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JP6389187B2 - 使い捨ておむつの製造方法および使い捨ておむつ - Google Patents

使い捨ておむつの製造方法および使い捨ておむつ Download PDF

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JP6389187B2 JP2015542634A JP2015542634A JP6389187B2 JP 6389187 B2 JP6389187 B2 JP 6389187B2 JP 2015542634 A JP2015542634 A JP 2015542634A JP 2015542634 A JP2015542634 A JP 2015542634A JP 6389187 B2 JP6389187 B2 JP 6389187B2
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Description

本発明は、使い捨ておむつの製造方法と使い捨ておむつに関する。
一般に使い捨ておむつは、着用者の腰部の周囲に装着される胴部と、この胴部に端部が固定され着用者の股間に装着される股部とを備えている。上記胴部は、着用者の身体へフィットするように胴回り方向へ伸縮する胴部用弾性部材を備えている。一方、上記股部は外装シートの内側(肌面側)に吸収体等を備え、さらに着用者の脚部にフィットするように側縁部に沿って伸縮する脚部用弾性部材を備えている。
上記使い捨ておむつにおいて、各材料を長手方向に搬送しながら胴部を製造する場合がある(例えば、特許文献1参照。以下、従来技術1という。)。即ち、上記従来技術1では、連続供給される不織布等の連続シート材に胴部用弾性部材が上記連続シート材の長手方向に伸長した状態で接着されて弾性積層体が形成され、この弾性積層体が送り方向に連続的に供給される。この場合、弾性積層体の送り方向と胴部用弾性部材の伸長方向とが一致しており、そのため、上記胴部用弾性部材を伸長状態に保持した状態で容易に搬送でき、上記使い捨ておむつを連続的に容易に製造できて好ましい。
しかし、上記従来技術1では、胴部と股部とが互いに異なる製造ラインで製造され、そのため、製造設備全体のコンパクト化が容易でなく、また、胴部と股部の外装体とが互いに別の資材からなるため製造作業が煩雑になり易い。さらに、着用者の臀部を広く覆うなどのために、個々に製造される胴部と股部に長方形以外の形状を採用する場合は、連続シート材から所定形状の股部や胴部を切り出す際、不要部分を切断して除去する必要があり、材料の無駄(いわゆる、トリムロス)を生じる問題もあった。
これらの問題を解消するため、股部の個分け工程よりも上流側において、股部の製造工程を胴部の製造工程と同じ製造ラインで製造することが提案されている(例えば、特許文献2参照。以下、従来技術2という。)。
上記従来技術2では、所定幅の基材シートが上記基材シートの連続方向に沿って搬送され、この基材シートの幅方向中間部が股部用外装シート部分とされ、この股部用外装シート部分に吸収体及びトップシートが積層されて股部部分が形成されるとともに、上記基材シートの幅方向両側にそれぞれ腹側胴部用シート部分と背側胴部用シート部分とがそれぞれ形成される。上記股部部分は分割工程において腹側胴部用シート部分及び背側胴部用シート部分から分離され、この分離された股部部分が所定の間隔で切断されて個々の股部に個分けされる。この個分けされた股部は、その長さ方向が基材シートの幅方向となるように90度回転されるとともに、腹側胴部用シート部分と背側胴部用シート部分とに跨るように取り付けられ、その後、腹側胴部用シート部分と背側胴部用シート部分が所定位置で切断され、個々のおむつに個分けされる。
JP2010−264283A JP2010−051667A
上記従来技術2では、単一の基材シートから腹側胴部用シート部分と背側胴部用シート部分と股部部分とが分割して生成されるため、製造設備全体をコンパクトにできる等の利点がある。また上記従来技術2では、上記分割生成の際に、上記個分けされたおむつの腹側胴部と背側胴部とが、それぞれ両端から中央部に向かうにつれて幅広となる曲線状の分割線で分割されると、得られた使い捨ておむつのフィット性が高められる。
しかし、上記従来技術2では、上記基材シートに上記胴部用弾性部材と脚部用弾性部材とが、搬送方向に沿って直線状に配置されている。このため、上記分割線を曲線状に設けた場合、分割された胴部用シート部分や股部部分の側縁が曲線状となるのに対し、この側縁近傍に配置される弾性部材は曲線には沿わない直線状となっている。その結果、得られた使い捨ておむつは、例えば図12に示すように、上記胴部用弾性部材(52)が水平面内で伸縮し、脚部用弾性部材(53)が垂直面内で伸縮する。したがって、これらの弾性部材(52,53)は着用者の脚部(54)の周方向に沿わない方向に伸縮し、使い捨ておむつ(51)のフィット性を低下させたり、尿等の漏れを生じるおそれがある。
本発明の目的は、製造設備や製造作業等を簡略にできるうえ、材料に生じる無駄を少なく抑えて効率よく生産でき、しかもフィット性の優れた使い捨ておむつを得ることができる、使い捨ておむつの製造方法とその使い捨ておむつを提供することである。
本発明は、例えば本発明の実施例を示す図1から図11に基づいて説明すると、次のように構成したものである。
即ち本発明方法は使い捨ておむつの製造方法に関し、腹側胴部(2)と、背側胴部(3)と、上記2つの胴部(2・3)に架設された股部(4)とを備え、上記股部(4)に排泄物を吸収する吸収体(6)を備える使い捨ておむつの製造方法であって、
所定幅の連続シート材(W)と上記連続シート材(W)の両側縁に沿ってそれぞれ配置された複数本の弾性部材(14)とが積層された基材シート(10)を送り方向(A)に連続的に供給する基材供給工程(S1)と、
上記基材シート(10)の長さ方向(L)に延びる2本の仮想の分割線(23・23)に沿って、上記基材シート(10)を腹側胴部用シート部分(11)と股部外装シート部分(12)と背側胴部用シート部分(13)とに分割する基材分割工程(S3)と、
上記股部外装シート部分(12)の先端部分を上記長さ方向(L)において、所定の切断ピッチ(L1)で次々と切断して所定の長さの股部外装体(7)に個分けする股部個分け工程(S4)と、
