JP6361238B2 - インプリント用モールドおよびインプリント方法 - Google Patents
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Description
インプリント方法に使用するモールドは、通常、モールド用の基材に電子線感応型のレジストを塗布し、このレジストに電子線描画を行ってレジストパターンを形成し、当該レジストパターンをエッチングマスクとして基材をエッチングして凹凸パターンを形成することにより製造される。しかし、電子線描画を用いる電子線リソグラフィは、高価な描画装置を使用し、描画に長時間を要するため、モールドの製造コストが上昇するという問題があった。また、インプリントにおいて、モールドと転写基板との間に異物が混入すると、両者が大きな損傷を受け、損傷を受けたモールドは再使用が困難となるので、電子線リソグラフィで製造した高価なモールドを損失してしまうという問題があった。
上記のような電子線リソグラフィによるマスターモールドの製造では、予め設計された設計座標に基づいて電子線描画が行われるが、マスターモールドを用いて製造されるレプリカモールドにおけるパターン座標は、インプリント時に発生する誤差要因により、当初の設計座標との間にズレを生じている。また、レプリカモールドを用いてウエハ基板等の転写基板に形成されるパターン構造体におけるパターン座標も、インプリント時に発生する誤差要因により、当初の設計座標との間にズレを生じている。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、モールドと樹脂層との離型時に樹脂層に生じる変形を抑制し、計測マークを高い精度で形成することができるインプリント用のモールドと、このようなモールドを用いたインプリント方法を提供することを目的とする。
本発明の他の態様として、前記計測マーク用構造体の平面視形状は、4回対称形状であるような構成とし、前記ダミーパターン領域の平面視形状は、4回対称形状であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記ダミー凹凸構造の平面視形状は、2回対称形状であるような構成とし、前記計測マーク用構造体の平面視形状は、4回対称形状であり、前記計測マーク用構造体の4回軸と前記ダミー凹凸構造の4回軸とが一致するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記ダミー凹凸構造の平面視形状は、4回対称形状であるような構成とし、前記計測マーク用構造体の平面視形状は、4回対称形状であり、前記計測マーク用構造体の4回軸と前記ダミー凹凸構造の4回軸とが一致するような構成とした。
本発明のインプリント方法は、高精度のパターン構造体を安定して作製することができる。
尚、図面は模式的または概念的なものであり、各部材の寸法、部材間の大きさの比等は、必ずしも現実のものと同一とは限らず、また、同じ部材等を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比が異なって表される場合もある。
図1は、本発明のインプリント用のモールドの一実施形態を説明するための側面図であり、図2は、図1に示されるインプリント用のモールドの部分拡大平面図である。図1および図2において、インプリント用モールド1は基材2と、この基材2の一の面2aに設定された凹凸構造領域Aと非凹凸構造領域Bを備えている。凹凸構造領域Aは、インプリントにより所望のパターン構造体を形成するための凹凸構造(図示せず)を有している。この凹凸構造領域Aには、主パターン領域4と非主パターン領域5が設定されている。主パターン領域4は、形成目標とするパターン構造体を形成するための凹凸構造を備える領域である。図示例では、主パターン領域4は碁盤目形状に設定され、各主パターン領域4の間隙部位に非主パターン領域5が縦横に格子形状に設定されている。尚、図2では、主パターン領域4と非主パターン領域5との境界を鎖線で示している。そして、本実施形態では、凹凸構造領域Aの中で非主パターン領域5に計測領域が設定されている。
図3では、計測領域6の外周を二点鎖線で示している。この計測領域6は、計測マーク用構造体7を有しており、また、所望の距離を隔てて計測マーク用構造体7を囲むようにダミーパターン領域8(図3では斜線を付して示し、ダミーパターン領域8の内周を一点鎖線で示している)が設定されている。そして、計測領域6は、このダミーパターン領域8に、計測マーク用構造体ではないダミー凹凸構造9を有している。尚、モールド1の凹凸構造領域Aに設定する計測領域6の位置は、上記の位置に限定されるものではなく、凹凸構造領域Aに設定されている主パターン領域4と非主パターン領域5の数、大きさや、主パターン領域4に設けられている凹凸構造等を考慮して適宜設定することができる。また、設定する計測領域6の数も、上記と同様に、凹凸構造領域Aに設定されている主パターン領域4と非主パターン領域5の数、大きさや、主パターン領域4に設けられている凹凸構造等を考慮して適宜設定することができる。
