JP6371999B1 - 混合収集廃棄物の選別処理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1のベルトコンベア11による混合収集廃棄物Aの搬送中、風力選別機13からの風力により、第1のベルトコンベア11に並設された第2のベルトコンベア12まで軽量空容器を吹き飛ばす。短尺な2本の第1、第2のベルトコンベア11,12を並べて配置したため、選別処理システム10の設置スペースの小型化が図れる。また、軽量空容器を吹き飛ばして選別対象物が減少するので、第1のベルトコンベアの下流側で行われる空ビンと内容物を含む回収容器との手選別の作業性が高まる。手選別の人員を削減できる。
【選択図】図1
Description
ところで、回収された各容器は、必ずしも分別されているとは限らず、これらは複数種の飲料容器と、他のゴミとが混在した混合収集廃棄物としてビニール袋に詰めて回収される場合がほとんどである。
そのため、各自治体の資源選別センターでは、水平方向に長い1本のベルトコンベア(第1のコンベア)を設置し、このコンベアの上流部でビニール袋を破袋し、コンベアの搬送路に沿って一列に並んだ各専用の選別機により、それぞれ内容物(残渣)を含まないスチール缶、アルミ缶、ペットボトルに分別され、コンベアの下流部において、その側方に並んだ複数の作業員により、空ビンと、内容物を含む各飲料容器とに手選別されていた(例えば、非特許文献1など)。
また、上記ベルトコンベヤ上で混合された状態で送られてくる容器から残渣入りのペットボトルを選別するには作業員の手作業にのみ依存しているため、大量に送られる混合された容器から空ビンと残渣入りの飲料容器とを手選別する作業域に、より多くの作業者を配置しなければならなかった。その結果、選別にかかる作業負担が大きくなっていた。
ここでいう"回収容器"とは、主として缶、ビン、ペットボトル(プラスチック容器)を含むものであり、それらの混合比率等は回収ごとに異なる。プラスチック容器は、例えばペットボトルなどのように材質がプラスチックである容器であり、その材質は、ポリエチレン、ポリプロピレンのような汎用樹脂や、ポリエチレンテレフタレートのような機能性樹脂などである。
軽量空容器とは、内容物が含まれていない缶(空缶)と中身が残っていないペットボトル(空ペットボトル)である。このため、風力選別機からの送風により吹き飛ばされない重量物であるビン、それぞれ内容物が含まれている缶およびペットボトルは、第1のベルトコンベアによってそのまま下流側に搬送される。ちなみに"空容器"とは、この軽量空容器だけでなく、空ビンを含む。
缶は、スチール缶(ブリキ缶を含む)やアルミ缶である。
「第1のベルトコンベアの側方に第2のベルトコンベアが並列配置される」とは、各ベルトコンベアの搬送路が平行状態であることを意味する。第2のベルトコンベアの軽量空容器の搬送方向は、第1のベルトコンベアの混合収集廃棄物の搬送方向と同一でも逆でもよい。
また、各ベルトコンベアの搬送路の両側方(幅方向の両側)には、対応するベルトコンベアを取り囲むように一対の側壁を立設してもよい。各側壁はその種類を特に問わない。例えば、板材に限られずフェンス金網のような網状のものであってもよい。また、天井壁で対応するベルトコンベアを覆ってもよい。
第1のベルトコンベアの搬送路の途中には、混合収集廃棄物から軽量空容器を選別するために、風力選別機が設けられる。
風力選別機の構造は任意である。例えば、第1のベルトコンベアの途中部と第2のベルトコンベアの途中部とを、各ベルトコンベアの搬送路に対して直交する連通路により連通し、また第1のベルトコンベアの途中部のうち、連通路とは反対側の側部にブロワを設け、このブロワから噴出する圧縮空気により、第1のベルトコンベアの搬送路上の軽量空容器を、連通路を経て、第2のベルトコンベアの搬送路に圧送するものなどを採用してもよい。連通路としては、例えば、直線上に延びて、側壁面と底面、上面(天井面)を有する、断面矩形に形成したものなどでもよい。こうすれば、連通路において、強風の流れを形成することができる。
