本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による無線通信システムの構成を示す概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による無線通信システム10は、送信機1と、受信機2とを備える。
送信機1は、ホストシステム3から伝送情報を受け、その受けた伝送情報を後述する方法によってフレーム長変調し、その変調した伝送情報を無線通信によって送信する。
受信機2は、送信機1から送信された無線信号を受信し、その受信した無線信号を後述する方法によって復号する。そして、受信機2は、その復号した伝送情報をホストシステム4へ出力する。
図2は、図1に示す送信機1の構成を示す概略図である。図2を参照して、送信機1は、符号化回路11と、フレーム長変調送信機12と、アンテナ13とを含む。
符号化回路11は、ホストシステム3から伝送情報を受ける。この伝送情報は、n(nは2以上の整数)進数の符号列によって表されている。
符号化回路11は、後述する方法によって、伝送情報を表す符号列Cdの各符号に長さが異なる2つのフレーム長を割り当てて符号列Cdを表す偶数個のフレーム長を生成する。そして、符号化回路11は、その生成した偶数個のフレーム長をフレーム長変調送信機12へ順次出力する。
フレーム長変調送信機12は、符号化回路11から偶数個のフレーム長を順次受ける。そして、フレーム長変調送信機12は、その受けた偶数個のフレーム長を有する偶数個の無線信号を生成し、その生成した偶数個の無線信号をアンテナ13を介して送信する。
図3は、図1に示す受信機2の構成を示す概略図である。図3を参照して、受信機2は、アンテナ21と、フレーム長受信機22と、復号化回路23とを含む。
フレーム長受信機22は、アンテナ21を介して無線信号を受信し、その受信した無線信号を包絡線検波し、その検波した包絡線をディジタル信号に変換する。そして、フレーム長受信機22は、その変換したディジタル信号に基づいて複数のフレーム長を検出し、その検出した複数のフレーム長を復号化回路23へ出力する。
復号化回路23は、フレーム長受信機22から受けた複数のフレーム長を後述する方法によって符号列に復号し、その復号した符号列をホストシステム4へ出力する。
この発明の実施の形態によるフレーム長変調について説明する。送信機1の符号化回路11は、ホストシステム3から伝送情報を受ける。この伝送情報の種類の数をm(mは2以上の整数)とし、伝送したい情報をk=0,1,2,3,・・・,m−1とし、x=Ceil(lognm)とする。ここで、Ceil(y)は、y以上の最小の整数を意味する。従って、Ceil(lognm)は、lognmの演算結果以上の整数である。
その結果、伝送情報kをn(nは2以上の整数)進数に変換した場合、伝送情報kは、次式によって表される。
k=ax−1nx−1+ax−2nx−2+・・・+a2n2+a1n+a0・・・(1)
式(1)において、ai=0,1,2,・・・,n−1(i=0,1,2,・・・,x−1)である。
従って、伝送情報kをn進数に変換した場合、伝送情報kは、x個の符号列[ax−1ax−2・・・a1a0]によって表される。
そして、この発明の実施の形態においては、符号列[ax−1ax−2・・・a1a0]の各符号aiに長さが異なる2つのフレーム長を割り当てる。即ち、符号aiを長さが異なる2つのフレーム長によって表す。
以下、具体的に説明する。
図4は、この発明の実施の形態によるフレーム長変調の方法を説明するための第1の具体例を示す図である。
図4においては、伝送情報の種類の数mが4個であり、伝送情報kが“0”,“1”,“2”,“3”であり、伝送情報kを2進数に変換した場合についてフレーム長変調の方法を説明する。
なお、図4の(a)は、伝送情報k(=“0”,“1”,“2”,“3”)と、伝送情報kを2進数に変換したときの符号列との対応関係を示し、図4の(b)は、2進数における各符号と、各符号に割り当てる2つのフレーム長との対応関係からなるテーブルTBL1を示す。
m=4個の伝送情報k(=“0”,“1”,“2”,“3”)を2進数に変換した場合、x=Ceil(log24)=2となる。従って、伝送情報k(=“0”,“1”,“2”,“3”)の各々は、図4の(a)に示すように、2つの符号列(=第1符号および第2符号)によって表される。より具体的には、伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”は、それぞれ、符号列[0,0],[0,1],[1,0],[1,1]によって表される。
また、2進数においては、“0”,“1”の2種類の符号が用いられるので、フレーム長変調に用いるフレーム長は、例えば、560μs,600μsの2種類である。この2種類のフレーム長は、無線LAN(Local Area Network)において用いられる複数のフレーム長から任意に選択されたフレーム長である。
そして、長さが異なる2つのフレーム長560μs,600μsを符号“0”に割り当て、長さが異なる2つのフレーム長600μs,560μsを符号“1”に割り当てる。その結果、符号“0”の第1フレームのフレーム長560μsは、符号“1”の第1フレームのフレーム長600μsよりも短く、符号“0”の第2フレームのフレーム長600μsは、符号“1”の第2フレームのフレーム長560μsよりも長くなる(図4の(b)参照)。
このように、この発明の実施の形態においては、2進数における2種類の符号(=0,1)のうち、一方の符号(=0)に割り当てられる第1フレームのフレーム長は、他方の符号(=1)に割り当てられる第1フレームのフレーム長よりも短く、一方の符号(=0)に割り当てられる第2フレームのフレーム長は、他方の符号(=1)に割り当てられる第2フレームのフレーム長よりも長い。このような関係を実現するために、テーブルTBL1は、昇順に配列されたフレーム長を第1フレームに割り当て、降順に配列されたフレーム長を第2フレームに割り当てた構成からなる。
なお、テーブルTBL1は、降順に配列されたフレーム長を第1フレームに割り当て、昇順に配列されたフレーム長を第2フレームに割り当てた構成からなっていてもよい。この場合、2進数における2つの符号において、一方の符号(=0)に割り当てられる第1フレームのフレーム長は、他方の符号(=1)に割り当てられる第1フレームのフレーム長よりも長く、一方の符号(=0)に割り当てられる第2フレームのフレーム長は、他方の符号(=1)に割り当てられる第2フレームのフレーム長よりも短くなる。
そして、伝送情報“0”をフレーム長変調する場合、第1符号である符号“0”に2つのフレーム長560μs,600μsを割り当て、第2符号である符号“0”に2つのフレーム長560μs,600μsを割り当てる。また、伝送情報“1”をフレーム長変調する場合、第1符号である符号“0”に2つのフレーム長560μs,600μsを割り当て、第2符号である符号“1”に2つのフレーム長600μs,560μsを割り当てる。伝送情報“2”,“3”についても同様である。その結果、伝送情報“0”は、[560μs,600μs,560μs,600μs]にフレーム長変調され、伝送情報“1”は、[560μs,600μs,600μs,560μs]にフレーム長変調され、伝送情報“2”は、[600μs,560μs,560μs,600μs]にフレーム長変調され、伝送情報“3”は、[600μs,560μs,600μs,560μs]にフレーム長変調される。
送信機1の符号化回路11は、テーブルTBL1を内蔵しており、テーブルTBL1を参照して伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”を構成する第1符号および第2符号の各々に2つのフレーム長を割り当て、伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”をフレーム長変調する。
従って、伝送情報kを2進数に変換した場合、伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”の各々は、4個(=2x)のフレーム長によって表される。
無線通信においてフレーム長を誤る場合、フレーム長は、短い長さに誤る可能性が高い。従って、2つの符号“0”,“1”に対して、テーブルTBL1に示すフレーム長を割り当てた場合、符号“0”を符号“1”と誤るには、符号“0”の第2フレームのフレーム長600μsをフレーム長560μsに誤り、符号“0”の第1フレームのフレーム長560μsをフレーム長600μsに誤る必要がある。しかし、無線通信においては、フレーム長は、短い長さに誤る可能性が高いので、符号“0”の第1フレームのフレーム長560μsをフレーム長600μsに誤る可能性は低い。従って、伝送誤りを抑制できる。
図5は、この発明の実施の形態によるフレーム長変調の方法を説明するための第2の具体例を示す図である。
図5においては、伝送情報の種類の数mが4個であり、伝送情報kが“0”,“1”,“2”,“3”であり、伝送情報kを4進数に変換した場合についてフレーム長変調の方法を説明する。
なお、図5の(a)は、伝送情報k(=“0”,“1”,“2”,“3”)と、伝送情報kを4進数に変換したときの符号列との対応関係を示し、図5の(b)は、4進数における各符号と、各符号に割り当てる2つのフレーム長との対応関係からなるテーブルTBL2−1を示す。また、図5の(c)〜(e)は、4進数における各符号と、各符号に割り当てる3つのフレーム長との対応関係からなるテーブルTBL2−2〜TBL2−4を示す。
m=4個の伝送情報k(=“0”,“1”,“2”,“3”)を4進数に変換した場合、x=Ceil(log44)=1となる。従って、伝送情報k(=“0”,“1”,“2”,“3”)の各々は、図5の(a)に示すように、1つの符号列(=第1符号)によって表される。より具体的には、伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”は、それぞれ、符号列[0],[1],[2],[3]によって表される。
また、4進数においては、“0”,“1”,“2”,“3”の4種類の符号が用いられるので、フレーム長変調に用いるフレーム長は、例えば、480μs,520μs,560μs,600μsの4種類である。この4種類のフレーム長は、無線LANにおいて用いられる複数のフレーム長から任意に選択されたフレーム長である。
そして、“0”,“1”,“2”,“3”の各符号に長さが異なる2つのフレーム長を割り当てる場合、長さが異なる2つのフレーム長480μs,600μsを符号“0”に割り当て、長さが異なる2つのフレーム長520μs,560μsを符号“1”に割り当て、長さが異なる2つのフレーム長560μs,520μsを符号“2”に割り当て、長さが異なる2つのフレーム長600μs,480μsを符号“3”に割り当てる(図5の(b)参照)。その結果、4進数における複数の符号(=“0”,“1”,“2”,“3”)のうち、任意の2つの符号において、一方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長よりも短く、一方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長よりも長い。このような関係を実現するために、テーブルTBL2−1は、昇順に配列されたフレーム長を第1フレームに割り当て、降順に配列されたフレーム長を第2フレームに割り当てた構成からなる。
なお、テーブルTBL2−1は、降順に配列されたフレーム長を第1フレームに割り当て、昇順に配列されたフレーム長を第2フレームに割り当てた構成からなっていてもよい。この場合、4進数における任意の2つの符号において、一方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長よりも長くなり、一方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長よりも短くなる。
従って、上述したように、伝送誤りを抑制できる。
