<第1の実施の形態>
図1を用いて、本発明の第1の実施の形態における電子機器1000の詳細な構成を説明する。図1は、電子機器1000の構成を示すブロック図である。
説明の便宜上、電子機器1000の構成を説明する前に、まず、図1を用いて、USB(Universal Serial Bus)充電器2000、AC(Alternating Current)アダプタ3000について説明する。
図1に示されるように、USB充電器2000は、後述するUSBコネクタ100に挿抜可能に接続される。USB充電器2000は、USBインターフェースを有するUSB規格に準じたUSB機器であり、USB機器の種別を識別するための信号を扱う端子であるID端子(不図示)と、通信を行うための信号を扱う端子であるD+/D−端子(不図示)と、電力入出力用の端子であるVUSB端子(不図示)とを有している。USB充電器2000は、D+/D−端子が短絡されている給電機能を有する充電専用のUSB機器である。なお、USB充電器2000であるUSB充電器は、本発明の外部電源に相当する。
図1に示されるように、ACアダプタ3000は、コンセント4000と後述する端子コネクタ200に挿抜可能に接続される。ACアダプタ3000は、コンセント4000から入力される交流電力を受け、直流電力に変換し、ACアダプタ3000のVAC端子(不図示)を介して、接続された端子コネクタ200に電力を供給する。なお、ACアダプタ3000は、本発明の外部電源に相当する。
次に、図1を用いて、電子機器1000の詳細な構成を説明する。
図1に示されるように、電子機器1000は、USBコネクタ100と、端子コネクタ200と、全体制御部300と、第1及び第2の充電部400、500と、蓄電池部600と、第1及び第2の温度測定部700、800とを有している。
図1に示されるように、USBコネクタ100は、ID端子、D+/D−端子、VUSB端子を有している。ID端子は、電子機器1000内のVCC電源(不図示)に抵抗1100でプルアップされている。また、USBコネクタ100は、全体制御部300とスイッチ900a、900bとにそれぞれ接続されている。また、USBコネクタ100には、USB充電器2000が挿抜可能に接続される。なお、USBコネクタ100のID端子、D+/D−端子、VUSB端子の各々は、USB充電器2000のID端子、D+/D−端子、VUSB端子の各々とにそれぞれ接続される。
USB充電器2000がUSBコネクタ100に接続されると、USB充電器2000の電力が、USBコネクタ100のVUSB端子を介して、第1の充電部400や第2の充電部500に供給される。また、USB充電器2000の電力は、USBコネクタ100のVUSB端子を介して、全体制御部300に出力される。
なお、図1では、USBコネクタ100のVUSB端子を介して出力される電力の電流値を、IUSB1で示している。
なお、IUSB1は、後述する全体制御部300により、USB充電器2000により供給される電力の電流値以内となるように制御される。なお、USBコネクタ100は、本発明の第1の接続部に相当する。
図1に示されるように、端子コネクタ200は、全体制御部300とスイッチ900c、900dとにそれぞれ接続されている。また、ACアダプタ3000が端子コネクタ200に接続されると、ACアダプタ3000の電力が、端子コネクタ200のVAC端子を介して、第1の充電部400や第2の充電部500に供給される。
また、ACアダプタ3000の電力は、端子コネクタ200のVAC端子を介して、全体制御部300に出力される。なお、図1では、端子コネクタ200より出力される電力の電流値を、IAC1で示している。なお、IAC1は、後述する全体制御部300により、ACアダプタ3000により供給される電力の電流値以内となるように制御される。なお、端子コネクタ200は、本発明の第2の接続部に相当する。
図1に示されるように、全体制御部300は、USBコネクタ100と、端子コネクタ200と、第1及び第2の充電部400、500と、第1及び第2の温度測定部700、800と、スイッチ900a〜900dとにそれぞれ接続されている。全体制御部300は、電子機器1000の全体を制御する。また、全体制御部300は、検出部310と接続設定部320と電流制御部330とを含んで構成されている。
検出部310は、USBコネクタ100及び端子コネクタ200の各々に、外部電源であるUSB充電器2000及びACアダプタ3000がそれぞれ接続されたことを検出する。
接続設定部320は、検出部310の検出結果に基づいて、USBコネクタ100及び端子コネクタ200と第1及び第2の充電部400、500との接続を設定する。なお、具体的な接続設定は、後の動作説明中に示す。
電流制御部330は、後述する第1及び第2の温度測定部700、800の各々の測定結果に基づいて、第1及び第2の充電部400、500の各々により出力される電力を、第1及び第2の充電部400、500の各々により出力される第1及び第2の電流値(図中IUSB2、IAC2)を増減することにより、変動させる制御を、第1及び第2の充電部400、500に対して行う。なお、具体的な制御内容は、後の動作説明中に示す。
