JP6369273B2 - 印刷制御サーバーおよび印刷制御方法 - Google Patents

Description

本発明は印刷制御サーバーおよび印刷制御方法に関する。

従来、プリンターに割り当てられた電子メールアドレスに電子メールを送信することによってプリンターに印刷を実行させる技術が知られている。特許文献１には、ユーザーから送信された電子メールに対応する印刷データを生成し、生成した印刷データをプリンターに送信することによって、プリンターに印刷を実行させる印刷制御サーバーが開示されている。

特開２０１２−１５０７５２号公報

しかしながら、特許文献１に記載された印刷制御サーバーでは、多数の電子メールを受信すると、電子メールを受信してから印刷データをプリンターに送信するまでの所要時間が長くなる。その結果、ユーザーが電子メールを送信してから印刷が開始されるまでの所要時間が長くなるという問題が生ずる。
本発明は、電子メールの送信から印刷開始までの所要時間を必要に応じて短縮できる印刷制御サーバーを提供することを目的の１つとする。

上記目的を達成するための印刷制御サーバーは、電子メールアドレスを優先順位と対応付けて登録して管理するアドレス管理部と、電子メールを受信する受信部と、登録された前記電子メールアドレスを含む前記電子メールに基づく印刷ジョブデータを登録して管理するジョブ管理部と、前記印刷ジョブデータを取得して印刷データに変換する変換部と、前記電子メールに対応するプリンターに、当該電子メールに基づく前記印刷データを送信することによって当該プリンターに印刷を実行させる送信部と、を備え、前記変換部は、前記優先順位が相対的に高い電子メールアドレスを含む前記電子メールに基づく前記印刷ジョブデータを、前記優先順位が相対的に低い前記電子メールアドレスを含む前記電子メールに対応する前記印刷ジョブデータよりも先に取得して前記印刷データに変換する。

ここで優先順位は２以上あればよい。すなわち多数の電子メールアドレスに１位または２位のいずれかの優先順位を対応付けてもよいし、１位から任意の順位までのいずれかの優先順位を対応付けても良い。また印刷ジョブデータを印刷データに変換する順序は、印刷ジョブデータに対応する電子メールアドレスの優先順位に応じて、複数の印刷ジョブデータの少なくとも一部についての変換順序が、対応する電子メールの受信順序から入れ替わればよい。すなわち、印刷ジョブデータを印刷データに変換する順序は、印刷ジョブデータに対応する優先順位によってのみ決まらなくともよく、例えば電子メールの受信順序と電子メールアドレスに対応付けられた優先順位とに応じて決まっても良い。本発明によると、電子メールアドレスを優先順位と対応付けて登録でき、対応する優先順位が相対的に高い電子メールに基づく印刷データが優先的に生成されるため、電子メールの送信から印刷開始までの所要時間を必要に応じて短縮することができる。

なお、請求項に記載された各手段の機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら各手段の機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。さらに、本発明は、印刷制御方法、印刷システムまたは印刷制御プログラム、もしくは印刷制御プログラムの記録媒体としても成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体であってもよい。

本発明の実施形態にかかるブロック図。 本発明の実施形態にかかるデータ構造図。 本発明の実施形態にかかる画面構成図。 本発明の実施形態にかかるフローチャート。

以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。尚、各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。

