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JP6380123B2 - 燃料噴射ノズル - Google Patents

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Description

本発明は、燃料を噴射する燃料噴射ノズル(以下、略してノズルと呼ぶことがある。)に関する。
従来から、例えば、内燃機関に燃料を噴射して供給する燃料噴射弁では、燃料を噴射するノズルと、ノズルを開弁駆動または閉弁駆動するアクチュエータとを備えるものが周知である。また、燃料噴射弁に用いられるノズルでは、円筒状のノズルボディと、ノズルボディの内周に軸方向に移動可能となるように収容されるニードルとを備えるものが公知である。そして、ノズルは、ニードルがノズルボディの内周で軸方向に移動することで燃料の噴射を開始または停止する。
つまり、ノズルボディの内壁には、ニードルの軸方向の先端近傍に設けられたシート部が離着するシート位置が設けられ、さらに、シート位置よりも軸方向の先端側の内壁には、燃料の噴孔が複数開口している。そして、シート部がシート位置から離座することで、噴孔を通じてノズルボディの内周から外部に燃料が導かれて噴射される(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、燃料噴射ノズルでは、エネルギー的に有利な構造を採用するため、燃料の流れ易さを示す流量係数を高める様々な検討がなされている。
例えば、特許文献2のノズルによれば、噴孔のノズルボディの内周における開口を「半楕円形状」とすることで、噴孔内におけるキャビテーションや流れの分布の偏り等を抑制して流量係数を高めることができるとしている。
また、特許文献3のノズルによれば、燃料噴射ノズルにおいて、噴孔の内外壁それぞれにおける開口の寸法La2、Lb2に関し、寸法La2を寸法Lb2よりも大きく設定している(特許文献3の図3、図6等を参照。)。これにより、噴孔の内壁における開口の上流端を構造的に上流側へ寄せやすくなるので、旋回角度幅を低減して流量係数を高めることができるとしている。
しかし、燃料噴射ノズルの流量係数は噴射圧が高くなるほど低下するので、噴射圧が高いほどエネルギー的に不利になる。このため、例えば、ディーゼルエンジンの気筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁のように、噴射圧の高圧化要求が高い用途では、更なる流量係数の向上策が求められている。
特開2010−180763号公報 特開2010−222977号公報 特開2014−208991号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射ノズルにおいて、流量係数を高めることにある。
本願発明の燃料噴射ノズル(ノズル)は、筒状のノズルボディと、ノズルボディの内周に軸方向に移動可能となるように収容されるニードルとを備え、ノズルボディの内周に設定された所定のシート位置に対しニードルが離座または着座することで燃料の噴射を開始または停止する。
また、ノズルは、シート位置よりも軸方向の先端側でノズルボディの内壁に開口するとともに、ノズルボディの外壁に開口する噴孔を備える。また、ニードルは、シート位置に着座した状態から軸方向の後端側に移動することで、シート位置から離座するとともに、噴孔を通じてノズルボディの内周から外部に燃料を導く。
ここで、噴孔の内壁における開口である入口に関し、入口の面に平行であって周方向に沿う入側横軸(xa)、入口の面に平行であって入側横軸(xa)に直交する入側縦軸(ya)を定義し、さらに、噴孔の外壁における開口である出口に関し、出口の面に平行であって周方向に沿う出側横軸(xb)、出口の面に平行であって出側横軸(xb)に直交する出側縦軸(yb)を定義する。
