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JP6387535B2 - サイクロン分離装置 - Google Patents

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JP6387535B2
JP6387535B2 JP2017073483A JP2017073483A JP6387535B2 JP 6387535 B2 JP6387535 B2 JP 6387535B2 JP 2017073483 A JP2017073483 A JP 2017073483A JP 2017073483 A JP2017073483 A JP 2017073483A JP 6387535 B2 JP6387535 B2 JP 6387535B2
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Description

本発明は、建屋において屋外の空気を屋内に取り込む際、建屋の屋外外壁の空気取入口部分に取り付け、屋外の空気に含まれる異物を分離し、屋外へ戻すサイクロン分離装置に関するものである。
従来、この種のサイクロン分離装置は、例えば特許文献1のものが知られている。
以下、そのサイクロン分離装置について図6を参照しながら説明する。
図6に示すように、軸方向の一端面に複数の羽根101を等間隔に隙間を開けて放射状に配置した円形状の流入口102と、他端面に円形状の流出口(流入口102と同軸上で図の背面側)を備え、流入口102と流出口の間の空間は円筒状の旋回室103となっており、流入口102から入った空気は羽根101によって旋回気流となり、その後気流は流出口から流出する。旋回室103の下方には、旋回気流によって空気中の異物を分離したものを収容する分離室104を備えている。
特開2008−36579号公報
このような従来のサイクロン分離装置においては、旋回室と分離室が上下に配置される構造であるため、装置が縦方向に大きくなるという課題や、建物との一体感が低いという課題を有していた。
また、流入口は複数の羽根部材が隙間を開けて配置されているため、雨水の浸入を防ぐことができず、屋内に水が浸入しやすい構造である。このため、羽根部材の屋外側に風雨の進入を防ぐカバーを設ける必要があるが、この場合も、装置が大きくなるという課題や、その他装置のコストが上昇するという課題や建物との一体感が低いという課題などが生じていた。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、装置が大きくならず、意匠性の高いサイクロン分離装置を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明に係るサイクロン分離装置は、気流が流入する円筒状のケースと、前記ケースの一端側で側面の少なくとも一部を開口した開口部と前記開口部に沿って複数配置した固定羽根とを備え形成した第一吸気口と、前記固定羽根と同じ側の前記ケースの一端面に流出口を備え、前記第一吸気口を通過する気流は固定羽根によって旋回成分を持った気流となって前記ケース内に流入し、前記流出口から前記ケース外へ気流が流れ出るサイクロン分離装置において、前記ケースの他端側は、前記ケースの側面において、前記円筒状のケースの中心軸を水平に配置した状態で最下部に位置させることができる第二吸気口と、前記ケースの内部において、内周側の第一旋回室と外周側の第二旋回室とに分割する空間分割板とを備え、前記空間分割板には、前記第一旋回室と第二旋回室とを連通する貫通孔を備え、前記第一吸気口は、前記第一旋回室を介して前記流出口へ連通し、前記第二吸気口は、前記第二旋回室と前記貫通孔を介して前記流出口へ連通させたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、気流が流入する円筒状のケースと、前記ケースの一端側で側面の少なくとも一部を開口した開口部と前記開口部に沿って複数配置した固定羽根とを備え形成した第一吸気口と、前記固定羽根と同じ側の前記ケースの一端面に流出口を備え、前記第一吸気口を通過する気流は固定羽根によって旋回成分を持った気流となって前記ケース内に流入し、前記流出口から前記ケース外へ気流が流れ出るサイクロン分離装置において、前記ケースの他端側は、前記ケースの側面において、前記円筒状のケースの中心軸を水平に配置した状態で最