上記股部外装体(7)が90°回転した姿勢となるように上記股部外装体(7)を回転させるとともに、上記腹側胴部用シート部分(11)と上記背側胴部用シート部分(13)とに跨るように、上記の長さ方向(L)において所定の配置ピッチ(L2)で断続的に取り付ける股部取付工程(S5)と、
上記基材分割工程(S3)前の上記基材シート(10)の幅方向の中央部分、上記基材分割工程(S3)後の上記股部外装シート部分(12)、あるいは、上記個分けされた股部外装体(7)のいずれかに、上記吸収体(6)を取付ける吸収体取付工程(S2)と、
上記股部外装体(7)が取り付けられた上記腹側胴部用シート部分(11)および上記背側胴部用シート部分(13)を、互いに隣り合う上記股部外装体(7)同士の中間の位置でそれぞれ切断して個々の使い捨ておむつ(1)に個分けするおむつ個分け工程(S8)とを含み、
上記基材供給工程(S1)よりも前の工程において、上記弾性部材(14)のうち、少なくとも基材シート(10)の幅方向の中央寄りに複数本の中央寄り弾性部材(15)が配置され、上記中央寄り弾性部材(15)は、上記基材シート(10)の一方又は他方の側縁までの距離が大きくなる中央寄り部分(C)と上記距離が小さくなる側縁寄り部分(E)とを、上記長さ方向(L)において所定のピッチ (P)で繰り返す波形の曲線状に配置されて積層される工程を更に備え、
上記基材分割工程(S3)において、上記複数本の中央寄り弾性部材(15)に対し、上記中央寄り部分(C)の少なくとも一部よりも基材シート(10)の側縁側を各上記仮想の分割線(23)が通り、上記側縁寄り部分(E)の少なくとも一部よりも基材シート(10)の幅方向の中央側を各上記仮想の分割線(23)が通るように上記基材シート(10)を分割することを特徴とする。
本発明の使い捨ておむつは、上記製造方法により製造される使い捨ておむつであって、上記腹側胴部(2)と背側胴部(3)との、少なくとも股部(4)を取り付けた中央部を除く部位の下端縁近傍に、それぞれ胴部用弾性部材(5)の一部が曲線状に配置されており、上記股部(4)の外装体(7)の、少なくとも長さ方向の中間部における各側縁近傍に、それぞれ脚部用弾性部材(8)が曲線状に配置されていることを特徴とする。
ここで、上記中央寄り弾性部材や胴部用弾性部材、脚部用弾性部材が配置される「曲線状」とは、直線部分を含むものであってもよく、また、直線を屈曲させた折曲線状のものをも含むが、より好ましくは、全体が滑らかな曲線状であってもよいことを意味する。
上記腹側胴部用シート部分と股部外装シート部分と背側胴部用シート部分は、所定幅の連続シート材と弾性部材とが積層された基材シートから分割される。これらは材料供給工程が共通化されている。そのため、製造設備全体のコンパクト化が可能で、かつ、資材の共通化により資材管理や資材交換などが簡略化される。
上記中央寄り弾性部材は、基材シートの一方の側縁までの距離が小さい側縁寄り部分と距離が大きい中央寄り部分とが所定のピッチで繰り返えされる曲線状に配置されている。上記分割線は、上記中央寄り弾性部材に対し、中央寄り部分の少なくとも一部よりも基材シートの側縁側を通り、上記側縁寄り部分の少なくとも一部よりも基材シートの幅方向中央側を通る。そのため、得られた使い捨ておむつの腹側胴部と背側胴部との、少なくとも股部を取り付けた中央部を除く部位の下端縁近傍に、それぞれ胴部用弾性部材の一部として中央寄り弾性部材の一部が曲線状に配置され、一方、股部の外装体の各側縁近傍に、脚部用弾性部材として中央寄り弾性部材の一部が曲線状に配置される。これらの曲線状の胴部用弾性部材と脚部用弾性部材とは、互いに環状に連なり、したがって、着用者の脚部を取り囲む周方向またはそれに近似した方向に伸縮する。その結果、使い捨ておむつのフィット性が向上し、尿等の漏れが抑制される。
本発明の第1実施形態の、使い捨ておむつの一部破断正面図である。 第1実施形態の、使い捨ておむつの製造工程のシステム図である。 第1実施形態の、使い捨ておむつの製造手順を示す説明図である。 第1実施形態の、基材分割工程の説明図である。 第1実施形態の、股部個分け工程と股部取付工程の説明図である。 本発明の第2実施形態の、基材分割工程の説明図である。 第2実施形態の、股部取付工程の説明図である。 本発明の第3実施形態を示す、基材供給工程の説明図である。 本発明の第4実施形態の、基材分割工程の説明図である。 図9の、X−X線矢視断面の概略構成図である。 第4実施形態の、股部取付工程の説明図である。 従来技術2の、使い捨ておむつの概略正面図である。
上記製造方法により得られた使い捨ておむつは、展開状態がH型となる。このH型の使い捨ておむつは、股部が二つ折りされるとともに腹側胴部の各端部が背側胴部の各端部と対面させられ、必要に応じてその対面する端部同士が互いに固定されたのち、包装工程で包装される。このとき、上記胴部の端部同士は、接着等により分離不能に固定されてもよく、或いは面ファスナ等の固定手段を用いて着脱可能に固定されてもよい。
上記使い捨ておむつは、上記の腹側胴部と背側胴部と股部とが互いに等しい長さを備えており、これらの腹側胴部と背側胴部と股部とを得る際に、基材シート全体を無駄なく有効に利用できて好ましい。
上記各分割線は特定の形状に限定されず、例えば、それぞれ上記長さ方向に沿った直線状に形成されてもよく、この場合は分割装置の構成が簡易で、かつ、分割が容易にできるだろう。しかし本発明において、上記分割線は、上記中央寄り弾性部材に沿った曲線状に設定されていてもよく、上記中央寄り部分では基材シートの一方又は他方の側縁までの距離が大きく、上記側縁寄り部分では上記距離が小さくてもよい。
上記両胴部用シート部分と股部外装シート部分とを2本の曲線状の分割線により分割した場合には、得られた両胴部用シート部分や股部外装シート部分から、不要部分が切除されることなく、中間部が幅広の胴部と中間部が狭幅の股部外装体が形成される。また上記分割線は中央寄り弾性部材に沿った曲線状であり、上記分割工程で分割された両胴部用シート部分と股部外装シート部分の各弾性部材は、その曲線状の側縁に沿う。これにより、フィット性の優れた使い捨ておむつを得ることができ、材料の無駄が少なく効率の良い生産ができるだろう。
上記連続シート材に配置される弾性部材は、所定方向に伸縮する弾性部材であればよく、糸条体および/または帯状体であってもよい。