そして、伝送情報“0”をフレーム長変調する場合、第1符号である符号“0”に2つのフレーム長480μs,600μsを割り当てる。また、伝送情報“1”をフレーム長変調する場合、第1符号である符号“1”に2つのフレーム長520μs,560μsを割り当てる。伝送情報“2”,“3”についても同様である。その結果、伝送情報“0”は、[480μs,600μs]にフレーム長変調され、伝送情報“1”は、[520μs,560μs]にフレーム長変調され、伝送情報“2”は、[560μs,520μs]にフレーム長変調され、伝送情報“3”は、[600μs,480μs]にフレーム長変調される。
送信機1の符号化回路11は、テーブルTBL2−1を内蔵しており、テーブルTBL2−1を参照して伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”を構成する第1符号に2つのフレーム長を割り当て、伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”をフレーム長変調する。
また、“0”,“1”,“2”,“3”の各符号に長さが異なる3つのフレーム長を割り当てる場合、長さが異なる3つのフレーム長480μs,600μs,540μsを符号“0”に割り当て、長さが異なる3つのフレーム長520μs,560μs,540μsを符号“1”に割り当て、長さが異なる3つのフレーム長560μs,520μs,540μsを符号“2”に割り当て、長さが異なる3つのフレーム長600μs,480μs,540μsを符号“3”に割り当てる(図5の(c)参照)。その結果、4進数における複数の符号(=“0”,“1”,“2”,“3”)のうち、任意の2つの符号において、一方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長よりも短く、一方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長よりも長い。このような関係を実現するために、テーブルTBL2−2は、昇順に配列されたフレーム長を第1フレームに割り当て、降順に配列されたフレーム長を第2フレームに割り当て、第1フレームのフレーム長と第2フレームのフレーム長との平均値を第3フレームに割り当てた構成からなる。
なお、テーブルTBL2−2は、降順に配列されたフレーム長を第1フレームに割り当て、昇順に配列されたフレーム長を第2フレームに割り当て、第1フレームのフレーム長と第2フレームのフレーム長との平均値を第3フレームに割り当てた構成からなっていてもよい。この場合、4進数における任意の2つの符号において、一方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長よりも長くなり、一方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長よりも短くなる。
従って、上述したように、伝送誤りを抑制できる。
そして、伝送情報“0”をフレーム長変調する場合、第1符号である符号“0”に3つのフレーム長480μs,600μs,540μsを割り当てる。また、伝送情報“1”をフレーム長変調する場合、第1符号である符号“1”に2つのフレーム長520μs,560μs,540μsを割り当てる。伝送情報“2”,“3”についても同様である。その結果、伝送情報“0”は、[480μs,600μs,540μs]にフレーム長変調され、伝送情報“1”は、[520μs,560μs,540μs]にフレーム長変調され、伝送情報“2”は、[560μs,520μs,540μs]にフレーム長変調され、伝送情報“3”は、[600μs,480μs,540μs]にフレーム長変調される。
送信機1の符号化回路11は、テーブルTBL2−2を内蔵しており、テーブルTBL2−2を参照して伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”を構成する第1符号に3つのフレーム長を割り当て、伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”をフレーム長変調する。
更に、“0”,“1”,“2”,“3”の各符号に長さが異なる3つのフレーム長を割り当てる場合、テーブルTBL2−3,TBL2−4のいずれかに従って“0”,“1”,“2”,“3”の各符号に長さが異なる3つのフレーム長を割り当ててもよい(図5の(c),(d)参照)。
テーブルTBL2−3は、昇順に配列されたフレーム長を第1フレームに割り当て、降順に配列されたフレーム長を第3フレームに割り当て、第1フレームのフレーム長と第3フレームのフレーム長との平均値を第2フレームに割り当てた構成からなる。
なお、テーブルTBL2−3は、降順に配列されたフレーム長を第1フレームに割り当て、昇順に配列されたフレーム長を第3フレームに割り当て、第1フレームのフレーム長と第3フレームのフレーム長との平均値を第2フレームに割り当てた構成からなっていてもよい。
また、テーブルTBL2−4は、昇順に配列されたフレーム長を第2フレームに割り当て、降順に配列されたフレーム長を第3フレームに割り当て、第2フレームのフレーム長と第3フレームのフレーム長との平均値を第1フレームに割り当てた構成からなる。
なお、テーブルTBL2−4は、降順に配列されたフレーム長を第2フレームに割り当て、昇順に配列されたフレーム長を第3フレームに割り当て、第2フレームのフレーム長と第3フレームのフレーム長との平均値を第1フレームに割り当てた構成からなっていてもよい。
テーブルTBL2−3またはテーブルTBL2−4を用いて“0”,“1”,“2”,“3”の各符号に長さが異なる3つのフレーム長を割り当てる場合、送信機1の符号化回路11は、テーブルTBL2−3またはテーブルTBL2−4を内蔵しており、テーブルTBL2−3またはテーブルTBL2−4を参照して、テーブルTBL2−2を参照する場合と同様にして、伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”を構成する第1符号に3つのフレーム長を割り当て、伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”をフレーム長変調する。
“0”,“1”,“2”,“3”の各符号に長さが異なる3つのフレーム長を割り当てる場合、一般的には、第1フレーム〜第3フレームのうちから任意に選択された2つのフレームの一方に昇順に配列されたフレーム長を割り当て、2つのフレームの他方に降順に配列されたフレーム長を割り当て、残りのフレームに任意のフレーム長を割り当てる。
テーブルTBL2−2は、残りのフレームである第3フレームに第1フレームのフレーム長と第2フレームのフレーム長との平均値を割り当てた例であり、テーブルTBL2−3は、残りのフレームである第2フレームに第1フレームのフレーム長と第3フレームのフレーム長との平均値を割り当てた例であり、テーブルTBL2−4は、残りのフレームである第1フレームに第2フレームのフレーム長と第3フレームのフレーム長との平均値を割り当てた例である。そして、残りのフレームに割り当てるフレーム長は、任意のフレーム長であってもよいので、テーブルTBL2−2の第3フレームに相互に異なるフレーム長を割り当ててもよく、テーブルTBL2−3の第2フレームに相互に異なるフレーム長を割り当ててもよく、テーブルTBL2−4の第1フレームに相互に異なるフレーム長を割り当ててもよい。
“0”,“1”,“2”,“3”の各符号に長さが異なる4個以上のフレーム長を割り当ててもよく、この場合、各“0”,“1”,“2”,“3”に対応する複数のフレームは、昇順に配列されたフレーム長が割り当てられたフレームと、降順に配列されたフレーム長が割り当てられたフレームとの組を少なくとも1つ含んでいればよい。
従って、伝送情報kを4進数に変換した場合、伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”の各々は、2個(=2x)以上のフレーム長によって表される。
図6は、この発明の実施の形態によるフレーム長変調の方法を説明するための第3の具体例を示す図である。
図6においては、伝送情報の種類の数mが4個であり、伝送情報kが“0”,“1”,“2”,“3”であり、伝送情報kを8進数に変換した場合についてフレーム長変調の方法を説明する。
なお、図6の(a)〜(d)は、伝送情報k(=“0”,“1”,“2”,“3”)と、伝送情報kを8進数に変換したときの符号列との対応関係を示し、図6の(e)は、8進数における各符号と、各符号に割り当てる2つのフレーム長との対応関係からなるテーブルTBL3を示す。
m=4個の伝送情報k(=“0”,“1”,“2”,“3”)を8進数に変換した場合、x=Ceil(log84)=1となる。従って、伝送情報k(=“0”,“1”,“2”,“3”)の各々は、図6の(a)〜(d)に示すように、1つの符号列(=第1符号)によって表される。より具体的には、伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”は、例えば、それぞれ、符号列[0],[1],[2],[3]によって表され(図6の(a)参照)、または符号列[4],[5],[6],[7]によって表され(図6の(b)参照)、または符号列[0],[2],[4],[6]によって表され(図6の(c)参照)、または符号列[0],[1],[6],[7]によって表される(図6の(d)参照)。
8進数において使用される符号は、“0”,“1”,“2”,“3”,“4”,“5”,“6”,“7”の8個であり、4個の伝送情報k(=“0”,“1”,“2”,“3”)の各々は、1つの符号列(=第1符号)によって表される。従って、4個の伝送情報k(=“0”,“1”,“2”,“3”)の各々は、一般的には、“0”,“1”,“2”,“3”,“4”,“5”,“6”,“7”の8個の符号から任意に選択された4個の符号によって表される。
このように、図6の(a)〜(d)に示す伝送情報kと、伝送情報kを8進数に変換したときの符号列との対応関係は、例示であり、この発明の実施の形態においては、伝送情報kを8進数に変換する場合、図6の(a)〜(d)に示す対応関係以外の対応関係が用いられてもよい。
また、8進数においては、“0”,“1”,“2”,“3”,“4”,“5”,“6”,“7”の8種類の符号が用いられるので、フレーム長変調に用いるフレーム長は、例えば、480μs,640μs,800μs,960μs,1120μs,1280μs,1440μs,1600μsの8種類である。この8種類のフレーム長は、無線LANにおいて用いられる複数のフレーム長から任意に選択されたフレーム長である。
そして、長さが異なる2つのフレーム長1600μs,480μsを符号“0”に割り当て、長さが異なる2つのフレーム長1440μs,640μsを符号“1”に割り当て、長さが異なる2つのフレーム長1280μs,800μsを符号“2”に割り当て、長さが異なる2つのフレーム長1120μs,960μsを符号“3”に割り当て、長さが異なる2つのフレーム長960μs,1120μsを符号“4”に割り当て、長さが異なる2つのフレーム長800μs,1280μsを符号“5”に割り当て、長さが異なる2つのフレーム長640μs,1440μsを符号“6”に割り当て、長さが異なる2つのフレーム長480μs,1600μsを符号“7”に割り当てる(図6の(e)参照)。
その結果、8進数における複数の符号(=“0”,“1”,“2”,“3”,“4”,“5”,“6”,“7”)のうち、任意の2つの符号において、一方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長よりも短く、一方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長よりも長い。このような関係を実現するために、テーブルTBL3は、降順に配列されたフレーム長を第1フレームに割り当て、昇順に配列されたフレーム長を第2フレームに割り当てた構成からなる。