下部に位置させることができる第二吸気口と、前記ケースの内部において、内周側の第一旋回室と外周側の第二旋回室とに分割する空間分割板とを備え、前記空間分割板には、前記第一旋回室と第二旋回室とを連通する貫通孔を備え、前記第一吸気口は、前記第一旋回室を介して前記流出口へ連通し、前記第二吸気口は、前記第二旋回室と前記貫通孔を介して前記流出口へ連通する構成にしたことにより、1つの円筒状ケース内に空間分割板によって第一旋回室と第二旋回室に分割され、空間分割板に第一旋回室と第二旋回室を連通する貫通孔を備えることで、第一吸気口から入った屋外の空気は、旋回気流となって第一旋回室へ流入し、ここで旋回気流中に含まれる異物が遠心力を受け、空間分割板近傍を周回し、貫通孔より第二旋回室へ移動する。つまり第二旋回室が分離した異物を受け入れる分離室となっており、1つの円筒状ケース内に空間分割板を挟んで、第一旋回室と、分離室となる第二旋回室を備えているので、装置のサイズが大きくなることを抑制し、装置が円筒形状で収まるため、建物との一体感も高くなるという効果を得ることができる。
本発明の実施の形態1の外観斜視図 同中心軸に沿った断面図 同A−A断面図 本発明の実施の形態2の中心軸に沿った断面図 同B−B断面図 本発明の実施の形態3の外観斜視図 同中心軸に沿った断面図 従来のサイクロン分離装置を示す外観斜視図
本発明の請求項1記載のサイクロン分離装置は、気流が流入する円筒状のケースと、前記ケースの一端側で側面の少なくとも一部を開口した開口部と前記開口部に沿って複数配置した固定羽根とを備え形成した第一吸気口と、前記固定羽根と同じ側の前記ケースの一端面に流出口を備え、前記第一吸気口を通過する気流は固定羽根によって旋回成分を持った気流となって前記ケース内に流入し、前記流出口から前記ケース外へ気流が流れ出るサイクロン分離装置において、前記ケースの他端側は、前記ケースの側面において、前記円筒状のケースの中心軸を水平に配置した状態で最下部に位置させることができる第二吸気口と、前記ケースの内部において、内周側の第一旋回室と外周側の第二旋回室とに分割する空間分割板とを備え、前記空間分割板には、前記第一旋回室と第二旋回室とを連通する貫通孔を備え、前記第一吸気口は、前記第一旋回室を介して前記流出口へ連通し、前記第二吸気口は、前記第二旋回室と前記貫通孔を介して前記流出口へ連通するという構成を有する。
これにより、円筒状ケース内は空間分割板によって第一旋回室と第二旋回室に分割され、空間分割板に第一旋回室と第二旋回室を連通する貫通孔を備えることで、第一吸気口から入った屋外の空気は、旋回気流となって第一旋回室へ流入し、ここで旋回気流中に含まれる異物は遠心力を受け、空間分割板近傍を周回し、貫通孔より第二旋回室へ移動する。つまり第二旋回室が分離した異物を受け入れる分離室となっており、第二旋回室に分離した異物は重力により下部付近つまり第二吸気口付近に堆積する。さらに、装置外で自然風が吹き、第二旋回室付近でも横風が吹くと、ベルヌーイの定理より静圧が低下し、第二旋回室側よりも装置外の静圧が低くなると、異物が装置外へ排出される。この作用により、第二旋回室に分離した異物を屋外へ戻すことができる。
また、本装置の下流側に配置する送風機によって、本装置内は負圧となっており、第二吸気口においても本装置外から第二旋回室へ向かって空気が流入する。第一旋回室の旋回気流の一部は指向性を持って貫通孔より第二旋回室に流入するため、第二旋回室内の気流は第一旋回室の気流と同じ旋回方向となり、第二吸気口から流入した気流はその旋回気流に乗って旋回する。これにより、第一旋回室から第二旋回室に移動してきた異物や、第二旋回室から流入した異物を外周側へ移動させることができ、異物が貫通孔から第一旋回室へ移動することを抑制できるため、分離性能の低下を抑えることができる。
つまり、1つの円筒状ケース内に空間分割板を挟んで、第一旋回室と、分離室となる第二旋回室を備えているので、本装置のサイズが大きくなることを抑制しながら分離性能を確保している。そして、サイクロン分離装置が円筒形状で収まるため、建物との一体感も高くなるという効果を得ることができる。
また、本発明の請求項2記載のサイクロン分離装置は、前記空間分割板は円筒壁を有し、前記ケースの他端側の前記円筒壁の端部は、前記ケースの内面と接触して、前記第一旋回室と前記第二旋回室に分割した。
