JP6394351B2 - 粉体収容容器及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
本発明は、粉体収容容器内に挿入された搬送管の粉体受入口に効率よく現像剤を供給可能にすることを、その目的とする。
図2は、本発明が適用された画像形成装置としての電子写真方式でタンデム型のカラー複写機(以下、「複写機500」という)の概略構成図である。複写機500は、モノクロ複写機であってもよい。画像形成装置としては、複写機ではなく、プリンタ、ファクシミリ、これら複数の機能を備えた複合機であってもよい。複写機500は、複写機装置本体(以下、「プリンタ部100」という)、給紙テーブル(以下、「給紙部200」という)及びプリンタ部100上に取り付ける原稿読取部(以下、「スキャナ部400」という)から主に構成されている。
本実施形態において、露光装置47には、レーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナ方式を用いているが、露光手段としてはLEDアレイを用いるものなど他の構成でも良い。
作像部46Yは、ドラム状の感光体41Yを備える。作像部46Yは、帯電手段である帯電ローラ44Y、現像手段である現像装置50Y、感光体クリーニング装置42Y、除電装置等を感光体41Yの周囲に配設した構成である。そして、感光体41Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われることで、感光体41Y上にイエローのトナー像が形成される。
上述した二次転写ニップに搬送される記録媒体Pは、プリンタ部100の下方に配設された給紙部200に設けられた給紙トレイ26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されるものである。詳しくは、給紙トレイ26には記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図2中、反時計回り方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28の二つのローラによって形成されるローラニップに向けて搬送される。
挿入口形成部71は、各トナー容器32(Y、M、C、K)の装着動作時における挿入口71aが形成された部分である。トナー容器収納部70の挿入口形成部71は、複写機500の手前側(図2の紙面垂直方向手前側)に設置された図示しない本体カバーを開放すると露呈される。そして、各トナー容器32(Y、M、C、K)の長手方向を水平方向とした状態で、複写機500の手前側から各トナー容器32の着脱操作(トナー容器32(Y、M、C、K)の長手方向を着脱方向とする着脱操作)を行う。
容器受部72は、各トナー容器32の容器本体33(Y、M、C、K)をそれぞれ支持する部分である。容器受部72は、トナー補給装置60にトナー容器32(Y、M、C、K)を装着するときに、トナー容器32(Y、M、C、K)を滑らせて移動させる部分であり、トナー容器32(Y、M、C、K)の長手方向(着脱方向)と直交する幅方向Wにおいて4つに区分されている。容器受部72は、各容器本体33容器受部72は、の長手方向に沿って、挿入口形成部71から容器カバー受入部73まで続く、容器載置部としての溝部が形成されている。各色のトナー容器32(Y,M,C,K)は、この溝部上で長手方向に滑り移動可能に構成されている。容器受部72は、その長手方向の長さが、各色の容器本体33(Y、M、C、K)の長手方向の長さとほぼ同等になるように形成されている。
4つのトナー容器32(Y、M、C、K)は、それぞれ容器受部72上で滑り移動可能とされている。このため、各トナー容器(Y、M、C、K)の装着動作にともない、容器先端側カバー34(Y、M、C、K)は、挿入口形成部71を通過した後に、しばらく容器受部72上を滑動して、その後に容器カバー受入部73に装着される。
各搬送ノズル611内には、それぞれ搬送スクリュ614が配置されている。各搬送スクリュ614は、駆動部(容器回転駆動部)91から搬送スクリュギア605に回転駆動が入力されることで回転し、搬送ノズル611内に供給されたトナーをそれぞれ搬送する。搬送ノズル611の搬送方向下流端は、トナー落下搬送経路64にそれぞれ接続されている。各搬送スクリュ614によって搬送されたトナーは、トナー落下搬送経路64を自重落下して現像装置50(第二現像剤収容部54)内にそれぞれ補給される。
