JP6380123B2 - 燃料噴射ノズル - Google Patents
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Description
例えば、特許文献2のノズルによれば、噴孔のノズルボディの内周における開口を「半楕円形状」とすることで、噴孔内におけるキャビテーションや流れの分布の偏り等を抑制して流量係数を高めることができるとしている。
また、ノズルは、シート位置よりも軸方向の先端側でノズルボディの内壁に開口するとともに、ノズルボディの外壁に開口する噴孔を備える。また、ニードルは、シート位置に着座した状態から軸方向の後端側に移動することで、シート位置から離座するとともに、噴孔を通じてノズルボディの内周から外部に燃料を導く。
また、2つの最大横幅形成点(+pxa、−pxa)よりも先端側の部分は、入口の開口縁の最先端(−pya)に近いほど、入側横軸(xa)の方向の幅が低減している。
また、2つの最大横幅形成点(+pxa、−pxa)は、入口の開口縁において、入側縦軸(ya)に関して最大値(Lya)の1/2となる位置よりも後端側にある。
さらに、2つの最大横幅形成点(+pxa、−pxa)よりも先端側の部分は、入口の開口縁の最先端(−pya)を含んで中心角が180°以下の円弧からなる先端縁と、後端縁および先端縁に接続する2つの側縁とを有し、側縁は、入側縦軸(ya)を対称軸として周方向に線対称をなす2つの線分である。また、出口の開口縁は円であり、出口の開口縁の直径は、最大値(Lxa)に等しい。
まず、最大値(Lya)を最大値(Lyb)よりも大きくすることで、入口の上流端を構造的に上流側へ寄せやすくなるので、旋回角度幅を低減して流量係数を高めることができる。また、入口の開口縁の形状に関し、2つの最大横幅形成点(+pxa、−pxa)よりも後端側の部分(以下、後端縁と呼ぶ)を曲線弧とすることにより、後端縁に直線が含まれる場合に比べて、入口の面積を同一に保ちながら最大値(Lya)をさらに大きくすることができる。このため、入口の上流端を、より一層、上流側へ寄せやすくなるので、旋回角度幅を更に低減して流量係数を高めることができる。
参考例1の燃料噴射ノズル1(以下、ノズル1と呼ぶ。)の構成を、図面を用いて説明する。
ノズル1は、開弁して燃料を噴射するものであり、ノズル1を開弁駆動または閉弁駆動するアクチュエータ(図示せず。)とともに燃料噴射弁を構成する。そして、燃料噴射弁は、例えば、内燃機関(図示せず。)に搭載され、100MPaを超える高圧の燃料を気筒内に直接噴射するために用いられる。
そして、燃料噴射弁は、例えば、燃料を高圧化して吐出する燃料供給ポンプ(図示せず。)、および、燃料供給ポンプから吐出された燃料を高圧状態で蓄圧する蓄圧容器(図示せず。)とともに蓄圧式の燃料供給装置を構成し、蓄圧容器から高圧の燃料を分配されて気筒内に噴射する。
ノズルボディ3の内周は、軸方向に長い円筒状をなし、先端が円錐状に縮径して閉じている。また、ノズルボディ3の内周の一部は、局部的に径方向に拡大され、噴射すべき燃料が一時的に溜まる燃料溜まり4をなす。
まず、ノズル1の特徴的な構成を説明するために、噴孔11の内壁、外壁における開口である入口11a、出口11bに関し、次のような軸を定義する。
まず、入口11aに関し、入口11aの面に平行であって周方向に沿う入側横軸xa、入口11aの面に平行であって入側横軸xaに直交する入側縦軸yaを定義する。また、出口11bに関し、出口11bの面に平行であって周方向に沿う出側横軸xb、出口11bの面に平行であって出側横軸xbに直交する出側縦軸ybを定義する。
出口11bの最大横幅形成点+pxb、−pxbおよび最大縦幅形成点+pyb、−pybについても同様である。
まず、ノズル1では、最大値Lyaは最大値Lybよりも大きい。ここで、開口縁11beの形状は円であり、最大値Lxa、Lybは開口縁11beの直径に相当する。また、孔軸αを含む噴孔11の断面は、入口11a、出口11bそれぞれに含まれる辺11m、11nが互いに平行をなす台形である(図2参照。)。
以上により、開口縁11aeは、全体としても入側縦軸yaを対称軸として周方向に線対称をなす。
さらに、最大値Lxbは最大値Lxaよりも大きい。つまり、後端縁11rをなす半円孤の直径は開口縁11beの直径よりも小さい。
参考例1のノズル1の噴孔11によれば、入口11aの入側縦軸yaの方向の幅の最大値Lyaは、出口11bの出側縦軸ybの方向の幅の最大値Lybよりも大きい。また、入口11aの開口縁11aeの内、入側横軸xaの方向の幅の最大値Lxaを形成する2つの最大横幅形成点+pxa、−pxaよりも後端側の部分(後端縁11r)は曲線弧である。
