第3ストーリーにおいて、演出内容の一部が異なる6種類のシナリオSC31〜SC36が存在する。
各演出グループ(ストーリー演出)に対応する複数のシナリオは、途中まで同様の演出内容となっている。すなわち、変動ゲームの開始から途中までは、同様の演出内容で進行し、途中の分岐点で、演出内容が分岐するようになっている。例えば、第1ストーリー演出に対応するシナリオSC11〜SC16は、変動ゲームの開始から予告演出Y11〜Y13の開始まで同じ演出内容となっている。そして、予告演出の実行時において、予告演出の種類に応じて、3つのシナリオに分岐する。その後、第1ストーリー演出に対応するシナリオSC11〜SC16では、同じ第1リーチ演出が実行された後、大当りの有無に応じてさらに2つのシナリオに分岐し、図柄組み合わせが停止表示される。
同様に、第2ストーリー演出に対応するシナリオSC21〜SC26は、変動ゲームの開始から予告演出Y21〜Y23の開始まで同じ演出内容となっている。そして、予告演出の実行時において、予告演出の種類に応じて、3つのシナリオに分岐する。その後、第2ストーリー演出に対応するシナリオSC21〜SC26では、同じ第2リーチ演出が実行された後、大当りの有無に応じてさらに2つのシナリオに分岐し、図柄組み合わせが停止表示される。
同様に、第3ストーリー演出に対応するシナリオSC31〜SC36は、同じ第3リーチ演出が実行されるまで、同じ演出内容となっている。そして、予告演出の実行時において、予告演出の種類に応じて、3つのシナリオに分岐する。その後、第3ストーリー演出に対応するシナリオSC31〜SC36では、大当りの有無に応じてさらに2つのシナリオに分岐し、図柄組み合わせが停止表示される。
以上のように、各演出グループ(ストーリー演出)に対応するシナリオでは、予告演出の演出内容及び表示結果が異なるだけで、その他のストーリーや、分岐点、リーチ内容は同じとなっている。また、予告演出の演出内容の違いにより、表示画像が異なるようになっている。そして、各ストーリー演出に対応する複数のシナリオにおいて、この予告演出の演出内容に応じて、変動ゲームが大当りとなる可能性を示す当り期待度を異ならせている。
例えば、演出グループG1(第1ストーリー演出)に対応するシナリオSC11〜SC16では、予告演出Y11が実行されるシナリオSC11,SC12が一番当り期待度が低く設定されている。そして、予告演出Y12が実行されるシナリオSC13,SC14が2番目に当り期待度が低く設定されており、予告演出Y13が実行されるシナリオSC15,SC16が一番当り期待度が高く設定されている。
同様に、演出グループG2(第2ストーリー演出)に対応するシナリオSC21〜SC26では、予告演出Y21が実行されるシナリオSC21,SC22が一番当り期待度が低く設定されている。そして、予告演出Y22が実行されるシナリオSC23,SC24が2番目に当り期待度が低く設定されており、予告演出Y23が実行されるシナリオSC25,SC26が一番当り期待度が高く設定されている。
同様に、演出グループG3(第3ストーリー演出)に対応するシナリオSC31〜SC36では、予告演出Y31が実行されるシナリオSC31,SC32が一番当り期待度が低く設定されている。そして、予告演出Y32が実行されるシナリオSC33,SC34が2番目に当り期待度が低く設定されており、予告演出Y33が実行されるシナリオSC35,SC36が一番当り期待度が高く設定されている。
そして、ストーリー演出は、予め決められた演出モードの設定中に、実行可能となっている。
演出モードは、複数用意されており、本実施形態では、4種類用意されている。演出モード毎に背景画像や実行される遊技演出の演出内容を異ならせている。また、演出モードは、大当り遊技の終了後、所定回数が経過する毎に変更されるように構成されている。具体的には、大当り遊技の終了後、1回目の変動ゲームから20回目の変動ゲームが終了するまで、スタート演出モードが設定される。また、大当り遊技の終了後、21回目の変動ゲームから80回目の変動ゲームが終了するまで、ストーリー演出が実行されうるストーリー演出モードが設定される。また、大当り遊技の終了後、81回目の変動ゲームから100回目の変動ゲームが終了するまで、チャンス演出モードが設定される。また、大当り遊技の終了後、101回目の変動ゲームから、通常演出モードが設定される。
また、演出モード毎に、決定されうる変動パターンの種類及び振分けが変更されるように構成されている。具体的には、スタート演出モードでは、変動時間が短い変動パターンが決定される可能性が他の演出モードよりも高くなるように変動パターンの種類及び振分けが設定されている。また、チャンス演出モードでは、変動時間が長い変動パターンが決定される可能性が他の演出モードよりも高くなるように変動パターンの種類及び振分けが設定されている。ストーリー演出モードと通常演出モードでは、様々な変動時間の変動パターンがバランス良く均等に決定されるように変動パターンの種類及び振分けが設定されている。
