JP6396256B2 - ジブクレーン - Google Patents
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Description
第2発明のジブクレーンは、床面の上に設置されたクレーン本体と、該クレーン本体の上に設置されたジブ支持フレームと、前記クレーン本体に対し起伏可能に支持されたジブを有するジブクレーンであって、前記ジブを起伏させる起伏ロープを繰出し巻取りする起伏ウインチと、前記ジブに取付けられたジブシーブブロックと、前記ジブ支持フレームに設けられた転向シーブブロックと、前記クレーン本体に着脱自在に設けられたタイバックシーブブロックと、前記起伏ウインチから繰出され、前記転向シーブブロックを介して前記ジブシーブブロックと前記タイバックシーブブロックとに架け渡された起伏ロープと、を備え、前記タイバックシーブブロックは、前記クレーン本体の上であって前記ジブに対し近接した近接位置と、前記床面の上であって前記ジブから後方に離間した離間位置との間で取付位置を変更可能であり、前記転向シーブブロックが、前記起伏ロープを前記ジブシーブブロックに架け渡すジブ側シーブブロックと、前記起伏ロープを前記タイバックシーブブロックに架け渡すクレーン本体側シーブブロックとからなることを特徴とする。
第3発明のジブクレーンは、第1または第2発明において、前記起伏ウインチ、前記ジブシーブブロック、前記転向シーブブロック、前記タイバックシーブブロックおよび、これらに巻き掛けられた起伏ロープからなる起伏ロープユニットが、並列に2組設けられていることを特徴とする。
第4発明のジブクレーンは、第1,2または第3発明において、前記タイバックシーブブロックは、シーブ側のブラケットでユニット化されており、前記クレーン本体には第1固定ブラケットが設けられ、前記床面には第2固定ブラケットが設けられており、前記第1固定ブラケット、第2固定ブラケット、および、前記ブラケットはそれぞれピン孔を備えており、前記ピン孔に連結ピンを挿入することで、前記タイバックシーブブロックを前記第1固定ブラケット、および、第2固定ブラケットのいずれかに選択的に連結可能であることを特徴とする。
第5発明のジブクレーンは、第1,2,3または4発明において、前記タイバックシーブブロックには、該タイバックシーブブロックを引掛けて移動させるための引掛け具が備えられていることを特徴とする。
第2発明によれば、転向シーブブロックの幅が狭くなるのでジブ支持フレームの頂部の幅寸法を狭くすることができ、ロープ外れ等の事故が生じにくくなり、かつロープが干渉しないので、巻き掛け作業が容易に行われる。
第3発明によれば、一組の起伏ロープユニットでジブを倒伏不能に支持している間に、他の組の起伏ロープユニットのタイバックシーブを近接位置と離間位置との間で位置変更できる。このため、ジブを倒伏不能に支持する拘束具も必要なく、拘束具を取付けるジブ支持作業も必要ないので、タイバック位置変更作業が迅速かつ容易に行える。
第4発明によれば、クレーン本体側の第1固定ブラケットも床面側の第2固定ブラケットもピン穴を有するので、連結ピンの差し替えでタイバックシーブを選択的に連結できるので、タイバックシーブの連結作業が容易に行える。
第5発明によれば、引掛け金具を用いて吊り上げできるため自船搭載の小型クレーンを用いてタイバックシーブの取付け位置変更を容易に行うことができる。
まず、図1に基づき浮船に適用したジブクレーンAの基本構造を説明する。
1は浮船等の船台である。船台1には、クレーン基台2が固定され、このクレーン基台2上に旋回フレーム3が旋回可能に取付けられている。クレーン基台2と旋回フレーム3を合わせたものが特許請求の範囲にいうクレーン本体に該当する。なお、船台1に対し、クレーン基台2が取付けられている側を前方部とする。旋回フレーム3は垂直軸2aまわりに360°旋回する装置である。
ジブ支持フレーム5の頂部には、転向シーブブロック6が取付けられている。一方、ジブ4の適所、たとえば先端部近辺にはジブシーブブロック7が取付けられている。
巻上ウインチ12,13から延びる巻取ロープは、それぞれ主巻フック14のシーブ、補巻フック15のシーブに巻き掛けられて、巻上ウインチ12,13による荷役作業を行う。
旋回フレーム3の後端部には、タイバックシーブブロック20が取付けられている。
タイバックシーブブロック20は複数枚のタイバックシーブ21を支軸22に通し、ブラケット23でユニット化したものである。ブラケット23の下端部には、ピン孔24が形成され連結ピン25が通されるようになっている。このようにして、タイバックシーブブロック20は、旋回フレーム3に対し着脱自在に取り付けられている。また、ブラケット23の上端部には、自船搭載の小型クレーンの吊具を引掛ける引掛け具26が取付けられている。