１．印刷制御サーバーの概要
本発明の一実施例としての印刷制御サーバー１を図１に示す。印刷制御サーバー１には、印刷制御サーバー１から印刷データを受信し、受信した印刷データに基づく印刷を実行する複数のプリンター２０１〜２０５に対応する電子メールアドレスが登録される。プリンターに対応する電子メールアドレスは、プリンターとの接続情報と有料または無料のサービス種別と対応付けて印刷制御サーバー１に登録される。サービス種別は優先順位に相当し、有料サービスは無料サービスよりも優先順位が高く設定されている。印刷制御サーバー１は、予め登録された電子メールアドレスを宛先に含む電子メールを任意の通信端末１０１〜１０５から受信すると、電子メールに基づく印刷ジョブデータを登録する。印刷制御サーバー１は、受信した電子メールに対応するプリンターで印刷することが可能な印刷データに印刷ジョブデータを変換し、変換した印刷データをプリンターに送信することによって、プリンターに印刷を実行させる。印刷ジョブデータを印刷データに変換する順序は、対応する電子メールの受信順序と、対応するサービス種別とによって決められる。すなわち、有料サービスと対応付けて登録された電子メールアドレスを宛先に含む電子メールに基づく印刷ジョブデータは、無料サービスと対応付けて登録された電子メールアドレスを宛先に含む電子メールに基づく印刷ジョブデータよりも、先に印刷データに変換される。印刷制御サーバー１は、変換された印刷データを、変換順に、対応するプリンターに送信する。従ってユーザーは、有料サービスと対応付けて印刷制御サーバー１にプリンターを登録することによって、電子メールの送信から印刷が開始されるまでの所要時間を短縮することができる。

２．印刷制御サーバーの構成
図１に示すように、印刷制御サーバー１は、受信部１０、アドレス管理部１１、ジョブ管理部１２、第一変換部１３、第二変換部１４および送信部１５を備えるコンピューターシステムである。受信部１０、アドレス管理部１１、ジョブ管理部１２、第一変換部１３、第二変換部１４および送信部１５の機能は、図示しないプロセッサがプログラムを外部記憶装置から主記憶装置にロードして実行することによって実現される。

受信部１０は、メールサーバーとして機能する。具体的には例えばＳＭＴＰ（Simple Mail Transfer Protocol）に準拠した電子メールを送受信し、自身に割り当てられているドメインを宛先に含む電子メールを保存する。ここで宛先には、「ｔｏ」、「ｃｃ」を含むが、「ｂｃｃ」を含まない。ただし、「ｂｃｃ」を宛先として扱っても良い。

アドレス管理部１１は、図２に示すように、プリンターに対応付けられた電子メールアドレスとサービス種別とプリンターに固有の識別子とを対応付けて記憶する。電子メールアドレスは、印刷制御サーバー１に固有のドメイン（eprint.com）と、登録時に付与されるプリンター毎にユニークなローカル部（「aaa」など）とを含む。サービス種別は「有料」または「無料」のいずれかをユーザーが選択して登録する。識別子は印刷制御サーバー１が通信する相手側のプリンターと接続するために必要な接続情報を直接又は間接的に特定できれば良く、例えば、ＸＭＰＰ（Extensible Messaging and Presence Protocol）のＩＤ、ＭＡＣアドレス、ＩＰアドレス等の特定の通信プロトコルに準拠するアドレスをそのまま用いても良いし、これらとは別に印刷制御サーバー１が印刷システム内部でユニークに付与する独自の文字列を用いても良いし、印刷制御サーバー１の内部でユニークな範囲でユーザーが指定する文字列を用いても良い。本実施例では、プリンターの機種名と製造番号の組み合わせを識別子として用い、ＸＭＰＰのＩＤとパスワードを別途識別子に対応付けて印刷制御サーバー１が記憶するものとする。

図３は、ユーザーが印刷制御サーバー１にプリンターを登録するために用いられる画面の構成を示している。図３に示す画面は、アドレス管理部１１が生成するウェブページによって構成される。すなわち、印刷制御サーバー１は、プリンターを登録しようとするユーザーの通信端末とＨＴＴＰで通信することにより、登録に必要な情報を取得する。「新規登録」の文字列にはプリンター所有者の氏名、電話番号、電子メールアドレス、プリンター機種名、サービス種別、製造番号、支払い情報（クレジット番号等）を入力するためのウェブページへのリンクが埋め込まれている。図３に示す画面は、これらの情報が入力された後に、プリンター所有者が登録内容を確認したり変更するためのウェブページとして構成されている。画面に表示されるプリンター所有者１１１、機種名１１２、プリンターメールアドレス（プリンターに対応する電子メールアドレス）１１３、サービス種別１１４、製造番号１１５は、クリックすることにより編集可能な状態になる。例えば、サービス種別１１４がクリックされると、ドロップダウンリスト１１４ａが表示され、サービス種別として有料または無料のいずれかを選択可能になる。有料サービスは、無料サービスに比べて印刷ジョブデータを印刷データに変換する優先順位が高い。