これらの弾性部材のうち、上記中央寄り弾性部材は、上記連続シート材の幅方向の一方の側縁側の半部と他方の側縁側の半部とに、1本または複数本ずつ配置することができる。
上記複数本ずつ配置する中央寄り弾性部材は、上記連続シート材の一方の側縁側の半部と他方の側縁側の半部とにおいて、それぞれ上記曲線状に並列に配置されてもよい。上記2本の各分割線は、並列に配置された弾性部材同士間を通る曲線状に設定することができる。この場合、上記中央寄り弾性部材は、分割された腹側胴部用シート部分および背側胴部用シート部分において、それぞれ胴部用弾性部材となり、股部外装シート部分の両側縁近傍において、それぞれ脚部用弾性部材となる。従って胴部および脚部用の弾性部材が単一の工程で連続シート材に配置され、工程が、一層、簡略化できるだろう。
上記直線状または曲線状の分割線は、上記中央寄り弾性部材に対し、上記中央寄り部分よりも基材シートの側縁側を通るとともに、上記側縁寄り部分よりも基材シートの幅方向中央側を通るように設定されてもよい。この場合には、上記中央寄り弾性部材は、上記中央寄り部分と側縁寄り部分の間において分割線に沿って切断される。このため、この中央寄り弾性部材は、側縁寄り部分が腹側胴部用シート部分と背側胴部用シート部分において胴部用弾性部材となり、中央寄り部分が股部外装シート部分の両側縁近傍において脚部用弾性部材となる。
一般の使い捨ておむつにおいては、胴部のうちの股部が重なって取り付けられる部分は、吸収体が配置される。そのため胴部用弾性部材の伸縮力が作用すると好ましくなく、この部分の胴部用弾性部材に対し伸縮力を消失させる措置がとられる場合がある。しかし上記のように中央寄り弾性部材を切断するように分割線を設定すると、両胴部用シート部分のうち股部外装体を取り付ける部分には中央寄り弾性部材が残らず、そのため、この中央寄り弾性部材の伸縮力を消失させる必要がなく、中央寄り弾性部材の伸縮力を全て無駄なく有効に利用できるだろう。
上記股部外装シート部分は、股部個分け工程において任意の位置で切断されてもよい。しかし、上記分割線が曲線状である場合、分割された股部外装シート部分は広幅部分と狭幅部分とを繰り返す形状となり、上記広幅部分において切断されると、個分けされた股部の中間部が狭幅となる。即ち、得られた使い捨ておむつの、上記の腹側胴部と背側胴部との少なくとも一方は、上記股部を取り付けた中央部における上下幅が両端部における上下幅よりも大きく、しかも上記股部の外装体は、長さ方向の中央部から両端に向かうにつれて幅が大きい。この結果、使い捨ておむつは着用者の脚回りに沿った形状となるだろう。
上記分割線が曲線状である場合、上記股部個分け工程において、上記股部外装シート部分を上記広幅部分における中央位置において切断して個分けすると、得られた股部外装体の腹側と背側とは同じ形状になる。これに対し、上記股部外装シート部分を、上記広幅部分における中央位置から長さ方向に離間した位置において切断して個分けすると、股部外装体の腹側と背側との面積は互いに異なり、例えば一方における吸収体の吸収容量が大きくなり、あるいは、背側を広くして着用者の臀部を良好に包み込むことができる。
上記2本の分割線は股部外装体が左右対称に形成できて好ましい。
また上記腹側胴部用シート部分および背側胴部用シート部分は、いずれも広幅部分と狭幅部分とが所定のピッチで繰り返えされる形状であってもよい。上記股部取付工程では、両胴部用シート部分の広幅部分同士を互いに対向させ、これらの広幅部分に上記股部外装体の各端部を取り付けた場合、得られた使い捨ておむつは胴部の中央部が広幅となり、着用者の臀部を良好に包み込むことができる。
本発明において上記股部取付工程において、一方の胴回り用シート部分を長さ方向に半ピッチ位相をずらすことで、腹側胴部用シート部分の広幅部分と背側胴部用シート部分の狭幅部分とが互いに対面し、一方の胴部用シート部分の広幅部分と他方の胴部用シート部分の狭幅部分とに、上記股部外装体の各端部をそれぞれ取り付けてもよい。
上記基材シートは、特定の材質や構造のものに限定されず、不織布や合成樹脂製シートなどの1種または複数種を単独であるいは組み合わせて用いることができる。
例えば、上記基材シート(10)は、外側連続シート材(W1)とこれよりも幅の狭い内側連続シート材(W2)とが互いに積層され、これらの連続シート材(W1・W2)の積層部分に上記複数の弾性部材(14)を配置するとともに、外側連続シート材(W1)の両側縁を内側連続シート材(W2)の側縁よりも外側へ延設部(W3)として露出させておき、
上記股部取付工程(S5)の後、上記外側連続シート材(W1)を内側連続シート材(W2)の側縁に沿って折り曲げて、上記延設部(W3)を上記内側連続シート材(W2)に積層してもよい。
この場合、外側シート材は上方への延設部が各胴部の上端縁で折り返されて内側シート材の上側部分に積層される。この結果、この使い捨ておむつは、腹側胴部と背側胴部の上端縁が外側連続シート材で包まれた状態となっており、その上端縁において剥がれの生じるおそれがなく、見栄えが良い。
またこの場合、上記股部の長さ方向の各端部は、外側シート材の延設部と内側シート材との間に配置され、これにより、尿等の漏れを一層良好に防止できる。
また、上記内側連続シート材として、基材シートの一方の側縁側と他方の側縁側とにそれぞれ離間して配置される2枚の内側連続シート材を用いるとともに、各内側連続シート材は基材シートの中央部側の側端部にそれぞれフラップ状カフを備えていてもよい。
この場合、基材シートを構成する内側連続シート材の一部がフラップ状カフを兼ね、股部の両側部にフラップ状カフを備えた使い捨ておむつを、安価に製造することができる。
なお、上記吸収体取付工程は、使い捨ておむつに個分けされるまでの任意のタイミングで実行されてもよい。例えば、上記股部取付工程の後、胴部用シート部分に固定された各股部外装体にそれぞれ吸収体を取り付けることも可能である。上記基材分割工程の前に上記基材シートの幅方向中央部分に所定間隔をおいて吸収体が取り付けられたり、上記基材分割工程の後、上記股部外装シート部分に所定間隔をおいて吸収体を取り付けられてもよい。これらの場合、液透過性シートからなるトップシートを連続的に供給して吸収体を覆う状態に取り付けたり、液不透過性シートからなるバックシートを吸収体と基材シート等との間に連続的に供給して取り付けることができる。
