JP6369692B2 - エンジンの異常燃焼検出装置及びエンジンの制御装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に記載されたプリイグニッション検出装置では、異常振動の発生が検出された時期と点火時期との差が所定値以下となった場合にプリイグニッションが発生したと判定することにより、プリイグニッションを確実に検出可能としている。
また、特許文献2においては、ノッキングが発生し易い低回転高負荷運転領域において、吸気行程中に少量の燃料を噴射し、残りの燃料噴射(主たる燃料噴射)を圧縮工程で行うように制御することにより、圧縮工程の主たる燃料噴射から点火時期までの時間が短いので、プリイグニッションの発生を回避できる可能性が指摘されている。
また、特許文献2に記載された筒内直接噴射式内燃機関では、プリイグニッションの発生を検出又は予測していない場合は吸気行程で燃料噴射を行い、プリイグニッションの発生を検出又は予測したときのみ、燃料噴射時期を圧縮工程に遅角することでプリイグニッションを回避するようにしている。
更に、本発明は、プリイグニッションを確実に抑制・回避することができる、エンジンの制御装置を提供することを目的とする。
このように構成された本発明においては、異常燃焼判定手段は、振動センサにより検出された振動の変位が所定の第1閾値以上、且つ、その振動の検出時期が気筒の点火時期より遅角した時期に設定された所定の基準時期よりも早い場合、混合気が気筒の点火時期より前に自着火するプリイグニッションが発生したと判定し、第1閾値はエンジンの回転数が高くなるほど上昇するように設定されているので、エンジン回転数の変化に応じてプリイグニッションの振動レベルやノッキングの振動レベルが変化した場合でも、プリイグニッションとノッキングとを精度よく区別して検出することができ、ノッキングとは現象が異なるプリイグニッションを抑制・回避するための適切なエンジン制御を行うことができる。
このように構成された本発明においては、ノッキングをプリイグニッションとは区別して検出することができ、プリイグニッションとは現象が異なるノッキングを抑制・回避するための適切なエンジン制御を行うことができる。
このように構成された本発明においては、プリイグニッションにより生じる振動の周波数が高くなるほどその振動レベルが小さくなることを反映して第1閾値が設定されているので、プリイグニッションによる振動の周波数が変化した場合でも、プリイグニッションとノッキングとを精度よく区別して検出することができる。
このように構成された本発明においては、異常燃焼判定手段は、振動センサにより検出された振動の変位が所定の第1閾値以上、且つ、その振動の検出時期が気筒の点火時期より遅角した時期に設定された所定の基準時期よりも早い場合、混合気が気筒の点火時期より前に自着火するプリイグニッションが発生したと判定し、第1閾値はエンジンの回転数が高くなるほど上昇するように設定されているので、エンジン回転数の変化に応じてプリイグニッションの振動レベルやノッキングの振動レベルが変化した場合でも、プリイグニッションとノッキングとを精度よく区別して検出することができる。
また、プリイグニッションが発生したと判定された場合、燃料噴射弁の燃料噴射量を増大させることにより、増量された燃料の気化潜熱で燃焼室内の冷却を行うと共に、吸気弁の閉時期を吸気下死点以降に遅角させて有効圧縮比を低下させることにより、圧縮時の燃焼室内の温度を低下させるので、プリイグニッションの発生を効果的に抑制することができる。このとき、吸気弁の閉時期の位相を吸気下死点以降まで遅角させると共に燃料噴射量を増大させることにより、有効圧縮比の低下による発生トルクの減少を、燃料噴射量の増大による発生トルクの増大によって相殺することができ、エンジンが発生させるトルクをほぼ一定に維持することができる。
このように構成された本発明においては、ノッキングをプリイグニッションとは区別して検出することができ、ノッキングを検出した場合には、火花点火時期を遅角させることにより、プリイグニッションとは現象が異なるノッキングを確実に抑制することができる。
また、本発明の第2発明によるエンジンの制御装置によれば、プリイグニッションを確実に抑制・回避することができる。