ジョブ管理部１２は、受信部１０が受信した電子メールを受信順に取得する。ジョブ管理部１２は、取得した電子メールを解析することによって、印刷対象となるコンテンツと、対応するサービス種別と、コンテンツを印刷させるプリンターの識別子とを特定し、電子メールのコンテンツを、サービス種別と、プリンターの識別子と対応付けて電子メールの受信順に登録して管理する。具体的には、ジョブ管理部１２は、受信部１０が電子メールを受信する毎に、受信した電子メールの宛先に含まれる電子メールアドレスを取得し、取得した電子メールアドレスに対応するサービス種別と識別子とをアドレス管理部１１から取得する。さらにジョブ管理部１２は、電子メールの本文または添付ファイルをコンテンツとして取得し、取得したコンテンツをサービス種別とプリンターの識別子と対応付けて、印刷ジョブデータとしてキュー１２ａに蓄積する。図１に例示した「メール（ｎ）」は受信部１０が受信した電子メールを意味し、「ジョブ（ｎ）」は印刷ジョブデータを意味し、「ｎ」は電子メールの受信順序を意味している。

第一変換部１３および第二変換部１４は、ジョブ管理部１２から印刷対象のコンテンツを取得して印刷データに変換する。この印刷データは、印刷ジョブデータに対応するプリンターが印刷対象として処理できる形式のデータであればよい。例えば第一変換部１３および第二変換部１４は、印刷ジョブデータのコンテンツに対してラスタライズと色変換処理を施すことによって印刷ジョブデータを印刷データに変換する。第一変換部１３および第二変換部１４は、互いに独立したハードウェアによって構成されており、同時に異なる２つのコンテンツを印刷データに変換することができる。具体的には、第一変換部１３および第二変換部１４は、ジョブ管理部１２を構成するコンピューターと通信可能に接続された互いに異なる２つのコンピューターによって構成される。第一変換部１３は、「有料」、「無料」のいずれのサービス種別に対応付けられているかに関わらず最も早くにキュー１２ａに蓄積されたコンテンツを取得して印刷データに変換する。第二変換部１４は「有料」のサービス種別に対応付けられたコンテンツのうち最も早くにキュー１２ａに蓄積されたコンテンツを取得して印刷データに変換する。第一変換部１３および第二変換部１４がジョブ管理部１２から印刷対象のコンテンツを取得する順序については後に詳述する。

送信部１５は、第一変換部１３および第二変換部１４が印刷データを生成すると、第一変換部１３および第二変換部１４から印刷データを取得し、リアルタイム通信プロトコルであるＸＭＰＰとＨＴＴＰとを組み合わせて各プリンターと通信する。送信部１５は、プリンターとの通信にあたり、ジョブ管理部１２がコンテンツに対応付けた識別子に基づいて接続情報を取得する。送信部１５は、ジョブ管理部１２によって特定されたプリンターと通信することにより、当該プリンターに印刷データを送信する。その結果、印刷制御サーバー１が受信した特定の電子メールの添付ファイル又は本文が、当該電子メールの送信者が宛先の電子メールアドレスで指定したプリンターによって印刷される。

３．印刷制御サーバーの作動
次に印刷ジョブデータを印刷データに変換する処理順序について図４を参照しながら説明する。図４に示す処理はジョブ管理部１２のキュー１２ａに印刷ジョブデータが蓄積されている場合に、印刷ジョブデータ毎に繰り返して実行される。