1つの前記各実施態様または下記の実施例に関連して説明および/または図示した特徴は、1つまたはそれ以上の他の実施態様または他の実施例において同一または類似な形で、および/または他の実施態様または実施例の特徴と組み合わせて、または、その代わりに利用することができる。
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかし、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は請求の範囲によってのみ定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1から図5は本発明の第1実施例を示す。
図1に示すように、この使い捨ておむつ(1)は、腹側胴部(2)と背側胴部(3)と両胴部(2・3)の各中間部にわたって架設された股部(4)とを備えている。上記腹側胴部(2)と背側胴部(3)は、不織布等のシート材(W)に胴部用弾性部材(5)が積層された弾性積層体からなり、腹側胴部(2)の各端部が背側胴部(3)の対応する各端部に溶着等により固定されている。上記股部(4)は排泄物が吸収される吸収体(6)を股部外装体(7)の内側に備えており、この股部外装体(7)の両側縁に沿ってそれぞれ脚部用弾性部材(8)が配置されている。
上記使い捨ておむつ(1)は、例えば図2と図3に示すように、次の工程を含む製造方法により製造される。
・基材供給工程(S1):基材シート(10)が送り方向(A)に連続的に供給される。
・吸収体取付工程(S2):上記基材シート(10)の幅方向の中間部に上記吸収体(6)が取り付けられる。
・基材分割工程(S3):上記基材シート(10)が、長さ方向(L)に延びる2本の仮想の分割線(23・23)に沿って、腹側胴部用シート部分(11)と股部外装シート部分(12)と背側胴部用シート部分(13)とに分割される。
・股部個分け工程(S4):上記股部外装シート部分(12)が所定長さ(切断ピッチ)(L1)ごとに切断されて股部外装体(7)に個分けされる。
・股部取付工程(S5):上記股部外装体(7)が所定角度(90度)回転された後に、上記腹側胴部用シート部分(11)と背側胴部用シート部分(13)とに跨るように、上記長さ方向(L)に所定長さ(配置ピッチ)(L2)ごとに取り付けられる。
・折畳み工程(S6):上記股部外装体(7)が二重に折られ、腹側胴部用シート部分(11)と背側胴部用シート部分(13)とが互いに重ねられる。
・接合工程(S7):上記腹側胴部用シート部分(11)と背側胴部用シート部分(13)とが、隣り合う股部外装体(7)同士の中間の位置で互いに溶着されて固定される。
・おむつ個分け工程(S8):上記溶着固定された位置において上記の腹側胴部用シート部分(11)および背側胴部用シート部分(13)が切断されて、個々の使い捨ておむつ(1)に個分けされる。
図2と図3に示すように、上記基材供給工程(S1)で送り方向(A)に連続的に供給される基材シート(10)は、それぞれ所定幅の、2枚の不織布製の連続シート材(W)と、長手方向に伸長された状態で両シート材(W)の間に挟み込まれた弾性部材 (14)とを備えており、各連続シート材(W)と弾性部材 (14)とは、例えばホットメルト接着剤などの接着剤により互いに固定されている。
上記弾性部材(14)は、基材シート(10)の側縁側に配置した胴部用弾性部材(5)と、中央側に配置した脚部用弾性部材 (8)とを含む。これらの弾性部材(14)の材質としては、ポリウレタン、天然ゴム、熱可塑性樹脂などが使用できる。また、形状は、糸状、リボン状などが使用できる。弾性部材(14)は1本または複数本使用であっても良い。材質として熱可塑性樹脂を使用する場合、それ自身に連続シート材(W)と接着する機能が有るときには、ホットメルト接着剤が不要になることがある。なお、上記胴部用弾性部材(5)と脚部用弾性部材(8)は、互いに同じ材質、形状であってもよく、或いは互いに異なる材質や形状であってもよい。
上記基材シート(10)の一方の側縁側の半部と他方の側縁側の半部において、それぞれ上記弾性部材(14)のうち基材シート(10)の幅方向の中央寄りに配置された複数本の、例えば2本の弾性部材(15・15)は、曲線状で且つ互いに並列に配置されている。この曲線は、上記基材シート(10)の一方又は他方の側縁までの距離が大きい中央寄り部分(C)と、上記距離が小さい側縁寄り部分(E)とが、長さ方向(L)において所定のピッチ(P)で繰り返えされている。すなわち、一方の側縁部を含む半部と他方の側縁部を含む半部には、それぞれ、互いに並列に配置された複数本の上記弾性部材(15)が設けられている。上記一方の側縁部の半部に配置された上記弾性部材(15)と上記他方の側縁部の半部に配置された上記弾性部材(15)とは、中央寄り部分(C)において互いに近づき、側縁寄り部分(E)において互いに遠ざかる所定の互いに同一のピッチ(P) (波長)の波形の曲線に沿って、かつ、互いに線対称に配置されている。この並列配置された2本の中央寄り弾性部材(15・15)のうち、基材シート中央側の弾性部材(15)が上記脚部用弾性部材(8)を構成し、基材シート側縁側の弾性部材(15)が胴部用弾性部材(5)の一部を構成している。
上記吸収体取付工程(S2)において、上記基材シート(10)の幅方向の中間部に予め液不透過性材料からなるバックシート(16)が接着され、このバックシート(16)を介して上記吸収体(6)が所定間隔ごとに取り付けられて配置される。この吸収体(6)は、例えば図2に示すように、吸収体形成工程(S9)において、ロールパルプ(17)が粉砕機(18)により粉砕され、解繊されたフラッフがパターンドラム(19)に積層されることで生成される。なお、上記液不透過性材料としては、例えばポリエチレンフィルムや撥水性と通気性を有する不織布等が好ましい。
上記吸収体(6)の取付けの際、この吸収体(6)を覆う液透過性材料からなるトップシート(20)や、吸収体(6)の両側に配置されるフラップ状カフ(21)が上記基材シート(10)に取り付けられる。このカフ(21)は、例えば図2に示すように、カフ形成工程(S10)で生成される。なお上記トップシート(20)を構成する液透過性材料としては、例えば液透過性の不織布やメッシュシート等が好ましい。
上記トップシート(20)と吸収体(6)との間には、必要に応じてトランスファーシートが介在され、上記トランスファーシートは尿等を速やかに拡散させて、吸収した尿等がトップシート(20)から漏れ出すのを防ぐ。