まず、図1により、本発明の実施形態によるエンジンの異常燃焼検出装置及びエンジンの制御装置が適用されたエンジンの装置構成を説明する。図1は、本発明の実施形態によるエンジンの異常燃焼検出装置及びエンジンの制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。
また、吸気通路10には、ターボ過給機4のコンプレッサ4aを迂回して吸気を流すエアバイパス通路6が設けられている。具体的には、エアバイパス通路6は、一端がコンプレッサ4aの下流側で且つスロットルバルブ11の上流側の吸気通路10に接続され、他端がコンプレッサ4aの上流側の吸気通路10に接続されている。また、このエアバイパス通路6上には、エアバイパス通路6を流れる吸気を制御するエアバイパスバルブ7が設けられている。
また、シリンダヘッド23の下面は、燃焼室16の天井26を形成している。この天井26は、中央部からシリンダヘッド23下端まで延びる2つの対向する傾斜面を有する、いわゆるペントルーフ型となっている。
また、排気通路30には、排気ガスを吸気通路10に還流するEGR(Exhaust Gas Recirculation)通路32が接続されている。このEGR通路32は、一端がタービン4bの上流側の排気通路30に接続され、他端がスロットルバルブ11の下流側の吸気通路10に接続されている。加えて、EGR通路32には、還流させる排気ガスを冷却するEGRクーラ33と、EGR通路32を流れる排気ガスを制御するEGRバルブ34とが設けられている。
更に、排気通路30には、ターボ過給機4のタービン4bを迂回して排気ガスを流すタービンバイパス通路35が設けられている。このタービンバイパス通路35上には、タービンバイパス通路35を流れる排気ガスを制御するウエストゲートバルブ(W/Gバルブ)36が設けられている。
ECU44は、これらの検出信号に基づいて種々の演算を行うことによってエンジン20や車両の状態を判定し、これに応じてインジェクタ28、点火回路40、バルブ駆動機構41、燃料供給システム42等へ制御信号を出力する。こうしてECU44は、エンジン20を運転する。詳細は後述するが、ECU44は、本発明におけるエンジン20の制御装置に相当し、燃料噴射弁制御手段、異常燃焼判定手段、閾値設定手段、及び点火時期制御手段として機能する。
次に、図2及び図3を参照して、本発明の実施形態によるエンジン20のピストン14、インジェクタ28及び点火プラグ39の詳細構造を説明する。図2は、本発明の実施形態によるエンジン20のインジェクタ28及び点火プラグ39の詳細構造を示す斜視図である。また、図3は、本発明の実施形態によるエンジン20のピストン14を示す図であり、図3(a)はピストン14の平面図、図3(b)は図3(a)におけるA−A矢視図である。
さらに、ピストン冠面50のインジェクタ28側の端部には、ピストン14と吸気バルブ25との接触を回避するように窪んだ吸気バルブリセス58が形成され、反インジェクタ側斜面54には、ピストン14と排気バルブ27との接触を回避するように窪んだ排気バルブリセス60が形成されている。
次に、図4及び図5を参照して、プリイグニッションとノッキングの区別について説明する。図4は、プリイグニッション及びノッキングにより発生したエンジン20の振動の振動レベル及び振動検出時期をプロットした散布図であり、図5は、本発明の実施形態によるエンジン20の制御装置がプリイグニッションの発生を判定する際に使用する閾値を示す線図である。
図4において、縦軸は各周波数の振動について振動センサ74が最大変位を検出したときの出力値(無次元)を示し、横軸は振動センサ74が最大変位を検出した時の圧縮上死点後のクランク角(deg ATDC)を示す。また、図4において、筒内圧の変化から明確にプリイグニッションと特定された場合の最大変位をひし形で示し、筒内圧の変化から明確にノッキングと特定された場合の最大変位を正方形で示し、プリイグニッションとノッキングとの中間の場合の最大変位を三角形で示す。
即ち、図4の例では、振動センサ74によって検出された振動の最大変位が10以上かつその検出時期が30(deg ATDC)未満である場合、その振動はノッキングではなくプリイグニッションにより発生したものと判定することができる。
次に、図6を参照して、本発明の実施形態によるエンジン20の制御装置による燃料噴射タイミングの制御を説明する。