これにより、第一旋回室の周りを第二旋回室が円環状に囲む構造となり、第二旋回室内の気流を確実に旋回させることができる。そのため、第二旋回室内の異物が旋回し遠心力を受け第二旋回室の外周側へ移動するため、貫通孔から第一旋回室へ流入することを抑制することができる。また、中心軸方向で、第一旋回室の並びに第二旋回室が来るわけではなく、第一旋回室を取り囲むように第二旋回室が構成されるため、中心軸方向の高さも抑制することができ、本装置の小型化につながる。
また、本発明の請求項3記載のサイクロン分離装置は、前記第一旋回室の断面積が、前記ケースの一端側から他端側へ向けて、徐々に小さくなるように前記空間分割板を周回して備え、前記第二吸気口は、前記ケースの側面において前記第一吸気口で発生する旋回気流の回転方向に対して上流側に位置する上流側端部を有し、前記ケースの中心軸と前記最下部を含む面で2分割した一方の側であって、前記第一吸気口で発生する旋回気流の回転方向に対して前記上流側端部よりも上流側に前記貫通孔を配置し、前記貫通孔よりも前記第二吸気口の近傍において、前記第二旋回室内に板状のガイド部材を設け、前記ガイド部材は、前記ケースの外周側に位置し前記ケースの他端から一端側へ向けて前記上流側端部を越えて前記ケースの軸方向へ延設した外周側の辺と、前記ケースの内周側に位置し前記ケースの他端から前記空間分割板へ向けて延設した内周側の辺とを有し、前記ケースの他端において、前記外周側の辺は前記貫通孔と前記上流側端部との間に配置しており、前記内周側の辺を前記第一吸気口で発生する旋回気流の回転方向に対して前記第二吸気口の中心位置よりも下流側に配置しており、前記第二旋回室内の流路において、前記内周側の辺は前記外周側の辺に比べて前記貫通孔からの距離が遠ざかる方向に配置した。
これにより第一旋回室内の断面積が小さくなるに従い、旋回気流中に含まれる異物に作用する遠心力が大きくなるため、より確実に異物を第一旋回室から貫通孔を通って第二旋回室へ移動させることができる。つまり異物の分離性能が向上する。
また、第一旋回室内の旋回気流の一部が貫通孔より第二旋回室へ吹き出すことで、第二旋回室内も第一旋回室内の同方向の旋回気流が発生するが、第二吸気口付近にガイド部材を設けることで、第二吸気口から流入した気流も確実に第一旋回室の旋回気流と同じ方向へ指向させることができ、第二旋回室内の旋回気流をより強くする効果を得る事ができる。これにより、第二旋回室内において第二吸気口から流入した異物を貫通孔から遠ざけることができ、異物が貫通孔より第一旋回室へ流入し、流出口へ流れ出ることを防ぐ効果を高めることができる。
また、本発明の請求項4記載のサイクロン分離装置は、前記第一旋回室の断面積が、前記ケースの一端側から他端側へ向けて、変わらないように前記空間分割板を周回して備え、前記第二吸気口は、前記ケースの側面において前記第一吸気口で発生する旋回気流の回転方向に対して上流側に位置する上流側端部を有し、前記ケースの中心軸と前記最下部を含む面で2分割した一方の側であって、前記第一吸気口で発生する旋回気流の回転方向に対して前記上流側端部よりも上流側に前記貫通孔を配置し、前記貫通孔よりも前記第二吸気口の近傍において、前記第二旋回室内に板状のガイド部材を設け、前記ガイド部材は、前記ケースの外周側に位置し前記ケースの他端から一端側へ向けて前記第二吸気口を越えて前記ケースの軸方向へ延設した外周側の辺と、内周側の辺とを有し、前記ケースの他端において、前記外周側の辺は前記貫通孔と前記上流側端部との間に配置しており、前記内周側の辺を前記第一吸気口で発生する旋回気流の回転方向に対して前記第二吸気口の中心位置よりも下流側に配置しており、前記第二旋回室内の流路において、前記内周側の辺は前記外周側の辺に比べて前記貫通孔からの距離が遠ざかる方向に配置した。
これにより、第一旋回室、第二旋回室ともケースの一端側から他端側にかけて、断面積が変わらない構造となるため、空間分割板と流出口との距離を確保することができ、異物が用意に流出口へ流れこむことを防ぐことができるので、分離性能が向上する。また、第一旋回室と第二旋回室を含む部材を樹脂成型で製作する際に、一体構造として製作が容易となる。
また、第一旋回室内の旋回気流の一部が貫通孔より第二旋回室へ吹き出すことで、第二旋回室内も第一旋回室内の同方向の旋回気流が発生するが、第二吸気口付近にガイド部材を設けることで、第二吸気口から流入した気流も確実に第一旋回室の旋回気流と同じ方向へ指向させることができ、第二旋回室内の旋回気流をより強くする効果を得る事ができる。これにより、第二旋回室内において第二吸気口から流入した異物を貫通孔から遠ざけることができ、異物が貫通孔より第一旋回室へ流入し、流出口へ流れ出ることを防ぐ効果を高めることが出来る。