はじめにジョブ管理部１２は、第一変換部１３、第二変換部１４の両方が変換処理の実行中であるか否かを判定する（Ｓ１）。具体的には、第１変換部１３、第２変換部１４のそれぞれは待機状態になると、ジョブ管理部１２に待機中のステータスになった旨の通知を送信する。ジョブ管理部１２は、第一変換部１３または第二変換部１４から受信した待機通知に基づいて第一変換部１３、第二変換部１４の両方が変換処理の実行中であるか否かを判定する。第一変換部１３、第二変換部１４の両方が変換処理の実行中である場合、第一変換部１３、第二変換部１４の少なくともいずれかのステータスが待機中になるまで待機する。

第一変換部１３、第二変換部１４の少なくともいずれかのステータスが待機中であると判定すると、ジョブ管理部１２は、有料サービスに対応付けられた印刷ジョブデータがキュー１２ａに蓄積されているか否かを判定する（Ｓ２）。
有料サービスに対応付けられた印刷ジョブデータがキュー１２ａに蓄積されている場合、ジョブ管理部１２は、第一変換部１３がビジーであるか否かを判定する（Ｓ３）。

有料サービスに対応付けられた印刷ジョブデータがキュー１２ａに蓄積されていない場合、すなわちキュー１２ａに蓄積された印刷ジョブデータが全て無料サービスに対応付けられている場合と、キュー１２ａに有料サービスに対応付けられている印刷ジョブデータと無料サービスに対応付けられている印刷ジョブデータの両方が蓄積されており、かつ、第一変換部１３がビジーで無い場合、ジョブ管理部１２は第一変換部１３に印刷ジョブデータを印刷データに変換させる（Ｓ４）。そしてジョブ管理部１２は印刷データに変換された印刷ジョブデータをキュー１２ａから削除する。具体的には、有料サービスに対応付けられた印刷ジョブデータがキュー１２ａに蓄積されていない場合（キュー１２ａに蓄積されている印刷ジョブデータが全て無料サービスに対応付けられている場合）、キュー１２ａに蓄積されている無料サービスに対応付けられた印刷ジョブデータのうち、最初に蓄積された印刷ジョブデータが第一変換部１３によって印刷データに変換される。また無料サービスに対応付けられた印刷ジョブデータと有料サービスに対応付けられた印刷ジョブデータの両方がキュー１２ａに蓄積されており、第一変換部１３がビジーである場合も、キュー１２ａに蓄積されている有料サービスに対応付けられた印刷ジョブデータのうち、最初に蓄積された印刷ジョブデータが第一変換部１３によって印刷データに変換される。

有料サービスに対応付けられた印刷ジョブデータがキュー１２ａに蓄積されており、第一変換部１３がビジーである場合、ジョブ管理部１２は、有料サービスに対応付けてキュー１２ａに蓄積されている印刷ジョブデータのうち最初に蓄積された印刷ジョブデータを第二変換部１４に引き渡し、有料サービスに対応付けられた印刷ジョブデータを第二変換部１４が印刷データに変換する。ジョブ管理部１２は印刷データに変換された印刷ジョブデータをキュー１２ａから削除する。

印刷ジョブデータが印刷データに変換されると、送信部１６は対応するプリンターに印刷データを送信する（Ｓ６）。具体的には、送信部１６は、変換された順に印刷データを第一変換部１３または第二変換部１４から取得する。続いて送信部１６は、印刷データに対応付けられたプリンターの識別子に基づいて、印刷データの送信先となるプリンターと通信するためのＸＭＰＰのＩＤとパスワードを特定する。続いて送信部１６は、印刷データに対応付けられたプリンターとの通信を確立して印刷データを送信する。その結果、電子メールの宛先に設定された電子メールアドレスと対応するプリンターによって、電子メールの本文又は添付ファイルが印刷される。