ブロワの構造は限定されない。例えば、羽根車の回転運動によって第1のベルトコンベアの搬送方向に対して直交する方向(ほぼ直交する方向を含む)で、水平方向に送風する装置、いわゆる送風機などを採用することができる。ブロワの送風出力については特に問わないが、第1のベルトコンベアに搬送されている軽量空容器を吹き上げて、例えば連通路を経て、第2のベルトコンベアまで吹き飛ばすだけの出力が必要である。
ブロワからの圧縮空気の噴出で吹き飛ばされた軽量空容器は、第2のベルトコンベアの搬送路上に飛移する。
ストッパの形成位置は、風力選別機が設けられた第1のベルトコンベアの途中部であって、搬送路を構成する無端ベルトの第2のベルトコンベア側の端部(辺部、縁部)の上方である。これにより、搬送路の上面とストッパの下面との間には、ビン破片が通り抜けるための隙間が現出する。具体的な隙間の高さ(幅)は、数cm程度である。
ビン破片の落下口の形状やサイズは、ビン破片を落下可能なものであれば任意である。
この落下口の形成位置は、第1のベルトコンベアの途中部のうち、ストッパより第2のベルトコンベア側の部分、さらに詳しくは、搬送路(無端ベルト)の第2のベルトコンベア側の端より外側の部分である。
シート片としては、例えば、混合収集廃棄物の収集袋の破片、ビニール片、紙片、布片などが挙げられる。
ここでいう「風力選別機により吹き飛ばされた軽量空容器、小型ゴミおよびシート片の第2のベルトコンベアにおける飛来位置」とは、風力選別機から噴き出された圧縮空気の進行方向と、第2のベルトコンベアの搬送路とが交差する位置である。
櫛歯型篩の素材は限定されない。例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム合金などの各種の金属、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネイド、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂などの各種の合成樹脂、杉、松、檜などの各種の木を採用することができる。各櫛歯部材の間には、それぞれスリットが配されている。
ここでいう歯先隙間とは、櫛歯型篩(の各櫛歯部材)の歯先と、第1のコンベア側とは反対側に配された第2のベルトコンベアの側壁のうち、上方傾斜した上縁との間に現出した細長い開口である。この側壁の上縁と櫛歯型篩の歯先とは、歯先の幅方向(第2のベルトコンベアの長さ方向)の全長にわたって平行状態が保たれている。
櫛歯型篩の歯先(対峙する側壁の上縁)の傾斜角度は任意である。例えば、10°〜45°である。10°未満では、第2のベルトコンベアのさらなる設置スペースのコンパクト化が図れない。また、45°を超えれば、歯先と平行状態が保たれる側壁の上縁、ひいては第2のベルトコンベアの傾斜角度が大きくなりすぎて、搬送中の軽量空容器が搬送路を滑落するおそれがある。
アルミ選別機とは、磁石を高速回転させることで発生する磁界と、その磁界によりアルミ缶に発生する渦電流による磁界とを反発させて、アルミ缶を前方に弾き飛ばすように構成された装置である。例えば、ベルトコンベア式のアルミ選別機として、磁石を周設した回転ロータをヘッドプーリに内蔵し、モータにより回転ロータを、例えば1,000rpm〜2,000rpmで回転させるものなどを採用することができる。
ロールスクリーン式篩機の運転時、駆動モータを駆動することで、チェーンを介して各回転ロールが回転し、ロールスクリーンの上流側に落下した内容物を含まないアルミ缶が除去された軽量混合収集廃棄物が、徐々に下流側に搬送されながら篩分けられる。