また、本発明の請求項5記載のサイクロン分離装置は、前記流出口は円筒形状で、前記ケース内に突出したケース側端部を有し、前記ケース側端部の位置は側面視において前記空間分割板と重なる位置であり、前記ケース側端部の全周に渡って広がる方向にリブを設けた。
これにより、本装置が雨に降られた場合においても、雨水が流出口より外へ出ることを防ぐことができる。流入口と流出口のケース側端部の内側へは直線で結ぶことができず、雨水が直接入り込むことがなくなる。また、流出口の円筒外面側を伝わる水をケース側端部に設けたリブで水が表面を伝わって流出口内部に入り込むことを防ぐことができ、水の分離性能が向上する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態におけるサイクロン分離装置の外観図であり、円筒状のケース1の一端側で側面を周回して開口した開口部2に固定羽根3を複数配置した第一吸気口4を備え、ケース1側面において、第一吸気口4とは反対側の他端側に、円筒状のケース1の中心軸20を水平に配置した状態で重力方向の最下部に位置させることができる第二吸気口5を備えている。
固定羽根3は開口部2に360度に渡って一定の隙間を開けて配置しており、本実施の形態では18枚設け、中心軸20に対して全て同じ角度を向いている。これにより固定羽根3を通過した気流は旋回気流となる。なお、本実施の形態において開口部2は360度にわたり開口しているが、一部がふさがっていてもよい。
図2は、円筒状のケース1の中心軸20に沿って(見やすくするために中心軸から僅かに手前にずらしている)カットした断面図である。ケース1の第一吸気口4側をふさいで端面1Aとし、その中央に装置外と装置内を連通する円筒状の流出口6を備えている。なお、端面1Aに対して反対側の端面1Bは開口がなく塞がれている。
前記ケース1内の端面1B側には、空間分割板7を備え、この空間分割板7の内周側空間を第一旋回室8、外周側空間を第二旋回室9とし、空間分割板7は、ケース1の円筒状の中心軸20を横断する第一旋回室8の断面積が流出口6から遠ざかるにつれて、徐々に小さくなるように傾斜している。すなわち空間分割板7は円錐台形状の円筒壁25を有している。
空間分割板7の一端はケース1の側面と接触しており、ここの空間分割板7の端部を端部7Aとし、他端はケース1の端面1Bと接触しており、この空間分割板7の端部を端部7Bとする。
つまり、円筒状のケース1の中に空間分割板7を介して、第一旋回室8と第二旋回室9を構成し、ケース1の端面1Bは、中心部と外周部でそれぞれ第一旋回室8と第二旋回室9の空間と接している。なお、端部7Bを閉じた閉塞面としてもよい。この場合閉塞面が端面1Bと接触することとなる。
また、第一旋回室8と第二旋回室9とは空間分割板7に設けた貫通孔10によって連通するようにしている。貫通孔10は空間分割板7の前記円筒壁の一部に備えている。これにより、第一吸気口4は、第一旋回室8を介して流出口6へ連通し、第二吸気口5は、第二旋回室9と貫通孔10を介して、第一旋回室8へ連通し、さらに流出口6へ連通するという構成が形成されている。
また、第一旋回室8の最大径と第二旋回室9の最大径は同じである。
本実施の形態では、本体のケース1の開口部2に固定羽根3の内周側端部が接するように配置しているため、固定羽根3部分が本体のケース1より突出した構成となっている。また、開口部2に固定羽根3の外周側端部が接するように配置すると、固定羽根3部分は本体のケース1内に納まる。
流出口6は円筒状で、端面1Aを貫通するようにケース1と同じ中心軸20上に配置され、流出口6の一端は空間分割板7の端部7Aを超えて第一旋回室8内へ突出している。なお、流出口6の一端は端部7Aを超えなくても良い。そして反対側は装置外へ突出しており、ダクトが接続できるようになっている。
図3は、図2におけるA−A断面図であり、第二旋回室9内の貫通孔10よりも第二吸気口5に近い位置で第二吸気口5の上方にガイド部材11を備え、外周側の辺を下端11A、内周側の辺を上端11Bとし、下端11Aは貫通孔10と上流側端部5Aとの間に配置し、上端11Bは図3で示す第二吸気口5の中心位置を示す中心線21を超えて配置し、ガイド部材11の下端11Aから上端11Bに行くに従い、第二旋回室9内の流路において、貫通孔10から遠ざかる方向へ傾斜している。