所望の距離を隔てて計測マーク用構造体7を囲むように設定されているダミーパターン領域8は、外周形状(二点鎖線で示す)および内周形状(一点鎖線で示す)が正方形状であり、このダミーパターン領域8の平面視形状も、一定角度90°の4回軸aを有する回転対称である。このようなダミーパターン領域8に位置するダミー凹凸構造9は、図示例では、複数のドット形状の凹部あるいは凸部が所定のピッチで配列されたものである。計測マーク用構造体7が4個の長方形状の凹部7aからなる場合、ダミー凹凸構造9は複数のドット形状の凹部からなり、計測マーク用構造体7が4個の長方形状の凸部7aからなる場合、ダミー凹凸構造9は複数のドット形状の凸部からなる。尚、図4では、ダミーパターン領域8に位置するダミー凹凸構造9の一部を抜き出し拡大して示している。
インプリント用モールド1の基材2の材質は、インプリントに使用する被成形樹脂が光硬化性である場合には、これらを硬化させるための照射光が透過可能な材料を用いることができ、例えば、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等のガラス類の他、サファイアや窒化ガリウム、更にはポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、ポリプロピレン等の樹脂、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。また、使用する被成形樹脂が光硬化性ではない場合や、転写基板側から被成形樹脂を硬化させるための光を照射可能である場合には、モールド1は光透過性を具備しなくてもよく、上記の材料以外に、例えば、シリコンやニッケル、チタン、アルミニウム等の金属およびこれらの合金、酸化物、窒化物、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。
モールド1の基材2の厚みは、一の面2aに備える凹凸構造の形状、材質の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定することができる。尚、基材2は、凹凸構造領域Aの表面が、その周囲の非凹凸構造領域Bに対して2段以上の凸構造となっていてもよい。
図5は、計測マーク用構造体7の他の例を示す平面図である。図5に示される計測マーク用構造体7は、平面視形状が十字形状の1個の凹部7b、あるいは、平面視形状が十字形状の1個の凸部7bからなる。このような計測マーク用構造体7の平面視形状は、一定角度90°の4回軸aを有する回転対称である。また、ダミーパターン領域8の内周辺と計測マーク用構造体7との距離L3は、図示のように、十字形状の各端辺から直近のダミーパターン領域8の内周辺までの距離とすることができる。このような十字形状の凹部7b、十字形状の凸部7bの寸法は、上記の図4に示す計測マーク構造体7の寸法に準じて、適宜設定することができる。すなわち、十字形状の凹部7b、十字形状の凸部7bの寸法は、計測マーク用構造体7により形成された計測マークを検出する際に使用する位置検出装置の解像度以上であり、視野に収まる範囲で適宜設定することができ、例えば、幅Wが0.1〜5μm程度であってよい。また、十字形状の凹部7bの深さ、十字形状の凸部7bの高さは、主パターン領域4が備える凹凸構造の凹部の深さ、あるいは、凸部の高さを考慮して適宜設定することができる。
尚、計測マーク用構造体7を構成する凹部あるいは凸部の平面視形状は、長方形状、正方形状に限定されるものではない。
この図8に示される例では、一定角度90°の回転対称であるダミーパターン領域8の平面視形状の4回軸aは、計測マーク用構造体7の一定角度90°の4回軸aと一致しているが、両者が一致しないものであってもよい。両者が一致しない場合、ダミーパターン領域8の内周辺と計測マーク用構造体7との距離L3(図4参照)は一定ではなく、最大値と最小値を有することになる。この距離L3の最小値は、参照する領域を位置検出装置が正確に捉えられる範囲、例えば、2μm以上となるように設定することができる。
また、図9に示される例では、一定角度90°の回転対称であるダミーパターン領域8の平面視形状の4回軸aは、計測マーク用構造体7の一定角度90°の4回軸aと一致しているが、両者が一致しないものであってもよい。両者が一致しない場合、ダミーパターン領域8の内周辺と計測マーク用構造体7との距離L3(図4参照)は一定ではなく、最大値と最小値を有することになる。この距離L3の最小値は、参照する領域を位置検出装置が正確に捉えられる範囲、例えば、2μm以上となるように設定することができる。