トナー容器32(Y、M、C、K)は、それぞれ寿命に達したとき(収容するトナーがほとんどすべて消費されて空になったとき)に新品のものに交換される。図4に示す各色のトナー容器32(Y、M、C、K)の長手方向における容器先端側カバー34(Y、M、C、K)とは反対側の端部、すなわち、離脱方向Q1には把手部303(Y、M、C、K)がそれぞれ設けられており、容器交換の際には、作業者が把手部303(Y、M、C、K)を握って引き出すことで、トナー容器収納部70に装着されたトナー容器32(Y、M、C、K)を取り外すことが出来る。
ここで、図6を用いて駆動部91の構成について補足する。なお図6では、色の識別符号は省略している。駆動部91は、各色の容器駆動ギア601と各色の搬送スクリュギア605をそれぞれ備えている。各容器駆動ギア601は、各取付基板602に固定された駆動モータ603によってそれぞれ駆動され、その出力歯車がそれぞれ回転することで回転駆動される。各搬送スクリュギア605は、各出力歯車の回転がそれぞれ各色の連結歯車604を介してそれぞれ伝達されることで回転駆動される。
一方、トナー容器32(容器本体)の先端面の中央には、装着時に搬送ノズル611が挿入される管挿入口としてのノズル受入口331が形成されており、非装着時にノズル受入口331を閉鎖する開閉部材としての容器シャッタ332を備える。
上述したようにトナー容器32は、トナーが収容された容器本体33と、容器先端側カバー34とから主に構成されている。図9は容器先端側カバー34を取り外した状態の容器本体33と、容器本体33に取り付けたノズル受入部材330の構成を側面から見た図であり、図10はノズル受入部材330を容器本体33に取り付けた状態を説明する図である。
容器先端側カバー34は、図1、図8に示すようにトナー容器32(容器本体33対して、容器先端側(図8中の左下側)から組み付けられる。これにより、容器本体33が長手方向で容器先端側カバー34を貫き、突部としてのカバー爪部341が引っ掛け部としてのカバー爪引掛け部306に引っ掛かる。容器本体33と容器先端側カバー34とは、カバー爪部341がカバー爪引掛け部306に引っ掛かることで、相対回転可能に取り付けられる。
本実施形態におけるトナー容器32は、画像形成用のトナーが収容されたトナー容器32が装着され、トナーが搬送される搬送管としての搬送ノズル611と、搬送ノズルに設けられた粉体受入口としてのノズル開口610を開閉する粉体受入口開閉部材としてのノズルシャッタ612と、ノズルシャッタ612がノズル開口610を閉鎖するように付勢する付勢部材としてのノズルシャッタバネ613と、駆動力をトナー容器32内の搬送手段に伝達する本体側歯車としての容器駆動ギア601と、搬送ノズル611と同軸線上であって搬送ノズル611の周囲に配設されたトナー容器32を受け入れる容器受入部としての容器セット部615とを備えた複写機500に装着可能なトナー容器である。
ノズル受入部材330は、図11に示すように、支持部材としての容器シャッタ支持部材340と、容器シャッタ332と、封止部材としての容器シール333と、付勢手段としての容器シャッタバネ336と、受入部材固定部337とから構成されている。容器シャッタ支持部材340は、シャッタ後端支持部335、側面部としてのシャッタ側面支持部335a、側面開口部としてのシャッタ支持開口335b及び受入部材固定部337からなり、容器シャッタバネ336はコイルスプリングからなる。容器シャッタ支持部材340に設けられたシャッタ側面支持部335aとシャッタ支持開口335bとはトナー容器回転方向において互いに隣り合って配置され、二つの互いに対向するシャッタ側面支持部335aが円筒形状の一部を形成し、シャッタ支持開口335bの部分(ニ箇所)で円筒形状を大きく切り取った形状となっている。このような形状により、円筒形状の内側に形成される円柱状の空間内を容器シャッタ332が長手方向に移動するようにガイドすることができる。