なお、テーブルTBL3は、昇順に配列されたフレーム長を第1フレームに割り当て、降順に配列されたフレーム長を第2フレームに割り当てた構成からなっていてもよい。この場合、8進数における任意の2つの符号において、一方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長よりも長くなり、一方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長よりも短くなる。
従って、上述したように、伝送誤りを抑制できる。
そして、図6の(a)に示す伝送情報kと、伝送情報kを8進数に変換したときの符号列との対応関係が用いられる場合、伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”は、次のようにフレーム長変調される。伝送情報“0”をフレーム長変調する場合、第1符号である符号“0”に2つのフレーム長1600μs,480μsを割り当てる。また、伝送情報“1”をフレーム長変調する場合、第1符号である符号“1”に2つのフレーム長1440μs,640μsを割り当てる。伝送情報“2”,“3”についても同様である。その結果、伝送情報“0”は、[1600μs,480μs]にフレーム長変調され、伝送情報“1”は、[1440μs,640μs]にフレーム長変調され、伝送情報“2”は、[1280μs,800μs]にフレーム長変調され、伝送情報“3”は、[1120μs,960μs]にフレーム長変調される。図6の(b)〜(d)のいずれかに示す対応関係が用いられる場合も同様である。
送信機1の符号化回路11は、テーブルTBL3を内蔵しており、テーブルTBL3を参照して伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”を構成する第1符号に2つのフレーム長を割り当て、伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”をフレーム長変調する。
図6においては、“0”,“1”,“2”,“3”の各符号に2つのフレーム長を割り当てる場合のみが図示されているが、図5に示すように、“0”,“1”,“2”,“3”の各符号に3個以上のフレーム長を割り当ててもよい。
従って、伝送情報kを8進数に変換した場合、伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”の各々は、2個(=2x)以上のフレーム長によって表される。
なお、伝送情報kが1個の符号(=第1符号)によって表されるように伝送情報kを8進数に変換した場合、8進数では、8個の符号が用いられるので、伝送情報kの種類の数mは、最大、8個である。
図7は、この発明の実施の形態によるフレーム長変調の方法を説明するための第4の具体例を示す図である。
図7においては、伝送情報の種類の数mが256個であり、伝送情報kが“0”,“1”,“2”,“3”,・・・,“252”,“253”,“254”,“255”であり、伝送情報kを16進数に変換した場合についてフレーム長変調の方法を説明する。
なお、図7の(a)は、伝送情報k(=“0”〜“255”)と、伝送情報kを16進数に変換したときの符号列との対応関係を示し、図7の(b)は、16進数における各符号と、各符号に割り当てる2つのフレーム長との対応関係からなるテーブルTBL4を示す。
m=256個の伝送情報k(=“0”〜“255”)を16進数に変換した場合、x=Ceil(log16256)=2となる。従って、伝送情報k(=“0”〜“255”)の各々は、図7の(a)に示すように、2つの符号(=第1符号および第2符号)からなる符号列によって表される。より具体的には、伝送情報“0”は、符号列[0,0]によって表され、伝送情報“1”は、符号列[0,1]によって表され、伝送情報“2”は、符号列[0,2]によって表され、伝送情報“3”は、符号列[0,3]によって表され、以下、同様にして、伝送情報“252”は、符号列[15,12]によって表され、伝送情報“253”は、符号列[15,13]によって表され、伝送情報“254”は、符号列[15,14]によって表され、伝送情報“255”は、符号列[15,15]によって表される。
また、16進数においては、“0”〜“15”の16種類の符号が用いられるので、フレーム長変調に用いるフレーム長は、例えば、480μs,640μs,800μs,960μs,1120μs,1280μs,1440μs,1600μs,1760μs,1920μs,2080μs,2240μs,2400μs,2560μs,2720μs,2880μsの16種類である。この16種類のフレーム長は、無線LANにおいて用いられる複数のフレーム長から任意に選択されたフレーム長である。
そして、符号“0”〜“15”に、それぞれ、長さが異なる2つのフレーム長480μs,2880μs;640μs,2720μs;800μs,2560μs;960μs,2400μs;1120μs,2240μs;1280μs,2080μs;1440μs,1920μs;1600μs,1760μs;1760μs,1600μs;1920μs,1440μs;2080μs,1280μs;2240μs,1120μs;2400μs,960μs;2560μs,800μs;2720μs,640μs;2880μs,480μsを割り当てる(図7の(b)参照)。
その結果、16進数における複数の符号(=“0”〜“15”)のうち、任意の2つの符号において、一方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長よりも短く、一方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長よりも長い。このような関係を実現するために、テーブルTBL4は、昇順に配列されたフレーム長を第1フレームに割り当て、降順に配列されたフレーム長を第2フレームに割り当てた構成からなる。
なお、テーブルTBL4は、降順に配列されたフレーム長を第1フレームに割り当て、昇順に配列されたフレーム長を第2フレームに割り当てた構成からなっていてもよい。この場合、16進数における任意の2つの符号において、一方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長よりも長くなり、一方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長よりも短くなる。
従って、上述したように、伝送誤りを抑制できる。
そして、伝送情報“0”をフレーム長変調する場合、第1符号である符号“0”に2つのフレーム長480μs,2880μsを割り当て、第2符号である符号“0”に2つのフレーム長480μs,2880μsを割り当てる。また、伝送情報“1”をフレーム長変調する場合、第1符号である符号“0”に2つのフレーム長480μs,2880μsを割り当て、第2符号である符号“1”に2つのフレーム長640μs,2720μsを割り当てる。伝送情報“2”〜“255”についても同様である。その結果、伝送情報“0”は、[480μs,2880μs,480μs,2880μs]にフレーム長変調され、伝送情報“1”は、[480μs,2880μs,640μs,2720μs]にフレーム長変調され、以下、同様にして、伝送情報“254”は、[2880μs,480μs,2720μs,640μs]にフレーム長変調され、伝送情報“255”は、[2880μs,480μs,2880μs,480μs]にフレーム長変調される。
送信機1の符号化回路11は、テーブルTBL4を内蔵しており、テーブルTBL4を参照して伝送情報“0”〜“255”を構成する第1符号および第2符号の各々に2つのフレーム長を割り当て、伝送情報“0”〜“255”をフレーム長変調する。
従って、伝送情報kを16進数に変換した場合、伝送情報“0”〜“255”の各々は、4個(=2x)のフレーム長によって表される。
図8は、この発明の実施の形態によるフレーム長変調の方法を説明するための第5の具体例を示す図である。
図8においては、伝送情報の種類の数mが256個であり、伝送情報kが“0”,“1”,“2”,“3”,・・・,“252”,“253”,“254”,“255”であり、伝送情報kを4進数に変換した場合についてフレーム長変調の方法を説明する。
なお、図8の(a)は、伝送情報k(=“0”〜“255”)と、伝送情報kを4進数に変換したときの符号列との対応関係を示し、図8の(b)は、4進数における各符号と、各符号に割り当てる2つのフレーム長との対応関係からなるテーブルTBL5を示す。
m=256個の伝送情報k(=“0”〜“255”)を4進数に変換した場合、x=Ceil(log4256)=4となる。従って、伝送情報k(=“0”〜“255”)の各々は、図8の(a)に示すように、4つの符号(=第1符号、第2符号、第3符号および第4符号)からなる符号列によって表される。より具体的には、伝送情報“0”は、符号列[0,0,0,0]によって表され、伝送情報“1”は、符号列[0,0,0,1]によって表され、伝送情報“2”は、符号列[0,0,0,2]によって表され、伝送情報“3”は、符号列[0,0,0,3]によって表され、以下、同様にして、伝送情報“252”は、符号列[3,3,3,0]によって表され、伝送情報“253”は、符号列[3,3,3,1]によって表され、伝送情報“254”は、符号列[3,3,3,2]によって表され、伝送情報“255”は、符号列[3,3,3,3]によって表される。
また、4進数においては、“0”〜“3”の4種類の符号が用いられるので、フレーム長変調に用いるフレーム長は、例えば、480μs,520μs,560μs,600μsの4種類である。この4種類のフレーム長は、無線LANにおいて用いられる複数のフレーム長から任意に選択されたフレーム長である。
そして、長さが異なる2つのフレーム長480μs,600μsを符号“0”に割り当て、長さが異なる2つのフレーム長520μs,560μsを符号“1”に割り当て、長さが異なる2つのフレーム長560μs,520μsを符号“2”に割り当て、長さが異なる2つのフレーム長600μs,480μsを符号“3”に割り当てる(図8の(b)参照)。
その結果、4進数における複数の符号(=“0”〜“3”)のうち、任意の2つの符号において、一方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長よりも短く、一方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長よりも長い。このような関係を実現するために、テーブルTBL5は、昇順に配列されたフレーム長を第1フレームに割り当て、降順に配列されたフレーム長を第2フレームに割り当てた構成からなる。
なお、テーブルTBL5は、降順に配列されたフレーム長を第1フレームに割り当て、昇順に配列されたフレーム長を第2フレームに割り当てた構成からなっていてもよい。この場合、4進数における任意の2つの符号において、一方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長よりも長くなり、一方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長よりも短くなる。
従って、上述したように、伝送誤りを抑制できる。
そして、伝送情報“0”をフレーム長変調する場合、第1符号である符号“0”に2つのフレーム長480μs,600μsを割り当て、第2符号である符号“0”に2つのフレーム長480μs,600μsを割り当て、第3符号である符号“0”に2つのフレーム長480μs,600μsを割り当て、第4符号である符号“0”に2つのフレーム長480μs,600μsを割り当てる。
また、伝送情報“1”をフレーム長変調する場合、第1符号である符号“0”に2つのフレーム長480μs,600μsを割り当て、第2符号である符号“0”に2つのフレーム長480μs,600μsを割り当て、第3符号である符号“0”に2つのフレーム長480μs,600μsを割り当て、第4符号である符号“1”に2つのフレーム長520μs,560μsを割り当てる。伝送情報“2”〜“255”についても同様である(図8の(b)参照)。