尚、ダミー凹凸構造9bは、その長手方向が図9に示される例と直交する方向であってもよい。すなわち、各領域8bにおいて、ダミー凹凸構造9bの長手方向が計測領域6の外周辺(ダミーパターン領域8の外周辺)と平行となる方向を向くものであってもよい。この場合も、ダミー凹凸構造9の平面視形状は、一定角度90°の4回軸aを有する回転対称となる。
この図10に示される例では、一定角度90°の回転対称であるダミーパターン領域8の平面視形状の4回軸aは、計測マーク用構造体7の一定角度90°の4回軸aと一致しているが、両者が一致しないものであってもよい。両者が一致しない場合、ダミーパターン領域8の内周辺と計測マーク用構造体7との距離L3(図4参照)は一定ではなく、最大値と最小値を有することになる。この距離L3の最小値は、参照する領域を位置検出装置が正確に捉えられる範囲、例えば、2μm以上となるように設定することができる。
また、図11に示される例では、一定角度90°の回転対称であるダミーパターン領域8の平面視形状の4回軸aは、計測マーク用構造体7の一定角度90°の4回軸aと一致しているが、両者が一致しないものであってもよい。両者が一致しない場合、ダミーパターン領域8の内周辺と計測マーク用構造体7との距離L3(図4参照)は一定ではなく、最大値と最小値を有することになる。この距離L3の最小値は、参照する領域を位置検出装置が正確に捉えられる範囲、例えば、2μm以上となるように設定することができる。
b1と、内側の領域8a2,8b2に区画されている。尚、領域8aと領域8bとの境界、外側の領域8a1と内側の領域8a2との境界、および、外側の領域8b1と内側の領域8b2との境界は鎖線で示している。そして、ダミー凹凸構造9は、外側の領域8a1に位置し、ライン/スペース形状の凹部あるいは凸部を有するダミー凹凸構造9a1と、内側の領域8a2に位置し、ライン/スペース形状の凹部あるいは凸部を有するダミー凹凸構造9a2と、外側の領域8b1に位置し、ライン/スペース形状の凹部あるいは凸部を有するダミー凹凸構造9b1と、内側の領域8b2に位置し、ライン/スペース形状の凹部あるいは凸部を有するダミー凹凸構造9b2からなる。1組の領域8a(領域8a1と領域8a2)に位置するライン/スペース形状のダミー凹凸構造9a1と9a2の長手方向は同一であり、計測マーク用構造体7の方向を向いている。また、1組の領域8b(領域8b1と領域8b2)に位置するライン/スペース形状のダミー凹凸構造9b1と9b2の長手方向も同一であり、計測マーク用構造体7の方向を向いている。したがって、ダミー凹凸構造9a1,9a2の長手方向とダミー凹凸構造9b1,9b2の長手方向は直交する状態となっている。
このようなダミー凹凸構造9a1,9a2,9b1,9b2からなるダミー凹凸構造9の平面視形状は、一定角度90°の4回軸aを有する回転対称である。尚、図12では、領域8a1と領域8a2に位置するダミー凹凸構造9a1,9a2の一部を抜き出し拡大して示し、また、領域8b1と領域8b2に位置するダミー凹凸構造9b1,9b2の一部を抜き出し拡大して示している。
また、図12に示される例では、一定角度90°の回転対称であるダミーパターン領域8の平面視形状の4回軸aは、計測マーク用構造体7の一定角度90°の4回軸aと一致しているが、両者が一致しないものであってもよい。両者が一致しない場合、ダミーパターン領域8の内周辺と計測マーク用構造体7との距離L3(図4参照)は一定ではなく、最大値と最小値を有することになる。この距離L3の最小値は、参照する領域を位置検出装置が正確に捉えられる範囲、例えば、2μm以上となるように設定することができる。
図12に示される例では、ダミー凹凸構造9の疎密は内側と外側のみであるが、疎密の変化をさらに細かく設定してもよい。
上述のインプリント用のモールドの実施形態は例示であり、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。例えば、非主パターン領域5には、上記の計測領域6の他に、例えば、被成形樹脂とモールドとの引き剥がしを容易なものとし、主パターン領域4に形成されるパターン構造体の変形を抑制するための凹凸構造等が配設される領域が設定されていてもよい。
本発明のインプリント用のモールドにおいて、硬化後の被成形樹脂とモールドとの離型時に計測マークに生じる変形の程度は、ダミーパターン領域に位置するダミー凹凸構造のみならず、広い面積を有する主パターン領域のライン/スペース形状のパターンの向きにも影響を受けるものと考えられる。したがって、モールドの全体的なパターンの向きも考慮して、ダミーパターン領域、および、ダミー凹凸構造の構成を設定することが好ましい。