ガイドロッド332eは、先端円筒部332cの円筒内部から容器後端側に向けて起立した円柱であり、容器シャッタバネ336のコイル内部に挿入されることで容器シャッタバネ336が座屈しないようにガイドするロッド部分である。シャッタ抜け防止爪332aは、ガイドロット332eの起立した根元とは反対側の端部に形成されていて、容器シャッタ支持部材340から容器シャッタ332の脱落を防止する一対の爪部分である。
図13、図14、図15に示すように、本実施形態において、容器本体33の容器開口部33a側に形成された粉体汲み上げ部304は、容器本体33が回転方向Aに回転することで容器開口部33a側に搬送されたトナーTを汲み上げてノズル開口610(図15参照)へと供給するものである。なお、容器開口部33aには、ノズル受入部材330が挿入されて固定されるため、以下、粉体汲み上げ部304の説明において、本体容器33の開口部33aはノズル受入口331として説明する。
本実施形態において、粉体汲み上げ部304は、図13、図14に示すように、容器本体33の内壁面33cから回転中心軸O側に向かって延びる汲み上げ面3040を有している。この汲み上げ面3040は、回転中心軸O側の内端部3040aが容器本体33の回転中心軸方向に沿った方向に延びている。具体的には、内端部3040aにおける最も回転中心軸O側に形成された縁(ヘリ、辺部)3042が、回転中心軸Oと略平行に延びており、容器本体33の内壁面33cの回転中心軸O側に隆起している部分33c´と汲み上げ面3040との間で回転中心軸Oに沿った稜線を形成している。さらに汲み上げ面3040は、図15に示すように、回転中心軸方向から見たときに、回転中心軸O及び内端部の縁(辺部)3042を通る仮想直線Xよりも容器本体33の回転方向Aにおける上流側に向けて所定角度角範囲で傾斜させて形成されている。本実施形態において、傾斜角θの所定範囲は25度±5度としている。
尚、図15では、汲み上げ面3040を回転方向で2箇所設けた構成を示したが、汲み上げ面3040の数はこの限りではない。汲み上げ面3040を複数設ける場合には、複数の縁(辺部)3042が回転中心軸Oに対して点対称となる位置であって、回転方向で均等な位置(例えば180度毎)に設けると良い。
以下、汲み上げ面3040の傾斜角θの有効な範囲について、評価モデルを作成して評価したので、その内容について説明する。評価の仕方は、評価用の画像形成装置である複写機500に、汲み上げ面の傾斜角θを変更した複数の評価モデルとして作製(試作)したトナーボトルをそれぞれ装着し、容器本体33を一定速度で一定時間回転させた後の容器内のトナー残量を計測した。
表1において、汲み上げ面3040の傾斜角θは、回転中心軸Oを水平に通る仮想直線X1(図15参照)と略平行に汲み上げ面3040が位置する状態を0度とし、このときの汲み上げ面3040の位置が仮想直線X1よりも上方(回転方向Aにおいて下流側)となる場合をプラス(+)、このときの汲み上げ面3040の位置が仮想直線X1よりも下方(回転方向Aにおいて上流側)となる場合をマイナス(−)としている。
言い換えると、仮想直線XとX1とが重なる位置関係、つまり、回転中心軸O及び縁(辺部)3042が水平に並んでいる状態において、汲み上げ面3040が容器本体33の回転方向Aにおける上流側に向けて傾斜させてある場合をプラス(+)、汲み上げ面3040が容器本体33の回転方向Aにおける下流側に向けて傾斜させてある場合をマイナス(−)としている。
また、汲み上げ面3040が仮想直線Xに対してなす角度θを傾斜角θと呼ぶこととする。仮想直線Xは、トナー容器32の回転中心軸方向断面において、回転中心軸Oと縁(辺部)3042とを通るように直線を引くことで作図することができ、2つの汲み上げ面3040を有するトナー容器32の場合には、2つの縁(辺部)3042を通るように直線を引くことによっても作図することができる。
トナー残量gは、容器本体33内に残留しているトナーTの量を示す。
トナー補給量の追従性とは、予め定められた設定補給量に対する現実の補給量(実補給量)の差を比率(%)で示したものである。追従性100%とは、実補給量が設定補給量を満たし、補給不足にない状態を示す。これは現像装置50(図4参照)に対して必要十分なトナーTを補給できる状態であり、最も好もしい状態である。追従性の数値が低下するほど、実補給量が設定補給量に満たない状態となり、現像装置50(図4参照)に対するトナー供給量が低下する状態となる。