このとき、入口の入側縦軸(ya)の方向の幅の最大値(Lya)は、出口の出側縦軸(yb)の方向の幅の最大値(Lyb)よりも大きい。また、入口の開口縁の内、入側横軸(xa)の方向の幅の最大値(Lxa)を形成する2つの最大横幅形成点(+pxa、−pxa)よりも後端側の部分である後端縁は中心角が180°の半円弧である。
また、2つの最大横幅形成点(+pxa、−pxa)よりも先端側の部分は、入口の開口縁の最先端(−pya)に近いほど、入側横軸(xa)の方向の幅が低減している。
また、2つの最大横幅形成点(+pxa、−pxa)は、入口の開口縁において、入側縦軸(ya)に関して最大値(Lya)の1/2となる位置よりも後端側にある。
さらに、2つの最大横幅形成点(+pxa、−pxa)よりも先端側の部分は、入口の開口縁の最先端(−pya)を含んで中心角が180°以下の円弧からなる先端縁と、後端縁および先端縁に接続する2つの側縁とを有し、側縁は、入側縦軸(ya)を対称軸として周方向に線対称をなす2つの線分である。また、出口の開口縁は円であり、出口の開口縁の直径は、最大値(Lxa)に等しい。
これにより、ノズルにおいて流量係数を高めることができる。
まず、最大値(Lya)を最大値(Lyb)よりも大きくすることで、入口の上流端を構造的に上流側へ寄せやすくなるので、旋回角度幅を低減して流量係数を高めることができる。また、入口の開口縁の形状に関し、2つの最大横幅形成点(+pxa、−pxa)よりも後端側の部分(以下、後端縁と呼ぶ)を曲線弧とすることにより、後端縁に直線が含まれる場合に比べて、入口の面積を同一に保ちながら最大値(Lya)をさらに大きくすることができる。このため、入口の上流端を、より一層、上流側へ寄せやすくなるので、旋回角度幅を更に低減して流量係数を高めることができる。
燃料噴射ノズルの全体を示す断面図である(参考例1)。 (a)は燃料噴射ノズルの要部を示す部分断面図である(参考例1)。 噴孔の入口および出口を示す説明図である(参考例1)。 噴孔の形状を示す斜視図である(参考例1)。 (a)は比較対象の噴孔の入口の形状を示す説明図であり、(b)は比較対象の噴孔の入口と参考例1の噴孔の入口とを重ねて示す説明図である(参考例1)。 噴孔の入口および出口を示す説明図である(実施例) 噴孔の入口および出口を示す説明図である(参考例2)。 噴孔の入口および出口を示す説明図である(参考例3)。 噴孔の入口および出口を示す説明図である(参考例4)。 噴孔の入口および出口を示す説明図である(参考例5)。 噴孔の入口および出口を示す説明図である(参考例6)。 噴孔の入口および出口を示す説明図である(参考例7)。 噴孔の入口および出口を示す説明図である(参考例8)。 孔軸を含む噴孔の断面の形状を示す説明図である(参考例9)。 孔軸を含む噴孔の断面の形状を示す説明図である(参考例10)。 孔軸を含む噴孔の断面の形状を示す説明図である(参考例11)。 孔軸を含む噴孔の断面の形状を示す説明図である(参考例12)。 孔軸を含む噴孔の断面の形状を示す説明図である(参考例13)。 孔軸を含む噴孔の断面の形状を示す説明図である(参考例14)。 孔軸を含む噴孔の断面の形状を示す説明図である(参考例15)。 孔軸を含む噴孔の断面の形状を示す説明図である(参考例16)。 孔軸を含む噴孔の断面の形状を示す説明図である(参考例17)。 孔軸を含む噴孔の断面の形状を示す説明図である(参考例18)。 孔軸を含む噴孔の断面の形状を示す説明図である(参考例19)。 孔軸を含む噴孔の断面の形状を示す説明図である(参考例20)。
実施形態の燃料噴射ノズルを、以下の実施例に基づき説明する。なお、実施例は具体例を開示するものであり、本願発明が実施例に限定されないことは言うまでもない。
参考例1の構成〕
参考例1の燃料噴射ノズル1(以下、ノズル1と呼ぶ。)の構成を、図面を用いて説明する。
