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JP6359707B1 - 音響装置 - Google Patents

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JP6359707B1 JP2017046482A JP2017046482A JP6359707B1 JP 6359707 B1 JP6359707 B1 JP 6359707B1 JP 2017046482 A JP2017046482 A JP 2017046482A JP 2017046482 A JP2017046482 A JP 2017046482A JP 6359707 B1 JP6359707 B1 JP 6359707B1
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Abstract

【課題】本発明は、各種の楽器が備えている音の発生原理、すなわち各種楽器が備える振動体を振動させることにより音を発生する原理を利用することにより、再生装置から発せられる電子再生音を生演奏の音色に近い自然音に変化させる音響装置の提供を目的とする。【解決手段】本発明に係る音響装置1は、1又は複数の音源と、該音源から放射される音を受けることによって共鳴及び振動する1又は複数の振動体20とから構成され、前記音源がスピーカーユニットを備えた音再生装置であることを特徴とすることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、音響装置に関し、特に生演奏に近い音を再生する音響装置に関する。
従来より、クラシック音楽やジャズ音楽などの音楽を再生する装置として、生演奏を録音したレコード、カセットテープ又はCD等の録音媒体を使用し、レコードプレーヤー、カセットプレーヤー又はCDプレーヤーなどから生成される電気信号をパワーアンプ等を経由してスピーカーシステムにより音波として再生するオーディオ機器等の再生装置が使用されている。
そこで、下記特許文献に示されるように、再生装置から発せられる演奏音をできるだけ生の音色に近付けるべく工夫がなされているが、クラシック音楽やジャズ音楽などの管弦楽に対してトータル的に生演奏に近い音色を発する音響装置は未だに達成し得ていないのが現実である。
特許文献1は、電気楽器用スピーカーエンクロージャに関するものであって、当該電気楽器用スピーカーエンクロージャは、少なくとも一部が響板により覆われている共鳴室を有してなり、スピーカーから発音される音波により前記響板及び共鳴室を共鳴させるようにしてなる構造のものである。
特許文献2は、弦楽器の支持体及び弦楽器の加振装置に関するものであって、当該支持体は、共鳴胴を有する弦楽器を支持するものであって、駆動信号によって振動する加振器を有し、前記支持体に前記弦楽器が支持されたとき、前記弦楽器の前記共鳴胴に前記加振器が当接して前記共鳴胴を加振するように構成されるものであり、当該加振装置は、互いに対向位置にあり主として振動する第1の主振動壁及び第2の主振動壁を備えた共鳴胴を有する弦楽器の前記共鳴胴を加振するものであって、駆動信号によって振動し、前記第1の主振動壁に当接して前記第1の主振動壁を加振する第1の加振器と、駆動信号によって振動し、前記第2の主振動壁に当接して前記第2の主振動壁を加振する第2の加振器と、を有するものである。
特許文献3は、スピーカー楽器に関するものであって、当該スピーカー楽器はヴァイオリンの本体に音響振動発生器を配備し、増幅器を用いて音響振動発生器に録音信号を加えることにより、ヴァイオリンの演奏の録音を出来るだけ元の音に近くなるように再現しようとしたものである。
特許文献4は、箱を共鳴させるスピーカーシステムに関するものであって、当該スピーカーシステムは、弦楽器の材料より製作された箱の前面に接しないようにスピーカーユニットを取り付け、箱を共鳴させることにより楽器の原音に近い響を作る装置である。
特許文献5は、スピーカー装置に関するものであって、当該スピーカー装置はアコースティック楽器のボディと同じ材質及び形状に形成されたエンクロージャ内に、電気信号により動作するスピーカーユニット等の振動発生源を、エンクロージャに対して接触しないようにサウンドボードの裏面に組み込んでなるものである。
特許文献6は、弦楽器を使用したスピーカーによるコンサートシステムに関するものであって、当該コンサートシステムは、バイオリン、ビオラ、チェロ又はコントラバス等の実際の弦楽器の裏板に電気−機械振動変換器を取り付け、その振動を弦楽器の胴部に伝え、音響振動を発するものである。