容器本体33内に残留するトナー(残留トナー)量は、例えば15gを基準値とし、この基準値以下となるのが好ましいものとする。なお、基準値は容器本体33の種類によって異なり、この値に限定されるものではない。
図16は、汲み上げ面3040の傾斜角θをマイナス側にした時の汲み上げ特性となるトナー残量と補給量の関係を示すものである。図16に示すように、傾斜角θをマイナス側に設定とすると、トナー残量が基準値に対して大幅に残ってしまい、トナー残量が基準値を満たすことができない。
図17は、汲み上げ面3040の傾斜角θを変更した時の汲み上げ特性となるトナー残量と補給量の関係を示すものである。傾斜角θは、0度、15度、25度とし、何れの傾斜角θであっても残トナー量が基準値を満たす結果であった。トナー残量が所定領域となる例えばトナー残量が少なくなる75g以下の領域で見てみると、傾斜角θが0度<15度<25度となるにつれて、トナー補給量が一番安定しており、追従性に優れる傾向を示している。
このため、汲み上げ面3040の傾斜角θは、トナー残量(g)及びトナー補給量の追従性(%)を考慮すると、25度が最も好ましく、製造誤差などを考慮すると、±5度の範囲とするのが好ましい。
トナー排出量(g)とは、容器本体33が所定の回転数で回転した際の排出量を示し、この値はトナー補給量に相当するもので、○、×で評価した。
トナー補給量の環境変動によるバラツキとは、トナーの排出性の条件変動によるバラツキを示すものであり、○、◎で評価した。
図18は、容器本体33の回転数(rpm)を変更した時の、トナー残量(g)と容器本体33からの排出量(g)を示すものである。本実施形態では、容器本体33の回転数(rpm)は、95rpm、110rpm、130rpmの3水準とした。図18に示すように、容器本体33の回転数(rpm)を変更してもトナー補給量となる排出量(g)は安定しており、さらに、95rpm<110rpm<130rpmの順で補給量(g)が良くなっている。
図20(a)、図20(b)は、評価モデルの汲み上げ面3040の傾斜角θと環境条件を変更した場合の汲み上げ特性となるトナー残量と排出量の関係を比較したものである。図20(a)は容器本体33が110rpmで、環境条件をN1条件としたときのトナー残量と排出量の関係を示す。図20(b)は容器本体33が110rpmで、環境条件をN2条件としたときのトナー残量と排出量の関係を示すものである。N1条件、N2条件は、図19の場合と同様としている。
また、図20(a)、図20(b)に示すように、容器本体33の回転数が110rpmの場合も130rpmの場合と同様に、汲み上げ面3040の傾斜角θ10度、15度、20度と違っていても、N1条件の方がN2条件の場合に比べてトナー残量と排出量のバラツキが少ない傾向となっていることに変わりはない。しかしながら、図19(a)と図20(a)とを比較した場合、図20(a)に示す容器本体33が110rpmで回転する方が、図19(a)に示す容器本体33が130rpmで回転する場合よりもバラつきが少ない傾向となっていることが分かる。
このように、汲み上げ面3040の傾斜角θを、25度±5度とし、容器本体33の回転方向Aへの回転数を110rpm±15rpmとし、トナーTに、ゆるみ見掛け密度(g/cm3)が0.41〜0.48g/cm3の範囲のものを用いると、搬送ノズル611のノズル開口610へトナーが供給されるまで、汲み上げ面3040からの無駄なトナーこぼれが無く、且つ、汲み上げ面3040がトナーTを抱え込んだままノズル開口610の上方の通過してしまうことが無くなる。このため、汲み上げ面3040は、適切な位置までトナーTを汲み上げることができるため、ゆるみ見かけ密度や環境等によりトナー流動性が変わる条件下においても、ノズル開口610へのトナー流入量の変動を小さくできる。
評価は、トナー残量が少ない領域のトナー排出量[g]が高いほど優位としている。図21(a)に示すように、低回転数(95rpm)では傾斜角θが15°と30°がほぼ同等で排出量のピークとなっている。これに対し、傾斜角θが0°では極端に排出量が劣位で、傾斜角θが45°まで傾きを増やすと排出量の落ち込みが見られる。これに対し、図21(b)に示すように、高回転数(120rpm)では傾斜角θが15°がピークで、次いで傾斜角θが30°と45°がほぼ同等で次点、傾斜角θが0°は最も劣位であることがわかる。実機のボトル回転数の狙い値が上記2条件の間にあるため、最適な傾斜角θは15°〜30°の範囲であることがわかる。