図1に示されるように、第1の充電部400は、全体制御部300と蓄電池部600と第1の温度測定部700とスイッチ900a、900cとにそれぞれ接続されている。なお、前述したように、図1では、第1の充電部により出力される電力の電流値を、IUSB2で示している。
第1の充電部400は、全体制御部300に制御され、外部電源であるUSB充電器2000から供給される電力を受け、この電力を蓄電池部600に出力することにより、蓄電池部600を充電する。このとき、第1の充電部400は、USB充電器2000又はACアダプタ3000により供給される電力の電圧値を、蓄電池部600の電圧値に対応する電圧値に変圧する。蓄電池部600が、例えば、1セルのリチウムイオン電池の場合、第1の充電部400は、USB充電器2000により供給される電力の電圧値を、4.2Vに変圧し、蓄電池部600に出力する。
図1に示されるように、第2の充電部500は、全体制御部300と蓄電池部600と第2の温度測定部800とスイッチ900b、900dとにそれぞれ接続されている。なお、前述したように、図1では、第2の充電部により出力される電力の電流値を、IAC2で示している。
第2の充電部500は、全体制御部300に制御され、外部電源であるACアダプタ3000から供給される電力を受け、この電力を蓄電池部600に出力することにより、蓄電池部600を充電する。このとき、第2の充電部500は、USB充電器2000又はACアダプタ3000により供給される電力の電圧値を、蓄電池部600の電圧値に対応する電圧値に変圧する。
図1に示されるように、蓄電池部600は、第1及び第2の充電部400、500とに互いに接続されている。蓄電池部600は、例えば、リチウムイオン二次電池等の充電可能な電池である。
図1に示されるように、第1の温度測定部700は、第1の充電部400と全体制御部300とにそれぞれ接続されている。また、図1に示されるように、第2の温度測定部800は、第2の充電部500と全体制御部300とに互いに接続されている。第1及び第2の温度測定部700、800は、第1及び第2の充電部400、500の温度である第1及び第2の温度を測定し、これらを全体制御部300へ出力する。
なお、ここでは、第1の温度測定部700は、第1の充電部400を構成する第1の充電部側電子部品等(不図示)が配置される基板(不図示)周辺の温度である第1の温度を測定している。同様に、ここでは、第2の温度測定部800は、第2の充電部500を構成する第2の充電部側電子部品等(不図示)が配置される基板周辺の温度である第2の温度を測定している。
しかしながら、第1及び第2の温度測定部700、800は、第1及び第2の充電部側電子部品等に設置され、第1及び第2の充電部側電子部品等の表面温度を直接測定することにより、第1及び第2の温度を測定してよい。
図1に示されるように、スイッチ900a〜900dは、全体制御部300に接続されている。また、スイッチ900a〜900dは、全体制御部300の接続設定部320に制御される。スイッチ900aは、USBコネクタ100と第1の充電部400を接続する。スイッチ900bは、USBコネクタ100と第2の充電部500を接続する。スイッチ900cは、端子コネクタ200と第1の充電部400を接続する。スイッチ900dは、端子コネクタ200と第2の充電部500を接続する。
ここで、図2を用いて、電子機器1000における検出部310の検出結果と接続設定部320の接続設定との対応関係について説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態における電子機器1000の検出部310の検出結果と接続設定部320の接続設定との対応関係を示す図である。
図2に示す(1)では、検出部310が、USBコネクタ100及び端子コネクタ200に何も接続されていないことを検出している場合を示している。この場合、接続設定部320は、スイッチ900a及び900dをONとし、スイッチ900b及び900cをOFFとする。これにより、USBコネクタ100と第1の充電部400が接続され、端子コネクタ200と第2の充電部500が接続される。
図2に示す(2)では、検出部310が、USB充電器2000がUSBコネクタ100に接続され、更にACアダプタ3000が端子コネクタ200に接続されていないことを検出した場合を示している。この場合、接続設定部320は、スイッチ900a、900bをONとし、スイッチ900c、900dをOFFとする。これにより、USBコネクタ100は、第1及び第2の充電部400、500に接続される。従って、USB充電器2000から供給される電力が、USBコネクタ100、スイッチ900a及び900bを介して、第1及び第2の充電部400、500に出力され、蓄電池部600に供給される。