図6は、本発明の実施形態によるエンジン20の制御装置による燃料噴射タイミングを示すタイムチャートであり、図6における横軸は圧縮上死点前のクランク角(deg BTDC)を示す。また、燃料噴射時期を示すバーの上の数字は、1サイクルにおける全燃料噴射量を10とした場合における各燃料噴射時期の燃料噴射量を表している。
具体的には、燃料の噴射を2回に分割する場合には、気筒21の吸気行程前半、より詳細には300(deg BTDC)付近に設定された吸気行程前半噴射時期と、気筒21の圧縮工程中、より詳細には120(deg BTDC)付近に設定された圧縮工程噴射時期との2つの時期に分割して、インジェクタ28から燃料を噴射させる。特に、吸気工程前半噴射時期は、インジェクタ28から気筒21内のタンブル流の渦中心に向かって燃料を噴射させる時期、より具体的には、インジェクタ28により所定の拡がり角βで噴射される燃料の噴射範囲を延長した領域が、燃焼室16の中心軸線上において、ピストン冠面50の反インジェクタ側斜面54を含む平面よりも上方に位置する時期に設定されている。
各噴射時期における燃料噴射量の比率は、1サイクルにおける全燃料噴射量を10とした場合、吸気行程前半噴射時期:圧縮工程噴射時期=6:4である。
また、燃料の噴射を3回に分割する場合には、気筒21の吸気行程前半、より詳細には300(deg BTDC)付近に設定された吸気行程前半噴射時期と、気筒21の吸気行程後半、より詳細には260(deg BTDC)付近に設定された吸気行程後半噴射時期と、気筒21の圧縮工程中、より詳細には120(deg BTDC)付近に設定された圧縮工程噴射時期との3つの時期に分割して、インジェクタ28から燃料を噴射させる。
各噴射時期における燃料噴射量の比率は、1サイクルにおける全燃料噴射量を10とした場合、吸気行程前半噴射時期:吸気行程後半噴射時期:圧縮工程噴射時期=4:3:3である。
なお、1サイクルにおける全燃料噴射量は、例えば、混合気が全体として理論空燃比よりも薄いリーン状態となるように設定されるが、必ずしもリーン状態ではなくてもよい。
即ち、エンジン20の運転状態がプリイグニッションの発生し難い運転状態である場合には、吸気行程噴射時期に燃料を一括噴射して、燃料の気化を促進すると共に燃料を燃焼室16内に均等に分布させることにより、エミッション性能の向上を図っている。
次に、図7乃至図11を参照して、本発明の第1実施形態によるエンジン20の制御装置により実行されるプリイグニッションの抑制・検出・回避制御を説明する。図7は、本発明の第1実施形態によるエンジン20の制御装置により実行されるプリイグニッションの抑制・検出・回避制御のフローチャートである。図7に示す処理は、ECU44によって、車両の運転時に所定の周期で繰り返し実行される。
また、図8乃至図10は、本発明の実施形態によるエンジン20の運転状態が相対的に高負荷側且つ低回転側の領域内である場合におけるサージタンク内の状態を示す断面図であり、図8は吸気行程前半に燃料が噴射されたときのサージタンク内の状態、図9は吸気行程後半に燃料が噴射されたときのサージタンク内の状態、図10は圧縮工程に燃料が噴射された後のサージタンク内の状態を、それぞれ示す。
また、図11は、本発明の実施形態による制御装置による燃料噴射量及び吸気弁の閉時期の制御タイミングを示すタイムチャートであり、(a)はプリイグニッションの検出値(「1」が検出)、(b)は吸気バルブ25の閉時期(deg BTDC)、(c)は燃料噴射量の調整率、(d)はエンジン20の発生トルク(Nm)を、それぞれ表している。
具体的には、ECU44は、図5に例示したようなマップを参照し、ステップS1で取得したエンジン回転数に対応する第1閾値を設定する。
また、ECU44は、ノッキングが発生したことを判定するための振動の変位の閾値(第2閾値)も設定する。この第2閾値は、第1閾値よりも小さい値に設定される。
その結果、エンジン20の運転状態が相対的に高負荷側且つ低回転側の領域内である場合、ステップS4に進み、ECU44は、気筒21の吸気行程前半に設定された吸気行程前半噴射時期を含む複数の燃料噴射時期を設定する。
一方、ECU44は、ステップS1で取得したエンジン回転数やエンジン冷却水の温度等に基づき、1サイクルにおける燃料の噴射を3回に分割するとインジェクタ28の動作に必要な噴射間隔を確保できないと判断した場合には、図6に示したように、気筒21の吸気行程前半、より詳細には300(deg BTDC)付近に設定された吸気行程前半噴射時期と、気筒21の圧縮工程中、より詳細には120(deg BTDC)付近に設定された圧縮工程噴射時期との2つの時期を燃料噴射時期として設定する。