評価は、環境や条件による補給量差が少ないほど安定的な補給が可能であるとして優位としている。図22(a)、図22(b)に示すように、補給量に影響を与える因子(トナーのゆるみ見掛け密度、温湿度等)を最も優位な条件で揃えたものをN1条件、最も不利な条件で揃えたものをN2条件として、図21(a)、図21(b)で優位と判定したボトル回転数95〜120rpm、傾斜角θが15°〜30°の範囲で環境変動に対する優劣を比較した。具体値として、ボトル回転数110rpm、傾斜角θが15°と傾斜角θが25°の容器本体で比較している。図中の破線は単位時間当たりの補給量の目標補給量(目標値)を示す。比較結果、汲み上げ面3040の傾斜角θが15°、25°の双方とも、トナー残量の少ない領域での目標補給量(目標値)に対しては達成しており、補給量もほぼ同等であるが、標準条件に対して上方に位置するN1条件の場合と下方に位置するN2条件の場合での補給量差である環境変動幅の大小関係に着目すると、傾斜角θが15°の場合よりも、傾斜角θが25°の方が、環境変動幅が小さく、優位であることがわかる。尚、N1条件、N2条件、標準条件の具体例については、図19(a)(b)、図20(a)(b)の説明した通りである。
本実施形態では、汲み上げ面3040の位置と高さについて着目したものである。図13、図14に示すように、汲み上げ面3040の内端部の縁(ヘリ、辺部)3042は、回転中心軸Oと略平行に延在して形成されている。内端部の縁(辺部)3042は、トナー補給装置60に装着されて容器本体33が回転方向Aに回転して、図23(a)から図23(c)に示す位置へと回転するときに、図23(b)に示すように、ノズル開口610の上方において、搬送ノズル611の断面範囲W1内、好ましくは、ノズル開口610の開口範囲W2内に位置するように形成されている。
しかし、本実施形態では、汲み上げ面3040と対向する空間Sに対して汲み上げ部螺旋状突起304aによりトナーが搬送されるので、容器本体33の回転変動やトナーの流動性が変化した場合でも、汲み上げ面3040上に十分なトナーを供給することができる。このため、ノズル開口610に安定かつ効率よくトナーTを供給することができる。
図29(a)〜図29(c)に示すように、本実施形態において、容器本体33のノズル受入口331(容器開口部33a)側に形成された粉体汲み上げ部304Bは、容器本体33が回転方向Aに回転することでノズル受入口331に搬送されたトナーTを汲み上げてノズル開口610へと供給するものである。
しかし、本実施形態では、汲み上げ面3040Bと対向する空間Sに対して汲み上げ部螺旋状突起304aによりトナーが搬送されるので、容器本体33の回転変動やトナーの流動性が変化した場合でも、汲み上げ面3040B上に十分なトナーを供給することができる。このため、ノズル開口610に安定かつ効率よくトナーTを供給することができる。
図30(a)〜図30(c)に示すように、本実施形態において、容器本体33のノズル受入口331(容器開口部33a)側に形成された粉体汲み上げ部304Cは、容器本体33が回転方向Aに回転することでノズル受入口331に搬送されたトナーTを汲み上げてノズル開口610へと供給するものである。
しかし、本実施形態では、汲み上げ面3040Cと対向する空間Sに対して汲み上げ部螺旋状突起304aによりトナーが搬送されるので、容器本体33の回転変動やトナーの流動性が変化した場合でも、汲み上げ面3040C上に十分なトナーを供給することができる。このため、ノズル開口610に安定かつ効率よくトナーTを供給することができる。
このように空間Sの形状がノズル受入口331側に位置する壁部3041側で狭く形成されていると、汲み上げ面3040〜3040Dから各壁部3041を通ってノズル受入口331に流れるトナー量を、各壁部3041の幅S2で調整することができるので、安定した量のトナーをノズル開口610に供給することができる。