図2に示す(3)では、検出部310が、ACアダプタ3000が端子コネクタ200に接続され、更にUSB充電器2000がUSBコネクタ100に接続されていないことを検出した場合を示している。この場合、接続設定部320は、スイッチ900a、900bをOFFとし、スイッチ900c、900dをONとする。これにより、端子コネクタ200は、第1及び第2の充電部400、500に接続される。従って、ACアダプタ3000から供給される電力が、端子コネクタ200、スイッチ900c及び900dを介して、第1及び第2の充電部400、500に出力され、蓄電池部600に供給される。
図2に示す(4)では、検出部310が、USB充電器2000であるUSB充電器がUSBコネクタ100に接続され、ACアダプタ3000が端子コネクタ200に接続されたことを検出した場合を示している。この場合、接続設定部320は、スイッチ900a、900dをONとし、スイッチ900b、900cをOFFとする。これにより、USBコネクタ100と第1の充電部400が接続され、端子コネクタ200と第2の充電部500が接続される。
従って、USB充電器から供給される電力が、USBコネクタ100、スイッチ900aを介して、第1の充電部400に出力され、蓄電池部600に供給される。また、ACアダプタ3000から供給される電力が、端子コネクタ200、スイッチ900dを介して、第2の充電部500に出力され、蓄電池部600に供給される。
次に、図3〜5を用いて、本発明の第1の実施の形態における電子機器1000の充電方法について詳細に説明する。図3〜5は、本発明の第1の実施の形態における電子機器1000の動作フローを示す図である。
まず、図3に示されるように、検出部310が、USBコネクタ100、端子コネクタ200の各々にUSB充電器2000、ACアダプタ3000が接続されたことを検出する(ステップ(以下、Sとする)100)。
なお、USBコネクタ100、端子コネクタ200の各々にUSB充電器2000、ACアダプタ3000が接続されていない場合、すなわち図2で示した(1)の場合、S100の処理を繰り返す。
次に、図3に示されるように、接続設定部320が、S100で検出部310により検出された検出結果に基づいて、USBコネクタ100及び端子コネクタ200と第1及び第2の充電部400、500との接続を設定する(S110)。なお、検出部310の検出結果と接続設定部320の接続設定との対応関係については、図2を用いて説明した通りである。
このとき、電流制御部330は、第1及び第2の電流値IUSB2、IAC2の初期値を設定する。具体的には、電流制御部330は、第1の温度が、第2の温度よりも高い場合には、第1の電流値IUSB2を、第2の電流値IAC2よりも小さくなるように、第1の充電部400を制御する。一方、電流制御部330は、第2の温度が、第1の温度よりも高い場合には、第2の電流値IAC2を、第1の電流値IUSB2よりも小さくなるように、第2の充電部500を制御する。
しかしながら、電流制御部330は、上記に限らず、例えば、第1及び第2の充電部400、500が配置される基板の放熱特性から、第1及び第2の電流値IUSB2、IAC2の初期値を設定してもよい。
なお、このとき、電流制御部330は、図2で示した(2)の場合には、USB規格に準じた充電電流を超過しないように、IUSB2+IAC2=IUSB1とし、(3)の場合には、IUSB2+IAC2=IAC1とし、(4)の場合には、IUSB2=IUSB1及びIAC2=IAC1となるように、IUSB2及びIAC2の初期値を設定して制御する。
次に、第1及び第2の充電部400、500が、電力を蓄電池部600に出力することにより、蓄電池部600を充電する(S120)。
次に、図2で示した(2)、(3)の場合には、S130A以降の処理を行い、図2で示した(4)の場合には、S130B以降の処理を行う。
まず、図4を用いて、図2で示した(2)、(3)の場合であるS130A以降の処理について説明する。
図4に示されるように、S120の処理の後、電流制御部330は、第1の温度>閾値Aであるか否かを判断する(S130A)。なお、閾値Aは、予め設定される所定の閾値である。所定の閾値Aは、例えば、第1の充電部側電子部品等の耐熱限界温度等から設定される。
次に、S130Aの処理において、電流制御部330は、第1の温度>閾値Aである場合(S130A、YES)、第2の温度>閾値Bであるか否かを判断する(S140A)。なお、閾値Bは、予め設定される所定の閾値である。所定の閾値Bは、例えば、第2の充電部側電子部品等の耐熱限界温度等から設定される。
そして、S140Aの処理の後、電流制御部330は、第2の温度>閾値Bである場合(S140A、YES)、第1及び第2の電流値IUSB2、IAC2を共に減少させる(S160A)。ここでは、電流制御部330は、所定の電流値単位(例えば、10mA)でIUSB2、IAC2を共に減少させる。なお、電流制御部330は、所定の電流値単位でなく、任意の値でIUSB2、IAC2をそれぞれ減少させてもよい。