その結果、伝送情報“0”は、[480μs,600μs,480μs,600μs,480μs,600μs,480μs,600μs]にフレーム長変調され、伝送情報“1”は、[480μs,600μs,480μs,600μs,480μs,600μs,520μs,560μs]にフレーム長変調され、以下、同様にして、伝送情報“254”は、[600μs,480μs,600μs,480μs,600μs,480μs,560μs,520μs]にフレーム長変調され、伝送情報“255”は、[600μs,480μs,600μs,480μs,600μs,480μs,600μs,480μs]にフレーム長変調される。
送信機1の符号化回路11は、テーブルTBL5を内蔵しており、テーブルTBL5を参照して伝送情報“0”〜“255”を構成する第1符号、第2符号、第3符号および第4符号の各々に2つのフレーム長を割り当て、伝送情報“0”〜“255”をフレーム長変調する。
従って、伝送情報kを4進数に変換した場合、伝送情報“0”〜“255”の各々は、8個(=2x)のフレーム長によって表される。
図9は、この発明の実施の形態によるフレーム長変調の方法を説明するための第6の具体例を示す図である。
図9においては、伝送情報の種類の数mが256個であり、伝送情報kが“0”,“1”,“2”,“3”,・・・,“252”,“253”,“254”,“255”であり、伝送情報kを2進数に変換した場合についてフレーム長変調の方法を説明する。
なお、図9の(a)は、伝送情報k(=“0”〜“255”)と、伝送情報kを2進数に変換したときの符号列との対応関係を示し、図9の(b)は、2進数における各符号と、各符号に割り当てる2つのフレーム長との対応関係からなるテーブルTBL6を示す。
m=256個の伝送情報k(=“0”〜“255”)を2進数に変換した場合、x=Ceil(log2256)=8となる。従って、伝送情報k(=“0”〜“255”)の各々は、図9の(a)に示すように、8つの符号(=第1符号、第2符号、第3符号、第4符号、第5符号、第6符号、第7符号および第8符号)からなる符号列によって表される。より具体的には、伝送情報“0”は、符号列[0,0,0,0,0,0,0,0]によって表され、伝送情報“1”は、符号列[0,0,0,0,0,0,0,1]によって表され、伝送情報“2”は、符号列[0,0,0,0,0,0,1,0]によって表され、伝送情報“3”は、符号列[0,0,0,0,0,0,1,1]によって表され、以下、同様にして、伝送情報“252”は、符号列[1,1,1,1,1,1,0,0]によって表され、伝送情報“253”は、符号列[1,1,1,1,1,1,0,1]によって表され、伝送情報“254”は、符号列[1,1,1,1,1,1,1,0]によって表され、伝送情報“255”は、符号列[1,1,1,1,1,1,1,1]によって表される。
また、2進数においては、“0”,“1”の2種類の符号が用いられるので、フレーム長変調に用いるフレーム長は、例えば、560μs,600μsの2種類である。この2種類のフレーム長は、無線LANにおいて用いられる複数のフレーム長から任意に選択されたフレーム長である。
そして、長さが異なる2つのフレーム長560μs,600μsを符号“0”に割り当て、長さが異なる2つのフレーム長600μs,560μsを符号“1”に割り当てる(図9の(b)参照)。
その結果、2進数における2つの符号(=“0”,“1”)において、一方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長よりも短く、一方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長よりも長い。このような関係を実現するために、テーブルTBL6は、昇順に配列されたフレーム長を第1フレームに割り当て、降順に配列されたフレーム長を第2フレームに割り当てた構成からなる。
なお、テーブルTBL6は、降順に配列されたフレーム長を第1フレームに割り当て、昇順に配列されたフレーム長を第2フレームに割り当てた構成からなっていてもよい。この場合、2進数における2つの符号において、一方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長よりも長くなり、一方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長よりも短くなる。
従って、上述したように、伝送誤りを抑制できる。
そして、伝送情報“0”をフレーム長変調する場合、第1符号である符号“0”に2つのフレーム長560μs,600μsを割り当て、第2符号である符号“0”に2つのフレーム長560μs,600μsを割り当て、第3符号である符号“0”に2つのフレーム長560μs,600μsを割り当て、第4符号である符号“0”に2つのフレーム長560μs,600μsを割り当て、第5符号である符号“0”に2つのフレーム長560μs,600μsを割り当て、第6符号である符号“0”に2つのフレーム長560μs,600μsを割り当て、第7符号である符号“0”に2つのフレーム長560μs,600μsを割り当て、第8符号である符号“0”に2つのフレーム長560μs,600μsを割り当てる。
また、伝送情報“1”をフレーム長変調する場合、第1符号である符号“0”に2つのフレーム長560μs,600μsを割り当て、第2符号である符号“0”に2つのフレーム長560μs,600μsを割り当て、第3符号である符号“0”に2つのフレーム長560μs,600μsを割り当て、第4符号である符号“0”に2つのフレーム長560μs,600μsを割り当て、第5符号である符号“0”に2つのフレーム長560μs,600μsを割り当て、第6符号である符号“0”に2つのフレーム長560μs,600μsを割り当て、第7符号である符号“0”に2つのフレーム長560μs,600μsを割り当て、第8符号である符号“1”に2つのフレーム長600μs,560μsを割り当てる。伝送情報“2”〜“255”についても同様である。
その結果、伝送情報“0”は、[560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs]にフレーム長変調され、伝送情報“1”は、[560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,600μs,560μs]にフレーム長変調され、以下、同様にして、伝送情報“254”は、[600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,560μs,600μs]にフレーム長変調され、伝送情報“255”は、[600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs,600μs,560μs]にフレーム長変調される。
送信機1の符号化回路11は、テーブルTBL6を内蔵しており、テーブルTBL6を参照して伝送情報“0”〜“255”を構成する第1符号、第2符号、第3符号、第4符号、第5符号、第6符号、第7符号および第8符号の各々に2つのフレーム長を割り当て、伝送情報“0”〜“255”をフレーム長変調する。
従って、伝送情報kを2進数に変換した場合、伝送情報“0”〜“255”の各々は、16個(=2x)のフレーム長によって表される。
上述したように、m個の伝送情報kをn進数に変換した場合、伝送情報kは、x=Ceil(lognm)個の符号からなる符号列によって表され、x個の符号の各々に長さが異なる2つのフレーム長を割り当てることによって伝送情報kをフレーム長変調する。その結果、伝送情報kは、2x個のフレーム長によって表される。
そして、図4においては、x=2であり、n=2進数であり、伝送情報kの種類の数mが4個であるので、21<4≦22の関係が成立する。また、図5においては、x=1であり、n=4進数であり、伝送情報kの種類の数mが4個であるので、40<4≦41の関係が成立する。更に、図6においては、x=1であり、n=8進数であり、伝送情報kの種類の数mが4個であるので、80<4≦81の関係が成立する。更に、図7においては、x=2であり、n=16進数であり、伝送情報kの種類の数mが256個であるので、161<256≦162の関係が成立する。更に、図8においては、x=4であり、n=4進数であり、伝送情報kの種類の数mが256個であるので、43<256≦44の関係が成立する。更に、図9においては、x=8であり、n=2進数であり、伝送情報kの種類の数mが256個であるので、27<256≦28の関係が成立する。
従って、一般的には、伝送情報kの種類の数m、nおよびxの間には、nx−1<m≦nxの関係が成立する。
図4から図9にそれぞれ示すテーブルTBL1〜TBL6において、第1フレームおよび第2フレームに昇順または降順で配列された複数のフレーム長の間隔は、受信機2の性能に応じて決定される。より具体的には、複数のフレーム長の間隔は、受信機2におけるフレーム長の検出性能が相対的に高いときは、相対的に短く設定され、受信機2におけるフレーム長の検出性能が相対的に低いときは、相対的に長く設定される。
また、図4から図9においては、伝送情報kを2進数、4進数、8進数および16進数の符号列に変換し、その変換した符号列をフレーム長変調する場合について説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、伝送情報kを3進数、5進数および7進数等の符号列に変換し、その変換した符号列をフレーム長変調してもよく、一般的には、伝送情報kをn進数の符号列に変換し、その変換した符号列をフレーム長変調してもよい。
図10は、この発明の実施の形態によるフレーム長変調の一般的方法を説明するための図である。
伝送情報kをn進数の符号列に変換し、その変換した符号列をフレーム長変調する場合、x=Ceil(lognm)を演算して伝送情報kをn進数の符号列に変換したときの符号の個数を決定する。そして、伝送情報“0”,“1”,“2”,・・・,“n−2”,“n−1”と、符号列(第1符号〜第x符号)との関係を作成する(図10の(a)参照)。この場合、a0,0〜a0,x−1,a1,0〜a1,x−1,・・・an−2,0〜an−2,x−1,an−1,0〜an−1,x−1の各々は、n進数における符号“0”,“1”,“2”,・・・,“n−2”,“n−1”のいずれかからなる。
また、n進数における複数の符号“0”,“1”,“2”,・・・,“n−2”,“n−1”のうち、任意の2つの符号において、一方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第1フレームのフレーム長よりも短くなり(または長くなり)、一方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長は、他方の符号に割り当てられる第2フレームのフレーム長よりも長くなる(または短くなる)関係を満たすように、n進数における複数の符号“0”,“1”,“2”,・・・,“n−2”,“n−1”の各々に割り当てられる第1フレームおよび第2フレームのフレーム長が決定される。そして、n進数における複数の符号と、その複数の符号の各々に割り当てられる2つのフレーム(第1フレームおよび第2フレーム)とからなるテーブルTBLが作成される(図10の(b)参照)。なお、フレーム長l1〜lnにおいては、l1<l2<・・・<ln−1<lnの関係が成立する。
そうすると、テーブルTBLを参照して、伝送情報“0”,“1”,“2”,・・・,“n−2”,“n−1”を表すn進数の符号列(=a0,0〜a0,x−1等)の各符号に長さが異なる2つのフレーム長を割り当ててフレーム長変調する。
なお、テーブルTBLにおいては、同じフレーム長l1〜lnを第1フレームおよび第2フレームに割り当てたが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、昇順に配列されたフレーム長li(l1<l2<・・・<ln−1<ln)を第1フレームに割り当て、降順に配列されたクレーム長ji(j1<j2<・・・<jn−1<jn)を第2フレームに割り当ててもよく、降順に配列されたフレーム長li(l1<l2<・・・<ln−1<ln)を第1フレームに割り当て、昇順に配列されたクレーム長ji(j1<j2<・・・<jn−1<jn)を第2フレームに割り当ててもよい。