実施形態での説明において、粉体汲み上げ部304〜304Dは、仮想直線X1の上方に位置するものとして説明したが、容器本体33が回転したときに、各辺部あるいは各汲み上げ面の位置が、ノズル受入口331の回転時に開口範囲W2に位置することを前提にして、仮想直線X1と回転方向Aにおいて同一の位置、すなわち同一平面内に位置するように形成してもよい。
次に紛体収容容器であるトナーボトル32の容器開口部33a付近での容器本体33内のトナーの動きについて説明する。
紛体であり、現像剤であるトナーを容器本体33内に封入されたトナーボトル32は、長期間同じ姿勢で置くとトナーが固まることがある。このため、使用前に、上下ないしは左右に振ってトナーを解す予備動作が必要となる場合がある。また、トナーボトル32の保管は、通常、トナー補給装置60(複写機500)への装着状態と同様に水平に置いて保管することを推奨している。しかし、保管スペースの関係からトナーボトル32を、容器開口部33aを下方にして立てた状態で保管することもある。
このような場合、本発明者らが上述の第1から第4の実施形態で説明したトナーボルト32を、水平状態の保管状態を基準に設定した往復回数相当、上下ないしは左右に振ってトナー補給装置60(複写機500)に装着したところ、容器開口部33aに搬送ノズル611が十分に挿入できない場合があった。この原因を探ったところ、図39(a)に示すように、汲み上げ面3040(3040B〜D)の縁3042(3042B〜D)と繋がっている容器本体33の内壁33c’の形状が凹面状に容器内部にせり出しているため、トナーボトル32を振って予備動作を行っても、上述の凹面で力が分散されてしまうこと及び容器内でのトナーの逃げ場が制約されてしまうことにより、十分に解すことができない(解す力をトナーに作用させることができない)ことを発見した。
以下、図33〜図39を用いて本実施形態に係るトナー容器の構成について説明する。第1〜第4の実施形態との違いは、容器本体33に形成されている粉体汲み上げ部304Eの構成が、他の形態の汲み上げ部304(304B〜D)と異なっている以外は、基本的には前述実施形態と同一である。このため、本実施形態に係る紛体汲み上げ部304Eの構成を中心に説明する。
また、図34、図35に示すように、各粉体汲み上げ部304Eの内周面にも、螺旋状突起302と同様に内部のトナーを汲み上げ面3040Eにトナーを送り込むための搬送部としての螺旋状に形成された汲み上げ部螺旋状突起304aがそれぞれ形成されている。
これら汲み上げ面3040Eは、回転中心軸O側の内端部3040Eaが容器本体33の回転中心軸方向に沿った方向に延びている。具体的には、内端部3040Eaにおける最も回転中心軸O側に形成された縁(ヘリ、辺部)3042Eが、回転中心軸Oと略平行に延びており、容器本体33の内壁面の回転中心軸O側に隆起している部分33c´と汲み上げ面3040Eとの間で回転中心軸Oに沿った稜線を形成している。さらに汲み上げ面3040Eは、図36に示すように、回転中心軸方向から見たときに、回転中心軸O及び内端部の縁(辺部)3042Eを通る仮想直線Xよりも容器本体33の回転方向Aにおける上流側に向けて所定角度角範囲で傾斜させて形成されている。本実施形態においても、各傾斜角θの所定範囲は25度±5度(25°±5°)としている。
容器本体33をブロー成型するにあたり、このような汲み上げ部304Eに対して汲み上げ面3040Eのみを内壁部33cから板状に隆起させて形成することは難しい。そこで、回転中心軸に対して直交する断面(図36)で見たときに、縁3042Eを頂点とする略鋭角であるθ2を形成するように汲み上げ部304Eを構成したことで、ブロー成型で簡易に容器本体33を形成できると共に、図39(b)に点線で示したように内部の空間を確保できる。
そして、汲み上げ面3040Eにおける、この螺旋状突起の端部(終端部分)304a1よりも回転中心軸方向でトナー容器32の開口部33a側は、トナー容器32を画像形成装置(トナー補給装置)に装着した際に、ノズル開口610に対向可能な位置になるように構成されている。
また、螺旋状突起の端部304a1は、ノズル開口610が延在する方向(搬送ノズル611の軸線方向)に対して略垂直でもあるため、トナーの流し込みの邪魔にならないという利点も有る。