まず、最大値Lyaを最大値Lybよりも大きくすることで、入口11aの上流端(最大縦幅形成点+pya)を構造的に上流側へ寄せやすくなるので、旋回角度幅を低減して流量係数を高めることができる。また、開口縁11aeの形状に関し、後端縁11rを曲線弧とすることにより、後端縁11rに直線が含まれる場合に比べて、入口11aの面積を同一に保ちながら最大値Lyaをさらに大きくすることができる。このため、最大縦幅形成点+pyaを、より一層、上流側(後端側)へ寄せやすくなるので、旋回角度幅を更に低減して流量係数を高めることができる(旋回角度幅は、特許文献3の図5を参照。)。
ここで、噴孔11*は、噴孔11と同様に全体として入側縦軸yaを対称軸として周方向に線対称をなす。また、後端縁11rは、直線11rs、および、直線11rsの両端に滑らかに連続する2つの円弧11rc+、11rc−からなる。さらに、側縁11s+、11s−は噴孔11の側縁11s+、11s−よりも後端側に延長されており、先端縁11fは噴孔11の先端縁11fと同じ形状である。
つまり、後端縁11rの全体を曲線弧とすることにより、後端縁11rに直線11rsが含まれる場合に比べて、入口11aの面積を同一に保ちながら、入口11aの上流端(最大縦幅形成点+pya)を、より一層、上流側へ寄せやすくなる。
入口11aが円錐状の内壁に存在することから、噴孔11間の周方向の距離を強度面で適正に保つには、噴孔11の先端側ほど、入側横軸xaの方向の幅を低減させるのが好ましい。つまり、最大横幅形成点+pxa、−pxaよりも先端側の部分を、先端側ほど、入側横軸xaの方向の幅が低減しているように設けることで、噴孔11間の周方向の距離を強度面で適正に保つことができる。
これにより、更に、噴孔11間の周方向の距離を強度面で適正に保つことができる。
これにより、最大値Lyaが最大値Lybよりも大きくなることによる流量の低下を抑制することができる。
実施例のノズル1の特徴的な構成を、参考例1のノズル1と異なる点を中心に説明する。
実施例のノズル1によれば、図6に示すように、開口縁11beの形状は円であり、開口縁11beの直径(最大値Lxb、Lyb)は最大値Lxaに等しい。なお、開口縁11aeは参考例1のノズル1と同じ形状である。
参考例2のノズル1の特徴的な構成を、参考例1のノズル1と異なる点を中心に説明する。
参考例2のノズル1によれば、図7に示すように、開口縁11beの形状は楕円であり、最大値Lxbは楕円の短径に等しく、最大値Lybは楕円の長径に等しい。
なお、開口縁11aeは参考例1のノズル1と同じ形状であり、最大値Lxbは最大値Lxaよりも大きい。
参考例3のノズル1の特徴的な構成を、参考例1のノズル1と異なる点を中心に説明する。
参考例3のノズル1によれば、図8に示すように、開口縁11beの形状は楕円であり、最大値Lxbは楕円の長径に等しく、最大値Lybは楕円の短径に等しい。
なお、開口縁11aeは参考例1のノズル1と同じ形状であり、最大値Lxbは最大値Lxaよりも大きい。
参考例4のノズル1の特徴的な構成を、参考例1のノズル1と異なる点を中心に説明する。
参考例4のノズル1によれば、図9に示すように、後端縁11rは、入側縦軸yaを対称軸として周方向に線対称をなす周方向一方側、他方側の曲線弧11r+、11r−からなる。また、曲線弧11r+、11r−は、それぞれ周方向一方側、他方側に凹をなし、曲線弧11r+、11r−同士は、入側縦軸ya上で接続して最大縦幅形成点+pyaをなしているが、曲線弧11r+、11r−同士の接続態様は滑らかではない。
参考例5のノズル1の特徴的な構成を、参考例1のノズル1と異なる点を中心に説明する。
参考例5のノズル1によれば、図10に示すように、開口縁11beの形状は楕円であり、最大値Lxbは楕円の短径に等しく、最大値Lybは楕円の長径に等しい。
参考例6のノズル1の特徴的な構成を、参考例1のノズル1と異なる点を中心に説明する。
参考例6のノズル1によれば、図11に示すように、開口縁11beの形状は楕円であり、最大値Lxbは楕円の長径に等しく、最大値Lybは楕円の短径に等しい。
参考例7のノズル1の特徴的な構成を、参考例1のノズル1と異なる点を中心に説明する。
参考例7のノズル1によれば、図12に示すように、開口縁11beの形状は、周方向他方側の半円孤と周方向一方側の半楕円弧とが出側横軸xbの方向に滑らかに接続したものである。また、最大値Lxaは半円孤の半径と半楕円弧の長軸の1/2との和に等しく、最大値Lybは半円孤の直径に等しい。