ノズル1は、開弁して燃料を噴射するものであり、ノズル1を開弁駆動または閉弁駆動するアクチュエータ(図示せず。)とともに燃料噴射弁を構成する。そして、燃料噴射弁は、例えば、内燃機関(図示せず。)に搭載され、100MPaを超える高圧の燃料を気筒内に直接噴射するために用いられる。
なお、アクチュエータは、例えば、ノズル1の弁体(後記するニードル2)に作用する背圧を増減して弁体を駆動するものであり、コイル(図示せず。)への通電により発生する磁気力を利用して背圧室(図示せず。)を開閉することで背圧を増減する。
そして、燃料噴射弁は、例えば、燃料を高圧化して吐出する燃料供給ポンプ(図示せず。)、および、燃料供給ポンプから吐出された燃料を高圧状態で蓄圧する蓄圧容器(図示せず。)とともに蓄圧式の燃料供給装置を構成し、蓄圧容器から高圧の燃料を分配されて気筒内に噴射する。
ノズル1は、図1に示すように、円筒状のノズルボディ3と、ノズルボディ3の内周に軸方向に移動可能となるように収容される弁体としてのニードル2とを備える。そして、ノズル1は、ニードル2がノズルボディ3の内周で軸方向に移動することで燃料の噴射を開始または停止する。
ここで、ニードル2は、ノズルボディ3により軸方向に摺動自在に支持される摺動軸部2a、および、実質的に弁部として機能する円錐状の先端部2bを有し、摺動軸部2aと先端部2bとの間は軸方向に長い円柱部2cをなす。
ノズルボディ3の内周は、軸方向に長い円筒状をなし、先端が円錐状に縮径して閉じている。また、ノズルボディ3の内周の一部は、局部的に径方向に拡大され、噴射すべき燃料が一時的に溜まる燃料溜まり4をなす。
そして、ノズルボディ3の内周の内、燃料溜まり4の軸方向後端側の領域は、摺動軸部2aを摺動自在に支持するための摺動孔5をなし、燃料溜まり4の軸方向先端側の領域は、先端部2bおよび円柱部2cを収容して円環筒状の燃料通路6を形成する。なお、ノズルボディ3には、蓄圧容器から受け入れた燃料を燃料溜まり4に導くための燃料通路7が、別途、燃料溜まり4に接続している。
また、ノズルボディ3の内壁の内、円錐状に縮径している領域には、先端部2bに設けられたシート部8が離着するシート位置10が設けられ、さらに、シート位置10よりも軸方向の先端側の円錐状の内壁には、燃料の噴孔11が複数開口している。そして、シート部8がシート位置10から離座することで、噴孔11を通じてノズルボディ3の内周から外部に燃料が導かれて噴射され、シート部8がシート位置10に着座することで、噴孔11を通じた燃料の噴射が停止される。
以下、ノズル1の特徴的な構成を、図2〜図5を用いて説明する。
まず、ノズル1の特徴的な構成を説明するために、噴孔11の内壁、外壁における開口である入口11a、出口11bに関し、次のような軸を定義する。
まず、入口11aに関し、入口11aの面に平行であって周方向に沿う入側横軸xa、入口11aの面に平行であって入側横軸xaに直交する入側縦軸yaを定義する。また、出口11bに関し、出口11bの面に平行であって周方向に沿う出側横軸xb、出口11bの面に平行であって出側横軸xbに直交する出側縦軸ybを定義する。
次に、入口11aの入側横軸xa、入側縦軸yaそれぞれの方向の幅の最大値Lxa、Lyaを考えたときに、入側横軸xa、入側縦軸yaは、入口11aの面において最大値Lxa、Lyaのそれぞれの1/2の位置に配置されているものとする。また、入口11aの開口縁11aeの内、最大値Lxaを形成する2点を最大横幅形成点+pxa、−pxaと定義し、最大値Lyaを形成する2点を最大縦幅形成点+pya、−pyaと定義する。
さらに、出口11bの出側横軸xb、出側縦軸ybについても、同様に最大値Lxb、Lybを考え、出側横軸xb、出側縦軸ybが出口11bの面において最大値Lxb、Lybのそれぞれの1/2の位置に配置されているものとする。また、出口11bの開口縁11beにおいて、同様に、最大横幅形成点+pxb、−pxb、最大縦幅形成点+pyb、−pybを定義する。