無論、本実施形態においても、各内端部の縁(辺部)3042Eは、トナー補給装置60に装着されて容器本体33が回転方向Aに回転して、図36に示す位置へと回転するときに、ノズル開口610の上方において、搬送ノズル611の断面範囲W1内、好ましくは、ノズル開口610の開口範囲W2内に位置するように形成されている。
また、望ましくは、図36に示すように、既にトナーTが保持されている一方の汲み上げ面3040Eよりも上方(回転方向Aにおける下流側)に位置するシャッタ側面支持部材335aに着目した場合に、このシャッタ側面支持部材335aにおける回転方向Aで上流側となる端部(図36中の右側)と、当該一方の汲み上げ面3040Eの縁3042Eとの間隔D1が、このシャッタ側面支持部材335aにおける回転方向Aで下流側となる端部(図36中の左側)と、他方の汲み上げ面の縁3042E(図36で上述のシャッタ側面支持部材335aよりも図中左側)との間隔D2よりも広い方が望ましい。このような配置関係とすることで、トナーが流れる流路をより確保しやすくなる。
容器本体33の回転が進んで、図38(b)に示すように、姿勢90°から姿勢120°となると、汲み上げ面3040Eによる、下部に溜まっているトナーTの新たな汲み上げが開始されるとともに、他方のシャッタ側面支持部335aがノズル開口610の上方の一部を覆うようになる。
そして、図38(c)に示すように、容器本体33の回転が姿勢120°から進んで姿勢150°となると、汲み上げ面3040Eによるトナーの汲み上げが進むとともに、他方のシャッタ側面支持部335aがノズル開口610の上方へとより移動してトナー補給ができないようになる。
また、本実施形態において、各粉体汲み上げ部304Eは、汲み上げ面3040Eを内壁33cからボトル内部に向けて隆起させて形成し、最もボトル内部に位置する汲み上げ面3040の縁(ヘリ、辺部)3042Eを頂点とした山型となるようにした。具体的には、縁(辺部)3042Eから繋がる内壁3043が、縁3042Eを頂点とする山型をなし、且つ、汲み上げ面3040Eとともに略鋭角である角度θ2を形成するように構成した。このため、図39(b)に示すように、容器本体33内での内部空間を図39(a)に対して破線○印の領域分相当広く確保することができるとともに、容器シャッタ332との間の空間S2(図36、図37参照)も広がるため、予備動作時のトナーTの逃げ場が増えて、トナーTが解れ易くなる。
このような第5の実施形態の構成は、第1〜第4の実施形態で説明した各粉体汲み上げ部304(304B〜D)に適用してもよい。
33 容器本体(粉体収容部)
33a 開口部
33c 粉体収容部の内壁面
34 容器先端側カバー(容器カバー)
41 感光体(像担持体)
46Y、46M、34C、46K 作像部
50 現像装置
60 トナー補給装置(粉体補給(供給)装置)
100 プリンタ部(複写機本体)
200 給紙テーブル(給紙部)
301 容器ギア
302 螺旋状突起(搬送手段)
304、304(B〜E) 粉体汲み上げ部
304a 汲み上げ部螺旋状突起
304a1 螺旋状突起の端部(終端部分)
304a2 開口部から離れた側の端部
3040、3040(B〜E) 汲み上げ面
3040a、3040(Ba〜Ea) 汲み上げ面の内端部
3041 壁部(容器先端側壁部)
3042、3042(B〜E) 縁(ヘリ、辺部)
3043 内壁
330 ノズル受入部材(搬送管受入部材)
331 ノズル受入口(管挿入口)
332 容器シャッタ(開閉部材)
335 シャッタ後端支持部
335a シャッタ側面支持部
335b シャッタ支持開口
340 容器シャッタ支持部材
500 複写機(画像形成装置)
608 セットカバー
610 ノズル開口(粉体受入口)
611 搬送ノズル(搬送管)
615 容器セット部(容器受入部)
θ 汲み上げ面の傾斜角
θ1 突起部と汲み上げ面のなす角度
θ2 汲み上げ部の2面の角度
O 回転中心軸
h1 汲み上げ面の高さ
h2 突起の高さ
S 空間
S7 開始位置(始点)
T トナー(画像形成用の粉体)
W 粉体受入口の回転方向の開口範囲
W1 粉体受入口の軸線方向の開口範囲
X、X1 仮想直線
P 記録媒体
G 現像剤
Q 装着方向
Q1 離脱方向
Claims (13)