また、S140Aの処理の後、電流制御部330は、第2の温度>閾値Bでない場合(S140A、NO)、IUSB2を減少させ、IAC2をIUSB2の減少分だけ増加させる(S170A)。なお、ここでは、前述したように、電流制御部330は、所定の電流値単位でIUSB2を減少させる。
一方、S130Aの処理において、電流制御部330は、第1の温度>閾値Aでない場合(S130A、NO)、第2の温度>閾値Bであるか否かを判断する(S150A)。
そして、S150Aの処理の後、電流制御部330は、第2の温度>閾値Bである場合(S150A、YES)、IUSB2を増加させ、IAC2をIUSB2の増加分だけ減少させる(S180A)。ここでは、電流制御部330は、所定の電流値単位(例えば、10mA)でIUSB2を増加させる。なお、電流制御部330は、所定の電流値単位でなく、任意の値でIUSB2を増加させてもよい。
また、S150Aの処理の後、電流制御部330は、第2の温度>閾値Bでない場合(S150A、NO)、IUSB2、IAC2を共に増加させる。なお、ここでは、前述したように、電流制御部330は、所定の電流値単位で、IUSB2、IAC2をそれぞれ増加させる。
なお、S160A〜S190Aの処理において、電流制御部330は、IUSB2及びIAC2の合計が、予め設定された所定の電流値以下になるように、IUSB2及びIAC2を増減する。
具体的には、図2で示した(2)の場合、電流制御部330は、USB規格に準じた充電電流を超過しないように、すなわち、IUSB2+IAC2≦IUSB1となるように、IUSB2及びIAC2を制御する。また、図2で示した(3)の場合、電流制御部330は、ACアダプタ3000から引っ張り込み可能な充電電流以下となるように、すなわち、IUSB2+IAC2≦IAC1となるように、IUSB2及びIAC2を制御する。
なお、S160A〜S190Aの処理の後、図4に示されるように、電流制御部330は、所定の時間ごとに、S130A〜S190Aの処理を繰り返し行ってもよい(S200A)。
次に、図2で示した(4)の場合であるS130B以降の処理について説明する。
図5に示されるように、S120の処理の後、電流制御部330は、第1の温度>閾値Aであるか否かを判断する(S130B)。電流制御部は、第1の温度>閾値Aである場合(S130B、YES)には、IUSB2を減少させ(S140B)、第1の温度>閾値Aでない場合(S130B、NO)には、IUSB2を増加させる(S150B)。なお、ここでは、前述したように、電流制御部330は、所定の電流値単位で、IUSB2を増減させる。
最後に、電流制御部330は、第2の温度>閾値Bであるか否かを判断する(S160B)。電流制御部は、第2の温度>閾値Bである場合(S160B、YES)には、IAC2を減少させ(S170B)、第2の温度>閾値Bでない場合(S160B、NO)には、IAC2を増加させる(S180B)。なお、ここでは、前述したように、電流制御部330は、所定の電流値単位で、IUSB2を増減させる。
なお、電流制御部330は、S140B、S150Bの処理においては、IUSB2≦IUSB1となるように制御し、S170B、S180Bの処理においては、IAC2≦IAC1となるように制御する。
なお、S170B、S180Bの処理の後、図5に示されるように、電流制御部330は、所定の時間ごとに、S130B〜S180Bの処理を繰り返し行ってもよい(S190B)。
次に、第1の実施の形態の変形例として、USB充電器2000に加え、USB機器であるホスト機器2000a(不図示)又はデバイス機器2000b(不図示)が、USBコネクタ100に接続される場合における電子機器1000の構成及び動作について、説明する。
ホスト機器2000a及びデバイス機器2000bは、前述したUSB充電器2000と同様に、USBインターフェースを有するUSB規格に準じたUSB機器であり、USB機器の種別を識別するための信号を扱う端子であるID端子と、通信を行うための信号を扱う端子であるD+/D−端子と、電力入出力用の端子であるVUSB端子とを有している。
ホスト機器2000aは、ID端子がGND接続されているパーソナルコンピュータ等の給電機能を有するUSB機器である。すなわち、ホスト機器2000aは、給電機能を有するので、USB充電器2000と同様に、本発明の外部電源に相当する。
また、デバイス機器2000bは、ID端子がOpenとされているUSBメモリ等の給電機能を有しないUSB機器である。
電子機器1000の検出部310は、USB充電器2000に加えて、上述したホスト機器2000a又はデバイス機器2000bが、USBコネクタ100に接続される場合、USBコネクタ100に接続されたUSB機器の種別を判断する機能を更に有する。