なお、ストーリー演出モードでは、ストーリー演出を演出内容に含む変動パターン(グループ対応パターン)を決定可能に構成されている一方、スタート演出モード、チャンス演出モード、通常演出モードでは、ストーリー演出を演出内容に含む変動パターン(グループ対応パターン)を決定されないように構成されている。
次に、グループ対応パターンについて説明する。グループ対応パターンは、複数種類存在し、少なくとも大当り変動パターンとはずれリーチ変動パターン(又ははずれ変動パターン)には、それぞれ1種類ずつ存在する。
本実施形態では、説明の簡略化のため、ストーリー演出モードで決定されうる大当り変動パターンのうち1種類が、グループ対応パターンであるものとする。また、ストーリー演出モードで決定されうるはずれリーチ変動パターンのうち1種類が、グループ対応パターンであるものとする。なお、本実施形態において、ストーリー演出モードで決定されうる大当り変動パターンには、グループ対応パターン以外に、ストーリー演出とは関係のない演出内容の大当り変動パターンが存在する。同様に、ストーリー演出モードで決定されうるはずれリーチ変動パターンには、グループ対応パターン以外に、ストーリー演出とは関係のない演出内容のはずれリーチ変動パターンが存在する。このストーリー演出とは関係のない演出内容の大当り変動パターン又ははずれリーチ変動パターンは、いずれの演出グループが設定されていたとしても同じ演出内容となっている。なお、ストーリー演出とは関係のない演出内容の大当り変動パターンは、他の大当り変動パターンよりも決定確率を低くし、且つ、大当りが確定したことを事前に認識できるプレミアムパターンであってもよい。
次に、演出モードの設定に係わる処理について説明する。
主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、1回目の変動ゲームから20回目の変動ゲームが終了するまで、スタート演出モードを示す値を、主制御用RAM30cに記憶される演出モードフラグに設定する。スタート演出モードを示す値が設定されている場合、主制御用CPU30aは、スタート演出モードに対応する変動パターンの振分けに基づき、変動パターンを決定することとなる。
同様に、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、21回目の変動ゲームから80回目の変動ゲームが終了するまで、ストーリー演出モードを示す値を演出モードフラグに設定する。ストーリー演出モードを示す値が設定されている場合、主制御用CPU30aは、ストーリー演出モードに対応する変動パターンの振分けに基づき、変動パターンを決定することとなる。
同様に、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、81回目の変動ゲームから100回目の変動ゲームが終了するまで、チャンス演出モードを示す値を演出モードフラグに設定する。チャンス演出モードを示す値が設定されている場合、主制御用CPU30aは、チャンス演出モードに対応する変動パターンの振分けに基づき、変動パターンを決定することとなる。
同様に、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、101回目の変動ゲームから、通常演出モードを示す値を演出モードフラグに設定する。通常演出モードを示す値が設定されている場合、主制御用CPU30aは、通常演出モードに対応する変動パターンの振分けに基づき、変動パターンを決定することとなる。なお、通常演出モードは、電源投入後においても設定されるように構成されている。
以下、ストーリー演出が実行される場合の処理について詳しく説明する。
主制御用CPU30aは、前述したように、特別図柄開始処理において、大当り判定の判定結果が肯定の場合、演出モードに対応付けられた大当り変動パターンの振分けに基づき、変動パターンを決定する。このとき、主制御用CPU30aは、グループ対応パターンを決定した場合には、通常の変動パターンと同様に、当該変動パターン(グループ対応パターン)を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。同様に、主制御用CPU30aは、リーチ判定の判定結果が肯定の場合、演出モードに対応付けられたはずれリーチ変動パターンの振分けに基づき、変動パターンを決定する。このとき、主制御用CPU30aは、グループ対応パターンを決定した場合には、通常の変動パターンと同様に、当該変動パターン(グループ対応パターン)を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。