なお、伝送情報が2個以上の符号によって表される場合、各符号に2個のフレーム長を割り当てる場合に限らず、各符号に3個以上のフレーム長を割り当ててもよい。その結果、各伝送情報は、2x以上のフレーム長(=複数のフレーム長)によって表わされる。
従って、この発明の実施の形態においては、伝送情報が1個の符号によって表される場合も含め、各伝送情報は、2個以上のフレーム長(=複数のフレーム長)によって表わされる。
図11は、フレーム長変調された伝送情報kを無線通信によって送信する方法を説明するための図である。
なお、図11においては、4個の伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”を2進数に変換した場合(図4参照)において、伝送情報k(=“0”,“1”,“2”,“3”)を無線通信によって送信する方法を説明する。
送信機1のフレーム長変調送信機12は、伝送情報“0”を送信する場合、符号化回路11から4個のフレーム長560μs,600μs,560μs,600μsを順次受ける。
そして、フレーム長変調送信機12は、700μsのフレーム長を有するスタートフレームSFを生成し、その生成したスタートフレームSFをアンテナ13を介して送信する。その後、フレーム長変調送信機12は、最初に受けたフレーム長560μsに応じて560μsのフレーム長を有する無線フレームF1を生成し、その生成した無線フレームF1をアンテナ13を介して送信する。引き続いて、フレーム長変調送信機12は、2番目に受けたフレーム長600μsに応じて600μsのフレーム長を有する無線フレームF2を生成し、その生成した無線フレームF2をアンテナ13を介して送信する。更に、フレーム長変調送信機12は、3番目に受けたフレーム長560μsに応じて560μsのフレーム長を有する無線フレームF1を生成し、その生成した無線フレームF1をアンテナ13を介して送信する。更に、フレーム長変調送信機12は、最後に受けたフレーム長600μsに応じて600μsのフレーム長を有する無線フレームF2を生成し、その生成した無線フレームF2をアンテナ13を介して送信する。これによって、伝送情報“0”が4個の無線フレームF1,F2,F1,F2によって送信される(図11の(a)参照)。
また、送信機1のフレーム長変調送信機12は、伝送情報“1”を送信する場合、符号化回路11から4個のフレーム長560μs,600μs,600μs,560μsを順次受ける。
そして、フレーム長変調送信機12は、スタートフレームSFを生成し、その生成したスタートフレームSFをアンテナ13を介して送信する。その後、フレーム長変調送信機12は、最初に受けたフレーム長560μsに応じて560μsのフレーム長を有する無線フレームF1を生成し、その生成した無線フレームF1をアンテナ13を介して送信する。引き続いて、フレーム長変調送信機12は、2番目に受けたフレーム長600μsに応じて600μsのフレーム長を有する無線フレームF2を生成し、その生成した無線フレームF2をアンテナ13を介して送信する。更に、フレーム長変調送信機12は、3番目に受けたフレーム長600μsに応じて600μsのフレーム長を有する無線フレームF2を生成し、その生成した無線フレームF2をアンテナ13を介して送信する。更に、フレーム長変調送信機12は、最後に受けたフレーム長560μsに応じて560μsのフレーム長を有する無線フレームF1を生成し、その生成した無線フレームF1をアンテナ13を介して送信する。これによって、伝送情報“1”が4個の無線フレームF1,F2,F2,F1によって送信される(図11の(b)参照)。
更に、送信機1のフレーム長変調送信機12は、伝送情報“2”を送信する場合、符号化回路11から4個のフレーム長600μs,560μs,560μs,600μsを順次受ける。
そして、フレーム長変調送信機12は、スタートフレームSFを生成し、その生成したスタートフレームSFをアンテナ13を介して送信する。その後、フレーム長変調送信機12は、最初に受けたフレーム長600μsに応じて600μsのフレーム長を有する無線フレームF2を生成し、その生成した無線フレームF2をアンテナ13を介して送信する。引き続いて、フレーム長変調送信機12は、2番目に受けたフレーム長560μsに応じて560μsのフレーム長を有する無線フレームF1を生成し、その生成した無線フレームF1をアンテナ13を介して送信する。更に、フレーム長変調送信機12は、3番目に受けたフレーム長560μsに応じて560μsのフレーム長を有する無線フレームF1を生成し、その生成した無線フレームF1をアンテナ13を介して送信する。更に、フレーム長変調送信機12は、最後に受けたフレーム長600μsに応じて600μsのフレーム長を有する無線フレームF2を生成し、その生成した無線フレームF2をアンテナ13を介して送信する。これによって、伝送情報“2”が4個の無線フレームF2,F1,F1,F2によって送信される(図11の(c)参照)。
更に、送信機1のフレーム長変調送信機12は、伝送情報“3”を送信する場合、符号化回路11から4個のフレーム長600μs,560μs,600μs,560μsを順次受ける。
そして、フレーム長変調送信機12は、スタートフレームSFを生成し、その生成したスタートフレームSFをアンテナ13を介して送信する。その後、フレーム長変調送信機12は、最初に受けたフレーム長600μsに応じて600μsのフレーム長を有する無線フレームF2を生成し、その生成した無線フレームF2をアンテナ13を介して送信する。引き続いて、フレーム長変調送信機12は、2番目に受けたフレーム長560μsに応じて560μsのフレーム長を有する無線フレームF1を生成し、その生成した無線フレームF1をアンテナ13を介して送信する。更に、フレーム長変調送信機12は、3番目に受けたフレーム長600μsに応じて600μsのフレーム長を有する無線フレームF2を生成し、その生成した無線フレームF2をアンテナ13を介して送信する。更に、フレーム長変調送信機12は、最後に受けたフレーム長560μsに応じて560μsのフレーム長を有する無線フレームF1を生成し、その生成した無線フレームF1をアンテナ13を介して送信する。これによって、伝送情報“3”が4個の無線フレームF2,F1,F2,F1によって送信される(図11の(d)参照)。
従って、送信機1の符号化回路11は、伝送情報“0”を送信する場合、伝送情報“1”との関係では、伝送情報“0”を構成する4個のフレーム長に含まれる600μs(第2符号“0”を構成する600μs)のフレーム長が、伝送情報“1”を構成する4個のフレーム長に含まれる560μs(第2符号“0”を構成する560μs)のフレーム長よりも長くなるとともに、伝送情報“0”を構成する4個のフレーム長に含まれる560μs(第2符号“0”を構成する560μs)のフレーム長が、伝送情報“1”を構成する4個のフレーム長に含まれる600μs(第2符号“0”を構成する600μs)のフレーム長よりも短くなるように伝送情報“0”を構成する符号列[0,0]をフレーム長変調する。
また、送信機1の符号化回路11は、伝送情報“0”を送信する場合、伝送情報“2”との関係では、伝送情報“0”を構成する4個のフレーム長に含まれる600μs(第1符号“0”を構成する600μs)のフレーム長が、伝送情報“2”を構成する4個のフレーム長に含まれる560μs(第1符号“1”を構成する560μs)のフレーム長よりも長くなるとともに、伝送情報“0”を構成する4個のフレーム長に含まれる560μs(第1符号“0”を構成する560μs)のフレーム長が、伝送情報“2”を構成する4個のフレーム長に含まれる600μs(第1符号“1”を構成する600μs)のフレーム長よりも短くなるように伝送情報“0”を構成する符号列[0,0]をフレーム長変調する。
更に、送信機1の符号化回路11は、伝送情報“0”を送信する場合、伝送情報“3”との関係では、伝送情報“0”を構成する4個のフレーム長に含まれる600μs(第1および第2符号“0”を構成する600μs)のフレーム長が、伝送情報“3”を構成する4個のフレーム長に含まれる560μs(第1および第2符号“1”を構成する560μs)のフレーム長よりも長くなるとともに、伝送情報“0”を構成する4個のフレーム長に含まれる560μs(第1および第2符号“0”を構成する560μs)のフレーム長が、伝送情報“3”を構成する4個のフレーム長に含まれる600μs(第1および第2符号“1”を構成する600μs)のフレーム長よりも短くなるように伝送情報“0”を構成する符号列[0,0]をフレーム長変調する。
送信機1の符号化回路11は、伝送情報“1”,“2”,“3”のいずれかを送信する場合も、他の伝送情報との関係では、上述したフレーム長の関係を有するように伝送情報“1”,“2”,“3”を構成する符号列[0,1],[1,0],[1,1]をフレーム長変調する。
従って、送信機1の符号化回路11は、一般的には、第1の伝送情報をn進数に変換したときの符号列である第1の符号列を表す第1の偶数個のフレーム長に含まれる第1のフレーム長が、第1の伝送情報と異なる第2の伝送情報をn進数に変換したときの符号列である第2の符号列を表す第2の偶数個のフレーム長に含まれる第2のフレーム長よりも長くなるとともに、第1の偶数個のフレーム長に含まれる第3のフレーム長が、第2の偶数個のフレーム長に含まれる第4のフレーム長よりも短くなるように偶数個のフレーム長を生成する。そして、第1のフレーム長の第1の偶数個のフレーム長における順番は、第2のフレーム長の第2の偶数個のフレーム長における順番と同じであり、第3のフレーム長の第1の偶数個のフレーム長における順番は、第4のフレーム長の第2の偶数個のフレーム長における順番と同じである。
伝送情報“0”を送信した場合に、伝送情報“0”を伝送情報“1”に誤る可能性について検討する。伝送情報“0”および伝送情報“1”は、第1符号が共に“0”であり、伝送情報“0”の第2符号が“0”であり、伝送情報“1”の第2符号が“1”である。
従って、伝送情報“0”を伝送情報“1”に誤るためには、伝送情報“0”の第2符号“0”を構成する無線フレームF1のフレーム長560μsを無線フレームF2のフレーム長600μsに誤り、伝送情報“0”の第2符号“0”を構成する無線フレームF2のフレーム長600μsを無線フレームF1のフレーム長560μsに誤る必要がある。
しかし、上述したように、無線通信においては、フレーム長は、短い長さに誤る可能性が高いので、伝送情報“0”の第2符号“0”を構成する無線フレームF1のフレーム長560μsを無線フレームF2のフレーム長600μsに誤る可能性は、低い。従って、伝送情報“0”を伝送情報“1”に誤る可能性は低い。
次に、伝送情報“0”を送信した場合に、伝送情報“0”を伝送情報“2”に誤る可能性について検討する。伝送情報“0”の第1符号が“0”であり、伝送情報“2”の第1符号が“1”であり、伝送情報“0”および伝送情報“2”は、第2符号が共に“0”である。
従って、伝送情報“0”を伝送情報“2”に誤るためには、伝送情報“0”の第1符号“0”を構成する無線フレームF1のフレーム長560μsを無線フレームF2のフレーム長600μsに誤り、伝送情報“0”の第1符号“0”を構成する無線フレームF2のフレーム長600μsを無線フレームF1のフレーム長560μsに誤る必要がある。
しかし、上述したように、無線通信においては、フレーム長は、短い長さに誤る可能性が高いので、伝送情報“0”の第1符号“0”を構成する無線フレームF1のフレーム長560μsを無線フレームF2のフレーム長600μsに誤る可能性は、低い。従って、伝送情報“0”を伝送情報“2”に誤る可能性は低い。
引き続いて、伝送情報“0”を送信した場合に、伝送情報“0”を伝送情報“3”に誤る可能性について検討する。伝送情報“0”の第1符号が“0”であり、伝送情報“3”の第1符号が“1”であり、伝送情報“0”の第2符号が“0”であり、伝送情報“3”の第2符号が“1”である。