すなわち、検出部310は、USBコネクタ100に接続されたUSB機器が、D+/D−端子が短絡されている場合にはUSB充電器2000と判断し、ID端子がGND接続されている場合にはホスト機器2000aと判断し、ID端子がOpenとされている場合にはデバイス機器2000bであると判断する。
ここで、図2と同様に、図6を用いて、ホスト機器2000a又はデバイス機器2000bが、USBコネクタ100に接続される場合における、検出部310の検出結果と接続設定部320の接続設定との対応関係について説明する。図6は、本発明の第1の実施の形態における電子機器1000の変形例の検出部310の検出結果と接続設定部320の接続設定との対応関係を示す図である。
図6に示す(5)では、検出部310が、ホスト機器2000aがUSBコネクタ100に接続され、更にACアダプタ3000が端子コネクタ200に接続されていないことを検出した場合を示している。この場合、接続設定部320は、スイッチ900a、900dをONとし、スイッチ900b、900cをOFFとする。これにより、USBコネクタ100と第1の充電部400とが互いに接続される。
図6に示す(6)では、検出部310が、ホスト機器2000aがUSBコネクタ100に接続され、ACアダプタ3000が端子コネクタ200に接続されたことを検出した場合を示している。この場合、接続設定部320は、スイッチ900a、900bをOFFとし、スイッチ900c、900dをONとする。すなわち、図2で示した(3)の場合と同様の接続設定となる。
図6に示す(7)では、検出部310が、デバイス機器2000bがUSBコネクタ100に接続され、更にACアダプタ3000が端子コネクタ200に接続されていないことを検出した場合を示している。この場合、接続設定部320は、スイッチ900a、900dをONとし、スイッチ900b、900cをOFFとする。これにより、USBコネクタ100と第1の充電部400とが互いに接続される。
図6に示す(8)では、検出部310が、デバイス機器2000bがUSBコネクタ100に接続され、ACアダプタ3000が端子コネクタ200に接続されたことを検出した場合を示している。この場合、接続設定部320は、スイッチ900a、900dをONとし、スイッチ900b、900cをOFFとする。すなわち、図6の(7)の場合と同様の接続設定となる。
次に、図7を用いて、ホスト機器2000a又はデバイス機器2000bが、USBコネクタ100に接続される場合における、電子機器1000の動作について詳細に説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態における電子機器1000の変形例の動作フローを示す図である。
まず、検出部310が、USBコネクタ100、端子コネクタ200の各々にUSB機器、ACアダプタ3000が接続されたことを検出する(S300)。なお、このS300の処理は、図3で示したS100に対応する。
次に、検出部310が、USBコネクタ100に接続されたUSB機器の種別を判断する(S310)。
このとき、検出部310が、USB充電器2000がUSBコネクタ100に接続されたことを検出した場合には、図3のS110以降の処理を行う。なお、USBコネクタ100にUSB機器が接続されていない場合、すなわち、図2の(3)の場合も同様に、図3のS110以降の処理を行う。
また、検出部310が、ホスト機器2000aがUSBコネクタ100に接続されたことを検出した場合(図6の(5)、(6))には、S320A以降の処理を行う。
また、検出部310が、デバイス機器2000bがUSBコネクタ100に接続されたことを検出した場合(図6の(7)、(8))には、S320B以降の処理を行う。
まず、図6の(5)、(6)の場合であるS320A以降の処理について説明する。
S310の処理の後、S300の結果に基づいて、接続設定部320は、端子コネクタ200にACアダプタ3000が接続されている場合(S320A、YES)には、スイッチ900a、900bをOFFにし、スイッチ900c、900dをONとする。すなわち、接続設定部320は、図6の(6)の接続設定を行う(S330A)。その後、図2の(3)の場合と同様に、電流制御部330は、図4のS130A以降の処理を行う。
この理由は、ホスト機器2000aから供給される電力の電流値は、ACアダプタ3000から供給される電力の電流値よりも一般的に小さいことによる。例えばホスト機器2000aがUSB2.0に対応している場合、ホスト機器2000aから供給される電力の電流値は、USB BC1.2(USB Battery Charging Specification Revision 1.2)によれば、100mA又は500mAである。一方、ACアダプタ3000から供給される電力の電流値は、例えば、1〜2A程度である。