演出制御用CPU31aは、入力した変動パターン指定コマンドにより、当該グループ対応パターンが指定されたと判定した場合、設定されている演出グループ(ストーリー演出)を特定する。演出グループは、パチンコ遊技機10の電源投入時(或いはRAMクリア時)、又は大当り遊技時、又は大当り遊技終了後、所定回数の変動ゲームが実行されたときに設定されるように構成されている。なお、パチンコ遊技機10の電源投入時(或いはRAMクリア時)又は大当り遊技終了後、所定回数の変動ゲームが実行されたときには、初期設定となる演出グループが設定される。本実施形態では、大当り遊技終了後、100回の変動ゲームが実行されたとき(即ち、チャンス演出モードが終了したとき)に初期設定となる演出グループが設定される。また、大当り遊技時には、後述する選択演出において選択された演出グループが設定される。
演出グループの設定を特定すると、演出制御用CPU31aは、設定された演出グループに対応するシナリオの中から、実行させるストーリー演出におけるシナリオを決定する。
より詳しく説明すると、指定された変動パターンが大当り変動パターンである場合、演出制御用CPU31aは、演出グループに対応する複数(本実施形態では3種類)の大当り用のシナリオの中から、抽選でシナリオを決定する。一方、指定された変動パターンがはずれリーチ変動パターンである場合、演出制御用CPU31aは、演出グループに対応する複数(本実施形態では3種類)のはずれリーチ用のシナリオの中から、抽選でシナリオを決定する。
例えば、指定された変動パターンが大当り変動パターンである場合であって、演出グループG1が設定されていた場合、演出制御用CPU31aは、演出グループG1に対応する3種類の大当り用のシナリオSC11,SC13,SC15の中から、抽選でシナリオを決定する。
そして、決定する際、シナリオに含まれる予告演出の演出内容に応じて当り期待度が設定されるように、抽選を行う。なお、特定の予告演出の演出内容における当り期待度を高く設定するためには、大当りの場合に選択される割合と、はずれの場合に選択される割合との合算割合に占める、大当りの場合に選択される割合を高くすればよい。
シナリオを決定すると、演出制御用CPU31aは、当該シナリオに沿って設定されている演出グループに対応するストーリー演出を実行させるように演出表示装置13の表示内容を制御する。例えば、シナリオSC11が決定された場合、演出制御用CPU31aは、シナリオSC11に沿って第1ストーリー演出を実行させる。
次に、グループ対応パターンに基づく(ストーリー演出を伴う)変動ゲームが大当りとなる場合において、当該変動ゲームの終了後に実行される大当り遊技に係わる遊技演出(以下、単に大当り遊技演出と示す)の演出内容について説明する。グループ対応パターンに基づく変動ゲームが大当りとなる場合、当該変動ゲームの終了後に実行される大当り遊技演出の演出内容も、設定されている演出グループに基づき決定される。また、グループ対応パターンに基づく変動ゲームが大当りとなる場合、当該変動ゲームに係わる演出内容と、当該変動ゲーム終了後に実行される大当り遊技演出の演出内容は一繋がりのストーリー性を有するように構成されている。より詳しくは、グループ対応パターンに基づく変動ゲームが大当りとなる場合、当該変動ゲームの開始から、大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技が終了するまでの演出内容は、一繋がりのストーリー性を有するように構成されている。
また、グループ対応パターンに基づく変動ゲームが大当りとなる場合に付与される大当り遊技において、最後(規定ラウンド数)のラウンド遊技では、新たに設定する演出グループ(すなわち、ストーリー演出)を選択するための選択演出が実行される。選択演出は、選択可能な演出グループを示す選択画像を複数表示させ、操作ボタンBTを操作することにより、選択対象となる選択画像を決定する演出である。
以下、図4(b)に基づき、ストーリー演出を経て実行される大当り遊技演出のための処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、グループ対応パターンに基づく変動ゲームが大当りとなった場合、オープニングコマンドを入力すると、設定されている演出グループに基づき、オープニング演出の演出内容を決定し、決定した演出内容でオープニング演出を実行させる。すなわち、変動ゲームの終了後から演出内容(ストーリー)が継続するように、演出グループに基づきオープニング演出の演出内容が決定される。これにより、演出表示装置13では、変動ゲームの終了後から継続する演出内容で、オープニング演出が実行される。