図8乃至図10は、本発明の実施形態によるエンジン20の運転状態が相対的に高負荷側且つ低回転側の領域内であるときのサージタンク内の状態を示す断面図であり、図8は吸気行程前半噴射時期に燃料が噴射されたときのサージタンク内の状態、図9は吸気行程後半噴射時期に燃料が噴射されたときのサージタンク内の状態、図10は圧縮工程噴射時期に燃料が噴射されたときのサージタンク内の状態を、それぞれ示す。
この場合、インジェクタ28から噴射された燃料の噴射方向の貫徹力は、燃料の噴射方向に直交する方向に流れるタンブル流Tの運動エネルギーによって低減されるので、燃料はタンブル流Tを貫徹せず、燃焼室16の壁面への燃料付着が低減される。
したがって、ECU44がインジェクタ28及び燃料供給システム42を制御して、圧縮工程後半噴射時期に燃料をインジェクタ28から噴射させると、インジェクタ28から噴射された燃料は、ピストン冠面50の反インジェクタ側斜面54に沿ってインジェクタ28側へ斜め上方に流れるタンブル流Tの下部よりも上方において、タンブル流Tの渦中心に向かって噴射されることになる。
この場合、インジェクタ28から噴射された燃料の噴射方向の貫徹力は、燃料の噴射方向に直交する方向に流れるタンブル流Tの運動エネルギーによって低減されるので、燃料はタンブル流Tを貫徹せず、燃焼室16の壁面への燃料付着が低減される。
即ち、燃料噴射時期を、吸気行程前半噴射時期、吸気行程後半噴射時期、及び圧縮工程噴射時期の3つの時期に分割することにより、一括噴射と比較して各噴射時期の燃料噴射量を抑制して燃料の噴射方向の貫徹力を低減し、ピストン冠面50や燃焼室16の壁面への燃料付着を低減している。また、燃料噴射時期を上記の3つの時期に分割することにより、ピストン冠面50や燃焼室16の壁面への燃料付着を低減可能なタイミングで燃料を噴射することが可能となっている。特に、吸気行程前半噴射時期の燃料噴射においては、タンブル流Tの渦中心に向かって燃料を噴射することにより、インジェクタ28から噴射された燃料の噴射方向の貫徹力をタンブル流Tの運動エネルギーによって低減し、燃焼室16の壁面への燃料付着を効果的に低減している。また、圧縮工程で燃料噴射を行うことで、燃料の気化潜熱により燃焼室16内の冷却を行い、プリイグニッションが発生しにくい状態にしている。
また、ステップS7において吸気バルブ25の閉時期の位相を吸気下死点以降まで遅角させることにより有効圧縮比が低下するが、ステップS8において燃料噴射量を増大させることにより、図11(d)に示すように、エンジン20が発生させるトルクはほぼ一定に維持される。
ステップS11においてノッキングが発生していないと判定した場合、又は、ステップS12の後、ECU44は処理を終了する。
なお、この図12の制御におけるステップS21、S22、S25乃至S30の各処理は、図7を参照して説明した制御におけるステップS1、S2、S7乃至S12の各処理と同様であるので、説明を省略する。
例えば、ECU44は、ステップS21で取得したエンジン回転数やエンジン冷却水の温度等に基づき、1サイクルにおける燃料の噴射を3回に分割したとしてもインジェクタ28の動作に必要な噴射間隔を確保できると判断した場合には、図6に示したように、気筒21の吸気行程前半、より詳細には300(deg BTDC)付近に設定された吸気行程前半噴射時期と、気筒21の吸気行程後半、より詳細には260(deg BTDC)付近に設定された吸気行程後半噴射時期と、気筒21の圧縮工程中、より詳細には120(deg BTDC)付近に設定された圧縮工程噴射時期との3つの時期を燃料噴射時期として設定する。
一方、ECU44は、ステップS21で取得したエンジン回転数やエンジン冷却水の温度等に基づき、1サイクルにおける燃料の噴射を3回に分割するとインジェクタ28の動作に必要な噴射間隔を確保できないと判断した場合には、図6に示したように、気筒21の吸気行程前半、より詳細には300(deg BTDC)付近に設定された吸気行程前半噴射時期と、気筒21の圧縮工程中、より詳細には120(deg BTDC)付近に設定された圧縮工程噴射時期との2つの時期を燃料噴射時期として設定する。