従って、接続設定部320は、図6の(6)(=図2の(3))の接続設定を行い、ACアダプタ3000から供給される電力を用いて、電子機器1000の蓄電池部600を充電することが望ましい。しかしながら、接続設定部320は、例えば、ホスト機器2000aから供給される電力の電流値が、500mAの場合は、図2の(4)と同様の接続設定を行うようにしてもよい。
また、S310の処理の後、S300の結果に基づいて、接続設定部320は、端子コネクタ200にACアダプタ3000が接続されていない場合(S320A、NO)には、スイッチ900a、900dをONとし、スイッチ900b、900cをOFFとする。すなわち、接続設定部320は、図6の(5)の接続設定を行う(S340A)。これにより、電子機器1000は、ホスト機器2000aから供給される電力を、USBコネクタ100、スイッチ900aを介して、第1の充電部400に出力し、蓄電池部600に供給する動作を行うことになる。
次に、図6(7)、(8)の場合であるS320B以降の処理について説明する。
S310の処理の後、接続設定部320は、スイッチ900a、900dをONとし、スイッチ900b、900cをOFFとする。これにより、図6の(7)の場合には、電子機器1000は、蓄電池部600から供給される電力を、第1の充電部400、スイッチ900a、USBコネクタ100を介して、デバイス機器2000bに出力する動作を行うことになる。また、図6(8)の場合には、電子機器1000は、ACアダプタ3000から供給される電力を蓄電池部600に出力し、蓄電池部600から供給される電力をUSBデバイス機器に出力する動作を行うことになる。
以上に説明したように、本発明の第1の実施の形態における電子機器1000は、第1及び第2の充電部400、500と、USBコネクタ100及び端子コネクタ200と、検出部310と、接続設定部320と、第1及び第2の温度測定部700、800と、電流制御部320とを含んで構成されている。
第1及び第2の充電部400、500は、外部電源であるUSB充電器2000、ACアダプタ3000から供給される電力を受け、電力を蓄電池部600に出力する。USBコネクタ100及び端子コネクタ200は、USB充電器2000及びACアダプタ3000が接続できるように設けられる。検出部310は、USBコネクタ100及び端子コネクタ200の各々に、USB充電器2000、ACアダプタ3000が接続されたことを検出する。接続設定部320は、検出部310の検出結果に基づいて、USBコネクタ100及び端子コネクタ200と第1及び第2の充電部400、500との接続を設定する。第1及び第2の温度測定部700、800は、第1及び第2の充電部400、500の各々の温度である第1及び第2の温度を測定する。
電流制御部330は、第1及び第2の温度に基づいて、第1及び第2の充電部400、500の各々により出力される電力を、第1及び第2の充電部400、500の各々により出力される第1及び第2の電流値IUSB2、IAC2を増減することにより、変動させる制御を、第1及び第2の充電部400、500に対して行う。
ここで、第1の充電部400は、前述したように、USB充電器2000又はACアダプタ3000により供給される電力の電圧値を、蓄電池部600の電圧値に対応する電圧値に変圧する。この変圧時の電圧値の差分が熱損失となり、第1の充電部400が、発熱することになる。この熱損失は、一般的にIUSB2が大きくなるにつれて大きくなる。なお、第2の充電部500においても同様である。
図10に示した関連技術の電子機器1000aにおいて、USB充電器2000が接続された場合、USB充電器2000より供給される電力は、全て第1の充電部400に出力され、蓄電池部600の電圧値に対応する電圧値に変圧された後に、蓄電池部600に供給される。
これに対して、本発明の電子機器1000において、USB充電器2000が接続された場合(図2の(2))、USB充電器2000より供給される電力は、第1及び第2の充電部400、500に分岐して出力され、蓄電池部600の電圧値に対応する電圧値に変圧された後に、蓄電池部600に供給される。
従って、本発明の電子機器1000の第1及び第2の充電部400、500の各々における熱損失は、関連技術の電子機器1000a(図10参照)の第1の充電部400における熱損失に比べて、小さくなる。この結果、本発明の電子機器1000は、電子機器1000内の発熱を分散することができる。
また、電子機器1000は、第1及び第2の温度に基づいて、第1及び第2の充電部400、500の各々により出力される電力を、第1及び第2の充電部400、500の各々により出力される第1及び第2の電流値IUSB2、IAC2を増減することにより、変動させる制御を、第1及び第2の充電部400、500に対して行う。そのため、電子機器1000は、電子機器1000内の発熱を分散すると共に、蓄電池部600に供給する電力の電流値IUSB2、IUAC2を増加させることができる。