特許文献7は、情報送信装置、音響通信システムおよび音響透かし重畳方法に関するものであって、当該情報送信装置はオーディオ信号にエンコードされたデジタル情報である情報音声を生成する情報音声生成部と、共鳴部を有する楽器に取り付けられる加振部とを備え、情報音声発生部が発生した情報音声は加振部に供給され、加振部はこの情報音声で楽器の共鳴部または発音部を振動させることにより、情報音声が(楽器の演奏音とともに)放音される構成である。
しかしながら、上記特許文献1に記載のものは、スピーカーから発音される音波を響板及び共鳴室を共鳴させるにすぎないものであり、楽器が本来有している形状や構造を通して楽器の音色に近付けるものではないから、生の音色に近付けることはできない。
上記特許文献2に記載のものは、弦楽器のみについてのものであって管楽器についての記載はなく、弦楽器の共鳴胴を当接させる加振器を別途必要とするものである。
上記特許文献3に記載のものは、弦楽器のみについてのものであって管楽器についての記載はなく、弦楽器に音響振動発生器を配備してヴァイオリン本体をスピーカーとするものである。
上記特許文献4に記載のものは、弦楽器のみについてのものであって管楽器についての記載はなく、しかも弦楽器の材料を使用するのみで弦楽器の形態をなすものではないため、弦楽器による音色には到底及ばないものである。
上記特許文献5に記載のものは、弦楽器のみについてのものであって管楽器についての記載はなく、しかも、スピーカーユニットの前面から出る音はエンクロージャに伝わって振動音となり、スピーカーユニットの後面から出る音はエンクロージャ内で共鳴して共鳴音となるが、この振動音と共鳴音とは周波数において位相差が生じるため、互いに干渉し合って忠実な音が再現されないものである。
上記特許文献6に記載のものは、弦楽器のみについてのものであって管楽器についての記載はなく、また、特別な電気−機械振動変換器を取り付けなければならず、しかも、その効果を発揮するために膨大なコストが必要である。
上記特許文献7に記載のものは、アコースティックな楽器のみについてのものであって管楽器についての記載はなく、また、楽器そのものに加振部を取り付ける構造であり、特別な加振器が必要となる。
実開昭56−120594号公報 特開2016−45316号公報 特開平11−122687号公報 特開2002−10384号公報 特開2002−247676号公報 特開2004−129058号公報 特開2016−114708号公報
楽器の音色は楽器の種類、大きさで変化するようにその楽器を構成する材質の性状で異なる。この法則はスピーカー音にも適用される。
再生装置の性能で差はあるが、音波の出るスピーカーは忠実に電気信号に基づいて音を発しているとしても、楽器の振動とスピーカーの振動は根本的に相違する。楽器の場合は、例えば弦楽器で言えば木質の質量をもった構造体の振動であり、一方、スピーカーから発する音は同一波形の音波としても、それはスピーカーが繊維成形品又は化学合成品を材料として構成した強化厚膜状円錐体を振動させて音を発する。この楽器とスピーカーとの差は、各楽器の種類に応じてそれぞれを構成する材質の性状で音色が変化するのと同様に、同一の周波数の音波であってもその違いは明らかに認められるものである。
楽器から出てくる音と同一波形をしたスピーカーから出てくる音の差は、各種の楽器から出る音の特色の差と全く同一の原理であり、不可避である。
楽器からの音は例えば金管楽器で言えば空気の振動を管に響かせてラッパ状の部分により拡大させて音としている。一方、スピーカーからの再生は同一周波数のものであっても振動音はあくまでスピーカーの構造体からのもので金管楽器が有する金属性の独特な鳴り響きは得られない。これは上記と同様、各種の楽器の種類に応じてそれぞれを構成する材質の性状で音色が変化するのと同様に同一の周波数の音波であっても当然大きな差がある。音の差の本質は再生器の性能以前に、各種の楽器とスピーカーという音波発生器の構造体との材質の性状の差にある。もちろん、各種楽器の形態とスピーカーの形態との違いから生ずる音の差も無視できない。
スピーカーの種類も様々であるが、この種類が異なるスピーカー間の音色の差もあるのは当然であって、この性能の差以上に生の音との差が決定的である。