なお、入口11aにおいて、最大横幅形成点+pxa、−pxaは、それぞれ、周方向に関して、最も一方側、他方側に存在しており、開口縁11aeの周方向一端、他端をなす。また、最大縦幅形成点+pya、−pyaは、それぞれ、軸方向に関して、最も後端側、先端側に存在しており、開口縁11aeの軸方向後端、先端をなす。
出口11bの最大横幅形成点+pxb、−pxbおよび最大縦幅形成点+pyb、−pybについても同様である。
以下、ノズル1の特徴的な構成を具体的に説明する。
まず、ノズル1では、最大値Lyaは最大値Lybよりも大きい。ここで、開口縁11beの形状は円であり、最大値Lxa、Lybは開口縁11beの直径に相当する。また、孔軸αを含む噴孔11の断面は、入口11a、出口11bそれぞれに含まれる辺11m、11nが互いに平行をなす台形である(図2参照。)。
次に、開口縁11aeの内、最大横幅形成点+pxa、−pxaよりも後端側の部分(以下、後端縁11rと呼ぶ。)は曲線弧である。より具体的には、後端縁11rは、中心角が180°の半円弧であり、入側縦軸yaを対称軸として周方向に線対称をなす。そして、最大横幅形成点+pxa、−pxaを結ぶ線分は、長さが最大値Lxaに等しく、入側横軸xaに平行となる。また、最大縦幅形成点+pyaは、入側縦軸ya上に存在する。さらに、最大横幅形成点+pxa、−pxaは、入側横軸xaよりも後端側にある。
次に、開口縁11aeの内、最大横幅形成点+pxa、−pxaよりも先端側の部分(つまり、後端縁11r以外の部分)は、開口縁11aeの最先端(つまり、最大縦幅形成点−pya)に近いほど、入側横軸xaの方向の幅が低減している。
より具体的には、後端縁11r以外の部分は、最大縦幅形成点−pyaを含む先端縁11fと、先端縁11fおよび後端縁11rの両方に滑らかに接続する2つの側縁11s+、11s−とを有する。なお、側縁11s+、11s−はそれぞれ周方向一方側、他方側に存在する。また、「滑らか」とは、開口縁11ae、11beや、孔軸αを含む噴孔11の断面に関し、微分係数が存在することを意味する。
また、側縁11s+、11s−は入側縦軸yaを対称軸として周方向に線対称をなす2つの線分であり、先端縁11fは、中心角が180°以下の円弧であり、入側縦軸yaを対称軸として周方向に線対称をなす。
以上により、開口縁11aeは、全体としても入側縦軸yaを対称軸として周方向に線対称をなす。
さらに、最大値Lxbは最大値Lxaよりも大きい。つまり、後端縁11rをなす半円孤の直径は開口縁11beの直径よりも小さい。
参考例1の作用効果〕
参考例1のノズル1の噴孔11によれば、入口11aの入側縦軸yaの方向の幅の最大値Lyaは、出口11bの出側縦軸ybの方向の幅の最大値Lybよりも大きい。また、入口11aの開口縁11aeの内、入側横軸xaの方向の幅の最大値Lxaを形成する2つの最大横幅形成点+pxa、−pxaよりも後端側の部分(後端縁11r)は曲線弧である。
これにより、ノズル1において流量係数を高めることができる。
まず、最大値Lyaを最大値Lybよりも大きくすることで、入口11aの上流端(最大縦幅形成点+pya)を構造的に上流側へ寄せやすくなるので、旋回角度幅を低減して流量係数を高めることができる。また、開口縁11aeの形状に関し、後端縁11rを曲線弧とすることにより、後端縁11rに直線が含まれる場合に比べて、入口11aの面積を同一に保ちながら最大値Lyaをさらに大きくすることができる。このため、最大縦幅形成点+pyaを、より一層、上流側(後端側)へ寄せやすくなるので、旋回角度幅を更に低減して流量係数を高めることができる(旋回角度幅は、特許文献3の図5を参照。)。
ここで、図5(a)に示すように、比較対象の噴孔11*として、後端縁11rに直線11rsが含まれ、かつ、入口11aの面積が噴孔11と同一であるものを考える。