まず、上述した実施形態では、シリンダヘッド23には、気筒21毎に、各々独立した2つの吸気ポート18及び2つの排気ポート19が形成されていると説明したが、これとは異なる数の吸気ポート18及び排気ポート19が形成されていてもよい。
このように構成された本発明においては、ノッキングをプリイグニッションとは区別して検出することができ、プリイグニッションとは現象が異なるノッキングを抑制・回避するための適切なエンジン制御を行うことができる。
このように構成された本発明においては、プリイグニッションにより生じる振動の周波数が高くなるほどその振動レベルが小さくなることを反映して第1閾値が設定されているので、プリイグニッションによる振動の周波数が変化した場合でも、プリイグニッションとノッキングとを精度よく区別して検出することができる。
10 吸気通路
11 スロットルバルブ
12 クランクシャフト
14 ピストン
16 燃焼室
18 吸気ポート
19 排気ポート
20 エンジン
21 気筒
22 シリンダブロック
23 シリンダヘッド
25 吸気バルブ
26 天井
27 排気バルブ
28 インジェクタ
30 排気通路
39 点火プラグ
40 点火回路
41 バルブ駆動機構
42 燃料供給システム
44 ECU
50 ピストン冠面
52 インジェクタ側斜面
54 反インジェクタ側斜面
70 クランク角センサ
72 水温センサ
74 振動センサ
100 エンジンシステム
T タンブル流
Claims (4)
- 気筒内の混合気を火花点火することによる正常の燃焼開始時期とは異なる時期に混合気が自着火する異常燃焼を検出するエンジンの異常燃焼検出装置であって、
上記エンジンの振動を検出する振動センサと、
上記振動センサにより検出された振動の変位が所定の第1閾値以上、且つ、その振動の検出時期が上記気筒の点火時期よりも遅角した時期に設定された所定の基準時期よりも早い場合、混合気が上記気筒の点火時期より前に自着火するプリイグニッションが発生したと判定し、上記検出された振動の変位が上記第1閾値よりも小さい所定の第2閾値以上上記第1閾値未満である場合、または上記検出された振動の変位が上記第1閾値以上且つその振動の検出時期が上記基準時期よりも遅い場合、ノッキングが発生したと判定する異常燃焼判定手段と、
上記エンジンの回転数が高くなるほど上記第1閾値を上昇させる閾値設定手段と、を有することを特徴とするエンジンの異常燃焼検出装置。 - 上記閾値設定手段は、上記エンジンの振動の周波数が高くなるほど上記第1閾値を低下させる請求項1に記載のエンジンの異常燃焼検出装置。
- 気筒内の混合気を火花点火することによる正常の燃焼開始時期とは異なる時期に混合気が自着火する異常燃焼の検出に応じてエンジンを制御するエンジンの制御装置であって、 上記燃焼室に燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、
上記燃料噴射弁を制御する燃料噴射弁制御手段と、
上記エンジンの吸気弁のバルブタイミングを変化させる可変バルブタイミング機構と、 上記エンジンの振動を検出する振動センサと、
上記振動センサにより検出された振動の変位が所定の第1閾値以上、且つ、その振動の検出時期が上記気筒の点火時期よりも遅角した時期に設定された所定の基準時期よりも早い場合、混合気が上記気筒の点火時期より前に自着火するプリイグニッションが発生したと判定し、上記検出された振動の変位が上記第1閾値よりも小さい所定の第2閾値以上上記第1閾値未満である場合、または上記検出された振動の変位が上記第1閾値以上且つその振動の検出時期が上記基準時期よりも遅い場合、ノッキングが発生したと判定する異常燃焼判定手段と、
上記エンジンの回転数が高くなるほど上記第1閾値を上昇させる閾値設定手段と、を有し、
上記異常燃焼判定手段によりプリイグニッションが発生したと判定された場合、上記燃料噴射弁制御手段は、上記燃料噴射弁の燃料噴射量を増大させ、上記可変バルブタイミング機構は、上記吸気弁の閉時期を吸気下死点以降に遅角させることを特徴とするエンジンの制御装置。 - 上記気筒内の混合気の火花点火時期を制御する点火時期制御手段を有し、
上記異常燃焼判定手段によりノッキングが発生したと判定された場合、上記点火時期制御手段は、上記火花点火時期を遅角させる請求項3に記載のエンジンの制御装置。
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