ガイド部材11は、第二吸気口5から流入した空気の流れ方向を決めるもので、第一吸気口4から流入した気流の旋回方向、つまり第一旋回室8内の旋回気流の方向と同じ方向になるようにガイド部材11を配置している。第二吸気口5からの気流を確実に旋回させるために、ガイド部材11の下端11Aを上流側端部5Aよりも旋回方向(図3白矢印)の上流側に位置するように配置し、上端11Bは空間分割板7の曲面の最下部よりも旋回方向の下流側に位置するように配置し、中心軸20からの距離が第二吸気口5が最も遠く、次に下端11A、そして上端11Bが最も小さくなるように配置している。
上端11Bの位置はガイド部材11を通過した気流が空間分割板7の曲面に沿って第一旋回室8内の旋回気流の方向と同じ方向へ流れるよう、空間分割板7の曲面で最下部になる位置(図3の中心線21)、つまり第二吸気口5の中心位置よりも下流側に配置している。
またガイド部材11により、第二吸気口5から流入した気流が直接、貫通孔10へ向かうことを防いでいる。そのため、ガイド部材11の下端11A側との接線と上端11B側の接線とは平行ではなく角度を持っている。本実施の形態では、下端11A側は丸みを帯びているが、直線状となっていてもよい。
ガイド部材11はケース1の端面1Bと空間分割板7に接しており、本実施の形態ではガイド部材11の上下は連通した空間となっているが、空間分割板7の傾斜角度つまり、第一旋回室8の断面積が端面1Bに向うに従い断面積が小さくなる度合いによっては、ガイド部材11の上側は流路として連通せず、下側のみが連通した空間となる場合もある。
空間分割板7には、その側面に第一旋回室8と第二旋回室9を連通する開口である貫通孔10を備えている。貫通孔10は、旋回気流(図3の白矢印方向)が上から下に流れる部分、つまり図3において中心線21よりも左側において、第一吸気口4で発生する旋回気流の回転方向(図3の白矢印)に対して上流側端部5Aよりも上流側に設ける。これは、第一旋回室8内の旋回気流に含まれる異物は旋回成分を持って、貫通孔10より第二旋回室9へ流入するため、重力を利用して、第二旋回室9の下部へ速やかに移動させるためである。
また、本実施の形態では貫通孔10は、空間分割板7の端部7Bまで開口させているが、端部7Bまでは開口しなくてもよく、また端部7Aと端部7Bの両方に渡って開口(この場合、空間分割板7としては途中で分断された状態となる)していてもよい。
第二吸気口5の開口面積は、第一吸気口4となっている開口部2の開口面積に対して0.5〜3%程度とするのが望ましく、本実施の形態では、第二吸気口5の開口面積は開口部2の面積に対して約1.2%となっている。このように第二吸気口5は第一吸気口4となっている開口部2の開口面積に対して非常に小さくなっている。このようにしているのは、第一吸気口4から流入する気流が本装置で処理を行う主の空気とするためである。3%より大きくなると、第二吸気口5からの流入が増加し、図2に示す貫通孔10で第二旋回室9から第一旋回室8へ向かう気流が増加し、第一旋回室8で分離した異物を第二旋回室9へ移動しづらくなる(詳細な気流の流れと異物の動きについては後述)。また、第二吸気口5の開口面積は小さすぎてもよくなく、分離した異物は第二吸気口5付近に堆積し、第二吸気口5は異物を排出するための開口であるため、異物が詰まらない程度の大きさが必要だからである。
上記構成においてサイクロン分離装置における気流の流れを説明する。
流出口6と送風機(図示せず)をダクトで接続し、送風機を運転すると、ケース1内が負圧になるため、外気と連通している第一吸気口4と第二吸気口5から空気が流入する。ただし、前述したように第二吸気口5の開口面積は、第一吸気口4のある開口部2の開口面積に対して0.5〜3%であるので、大部分は第一吸気口4から流入する。
図2に示すように、第一吸気口4から流入した空気は、固定羽根3によって旋回気流となり、第一旋回室8内を旋回しながらケース1の端面1B方向へ進行する。この時、第一旋回室8の断面積は徐々に小さくなっているので、旋回気流に含まれる異物へ作用する遠心力は強くなっていく。端面1B付近で旋回気流の中心軸20に対する進行方向が反転し、第一旋回室8内の中心付近を通って流出口6へ向かい、装置外へ流出する。
また、第一旋回室8の旋回気流の一部は貫通孔10から第二旋回室9へ流入するため、第二旋回室9内においても第一旋回室8の旋回気流と同方向の旋回気流が僅かながら発生する。