本発明のインプリント方法は、樹脂供給工程、接触工程、硬化工程、離型工程を有している。そして、離型工程の後に、パターン構造体と共に形成されている計測マークの位置を必要に応じて検出する検出工程を有している。
このような本発明のインプリント方法を、上述の本発明のインプリント用のモールド1を使用した場合を例として、図13A〜図13Dを参照しながら説明する。尚、図13A〜図13Dでは、モールド1が凹凸構造領域Aに具備している凹凸構造(図示では凹部)を便宜的に鎖線で示し、この凹凸構造において、主パターン領域4に位置する凹凸構造と、計測領域6に位置する計測マーク用構造体7の区別はなされていない。
樹脂供給工程では、インプリント用の転写基板21上の所望の領域に、インクジェットヘッド(図示せず)から被成形樹脂の液滴31を吐出して供給する(図13A)。
本発明のインプリント方法に使用する転写基板21は適宜選択することができ、例えば、石英やソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラス、シリコンやガリウム砒素、窒化ガリウム等の半導体、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂基板、金属基板、あるいは、これらの材料の任意の組み合わせからなる複合材料基板であってよい。また、例えば、半導体やディスプレイ等に用いられる微細配線や、フォトニック結晶構造、光導波路、ホログラフィのような光学的構造等の所望のパターン構造物が形成されたものであってもよい。
また、転写基板21上に供給する被成形樹脂の液滴31の個数、隣接する液滴の距離は、個々の液滴の滴下量、必要とされる光硬化性樹脂の総量、基板に対する光硬化性樹脂の濡れ性、後工程である接触工程におけるモールド1と転写基板21との間隙等から適宜設定することができる。
次に、モールド1と転写基板21を近接させて、このモールド1と転写基板21との間に樹脂の液滴31を展開して光硬化性樹脂層32を形成する(図13B)。
図示例では、モールド1の凹凸構造領域Aは、メサ構造である転写基板21の凸構造部位22と対向するように位置している。
次いで、モールド1側から光照射を行い、光硬化性樹脂層32を硬化させて、モールド1の凹凸構造が転写された転写樹脂層35とする(図13C)。この硬化工程では、転写基板21が光透過性の材料からなる場合、転写基板21側から光照射を行ってもよく、また、転写基板21とモールド1の両側から光照射を行ってもよい。
また、被成形樹脂が熱硬化性樹脂である場合には、被成形樹脂層32に対して加熱処理を施すことにより硬化させることができる。
<離型工程>
次に、離型工程にて、転写樹脂層35とモールド1を引き離して、転写樹脂層35であるパターン構造体41を転写基板21上に位置させた状態とする(図13D)。
検出工程では、パターン構造体と共に形成されている計測マークの位置を必要に応じて検出する。
図14は、図4に示される本発明のモールド1を用いて上述のようにインプリントにより、パターン構造体と共に形成された計測マーク47の位置検出を説明する図である。図14は、図4の計測マーク用構造体7の凹部7aあるいは凸部7aにより形成された計測マーク47の凸部47a、あるいは、凹部47aを計測する例を説明するものである。この例では、位置検出装置が矢印Xで示される方向(X方向)から計測マーク47を走査することにより、計測マーク47を構成する平面視形状が長方形状の凸部47a、あるいは、凹部47aにおける端部x1、端部x2、端部x3、端部x4の位置が検出される。また、位置検出装置が矢印Yで示される方向(Y方向)から計測マーク47を走査することにより、計測マーク47を構成する平面視形状が長方形状の凸部47a、あるいは、凹部47aにおける端部y1、端部y2、端部y3、端部y4の位置が検出される。このように検出した、計測マーク47の端部位置から、当該計測マーク47が位置する部位におけるX方向、および、Y方向のパターンの設計座標に対するズレの有無、ズレの大きさを検出することができる。そして、パターンにズレが存在する場合、X方向のズレの大きさ、Y方向のズレの大きさから、当該計測マーク47が位置する部位におけるパターンのズレの大きさ、方向を正確に検出することができ、複数の計測マーク47を測定することにより、モールドを用いて形成したパターン構造体におけるパターンの設計座標に対するズレの大きさ、方向、および、設計座標に対する全体の標準偏差、拡大縮小の程度を正確に検出することができる。
上述のインプリント方法の実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
<モールドの作製>