ここで、噴孔11*は、噴孔11と同様に全体として入側縦軸yaを対称軸として周方向に線対称をなす。また、後端縁11rは、直線11rs、および、直線11rsの両端に滑らかに連続する2つの円弧11rc+、11rc−からなる。さらに、側縁11s+、11s−は噴孔11の側縁11s+、11s−よりも後端側に延長されており、先端縁11fは噴孔11の先端縁11fと同じ形状である。
そして、図5(b)に示すように、先端縁11fおよび側縁11s+、11s−が重なるように噴孔11、11*を描いてみると、領域A、Bの合計の面積が領域Cの面積に等しくなり、最大縦幅形成点+pyaは、噴孔11の方が噴孔11*よりも後端側に存在するように描かれる。
つまり、後端縁11rの全体を曲線弧とすることにより、後端縁11rに直線11rsが含まれる場合に比べて、入口11aの面積を同一に保ちながら、入口11aの上流端(最大縦幅形成点+pya)を、より一層、上流側へ寄せやすくなる。
また、最大横幅形成点+pxa、−pxaよりも先端側の部分は、入口11aの開口縁11aeの最先端(最大縦幅形成点−pya)に近いほど、入側横軸xaの方向の幅が低減している。
入口11aが円錐状の内壁に存在することから、噴孔11間の周方向の距離を強度面で適正に保つには、噴孔11の先端側ほど、入側横軸xaの方向の幅を低減させるのが好ましい。つまり、最大横幅形成点+pxa、−pxaよりも先端側の部分を、先端側ほど、入側横軸xaの方向の幅が低減しているように設けることで、噴孔11間の周方向の距離を強度面で適正に保つことができる。
また、最大横幅形成点+pxa、−pxaは、開口縁11aeにおいて、最大値Lyaの1/2となる位置(入側横軸xa)よりも後端側にある。
これにより、更に、噴孔11間の周方向の距離を強度面で適正に保つことができる。
さらに、出口11bの出側横軸xbの方向の幅の最大値Lxbは最大値Lxaよりも大きい。
これにより、最大値Lyaが最大値Lybよりも大きくなることによる流量の低下を抑制することができる。
実施例
実施例のノズル1の特徴的な構成を、参考例1のノズル1と異なる点を中心に説明する。
実施例のノズル1によれば、図6に示すように、開口縁11beの形状は円であり、開口縁11beの直径(最大値Lxb、Lyb)は最大値Lxaに等しい。なお、開口縁11aeは参考例1のノズル1と同じ形状である。
参考例2
参考例2のノズル1の特徴的な構成を、参考例1のノズル1と異なる点を中心に説明する。
参考例2のノズル1によれば、図7に示すように、開口縁11beの形状は楕円であり、最大値Lxbは楕円の短径に等しく、最大値Lybは楕円の長径に等しい。
なお、開口縁11aeは参考例1のノズル1と同じ形状であり、最大値Lxbは最大値Lxaよりも大きい。
参考例3
参考例3のノズル1の特徴的な構成を、参考例1のノズル1と異なる点を中心に説明する。
参考例3のノズル1によれば、図8に示すように、開口縁11beの形状は楕円であり、最大値Lxbは楕円の長径に等しく、最大値Lybは楕円の短径に等しい。
なお、開口縁11aeは参考例1のノズル1と同じ形状であり、最大値Lxbは最大値Lxaよりも大きい。
参考例4
参考例4のノズル1の特徴的な構成を、参考例1のノズル1と異なる点を中心に説明する。
参考例4のノズル1によれば、図9に示すように、後端縁11rは、入側縦軸yaを対称軸として周方向に線対称をなす周方向一方側、他方側の曲線弧11r+、11r−からなる。また、曲線弧11r+、11r−は、それぞれ周方向一方側、他方側に凹をなし、曲線弧11r+、11r−同士は、入側縦軸ya上で接続して最大縦幅形成点+pyaをなしているが、曲線弧11r+、11r−同士の接続態様は滑らかではない。