ロールスクリーンの傾斜角度が5°未満では、ロールスクリーンによる軽量混合収集廃棄物の選別処理時間が長くなる。また、15°を超えれば、篩上から排出された空ペットボトルに小型ゴミやシート片が混入する量が増大する。ロールスクリーンの傾斜角度の変更は、各種の傾斜角度変更手段により行うことができる。傾斜角度変更手段を設けた場合には、空アルミ缶が除去された軽量混合収集廃棄物(特に空ペットボトル)の量に応じて、ロールスクリーンの傾斜角度を変更し、その投下量に最適な分別速度と分別精度とに調整することができる。
このように、選別処理システムのベルトコンベアとして、1本の長尺なコンベアではなく、これを2分割して並列配置した第1、第2のベルトコンベアを採用したため、選別処理システムの設置スペースの小型化を図ることができる。
また、あらかじめ風力選別機により軽量空容器が除去されているため、第1のベルトコンベアの下流側の端部で行われる空ビンと、残渣入りの回収容器との手選別の作業性を高めることができる。これにより、手選別に従事する人員の削減を図ることができる。
また、第1のベルトコンベアの搬送路に残ったビン破片は、この風力が作用した際、第2のベルトコンベアの方へ移動して、ストッパの下の隙間を通過後に落下口に落ち、第1のベルトコンベアの下方へ排出される。これにより、作業者がビン破片を第1のベルトコンベアの搬送路から除去する作業を省くことができる。従来、このビンの破片はコンベヤベルトの裏側に移動、付着し、ウレタンベルト本体を損傷させていた。ビンの破片の落下口を設けることにより、この問題を解決したものである。
また、このように櫛歯型篩の歯先と、第1のコンベア側とは反対側の側壁の上縁との間に歯先隙間を形成したため、前記風力の作用により、これらの小型ゴミやシート片が、下方へ傾斜した各櫛歯部材に案内されて櫛歯型篩の歯先とその側壁の上縁との間に集まっても、この部分に溜まりにくく、メンテナンスが容易となる。
また、ロールスクリーンの下り傾斜に配置された角度を、5°〜15°としたため、短い選別時間で、空アルミ缶が除去された軽量混合収集廃棄物を、高い精度で空ペットボトルと小型ゴミやシート片とに分別することができる。
この選別処理システム10は、第1のベルトコンベア11の側方に並列配置された第2のベルトコンベア12と、第1のベルトコンベア11の途中部に設けられて、搬送中のそれぞれ内容物を含まない缶とペットボトルとからなる軽量空容器を、風力により第2のベルトコンベア12まで吹き飛ばす風力選別機13とを備えている。
第1のベルトコンベア11および第2のベルトコンベア12は、X1−X2方向に離間したヘッドプーリとテールプーリとに、ゴム製の無端ベルトCを掛け渡した搬送装置である。第1のベルトコンベア11の無端ベルトCの幅は例えば100cm、長さは10m程度である。各ベルトコンベア11,12の両側には、対応するベルトコンベア11,12を取り囲むように、一対の側壁15,37が対向して立設されている。第2のベルトコンベア12は、無端ベルトCの幅が例えば100cm、長さが5m程度の徐々に上り傾斜した搬送装置である。
各ベルトコンベア11,12は、駆動モータによりヘッドプーリを回転し、これにより無端ベルトCを周転(回転)させることで、無端ベルトC上に載置された混合収集廃棄物Aまたは軽量混合収集廃棄物Bを、それぞれX1方向に搬送する。平行状態で離間配置された各ベルトコンベアの間は、作業者が内容物を含むアルミ缶やビンなどを手選別する作業スペースとなる。なお、このようなベルトコンベア11,12の主要構造は、搬送方向が異なる場合が適宜あるものの、後述する廃棄物供給ベルトコンベア17、ペットボトル搬送コンベア21なども同様である。
また、第1のベルトコンベア11の途中部、具体的には第1のベルトコンベア11の長さ方向の中間位置よりX1側の部分には、搬送中の空アルミ缶と、空ペットボトルと、小型ゴミおよびシート片とを、風力により第2のベルトコンベア12まで吹き飛ばす風力選別機13が設けられている。