従って、伝送情報“0”を伝送情報“3”に誤るためには、伝送情報“0”の第1符号“0”を構成する無線フレームF1のフレーム長560μsを無線フレームF2のフレーム長600μsに誤り、伝送情報“0”の第1符号“0”を構成する無線フレームF2のフレーム長600μsを無線フレームF1のフレーム長560μsに誤り、伝送情報“0”の第2符号“0”を構成する無線フレームF1のフレーム長560μsを無線フレームF2のフレーム長600μsに誤り、伝送情報“0”の第2符号“0”を構成する無線フレームF2のフレーム長600μsを無線フレームF1のフレーム長560μsに誤る必要がある。
しかし、上述したように、無線通信においては、フレーム長は、短い長さに誤る可能性が高いので、伝送情報“0”の第1符号“0”を構成する無線フレームF1のフレーム長560μsを無線フレームF2のフレーム長600μsに誤り、かつ、伝送情報“0”の第2符号“0”を構成する無線フレームF1のフレーム長560μsを無線フレームF2のフレーム長600μsに誤る可能性は、非常に低い。従って、伝送情報“0”を伝送情報“3”に誤る可能性は非常に低い。
伝送情報“1”を伝送情報“0”,“2”,“3”のいずれかに誤る可能性、伝送情報“2”を伝送情報“0”,“1”,“3”のいずれかに誤る可能性、および伝送情報“3”を伝送情報“0”,“1”,“2”のいずれかに誤る可能性についても同様である。
従って、上述した方法によって伝送情報“0”,“2”,“3”をフレーム長変調して無線通信によって送信することによって伝送誤りを抑制できる。
なお、図5から図9のいずれかに示す方法によって伝送情報kをフレーム長変調し、そのフレーム長変調した伝送情報kを無線通信によって送信する場合も、図11において説明した方法と同じ方法によって、伝送情報kは、無線通信によって送信される。
そして、図5から図9のいずれかに示す方法によって伝送情報kをフレーム長変調し、そのフレーム長変調した伝送情報kを無線通信によって送信する場合も、上述したように、伝送情報kの伝送誤りを抑制できる。
なお、上述したように、伝送情報kを構成する各符号は、2つのフレーム長によって表される。従って、伝送情報kを構成する符号列は、偶数個のフレーム長によって表され、偶数個の無線フレームによって送信される。
また、上記においては、4個の無線フレームを送信した後に、無線フレームの送信の終了を示すエンドフレームを設定してもよい。この場合、エンドフレームは、スタートフレームのフレーム長および各符号に割り当てられるフレーム長と異なるフレーム長を有する。これによって、無線フレームの送信終了を正確に検知でき、複数の無線フレームのフレーム長を正確に検出できる。
図12は、図3に示すフレーム長受信機22の構成を示す概略図である。また、図13は、無線信号の受信信号および包絡線の概念図である。更に、図14は、フレーム長の検出方法を説明するための図である。
図12を参照して、フレーム長受信機22は、包絡線検波器221と、AD変換器222と、フレーム長判定器223とを含む。
包絡線検波器221は、無線信号をアンテナ21を介して受信し、その受信した受信信号RF(図13の(a)参照)を包絡線検波し、包絡線EVL(図13の(b)参照)を検出する。そして、包絡線検波器221は、その検出した包絡線EVLをAD変換器222へ出力する。
AD変換器222は、包絡線EVLを包絡線検波器221から受け、その受けた包絡線EVLを閾値と比較して包絡線EVLをアナログ信号からディジタル信号に変換する。この場合、閾値は、例えば、−82[dBm]に設定される。そして、AD変換器222は、ディジタル信号をフレーム長判定器223へ出力する。
フレーム長判定器223は、ディジタル信号をAD変換器222から受け、その受けたディジタル信号が“0”,“1”のいずれであるかを判定周期で判定し、“1”の個数をカウントする。判定周期は、例えば、10μsに設定される。
そして、フレーム長判定器223は、そのカウントした“1”の個数(=10)に判定周期(=10μs)を乗算して無線フレームのフレーム長(=100μs)を検出する(図14参照)。そうすると、フレーム長判定器223は、その検出したフレーム長を復号化回路23へ出力する。
復号化回路23における復号方法について説明する。伝送情報kが図4に示す方法によってフレーム長変調されて送信される場合、復号化回路23は、テーブルTBL1を内蔵している。
図11の(a)に示す無線フレームF1,F2,F1,F2によって伝送情報“0”が送信された場合、複合化回路23は、フレーム長判定器223から700μs,560μs,600μs,560μs,600μsのフレーム長を順次受ける。
そして、復号化回路23は、テーブルTBL1を参照して、700μsのフレーム長がテーブルTBL1に格納されていないことを検知し、伝送情報“0”の送信が開始されたことを検知する。
その後、復号化回路23は、560μsのフレーム長および600μsのフレーム長を受けた時点でテーブルTBL1を参照して2つのフレーム長560μs,600μsを符号“0”に復号する。
引き続いて、復号化回路23は、560μsのフレーム長および600μsのフレーム長を受けた時点でテーブルTBL1を参照して2つのフレーム長560μs,600μsを符号“0”に復号する。
そうすると、復号化回路23は、符号列[0,0]をホストシステム4へ出力する。
このように、復号化回路23は、伝送情報“0”の送信が開始されたことを検知すると、テーブルTBL1を参照して、引き続いて入力された2つのフレーム長毎に2つのフレーム長を符号に復号し、伝送情報“0”を構成する符号列[0,0]をホストシステム4へ出力する。
復号化回路23は、図11に示す伝送情報“1”,“2”,“3”が送信されたときも、同様にして複数のフレーム長を符号に復号し、伝送情報“1”,“2”,“3”を構成する符号列[0,1],[1,0],[1,1]をホストシステム4へ出力する。
なお、復号化回路23は、伝送情報kが図5から図9のいずれかに示す方法によってフレーム長変調されて送信される場合、それぞれ、テーブルTBL2〜TBL6を内蔵しており、上述した方法と同じ方法によって複数のフレーム長を符号に復号し、伝送情報kを構成する符号列をホストシステム4へ出力する。
図15は、この発明の実施の形態による無線通信方法を示すフローチャートである。図15を参照して、伝送情報の送信が開始されると、送信機1の符号化回路11は、長さが異なる少なくとも2つのフレーム長と符号との対応関係を示すテーブル(=テーブルTBL1〜TBL6のいずれか)を参照して、伝送情報を表し、かつ、n進数によって表された符号列の各符号に長さが異なる少なくとも2つのフレーム長を割り当てて符号列を表す複数個のフレーム長を生成する(ステップS1)。
そして、送信機1のフレーム長変調送信機12は、符号化回路11から複数個のフレーム長を順次受け、その受けた複数個のフレーム長を有する複数個の無線信号(=複数個の無線フレーム)を順次生成し、その生成した複数個の無線信号(=複数個の無線フレーム)をアンテナ13を介して順次送信する(ステップS2)。
その後、受信機2のフレーム長受信機22は、アンテナ21を介して複数個の無線信号を順次受信し(ステップS3)、その受信した複数個の無線信号を包絡線検波する(ステップS4)。
そして、フレーム長受信機22は、複数個の包絡線を閾値を用いて複数個のディジタル信号に変換し(ステップS5)、その変換した複数個のディジタル信号に基づいて上述した方法によって複数個のフレーム長を検出する(ステップS6)。
そうすると、復号化回路23は、テーブル(=テーブルTBL1〜TBL6のいずれか)を参照して、複数個のフレーム長を符号列に復号する(ステップS7)。
これによって、無線通信が終了する。
このように、受信機2は、複数個の無線通信を包絡線検波し、その検波した包絡線をディジタル信号に変換してフレーム長を検出する(ステップS4〜ステップS6参照)。その結果、受信機2は、送信機1と非同期でフレーム長を検出する。従って、受信機2における消費電力を抑制できる。
図16は、図3に示すフレーム長受信機の他の構成を示す概略図である。また、図17は、フレーム長の判定方法を説明するための図である。なお、図17の(b),(c)における数字は、検出されるフレーム長の順番を表す。
この発明の実施の形態においては、受信機2は、フレーム長受信機22に代えてフレーム長受信機22Aを備えていてもよい。
図16を参照して、フレーム長受信機22Aは、フレーム長受信機22のフレーム長判定器223をフレーム長判定器223Aに代えたものであり、その他は、フレーム長受信機22と同じである。
フレーム長判定器223Aは、AD変換器222からディジタル信号を受け、その受けたディジタル信号に基づいて、フレーム長判定器223における方法と同じ方法によってフレーム長を検出する。
そして、フレーム長判定器223Aは、その検出したフレーム長のうち、無線通信に使用されていないフレーム長を破棄し、無線通信に使用されているフレーム長のみを復号化回路23へ出力する。
より具体的に説明する。図17を参照して、無線通信に使用されているフレーム長を480μs,520μs,560μs,600μs,700μsとする((a)参照)。
フレーム長判定器223Aは、700μs,560μs,360μs,530μs,1230μs,600μs,480μsのフレーム長を順次検出する((b)参照)。
そうすると、フレーム長判定器223Aは、700μs,560μs,360μs,530μs,1230μs,600μs,480μsのフレーム長のうち、無線通信に使用されていない360μs,530μs,1230μsのフレーム長を破棄し、700μs,560μs,600μs,480μsのフレーム長をフレーム長の判定値とする((c)参照)。
このように、無線通信に使用されていないフレーム長を除外することによって、無線通信に使用されているフレーム長を正確に検出でき、伝送情報kの誤りを更に抑制できる。
図18は、フレーム長の他の判定方法を説明するための図である。なお、図18の(b),(c)における数字は、検出されるフレーム長の順番を表す。
図18を参照して、無線通信に使用するフレーム長、および検出されたフレーム長は、図17に示す場合と同じである((a),(b)参照)。
フレーム長判定器223Aは、フレーム長を検出した後、フレーム長の変動の許容値αを持たせて、検出したフレーム長から無線通信に使用されていないフレーム長を除外する。なお、許容値αは、例えば、+10μs,−10μs,±10μsのいずれかである。
より具体的に説明する。フレーム長判定器223Aは、700μs,560μs,360μs,530μs,1230μs,600μs,480μsのフレーム長を順次検出すると((b)参照)、許容値α(=+10μs)を持たせて、フレーム長を判定する。
その結果、フレーム長判定器223Aは、530μsのフレーム長を520μsのフレーム長と判定する。また、360μs,1230μsのフレーム長については、無線通信に使用されているフレーム長480μs,520μs,560μs,600μs,700μsのいずれに許容値α(=+10μs)を加算しても、360μs,1230μsのフレーム長が得られない。従って、フレーム長判定器223Aは、360μs,1230μsのフレーム長を破棄する。
そして、フレーム長判定器223Aは、700μs,560μs,520μs,600μs,480μsのフレーム長をフレーム長の判定値とする((c)参照)。
なお、復号化回路23は、テーブル(=テーブルTBL1〜TBL6のいずれか)に無いフレーム長の組み合わせ(2つのフレーム長)を検出した場合、誤りと判定する。
図19は、受信機2が図16に示すフレーム長受信機22Aを備える場合の無線通信方法を示すフローチャートである。
図19に示すフローチャートは、図15に示すフローチャートのステップS7をステップS7A,S7Bに代えたものであり、その他は、図15に示すフローチャートと同じである。
図19を参照して、伝送情報kの送信が開始されると、上述したステップS1〜ステップS6が順次実行される。
そして、ステップS6の後、フレーム長判定器223Aは、無線通信に使用されていないフレーム長を複数個のフレーム長から除外する(ステップS7A)。