- 画像形成用の粉体が収容された粉体収容容器が装着可能であり、前記粉体収容容器からの粉体を受け入れる粉体受入口を有し該粉体受入口が上方に向け開口している搬送管を備え、装着された粉体収容容器を回転させる時には該粉体収容容器を所定回転数の範囲で回転させる画像形成装置に用いる粉体収容容器において、
前記画像形成用の粉体を収容する回転可能な粉体収容部と、
前記粉体収容部の一端に設けられ、前記搬送管を該粉体収容容器の回転中心となる位置に挿入可能な開口部と、
前記開口部側へ前記粉体収容部内の粉体を搬送する搬送手段と、
前記粉体収容部が回転することで前記開口部側の粉体を汲み上げて前記粉体受入口へと供給する粉体汲み上げ部を備え、
前記粉体汲み上げ部は、前記粉体収容部の内壁面から回転中心軸側に向かって延びる汲み上げ面を有し、
前記汲み上げ面は、
前記回転中心軸側の内端部が前記粉体収容部の該回転中心軸方向に延びているとともに、該内端部の縁が前記回転中心軸と略平行であって、且つ、該回転中心軸方向から見たときに、該回転中心軸及び該内端部の縁を通る仮想直線よりも前記粉体収容部の回転方向における上流側に向けて所定範囲の傾斜角で傾斜させてあり、
前記汲み上げ面に対向する空間の前記開口部側に向けてトナーを送り込むための搬送部を有し、
前記汲み上げ面における前記搬送部の開始位置は、前記開口部に前記搬送管が挿入されたときの、前記粉体受入口の軸線方向への開口範囲内であることを特徴とする粉体収容容器。 - 請求項1に記載の粉体収容容器において、
前記汲み上げ面の傾斜角は、前記回転中心軸方向から見たときに、該回転中心軸及び前記内端部の縁を通る仮想直線よりも前記粉体収容部の回転方向における上流側に向けて25度±5度の範囲であることを特徴とする粉体収容容器。 - 請求項1又は2記載の粉体収容容器において、
前記粉体収容容器の所定回転数の範囲は、110rpm±15rpmの範囲であることを特徴とする粉体収容容器。 - 請求項1、2又は3に記載の粉体収容容器において、
前記画像形成用の粉体は、ゆるみ見かけ密度0.41〜0.48g/cm3のトナーであることを特徴とする粉体収容容器。 - 請求項1乃至4の何れか1項に記載の粉体収容容器において、
前記汲み上げ面は、前記粉体収容部が回転したときに、前記粉体受入口の上方において、前記内端部の縁が当該粉体受入口の回転方向における開口範囲内に位置することを特徴とする粉体収容容器。 - 請求項5記載の粉体収容容器において、
前記内端部の縁は、前記粉体受入口の少なくとも一部と回転中心軸方向で重複するとともに、前記汲み上げ面が上方に向いたときに、前記回転中心軸を通り水平方向に伸びる仮想直線と略同一または前記仮想直線より上方に位置する粉体収容容器。 - 請求項1乃至6の何れか1項に記載の粉体収容容器において、
前記空間の回転方向下流側の部位は、前記開口部に向かって狭くなるように形成されている粉体収容容器。 - 請求項1乃至7の何れか1項に記載の粉体収容容器において、
前記汲み上げ部は、前記空間の回転方向下流側の部位には前記汲み上げ面と前記開口部とつながる壁部を有し、当該壁部は、前記開口部に前記搬送管が挿入されたときの、前記粉体受入口の軸線方向への開口範囲内に位置するように形成されている粉体収容容器。 - 請求項1乃至8の何れか1項に記載の粉体収容容器において、
前記粉体汲み上げ部は、前記回転中心軸方向において前記搬送部における前記開口部から離れた側の端部よりも前記開口部側に位置する粉体収容容器。 - 請求項1乃至9の何れか1項に記載の粉体収容容器において、
前記搬送部は、前記粉体収容部の内側に向かって突出した螺旋状の突起であって、前記螺旋状の突起は、前記回転中心軸方向に延びてその一部は前記空間内に位置している粉体収容容器。 - 請求項10記載の粉体収容容器において、
前記突起部は、前記粉体収容部内への高さが前記汲み上げ面の高さと同一に形成されている粉体収容容器。 - 請求項10記載の粉体収容容器において、
前記突起部と前記汲み上げ面のなす角度は、前記粉体の安息角以上である粉体収容容器 - 請求項1乃至12の何れか1つに記載の粉体収納容器と、
前記粉体収容器から搬送された粉体を用いて像担持体上に画像形成する画像形成部と、
を有する画像形成装置。
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