また、演出制御用CPU31aは、グループ対応パターンに基づく変動ゲームが大当りとなった場合、1ラウンド目のラウンドコマンドを入力すると、設定されている演出グループに基づき、1ラウンド目のラウンド演出の演出内容を決定し、決定した演出内容で1ラウンド目のラウンド演出を実行させる。すなわち、オープニング演出の終了後から演出内容(ストーリー)が継続するように、演出グループに基づき1ラウンド目のラウンド演出の演出内容が決定される。また、本実施形態では、1回目のラウンド演出で、変動ゲームから開始されたストーリーが完結するように構成されている。これにより、演出表示装置13では、変動ゲーム中から開始されたストーリーがラウンド演出中に完結するように、1回目のラウンド演出が実行される。
その後、演出制御用CPU31aは、規定ラウンド数のラウンドコマンドが入力されるよりも前まで、ラウンドコマンドを入力する毎に、所定のラウンド演出を実行させる。
そして、演出制御用CPU31aは、グループ対応パターンに基づく(ストーリー演出を伴う)変動ゲームが大当りとなった場合に、規定ラウンド数(最終ラウンド)のラウンドコマンドを入力すると、選択演出を実行させる。具体的には、演出制御用CPU31aは、規定ラウンド数目のラウンド遊技において、選択可能な演出グループとして複数種類の演出グループを決定し、当該選択可能な演出グループを示す選択画像を表示させる。
本実施形態では、図6に示すように、3種類の演出グループG1〜G3を選択可能とし、当該演出グループG1〜G3を示す選択画像SGを3つ並べるように表示する。そして、演出制御用CPU31aは、規定ラウンド数目のラウンド遊技において、操作ボタンBTの操作有効期間を設定し、操作ボタンBTの操作が有効となったことを報知させる。
操作有効期間中に、操作ボタンBTからボタン検知信号を入力する毎に、演出制御用CPU31aは、選択対象の選択画像SGを示す選択カーソルSKを次の選択画像SGを示すように移動させる。なお、選択カーソルは、所定の順序で移動するように構成されている。本実施形態では、選択カーソルSKが右端に位置していない場合には、選択カーソルSKを1つ右隣に移動させ、右端に位置している場合には、選択カーソルSKを左端に移動させる。
そして、操作有効期間が終了すると、演出制御用CPU31aは、選択カーソルSKが示す選択画像SGを特定する。そして、演出制御用CPU31aは、特定した選択画像SGが示す演出グループを新たな演出グループとして設定する。なお、前記操作有効期間は、最後のラウンド遊技が終了する際に、終了するように構成されている。
また、図4(b)に示すように、演出制御用CPU31aは、グループ対応パターンに基づく変動ゲームが大当りとなった場合に、エンディングコマンドを入力すると、最後のラウンド遊技で設定された演出グループに基づき、エンディング演出の演出内容を決定する。そして、演出制御用CPU31aは、決定した演出内容でエンディング演出を実行させる。具体的には、演出制御用CPU31aは、新たに設定された演出グループを特定可能な演出内容のエンディング演出を実行させる。そして、大当り遊技を終了させる。
ちなみに、グループ対応パターン以外の変動パターンに基づく変動ゲームが大当りとなった場合、当該変動ゲーム終了後に付与される大当り遊技における大当り遊技演出の演出内容は、設定されている演出グループとは関係ない、所定の演出内容で大当り遊技演出が実行されるようになっている。すなわち、大当り遊技演出の演出内容は、当該大当り遊技が付与される変動ゲームの演出内容とその内容が継続しないようになっており、大当り遊技演出内で、演出が独立して完結するように構成されている。
以上により、本実施形態では、演出制御用CPU31aが、演出内容決定手段となる。また、演出制御用CPU31aが、演出制御手段となる。また、演出制御用CPU31aが、設定手段となる。また、演出制御用CPU31aが、特定遊技内容決定手段となる。また、主制御用CPU30aが、当り判定手段となる。また、主制御用CPU30aが、変動パターン決定手段となる。また、主制御用CPU30aが、特定遊技付与手段となる。
次に、図5に基づき、ストーリー演出が実行される場合の遊技演出の演出態様についてその作用と共に説明する。
まず、グループ対応パターンに基づく変動ゲームがはずれとなる場合について説明する。なお、図5では、味方キャラクタCA1が敵キャラクタCA2と対決する内容の第1ストーリー演出が実行されるものとする。また、ここでは、予告演出Y12が演出内容に含まれるシナリオSC14に基づき、実行されるものとする。
図5(a)に示すように、演出表示装置13において、第1ストーリー演出のシナリオSC14に基づき、変動ゲームが開始されると、味方キャラクタCA1と敵キャラクタCA2が表示され、対決が開始されることが示される。
図5(b)に示すように、その後、演出表示装置13において、第1ストーリー演出のシナリオSC14に基づき、予告演出Y12が実行される。これにより、当り期待度を予測することができる。