第二吸気口5から流入した空気はガイド部材11により、貫通孔10から遠ざかる方向へ気流が曲げられる。つまり、上述した第一旋回室8内の旋回気流と同一方向に曲げられるため、第二旋回室9内に旋回気流が確実に発生する。第二吸気口5から流入した空気は第二旋回室9内を周回して貫通孔10より第一旋回室8へ入り、第一旋回室8内の気流と合流して流出口6より装置外へ流出する。
次に本装置に流入した異物を分離する作用について説明する。
第一吸気口4から空気とともに流入した異物(例えば、蚊やショウジョウバエ、キノコバエ、蛾などの小昆虫)は、第一旋回室8内の旋回気流によって遠心力を受け、外周側の空間分割板7付近を周回する。周回している間に、異物が貫通孔10付近を通過するとより外側へ移動しようとするため、この貫通孔10を通って第一旋回室8から第二旋回室9へ移動、つまり分離する。第二旋回室9は分離した異物を受け入れる空間、つまり分離室となっている。
異物は空気に比べて質量が大きいため重力の作用によって、第二旋回室9内の下部である第二吸気口5付近に堆積する。異物が小昆虫などの場合、第二旋回室9に分離した直後は、まだ生きているため、第二旋回室9内を浮遊することができる。しかし、第二旋回室9内にも旋回気流が発生しているため、遠心力を受け第二旋回室9の外周側へ移動することとなり、貫通孔10から第一旋回室8へ戻ることは抑制される。
つまり、第一旋回室8で分離した異物を受け入れる第二旋回室9でも旋回気流が発生していることにより、分離した異物が再び第一旋回室8へ戻ることを抑制している。同様に第二吸気口5から流入した異物に対しても第一旋回室8へ流入することを抑制することができる。
また、第二吸気口5は第二旋回室9内に一旦貯留された異物を装置外へ排出するための開口でもある。装置外の自然風が無風の場合は、前述したように、第二吸気口5から空気が流入するため、異物は出て行かない。しかし、図3に示すように、装置外で自然風が吹き、第二吸気口5付近の自然風の流れが黒矢印のようになると、ベルヌーイの定理により静圧が低下する。自然風により第二吸気口5部分で装置内よりも装置外の静圧が低下すると、異物は装置外へ引き寄せられ、排出される。本装置では、このように自然風を利用して、第二旋回室9内に一旦貯留した異物を屋外へ排出している。これにより、サイクロン分離装置のメンテナンスが不要となる。
以上のように、ケース1の一端側の周回状の開口部2に複数の固定羽根3を設けた第一吸気口4、ケース1側面で第一吸気口4と反対側の重力方向の最下部に第二吸気口5を設け、ケース1内を空間分割板7で第一旋回室8と第二旋回室9に分割し、空間分割板7に第一旋回室8と第二旋回室9を連通する貫通孔10を設け、主流は第一吸気口4から流入し第一旋回室8を通り流出口6へ流れ、一部の空気は第二吸気口5から流入し第二旋回室9を通り、貫通孔10より第一旋回室8へ抜け流出口6へ流れる構成にすることで、第一吸気口4から空気と共に流入した異物は第一旋回室8で分離され貫通孔10より第二旋回室9へ移動する。第二旋回室9は第一旋回室8で分離した異物を受け入れる分離室の役割を持っている。つまり、本実施の形態のサイクロン分離装置は第一旋回室8の周囲に分離室を設けた構成になっており、さらに分離室である第二旋回室9内の空気は旋回気流となっていることで、分離した異物や、第二吸気口5から流入した異物が貫通孔10より第一旋回室8へ流入することを抑制でき、分離性能が向上している。
このように円筒状のケース1内に旋回・分離空間があるため、サイクロン分離装置をコンパクトに構成することができ小型になる。また、外観上は円筒形状なので、建物との一体感も高めることができる。
また、本装置は、建屋の外壁の吸気口部分に風雨を防ぐためのフードとしての利用を想定している。つまり異物を分離する機能の付いたフードである。
屋外外壁に設置された際、雨が降った場合は、第一吸気口4から雨水が流入するが、第一吸気口4は360度開口しているため、そのまま下方へ落下していく。流出口6の端部は第一吸気口4より第一旋回室8側へ突出しているため、雨水が流出口6に直接入ることはない。万が一装置内へ流入しても流出口6はケース1端面の中央部に存在しているため、雨水が流出口6より下流へ浸入する恐れはない。ケース1内へ水しぶきが流入しても、旋回気流によって空間分割板7へ付着させることができる。本実施の形態では、空間分割板7は第一吸気口4へ向かって傾斜しているため、空間分割板7に付着した雨水は第一吸気口4へ流れ出ることとなる。