以上説明した実施例によると、有料サービスに対応付けられた印刷ジョブデータがキュー１２ａに蓄積されている場合、当該有料サービスに対応付けられた印刷ジョブデータに対応する電子メールよりも先に印刷制御サーバー１が受信した電子メールに基づき無料サービスに対応する印刷ジョブデータがキュー１２ａに蓄積されていても、第一変換部１３または第二変換部１４によって当該有料サービスに対応付けられた印刷ジョブデータが優先して印刷データに変換される。このため、有料サービスに対応付けて登録されているプリンターは、無料サービスに対応付けて登録されているプリンターよりも、ユーザーが電子メールを送信してから印刷を開始するまでの時間が短くなる。すなわち、ユーザーは必要に応じて有料サービスを選択してプリンターを印刷制御サーバー１に登録することにより、電子メールを送信してから印刷を開始するまでの時間を短縮することができる。

４．他の実施形態
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば上記実施例では、受信部が受信した電子メールをジョブ管理部が受信順に取得したが、受信部が受信した電子メールのうち優先順位が相対的に高い電子メールアドレスを含む電子メールを、優先順位が相対的に低い電子メールアドレスを含む電子メールよりも、先にジョブ管理部が取得してもよい。

また上記実施例では、キュー１２ａに有料サービスに対応付けられている印刷ジョブデータと無料サービスに対応付けられている印刷ジョブデータの両方が蓄積されており、かつ、第一変換部１３がビジーで無い場合、ジョブ管理部１２は第一変換部１３に印刷ジョブデータを印刷データに変換させたが、キュー１２ａに有料サービスに対応付けられている印刷ジョブデータと無料サービスに対応付けられている印刷ジョブデータの両方が蓄積されており、かつ、第二変換部１４がビジーで無い場合、ジョブ管理部１２は第二変換部１４に有料サービスに対応する印刷ジョブデータを印刷データに変換させてもよい。
また上記実施例では、ジョブ管理部１２が印刷ジョブデータを特定して第一変換部１３または第二変換部１４のいずれかに引き渡したが、第一変換部１３は、待機中になる度に、対応するサービス種別にかかわらずキュー１２ａに蓄積された順に印刷ジョブデータを取得して印刷データに変換し、第二変換部１４は、待機中になる度に、有料サービスに対応する印刷ジョブデータをキュー１２ａへの蓄積順に取得して印刷データに変換しても良い。
また優先順位の高い印刷ジョブデータだけを印刷データに変換する第二変換部の処理能力を第一変換部よりも高めておいてもよい。第一変換部よりも第二変換部の処理能力を高める方法としては、第一変換部として機能させるプロセッサには、第二変換部として機能させるプロセッサよりも処理速度が速いプロセッサを採用したり、第二変換部として用いるコンピューターの数を第二変換部として用いるコンピューターよりも増やしたりする方法がある。

また無料サービスに対応する印刷ジョブデータだけを第一変換部で印刷データに変換し、有料サービスに対応する印刷ジョブデータだけを第二変換部で印刷データに変換してもよい。有料サービスの設定料金にもよるが、有料サービスに対応するプリンターの数は無料サービスに対応するプリンターの数よりも少ないことが想定される。このため、無料サービスに対応する印刷ジョブデータだけを第一変換部で印刷データに変換し、有料サービスに対応する印刷ジョブデータだけを第二変換部で印刷データに変換する場合、それぞれの変換部が対応する印刷ジョブデータを蓄積順に印刷データに変換することで、有料サービスに対応付けて後で蓄積された印刷ジョブデータが、無料サービスに対応付けて先に蓄積された印刷ジョブデータよりも、先に印刷データに変換される可能性は高い。一方、この場合、有料サービスに対応付けて先に蓄積された印刷ジョブデータが、無料サービスに対応付けて後に蓄積された印刷ジョブデータよりも、後に印刷データに変換される可能性は低い。また、第一変換部よりも第二変換部の処理能力が高い場合には、有料サービスに対応付けて後で蓄積された印刷ジョブデータが、無料サービスに対応付けて先に蓄積された印刷ジョブデータよりも、先に印刷データに変換される可能性はさらに高くなる。