図1〜図6に示すように、風力選別機13は、無端ベルトCのY1側の端部上に、上下3段、X1−X2方向に所定ピッチで8組配置された合計24本のブロワ23を有している。各ブロワ23から、外設のエアコンプレッサ24により生成された圧縮空気をY2方向に噴出することで、第1のベルトコンベア11の途中部に達した軽量空容器を、第2のベルトコンベア12まで吹き飛ばす。
また、この第1のベルトコンベア11の途中部のうち、無端ベルトCのY2側の側部の上方には、風力選別機13の風力の作用によって、軽量空容器(内容物が含まれた回収容器およびビン)を除いた回収容器が第2のベルトコンベア12に向けて移動するのを阻止する平行な2本の細長いストッパ板(ストッパ)25が配置されている。
この下流部では、例えば手選別でガラス製のビンとビン以外のものとが選別されて個別に回収されることとなる。
風力選別機13は、エアコンプレッサ24の他に、圧縮空気の通路であるダクトとしての風力選別機本体33を有している。この風力選別機本体33は、一対の側壁15に対して門形に連結されて、第1のベルトコンベア11の途中部を、上方から矩形のトンネル状に被う門形カバー部34と、門形カバー部34のY2側の端部に連結されて、第1のベルトコンベア11の途中部(中流部)と第2のベルトコンベア12の上流部(X2側の端部)とを連通する、断面矩形状で先細り化した連通ダクト31とを有している。この連通ダクト31内に連通路が配されている。第1のベルトコンベア11のY2側の側壁15には、連通ダクト31の上流側開口31aと連通する矩形状の開口が形成されている。また、連通ダクト31の下流側開口31bは、第2のベルトコンベア12のY1側の側壁37の上に配置されている。この連通ダクト31の下流側開口31bと対峙する第2のベルトコンベア12の上流部分が、風力選別機13により吹き飛ばされた軽量空容器、小型ゴミおよびシート片の飛来位置となる。
櫛歯型篩35は、第2のベルトコンベア12の幅方向(Y1−Y2方向)に延びる複数の櫛歯部材36が歯先へ向かって徐々に下方傾斜するとともに、第2のベルトコンベア12のY1側の側壁37と同一方向(X1方向)に同一角度(約30°)で上り傾斜した部材で、櫛歯型篩35の歯先と、第2のベルトコンベア12のY1側の側壁37の上縁との間には、小型ゴミおよびシート片を通過させる歯先隙間dが形成されている。各スリットSの幅と、歯先隙間dの高さとは、それぞれ25mmである。各櫛歯部材36の基端部は、X1−X2方向に長い連結部材35aにより連結されている。
第2のベルトコンベア12の上流部のY2側には、各スリットSおよび歯先隙間dを通過した小型ゴミおよびシート片を回収するための角型のゴミ回収塔14が立設されている。このゴミ回収塔14の上壁の中央部には、軽い小型ゴミやシート片を、バキューム装置の負圧力で吸引することで排出する吸引筒38が立設されている。また、ゴミ回収塔14の下部内には、比較的重い小型ゴミやシート片を回収するためのゴミ回収ボックス14aが収納されている。ゴミ回収塔14のY1側の側壁には、櫛歯型篩35を上方から被うことで、スリットSや歯先隙間dを素通りした小型ゴミ等の外部飛散を防止する門形の篩用カバー46が連結されている。
アルミ選別機40は、磁石付きの回転ロータを内蔵したヘッドプーリが、X1側の端部に配置された短尺なベルトコンベア49を装置本体としたもので、駆動モータにより回転ロータを、例えば1,500rpmで高速回転させことで、発生した磁界と、この磁界により空アルミ缶に発生した渦電流による磁界とを反発させて、空アルミ缶をX1方向に弾き飛ばすように構成された装置である。