図5(c)に示すように、演出表示装置13において、リーチの図柄組み合わせが停止表示され、第1ストーリー演出のシナリオSC14に基づき、第1リーチ演出が開始される。その際、演出表示装置13では、味方キャラクタCA1が敵キャラクタCA2に攻撃されるという危機が表示される。
図5(d)に示すように、演出表示装置13において、第1ストーリー演出のシナリオSC14に基づき、味方キャラクタCA1がそのまま倒れ、敗北する内容で第1ストーリー演出が中断され、バッドエンドで終了する。それに伴い、はずれの図柄組み合わせが停止表示される。
次に、グループ対応パターンに基づく変動ゲームが大当りとなる場合について説明する。ここでは、予告演出Y12が演出内容に含まれるシナリオSC13に基づき、実行されるものとする。
図5(a)に示すように、演出表示装置13において、第1ストーリー演出のシナリオSC13に基づき、変動ゲームが開始されると、味方キャラクタCA1と敵キャラクタCA2が表示され、対決が開始されることが示される。
図5(b)に示すように、その後、演出表示装置13において、第1ストーリー演出のシナリオSC13に基づき、予告演出Y12が実行される。これにより、当り期待度を予測することができる。
図5(c)に示すように、演出表示装置13において、リーチの図柄組み合わせが停止表示され、第1ストーリー演出のシナリオSC13に基づき、第1リーチ演出が開始される。その際、演出表示装置13では、味方キャラクタCA1が敵キャラクタCA2に攻撃されるという危機が表示される。ここまでの演出内容は、はずれとなるシナリオSC14と同じであるため、遊技者に、どのような結末となるのかについて注目させることができる。
図5(e)に示すように、演出表示装置13において、第1ストーリー演出のシナリオSC13に基づき、味方キャラクタCA1が攻撃に耐えて倒れないことが表示される。これにより、第1ストーリー演出が終了せずに、継続することを遊技者は認識できる。その一方で、演出表示装置13では、大当りの図柄組み合わせが停止表示され、変動ゲームが終了する。
図5(f)に示すように、大当り遊技が開始されると、演出表示装置13において、演出グループG1(第1ストーリー演出)に対応するオープニング演出が実行される。すなわち、演出表示装置13において、味方キャラクタCA1が敵キャラクタCA2を攻撃する内容の表示が行われる。これにより、第1ストーリー演出が継続していることを認識できる。
図5(g)に示すように、その後、1回目のラウンド遊技において、演出表示装置13では、演出グループG1(第1ストーリー演出)に対応する1回目のラウンド演出が実行される。すなわち、演出表示装置13において、敵キャラクタCA2が倒れ、味方キャラクタCA1が勝利して、第1ストーリー演出が完結する内容の表示が行われる。これにより、遊技者は、変動ゲームから開始された第1ストーリー演出がハッピーエンドで完結したことを認識できる。
そして、図6に示すように、当該大当り遊技の最終ラウンドのラウンド遊技において、演出表示装置13では、選択演出が実行される。
具体的には、図6(a)に示すように、3種類の演出グループG1〜G3を示す選択画像SGを3つ並べるように表示する。また、操作ボタンBTの操作有効期間が開始すると、操作ボタンBTの操作が有効となったことが報知される。
そして、図6(b)に示すように、操作有効期間中に、操作ボタンBTからボタン検知信号が入力される毎に、選択対象の選択画像SGを示す選択カーソルSKが移動する。そして、操作有効期間が終了したときに、選択カーソルSKが示す選択画像SGが選択対象として最終的に決定され、当該選択画像SGが示す演出グループが選択される。そして、選択された演出グループが新たな演出グループとして設定される。
図6(c)に示すように、エンディング演出において、演出表示装置13では、新たに設定された演出グループを報知する内容の表示が行われる。これにより、遊技者に、新たなストーリー演出についての興味を持たせ、大当りさせたいと思わせることができる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)演出グループ(ストーリー演出)に基づき演出内容が決定される変動ゲームにおいて、大当りとならない限り、演出グループの設定は、変更されない。このため、設定された演出グループに基づき、はずれ(バッドエンド)となるシナリオの変動ゲームを見て、大当り(ハッピーエンド)となるシナリオが気になる場合であっても、演出グループは変更されない。このため、遊技を継続すれば、設定されている遊技者が気になる演出グループ(ストーリー演出)に基づき、大当りとなるシナリオの変動ゲームを見ることができる。