すなわち、印刷ジョブデータを変換する処理順序を、印刷ジョブデータに対応付けられた優先順位に基づいて入れ替える処理をジョブ管理部が実施しない場合であっても、優先順位が相対的に高い電子メールアドレスを含む電子メールに対応する印刷ジョブデータを、優先順位が相対的に低い電子メールアドレスを含む電子メールに対応する印刷ジョブデータよりも先に印刷データに変換することは可能である。

また電子メールアドレスに優先順位が予め決められた複数のサービスのいずれかを対応付けずに、サービス種別とは無関係に、それぞれの電子メールアドレスに対して予め直接優先順位を登録しておいても良い。また優先順位は３つ以上あってもよいし、優先順位の数に応じて変換部の数を増やしても良い。

また上記実施例では、プリンター毎に電子メールアドレスが登録され、プリンター毎に複数のサービスのいずれかを対応付けるため、プリンター毎に優先順位が登録されることになるが、複数のプリンターに対応する電子メールアドレス毎に優先順位を登録しても良い。例えば、複数のプリンターに対応する電子メールアドレスを宛先に設定して電子メールを送信していずれか１つのプリンターだけに印刷を実行させることも可能である。この場合、電子メールの本文に印刷を実行させるプリンターを指定する情報を含めるなど、複数のプリンターから１つのプリンターを特定するための情報が電子メールアドレス以外に必要になる。

また電子メールの送信元になる電子メールアドレスに優先順位を登録しておき、送信元の電子メールアドレスに対応する優先順位が相対的に高い場合には、送信元の電子メールアドレスに対応する優先順位が相対的に低い場合よりも先に、対応する印刷ジョブデータが印刷データに変換されるようにしても良い。この場合、優先順位が高い電子メールアドレスから電子メールを送信するユーザーは、他のユーザーに比べて早く、任意のプリンターに印刷を実行させることができる。さらに、電子メールの送信元になる電子メールアドレスと、プリンターに対応する電子メールアドレス（宛先になる電子メールアドレス）の両方について、優先順位を登録しておき、それぞれの優先順位の組み合わせに基づいて、印刷ジョブデータを印刷データに変換する処理順序を制御しても良い。

また電子メールアドレスに対応付けられた優先順位以外にも、印刷ジョブデータを印刷データに変換する処理順序が入れ替わる要素を追加しても良い。例えば、予め決められた優先チケットが電子メールアドレスに添付されている場合には、印刷データに変換する優先順位を１つ以上高めても良い。例えば、印刷データに変換する優先順位をあらかじめ４つ決めておき、有料サービスを２位、無料サービスを４位と定義しておく。そして、有料サービスに対応する電子メールに優先チケットが添付されている場合には、印刷データに変換する優先順位を１位に繰り上げ、無料サービスに対応する電子メールに優先チケットが添付されている場合には、優先順位を３位に繰り上げる。優先チケットは、優先チケットが添付された電子メールを受信した印刷制御サーバーが、当該電子メールに対応する印刷ジョブデータの印刷データへの変換処理を繰り上げて実行すべきことを判定できる情報であれば良く、例えば予め決められた文字列が記載されたテキストファイルやその文字列データを暗号化した暗号化ファイルを優先チケットとしてもよいし、予め決められた文字列が電子メールに記載されている場合に、その文字列を優先チケットとしても良い。このような優先チケットは、ウェブサイトや電子メールなどを用いてユーザーに配信することができる。

また例えば印刷制御サーバーを１つのコンピューターで構成しても良いし、３つ以上のコンピューターで構成しても良い。例えば、受信部１０、アドレス管理部１１、ジョブ管理部１２、第一変換部１３、第二変換部１４、送信部１５をそれぞれ異なるコンピューターで構成して相互に接続しても良いし、１つのコンピューターで構成しても良い。