そうすると、復号化回路23は、テーブル(=テーブルTBL1〜TBL6のいずれか)を参照して、除外後のフレーム長を符号列に復号する(ステップS7B)。
これによって、無線通信が終了する。
このように、受信機2は、フレーム長判定器223Aを備える場合も、フレーム長判定器223を備える場合と同様な方法によってフレーム長を検出する。従って、受信機2における消費電力を抑制できる。
図20は、図1に示す受信機の他の構成を示す概略図である。無線通信システム10は、受信機2に代えて、図20に示す受信機2Aを備えていてもよい。
図20を参照して、受信機2Aは、図3に示す受信機2の復号化回路23を相関回路23−1〜23−mに代えたものであり、その他は、受信機2と同じである。
相関回路23−1〜23−mは、m個の伝送情報に対応して設けられる。そして、相関回路23−1〜23−mの各々は、m個の伝送情報のうち、対応する伝送情報kを構成する複数個のフレーム長をフレーム長受信機22から受け、その受けた複数個のフレーム長のパターンを伝送情報kを構成する複数個のフレーム長のパターンに一致するか否かを判定する。そして、相関回路23−1〜23−mの各々は、その判定結果をホストシステム4へ出力する。
なお、受信機2Aが用いられる場合、図11に示すスタートフレームSF、およびエンドフレームは、使用されない。
図21は、図20に示す相関回路23−1の構成を示す概略図である。図21を参照して、相関回路23−1は、FIFO(First In First Out)31−1〜31−xと、メモリ32−1〜32−xと、比較器33−1〜33−xと、AND回路34とを含む。
FIFO31−1〜31−xは、伝送情報kを構成するフレーム長の個数に対応して設けられ、直列的に接続される。
メモリ32−1〜32−xは、それぞれ、FIFO31−1〜31−xに対応して設けられる。
FIFO31−1は、フレーム長受信機22からフレーム長を受け、その受けたフレーム長を保持する。そして、FIFO31−1は、フレーム長受信機22からフレーム長が入力される度に、保持しているフレーム長をFIFO31−2および比較器33−1へ出力する。
FIFO31−2は、FIFO31−1からフレーム長を受け、その受けたフレーム長を保持する。そして、FIFO31−2は、フレーム長受信機22からフレーム長を受ける度に、保持しているフレーム長をFIFO31−3および比較器33−2へ出力する。
以下、同様にして、FIFO31−x−1は、FIFO31−x−2からフレーム長を受け、その受けたフレーム長を保持する。そして、FIFO31−x−1は、フレーム長受信機22からフレーム長を受ける度に、保持しているフレーム長をFIFO31−xおよび比較器33−x−1へ出力する。FIFO31−xは、FIFO31−x−1からフレーム長を受け、その受けたフレーム長を保持する。そして、FIFO31−xは、フレーム長受信機22からフレーム長を受ける度に、保持しているフレーム長を比較器33−xへ出力する。
メモリ32−1は、伝送情報kを表す符号列の最も高い桁の符号を表すフレーム長を記憶し、その記憶したフレーム長を比較器33−1へ出力する。
メモリ32−2は、伝送情報kを表す符号列の2番目に高い桁の符号を表すフレーム長を記憶し、その記憶したフレーム長を比較器33−2へ出力する。
以下、同様にして、メモリ32−x−1は、2番目に低い桁の符号を表すフレーム長を記憶し、その記憶したフレーム長を比較器33−x−1へ出力する。メモリ32−xは、最も低い桁の符号を表すフレーム長を記憶し、その記憶したフレーム長を比較器33−xへ出力する。
比較器33−1は、FIFO31−1およびメモリ32−1からフレーム長を受ける。そして、比較器33−1は、FIFO31−1から受けたフレーム長がメモリ32−1から受けたフレーム長に一致するとき、H(論理ハイ)レベルの信号をAND回路34へ出力する。また、比較器33−1は、FIFO31−1から受けたフレーム長がメモリ32−1から受けたフレーム長に一致しないとき、L(論理ロー)レベルの信号をAND回路34へ出力する。
比較器33−2は、FIFO31−2およびメモリ32−2からフレーム長を受ける。そして、比較器33−2は、FIFO31−2から受けたフレーム長がメモリ32−2から受けたフレーム長に一致するとき、Hレベルの信号をAND回路34へ出力する。また、比較器33−2は、FIFO31−2から受けたフレーム長がメモリ32−2から受けたフレーム長に一致しないとき、Lレベルの信号をAND回路34へ出力する。
以下、同様にして、比較器33−x−1は、FIFO31−x−1およびメモリ32−x−1からフレーム長を受ける。そして、比較器33−x−1は、FIFO31−x−1から受けたフレーム長がメモリ32−x−1から受けたフレーム長に一致するとき、Hレベルの信号をAND回路34へ出力する。また、比較器33−x−1は、FIFO31−x−1から受けたフレーム長がメモリ32−x−1から受けたフレーム長に一致しないとき、Lレベルの信号をAND回路34へ出力する。
比較器33−xは、FIFO31−xおよびメモリ32−xからフレーム長を受ける。そして、比較器33−xは、FIFO31−xから受けたフレーム長がメモリ32−xから受けたフレーム長に一致するとき、Hレベルの信号をAND回路34へ出力する。また、比較器33−xは、FIFO31−xから受けたフレーム長がメモリ32−xから受けたフレーム長に一致しないとき、Lレベルの信号をAND回路34へ出力する。
AND回路34は、比較器33−1〜33−xからHレベルまたはLレベルの信号を受け、その受けた信号の論理積を演算する。そして、AND回路34は、その演算結果をホストシステム4へ出力する。
なお、図20に示す相関回路23−2〜23−mの各々も、図21に示す相関回路23−1と同じ構成からなる。
伝送情報kが図4に示す方法でフレーム長変調されて送信される場合について相関回路23−1〜23−mの動作を説明する。
伝送情報kが図4に示す方法でフレーム長変調されて送信される場合、伝送情報は、“0”,“1”,“2”,“3”の4個であるので、受信機2Aは、4個の相関回路23−1〜23−4を含む。そして、相関回路23−1は、フレーム長受信機22から受けた偶数個のフレーム長のパターンが伝送情報“0”を構成する4個のフレーム長のパターンに一致するか否かを判定する相関回路であり、相関回路23−2は、フレーム長受信機22から受けた偶数個のフレーム長のパターンが伝送情報“1”を構成する4個のフレーム長のパターンに一致するか否かを判定する相関回路であり、相関回路23−3は、フレーム長受信機22から受けた偶数個のフレーム長のパターンが伝送情報“2”を構成する4個のフレーム長のパターンに一致するか否かを判定する相関回路であり、相関回路23−4は、フレーム長受信機22から受けた偶数個のフレーム長のパターンが伝送情報“3”を構成する4個のフレーム長のパターンに一致するか否かを判定する相関回路である。
図22は、相関回路23−1の動作を説明するための図である。図4に示す方法でフレーム長変調された場合、伝送情報“0”は、4個のフレーム長によって表されるので、相関回路23−1は、4個のFIFO31−1〜31−4と、4個のメモリ32−1〜32−4と、4個の比較器33−1〜33−4とを含む。
伝送情報“0”は、560μs,600μs,560μs,600μsのフレーム長によって表される。従って、メモリ32−1は、最後の4番目のフレーム長である600μsのフレーム長を記憶し、その記憶した600μsのフレーム長を比較器33−1へ出力する。また、メモリ32−2は、3番目のフレーム長である560μsのフレーム長を記憶し、その記憶した560μsのフレーム長を比較器33−2へ出力する。更に、メモリ32−3は、2番目のフレーム長である600μsのフレーム長を記憶し、その記憶した600μsのフレーム長を比較器33−3へ出力する。更に、メモリ32−4は、1番目のフレーム長である560μsのフレーム長を記憶し、その記憶した560μsのフレーム長を比較器33−4へ出力する。
伝送情報“0”が送信された場合、無線信号は、図11の(a)に示すように4個の無線フレームF1,F2,F1,F2からなる。そして、無線フレームF1,F2,F1,F2は、それぞれ、560μs,600μs,560μs,600μsのフレーム長を有する。
従って、相関回路23−1のFIFO31−1は、560μs,600μs,560μs,600μsの順番で560μs,600μs,560μs,600μsのフレーム長をフレーム長受信機22から受ける。上述したように、受信機2Aが用いられる場合、スタートフレームSFは、使用されないからである。
FIFO31−1が最初のフレーム長(=560μs)を受けた時点では、FIFO31−2〜31−4は、フレーム長を受けていないので、比較器33−2〜33−4は、Lレベルの信号をAND回路34へ出力する。従って、AND回路34は、Lレベルの信号をホストシステム4へ出力する。
また、FIFO31−2,FIFO31−1がそれぞれ560μs,600μsのフレーム長を受けた時点では、FIFO31−3,31−4は、フレーム長を受けていないので、比較器33−3,33−4は、Lレベルの信号をAND回路34へ出力する。従って、AND回路34は、Lレベルの信号をホストシステム4へ出力する。
更に、FIFO31−3,FIFO31−2,FIFO31−1がそれぞれ560μs,600μs,560μsのフレーム長を受けた時点では、FIFO31−4は、フレーム長を受けていないので、比較器33−4は、Lレベルの信号をAND回路34へ出力する。従って、AND回路34は、Lレベルの信号をホストシステム4へ出力する。
そして、FIFO31−4〜31−1がそれぞれ560μs,600μs,560μs,600μsのフレーム長を受け、その受けた560μs,600μs,560μs,600μsのフレーム長をそれぞれ比較器33−4〜33−1へ出力すると、比較器33−4は、560μsのフレーム長をメモリ32−4から受け、比較器33−3は、600μsのフレーム長をメモリ32−3から受け、比較器33−2は、560μsのフレーム長をメモリ32−2から受け、比較器33−1は、600μsのフレーム長をメモリ32−1から受ける。
そうすると、比較器33−4は、FIFO31−4から受けた560μsのフレーム長がメモリ32−4から受けた560μsのフレーム長に一致すると判定し、Hレベルの信号をAND回路34へ出力する。また、比較器33−3は、FIFO31−3から受けた600μsのフレーム長がメモリ32−3から受けた600μsのフレーム長に一致すると判定し、Hレベルの信号をAND回路34へ出力する。更に、比較器33−2は、FIFO31−2から受けた560μsのフレーム長がメモリ32−2から受けた560μsのフレーム長に一致すると判定し、Hレベルの信号をAND回路34へ出力する。更に、比較器33−1は、FIFO31−1から受けた600μsのフレーム長がメモリ32−1から受けた600μsのフレーム長に一致すると判定し、Hレベルの信号をAND回路34へ出力する。
そして、AND回路34は、比較器33−1〜33−4からHレベルの信号を受け、その受けたHレベルの信号の論理積を演算し、Hレベルの信号をホストシステム4へ出力する。
相関回路23−2のメモリ32−4〜32−1は、それぞれ、伝送情報“1”を構成する4個のフレーム長560μs,600μs,600μs,560μsを記憶し、相関回路23−3のメモリ32−4〜32−1は、それぞれ、伝送情報“2”を構成する4個のフレーム長600μs,560μs,560μs,600μsを記憶し、相関回路23−4のメモリ32−4〜32−1は、それぞれ、伝送情報“3”を構成する4個のフレーム長600μs,560μs,600μs,560μsを記憶する。
そして、伝送情報“0”が送信された場合、相関回路23−2は、フレーム長受信機22から受けた偶数個のフレーム長のパターンがメモリ32−4〜32−1に記憶されている4個のフレーム長560μs,600μs,600μs,560μsのパターンに一致しないので、Lレベルの信号をホストシステム4へ出力する。相関回路23−3,23−4も、同様にして、Lレベルの信号をホストシステム4へ出力する。