上記従来の再生装置では、生演奏の音波である物理信号を録音媒体に録音することにより音情報に変化させ、また、この録音媒体に録音された音情報を電気信号に変化させ、さらに電気信号を物理信号としての音波に変化させるために、音色そのものが変化するに加え、上記したようにスピーカーから発せられる音は本質的に自然音でないことにより再生装置から発せられる電子再生音と生演奏の自然音との音色の差が歴然としており、オーケストラ、ブラスバンド又はソロ等の実際の演奏に接して聴感する生演奏の自然音を再生装置では到底再現することができないという問題があった。
そこで、本発明者は、鋭意研究を重ね、上記の現状を打破し、本来、各種の楽器が備えている音の発生原理、すなわち各種楽器が備える振動体を共鳴させて振動させることにより音を発生する原理を利用することにより、再生装置から発せられる電子再生音を生演奏の音色に近い自然音に変化させる音響装置を開発した。
本発明に係る第1の音響装置は、前面側を開口部とし、背面には背面板を配し、背面と前面との間の周面には周面板を配してなり、中間部に空間領域を有する音響ボックスを備え、1又は複数の音源と、該音源から発せられる音を受けることによって振動する1又は複数の振動体とを備え前記振動体の少なくとも1つは楽器の形態をなしていて、当該楽器の形態をなす振動体は、前記音響ボックスの前面開口部において、当該振動体からの音が前記音響ボックスの前面外方に向くように設置され、前記音源は、前記音響ボックス内において、音源から発せられた音を前記楽器の形態をなす振動体がその背後で受け止めるように、前記楽器の形態をなす振動体の背後に配置され、前記音源がスピーカーユニットを備えた音再生装置であることを特徴とする。
上記のように構成したことにより、音再生装置のスピーカーユニットから発せられる電子再生音を振動体が受けることにより振動体が共鳴及び振動し、振動体が有する独特の振動が自然音となるので、電子再生音的な聴感が低減される。
また、上記のように構成したことにより、音再生装置のスピーカーユニットから発せられる電子再生音を楽器の形態をなしている振動体が受けることにより、当該楽器から発せられる音に近似する自然音が発せられる。
さらに、上記のように構成したことにより、音響ボックス前面側に配置された振動体から自然音が発せられることになる。
本発明に係る第2の音響装置は、上記第1の音響装置の構成に加え、前記楽器の形態をなす振動体がチェロの形態をなしていることを特徴とする。
本発明に係る第3の音響装置は、上記第1又は第2の音響装置の構成に加え、上記第1又は第2の音響装置において、前記振動体は、楽器の形態をなす振動体以外に1又は複数の振動体を備え、前記楽器の形態をなす振動体以外の振動体は、その少なくとも1つが、真鍮製の中空パイプ又は真鍮製の薄板片であることを特徴とする。
上記のように構成したことにより、音再生装置のスピーカーユニットから発せられる電子再生音を真鍮製の中空パイプが受けることにより、金管楽器から発せられる音に近似する自然音が発せられる。また、音再生装置のスピーカーユニットから発せられる電子再生音を真鍮製薄板片が受けることにより、金属製の打楽器に近似する自然音が発せられる。
本発明に係る第4の音響装置は、上記第3の音響装置の構成に加え、前記中空パイプは、その先端部が拡径されていることを特徴とする。
本発明に係る第5の音響装置は、上記第1〜第4のいずれかの音響装置の構成に加え、前記音響ボックス内における上記スピーカーユニットは、そのスピーカーユニットにおける音を発する側が振動体に向くように配置してなることを特徴とする。
上記のように構成したことにより、音再生装置のスピーカーユニットから発せられる電子再生音が振動体により共鳴されて変化した自然音が発せられることになる。
本発明に係る第6の音響装置は、上記第1〜第5のいずれかの音響装置の構成に加え、前記音響ボックス前面側は、楽器の形態をなす振動体を取り付けた以外の部分に閉塞部が設けられていることを特徴とする。
上記のように構成したことにより、音響ボックスの前面側の振動体のみから自然音が発せられることになる。
本発明に係る第7の音響装置は、上記第〜第6のいずれかの音響装置の構成に加え、前記音響ボックス内壁面に吸音材が取り付けられていることを特徴とする。
上記のように構成したことにより、音再生装置のスピーカーユニットから発せられる電子再生音を音響ボックスの内壁面が受けても、当該電子再生音が吸音材により吸音されるので、音響ボックス自体から発せられる振動音が低減される。
本発明は、上記のように音響装置を構成したので、従来の現状が打破でき、再生装置から発せられる電子再生音を生演奏の音色に近い自然音に変化させることができた画期的な発明である。