また、強風が吹いたとしても、第一吸気口4は360度開口しているため、風が抜ける構造である。また前述した構造により風が直接、流出口6へ流入することはない。
つまり、本装置はコンパクトに異物を分離する機能を備えながら、風雨を防ぐフードとしての本来の機能を確実に押さえている。
(実施の形態2)
実施の形態1と構成・作用が同じ部分については説明を省略する。
図4は本実施の形態を示す断面図である。第一旋回室8と第二旋回室9のケース1の円筒状の中心軸20を横断する断面積は本体のケース1の端面1Aから端面1Bへ向けて変わらないように、空間分割板7を一様に周回して備えている。
これにより、空間分割板7と流出口6との距離を確保することができ、第一旋回室8を旋回する気流に含まれる異物が流出口6から流れ出ることを抑制することができる。
図5は図4におけるB−B断面図である。
ガイド部材11を第二旋回室9内の第二吸気口5近傍に端面1Bから第二吸気口5を超えて固定羽根3部分に渡って、配置している。ガイド部材11の下端11Aを上流側端部5Aよりも旋回方向の下流側に位置するように配置し、上端11Bは空間分割板7の曲面の最下部よりも旋回方向の上流側に位置するように配置し、中心軸20からの距離が第二吸気口5が最も遠く、次に下端11A、そして上端11Bが最も小さくなるように配置している。
これにより、空間分割板7が円筒状の場合に置いても、第二吸気口5から流入した気流を第一旋回室8内の旋回気流の方向と同じ方向に旋回させることができ、第二吸気口5内の異物が旋回することで、貫通孔10より第一旋回室8内へ移動することを抑制している。
本実施の形態においても、主流は第一吸気口4から流入し第一旋回室8を通り流出口6へ流れ、一部の空気は第二吸気口5から流入し第二旋回室9を通り、貫通孔10より第一旋回室8へ抜け流出口6へ流れる構成にすることで、第一吸気口4から空気と共に流入した異物は第一旋回室8で分離され貫通孔10より第二旋回室9へ移動する。第二旋回室9は第一旋回室8で分離した異物を受け入れる分離室の役割を持っている。つまり、本装置は第一旋回室8の周囲に分離室を設けた構成になっており、さらに分離室である第二旋回室9内の空気は旋回気流となっていることで、分離した異物や、第二吸気口5から流入した異物が貫通孔10より第一旋回室8へ流入することを抑制でき、分離性能が向上している。
このように円筒状のケース1内に旋回・分離空間があるため、装置をコンパクトに構成することができ小型になる。また、外観上は円筒形状なので、建物との一体感も高めることができる。
また、本装置は、建屋の外壁の吸気口部分に風雨を防ぐためのフードとしての利用を想定している。つまり異物を分離する機能の付いたフードである。
(実施の形態3)
実施の形態1と構成・作用が同じ部分については説明を省略する。
図6は本実施の形態を示す外観斜視図で、開口部2の上部が一部塞がれて閉塞部22を備えている。
また、図7は中心軸20に沿ってカットした断面図である。図7に示すように、ケース1内において、流出口6のケース側端部23は、空間分割板7と重なる位置にまで突出しており、ケース側端部23には、外側を周回するリブ24を備えている。すなわち、ケース側端部23にフランジを備えている。なお、本実施の形態ではリブ24は鍔状の平板であるが、中心軸20の軸方向にリブ24の厚みを持たせてもよく、またケース側端部23を円弧状つまりラッパ状としてもよい。
閉塞部22は、第二吸気口5に対して180度反対側でケース1側面の上部側に位置する。これにより、本装置に雨がかかったとしても、閉塞部22により本装置内に流入する雨水の量を減少させることができる。
リブ24は、開口部2から流入した雨水が流出口6の円筒外側表面に付着した際、その表面を伝って、ケース側端部23から流出口6内に流入するのを防ぐことができる。なお、リブ24の形状は、流出口6の円筒外側表面を伝わる水滴の進行方向が円筒外側表面において中心軸20から離れる方向へ変わるような形状であれば前述したように他の形状でもよい。
本実施の形態では、閉塞部22とリブ24により、開口部2から流入した雨水が流出口6から出て行くのを抑制することができる。
また、リブ24は、第一旋回室8から流出口6へ気流が流入する際にケース側端部23での乱流の発生を抑制し、本装置の圧力損失を低減することも可能となる。
本発明に係るサイクロン分離装置は、装置をコンパクトに構成し小型化することと、意匠性を高めることを可能としながら、異物を分離し屋外へ戻すとともに、風雨の進入の防止を可能とするものであるので、建屋の換気口(給気側)に取り付ける屋外フード等として有用である。