また、本発明の第1の実施の形態における電子機器1000において、電流制御部330は、第1の温度が、所定の閾値Aより高いときには、第1の電流値IUSB2を減少させ、所定の閾値Aより低いときには、第1の電流値IUSB2を増加させ、第2の温度が、所定の閾値Bより高いときには、第2の電流値IAC2を減少させ、所定の閾値Bより低いときには、第2の電流値IAC2を増加させる。
これにより、第1及び第2の温度をそれぞれ所定の閾値A、B以内にすることができる。その結果、電子機器1000内の発熱を低減すると共に、蓄電池部600に供給する電力の電流値IUSB2、IUAC2を増加させることができる。また、例えば、閾値A、Bを電子機器1000内の電子部品等の耐熱限界温度より低く設定することにより、電子部品等の故障や動作不良を抑制できる。
また、本発明の第1の実施の形態における電子機器1000において、電流制御部330は、第1及び第2の電流値IUSB2、IAC2の各々を、所定の時間ごとに、所定の電流値単位で段階的に増減させる。そのため、所定の電流値の設定に応じて、より効果的に蓄電池部600に供給する電力の電流値IUSB2、IUAC2を増加させることができる。また、蓄電池部600に供給される電力の電流値の急激な変化を抑止できる。
また、本発明の第1の実施の形態における電子機器1000において、接続設定部320が、USBコネクタ100及び端子コネクタ200と第1及び第2の充電部400、500との接続を設定したとき、電流制御部330は、第1の温度が、第2の温度よりも高い場合には、第1の電流値IUSB2を、第2の電流値IAC2よりも小さくなるように、第1の充電部400を制御し、第2の温度が、第1の温度よりも高い場合には、第2の電流値IAC2を、第1の電流値IUSB2よりも小さくなるように、第2の充電部500を制御する。
そのため、第1及び第2の充電部400、500のうち、温度が低い方の充電部より出力される電流値を、他方の充電部より出力される電流値よりも高くすることができる。この結果、より効果的に電子機器1000内の発熱を分散すると共に、蓄電池部600に供給する電力の電流値IUSB2、IUAC2を増加させることができる。
また、本発明の第1の実施の形態における電子機器1000において、電流制御部330は、第1及び第2の電流値IUSB2、IAC2の合計が、予め設定された所定の電流値以下になるように第1及び第2の電流値IUSB2、IAC2を増減する。
そのため、所定の電流値を、例えば、外部電源より供給される電力の電流値以下とすることで、電子機器1000内の第1及び第2の充電部400、500、蓄電池部600等に過剰な電流値が流れることを防止することができる。
また、本発明の第1の実施の形態における充電方法は、外部電源であるUSB充電器2000、ACアダプタ3000が接続できるように設けられたUSBコネクタ100及び端子コネクタ200の各々に、USB充電器2000、ACアダプタ3000が接続されたことを検出する検出ステップと、検出ステップの検出結果に基づいて、USBコネクタ100及び端子コネクタ200と第1及び第2の充電部400、500との接続を設定する接続設定ステップと、接続設定ステップにより設定された接続状態で、第1及び第2の充電部400、500が、USB充電器2000、ACアダプタ3000から供給される電力を受け、電力を蓄電池部600に出力する充電ステップと、第1及び第2の温度測定部700、800が、第1及び第2の充電部400、500の各々の温度である第1及び第2の温度を測定する温度測定ステップと、温度測定ステップにより測定される第1及び第2の温度に基づいて、第1及び第2の充電部400、500の各々により出力される電力を、第1及び第2の充電部400、500の各々により出力される第1及び第2の電流値IUSB2、IAC2を増減することにより、変動させる制御を、第1及び第2の充電部400、500に対して行う電流制御ステップとを含む。
この充電方法は、上述した電子機器1000の装置の発明を方法の発明としたものであるから、上述した電子機器1000と同様の作用効果を奏する。
<第2の実施の形態>
図8を用いて、本発明の第2の実施の形態における電子機器1000Aの詳細な構成を説明する。図8は、電子機器1000Aの構成を示すブロック図である。なお、図8では、図1〜7で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜7で示した符号と同等の符号を付している。
図8に示されるように、電子機器1000Aは、第1及び第2の充電部400、500と、USBコネクタ100及び端子コネクタ200と、第1及び第2の温度測定部700、800と、検出部310Aと、接続設定部320Aと、電流制御部330Aと、を含んで構成されている。