また上記吸収体(6)の上記フラッフに高吸水性ポリマーが混合されてもよい。この場合、高吸水性ポリマーがフラッフからこぼれ出ないように、吸収体(6)がティッシュで包まれてもよい。なお本発明では、高吸水性ポリマーを不織布等に担持させて上記吸収体が構成されてもよい。
上記吸収体(6)が付設された基材シート(10)は、図3に示すように、上記基材分割工程(S3)において、分割装置(22)により2本の仮想の分割線(23・23)に沿って切断されて、一方の側縁から他方の側縁に向かって順に、腹側胴部用シート部分(11)と股部外装シート部分(12)と背側胴部用シート部分(13)とに3分割される。
より詳しくは図4に示すように、上記各分割線(23)は、前記並列配置された2本の中央寄り弾性部材(15)同士の間を通過するように設定されている。従ってこれらの分割線(23)は、上記中央寄り弾性部材(15)の、基材シート(10)の側縁までの距離が大きくなる中央寄り部分(C)と距離が小さくなる側縁寄り部分(E)とが前記の所定のピッチ(P)で繰り返えされる曲線状に設定されている。すなわち、上記曲線状の一対の分割線(23)は、中央寄り部分(C)において互いに近づき、側縁寄り部分(E)において互いに遠ざかる所定の互いに同一のピッチ(P) (波長)の波形の曲線であり、かつ、互いに線対称に設定されている。この場合において、前記分割線(23)の波形と、前記弾性部材(15)の波形とは、同程度の振幅および位相に設定されていてもよい。この結果、得られた各胴部用シート部分(11・13)および股部外装シート部分(12)は、それぞれ広幅部分と狭幅部分とが上記ピッチ(P)で繰り返されている。
上記中央寄り弾性部材(15)のうち、上記分割線(23)よりも連続シート材(W)の中央側の弾性部材は、脚部用弾性部材(8)として上記股部外装シート部分(12)の側縁近傍部に配置される。上記分割線(23)よりも連続シート材(W)の側縁側の弾性部材は、胴部用弾性部材(5)として上記各胴部用シート部分(11・13)の曲線状の側縁の近傍に配置される。
上記股部外装シート部分(12)は、図5に示すように上記股部個分け工程(S4)において切断装置(24)により所定長さ(L1)ごとに、互いに隣り合う吸収体(6)間で切断され、股部外装体(7)に個分けされる。上記所定長さ(L1)、即ち股部外装体(7)の長さは、上記ピッチ (P)と等しい寸法に設定されている。その切断箇所は、上記股部外装シート部分(12)の広幅部分において、中央部から長さ方向(L)に偏移(離間)した位置に設定されている。これにより、得られた股部外装体(7)は、長さ方向(L)の中央部から両端に向かうにつれて幅が大きく、一方の端部側の面積が他方の端部側の面積よりも大きい。この股部外装体(7)の両側縁近傍には、それぞれ曲線状の側縁に沿って脚部用弾性部材(8)が配置されている。
なお本第1実施例では、上記切断箇所を広幅部分の中央部から長さ方向(L)に偏移させた。しかし本発明では、股部外装シート部分(12)の広幅部分の中央部で切断してもよい。
図3と図5に示すように、上記個分けされた股部外装体(7)は、上記股部取付工程(S5)において移載装置(25)により、90度回転された後、上記腹側胴部用シート部分(11)と背側胴部用シート部分(13)とに跨るように、且つ、長さ方向に所定長さ(L2)の間隔ごとに取り付けられる。即ち、上記股部外装体(7)は、狭い面積側の一端部が腹側胴部用シート部分(11)の広幅部分の中央位置に固着され、広い面積側の他端部が背側胴部用シート部分(13)の広幅部分の中央位置に固着される。これらの両胴部用シート部分(11・13)の広幅部分は、前記ピッチ(P)で繰り返されており、上記取付け間隔の所定長さ(L2)は、このピッチ(P)の寸法に等しい。
本第1実施例では、股部外装体(7)の広い面積側の他端部が背側胴部用シート部分(13)の広幅部分に固定され、そのため、得られた使い捨ておむつは着用者の臀部を良好に包み込むことができるだろう。しかし、本発明では、股部外装体(7)の広い面積側の他端部が腹側胴部用シート部分(11)に固定され、この股部外装体(7)の内側に配置する吸収体(6)の面積が大きいことで、使い捨ておむつの腹側の吸収容量が大きくてもよい。
この第1実施例では、上記腹側胴部用シート部分(11)と背側胴部用シート部分(13)とが同じ幅寸法に設定された。しかし、本発明では、例えば背側胴部用シート部分(13)が腹側胴部用シート部分(11)よりも広幅に形成されて、着用者の臀部を良好に包み込んでもよい。
図3において、上記両胴部用シート部分(11・13)に架設された股部外装体(7)は、上記折畳み工程(S6)において二つ折り装置(26)により二つ折りされ、腹側胴部用シート部分(11)と背側胴部用シート部分(13)とが互いに重ねられる。その後、上記接合工程(S7)においてシール装置(27)により、両胴部用シート部分(11・13)同士が隣り合う股部外装体(7)同士の中間位置で互いに溶着固定される。その後、上記おむつ個分け工程(S8)において切断装置(28)により上記溶着部位が切断されて、個々の使い捨ておむつ(1)が生成される。
その後、個分けされた使い捨ておむつ(1)は、図2の反転装置(29)で適正な姿勢に変更されて次の包装工程に送り出される。
図1に示すように、上記個分けされた使い捨ておむつ(1)は、腹側胴部(2)の切断端部と背側胴部(3)の切断端部とが互いに融着固定された状態となっており、両胴部(2・3)で環状となっている。
上記溶着部位である切断箇所は、図4の隣り合う股部外装体(7)同士の中間位置に設定されており、隣り合う股部外装体(7)同士の間隔は前記のピッチ(P)と等しい寸法である。そのため、上記製造方法により得られた使い捨ておむつ(1)は、両胴部(2・3)の長さがそれぞれピッチ(P)と等しい寸法となっている。一方、上記股部外装体(7)の長さは上記ピッチ(P)と等しい寸法に設定されている。そのため、この使い捨ておむつ(1)の腹側胴部(2)と背側胴部(3)と股部(4)は、互いに等しい長さである。
図5の上記股部外装体(7)は、各端部がそれぞれ腹側胴部用シート部分(11)の広幅部分と背側胴部用シート部分(13)の広幅部分に固着されている。そのため、図1の使い捨ておむつ(1)の両胴部(2・3)は、股部(4)を取り付けた中央部での上下幅が両端部での上下幅よりも広い。