また、先端縁11fも、曲線弧11r+、11r−と同様の周方向一方側、他方側の曲線弧曲線弧11f+、11f−からなり、曲線弧11f+、11f−同士は、入側縦軸ya上で接続して最大縦幅形成点−pyaをなしているが、曲線弧11f+、11f−同士の接続態様も滑らかではない。さらに、側縁11s+、11s−は、先端縁11fおよび後端縁11rの両方に接続しているが、側縁11s+と先端縁11fおよび後端縁11rとの接続態様、ならびに、側縁11s−と先端縁11fおよび後端縁11rとの接続態様も滑らかではない。
なお、側縁11s+、11s−は入側縦軸yaを対称軸として周方向に線対称であり、開口縁11aeは、全体として入側縦軸yaを対称軸として周方向に線対称である。また、開口縁11beは参考例1のノズル1と同じ形状であり、最大値Lxbは最大値Lxaよりも大きい。
参考例5
参考例5のノズル1の特徴的な構成を、参考例1のノズル1と異なる点を中心に説明する。
参考例5のノズル1によれば、図10に示すように、開口縁11beの形状は楕円であり、最大値Lxbは楕円の短径に等しく、最大値Lybは楕円の長径に等しい。
次に、開口縁11aeにおいて、側縁11s+は、周方向他方側に凸をなすように曲がる曲線であり、後端側、先端側の両側とも、周方向一方側に僅かに凹をなすように曲がって、それぞれ、後端縁11r、先端縁11fに滑らかに接続している。また、側縁11s−は、周方向一方側に凸をなすように曲がる曲線であり、後端側、先端側の両側とも、周方向他方側に僅かに凹をなすように曲がって、それぞれ、後端縁11r、先端縁11fに滑らかに接続している。そして、側縁11s+、11s−は、入側縦軸yaを対称軸として周方向に線対称をなす。
なお、後端縁11rおよび先端縁11fは、参考例1のノズル1と同じ形状であり、開口縁11aeは、全体として入側縦軸yaを対称軸として周方向に線対称である。また、最大値Lxbは最大値Lxaよりも大きい。
参考例6
参考例6のノズル1の特徴的な構成を、参考例1のノズル1と異なる点を中心に説明する。
参考例6のノズル1によれば、図11に示すように、開口縁11beの形状は楕円であり、最大値Lxbは楕円の長径に等しく、最大値Lybは楕円の短径に等しい。
次に、開口縁11aeにおいて、側縁11s+は、周方向一方側に凹をなすように曲がる曲線であり、後端側、先端側の両側とも、それぞれ、後端縁11r、先端縁11fに滑らかに接続している。また、側縁11s−は、周方向他方側に凹をなすように曲がる曲線であり、後端側、先端側の両側とも、それぞれ、後端縁11r、先端縁11fに滑らかに接続している。そして、側縁11s+、11s−は、入側縦軸yaを対称軸として周方向に線対称をなす。
なお、後端縁11rおよび先端縁11fは、参考例1のノズル1と同じ形状であり、開口縁11aeは、全体として入側縦軸yaを対称軸として周方向に線対称である。また、最大値Lxbは最大値Lxaよりも大きい。
参考例7
参考例7のノズル1の特徴的な構成を、参考例1のノズル1と異なる点を中心に説明する。
参考例7のノズル1によれば、図12に示すように、開口縁11beの形状は、周方向他方側の半円孤と周方向一方側の半楕円弧とが出側横軸xbの方向に滑らかに接続したものである。また、最大値Lxaは半円孤の半径と半楕円弧の長軸の1/2との和に等しく、最大値Lybは半円孤の直径に等しい。
次に、開口縁11aeは、全体として入側縦軸yaの両側で非対称である。
具体的には、後端縁11rは、入側縦軸yaよりも周方向他方側の部分が中心角90°の円弧である。また、周方向一方側の部分は、円弧よりも曲率が小さい曲線孤であって周方向一方側に凹をなす。そして、円弧と曲線孤とは滑らかに接続しており、最大横幅形成点+pxaは最大横幅形成点−pxaよりも先端側にある。
また、先端縁11fは、入側縦軸yaよりも周方向他方側の部分が中心角90°以下の円弧であって、周方向一方側の部分が円弧よりも曲率が小さい曲線孤であって周方向一方側に凹をなし、円弧と曲線孤とが滑らかに接続している。また、側縁11s+、11s−は、先端縁11fとおよび後端縁11rに滑らか接続している。