ホストシステム4は、相関回路23−1〜23−4をそれぞれ伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”に対応付けて管理しており、相関回路23−1〜23−4からHレベルの信号を受けたとき、受信機2Aがそれぞれ伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”を受信したことを検知する。
従って、ホストシステム4は、相関回路23−1からHレベルの信号を受け、相関回路23−2〜23−4の各々からLレベルの信号を受けたとき、受信機2Aが伝送情報“0”を受信したことを検知する。
また、伝送情報“1”が送信された場合、相関回路23−2がHレベルの信号をホストシステム4へ出力し、相関回路23−1,23−3,23−4の各々がLレベルの信号をホストシステム4へ出力する。従って、ホストシステム4は、受信機2Aが伝送情報“1”を受信したことを検知する。
更に、伝送情報“2”が送信された場合、相関回路23−3がHレベルの信号をホストシステム4へ出力し、相関回路23−1,23−2,23−4の各々がLレベルの信号をホストシステム4へ出力する。従って、ホストシステム4は、受信機2Aが伝送情報“2”を受信したことを検知する。
更に、伝送情報“3”が送信された場合、相関回路23−4がHレベルの信号をホストシステム4へ出力し、相関回路23−1〜23−3の各々がLレベルの信号をホストシステム4へ出力する。従って、ホストシステム4は、受信機2Aが伝送情報“3”を受信したことを検知する。
伝送情報kが図5から図9のいずれかに示す方法を用いてフレーム長変調されて送信される場合も、受信機2Aは、伝送情報kの個数に対応して設けられた相関回路を用いて、受信した偶数個のフレーム長のパターンが伝送情報kを構成する偶数個のフレーム長のパターンに一致するか否かを判定し、その判定結果をホストシステム4へ出力する。
このように、受信機2Aを用いれば、受信した偶数個のフレーム長のパターンが伝送情報kを構成する偶数個のフレーム長のパターンに一致するか否かの判定結果だけをホストシステム4へ出力するので、符号の誤りを検出する必要がなく、伝送情報kを迅速に受信できる。
図23は、図20に示す受信機2Aを用いた場合の無線通信システム10における無線通信方法を示すフローチャートである。
図23に示すフローチャートは、図15に示すフローチャートのステップS7をステップS7C,S7D,S7Eに代えたものであり、その他は、図15に示すフローチャートと同じである。
図23を参照して、伝送情報kの送信が開始されると、上述したステップS1〜ステップS6が順次実行される。
そして、ステップS6の後、各相関回路は、受信した複数個のフレーム長のパターンが伝送情報kを構成する複数個のフレーム長のパターンに一致するか否かを判定する(ステップS7C)。
ステップS7Cにおいて、受信した偶数個のフレーム長のパターンが伝送情報kを構成する複数個のフレーム長のパターンに一致すると判定されたとき、各相関回路は、Hレベルの信号、即ち、伝送情報を受信したことを示す信号をホストシステム4へ出力する(ステップS7D)。
一方、ステップS7Cにおいて、受信した偶数個のフレーム長のパターンが伝送情報kを構成する複数個のフレーム長のパターンに一致しないと判定されたとき、各相関回路は、Lレベルの信号、即ち、伝送情報を受信しなかったことを示す信号をホストシステム4へ出力する(ステップS7E)。
そして、ステップS7DまたはステップS7Eの後、一連の動作が終了する。
このように、受信機2Aは、受信機2と同じ方法によってフレーム長を検出する。従って、受信機2Aにおける消費電力を抑制できる。
なお、上記においては、受信機2Aは、伝送情報kの種類の数mと同じ個数の相関回路23−1〜23−mを備えると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、受信機2Aは、伝送情報kの種類の数mのうち、所望の個数と同じ個数の相関回路を備えていてもよい。例えば、上述した例では、伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”のうち、伝送情報“0”,“2”を受信したい場合、受信機2Aは、2個の相関回路23−1,23−3を備えていればよい。伝送情報“0”,“1”,“2”,“3”のうち、伝送情報“0”,“2”以外の伝送情報を受信したい場合も、同様である。
図24は、図3に示すフレーム長受信機の更に他の構成を示す概略図である。この発明の実施の形態においては、受信機2は、フレーム長受信機22に代えて図24に示すフレーム長受信機22Bを備えていてもよい。
図24を参照して、フレーム長受信機22Bは、図12に示すフレーム長受信機22の包絡線検波器221を同期検波器221Aに代えたものであり、その他は、フレーム長受信機22と同じである。
同期検波器221Aは、無線信号をアンテナ21を介して受信し、その受信した受信信号を後述する方法によって同期検波し、その同期検波の結果をAD変換器222へ出力する。
図25は、図24に示す同期検波器221Aの構成を示す概略図である。図25を参照して、同期検波器221Aは、乗算器2211と、搬送波再生回路2212と、ローパスフィルタ(LPF:Low Pass Filter)2213とを含む。
乗算器2211は、無線信号をアンテナ21を介して受信し、搬送波再生回路2212から搬送波を受ける。そして、乗算器2211は、無線信号の受信信号に搬送波を乗算し、その乗算結果をLPF2213へ出力する。
搬送波再生回路2212は、無線信号をアンテナ21を介して受信し、その受信した無線信号の受信信号に基づいて、搬送波を再生する。この搬送波は、無線信号が送信されたときの搬送波と同じ周波数および位相を有する。そして、搬送波再生回路2212は、その再生した搬送波を乗算器2211へ出力する。
LPF2213は、乗算器2211から乗算結果を受け、その受けた乗算結果の高域成分を除去して乗算結果の低域成分をAD変換器222へ出力する。
図26は、図3に示すフレーム長受信機の更に他の構成を示す概略図である。この発明の実施の形態においては、受信機2は、フレーム長受信機22に代えて図26に示すフレーム長受信機22Cを備えていてもよい。
図26を参照して、フレーム長受信機22Cは、図16に示すフレーム長受信機22Aの包絡線検波器221を同期検波器221Aに代えたものであり、その他は、フレーム長受信機22Aと同じである。
同期検波器221Aについては、上述したとおりである。
このように、フレーム長受信機22B,22Cの各々は、無線信号の受信信号を同期検波してフレーム長を検出する。
なお、フレーム長受信機22,22A,22B,22Cの各々は、無線信号の受信信号を再生検波(非特許文献4)によって検波してフレーム長を検出してもよい。
上述したように、フレーム長受信機は、包絡線検波、同期検波および再生検波等によって無線信号の受信信号を検波してもよく、一般的には、任意の方法によって無線信号の受信信号を検波してもよい。
図27は、検出頻度とフレーム長との関係を示す図である。図27において、縦軸は、検出頻度を表し、横軸は、フレーム長を表す。また、曲線k1〜k8は、500μsのフレーム長をそれぞれ0dB,2dB,4dB,6dB,8dB,10dB,12dB,14dBのSNR(Signal to Noise Ratio)で受信したときの検出頻度とフレーム長との関係を示す。
図27を参照して、500μsのフレーム長が500μsよりも短いフレーム長として検出される検出頻度は、SNRが低くなるに従って大きくなる(曲線k1〜k8参照)。そして、500μsのフレーム長が500μsよりも長いフレーム長として検出される検出頻度は、零である。
従って、伝送情報をフレーム長変調して送信した場合、フレーム長は、短い長さに誤る可能性が高いことが実証された。
図28は、False Positive率と伝送情報との関係を示す図である。図28において、縦軸は、False Positive率を表し、横軸は、伝送情報を表す。
また、図28の(a)は、この発明の実施の形態によるフレーム長変調を行った場合のFalse Positive率と伝送情報との関係を示し、図28の(b)は、従来のフレーム長変調を行った場合のFalse Positive率と伝送情報との関係を示す。
更に、図28の(a)において、直線k9〜k11は、それぞれ、SNRが9dB,10dB,11dBであるときのFalse Positive率と伝送情報との関係を示し、図28の(b)において、曲線k12〜k17は、それぞれ、SNRが6dB,7dB,8dB,9dB,10dB,11dBであるときのFalse Positive率と伝送情報との関係を示す。
更に、図28において、伝送情報“0”のFalse Positive率は、伝送情報“0”以外の情報(“1”〜“255”)を送信した場合に伝送情報“0”に誤る率を表す。
図28を参照して、この発明の実施の形態によるフレーム長変調を適用した場合、False Positive率は、伝送情報(“0”〜“255”)に依存せず、ほぼ、一定である(直線k9〜k11参照)。
一方、従来のフレーム長変調を適用した場合、伝送情報“0”等、他の伝送情報に比べて誤り易い伝送情報が存在する(曲線k12〜k17参照)。
また、この発明の実施の形態によるフレーム長変調を適用した場合、False Positive率は、従来のフレーム長変調を適用した場合に比べ、全体的に低下する。
従って、この発明の実施の形態によるフレーム長変調を適用することによって、誤り率を低減できることが実証された。
上記においては、n進数における各符号に長さが異なる2つのフレーム長を割り当てると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、長さが異なるR(Rは3以上の整数)個のフレーム長をn進数における各符号に割り当ててもよい。この場合、n進数における任意の2つの符号において、一方の符号に割り当てられたR個のフレーム長のうちの1つのフレーム長r1は、他方の符号に割り当てられたR個のフレーム長のうちのフレーム長r1と同じフレームに割り当てられた1つのフレーム長よりも短く、一方の符号に割り当てられたR個のフレーム長のうちの1つのフレーム長r2は、他方の符号に割り当てられたR個のフレーム長のうちのフレーム長r2と同じフレームに割り当てられた1つのフレーム長よりも長い。
なお、この発明の実施の形態においては、伝送情報を構成する符号列の各符号に長さが異なる2つのフレーム長を割り当てる符号化回路11は、「生成手段」を構成する。
また、この発明の実施の形態においては、符号化回路11から受けた偶数個のフレーム長を有する偶数個の無線フレームを生成し、その生成した偶数個の無線フレームを送信するフレーム長変調送信機12は、「送信手段」を構成する。
更に、包絡線検波器221,同期検波器221Aの各々は、受信信号を検波する「検波手段」を構成し、AD変換器222は、検波結果をディジタル信号に変換する「変換手段」を構成し、フレーム長判定器223および復号化回路23は、伝送情報を復号する「復号手段」を構成し、フレーム長判定器223Aは、フレーム長を検出する「検出手段」を構成する。
上記においては、伝送情報をn進数に変換したときの符号列の各符号に2個以上のフレーム長を割り当ててフレーム長変調する場合を説明した。伝送情報をn進数に変換したときの符号列が偶数個の符号からなる場合、伝送情報は、偶数個のフレーム長によって表わされる。一方、伝送情報をn進数に変換したときの符号列が奇数個の符号からなり、かつ、各符号に奇数(=3以上の奇数)個のフレーム長を割り当てる場合、伝送情報は、奇数(=3以上の奇数)個のフレーム長によって表わされる。
従って、伝送情報は、一般的には、複数個(2x個以上)のフレーム長によって表わされ、複数個のフレーム長は、3個以上の奇数個のフレーム長と、2個以上の偶数個のフレーム長とを含む。
その結果、上記における「偶数個」の表記は、「複数個」と読み替えられてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。