図3の前記分割線(23)は前記中央寄り弾性部材(15)に沿って曲線状に設定されている。そのため、図1の使い捨ておむつ(1)の上記両胴部(2・3)には、下端縁近傍に胴部用弾性部材(5)が、その下端縁に沿った曲線状に配置される。
前述のように、上記股部外装体(7)は、長さ方向の中央部から両端に向かうにつれて幅が広くなっており、各側縁近傍にそれぞれ脚部用弾性部材(8)が、その側縁に沿った曲線状に配置されている。従って図1に示すように、上記使い捨ておむつ(1)には、両胴部(2・3)の下端縁と股部(4)の両側縁とに沿って弾性部材(14)がそれぞれ曲線状に配置されており、環状となって互いに連なっている。そのため、これらの弾性部材(14)が着用者の脚部(30)の周方向またはそれに近似した方向に伸縮する。
上記第1実施例では、上記分割線が一対の中央寄り弾性部材の間に設定されている。しかし本発明では、例えば図6および図7に示す第2実施例のように、中央寄り弾性部材を横切るように分割線(23)が設定されてもよい。
即ちこの第2実施例では、上記第1実施例と同様、基材シート(10)に配置された弾性部材(14)のうち、幅方向の中央寄りに配置された2本の弾性部材(15・15)は曲線状に配置されており、この曲線は、上記基材シート(10)の側縁までの距離が大きくなる中央寄り部分(C)と、その距離が小さくなる側縁寄り部分(E)とを、長さ方向(L)において所定のピッチ(P)で繰り返えされている。この実施例の場合、前記分割線(23)の波形は前記弾性部材(15)の波形に対し、同程度の位相で、かつ、同一の波長(ピッチ(P))であるが、前記分割線(23)の波形の振幅は弾性部材(15)の波形の振幅よりも小さい。
しかし、この第2実施例の場合、上記第1実施例と異なり、基材分割工程(S3)において分割線(23)は、上記中央寄り部分(C)では上記中央寄り弾性部材(15)よりも基材シート(10)の側縁側を通り、上記側縁寄り部分(E)では中央寄り弾性部材(15)よりも基材シート(10)の中央側を通るように設定されている。従ってこの分割線(23)は、上記中央寄り部分(C)と側縁寄り部分(E)との間で上記弾性部材(15)を横切ることとなる。この結果上記中央寄り弾性部材(15)は、側縁寄り部分(E)が腹側胴部用シート部分(11)と背側胴部用シート部分(13)の狭幅部分に胴部用弾性部材(5)として配置され、中央寄り部分(C)が股部外装シート部分(12)の両側縁近傍に脚部用弾性部材(8)として配置される。
上記分割で得られた股部外装シート部分(12)は、股部外装体に個分けされたのち、図7に示すように、股部取付工程(S5)において移載装置(25)により上記腹側胴部用シート部分(11)と背側胴部用シート部分(13)とに跨るように、且つ、長さ方向に所定長さ(L2)の間隔ごとに取り付けられる。股部外装体(7)は各胴部用シート部分(11・13)の広幅部分に固定されるが、この広幅部分には中央寄り弾性部材(15)が残っていない。従って、股部外装体(7)を取り付ける部位において中央寄り弾性部材(15)の伸縮力を消失させる必要がなく、中央寄り弾性部材(15)の伸縮力を全て無駄なく有効に利用することができる。しかも図7に示すように、着用者が脚部を挿入するための穴、いわゆるレッグホールの周縁全周に沿って中央寄り弾性部材(15)が配置されており、前記第1実施例と同様のその後の工程を経ることで、フィット性に優れた使い捨ておむつが得られる。
なお、この中央寄り弾性部材(15)の数は特定の本数に限定されず、それぞれ1本ずつであってもよく、3本以上であってもよい。本第2実施例のその他の構成は上記第1実施例と同様であり、その説明を省略する。
本発明において、上記分割線を曲線状に設定した場合、上記腹側胴部用シート部分の広幅部分と背側胴部用シート部分の狭幅部分とが互いに対向し、一方の広幅部分と他方の狭幅部分とに跨るように股部外装体が取り付けられてもよい。
本発明において、例えば1枚の所定幅の連続シート材と各側縁に沿って配置した2枚の狭幅の連続シート材とで弾性部材を挟み込んでもよい。さらには、1枚の広幅の連続シート材の両側縁が内側へ折り返えされて、この折り返し部分が弾性部材を挟み込むことにより所定幅の基材シートが形成されてもよい。
また上記第1実施例では、基材シートの上にバックシートやトップシート、フラップ状カフ(サイドシート、立体ギャザー等ともいう)などが積層された。しかし本発明ではこれらの積層されるシート材の少なくともいずれかが、基材シートを構成する連続シート材と兼用されてもよい。
例えば、上記第1実施例では連続シート材が不織布等で構成された。しかし本発明では、例えば少なくとも一方の連続シート材が液不透過性シート材で構成されて、この連続シート材がバックシートに兼用されてもよい。
また例えば図8に示す第3実施例のように、1枚の所定幅の連続シート材(W)とその内側に配置されたフラップ状カフ(21)の外側縁部(21a)とが基材シート(10)を構成してもよい。即ちこの第3実施例では、1枚の所定幅の連続シート材(W)の側縁側に弾性部材(14)が配置されており、その幅方向の中間部にバックシート(16)を介して吸収体(6)がパターンドラム(19)により取り付けられる。この吸収体(6)の上方には、トップシート(20)とその両側縁に沿って固定されたフラップ状カフ(21)とが配置される。このカフ(21)の外側縁部(21a)と上記連続シート材(W)との間には上記弾性部材(14)が挟み込まれている。従ってこのカフ(21)の外側縁部(21a)が連続シート材(W)の一部を構成している。この外側縁部(21a)と上記所定幅の連続シート材(W)と両者間の弾性部材(14)とで上記基材シート(10)が形成されている。なお符号(21b)はカフ(21)の内側縁部に配置されたカフ用弾性体を示している。本第3実施例のその他の構成は上記第1実施例と同様であり、図示およびその説明を省略する。
また本発明では、上記第3実施例において、カフの外側縁部に代えてトップシートの外側縁部が連続シート材を兼用し、これと上記所定幅の連続シート材とが弾性部材を挟み込むことにより、上記基材シートが形成されてもよい。これらの場合において、上記所定幅の連続シート材がバックシート材を兼用するものであってもよく、これにより積層されるシート数を一層少なくすることができる。
図9から図11に示す第4実施例のように、分割線は直線状に設定されてもよい。