１０１、１０２、１０３、１０４、１０５…通信端末、２０１、２０２、２０３、２０４、２０５…プリンター、１…印刷制御サーバー、１０…受信部、１１…アドレス管理部、１２…ジョブ管理部、１２ａ…キュー、１３…第一変換部、１４…第二変換部、１５…送信部、１６…送信部、１１１…プリンター所有者、１１２…機種名、１１３…プリンターメールアドレス、１１４…サービス種別、１１４ａ…ドロップダウンリスト

Claims (7)

1. 電子メールアドレスを優先順位と対応付けて登録して管理するアドレス管理部と、
   電子メールを受信する受信部と、
   登録された前記電子メールアドレスを含む前記電子メールに基づく印刷ジョブデータを登録して管理するジョブ管理部と、
   前記印刷ジョブデータを取得して印刷データに変換する変換部と、
   登録された前記電子メールアドレスを含む前記電子メールに対応するプリンターに、当該電子メールに基づく前記印刷データを送信することによって当該プリンターに印刷を実行させる送信部と、
   を備え、
   前記変換部は、前記印刷ジョブデータを前記ジョブ管理部から登録順に取得して前記印刷データに変換する第一変換部と、優先順位が予め決められた複数のサービスのうち優先順位が相対的に高いサービスに対応する電子メールアドレスを含む前記電子メールに基づく前記印刷ジョブデータのみを登録順に前記ジョブ管理部から取得して前記印刷データに変換する第二変換部と、を含む、印刷制御サーバー。
2. 前記アドレス管理部は、前記優先順位が予め決められた複数のサービスのいずれかに電子メールアドレスを対応付けて登録して管理する、
   請求項１に記載の印刷制御サーバー。
3. 前記アドレス管理部は、プリンター毎に前記複数のサービスのいずれかを対応付けて管理する、
   請求項２に記載の印刷制御サーバー。
4. 前記変換部は、予め決められた優先チケットを含む電子メールに対応する前記印刷ジョブデータを、前記優先チケットを含まない電子メールに対応する前記印刷ジョブデータよりも先に前記印刷データに変換する、
   請求項１から３のいずれか一項に記載の印刷制御サーバー。
5. 前記変換部は、前記優先順位が相対的に高い電子メールアドレスを宛先に含む前記電子メールに基づく前記印刷ジョブデータを、前記優先順位が相対的に低い電子メールアドレスを宛先に含む電子メールに対応する前記印刷ジョブデータよりも先に前記印刷データに変換する、
   請求項１から４のいずれか一項に記載の印刷制御サーバー。
6. 前記変換部は、前記優先順位が相対的に高い電子メールアドレスを送信元に含む前記電子メールに基づく前記印刷ジョブデータを、前記優先順位が相対的に低い電子メールアドレスを送信元に含む電子メールに対応する前記印刷ジョブデータよりも先に前記印刷データに変換する、
   請求項１から５のいずれか一項に記載の印刷制御サーバー。
7. 電子メールアドレスを優先順位と対応付けて登録して管理する処理と、
   電子メールを受信する処理と、
   登録された前記電子メールアドレスを含む前記電子メールに基づく印刷ジョブデータを登録して管理する処理と、
   前記優先順位が相対的に高い電子メールアドレスを含む前記電子メールに基づく前記印刷ジョブデータを、前記優先順位が相対的に低い電子メールアドレスを含む電子メールに対応する前記印刷ジョブデータよりも先に印刷データに変換する処理と、
   前記印刷ジョブデータを登録順に取得して前記印刷データに変換する第一変換処理と、
   優先順位が予め決められた複数のサービスのうち優先順位が相対的に高いサービスに対応する電子メールアドレスを含む前記電子メールに基づく前記印刷ジョブデータのみを登録順に取得して前記印刷データに変換する第二変換処理と、
   前記電子メールに対応するプリンターに、当該電子メールに基づく前記印刷データを送信することによって当該プリンターに印刷を実行させる処理と、を含む印刷制御方法。

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