また、船台1の後方部には、第2固定ブラケット30が取付けられている。この第2固定ブラケット30は、ジブ4から後方に遠く離間しているので、離間位置にあることを意味する。さらに、ジブ4が正確に前方を向いたとき、その後方すなわちジブ4から後方へ延びる延長線上に第2固定ブラケット30が配置されている。
図3および図4のジブクレーンAでは、起伏ロープユニット10を2組、並列に並べて設置し、第1起伏ロープユニット10Aと第2起伏ロープユニット10Bとで構成されてている。
第1起伏ロープユニット10Aは、図3の右側に示すもので、第1起伏ウインチ11Aと第1ジブシーブブロック7Aと第1転回シーブブロック6Aと第1タイバックシーブブロック20Aとで構成されている。
第2起伏ロープユニット10Bは、図3の左側に示すもので、第2起伏ウインチ11Bと第2ジブシーブブロック7Bと第2転回シーブブロック6Bと第2タイバックシーブブロック20Bとで構成されている。
第1転向シーブブロック6Aは2個のシーブブロック61,62からなり、シーブブロック61は第1ジブシーブブロック7Aとの間の起伏ロープ掛け回し用であり、シーブブロック62は第1タイバックシーブブロック20Aとの間での起伏ロープ掛け回し用である。このシーブブロック61,62は別々の軸で支持され、少し離れて設置されているが、単一の軸で同軸に支持されていてもよい。
1)全てのシーブブロック61〜64を横並びにして同軸で支持するよりも、幅寸法が短くなるので、ジブ支持フレーム5の頂部の幅寸法を狭くすることができる。
2)ジブシーブブロック7A、7Bに対してはジブ側シーブブロック61、63が対向している。また、タイバックシーブ20A、20Bに対しては本体側シーブブロック62、64が対向している。これらの対向関係にある双方のシーブブロックとも同じ幅のものを用いて、ロープ溝同士を正対させうるので、全てのロープが平行に張られる。このため、ロープ外れ等の事故が生じにくい。
3)本体側シーブブロック62とタイバックシーブ20Aとの間のロープ掛け回し作業および本体側シーブブロック64とタイバックシーブ20Bとの間のロープ掛け回し作業をするに際して、ジブ側シーブブロック61、63とジブシーブブロック7A、7Bとの間のロープが干渉しないので、巻き掛け作業が容易に行われる。
(1)準備作業(図3参照)
・第1,2起伏ウインチ11A,11Bを巻取る方向に駆動してジブ4を起立させ、最小半径とする。
・第1,2起伏ウインチ11A,11Bを停止しブレーキを掛ける。
・旋回フレーム3を旋回させタイバック位置、すなわち、ジブ4が前方を向いた位置で停止させ、旋回フレーム3にブレーキを掛ける。
a)ジブ支持作業
・第1,2起伏ウインチ11A,11Bを個別運転モードに切換える。
・第1起伏ウインチ11Aを停止状態かつブレーキ状態のままとして、第1起伏ロープ21Aによりジブ4を倒伏しないように支持する。すなわち、第1起伏ロープユニット10Aでジブ4を支持しておく。
・第2起伏ウインチ11Bを駆動し、第2起伏ロープ11Bを繰出して緩め、タイバックシーブブロック20Bを後方への移動を可能とする。
・第2タイバックシーブブロック20Bを旋回フレーム3上の第1固定ブラケット27から外し、船台後方の第2固定ブラケット30まで移動させる。その上でシーブ側ブラケット23と第2固定ブラケット30連結ピン25でピン連結する。
この作業は第2起伏ロープ21Bが繰出されることによって、第2転向シーブブロック6Bと第2タイバックシーブブロック20Bとの間に掛け回したロープ長が長くなることによって可能となる。
a)ジブ支持作業
・第2起伏ウインチ11Bを駆動し、第2起伏ロープ11Bを巻取ってジブ4を支持できる状態まで巻取る。
・第2起伏ウインチ11Bを停止状態かつブレーキ状態に維持し、第2起伏ロープ21Bによりジブ4を倒伏しないように支持する。すなわち、第2起伏ロープユニット10Bでジブ4を支持しておく。
・第1起伏ウインチ11Aを駆動し、第1起伏ロープ21Aを繰出して緩め、タイバックシーブブロック20Bを後方への移動を可能とする。
・第1タイバックシーブブロック20Aを旋回フレーム3上の第1固定ブラケット27から外し、船台後方の第2固定ブラケット30まで移動させる。その上でシーブ側ブラケット23と第2固定ブラケット30連結ピン25でピン連結する。
図5は、タイバック位置変更作業の完了状態を示している。同図に示すように、第1,2タイバックシーブブロック20A,20Bは、2個とも船台後方の離間位置に固定されているので、起伏ロープ21A,21Bが後方に長く延びた状態でジブ4の前傾モーメントに抵抗することができる。この場合、ジブ4の前方への倒伏に対する旋回台3の負担が低減されるので重量のより重い荷役が可能となる。
タイバックシーブブロック20をタイバック位置である第2固定ブラケット30から通常作業位置の第1固定ブラケット27への移動は、上記1次作業と上記2次作業に準じて行うことができる。つまり、タイバックシーブブロック20を第2固定ブラケット30から外し、第1,2起伏ウインチ11A,11Bにより起伏ロープ21を巻取りながら、タイバックシーブブロック20を旋回フレーム3に運び、第1固定ブラケット27に取付ければよい。