すなわち、遊技を継続すれば、設定されている演出グループに基づき演出内容が決定される変動ゲームにおいて、大当りとなるシナリオの変動ゲームを楽しむことができる。また、本実施形態によれば、変動ゲームがはずれとなるときであっても演出グループが変更される場合と比較して、見たいと思わせた大当りとなるシナリオをより早く出現させ、すっきりさせることができる。同様に、ストーリー演出以外の演出内容の変動ゲームが大当りとなるときであっても演出グループが変更される場合と比較して、本実施形態の方が、見たいと思わせた大当りとなるシナリオを早く出現させ、すっきりさせることができる。
(2)演出グループ(ストーリー演出)に基づき演出内容が決定される変動ゲームが大当りとなる場合、当該変動ゲームに係わる演出内容と、大当り遊技に係わる演出内容が一繋がりのストーリー性を有するように、設定された演出グループに基づき、大当り遊技演出の演出内容が決定される。このため、設定された演出グループに基づき、大当りとなるシナリオのストーリー演出をより遊技者に見たいと思わせることができる。
(3)ストーリー演出以外の演出内容に基づき、変動ゲームが大当りとなった場合、変動ゲームに係わる演出内容と大当り遊技に係わる演出内容が一繋がりのストーリー性を有さないようにした。そして、この場合において、新たな演出グループも設定されないようにした。このため、設定された演出グループ(ストーリー演出)以外の演出内容に基づく変動ゲームが大当りとなった場合でも、引き続き、設定されている演出グループ(ストーリー演出)に基づく変動ゲームが大当りとなるシナリオを遊技者に見たいと思わせることができる。
(4)演出グループに基づき、ストーリー演出のシナリオが決定される際、同じ演出グループ内であっても、演出内容と共に、当り期待度が異なるようになっている。つまり、シナリオの内容(予告演出の種類)により当り期待度を異ならせている。このため、同じ演出グループに基づき、変動ゲームの演出内容が決定された場合であっても、演出内容(予告演出の種類)の違いに注目させ、当り期待度がどのようであるかについて予測させることができる。
(5)設定された演出グループ(ストーリー演出)に基づき演出内容が決定された変動ゲームが大当りとなる場合、当該演出グループに対応する演出内容で大当り遊技演出を実行させることができる。これにより、変動ゲームに係わる演出時間と、大当り遊技に係わる演出時間の合計時間内において、一繋がりのストーリー性を有する演出内容の遊技演出を実行させる時間を確保することも可能となる。このため、ストーリーを展開するための十分な時間を確保することができ、遊技演出を楽しませることができる。また、ある演出グループが設定されているときに、変動ゲームが大当りとなった場合、その演出グループ専用のストーリーを完結させることができるという喜びを与えることができる。また、変動ゲームの終了時に、遊技者の興味が一旦途切れてしまうことがなくなる。
(6)演出グループに基づき演出内容が決定された変動ゲームが大当りとなる場合、大当り遊技演出中に新たに設定される演出グループを報知する演出を実行させるようにした。これにより、変動ゲームが大当りとなり、大当り遊技中にストーリーが完結した場合でも、当該大当り遊技中に次の演出グループ(ストーリー)が設定され、その旨が報知される。このため、大当り遊技の終了後においても、次の演出グループに基づく演出内容(ストーリー)について興味を持たせることができる。そして、次の演出グループに基づくストーリーは、大当りとならなければ完結しないため、次の大当りが付与されるまで遊技を継続する意欲を持たせることができる。
すなわち、前回の大当り遊技からストーリーが開始されて、今回の大当り遊技でストーリーが完結するまで、ストーリーが一繋がりとなり、遊技者を継続的に楽しませることができる。なお、途中に設定された演出グループ(ストーリー演出)以外の演出内容に基づく変動ゲームが大当りとなった場合でも、引き続き同じ演出グループが設定されるため、ストーリーを繋げることができる。
(7)演出グループは、選択演出において、操作ボタンBTが操作されることにより選択可能に構成されている。これにより、遊技者が気になる演出グループ(ストーリー演出)を設定することができ、遊技の興趣を向上することができる。
(8)大当り遊技の終了後、ストーリー演出モード中のみ、ストーリー演出が実行されうる。このため、どうような演出モードが設定されているかについて注目させることができる。また、ストーリー演出モード終了後に設定されるチャンス演出モードが終了するまで、演出グループが維持される。このため、チャンス演出モード中に大当り遊技が付与されて、ストーリーが継続することを期待させることができる。また、演出モード毎に、変動パターンの振分け及び種類を変更するため、遊技者を飽きさせることがない。また、予め設定期間が決められているストーリー演出モード中のみ、ストーリー演出が実行されうるため、遊技者に緊張感を与え、ストーリー演出の実行時により注目させることができる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態では、最終ラウンドのラウンド遊技中に、新たな演出グループを設定できるようになっていたが、ストーリー演出を伴う変動ゲームの終了後に設定を変更するならば、何時変更しても良い。例えば、オープニング演出、エンディング演出、又は最終ラウンドよりも前のラウンド遊技中でもよく、大当り遊技終了後に実行される変動ゲームやデモ演出中などに変更しても良い。