平板形状の基材として、石英ガラス基板(152mm×152mm、厚み6.35mm)を準備し、この基材の一の面の中央に、25mm×30mmの凹凸構造領域を設定した。
次に、この基材の上記の一の面上にスパッタリング法によりクロム薄膜を成膜した。次いで、このクロム薄膜上に、スピンコート法により、電子線感応ポジ型レジストを塗布した。この塗膜に対して設計座標に基づいて電子線描画を行い、現像して、凹凸構造領域内のハードマスク材料層上に、所望のレジストパターンを形成した。この設計座標では、長方形状の主パターン領域(1530μm×1320μm)が碁盤目形状に設定され、各主パターン領域の間隙部位に非主パターン領域を格子形状に設定した。また、この非主パターン領域の各交差部位に正方形状の計測領域(100μm×100μm)を352箇所設定した(図2参照)。さらに、各計測領域では、中央の正方形状(60μm×60μm)の領域に、平面視形状が長方形状(1μm×8μm)の4個の描画領域が、一辺12μmの正方形の各辺に位置するように設定され、また、この中央の正方形状の領域を除く領域をダミーパターン領域とし、ドット形状(1μm×1μm)の描画領域が1.5μmピッチで設定されたものであった。
次に、上記のように形成したハードマスクを介して基材(石英ガラス)に対しエッチングを実施して、インプリント用のマスターモールドを作製した。
このように作製したマスターモールドの凹凸構造領域では、各計測領域の中央の正方形状(60μm×60μm)の領域に、平面視形状が長方形状(1μm×8μm)の4個の凸部が、一辺12μmの正方形の各辺に位置するように形成されて計測マーク用構造体をなしており、その周囲のダミーパターン領域に、外径が1μmの凸部が1.5μmピッチで形成されたダミー凹凸構造が位置したものであった。そして、計測マーク用構造体およびダミー凹凸構造は、計測領域の中心を一定角度90°の4回軸とする回転対称であった(図4参照)。また、図4に示されている計測領域の外形寸法L1(ダミーパターン領域の外周辺の長さ)は100μm、内周辺の長さL2は60μm、ダミーパターン領域の内周辺と計測マーク用構造体との距離L3は24μmであった。尚、マスターモールドの凹凸構造は、走査型電子顕微鏡で観察し、寸法を計測した。
レプリカモールド用の転写基板として、中央に25mm×30mm、高さ30μmの凸構造部位を有するメサ構造の石英ガラス基板(152mm×152mm、厚み6.35mm)を準備した。この転写基板の凸構造部位に、光硬化性の被成形樹脂の液滴を、インクジェット装置を用いて供給した。
上記のように被成形樹脂を供給した転写基板とマスターモールドを近接させ、マスターモールドと転写基板との間に液滴を展開して、光硬化性樹脂層を形成した。
次いで、インプリント装置の照明光学系から平行光(ピーク波長が365nmの紫外線)をマスターモールド側に1000mJ/cm2の条件で照射した。これにより、マスターモールド側から光照射を行い、光硬化性樹脂層を硬化させて、マスターモールドの凹凸構造が転写された転写樹脂層とした。
次に、転写樹脂層とマスターモールドを引き離して、転写樹脂層であるパターン構造体をレプリカモールド用の転写基板上に位置させた状態とした。
マスターモールドの計測マーク用構造体と、レプリカモールド用の転写基板上に位置するパターン構造体と共に形成されている計測マークについて、各計測領域にて、図14に示すようなX方向、Y方向における端部の位置を検出した。さらに、レプリカモールド用の転写基板上に位置する計測マークについては、各計測領域における計測マークの幅を測定した。そして、レプリカモールド用の転写基板上の計測マークの位置と、マスターモールドの計測マーク用構造体の位置との変位量の差分を、X方向、Y方向についてそれぞれ求め、その標準偏差σを算出した。また、X方向、Y方向における計測マークの幅の標準偏差σを算出した。その結果、下記の表1にも示すように、X方向における計測マーク位置の変位量の3σは3.06nmであり、Y方向における計測マーク位置の変位量の3σは4.17nmであった。また、X方向における計測マークの幅の3σは8.7nmであり、Y方向における計測マークの幅の3σは8.7nmであった。この結果から、計測マークの変形が十分に抑制されていることが確認された。尚、計測マークの端部位置の検出は、ケーエルエー・テンコール社製 IPRO Seriesを用いて行った。
マスターモールドの作製において、各計測領域では、中央の正方形状(40μm×40μm)の領域に、平面視形状が長方形状(1μm×8μm)の4個の描画領域が、一辺12μmの正方形の各辺に位置するように設定し、パターンの存在しない平坦面の面積を実施例と比べて小さくなるようにした。また、この中央の正方形状の領域を除く領域をダミーパターン領域とし、パターン長手方向がY方向(図14参照)となるように配置されるライン/スペース形状(ライン:0.2μm、スペース:0.2μm)の描画領域を設定した。すなわち、ダミーパターン領域は平面視形状が一定角度90°の4回軸とする回転対称であり、ダミー凹凸構造は平面視形状が一定角度180°の2回軸とする回転対称とし、4回軸と2回軸が一致するものとした。このように変更した他は、実施例1と同様に、マスターモールドを作製した。