なお、最大値Lxbは最大値Lxaよりも大きい。
参考例8
参考例8のノズル1の特徴的な構成を、参考例1のノズル1と異なる点を中心に説明する。
参考例8のノズル1によれば、図13に示すように、開口縁11beの形状は楕円であり、最大値Lxbは楕円の短径に等しく、最大値Lybは楕円の長径に等しい。
次に、開口縁11aeは、全体として入側縦軸yaの両側で非対称である。
具体的には、側縁11s+と側縁11s−とが入側縦軸yaの両側で非対称である。すなわち、側縁11s+は、周方向他方側に凸をなすように曲がる屈曲部11c+を有し、側縁11s−は、周方向他方側に凹をなすように曲がる屈曲部11c−を有する。また、側縁11s−は、両方とも、先端縁11fおよび後端縁11rに滑らかに接続し、側縁11s+は、先端縁11fに滑らかに接続する。
なお、側縁11s+と後端縁11rとの接続態様は滑らかではない。また、後端縁11rおよび先端縁11fは、参考例1のノズル1と同じ形状である。さらに、最大値Lxbは最大値Lxaよりも大きい。
参考例9〜20
参考例9〜20のノズル1の特徴的な構成を、参考例1のノズル1と異なる点を中心に説明する。
参考例9〜20のノズル1によれば、図14〜図25に示すように、開口縁11ae、11beは参考例1のノズル1と同じ形状であり、噴孔11の孔軸αを含む断面の形状が参考例1のノズル1と異なる。なお、断面の形状の内、入口11a、出口11bそれぞれに含まれる辺11m、11nは、参考例9〜20の全てのノズル1において互いに平行をなす。
まず、参考例9のノズル1によれば、後端側の辺11qは、先端側に凸をなすように屈曲しており、屈曲の態様は滑らかではない。なお、先端側の辺11pは、参考例1のノズル1と同じ形状である(図14参照。)。また、参考例10のノズル1によれば、辺11pは、後端側に凸をなすように屈曲しており、屈曲の態様は滑らかではない。なお、辺11qは、参考例1のノズル1と同じ形状である(図15参照。)。さらに、参考例11のノズル1によれば、辺11q、11pは、それぞれ、先端側、後端側に凸をなすように屈曲しており、屈曲の態様は、両方とも滑らかではない(図16参照。)。
次に、参考例12のノズル1によれば、後端側の辺11qは、後端側に凹をなすように屈曲しており、屈曲の態様は滑らかではない。なお、先端側の辺11pは、参考例1のノズル1と同じ形状である(図17参照。)。また、参考例13のノズル1によれば、辺11pは、先端側に凹をなすように屈曲しており、屈曲の態様は滑らかではない。なお、辺11qは、参考例1のノズル1と同じ形状である(図18参照。)。さらに、参考例14のノズル1によれば、辺11q、11pは、それぞれ、後端側、先端側に凹をなすように屈曲しており、屈曲の態様は、両方とも滑らかではない(図19参照。)。
次に、参考例15のノズル1によれば、後端側の辺11qは、先端側に凸をなすように屈曲しており、屈曲の態様は滑らかである。なお、先端側の辺11pは、参考例1のノズル1と同じ形状である(図20参照。)。また、参考例16のノズル1によれば、辺11pは、後端側に凸をなすように屈曲しており、屈曲の態様は滑らかである。なお、辺11qは、参考例1のノズル1と同じ形状である(図21参照。)。さらに、参考例17のノズル1によれば、辺11q、11pは、それぞれ、先端側、後端側に凸をなすように屈曲しており、屈曲の態様は、両方とも滑らかである(図22参照。)。
次に、参考例18のノズル1によれば、後端側の辺11qは、後端側に凹をなすように屈曲しており、屈曲の態様は滑らかである。なお、先端側の辺11pは、参考例1のノズル1と同じ形状である(図23参照。)。また、参考例19のノズル1によれば、辺11pは、先端側に凹をなすように屈曲しており、屈曲の態様は滑らかである。なお、辺11qは、参考例1のノズル1と同じ形状である(図24参照。)。さらに、参考例20のノズル1によれば、辺11q、11pは、それぞれ、後端側、先端側に凹をなすように屈曲しており、屈曲の態様は、両方とも滑らかである(図25参照。)。