本発明の第1の実施例に係る音響装置の全体斜視図である。 本発明の第1の実施例に係る音響装置において、図1に示す状態から、天板、右側壁板、チェロ及び中空パイプの前面周囲板を取り外した状態を示す一部省略斜視図である。 本発明の第1の実施例に係る音響装置において、図2に示す状態から、左右のチェロ側壁板及びチェロ枠板を取り外した状態を示す一部省略斜視図である。 本発明の第2の実施例に係る音響装置の全体斜視図である。 本発明の第2の実施例に係る音響装置において、図4に示す状態から、天板、右側壁板及びチェロを取り外した状態を示す一部省略斜視図である。 本発明の第2の実施例に係る音響装置において、音再生装置のスピーカーユニットと中空パイプの配置構成を示す斜視図である。 本発明の第3の実施例に係る音響装置の全体斜視図である。 本発明の第2の実施例に示す薄板片の変更例を示す概略斜視図である。
以下に、添付の図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
図1〜図3は本発明の音響装置の第1の実施例を表す。なお、電気配線は図示を省略する。
図中の1は音響装置を示し、10は音響ボックスを示す。当該音響ボックス10は、前面側を開口部11とし、背面に配置された矩形状の背面板12と、背面と前面開口部11との間に周面板として配置された左右両側の矩形状の左側壁板13及び右側壁板14と、背面板12と左側壁板13及び右側壁板14との上面に配置された台形状の天板15と、下面に配置された天板と同一サイズの底板16とから構成され、前面の開口部11に向かって横幅が徐々に拡大する形状となるように形成されている。
もちろん、音響ボックスは背面板と周面板とを半円筒状の形態に形成し、天板及び底板を半円板として構成してもよい。
図1において、音響ボックス10の前面中央に楽器の形態をなす振動体としてのチェロ20が、図2に示すようにチェロ枠板21に支持され、左右両側のチェロ側壁板22,23に囲まれるように立設配置されている。チェロ20の背後には、音源としての音声再生装置の一部をなすメインスピーカーユニット30がやや上向きに傾斜して配置されており、メインスピーカーユニット30から放射された電子再生音をチェロ20が受け止める構成になっている。音源としての音声再生装置は、例えばレコード盤やコンパクトデイスク等の録音媒体とプレーヤー等の変換器とメインアンプやプリアンプなどの増幅調整器とスピーカーユニットから構成される。また、チェロ枠板21はチェロ20から発せられる自然音の集中性を高め、メインスピーカーユニット30からの電子再生音と混ざらないように構成している。また、内部構造が見えないので、外観上優れている。
上記の構成により、メインスピーカーユニット30からの電子再生音中、弦楽器の演奏音はチェロ20に放射されてチェロ20自体が振動すると共に弦楽器の演奏音がチェロ20の胴部空間で共鳴して外部に出ていくので、弦楽器の生の音色に近い音となる。
また、図3に示すように、左側壁板13、背面板12及び右側壁板14に沿って、前面に向かって拡開したコの字状に配置した中空パイプ群40が設けられている。この中空パイプ群40を構成する各中空パイプ41〜45は、いずれも真鍮製であり、前面側の先端部41a〜45a,41b〜45bはラッパ状に拡径された円錐状をなしている。また、各中空パイプ41〜45それぞれについて上下一列にサブスピーカーユニット31〜35が各中空パイプ41〜45に向かって電子再生音を発するように付設されている。サブスピーカーユニット31〜35は、図3においては左側壁板13側に付設した状態を示したものである。なお、図示は省略するが、背面板12側及び右側壁板14側にも、サブスピーカーユニットが同様に付設されている。前記各中空パイプ41〜45における前面側先端部41a〜45a,41b〜45bの口径は、下方に行くにしたがって大きくなっている。また、サブスピーカーユニット31〜35も下方に行くにしたがって径大となるスピーカーが使用されており、各中空パイプ41〜45の上部側は高音域の音に対応し、下部側は低音域の音に対応するように構成されている。なお、中空パイプの本数及びスピーカーユニットの個数は上記に限られるものではなく、適宜変更してもよい。また、効果が若干低減するが、コストダウン及び製造しやすさのために中空パイプの前面側先端部を必ずしもラッパ状に拡径したものを使用しなくてもよい。さらに、効果が若干低減するが、メインスピーカーユニットのみでサブスピーカーユニットを省略してもよい。