また、このマスターモールドを使用して、実施例1と同様にして、パターン構造体をレプリカモールド用の転写基板上に形成した。
モールドの作製において、非主パターン領域の各交差部位に正方形状の計測領域(158μm×153μm)を設定し、各計測領域の中央に長方形状(100μm×115μm)の領域を設定し、この中央の長方形状の領域を除く領域をダミーパターン領域とした。また、この長方形状の領域の中心と、計測マーク用構造体の中心とが一致せず、図4に示されているダミーパターン領域の内周辺と計測マーク用構造体との距離L3の最大値が78μm、最小値が25μmとなるようにした。すなわち、図15に示されるように、ダミーパターン領域8は、平面視形状が一定角度90°の4回軸を有する回転対称とはならず、計測マーク用構造体7は、平面視形状が一定角度90°の4回軸aを有する回転対称であるが、その4回軸aは、計測領域の中心cと一致しないようにした。このように変更した他は、実施例1と同様に、モールドを作製した。
また、このモールドを使用して、実施例と同様にして、パターン構造体を転写基板上に形成した。
2…基材
4…主パターン領域
5…非主パターン領域
6…計測領域
7…計測マーク用構造体
8,8a,8b,8a1,8a2,8b1,8b2…ダミーパターン領域
9,9a,9b,9a1,9a2,9b1,9b2…ダミー凹凸構造
A…凹凸構造領域
21…転写基板
31…液滴
32…被成形樹脂層
35…転写樹脂層
47…計測マーク
Claims (8)
- 基材と、
前記基材の一の面に設定された凹凸構造領域と、
前記凹凸構造領域に設定された計測領域と
を有し、
前記計測領域には、計測マーク用構造体と、前記計測マーク用構造体を所望の距離を隔てて囲むように設定されたダミーパターン領域と、前記ダミーパターン領域に位置するダミー凹凸構造とが含まれ、
前記ダミー凹凸構造は、複数のドット形状の凹部あるいは凸部、またはライン/スペース形状の凹部あるいは凸部を有し、
ドット形状の前記凹部あるいは前記凸部、またはライン/スペース形状の前記凹部あるいは前記凸部は、疎密階調をなすように配列されていることを特徴とするインプリント用モールド。 - 前記計測マーク用構造体の平面視形状は、4回対称形状であることを特徴とする請求項1に記載のインプリント用モールド。
- 前記ダミーパターン領域の平面視形状は、4回対称形状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインプリント用モールド。
- 前記ダミー凹凸構造の平面視形状は、2回対称形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインプリント用モールド。
- 前記計測マーク用構造体の平面視形状は、4回対称形状であり、
前記計測マーク用構造体の4回軸と前記ダミー凹凸構造の4回軸とが一致することを特徴とする請求項4に記載のインプリント用モールド。 - 前記ダミー凹凸構造の平面視形状は、4回対称形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインプリント用モールド。
- 前記計測マーク用構造体の平面視形状は、4回対称形状であり、
前記計測マーク用構造体の4回軸と前記ダミー凹凸構造の4回軸とが一致することを特徴とする請求項6に記載のインプリント用モールド。 - 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のインプリント用モールドおよび転写基板の少なくとも一方に被成形樹脂を供給する樹脂供給工程と、
前記インプリント用モールドおよび前記転写基板を近接させて、前記インプリント用モールドおよび前記転写基板の間に前記被成形樹脂を展開させて被成形樹脂層を形成する接触工程と、
前記被成形樹脂層を硬化させて前記凹凸構造が転写された転写樹脂層とする硬化工程と、
前記転写樹脂層および前記インプリント用モールドを引き離して、前記転写樹脂層であるパターン構造体を前記転写基板上に位置させた状態とする離型工程と、
前記離型工程後に、前記パターン構造体と共に形成されている計測マークの位置を必要に応じて検出する検出工程と
を有することを特徴とするインプリント方法。
Priority Applications (5)
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