具体的には、後端縁11rは、入側縦軸yaよりも周方向他方側の部分が中心角90°の円弧である。また、周方向一方側の部分は、円弧よりも曲率が小さい曲線孤であって周方向一方側に凹をなす。そして、円弧と曲線孤とは滑らかに接続しており、最大横幅形成点+pxaは最大横幅形成点−pxaよりも先端側にある。
なお、最大値Lxbは最大値Lxaよりも大きい。
参考例8のノズル1の特徴的な構成を、参考例1のノズル1と異なる点を中心に説明する。
参考例8のノズル1によれば、図13に示すように、開口縁11beの形状は楕円であり、最大値Lxbは楕円の短径に等しく、最大値Lybは楕円の長径に等しい。
具体的には、側縁11s+と側縁11s−とが入側縦軸yaの両側で非対称である。すなわち、側縁11s+は、周方向他方側に凸をなすように曲がる屈曲部11c+を有し、側縁11s−は、周方向他方側に凹をなすように曲がる屈曲部11c−を有する。また、側縁11s−は、両方とも、先端縁11fおよび後端縁11rに滑らかに接続し、側縁11s+は、先端縁11fに滑らかに接続する。
参考例9〜20のノズル1の特徴的な構成を、参考例1のノズル1と異なる点を中心に説明する。
参考例9〜20のノズル1によれば、図14〜図25に示すように、開口縁11ae、11beは参考例1のノズル1と同じ形状であり、噴孔11の孔軸αを含む断面の形状が参考例1のノズル1と異なる。なお、断面の形状の内、入口11a、出口11bそれぞれに含まれる辺11m、11nは、参考例9〜20の全てのノズル1において互いに平行をなす。
ノズル1の態様は実施例に限定されず、種々の変形例を考えることができる。例えば、実施例のノズル1の噴孔11によれば、孔軸αを含む噴孔11の断面の形状において、入口11a、出口11bのそれぞれに含まれる辺11m、11nが互いに平行をなしていたが、辺11m、11n同士が平行でなくてもよい。
Claims (1)
- 筒状のノズルボディ(3)と、ノズルボディ(3)の内周に軸方向に移動可能となるように収容されるニードル(2)とを備え、前記ノズルボディ(3)の内周に設定された所定のシート位置(10)に対し前記ニードル(2)が離座または着座することで燃料の噴射を開始または停止する燃料噴射ノズル(1)において、
前記シート位置(10)よりも軸方向の先端側で前記ノズルボディ(3)の内壁に開口するとともに、前記ノズルボディ(3)の外壁に開口する噴孔(11)を備え、
前記ニードル(2)は、前記シート位置(10)に着座した状態から軸方向の後端側に移動することで、前記シート位置(10)から離座するとともに、前記噴孔(11)を通じて前記ノズルボディ(3)の内周から外部に燃料を導き、
この噴孔(11)の内壁における開口である入口(11a)に関し、前記入口(11a)の面に平行であって周方向に沿う入側横軸(xa)、前記入口(11a)の面に平行であって前記入側横軸(xa)に直交する入側縦軸(ya)を定義し、
前記噴孔(11)の外壁における開口である出口(11b)に関し、前記出口(11b)の面に平行であって周方向に沿う出側横軸(xb)、前記出口(11b)の面に平行であって前記出側横軸(xb)に直交する出側縦軸(yb)を定義すると、
前記入口(11a)の前記入側縦軸(ya)の方向の幅の最大値(Lya)は、前記出口(11b)の前記出側縦軸(yb)の方向の幅の最大値(Lyb)よりも大きく
前記入口(11a)の開口縁(11ae)の内、前記入側横軸(xa)の方向の幅の最大値(Lxa)を形成する2つの最大横幅形成点(+pxa、−pxa)よりも後端側の部分である後端縁(11r)は中心角が180°の半円弧であり、
2つの最大横幅形成点(+pxa、−pxa)よりも先端側の部分は、前記開口縁(11ae)の最先端(−pya)に近いほど、前記入側横軸(xa)の方向の幅が低減しており、
前記2つの最大横幅形成点(+pxa、−pxa)は、前記開口縁(11ae)において、前記入側縦軸(ya)に関して前記最大値(Lya)の1/2となる位置よりも後端側にあり、
さらに、前記2つの最大横幅形成点(+pxa、−pxa)よりも先端側の部分は、前記開口縁(11ae)の最先端(−pya)を含んで中心角が180°以下の円弧からなる先端縁(11f)と、前記後端縁(11r)および前記先端縁(11f)に接続する2つの側縁(11s+、11s−)とを有し、
前記側縁(11s+、11s−)は、前記入側縦軸(ya)を対称軸として周方向に線対称をなす2つの線分であり、
前記出口(11b)の開口縁(11be)は円であり、前記開口縁(11be)の直径は、前記最大値(Lxa)に等しいことを特徴とする燃料噴射ノズル(1)。
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