また、上記の各中空パイプ41〜45は、それが配置される壁側との間に集音板50が立設されている。当該集音板50には各中空パイプ41〜45の半円部を取り囲む半円状の凹部51〜55が設けられており、凹部51〜55は下に行くほど拡径になっていて高音域及び低音域に対応できるように構成されている。なお、この集音板50は、この形態に限られるものではなく、サブスピーカーユニットからの電子再生音が中空パイプに集中して放射され、各中空パイプ41〜45がより共鳴するように構成すればよい。また、若干効果が低減するが、コストダウン及び製造しやすさのために必ずしも集音板を設けなくてもよい。
上記中空パイプ41〜45の左右の前面側先端部41a〜45a,41b〜45bの周囲には前面周囲板61,62が設けられており、中空パイプ41〜45から発せられる自然音の集中性を高め、各サブスピーカーユニットからの電子再生音と混ざらないように構成している。また、この前面周囲板61,62により内部の構造が隠されるので、優れた外観を呈することになる。
上記の構成により、サブスピーカーユニット31〜35からの電子再生音中、金管楽器の演奏音は真鍮製の中空パイプ41〜45に放射されて中空パイプ41〜45自体が振動すると共に金管楽器の演奏音が中空パイプ41〜45の中空空間内で共鳴し、かつ、ラッパ状の先端部41a〜45a,41b〜45bで金管楽器が有する広がりがある音として外部に出ていくので、金管楽器の生の音色に近い音となる。また、中空パイプに1又は複数の小穴を形成すれば、電子再生音が中空パイプ内を通過し、中空パイプが共鳴し易くなるので、好適である。
また、音響装置1における音響ボックス10の内部内面側にはグラスウール等の吸音材が貼り付けられており、音響ボックス10内での電子再生音や不協音等を吸収するように構成しているので、外部にはノイズがない澄んだ音が放出される。
なお、チェロ枠板21と左右のチェロ側壁板22,23との接合個所の隙間、及び、左右のチェロ側壁板22,23と左右の前面周囲板61,62との接合個所の隙間から漏れ出るメイン及び各サブスピーカーユニットからの電子再生音は、上記した弦楽器及び金管楽器以外の楽器から発せられる音として各振動体から発せられる自然音とミックスされるので、オーケストラやブラスバンドの生演奏を聞いている感じがする。もちろん、音響装置1は、ソロ演奏等の少数種類の楽器演奏の電子再生音に対応できるものである。また、各種の楽器に対応した複数種類の振動体を設けてもよい。
図4〜図6は、本発明の音響装置の第2の実施例を表す。なお、電気配線は図示を省略する。なお、第2の実施例は第1の実施例の内部構造を変更したものであり、同一構造の部分については説明を省略し、第1の実施例の説明及び符号を援用する。
図4に示す音響装置100は、第1の実施例と同様の音響ボックス10を備えており、音響ボックス10の前面中央に楽器の形態をなす振動体としてチェロ20が、図5に示すようにチェロ台座124に支持され、左右両側のチェロ側壁板122,123に囲まれるようにやや傾斜させて立設配置されている。チェロ20の背後には、音源としての音声再生装置の一部をなすスピーカーユニット130が台箱136の上に重ねて配置されており、スピーカーユニット130から放射された電子再生音をチェロ20が受け止める構成になっている。なお、台箱136には音声再生装置を構成するプレーヤー等の変換器やメインアンプやプリアンプなどの増幅調整器の収納箱として使用できる。
上記の構成により、スピーカーユニット130からの電子再生音中、弦楽器の演奏音はチェロ20に放射されてチェロ20自体が振動すると共に弦楽器の演奏音がチェロ20の胴部空間で共鳴して外部に出ていくので、弦楽器の生の音色に近い音となる。
また、図5及び図6に示すように、コの字状に配置した中空パイプ群140が設けられている。中空パイプ群140は、その後部パイプ群がスピーカーユニット130とチェロ20との間に配され、その後部パイプ群の両端から音響ボックス10の前面側に屈曲してなるものであり、前面側の先端部141a〜145a,141b〜145bはラッパ状に拡径された円錐状をなしている。