この第4実施例では、図9に示すように、基材シート(10)の一方の側縁側の半部と他方の側縁側の半部において、それぞれ複数本の中央寄り弾性部材(15)が曲線状で且つ互いに並列に配置されている。曲線状の弾性部材(15)は、上記第1実施例と同様に、中央寄り部分(C)と側縁寄り部分(E)とが、長さ方向(L)において、所定のピッチ(P)で繰り返えされている。一方、基材シート(10)を3分割する2本の分割線(23・23)は、いずれも基材シート(10)の長さ方向(L)に沿った互いに平行な直線状に形成されている。
従って第4実施例では、この分割するための分割装置(22)の構造が簡易であるうえ、中央寄り弾性部材(15)の曲線形状と分割線(23)の曲線形状との位置合わせの必要がなく、分割操作が容易に実施される。
上記各分割線(23)は、基材シート(10)のそれぞれの側縁側の半部において、上記中央寄り弾性部材(15)に対し、上記中央寄り部分(C)よりも基材シート(10)の側縁側を通過するとともに、上記側縁寄り部分(E)よりも基材シート(10)の幅方向中央側を通過するように設定されている。
上記分割線(23)に沿って、上記中央寄り弾性部材(15)は上記中央寄り部分(C)と側縁寄り部分(E)の間で切断される。これにより上記中央寄り弾性部材(15)は、側縁寄り部分(E)が腹側胴部用シート部分(11)と背側胴部用シート部分(13)に胴部用弾性部材(5)として配置され、一方、中央寄り部分(C)が股部外装シート部分(12)の両側縁近傍に脚部用弾性部材(8)として配置される。
図11に示すように、本実施例の場合、各胴部用シート部分(11・13)のうち股部外装体(7)が取り付けられる部分には中央寄り弾性体が殆ど残らない。
また、上記曲線状の胴部用弾性部材(5)と脚部用弾性部材(8)とは、互いに環状に連なるように配置される。このため、これら曲線状の弾性部材(5・8)は、着用者の脚部を取り囲む周方向またはそれに近似した方向に伸縮する。
図9に示すように、上記基材シート(10)は、外側連続シート材(W1)とこれよりも幅の狭い、2枚の内側連続シート材(W2)とを備えている。図9および図10に示すように、両連続シート材(W1・W2)の間には、幅方向の側方寄りに複数の弾性部材(14)が配置されており、幅方向中央部にバックシート(16)と吸収体(6)とトップシート(29)とが外側から順に配置されている。上記トップシート(29)の両側縁は、それぞれ各内側連続シート材(W2)の中間部に溶着部(31)で溶着されている。各内側連続シート材(W2)のうち、上記溶着部(31)よりも内側部分は、それぞれフラップ状カフ(21)を構成し、このフラップ状カフ(21)はカフ用弾性部材を包含する。
上記外側連続シート材(W1)の両側縁の延設部(W3)は、上記内側連続シート材(W2)の側縁よりも外側にはみ出している。上記基材シート(10)は、上記分割線(23)に沿って3分割された後、股部外装シート部分(12)が所定長さ(L1)ごとに切断されて股部外装体(7)が切り取られる。股部外装体(7)は、90度回転された後、図11に示すように、腹側胴部用シート部分(11)と背側胴部用シート部分(13)とに跨るように、所定長さ(L2)の間隔ごとに取り付けられる。この股部取付工程(S5)の後、上記外側連続シート材(W1)が内側連続シート材(W2)の側縁に沿って折り曲げられ、上記はみ出た延設部(W3)がこの内側連続シート材(W2)に重ねられる。
上記工程により得られる使い捨ておむつは、腹側胴部と背側胴部の上端縁が外側連続シート材(W1)で包まれた状態となっており、そのため、上端縁が剥がれるおそれがない。
本実施例のその他の構成は上記の第1実施例や第3実施例と同様であり、その図示および説明を省略する。
上記各実施例で説明した使い捨ておむつの製造方法は、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものであり、各部材の形状や寸法、材質、製造手順などをこの実施形態のものに限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲内において種々の変更を加え得る。
例えば上記第1実施例では、上記基材分割工程で分割する前の基材シートに対し、その中央部分に吸収体が取り付けられた。しかし本発明では、基材分割工程での分割により得られた股部外装シート部分に吸収体が取り付けられてもよく、あるいは、例えば胴部用シート部分に固定された各股部外装体など、個分けされた股部外装体に吸収体が取り付けられてもよい。
上記第1実施例では、いわゆるパンツタイプの使い捨ておむつを製造についても説明したが本発明はいわゆるテープタイプの使い捨ておむつを製造するものであってもよい。
本発明において、上記連続シート材や弾性部材、吸収体などの構成材料、寸法、形状等は、上記の各実施例のものに限定されない。
本発明は使い捨ておむつ及びその製造に利用することができる。
1:使い捨ておむつ 2:腹側胴部 3:背側胴部 4:股部
5:胴部用弾性部材 6:吸収体 7:股部外装体 8:脚部用弾性部材
10:基材シート
11:腹側胴部用シート部分 12:股部外装シート部分 13:背側胴部用シート部分
14:弾性部材 15:中央寄り弾性部材
23:分割線
A:送り方向 C:中央寄り部分 E:側縁寄り部分
L:長さ方向 L1:切断ピッチ(切断の際の所定長さ) L2:配置ピッチ(取付の際の所定長さ)
P:ピッチ
S1:基材供給工程 S2:吸収体取付工程 S3:基材分割工程
S4:股部個分け工程 S5:股部取付工程 S8:おむつ個分け工程
W:連続シート材 W1:外側連続シート材 W2:内側連続シート材 W3:延設部

Claims (10)

  1. 腹側胴部(2)と、背側胴部(3)と、上記2つの胴部(2・3)に架設された股部(4)とを備え、上記股部(4)に排泄物を吸収する吸収体(6)を備える使い捨ておむつの製造方法であって、
    所定幅の連続シート材(W)と上記連続シート材(W)の両側縁に沿ってそれぞれ配置された複数本の胴部用および脚部用弾性部材(14)とが積層された基材シート(10)を送り方向(A)に連続的に供給する基材供給工程(S1)と、
    上記基材シート(10)の長さ方向(L)に延びる2本の仮想の分割線(23・23)に沿って、上記基材シート(10)を腹側胴部用シート部分(11)と股部外装シート部分(12)と背側胴部用シート部分(13)とに分割する基材分割工程(S3)と、