本実施形態においては、第1起伏ウインチ11Aおよび第1タイバックシーブブロック20Aを含む第1起伏ロープユニット10Aと、第2起伏ウインチ11Bおよび第2タイバックシーブブロック20Bを含む第2起伏ロープユニット10Bを交互に使い分けることで、一方でジブ4の倒伏を防止しながら、他方のタイバックシーブブロック(20Aまたは20B)を位置変更することができる。
このようにすると、ジブ4を倒伏不能に支持する拘束具も必要なく、拘束具を用いるジブ支持作業も必要ないので、タイバック位置変更作業が迅速かつ容易に行える。
また、旋回フレーム3側の第1固定ブラケット27も船台側の第2固定ブラケット30もピン穴を有するので、連結ピン25の差し替えで、タイバックシーブブロック20を選択的に行うことができる。
前記実施形態では、旋回フレーム3はクレーン基台2の上に旋回可能に搭載されていたが、旋回フレーム3が旋回不能に搭載されているものも本発明に含まれる。この場合、クレーン基台2と旋回フレーム3とが一体に連結されたものとなり、このクレーン基台2と旋回フレーム3とが一体になった本体フレームにタイバックシーブ20が取付けられる。
前記実施形態において、ジブクレーンAは船台1に設置された例で説明したが、これに限定されず、岸壁等の地面に設置したジブクレーンAにも本発明が適用される。従って、船台1や地面を総称して、特許請求の範囲では、「床面」と称する。
2 クレーン基台
3 旋回フレーム
4 ジブ
5 ジブ支持フレーム
6 転向シーブブロック
7 ジブシーブブロック
20 タイバックシーブブロック
27 第1固定ブラケット
30 第2固定ブラケット
Claims (5)
- 床面の上に設置されたクレーン本体と、該クレーン本体の上に設置されたジブ支持フレームと、前記クレーン本体に対し起伏可能に支持されたジブを有するジブクレーンであって、
前記ジブを起伏させる起伏ロープを繰出し巻取りする起伏ウインチと、
前記ジブに取付けられたジブシーブブロックと、
前記ジブ支持フレームに設けられた転向シーブブロックと、
前記クレーン本体に着脱自在に設けられたタイバックシーブブロックと、
前記起伏ウインチから繰出され、前記転向シーブブロックを介して前記ジブシーブブロックと前記タイバックシーブブロックとに架け渡された起伏ロープと、を備え、
前記タイバックシーブブロックは、前記クレーン本体の前記ジブ支持フレームの下端より下方の位置において前記ジブに対し近接した近接位置と、前記床面の上であって前記ジブから後方に離間した離間位置との間で取付位置を変更可能である
ことを特徴とするジブクレーン。 - 床面の上に設置されたクレーン本体と、該クレーン本体の上に設置されたジブ支持フレームと、前記クレーン本体に対し起伏可能に支持されたジブを有するジブクレーンであって、
前記ジブを起伏させる起伏ロープを繰出し巻取りする起伏ウインチと、
前記ジブに取付けられたジブシーブブロックと、
前記ジブ支持フレームに設けられた転向シーブブロックと、
前記クレーン本体に着脱自在に設けられたタイバックシーブブロックと、
前記起伏ウインチから繰出され、前記転向シーブブロックを介して前記ジブシーブブロックと前記タイバックシーブブロックとに架け渡された起伏ロープと、を備え、
前記タイバックシーブブロックは、前記クレーン本体の上であって前記ジブに対し近接した近接位置と、前記床面の上であって前記ジブから後方に離間した離間位置との間で取付位置を変更可能であり、
前記転向シーブブロックが、前記起伏ロープを前記ジブシーブブロックに架け渡すジブ側シーブブロックと、前記起伏ロープを前記タイバックシーブブロックに架け渡すクレーン本体側シーブブロックとからなる
ことを特徴とするジブクレーン。 - 前記起伏ウインチ、前記ジブシーブブロック、前記転向シーブブロック、前記タイバックシーブブロックおよび、これらに巻き掛けられた起伏ロープからなる起伏ロープユニットが、並列に2組設けられている
ことを特徴とする請求項1または2記載のジブクレーン。 - 前記タイバックシーブブロックは、シーブ側のブラケットでユニット化されており、
前記クレーン本体には第1固定ブラケットが設けられ、前記床面には第2固定ブラケットが設けられており、
前記第1固定ブラケット、前記第2固定ブラケット、および前記ブラケットはそれぞれピン孔を備えており、前記ピン孔に連結ピンを挿入することで、前記タイバックシーブブロックを前記第1固定ブラケット、および前記第2固定ブラケットのいずれかに選択的に連結可能である
ことを特徴とする請求項1,2または3記載のジブクレーン。 - 前記タイバックシーブブロックには、該タイバックシーブブロックを引掛けて移動させるための引掛け具が備えられている
ことを特徴とする請求項1,2,3または4記載のジブクレーン。
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