この3段分別装置48は、前記アルミ選別機40と、このアルミ選別機40の排出部の直下に配置されて、空アルミ缶が除去された軽量混合収集廃棄物Bを、複数の回転ロール50が所定ピッチで並列配置されたロールスクリーン45により受け、篩上で空ペットボトルを選別するとともに、篩下に小型ゴミおよびシート片を外部へ落下させるロールスクリーン式篩機44と、傾斜した下壁をロールスクリーン45により構成する略矩形ボックス状の3段分別塔51とを備えている。
ロールスクリーン式篩機44の運転時、駆動モータを駆動することで、チェーンを介して各回転ロール50が回転し、空アルミ缶が除去された軽量混合収集廃棄物Bがロールスクリーン45の上流側に落下し、徐々に下流側に搬送されながら篩分けられる。すなわち、篩目より大きな空ペットボトルは、各回転ディスク52に当接してバウンドしながら下流側に搬送されて外部へ排出される。一方、篩目よりも小さな小型ゴミやシート片は、篩目を通って3段分別塔51の外に排出される。
このうち、空ペットボトルの分別通路56の下側開口は、Y1−Y2方向に長い空ペットボトル排出用ベルトコンベア57の上流部(Y2側の端部)上に配置されている。また、空アルミ缶の分別通路55の下側開口は、Y1−Y2方向に長い空アルミ缶排出用ベルトコンベア41の上流部(Y2側の端部)上に配置されている。空ペットボトル排出用ベルトコンベア57は、ゴミ受けパレット53のX1側に並設され、また空アルミ缶排出用ベルトコンベア41は、空ペットボトル排出用ベルトコンベア57のX1側に並設されている。
空ペットボトル排出用ベルトコンベア57の下流部(Y1側の端部)の直下には、空ペットボトル回収ボックス22が配置され、ここに投下された空ペットボトルは、空ペットボトルプレス機58によってプレスされることとなる。また、空アルミ缶排出用ベルトコンベア41の下流部(Y1側の端部)の直下には、空アルミ缶回収ボックス42が配置され、ここに投下された空アルミ缶は、空アルミ缶プレス機43によってプレスされる。プレス後の空ペットボトル、空アルミ缶(空スチール缶も同じ)は、資源として有効に利用されることとなる。
スーパーなどから回収された缶、ペットボトル、ビン(ビン破片aを含む)、小型ゴミ、シート片等が混在した混合収集廃棄物A入りのビニール袋は、破袋機16に投入することでビニール袋が破袋される。ここで、混合収集廃棄物Aは、廃棄物供給ベルトコンベア17の上流部に落下し、無端ベルトCの周転に伴いその下流部から、第1のベルトコンベア11の上流部に移載される。
その後、混合収集廃棄物Aは、第1のベルトコンベア11の上流部から、それの無端ベルトCの周転に伴いX1方向へ搬送される。その途中、混合収集廃棄物Aが磁力選別機18の直下に達したとき、混合収集廃棄物Aの中からスチール缶のみが磁着により選別されて除去される。除去後、スチール缶は、Y1側に配置された空スチール缶回収ボックス19に回収され、空スチール缶プレス機20によりプレスされて資源として利用される。なお、ペットボトルの混入割合が大きい場合には、空スチール缶回収ボックス19のY1側に配置された手選別用のペットボトル搬送ベルトコンベア21を利用して、空ペットボトルを回収する。
このとき、その重量により吹き飛ばされなかったビン、内容物の含まれた回収容器は、この風力選別機13を通過し、第1のベルトコンベア11のさらに下流へ搬送される。この下流部では、複数の作業者により、手選別でガラス製のビンと、ビン以外のものに分けられて回収される。
また、第1のベルトコンベア11の搬送路に残ったビン破片aは、この風力が作用した際、第2のベルトコンベア12の方へ移動して、下側のストッパ板25の下の隙間を通過後に落下口26に落ち、その後、落下誘導ノズル29からの圧縮空気に導かれながら、シュート28、貫通孔27を順次経て、第1のベルトコンベア11の外へ排出される。これにより、作業者がビン破片aを第1のベルトコンベア11の搬送路から除去する作業を省くことができる。また、作業者の作業中の怪我も防止できる。