1 ケース
1A 端面
1B 端面
2 開口部
3 固定羽根
4 第一吸気口
5 第二吸気口
5A 上流側端部
6 流出口
7 空間分割板
7A 端部
7B 端部
8 第一旋回室
9 第二旋回室
10 貫通孔
11 ガイド部材
11A 下端
11B 上端
20 中心軸
21 中心線
22 閉塞部
23 ケース側端部
24 リブ
25 円筒壁

Claims (5)

  1. 気流が流入する円筒状のケースと、前記ケースの一端側で側面の少なくとも一部を開口した開口部と前記開口部に沿って複数配置した固定羽根とを備え形成した第一吸気口と、前記固定羽根と同じ側の前記ケースの一端側に流出口を備え、前記第一吸気口を通過する気流は固定羽根によって旋回成分を持った気流となって前記ケース内に流入し、前記流出口から前記ケース外へ気流が流れ出るサイクロン分離装置において、前記ケースの他端側は、前記ケースの側面において、前記円筒状のケースの中心軸を水平に配置した状態で最下部に位置させることができる第二吸気口と、前記ケースの内部において、内周側の第一旋回室と外周側の第二旋回室とに分割する空間分割板とを備え、前記空間分割板には、前記第一旋回室と第二旋回室とを連通する貫通孔を備え、前記第一吸気口は、前記第一旋回室を介して前記流出口へ連通し、前記第二吸気口は、前記第二旋回室と前記貫通孔を介して前記流出口へ連通するサイクロン分離装置。
  2. 前記空間分割板は円筒壁を有し、前記ケースの他端側の前記円筒壁の端部は、前記ケースの内面と接触して、前記第一旋回室と前記第二旋回室とに分割した請求項1記載のサイクロン分離装置。
  3. 前記第一旋回室の断面積が、前記ケースの一端側から他端側へ向けて、徐々に小さくなるように前記空間分割板を周回して備え、前記第二吸気口は、前記ケースの側面において前記第一吸気口で発生する旋回気流の回転方向に対して上流側に位置する上流側端部を有し、前記貫通孔は、前記ケースの中心軸と前記最下部を含む面で2分割した一方の側であって、前記第一吸気口で発生する旋回気流の回転方向に対して前記上流側端部よりも上流側に配置し、前記第二吸気口の近傍において、前記第二旋回室内に板状のガイド部材を設け、前記ガイド部材は、前記ケースの外周側に位置し前記ケースの他端から一端側へ向けて前記上流側端部を越えて前記ケースの軸方向へ延設した外周側の辺と、前記ケースの内周側に位置し前記ケースの他端から前記空間分割板へ向けて延設した内周側の辺とを有し、前記ケースの他端において、前記外周側の辺は前記貫通孔と前記上流側端部との間に配置しており、前記内周側の辺を前記第一吸気口で発生する旋回気流の回転方向に対して前記第二吸気口の中心位置よりも下流側に配置しており、前記第二旋回室内の流路において、前記内周側の辺は前記外周側の辺に比べて前記貫通孔からの距離が遠ざかる方向に配置した請求項1記載のサイクロン分離装置。
  4. 前記第一旋回室の断面積が、前記ケースの一端側から他端側へ向けて、変わらないように前記空間分割板を周回して備え、前記第二吸気口は、前記ケースの側面において前記第一吸気口で発生する旋回気流の回転方向に対して上流側に位置する上流側端部を有し、前記貫通孔は、前記ケースの中心軸と前記最下部を含む面で2分割した一方の側であって、前記第一吸気口で発生する旋回気流の回転方向に対して前記上流側端部よりも上流側に配置し、前記第二吸気口の近傍において、前記第二旋回室内に板状のガイド部材を設け、前記ガイド部材は、前記ケースの外周側に位置し前記ケースの他端から一端側へ向けて前記第二吸気口を越えて前記ケースの軸方向へ延設した外周側の辺と、内周側の辺とを有し、前記ケースの他端において、前記外周側の辺は前記貫通孔と前記上流側端部との間に配置しており、前記内周側の辺を前記第一吸気口で発生する旋回気流の回転方向に対して前記第二吸気口の中心位置よりも下流側に配置しており、前記第二旋回室内の流路において、前記内周側の辺は前記外周側の辺に比べて前記貫通孔からの距離が遠ざかる方向に配置した請求項1記載のサイクロン分離装置。
  5. 前記流出口は円筒形状で、前記ケース内に突出したケース側端部を有し、前記ケース側端部の位置は側面視において前記空間分割板と重なる位置であり、前記ケース側端部の全周に渡って広がる方向にリブを設けた請求項1記載のサイクロン分離装置。
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