ここで、図1と図8を対比する。図8では、更に端子コネクタ200と蓄電池部600とが、スイッチ900eを介して接続された点が、図1と相違する。また、電子機器1000Aにおいて、接続設定部320Aは、検出部310Aが、充電機能付外部電源5000がUSBコネクタ100又は端子コネクタ200に接続されたことを検出したとき、第1及び第2の充電部400、500を介さずに、USBコネクタ100又は端子コネクタ200のうち、充電機能付外部電源5000が接続されている接続部(コネクタ)と、蓄電池部600とを接続する点で、図1に示される電子機器1000と互いに相違する。以下の説明では、図1〜7で示した構成と同等の構成については、説明を省略する。
説明の便宜上、電子機器1000Aの構成を説明する前に、まず、図8を用いて、充電機能付外部電源5000について説明する。
図8に示されるように、充電機能付外部電源5000は、端子コネクタ200に接続されている。充電機能付外部電源5000は、接続される端子コネクタ200に電力を供給する。
また、充電機能付外部電源5000は、蓄電池部600の電圧値に対応する電圧値を供給することができる外部電源である。すなわち、充電機能付外部電源5000は、前述した第1又は第2の充電器400、500の変圧機能と同様の機能を有する。また、ここでは、充電機能付外部電源5000は、端子コネクタ200に接続される例を示している。しかしながら、充電機能付外部電源5000は、USBコネクタ100に接続されてもよい。
次に、図8を用いて、電子機器1000Aの詳細な構成について説明する。なお、前述したように、以下の説明では、図1〜7で示した構成と同等の構成については、説明を省略する。
図8に示されるように、電子機器1000Aは、スイッチ900eを更に有している。スイッチ900eは、全体制御部300Aに接続され、接続設定部320Aに制御される。また、スイッチ900eは、端子コネクタ200と蓄電池部600を接続する。
図8に示されるように、全体制御部300Aは、検出部310Aと接続設定部320Aと電流制御部330Aとを有している。
検出部310Aは、充電機能付外部電源5000が、USBコネクタ100又は端子コネクタ200に接続されたことを検出する機能を更に有する。検出部310Aは、USBコネクタ100又は端子コネクタ200を介して入力される充電機能付外部電源5000の電力の電圧値を測定する。これにより、検出部310Aは、充電機能付外部電源5000が、USBコネクタ100又は端子コネクタ200に接続されたことを検出する。
なお、USBコネクタ100又は端子コネクタ200に充電機能付外部電源5000を判別するための識別用端子(不図示)を新たに設け、検出部310Aは、その識別用端子の信号に基づいて、充電機能付外部電源5000を判別して検出してもよい。
接続設定部320Aは、検出部310Aが、充電機能付外部電源5000がUSBコネクタ100又は端子コネクタ200に接続されたことを検出したとき、スイッチ900a〜900dをOFFとし、スイッチ900eをONにする。すなわち、接続設定部320Aは、第1及び第2の充電部400、500を介さずに、USBコネクタ100又は端子コネクタ200のうち、充電機能付外部電源5000が接続されているコネクタと、蓄電池部600とを接続する。
次に、図9を用いて、本発明の第2の実施の形態における電子機器1000Aの充電方法について詳細に説明する。図9は、本発明の第2の実施の形態における電子機器1000Aの動作フローを示す図である。
まず、検出部310Aが、USBコネクタ100、端子コネクタ200にUSB充電器2000、ACアダプタ300、充電機能付外部電源5000が接続されたことを検出する(S400)。なお、このS400の処理は、図3で示したS100に対応する。
このとき、検出部310Aが、端子コネクタ200に充電機能付外部電源5000が接続されたことを検出した場合(S410、YES)には、接続設定部320Aが、スイッチ900a〜900dをOFF、スイッチ900eをONにする(S420)。また、検出部310Aが、端子コネクタ200に充電機能付外部電源5000が接続されたことを検出しない場合(S410、NO)には、図3で示したS110の処理を行う。
最後に、S420の処理の後、端子コネクタ200と蓄電池部600が接続されているため、充電機能付外部電源5000が、電力を蓄電池部600に供給する(S430)。
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態における電子機器1000Aにおいて、接続設定部320Aは、検出部310Aが、充電機能付外部電源5000がUSBコネクタ100又は端子コネクタ200に接続されたことを検出したとき、第1及び第2の充電部400、500を介さずに、USBコネクタ100又は端子コネクタ200のうち、充電機能付外部電源5000が接続されているコネクタと、蓄電池部600とを接続する。
そのため、検出部310Aが、熱損失による発熱の原因となる第1又は第2の充電器400、500と同様の機能を有する充電機能付外部電源5000が接続されたことを検出したとき、接続設定部320Aは、充電機能付外部電源5000が接続された方の接続部(コネクタ)と蓄電池部600を直接接続するので、電子機器1000A内の発熱を抑止することができる。