    上記股部外装シート部分(12)の先端部分を上記長さ方向(L)において、所定の切断ピッチ(L1)で次々と切断して所定の長さの股部外装体(7)に個分けする股部個分け工程(S4)と、
    上記股部外装体(7)が90°回転した姿勢となるように上記股部外装体(7)を回転させるとともに、上記腹側胴部用シート部分(11)と上記背側胴部用シート部分(13)とに跨るように、上記の長さ方向(L)において所定の配置ピッチ(L2)で断続的に取り付ける股部取付工程(S5)と、
    上記基材分割工程(S3)前の上記基材シート(10)の幅方向の中央部分、上記基材分割工程(S3)後の上記股部外装シート部分(12)、あるいは、上記個分けされた股部外装体(7)のいずれかに、上記吸収体(6)を取付ける吸収体取付工程(S2)と、
    上記股部外装体(7)が取り付けられた上記腹側胴部用シート部分(11)および上記背側胴部用シート部分(13)を、互いに隣り合う上記股部外装体(7)同士の中間の位置でそれぞれ切断して個々の使い捨ておむつ(1)に個分けするおむつ個分け工程(S8)とを含み、
    上記基材供給工程(S1)よりも前の工程において、上記胴部用および脚部用弾性部材(14)のうち、少なくとも基材シート(10)の幅方向の中央寄りに複数本の中央寄り弾性部材(15)が配置され、上記中央寄り弾性部材(15)は、上記基材シート(10)の一方又は他方の側縁までの距離が大きくなる中央寄り部分(C)と上記距離が小さくなる側縁寄り部分(E)とを、上記長さ方向(L)において所定のピッチ (P)で繰り返す波形の曲線状に配置されて積層される工程を更に備え、
    上記基材分割工程(S3)において、上記複数本の中央寄り弾性部材(15)に対し、上記中央寄り部分(C)の少なくとも一部よりも基材シート(10)の側縁側を各上記仮想の分割線(23)が通り、上記側縁寄り部分(E)の少なくとも一部よりも基材シート(10)の幅方向の中央側を各上記仮想の分割線(23)が通るように上記基材シート(10)を分割し、
    上記基材シート(10)は、外側連続シート材(W1)とこれよりも幅の狭い内側連続シート材(W2)とが互いに積層され、これらの連続シート材(W1・W2)の積層部分に上記複数本の胴部用および脚部用弾性部材(14)を配置するとともに、外側連続シート材(W1)の両側縁を内側連続シート材(W2)の側縁よりも外側へ延設部(W3)として露出させておき、
    上記股部取付工程(S5)の後、上記外側連続シート材(W1)を内側連続シート材(W2)の側縁に沿って折り曲げて、上記延設部(W3)を上記内側連続シート材(W2)に積層し、
    ここにおいて、
    上記内側連続シート材(W2)として、基材シート(10)の一方の側縁側と他方の側縁側とにそれぞれ離間して配置される2枚の内側連続シート材(W2)を用いるとともに、各内側連続シート材(W2)は基材シート(10)の中央部側の側端部にそれぞれフラップ状カフ(21)を備える、ことを特徴とする、使い捨ておむつの製造方法。
  2. 上記基材分割工程(S3)において、上記分割線(23)が、それぞれ上記長さ方向(L)に延びる直線状となるように上記基材シート(10)を分割する請求項1に記載の使い捨ておむつの製造方法。
  3. 上記基材分割工程(S3)において、上記分割線(23)が、上記中央寄り弾性部材(15)に沿った波形の曲線状となるように、かつ、上記中央寄り部分(C)では基材シート(10)の上記一方又は他方の側縁までの距離が大きく、上記側縁寄り部分(E)では上記距離が小さくなるように上記基材シート(10)を分割する、請求項1に記載の使い捨ておむつの製造方法。
  4. 上記基材シート(10)の一方の側縁を含む1つの半部と他方の側縁を含む別の半部において、上記各中央寄り弾性部材(15)がそれぞれ互いに並列に配置された複数本の弾性部材を含み、上記曲線状の各分割線(23)が、これら並列配置された弾性部材(15・15)同士を2つのグループに分けるように上記基材シート(10)を分割する、請求項3に記載の使い捨ておむつの製造方法。
  5. 上記股部個分け工程(S4)において、上記側縁寄り部分(E)における上記長さ方向(L)の中央部から上記長さ方向(L)に所定寸法離間した位置で上記股部外装シート部分(12)を切断して個分けする、請求項3に記載の使い捨ておむつの製造方法。
  6. 上記分割線(23)を、上記中央寄り弾性部材(15)に対し、上記中央寄り部分(C)よりも基材シート(10)の側縁側を通過するとともに、上記側縁寄り部分(E)よりも基材シート(10)の幅方向中央側を通過するように形成する、請求項1から5のいずれかに記載の使い捨ておむつの製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により製造される使い捨ておむつであって、
    上記腹側胴部(2)と背側胴部(3)との、少なくとも股部(4)を取り付けた中央部を除く部位の下端縁近傍に、それぞれ、胴部用弾性部材(5)の一部が曲線状に配置されており、
    上記股部(4)の外装体(7)の、少なくとも長さ方向の中間部における各側縁近傍に、それぞれ脚部用弾性部材(8)が曲線状に配置されていることを特徴とする、使い捨ておむつ。
  8. 上記腹側胴部(2)と背側胴部(3)と股部(4)とが互いに等しい長さに設定されている、請求項に記載の使い捨ておむつ。
  9. 上記腹側胴部(2)と背側胴部(3)との少なくとも一方は、上記股部(4)を取り付けた上記中央部における上下の幅が両端部における上下の幅よりも広く、
    上記股部(4)の外装体(7)は、長さ方向の中央部から両端に向かうに従い幅が広いことを特徴とする、請求項に記載の使い捨ておむつ。
  10. 上記腹側胴部(2)と背側胴部(3)は外側シート材(W1)と内側シート材(W2)と両シート材(W1・W2)の間に挟まれた胴部用および脚部用弾性部材(14)とを含み、上記外側シート材(W1)は上方への延設部(W3)が各胴部(2・3)の上端縁で折り返されて内側シート材(W2)の上側部分に積層されており、上記股部(4)の長さ方向の各端部は、前記積層された外側シート材(W1)の延設部(W3)と内側シート材(W2)との間に挟まれて配置されている、請求項に記載の使い捨ておむつ。
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