・上記実施形態では、ストーリー演出を伴う変動ゲームが大当りとなったときに限り、演出グループの設定が変更されたが、ストーリー演出を伴わなくても、変動ゲームが大当りとなった場合には、演出グループの設定を変更しても良い。
・上記実施形態では、主制御用CPU30aが、演出モードを設定していたが、演出制御用CPU31aが演出モードを設定するようにしてもよい。この場合、主制御用CPU30aにより決定された変動パターンに基づき、演出制御用CPU31aが、設定されている演出モードに応じて、変動ゲームの具体的な演出内容を変更することとなる。
・上記実施形態では、各演出モードの設定期間は、任意に変更しても良い。例えば、付与されている遊技状態に応じて演出モードを変更するようにしてもよい。具体的には、始動入賞口へ遊技球が入球する確率が向上する入球率向上状態又は大当り判定の判定確率が高確率となる確変状態が付与されているときにストーリー演出モードが設定されるようにしてもよい。
・上記実施形態において、演出モードの設定順序は任意に変更しても良い。また、演出モードの種類も任意に変更しても良い。また、各演出モードにおける変動パターンの振分けを任意に変更しても良い。また、演出モードの設定方法も任意に変更してもよい。上記実施形態では、大当り遊技終了後に実行された変動ゲーム数に基づき、演出モードを変更していたが、抽選で変更するようにしても良い。この場合、演出制御用CPU31aが演出モードの管理、変更を行うことが望ましい。
・上記実施形態において、初期設定となる演出グループを設定するタイミングは、任意に変更しても良い。例えば、ストーリー演出モード終了時に初期設定となる演出グループを設定するようにしてもよい。
・上記実施形態では、同じ演出グループ(ストーリー演出)に対応するシナリオであれば、途中まで演出内容を同じとしたが、一部が同じであるならば、シナリオ間の相違を任意に設定してもよい。例えば、同じ演出グループであってもリーチ演出を変更してもよい。
・上記実施形態では、大当りとなるストーリー演出を伴う変動ゲームに係わる演出内容と、その後に付与される大当り遊技演出の演出内容は、一繋がりのストーリー性を有していたが、繋がっていなくても良い。例えば、変動ゲーム内において、ストーリーが完結しても良い。
・上記実施形態では、大当りとなるストーリー演出を伴う変動ゲームに係わる演出内容は、1ラウンド目のラウンド遊技が行われるまで、一繋がりのストーリー性を有していたが、1ラウンド目のラウンド遊技が行われるまでに限定する必要はない。例えば、オープニング演出やエンディング演出まで一繋がりのストーリー性を有してもよく、所定のラウンド遊技(例えば、最終ラウンド)まで一繋がりとしても良い。
・上記実施形態では、1つの演出グループにおいて、演出内容の一部(予告演出)が異なる複数のシナリオが用意されていたが、用意しなくても良い。すなわち、最終的な表示結果が異なる以外は、同じ演出内容のシナリオだけを用意しても良い。
・上記実施形態では、はずれとなった場合には、演出グループの設定を変更しなかったが、変更する場合があっても良い。例えば、所定回数同じストーリー演出ではずれとなった場合には、演出グループ(ストーリー)の設定を変更できるようにしても良い。
・上記実施形態において、ストーリー演出中、変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する大当り予告を実行させたが、それ以外の期待度を示唆する予告演出、例えば、特別状態(当り確率が高確率となる確変状態や始動入賞口14への入球確率が高確率となる入球率向上状態など)が付与される確率を示唆する予告演出でも良い。
・上記実施形態において、ストーリー演出(演出グループ)の種類は、3種類であったが、任意に変更しても良い。
・上記実施形態において、ストーリー演出の違いにより、当り期待度を異ならせていなかったが、異ならせても良い。例えば、大当り抽選の当選確率が高確率となるときに限り設定可能な演出グループ(ストーリー演出)が存在しても良い。
・上記実施形態において、エンディング演出において、新たに設定された演出グループを報知したが、報知しなくても良い。また、エンディング演出以外のタイミングで報知するようにしてもよい。例えば、大当り遊技終了後、1回目の変動ゲームにおいて報知してもよい。
・上記実施形態において、新たに設定される演出グループ(ストーリー演出)の種類は選択演出により選択可能となっていたが、他の方法により設定してもよい。例えば、抽選により新たに設定される演出グループ(ストーリー演出)を決定しても良い。また、例えば、実行させるストーリー演出の順番を予め決めておき、順番に従って、演出グループ(ストーリー演出)を設定するように構成しても良い。