この中空パイプ群140を構成する各中空パイプ141〜145は、いずれも真鍮製である。前記各中空パイプ141〜145における前面側先端部141a〜145a,141b〜145bの口径は、下方に行くにしたがって大きくなっており、各中空パイプ141〜145の上部側は高音域の音に対応し、下部側は低音域の音に対応するように構成されている。当該先端部141a〜145a及び先端部141b〜145bは、それぞれそれらを一組として取り囲む縦長円形の囲み板146a,146bにより囲われていて、先端部141a〜145a,141b〜145bから発せられる音をまとめるように構成されている。当該中空パイプ群140はチェロ側壁板122,123及び囲み板146a,146bにより支持される。なお、中空パイプの本数は上記に限られるものではなく、適宜変更してもよい。また、効果が若干低減するが、コストダウン及び製造しやすさのために中空パイプの前面側先端部を必ずしもラッパ状に拡径したものを使用しなくてもよい。
上記中空パイプ141〜145の左右の前面側先端部141a〜145a,141b〜145bの周囲には前面周囲板161,162が設けられている。当該前面周囲板161,162には縦長の穴161a,162aが形成されていて、縦長円形の囲み板146a,146bが嵌まり込むようになっており、前記各中空パイプ141〜145における前面側先端部141a〜145a,141b〜145bが露出するように構成されている。
上記の構成により、スピーカーユニット130からの電子再生音中、金管楽器の演奏音は真鍮製の中空パイプ141〜145に放射されて中空パイプ141〜145自体が振動すると共に金管楽器の演奏音が中空パイプ141〜145の中空空間内で共鳴し、かつ、ラッパ状の先端部141a〜145a,141b〜145bで金管楽器が有する広がりがある音として外部に出ていくので、金管楽器の生の音色に近い音となる。また、中空パイプに1又は複数の小穴を形成すれば、電子再生音が中空パイプ内を通過し、中空パイプが共鳴し易くなるので、好適である。
また、本実施例においては、天板15の下面から吊り下げられた薄板片70が設けられており、当該薄板片70は真鍮製で円形の薄板より構成される。真鍮製薄板片70は、スピーカーユニット130から発せられる電子再生音を受けることにより、シンバルのような金属製の打楽器に近似する自然音に変化して発せられる。当該真鍮製薄板片70は、上記の形態のものに限られず、矩形や三角形でもよく、その厚みも適宜調整可能である。
前記真鍮製薄板片70の変更例を図8に示す。図8に示す薄板片70’は、2列の複数の矩形の真鍮製の薄板片71を上下に適宜の間隔をあけて互いに対向するように傾斜させて天板下面から吊り下げる形態のものであり、スピーカーユニットから発せられる電子再生音を真鍮製の薄板片71が受けて金属製の打楽器に近似する自然音が発せられるように構成したものである。なお、薄板片70の大きさや厚みはそれぞれ異なるように構成してもよい。
さらに、本実施例においては、左右両側のチェロ側壁板122,123及び前面周囲板161,162が天板15に達しないように低く形成されており、音響ボックス10の前面の上部が開放されている。この開放個所から前記の金属製の打楽器に近似する自然音が放出されると共にスピーカーユニットからの電子再生音は、上記した弦楽器及び金管楽器以外の楽器から発せられる音として各振動体から発せられる音とミックスされるので、オーケストラやブラスバンドの生演奏を聞いている感じがする。もちろん、音響装置100は、ソロ演奏等の少数種類の楽器演奏の電子再生音に対応できるものである。
また、音響装置100における音響ボックス10の内部内面側にはグラスウール等の吸音材が貼り付けられており、音響ボックス10内での不協音等を吸収するように構成しているので、外部にはノイズがない澄んだ音が放出される。
図7は、本発明の音響装置の第3の実施例を表す。なお、電気配線は図示を省略する。なお、第3の実施例は第1の実施例及び第2の実施例の内部構造を変更したものであり、同一構造の部分については説明を省略し、第1の実施例及び第2の実施例の説明及び符号を援用する。
図7に示す音響装置200は、第1の実施例と同様の音響ボックス10を備えており、音響ボックス10の前面中央に楽器の形態をなす振動体としてチェロ20がチェロ台座124に支持され、左右両側のチェロ側壁板122,123に囲まれるようにやや傾斜させて立設配置されている。チェロ20の背後には、図示を省略するが、第1及び第2の実施例と同様の音源としての音声再生装置の一部をなすスピーカーユニットが配置されており、スピーカーユニットから放射された電子再生音をチェロ20が受け止める構成になっている。
上記の構成により、スピーカーユニットからの電子再生音中、弦楽器の演奏音はチェロ20に放射されてチェロ20自体が振動すると共に弦楽器の演奏音がチェロ20の胴部空間で共鳴して外部に出ていくので、弦楽器の生の音色に近い音となる。