また、ストッパ板25を乗り越えた軽量空容器は、落下防止板30によって落下口26への転落が防止される。さらに、各ストッパ板25を乗り越えて連通ダクト31に落下した軽量空容器は、各補助ノズル32からの圧縮空気によりさらにY2方向へ吹き飛ばされ、第2のベルトコンベア12に達する。
また、このように櫛歯型篩35の歯先と、Y2側の側壁37の上縁との間に所定サイズの歯先隙間dを形成したため、風力選別機13の風力の作用により、仮に小型ゴミやシート片が、下方傾斜した各櫛歯部材36に案内され、櫛歯型篩35の歯先と、第2のベルトコンベア12の側壁37の上縁との間に集まっても、この部分に詰まりが発生しにくい。その結果、第2のベルトコンベア12のメンテナンスが容易となる。
一方、空アルミ缶が除去された軽量混合収集廃棄物Bは、アルミ選別機40の排出部の直下に落下し、ロールスクリーン式篩機44の下方傾斜したロールスクリーン45により分別される。すなわち、篩上から空ペットボトルが回収され、その後、空ペットボトル排出用ベルトコンベア57の上流から下流側へ排出されて、排出側には空ペットボトル回収ボックス22に投入され、その後、空ペットボトルプレス機58によりプレスされる。そして、ロールスクリーン45の篩下の小型ゴミおよびシート片が、ゴミ受けペレットに回収される。
また、ロールスクリーン45の下り勾配の傾斜角度θを8°としたため、短い選別時間で、空アルミ缶が除去された軽量混合収集廃棄物Bを、高い精度で空ペットボトルと小型ゴミやシート片とに分別することができる。
また、あらかじめ風力選別機13により軽量空容器が除去されているため、その後の選別対象物が減少(例えば20%までに減少)する。これにより、第1のベルトコンベア11の下流側の端部で行われる空ビンと、内容物を含む回収容器との手選別の作業性を高めることができる。これにより、手選別に従事する人員の削減を図ることができる。
さらに、ここでは、アルミ選別機40と、ロールスクリーン式篩機44とを備えた3段分別装置48を採用したため、軽量空容器と、小型ゴミおよびシート片の回収装置が立体的な層構造となり、混合収集廃棄物の選別処理システム10の省スペース化が図れる。
11 第1のベルトコンベア、
12 第2のベルトコンベア、
13 風力選別機、
25 ストッパ板(ストッパ)、
26 落下口、
35 櫛歯型篩、
36 櫛歯部材、
37 側壁、
40 アルミ選別機、
40a 排出部、
44 ロールスクリーン式篩機、
45 ロールスクリーン、
48 3段分別装置、
50 回転ロール、
A 混合収集廃棄物
B 軽量混合収集廃棄物、
S スリット、
a ビン破片、
c 飛来位置、
d 歯先隙間。
Claims (1)
- 第1のベルトコンベアによって搬送中の缶、ビン、ペットボトルを含む回収容器が混在した混合収集廃棄物を、前記回収容器の種類ごとに選別する混合収集廃棄物の選別処理システムにおいて、
前記第1のベルトコンベアの側方に並列配置された第2のベルトコンベアと、
前記第1のベルトコンベアの途中部に設けられて、搬送中のそれぞれ内容物を含まない前記缶と前記ペットボトルとからなる軽量空容器を、風力により前記第2のベルトコンベアまで吹き飛ばす風力選別機とを備えるとともに、
前記混合収集廃棄物はビン破片を含み、
前記第1のベルトコンベアの途中部のうち、前記第2のベルトコンベア側の側部の上方 には、前記軽量空容器を除いた回収容器が、前記風力選別機の風力の作用によって前記第 2のベルトコンベアに向けて移動するのを阻止するストッパが配置され、
前記第1のベルトコンベアの途中部のうち、前記ストッパより前記第2のベルトコンベ ア側の部分には、前記ストッパの下方の隙間を通過した前記ビン破片の落下口が形成され た混合収集廃棄物の選別処理システム。
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