・上記実施形態において、新たに設定される演出グループを報知する演出では、ストーリーのあらすじや、演出内容の一部を紹介したり、どのような状況となれば大当りとなるかを説明したり、完結する際の条件などを説明したりしてもよい。これにより、遊技者に興味を持たせることができる。また、新たに設定される演出グループを報知する演出は、大当り遊技のエンディング演出中に限らず、大当り遊技終了後の変動ゲーム中や、選択演出中(演出グループを選択する際)などに実行させても良い。
・上記実施形態において、予告演出は、各ストーリー演出の演出内容に関連性のあるものとし、ストーリー演出を異ならせることにより、予告演出の演出内容、実行タイミング、種類などを任意に変更しても良い。ストーリー演出の演出内容に関連性のある予告演出とは、ストーリーの中に予め組み込まれている演出のことである。例えば、ストーリーの内容がキャラクタの対決である場合には、使用する武器などのアイテムを出現させる予告演出のことであり、期待度に応じてアイテムを異ならせるようにしている。
・上記実施形態において、選択演出では、操作有効期間中、操作ボタンBTが操作される毎に、選択対象となる演出グループが変更されるようになっていたが、選択演出における選択態様は、任意に変更しても良い。例えば、操作ボタンBTを十字キーとして選択カーソルSKを任意に移動させることができるようにしたり、選択カーソルSKを所定時間毎に移動させ、操作ボタンBTが操作されたタイミングで、選択対象となる選択画像SGが選択されるような態様にしても良い。また、選択カーソルSKを高速移動させることにより、選択カーソルSKの対象となる選択画像SGを予め決められた順番で、順次変更させ、操作ボタンBTが操作されたタイミングで選択カーソルSKの対象となっていた選択画像SGが選択されるようにしてもよい。また、操作ボタンBTが操作されたことを契機に、ランダムに選択カーソルSKの対象となる選択画像SGが選択されるようにしてもよい。
・上記実施形態では、パチンコ遊技機に採用したが、パチンコ式スロットマシン(回胴式遊技機、以下、スロット)にて実現させても良い。なお、スロットは、遊技者が開始操作手段(スタートレバー)の操作を行うことを契機に、図柄が配列された複数の回動体(リール)が変動開始すると共に、変動ゲームの当否に関連した当否判定を行うものである。そして、スロットでは、リールの回転後、各リールに対応して設けられた停止操作手段(ストップボタン)の操作を契機に、当否判定に基づく図柄停止処理が実行され、停止した図柄の組み合わせにより遊技価値(賞メダルなど)が付与されるものである。
また、スロットに採用した場合、演出表示装置13において必ずしも、飾り図柄変動ゲームを実行させる必要はなく、当否判定の結果を示唆する演出ゲームなどの演出表示を行っていればよい。なお、スロットにおける特定遊技とは、例えば、所定の当否判定の結果(所定の成立役)が成立しやすくなる状態(所謂、リプレイタイムなど)や、所定の図柄組み合わせ(遊技価値を付与する所定の組み合わせ)を停止させやすくする状態(所謂、アシストタイムなど)のことである。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)上記遊技機において、遊技者により操作可能な操作手段を備え、前記演出グループは、前記操作手段が操作されることにより選択可能に構成されているようにしてもよい。
(ロ)上記遊技機において、前記当り判定手段により変動ゲームが当りとなると判定された場合であって、前記演出グループに基づき変動ゲームに係わる演出内容が決定された場合に、前記設定手段は、当りとなる変動ゲームの終了後、前記演出グループの設定を変更することができるようにしてもよい。
(ハ)変動ゲームが当りとなるか否かを判定する当り判定手段と、前記当り判定手段の判定結果に基づき、変動ゲームに係わる遊技演出の演出内容を決定する演出内容決定手段と、変動ゲームが当りとなったとき、特定遊技を付与する特定遊技付与手段と、前記特定遊技に係わる遊技演出の演出内容を決定する特定遊技内容決定手段と、前記演出内容決定手段が決定した演出内容に基づき、変動ゲームに係わる遊技演出を実行させると共に、前記特定遊技内容決定手段が決定した演出内容に基づき、特定遊技に係わる遊技演出を実行させるように演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記特定遊技内容決定手段は、前記当り判定手段により変動ゲームが当りとなると判定された場合、当該変動ゲームに係わる演出内容と特定遊技に係わる演出内容が一繋がりのストーリー性を有するように、前記特定遊技に係わる演出内容を決定することを特徴とする遊技機。