また、図7に示す中空パイプ群240は、スピーカーユニットの上方でチェロ20の背部にチェロ側壁板122,123に支持されて水平方向に配されている。この中空パイプ群140を構成する各中空パイプは口径が異なるものであって、いずれも真鍮製である。なお、中空パイプ群240は、前記のように水平に並列させたものに限るものではなく、天板下面から吊り下げるように構成してもよい。
上記の構成により、スピーカーユニットからの電子再生音中、金管楽器の演奏音は真鍮製の中空パイプ群240に放射されて中空パイプ群240自体が振動すると共に金管楽器の演奏音が中空パイプ群240の中空空間内で共鳴して音として外部に出ていくので、金管楽器の生の音色に近い音となる。また、中空パイプ群240の各中空パイプに1又は複数の小穴を形成すれば、電子再生音が中空パイプ内を通過し、中空パイプが共鳴し易くなるので、好適である。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1,100,200…音響装置
10…音響ボックス
11…開口部
12…背面板
13…左側壁板(周面板)
14…右側壁板(周面板)
15…天板
16…底板
20…チェロ(振動体)
21…チェロ枠板
22,122…左チェロ側壁板
23,123…右チェロ側壁板
124…チェロ台座
30…メインスピーカーユニット(音源としての音声再生装置の一部を構成する)
31〜35…スピーカーユニット(音源としての音声再生装置の一部を構成する)
130…スピーカーユニット(音源としての音声再生装置の一部を構成する)
136…台箱
40,140,240…中空パイプ群
41〜45,141〜145…中空パイプ
41a〜45a,41b〜45b,141a〜145a,141b〜145b…中空パイプのラッパ状の先端部
146a,146b…縦長円形の囲み板
50…集音板
51〜55…集音板の凹部
61,62,161,162…前面周囲板
161a,162a…縦長の穴
70,70’…真鍮製薄板片

Claims (7)

  1. 前面側を開口部とし、背面には背面板を配し、背面と前面との間の周面には周面板を配してなり、中間部に空間領域を有する音響ボックスを備え、
    1又は複数の音源と、該音源から発せられる音を受けることによって振動する1又は複数の振動体とを備え
    前記振動体の少なくとも1つは楽器の形態をなしていて、当該楽器の形態をなす振動体は、前記音響ボックスの前面開口部において、当該振動体からの音が前記音響ボックスの前面外方に向くように設置され、
    前記音源は、前記音響ボックス内において、音源から発せられた音を前記楽器の形態をなす振動体がその背後で受け止めるように、前記楽器の形態をなす振動体の背後に配置され、
    前記音源がスピーカーユニットを備えた音再生装置である
    ことを特徴とする音響装置。
  2. 前記楽器の形態をなす振動体がチェロの形態をなしている
    ことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
  3. 請求項1又は2に記載の音響装置において、
    前記振動体は、楽器の形態をなす振動体以外に1又は複数の振動体を備え、
    前記楽器の形態をなす振動体以外の振動体は、その少なくとも1つが真鍮製の中空パイプ又は真鍮製の薄板片である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の音響装置。
  4. 前記中空パイプは、その先端部が拡径されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の音響装置。
  5. 前記音響ボックス内における上記スピーカーユニットは、そのスピーカーユニットにおける音を発する側が振動体に向くように配置してなる
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の音響装置。
  6. 前記音響ボックス前面側は、楽器の形態をなす振動体を取り付けた以外の部分に閉塞部を設けた
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の音響装置。
  7. 前記音響ボックス内壁面に吸音材が取り付けられている
    ことを特徴とする請求項〜6のいずれ1項に記載の音響装置。
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