〔変形例〕
ノズル1の態様は実施例に限定されず、種々の変形例を考えることができる。例えば、実施例のノズル1の噴孔11によれば、孔軸αを含む噴孔11の断面の形状において、入口11a、出口11bのそれぞれに含まれる辺11m、11nが互いに平行をなしていたが、辺11m、11n同士が平行でなくてもよい
1 ノズル(燃料噴射ノズル) 2 ニードル 3 ノズルボディ 10 シート位置 11 噴孔 11a 入口 11ae 開口縁 11b 出口 11be 開口縁 11r 後端縁(2つの最大横幅形成点よりも後端側の部分) 11f 先端縁 11s+、11s− 側縁 xa 入側横軸 ya 入側縦軸 xb 出側横軸 yb 出側縦軸 Lxa、Lya、Lyb 最大値 +pxa、−pxa 最大横幅形成点 −pya 最大縦幅形成点(最先端)

Claims (1)

  1. 筒状のノズルボディ(3)と、ノズルボディ(3)の内周に軸方向に移動可能となるように収容されるニードル(2)とを備え、前記ノズルボディ(3)の内周に設定された所定のシート位置(10)に対し前記ニードル(2)が離座または着座することで燃料の噴射を開始または停止する燃料噴射ノズル(1)において、
    前記シート位置(10)よりも軸方向の先端側で前記ノズルボディ(3)の内壁に開口するとともに、前記ノズルボディ(3)の外壁に開口する噴孔(11)を備え、
    前記ニードル(2)は、前記シート位置(10)に着座した状態から軸方向の後端側に移動することで、前記シート位置(10)から離座するとともに、前記噴孔(11)を通じて前記ノズルボディ(3)の内周から外部に燃料を導き、
    この噴孔(11)の内壁における開口である入口(11a)に関し、前記入口(11a)の面に平行であって周方向に沿う入側横軸(xa)、前記入口(11a)の面に平行であって前記入側横軸(xa)に直交する入側縦軸(ya)を定義し、
    前記噴孔(11)の外壁における開口である出口(11b)に関し、前記出口(11b)の面に平行であって周方向に沿う出側横軸(xb)、前記出口(11b)の面に平行であって前記出側横軸(xb)に直交する出側縦軸(yb)を定義すると、
    前記入口(11a)の前記入側縦軸(ya)の方向の幅の最大値(Lya)は、前記出口(11b)の前記出側縦軸(yb)の方向の幅の最大値(Lyb)よりも大きく
    前記入口(11a)の開口縁(11ae)の内、前記入側横軸(xa)の方向の幅の最大値(Lxa)を形成する2つの最大横幅形成点(+pxa、−pxa)よりも後端側の部分である後端縁(11r)は中心角が180°の半円弧であり、
    2つの最大横幅形成点(+pxa、−pxa)よりも先端側の部分は、前記開口縁(11ae)の最先端(−pya)に近いほど、前記入側横軸(xa)の方向の幅が低減しており、
    前記2つの最大横幅形成点(+pxa、−pxa)は、前記開口縁(11ae)において、前記入側縦軸(ya)に関して前記最大値(Lya)の1/2となる位置よりも後端側にあり、
    さらに、前記2つの最大横幅形成点(+pxa、−pxa)よりも先端側の部分は、前記開口縁(11ae)の最先端(−pya)を含んで中心角が180°以下の円弧からなる先端縁(11f)と、前記後端縁(11r)および前記先端縁(11f)に接続する2つの側縁(11s+、11s−)とを有し、
    前記側縁(11s+、11s−)は、前記入側縦軸(ya)を対称軸として周方向に線対称をなす2つの線分であり、
    前記出口(11b)の開口縁(11be)は円であり、前記開口縁(11be)の直径は、前記最大値(Lxa)に等しいことを特徴とする燃料噴射ノズル(1)
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